9355

リンコーコーポレーション(9355)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

倉庫・運輸関連業 運輸・物流

事業の概要

  • 港湾物流を核とした多角化
    リンコーコーポレーションは、新潟港を拠点に、船舶への貨物積み下ろし、倉庫での保管、トラックや鉄道での輸送といった一貫した港湾運送事業を主力としています。これにより、国内外の物流を支える重要な役割を担い、安定的な収益基盤を構築しています。
  • 地域密着型の不動産事業
    新潟県内で土地建物の賃貸や分譲、仲介を手掛ける不動産事業も展開しています。地域に根差した事業展開により、安定した賃料収入や不動産取引による収益を得ており、事業の多角化に貢献しています。
  • ホテル・機械整備・物品販売
    ホテル事業では「ホテル新潟」を経営し、宿泊、宴会、レストランサービスを提供しています。また、建設機械や自動車の販売・整備、損害保険代理店、住宅建設資材や日用品の販売など、幅広い事業を通じて収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 運輸部門
    売上99.4億円、営業利益1.46億円と、企業グループの売上の大部分を占める主力事業です。新潟港を拠点に、港湾運送、通運(鉄道貨物)、倉庫業、貨物自動車運送、船舶碇繋場業、通関業など、海陸一貫の総合物流サービスを提供しており、安定した収益源となっています。
  • 不動産部門
    売上2.75億円、営業利益1.31億円を計上しており、当社所有の土地建物の賃貸、分譲、仲介業務を行っています。運輸部門に次ぐ利益貢献度があり、安定的な賃料収入が特徴で、事業ポートフォリオの安定化に寄与しています。
  • ホテル事業部門
    売上23.3億円、営業利益1.19億円を上げており、「ホテル新潟」の運営を通じて、宿泊、結婚式、宴会、レストランサービスを提供しています。インバウンド需要の増加や各種イベント効果により好調に推移しており、改装によるサービス差別化でさらなる集客力向上を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
CommonCarriersSegments 事業 99 1 1.5%
RealEstateSalesSegments 事業 3 1 47.8%
HotelOperatingSegments 事業 23 1 5.1%
RelatedBusinessSegments 地域 10 1 8.7%
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FY2026|1,248 文字
3【事業の内容】 当社企業グループ(当社及び当社の関係会社)は当社、子会社3社及びその他の関係会社1社により構成され、その主な事業は、港湾運送事業、通運事業、倉庫業、貨物自動車運送業、船舶碇繋場業、不動産業、ホテル業、機械整備販売業、物品販売業、その他附帯事業であります。 当社企業グループの事業内容及び当社と子会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 なお、次の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (1)運輸部門① 港湾運送事業会社名事業の内容当社新潟港を主体とした入出港船舶の本船積卸、艀筏使用及び沿岸作業等の海陸一貫作業リンコー港運倉庫株式会社新潟港における入出港船舶の本船積卸作業及び沿岸作業並びに筏作業等の当社の元請にかかる下請作業 新潟港における入出港船舶の本船積卸及び沿岸作業等の海陸一貫作業 (会社数 計2社) ② 通運事業会社名事業の内容リンコー運輸株式会社新潟貨物ターミナル駅、沼垂駅及び焼島駅の各駅における鉄道貨物の取扱、積卸、集貨配達業務 (会社数 計1社) ③ 倉庫業会社名事業の内容当社新潟港に倉庫、上屋を所有、貨物の保管、仮置、入出庫作業リンコー港運倉庫株式会社新潟港における県営の倉庫を賃借、貨物の保管、仮置、入出庫作業 新潟港に倉庫を所有、貨物の保管、仮置、入出庫作業 (会社数 計2社) ④ 貨物自動車運送事業会社名事業の内容当社港湾経由の貨物及び国内流通貨物の輸送業務リンコー港運倉庫株式会社同上リンコー運輸株式会社各種貨物自動車を所有、港湾経由の貨物及び国内流通貨物の輸送業務リンコー港運倉庫株式会社同上 (会社数 計3社) ⑤ 船舶碇繋場業会社名事業の内容当社当社臨港埠頭入出港船貨物の通過及び繋船、纜取、給水作業 (会社数 計1社) ⑥ その他附帯事業会社名事業の内容当社通関業、船舶代理店業、航空貨物取扱業横浜港における通関業 (会社数 計1社) (2)不動産部門不動産業会社名事業の内容当社当社所有の土地建物の賃貸及び土地建物の分譲並びに仲介業務 (会社数 計1社) (3)ホテル事業部門ホテル業及び料理業会社名事業の内容株式会社ホテル新潟ホテル、結婚式場、宴会、食堂の経営 (会社数 計1社) (4)関連事業部門① 機械整備販売業会社名事業の内容当社株式会社IHI、日立建機日本株式会社等と販売代理店契約を締結、建設機械等の販売及び各種自動車、機械の修理、整備、部品販売の業務 (会社数 計1社) ② その他附帯事業会社名事業の内容当社損害保険代理店業、産業廃棄物処理業 (会社数 計1社) ③ 物品販売業会社名事業の内容当社住宅建設資材並びに日用品・雑貨等の販売、貿易業務 (会社数 計1社) 事業系統図(注)2026年4月1日付で、NⅩ日本海倉庫株式会社(現:日本海倉庫株式会社)の発行済株式の99.1%を取得し、 連結子会社といたしました。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
外注作業費、エネルギーコスト等の上昇を上回る適正料金収受の取組を進めているため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
港湾施設、倉庫・上屋、ホテル施設など多額の固定資産を保有しているため
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
会社が挙げる主要リスク:重大な労働災害に関わるリスク / 人材の確保に関わるリスク / コスト上昇に関わるリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

リンコーコーポレーションは、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという顕著な証拠はない。事業は倉庫・運輸業であり、参入障壁となる無形資産は限定的と考えられる。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

倉庫・運輸業においては、既存顧客との長年の取引関係や、特定の設備・システムへの依存度から、一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。しかし、代替サービスの存在や価格競争により、その効果は限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、ユーザー数の増加がサービス価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出す構造ではない。プラットフォーム型ビジネスとは異なり、個々の顧客との取引が中心となる。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

倉庫・運輸業は一般的に設備投資や人件費がコスト構造の大部分を占める。リンコーコーポレーションが他社と比較して構造的に顕著なコスト優位性を持つという情報は現時点では確認できない。規模の経済による効率化の可能性は残る。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

東京港における港湾運送事業は、地理的な制約とインフラ投資の必要性から、参入障壁が存在する。リンコーコーポレーションは東京港で一定のシェアを持ち、規模の経済による効率的な運営が可能である。これは、業界規模に対し最適な少数寡占の一端を示唆する。

  • 新潟港における強固な事業基盤
    新潟港を主体とした港湾運送事業において、長年の実績とノウハウを持つことで、入出港船舶の積み下ろしから倉庫保管、陸上輸送まで一貫したサービスを提供できる強みがあります。これにより、顧客にとって利便性の高い総合物流サービスを実現し、競合に対する優位性を確立しています。
  • 多角的な事業展開による安定性
    港湾運送だけでなく、不動産、ホテル、機械整備販売など多岐にわたる事業を展開しているため、特定の事業環境の変化によるリスクを分散し、企業グループ全体の収益安定性を高めています。例えば、物流需要が変動しても、不動産賃貸収入などで補完できる体制です。
  • 地域に根差した総合力
    新潟という地域に深く根差し、国際港湾や空港、高速道路網といったインフラを活用した事業展開は、地域経済との強い結びつきを生み出しています。これにより、地域社会からの信頼を得やすく、事業活動に必要な許認可や協力関係を維持しやすいという強みがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 地域貢献とグローバル展開
    新潟の優れた交通インフラと高品質な農産物を活かし、地域社会に貢献しつつ、常に世界を視野に入れたグローバル企業を目指しています。これは、地域経済の発展に寄与しながら、新たなビジネスチャンスを追求する姿勢を示しています。
  • 中期経営計画による収益強化
    2024年度から2026年度までの中期経営計画では、「運輸部門の収益基盤の安定と向上」「自社資産・人材の強みを活かした収益性・効率性向上」「事業継続可能な人的資本戦略の実施」を重点課題としています。特に運輸部門では、コンテナ内航フィーダーサービスや特殊貨物の取り込みで「稼ぐ力」の強化を図っています。
  • 人的資本と資産の有効活用
    社員の安全衛生意識向上、多様な人材の活躍推進、働きがいを高める人事制度の検討を通じて「現場力」を強化し、人的資本の活用を進めています。また、政策保有株式の縮減や臨港埠頭地区の将来構想策定を通じて、事業資産の有効活用と収益性・効率性の向上を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社企業グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。 (1)会社経営の基本方針 当社企業グループの事業基盤である新潟は、国際港湾や国際空港、高速道路網といった多様な交通インフラを備えた対岸諸国の玄関口として優れた拠点性を有しているだけでなく、高品質の食材や食品を生み出す農業県として海外からも認知されており、当社企業グループは、こうした新潟の優位性を活かしながら地域社会に貢献し、グローバルな企業を目指しております。 さらに当社企業グループは、全体の総合的価値を高めながら安定的な発展を遂げるため「統一された意思を持った強い企業集団」となるべく、以下の「リンコーグループ経営理念」を定めております。 「リンコーグループ経営理念」① 顧客・株主・社員とその家族・地域社会に信頼され、その全ての人々に貢献する企業集団を目指します。② 新潟を基盤とした事業展開を図りつつも、常に視野を世界に拡げグローバル化を意識し、進取の精神でビジネスに挑戦します。③ 総合物流事業、ホテル事業、不動産事業、各種販売代理店業及び環境事業を通じて、安全かつホスピタリティーの精神に基づき様々なサービスを社会に提供するとともに各事業分野に於いて地域NO.1企業を目指します。④ 効率的な経営とコスト競争力のある企業体質を保持しつつ、常に良質なサービスを提供し続けることによって安定した成長を目指します。 (2)会社の経営戦略 当社は、2025年5月、創立120周年という大きな節目を迎えることができました。「みなと から今を支え、明日を拓く。」というグループパーパスのもと、当社の原点である「みなと」に深く根ざしながら、人々の生活を支え、持続可能で明るい未来の構築に貢献すべく、引き続き果敢に挑戦して参ります。 このパーパスのもと策定した「中期経営計画(2024年度~2026年度)」では、「運輸部門の収益基盤の安定と向上」、「自社資産・人材の強みを活かし収益性・効率性を向上」、「事業継続可能な人的資本戦略の実施」に重点的に取組んでおります。詳細は、次の(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題をご参照願います。 (3)経営環境 当連結会計年度は、雇用や所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調を推移しているものの、イラン情勢をはじめとする中東地域の地政学リスクの高まりを背景とした原油・エネルギー価格の高騰、国内における継続的な物価上昇、長期金利の上昇等の影響から、先行きは依然として不透明な状況が続いていると認識しております。 このような状況の中、運輸部門では、既存貨物のほか、新規貨物の獲得、倉庫保管貨物の取扱い増加等により堅調に推移しました。引き続き、作業料金の見直しや作業効率の向上に努め、利益の確保に繋がる取組みを継続して参ります。 ホテル事業部門では、2025年4月に完了した中高層階の客室工事の影響により、工事期間中の客室稼働に一定の制約が生じたものの、工事完了後は回復基調となり宿泊部門は好調を維持しました。宴会、レストラン部門においても、宿泊との相乗効果、新規顧客の積極的な獲得等に努め、集客状況は堅調に推移しました。今後も様々な企画、サービスの提供に努め、受注増に継続して取組んで参ります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社は、(2)会社の経営戦略で記載しましたように、企業価値の向上のため、中期経営計画(2024年度~2026年度)を策定し「運輸部門の収益基盤の安定と向上」、「自社資産・人材の強みを活かし収益性・効率性を向上」、「事業継続可能な人的資本戦略の実施」に重点的に取組んでおります。同計画の中で優先的に対処すべき課題は次のとおりであります。 ① 収益基盤の安定・向上の取組み 当社企業グループの中核である運輸部門におきましては、持続的な収益成長を実現するため、港湾荷役における豊富な経験と卓越した技術力を強みとして、バルク・コンテナ貨物の取扱いを堅持しつつ、脱炭素社会の実現に向けて需要が高まる再生可能エネルギー関連貨物や、高度な技術を要する重量物・特殊貨物等、多様な貨物を安定的に確保できる体制を整備して参ります。 ホテル事業部門におきましては、中高層階客室の大規模改装が無事完了し、施設全体のグレードアップを実現いたしました。内装・設備の刷新によって高まったブランド価値を積極的に発信することで、新潟市内における当ホテルのプレゼンスをより確固たるものとして参ります。さらに、レストランや宴会等の料飲部門においては、お客様のニーズや季節に合わせた独自性の高いフェアやイベントを継続的に展開し、リピーターの獲得と新規顧客の開拓を両立させることで、収益力強化と集客基盤の拡充を図って参ります。 ② 安全衛生の取組み 当社企業グループは、現場作業における労働災害の撲滅と、健康に配慮した職場づくりを経営の重要課題と位置づけており、安全管理システムの整備・運用を進めるとともに、社内のリスクアセスメントを強化し、全社員の安全意識の向上に取組むことで、労働災害の抑止に努めて参ります。今後も安全管理体制の維持・高度化に継続して取組み、誰もが安全かつ安心して働ける職場環境の実現を追求して参ります。 ③ 人的資本の活用・人材育成の取組み 自社・お客様の施設を中心とする現場で多様なサービスを提供する当社企業グループでは、変化の激しい業務環境と顧客ニーズに柔軟に対応する現場力を中核に据えています。人的資本の最適な配分と計画的な人材育成を重要テーマとし、現場力の強化に資する施策を着実に進め、ジョブローテーション制度、複線型キャリア制度を導入し、個々の適性や意向に即した成長機会を提供して参ります。また、ダイバーシティの推進として、女性現業職や、営業部門への外国人女性の配置をはじめ、年齢・性別・国籍を問わない活躍機会を広げています。定期的なサーベイ結果を活用し、やりがいを高める評価・処遇制度の整備、働き方の選択肢拡大、業務と育児・介護との両立支援の充実を進め、エンゲージメントの向上と離職の抑止につなげて参ります。 ④ 事業資産の有効活用と収益性、効率性向上の取組み 当社企業グループの事業資産につきましては、各セグメントの収益性と資産効率の向上を軸に、活用方針や設備投資の内容を精査したうえで着実に実行して参ります。あわせて、セグメントの枠にとらわれず事業間連携を推進し、業務の効率化や新たな収益機会の創出につながる活用策を継続的に検討して参ります。政策保有株式については、保有に伴う経済的効果と戦略的意義を十分に検証したうえで縮減を進め、売却による資金は運転資金や設備投資等に充当することで、総資産のスリム化と資本効率の一層の向上を図って参ります。 臨港埠頭地区全体の有効活用に関しましては、新潟港が目指す将来像の実現を見据え、当該地区が果たし得る役割を踏まえつつ、関係機関との連携を図り、地域及び港湾機能の発展に資する将来構想の策定に取組んで参ります。 ⑤ 環境保全への取組み 当社企業グループは、国土交通省の「みなとSDGsパートナー登録制度」に登録し、同制度に基づくCO₂排出量削減目標を掲げて取組んでおります。あわせて、新潟県が表明するカーボンニュートラルに関する各種協議会へ参画し、脱炭素社会の実現に向けた連携を進めて参ります。 事業活動におきましては、木材リサイクル事業による廃材資源の利活用、自社施設内における太陽光発電施設の設置、発電した電力を活用した電動フォークリフトの運用等、環境配慮型の取組みを推進しています。 ホテル事業部門では、循環型農業で収穫された野菜の活用、プラスチック容器の削減、食べ残しゼロの推進、館内のLED照明化等を通じて、環境負荷の低減とエネルギー消費の削減に取組んでおります。 今後も、事業活動と環境保全の両立を図り、持続可能な社会の実現に貢献して参ります。 ⑥ コンプライアンス・内部統制強化の取組み 当社企業グループは、コンプライアンスの徹底を重要課題と捉え、全社員が高い倫理観をもって職務を遂行することを重視しています。社員向けコンプライアンス研修の実施、法令・企業倫理違反やハラスメントの早期発見と適切な対応を図るため、啓発活動に加え、内部通報制度の体制強化を進めています。さらに、適切な業務運営を確保するべく、内部監査の指摘に基づく内部統制の強化策を実行し、その運用状況が各部署で適正に機能しているかを継続的に確認することで、グループ全体のリスク管理を一層徹底して参ります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社企業グループは、中期経営計画(2024年度~2026年度)において、「運輸部門」を中心に収益力を早期に回復させ、グループ全体の収益性・効率性を向上させるため、収益と資産効率性の指標と目標を掲げております。経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な連結指標は、売上高、営業利益、営業利益率、ROE(自己資本利益率)、ROA(総資産経常利益率)、各セグメント利益であり、中期経営計画の最終年度(2026年度)の目標値は、売上高150億円、営業利益6億円、営業利益率4%、ROE4%、ROA2%、各セグメント利益1億円以上維持であります。なお、同経営計画の2年目に当たる当連結会計年度(2025年度)は、売上高138億5千6百万円、営業利益4億9千1百万円、営業利益率3.5%、ROE5.6%、ROA1.6%となりました。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社企業グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。 (1)会社経営の基本方針 当社企業グループの事業基盤である新潟は、国際港湾や国際空港、高速道路網といった多様な交通インフラを備えた対岸諸国の玄関口として優れた拠点性を有しているだけでなく、高品質の食材や食品を生み出す農業県として海外からも認知されており、当社企業グループは、こうした新潟の優位性を活かしながら地域社会に貢献し、グローバルな企業を目指しております。 さらに当社企業グループは、全体の総合的価値を高めながら安定的な発展を遂げるため「統一された意思を持った強い企業集団」となるべく、以下の「リンコーグループ経営理念」を定めております。 「リンコーグループ経営理念」① 顧客・株主・社員とその家族・地域社会に信頼され、その全ての人々に貢献する企業集団を目指します。② 新潟を基盤とした事業展開を図りつつも、常に視野を世界に拡げグローバル化を意識し、進取の精神でビジネスに挑戦します。③ 総合物流事業、ホテル事業、不動産事業、各種販売代理店業及び環境事業を通じて、安全かつホスピタリティーの精神に基づき様々なサービスを社会に提供するとともに各事業分野に於いて地域NO.1企業を目指します。④ 効率的な経営とコスト競争力のある企業体質を保持しつつ、常に良質なサービスを提供し続けることによって安定した成長を目指します。 (2)会社の経営戦略 当社は、2025年5月、創立120周年という大きな節目を迎えることができました。「みなと から今を支え、明日を拓く。」というグループパーパスのもと、当社の原点である「みなと」に深く根ざしながら、人々の生活を支え、持続可能で明るい未来の構築に貢献すべく、引き続き果敢に挑戦して参ります。 このパーパスのもと策定した「中期経営計画(2024年度~2026年度)」では、「運輸部門の収益基盤の安定と向上」、「自社資産・人材の強みを活かし収益性・効率性を向上」、「事業継続可能な人的資本戦略の実施」に重点的に取組んでおります。詳細は、次の(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題をご参照願います。 (3)経営環境 当連結会計年度は、雇用や所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調を推移しているものの、イラン情勢をはじめとする中東地域の地政学リスクの高まりを背景とした原油・エネルギー価格の高騰、国内における継続的な物価上昇、長期金利の上昇等の影響から、先行きは依然として不透明な状況が続いていると認識しております。 このような状況の中、運輸部門では、既存貨物のほか、新規貨物の獲得、倉庫保管貨物の取扱い増加等により堅調に推移しました。引き続き、作業料金の見直しや作業効率の向上に努め、利益の確保に繋がる取組みを継続して参ります。 ホテル事業部門では、2025年4月に完了した中高層階の客室工事の影響により、工事期間中の客室稼働に一定の制約が生じたものの、工事完了後は回復基調となり宿泊部門は好調を維持しました。宴会、レストラン部門においても、宿泊との相乗効果、新規顧客の積極的な獲得等に努め、集客状況は堅調に推移しました。今後も様々な企画、サービスの提供に努め、受注増に継続して取組んで参ります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社は、(2)会社の経営戦略で記載しましたように、企業価値の向上のため、中期経営計画(2024年度~2026年度)を策定し「運輸部門の収益基盤の安定と向上」、「自社資産・人材の強みを活かし収益性・効率性を向上」、「事業継続可能な人的資本戦略の実施」に重点的に取組んでおります。同計画の中で優先的に対処すべき課題は次のとおりであります。 ① 収益基盤の安定・向上の取組み 当社企業グループの中核である運輸部門におきましては、持続的な収益成長を実現するため、港湾荷役における豊富な経験と卓越した技術力を強みとして、バルク・コンテナ貨物の取扱いを堅持しつつ、脱炭素社会の実現に向けて需要が高まる再生可能エネルギー関連貨物や、高度な技術を要する重量物・特殊貨物等、多様な貨物を安定的に確保できる体制を整備して参ります。 ホテル事業部門におきましては、中高層階客室の大規模改装が無事完了し、施設全体のグレードアップを実現いたしました。内装・設備の刷新によって高まったブランド価値を積極的に発信することで、新潟市内における当ホテルのプレゼンスをより確固たるものとして参ります。さらに、レストランや宴会等の料飲部門においては、お客様のニーズや季節に合わせた独自性の高いフェアやイベントを継続的に展開し、リピーターの獲得と新規顧客の開拓を両立させることで、収益力強化と集客基盤の拡充を図って参ります。 ② 安全衛生の取組み 当社企業グループは、現場作業における労働災害の撲滅と、健康に配慮した職場づくりを経営の重要課題と位置づけており、安全管理システムの整備・運用を進めるとともに、社内のリスクアセスメントを強化し、全社員の安全意識の向上に取組むことで、労働災害の抑止に努めて参ります。今後も安全管理体制の維持・高度化に継続して取組み、誰もが安全かつ安心して働ける職場環境の実現を追求して参ります。 ③ 人的資本の活用・人材育成の取組み 自社・お客様の施設を中心とする現場で多様なサービスを提供する当社企業グループでは、変化の激しい業務環境と顧客ニーズに柔軟に対応する現場力を中核に据えています。人的資本の最適な配分と計画的な人材育成を重要テーマとし、現場力の強化に資する施策を着実に進め、ジョブローテーション制度、複線型キャリア制度を導入し、個々の適性や意向に即した成長機会を提供して参ります。また、ダイバーシティの推進として、女性現業職や、営業部門への外国人女性の配置をはじめ、年齢・性別・国籍を問わない活躍機会を広げています。定期的なサーベイ結果を活用し、やりがいを高める評価・処遇制度の整備、働き方の選択肢拡大、業務と育児・介護との両立支援の充実を進め、エンゲージメントの向上と離職の抑止につなげて参ります。 ④ 事業資産の有効活用と収益性、効率性向上の取組み 当社企業グループの事業資産につきましては、各セグメントの収益性と資産効率の向上を軸に、活用方針や設備投資の内容を精査したうえで着実に実行して参ります。あわせて、セグメントの枠にとらわれず事業間連携を推進し、業務の効率化や新たな収益機会の創出につながる活用策を継続的に検討して参ります。政策保有株式については、保有に伴う経済的効果と戦略的意義を十分に検証したうえで縮減を進め、売却による資金は運転資金や設備投資等に充当することで、総資産のスリム化と資本効率の一層の向上を図って参ります。 臨港埠頭地区全体の有効活用に関しましては、新潟港が目指す将来像の実現を見据え、当該地区が果たし得る役割を踏まえつつ、関係機関との連携を図り、地域及び港湾機能の発展に資する将来構想の策定に取組んで参ります。 ⑤ 環境保全への取組み 当社企業グループは、国土交通省の「みなとSDGsパートナー登録制度」に登録し、同制度に基づくCO₂排出量削減目標を掲げて取組んでおります。あわせて、新潟県が表明するカーボンニュートラルに関する各種協議会へ参画し、脱炭素社会の実現に向けた連携を進めて参ります。 事業活動におきましては、木材リサイクル事業による廃材資源の利活用、自社施設内における太陽光発電施設の設置、発電した電力を活用した電動フォークリフトの運用等、環境配慮型の取組みを推進しています。 ホテル事業部門では、循環型農業で収穫された野菜の活用、プラスチック容器の削減、食べ残しゼロの推進、館内のLED照明化等を通じて、環境負荷の低減とエネルギー消費の削減に取組んでおります。 今後も、事業活動と環境保全の両立を図り、持続可能な社会の実現に貢献して参ります。 ⑥ コンプライアンス・内部統制強化の取組み 当社企業グループは、コンプライアンスの徹底を重要課題と捉え、全社員が高い倫理観をもって職務を遂行することを重視しています。社員向けコンプライアンス研修の実施、法令・企業倫理違反やハラスメントの早期発見と適切な対応を図るため、啓発活動に加え、内部通報制度の体制強化を進めています。さらに、適切な業務運営を確保するべく、内部監査の指摘に基づく内部統制の強化策を実行し、その運用状況が各部署で適正に機能しているかを継続的に確認することで、グループ全体のリスク管理を一層徹底して参ります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社企業グループは、中期経営計画(2024年度~2026年度)において、「運輸部門」を中心に収益力を早期に回復させ、グループ全体の収益性・効率性を向上させるため、収益と資産効率性の指標と目標を掲げております。経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な連結指標は、売上高、営業利益、営業利益率、ROE(自己資本利益率)、ROA(総資産経常利益率)、各セグメント利益であり、中期経営計画の最終年度(2026年度)の目標値は、売上高150億円、営業利益6億円、営業利益率4%、ROE4%、ROA2%、各セグメント利益1億円以上維持であります。なお、同経営計画の2年目に当たる当連結会計年度(2025年度)は、売上高138億5千6百万円、営業利益4億9千1百万円、営業利益率3.5%、ROE5.6%、ROA1.6%となりました。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概況 当連結会計年度における当社企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日)におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調を維持しているものの、イラン情勢をはじめとする中東地域の地政学リスクの高まりを背景とした原油・エネルギー価格の高騰、国内における継続的な物価上昇、長期金利の上昇の影響等から、先行きは依然として不透明な状況が続いていると認識しております。 このような状況の下、当社企業グループの事業拠点である新潟港全体の貨物取扱量は、前連結会計年度比で増加し、当社企業グループの主力である運輸部門の貨物取扱量も前連結会計年度比で増加しました。ホテル事業部門は、好調を維持し、前連結会計年度比で増収増益となりました。 この結果、当連結会計年度の当社企業グループの売上高は138億5千6百万円(前連結会計年度比2.3%の増収)、営業利益は4億9千1百万円(前連結会計年度比3.7%の増益)、経常利益は6億1千万円(前連結会計年度比1.1%の減益)、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として投資有価証券売却益2億4千6百万円を計上したほか、当連結会計年度及び今後の業績動向等を勘案し、当社の繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討し、法人税等調整額△3億8千4百万円を計上したことなどにより、10億6千4百万円(前連結会計年度比102.1%の増益)となりました。 セグメントの業績は次のとおりであります。 (運輸部門) 当社企業グループの事業拠点である新潟港の貨物取扱量が前連結会計年度比で増加した中、主力である運輸部門の貨物取扱数量は一般貨物が3.5%、コンテナ貨物は0.3%と共に前連結会計年度比で増加し、取扱数量合計では535万3千トン(前連結会計年度比1.5%の増加)となりました。 一般貨物は、既存の主要貨物が堅調に推移したほか、昨年度より取扱いを開始した新規貨物も概ね順調に推移し、同部門の業績を下支えしたほか、倉庫保管貨物の取扱いが増加したことなども増収に寄与しました。一方、経費面で物価の上昇に伴う下払費や人件費などが増加しました結果、同セグメントの売上高は99億9千1百万円(前連結会計年度比0.5%の増収)、セグメント利益は1億1百万円(前連結会計年度比30.3%の減益)となりました。 (不動産部門) 第4四半期において商品土地の販売があったほか、不動産賃貸も契約の増加などにより堅調に推移した結果、売上高は3億7百万円(前連結会計年度比8.8%の増収)、セグメント利益は1億6千1百万円(前連結会計年度比22.8%の増益)となりました。 (ホテル事業部門) 宿泊部門は、昨年4月に完了した中高層階の客室改装工事がその期間中の客室の稼働に影響を及ぼしたものの、その後は堅調に推移しました。また、宴会、レストラン部門も順調に推移した結果、売上高は24億6千万円(前連結会計年度比5.2%の増収)、セグメント利益は1億4千3百万円(前連結会計年度比20.8%の増益)となりました。 (関連事業部門) 機械整備業が部品の販売を中心に取扱いが増加したほか、保険代理店業などが堅調に推移した結果、同セグメントの売上高は11億4千8百万円(前連結会計年度比11.2%の増収)、セグメント利益は9千9百万円(前連結会計年度比14.3%の増益)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローが14億2千8百万円の収入超過、投資活動によるキャッシュ・フローが6億7百万円の支出超過、財務活動によるキャッシュ・フローが6億7千5百万円の支出超過となったことにより、前連結会計年度末に比べて1億4千5百万円増加し、5億1千6百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 税金等調整前当期純利益、減価償却費、売上債権の減少額、その他の資産の減少額等の資金の増加要因が、投資有価証券売却益、仕入債務の減少額等の資金の減少要因を上回ったことにより、14億2千8百万円の収入超過(前連結会計年度比7.5%の増加)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資有価証券の売却による収入3億2千6百万円等により資金は増加しましたが、有形固定資産の取得による支出、投資有価証券の取得による支出等の資金の減少要因などにより、6億7百万円の支出超過(前連結会計年度は7億5千6百万円の支出超過)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 短期及び長期の借入金の純減額2億1千5百万円、社債の償還による支出2億8千万円、リース債務の支払による支出1億3千6百万円等の資金の減少要因などにより、6億7千5百万円の支出超過(前連結会計年度は5億5千7百万円の支出超過)となりました。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)41.543.446.346.750.0時価ベースの自己資本比率(%)13.011.411.311.613.9債務償還年数(年)12.18.57.17.26.4インタレスト・カバレッジ・レシオ12.017.519.515.713.0自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い(注)1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式を除く期末発行済株式数により算出しております。3 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 ③ 財政状態の状況 当連結会計年度末における総資産は398億2千7百万円となり、前連結会計年度比3.4%、13億2千7百万円増加しました。資産の増加の主な要因は、流動資産が1千8百万円減少した一方、固定資産が13億4千8百万円増加したことなどによるものであります。 負債純資産の増加の主な要因は、負債が6億1千9百万円減少した一方、純資産が19億4千7百万円増加したことによるものであります。 (流動資産) 当連結会計年度末における流動資産の残高は36億1千6百万円となり、前連結会計年度比0.5%、1千8百万円減少しました。この減少の主な要因は、現金及び預金が1億4千5百万円増加した一方、受取手形、営業未収入金及び契約資産が1億3千2百万円、商品が3千2百万円、それぞれ減少したことなどによるものであります。 (固定資産) 当連結会計年度末における固定資産の残高は362億6百万円となり、前連結会計年度比3.9%、13億4千8百万円増加しました。この増加の主な要因は、投資有価証券が時価の上昇等により11億7千万円増加したことなどであります。 (流動負債) 当連結会計年度末における流動負債の残高は69億3千6百万円となり、前連結会計年度比5.1%、3億7千3百万円減少しました。この減少の主な要因は、営業未払金が5千2百万円、短期借入金が1億円、1年内返済予定の長期借入金が1億7千7百万円、それぞれ減少したことなどによるものであります。 (固定負債) 当連結会計年度末における固定負債の残高は129億6千2百万円となり、前連結会計年度比1.9%、2億4千6百万円減少しました。この減少の主な要因は、投資有価証券時価評価などにより繰延税金負債が8千4百万円増加した一方、社債が2億8千万円、退職給付に係る負債が8千8百万円、それぞれ減少したことなどによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産の残高は199億2千8百万円となり、前連結会計年度比10.8%、19億4千7百万円増加しました。この増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益10億6千4百万円のほか、その他有価証券評価差額金が7億9千7百万円、退職給付に係る調整累計額が1億2千4百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 当社企業グループは受注生産形態をとらない業種のため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。なお、販売実績については「① 経営成績の状況」におけるセグメントの業績に含めて記載しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(経営成績の状況) 当社企業グループの当連結会計年度の経営成績等の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 当連結会計年度における売上高は、138億5千6百万円(前連結会計年度比2.3%の増収)となりました。セグメント別では、運輸部門の外部顧客への売上高が、貨物取扱量の増加などにより99億8千8百万円(前連結会計年度比0.5%の増収)となりました。また、ホテル事業部門の外部顧客への売上高が、利用客数が堅調に推移したことなどにより24億5千2百万円(前連結会計年度比5.3%の増収)となりました。 販売費及び一般管理費は、雑費の増加などにより、13億3千6百万円(前連結会計年度比3.1%の増加)となりました。 営業利益は4億9千1百万円(前連結会計年度比3.7%の増益)となりました。セグメント別では、運輸部門のセグメント利益が1億1百万円(前連結会計年度比30.3%の減益)となった一方、ホテル事業部門のセグメント利益が1億4千3百万円(前連結会計年度比20.8%の増益)、不動産部門のセグメント利益が1億6千1百万円(前連結会計年度比22.8%の増益)となったことなどが主な増益要因となりました。 経常利益は6億1千万円(前連結会計年度比1.1%の減益)となりました。営業外費用の支払利子が増加したことが主な減益要因となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は10億6千4百万円(前連結会計年度比102.1%の増益)となりました。特別利益の投資有価証券売却益が増加したことに加え、当連結会計年度及び今後の業績動向等を勘案し、当社の繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討し、法人税等調整額が減少したことにより、前連結会計年度比で増益となりました。 各セグメントの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 [運輸部門] 同部門の中心拠点である新潟港の荷動きは、中国や東南アジアを中心とした諸外国の経済状況、新潟県内に工場を持つ企業の生産活動、小売業者の事業活動や消費者動向、同港に寄港する船会社の再編、スケジュール等に影響されます。また、昨今の日本における人手不足の問題は、同部門にとっても今後の荷役・輸送体制の維持における大きな課題と認識しております。さらに、今年に入り中東情勢の緊迫化に伴う原油高から石油関連製品の品薄や価格の高騰等につながり、同部門の燃料費の負担増や取引先の生産活動の低下により荷動きへ大きな影響が及ぶ可能性があると認識しております。 このような事業環境のもと、同部門の外部顧客への売上高は99億8千8百万円(前連結会計年度比4千7百万円、0.5%の増収)、セグメント利益は1億1百万円(前連結会計年度比4千4百万円、30.3%の減益)となりました。 当連結会計年度は、コンテナ貨物の取扱数量は微増であったものの、一般貨物は主要貨物である素材原料のほかに、前連結会計年度の途中から取扱いを開始した再生可能エネルギー関連の貨物が堅調に推移したことなどにより、取扱数量は増加いたしました。 今後も、日本経済は緩やかな回復基調で推移する見通しでありますが、物価高や為替変動などの影響に加え、現在の中東情勢のような地政学リスクも当社企業グループの取扱数量に影響を及ぼすことが懸念されます。 そのような中、同部門の収益基盤の安定・強化のため、優先して取り組む課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」に記載のとおり、臨港埠頭・自社倉庫や豊富な荷役経験・物流知識を持つ人材を活かし、今後、計画されている新潟東港周辺のバイオマス発電所の建設、新潟県胎内沖の洋上風力といった再生可能エネルギー事業の関連貨物や重量物などの特殊貨物の獲得に注力し、持続的な収益成長を実現して参ります。 [不動産部門] 同部門では、当社が保有する不動産の賃貸収入や当社保有の不動産の販売が主な収入源となります。 同部門の外部顧客への売上高は3億円(前連結会計年度比2千4百万円、9.0%の増収)、セグメント利益は1億6千1百万円(前連結会計年度比2千9百万円、22.8%の増益)となりました。 当連結会計年度は、商品土地の販売の増加、賃貸収入の増加などにより、増収増益となりました。 同部門では、当社が保有する不動産の有効活用を継続し、売却を含めて収益確保を図って参ります。特に保有する賃貸物件については適切な修繕、維持管理を進める一方で、低収益不動産の売却と高収益賃貸物件の入替を進め、安定収益確保に努めて参ります。さらに、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」に記載したように、当社企業グループの既存の固定資産について、現状の用途にとらわれず、事業間連携を推進して事業資産の有効活用と収益性、効率性向上につなげて参ります。 その1つとして、2026年度に運輸部門の新潟東港にある自社倉庫の屋根に太陽光パネルを設置し、2027年度から発電・売電する予定であります。 また人口減少の中でも強いニーズのある不動産開発など、潜在的な収益力を掘り起こす利用方法の見直しの検討をすすめ、連結全体の資産の有効活用に取り組んで参ります。 [ホテル事業部門] 同部門の外部顧客への売上高は24億5千2百万円(前連結会計年度比1億2千2百万円、5.3%の増収)、セグメント利益は1億4千3百万円(前連結会計年度比2千4百万円、20.8%の増益)となりました。 当連結会計年度は、中高階層の客室改装が完了し、サービス内容の充実を図ったことや新潟市内の各種イベント等による集客効果に加え、インバウンド・ツアーの宿泊客獲得などもあり、客室稼働率は高水準で推移いたしました。また、レストランも宿泊との相乗効果や新メニューの開発などにより利用客数は増加し、宴会も堅調に推移いたしました。 今後につきましては「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」に記載のとおり、ホテルの内装・設備の更新によって他のホテルとの差別化をより一層すすめ、付加価値の高いサービスの創出と需要拡大に継続して取り組み、新潟市内シティホテルのNО.1のステイタスの維持を図って参ります。 [関連事業部門] 同部門には、機械整備販売業、保険代理店業、木材リサイクルを中心とした産業廃棄物の処理業、商品販売業が含まれ、ゼネコン業者や土木建設業者の事業活動、住宅着工件数や解体件数の動向などが、同部門の収益に影響を及ぼします。 同部門の外部顧客への売上高は11億1千4百万円(前連結会計年度比1億1千8百万円、11.9%の増収)、セグメント利益は9千9百万円(前連結会計年度比1千2百万円、14.3%の増益)となりました。 当連結会計年度は、木材リサイクルは、廃材受入れ数量が前連結会計年度から減少し、建設機械の整備作業も人手不足の影響を受けたものの、建設機械の部品販売が増加し、保険代理店事業も堅調に推移いたしました。 今後につきましては、前連結会計年度と同様に、機械整備販売業は他社と異なる建機整備のノウハウをより一層アピールし、整備案件の受注の増加につなげ、木材リサイクルは立地の優位性を活かした廃材の安定的な受入と木材チップの販売量の増加、保険代理店業、商品販売業については他のセグメント部門と連携した販路拡大に取り組むことにより、収益確保に努めて参ります。 (財政状態の状況) 当社企業グループの当連結会計年度末の財政状態の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ 財政状態の状況」に記載の通りであります。 当連結会計年度の総資産は398億2千7百万円(前連結会計年度末比13億2千7百万円、3.4%の増加)、負債は198億9千8百万円(前連結会計年度末比6億1千9百万円、3.0%の減少)、純資産は199億2千8百万円(前連結会計年度末比19億4千7百万円、10.8%の増加)となりました。 その結果、自己資本比率が50.0%となり、前期の46.7%より3.3ポイントの増加となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の増加などにより利益剰余金が増加したことに加え、株価の上昇などにより、その他有価証券評価差額金が前連結会計年度末に比べて7億9千7百万円増加したことが主な要因であります。 企業継続のため財務基盤の安定向上は優先すべき課題として認識しており、全事業部門でコスト管理を徹底し、収益獲得の機会を的確に捉えて、利益の積み増しと剰余金の安定配当に努めて参ります。 当社企業グループの当連結会計年度末の財政状態の概要は、「(1)経営成績等の状況の概況 ③ 財政状態の状況」に記載の通りであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当連結会計年度では、税金等調整前当期純利益8億1千万円のほか、減価償却費8億1千万円などにより、営業活動によるキャッシュ・フローは14億2千8百万円の収入超過となりました。また、運輸部門、ホテル事業部門を中心に設備投資が増加したことなどから、投資活動によるキャッシュ・フローは6億7百万円の支出超過となり、フリー・キャッシュ・フロー(注)は、8億2千万円の収入超過となりました。当社企業グループでは、財務基盤の安定に向けて、営業活動から稼得するキャッシュ・フローを勘案した設備投資を行い、借入金の抑制に取組む方針であります。(注)フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フローの金額と投資活動によるキャッシュ・フローの金額の合計 (資本の財源及び資金の流動性について) 当社企業グループは、事業活動に必要な資金と資金の流動性を維持するとともに健全な財政状態を目指すため、安定的な営業キャッシュ・フローを稼得することが資本財源の基本と考えております。 (資金需要の主な内容) 当社企業グループの運転資金需要のうち主なものは、運輸部門の作業諸掛、ホテル事業部門の料理原材料等の仕入、関連事業部門の建設機械の仕入、建設資材の仕入などであり、共通するものとしては人件費等であります。また、投資を目的とした資金需要の主なものは、事業用の設備投資であります。 (資金調達) 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本とし、既存の借入金の約定返済や設備投資のため、金融機関等による固定金利の長期借入や社債による資金調達も行います。また、当社が連結子会社を含めたグループ内の運転資金の一元管理を行い、グループ内の資金の過不足を調整しております。 2026年3月31日現在の有利子負債の概要は以下のとおりであります。 年度別要支払額(百万円)契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超短期借入金1,6001,600---長期借入金(注1,2)6,4252,3982,9821,045-社債(注1)610280330--リース債務444138211922合計9,0804,4163,5231,1372(注)1.「長期借入金」及び「社債」には「1年内返済予定の長期借入金」及び「1年内償還予定の社債」が、それぞれ含まれております。2.長期借入金のうち147百万円は「株式給付信託(従業員持株会処分型)」に係るものであり、分割返済日ごとの金額の定めがないため、期末の借入金残高を最終返済日に一括して返済した場合を想定しております。 当社企業グループの第三者に対する保証は、連結子会社であるリンコー運輸株式会社の全国通運への交互計算精算債務に対する債務保証であります。保証した債務の債務不履行が発生した場合、当社企業グループが代わりに弁済する義務があり、2026年3月31日現在の債務保証は183百万円であります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び予測を行う必要があります。よって、見積りや予測の持つ特有の不確実性により、実際の結果はこれらの見積りや予測と異なる場合があります。 なお、当社企業グループが、特に重要であると考える会計上の見積りは次のとおりであります。 (繰延税金資産の回収可能性) 繰延税金資産の回収可能性の評価については、将来減算一時差異の回収可能性について慎重に検討し、繰延税金資産を計上しております。この繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りを前提とするため、この見積りは取締役会で承認された収支計画を基準としており、その前提条件や仮定に変更が生じた場合には、繰延税金資産を取り崩す必要があり、税金費用が増加する可能性があります。 (固定資産の減損) 当社企業グループでは、固定資産のうち、減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回り、さらに回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上いたします。 減損の兆候判定、減損損失の認識及び測定については、将来キャッシュ・フローの見積りが重要になりますが、この見積りは取締役会で承認された収支計画を基準としており、経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、当初の見積りが著しく低下することが見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。 (退職給付費用及び退職給付債務) 退職給付費用及び退職給付債務の算定に使用される見積りには、年金資産の長期期待運用収益率、割引率、平均残存勤務年数等を計算基礎としており、当社企業グループは、この数理計算上の仮定は適切であると認識しておりますが、年金資産の運用実績の結果や一定の仮定の変動は将来の退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼします。なお、退職給付費用及び退職給付債務に関する見積りや数理計算上の計算基礎については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)」を参照願います。 (貸倒引当金) 当社企業グループは、信用調査会社を通じてお客様の信用情報を入手し、支払履歴も考慮して与信管理を行っております。また、貸倒引当金については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 4 会計方針に関する事項 (3)重要な引当金の計上基準」に基づき、計上しております。 現在の貸倒引当金の金額は、過去の貸倒実績率に基づき算出しており、今後、取引先の債権の支払状況によって貸倒実績率が高くなる場合や、多額の破産更生債権等が発生した場合には貸倒引当金が増加し、当社企業グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

事業リスク

  • 労働災害と社会的評価の低下
    重機や高所作業など危険を伴う業務が多いため、重大な労働災害が発生した場合、顧客からの信頼や社会的評価が低下する可能性があります。これにより、事業活動に支障が生じたり、事故に伴う補償費用が発生したりすることで、会社の財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • 人材確保の困難化と事業への影響
    港湾荷役、トラック輸送、ホテルでの接客・調理、機械整備など、多くの事業が労働集約型であり、専門技能を持つ人材に支えられています。少子高齢化による労働力不足が進む中で、適切な人材を継続的に確保することが困難になった場合、事業運営に支障が生じ、会社の財政状態や経営成績に悪影響を与える可能性があります。
  • コスト上昇による収益圧迫
    労働集約型産業であるため人件費や外注費の割合が高く、また重機やホテル設備などエネルギーを消費する設備を多く保有しています。外注作業費やエネルギーコストが想定以上に上昇した場合、労働生産性の向上や適正料金収受の取り組みだけでは吸収しきれず、会社の財政状態や経営成績が悪化するリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,592 文字
3【事業等のリスク】 当社企業グループにおける財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。ただし、現時点で予見出来ない不確実なリスク等により影響を受ける可能性があります。 ① 重大な労働災害に関わるリスク 当社企業グループは、重機、トラック、高所作業等の危険を伴う作業に従事しております。危険予知、事故対策会議により安全第一に努めておりますが、不測の重大な労働災害が発生した場合、顧客の信頼や社会的評価が低下するだけでなく、事故等に伴う補償等に対応しなければならないことから、当社企業グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 人材の確保に関わるリスク 当社企業グループの各事業は労働集約型のものが多く、運輸部門では港湾荷役作業やトラック輸送を担う人材、ホテル事業部門でも接客、調理を担う人材、さらに機械整備業においては整備作業を担う人材などにより支えられております。 賃上げ、働き方改革、計画的な教育等や、専門技能を持つ人材の中途採用等により、人材の確保に努めておりますが、少子高齢化に伴う労働力不足により相応しい人材を継続的に採用することが困難になる場合、当社企業グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ コスト上昇に関わるリスク 当社企業グループでは、労働集約型産業であることから一定の社員数を確保し、外注作業も多く発生しております。また、重機、トラック、定温倉庫、ホテル設備等のエネルギーを利用する設備を多く保有しております。そのため、労働生産性向上とともに、適正料金収受の取組を進めておりますが、それを上回る外注作業費、エネルギーコスト等の上昇があった場合、当社企業グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 自然災害に関わるリスク 当社企業グループでは、地震・津波に備えて発生時の行動基準を策定し、人命最優先で避難する体制を構築しております。しかしながら、運輸部門の事業を行う新潟港において大規模な自然災害が発生し、港湾施設に甚大な被害が発生した場合には、当社企業グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。また自然災害による風評被害により、ホテル事業部門に悪影響が及ぶ可能性もあります。 ⑤ 固定資産の減損に関わるリスク 当社企業グループは、港湾施設、倉庫・上屋、ホテル施設など、多額の固定資産を保有しております。 これらの固定資産については「固定資産の減損に係る会計基準」を適用し、当該固定資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるか検証しており、減損処理が必要な資産については適正に減損損失を計上しております。しかし、経営環境の変化等に伴い、将来キャッシュ・フローの見込額が減少した場合、減損損失の金額によっては、当社企業グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 資金調達に関わるリスク 当社は、現在及び将来の事業活動のために必要な資金と債務の返済に備えるため、営業活動から稼得するキャッシュ・フローや政策保有株式の縮減、金融機関からの借入等により資金を調達しておりますが、金融市場や経済情勢の急激な変動や、当社の財政状態の悪化等により、金融機関の融資姿勢が変化した場合、当社が必要な資金を必要な時期に適切な条件で調達出来ず、資金調達の制限や調達コストが増加する可能性があります。 ⑦ 金利の変動に関わるリスク 当社企業グループは、事業資金の一部を金融機関からの借入等により調達しております。今後の営業活動から稼得するキャッシュ・フローや政策保有株式の縮減など自己資金を確保する中で、金融機関からの借入金残高を抑制する方針ですが、日銀の金融政策等の影響により、金利に著しい変動が生じた場合は、当社企業グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 投資有価証券の評価損に関わるリスク 当社企業グループが保有している投資有価証券は、株式市況により時価の変動が大きい場合や非上場会社の財務状況が大きく毀損した場合、減損処理を行う必要があり、当社企業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、上場会社の政策保有株式については、保有の有効性を検証し、その有効性が乏しいと判断される株式については売却を検討して参ります。 ⑨ 繰延税金資産の取崩しに関わるリスク 当社企業グループは、将来の課税所得の見積りや会計と税務の一時差異が解消される時期を基準に繰延税金資産の回収可能性を検討しておりますが、収益性の低下に伴い、将来において十分な課税所得が確保できないと判断された場合、繰延税金資産を取崩し、多額の税金費用(法人税等調整額)が発生することになり、当社企業グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 地政学リスクとそれに派生したリスク 世界の特定の地域での政治的・軍事的な緊張や紛争などが発生した場合、その地域だけでなく世界経済などの先行きを不透明なものにするリスクにより、サプライチェーンにも影響が生じる可能性があります。 当社企業グループの運輸部門は、港湾運送事業、トラック運送事業など海外と国内、あるいは国内間輸送を維持する重要なインフラ事業を営んでおり、サプライチェーンを支える業種の一つに位置するため、この地政学リスクの影響を受ける可能性があります。 特に今年に入り、特に中東情勢の緊迫化に伴い、ホルムズ海峡を通過する船舶の運航が制限される状況が続いており、この影響から原油高によるガソリン・軽油の高騰の影響が長期化する懸念があります。運輸部門では、トラックや荷役機械の燃料費の負担増につながり、輸送・作業料金の値上げでコスト増加分を吸収できない場合は、収益低下につながる可能性があります。 また、石油関連製品の原材料の品薄で運輸部門の取引先の生産活動が低下し、荷動きも低調になった場合、同部門の収益に影響を及ぼす可能性があります。 加えて、関連事業部門の機械整備事業も整備事業で必要なオイルなどが入手困難な状況が長期化した場合、整備事業の一部が制限される可能性があります。

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