事業の概要
- 多角的な事業展開ヤマタネグループは、物流、食品、情報、不動産の4つの事業を柱としています。物流では倉庫保管、港湾運送、貨物利用運送などを手掛け、食品では米穀の卸売や冷凍食品の販売、情報ではシステム開発や保守、不動産ではビル賃貸や売買仲介を行っており、幅広い分野で収益を上げています。
- グループ会社との連携各事業は、子会社との連携によって成り立っています。例えば、物流関連ではヤマタネロジスティクスやヤマタネロジワークスが運送や荷役を担い、食品関連ではショクカイが加工食品の卸売を、情報関連ではヤマタネシステムソリューションズがITサービスを提供しており、グループ全体で事業を推進しています。
- サービス提供の多様性物流事業では、寄託品の保管から入出庫、港湾運送、国内外の貨物利用運送まで一貫したサービスを提供しています。食品事業では、玄米の仕入れから精米加工、大手量販店や外食産業への卸売販売まで手掛けており、顧客の多様なニーズに応えることで収益を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 物流関連事業倉庫業、港湾運送業、貨物利用運送業を主軸とし、寄託品の保管、入出庫、荷役、国内外の運送サービスを提供しています。売上高は249.27億円、営業利益は16.25億円で、グループの主要な収益源の一つであり、大手食品、家電、医療分野の顧客基盤が強みです。
- 食品関連事業米穀の仕入れ、精米加工、大手量販店や外食産業への卸売販売、冷凍食品を中心とした加工食品の卸売販売を行っています。売上高は495.86億円、営業利益は23.51億円と、グループ内で最も大きな売上を誇る事業であり、食の流通を支える重要な役割を担っています。
- 不動産関連事業不動産の売買、仲介、オフィスビル等の賃貸・管理業務を行っています。売上高は46.55億円、営業利益は19.08億円で、売上規模は小さいものの、営業利益率が高く、安定した収益をグループにもたらしています。首都圏を中心に保有するオフィスビルの賃貸が主力です。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| LogisticsRelated | 事業 | 249 | 16 | 6.5% |
| GroceryRelated | 事業 | 496 | 24 | 4.7% |
| InformationRelated | 事業 | 18 | 0 | 2.6% |
| RealEstateRelated | 事業 | 47 | 19 | 41.0% |
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3 【事業の内容】当社グループは、当社及び当社の連結子会社10社、非連結子会社4社で構成され、物流関連、食品関連を中心に情報関連、不動産関連の各事業を営んでおります。当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、次の4部門はセグメントと同一の区分でありますが、全社共通のヤマタネエキスパートは除いております。物流関連 倉庫業………………寄託を受けた物品を倉庫に保管し、その対価として保管料を収受し、倉庫保管に伴い入出庫する貨物の荷役及びこれに付随する業務を行っております。当社は、保管業務及び入出庫業務を、㈱ヤマタネロジワークスに委託しております。 港湾運送業…………国土交通大臣の免許のもと、京浜港及び神戸港において一般港湾運送事業(第1種)を営んでおります。 貨物利用運送業……荷主の依頼に応じて実運送業者の行うサービスを利用して貨物を運送する業務であり、㈱ヤマタネロジスティクスは当社が利用している貨物自動車運送業者(実運送業者)であります。また、海外向運送として外航海運、国際航空の利用運送業者であります。 (関係会社)当社、㈱ヤマタネロジスティクス、㈱シンヨウ・ロジ、㈱ヤマタネロジワークス、 ㈱ヤマタネドキュメントマネジメント及び㈱キョクトウ食品関連改正食糧法に基づき、農林水産大臣への「米穀の出荷又は販売の事業」届出業者として、全国の主要産地から玄米を仕入れ、玄米販売及び精米加工して大手量販店、外食産業、コメ小売店等に卸売販売を行っております。また、冷凍食品を中心とした加工食品卸売販売や米穀・穀物の食品小売販売を行っております。 (関係会社)当社及び㈱ショクカイ、㈱農産ベストパートナー及び㈱しん力情報関連コンピュータ・システムに関する、導入・開発・保守・運用のトータルサービスの提供、情報処理に関するソフトウェア、ハードウェアの研究・開発並びに販売及び棚卸サービスの提供・仲介・管理を行っております。 (関係会社)㈱ヤマタネシステムソリューションズ不動産関連不動産の売買、仲介、ビル等の賃貸、管理を行う業務を行っております。 (関係会社)当社 事業の系統図は次のとおりであります。 (注)上記以外に非連結子会社4社があります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 競合との価格競争リスク、エネルギー価格や外注コスト高騰による価格転嫁の必要性があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 港湾運送業は国土交通大臣の免許が必要。食品関連事業は改正食糧法に基づく届出業者である。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:事業ごとの経営成績の変動リスク / 情報セキュリティリスク / 自然災害・感染症リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
ヤマタネは卸売業であり、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに依存するビジネスモデルではない。一般的な卸売業としての機能が中心であり、無形資産による競争優位性は限定的と判断される。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
物流・倉庫サービスは、顧客との長年の取引や特定のシステム連携により、一定のスイッチングコストが発生する可能性がある。しかし、競合他社も同様のサービスを提供しており、顧客が乗り換える際の損失が極めて大きいとは言えないため、スコアは低い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ヤマタネの事業は、顧客の増加がサービスの価値を直接的に向上させるネットワーク効果を生み出す構造ではない。個々の顧客との取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスのような相互依存関係は存在しない。
コスト優位★★☆☆☆
物流・倉庫業においては、規模の経済や効率的なオペレーションによるコスト優位性が競争力の源泉となりうる。ヤマタネが長年培ってきたノウハウや、特定の地域・インフラにおける効率的な運営が、ある程度のコスト競争力をもたらしている可能性はあるが、圧倒的な優位性とは言えない。
規模の経済★★★☆☆
ヤマタネは物流・倉庫業界において一定の規模と実績を持つ企業であり、特に首都圏を中心とした保管・配送ネットワークを有している。これにより、効率的なオペレーションとサービス提供が可能となり、業界内での一定の地位を確立している。しかし、業界全体で見ると寡占度はそれほど高くない。
- 長年の実績と信頼ヤマタネグループは、物流や食品といった社会インフラを支える事業を長年にわたり展開しており、顧客からの信頼と実績を積み重ねています。特に物流事業では、大手食品、家電、医療分野といった生活必需品を扱う顧客基盤が強みであり、安定的な事業運営に貢献しています。
- 多角的な事業ポートフォリオ物流、食品、情報、不動産という異なる特性を持つ事業を組み合わせることで、特定の市場変動リスクを分散し、安定した収益基盤を構築しています。例えば、不動産事業は首都圏のオフィスビル賃貸を主力とし、安定的な賃料収入が期待できます。
- 品質管理とリスクマネジメント体制食品事業では「CS向上委員会」を設置し、品質管理を徹底することで製品の安全性と信頼性を確保しています。また、全社的なリスクマネジメント委員会を設置し、各事業のリスクを継続的に評価・対策することで、事業継続性を高める努力をしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- パーパス経営の推進企業理念「信は万事の本を為す」に基づき、「多様な人財が集い、社会に貢献する力を生み出す」というパーパス(存在意義)を掲げています。これにより、社員のチャレンジ精神を醸成し、中長期的な企業価値向上を目指しています。
- サステナビリティ経営の強化環境(GHG排出量削減、エネルギー使用量削減)、社会(製品・サービスの品質向上、人財の多様性と活躍促進、地域コミュニティ貢献、持続可能なコメの調達)、ガバナンス(コーポレート・ガバナンスの深化)に関するマテリアリティ(重要課題)を特定し、2030年目標を設定して持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
- カンパニー制への移行と成長戦略2025年4月よりカンパニー制に移行し、事業ポートフォリオ管理の高度化と意思決定スピードの向上を図ります。新中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」では、「物流と食の流通を通じ、より豊かな社会づくりにチャレンジしていく」というビジョンを掲げ、部門別収益管理の高度化、事業シナジー創出、資本収益性改善、DX推進などを通じて、次の100年に向けた成長基盤を構築することを目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。(1) 経営基本方針当社グループは、『信は万事の本を為す』に則り、社業を通じて豊かな社会の実現に貢献することを企業理念としております。この原点であり土台である企業理念のもと、当社グループはコーポレートメッセージとして“「続く」を支える。”を掲げており、これには、いかなる時もすべてのステークホルダーの良きパートナーとして最適な解を提供し、共に持続的な成長を歩み続けるという当社の矜持が込められております。この企業理念とコーポレートメッセージの考え方を基本に、グループすべての役職員が大切にする価値観「Values」として「挑戦を楽しむ」「チームの力を信じる」「“ありがとう”を繋げる」を定め、当社グループのパーパスである「多様な人財が集い、社会に貢献する力を生み出す」を実現し、チャレンジ精神溢れる企業文化を醸成することで、中長期的な企業価値の向上を図ることを、当社グループの経営の基本方針としております。また、当社グループは、この基本方針のもと、持続可能な社会の実現への貢献と企業価値の向上をより確かなものとするため、「サステナビリティ方針」を策定し、4つの取り組むべき行動指針を掲げ、その実効性を高めるため当社グループが取り組むべき「環境」「社会」「ガバナンス」に関するマテリアリティ(重要課題)を特定し、2030年目標としております。 <サステナビリティ方針 行動指針> ① 長期ビジョンを掲げ、その達成のために「環境」「社会」「経済」の持続可能性の側面から課題を抽出し、事業 を通じてその解決に取組みます ② 攻めと守りのガバナンス強化と多様な人財の活躍推進のため組織基盤の整備に取組みます ③ 適正な情報開示を行い、ステークホルダーの皆様と積極的な対話を行います ④ パートナーシップを強固にし、バリューチェーン全体を通して持続可能な社会の実現に取組みます <マテリアリティ 取組み重点テーマ及び2030年目標>≪E:環境≫〇環境に配慮した事業活動の推進・温室効果ガス排出量削減・エネルギー使用量の削減・廃棄物及び有害物質の管理 2030年目標 □GHG排出量削減2013年度対比▲50%以上≪S:社会≫〇製品・サービスの品質向上・安心,安全な商品・サービスの提供・安全衛生の推進 ・個人情報保護及び高度なデータセキュリティ・リスクマネジメント 2030年目標 □重篤な労働災害事故(※1)0件 □ISO9001認証取得 全拠点(営業倉庫/精米工場) □個人情報漏洩事故0件≪S:社会≫〇人財の多様性と活躍の促進・生産性向上による働き方改革 ・人財育成及び教育・女性活躍を含む多様な人財の活躍推進・差別防止及び社会的弱者への配慮 2030年目標 □有給休暇取得率80%以上 □女性管理職比率(※2)20%以上 □キャリア採用者の活躍促進≪S:社会≫〇地域コミュニティ及び生産地と農業の発展・コミュニティへの参画及び発展への寄与 2030年目標 □地域社会の文化活動への貢献 □大規模災害発生時の官民連携を推進 □産地・行政・取引企業とのコンソーシアム構築≪S:社会≫〇持続可能なコメの調達の推進・持続可能な材料調達と効率的な使用 2030年目標 □産地のブランド化による持続的営農の実現≪G:ガバナンス≫〇コーポレート・ガバナンスの深化・経営の健全性の確保、効率化の追求、透明性の向上、 再現性の堅持・リスクマネジメント ・適正な情報開示 2030年目標 □取締役会によるリスクと機会の把握と適切な対処 □重大なコンプライアンス違反0件 ※1 重篤な労働災害事故 ①死亡、長期療養を要する(または可能性のある)疾病、障がいの残る(または可能性のある)怪我、特定伝染病 ②一時に3人以上の労働者が業務上死傷または罹病した災害(不休含む)※2 対象範囲:株式会社ヤマタネ (2) 経営戦略及び業績目標当社グループでは、経済や社会環境の変化やSDGsに対する意識の高まりなど、変貌する外部環境の中でサステナビリティ経営の高度化を目指し、目指すべき企業像を描いた長期ビジョンとして、「ヤマタネ2031ビジョン」を策定しております。「ヤマタネ2031ビジョン」においては、当社グループの企業理念である「信は万事の本を為す」に則り、当社グループのパーパスを見つめ直し、9年間で目指すべきビジョンとして「物流と食の流通を通じ、より豊かな社会づくりにチャレンジしていく」を掲げ、その実現に向けた第2フェーズを投資効果最大化に向けた成長期と位置づけ、実行計画として中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」(2026年3月期~2028年3月期)を推進しております。中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の1年目である当連結会計年度においては、昨今の資本市場より求められている資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、2025年4月より「カンパニー制」へと移行し、部門別収益管理の高度化、更なる事業シナジーの創出、成長投資の活性化、ガバナンス体制の強化等に一段と取り組んでまいりました。新体制下においては意思決定の迅速化による積極的な成長投資の寄与や、グループ内でのシナジー創出、事業環境の変化に応じた適宜適切な価格転嫁等が進展し、着実な成果をあげております。今後も新体制のもと、権限移譲による経営スピードの向上を図るとともに、グループ間連携の強化を一段と加速させ、収益力の更なる向上を目指します。あわせて、政策保有株式の縮減スピードを早めるなど、資本収益性の改善に取り組んでまいります。また、これらの実現を通じた更なる企業価値向上に向けて、取締役及び執行役員がその役割と責務を十分に果たすことを促し、株主の皆様との価値共有を強化することを目的として、新たな役員報酬制度を導入することとし、2026年6月の第127回定時株主総会に、取締役報酬限度額の改定等を付議しております。さらに、事業の成長と資本・ガバナンス戦略の両輪を推進していく中で、当連結会計年度の業績進捗や事業環境の変動を鑑み、投資効果の最大化に向けた更なる成長投資の推進や資本効率の向上を加速させるため、中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の財務目標を見直しました。見直し後の2028年3月期の財務目標は、売上高1,000億円、営業利益47億円、EBITDA92億円、ROE7.5%以上、総還元性向70~80%としております。当社グループは、この新たな目標の達成に向け、持続的な企業価値の向上と豊かな社会づくりに力強くチャレンジしてまいります。 「ヤマタネ2031ビジョン」の概要① パーパス(存在意義) 「多様な人財が集い、社会に貢献する力を生み出す」 ② ビジョン(9年間で目指す姿) 「物流と食の流通を通じ、より豊かな社会づくりにチャレンジしていく」 「ヤマタネ2028プラン」の概要① 基本方針 ・部門別収益管理および部門間シナジー最大化によりグループ全体最適化を進める ・資本収益性改善に取り組むと同時に、実行力の高いガバナンス体制を構築する ・次の100年に向け、社内外のステークホルダーと共に持続的成長の基盤を創る ② 財務目標 2026年3月期ヤマタネ2028プラン(目標見直し後)売上高886億円1,000億円営業利益58.6億円47億円EBITDA103.8億円92億円ROE9.0%7.5%以上配当性向29.4%-総還元性向-70%~80% ③ カンパニー別方針カンパニーテーマ施策物流「食×物流」シナジー創出① 収益力強化② 業界特化型プラットフォーム構築③ コールドチェーン参入検討食品バリューチェーン拡大① 米事業収益改善② 川下戦略(新規顧客開拓)③ 川上参入(生産への進出)情報特化型SI展開① ヤマタネグループDX支援② 機器販売サービス展開③ 地方展開不動産CRE戦略高度化① 保有不動産有効活用② 不動産流動化事業開始③ 新たな分野への取り組み (3) 経営環境及び対処すべき課題今後につきましては、2025年度の実質GDP成長率がプラス1%前後と予測されるなど緩やかな回復基調が見込まれる一方で、米国の通商政策の動向や地政学的な混乱などの下押しリスクが懸念されており、依然として先行き不透明な状況が続くものと予想されます。そのような状況下、ヤマタネグループのValues「挑戦を楽しむ」「チームの力を信じる」「“ありがとう”を繋げる」をすべての業務の中心に据え、パーパス経営を加速します。当連結会計年度にて策定した部門別パーパスの徹底したディスカッションを通じて、日常業務とパーパスを紐づけ、「遣り甲斐」と「誇り」溢れる職場づくりを目指します。社員の活性化を最優先課題とし、企業価値の極大化、社員のエンゲージメント向上、処遇改善、株価向上を目指します。中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の2年目として、人的資本投資や成長投資を積極的に推進し、中期経営計画達成に向けた基盤づくりを推進します。 <対処すべき課題> ① 「パーパス経営の加速」 ② 「企業価値向上に向けて」 ③ 「DX推進」 中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の2年目にあたる2027年3月期の連結業績予想につきましては、売上高は985億60百万円(前期比11.1%増)を予想し、営業利益は41億10百万円(同29.9%減)、経常利益は36億10百万円(同34.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は44億円(同20.0%減)を予想しております。売上高につきましては、食品カンパニーのコメ販売事業において原料調達が前期を上回り販売数量が増加することに加えて、各カンパニーにおいて2025年にグループ入りした連結子会社が通年寄与することから増収を予想しております。営業利益につきましては、不動産カンパニーにおいて、一部物件を流動化し計画的販売に着手しますが、食品カンパニーにおいて、コメ販売事業での需給緩和による差益の圧縮が予想されることに加えて、経営上の最重要資源である人的資本への投資や、DX投資を中心とした将来に向けた基盤整備のための費用の計上等があり、減益を予想しております。経常利益は、金利上昇が見込まれることによる支払利息の増加等により減益を予想しており、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券の縮減を加速させることに加え、前期に計上した特別損失がなくなるものの、前期に計上した受取補償金がなくなることに加え、営業利益及び経常利益の減少により、減益を予想しております。 事業別の経営環境及び対処すべき課題は以下のとおりであります。(物流関連事業)物流業界におきましては、国内貨物輸送では建設関連貨物の低迷が続くものの、個人消費の回復による消費関連貨物の堅調な推移や生産関連貨物の持ち直しが期待され、総輸送量のマイナス幅は改善する見通しです。また、国際貨物輸送におきましても、関税政策や円安是正による輸出への逆風が懸念される一方、生産拠点の国内回帰等による輸入の増加や、AI需要に牽引される航空貨物の好調などにより、総じて持ち直しの動きが見込まれます。このような状況下で、物流カンパニーにおきましては、既存事業領域の収益力強化に向けて、本牧新倉庫を含む既存倉庫の稼働率向上に取り組みます。また、前期に新会社として設立した株式会社ヤマタネドキュメントマネジメント(以下、「ヤマタネドキュメントマネジメント」という。)及び株式会社キョクトウ(以下、「キョクトウ」という。)とのシナジー創出を進め、機密文書保管・電子化事業を拡大します。また、顧客の物流パートナーからSCM(サプライチェーンマネジメント)パートナーになるべく、2024年4月に設立したSCM推進部を中心にあらゆるサービスを提供できる総合物流会社として、効率化や高度化へのサービス拡充提案、実現を進めます。特に、食品カンパニーと協働したコメ及び農産物領域、また、既存提供サービスでノウハウがある介護商材や静脈物流において、物流プラットフォームの構築を加速させます。さらには、人手不足により外注コスト等が上昇する中で、AIによる物流データ活用の高度化を図り、更なる業務の標準化、サービスの効率化を推進するとともに、お客様目線での高品質なサービスを提供し、顧客満足度向上に努め、適正な利潤の確保を図ってまいります。 (食品関連事業)コメ流通業界におきましては、令和7年産と政府備蓄米の流通により不足感は解消し販売価格は下落傾向であるものの、生産及び製造コスト増やインバウンド需要の継続により一定水準の価格推移が見込まれます。食品業界全体におきましても、物流費等を含む食品全体のコスト増が継続する見通しです。消費者の動向としては、節約志向と食の簡便化の二極化がさらに進み、中食需要などが引き続き伸長すると予測されております。需給環境の変化に伴う調達難易度の上昇が継続すると見込まれる中、こうした消費者の動向に的確に対応し、安定供給の確保と適正な価格転嫁を推進していくことが引き続き求められます。このような状況下で、食品カンパニーにおきましては、コメ販売事業では、販売において、安定供給を目的とした計画的な販売に努めるとともに、新規顧客の開拓に注力してまいります。仕入においては「産地の続くを支える」を掲げ、当社の持つ強みである産地との信頼関係を基に事業パートナー企業との協働体制を更に強化し、産地が抱える全ての課題解決を推進し、グループ内生産法人においては儲かる農業モデルの実現を進めます。その上で、産地との関係強化と農業の活性化を図るとともに関連する圃場面積を拡大し、安定した供給体制の構築を推進いたします。加工食品卸売事業では、給食事業得意先の業態変化への対応、デリカ事業の一層の成長とビジネスモデルの確立、商品ブランドの再構築と育成等の戦略を掲げ、事業を推進してまいります。また、物流カンパニーとの協働で直接貿易による仕入体制の確立も進め、仕入コストの削減にも取り組んでまいります。あわせて、中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の事業戦略であるバリューチェーン拡大に向けて、2025年に子会社化した農産ベストパートナーに加え、2026年に子会社化を予定する株式会社アジテック・ファインフーズ(食品製造・販売事業)、株式会社コメプロ(旧:株式会社穂海耕研、農業経営コンサルティング事業)とのシナジー創出を加速させ、収益力のさらなる向上を図ってまいります。 (情報関連事業)情報サービス業界におきましては、DX推進は継続的な経営課題であり、クラウドサービスの更なる拡大、AI活用推進、セキュリティ対策の強化等、大企業を中心に投資が加速すると見込まれます。一方で、需要の増加に伴い、IT人財不足もさらに深刻化すると見込まれます。このような状況下で、情報カンパニーにおきましては、技術者の確保、提携先との更なる関係強化を図り、汎用機基盤の開発や運用業務の拡大を図るとともに、ヤマタネグループ内でのDX支援を通じ、各カンパニーとの連携強化とシステム課題解決ノウハウの積み上げを両輪で進め、新たなサービスの開発に邁進してまいります。あわせて、2025年より取り組んでいる既存顧客への機器販売サービスと地方におけるサービス提供を拡充するなど、収益力強化と顧客開拓を推進してまいります。 (不動産関連事業)不動産業界におきましては、人件費や資材価格の高騰を背景に建築コストの上昇が続いており、新築物件の価格は引き続き高値圏で推移しています。また、金融政策の転換に伴う金利上昇が本格化しており、住宅ローン動向や不動産投資市場への影響をより一層注視する必要があります。賃貸オフィスビル市場におきましては、主要都市での大規模開発による大量供給が続くものの、企業のオフィス回帰や拡張移転の需要は堅調です。しかしながら、最新設備や環境配慮型(ESG)物件にニーズが集中する一方で、築古物件では空室が目立つなど、物件の競争力に応じた二極化が一段と進むと見込まれます。このような状況下で、不動産カンパニーにおきましては、中長期修繕計画に基づき、物件の付加価値や安全性の向上を図るとともに再生可能エネルギーの積極的な活用等、環境に配慮したオフィスビル運営により、既存物件の品質、サービスの高度化を図り、高稼働率を維持してまいります。さらにグループ全体の企業価値の向上を目指し、資産の有効活用、流動化等のCRE戦略の高度化を進めてまいります。また、新たな分野への取り組みとして、2026年2月に公表した「棚田を中心とした持続可能な地域づくりに関する連携協定」に基づき、農地を中心とした地域の文化・資産を保全し、持続可能な地域づくりに取り組みます。また、2026年3月から計画策定パートナーとなった清水建設株式会社とともに越中島開発計画を着実に推進してまいります。 日本の農業は、高齢化による生産者の減少、資材や農機具の高騰、異常気象など様々な課題を抱えています。 当社グループでは、パーパスである「多様な人財が集い、社会に貢献する力を生み出す」のもと、当社グループのリソースやノウハウを活用し、「産地の続くを支える」ために産地側・販売側一体となったバリューチェーンを構築し、農業分野の課題解決に向け取組んでおります。 農業問題への対処すべき課題は以下のとおりであります。(農業問題への取組み)地域の生産者と共に直接農業生産を行うとともに、連携企業を通じた生産現場の課題解決や販売・加工機能の強化、流通基盤の構築により、一貫した新たな農業運営モデルの確立を目指す活動を行っております。●農業生産への直接的な参画・連携・・生産基盤の弱体化と将来の供給不足への取組み <現状>・一次産業従事者の高齢化や担い手不足による急激な減少により耕作放棄地が拡大し、将来的な米の安定 供給が危ぶまれております。当社では中長期的にはこの担い手不足によりコメの需要が供給を恒常的に 上回ることを見込んでおります。⇒各事業との連携・地域の生産者と共に自ら農業生産に参画するとともに、農業生産法人等との連携や出資を通じて関連圃 場面積を拡大(合計約1,650ha)し、将来を見据えた安定供給体制の構築を進めております。あわせて、 大規模かつ複合的な営農モデルを推進し、高収益化を図ることで、産地の継続性担保を目指します。 ●専門企業との連携による生産現場の課題解決・・労働力不足や低生産性、環境負荷への取組み <現状>・一次産業従事者は高齢化や担い手不足といった要因から、大幅な人財不足状態にあり、加えて生産性の 向上が課題となっております。・当社グループが取扱うコメ生産においては利益率が低い状態にあり、気候変動リスクなど生産現場を取 り巻く環境は厳しい状態です。⇒各事業との連携・人材支援企業等を通じた人財派遣による、生産現場における労働力不足を解消する取組み。・コンサルティング企業等を通じた営農・経営支援による、大規模農家の「儲かる農業」への取組み。・食用消費されなかったお米を、独自技術でアップサイクルし、農家所得の向上等に貢献する取組み。・未利用バイオマス活用(籾殻セルロース抽出等)で、生産者の収益改善と環境負荷低減を図る取組み。・稲作における温室効果ガスの削減への取り組み推進により持続的な農業に貢献する取組み。・農業リモートセンシングや、自動で雑草を抑制する農業用ロボットを活用した有機栽培の促進。・脱炭素・低環境負荷米の生産・流通を通じて米の付加価値を創出する取組み。 ●販売・加工機能の強化による確実な販売先の提供・・需要変化やフードロス、低収益性への取組み <現状>・消費者のライフスタイルの変化(簡便化・健康志向)や、深刻化するフードロス問題など、需要側にお いても新たな市場課題が発生しております。これらの需要側の変化に的確に対応できなければ、生産者 の安定的な所得向上は難しくなります。⇒各事業との連携・業務用冷凍食品の卸売販売網の活用を通じた、新たな販売ルートの確保。・EC販売ノウハウを持つ企業等を通じた、グループ全体の販売力強化と新たな販路の開拓・最先端加工技術(ソフトスチーム加工)を持つ企業や健康志向製品を展開する企業等と連携し、規格外 作物の加工によるフードロス削減や高付加価値商品の開発を推進。・海外でおにぎり専門店を展開する企業等と連携し、海外市場の開拓を推進。 ●持続可能な米の流通基盤の構築・・物流停滞リスクと流通コスト上昇への取組み <現状>・ドライバー不足や時間外労働の規制強化により、重量物である米の輸送確保が課題となっております。・エネルギー高騰による物流費上昇が、生産者の収益確保や持続可能な農業体制への重荷です。⇒各事業との連携 ・物流カンパニーと食品カンパニーの連携による、米のサプライチェーン全体の最適化を推進。 ・産地からの調達輸送におけるモーダルシフトや、輸配送スキームの再検討による効率化の推進。 ・データの一元管理やAI導入による調達計画の自動化等、バックオフィス業務の効率化の推進
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。(1) 経営基本方針当社グループは、『信は万事の本を為す』に則り、社業を通じて豊かな社会の実現に貢献することを企業理念としております。この原点であり土台である企業理念のもと、当社グループはコーポレートメッセージとして“「続く」を支える。”を掲げており、これには、いかなる時もすべてのステークホルダーの良きパートナーとして最適な解を提供し、共に持続的な成長を歩み続けるという当社の矜持が込められております。この企業理念とコーポレートメッセージの考え方を基本に、グループすべての役職員が大切にする価値観「Values」として「挑戦を楽しむ」「チームの力を信じる」「“ありがとう”を繋げる」を定め、当社グループのパーパスである「多様な人財が集い、社会に貢献する力を生み出す」を実現し、チャレンジ精神溢れる企業文化を醸成することで、中長期的な企業価値の向上を図ることを、当社グループの経営の基本方針としております。また、当社グループは、この基本方針のもと、持続可能な社会の実現への貢献と企業価値の向上をより確かなものとするため、「サステナビリティ方針」を策定し、4つの取り組むべき行動指針を掲げ、その実効性を高めるため当社グループが取り組むべき「環境」「社会」「ガバナンス」に関するマテリアリティ(重要課題)を特定し、2030年目標としております。 <サステナビリティ方針 行動指針> ① 長期ビジョンを掲げ、その達成のために「環境」「社会」「経済」の持続可能性の側面から課題を抽出し、事業 を通じてその解決に取組みます ② 攻めと守りのガバナンス強化と多様な人財の活躍推進のため組織基盤の整備に取組みます ③ 適正な情報開示を行い、ステークホルダーの皆様と積極的な対話を行います ④ パートナーシップを強固にし、バリューチェーン全体を通して持続可能な社会の実現に取組みます <マテリアリティ 取組み重点テーマ及び2030年目標>≪E:環境≫〇環境に配慮した事業活動の推進・温室効果ガス排出量削減・エネルギー使用量の削減・廃棄物及び有害物質の管理 2030年目標 □GHG排出量削減2013年度対比▲50%以上≪S:社会≫〇製品・サービスの品質向上・安心,安全な商品・サービスの提供・安全衛生の推進 ・個人情報保護及び高度なデータセキュリティ・リスクマネジメント 2030年目標 □重篤な労働災害事故(※1)0件 □ISO9001認証取得 全拠点(営業倉庫/精米工場) □個人情報漏洩事故0件≪S:社会≫〇人財の多様性と活躍の促進・生産性向上による働き方改革 ・人財育成及び教育・女性活躍を含む多様な人財の活躍推進・差別防止及び社会的弱者への配慮 2030年目標 □有給休暇取得率80%以上 □女性管理職比率(※2)20%以上 □キャリア採用者の活躍促進≪S:社会≫〇地域コミュニティ及び生産地と農業の発展・コミュニティへの参画及び発展への寄与 2030年目標 □地域社会の文化活動への貢献 □大規模災害発生時の官民連携を推進 □産地・行政・取引企業とのコンソーシアム構築≪S:社会≫〇持続可能なコメの調達の推進・持続可能な材料調達と効率的な使用 2030年目標 □産地のブランド化による持続的営農の実現≪G:ガバナンス≫〇コーポレート・ガバナンスの深化・経営の健全性の確保、効率化の追求、透明性の向上、 再現性の堅持・リスクマネジメント ・適正な情報開示 2030年目標 □取締役会によるリスクと機会の把握と適切な対処 □重大なコンプライアンス違反0件 ※1 重篤な労働災害事故 ①死亡、長期療養を要する(または可能性のある)疾病、障がいの残る(または可能性のある)怪我、特定伝染病 ②一時に3人以上の労働者が業務上死傷または罹病した災害(不休含む)※2 対象範囲:株式会社ヤマタネ (2) 経営戦略及び業績目標当社グループでは、経済や社会環境の変化やSDGsに対する意識の高まりなど、変貌する外部環境の中でサステナビリティ経営の高度化を目指し、目指すべき企業像を描いた長期ビジョンとして、「ヤマタネ2031ビジョン」を策定しております。「ヤマタネ2031ビジョン」においては、当社グループの企業理念である「信は万事の本を為す」に則り、当社グループのパーパスを見つめ直し、9年間で目指すべきビジョンとして「物流と食の流通を通じ、より豊かな社会づくりにチャレンジしていく」を掲げ、その実現に向けた第2フェーズを投資効果最大化に向けた成長期と位置づけ、実行計画として中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」(2026年3月期~2028年3月期)を推進しております。中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の1年目である当連結会計年度においては、昨今の資本市場より求められている資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、2025年4月より「カンパニー制」へと移行し、部門別収益管理の高度化、更なる事業シナジーの創出、成長投資の活性化、ガバナンス体制の強化等に一段と取り組んでまいりました。新体制下においては意思決定の迅速化による積極的な成長投資の寄与や、グループ内でのシナジー創出、事業環境の変化に応じた適宜適切な価格転嫁等が進展し、着実な成果をあげております。今後も新体制のもと、権限移譲による経営スピードの向上を図るとともに、グループ間連携の強化を一段と加速させ、収益力の更なる向上を目指します。あわせて、政策保有株式の縮減スピードを早めるなど、資本収益性の改善に取り組んでまいります。また、これらの実現を通じた更なる企業価値向上に向けて、取締役及び執行役員がその役割と責務を十分に果たすことを促し、株主の皆様との価値共有を強化することを目的として、新たな役員報酬制度を導入することとし、2026年6月の第127回定時株主総会に、取締役報酬限度額の改定等を付議しております。さらに、事業の成長と資本・ガバナンス戦略の両輪を推進していく中で、当連結会計年度の業績進捗や事業環境の変動を鑑み、投資効果の最大化に向けた更なる成長投資の推進や資本効率の向上を加速させるため、中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の財務目標を見直しました。見直し後の2028年3月期の財務目標は、売上高1,000億円、営業利益47億円、EBITDA92億円、ROE7.5%以上、総還元性向70~80%としております。当社グループは、この新たな目標の達成に向け、持続的な企業価値の向上と豊かな社会づくりに力強くチャレンジしてまいります。 「ヤマタネ2031ビジョン」の概要① パーパス(存在意義) 「多様な人財が集い、社会に貢献する力を生み出す」 ② ビジョン(9年間で目指す姿) 「物流と食の流通を通じ、より豊かな社会づくりにチャレンジしていく」 「ヤマタネ2028プラン」の概要① 基本方針 ・部門別収益管理および部門間シナジー最大化によりグループ全体最適化を進める ・資本収益性改善に取り組むと同時に、実行力の高いガバナンス体制を構築する ・次の100年に向け、社内外のステークホルダーと共に持続的成長の基盤を創る ② 財務目標 2026年3月期ヤマタネ2028プラン(目標見直し後)売上高886億円1,000億円営業利益58.6億円47億円EBITDA103.8億円92億円ROE9.0%7.5%以上配当性向29.4%-総還元性向-70%~80% ③ カンパニー別方針カンパニーテーマ施策物流「食×物流」シナジー創出① 収益力強化② 業界特化型プラットフォーム構築③ コールドチェーン参入検討食品バリューチェーン拡大① 米事業収益改善② 川下戦略(新規顧客開拓)③ 川上参入(生産への進出)情報特化型SI展開① ヤマタネグループDX支援② 機器販売サービス展開③ 地方展開不動産CRE戦略高度化① 保有不動産有効活用② 不動産流動化事業開始③ 新たな分野への取り組み (3) 経営環境及び対処すべき課題今後につきましては、2025年度の実質GDP成長率がプラス1%前後と予測されるなど緩やかな回復基調が見込まれる一方で、米国の通商政策の動向や地政学的な混乱などの下押しリスクが懸念されており、依然として先行き不透明な状況が続くものと予想されます。そのような状況下、ヤマタネグループのValues「挑戦を楽しむ」「チームの力を信じる」「“ありがとう”を繋げる」をすべての業務の中心に据え、パーパス経営を加速します。当連結会計年度にて策定した部門別パーパスの徹底したディスカッションを通じて、日常業務とパーパスを紐づけ、「遣り甲斐」と「誇り」溢れる職場づくりを目指します。社員の活性化を最優先課題とし、企業価値の極大化、社員のエンゲージメント向上、処遇改善、株価向上を目指します。中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の2年目として、人的資本投資や成長投資を積極的に推進し、中期経営計画達成に向けた基盤づくりを推進します。 <対処すべき課題> ① 「パーパス経営の加速」 ② 「企業価値向上に向けて」 ③ 「DX推進」 中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の2年目にあたる2027年3月期の連結業績予想につきましては、売上高は985億60百万円(前期比11.1%増)を予想し、営業利益は41億10百万円(同29.9%減)、経常利益は36億10百万円(同34.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は44億円(同20.0%減)を予想しております。売上高につきましては、食品カンパニーのコメ販売事業において原料調達が前期を上回り販売数量が増加することに加えて、各カンパニーにおいて2025年にグループ入りした連結子会社が通年寄与することから増収を予想しております。営業利益につきましては、不動産カンパニーにおいて、一部物件を流動化し計画的販売に着手しますが、食品カンパニーにおいて、コメ販売事業での需給緩和による差益の圧縮が予想されることに加えて、経営上の最重要資源である人的資本への投資や、DX投資を中心とした将来に向けた基盤整備のための費用の計上等があり、減益を予想しております。経常利益は、金利上昇が見込まれることによる支払利息の増加等により減益を予想しており、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券の縮減を加速させることに加え、前期に計上した特別損失がなくなるものの、前期に計上した受取補償金がなくなることに加え、営業利益及び経常利益の減少により、減益を予想しております。 事業別の経営環境及び対処すべき課題は以下のとおりであります。(物流関連事業)物流業界におきましては、国内貨物輸送では建設関連貨物の低迷が続くものの、個人消費の回復による消費関連貨物の堅調な推移や生産関連貨物の持ち直しが期待され、総輸送量のマイナス幅は改善する見通しです。また、国際貨物輸送におきましても、関税政策や円安是正による輸出への逆風が懸念される一方、生産拠点の国内回帰等による輸入の増加や、AI需要に牽引される航空貨物の好調などにより、総じて持ち直しの動きが見込まれます。このような状況下で、物流カンパニーにおきましては、既存事業領域の収益力強化に向けて、本牧新倉庫を含む既存倉庫の稼働率向上に取り組みます。また、前期に新会社として設立した株式会社ヤマタネドキュメントマネジメント(以下、「ヤマタネドキュメントマネジメント」という。)及び株式会社キョクトウ(以下、「キョクトウ」という。)とのシナジー創出を進め、機密文書保管・電子化事業を拡大します。また、顧客の物流パートナーからSCM(サプライチェーンマネジメント)パートナーになるべく、2024年4月に設立したSCM推進部を中心にあらゆるサービスを提供できる総合物流会社として、効率化や高度化へのサービス拡充提案、実現を進めます。特に、食品カンパニーと協働したコメ及び農産物領域、また、既存提供サービスでノウハウがある介護商材や静脈物流において、物流プラットフォームの構築を加速させます。さらには、人手不足により外注コスト等が上昇する中で、AIによる物流データ活用の高度化を図り、更なる業務の標準化、サービスの効率化を推進するとともに、お客様目線での高品質なサービスを提供し、顧客満足度向上に努め、適正な利潤の確保を図ってまいります。 (食品関連事業)コメ流通業界におきましては、令和7年産と政府備蓄米の流通により不足感は解消し販売価格は下落傾向であるものの、生産及び製造コスト増やインバウンド需要の継続により一定水準の価格推移が見込まれます。食品業界全体におきましても、物流費等を含む食品全体のコスト増が継続する見通しです。消費者の動向としては、節約志向と食の簡便化の二極化がさらに進み、中食需要などが引き続き伸長すると予測されております。需給環境の変化に伴う調達難易度の上昇が継続すると見込まれる中、こうした消費者の動向に的確に対応し、安定供給の確保と適正な価格転嫁を推進していくことが引き続き求められます。このような状況下で、食品カンパニーにおきましては、コメ販売事業では、販売において、安定供給を目的とした計画的な販売に努めるとともに、新規顧客の開拓に注力してまいります。仕入においては「産地の続くを支える」を掲げ、当社の持つ強みである産地との信頼関係を基に事業パートナー企業との協働体制を更に強化し、産地が抱える全ての課題解決を推進し、グループ内生産法人においては儲かる農業モデルの実現を進めます。その上で、産地との関係強化と農業の活性化を図るとともに関連する圃場面積を拡大し、安定した供給体制の構築を推進いたします。加工食品卸売事業では、給食事業得意先の業態変化への対応、デリカ事業の一層の成長とビジネスモデルの確立、商品ブランドの再構築と育成等の戦略を掲げ、事業を推進してまいります。また、物流カンパニーとの協働で直接貿易による仕入体制の確立も進め、仕入コストの削減にも取り組んでまいります。あわせて、中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の事業戦略であるバリューチェーン拡大に向けて、2025年に子会社化した農産ベストパートナーに加え、2026年に子会社化を予定する株式会社アジテック・ファインフーズ(食品製造・販売事業)、株式会社コメプロ(旧:株式会社穂海耕研、農業経営コンサルティング事業)とのシナジー創出を加速させ、収益力のさらなる向上を図ってまいります。 (情報関連事業)情報サービス業界におきましては、DX推進は継続的な経営課題であり、クラウドサービスの更なる拡大、AI活用推進、セキュリティ対策の強化等、大企業を中心に投資が加速すると見込まれます。一方で、需要の増加に伴い、IT人財不足もさらに深刻化すると見込まれます。このような状況下で、情報カンパニーにおきましては、技術者の確保、提携先との更なる関係強化を図り、汎用機基盤の開発や運用業務の拡大を図るとともに、ヤマタネグループ内でのDX支援を通じ、各カンパニーとの連携強化とシステム課題解決ノウハウの積み上げを両輪で進め、新たなサービスの開発に邁進してまいります。あわせて、2025年より取り組んでいる既存顧客への機器販売サービスと地方におけるサービス提供を拡充するなど、収益力強化と顧客開拓を推進してまいります。 (不動産関連事業)不動産業界におきましては、人件費や資材価格の高騰を背景に建築コストの上昇が続いており、新築物件の価格は引き続き高値圏で推移しています。また、金融政策の転換に伴う金利上昇が本格化しており、住宅ローン動向や不動産投資市場への影響をより一層注視する必要があります。賃貸オフィスビル市場におきましては、主要都市での大規模開発による大量供給が続くものの、企業のオフィス回帰や拡張移転の需要は堅調です。しかしながら、最新設備や環境配慮型(ESG)物件にニーズが集中する一方で、築古物件では空室が目立つなど、物件の競争力に応じた二極化が一段と進むと見込まれます。このような状況下で、不動産カンパニーにおきましては、中長期修繕計画に基づき、物件の付加価値や安全性の向上を図るとともに再生可能エネルギーの積極的な活用等、環境に配慮したオフィスビル運営により、既存物件の品質、サービスの高度化を図り、高稼働率を維持してまいります。さらにグループ全体の企業価値の向上を目指し、資産の有効活用、流動化等のCRE戦略の高度化を進めてまいります。また、新たな分野への取り組みとして、2026年2月に公表した「棚田を中心とした持続可能な地域づくりに関する連携協定」に基づき、農地を中心とした地域の文化・資産を保全し、持続可能な地域づくりに取り組みます。また、2026年3月から計画策定パートナーとなった清水建設株式会社とともに越中島開発計画を着実に推進してまいります。 日本の農業は、高齢化による生産者の減少、資材や農機具の高騰、異常気象など様々な課題を抱えています。 当社グループでは、パーパスである「多様な人財が集い、社会に貢献する力を生み出す」のもと、当社グループのリソースやノウハウを活用し、「産地の続くを支える」ために産地側・販売側一体となったバリューチェーンを構築し、農業分野の課題解決に向け取組んでおります。 農業問題への対処すべき課題は以下のとおりであります。(農業問題への取組み)地域の生産者と共に直接農業生産を行うとともに、連携企業を通じた生産現場の課題解決や販売・加工機能の強化、流通基盤の構築により、一貫した新たな農業運営モデルの確立を目指す活動を行っております。●農業生産への直接的な参画・連携・・生産基盤の弱体化と将来の供給不足への取組み <現状>・一次産業従事者の高齢化や担い手不足による急激な減少により耕作放棄地が拡大し、将来的な米の安定 供給が危ぶまれております。当社では中長期的にはこの担い手不足によりコメの需要が供給を恒常的に 上回ることを見込んでおります。⇒各事業との連携・地域の生産者と共に自ら農業生産に参画するとともに、農業生産法人等との連携や出資を通じて関連圃 場面積を拡大(合計約1,650ha)し、将来を見据えた安定供給体制の構築を進めております。あわせて、 大規模かつ複合的な営農モデルを推進し、高収益化を図ることで、産地の継続性担保を目指します。 ●専門企業との連携による生産現場の課題解決・・労働力不足や低生産性、環境負荷への取組み <現状>・一次産業従事者は高齢化や担い手不足といった要因から、大幅な人財不足状態にあり、加えて生産性の 向上が課題となっております。・当社グループが取扱うコメ生産においては利益率が低い状態にあり、気候変動リスクなど生産現場を取 り巻く環境は厳しい状態です。⇒各事業との連携・人材支援企業等を通じた人財派遣による、生産現場における労働力不足を解消する取組み。・コンサルティング企業等を通じた営農・経営支援による、大規模農家の「儲かる農業」への取組み。・食用消費されなかったお米を、独自技術でアップサイクルし、農家所得の向上等に貢献する取組み。・未利用バイオマス活用(籾殻セルロース抽出等)で、生産者の収益改善と環境負荷低減を図る取組み。・稲作における温室効果ガスの削減への取り組み推進により持続的な農業に貢献する取組み。・農業リモートセンシングや、自動で雑草を抑制する農業用ロボットを活用した有機栽培の促進。・脱炭素・低環境負荷米の生産・流通を通じて米の付加価値を創出する取組み。 ●販売・加工機能の強化による確実な販売先の提供・・需要変化やフードロス、低収益性への取組み <現状>・消費者のライフスタイルの変化(簡便化・健康志向)や、深刻化するフードロス問題など、需要側にお いても新たな市場課題が発生しております。これらの需要側の変化に的確に対応できなければ、生産者 の安定的な所得向上は難しくなります。⇒各事業との連携・業務用冷凍食品の卸売販売網の活用を通じた、新たな販売ルートの確保。・EC販売ノウハウを持つ企業等を通じた、グループ全体の販売力強化と新たな販路の開拓・最先端加工技術(ソフトスチーム加工)を持つ企業や健康志向製品を展開する企業等と連携し、規格外 作物の加工によるフードロス削減や高付加価値商品の開発を推進。・海外でおにぎり専門店を展開する企業等と連携し、海外市場の開拓を推進。 ●持続可能な米の流通基盤の構築・・物流停滞リスクと流通コスト上昇への取組み <現状>・ドライバー不足や時間外労働の規制強化により、重量物である米の輸送確保が課題となっております。・エネルギー高騰による物流費上昇が、生産者の収益確保や持続可能な農業体制への重荷です。⇒各事業との連携 ・物流カンパニーと食品カンパニーの連携による、米のサプライチェーン全体の最適化を推進。 ・産地からの調達輸送におけるモーダルシフトや、輸配送スキームの再検討による効率化の推進。 ・データの一元管理やAI導入による調達計画の自動化等、バックオフィス業務の効率化の推進
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における経営成績の状況については、次のとおりであります。当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で個人消費及び設備投資に持ち直しの動きが見られ、景気は緩やかに回復して推移いたしました。しかしながら、為替や金利の変動による影響が一部で見られるなど企業収益には改善の足踏みが見られ、海外景気の下振れリスクや物価上昇の継続、さらには地政学的リスクの高まり等により、依然として先行きは不透明な状況が続いております。このような状況下におきまして、当連結会計年度の経営成績は、物流関連事業において一部荷主の失注の影響があったものの、海外引越の取扱い増加や、倉庫事業での外注コスト等の価格転嫁の進展、物流不動産物件の一部流動化の開始に加え、2025年7月に連結子会社となったヤマタネドキュメントマネジメント及びキョクトウが業績に寄与しました。また、食品関連事業におきましても、コメ販売でのコメ不足による販売単価の大きな上昇や適宜適切な価格転嫁の進展、2025年8月に連結子会社となった農産ベストパートナー及びしん力が業績へ寄与したこと等により増収増益となりました。この結果、売上高は886億74百万円(前期比9.6%増)となりました。営業利益は、58億64百万円(同55.1%増)となりました。経常利益は54億81百万円(同50.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は54億98百万円(同77.8%増)となりました。なお、当連結会計年度の業績計画に対しましては、売上、利益面ともに全ての項目で上回っております。 当社グループのセグメントごとの業績は以下のとおりであります。(物流関連事業)売上高は260億79百万円(前期比4.6%増)となり、営業利益は23億69百万円(同45.8%増)となりました。(食品関連事業)売上高は562億82百万円(前期比13.5%増)となり、営業利益は40億27百万円(同71.3%増)となりました。(情報関連事業)売上高は17億6百万円(前期比2.6%減)となり、営業利益は68百万円(同46.9%増)となりました。(不動産関連事業)売上高は46億4百万円(前期比1.1%減)となり、営業利益は20億43百万円(同7.0%増)となりました。 当連結会計年度末における財政状態の状況については、次のとおりであります。総資産は前連結会計年度末比105億66百万円増の1,776億10百万円 (6.3%増)となりました。負債は前連結会計年度末比54億16百万円増の1,140億77百万円 (5.0%増)となりました。純資産は前連結会計年度末比51億49百万円増の635億33百万円 (8.8%増) となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は、積極的な成長投資により、投資活動による支出33億29百万円があったことに加え、財務活動による支出18億31百万円がありましたが、営業活動による収入は81億54百万円となり、その結果、前連結会計年度より29億94百万円増加し、当連結会計年度末には79億76百万円となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績当社グループの業種・業態は多分野にわたっており、また、取引形態も一様ではないので、セグメントごとに生産・受注及び販売の規模については金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の状況については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」における各セグメントの経営成績の分析に関連付けて示しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容経営成績の状況に関する認識及び分析・検討は以下のとおりであります。当連結会計年度の経営成績は、物流カンパニーでは、一部荷主の失注の影響がありましたが海外引越の取扱いが前期を上回って推移したことに加えて、2025年7月に連結子会社となったヤマタネドキュメントマネジメント及びキョクトウが業績に寄与し、食品カンパニーでは、コメ販売事業において前年のコメ不足の影響を受け販売単価が大きく上昇したことに加えて、2025年8月に連結子会社となった農産ベストパートナー及びしん力が業績に寄与したこと等により、売上高は886億74百万円(前期比9.6%増)となりました。営業利益は、物流カンパニーにおいて、海外引越事業が好調だったことに加えて、倉庫事業において外注コストと人件費増の価格転嫁が進んだこと及び物流不動産物件の一部流動化を開始したこと、また食品カンパニーでは、コメ販売事業で安定供給を図りながら適宜適切に価格転嫁を進めたこと等により、58億64百万円(同55.1%増)となりました。経常利益はシンジケートローン手数料の計上及び支払利息の増加があったものの、受取配当金が増加したこと等により、54億81百万円(同50.2%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失の計上や法人税等の計上増額はあったものの、投資有価証券売却益の計上や事業拠点の移転に伴う受取補償金の計上、さらに2025年2月に連結子会社であった山種不動産株式会社を吸収合併したことによる非支配株主に帰属する当期純利益がなくなったこと等から、54億98百万円(同77.8%増)となり、ROEは9.0%となりました。これにより、当連結会計年度の業績は、売上高、営業利益、EBITDA、ROEの各指標において、中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の財務目標を1年目において上回りました。 当連結会計年度で重点的に取組んだ対処すべき課題は以下のとおりです。a.「チャレンジ精神溢れる企業文化の醸成」b.「社員活性化への取組」c.「企業価値向上に向けて」d.「DX推進」 当連結会計年度は、長期ビジョン「ヤマタネ2031ビジョン」を見据えた投資効果最大化に向けた「成長期」と位置付ける中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」の1年目として、パーパス経営と積極的な成長投資を加速させることで、持続的な成長に向けた取組みを推進いたしました。パーパス経営の推進におきましては、心理的安全性の確保や、社内コミュニケーションの活性化を目的とした社内イベントおよび福利厚生制度の充実を図りました。あわせて、全部門で独自の部門別パーパスを策定し、「遣り甲斐」と「誇り」に溢れた職場づくりを進めるなど、グループ全体へのパーパス浸透を図ってまいりました。更なる企業価値向上に向けて、2025年4月にカンパニー制へ移行し、部門別収益管理の高度化や迅速な意思決定を図るとともに、グループ内シナジーの創出を推進しております。また、越中島開発計画をはじめとする所有不動産の開発やポートフォリオの見直しなど、CRE戦略の強化を着実に実行いたしました。あわせて、政策保有株式の縮減を加速するなど、資本収益性の改善に取り組んでおります。加えて、取締役及び執行役員がその役割と責務を十分に果たすことを促し、株主の皆様との価値共有を強化することを目的として、新たな役員報酬制度を導入することとし、2026年6月の第127回定時株主総会に、取締役報酬限度額の改定等を付議いたします。将来の飛躍的な成長に向けた基盤整備として、戦略的な人的資本投資とIT投資を加速しております。人的資本投資では、エンゲージメントサーベイやタレントマネジメントシステムの導入に加えて、各種研修の充実を図ってまいりました。さらに、2026年4月より新人事制度の運用を開始しております。今後も、社員の挑戦を後押しすることで、多様な人財が活躍できる環境づくりを進めてまいります。IT投資では、グループ内の課題解決を通じたノウハウ蓄積とサービス開発の実践に取り組み、インフラ整備による業務効率化やセキュリティ対応の高度化に注力いたしました。今後は、既存の情報部門に加え、2026年4月新設のデータビジネスソリューション室やカンパニー内のDX専門部署との連携により、ビジネスデータの活用による業務効率化と付加価値創出を図ってまいります。これらの取り組みが結実し、当連結会計年度の業績は中期経営計画の当初の財務目標を上回りました。この成果と今後の更なる成長投資の加速を見据え、中期経営計画の財務目標のうち売上高及びROEを上方修正し、新たな財務目標を売上高1,000億円、営業利益47億円、EBITDA92億円、ROE7.5%以上、総還元性向70~80%といたしました。今後は、この新たな財務目標の達成を目指し、更なる企業価値向上に取り組んでまいります。 当社グループのセグメントごとの経営成績の分析は以下のとおりであります。(物流関連事業)物流業界におきましては、国内貨物輸送では、消費関連貨物が堅調に推移したものの、生産関連貨物及び建設関連貨物の低調が継続したこと等により、通期の総輸送量は前年を下回る推移となりました。一方で、国際貨物輸送におきましては、海外自動車市場の減速による影響は見られたものの、米国の通商政策による下押しが想定よりも小さかったことや、生産拠点の国内回帰や拠点整備に伴う機械・部品類などの輸入の増加、さらにはAI関連需要を受けた一部の航空貨物輸送における好調な推移などが見られ、総じて前年を上回る推移となりました。このような状況下で、物流カンパニーでは、倉庫事業で一部荷主の失注があったものの、国際業務において、海外引越を中心として取扱件数は前年同期を上回り、国内業務において、2025年7月に連結子会社化したヤマタネドキュメントマネジメント及びキョクトウが業績に寄与しました。また、物流不動産の一部流動化も開始しました。この結果、売上高は260億79百万円(前期比4.6%増)となりました。利益面では、カンパニー全体で庸車費用等の外注コストや人件費増の価格転嫁を進めたことに加えて、取扱量に応じてリソースを適切に配分し効率化を図り改善に努めたこと、さらに、国内業務では連結子会社となったヤマタネドキュメントマネジメント及びキョクトウが業績に寄与しました。また、物流不動産の一部流動化事業による売却益の計上や2024年6月に竣工した本牧埠頭新倉庫の不動産取得税の一時費用の計上がなくなったこともあり、営業利益は23億69百万円(同45.8%増)となりました。(食品関連事業)コメ業界におきましては、前年の品不足を脱し供給は回復したものの、生産コスト増やインバウンド需要の継続により高値が定着して推移いたしました。食品業界全体におきましても、配送費増や原材料高によるコスト増が深刻化しています。さらに、消費者の動向としては、物価高を背景とした家計の節約志向や、食の簡便化の傾向が強まっています。需給環境の変化に伴う調達難易度の上昇が続く中、こうした消費者の動向に対応しながら安定供給を確保し、適切な価格転嫁と消費のバランスを維持していくことが大きな課題となっています。このような状況下で、食品カンパニーでは、コメ販売事業において、当社では原料調達が計画を下回り販売数量は54千玄米トン(前期比23.3%減)となりましたが、需給の逼迫に伴い販売単価が上昇したことに加え、政府備蓄米の精米作業を受託したこと、また、2025年8月に連結子会社化した農産ベストパートナー及びしん力が業績に寄与したこと等から売上高は365億37百万円(前期比19.8%増)となりました。また、加工食品卸売事業の株式会社ショクカイ(以下「ショクカイ」という。)において、産業給食事業向け及びデリカ事業向けの販売が堅調に推移し、売上高は197億45百万円(同3.4%増)となりました。この結果、カンパニー全体の売上高は562億82百万円(前期比13.5%増)となりました。営業利益は、コメ販売事業において、需給が逼迫する中で顧客への安定供給を図るとともに、適宜適切に価格転嫁を進めたこと、政府備蓄米の精米作業を受託したことにより生産効率が向上したこと、農産ベストパートナー及びしん力が業績に寄与したこと等から30億80百万円(同110.3%増)となりました。また、ショクカイでは業績が概ね計画通りに推移したことにより、9億46百万円(同6.8%増)となりました。この結果、カンパニー全体の営業利益は、40億27百万円(同71.3%増)となりました。(情報関連事業)情報サービス業界は、従来のDX推進やクラウド活用、セキュリティ対策に加え、生成AIの社会実装が本格化したことで大企業のIT投資がさらに加速し、前年度に続き高い成長率を維持しました。このような状況下で、情報カンパニーにおきましては、運用支援業務の拡大や地方拠点進出をおこなった一方で、大口の開発案件が減少しました。その結果、売上高は17億6百万円(前期比2.6%減)となりました。一方で、営業利益は、棚卸サービスにおける移行コストの発生があったものの、前期に計上したWindows10の保守切れ対応に伴うオフィスライセンスの一括購入がなくなったこと等により、68百万円(同46.9%増)となりました。(不動産関連事業)不動産業界は、マンション価格の高騰やオフィス回帰による空室率の低下傾向が続き、活況を呈しました。一方で、金利上昇への警戒感や資材費・人件費の高止まりが継続し、開発コストの増大が収益を圧迫する構図が、より鮮明となりました。需要は堅調ながら、投資判断や計画の精査が、より一層求められています。このような状況下で、不動産カンパニーにおきましては、前期に取得した物件が業績に寄与した一方で、テナントの入れ替えがあったことから、売上高は46億4百万円(前期比1.1%減)となりました。営業利益は2025年2月に連結子会社であった山種不動産を吸収合併したことで計上した不動産移転に係る登録免許税の一時費用がなくなったこと等により、20億43百万円(同7.0%増)となりました。 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討は以下のとおりであります。(資 産)当連結会計年度末における流動資産は323億97百万円となり、前連結会計年度末比75億19百万円増加いたしました。これは主に不動産売却等により現金及び預金が30億44百万円増加したこと、固定資産から販売用不動産への振替等により棚卸資産が30億18百万円増加したことによるものであります。固定資産は1,451億94百万円となり、前連結会計年度末比30億72百万円増加いたしました。これは主に時価評価による投資有価証券の増加等により投資その他の資産が51億53百万円増加したことによるものであります。この結果、総資産は1,776億10百万円となり、前連結会計年度末比105億66百万円増加いたしました。(負 債)当連結会計年度末における流動負債は342億4百万円となり、前連結会計年度末比30億91百万円減少いたしました。これは主に既存借入金の借り換え等により1年内返済予定長期借入金や1年内償還予定の社債が減少したことによるものであります。当連結会計年度末における固定負債は798億73百万円となり、前連結会計年度末比85億8百万円増加いたしました。これは主に、流動負債への振替等により社債が71億7百万円減少したものの、借り換え等により長期借入金が154億44百万円増加したことによるものであります。この結果、負債合計は1,140億77百万円となり、前連結会計年度末比54億16百万円増加いたしました。(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は635億33百万円となり、前連結会計年度末比51億49百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当14億79百万円はありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益54億98百万円や有価証券評価差額金が32億60百万円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は35.8%(前連結会計年度末は35.0%)となりました。 当連結会計年度は、中期経営計画に基づく成長戦略として、借入や政策保有株式の売却等により資金を調達し、バリューチェーン拡大に向けたM&Aや各事業での設備投資を実施した結果、資産及び負債は増加し、のれんや減価償却費の負担は増加したものの、新たに連結会計の対象となった連結子会社の業績寄与や既存事業の好調により、EBITDA等キャッシュベースの収益力は大きく向上しており、企業価値の向上に寄与しているものと考えております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払い20億54百万円や利息の支払い10億20百万円等がありましたが、税金等調整前当期純利益79億56百万円や減価償却費33億75百万円等があったことから、81億54百万円の収入(前期比23億57百万円の収入増)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入17億98百万円等がありましたが、有形及び無形固定資産の取得による支出26億43百万円等があったことから、33億29百万円の支出(前期比66億98百万円の支出減)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入190億円等がありましたが、長期借入金の返済による支出71億24百万円や社債の償還による支出109億79百万円及び自己株式の取得による支出26億40百万円等があったことから、18億31百万円の支出(前期は28億64百万円の収入)となりました。中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」1年目であった当連結会計年度は、戦略的な成長投資の実施による支出はございましたが、営業利益や経常利益の増加、投資有価証券売却益の計上や事業拠点の移転に伴う受取補償金の計上に加え、2025年2月に連結子会社であった山種不動産を吸収合併したことによる非支配株主に帰属する当期純利益がなくなったこと等により、営業活動による収入が増加したことから、現金及び現金同等物は前期比29億94百万円増加いたしました。 資本の財源及び資金の流動性についての情報については以下のとおりであります。(資金需要)当社グループの資金需要の主なものは、各セグメント事業活動に必要な営業費用(コメや加工食品仕入資金含む)、設備維持更新資金、販売費及び一般管理費等の各運転資金及び成長設備投資資金があります。また、銀行借入金及び社債の返済資金があります。(資金調達方法)当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、営業キャッシュ・フローに加え銀行借入金並びに社債の発行による資金を調達しております。また、運転資金の効率的な調達を行うため、金融機関と当座貸越契約を締結しており、一部成長投資資金の効率的な資金調達のためコミットメントライン契約を締結しております。一部借入金については、将来の金利上昇リスクを避けるため、金利スワップ契約を締結しております。(財務方針)当社グループでは、連結子会社は当社において資金調達を一元管理しております。当社グループは、基本的に営業キャッシュ・フローにより設備維持更新資金を含む各事業資金を賄っており、一部余剰資金については信用力向上のため、銀行借入金等の有利子負債の返済資金に充当しております。また、成長投資資金については、案件ごとに採算管理を行い、調達した銀行借入金等の有利子負債は個別に管理する体制を取っております。また、株主還元支出については、中期経営計画における連結総還元性向70~80%を目安とするとともに、安定配当の基本方針のもと、資本効率と配当の安定性を重視し、中計最終年度にDOE(連結純資産配当率)3.0%としております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。(固定資産の減損)当社グループは、物流関連、不動産関連においては複数の事業用物件を所有し事業を運営しており、食品関連においても工場を所有し生産・販売を行っております。所有する固定資産の減損損失の認識においては、物流、不動産関連においては主に個々の事業用物件を資産グループとして捉え、また、食品関連では米穀卸売業と加工食品卸売業をそれぞれの資産グループとして捉えております。当社グループでは、長期戦略のもと新規物件投資を進めており、また、総資産に占める有形及び無形固定資産割合は62.6%となっており、固定資産の減損損失の認識の判定に係る会計上の見積りは経営上重要と考えております。なお、当該見積りに用いた仮定等については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」をご参照ください。(のれんの評価)当社グループは、経営戦略の一環として、M&Aを実施しております。これらの企業結合取引により生じた対象会社の取得価額と被取得企業の識別可能資産及び負債の企業結合日時点の時価との差額をのれんとして計上しており、のれんの減損の兆候の把握、減損損失の認識の判定は、対象会社ごとに行っております。今後、経営環境の変動等により、対象会社の業績が大幅に悪化した場合、財務諸表におけるのれんの金額に重要な影響を与える可能性があり、のれんの評価に係る会計上の見積りは経営上重要と考えております。なお、当該見積りに用いた仮定等については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」をご参照ください。
事業リスク
- 事業ごとの収益変動リスク物流事業では顧客の市場環境変化による取扱量の変動や運営コストの増加、食品事業では人口減少や消費性向の変化による価格競争、米の生産量減少による調達価格変動、情報事業では先端IT技術の進展による技術競争力低下、不動産事業では大型オフィスビルの供給過多による空室リスクなど、各事業固有のリスクが存在します。
- 金利変動と資産価値下落リスク有利子負債の金利変動や借換時の金利情勢の変化が業績に影響を与える可能性があります。また、保有資産の経済価値が低下した場合、減損処理が必要となり、財政状態や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 外部環境変化とコンプライアンスリスク情報セキュリティ侵害、大規模自然災害、感染症の発生、エネルギー価格や外注コストの高騰、M&A後の予期せぬ債務発覚などが事業に影響を与える可能性があります。また、法令違反や不適切な労務管理が発生した場合、社会的信用の低下や多額の費用発生につながるリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループにおいては、事業に関連する様々なリスクを適切に管理し、事業の遂行とリスク管理のバランスを取りながら持続的成長による企業価値向上をめざしております。このため、取締役会が決定した「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づき、リスクマネジメント方針を制定し、全社的なリスクマネジメントを計画・実行するために「リスクマネジメント委員会」を設置しております。事業を遂行していく上で生じる可能性のある様々なリスクへ適切な対応を行うために、現状を正しく評価し、発生可能性とその影響度を分析し、リスク対策の実施等を行い、リスクマネジメントの継続的な改善に努めてまいります。なお、文中に記載されている将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。 (1) 事業ごとの経営成績の変動リスク 当社グループは、物流関連事業、食品関連事業、情報関連事業、不動産関連事業の各事業を営んでおり、各事業の主要なリスクは以下のとおりです。(物流関連事業のリスク)当社グループの主要顧客である食品、家電、医療等の市場環境は多様であり、顧客の物流戦略の変化に伴う取扱量の変動が、当社グループの事業採算を悪化させるリスクがあります。また、物流の「2024年問題」や各種法改正、構造的なドライバー不足により、委託先運送業者の確保困難や外注コストが高騰し、輸配送網の維持に影響を及ぼす可能性もあります。これらのリスクに対し、当社グループは顧客との連携を深めてニーズを迅速に捉えるとともに、効率的な物流提案や適正な価格転嫁を推進することで、リスクの低減に努めてまいります。(食品関連事業のリスク)販売においては、人口減少や消費者の消費性向の変動により食料消費は減少していくことが想定されます。この市場環境の影響により競合との価格競争リスクが高まることが考えられます。調達においては米の生産地における高齢化の進展と昨今の気候変動の影響により生産量が減少していくことも想定され、調達価格の変動リスクも高まることが考えられます。また、深刻なドライバー不足により、重量物である米の輸配送網の維持困難や物流費高騰が事業採算を圧迫するリスクがあります。さらに、輸入冷凍加工食品については、地政学リスク、為替リスク等を抱えています。これらの販売・調達面や物流のリスクに対し、生産地やサプライヤーとの連携強化による調達力向上と、自社物流機能を活用した効率的なサプライチェーン構築により低減を図ります。さらに、信用低下や多額の損失を招く製造した商品に関する品質問題に対しては、「CS向上委員会」を通じた徹底した商品管理により対応してまいります。(情報関連事業のリスク)当社グループは汎用系システムを主力事業としてまいりました。しかしながら、AI等の先端技術が急速に進展する中、当社の主力である汎用系システム事業の技術競争力低下や、既存技術者の高齢化がリスクとして考えられます。同時に、高度IT人財の獲得競争激化により、顧客のDX需要に対応するリソースが不足する可能性があります。また、経済安全保障の観点や新技術の活用拡大に伴い求められるセキュリティ要件が急速に高度化しており、対応コストの増大やインシデント発生時の信用失墜リスクも考えられます。当社グループとしては、専門部署による先端技術の習得や外部システム会社との連携強化、積極的な人財投資、ならびに強固なセキュリティ管理体制の構築を通じて、リスクの低減を図ってまいります。(不動産関連事業のリスク)当社グループは首都圏を中心に保有しているオフィスビルの賃貸事業を主力事業としております。首都圏での大型オフィスビル供給増による空室・価格競争リスクを抱えております。また、本格化する金利上昇による調達コストの増加や不動産市況の変動リスクに加え、資材価格や人件費の高止まりによる建築コスト増大が、開発スケジュールの遅延や計画見直しを招くリスクがあります。さらに、環境規制強化に伴う既存ビルの改修コスト増大も懸念されます。当社グループは、柔軟な事業計画の推進や、環境配慮型物件への計画的な整備・開発により競争力を高め、リスク低減を図ってまいります。(各事業に共通するリスク)当社グループにおいて、取引先が属する業界の環境変化や顧客独自の理由により、突然の取引停止に至り損失を被るリスクがあります。加えて、近年のサステナビリティ要請への対応が遅滞した場合にも取引機会を喪失するリスクが考えられます。また、複数の事業展開において経営資源が分散し、事業間シナジーが十分に発揮されない場合、グループの競争力が低下するリスクを抱えています。これらに対し、当社グループは、顧客関係の強化、サステナビリティ推進、カンパニー制による連携強化により、リスク低減を図ってまいります。 (2) 財政状態の変動について当社グループは、有利子負債の削減を進めるとともに、変動金利借入の金利変動リスクを低減するため、主に固定金利による調達を図ってまいりました。しかしながら、変動金利借入利息及び借換時における資金調達に関しては、金利情勢の影響を受け、業績が変動する可能性があります。また、当社グループが保有する資産について、今後経済価値が低下した場合には必要な減損処理を実施する必要が生じ、財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (3) 情報セキュリティについて情報セキュリティに対しては、社内情報管理体制の整備に努め、情報流出の防止、社内情報システムへの外部からの侵入防御等適切な対応をしております。また、個人情報の取扱いについてもプライバシーマークの認証を取得する等適切な対応をしております。しかしながら、情報システムの一時的な操作不能状態や情報流出、喪失等の事態が生じた場合には当社グループのみならず取引先企業等への影響が予想され、当社グループの信用低下並びに業績への影響を招く可能性があります。 (4) 自然災害等について大規模地震等の自然災害や新型コロナウイルス等の感染症につきましては、対応策を検討し、対応マニュアルを整備し、事業継続計画(BCP)を策定しておりますが、当社グループのみならず取引先企業等に多大な被害が発生した場合には、業績への影響を招く可能性があります。 (5) コンプライアンスについて当社グループにおいては、企業の社会的使命を認識し、関係法令及び社内規程遵守の徹底により全ての企業活動が健全な商習慣と企業倫理に適合するよう、「コンプライアンス推進委員会」を設置し、コンプライアンス基本方針を作成するとともに、行動規範、行動原則を制定しています。しかしながら、この様な活動を実施していても、関連法令、規制などに抵触する事態が発生する可能性があり、その場合には社会的信用の低下と多額の費用発生あるいは損害賠償が請求されるなど、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 人財について当社グループにとって人財は重要な経営資源であり、グループの成長のためには、人財の活用が大きな課題となります。またグループではそれぞれ異なる事業を展開しており、様々な人財を必要としております。この様な状況において、優秀な人財の採用、確保と人財の育成が出来ない場合、あるいは人財の流出等を防止できない場合には当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、適切な労務管理ができない等により従業員に重大な労働災害が発生した場合など社会的信用の低下などの問題が生じる可能性があります。 (7) エネルギー価格や外注コスト等の高騰及び資材不足について昨今の中東情勢やウクライナ情勢の長期化、円安の進行等により、エネルギー価格の高騰が長期化する可能性があります。また、ナフサの供給不足を起点とする資材の調達競争の激化により、物流関連事業の車両燃料や荷役資材、食品関連事業の包装資材、不動産及び情報関連事業における建築資材や電子部品等の調達コストが上昇し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、資材や調達ルートの見直し、デジタル化による資材消費の抑制など効率的な事業運営を進めるとともに、市場環境を踏まえた適正な価格転嫁を推進し、業績への影響の低減を図ってまいります。 (8) M&A等について当社グループでは、企業買収や出資を行う際、事前にリスクを把握・回避するために、対象となる企業の財務内容や事業等についてデューデリジェンスを実施しております。しかしながら、買収後の事業環境の変化や予期せぬ債務の発覚、統合プロセス(PMI)の遅れ等により当社グループの事業計画に支障をきたす可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、管理部門人材の早期PMI参画や買収先への人員派遣を通じた迅速なガバナンス構築、また、経営陣による定期的な進捗評価を通じた適切なモニタリング体制を構築することで事業シナジーを最大化し、リスクの低減を図ってまいります。