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東洋埠頭(9351)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

倉庫・運輸関連業 運輸・物流

事業の概要

  • 総合物流サービス: 東洋埠頭グループは、倉庫、港湾運送、自動車運送、国際運送取扱など多岐にわたる物流サービスを提供しています。国内外に拠点を持ち、貨物の保管から輸送、通関まで一貫して手掛けることで、顧客の多様な物流ニーズに対応しています。
  • 国内総合物流事業: 国内では、普通倉庫、サイロ、冷蔵倉庫、危険品倉庫といった多様な倉庫施設での保管・入出庫作業、大型荷役機械を使った港湾でのばら貨物やコンテナの取扱、トラックによる輸配送が主な事業です。子会社や関連会社と連携し、効率的な物流網を構築しています。
  • 国際物流事業: 海外では、ロシア、カザフスタン、タイ、中国などに拠点を持ち、国際輸送、倉庫、通関サービスを提供しています。特に中央アジア地域での物流センター開設など、グローバルなサプライチェーンの安定化と拡大を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 国内総合物流事業: 国内での倉庫業、港湾運送業、自動車運送業、国際運送取扱業などを含む事業です。売上高は311.3億円、営業利益は10.95億円と、グループ全体の収益の大部分を占める主力事業であり、多様な物流ニーズに対応しています。
  • 国際物流事業: ロシア、カザフスタン、タイ、中国などを拠点とした国際輸送、倉庫、通関サービスを提供する事業です。売上高は39.7億円、営業利益は0.48億円であり、国内事業に比べて規模は小さいものの、今後の成長戦略の重要な柱として位置づけられています。
  • 新規事業と海外展開: カザフスタン共和国での物流センター開設や、カーボンニュートラル社会実現に向けたCCS事業への参画など、新たな収益源の確立と海外市場の開拓に積極的に取り組んでいます。これらの投資は、将来的な事業の多角化と収益基盤の強化を目指すものです。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
DomesticLogisticsServices 事業 311 11 3.5%
GlobalLogisticsServices 事業 40 0 1.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|871 文字
3【事業の内容】 当社グループは、物流事業(倉庫業、港湾運送業、自動車運送業、国際運送取扱業等)及びその関連事業を行っている。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりである。 なお、次の2部門は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一である。(1)国内総合物流事業① 倉庫業 倉庫施設(普通倉庫、サイロ、青果物倉庫、冷蔵倉庫、危険品倉庫等)における貨物の保管並びに入出庫作業及び荷捌き作業を主とする業務であり、当社は、倉庫業務の一部を㈱オーエスティ物流に委託している。また、倉庫業務のうち入出庫作業等の一部を鹿島東洋埠頭㈱、東京東洋埠頭㈱、㈱ティーエフ大阪等に委託している。なお、㈱東洋埠頭青果センター、志布志東洋埠頭㈱、新潟東洋埠頭㈱は倉庫業を行っており、当社は、倉庫施設を賃貸している。② 港湾運送業 大型荷役機械を使用するばら貨物の海陸一貫作業や、本船荷役作業、ターミナルでのコンテナ取扱作業などを主とする業務であり、当社は、港湾運送業務のうち荷役作業等の一部を鹿島東洋埠頭㈱、志布志東洋埠頭㈱、㈱ティーエフ大阪に委託している。なお、東光ターミナル㈱は倉庫業を行っており、当社は同社から港湾荷役作業等を請負っている。③ 自動車運送業 貨物自動車等による輸配送を主とする業務であり、当社は、自動車運送業務の一部を㈱オーエスティ物流、志布志東洋埠頭㈱、㈱ティーエフ大阪等に委託している。 また、東永運輸㈱は自動車運送業を行っている。④ その他の業務 海上運送や、通関、施設賃貸や工場構内作業を主とする業務である。 なお、坂出東洋埠頭㈱は国内総合物流事業を行っている。 (2)国際物流事業 ㈱東洋トランスと、OOO東洋トランス、OOOTB東洋トランス及び上海青旅東洋物流有限公司等による国際輸送、倉庫、通関を主とする業務である。 事業の系統図は次のとおりである。 (注)1.矢印は役務の流れを示している。2.○印は持分法適用会社(5社)である。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
国内各地及びロシア、カザフスタン、タイ、中国に物流拠点を有し、物流施設が重要な経営資源。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:事業環境の変動 / 物流施設の災害による被災 / 海外事業展開(ロシア拠点)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

東洋埠頭は、東京港や横浜港など主要港湾における長年の事業運営で培われた信頼と、港湾施設利用に関する一定のノウハウを持つ。しかし、明確な特許やブランド力による独占的な優位性は限定的であり、参入障壁は相対的に低いと考えられる。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

既存顧客との長期的な取引関係や、港湾インフラへの依存度から、顧客が他の港湾事業者へ乗り換える際の初期コストや手間は一定程度存在する。しかし、代替港湾や輸送手段の選択肢も存在するため、スイッチング・コストは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

東洋埠頭の事業モデルは、特定のプラットフォーム上でユーザーが増えるほど価値が増すネットワーク効果を直接的に生み出す構造ではない。個々の顧客との取引が中心であり、広範なユーザー間の相互作用による価値向上は見られない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

港湾インフラの維持管理やオペレーション効率化によるコスト削減努力は行われている。しかし、設備投資の大きさと、競合他社も同様の効率化を進めていることから、構造的なコスト優位性を確立しているとは言い難い。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

東洋埠頭は東京港や横浜港といった主要港湾で広範な施設を保有・運営しており、一定の規模を持つプレイヤーである。特に、特定のエリアや貨物種別においては、その規模がオペレーションの効率性やサービス提供能力に繋がり、寡占的な地位を築いている可能性がある。

  • 多角的な物流機能: 倉庫、港湾運送、自動車運送、国際運送取扱といった幅広い物流機能を自社グループ内で提供できるため、顧客は単一の窓口で包括的な物流ソリューションを得られます。これにより、顧客の利便性が向上し、競合他社との差別化につながっています。
  • 国内外の広範な拠点網: 国内各地に加え、ロシア、カザフスタン、タイ、中国といった海外にも物流拠点を展開している点が強みです。これにより、国内外の複雑な物流ニーズに対応できるだけでなく、特定の地域に依存しないリスク分散も可能にしています。
  • 長年の実績と信頼: 創業100周年を迎える歴史の中で培われた経験とノウハウは、顧客からの信頼獲得に貢献しています。特に、多様な貨物に対応できる専門性の高い倉庫施設や、大型荷役機械を駆使した港湾運送能力は、長年の事業継続によって築き上げられたものです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 持続的発展と価値創造: 創業100周年を見据え、「得意な事業の展開と独自性の発揮」「既存事業の継続、国際物流の拡大、新規基幹事業の稼働、積極的な事業投資による持続的な発展」を掲げています。すべてのステークホルダーに対し、より価値ある企業を目指しています。
  • 新規事業と国際物流の拡大: 新たな収益の柱として、常陸那珂事業所での天井クレーン付き普通倉庫建設やカザフスタンでの倉庫拡張を進めています。また、カーボンニュートラル社会実現に向けた「先進的CCS事業」への参画など、将来性のある分野への投資と事業拡大を図っています。
  • DX推進と人材育成: 経済産業省のDX認定を取得し、配車システムやトラック予約受付システムの活用、貨物ピッキングシステムの導入により、物流効率化と働き方改革を進めています。また、少子高齢化による人手不足に対応するため、人材の確保・育成と働きやすい職場環境の整備を重視しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものである。 (1)経営方針 当社グループは、お得意さま・株主さま・地域社会・協力会社・従業員など、すべてのステークホルダーに対し、現在以上に価値ある企業・持続的に発展していく企業を目指すことを経営方針としている。(2)経営戦略等 当社グループを取り巻く経営環境の変化を踏まえ、2028年度を最終年度とする経営三カ年計画「Fly to the Next 2028」を策定し、次の経営課題に対応している。 ①新たな収益の柱となる新規業務の稼働と、新規事業の開始に向けた準備の加速 2025年度に建設した常陸那珂事業所の天井クレーン付き倉庫は、満床での稼働となった。今後もお得意さまのニーズに確実におこたえできるよう新規業務の稼働を進めている。また、カーボンニュートラル社会の実現に向け、先進的CCS事業(二酸化炭素の分離回収・輸送・貯留)の液化二酸化炭素の港湾出荷基地の整備、稼働に向けて準備を加速している。 ②独自性を発揮した事業の継続・深化と、積極的な投資による継続的な成長、及び安定した利益の確保 川崎支店のプライベートバース(自社埠頭)や、危険品、青果物、穀物サイロ、野積みなどの独自性を発揮した倉庫の業務について、さらなる深化を追求し、継続的な成長と安定した利益を確保していく。 ③国際物流事業のネットワークの拡大 当社グループは、2024年度よりカザフスタン共和国に進出し、2026年4月には倉庫を増築した。お得意さまの多種多様なニーズに対して積極的に投資を行うほか、最適な物流提案を通じて取扱数量の増加を図り、欧米・東南アジア及び中央アジア諸国を中心とした国際物流事業の拡大に取り組んでいる。 ④連結営業収益400億円の達成 国際物流部門の地政学リスクが見通せないことや、2027年度からの新リース会計基準の適用などの状況の変化はあるものの、連結営業収益400億円の達成に向け、新規営業の強化や既存顧客のニーズにおこたえして積極的な提案を行い、業務の受託を進めている。 ⑤施設・設備の計画的な修繕、更新、リニューアル 当社は、倉庫や荷役機器など多くの施設・設備を保有しており、長期間安定的に稼働させるために、安全かつ確実に更新する必要がある。環境及び災害対策を図りながら、計画的な更新を実施している。また、改修や建て替えの際は、収益性や安全性を高め、環境に配慮した施設・設備への更新を進めている。 ⑥EBITDA(営業利益+減価償却費)の増加 積極的な投資による継続的な成長及び安定した利益の確保を行いつつ、事業におけるキャッシュ創出力を向上させ、すべてのステークホルダーに対し、現在以上に価値ある企業として持続的に発展した姿を目指していく。 ⑦採用活動の強化、人材の育成 少子高齢化、仕事に対する価値観の変化などにより、人手不足の問題は年々深刻化している。人材の確保と定着率の維持向上、人材育成は重要な経営課題である。 インターンシップや会社見学、広報活動などの充実、中途採用を含めた通年採用の実施、ダイバーシティの促進などに取り組むことにより、人材の確保に努めている。また、ベースアップや昇格制度の明確化など人事・給与制度の各種見直し、休暇制度や福利厚生の充実を図り、働きがいや働きやすい職場環境の整備を進め、従業員の定着率向上を図っている。さらに、体系立てた研修などを実施するとともに、上司と部下、職場内でのコミュニケーションの促進を図り、人材育成体制を整備し、一人ひとりの能力と組織力の向上に取り組んでいる。 ⑧安全及び物流品質の向上 お得意さまにご満足いただけるより良いサービスを提供するため、安全・安心な職場環境を整備し、物流品質の向上を図ることは、重要な経営課題である。そのため、安全衛生と物流品質マネジメントを強化するため、安全・品質管理部を設置し、労働災害の防止やISO9001に基づく物流品質の向上に取り組んでいる。また、安全性向上や効率化に資する設備投資や安全教育の実施も積極的に推進している。 ⑨デジタル化及び新技術の活用による業務プロセスの改善、効率化の継続 これまで、配車システム、トラック予約受付システムの活用や貨物ピッキングシステム及び社内業務への新システムの導入などを行ってきた。今後も標準化、システム化、業務改革、AIを活用した営業推進、業務の効率化、システム企画などの本社機能の強化を行い、改革を促進していく。 ⑩財務の健全性の維持 当社の主たる事業の倉庫業、港湾運送業は、施設に多額の投資を必要とし、その回収は長期にわたる。これらの設備投資は長期的観点から計画的かつ持続的に実施する必要があるが、主に借入金にて賄っている。そのため、自己資本比率など、財務の健全性を維持し、より安定的な経営基盤を確保していく。 ⑪政策保有株式の縮減 政策保有株式の持ち合い解消、保有先の売却について、今後も資本収益性(ROE)や投資計画を見据え、引き続き鋭意交渉を進めていく。(3)経営環境 日本経済及び物流業界を取り巻く環境は、米国の通商政策を巡る不透明感に加え、中東情勢の緊迫化やロシア・ウクライナ戦争の長期化、ホルムズ海峡封鎖などの地政学リスクが一層高まっており、これに伴う原料供給の停滞やサプライチェーンの混乱、為替変動、さらには賃金上昇による費用の増加など、依然として厳しい状況が続く見通しである。(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、上記経営環境を踏まえつつ、経営戦略を推進するために、次の項目に着手している。 ①総務部、経理部、情報管理部、業務監査部、安全・品質管理部、広報部を統括する管理本部を設置し、管理機能を強化するとともに、コンプライアンス・リスクマネジメント態勢の整備、コーポレート・ガバナンスの強化、ESG経営を推進している。 ②カーボンニュートラル社会の実現に向け、「先進的CCS事業(二酸化炭素の分離回収・輸送・貯留)に係る設計作業等」に参画し、当社での液化二酸化炭素の港湾出荷基地の整備について、2025年4月に設置した川崎支店埠頭部CCS事業推進課で具体的な検討を推進している。 ③2023年8月に設立したカザフスタン共和国の現地法人で、中央アジア地域における新たな海外拠点の設置と物流ルートの開拓により、グローバルなサプライチェーンの安定化を図っている。 ④2023年4月に設置したデジタル推進部と情報管理部で、デジタル戦略とシステム開発を強化するとともに、サイバー攻撃や情報漏洩リスクへの対策などの強化を図っている。 ⑤経営三カ年計画期間において、総額235億円の関連投資を進める。(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、経営三カ年計画では、最終年度である2029年3月期の連結業績目標を、営業収益400億円、営業利益16億円、親会社株主に帰属する当期純利益15億円、EBITDA(営業利益+減価償却費)47億円とした。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものである。 (1)経営方針 当社グループは、お得意さま・株主さま・地域社会・協力会社・従業員など、すべてのステークホルダーに対し、現在以上に価値ある企業・持続的に発展していく企業を目指すことを経営方針としている。(2)経営戦略等 当社グループを取り巻く経営環境の変化を踏まえ、2028年度を最終年度とする経営三カ年計画「Fly to the Next 2028」を策定し、次の経営課題に対応している。 ①新たな収益の柱となる新規業務の稼働と、新規事業の開始に向けた準備の加速 2025年度に建設した常陸那珂事業所の天井クレーン付き倉庫は、満床での稼働となった。今後もお得意さまのニーズに確実におこたえできるよう新規業務の稼働を進めている。また、カーボンニュートラル社会の実現に向け、先進的CCS事業(二酸化炭素の分離回収・輸送・貯留)の液化二酸化炭素の港湾出荷基地の整備、稼働に向けて準備を加速している。 ②独自性を発揮した事業の継続・深化と、積極的な投資による継続的な成長、及び安定した利益の確保 川崎支店のプライベートバース(自社埠頭)や、危険品、青果物、穀物サイロ、野積みなどの独自性を発揮した倉庫の業務について、さらなる深化を追求し、継続的な成長と安定した利益を確保していく。 ③国際物流事業のネットワークの拡大 当社グループは、2024年度よりカザフスタン共和国に進出し、2026年4月には倉庫を増築した。お得意さまの多種多様なニーズに対して積極的に投資を行うほか、最適な物流提案を通じて取扱数量の増加を図り、欧米・東南アジア及び中央アジア諸国を中心とした国際物流事業の拡大に取り組んでいる。 ④連結営業収益400億円の達成 国際物流部門の地政学リスクが見通せないことや、2027年度からの新リース会計基準の適用などの状況の変化はあるものの、連結営業収益400億円の達成に向け、新規営業の強化や既存顧客のニーズにおこたえして積極的な提案を行い、業務の受託を進めている。 ⑤施設・設備の計画的な修繕、更新、リニューアル 当社は、倉庫や荷役機器など多くの施設・設備を保有しており、長期間安定的に稼働させるために、安全かつ確実に更新する必要がある。環境及び災害対策を図りながら、計画的な更新を実施している。また、改修や建て替えの際は、収益性や安全性を高め、環境に配慮した施設・設備への更新を進めている。 ⑥EBITDA(営業利益+減価償却費)の増加 積極的な投資による継続的な成長及び安定した利益の確保を行いつつ、事業におけるキャッシュ創出力を向上させ、すべてのステークホルダーに対し、現在以上に価値ある企業として持続的に発展した姿を目指していく。 ⑦採用活動の強化、人材の育成 少子高齢化、仕事に対する価値観の変化などにより、人手不足の問題は年々深刻化している。人材の確保と定着率の維持向上、人材育成は重要な経営課題である。 インターンシップや会社見学、広報活動などの充実、中途採用を含めた通年採用の実施、ダイバーシティの促進などに取り組むことにより、人材の確保に努めている。また、ベースアップや昇格制度の明確化など人事・給与制度の各種見直し、休暇制度や福利厚生の充実を図り、働きがいや働きやすい職場環境の整備を進め、従業員の定着率向上を図っている。さらに、体系立てた研修などを実施するとともに、上司と部下、職場内でのコミュニケーションの促進を図り、人材育成体制を整備し、一人ひとりの能力と組織力の向上に取り組んでいる。 ⑧安全及び物流品質の向上 お得意さまにご満足いただけるより良いサービスを提供するため、安全・安心な職場環境を整備し、物流品質の向上を図ることは、重要な経営課題である。そのため、安全衛生と物流品質マネジメントを強化するため、安全・品質管理部を設置し、労働災害の防止やISO9001に基づく物流品質の向上に取り組んでいる。また、安全性向上や効率化に資する設備投資や安全教育の実施も積極的に推進している。 ⑨デジタル化及び新技術の活用による業務プロセスの改善、効率化の継続 これまで、配車システム、トラック予約受付システムの活用や貨物ピッキングシステム及び社内業務への新システムの導入などを行ってきた。今後も標準化、システム化、業務改革、AIを活用した営業推進、業務の効率化、システム企画などの本社機能の強化を行い、改革を促進していく。 ⑩財務の健全性の維持 当社の主たる事業の倉庫業、港湾運送業は、施設に多額の投資を必要とし、その回収は長期にわたる。これらの設備投資は長期的観点から計画的かつ持続的に実施する必要があるが、主に借入金にて賄っている。そのため、自己資本比率など、財務の健全性を維持し、より安定的な経営基盤を確保していく。 ⑪政策保有株式の縮減 政策保有株式の持ち合い解消、保有先の売却について、今後も資本収益性(ROE)や投資計画を見据え、引き続き鋭意交渉を進めていく。(3)経営環境 日本経済及び物流業界を取り巻く環境は、米国の通商政策を巡る不透明感に加え、中東情勢の緊迫化やロシア・ウクライナ戦争の長期化、ホルムズ海峡封鎖などの地政学リスクが一層高まっており、これに伴う原料供給の停滞やサプライチェーンの混乱、為替変動、さらには賃金上昇による費用の増加など、依然として厳しい状況が続く見通しである。(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、上記経営環境を踏まえつつ、経営戦略を推進するために、次の項目に着手している。 ①総務部、経理部、情報管理部、業務監査部、安全・品質管理部、広報部を統括する管理本部を設置し、管理機能を強化するとともに、コンプライアンス・リスクマネジメント態勢の整備、コーポレート・ガバナンスの強化、ESG経営を推進している。 ②カーボンニュートラル社会の実現に向け、「先進的CCS事業(二酸化炭素の分離回収・輸送・貯留)に係る設計作業等」に参画し、当社での液化二酸化炭素の港湾出荷基地の整備について、2025年4月に設置した川崎支店埠頭部CCS事業推進課で具体的な検討を推進している。 ③2023年8月に設立したカザフスタン共和国の現地法人で、中央アジア地域における新たな海外拠点の設置と物流ルートの開拓により、グローバルなサプライチェーンの安定化を図っている。 ④2023年4月に設置したデジタル推進部と情報管理部で、デジタル戦略とシステム開発を強化するとともに、サイバー攻撃や情報漏洩リスクへの対策などの強化を図っている。 ⑤経営三カ年計画期間において、総額235億円の関連投資を進める。(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、経営三カ年計画では、最終年度である2029年3月期の連結業績目標を、営業収益400億円、営業利益16億円、親会社株主に帰属する当期純利益15億円、EBITDA(営業利益+減価償却費)47億円とした。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりである。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国の経済は、米国の通商政策の動向や中東、ロシア・ウクライナ戦争などの地政学リスク、諸物価の高騰が継続していることにより、依然として先行き不透明な状況が続いた。 物流を取り巻く環境は、深刻な人手不足や輸送能力の不足、諸費用の高止まりなどにより、厳しい状況が続いた。 このような経営環境の中、当社グループでは、グループ各社の連携を一層強化し、営業の拡大、費用の削減、経営基盤の強化、社会的責任の向上に取り組んだ。また、諸費用の高騰に対応した適正な料金収受に努めた。 国内総合物流事業では、倉庫業、港湾運送業、その他の業務の取扱いが増加した。倉庫業では、農産品、合成樹脂などが増加したことにより、入出庫数量は前期を上回った。港湾運送業では、コンテナ、ばら積み貨物の取扱数量が増加した。自動車運送業では、一部の貨物の荷動きが低調に推移したことにより、取扱数量が減少した。 国際物流事業では、中央アジア向け輸送が増加したことなどが収益に大きく寄与した。 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。a.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ50億2千1百万円増加し、560億1千1百万円となった。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ17億1百万円増加し、251億6千1百万円となった。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ33億2千万円増加し、308億5千万円となった。b.経営成績 当連結会計年度の営業収益は380億7千9百万円(前期比29億7千8百万円、8.5%増収)、営業利益は15億1百万円(前期比3億4千5百万円、29.9%増益)、経常利益は19億4千3百万円(前期比5億5千8百万円、40.3%増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億6千6百万円(前期比3億4千1百万円、30.4%増益)となった。 セグメントの経営成績は次のとおりである。 *以下の営業収益及び営業利益は、セグメント間の取引を含んでいる。 ○国内総合物流事業 国内総合物流事業の営業収益は328億9百万円(前期比4.9%増収)、営業利益は13億3千万円(前期比21.5%増益)となった。 ≪倉庫業≫ 倉庫業の営業収益は117億3千5百万円(前期比7.3%増収)となった。 入出庫数量は358万トン(前期328万トン)と前期を上回ったが、平均保管残高は28万トン(前期28万トン)と前期並みとなった。麦などの取扱いが減少したが、農産品、合成樹脂などの取扱いが増加した。 ≪港湾運送業≫ 港湾運送業の営業収益は85億9千7百万円(前期比4.3%増収)となった。 ばら積み貨物の取扱数量は511万トン(前期492万トン)となり、穀物などの取扱数量が増加した。また、コンテナの取扱数量が増加した。 ≪自動車運送業≫ 自動車運送業の営業収益は57億4千4百万円(前期比0.8%減収)となった。 飲料などの取扱数量が減少した。 ≪その他の業務≫ その他の業務の営業収益は67億3千2百万円(前期比6.8%増収)となった。 新規施設の本格稼働により物流関連施設の賃貸に伴う収入が増加した。 ○国際物流事業 国際物流事業の営業収益は56億1千6百万円(前期比33.4%増収)、営業利益は1億5千7百万円(前期比228.3%増益)となった。 中央アジア向け貨物の取扱いが増加した。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より4億7千9百万円減少し、40億7百万円となった。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、営業利益が増益となったことやリース投資資産の減少などにより、前連結会計年度に比べ11億8百万円増加し、32億6千1百万円となった。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、35億1千2百万円の純支出となった。固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ12億9千2百万円純支出が増加した。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、2億4千4百万円の純支出となった。長期借入れによる収入が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ25億3千9百万円純支出が増加した。 ③生産、受注及び販売の実績 当社グループは、役務の提供を主体とする総合物流業者であり、生産、受注及び販売の実績を区分して把握することは困難であるため、これに代えてセグメント別業務別の営業収益及び取扱数量を記載している。 a.セグメント別業務別営業収益当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)セグメント名業務の名称営業収益金額(百万円)前年対比(%)国内総合物流事業倉庫業11,7357.3港湾運送業8,5974.3自動車運送業5,744△0.8その他の業務6,7326.8計32,8094.9国際物流事業国際運送取扱業5,61633.4合計38,4268.3 (注) 上記の金額には、セグメント間の取引が含まれている。 b.セグメント別業務別取扱数量○国内総合物流事業1) 倉庫業(イ)倉庫入出庫残高及び回転率項目期首残高入庫出庫期末残高回転率(%)数量(千トン)数量(千トン)数量(千トン)数量(千トン)数量倉庫前連結会計年度2761,5291,55025649.9(2024年4月1日~2025年3月31日)当連結会計年度2561,7121,68728152.3(2025年4月1日~2026年3月31日)サイロ前連結会計年度5111981927.6(2024年4月1日~2025年3月31日)当連結会計年度1988101545.4(2025年4月1日~2026年3月31日) (注) 貨物回転率は貨物荷動きの状況を示すものであって、下記の算式によって算定される。回転率=年間入出庫高×100前月末残高及び当月末残高の年間累計 (ロ)倉庫品目別保管残高品目前連結会計年度(2025年3月31日現在)当連結会計年度(2026年3月31日現在)保管数量保管数量千トン比率(%)千トン比率(%)倉庫 農水産品5822.86924.9金属124.9155.4金属製品・機械73.172.5窯業品10.610.4その他の化学工業品7027.48229.2紙・パルプ249.6259.0食料工業品187.2207.4雑工業品00.410.4雑品6124.05820.8計256100.0281100.0サイロ 農水産品1685.2250.7雑品214.8249.3計19100.05100.0 2) 港湾運送業(イ)一般貨物作業別前連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)搬入 本船揚(千トン)1,6301,534艀揚(千トン)-3車卸(千トン)5342計(千トン)1,6841,580搬出 本船積(千トン)942963艀積(千トン)1915車積(千トン)637588計(千トン)1,5991,567搬入、搬出を伴わない作業(千トン)3,4043,801合計(千トン)6,6886,949 (ロ)コンテナ作業別前連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)取扱数量(TEU)189,658205,754 (注) TEU:20フィートコンテナ換算 3) 自動車運送業扱別前連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)輸送数量(千トン)1,6651,652 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)財政状態の分析(資産) 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ50億2千1百万円増加し、560億1千1百万円となった。株価上昇に伴う投資有価証券の増加などにより、固定資産が前連結会計年度末に比べ52億5千2百万円増加した。(負債) 負債は、前連結会計年度末に比べ17億1百万円増加し、251億6千1百万円となった。借入金が長期短期合わせて6億9千9百万円増加したほか、繰延税金負債も増加した。(純資産) 純資産は、前連結会計年度末に比べ33億2千万円増加し、308億5千万円となった。利益剰余金やその他有価証券評価差額金が増加した。 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.1ポイント上昇し、54.7%となった。2)経営成績の分析(イ) 営業収益 当連結会計年度における営業収益は、380億7千9百万円(前期比29億7千8百万円増収)となった。なお、セグメント別営業収益の概要については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載している。(ロ) 営業原価 当連結会計年度における営業原価は、341億5百万円(前期比25億4千8百万円増加)となった。この結果、営業原価の営業収益に対する比率は89.6%となり、前連結会計年度の89.9%と比較して0.3ポイント低下した。(ハ) 販売費及び一般管理費 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、24億7千2百万円(前期比8千4百万円増加)となった。(ニ) 営業外損益 当連結会計年度における営業外収益は、6億9千4百万円(前期比2億4千7百万円増加)となった。 営業外費用は2億5千3百万円(前期比3千4百万円増加)となった。 金融収支は1億9百万円の黒字(前期比8百万円増加)となった。(ホ) 特別損益 当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券売却益3億1千2百万円、固定資産売却益1千万円を計上した。一方、特別損失は、固定資産除却損1億2百万円を計上した。b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは、経営三カ年計画として2024年3月期から2026年3月期までの3年間の経営三カ年計画を策定し、最終年度である2026年3月期連結業績目標を営業収益400億円、営業利益15億円、親会社株主に帰属する当期純利益10億円としている。 当連結会計年度における日本経済は、米国の通商政策の動向や中東、ロシア・ウクライナ戦争などの地政学リスク、諸物価の高騰が継続していることにより、依然として先行き不透明な状況が続いた。 物流を取り巻く環境は、深刻な人手不足や輸送能力の不足、諸費用の高止まりなどにより、厳しい状況が続いた。 このような経営環境の中、当社グループは、グループ各社の連携を一層強化し、営業の拡大、費用の削減、経営基盤の強化、社会的責任の向上に取り組んだ。 その結果、当連結会計年度は経営三カ年計画策定時掲げた最終年度連結業績の目標に対し、営業収益95.2%、営業利益100.1%、親会社株主に帰属する当期純利益146.7%の達成率となった。 なお、各科目の増減に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」に記載している。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、営業利益が増益になったことやリース投資資産の減少などにより、前連結会計年度に比べ11億8百万円増加し、32億6千1百万円となった。 なお、当連結会計年度における投資活動・財務活動によるキャッシュ・フローの概要については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載している。b.資本の財源及び資金の流動性1)資本構成 当社グループの当連結会計年度末における資本構成は、その他の包括利益累計額を含めた自己資本が306億4千万円(前連結会計年度末対比32億8千9百万円増加)で総資産に対する比率は54.7%、借入金が166億7千2百万円(前連結会計年度末対比6億9千9百万円増加)で同29.8%となっており、前連結会計年度末と比較して自己資本比率が1.1ポイント上昇し、借入金の比率は1.5ポイント低下している。自己資本比率の上昇は、自己資本の増加率が総資産の増加率を上回ったことによるものである。また、総資産借入金比率の低下は、借入金の増加率が総資産の増加率を下回ったことによるものである。2)資金の流動性 当社グループの当連結会計年度末における流動比率は93.8%で、前連結会計年度末における93.0%と比べ0.8ポイント上昇した。 当連結会計年度の売上債権の平均滞留期間は1.2ヶ月で前連結会計年度とおおむね変わりなく、回収は順調であった。3)財政政策 当社グループは現在、運転資金及び設備資金を内部資金及び借入により調達している。運転資金の借入については、当社が一括して金融機関等から短期借入により調達し、関係会社の資金需要に応じて貸し付ける方法をとっている。設備資金については、金融収支の安定性を重視し、金融機関から長期固定金利の借入により調達している。 なお、経営三カ年計画(2026年度~2028年度)期間において投資する約235億円は、自己資金及び金融機関からの借入金にて調達する方針である。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されている。 連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っているが、それらは連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼしている。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりである。a.投資の減損 当社グループは、長期的な資金の運用または長期的な取引関係の維持等のために、金融機関を含む取引先の株式等に対する投資を行っている。これらの投資には市場価格のない株式等以外の価格変動性の高い上場会社の株式と、市場価格のない非上場会社の株式等が含まれており、当社グループはこれらの株式等の投資価値の低下が一時的でないものと判断した場合に減損処理を行うこととしている。当連結会計年度において計上した減損処理額はなく、当連結会計年度末において保有する上場会社の株式に係る未実現損失はない。b.固定資産の減価償却等 当社グループの主な事業である埠頭業・倉庫業は施設に多額の投資を行う必要があり、有形固定資産及び無形固定資産の当連結会計年度末における帳簿価額は305億2千3百万円で総資産額の54.5%、営業収益の額の80.2%に相当している。当社グループは、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)並びに2016年4月1日以降取得した建物附属設備及び構築物を除く有形固定資産の減価償却方法について定率法を採用し、投資資金の早期回収を図っている。当連結会計年度における減価償却費の計上額は21億5千8百万円であり、これは減価償却の対象となる固定資産の当連結会計年度末における帳簿価額の10.5%に相当している。 c.退職給付に係る会計処理 当社グループは、退職給付費用及び債務の計算の前提となる割引率を、退職給付の支払見込期間を反映したAA格以上の普通社債の連結会計年度末における市場利回りを勘案して設定している。 当社グループの数理計算上の差異の主な発生原因は、退職給付信託の設定に伴い当社が拠出した株式の想定外の価格変動及び割引率の変更によるものであり、その処理方法は発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(14年)による定額法によっている。当連結会計年度末における数理計算上の差異の未認識額は17億8千1百万円(貸方残高)である。 制度移行に伴う過去勤務費用の処理方法は、数理計算上の差異の処理方法に準じて、発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(14年)による定額法によることとしている。当連結会計年度末における過去勤務費用の未認識額はない。d.繰延税金資産 当社グループの税効果会計の適用に際しては、グループ各社の所得の過去の発生状況及び将来の発生見込に基づくスケジューリングの結果等を勘案して繰延税金資産の回収可能性の判定を行っている。当社グループにおいては、スケジューリング不能のもの、所得の発生見込みに不確実性の存する一部の連結子会社に係るもの等を除き回収可能であると判断している。 また、グループ通算制度を採用しており、これに沿った会計処理を行っている。e.偶発債務(当社川崎支店の火災について) 当社川崎支店において、2019年4月16日にベルトコンベアから火災事故が発生し、近隣の施設に延焼した。 これに対し、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)6 偶発債務」に記載のとおり、延焼した施設で発電事業を行っている株式会社京浜バイオマスパワー、また発電施設の所有者である出光興産株式会社より2022年3月28日付にて、当社に対する損害賠償請求訴訟が提起され、2022年5月23日に訴状の送達を受けた。 訴訟の推移によっては、将来金銭的負担が生じる可能性があるが、現時点では連結財務諸表に与える影響を合理的に見積もることは困難な状況である。 なお、今後の訴訟の推移によっては、引当金を計上するなどの可能性がある。

事業リスク

  • 事業環境の変動: 国内外の経済・政治情勢、公的規制、環境規制、IT技術の進展、顧客の物流合理化に伴う競争激化などが、業績に影響を与える可能性があります。特に、グローバルな事業展開をしているため、国際情勢の変化は大きなリスク要因となります。
  • 大規模災害による被災: 国内外に多数の物流施設を保有しており、地震、台風、豪雨などの大規模災害が発生した場合、施設に甚大な被害が生じる可能性があります。これにより、事業活動が停止し、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
  • 海外事業展開のリスク: ロシアを拠点とする国際物流事業は、ウクライナ侵攻後の経済制裁や情勢不安により、現地法人の運営に大きな支障をきたす可能性があります。地政学的なリスクは、国際物流事業の収益性や安定性に直接的な影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,997 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。 なお、文中の将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものである。① 事業環境の変動 当社グループは、総合物流企業集団として国内各地及びロシア、カザフスタン、タイ、中国に物流拠点を有し、多様な物流事業(倉庫業、港湾運送業、自動車運送業、国際物流事業、その他付帯事業等)を展開している。当社グループの事業は、国内外の経済・政治・社会情勢、公的規制の変化、環境規制の強化に伴う対応、IT技術等の進展による物流の変化、また、顧客の物流合理化に伴う競争の激化等が、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。現在、顧客ニーズに対応した物流提案を行うとともに、適時適切な設備投資を行い、また、IT技術の導入等を推進し、営業の拡大と経営基盤の強化を図っている。② 物流施設の災害による被災 当社グループの主たる事業においては、物流施設が重要な経営資源である。これらの施設は、国内各地及びロシア、カザフスタン、タイ、中国に立地している。これらの地域で地震や、台風・豪雨等による大規模災害が発生した場合は、当社グループの物流施設に甚大な被害が発生し、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。今後の大規模災害による施設被害に備えるため、計画的に老朽施設の更新投資や補強のための投資を行っている。また、緊急事態に備えた事業継続計画(BCP)を適宜見直すとともに、防災体制の強化、当社グループ関係者への防災教育・訓練を徹底している。近年、気候変動による大規模災害が激甚化しているため、気候変動に伴うリスク・機会を適切に分析、評価、管理するとともに、さらなる対応の強化等が必要となる可能性がある。③ 海外事業展開 当社は、連結子会社を通じて国際物流サービスを提供している。連結子会社のうち2社はロシアを拠点として、物流事業を行っている。ロシアによるウクライナ侵攻後、同国に対する経済制裁等が行われている。当社グループは、常に現地の状況を把握することができる体制を構築し、駐在員の安全に万全を期しているが、今後の情勢によっては現地法人の運営に大きな支障をきたす可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。④ 資金調達及び金利変動 当社グループは、必要資金を主に金融機関からの借入れにより調達している。現在当社グループは、設備投資資金の調達や運転資金等の借換えに支障をきたす状況にはなく、借入金利も安定した状況にあるが、予想外の社会・経済変動により金融市場が逼迫し、資金の調達、金利面に急激な変化が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。⑤ 株価の変動 当社グループの保有する市場価格のない株式等以外の株式は、当連結会計年度末現在、取得原価で25億9百万円、連結貸借対照表計上額(時価)で111億1千6百万円であり、評価差額は86億6百万円の評価益となっている。当該株式は、主に取引先との関係の維持・強化を目的として保有しているが、今後の経済情勢または発行会社の経営状態の急激な変動等による株価の大幅な下落が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。⑥ 訴訟・係争等 当社グループは、法令遵守に努めながら事業活動を行っているが、事業活動に関して様々な形で訴訟等の対象となる可能性があり、その結果によっては当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。なお、当社は2022年3月28日付で損害賠償請求訴訟を提起され、2022年5月23日に訴状の送達を受けている。また、2024年6月10日付で、請求金額を51億5千7百万円(遅延損害金を除く)とする旨の拡張申立書が提出され、2024年8月26日に送達を受けた。当社としては事実関係の認識などに相違があるため、訴状の内容を精査のうえ、適切に対処していく。 ⑦ 情報システム障害等 当社グループは情報システム網を構築し、総合物流サービスを提供するとともに、業務の効率化や事故防止などを図っている。この情報システム網の安定性を確保するため、最新技術やデータバックアップ等の情報セキュリティ対策を導入し、情報セキュリティに関する社内体制の整備や従業員の教育に取り組んでいる。しかし、災害、事故、犯罪等によりシステム障害や情報漏洩が発生した場合には、社会的信用の低下等により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。⑧ 固定資産の減損 当社グループは、建物及び土地をはじめとする多額の固定資産を保有しており、今後の経済変動等による固定資産の時価下落や資産グループの収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失を計上する。これにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。⑨ 繰延税金資産 当社グループの当連結会計年度末における繰延税金資産の計上額は、評価性引当額(回収可能性がないと判断されたもの)を除き、7億9千1百万円である。今後、グループ各社の将来所得の発生見込額の減少等に伴い、多額の評価性引当額が発生する可能性がある。⑩ 退職給付債務 当社は、2007年4月から退職一時金の一部を確定拠出年金に移行したが、その他の退職給付債務については、割引率、昇給率等の見積り数値を用いて計算されており、その変動に伴い変動する。 また、当社グループは、退職給付信託を設定しており、その信託財産は、主に信託設定時に当社が拠出した株式により占められている。このため、想定外の株価変動により発生する数理計算上の差異の費用処理等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。⑪ 投資の減損等 当社グループの保有する市場価格のない株式等の当連結会計年度末における連結貸借対照表計上額は、4億2千8百万円であり、これらは発行会社の財政状態の悪化による実質価値の著しい低下に伴い、減損処理の対象となる可能性がある。 また、当社グループの保有する非連結子会社及び関連会社株式の当連結会計年度末における連結貸借対照表計上額は7億4百万円である。これらの株式の帳簿価額は、当該子会社及び関連会社の経営成績または財政状態の悪化に伴い、減額の対象となる可能性がある。⑫ 人材の確保・育成等 当社グループは、最適な物流提案を行うと共に荷役等の総合物流サービスを提供している。総合物流サービスの提供を行うため、人材の確保と働きやすい職場環境の整備を進めて定着率向上を図っている。しかしながら、今後加速する労働力人口の減少、労働力確保の競争激化等で、十分な人材を確保することが困難な状況が発生した場合、当社グループの物流サービス提供に影響を及ぼす可能性がある。 なお、これらは当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示したものであり、これらに限定されるものではない。

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