9424

日本通信(9424)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • モバイル通信サービス提供
    日本通信は、NTTドコモやソフトバンクといった大手携帯電話会社の通信網を借りて、独自の格安SIMサービス「日本通信SIM」や「b-mobile」を個人向けに提供しています。これにより、自社で大規模な通信設備を持たずに、手頃な価格でインターネット接続や音声通話サービスを提供し、収益を得ています。
  • MVNE事業でパートナー支援
    MVNE(仮想移動体サービス提供事業者)として、他のMVNO事業者(格安SIMを提供する会社)がモバイル通信サービスを展開できるよう、通信網の提供からシステム構築、運用サポートまで幅広く支援しています。これにより、パートナー企業の事業を後方から支え、その利用料から収益を得るビジネスモデルです。
  • 法人向けモバイルソリューション
    企業や金融機関、システムインテグレーターなどに対し、モバイル専用線やデュアルネットワーク製品、ローカル5G向けSIMといったモバイル通信を活用した多様なソリューションを提供しています。例えば、クレジットカード情報の非保持化を支援するサービスなど、特定の業界ニーズに応えることで収益を上げています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 国内モバイル通信サービス
    日本国内で展開しており、主に個人向けに「日本通信SIM」や「b-mobile」といったブランドでSIMを提供し、モバイル通信サービスを提供しています。また、他のMVNO事業者向けに通信網や運用サポートを提供するMVNE事業も含まれ、日本通信グループの主要な収益源となっています。
  • 国内モバイルソリューション
    日本国内の法人顧客やMVNO、金融機関、システムインテグレーターなどのパートナー企業に対し、モバイル専用線やデュアルネットワーク製品、ローカル5G向けSIMなど、顧客の要望に応じたモバイルソリューションを提供しています。多様な業界のニーズに対応することで、収益を上げています。
  • 海外モバイルソリューション
    主に米国において、連結子会社のJCI US Inc.がVerizon Wirelessの通信網を活用し、金融機関などの法人顧客やシステムインテグレーターなどのパートナー企業にモバイルソリューションを提供しています。海外市場での事業展開を通じて、収益の多角化を図っていますが、現状では赤字となっています。
2024-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
BusinessInJapan 地域 73 23 31.9%
ForeignBusiness 地域 1 -0 -32.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,545 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社並びに連結子会社6社及び持分法適用関連会社1社を指し、以下同様とする)は、「安全・安心にビットを運ぶ」という使命(ミッション)を実現するため、携帯電話事業者のモバイル通信ネットワーク(注1)等を活用したモバイル通信サービス(以下、「モバイル通信サービス」という)及びモバイル・ソリューション(モバイル通信サービスを含むものとし、以下同様とする)、並びに、当社の特許技術であるFPoSを活用して本人性及び真正性を担保した通信基盤及び認証基盤を提供する事業(以下、「FPoS事業」という)を展開しています。FPoS事業の規模はまだ小さいため、当連結会計年度において当社グループが営む事業は、モバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションとなります。 (1) 当社グループが営む事業の種類及び概要(主要な関係会社との関連を含む)は、以下のとおりです。なお、当社グループの報告セグメントは「モバイル通信サービス及びモバイル・ソリューション」の単一セグメントであるため、各事業のセグメント情報との関連の記載は省略いたします。 ① モバイル通信サービス(MVNO/MVNE事業) 携帯電話事業者のモバイル通信ネットワークを活用し、当社グループがMVNO(注2)またはMVNE(注3)としてモバイル通信サービスを提供する事業で、日本国内で展開しています。事業の種類事業の概要主要な関係会社(ⅰ)MVNO事業(販売ブランド:日本通信SIM、bモバイル等)日本国内において、主に個人(訪日旅行者や中小法人を含むものとし、以下同様とします)向けに、SIMを提供してモバイル通信サービスを提供する事業(2001年12月個人向けサービスとして提供開始)H.I.S.Mobile株式会社(ⅱ)MVNE事業日本国内において、主に個人向けにMVNO事業を展開するパートナーに対して、各パートナーの要望に応じたモバイル通信サービスを提供する事業(2014年11月サービス開始)- ② モバイル・ソリューション(MSP事業) 携帯電話事業者のモバイル通信ネットワーク等を活用し、当社グループがモバイル・ソリューションを提供する事業で、日本国内及び米国で展開しています。事業の種類事業の概要主要な関係会社(ⅰ)MSP事業(日本)日本国内において、法人顧客またはMVNO、金融機関、決済代行業者、システムインテグレーター、メーカー等のパートナーに対して、各顧客またはパートナーの要望に応じたモバイル・ソリューションを提供する事業(2016年1月サービス開始)-(ⅱ)MSP事業(海外)米国において、金融機関等の法人顧客またはシステムインテグレーター等のパートナーに対して、各顧客またはパートナーの要望に応じたモバイル・ソリューションを提供する事業(2007年11月サービス開始)JCI US Inc. (2) 当社グループの事業系統図(モバイル通信サービス及びモバイル・ソリューション)は、以下のとおりです。なお、当社グループの報告セグメントは「モバイル通信サービス及びモバイル・ソリューション」の単一セグメントであるため、各事業のセグメント情報との関連の記載は省略いたします。 (3) 当社グループが営む事業の詳細は、以下のとおりです。① モバイル通信サービス(MVNO/MVNE事業) 当社は日本国内において、携帯電話事業者(ドコモ及びソフトバンク)のモバイル通信ネットワークを活用し、当社グループが開発したサービスと組み合わせて、(ⅰ)「日本通信SIM」及び「bモバイル(ビーモバイル)」のブランドで主に個人向けにモバイル通信サービスを提供する事業(MVNO事業)、並びに、(ⅱ)主に個人向けにMVNO事業を展開するパートナー(MVNO)にモバイル通信サービスを提供する事業(MVNE事業)を営んでいます。 MVNO事業は、SIMにインターネット接続サービス及び音声通話サービス等を組み合わせて提供する方法で展開しており、顧客はSIMをスマートフォン等に搭載することで手軽にインターネットを利用することができます。 MVNE事業は、主に個人向けにMVNO事業を展開するパートナーに対し、モバイル通信サービスを提供するとともに、パートナーがMVNO事業を円滑に運用するためのソリューションを提供しています。 当社は、MVNE事業において、パートナーであるMVNOの要望に応じてモバイル通信サービスを企画・開発し、モバイル通信ネットワーク、通信端末、端末用ソフトウェア、認証システム、課金・請求システム及び顧客管理システム等を提供するとともに、パートナーから、モバイル通信サービスの運用にかかるネットワーク・マネジメント、コールセンター及び物流等に関する業務を受託しています。当社は、これらの業務にかかるパートナープラットフォームを提供することで、MVNOの事業活動を後方から強力に支援しています。 ② モバイル・ソリューション(MSP事業) 当社グループは日本国内及び米国において、携帯電話事業者(日本においてはドコモ及びソフトバンク、米国においてはVerizon Wireless)のモバイル通信ネットワーク等を活用し、当社グループが開発したサービスと組み合わせて、主にパートナーや法人向けにモバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションを提供する事業を営んでいます。 当社グループが提供しているモバイル・ソリューションには、モバイル専用線(注4)によるセキュアなネットワーク、マルチキャリアとの接続による冗長性を備えたデュアル・ネットワーク製品、ネットワークをEnd to Endで保守するための機器監視サービス、ローカル5G(注5)向けのSIMなどがあります。 MSP事業は、(ⅰ)日本国内において、法人顧客またはパートナー(MVNO、金融機関、決済代行業者、システムインテグレーター、メーカー等)にモバイル・ソリューションを提供する「MSP事業(日本)」及び(ⅱ)米国において、法人顧客(金融機関等)またはパートナー(システムインテグレーター等)にモバイル・ソリューションを提供する「MSP事業(海外)」として展開しています。 (ⅰ)MSP事業(日本) 法人顧客またはMVNO、金融機関、決済代行業者、システムインテグレーター、メーカー等のパートナーに対して、各顧客またはパートナーの要望に応じたモバイル・ソリューションを提供する事業です。 当社は、「MSP事業(日本)」において、多くのモバイル・ソリューションを企画・開発していますが、代表例として、デュアル・ネットワーク製品による固定通信の無線通信への置き換えがあります。デュアル・ネットワーク製品は、複数の携帯電話事業者の回線によるモバイル専用線を冗長構成したもので、主回線に障害が発生した場合は自動的に副回線に切り替わり、常に通信を維持することができるものです。無線通信は、固定通信に比べて導入及び維持のためのコストを抑えることができますが、セキュリティ、エリアカバレッジ、安定した通信の確保等が課題となっていました。デュアル・ネットワーク製品は、無線通信によってコストを抑えつつ、専用線の冗長化により、安定した通信を確保することができます。 また、当社は、決済代行業を営むパートナー企業との協業により、当社のモバイル専用線と専用タブレット端末を組み合わせて、クレジットカードの非対面加盟店におけるクレジットカード情報の非保持化を支援するサービスを提供しています。このサービスは、2018年6月の割賦販売法の改正を受け、クレジットカードの非対面加盟店がクレジットカード情報の非保持化を実現するためのソリューションとしてご利用いただいています。 さらに、当社は、企業や教育機関等に対し、ローカル5G向けのSIMを提供しています。ローカル5Gは、通信事業者ではない企業や教育機関、自治体等が独自の5Gネットワークを構築して運用するものですが、ローカル5Gの運営者がSIMを用意するため、通信事業者のサポートが必要です。当社は、日本及び米国で培った技術及びノウハウを活用し、ローカル5Gを構築・運用する企業や教育機関等を支援しています。 (ⅱ)MSP事業(海外) 当社の連結子会社で主に米国においてMVNO事業を展開するJCI US Inc.が、Verizon Wirelessのモバイル通信ネットワーク等を活用し、当社グループが開発したサービスと組み合わせて、金融機関等の法人顧客またはシステムインテグレーター等のパートナーのイネイブラーとして、パートナーに対して、各パートナーの要望に応じたモバイル・ソリューションを提供する事業です。 JCI US Inc.は、米国及びカナダで、金融情報やPOSデータなど、極めて重要な情報をやりとりする顧客に、VPNを使用しないモバイル専用線サービスを提供しています。このサービスの強みは、ATM(現金自動支払機)等の端末から決済センターまでのEnd to Endを無線の専用線で完結させることで、インターネットに出ることなく、強固なセキュリティを確保した通信サービスを提供することができることです。当社グループは、「MSP事業(海外)」において、ATMを中心に、POS(店頭端末)、自動販売機、KIOSK(設置型情報端末)、店舗内設置型銀行金庫など、モバイル専用線サービスの利用用途を拡大しています。 また、JCI US Inc.は、CBRS(市民ブロードバンド無線サービス)向けに「ハイブリッドSIM」(ローカル基地局及び携帯電話事業者の基地局の両方を使うことができるSIM)を提供しています。 (注)1.モバイル通信ネットワークとは、携帯電話等の移動体通信で使用される無線ネットワーク網をいいます。2.MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)とは、MNO(Mobile Network Operator:移動体通信事業者)が保有する無線ネットワークを利用し、独自のサービスを企画・構築し、独自の販売ルートでサービスを提供する事業者をいいます。3.MVNE(Mobile Virtual Network Enabler)とは、MVNOとの契約に基づき、当該MVNOの事業の構築を支援する事業を営む企業をいいます。4.モバイル専用線とは、当社が提供するサービスの名称で、モバイル通信ネットワークによる専用線サービスをいいます。5.ローカル5Gとは、通信事業者が全国に展開する第5世代移動通信システム(5G)とは異なり、通信事業者ではない企業や自治体が、特定の建物、敷地、企業、工場、自治体等の限られた地域で独自の5Gネットワークを構築して運用するシステムをいいます。 MVNO/MVNE概念図 出典:MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン(総務省、2026年1月最終改定)に掲載されている図に基づく

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
携帯電話事業者からの調達条件に依存し、自社サービスの競争力が失われる可能性。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
携帯電話事業者のモバイル通信ネットワークを活用しており、その調達契約が事業継続の前提。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:技術進歩・制度整備の停滞・遅延 / 訪日旅行者向け商品の販売低迷 / 携帯電話事業者からの調達条件悪化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

日本通信はMVNO事業を主軸としており、強力なブランド力や特許、規制ライセンスによる明確な無形資産の優位性は現時点では確認できない。独自の技術やブランド構築への投資は限定的と見られる。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

MVNO市場においては、料金プランの変更や他社への乗り換えは比較的容易であり、顧客のスイッチング・コストは低い。ただし、一部の長期契約者や特定のサービス利用者は乗り換えに一定の手間を感じる可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、プラットフォームとしてのネットワーク効果が強く働くタイプではない。ユーザー数の増加が直接的にサービス価値を向上させる構造は希薄である。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

MVNO事業は、大手キャリアから回線を借り受けるビジネスモデルのため、設備投資を抑えられる点はコスト面での優位性となりうる。しかし、調達コストや競争激化による価格圧力で、持続的なコスト優位性の確立は難しい。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

MVNO市場は多数の事業者が存在し、競争が激しい。日本通信の規模は市場全体から見ると中堅であり、圧倒的な効率規模による優位性は限定的である。大手キャリアとの規模の差は大きい。

  • MVNO事業モデルの利点
    自社で巨額な通信網投資が不要なMVNO事業モデルを採用しているため、設備投資を抑えつつ、複数の通信事業者のネットワークを活用することで、高い信頼性と広範囲なサービス提供が可能です。これにより、コスト効率の良い事業運営と柔軟なサービス展開を実現しています。
  • FPoS特許技術による差別化
    独自の特許技術であるFPoS(FinTech Platform over SIM)を活用し、本人性と真正性を担保したセキュアな通信基盤と認証基盤を提供しています。これは、従来の暗号化通信の弱点を克服し、金融取引だけでなく、行政や医療など幅広い分野での安全な情報流通を可能にする、他社にはない強みです。
  • 長年の経験とノウハウ
    MVNO事業モデルの定着に貢献してきた長年の経験とノウハウ(法制度の活用、携帯事業者との交渉、ネットワーク構築など)は、日本通信独自の資産です。これにより、前例のない課題にも対応できる能力を持ち、セキュアで信頼性の高い通信サービス開発・提供において優位性を持っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 安全・安心な通信の開発
    インターネット普及に伴うサイバーセキュリティ問題に対し、「安全・安心にビットを運ぶ」ことを使命としています。MVNO事業モデルを活用し、巨額投資なしに複数の通信網を組み合わせることで、信頼性の高い通信を提供することに注力しています。
  • FPoSプラットフォームの展開
    ICチップとしてのSIMを活用し、鍵生成ロジックや電子証明書を搭載した独自のFPoS(FinTech Platform over SIM)プラットフォームを開発しています。これは金融取引だけでなく、行政、医療、教育など多様な分野での活用を目指し、パートナー企業との連携を通じて事業を拡大していく方針です。
  • 早期黒字化と戦略的成長の両立
    現在4期連続で損失を計上しているため、早期の黒字化を目指しつつも、イネイブラー事業者としての成長戦略も並行して推進しています。格安SIM事業で売上の大部分を占める現状から、FPoSを活用した差別化されたSIM商品などを提供し、幅広いMVNO事業者へのサービス提供で収益基盤を強化する計画です。
出典: FY2019 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社を創業した平成8年から現在までの約20年の間に、インターネットが広く普及し、社会は大きく変貌しました。インターネットは、政治、経済、産業、人々のライフスタイル等のあらゆる領域に影響を及ぼし、変革の原動力となっています。一方、インターネットの普及がもたらしたサイバーセキュリティという問題は、社会に対する新たな脅威となっています。 このような状況の下、当社は、安全・安心に情報を運ぶことを使命とし、その実現のため、以下の方法によるセキュアかつ信頼できる通信の開発及び提供に注力しています。 (1) 情報を運ぶための通信網の構築及び運用通信網の構築・運用には、当社が創業時から提唱・実践しているMVNO事業モデルを採用しています。MVNO事業モデルには、①既存の通信事業者の通信網を活用するため巨額投資が不要である、②複数の通信事業者の通信網を活用することで、二重、三重に信頼性を高めた通信を提供ことが可能である、③海外の通信事業者の通信網を活用することでグローバルな事業展開が可能である、などの利点があります。 (2) セキュアなプラットフォームの構築及び運用セキュアなプラットフォームの構築及び運用には、隔離された通信経路の確立と通信内容の暗号化が根幹となります。当社は、ICチップとしての側面を持つSIMを活用し、鍵生成ロジックや電子証明書等を搭載することで、現在インターネットで広く利用されているSSL/TLS等の暗号化通信方式の弱点を克服した、セキュアな通信を提供します。 なお、当社は、上記(2)のプラットフォームを、インターネットで安全・安心な金融取引を行うことができるプラットフォーム、FPoS(FinTech Platform over SIM、エフポス)として開発しました。FPoSについては、金融庁の支援のもとで実証実験が行われ、金融庁が公表した実験結果において、金融庁の監督指針に準拠していることが示されています。FPoSは、スマートフォンで安全に送金や取引を行うなど、金融取引全般に活用することができるほか、行政、医療、教育、小売等の様々な分野で活用することができるものです。当社は、各分野のパートナー企業とともに、事業展開を図っていく方針です。 当社は、以上の経営方針に基づいた取組みを積極的に進め、その結果としての売上拡大及び収益化の実現を目指しています。現時点では、当社の売上の大部分は格安SIMによるものですが、FPoSを活用したイネイブラー事業者として他にはない機能を持つSIM商品等の提供を行うことで、より幅広いMVNO事業者に対して多様な通信及びプラットフォームを提供していきます。 なお、MVNO事業者は平成31年3月末日時点で1,003社に達し、その多くが格安SIMという単一セグメントに集中することで、過当競争の状況になっています。MVNO事業モデルには、前述のとおり、多くの利点があるため、この利点を生かし、どのように差別化したサービスを開発するか、そして、強力なパートナーと共にお客様に提案していけるのかが重要になります。 以上を踏まえ、当社は、以下の点を対処すべき課題として認識しています。 (1) 戦略的な取組みと早期黒字化への取組みとのバランスを取りながらの経営当社は4期連続で損失を計上しているため、早期の黒字化を目指しています。一方で、当社がイネイブラー事業者として成長するための戦略的な取組みも進めなければなりません。戦略的な取組みを断念すれば、早期の黒字化の実現は容易になりますが、それでは、将来にわたってセキュアかつ信頼できる通信を開発・提供するという経営方針を全うすることができません。従って、この両者のバランスを取りながら前進する必要があります。当社マネジメントには、同様の課題に取り組んだ経験を持つ者が多く、着実に対処していけるものと考えています。 (2) 優秀な人材の確保及び育成当社がイネイブラー事業者として成長するための戦略的な取組みには、多種多様な調査や企画、さらに技術開発や事業開発が必要であり、これを担うことができる人材の確保及び育成が極めて重要となります。セキュアな通信に対するニーズは、あらゆる産業及び企業に存在するため、例えばFinTechであれば、金融業界に関する法律、制度、経営課題、技術課題等、顧客の事業領域に対する一定の知見が必要です。当社グループは、そのためのヒューマンリソース戦略として、クルーシステムを実践しています。クルーシステムは、当社が考案・構築した事業遂行モデルで、一人一人の人材(クルー)が会社の優先順位に応じた多様な業務を担当することによって、様々なノウハウや技術を身に付けていく仕組みです。当社が直面する課題は前例のないもので、既に知識や経験のある企業がどこかに存在するわけではありません。一方、当社には、MVNO事業モデルを定着させるに至るまでに、法制度の活用、携帯事業者との交渉やネットワーク構築などを通じて培った経験とノウハウがあり、これは、当社のみが持ちうるものです。 (3) 技術開発及び設備投資等の先行投資資金の確保当社は、研究開発投資及び設備投資のための資金を確保する手段として、平成30年3月にクレディ・スイス証券株式会社を引受人として日本通信株式会社第4回新株予約権(第三者割当て)を発行しており、同新株予約権が行使されたことにより、当連結会計年度において245百万円の資金を調達しました。当社は、割当先が同新株予約権を行使する時期及び数量をコントロールすることができるため、当社の資金ニーズに応じ、株式価値の希薄化に配慮した柔軟な資金調達を実現することが可能です。 当社は、上記のような課題に取り組みながら、安全・安心な通信及びプラットフォームを提供する事業者として成長していく計画です。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社を創業した平成8年から現在までの約20年の間に、インターネットが広く普及し、社会は大きく変貌しました。インターネットは、政治、経済、産業、人々のライフスタイル等のあらゆる領域に影響を及ぼし、変革の原動力となっています。一方、インターネットの普及がもたらしたサイバーセキュリティという問題は、社会に対する新たな脅威となっています。 このような状況の下、当社は、安全・安心に情報を運ぶことを使命とし、その実現のため、以下の方法によるセキュアかつ信頼できる通信の開発及び提供に注力しています。 (1) 情報を運ぶための通信網の構築及び運用通信網の構築・運用には、当社が創業時から提唱・実践しているMVNO事業モデルを採用しています。MVNO事業モデルには、①既存の通信事業者の通信網を活用するため巨額投資が不要である、②複数の通信事業者の通信網を活用することで、二重、三重に信頼性を高めた通信を提供ことが可能である、③海外の通信事業者の通信網を活用することでグローバルな事業展開が可能である、などの利点があります。 (2) セキュアなプラットフォームの構築及び運用セキュアなプラットフォームの構築及び運用には、隔離された通信経路の確立と通信内容の暗号化が根幹となります。当社は、ICチップとしての側面を持つSIMを活用し、鍵生成ロジックや電子証明書等を搭載することで、現在インターネットで広く利用されているSSL/TLS等の暗号化通信方式の弱点を克服した、セキュアな通信を提供します。 なお、当社は、上記(2)のプラットフォームを、インターネットで安全・安心な金融取引を行うことができるプラットフォーム、FPoS(FinTech Platform over SIM、エフポス)として開発しました。FPoSについては、金融庁の支援のもとで実証実験が行われ、金融庁が公表した実験結果において、金融庁の監督指針に準拠していることが示されています。FPoSは、スマートフォンで安全に送金や取引を行うなど、金融取引全般に活用することができるほか、行政、医療、教育、小売等の様々な分野で活用することができるものです。当社は、各分野のパートナー企業とともに、事業展開を図っていく方針です。 当社は、以上の経営方針に基づいた取組みを積極的に進め、その結果としての売上拡大及び収益化の実現を目指しています。現時点では、当社の売上の大部分は格安SIMによるものですが、FPoSを活用したイネイブラー事業者として他にはない機能を持つSIM商品等の提供を行うことで、より幅広いMVNO事業者に対して多様な通信及びプラットフォームを提供していきます。 なお、MVNO事業者は平成31年3月末日時点で1,003社に達し、その多くが格安SIMという単一セグメントに集中することで、過当競争の状況になっています。MVNO事業モデルには、前述のとおり、多くの利点があるため、この利点を生かし、どのように差別化したサービスを開発するか、そして、強力なパートナーと共にお客様に提案していけるのかが重要になります。 以上を踏まえ、当社は、以下の点を対処すべき課題として認識しています。 (1) 戦略的な取組みと早期黒字化への取組みとのバランスを取りながらの経営当社は4期連続で損失を計上しているため、早期の黒字化を目指しています。一方で、当社がイネイブラー事業者として成長するための戦略的な取組みも進めなければなりません。戦略的な取組みを断念すれば、早期の黒字化の実現は容易になりますが、それでは、将来にわたってセキュアかつ信頼できる通信を開発・提供するという経営方針を全うすることができません。従って、この両者のバランスを取りながら前進する必要があります。当社マネジメントには、同様の課題に取り組んだ経験を持つ者が多く、着実に対処していけるものと考えています。 (2) 優秀な人材の確保及び育成当社がイネイブラー事業者として成長するための戦略的な取組みには、多種多様な調査や企画、さらに技術開発や事業開発が必要であり、これを担うことができる人材の確保及び育成が極めて重要となります。セキュアな通信に対するニーズは、あらゆる産業及び企業に存在するため、例えばFinTechであれば、金融業界に関する法律、制度、経営課題、技術課題等、顧客の事業領域に対する一定の知見が必要です。当社グループは、そのためのヒューマンリソース戦略として、クルーシステムを実践しています。クルーシステムは、当社が考案・構築した事業遂行モデルで、一人一人の人材(クルー)が会社の優先順位に応じた多様な業務を担当することによって、様々なノウハウや技術を身に付けていく仕組みです。当社が直面する課題は前例のないもので、既に知識や経験のある企業がどこかに存在するわけではありません。一方、当社には、MVNO事業モデルを定着させるに至るまでに、法制度の活用、携帯事業者との交渉やネットワーク構築などを通じて培った経験とノウハウがあり、これは、当社のみが持ちうるものです。 (3) 技術開発及び設備投資等の先行投資資金の確保当社は、研究開発投資及び設備投資のための資金を確保する手段として、平成30年3月にクレディ・スイス証券株式会社を引受人として日本通信株式会社第4回新株予約権(第三者割当て)を発行しており、同新株予約権が行使されたことにより、当連結会計年度において245百万円の資金を調達しました。当社は、割当先が同新株予約権を行使する時期及び数量をコントロールすることができるため、当社の資金ニーズに応じ、株式価値の希薄化に配慮した柔軟な資金調達を実現することが可能です。 当社は、上記のような課題に取り組みながら、安全・安心な通信及びプラットフォームを提供する事業者として成長していく計画です。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社並びに連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。 ①財政状態の分析 当連結会計年度末における流動資産は1,360百万円となり、前連結会計年度末に比べ477百万円減少しました。これは主に現金及び預金が317百万円、未収入金が72百万円、売掛金が90百万円減少したことによるものです。固定資産は320百万円となり、前連結会計年度末に比べ117百万円増加しました。これは主に有形固定資産が38百万円、無形固定資産が80百万円増加したことによるものです。 この結果、総資産は1,687百万円となり、前連結会計年度末に比べ362百万円減少しました。 当連結会計年度末における流動負債は989百万円となり、前連結会計年度末に比べ94百万円減少しました。これは主に買掛金が46百万円、前受収益が49百万円増加した一方、1年内返済予定の長期借入金が58百万円、未払金が32百万円、預り金が105百万円減少したことによるものです。固定負債は40百万円となり、前連結会計年度末に比べ21百万円減少しました。これは主に長期借入金が23百万円減少したことによるものです。 この結果、負債は1,029百万円となり、前連結会計年度末に比べ116百万円減少しました。 当連結会計年度末における純資産は657百万円となり、前連結会計年度末に比べ245百万円減少しました。 この結果、自己資本比率は37.5%(前連結会計年度末は43.6%)となりました。 ②経営成績の状況 当社は、安全・安心にデータを運ぶ(通信する)ことを自らの使命(ミッション)として事業を展開しています。当社は現在、金融機関向けに安全・安心な通信に基づくモバイル・ソリューションを提供する、FinTech(フィンテック)イネイブラー事業に注力していますが、現時点における当社の売上の過半は、依然として格安SIM事業によるものとなっています。このような状況を踏まえ、当社は、当連結会計年度において、早期黒字化のための収益改善と、将来の成長に向けた先行投資のバランスを取りながら経営に当たり、以下2つの業績を残しました。 (ⅰ) 早期黒字化のための収益改善(短期的な業績)当社が一般消費者向けに提供している格安SIM事業の月額課金通信サービスは、過当競争の中でも9四半期連続で増収を維持し、堅調に推移しています。また、従前からFinTechイネイブラー事業として提供している改正割賦販売法(平成30年6月施行)に準拠したクレジットカード決済のためのソリューション・サービスの売上も伸長し、利益貢献が顕在化するようになりました。一方、費用面では、売上原価は固定費の削減等により前期比124百万円減、販売費及び一般管理費は前期比約1%増に抑えています。これにより、当社は、これまでの2年度に引き続き、売上高の成長と損失額の改善を実現することができました。 (ⅱ) 将来の成長に向けた先行投資(長期的な業績)当社は、安全・安心な通信が喫緊の課題として強く要望されている金融業界向けに、スマートフォンで安全・安心なインターネット取引ができるFinTechプラットフォームとして、「FPoS」(エフポス、FinTech Platform over SIM)を開発しました。FPoSについては、平成30年5月に、金融庁が設置したFinTech実証実験ハブの支援案件に決定し、同年8月から10月にかけて実証実験が行われました。平成31年1月に金融庁から実証実験の結果が公表されましたが、金融庁の回答として、FPoSは、「監督指針で示されている「中間者攻撃」や「マン・イン・ザ・ブラウザ攻撃」などの高度化・巧妙化する犯罪手口への対策にかかる着眼点も充足」し、「インターネット等の通信手段を利用した非対面取引を行う場合の本人認証の観点で特段の問題はない」ことが示されました(実証実験の詳細及び実証実験結果の詳細については、平成30年5月31日付の金融庁及び実証実験参加企業(当社を含む)の開示資料、及び、平成31年1月24日付の金融庁及び当社の開示資料をご参照ください)。また、当社は、FPoSの基盤技術について、平成31年3月に特許を取得しました。これにより、当社は、FinTechプラットフォームについて、規制対応(金融庁の監督指針への準拠)及び知的財産(特許取得)の両面で基礎固めを完了し、商用化に向けた局面に移行する準備を整えました。 海外事業においては、従来から展開しているATM向けモバイル専用線サービスについて、金融業界向けにプラットフォームを提供する大手事業者と提携して、スマートセーフと呼ばれる店舗内設置型銀行金庫向けに提供する案件を開拓していますが、まだ大きな実績を上げるには至っていません。また、周波数免許不要のLTE技術を利用したサービスについては、平成31年初めに見込まれていたCBRS(市民ブロードバンド無線サービス、Citizens Broadband Radio Service)の商用サービスへの開放が遅れており、現時点でまだ実施されておりません。しかしながら、当社は、今後の5Gの到来に向けてCBRSが果たす役割及びその事業可能性は極めて大きいものと考えており、米国政府から試験許可を得るなど、商用テストサービスの準備を進めています。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は前期比16.0%増の3,518百万円(前連結会計年度は3,034百万円)、営業損失は502百万円(前連結会計年度1,093百万円の損失から591百万円の改善)、経常損失は495百万円(前連結会計年度1,115百万円の損失から620百万円の改善)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は499百万円(前連結会計年度2,348百万円の損失から1,849百万円の改善)となりました。当社1社からスタートしたMVNO事業には、今や900社近くの事業者がひしめき、一つの業界を形成するに至っています。しかしながら、圧倒的多数の事業者は格安SIMという単一事業に集中しており、大手携帯事業者も参入して価格競争が激化していることから、収益力は低下しています。 ③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は643百万円となり、前連結会計年度末に比べ279百万円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは338百万円の支出(前連結会計年度は1,159百万円の支出)となりました。これは主に売上債権が92百万円、未収入金が72百万円減少した一方、税金等調整前当期純損失を495百万円計上したことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは109百万円の支出(前連結会計年度は1,016百万円の収入)となりました。これは主に固定資産の取得によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは169百万円の収入(前連結会計年度は6百万円の収入)となりました。これは主に株式の発行による収入によるものです。 ④生産、受注及び販売の実績(a) 生産実績当社グループのサービス提供の実績は、販売実績とほぼ一致していますので、生産実績に関しては(d) 販売実績の項をご参照ください。(b) 仕入実績当社グループの当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。なお、セグメントについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)セグメント情報」をご参照ください。セグメントの名称当連結会計年度(自 平成30年4月1日至 平成31年3月31日)前年同期比(%)日本事業(千円)1,877,798108.1海外事業(千円)82,43469.8合計(千円)1,960,232105.6 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれていません。 2.金額は仕入価額で表示しています。 (c) 受注実績当社グループは 、受注から販売までの所要日数が短く常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しています。(d) 販売実績当社グループの販売実績は、出荷金額に基づいており、当連結会計年度販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 平成30年4月1日至 平成31年3月31日)前年同期比(%)日本事業(千円)3,371,288121.9海外事業(千円)196,94582.4合計(千円)3,568,234118.8 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上である相手先は次のとおりです。相手先前連結会計年度(自 平成29年4月1日至 平成30年3月31日)当連結会計年度(自 平成30年4月1日至 平成31年3月31日) 金額(千円) 割合(%) 金額(千円) 割合(%)株式会社U-NEXT1,198,23939.91,028,07328.83.上記の金額には、消費税等は含まれていません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計基準に基づいて作成しています。その作成は経営者による会計方針の選択及び適用、並びに資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。 なお、当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に次の会計方針に関する事項が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えます。 (ⅰ)収益の認識 当社グループは、次のサービスラインごとに売上の計上基準を分けています。(a)プリペイド・サービス(bモバイル)及び機器向けサービス 当該期間の通信サービスを提供するもの(例:12ヶ月間使い放題のSIM)は当該期間にわたって売上高を按分して計上。 (b)月額課金サービス 移動体通信端末の売上は出荷基準 通話料及びその他付加価値サービスの売上は役務提供基準 (ⅱ)貸倒引当金 当社グループは、債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案して、回収不能見込額を計上しています。販売先の財務状況及び支払能力に重要な変動が生じた場合、これらの貸倒引当金の見積に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (ⅲ)たな卸資産の評価 当社グループは、総平均法に基づく原価法(貸借対照表価額については、収益性の低下による簿価切下げの方法)により評価しています。将来の市場環境に重要な変動が生じた場合、これらのたな卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (ⅳ)固定資産の減損 当社グループは、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産の帳簿価額を、回収可能価額まで減損する会計処理を適用しています。経済環境の著しい悪化等により営業収益が大幅に低下する場合等には、減損損失が発生する可能性があります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(ⅰ)経営成績の分析 当連結会計年度の売上高は前期比16.0%増の3,518百万円(前連結会計年度は3,034百万円)、営業損失は502百万円(前連結会計年度1,093百万円の損失から591百万円の改善)となり業績は順調に回復してまいりました。 増収の主たる要因は、SIM事業の増収傾向が堅調に推移したことによるものです。プリペイド課金方式は、旅行用SIMは堅調に推移しましたが、それ以外は減収となり、プリペイド全体では7.3%の減収となりまた。一方、月額課金型サービスはおかわり課金方式(データー使用量に応じて課金する仕組み)サービスが好調に推移し、前年に比べ31.9%の増収になりました。 また平成30年6月から提供を開始した改正割賦販売法(平成30年6月施行)に準拠したクレジットカード決済のためのソリューション・サービスが、今期になり本格的に立ち上がり収益に貢献いたしました。 売上総利益は前期比144.9%増の1,028百万円(前連結会計年度は420百万円)となりました。これは売上原価のうち固定費の改善効果により売上総利益率が改善したことによるものです。 販売費及び一般管理費は1,530百万円となり、前年比約1%増に抑えた結果、収益改善に向け着実に前進しています。 (ⅱ)資本の財源及び資金の流動性 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。 運転資金は基本的に内部資金より充当しています。また、開発費用や設備投資に係る長期に亘る資金需要に関しては、当事業年度において日本通信株式会社第4回新株予約権(第三者割当て)により245百万円の資金を調達しました。

事業リスク

  • 技術と制度の進歩遅延
    モバイル通信市場は技術革新が速く、セキュリティやプライバシーに関する制度整備も重要です。もし技術の進歩や制度の整備が停滞・遅延した場合、市場全体の拡大が鈍化し、日本通信の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。常に最新の技術動向と法規制に対応する必要があります。
  • 訪日旅行者市場の変動
    訪日旅行者向けのプリペイドSIM販売は、国際的な社会経済状況に大きく左右されます。大規模な自然災害、感染症の流行、国際関係の悪化、為替レートの急変、世界経済の後退などが起きた場合、訪日旅行者数が減少し、関連商品の販売低迷が業績に悪影響を与える可能性があります。
  • 大手携帯事業者への依存
    日本通信のサービスは、NTTドコモやソフトバンクといった大手携帯電話事業者の通信網を借りて提供されています。そのため、これらの事業者との契約条件が悪化したり、契約が解除されたり、事業方針の変更によって競争力が失われたりするリスクがあります。安定したサービス提供には、大手事業者との良好な関係維持が不可欠です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|14,815 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとしては以下のようなものがあります。必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載していますが、当社株式への投資に関連するリスクのすべてを網羅するものではありません。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 市場について① 技術の進歩及び制度の整備について 当社は創業以来、モバイル通信の市場で事業を展開しています。モバイル通信は、スマートフォンやタブレット端末の普及とともに社会に不可欠なものとなりましたが、同時に、セキュリティやプライバシーに関わる課題が広く認識されるようになっています。モバイル通信の活用範囲を広げて市場規模を拡大するには、セキュリティやプライバシーの課題を技術及び制度の両面で解決し、誰もが安全・安心に通信を利用できるようにする必要があります。 セキュリティの技術は日進月歩の発展を遂げているため、技術的な課題はいずれ克服されていくものと考えますが、技術の進歩が停滞または遅延した場合には、当社グループが事業を展開する市場規模の拡大も停滞または遅延する可能性があります。また、プライバシーの確保等の制度的な課題は行政及び電気通信事業者が共通の問題意識を持って取り組むことで整備されていくものと考えますが、制度の整備が停滞または遅延した場合には、当社グループが事業を展開する市場規模の拡大も停滞または遅延する可能性があります。いずれの場合も、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 訪日旅行者向け商品の市場について 当社は、モバイル通信サービスのプリペイド商品において訪日旅行者向け商品を販売していますが、当該商品の販売は当該旅行者数の増減に左右されるため、国際的な社会経済の状況に大きく影響されます。国内外で大規模な自然災害が発生した場合、世界的な感染症が流行した場合、国際関係が悪化した場合、為替レートが急激に変化した場合、世界経済の後退が深刻化した場合などは、訪日旅行者数が減少し、当社の訪日旅行者向け商品の販売が低迷するため、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 当社サービスの仕組みについて① モバイル通信網等について 当社は、携帯電話事業者から調達したモバイル通信サービスを活用して、音声通話サービス、セキュリティ技術、各種アプリケーションまたは通信端末等を組み合わせることで当社独自の通信サービスを設計し、一般消費者を含む様々な顧客層及びパートナー企業にモバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションを提供しています。 当社サービスの中核となっているのはモバイル通信サービスですが、現時点において、モバイル通信サービスを提供する仕組みは、下図のとおり、ドコモ及びソフトバンクのモバイル通信網等のネットワーク(以下、「モバイル通信網等」という)、専用線接続部分並びに当社グループの複数のデータセンター等から構成されています。なお、当社グループのデータセンターにおける主要なシステムは、株式会社インターネットイニシアティブ等が運営するデータセンター内に収容しています。 図1 モバイル通信サービスを提供する仕組み モバイル通信サービスを提供する仕組みのうち最も主要な部分は、携帯電話事業者のモバイル通信網等ですが、これは、当社が携帯電話事業者と締結した契約に基づいて調達しています。 従って、当社が携帯電話事業者とモバイル通信網等を調達する契約を締結することができない場合は、当社はモバイル通信サービスを提供することができません。また、当社が携帯電話事業者とモバイル通信網等を調達する契約を締結した場合も、当社が当該契約を同様の条件で継続することができる保証はなく、当該契約が携帯電話事業者によって解除される等により終了した場合は、当社はモバイル通信サービスの提供を継続することができない事態に陥ります。 当社は、携帯電話事業者が積極的に訴求しない分野での潜在需要を喚起する等により、通信市場全体の拡大を図り、携帯電話事業者に対する交渉力の維持・増強に努めています。しかし、当社が将来にわたり携帯電話事業者との契約を更新することができるという保証、または、従前と同様の条件で調達を受けられるという保証はなく、今後、調達条件の改善に成功するという保証もありません。さらに、携帯電話事業者の事業方針の変更等により、当社が従前より不利な条件での調達を余儀なくされる可能性があるほか、携帯電話事業者自身が顧客にとってより魅力的な自社サービスを展開し、それを当社に対する提供条件には反映させないこと等により、当社と携帯電話事業者との契約が維持されたとしても、結果的に当社サービスの競争力が失われる事態となる可能性もあります。当社が携帯電話事業者からの調達条件を維持もしくは改善することができなかった場合、または携帯電話事業者からの調達条件が悪化した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社は、上記のリスクを最小限に留めるため、携帯電話事業者からデータ通信のモバイル通信網等を調達するにあたっては、電気通信事業法上の制度である相互接続に基づく契約を締結し、安定した事業基盤を確保するために最大限の努力をしています。そのため、次世代のモバイル通信網等を調達する契約を締結することができない可能性、または、既存のモバイル通信網等の調達に関する契約を解除される可能性は、いずれも高くないものと認識しています。当社は、携帯電話事業者から音声通話サービスを調達するにあたっては、相互接続より携帯電話事業者の裁量の余地が大きい卸契約によっていますが、ドコモが当社に提供する音声通話サービスに係る卸電気通信役務の料金については、2020年6月の総務大臣裁定により、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えた金額を超えない額で設定するものとされています。また、当社は、2021年12月に総務省の情報通信審議会においてMVNOに携帯電話番号を付与する方針が示されたことを受け、2022年6月にドコモに音声・SMS網との相互接続を申し入れ、2024年2月にドコモと相互接続について合意をしておりますが、2025年6月には総務省から携帯電話番号の割当てを受けるなど、ドコモの音声・SMS網との相互接続の準備を進めており、音声通話サービスの調達においても安定した事業基盤の確保に努めています。 なお、モバイル通信網等の調達にかかわらず、当社グループの今後の事業展開において、携帯電話事業者に依存する側面が大きいことは否定できません。すなわち、当社サービスの利用可能地域の拡大は、携帯電話事業者のモバイル通信網等における通信可能地域の拡大が前提となり、通信速度または通信容量の向上は、携帯電話事業者におけるモバイル通信網等の性能の向上が前提となります。 ② モバイル通信網等のネットワーク設備の障害について 携帯電話事業者のモバイル通信網等の維持管理は携帯電話事業者において行われており、当社グループが顧客に当社サービスを確実に提供するためには、携帯電話事業者のモバイル通信網等が適切に機能していることが前提となります。携帯電話事業者のモバイル通信網等が適切に機能していないことにより、当社サービスの全部もしくは一部が停止し、または当社サービスの水準が低下する事態が生じた場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、携帯電話事業者においてモバイル通信網等の適切な維持・管理が行われていた場合でも、アクセスの集中等の一時的な過負荷、外部からの不正な手段による侵入、内部者の過誤、または大規模地震や火山の噴火を含む自然災害、停電もしくは事故等の原因により、携帯電話事業者のモバイル通信網等に障害が発生する可能性があります。このような障害により、当社サービスの全部もしくは一部が停止し、または当社サービスの水準が低下する事態が生じた場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、耐震構造または免震構造を有し停電対策を備えた施設にデータセンターを収容するとともに、複数の拠点(東日本及び西日本)にデータセンターを設置することでリスクの分散化を図っています。さらに、当社グループは、データセンター内のネットワークシステムの稼働状態を終日監視し、継続的に通信状態をテストすることで障害等の発生を可能な限り早く感知することに努めています。また、携帯電話事業者との障害連絡体制を整え、障害発生時に極力短時間で復旧させるための準備体制を整えています。今後は、当社グループの事業継続計画(BCP)の一環として、災害時には、群馬県北群馬郡吉岡町に開設したオペレーションセンターでネットワークのオペレーションを継続することができるよう、同センターに第2本社としての機能を構築していきます。 しかしながら、大規模地震や火山の噴火を含む自然災害、停電または事故等の原因による障害の発生を完全に防ぐことはできません。また、障害が発生した場合、迅速に対処するためには多大なコスト負担が必要となるため、発生した障害の規模等によっては、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、自社で開発したものを含め、多数のネットワーク機器及びコンピュータ・システム(ソフトウェアを含む)を使用しています。これらの機器及びシステムにおいて、過負荷による損耗、不適切な設定、バグ等の不具合(外部から調達する一般的なソフトウェアの不具合を含む)が顕在化した場合には、サービスの全部もしくは一部の停止、またはサービスの水準の低下が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ ネットワークシステムについて 当社グループが提供するモバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションは、モバイル通信網を使用するため、利用場所、利用時間帯、利用時の電波の状況、及び基地局の混雑度等により、通信速度が異なります。また、インターネット接続を利用する場合には、インターネットの通信速度に依存します。さらに、携帯電話事業者から当社グループのデータセンターまでを接続する専用線の通信速度並びにデータセンター内のネットワーク設備及びコンピュータ・システムの処理速度にも依存します。加えて、当社グループのデータセンターから法人顧客までを専用線で接続している場合には、当該専用線の通信速度にも依存します。 当社グループは、現在の顧客数及びその利用実態を把握し、また今後の顧客数及び利用実態を予測することにより、必要かつ十分なネットワークシステムの容量を確保するよう努めています。しかしながら、当社グループが機動的にネットワークシステムの容量を確保することができず、当社グループが確保したネットワークシステムの容量が需要に対して不足した場合には、通信速度が低下する原因となる可能性があり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 一方、このような事態を回避するために、需要に対して必要以上にネットワークシステムの容量を増強した場合にも、過大な費用が発生することで、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 技術革新について 当社グループが提供するモバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションでは、モバイル通信技術(4G・5G)、無線LAN技術、TCP/IPネットワーク技術、マイクロソフトWindowsオペレーティングシステム、認証技術において業界標準となっているRadius認証システム等を使用しています。これらの技術標準等が急激に大きく変化した場合、その変化に対応するための技術開発に多大な費用が生じ、当社グループの収益を圧迫し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、技術標準等の変化への対応が遅れた場合、または、当社サービスに使用している技術もしくはサービスが陳腐化した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 事業の内容について① 通信端末の調達について 当社グループは、モバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションで使用する通信端末を複数の企業から調達していますが、調達条件はその時点の市場環境の影響を受けます。 当社グループは、通信端末の調達条件を改善するよう努めていますが、そのような努力にもかかわらず、調達条件が悪化した場合には、事業原価の上昇や通信端末を適時に顧客に供給できないことによる事業機会の逸失により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 さらに、通信端末に品質上の問題があった場合には、サービスを継続できない等の事態が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、経済のグローバル化により、世界的な感染症の拡大や国際情勢の変化も通信端末の調達に影響を及ぼします。2020年1月以降は、新型コロナウイルスの感染拡大により、通信端末が長期にわたり品薄状態となり、2022年2月以降は、ウクライナ情勢により、半導体の供給が不足する事態が発生しましたが、2026年2月以降も、中東情勢の影響により、同様の事態が発生する懸念があります。このような事態が長期間継続する場合は、事業原価の上昇や通信端末を適時に顧客に供給できないことによる事業機会の逸失により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 通信端末の陳腐化リスク等について モバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションで使用する通信端末は、通信端末メーカーまたは代理店から調達しますが、最低発注量が大きく、需要に対し過大な発注をせざるを得ない場合もあり、このような場合、在庫の陳腐化リスクを負うことになります。当社グループでは、通信端末メーカーと緊密な情報交換を行い、販売状況を見極めながら必要数量の予測を的確に行うよう努めていますが、調達した通信端末が陳腐化した場合、または発注時期の遅延により適時に顧客に供給できず事業機会を逸失した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 通信端末の製造物責任等について当社は、モバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションで使用する通信端末を通信端末メーカーまたは代理店から調達して販売しています。当社は、通信端末を調達するにあたり、品質等の検査を行っていますが、それにもかかわらず、当該通信端末に検収時に判明しない欠陥があり、事故等の被害が生じた場合には、当社は、製造物責任法に基づく損害賠償責任を負う可能性があります。また、製品事故に至らなくても、当該通信端末の技術基準等に問題があった場合は、製品の回収義務を負う可能性があります。これらの場合は、多額のコストが発生するだけでなく、当社グループの信用を大きく毀損し、売上の低下や収益の悪化など、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ マーケティング力及び技術開発力について 当社グループの業績は、顧客が求め、または顧客に受け入れられるサービスを的確に把握し、新たなサービスを提供していくこと、すなわち激変する業界にあって迅速に動向を把握し、あるいは予測しながら経営を行っていくためのマーケティング力及びそれを実現するための技術開発力に依拠すると考えています。当社グループが、かかる能力を適切に維持し、または向上できない場合には、事業機会を逸し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 人材の確保について 少子高齢化により生産年齢人口の減少が進み、人材不足が社会的な問題となっており、当社グループにおいても、必要な人材を確保することができない可能性があります。また、当社グループの事業は、新たな領域で行っているため、少数の個人の経験、スキル及びノウハウに負うところが大きく、確保した人材を失うことで事業に悪影響が及ぶ可能性は否定できません。当社グループは、従業員の意欲及び能力に応じてより多くの責任を担う業務を担当することができる制度、並びに、性別、国籍、新卒・中途採用の区別なく当該人材の能力及び適正に応じて採用、配属、管理職または中核人材の登用等を行う制度を実施することで、適切な人材の確保、育成及び維持に努める方針です。しかしながら、適切な人材を適時に採用すること、当該人材を短期間で育成すること、当該人材を維持できる労働条件を提供することは容易ではありません。当社グループが、事業の拡大に必要な人材を確保することができなかった場合、採用した従業員が短期間で退職した場合、または、限られた人材に依存している業務において従業員に業務遂行上の支障が生じた場合等には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 事業活動に必要な認定について当社連結子会社であるmy FinTech株式会社は、FPoS事業を展開するにあたり、スマートフォンに秘密鍵及び電子証明書を搭載する「my電子証明書」サービスについて2021年11月10日に電子署名法に基づく特定認証業務の認定を受けました。これにより、同サービスの信頼性が向上し、前橋市(群馬県)、江別市(北海道)及び大村市(長崎県)のプロジェクトで、めぶくグラウンド株式会社(前橋市並びに当社を含む民間企業及び大学による官民連携会社)が発行する「めぶくID」のプラットフォームとして利用が開始されているほか、「めぶくID」が持つ中核機能である、身元確認、当人認証、データ連携の機能を部品化した「FPoSライブラリ」が前橋市(群馬県)及び門真市(大阪府)のプロジェクトで採用されており、今後、さらに他の地域へ展開していく予定です。また、2024年10月には、「my電子証明書」サービスにおいて、マイナンバーカードに記載された基本4情報(氏名、住所、生年月日及び性別)に変更があった場合に本人の同意を得て変更後の情報を取得する業務実施方法について、電子署名法に基づく認定を受けました。しかしながら、これらの認定は、一定期間ごとに更新を受けなければ失効するものであり、また、業務等が基準に適合しない場合等は認定が取り消される場合があります。当社グループは、「my電子証明書」サービスについてのこれらの認定を維持するため、人材、設備及び監査体制の確保に努めていますが、これらの認定が失効しまたは取り消された場合は、当社グループの信用が毀損され、事業機会を逸することになり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 競合について 当社が提供するモバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションは、市場規模の拡大が見込まれることから、現在の競合他社に加え、今後の更なる新規参入による競争激化が予想されます。モバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションは、通信事業者が提供する通信サービスの側面と、コンピュータ関連業者が提供するシステムサービスの側面を併せ持つことから、以下のとおり、通信事業及びコンピュータ関連事業から、競合するサービスが現れる可能性があると考えています。 ① 携帯電話事業者について 通信回線設備を有する携帯電話事業者は当社グループと比較して圧倒的に潤沢な経営資源を有し、それらを活用することで、より低価格・高機能な商品を提供することが可能です。 従来、携帯電話事業者の収益源は音声通話によっていましたが、昨今のスマートフォン等の急速な普及からデータ通信による収益が音声通話を上回るようになっており、現在、データ通信市場では、携帯電話事業者を含めた競争が激化しています。 このような状況において、携帯電話事業者は、自社または自社と資本関係のあるグループ内のMVNOにより、当社グループと競合するサービスを強化しています。また、2020年4月には、既存事業における安定的な顧客基盤及び事業基盤を活用してモバイル通信サービスに参入した事業者が新たな携帯電話事業者となり、従来の携帯電話事業者より低価格なサービスを展開しています。このような携帯電話事業者が、その強大な資本力を背景に、当社グループより商品力に優れたサービスを提供した場合、当社グループの競争力の低下または価格競争の激化による売上高の減少が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、携帯電話事業者は、当社グループにとってモバイル通信網等の調達先でもあります。携帯電話事業者が提供するサービスと当社グループが提供するサービスの競合が激化した場合、携帯電話事業者は、自己のサービスを拡大するため、当社との取引条件を変更する可能性があり、その場合、当社グループの価格設定や提供しうるサービスが制限されることにより、既存顧客を失う事態、または新規顧客の獲得が伸び悩む事態が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② MVNOについて 当社グループと競合するMVNOの多くは、固定回線系ネットワークサービスを提供する事業者及び大規模小売店を展開する事業者等がモバイル通信サービスに新規参入したものです。これらの事業者は、既存事業において安定的な顧客基盤及び事業基盤を有しており、これらを活用して新規事業であるモバイル通信サービスを拡大することが可能です。これらの事業者が、既存事業の収益に基づいてモバイル通信サービスのシェア拡大を優先する場合、または、既存事業を維持・拡大する手段としてモバイル通信サービスを活用する場合は、モバイル通信サービスにおいて戦略的な価格政策を打ち出す可能性もあり、かかる事態が発生した場合には、既存顧客を失う事態、または新規顧客の獲得が伸び悩む事態が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ SI(システムインテグレーター)について SIは、コンピュータ・システム領域において、顧客ごとに最適化したシステムのカスタマイズを事業としているため、システムの企画・立案からプログラムの開発、必要なハードウェア・ソフトウェアの選定・導入、及び完成したシステムの保守・管理までを総合的に行い、システム導入後においても保守業務が継続することから、顧客との結び付きは深いものになります。また、多種多様なシステムを統合するため、高いネットワークスキルを有しています。SIが携帯電話事業者と提携する等により、モバイル通信サービスの提供能力を獲得した場合には、当社グループにとって強力な競合相手となる可能性があり、そのような場合、既存顧客を失う事態、または新規顧客の獲得が伸び悩む事態が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループは、SIを含むパートナー企業にモバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションを提供する戦略を推進しています。当社グループとSIがパートナーシップを構築することは、両者に利益をもたらし、結果的に、競合による上記のリスクの低減につながります。 (5) パートナービジネスへの依存について 当社グループは、パートナー企業にモバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションを提供しており、当社事業の中長期的な成長の成否は、パートナー企業との間で、取引関係・契約関係を含めた信頼関係を構築することができるか、また、構築した信頼関係を維持・拡大することができるか否かにかかっています。当社グループは、パートナー企業との協業を成功させるため、最大限の経営資源を投入して、競争力のあるモバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションの開発に努めるとともに、パートナー企業のオペレーションを支援するためのパートナープラットフォームの開発を強化しています。しかしながら、パートナー企業との間で、取引関係・契約関係を含めた信頼関係を構築することができなかった場合、信頼関係の構築に当社が想定する以上の時間を要した場合、または構築した信頼関係を維持・拡大することができなかった場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 知的財産権及び法的規制等について① 知的財産権の保護について 当社グループに帰属する知的財産の保護は、関連法規及び契約の規定に依存しています。当社グループは、知的財産を保護するため、他社の技術やノウハウの動向を把握し、必要に応じて特許出願等を行うよう努めていますが、出願した特許等が必ず権利登録されるという保証はありません。 また、当社グループが出願した特許等が権利登録された場合でも、取得した権利が十分なものではない可能性、または、第三者によって侵害される可能性があります。このような場合には、他社により、当社グループと同様の技術が開発され、または当社グループのサービスが模倣されることで、当社グループの事業の継続に支障を来す可能性があります。また、かかる侵害者に対する訴訟その他の防御策を講じるため、限られた経営資源を割くことを余儀なくされる事態が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 第三者からのライセンスについて 当社グループは、モバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションの提供にあたり、複数の第三者から、技術またはブランド(商標)等のライセンスを受けています。将来において、当社グループが現在供与されているライセンスを更新することができない事態、新たなサービスや通信端末を提供するために必要なライセンスの供与を受けることができない事態、または適切な条件でライセンスの更新もしくは供与を受けることができない事態が生じる可能性があり、そのような事態が生じた場合には、当社サービスの優位性が失われ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 法的規制等について 当社グループの事業は、電気通信事業法及び電子署名法をはじめとする各種法令に基づく規制を受けています。これらの規制が変更され、または新たな法令が適用されることにより事業に対する制約が強化された場合、事業活動が制限され、またはコストの増加につながる可能性があります。他方、事業に対する制約が緩和された場合、新規参入の増加により競争が激化し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 個人情報の保護について 当社グループは、電気通信事業、電子署名法に基づく特定認証業務及びその他の企業活動において、お客様の氏名、住所、生年月日、電話番号や当社サービスの利用状況等の個人情報を取得することがあり、個人情報保護法に基づき、個人情報取扱事業者としての義務を負っています(当社及び当社連結子会社であるmy FinTech株式会社は、個人情報の利用目的、及び、個人情報の第三者提供を行う場合の利用目的の範囲等について、個人情報保護方針(プライバシーポリシー)に定め、当社及びmy FinTech株式会社のウェブサイトに掲載しています。)。 当社グループが取得した個人情報は、当社並びに当社連結子会社であるmy FinTech株式会社、クルーシステム株式会社及びJCI US Inc.において業務上取り扱いますが、当社グループでは、取得した個人情報について、業務上必要な範囲内のみで利用し、適正な権限を持った者のみがアクセスできるようにしています。また、当社グループの社員、契約社員及び派遣社員は当社グループでの就業の開始時及び毎年1回、当社に秘密保持誓約書を提出しています。しかしながら、このような個人情報保護のための対策を施しているにもかかわらず、当社グループからの個人情報の漏洩を完全に防止できるという保証はありません。万一、当社グループが保有する個人情報が社外に漏洩した場合には、顧客からの信用を喪失することによる販売不振や、当該個人からの損害賠償請求等が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) その他① 業績の予測について 当社グループが推進しているモバイル通信サービス、モバイル・ソリューション及びFPoS事業の歴史はまだ浅く、新たな事業領域であることから、当社グループが今後の業績を予測するにあたり、過去の実績や、通信事業の業界一般の統計に必ずしも依拠することができません。また、今後のモバイル通信サービス、モバイル・ソリューション及びFPoS事業の業績に影響を与える可能性のあるこれらのサービスまたは事業の利用者数の推移、市場の反応等を正確に予測することも極めて困難です。従って、現時点において当社グループが想定する収益の見通しに重大な相違が生じる可能性があるほか、今後予想し得ない支出等が発生する可能性もあり、かかる事態が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 資金調達について 当社グループは、ネットワーク設備、ソフトウェア、システム等の開発及び調達等に投資し、当社サービスの更なる差別化を推進して事業拡大を図る計画であり、当社は、ドコモの音声網及びSMS網との相互接続を実現するためのネットワークシステム等の設備投資資金の調達を目的として、2025年3月13日開催の取締役会決議に基づき、2025年3月26日に第1回無担保社債(適格機関投資家限定)を発行し、2,000百万円の資金を調達したほか、2026年2月5日開催の取締役会決議に基づき、2026年3月25日に第2回及び第3回無担保社債(適格機関投資家限定)を、2026年3月26日に第4回無担保社債(適格機関投資家限定)を発行し、総額4,000百万円を調達しました。しかしながら、ドコモの音声網及びSMS網との相互接続を実現するために想定以上の資金を要することが判明した場合、または、当社グループの収益力の低下により想定以上の資金を調達する必要が生じた場合等において、当社が同様の条件で社債を発行することができる保証はありません。当社グループが不利な条件での資金調達を強いられる場合、または、必要な資金の確保を適時に行えない場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループは、当連結会計年度末において現金及び預金7,107百万円を保有し、必要な運転資金及び設備投資資金を確保しています。 ③ ストックオプションによる株式の希薄化について 当社グループは、当社グループに対する貢献意欲及び経営への参加意識を高めるため、ストックオプションによるインセンティブ・プランを採用しており、2020年3月19日開催の当社取締役会決議に基づき、当社並びに当社連結子会社の取締役、監査役、執行役員及び従業員に対し、2020年4月10日に第20回新株予約権(ストックオプション)33,522個(3,352,200株)を発行しており、当連結会計年度末現在の当該新株予約権の潜在株式数は3,168,200株となっています。当該新株予約権の行使期間は2027年4月10日までであり、当該新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、株価に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当該新株予約権の行使価格は、同新株予約権の発行日前日の当社株式終値の2倍であるため、当該新株予約権が行使されることは、当社の株主価値が増大したことを意味します。そのため、当該新株予約権は、その行使による相応の希釈化を伴ったとしても、結果として中長期的な企業価値・株主価値の向上に寄与し、既存株主の利益にも貢献できるものと判断しています。 ④ 譲渡制限付株式による株式の希薄化について 当社グループは、取締役等の報酬と株式価値との連動性をより一層強めることにより、取締役等に当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、取締役等と株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として譲渡制限付株式報酬制度を導入しており、2022年6月28日開催の第26回定時株主総会において、同制度に基づき取締役に対して発行または処分される当社の普通株式の総数は、年間56万株以内、年額1億円以内と承認されています。当社は、同制度の導入以降、2022年7月20日開催の取締役会決議に基づき、2022年8月15日に当社の取締役並びに当社の執行役員及び当社連結子会社の取締役に対し、譲渡制限付株式としての新株751,000株(うち当社の取締役に対して発行した株式数は471,000株)を発行し、2024年6月26日開催の取締役会決議に基づき、2024年7月17日に当社の取締役並びに執行役員及び従業員に対し、譲渡制限付株式としての新株914,500株(うち当社の取締役に対して発行した株式数は523,500株)を発行したほか、2025年6月25日開催の取締役会決議に基づき、2025年7月16日に当社の取締役並びに当社の執行役員及び従業員に対し、譲渡制限付株式としての新株915,000株(うち当社の取締役に対して発行した株式数は560,000株)を発行しています。今後、同制度に基づき、譲渡制限付株式としての新株が発行された場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、株価に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 世界的な感染症の拡大による影響について 新型コロナウイルス感染症については、2023年5月に感染症法上の位置づけが変更され、社会経済活動の正常化が進んでいるものの、現在も新規感染者数は一定数確認されています。当社グループは、2021年7月に群馬県北群馬郡吉岡町に吉岡オペレーションセンターを開設し、本社(東京都港区)及び吉岡オペレーションセンターの2か所で通常業務を行うことのできる体制を確保しています。また、今後は、当社グループの事業継続計画(BCP)の一環として、災害時には、同センターでネットワークのオペレーション並びに決算及び開示等を継続することができるよう、同センターに第2本社としての機能を構築していきます。しかしながら、今後、従来の感染症が再び流行する可能性、または新たに別の感染症が拡大する可能性があり、当社グループの役員または従業員が感染し、または隔離措置等によって業務からの離脱を余儀なくされた場合には、業務遂行上の支障が生じるほか、場合によっては当社グループの事業活動の一部が停止し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 首都直下型地震や富士山の噴火等の自然災害による影響について 当社は東京都港区に本社を置き、群馬県北群馬郡吉岡町に吉岡オペレーションセンターを置いています。そのため、首都直下型地震や富士山の噴火等の自然災害が発生した場合、建物の倒壊及び火災による焼失に加えて、停電、断水、通信及び交通の途絶等のインフラ、ライフラインの被害により、業務の継続が困難となる可能性があります。また、これらの自然災害により、当社の役員または従業員に人的被害が生じた場合は、業務の継続が長期にわたり困難となる可能性があります。 当社は、自然災害によるリスクを分散化するため、当社の事業継続計画(BCP)の一環として、本社機能を持つ拠点及びデータセンター等を複数の地域に構築することを進めています。しかしながら、人材不足または資源不足等の外的要因により当社の事業継続計画(BCP)を予定通り構築することができない可能性、当該外的要因により当社の事業継続計画(BCP)の構築費用が想定を超えることで当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性、また、当社の事業継続計画(BCP)の構築により迅速な業務遂行が困難となることで当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

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