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SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ(9478)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 純粋持株会社体制
    SEホールディングス・アンド・インキュベーションズは、自らは事業を行わず、傘下の事業子会社を管理・統括する「純粋持株会社」です。グループ全体の経営企画、経理・総務などの管理業務代行、不動産賃貸、グループファイナンスを通じて、子会社の事業活動を支援し、グループ全体の価値向上を目指しています。また、IT関連企業の起業支援・育成も行い、新たな事業の創出にも貢献しています。
  • IT・コンテンツ事業が主軸
    グループの主要な収益源は、出版、Webサービス、教育、ソフトウェア開発といったIT・コンテンツ関連事業です。特に、IT・ビジネス・デザイン・カルチャー関連の書籍発行・販売を行う出版事業や、Webサービス企画・開発・運営、IT人材教育・研修などが中心となっており、デジタル化が進む社会のニーズに応える形で多角的な事業を展開しています。
  • 投資と育成による成長戦略
    自社グループの事業運営だけでなく、IT関連企業の起業支援や育成、さらには有価証券投資も事業内容に含まれています。これは、既存事業の強化に加え、将来性のある分野への投資を通じて、グループ全体の成長機会を拡大し、収益基盤を多様化していく戦略的なビジネスモデルを示しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 出版事業
    売上43.76億円、営業利益7.4億円。IT・ビジネス・デザイン・カルチャー関連の一般書籍、海外翻訳書籍、電子書籍の発行・販売が中心です。書籍の直販サイト運営やWebマガジン、Web広告媒体提供などのWebメディア事業、IT技術者向けイベント事業も手掛けています。グループの稼ぎ頭であり、最も大きな売上と利益を上げています。
  • 教育・人材事業
    売上9.12億円、営業利益1.94億円。IT人材向けの教育・研修サービスや、医療業界に特化した転職支援・求人サイトの運営を行っています。人的資本経営に取り組む企業の増加や医療関連人材の需要拡大を背景に、市場規模が拡大傾向にあり、グループの重要な収益源の一つとなっています。
  • 投資運用事業
    売上3.5億円、営業利益2.51億円。有価証券投資を通じて収益を得る事業です。連結子会社への投融資に加え、国内外のスタートアップ企業や大手金融機関などへの投資も行っています。分散投資と長期投資を基本とし、運用量や株式配当収入の増加、保有株式の売却益計上により収益を確保しています。比較的高い利益率を誇ります。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Publishing 事業 44 7 16.9%
CorporateService 事業 8 -0 -3.1%
SoftwareAndNetwork 事業 8 -0 -1.3%
EducationAndHumanResource 事業 9 2 21.3%
InvestmentManagement 事業 4 3 71.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|703 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社5社で構成されております。当社は、純粋持株会社として事業子会社の管理・統括、会社グループ経営企画、経理・総務等管理事務代行、グループ会社宛不動産賃貸、及びグループファイナンスを行うと同時に、IT関連企業の起業支援・育成を行っております。当社グループの事業における位置付け及びセグメントとの関連は、下記の通りであります。なお、セグメントと同一の区分であります。また、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。事業セグメント事業内容主要な会社出版事業IT・ビジネス・デザイン・カルチャー関連等一般書籍・海外翻訳書籍・電子書籍の発行・販売、書籍等直販サイト運営、Webマガジン運営・Web広告媒体提供等Webメディア事業、IT技術者向けイベント事業(株)翔泳社コーポレートサービス事業コンテンツマーケティング支援事業(マーケティングコンサルティング、Webコンテンツ制作及びオウンドメディア構築、マーケティングオートメーションの導入及び運用、ブランドローカライズ等)(株)SEデザインソフトウェア・ネットワーク事業Webサービス企画・開発・運営、ソーシャルゲーム・スマートフォンアプリ開発SEモバイル・アンド・オンライン(株)教育・人材事業IT人材教育・研修、医療業界関連転職支援・求人サイト運営(株)SEプラス投資運用事業有価証券投資SEインベストメント(株) 以上の事項を事業系統図によって示すと、下記の通りであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
出版事業における再販売価格維持制度の弾力的運用又は廃止の可能性。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 なし
Webサービス分野は新規事業者参入が予想され、出版事業も競争激化の可能性。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:委託販売制度による返品増加 / 再販売価格維持制度の弾力的運用・廃止 / 出版事業環境の悪化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

開示情報からは、特許やブランド力、規制ライセンスなどの明確な無形資産に関する情報は確認できない。事業内容もM&Aや投資事業が中心であり、特定の技術やIPに依存する構造ではない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

投資事業やM&Aアドバイザリー事業は、顧客との信頼関係が重要であるが、参入障壁は比較的低く、顧客が競合他社へ乗り換える際の直接的な金銭的・時間的コストは限定的と考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービス価値を向上させるネットワーク効果は期待できない。投資先企業との関係性は重要だが、外部への直接的なネットワーク効果は生じにくい。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

情報通信業の中でも、M&Aや投資事業は、他社に比べて構造的に著しく低いコストでサービスを提供できる優位性は見られない。人件費や情報収集コストが主となる。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

M&Aアドバイザリーや投資事業において、実績やネットワークの広がりは一定の規模の経済性をもたらす可能性がある。しかし、業界全体で見ると、特定の領域に特化した大手企業との比較では、まだ規模の優位性は限定的。

  • IT・実用コンテンツの専門性
    出版事業では、最新テクノロジーを軸に、教育、ビジネス・カルチャー、パーソナルコンピューティング・デザイン、Eコマースといった需要の高い実用コンテンツに特化しています。これにより、特定の分野で質の高い情報を提供し、専門家や学習者からの信頼を得ることで、競合との差別化を図っています。
  • 多様なメディア展開力
    書籍だけでなく、電子書籍、Webメディア、セミナー、イベントなど、多様な形式でコンテンツを提供できる点が強みです。これにより、顧客のニーズや情報消費の形態の変化に柔軟に対応し、幅広い層にアプローチすることが可能です。特にオンライン媒体での強みは、デジタル化が進む現代において競争優位性をもたらします。
  • グループシナジーと多角化
    純粋持株会社体制のもと、出版、コーポレートサービス、ソフトウェア・ネットワーク、教育・人材、投資運用と多岐にわたる事業を展開しています。これにより、各事業会社が専門性を高めつつ、グループ全体で相互に連携し、リスクを分散しながら新たなビジネスチャンスを創出できる体制が構築されています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 情報産業への貢献と成長
    当社グループは、情報産業市場、特にIT市場の成長に積極的に貢献することで、社会に貢献しつつ自らも成長していくことを基本方針としています。デジタルトランスフォーメーションの加速を背景に、この市場は今後もプラス成長を続けると認識しており、その中でグループの価値を高めることを目指しています。
  • 新規事業展開とM&A活用
    中長期的な経営戦略として、既存事業の成長に加え、新規事業を積極的に展開し、収益機会を拡大する方針です。また、企業への戦略的投資や育成、M&A(企業の合併・買収)も積極的に活用することで、グループ全体の価値向上を図ります。これにより、市場全体をターゲットに、既存の概念にとらわれずに収益チャンスを捉えることを目指します。
  • 事業構造の最適化と人材育成
    グループ全体の成長のため、各事業会社が常に事業構造の最適化を図るよう促し、機動的な組織再編も視野に入れています。また、事業会社の収益拡大に繋がるマネジメント人材の拡充と育成を重要課題と位置づけ、継続的に取り組む方針です。これにより、グループ全体の持続的な成長基盤を強化します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社グループは、情報産業をはじめとする市場の成長に積極的に寄与することで、社会に貢献しながら自らも成長していくことを目標とする企業集団であります。また、対象市場を活性化し、新しいプレーヤーの参加を喚起するため、事業者のインキュベーションを積極的に行います。対象市場全体にわたって事業基盤を構築することで、個別事業のリスクを減少しつつ全体の成長効率を向上するという経営方針のもと、常に最適な事業会社群の構成を目指してグループ形成に取り組みます。 (2)中長期的な会社の経営戦略市場全体をターゲットとする当社グループでは、既存の概念にとらわれず広い視点で収益チャンスを捉え、既存事業の成長に加え、新規事業を積極的に展開していくと共に、必要に応じて企業への戦略的投資や育成、M&Aに関しても積極的に活用し、事業を拡大していくことにより、グループの全体価値の向上を図ります。 (3)経営環境及び課題と対応当社グループがこれまで重点的に取り組んでまいりました情報産業市場(IT市場)は、社会における中長期的なデジタルトランスフォーメーションの動きを背景に成長を続け、新型コロナウイルス感染症蔓延によりその動きが一気に加速されることになりました。足許の経営環境につきましては、ウクライナ情勢長期化・中東情勢緊迫化などを遠因としたインフレ傾向に伴うコストの増加、及びコロナ特需の終息などにより、業績面に一定程度のマイナス影響を受けておりますが、人口減少傾向下の日本社会におけるデジタルトランスフォーメーションは今後も継続・加速し、情報産業市場(IT市場)は全体としてプラス成長を続けていくものと認識しております。セグメント別の経営環境に対する認識と対応は、以下のとおりです。① 出版事業2025年の出版市場(紙+電子出版の合計。推定販売金額)の規模は1兆5,462億円、前年比1.6%減と4年連続のマイナス成長となりました。内訳は、紙の出版が同4.1%減、電子出版が同2.7%増。紙の出版は、書籍がわずかに前年を上回り健闘、雑誌は1割減と対照的な結果となりました。電子出版は引き続き伸長しましたが、これまで市場を牽引してきた電子コミックの伸び率鈍化が鮮明になっています(公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所2026年1月公表)。一方、当社グループでは、最新のテクノロジーを中軸に、エデュケーション、ビジネス・カルチャー、パーソナルコンピューティング・デザイン、Eコマースという4つのテーマのもとで、将来にわたって需要が予想される質の高い実用コンテンツの制作、提供に特化しており、また、媒体も電子書籍やWebメディア、イベントなどのオンライン媒体において強いコンピタンスを有しております。上記のような厳しい経営環境ではありますが、今後共、デジタルトランスフォーメーションの潮流と親和性のある上記コンテンツ提供の継続や、コロナ禍で社会インフラとして定着した業務のオンライン化の加速などによって、当社グループの競争力維持・向上が可能であると考えております。② コーポレートサービス事業2025年の日本の総広告費は、通年で8兆623億円(前年比105.1%)となり、4年連続で過去最高を更新しました。日本の広告市場は、企業の好業績によるデジタル投資の加速や、大型イベントの開催などが成長を後押しして、動画やSNS広告が伸長し、「インターネット広告費」が総広告費に占める構成比は50.2%となり、初めて過半数に達しました。「マスコミ四媒体広告費」は、2兆2,980億円(前年比98.4%)とほぼ横ばいとなりました(㈱電通2026年3月公表)。このような背景から、当社グループとしては、進展する社会のデジタル化を背景に業種にこだわらず今後共広く活用の進むオンライン広告やWebマーケティングなど多様なデジタルマーケティングのサポートを内外のクライアントに幅広く提供することにより業容拡大の機会があると考えております。 ③ ソフトウェア・ネットワーク事業2024年の国内のモバイルコンテンツ市場は3兆2,458億円(対前年比111%)とゲーム・ソーシャルゲーム等市場(オンラインゲーム、SNS等での課金コンテンツ)中心に前年比拡大しました(一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム2025年7月公表)。当社グループとしては、このような事業環境の中、デジタルコンテンツ、インターネットサービス及びITソリューションの企画・開発・運用・提供など多層多岐にわたる事業展開により、競争の厳しいソフトウェア市場において安定した成長を目指しています。また、2028年には860億円規模(恋活マッチングサービスを含む。2023年比9%増。㈱タップル2023年6月公表)と予測されているオンライン婚活サービス市場にも事業を展開するなど、社会ニーズにマッチした事業取組みによる成長機会の拡大にも取り組んでおります。今後共、社会のデジタル化進展を背景に、社会ニーズや個人の嗜好にマッチしたデジタルコンテンツなどの提供により、ビジネスチャンスの拡大の可能性が引き続きあると考えております。④ 教育・人材事業当社グループが手掛けるIT人材向け研修を含む企業向け研修サービス市場は、人的資本経営に取り組む企業増加とリンクする形でプラス成長が継続し、2025年度(2026年3月期)では、前年度比4.6%増の6,130億円に拡大すると予測されております(㈱矢野経済研究所2025年8月公表)。また、当社グループが手掛ける医療関連人材紹介を含む業種・職種別人材ビジネス市場規模(5市場計)は、2025年度(2026年3月期)では、5市場いずれも拡大する見込みで、前年度比3.7%増の4兆5,124億円と予測されております(㈱矢野経済研究所2025年11月公表)。このような市場環境を背景に、当社グループは、引き続き、研修コンテンツの拡充や定額サービスの導入、紹介サービスの質の向上・拡充や他社との差別化、コロナ禍で定着したオンラインサービス提供などの対応によりコンピタンスを向上し、事業の成長に努めてまいります。⑤ 投資運用事業当連結会計年度における世界の株式市場は、時価総額が大きい欧米市場においてはインフレ鎮静化などを背景に総じて堅調な値動きで推移いたしましたが、期末近くになって中東情勢の緊迫化に伴う原油高やインフレの長期化懸念が重荷となり、不安定な動きに転じました。当社グループでは、従来より分散投資及び長期投資を行っており、運用量・株式配当収入の増加やマーケット状況を勘案した一部保有株式の売却益計上を主因に、収益確保が実現出来たものと考えております。 (4)グループとして対処すべき課題と対応上記(3)記載のセグメントごとの経営環境に対する認識と対応に加え、当社グループは中長期にわたる今後の一層の成長のため、以下の4点を重点課題として取組んでまいります。①事業会社各社の再建当社グループは持株会社構造をとっており、上記のとおり各セグメントごとに事業会社が機動的に課題への対応を行うことができる体制を整備しています。全体の成長のため、事業会社ごとに常に成長に向けて事業構造の最適化を図るよう促しておりますが、現状は事業会社ごとに再建への取組内容に大きな差が見られ、その成果は近い将来において示現する見込みであると認識しております。② 新規収益基盤の創出当社グループ内の保有事業の陳腐化のリスクに対応するため、当社グループでは常に新規収益基盤の創出に邁進しております。現状、創出レベルは不十分であり、今後、中長期的視点での創出の成果が必要と認識しております。③ 事業会社経営人材の拡充と育成当社グループでは事業会社収益の拡大がグループの成長に繋がるため、事業会社のマネジメント人材の拡充と育成が重要だと考えております。このため継続的にマネジメント人材の発掘と育成に取り組んでいきたいと考えており、現状は、拡充について未だ達成できていない一方、育成については一部実現しつつあると認識しております。④ 収益基盤の質の多様化による長期成長基盤の充実昨今の事業環境の不確実性などもふまえ、単一事業に依存するリスクを避け、事業の多様性や投資収益の拡充など多様な質の収益基盤を持つことにより、より安定的な長期成長を実現したいと考えております。足許においては投資運用収益が引き続き成長しております。⑤ 経済環境、経営環境への適応と将来への準備今後の労働供給制約下における産業構造の転換や、生成AIの進展による大幅なスキル需要の変動、ビジネスモデルや業務プロセスの変化などの新たな経済・経営環境を的確に認識し、足許では、来期以降の新たな事業展開・収益基盤構築の準備を進めることが必要と認識しております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社グループは、情報産業をはじめとする市場の成長に積極的に寄与することで、社会に貢献しながら自らも成長していくことを目標とする企業集団であります。また、対象市場を活性化し、新しいプレーヤーの参加を喚起するため、事業者のインキュベーションを積極的に行います。対象市場全体にわたって事業基盤を構築することで、個別事業のリスクを減少しつつ全体の成長効率を向上するという経営方針のもと、常に最適な事業会社群の構成を目指してグループ形成に取り組みます。 (2)中長期的な会社の経営戦略市場全体をターゲットとする当社グループでは、既存の概念にとらわれず広い視点で収益チャンスを捉え、既存事業の成長に加え、新規事業を積極的に展開していくと共に、必要に応じて企業への戦略的投資や育成、M&Aに関しても積極的に活用し、事業を拡大していくことにより、グループの全体価値の向上を図ります。 (3)経営環境及び課題と対応当社グループがこれまで重点的に取り組んでまいりました情報産業市場(IT市場)は、社会における中長期的なデジタルトランスフォーメーションの動きを背景に成長を続け、新型コロナウイルス感染症蔓延によりその動きが一気に加速されることになりました。足許の経営環境につきましては、ウクライナ情勢長期化・中東情勢緊迫化などを遠因としたインフレ傾向に伴うコストの増加、及びコロナ特需の終息などにより、業績面に一定程度のマイナス影響を受けておりますが、人口減少傾向下の日本社会におけるデジタルトランスフォーメーションは今後も継続・加速し、情報産業市場(IT市場)は全体としてプラス成長を続けていくものと認識しております。セグメント別の経営環境に対する認識と対応は、以下のとおりです。① 出版事業2025年の出版市場(紙+電子出版の合計。推定販売金額)の規模は1兆5,462億円、前年比1.6%減と4年連続のマイナス成長となりました。内訳は、紙の出版が同4.1%減、電子出版が同2.7%増。紙の出版は、書籍がわずかに前年を上回り健闘、雑誌は1割減と対照的な結果となりました。電子出版は引き続き伸長しましたが、これまで市場を牽引してきた電子コミックの伸び率鈍化が鮮明になっています(公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所2026年1月公表)。一方、当社グループでは、最新のテクノロジーを中軸に、エデュケーション、ビジネス・カルチャー、パーソナルコンピューティング・デザイン、Eコマースという4つのテーマのもとで、将来にわたって需要が予想される質の高い実用コンテンツの制作、提供に特化しており、また、媒体も電子書籍やWebメディア、イベントなどのオンライン媒体において強いコンピタンスを有しております。上記のような厳しい経営環境ではありますが、今後共、デジタルトランスフォーメーションの潮流と親和性のある上記コンテンツ提供の継続や、コロナ禍で社会インフラとして定着した業務のオンライン化の加速などによって、当社グループの競争力維持・向上が可能であると考えております。② コーポレートサービス事業2025年の日本の総広告費は、通年で8兆623億円(前年比105.1%)となり、4年連続で過去最高を更新しました。日本の広告市場は、企業の好業績によるデジタル投資の加速や、大型イベントの開催などが成長を後押しして、動画やSNS広告が伸長し、「インターネット広告費」が総広告費に占める構成比は50.2%となり、初めて過半数に達しました。「マスコミ四媒体広告費」は、2兆2,980億円(前年比98.4%)とほぼ横ばいとなりました(㈱電通2026年3月公表)。このような背景から、当社グループとしては、進展する社会のデジタル化を背景に業種にこだわらず今後共広く活用の進むオンライン広告やWebマーケティングなど多様なデジタルマーケティングのサポートを内外のクライアントに幅広く提供することにより業容拡大の機会があると考えております。 ③ ソフトウェア・ネットワーク事業2024年の国内のモバイルコンテンツ市場は3兆2,458億円(対前年比111%)とゲーム・ソーシャルゲーム等市場(オンラインゲーム、SNS等での課金コンテンツ)中心に前年比拡大しました(一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム2025年7月公表)。当社グループとしては、このような事業環境の中、デジタルコンテンツ、インターネットサービス及びITソリューションの企画・開発・運用・提供など多層多岐にわたる事業展開により、競争の厳しいソフトウェア市場において安定した成長を目指しています。また、2028年には860億円規模(恋活マッチングサービスを含む。2023年比9%増。㈱タップル2023年6月公表)と予測されているオンライン婚活サービス市場にも事業を展開するなど、社会ニーズにマッチした事業取組みによる成長機会の拡大にも取り組んでおります。今後共、社会のデジタル化進展を背景に、社会ニーズや個人の嗜好にマッチしたデジタルコンテンツなどの提供により、ビジネスチャンスの拡大の可能性が引き続きあると考えております。④ 教育・人材事業当社グループが手掛けるIT人材向け研修を含む企業向け研修サービス市場は、人的資本経営に取り組む企業増加とリンクする形でプラス成長が継続し、2025年度(2026年3月期)では、前年度比4.6%増の6,130億円に拡大すると予測されております(㈱矢野経済研究所2025年8月公表)。また、当社グループが手掛ける医療関連人材紹介を含む業種・職種別人材ビジネス市場規模(5市場計)は、2025年度(2026年3月期)では、5市場いずれも拡大する見込みで、前年度比3.7%増の4兆5,124億円と予測されております(㈱矢野経済研究所2025年11月公表)。このような市場環境を背景に、当社グループは、引き続き、研修コンテンツの拡充や定額サービスの導入、紹介サービスの質の向上・拡充や他社との差別化、コロナ禍で定着したオンラインサービス提供などの対応によりコンピタンスを向上し、事業の成長に努めてまいります。⑤ 投資運用事業当連結会計年度における世界の株式市場は、時価総額が大きい欧米市場においてはインフレ鎮静化などを背景に総じて堅調な値動きで推移いたしましたが、期末近くになって中東情勢の緊迫化に伴う原油高やインフレの長期化懸念が重荷となり、不安定な動きに転じました。当社グループでは、従来より分散投資及び長期投資を行っており、運用量・株式配当収入の増加やマーケット状況を勘案した一部保有株式の売却益計上を主因に、収益確保が実現出来たものと考えております。 (4)グループとして対処すべき課題と対応上記(3)記載のセグメントごとの経営環境に対する認識と対応に加え、当社グループは中長期にわたる今後の一層の成長のため、以下の4点を重点課題として取組んでまいります。①事業会社各社の再建当社グループは持株会社構造をとっており、上記のとおり各セグメントごとに事業会社が機動的に課題への対応を行うことができる体制を整備しています。全体の成長のため、事業会社ごとに常に成長に向けて事業構造の最適化を図るよう促しておりますが、現状は事業会社ごとに再建への取組内容に大きな差が見られ、その成果は近い将来において示現する見込みであると認識しております。② 新規収益基盤の創出当社グループ内の保有事業の陳腐化のリスクに対応するため、当社グループでは常に新規収益基盤の創出に邁進しております。現状、創出レベルは不十分であり、今後、中長期的視点での創出の成果が必要と認識しております。③ 事業会社経営人材の拡充と育成当社グループでは事業会社収益の拡大がグループの成長に繋がるため、事業会社のマネジメント人材の拡充と育成が重要だと考えております。このため継続的にマネジメント人材の発掘と育成に取り組んでいきたいと考えており、現状は、拡充について未だ達成できていない一方、育成については一部実現しつつあると認識しております。④ 収益基盤の質の多様化による長期成長基盤の充実昨今の事業環境の不確実性などもふまえ、単一事業に依存するリスクを避け、事業の多様性や投資収益の拡充など多様な質の収益基盤を持つことにより、より安定的な長期成長を実現したいと考えております。足許においては投資運用収益が引き続き成長しております。⑤ 経済環境、経営環境への適応と将来への準備今後の労働供給制約下における産業構造の転換や、生成AIの進展による大幅なスキル需要の変動、ビジネスモデルや業務プロセスの変化などの新たな経済・経営環境を的確に認識し、足許では、来期以降の新たな事業展開・収益基盤構築の準備を進めることが必要と認識しております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。(1) 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、賃上げの広がりや雇用環境の改善が個人消費を下支えした一方で、米国による関税政策や中東情勢緊迫化による原油や資源の供給懸念などにより非常に不安定な一年となり、現在も依然として先行き不透明な状況が続いております。このような環境の中、当社グループにおきましては、①事業会社各社の再建、②新規収益基盤の創出、③事業会社経営人材の拡充と育成、及び④収益基盤の質の多様性による長期成長基盤の充実、以上の4点を期初に重点課題として掲げてこれらの課題に積極的に取り組んでまいりました。このような取り組みの結果として当連結会計年度の連結業績につきましては、連結売上高7,026百万円(前期比3.0%減)、連結営業利益955百万円(前期比16.8%増)、連結経常利益803百万円(前期比0.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益633百万円(前期比19.2%増)となりました。セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。出版事業におきましては、イベント売上が堅調に推移しオンライン広告収入も回復傾向となったことと、事業再建の一環として紙書籍事業のスリム化や在庫削減などを行ったことなどにより、売上高4,026百万円(前期比8.0%減)、セグメント利益(営業利益)524百万円(前期比29.1%減)となりました。コーポレートサービス事業におきましては、事業の大幅な再構築に取り組みスリム化を図ったことやその整理コストが嵩んだことなどから、売上高670百万円(前期比20.2%減)、セグメント損失(営業損失)4百万円(前期比22百万円改善)となりました。ソフトウェア・ネットワーク事業におきましては、ソリューション事業、受託開発事業が比較的堅調に推移したことに加えコスト削減効果などにより、売上高787百万円(前期比3.4%増)、セグメント利益(営業利益)45百万円(前期はセグメント損失10百万円)と増収増益になりました。教育・人材事業におきましては、IT人材研修事業売上が比較的堅調に推移し、医療関連人材紹介事業売上も復調傾向となったものの、人材・採用コストなどの増加により、売上高912百万円(前期比0.0%増)、セグメント利益(営業利益)157百万円(前期比18.9%減)となりました。投資運用事業におきましては、安定的な投資運用量増加に伴う配当金収入増加に加え、マーケット状況を勘案して一部保有株式の売却益を計上したことから、売上高629百万円(前期比79.7%増)、セグメント利益(営業利益)522百万円(前期比107.8%増)と増収増益になりました。 生産、受注、仕入及び販売の実績は、次の通りです。a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)出版事業4,198△10.6コーポレートサービス事業662△21.4ソフトウェア・ネットワーク事業7953.3合計5,656△10.4 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 金額は、販売価格によっております。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)コーポレートサービス事業646△23.4120△16.6ソフトウェア・ネットワーク事業61324.09624.8合計1,260△6.3217△2.1 (注) 1 コーポレートサービス事業の全部及びソフトウェア開発事業の一部について受注生産を行っております。2 セグメント間取引については、相殺消去しております。 c.仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 セグメントの名称仕入高(百万円)前期比(%)出版事業5△26.2教育・人材事業930.9合計98△1.0 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 金額は仕入価格によっております。 d.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)出版事業4,026△8.0コーポレートサービス事業670△20.2ソフトウェア・ネットワーク事業7873.4教育・人材事業9120.0投資運用事業62979.7合計7,026△3.0 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)(株)トーハン77110.770810.1 (2)財政状態当連結会計年度末は、前連結会計年度末に比べて総資産が3,145百万円増加、負債が957百万円増加いたしました。純資産につきましては、その他有価証券評価差額金2,062百万円増加、利益剰余金457百万円増加、資本剰余金427百万円減少の結果、11,233百万円になりました。自己資本は11,233百万円となり、自己資本比率は60.1%と前連結会計年度末58.2%と比べて1.9%増加いたしました。主な増減は以下の通りです。 (流動資産)3,518百万円増加営業投資有価証券3,523百万円増加、現金及び預金299百万円増加、並びに受取手形、売掛金及び契約資産169百万円減少によるものです。 (固定資産)373百万円減少土地284百万円減少によるものです。 (流動負債)6百万円増加短期借入金201百万円増加、1年内償還予定の社債100百万円減少、及び買掛金56百万円減少によるものです。 (固定負債)951百万円増加繰延税金負債955百万円増加、社債70百万円増加、及び退職給付に係る負債19百万円減少によるものです。 (純資産)2,188百万円増加営業投資有価証券の含み益増加に伴うその他有価証券評価差額金2,062百万円増加、親会社株主に帰属する当期純利益計上を主因とした利益剰余金457百万円増加、自己株式の消却による資本剰余金427百万円減少によるものです。 (3)キャッシュ・フロー(単位 百万円)項 目前連結会計年度当連結会計年度営業活動によるキャッシュ・フロー△261344投資活動によるキャッシュ・フロー△16459財務活動によるキャッシュ・フロー△15△509現金及び現金同等物の増加額(△減少額)△293299現金及び現金同等物の期首残高2,9392,646現金及び現金同等物の期末残高2,6462,946 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ299百万円(11.3%)増加し、2,946百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は344百万円(前連結会計年度は使用した資金261百万円)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益927百万円であり、支出の主な内訳は、営業投資有価証券の増加額524百万円及び法人税等の支払額203百万円であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果得られた資金は459百万円(前連結会計年度は使用した資金16百万円)となりました。収入の主な内訳は、有形固定資産の売却による収入430百万円及び保険積立金の払戻による収入26百万円であり、支出の主な内訳は、預り保証金の返還による支出16百万円であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は509百万円(前連結会計年度比493百万円増)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入399百万円及び社債の発行による収入97百万円であり、支出の主な内訳は、自己株式の取得による支出469百万円、長期借入金の返済による支出395百万円、及び社債の償還による支出130百万円であります。 (資本の財源及び資金の流動性に関する情報)当社グループの運転資金及び投資資金については、まず営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を充当することを基本としておりますが、資金需要及び金利動向等の調達環境並びに既存の有利子負債の返済及び償還時期等を考慮の上、銀行等金融機関からの借入、債券や株式の発行による資本市場からの資金調達など外部資金調達を実施する場合があります。当社は、複数の内外金融機関との間で幅広く良好な関係を築くと共に、安定的な業績と良好な財務体質による信用力維持・向上に努めております。 (重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)繰延税金資産の回収可能性について後記 第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](重要な会計上の見積り)及び2[財務諸表等](1)[財務諸表][注記事項](重要な会計上の見積り)において、記載しております。

事業リスク

  • 出版事業の返品制度と市場縮小
    出版事業では、業界慣行である委託販売制度により、想定以上の返品が発生すると売上高が減少するリスクがあります。また、出版市場全体が紙媒体を中心に縮小傾向にあり、電子出版の伸びも鈍化しているため、市場環境の変化が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。返品抑制策やオンライン販売強化で対応していますが、依然として課題です。
  • 再販制度の変更と競争激化
    出版物の再販売価格維持制度(再販制度)は、独占禁止法の例外として認められていますが、弾力的運用や廃止の可能性が指摘されています。もし制度が変更されれば、出版物の価格競争が激化し、売上高の減少や利益率の低下につながる可能性があります。ネット販売や電子書籍の増加も、この制度の揺らぎを加速させています。
  • Webサービス市場の競争激化
    Webサービス事業は、新規参入が多く競争が激しい市場です。オンラインゲームやモバイルゲーム業界は成熟化が進み、ヒット作が出にくい状況で開発コストが増大しています。ユーザーニーズに対応できない場合や利用者が減少した場合、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。多角化や独創性の強化で対応を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,885 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業上のリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。①委託販売制度について当社グループにおける出版事業においては、業界の慣行に従い、取次会社及び書店に配本した出版物(書籍等)のほとんどについては、配本後、約定期間(委託期間)内に限り、返品を受け入れることを販売条件とする委託販売制度を採用しております。当社グループにおいては、返品抑制対策として、販売予測の精査による製造・出荷部数の適正化、マーケティングデータに基づいた書店への配本調整、オンライン直販・電子書籍販売など返品のない出版物流ルート経由の書籍販売強化などを行っております。会計上も、返品されると見込まれる出版物については、変動対価に関する定めに従って、販売時に収益を認識せず、当該出版物について受け取った又は受け取る対価の額で返金負債を認識しております。また、返品の際の梱包料・運送費を負担している取次会社も、物流費高騰の現況下、返品のない物流ルート拡大に動くなど業界を挙げて返品抑制に動いておりますが、想定以上の返品の増加は売上高の減少を通じて、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ②再販売価格維持制度について当社グループにおける出版事業において発行・販売する出版物については、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(以下、独占禁止法という)第24条の2の規定により、再販売価格維持制度(以下「再販制度」という)が認められる特定品目に該当適用しております。独占禁止法は、再販制度を不公正な取引方法として原則禁止しておりますが、公正取引委員会の指定する書籍・雑誌等の著作物の小売価格については、例外的に再販制度が認められております。なお、当社グループにおいては、取次会社との取引価格の決定は、定価に対する掛け率によっております。公正取引委員会が2001年3月23日に発表した「著作物再販制度の取扱いについて」によると、当面の間、再販売制度は維持・存続される見通しですが、一方で再販制度を維持しながらも、消費者利益のため現行制度の弾力的運用を業界に求めていく方針を発表しております。また、業界動向としても、ネット販売増加、電子書籍増加等で同制度は揺らぎつつある現況にあります。当社グループとしては、このような現況を踏まえ、また、多様化する顧客ニーズへ対応するため、オンライン直販・電子書籍販売等を強化しておりますが、同制度の弾力的運用又は廃止は出版競争の激化、売上高の減少などを通じ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③出版事業環境について2025年の出版市場(紙+電子出版の合計。推定販売金額)の規模は1兆5,462億円、前年比1.6%減と4年連続のマイナス成長となりました。内訳は、紙の出版が同4.1%減、電子出版が同2.7%増。紙の出版は、書籍がわずかに前年を上回り健闘、雑誌は1割減と対照的な結果となりました。電子出版は引き続き伸長しましたが、これまで市場を牽引してきた電子コミックの伸び率鈍化が鮮明になっています(公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所2026年1月公表)。一方、当社グループでは、最新のテクノロジーを中軸に、エデュケーション、ビジネス・カルチャー、パーソナルコンピューティング・デザイン、Eコマースという4つのテーマのもとで、将来にわたって需要が予想される質の高い実用コンテンツの制作、提供に特化しており、綿密な刊行計画を基に、これらのコンテンツをペーパーメディア、電子書籍及びセミナー等様々なメディアで提供しておりますが、編集者・著者の出版意図と読者ニーズの乖離や人気の高い分野での他社との競争激化、物価高に起因する消費者の書籍購買力・購買需要の減少、更なる書店の休業・廃業、及び書籍制作の原材料である用紙代や書籍の物流コストの価格高騰、読者層の生成AI(画像、文章、音声、プログラムコード、構造化データなど様々なコンテンツを生成することができる人工知能)利活用による書籍購買需要の減退等の諸要因が、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。④Webサービス事業環境について当社グループにおいては、ゲームアプリやその他のコンテンツ開発・運営、Web上のマッチングサービス提供、Webサイトの構築等、自社運営又は顧客からの業務受託の形で様々なWebサービス事業を展開しております。従来中核事業であったオンラインゲーム・モバイルゲーム業界は、ヒットタイトルが年々出現しにくくなる中で開発期間の長期化に伴うコスト増大といった課題もあり、有力なコンテンツを有するゲームメーカーの市場寡占化、成熟化が進んでおります。当社グループにおいては、このような背景の基に、提供するWebサービスの多角化・独創性の促進・強化に努めておりますが、Webサービス分野は、今後も多くの新規事業者参入が予想され、厳しい競争におかれるものと思われます。これら競合他社との競合において、サービス内容がユーザーニーズに対応できず、利用者増加が見込めない場合、又は利用者が減少した場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑤法的規制等について出版事業における「再販制度」以外の当社グループの事業を推進するうえで影響のある法律として、「不当景品類及び不当表示防止法」、「個人情報の保護に関する法律」、「資金決済に関する法律」、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」、「職業安定法」、「特定商取引に関する法律」、「消費税法」、「電子帳簿保存法」、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」等様々な法律・条例等があり、当社グループにおいてはコンプライアンス経営の確立に努め、契約書のリーガルチェック、全社員向け研修等を通じて法的規制を遵守する体制を強化しております。今後において、当社グループの事業を規制する法令等の制定・改定があった場合は、当該規制対応のため、サービス内容変更、契約書内容見直し又は設備投資等に伴うコスト増加等を通じて、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑥組織再編等について当社グループは、当社を純粋持株会社とする分社経営体制を採用しております。今後共、機動的な組織再編、M&Aの活用等により企業グループ総体の価値向上に努めていく方針ですが、組織再編等の進捗状況によっては追加コストが発生し当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦投融資に係るリスクについて当社グループは、連結子会社への投融資の他、日本国内外のスタートアップ企業・大手金融機関・大手一般事業法人等に対して投資を実施しております。これらの投資に際しては、投資先のリスク要因、経営計画及び市場動向等を慎重に検討した上で実施しておりますが、諸要因により必ずしも投資先が当初期待した通りの業績をあげることは保証されておりません。その場合、投資先の評価の見直しによる損失や投資回収遅延、又は、急激な市場動向の変動等により、貸倒引当金の計上や減損処理等を通じて当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑧個人情報管理について当社グループは、各種事業展開及び顧客サービス提供のため、多くの個人情報をお預かりしています。そのため当社グループ各社は、個人情報漏洩防止のための社員教育や内部監査の徹底、関連規程の整備等により個人情報管理体制を一層強化しておりますが、万が一個人情報が流出し損害賠償責任を問われた場合や再発防止策実施のために多額のコストが発生した場合等においては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑨市場環境の変化や他社との競争について当社グループが運営する事業においては、ユーザーの志向の変化、インフレ進行や物価・人件費高騰などマクロ経済情勢の変化、技術の進歩や革新による新たな競争相手の出現又は同業他社との価格競争等により、利益を確保し難い状況になる可能性があります。特に生成AIの浸透が当社グループコンテンツ・事業に与える影響は今後大きくなることが予想されます。一方、こうした革新的技術がコンテンツ制作コストを下げる効果も期待されることから、その動向に注意を払い、事業に有効活用するとともに、その負の影響を回避・抑制等すべき場合に備えて、事業内容や業務の見直しを常におこなっていく体制を整えていきますが、体制整備が不充分な場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑩人材確保に係るリスクについて当社グループが運営する事業においては、総じて、企画力、編集力、マネジメント能力、営業力及びプログラミング技術力等の高い専門性及び経験が要求されることから、事業の成長にはそのような要求水準に合う優秀な人材の確保が不可欠であり、当社グループでは継続的に人材育成と確保に注力しておりますが、労働供給制約と労働市場での需給のミスマッチが発生する中で必要な人材確保ができない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑪情報セキュリティについて当社グループが運営する事業においては、情報システムが極めて重要な役割をもっております。当社グループでは、情報システムの安定稼動を業務運営上の重要課題と認識してセキュリティ対策等必要な対策を講じておりますが、当社グループ本社・事業所・書籍倉庫が集中している首都圏を震源とする地震等の大規模広域災害、火災等の地域災害、コンピュータウイルス、サイバー攻撃、電力供給の停止、人的ミス、及び通信事業者に起因するサービスの中断・停止等により、情報システムが機能しなくなったり機密情報が漏洩する可能性が皆無ではなく、その場合には当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑫資金調達について当社グループは、銀行借入や資本市場からの資金調達をおこなっておりますが、資金需給、金利動向等金融市場環境の影響を受けるため、これらの環境の変化が、当社グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。⑬知的財産権について当社グループでは、自らの知的財産権を確保し、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めておりますが、万が一、当社グループが知的財産権に関し第三者から訴訟を提起され、又は自らの知的財産権を保全するために訴訟を提起せざるを得なくなった場合には、時間・費用等多額の経営資源が費やされたり、訴訟結果によっては、多額の損害賠償責任を負ったりする可能性があり、その場合には当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。⑭コロナ禍収束の影響について当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大・蔓延に対応して、対面サービスからオンラインサービスへの切り替え等、顧客へのオンラインサービス提供等を積極的に進めてまいりましたが、コロナ禍収束に伴って当社グループが提供するオンラインサービス等と顧客ニーズにミスマッチが生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。⑮特定取引先への依存度について当社グループは、大手取次等の取引先4社によって連結売上高の28%が占められております。当社グループにおきましては、出版物流ルートの多様化、事業ポートフォリオの多角化など多面的な事業展開を図ることで、当該リスクへの対応を図っております。しかしながら、当該取引先の経営方針に大きな変更などがあった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

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