9503

関西電力(9503)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気・ガス業 電気・ガス

事業の概要

  • エネルギー供給とソリューション:関西電力グループは、電気やガス、ユーティリティサービスといった多様なエネルギーソリューションを提供し、顧客のニーズに応じた新たな価値を創出しています。これは、家庭から産業まで幅広い顧客層に対し、安定したエネルギー供給と付加価値の高いサービスを提供することで収益を上げるビジネスモデルです。
  • 送配電インフラ運営:電気の安全かつ安定した供給を支える送配電事業は、中立・公平な立場で電力網を管理・運用しています。この事業は、社会インフラとしての役割を担い、電力の安定供給を確保することで、社会全体の活動を支える基盤となっています。
  • 多角的な事業展開:エネルギー事業を核としつつ、情報通信事業や生活・ビジネスソリューション事業(2026年4月からは不動産事業に名称変更)など、多角的な事業を展開しています。これにより、収益源の多様化を図り、特定の事業に依存しない安定した経営基盤を構築しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • エネルギー事業:電力・ガス供給やユーティリティサービスなど、関西電力グループの中核をなす事業です。売上高は3兆5407.79億円と最も大きく、グループ全体の収益を牽引する稼ぎ頭であり、家庭から産業まで幅広い顧客にエネルギーソリューションを提供しています。
  • 送配電事業:電気の安全安定供給を担う社会インフラ事業で、売上高は3891.2億円です。中立・公平な立場で電力ネットワークを運営し、社会の基盤を支える重要な役割を担っており、安定的な収益を確保しています。
  • 情報通信事業:総合的な情報通信サービスを提供し、売上高は2235.84億円です。2026年4月からはハイパースケールデータセンター事業もこのセグメントに区分変更され、デジタル化の進展に対応した新たな成長分野として期待されています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
EnergyReportableSegment 事業 35,408 − −
TransmissionAndDistributionReportableSegment 事業 3,891 − −
ITCommunicationsReportableSegment 事業 2,236 − −
LifeBusinessSolutionsReportableSegment 地域 1,836 − −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|595 文字
3 【事業の内容】(1) 当社および当社の関係会社の主な事業の内容、当該事業における当社および当社の関係会社の位置付け[2026年3月31日現在の関係会社数:216社(うち連結子会社109社、非連結子会社9社、関連会社98社)]当社および当社の関係会社は、電気やガス、ユーティリティサービスなどの多様なソリューションを通じて新たな価値を提供する「エネルギー事業」、中立・公平な立場で電気の安全安定供給を行う「送配電事業」、総合的な情報通信サービスを提供する「情報通信事業」および不動産関連サービスや生活・ビジネス関連サービスの提供を行う「生活・ビジネスソリューション事業」において事業展開している。 (2) 当社および当社の関係会社の事業系統図(注)当社は、2026年4月に「関西電力グループ 経営計画2026」を策定し、「エネルギー事業」に区分していた ハイパースケールデータセンターに関する事業について、「情報通信事業」に区分を変更している。 また、「生活・ビジネスソリューション事業」を「不動産事業」に名称変更し、「生活・ビジネスソリュ ーション事業」に区分していたビジネスソリューション事業について「エネルギー事業」に区分を変更 している。これに伴い、次連結会計年度より、報告セグメントを「エネルギー事業」、「送配電事業」、 「情報通信事業」、「不動産事業」の4区分に変更している。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
法規制・規制政策変更や競争環境の急激な変化に影響を受けるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
電気事業は国のエネルギー政策や原子力発電に関する新規制基準等、法規制に強く影響される。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:気候変動(移行リスク・物理リスク) / 原子力関連リスク(事故、停止長期化、バックエンドコスト) / 法規制・規制政策変更
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 14 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

関西電力は、長年にわたり培ってきた電力供給インフラの運営・保守に関する高度な技術力とノウハウ、そして地域社会からの信頼という無形資産を持つ。特に、原子力発電所の安全な運転・管理能力は、参入障壁の高い領域であり、規制当局からの許認可も不可欠である。

スイッチングコスト★★★★☆
根拠:強い乗り換えの手間・コスト

電力自由化が進む中でも、既存の電力インフラ(送配電網)へのアクセスは、新規参入事業者にとって大きなハードルとなる。また、家庭や企業は、長年の取引実績や料金プラン、信頼性から、既存の大手電力会社からの乗り換えに消極的な傾向がある。特に大規模な産業用顧客にとっては、安定供給の重要性からスイッチングコストは高い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

電力供給事業は、基本的に一対多の供給モデルであり、ユーザーが増えることでサービスの価値が直接的に向上するネットワーク効果は限定的である。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

大規模な発電設備や送配電網の維持管理には巨額の固定費がかかる。燃料調達コストの変動リスクも大きい。効率化努力は行われているものの、構造的なコスト優位性を確立しているとは言い難い。再生可能エネルギー導入によるコスト増も課題。

規模の経済★★★★★
根拠:強い規模が参入障壁になる

関西電力は、近畿圏という広範な地域をカバーする巨大な電力インフラを保有・運営しており、その規模は圧倒的である。この規模により、発電、送電、配電、販売といった一連のプロセスにおいて効率性が発揮され、新規参入が困難な寡占市場を形成している。

  • 強固な事業基盤と多角化:関西電力は、電気やガスといった基幹エネルギー供給を核に、情報通信や不動産など多角的な事業を展開しています。これにより、特定の事業環境変化に左右されにくい強固な収益基盤を構築し、安定した経営を可能にしています。
  • ゼロカーボンへの挑戦:「ゼロカーボンビジョン2050」を掲げ、再生可能エネルギーの最大導入、原子力発電の活用、水素社会の実現に向けた取り組みを推進しています。これは、環境規制強化や社会の脱炭素化ニーズに対応し、将来的な競争優位性を確立するための重要な戦略です。
  • リスク管理体制の強化:組織横断的なリスク管理体制を構築し、情報セキュリティ、人財基盤、市場リスク、環境、エネルギー政策など、多岐にわたるリスクを適切に評価・管理しています。これにより、事業活動に伴う潜在的なリスクを低減し、持続的な成長を支える体制を整えています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • ゼロカーボン社会の実現:2050年までに事業活動に伴うCO2排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンビジョン2050」を掲げ、再生可能エネルギーの主力電源化、原子力発電の最大限活用、水素社会への挑戦を進めています。これは、環境規制強化や社会の脱炭素化ニーズに対応し、持続可能な社会への貢献と企業価値向上を目指すものです。
  • 強靭な社会基盤の提供:「関西電力グループ 経営計画2026」では、2040年に向けて「日本のエネルギーを牽引し、強靭な社会基盤を提供する」ことを目指しています。これは、安定したエネルギー供給に加え、情報通信や不動産など多様なサービスを通じて、社会全体のレジリエンス向上に貢献する戦略です。
  • ガバナンスとコンプライアンスの徹底:過去の金品受取り問題の反省を踏まえ、「公正」「誠実」「共感」「挑戦」を価値観とする経営理念を策定し、ガバナンスとコンプライアンスを経営の最優先事項としています。これにより、企業倫理の徹底と信頼回復を図り、持続的な成長の基盤を強化しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、提出日(2026年6月24日)現在において当社グループが判断したものであり、当社グループとしてその実現を約束するものではない。 (1) 経営理念これまで、「安全最優先」と「社会的責任の全う」を経営の基軸に位置付け、「お客さまと社会のお役に立ち続ける」ことを使命とする経営理念のもと、事業活動を展開してきたが、金品受取り問題等では、「社会的責任の全う」という点について、社内外から厳しいご指摘をいただいた。これを受け、新しい関西電力グループとして創生し、持続的に成長していくための指針として、2021年3月に「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」を策定した。この経営理念は、当社グループの最上位概念として、お客さまや社会にとっての「『あたりまえ』を守り、創る」という存在意義のもと、「『公正』『誠実』『共感』『挑戦』」という価値観を大切にして事業活動を行い、持続可能な社会を実現することを掲げている。 (2) ゼロカーボンビジョン2050国における2050年カーボンニュートラル宣言など地球温暖化対策への社会的な要請が一層高まる中、さらなる地球温暖化問題への対応を自主的かつ積極的に推進していく必要があるとの考えのもと、2021年2月、当社グループは「関西電力グループ『ゼロカーボンビジョン2050』」を策定し、事業活動に伴うCO2排出を2050年までに全体としてゼロとすることを宣言した。ビジョンにおいては、ゼロカーボン実現に向けた取組みの3つの柱として、「①デマンドサイドのゼロカーボン化」、「②サプライサイドのゼロカーボン化」、「③水素社会への挑戦」を掲げている。また、2022年3月には、ビジョン実現に向けた道筋である「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」を策定し、中間地点として2030年度の目標を設定するとともに、ゼロカーボン社会の実現に向けて取り組む内容を、「お客さまや社会の皆さまとともに取り組むこと」、「関西電力グループ自ら取り組むこと」の2つの観点で整理した。これまでの取組みの進捗を踏まえ、2024年4月に「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」を改定し、新たにScope3を含む温室効果ガス(GHG)排出量目標を設定した。さらに、2026年4月公表の「関西電力グループ 経営計画2026」では、新たな取組みや、2040年度の事業活動に伴うGHG排出量の削減目標等を掲げている。今後も当社は再生可能エネルギーの主力電源化や、原子力の最大限活用、将来のゼロカーボン化を前提としたLNG火力の電源開発に取組み、排出量削減を着実に進める。また、電化や蓄電池などの多種多様なソリューションの提案により、お客さまや社会の皆さまと共に社会全体のCO2排出量を削減していく。引き続き、お客さまや事業パートナー、自治体など、あらゆるステークホルダーの皆さまと力を合わせ、様々な取組みを進めていく。 (3) 関西電力グループ 経営計画2026 事業環境の認識として、地政学リスク、インフレや金利上昇、人口減少等が同時に進行する一方、DXやAIの進展は産業構造を変え、電力需要は中長期で増加する可能性が高まっている。 こうした中、当社グループは、社会基盤を担う企業グループとして、日本の産業とともに成長し、お客さまや社会のお役に立ち続けるため、2026年4月、新たな実行計画として「関西電力グループ 経営計画2026」を策定した。(2040年の目指す姿)KX (Kanden Transformation) toward 2040日本のエネルギーを牽引し、「関西」「電力」を超えて、強靭な社会基盤を提供する。多様なステークホルダーの皆さまとともに新たな価値を創り、共感と成長を分かち合う。(向こう3年間の取組み) 2026年度からの向こう3年間は、目指す姿の実現に向けた歩みを加速する期間と位置づけている。強靭な社会基盤を提供し続けるため、将来を見据え、規律のある投資を足元から着実に進めながら、ガバナンスとコンプライアンスを大前提に、安全を最優先に、経営を深化・変革し、お客さま価値を創造していく。 財務目標(注1、2)(2026年4月公表)項目2026-2028年度平均ROIC(注3)3.3%以上ROE(注4)8.0%以上 Net Debt/EBITDA(注5)5倍程度自己資本比率30%台半ばEBITDA(注6)8,000億円以上純利益(注7)2,700億円以上 (注)1 各年度ともに原子力利用率:70%程度、全日本原油CIF価格:70$/b程度、為替レート(インターバン ク):155円程度を前提に算定。 なお、これらの水準は2026年2月以降の中東情勢の変化を反映していない。 2 期ずれ調整後 3 ROIC= 税引後事業利益 ÷ 投下資本(期首・期末平均)(投下資本は新リース会計基準適用の影 響を含まない) 4 ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本(期首・期末平均) 5 Net Debt/EBITDA=(有利子負債残高-現金及び預金)÷EBITDA(有利子負債残 高は新リース会計基準適用の影響を含まない) 6 EBITDA=経常利益+支払利息+減価償却費+核燃料減損額+のれん償却額 7 純利益は親会社株主に帰属する当期純利益
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、提出日(2026年6月24日)現在において当社グループが判断したものであり、当社グループとしてその実現を約束するものではない。 (1) 経営理念これまで、「安全最優先」と「社会的責任の全う」を経営の基軸に位置付け、「お客さまと社会のお役に立ち続ける」ことを使命とする経営理念のもと、事業活動を展開してきたが、金品受取り問題等では、「社会的責任の全う」という点について、社内外から厳しいご指摘をいただいた。これを受け、新しい関西電力グループとして創生し、持続的に成長していくための指針として、2021年3月に「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」を策定した。この経営理念は、当社グループの最上位概念として、お客さまや社会にとっての「『あたりまえ』を守り、創る」という存在意義のもと、「『公正』『誠実』『共感』『挑戦』」という価値観を大切にして事業活動を行い、持続可能な社会を実現することを掲げている。 (2) ゼロカーボンビジョン2050国における2050年カーボンニュートラル宣言など地球温暖化対策への社会的な要請が一層高まる中、さらなる地球温暖化問題への対応を自主的かつ積極的に推進していく必要があるとの考えのもと、2021年2月、当社グループは「関西電力グループ『ゼロカーボンビジョン2050』」を策定し、事業活動に伴うCO2排出を2050年までに全体としてゼロとすることを宣言した。ビジョンにおいては、ゼロカーボン実現に向けた取組みの3つの柱として、「①デマンドサイドのゼロカーボン化」、「②サプライサイドのゼロカーボン化」、「③水素社会への挑戦」を掲げている。また、2022年3月には、ビジョン実現に向けた道筋である「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」を策定し、中間地点として2030年度の目標を設定するとともに、ゼロカーボン社会の実現に向けて取り組む内容を、「お客さまや社会の皆さまとともに取り組むこと」、「関西電力グループ自ら取り組むこと」の2つの観点で整理した。これまでの取組みの進捗を踏まえ、2024年4月に「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」を改定し、新たにScope3を含む温室効果ガス(GHG)排出量目標を設定した。さらに、2026年4月公表の「関西電力グループ 経営計画2026」では、新たな取組みや、2040年度の事業活動に伴うGHG排出量の削減目標等を掲げている。今後も当社は再生可能エネルギーの主力電源化や、原子力の最大限活用、将来のゼロカーボン化を前提としたLNG火力の電源開発に取組み、排出量削減を着実に進める。また、電化や蓄電池などの多種多様なソリューションの提案により、お客さまや社会の皆さまと共に社会全体のCO2排出量を削減していく。引き続き、お客さまや事業パートナー、自治体など、あらゆるステークホルダーの皆さまと力を合わせ、様々な取組みを進めていく。 (3) 関西電力グループ 経営計画2026 事業環境の認識として、地政学リスク、インフレや金利上昇、人口減少等が同時に進行する一方、DXやAIの進展は産業構造を変え、電力需要は中長期で増加する可能性が高まっている。 こうした中、当社グループは、社会基盤を担う企業グループとして、日本の産業とともに成長し、お客さまや社会のお役に立ち続けるため、2026年4月、新たな実行計画として「関西電力グループ 経営計画2026」を策定した。(2040年の目指す姿)KX (Kanden Transformation) toward 2040日本のエネルギーを牽引し、「関西」「電力」を超えて、強靭な社会基盤を提供する。多様なステークホルダーの皆さまとともに新たな価値を創り、共感と成長を分かち合う。(向こう3年間の取組み) 2026年度からの向こう3年間は、目指す姿の実現に向けた歩みを加速する期間と位置づけている。強靭な社会基盤を提供し続けるため、将来を見据え、規律のある投資を足元から着実に進めながら、ガバナンスとコンプライアンスを大前提に、安全を最優先に、経営を深化・変革し、お客さま価値を創造していく。 財務目標(注1、2)(2026年4月公表)項目2026-2028年度平均ROIC(注3)3.3%以上ROE(注4)8.0%以上 Net Debt/EBITDA(注5)5倍程度自己資本比率30%台半ばEBITDA(注6)8,000億円以上純利益(注7)2,700億円以上 (注)1 各年度ともに原子力利用率:70%程度、全日本原油CIF価格:70$/b程度、為替レート(インターバン ク):155円程度を前提に算定。 なお、これらの水準は2026年2月以降の中東情勢の変化を反映していない。 2 期ずれ調整後 3 ROIC= 税引後事業利益 ÷ 投下資本(期首・期末平均)(投下資本は新リース会計基準適用の影 響を含まない) 4 ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本(期首・期末平均) 5 Net Debt/EBITDA=(有利子負債残高-現金及び預金)÷EBITDA(有利子負債残 高は新リース会計基準適用の影響を含まない) 6 EBITDA=経常利益+支払利息+減価償却費+核燃料減損額+のれん償却額 7 純利益は親会社株主に帰属する当期純利益
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。 <経営成績等の状況の概要>(1) 経営成績当社グループは、中期経営計画の総仕上げの年として、グループの総力を挙げて「KX(Kanden Transformation)」に着実に取り組み、計画に掲げた財務目標についても概ね達成することができた。 総販売電力量は1,523億kWhと、前連結会計年度に比べて2.4%減少した。 収入面では、販売電力料収入が減少したことなどから、売上高は4,056,638百万円と、前連結会計年度に比べて280,473百万円の減収(△6.5%)となった。 支出面では、他社購入電力料や火力燃料費が減少したことなどから、営業費用は3,619,081百万円と、前連結会計年度に比べて249,152百万円の減少(△6.4%)となった。 この結果、当連結会計年度の営業利益は437,556百万円と、前連結会計年度に比べて31,320百万円の減益(△6.7%)、経常利益は518,530百万円と、前連結会計年度に比べて13,155百万円の減益(△2.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は380,051百万円と、前連結会計年度に比べて40,312百万円の減益(△9.6%)となった。 セグメントの経営成績(相殺消去前)は、次のとおりである。セグメント前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)比較増減金額(百万円)金額(百万円)増減金額(百万円)増減率(%)エネルギー事業売上高3,774,1423,466,805△307,336△8.1経常費用3,490,7453,251,676△239,069△6.8セグメント損益411,321377,368△33,952△8.3送配電事業売上高1,097,5511,057,746△39,805△3.6経常費用1,052,6841,007,091△45,593△4.3セグメント損益55,79463,0737,27813.0情報通信事業売上高312,631318,7236,0911.9経常費用266,631272,6616,0302.3セグメント損益46,94547,0941490.3生活・ビジネスソリューション事業売上高221,408223,2841,8750.8経常費用200,454195,832△4,622△2.3セグメント損益26,20839,03912,83149.0 (注) 各セグメント損益には、連結子会社および持分法適用会社からの受取配当金を含まない。 (2) キャッシュ・フロー当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要は、次のとおりである。科目前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)比較増減金額(百万円)金額(百万円)増減金額(百万円)増減率(%)営業活動によるキャッシュ・フロー575,299652,38177,08113.4投資活動によるキャッシュ・フロー△342,353△571,921△229,56767.1(フリー・キャッシュ・フロー)(232,946)(80,459)(△152,486)(△65.5)財務活動によるキャッシュ・フロー137,673△290,219△427,893-現金及び現金同等物の期末残高941,432741,286△200,146△21.3 <生産、受注及び販売の状況>当社および連結子会社における生産、受注及び販売の実績については、その大半を占めるエネルギー事業のうち当社の数値を記載している。 (1) 発受電実績種別2024年度(2024年4月~2025年3月)(百万kWh)2025年度(2025年4月~2026年3月)(百万kWh)前年度比(%)発受電電力量自社水力発電電力量13,65512,87194.3火力発電電力量39,93235,30588.4原子力発電電力量48,63446,00994.6新エネルギー発電電力量121087.4他社受電電力量62,74167,017106.8揚水発電所の揚水用電力量△3,128△2,77888.8合計161,847158,43397.9総販売電力量156,044152,25297.6出水率(%)98.295.1 (注) 1 火力発電電力量は、汽力発電電力量と内燃力発電電力量の合計である。 2 新エネルギー発電電力量は、汽力発電設備におけるバイオマスと新エネルギー等発電等設備における太陽光による発電電力量である。 3 発受電電力量と総販売電力量は、提出日(2026年6月24日)現在において把握している電力量を記載している。 4 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。 5 2024年度出水率は、1993年度から2022年度までの30カ年平均に対する比である。2025年度出水率は、1994年度から2023年度までの30カ年平均に対する比である。 6 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。 7 発受電電力量の合計と総販売電力量の差は損失電力量等である。 (2) 販売実績① 総販売電力量 2024年度(2024年4月~2025年3月)(百万kWh)2025年度(2025年4月~2026年3月)(百万kWh)前年度比(%)総 販 売 電 力 量 (小売、他社 計)156,044152,25297.6 小 売 販 売 電 力 量115,521116,273100.7 電 灯32,90232,40198.5 電 力82,61983,872101.5他 社 販 売 電 力 量40,52335,97988.8 (注) 1 総販売電力量は、提出日(2026年6月24日)現在において把握している電力量を記載している。2 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。 ② 料金収入 2024年度(2024年4月~2025年3月)(百万円)2025年度(2025年4月~2026年3月)(百万円)前年度比(%)販 売 電 力 料 収 入 (小売、他社 計)3,062,5532,843,56092.8 電 灯 料 ・ 電 力 料2,289,4492,249,76498.3 電 灯751,932736,93898.0 電 力1,537,5161,512,82698.4他 社 販 売 電 力 料773,104593,79576.8 (3) 生産能力自社発電認可最大出力区分水力(kW)火力(kW)原子力(kW)新エネルギー(kW)合計(kW)2025年3月31日現在8,259,21511,201,0006,578,00011,00026,049,2152026年3月31日現在8,268,3159,361,0006,578,00011,00024,218,315 (4) 資材の状況主要燃料の受払状況区分重油(kl)原油(kl)LNG(t)石炭(t)2024年3月末在庫量134,50560,331213,536293,4532024年度受入量76,0358,0075,408,6933,255,269払出量136,68511,3465,287,1003,240,1772025年3月末在庫量73,85556,993335,130308,5462025年度受入量81,90332,0724,572,4043,358,041払出量104,86653,8414,595,2353,096,0122026年3月末在庫量50,89235,224312,299570,575 (注) 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。 <財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析>(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。重要な会計方針については、「第5 経理の状況」に記載している。連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の計上額に影響を与える見積りを行う必要がある。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、特に重要なものについては、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載している。 (2) 経営成績① 経常損益(セグメントの経営成績)[エネルギー事業]第7次エネルギー基本計画やGX2040ビジョンで掲げられたエネルギー安定供給と脱炭素の両立を推進し、時代にあわせてS+3Eを高い次元で達成することで、日本の成長を支えていく。需要増加と脱炭素化ニーズに応える電源基盤の確立に向け、安全確保を大前提とした原子力の最大限活用および後継機設置に向けた調査・技術開発を進めるとともに、全国適地での再生可能エネルギーの積極的な開発や将来的なゼロカーボン化を前提にしたLNG火力の開発およびリプレースを進めていく。また、関西エリアのみならず、全国・海外のお客さまから長期的に選ばれるサービスプロバイダーを目指し、エネルギー(電気・ガス)とソリューションの一体提供と新たな事業領域への挑戦を相互に連携させ、最適な形でお届けする「エネルギー3.0」を強力に推進していく。(業績)収入面では、販売電力料収入が減少したことなどから、外部顧客への売上高は3,261,386百万円と、前連結会計年度に比べて279,392百万円の減収(△7.9%)となり、内部売上高を含めた売上高は3,466,805百万円と、前連結会計年度に比べて307,336百万円の減収(△8.1%)となった。支出面では、他社購入電力料や火力燃料費が減少したことなどから、経常費用は減少した。この結果、セグメント利益は377,368百万円と、前連結会計年度に比べて33,952百万円の減益(△8.3%)となった。(当連結会計年度の取組み)<原子力>原子力プラントについては、7基全てが運転を継続しており、高経年化対策についても、国の認可を受けた長期施設管理計画に基づき、安全性を確保しつつ適切に対応している。また、「ゼロカーボンビジョン2050」において掲げている新増設・リプレースの実現を推進していくため、美浜発電所後継機について、事業成立性検討の一環として、昨年11月に自主的な現地調査を開始した。今後とも、原子力プラントの安全・安定運転および安全性・信頼性のより一層の向上に取り組んでいく。<再生可能エネルギー>水力発電事業については、設備更新によって最大出力を増加させた笠置発電所3号機が運転を開始し、また、奥多々良木発電所3、4号機に加えて奥吉野発電所1、2号機でも長期脱炭素電源オークションを活用した設備更新を進めてきた。洋上風力発電事業については、山形県遊佐町沖において現地での各種調査等を進めているほか、本年1月に長崎県五島市沖の五島洋上ウィンドファームが運転を開始するなど着実に開発を推進している。また、さらなる再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、昨年12月に栃木県佐野市におけるバイオマス発電事業へ参画し、東京地下鉄株式会社とコーポレートPPA(電力購入契約)を締結するなどお客さまニーズを踏まえた取組みを進めているほか、昨年5月の大阪府泉南郡岬町における蓄電所事業への参画をはじめとした複数の蓄電所事業への参画に加え、蓄電所向けのワンストップソリューションサービス(カン-denchi)の提供開始やO&M事業における新会社(株式会社K2-BatOM)の設立等に取り組んでいる。加えて、系統用蓄電池をはじめとした分散型リソースの運用については、E-Flow合同会社がAIを活用したシステムを通じ、卸電力取引市場、需給調整市場および容量市場において最適な市場取引を行っている。海外においては、ポートフォリオの適切な管理を通じて安定的に収益を確保しつつ、ドイツにおけるヴィンダンカー洋上風力発電事業等の推進に加えて、欧州を中心に複数の洋上風力開発プロジェクトを推進するアイルランドのシンプリー・ブルー・エナジー社に対して昨年10月に出資参画するなど、グローバルな事業拡大を着実に進めている。<火力・水素>火力発電事業については、最新の高効率コンバインドサイクル機への設備更新に向けた取組みとして、南港発電所において設備更新計画を進めるとともに、姫路第一発電所において事業性評価を行っている。また、火力発電のゼロカーボン化に向けて、CCSやゼロカーボン燃料の導入に向けた検討に取り組んでいる。なお、赤穂発電所、御坊発電所2号機および関西国際空港エネルギーセンターは、設備高経年化に加え、事業環境変化を総合的に勘案し廃止した。水素の利活用については、姫路第二発電所において水素混焼発電実証を実施し、昨年6月には事業用大型ガスタービンとして国内初となる混焼率30%(体積比)を達成した。本実証で発電した電気の一部を大阪・関西万博へ供給し、次世代エネルギーの可能性を広く社会発信してきた。 <ソリューションサービスの提供>ご家庭のお客さまへのサービスについては、従来のオール電化住宅向け等のメニューに加え、省エネ給湯機エコキュート、太陽光発電設備および蓄電池設備それぞれについて、リース料金と一定量までの電気料金がセットになった「はぴeセット」等の各種メニューの提供を推進した。また、当社の電気とガスをセットにした提案活動を推進し、年度末時点での関電ガスの契約件数は約163万件となった。法人のお客さまへのサービスについては、脱炭素の計画策定から具体策の実行までをトータルサポートする「ゼロカーボンパッケージ」において、より一層サービス内容の充実を図っている。具体的には、分散型エネルギーリソースの最適制御等を行うエネルギーマネジメントシステム「SenaSon」や省エネ支援を行う「エネルーク」等のサービスをはじめ、太陽光発電・蓄電池オンサイトサービス、コーポレートPPAおよびFIP転提案等にも取り組んでいる。また、これらのサービスと電力販売の一体的な提供を推進し、お客さまのエネルギー利用の高度化・最適化を通じた生産性向上に貢献している。加えて、海外においても東南アジアを中心に、最適なエネルギーシステムの構築・運用に関するソリューション提案を推進している。中核会社の株式会社関電エネルギーソリューションにおいては、お客さまの設備状況に応じた魅力あるメニューの開発により、全国でユーティリティサービスを採用いただいている。首都圏向け活動体制の強化等の事業拡大に努めており、お客さまの空調設備を自動で最適制御する「おまかSave-Air」が省エネ大賞を受賞するなど、エネルギーマネジメント技術が高く評価されている。 [送配電事業]電力系統の運用や送電、変電、配電設備の計画・工事などを行い、中立・公平な立場で安全に安定した電気をお客さまにお届けしている。脱炭素化やレジリエンス強化をはじめ、エネルギーに関する社会ニーズが多様化する中、それを支える基盤である送配電事業の重要性はこれまで以上に高まっていると認識しており、電力ネットワークの次世代化を進めるとともに、分散型電源などの多様な系統利用者のニーズに応じた系統利用サービスを提供し続け、地域社会の発展に貢献していく。(業績)収入面では、需給調整取引に伴う地帯間・他社販売電力料が減少したことなどから、外部顧客への売上高は386,221百万円と、前連結会計年度に比べて2,899百万円の減収(△0.7%)となり、内部売上高を含めた売上高は1,057,746百万円と、前連結会計年度に比べて39,805百万円の減収(△3.6%)となった。支出面では、需給調整取引に伴う費用が減少したことなどから、経常費用は減少した。この結果、セグメント利益は63,073百万円と、前連結会計年度に比べて7,278百万円の増益(+13.0%)となった。(当連結会計年度の取組み)<送配電>関西電力送配電株式会社において、託送料金制度のもと策定した5箇年(2023~2027年度)の事業計画に基づき、高経年化設備の更新や、脱炭素化・レジリエンス強化に資する電力ネットワークの次世代化、サービスレベルの向上などを進めることで、電気の安全・安定供給に取り組んだ。また、トヨタ生産方式(カイゼン)やDXを通じて生産性向上と効率化を推進した。 [情報通信事業]FTTHを利用した光インターネット、光電話、光テレビの3つのサービスをeo光ブランドで関西一円に展開しているほか、全国をターゲットにモバイル事業「mineo(マイネオ)」および法人ソリューション事業などを展開している。(業績)収入面では、株式会社オプテージにおける法人サービス等の増加による増収があったものの、連結子会社を連結範囲から除外したことなどから、外部顧客への売上高は222,196百万円と、前連結会計年度に比べて1,388百万円の減収(△0.6%)となった。一方で、株式会社関電システムズにおいて、当社グループ向けのシステム開発案件が増加したことなどから、内部売上高を含めた売上高は318,723百万円と、前連結会計年度に比べて6,091百万円の増収(+1.9%)となった。支出面では、株式会社オプテージにおいて、人件費、販売手数料等の販売管理費が増加したことや、株式会社関電システムズのシステム開発案件に係る費用が増加したことなどから、経常費用は増加した。この結果、セグメント利益は47,094百万円と、前連結会計年度に比べて149百万円の増益(+0.3%)となった。(当連結会計年度の取組み)<情報通信>中核会社の株式会社オプテージにおいて、個人向け事業について、FTTHサービス「eo光」が近畿圏の顧客満足度調査で19年連続第1位を受賞するなど高い評価をいただき、約170万件のお客さまに選ばれている。MVNO事業については、「mineo」のサービス強化を進め、約141万件のお客さまに選ばれている。今後、音声フルMVNO事業へ参入し、かけ放題等のサービスの柔軟な設計、海外ローミング等の付加価値提供により、競争力の強化を目指していく。また、法人向け事業については、本年1月に都市型データセンター「曽根崎データセンター」を開設したほか、首都圏や海外も含めたデータセンター間を相互接続するサービスの提供開始等、データセンターやインフラ整備等の成長分野での取組みを進めている。<ハイパースケールデータセンター(HSDC)>米国CyrusOne社と当社で設立した関西電力サイラスワン株式会社においては、HSDC事業の第1号案件について、2027年度中の営業開始を目指し、昨年8月に京都府精華町で建設工事を開始した。 [生活・ビジネスソリューション事業]不動産賃貸・分譲・管理、レジャーなどの総合不動産事業に加え、コールセンター運営、メディカル・ヘルスケアなど、お客さまの安心・快適・便利な生活やビジネスを実現するサービスを展開している。(業績)収入面では、関電不動産開発株式会社の賃貸事業において、住宅やビルの賃貸収入が増加したことなどから、外部顧客への売上高は186,833百万円と、前連結会計年度に比べて3,206百万円の増収(+1.7%)となり、内部売上高を含めた売上高は223,284百万円と、前連結会計年度に比べて1,875百万円の増収(+0.8%)となった。支出面では、関電不動産開発株式会社の住宅分譲事業において、商品原価等の売上原価が減少したことなどから、経常費用は減少した。この結果、セグメント利益は39,039百万円と、前連結会計年度に比べて12,831百万円の増益(+49.0%)となった。(当連結会計年度の取組み)<不動産>中核会社の関電不動産開発株式会社においては、住宅分譲事業で、関西圏や首都圏を中心にマンション販売が好調に推移するとともに、本年2月にはオール電化に加えてCO2フリー電気を高圧一括受電方式で供給することで「マンション全体におけるCO2排出量の実質ゼロ」を実現した「シエリアタワー中之島」が竣工した。賃貸事業では、「多様なつながりでチームビルディングを後押しするオフィス」をコンセプトに、初のコンパクトオフィス「関電不動産茅場町ビル」が昨年10月に竣工した。また、堂島浜や難波等の関西圏での再開発プロジェクトの推進や首都圏での複合施設の再開発に取り組んでいる。海外事業についても、日系企業の幹事会社として参画する米国カリフォルニア州におけるプロジェクトにおいて、学生向け賃貸住宅の新築工事に着工するなど、米国や豪州等で様々な住宅開発や賃貸事業に参画している。 ② 親会社株主に帰属する当期純利益当期経常利益を518,530百万円計上したことなどから、税金等調整前当期純利益は520,354百万円となった。ここから法人税等合計と非支配株主に帰属する当期純利益を差し引きした親会社株主に帰属する当期純利益は380,051百万円となり、前連結会計年度に比べて40,312百万円の減益(△9.6%)となった。 (3) 財政状態① 資産・負債の状況資産は、設備投資額が減価償却費を上回ったことなどから、前連結会計年度末に比べて201,991百万円増加(+2.1%)し、9,854,646百万円となった。負債は、有利子負債が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べて193,300百万円減少(△3.0%)し、6,351,902百万円となった。 ② 純資産の状況純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益(380,051百万円)を計上したことなどから、前連結会計年度末に比べて395,291百万円増加(+12.7%)し、3,502,744百万円となった。これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて3.3%上昇し、35.1%となった。また、1株当たり純資産は、前連結会計年度末に比べて349.42円増加し、3,101.43円となった。 (4) 資本の財源及び資金の流動性① 資金調達当社グループは、エネルギー事業等を行うための設備投資や債務償還などに必要な資金を可能な限り自己資金にて賄い、不足する資金については主に社債や借入金によって資金調達を行い、コマーシャル・ペーパー等により短期的な運転資金を調達することにより、流動性を確保している。 ② キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローについては、売上債権が減少したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が77,081百万円増加(+13.4%)し、652,381百万円の収入となった。投資活動によるキャッシュ・フローについては、投融資の回収収入が減少したことや、固定資産の取得による支出が増加したことなどから、前連結会計年度に比べて支出が229,567百万円増加(+67.1%)し、571,921百万円の支出となった。財務活動によるキャッシュ・フローについては、株式の発行および自己株式の売却による収入が減少したことなどから、前連結会計年度に比べて支出が427,893百万円増加し、290,219百万円の支出となった。以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて200,146百万円減少(△21.3%)し、741,286百万円となった。 (5)中期経営計画の財務目標および進捗状況 下記のとおりである。なお、当社は2026年4月に「関西電力グループ 経営計画2026」を策定し、2026年度以降の 新たな財務目標を公表している。詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)関西電力グループ 経営計画2026」に記載している。 連結財務目標および進捗状況 実績財務目標 (2024年4月アップデート) 2021年度2022年度2023年度2024年度2025年度2025年度経常損益1,359億円△66億円7,659億円5,316億円5,185億円3,600億円 以上FCF△1,223億円△2,898億円7,269億円2,329億円804億円1,000億円 以上自己資本比率19.2%20.4%25.2%31.8%35.1%28% 以上ROA 1.9%0.2%8.9%6.1%5.8%4.4% 以上ROIC1.8%0.3%8.8%6.0%5.7%4.3% 以上 (注) 1 ROA〔総資産事業利益率〕=事業利益〔経常損益+支払利息〕÷総資産〔期首・期末平均〕2 ROIC〔投下資本利益率〕=税引後事業利益÷投下資本〔期首・期末平均〕 セグメント別財務目標および進捗状況 実績財務目標(2024年4月アップデート)2021年度2022年度2023年度2024年度2025年度2025年度エネルギー事業セグメント損益706億円△274億円5,838億円4,113億円3,773億円2,750億円 以上ROA 1.2%△0.0%7.7%5.3%4.8%3.7% 以上送配電事業セグメント損益60億円△451億円1,240億円557億円630億円100億円 以上ROA0.6%△1.4%5.1%2.5%2.9%0.9% 以上情報通信事業セグメント損益400億円430億円474億円469億円470億円450億円 以上ROA12.1%13.2%14.4%14.3%13.8%11.5% 以上生活・ビジネスソリューション事業セグメント損益196億円209億円223億円262億円390億円300億円 以上ROA2.6%2.8%3.0%3.3%4.4%3.0% 以上 (注) 1 各セグメント損益には、連結子会社および持分法適用会社からの受取配当金を含まない。2 ROA〔総資産事業利益率〕=事業利益〔セグメント損益+支払利息〕÷セグメント資産〔期首・期末平均〕

事業リスク

  • 気候変動による影響:気候変動は、CO2排出規制強化による発電コスト上昇や、異常気象による設備被害、水力発電量の減少など、多岐にわたるリスクをもたらします。これにより、収益性の悪化や事業継続への支障が生じる可能性があり、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
  • 原子力関連リスク:原子力発電は、国のエネルギー政策に大きく左右され、稼働抑制や規制強化のリスクを抱えています。また、事故発生時の賠償責任や風評被害、廃炉費用など、多額の費用負担が発生する可能性があり、経営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
  • 競争環境と法規制の変化:電力・ガス市場の自由化や新たな環境規制の導入、技術革新の進展は、競争の激化や事業モデルの変革を迫ります。これに対応が遅れると、顧客離れや収益性の低下を招き、市場での競争力を失うリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|19,577 文字
3 【事業等のリスク】(1) 当社グループのリスク管理体制当社グループ(当社および連結子会社)は、「関西電力グループ リスク管理規程」に則り、組織目標の達成に影響を与える可能性のある事象をリスクとして認識、評価したうえで、必要な対策を実施するとともに、対策後にその評価を行い、改善していく一連のプロセスにより、当社グループへの影響を適切なレベルに管理している。当社グループの事業活動に伴うリスクについては、各業務執行部門が自律的に管理することを基本とし、組織横断的かつ重要なリスク(情報セキュリティ、子会社の経営管理、人財基盤、市場リスク、財務報告の信頼性、環境、エネルギー政策、災害、コンプライアンス(競争環境における法令含む)、調達の適正性)については、必要に応じてリスクの分野ごとに専門性を備えたリスク管理箇所を定め、業務執行部門に対して、助言・指導を行うことで、リスク管理の強化を図っている。さらに、リスクを統括的に管理する内部統制部会を設置し、CCOを「リスク管理統括責任者」とする体制のもと、当社グループの事業活動に伴うリスクを適切なレベルに管理するよう努めている。内部統制部会は、リスク評価結果等を定期的に組織風土改革会議および取締役会へ報告し、必要に応じてリスク管理の仕組み、体制の改善を行っている。さらに、リスク管理体制の整備と運用に関して、経営監査室による内部監査を受け、監査結果を基に改善を図っている。 リスク管理体制 (2026年6月24日時点) (2) 当社グループのリスク管理状況2025年度中に内部統制部会を7回開催し、当社グループの事業活動に大きく影響を与える重要リスク項目を抽出し、その管理状況を全社的視点から把握・評価している。重要リスク項目は、リスク対策を実効的かつ適切に行っていく観点から、経営層で議論を重ね、収支に影響を与える各構成要素に着目して抽出し、事業別(事業ウェイトの大きい電気事業特有と全事業共通)と要因別(戦略、オペレーション、ハザード、財務・金融)の観点で、体系立てて整理するとともに、システム不具合等、近時のリスク事象への対応を踏まえた項目としている。電気事業特有のリスクは、《1》気候変動、《2》原子力関連リスク、《3》広域停電等、《4》競争環境の急激な変化への対応遅れ、全事業共通のリスクは、《5》法規制・規制政策変更、《6》イノベーションの停滞、《7》資産価値毀損、《8》人財基盤の揺らぎ、《9》サプライチェーンの不安定化・断絶、《10》ITガバナンス・情報セキュリティリスク、《11》ガバナンス・コンプライアンスリスク、《12》環境問題(環境法令違反等)、《13》自然災害・国際情勢の変化等、《14》市場・市況変動リスクである。(分類、重要リスク項目、具体的なリスクの内容は、下表のとおり) 重要リスク項目に関連するリスクについては、事業毎の実態・特性を見極めつつ、発生可能性や影響度などの観点から重要度を評価した上で、対策の検討を行い、期中のリスク対策結果を踏まえ、改めて期末に重要度評価を実施することで、リスク管理のPDCAを回している。 (3) 事業等のリスク当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性のある「重要リスク項目」の具体的な内容は、以下に記載のとおりである。なお、本記載内容は、提出日(2026年6月24日)現在において当社グループが判断したものであり、今後、経済状況や原子力発電を含むエネルギー政策、ならびに環境政策の変化等の影響を受ける可能性がある。なお、影響額については、一定の前提に基づき算定した理論値であり、前提諸元が急激かつ大幅に変動する場合等には、影響額により算出される変動影響が実際の費用変動と乖離する場合がある。 《1》気候変動 当社グループは、TCFD提言を踏まえて気候変動が当社グループに与える影響を評価し、分析結果については、当社グループ戦略へ適切に反映している。気候変動に関するリスクとして、下記の移行リスクと物理リスクを認識しており、これらのリスクによって、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。<移行リスク>政策:・CO2排出に対する新たな環境規制の導入・強化による発電コストの上昇 ・国のエネルギー政策が転換され、原子力発電の稼動が抑制 等技術:・分散型電源の導入が技術革新によって加速し、自家消費が拡大することで販売電力量が減少 ・変動性再エネ導入拡大に伴う、電力需給の不安定化 等市場:・脱炭素社会への対応遅れにより、お客さまニーズに応えられず、競争力が低下 ・競合他社の価格競争力に追随できず、再エネ開発が減速 等評判:・脱炭素社会への対応遅れにより、当社評価が低下し、資金調達コストが増加 等<移行リスク>に対応し、持続可能な社会を実現するため、「ゼロカーボンエネルギーのリーディングカンパニー」として、事業活動に伴うCO2排出を2050年までに全体としてゼロとすることを「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」において宣言している。今後、デマンドサイドの役割が拡大していく中で、ゼロカーボンソリューションプロバイダーとして、全ての部門(家庭・業務、産業、運輸)において、お客さまのゼロカーボン化を実現する最適なソリューションを提案・提供していく。また、分散型エネルギーリソースの活用やレジリエンスの強化等、多様化する社会ニーズも踏まえて再エネを最大限導入・主力電源化し、それを可能にする送配電系統の高度化、出力安定性に優れエネルギー密度が高い原子力エネルギーの安全最優先を前提とした最大限活用、再エネ大量導入に必要な調整力等に優れた火力のゼロカーボン化に取り組む。加えて、水素社会の実現に向けて、非化石エネルギーを活用したゼロカーボン水素の製造・輸送・供給・発電用燃料としての使用に挑戦していく。「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」の実現に向けて、2030年度を中間地点と位置づけ、当社グループの取組みの道筋を目標とともに「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」で取りまとめており、これまでの取組みの進捗等を踏まえ、2024年4月にロードマップを改定しScope3を含むGHG排出量目標を新たに設定した。さらに、2026年4月公表の経営計画では、ゼロカーボン社会実現に向けた新たな取組みや、2040年度の事業活動に伴うGHG排出量の削減目標等を掲げるなど、着実に取組みを進めている。国際的には、米国の気候変動対策に係る政策変更や中東情勢の緊迫化等により、今後、世界の温暖化対策への取組みやスピードに影響を及ぼす可能性はあるものの、国内では、2025年2月に第7次エネルギー基本計画等が策定され、エネルギーの安定供給確保とGXの同時実現に向けた明確な方向性が示された。当社は従来から脱炭素化の観点のみならず、責任あるエネルギー事業者として安定供給とゼロカーボン化を両立するという方針であり、カーボンニュートラルの達成に向けて、目指すべき方向性は変わらないと考えている。<物理リスク> 急性:異常気象激甚化等 慢性:降水量の変化による水力発電の稼動率の低下 急性リスクについては、台風・豪雨等(気候変動に起因する異常気象等)により、当社グループ設備への被害・損害、操業への支障や他社からの電気・資機材の調達等への支障が生じ、当社グループサービスの提供が困難になることで、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。 急性リスクに対応するため、自然災害に対する迅速復旧に向けた防災訓練の実施、自治体・高速道路会社等との協定締結や、災害時の被害最小化に向けて、送配電系統等設備のレジリエンス強化等、必要な対応を実施していく。 慢性リスクについては、降水量の減少により水力の発電量が減少することで、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。 慢性リスクに対応するため、水力発電所の運転実績に応じた最適な運用方法への見直しや効率的・安定的な設備運用等、必要な対応を実施していく。 《2》原子力関連リスク 第7次エネルギー基本計画において、原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用することが必要不可欠であり、既設炉の最大限活用とともに、次世代革新炉の開発・設置に取り組むという方針が示されている。一方で、原子力発電は、大量の放射性物質を取扱い、運転停止後も長期間にわたり崩壊熱を除去し続ける必要があるなどの固有の特性を有する。このため、原子力施設の建設・運転・廃止措置、使用済燃料や放射性廃棄物の輸送・貯蔵・処理・処分等の全ての局面において、自然現象、設備故障、人的過誤、破壊・テロ活動、核燃料物質の転用・拡散等により、放射線被ばくや環境汚染を引き起こすリスクがある。原子力発電において、適切な管理を怠って重大な事故を起こせば、長期にわたる環境汚染を生じさせ、立地地域をはじめ社会のみなさまに甚大な被害を及ぼすだけでなく、我が国のみならず世界に対し経済・社会の両面で影響を与えうるなど、社会的信用の低下が生じる事象等が発生し、当社グループの存続可能性に疑義が生じる重大な影響を与える可能性がある。 原子力発電の安全性を向上させるため、全ての役員および原子力発電に携わる従業員が、「ここまでやれば安全である」と過信せず、原子力発電の特性とリスクを十分認識し、絶えずリスクを抽出および評価して、それを除去ないし低減する取組みを継続する。こうした取組みを深層防護の各層において実施することにより、事故の発生防止対策を徹底し、そのうえで万一、事故が拡大し、炉心損傷に至った場合の対応措置も充実させる。また、「原子力安全推進委員会」において、美浜発電所3号機事故を踏まえた再発防止策の推進や安全文化の醸成、福島第一原子力発電所事故を踏まえた自主的・継続的な取組みに関して、広い視野から確認、議論を行い、全社一丸となり、取組みを推進している。さらに、社外の有識者を主体とする「原子力安全検証委員会」において、独立的な立場から助言等を得て、安全性向上の取組みに反映している。 当社グループとしては、安全確保を大前提として、原子力発電を将来にわたって一定規模確保し、有効に活用していきたいと考えている。そのためには、安全性の確認された40年超プラントを含めた既設発電所の安全・安定運転の継続、技術・人財基盤の維持・充実、さらには新増設・リプレースが必要になると考えている。2025年11月には、美浜発電所後継機の事業成立性検討の一環として自主的な現地調査に着手したところである。 当社グループは他の電力会社と比較して原子力発電の比率が高く、新規制基準等への適合性の確保、各種基準・法令等の変更への対応や原子力差止め訴訟等の結果により、発電所の停止が長期化した場合には、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある(2025年度実績ベースでは、原子力利用率が1%悪化する場合の費用増加影響は46億円程度)。これらのリスクに対応するため、新規制基準等への適合性を確保し、各種基準・法令等の変更に適切に対応していくとともに、訴訟等においても各原子力発電所の安全性に関する主張・立証を適切に行っていく。なお、2023年5月に原子炉等規制法が改正(2025年6月施行)され、高経年化した発電用原子炉の安全規制が見直された。当社グループにおいては、見直し後の安全規制に基づき7基全ての長期施設管理計画について認可を得ており、今後も運転経験や最新知見を踏まえ、劣化評価の見直しの検討を行い、必要に応じて長期施設管理計画の変更を行うこととしている。 当社グループの原子力発電所は7基全てが福井県に集中して立地しているため、局所的な災害により複数の発電所が同時に停止した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。当社は、火力や再生可能エネルギーなどの自社電源および他社電源の柔軟・有効活用なども含め、電源の多様性を確保している。 原子力発電の燃料となるウランは、政情の安定した国々に埋蔵されていることから安定確保が可能である。また、少しの燃料で長期間発電に使うことが可能なうえ、使い終わった燃料は再処理することで再び燃料として使用できることなどから、準国産のエネルギー資源になる。原子力発電所で使用した燃料中のプルトニウム等を燃料として再利用する「原子燃料サイクル」を進めることは、資源に乏しい我が国にとって、エネルギー資源の有効活用およびエネルギーを安定的に確保していくために効果的であるといえる。 使用済燃料は、発電所内の使用済燃料プールで一定期間貯蔵したあと、再処理工場へ搬出する。万が一、プールが満杯になれば発電所を運転できなくなるため、計画的に搬出する必要があることから、当社は、2025年2月に見直した「使用済燃料対策ロードマップ」に基づき、取組みを進めている。2026年2月時点において、日本原燃六ヶ所再処理工場については、2026年度中の竣工目標に向け、設工認審査が進められており、当社としても日本原燃と緊密に連携しながら、引き続き必要となる支援を講じていく。また、使用済MOX燃料再処理実証研究については、仏国への使用済燃料輸送に向け、輸送容器の設計について国土交通省の承認を受けた後、容器承認申請を行い、製作を進めている。さらに、中間貯蔵施設については、2030年頃の操業開始に向け、引き続き最大限取り組んでいく。このロードマップに従って取り組むことで、使用済燃料貯蔵量はプールが満杯にならず推移し、将来的には使用済燃料貯蔵量が減少する見通しであり、引き続き使用済燃料対策に全力で取り組んでいく。 原子力施設の廃止措置や使用済燃料の再処理・処分などの原子力バックエンド事業では、国による制度措置等により事業者のリスクが軽減されている。一方で、原子力バックエンド事業は、超長期の不確実性を伴う事業であり、今後の制度の見直し、将来費用の見積額の変動、六ヶ所再処理施設の稼働状況等による費用負担額の増加や制度外の費用発生の可能性がある。これらの事由が生じた場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。また、原子力損害賠償・廃炉等支援機構一般負担金については、今後の負担総額や負担金率の変動等により、当社グループの負担額が増加した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。 廃止措置は長期の事業であり不確実性を伴うため、当社グループの廃止措置は大きく4段階に分け、約30年かけて実施することとしている。廃止措置の実施にあたっては、必要な対策等を講じ、安全の確保を最優先に着実に行っている。現在、美浜発電所1、2号機は、第2段階の「原子炉周辺設備解体撤去期間」であり、管理区域内での解体を実施している。解体により発生する廃棄物については、放射能レベル区分に応じて処理する計画であり、これを確実に実現すべく準備を進めている。一方、大飯発電所1、2号機は、第1段階の「解体準備期間」であり、タービン建屋内機器等解体工事等の作業を計画どおり進めるとともに、第2段階への移行に向けて、2026年4月20日に原子力規制委員会に対して廃止措置計画変更認可申請を行っている。 《3》広域停電等 当社グループは、エネルギー事業と送配電事業等を通じて、お客さまへの電気の安定供給を担っている。当該各事業における設備・運用の不備等により、当社グループ起因による停電を招く恐れがあり、エリアの大部分への広域停電となれば、お客さまの社会・経済活動に多大な影響を及ぼし、当社グループの事業運営に大きく影響する可能性がある。 このため、当社グループでは、設備の適切な運用や巡視に努めていることに加えて、事故の再発防止を徹底している。今後進展していく設備の高経年化を見据え、必要な施工力を確保するとともに効率的・効果的な設備改修を進めている。また、調達面では非常用安全在庫の備蓄や安定調達、調達リスクを考慮したサプライヤー選定等を行い、リスク低減を図っている。さらに、発電事業においては、「需給ひっ迫を予防するための発電用燃料に係るガイドライン」に基づく必要な燃料在庫の確保により、リスク低減を図っている。 加えて、万が一、需給ひっ迫が発生した場合には、国や電力広域的運営推進機関および他の一般送配電事業者と連携し、緊急時の供給力確保対策を取ることとしている。 《4》競争環境の急激な変化への対応遅れ 昨今の世界的な脱炭素化の潮流の高まりを踏まえ、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギー由来の電力供給や蓄電池等を活用したエネルギーの効率的な利用に関する顧客のニーズが高まっている。 このような顧客のニーズ変化を受け、従来の大規模発電所だけではなく、地元やエネルギー使用地点に近い場所に分散設置された太陽光発電や風力発電等の発電設備から電力を供給する分散型エネルギーシステムへの移行も進みつつある。こうした動きに対し、当社の取組みが他事業者に劣後する場合、顧客や販売電力量の減少といった影響を受ける可能性がある。 こうしたリスクに対応するため、当社のサービスや電力供給において、太陽光発電や風力発電等の分散型エネルギーの活用を提案している。さらに、発電量、電気使用量を精緻に予測し、空調、蓄電池、EV等の各設備をAIで最適制御するエネルギーマネジメントシステムを開発、提案するなど、顧客に対する最適なエネルギーサービスを提供している。 電力システム改革の検証や各種制度の見直しの結果、各種市場からの収支変動等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。 次に、小売販売電力量が、冷暖房需要の主たる変動要因である気象(特に気温)や景気の動向、省エネルギーの進展、技術革新による電気の利用形態の変化および他事業者との競争状況等により変動する場合がある。また、販売価格が、他事業者との競争状況等により変動する場合もある。その結果、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。ガス販売量および販売価格についても、上記に準じ変動する場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。さらに、燃料価格や外国為替相場等の動向によって火力燃料費・購入電力料が変動した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。燃料価格や外国為替相場の変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」によって一定の調整が図られるものの、燃料価格の高騰が継続する場合、燃料費調整制度において平均燃料価格が上限を超えることにより、燃料価格の上昇を一部料金反映できない可能性がある。 これらのリスクに対応するため、競合他社との差別化につながる最適なエネルギーサービスを開発・提供していくことで、顧客の維持・拡大に取り組んでいく。また、政策動向のリスクに対しては、国の電力システムにかかる政策や規制動向について情報収集するとともに、審議会等の場を通じて当社グループの考え方を主張するなど、適宜対応していく。さらに、電力調達においても、多様な調達先の確保をはじめ、長期・短期契約の組み合わせなど、燃料・電力等の市況変動に影響されにくい調達ポートフォリオの構築や、法人分野の料金における市場価格の変動に対応した料金メニューの設定等により価格変動に伴う収支影響の緩和を図るなど、リスクの抑制に取り組んでいる。 《5》法規制・規制政策変更 小売全面自由化を踏まえた内外無差別な卸販売等の競争政策、容量市場、長期脱炭素電源オークション、非化石価値取引市場、ベースロード市場や需給調整市場といった電力市場等、電力システムに関する制度の見直し、その他政策動向等により、他事業者との競争のさらなる拡大や各種市場からの収支変動等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。 これらのリスク対応について、2026年度は、電力システム改革の検証結果を踏まえた制度設計の具体化に関する議論が引き続き国の審議会で行われるため、国の電力システムにかかる政策や規制動向について必要な情報収集を実施するとともに、審議会等の場を通じて当社グループの考え方を主張するなど必要な対応を実施していく。 また、現行の第7次エネルギー基本計画においては、DXやGXの進展による電力需要増加が見込まれる中で、再生可能エネルギー、原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用する方向性が明記され、再エネ導入や原子力事業環境整備の進展が期待されるものの、これらの政策が大幅に転換された場合には当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。 次に、成長志向型カーボンプライシング構想として、CO2排出に対して、化石燃料賦課金導入、企業間の排出量取引制度(GX-ETS)稼働、発電事業者を対象にした有償オークションの導入といった方向性が示されている。GHG多排出事業にあたる発電事業に対しては、過度な排出規制の導入により、火力発電所の稼働率低下や追加的な費用負担といった影響が生じる可能性がある。 これらのリスク対応について、2026年度は、排出量取引制度が本格稼働するとともに、排出枠取引市場の設計等について引き続き議論される見通しであり、国のエネルギー・環境政策や規制動向について、必要な情報収集を実施するとともに、審議会等の場を通じて当社グループの考え方を主張するなど必要な対応を実施していく。 エネルギー事業においては、将来的に電力需要の増加が見込まれる中で脱炭素化に向けて適切に対応していく必要があるが、事業期間中の市場環境の変化等に伴って収入・費用が変動することによって、電源への投資が適切に回収できず、収支が悪化するリスクがある。 こうした状況下で投資判断を行うために、国の電力システムにかかる政策や規制動向について必要な情報収集を実施するとともに、審議会等の場を通じて当社グループの考え方を主張するなど必要な対応を実施し投資回収の予見性を高めていく。 送配電事業においては、必要な投資の確保とコスト効率化を両立させ、高経年化する送配電設備の確実な増強と更新や再生可能エネルギー主力電源化等を見据えたレジリエンス強化を進めていく必要があるが、これらが実現できない場合、収支悪化リスクおよび安定供給に支障をきたすリスクがある。 2023年度より、新たな託送料金制度が導入され、本制度下において、第1規制期間(2023-2027年度)に達成すべき目標を明確にした事業計画を策定し、その実施に必要な見積費用(収入の見通し)は国から承認されている。これにより、必要な設備の維持・拡充にかかる費用は見積費用に織り込まれ、概ね確保されている状況であるが、制度運用の動向を踏まえつつ、必要に応じて規制当局への働きかけ等の対応を継続していく。 ※送配電事業は関西電力送配電㈱が担う。 情報通信分野においては、デジタルインフラの地方分散など取り巻く政策方針の変更によって競争環境や市場環境が大きく変化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。これらのリスクに対応するため、国の情報通信政策や規制動向について、必要な情報を収集し、公正な競争環境の維持・推進に向けた政策提言を継続的に行うとともに、規制環境に合わせた新サービスの開発、既存サービスの拡充、継続したコスト低減等により競争環境の変化に対応できる経営基盤の強化に取り組む。 不動産分野においては、政策金利の一層の上昇により住宅ローン金利が大幅に上昇した場合、住宅購入者の購買意欲が減退し、分譲住宅事業の業績に影響を与える可能性がある。また、都市計画や建築関連法令等の政策変更により、物件開発コストの増加や保有土地の価値毀損等の影響を受ける可能性がある。これらのリスクに対しては、情報の収集と分析により適時適切に対応していく。 《6》イノベーションの停滞 当社グループは、イノベーション推進により目指す状態を、「新事業・新サービスの創出力」と「既存事業のオペレーション変革力」を兼ね備え、これらを自律的かつ持続的に生み出す仕組みが確立されている状態と定義し、その実現に向けた体制整備および仕組みの構築を進めている。 しかしながら、政策・経済・社会・技術等の外部環境の変化に適応できない場合、業務変革や新規事業・サービス創出に向けた取組みが停滞し、事業構造の転換の遅れや収益機会の逸失、競争優位性の低下を招く可能性がある。その結果、当社グループの業績およびステークホルダーからの評価に悪影響を及ぼすおそれがある。 そのため、当社グループは、中長期的な技術・社会動向を踏まえ、「事業機会」と「脅威」を両面から把握し、先手を打った事業活動を展開するための体制・仕組みの強化を進めている。また、コーポレートベンチャーキャピタル「合同会社K4 Ventures」を通じたスタートアップ企業への投資および協業を推進するとともに、最新の技術やビジネスモデルを早期に情報収集し、さらなる新規事業・サービス創出を展開していく。 《7》資産価値毀損 主要7カ国(G7)の気候・エネルギー・環境相会合では、石炭火力については、各国のGHG排出量を実質ゼロにする目標に沿って、2030年代前半または、気温上昇を1.5度に抑えることが可能な期間内に排出削減対策が講じられていない既存の石炭火力発電をフェーズアウトする方針が示されている。 このような事業環境において、火力に対するCO2排出規制強化、法改正(新規制基準に対する追加要求事項等)や訴訟による原子力不稼動事象の顕在化等により既存電源の稼動率が低下することで資産価値が大幅に毀損するリスクがある。 これらのリスクに対応するため、国の電力システムにかかる政策や規制動向について必要な情報収集を実施するとともに、事業者にとって合理的な内容とするべく審議会等の場を通じて当社グループの考え方を主張するなど、必要な対応を実施していく。 また、送配電事業においては、高経年化設備の更新等に必要な投資を収入として確保できない場合、資産価値が毀損するリスクがある。ただし、新たな託送料金制度により、必要な費用は見積費用(収入の見通し)に概ね織り込まれていること、エリア需要の変動は翌規制期間に調整されること、また、災害復旧等にかかる制御不能な費用増は事後調整されることから、中長期的な事業運営の安定性および予見性が一定程度向上しており、資産価値毀損のリスクは低減されている。 なお、上記以外にも、情報通信事業や不動産事業において、競合他社に対する技術力の劣後、顧客志向の変化に伴うサービスの陳腐化や市場環境の変化等が発生することで、資産価値が毀損するリスクがある。ハイパースケールデータセンターは、事業展開の遅延および建設費用の高騰等により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。加えて、当社グループは、オーガニックな成長にこだわらず、M&Aも活用し、成長の加速を目指している。しかしながら、適切な対象会社や提携先を発見できる保証はなく、また、これらの調査の段階で確認または想定されなかった事象がM&Aの実行後に発生または判明する場合や、M&A実施後の事業展開が計画どおりに進まない可能性があり、その場合は当初期待した業績への寄与の効果が得られない可能性があることや、対象事業等の資産価値毀損も考えられ、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。これらのリスクに対し、新サービスの開発・既存サービスの拡充等により、競争環境の変化に対応できる経営基盤の強化に取り組んでいる。 国内再エネ事業、海外事業、グループ事業または新規事業等への投資については、市場規模や規制等の事業環境の変化や開発の遅延等により、想定していた収益性が確保できず資産価値が毀損するリスクがある。このようなリスクに対応するため、投資の妥当性の評価や投資後のモニタリングと撤退・再建策の検討・実施も含めた一連のマネジメントプロセスの構築・運用等により、投資リスクの適正な管理に努めている。 《8》人財基盤の揺らぎ 労働災害の発生等、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。 美浜発電所3号機事故をはじめとする事故や災害から得た数々の教訓から、「安全を守る。それは私の使命、我が社の使命」との社長宣言のもと、当社グループの事業活動に係わる全ての人の安全を守ることを最優先に、安全活動を続けている。この宣言に込めた思いを継承していくため、「関西電力グループ安全行動憲章」をグループワイドで共有し、「安全行動の誓い」を規範として安全行動をたゆまず実践することで、安全の実績を着実に積み重ね、ゆるぎない安全文化を構築していく。さらに、グループワイドで災害防止に向けた取組みをより一層促進するため、「安全・健康・『働き方』改革 推進部会」や「安全衛生委員会」にて安全活動の継続的な改善を行うとともに、協力会社等と“相方向”の情報共有やコミュニケーションを深めることで、「災害ゼロ」を目指している。 人口減少による労働力不足やサプライチェーンの脆弱化が同時に進行する中、多様な人財の安定的・継続的な確保が困難となるほか、従業員の意欲の低下等により、人財基盤の強化が進まず、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受け、持続的な成長が妨げられる可能性がある。 2025年度には経営戦略と連動した人財戦略のもと、人財基盤の強化に向けて経営計画の推進に必要となる人財確保として、新卒採用やキャリア採用、多様な外部人財の活用等の方策を講じるとともに、リスクを統括的に管理する内部統制部会において、業務執行部門それぞれの人財基盤にかかる課題認識やリスク管理・対策の実施状況を評価し、各業務執行部門とリスク管理箇所との間にリスク認識の齟齬がないことや、リスク認識を踏まえた人財確保等の方策が実効的に実施されていることを確認した。このように、人財確保等の方策について内部統制部会での客観的な評価を行ったうえで執行役会議へ報告するリスクマネジメントを通じ、必要に応じて組織横断的な改善を行っている。 人財基盤強化の前提として、2021年に策定した「関西電力グループ人権方針」に基づき、あらゆる事業活動において、人権を尊重する取組みを推進している。そのうえで、従来より、経営理念・経営計画の実現に向けて必要となる人財ポートフォリオを構築すべく、労働市場の変化や事業環境の変化に即した多様な採用コースを用意するとともに、経歴・性別・国籍等にとらわれることなく、多様な人財の積極的な採用を進めることで、優秀な人財の確保とダイバーシティ&インクルージョンを推進している。引き続き、多様な人財を安定的かつ機動的に確保するとともに、今後は、AI・ロボットとの協働を前提とした人財ポートフォリオの構築にも取り組んでいく。 加えて、従業員一人ひとりの個性を起点として、その強みを最大限に活かす視点での人財育成を実施している。具体的には、2018年に設立した「関西電力グループアカデミー」の中で体系化した研修や育成制度を通じて、従業員の自律的なキャリア形成を促し自発的な成長を支援するだけでなく、研修・異動・評価を連動させて運用し、個人の能力や適性に応じて公平・公正に管理職への登用等を実施することで、潜在的な能力を引き出すとともに、従業員エンゲージメントの向上を図っている。 また、「働き方」改革・健康経営の推進責任者である社長のもと、人事労務担当役員が委員長を務める「安全・健康・『働き方』改革 推進部会」での議論を通じて、より柔軟に働ける勤務制度の整備や従業員の健康増進に向けた方針・施策を策定し、労働組合・健康保険組合・医療スタッフ等と連携しながら、従業員一人ひとりが成長意欲や挑戦意欲をもち、健康で活き活きと輝き、豊かな人生を歩むことができるよう、グループ大で「働き方」改革・健康経営の取組みを推進している。 なお、国や社会の動向といった今日的な観点に加え、当社の経営状況や労働力確保等の状況も踏まえ、2025年度から定年延長を含む、新たな評価・報酬体系を導入している。社員の定年を65歳まで引き上げることで、第一線職場における要員不足に対応するだけでなく、ベテラン層から中堅、若年層への確実な技術継承を行っていくとともに、“今の挑戦”をより重視する制度へ見直し、魅力的な挑戦機会を提供する仕組みを導入することで、従業員一人ひとりが、挑戦意欲や成長意欲を持って活き活きと働くことができる環境、労働条件を整備していく。また、2026年度には、経営計画のもと、時代の変化を先取りした挑戦を力強く推し進めるため、賃金改定を実施したほか、初任給の引き上げを実施している。 《9》サプライチェーンの不安定化・断絶 取引先における人手不足や採算性悪化により取引先が事業撤退し、もしくは当社グループに対し、取引停止を申し入れることで、資機材等の安定的な調達が困難となる可能性がある。 これらのリスクに対応するため、関西電力グループ調達基本方針に基づき、取引先との対話活動を充実させ、対話活動を通して顕在化した課題に対し、迅速・適切に対応することで、既存の取引先との強固なパートナーシップを確立するとともに、新規取引先を積極的に開拓することで、複数取引先の確保を図る等、安定調達の実現に向けた取組みを進めている。 加えて、「関西電力グループ調達ガイドライン」を制定し、サプライチェーン上の様々なリスクへの対応を取引先とともに進めている。 《10》ITガバナンス・情報セキュリティリスク 当社グループは、AI等のデジタル技術活用や業務の抜本的見直しが遅延する等により、DX推進が効率的・効果的に実施されない場合、他事業者との競争に劣後し、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。また、AIの利活用における適切な統制が十分に機能せず、AIの不適切な利用や判断の誤り等により社会的信用の低下につながる事案が発生した場合にも、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。DXを推進し、既存事業の生産性向上や新たな価値創出に取組むとともに、DXの取組みを加速すべく、役員をトップとし全体戦略の検討や方向づけを行う「DX戦略委員会」、デジタル専業子会社で施策実施に必要な技術支援を行う「K4 Digital株式会社」、施策の検討や展開を行う「各部門」の三位一体でDXを推進している。また、DX戦略委員会での議論結果は、執行役会議での議論を経てDXビジョン・戦略として策定している。加えて、AIの利活用に関するポリシー・ルールを整備し、適切に管理・運用している。 情報システムの不具合や停止、法令対応漏れ等が発生し、社会的信用の低下につながる事案が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。情報システムの品質確保のため、標準のシステム開発手順を定め、第三者視点で遵守状況を確認・監査している。また、IT部門と各部門が連携し、IT投資や人的資源の確保、リスク対応の妥当性および法令・規制対応状況を確認している。さらに、重要なシステム開発プロジェクトは執行役会議に付議し、計画の妥当性を確認している。 ランサムウェアをはじめとする外部からのサイバー攻撃等により、当社グループ設備への被害や損害が生じ、電力の安全・安定供給や当社グループサービスへの支障の発生、当社グループ保有のお客さま情報、重要情報の社外流出により社会的信用の低下につながる事案が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。重要インフラ事業者である当社グループは電力の安全・安定供給を重要な責務として、関係法令・サイバーセキュリティ経営ガイドライン・社内規定等に則り必要な対応を行うとともに、「サイバーレジリエンスの強化」、「サプライチェーン・内部不正対策」等を柱とした関西電力グループセキュリティ戦略を策定し、サイバーセキュリティ対策を強化している。また、地政学リスクの高まりやサイバー攻撃の手法が複雑化・巧妙化し、日々進化していることを踏まえ、国内外のサイバー攻撃情報や最新のセキュリティ情報の収集に努め、早期対策を実施している。 当社グループが保有するお客さま情報をはじめ、業務上取扱う重要情報について、適切な取扱いがなされず社外へ流出することで、社会的信用の低下につながる事案が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。当社グループが保有する個人情報の適切な保護・利用のため、個人情報保護法やガイドライン等を遵守するとともに、プライバシー権等にも配慮した対策を実施している。また、個人情報を含む業務情報を適切に取扱うために、組織的・人的・物理的・技術的側面から情報セキュリティ対策を継続して講じている。 《11》ガバナンス・コンプライアンスリスク 当社は、会社法に基づいて、業務の適正を確保するための体制を定め、その結果を記載した事業報告に当該体制の決議内容および運用状況の概要を開示している。業務の適正を確保するための体制の有効性が確保されない場合には、ステークホルダーからの信頼を失墜し、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。 当社グループは「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」(2021年3月策定)に基づき、ステークホルダーのみなさまのご期待にお応えし続けることで、持続的な企業価値の向上と社会の持続的発展に貢献していく。その実現に向けた経営の最重要課題は、コーポレート・ガバナンスの強化であると認識し、当社のコーポレート・ガバナンスにおいては、経営の透明性・客観性を高めることを目的に、執行と監督を明確に分離した「指名委員会等設置会社」の機関設計を採用し、取締役会議長は独立社外取締役、構成委員の過半数は独立社外取締役としている。また、取締役会直下に法定外の「コンプライアンス委員会」を設置している。さらに、当社はグループ各社に対して、「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」および「関西電力グループ行動憲章」等の経営の基本的方向性や行動の規範について、浸透を図るとともに、子会社管理に係る社内規程に基づき、子会社における自律的な管理体制の整備を支援、指導することにより、企業集団の業務の適正を確保している。具体的には、各種会議体でのコミュニケーションを通じ経営状況を定期的に把握するとともに、子会社における重要な意思決定については、事前に関与している。特に、当社グループの成長の柱となる事業を担う会社については、重要な業務執行方針および計画を執行役会議で審議している。加えて、会社法をはじめとする法令等に基づく責務・役割の徹底を図るために、外部講師による集合研修を実施している。 金品受取り問題をはじめとする一連の不適切事象を踏まえ、環境変化とリスクへの確実な対応や組織風土面に問題があるとの認識のもと、内部統制の抜本的な強化と組織風土改革の取組みを両輪で推進している。当社グループの事業活動に伴うリスクを適切なレベルに管理し、当社グループの持続的な成長を実現するため、内部統制部会を設置し、内部統制システムの整備・運用状況の評価、改善に係る総合的方策の検討ならびに不備事項の改善指示および改善状況の確認・支援を行っている。また、内部統制の抜本的な強化や組織風土改革をはじめとした再発防止策を総合的に推進するため、組織風土改革会議を設置し、一連の不適切事象に係る全社的な課題の把握・分析、再発防止に向けた総合的方策の策定等を行っている。 重大なコンプライアンス違反の発生等、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。 当社はこれまでの金品受取り問題、新電力顧客情報の不適切な取扱い、独占禁止法違反といった不適切な事象の発生を受け、取締役会、監査委員会およびコンプライアンス委員会の指導のもと、それぞれ業務改善計画に基づき対応を実施してきた。事象ごとの再発防止策にとどまらず、組織風土改革や内部統制充実に向け、PDCAを回しながら新たな施策を継続的に実施しており、順次グループに取組みを展開している。 株式会社近貨や株式会社かんでんエンジニアリングなど、グループ会社で不適切事象が発生しているが、グループ全体で、ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底に取り組んでいく。 株主をはじめとしたステークホルダーのみなさまへの情報開示が不足する等、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。 情報開示の充実を図るため、コーポレートガバナンス・ガイドラインにおいて適切な情報開示と透明性の確保に関する考え方を定め、これに基づき、株主をはじめとしたステークホルダーのみなさまに向けて、有価証券報告書やコーポレート・ガバナンス報告書、統合報告書等にて会社の財政状態・経営成績等の財務情報や経営戦略・経営課題、リスクやガバナンスに係る非財務情報等について、積極的に開示を行っている。 テレビCMや新聞広告等の内容、プレス発表、ホームページ、SNS等での情報開示不足や情報の分かりにくさからくる否定的反応により、当社グループのブランドイメージが低下する可能性がある。また、原子力発電に対する社会からの受容性低下や事故や不祥事が発生した場合の対応次第で、社会的信用の低下につながり、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。そのため、広報活動を通して、ステークホルダーのみなさまに適切に情報発信を行い、当社グループ事業にご理解をいただくとともに、広聴活動においては、頂戴したご意見やご要望について、経営層や従業員と共有を図り、事業活動に反映させることで、信頼を賜ることができるよう努めている。また、このような活動を通じて、原子力 発電をはじめとする当社グループ事業への理解獲得を図るとともに、ブランドステートメント「」に込 めた想いのもと、透明性の高い開かれた事業活動を展開している。 《12》環境問題(環境法令違反等) 重大な環境コンプライアンス違反等、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。 これらのリスク対応について、当社グループは、気候変動問題への取組みをはじめ、生物多様性の向上、資源循環の推進や地域環境保全等といった事業活動に密接に関係する環境問題への対応について、中長期的にめざす方向性を「関西電力グループ環境方針」として定め、環境コンプライアンスの実践・徹底等に取り組んでいる。 具体的には、事業活動において周辺環境や人の健康に影響を及ぼすことがないよう、社内ルールの整備や実務知識付与のための専門教育等を実施し、環境コンプライアンス違反の防止を図るとともに、当社グループ内での同種事象の発生防止対策の実効性を高めるため、各現場の法令遵守に関する仕組みの整備状況に加え、運用状況の確認を進めている。 また、生物多様性への対応としては、発電所建設に当たっては環境アセスメントを実施し、動植物や生態系への影響を最小限に抑えるとともに、水源涵養林の持続的な管理や黒部ダム周辺の在来種保護など、地域の特性に応じた生物多様性の保全に取り組んでいる。 《13》自然災害・国際情勢の変化等 台風・豪雨(気候変動に起因する異常気象等)・地震・津波等の自然災害、武力攻撃、感染症により、当社グループ設備への被害・損害、操業への支障や他社からの電気・資機材の調達等への支障が生じ、当社グループサービスの提供が困難になることで、当社グループに対する社会的信用の低下等が発生することが要因となり、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。 従業員とその家族の安全を確保するとともに、電力・ガスを始めとする当社グループサービスの安定供給の責務を果たすため、「災害に強い設備づくり」や「早期復旧に向けた防災体制の確立」を基本に防災部会等を定期的に開催し、災害関連主要リスクに適切に対策を講じるなど、防災対策に取り組んでいる。 海外事業においては、紛争の状況やその影響を常にモニタリングしている。投資済み案件については現時点では大きな影響はないことを確認しており、新規投資については最新の国際情勢を踏まえ適切に判断している。 火力燃料の確保に対しては、調達地域、契約期間、契約相手先、価格指標の分散により、安定調達に資する調達ポートフォリオの構築を行うとともに、多様な取引先との継続的な情報交換ネットワークを構築し、国際情勢の変化と影響の迅速な把握に努めている。また、米・イスラエルにおけるイランへの攻撃に起因する至近の中東情勢の不安定化により燃料調達活動に影響を及ぼす可能性があり、これに対しても、多様な取引先との緊密な情報連携を通じて、供給動向や物流への影響をモニタリングし、必要に応じた代替調達の確保等、機動的な対応を行っている。 さらに、国際情勢の変化に伴う燃料価格や卸電力市場価格の変動拡大は、卸販売に係る収益性の見通しに影響を及ぼすリスクがある。これに対しては、市場動向の変化を継続的に注視し、その影響を見極めながら、必要な対応を検討していく。 水素事業においても、国際情勢の変化に伴い、サプライチェーン構築における水素調達国の政策変更・情勢不安・経済停滞により上流案件組成への影響、また燃料価格高騰により水素事業の競争力が低下し、サプライチェーン構築が困難となる可能性がある。水素キャリア※1やカラー※2、調達国の分散等、多面的に検討・参画することでリスク最小化に努めている。 ※1:気体のままでは貯蔵や長距離の輸送の効率が低い水素を、液体や水素化合物(アンモニア、メチルシクロヘ キサン等)にして効率的に貯蔵・運搬する方法。 ※2:水素は、その製造方法によって、グレー水素(CO2を排出)、ブルー水素(CO2を回収)、グリーン水素 (再エネにて製造)の大きく3種類に区別される。 サプライチェーンに対しては、平常時から、主要な生産拠点の把握、情報収集を間断なく行うとともに、新規取引先を積極的に開拓することで、複数取引先の確保を図る等、安定調達の実現に向けた取組みを進めている。 経済安全保障は、社会の重要なインフラを担う当社グループにとって重要なリスクの一つであると認識しており、経済安全保障推進法の規定内容の遵守はもちろん、経済安全保障上重要な技術や情報の流出防止等の観点でリスク対策を実施している。 《14》市場・市況変動リスク 事業活動に伴い、金利や為替の変動および各種商品の価値・価格等の変動に起因する収支変動の不確実性がある。販売方策の工夫、デリバティブ取引の活用等により、一定以上の損失の回避や収益の安定化、利益またはキャッシュ・フローの安定化を図っている。 当社グループの有利子負債残高(連結)は、2026年3月末時点で、4,266,618百万円(総資産の43.3%に相当)であり、有利子負債残高の96.4%(4,111,605百万円)は長期借入金、社債の長期資金である。長期資金の多くは固定金利であるものの、一部は変動金利での調達であるため、今後調達する長期借入金、社債等を含め、市場金利の動向は当社グループの業績に影響を与える可能性があり、引き続き、その動向を注視する。

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