9506

東北電力(9506)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気・ガス業 電気・ガス

事業の概要

  • 電力の安定供給と多角的なサービス
    東北電力グループは、火力、原子力、再生可能エネルギーといった多様な発電方法を組み合わせ、東北地方を中心に安定した電力供給を担っています。これに加え、再生可能エネルギーを活用したサービス提供や、電力小売、企業向けのソリューションサービスも展開しており、電力供給を基盤とした幅広い事業で収益を上げています。
  • 発電・販売事業
    電力の「作る」と「売る」を担う中核事業です。自社で発電した電力を家庭や企業に販売するだけでなく、再生可能エネルギーの導入支援や、省エネ提案などのソリューションサービスも提供しています。これにより、顧客の多様なニーズに応えながら収益を確保しています。
  • 送配電事業
    電力の「運ぶ」を担うインフラ事業です。発電された電力を各家庭や工場に届けるための送電線や配電網を中立・公平な立場で管理・運用しています。この事業は、社会インフラとしての重要な役割を果たすとともに、安定的な収益基盤となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 発電・販売事業
    電力の生成と供給を担う中核事業です。火力、原子力、再生可能エネルギーなど多様な方法で発電し、家庭や企業に電力を販売しています。売上高は1兆9984.91億円と、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭であり、電力の安定供給と顧客へのサービス提供を通じて収益を上げています。
  • 送配電事業
    電力ネットワークの運営と管理を担う事業です。発電された電力を需要家へ届けるための送電線や配電網を維持・管理し、中立・公平な立場で電力ネットワークサービスを提供しています。売上高は4438.34億円で、社会インフラとしての重要な役割を果たすとともに、安定した収益基盤を築いています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PowerGenerationSalesReportableSegment 事業 19,985 − −
PowerTransmissionAndDistributionReportableSegment 事業 4,438 − −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|697 文字
3 【事業の内容】当社企業グループは、当社、子会社40社及び関連会社30社の計71社(2026年3月31日現在)で構成されております。当社及び関係会社は、火力・原子力及び再生可能エネルギーによる電力の安定的な供給や、再生可能エネルギーを活用したサービスの提供、電力小売及びソリューションサービスの提供を行う「発電・販売事業」、中立・公平な電力ネットワークサービスを提供する「送配電事業」等において事業展開しております。当社及び関係会社を事業系統図に示すと、以下のとおりであります。なお、次の事業区分は、セグメント情報の区分と同一であります。また、当連結会計年度より、事業セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。 (注)1 2025年4月15日付で(同)グリーンパワー深浦及び(同)グリーンパワー住田遠野を新たに企業グループへ加えました。2 2025年4月25日付で㈱Agri-eを新たに企業グループへ加えました。3 2025年6月20日付で能代吉野石膏㈱の株式を譲渡したことから、同社を企業グループから除外しました。4 2025年9月10日付で石狩湾新港洋上風力(同)を新たに企業グループへ加えました。5 今別ウィンドファーム(同)は、2026年3月31日に解散し、現在、清算手続き中であります。6 東北電力Eライフ・パートナーズ㈱と東北電力ソーラーeチャージ㈱について、2026年4月1日付で前者を存続会社として吸収合併するとともに、商号を東北電力eソライフ㈱へ変更しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
燃料費調整制度が適用されるが、火力発電所の稼働状況や燃料価格の変動で影響を受けるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
電力の安定供給のために発電設備や流通設備、燃料の確保等が必要不可欠。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:自然災害及び設備事故の発生による影響 / 電気事業を取り巻く制度変更等による影響 / 原子力のバックエンド事業等のコストの変動による影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

東北電力は、長年にわたり地域社会に不可欠なインフラを提供してきた実績と、電力小売全面自由化後も一定の顧客基盤を維持している点で、無形資産の兆候が見られる。しかし、ブランドロイヤリティは限定的であり、特許やIPによる明確な優位性は低い。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

電力業界は自由化されたものの、既存顧客の乗り換えには手続きや情報収集の手間が伴う。特に高齢者やITリテラシーの低い層にとっては、乗り換えのハードルは依然として高く、一定のスイッチング・コストが存在する。東北電力は、この慣性購買層を一定程度維持できる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

電力供給は基本的に一対一のサービスであり、ネットワーク効果はほとんど見られない。ユーザーが増えることで電力供給の価値が向上するわけではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

東北電力は、長年の操業で培われたインフラ維持・運用ノウハウを持つ。また、大規模な発電設備や送配電網を保有しており、規模の経済によるコスト効率化の可能性はある。しかし、燃料費の変動や再生可能エネルギー導入コストなど、コスト構造の改善には課題も多い。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

東北電力は、東北地方という広範な地域における電力供給において、圧倒的なインフラ規模と供給能力を持つ。新規参入企業が同等のインフラをゼロから構築することは極めて困難であり、既存の広範な送配電網と発電設備は強力な参入障壁となっている。

  • 地域に根差した電力供給網
    東北電力は、長年にわたり東北地方の電力インフラを支えてきた実績と、広範囲にわたる送配電ネットワークを保有しています。これにより、地域住民や企業に対して安定した電力供給を可能にし、高い信頼性を築いています。
  • 多様な発電ポートフォリオ
    火力、原子力、再生可能エネルギー(水力、太陽光など)を組み合わせた多様な発電設備を持つことで、特定の燃料価格変動リスクを分散し、安定的な電力供給能力を維持しています。特に、再生可能エネルギーの活用推進は、将来的な環境規制強化への対応力となります。
  • 規制事業としての安定性
    送配電事業は、公共性の高いインフラ事業であり、国の許認可に基づいて運営されています。これにより、一定の収益が保証される側面があり、事業基盤の安定性に寄与しています。また、地域独占的な性質も競争優位性の一つです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】以下に記載の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。 <東北電力グループ中長期ビジョンにおける今後の経営展開「よりそうnext+PLUS」>当社企業グループは、「よりそうnext+PLUS」の下、「事業展開」、「財務基盤」、「経営基盤」の3つの方針に基づき、事業を推進しております。 (事業展開)電気・エネルギーを中心とした5つの領域と10の事業区分※において、各事業が自律的に収益と成長を追求していきます。また、カーボンニュートラルやDXを成長の機会として捉え、イノベーションなどを通じた既存事業の強化・拡張や新たな事業領域の拡大にも挑戦していきます。 ※ 2026年4月より、事業ドメインとして設定していた11事業区分のうち、グリーンビジネス領域に区分していた「次世代エネルギーサービス事業」について、より効果的な展開を図るため、単独の事業区分を廃止し、10事業区分に見直しました。 (財務基盤)電力の安定供給の維持に必要な財務基盤の回復を早期に実現するとともに、資本コストを上回る企業価値を創出し、「利益・投資・成長の好循環」を形成していくために、「連結経常利益」、「連結自己資本比率」、「連結ROIC※1」を指標とした財務目標を設定しております。また、財務目標達成に向けた取組を通じて得られた利益・キャッシュは、有利子負債の削減や、カーボンニュートラルなどに対応しながらお客さまに電気を安定的にお届けし、さらなる付加価値を提供していくための投資に活用します。配当については、財務基盤の回復とのバランスを考慮しながら、当面はDOE(株主資本配当率)※22%を目安として安定的な株主還元を実現していきます。※1 ROIC(投下資本利益率)=税引後営業利益/(株主資本+有利子負債)×100※2 DOE(株主資本配当率)=年間配当総額/株主資本×100 (経営基盤)持続的に事業を展開していくための土台として経営基盤を強化していきます。具体的には、サステナビリティ経営を推進し、ESGを中心としたサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)の解決に中長期的な視点で取り組みます。特に、電気事業の果たす役割が大きいカーボンニュートラルへの長期的かつ戦略的な対応(CN戦略)や、DXを活用したイノベーション・業務変革(DX戦略)、そして成長の源泉である人的資本の強化(人財戦略)に重点的に取り組んでいきます。詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。 <2026年度東北電力グループ経営計画>2025年度は、女川原子力発電所第2号機の安定稼働による収益改善があったものの、「小売競争の激化」、「インフレ等による固定費の増加」、「金利上昇等による支払利息の増加」の3つの環境変化に起因する影響等により、連結経常利益は1,264億円となりました。連結自己資本比率は19.4%となり、財務基盤は着実に回復しております。足元の中東情勢等の影響により、事業環境の変化は激しく不確実な状況が続きますが、2026年度においてはこうした環境変化を踏まえながら、「利益拡大に向けた事業展開」、「成長に資する戦略的な投資」、「持続的な事業展開を支える経営基盤の強化」に取り組んでいきます。これらの取組を通じて、2026年度の財務目標の達成を目指すとともに、中長期的には「利益・投資・成長の好循環」の形成につなげていくことで、中長期ビジョンで掲げる2030年代のありたい姿の実現を目指します。詳細は、当社ウェブサイト(URL https://www.tohoku-epco.co.jp/)において公表の「2026年度東北電力グループ経営計画」をご参照ください。 (利益拡大に向けた事業展開)卸売・小売の販売強化による収益向上と、効率化や最適化でのコスト低減の両面から取り組むとともに、カーボンニュートラルに対する多様なニーズや、AIの急速な拡大などの事業機会を捉えた活動等を展開していきます。 (成長に資する戦略的な投資)中長期の視点に立って、電気事業の変化に対応して付加価値を生むための戦略投資などを通じて、「利益・投資・成長の好循環」を形成していきます。 (持続的な事業展開を支える経営基盤の強化)経営基盤の強化に向けて、2026年度も「カーボンニュートラル(CN)戦略」、「DX戦略」、「人財戦略」の3分野に注力するとともに、「地域との価値共創」を推進していきます。 当社企業グループは、経営理念「地域社会との共栄」とグループスローガン「より、そう、ちから。」のもと、地域の皆さまが快適・安全・安心なくらしを実感できるスマート社会の実現に貢献し、社会の持続的発展とともに成長する企業グループを目指していきます。 <東通原子力発電所の核物質防護設備における性能試験等の未実施及び不適切な試験記録等作成に係る再発防止に向けた取組>2025年6月、東通原子力発電所の核物質防護設備の性能試験及び保守点検(警報表示機能確認)について、一部又は全てを実施せずに、実施済みとして記録を作成するなどの不適切な取扱があったことが判明しました。事案判明後、社長執行役員が委員長を務めるコンプライアンス委員会のもとに、「東通原子力発電所事案に係る特別委員会」を設置のうえ、すみやかに直接原因を分析し、2025年9月までに必要な再発防止対策を講じております。その後、直接原因を掘り下げた根本原因を分析し、さらに内部統制・ガバナンス、安全文化・核セキュリティ文化の観点からの検証も行いました。その妥当性について、社外第三者で構成される「独立検証委員会」より確認をいただいたうえで、最終的に19項目の改善措置を策定し、現在、改善措置に基づく取組を進めております。なお、改善措置の実施状況については、コンプライアンス委員会まで報告し、確認する仕組みとしております。本事案は、原子力事業者としての信頼を損なうものとして、大変重く受け止めており、同様の事案が二度と発生しないよう改善措置を着実に実施してまいります。また、様々な機会を通じて丁寧に改善の状況をお伝えし、地域のみなさまからの信頼回復に努めてまいります。 (再発防止に向けた取組の全体像)
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】以下に記載の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。 <東北電力グループ中長期ビジョンにおける今後の経営展開「よりそうnext+PLUS」>当社企業グループは、「よりそうnext+PLUS」の下、「事業展開」、「財務基盤」、「経営基盤」の3つの方針に基づき、事業を推進しております。 (事業展開)電気・エネルギーを中心とした5つの領域と10の事業区分※において、各事業が自律的に収益と成長を追求していきます。また、カーボンニュートラルやDXを成長の機会として捉え、イノベーションなどを通じた既存事業の強化・拡張や新たな事業領域の拡大にも挑戦していきます。 ※ 2026年4月より、事業ドメインとして設定していた11事業区分のうち、グリーンビジネス領域に区分していた「次世代エネルギーサービス事業」について、より効果的な展開を図るため、単独の事業区分を廃止し、10事業区分に見直しました。 (財務基盤)電力の安定供給の維持に必要な財務基盤の回復を早期に実現するとともに、資本コストを上回る企業価値を創出し、「利益・投資・成長の好循環」を形成していくために、「連結経常利益」、「連結自己資本比率」、「連結ROIC※1」を指標とした財務目標を設定しております。また、財務目標達成に向けた取組を通じて得られた利益・キャッシュは、有利子負債の削減や、カーボンニュートラルなどに対応しながらお客さまに電気を安定的にお届けし、さらなる付加価値を提供していくための投資に活用します。配当については、財務基盤の回復とのバランスを考慮しながら、当面はDOE(株主資本配当率)※22%を目安として安定的な株主還元を実現していきます。※1 ROIC(投下資本利益率)=税引後営業利益/(株主資本+有利子負債)×100※2 DOE(株主資本配当率)=年間配当総額/株主資本×100 (経営基盤)持続的に事業を展開していくための土台として経営基盤を強化していきます。具体的には、サステナビリティ経営を推進し、ESGを中心としたサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)の解決に中長期的な視点で取り組みます。特に、電気事業の果たす役割が大きいカーボンニュートラルへの長期的かつ戦略的な対応(CN戦略)や、DXを活用したイノベーション・業務変革(DX戦略)、そして成長の源泉である人的資本の強化(人財戦略)に重点的に取り組んでいきます。詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。 <2026年度東北電力グループ経営計画>2025年度は、女川原子力発電所第2号機の安定稼働による収益改善があったものの、「小売競争の激化」、「インフレ等による固定費の増加」、「金利上昇等による支払利息の増加」の3つの環境変化に起因する影響等により、連結経常利益は1,264億円となりました。連結自己資本比率は19.4%となり、財務基盤は着実に回復しております。足元の中東情勢等の影響により、事業環境の変化は激しく不確実な状況が続きますが、2026年度においてはこうした環境変化を踏まえながら、「利益拡大に向けた事業展開」、「成長に資する戦略的な投資」、「持続的な事業展開を支える経営基盤の強化」に取り組んでいきます。これらの取組を通じて、2026年度の財務目標の達成を目指すとともに、中長期的には「利益・投資・成長の好循環」の形成につなげていくことで、中長期ビジョンで掲げる2030年代のありたい姿の実現を目指します。詳細は、当社ウェブサイト(URL https://www.tohoku-epco.co.jp/)において公表の「2026年度東北電力グループ経営計画」をご参照ください。 (利益拡大に向けた事業展開)卸売・小売の販売強化による収益向上と、効率化や最適化でのコスト低減の両面から取り組むとともに、カーボンニュートラルに対する多様なニーズや、AIの急速な拡大などの事業機会を捉えた活動等を展開していきます。 (成長に資する戦略的な投資)中長期の視点に立って、電気事業の変化に対応して付加価値を生むための戦略投資などを通じて、「利益・投資・成長の好循環」を形成していきます。 (持続的な事業展開を支える経営基盤の強化)経営基盤の強化に向けて、2026年度も「カーボンニュートラル(CN)戦略」、「DX戦略」、「人財戦略」の3分野に注力するとともに、「地域との価値共創」を推進していきます。 当社企業グループは、経営理念「地域社会との共栄」とグループスローガン「より、そう、ちから。」のもと、地域の皆さまが快適・安全・安心なくらしを実感できるスマート社会の実現に貢献し、社会の持続的発展とともに成長する企業グループを目指していきます。 <東通原子力発電所の核物質防護設備における性能試験等の未実施及び不適切な試験記録等作成に係る再発防止に向けた取組>2025年6月、東通原子力発電所の核物質防護設備の性能試験及び保守点検(警報表示機能確認)について、一部又は全てを実施せずに、実施済みとして記録を作成するなどの不適切な取扱があったことが判明しました。事案判明後、社長執行役員が委員長を務めるコンプライアンス委員会のもとに、「東通原子力発電所事案に係る特別委員会」を設置のうえ、すみやかに直接原因を分析し、2025年9月までに必要な再発防止対策を講じております。その後、直接原因を掘り下げた根本原因を分析し、さらに内部統制・ガバナンス、安全文化・核セキュリティ文化の観点からの検証も行いました。その妥当性について、社外第三者で構成される「独立検証委員会」より確認をいただいたうえで、最終的に19項目の改善措置を策定し、現在、改善措置に基づく取組を進めております。なお、改善措置の実施状況については、コンプライアンス委員会まで報告し、確認する仕組みとしております。本事案は、原子力事業者としての信頼を損なうものとして、大変重く受け止めており、同様の事案が二度と発生しないよう改善措置を着実に実施してまいります。また、様々な機会を通じて丁寧に改善の状況をお伝えし、地域のみなさまからの信頼回復に努めてまいります。 (再発防止に向けた取組の全体像)
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】以下に記載の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1) 経営成績の分析2025年度の我が国経済は、緩やかに回復しているものの、今後の物価動向やアメリカの通商政策をめぐる動向などの影響を十分注視する必要があり、中東地域をめぐる情勢による影響についても予断を許さない状況にあります。また、電力業界においては、GX推進法改正案が可決・成立するなどエネルギー政策の具体化が進むとともに、将来の安定供給と脱炭素化の同時実現に向け、再生可能エネルギーと原子力の活用が着実に前進しました。当社においては、2030年度に向けた今後の経営展開として2024年度に策定した「よりそうnext+PLUS」のもと、地域のみなさまが快適・安全・安心なくらしを実感できるスマート社会の実現を目指し、「送配電」、「発電・卸」、「グリーンビジネス」、「エネルギー・ソリューションサービス」、「関連領域」の5つの領域において、各事業が様々な取組を展開し、自律的に収益と成長を追求してまいりました。このような状況のなか、当連結会計年度の販売電力量の状況については、当社において、競争の進展による契約の切り替えや産業用における稼動減影響などにより販売電力量(小売)は減少したものの、相対卸売が増加したことなどにより販売電力量(卸売)が増加したことなどから、販売電力量(全体)は、789億kWh(前年度比 1.1%増)となりました。売上高は、販売電力量(小売)が減少したことなどから、2兆3,724億円となり、前連結会計年度に比べ、2,724億円(10.3%)の減収となりました。経常利益は、女川原子力発電所第2号機の再稼働による収支改善があったものの、市場や販売環境の変化に伴う収支悪化や、送配電事業における需給調整費用の増加及び中東情勢悪化に伴う燃料価格・電力市場価格の急騰による電力先渡取引等の時価評価影響などから、1,264億円となり、前連結会計年度に比べ、1,303億円(50.8%)の減益となりました。なお、電力先渡取引等の時価評価影響は、2026年度に振戻し益として計上するため、2期通算において収支影響はありません。親会社株主に帰属する当期純利益は、有価証券評価損を特別損失に計上したことなどから、849億円となり、前連結会計年度に比べ、978億円(53.5%)減少しました。 なお、東北電力グループ中長期ビジョンにおける2030年に向けた今後の経営展開「よりそうnext+PLUS」において、財務基盤の早期回復及び「利益・投資・成長の好循環」の形成を目指すための定量的な目標として設定している財務目標とそれに対する実績は以下の表のとおりであります。 2025年度(実績) 財務目標 2026年度2030年度利益指標〔連結経常利益〕1,264億円(1,659億円)(注)1 1,900億円2,000億円以上財務健全性指標〔連結自己資本比率〕19.4% 20%程度25%以上収益性指標〔連結ROIC〕2.6% 3.5%程度 (注)23.5%以上 (注)2 (注)1 ( )内は、燃料費調整制度のタイムラグ影響及び電力先渡取引等の時価評価影響を除いた数値となります。2 目標達成時の連結ROEは8%以上 当連結会計年度におけるセグメントの業績(セグメント間の内部取引消去前)は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、事業セグメントの区分方法を見直しており、前連結会計年度との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。 [発電・販売事業]<業績の概要>当社の販売電力量(小売)は、夏季の気温が前年を上回ったことによる冷房需要の増加があったものの、競争の進展による契約の切り替えや産業用における稼動減影響などから、前連結会計年度に比べ4.4%減の582億kWhとなりました。このうち、電灯需要は、0.6%減の195億kWh、電力需要は、6.2%減の387億kWhとなりました。また、販売電力量(卸売)は、相対卸売が増加したことなどから、20.5%増の206億kWhとなりました。この結果、当社の販売電力量(全体)は、1.1%増の789億kWhとなりました。これに対応する供給については、出水増による水力発電電力量の増加と、原子力発電所の安定的な稼働等により、安定した供給力を確保しました。売上高は、販売電力量(小売)が減少したことなどから、1兆9,817億円となり、前連結会計年度に比べ、2,197億円(10.0%)の減収となりました。経常利益は、女川原子力発電所第2号機の再稼働による収支改善があったものの、市場や販売環境の変化に伴う収支悪化や、中東情勢悪化に伴う燃料価格・電力市場価格の急騰による電力先渡取引等の時価評価影響などにより、1,266億円となり、前連結会計年度に比べ、1,185億円(48.4%)の減益となりました。 <関連する事業の主な取組>■発電・卸 - 火力発電、原子力発電 -• 熱効率世界最高水準の上越火力発電所第1号機の増出力(57.2万キロワット→59.9万キロワット)• 女川原子力発電所第2号機における、運転管理の着実な実施による安全・安定運転の継続■グリーンビジネス - 再エネ発電、次世代エネルギー、グリーンエネルギー -• 新たに商業運転中の2件の風力発電事業に参画。全ての開発案件が事業化された場合の再生可能エネルギーの持分出力の累計は、2025年度末時点で約90万キロワット• 2025年6月に系統用蓄電池事業として韮塚蓄電所(群馬県伊勢崎市)、小角田蓄電所(群馬県太田市)の営業運転を開始■エネルギー・ソリューションサービス - 電力小売、ソリューションサービス -• 東北・新潟以外での販売拡大に向けた施策を実施• 電化採用率向上を目的とした電化メリット訴求のCM放映及び他熱源からの転換キャンペーンを実施• くらしのお困りごとを解決する「くらしサービス」について、「リフォーム・リノベーションサービス」の提供開始や、提供エリア・提携パートナーの拡大などによる着実な利用件数の増 [送配電事業]<業績の概要>当連結会計年度のエリア電力需要は、前年に比べ夏季の気温が高く推移したことによる家庭・業務用における冷房需要の増加があったものの、産業用の需要が減少したことなどから、前連結会計年度並みの752億kWhとなりました。売上高は、託送料金単価改定などによる基準託送料金の増収があったものの、需給調整における収入の減少などから、9,213億円となり、前連結会計年度に比べ、245億円(2.6%)の減収となりました。経常損益は、調整力の調達費用の増加などに伴い需給調整関係の収支が悪化したことなどから、214億円減少し、前連結会計年度に比べ、10億円の損失となりました。 <関連する事業の主な取組>■送配電• 物価上昇等の収支悪化要因に対応した各種効率化施策の推進や、調整力に係る収支悪化の抑制に向けた調整力調達費用削減への対応• 効率的な送配電設備の形成・更新・運用及び自治体・防災関係機関との連携強化など、安定供給やレジリエンス強化に向けた取組 [その他]<業績の概要>売上高は、株式会社ユアテックが連結子会社から持分法適用会社に変更となったことなどから、1,816億円となり、前連結会計年度に比べ、930億円(33.9%)の減収となりました。経常利益は、総合設備エンジニアリング事業における外注費や固定経費の増加などにより、159億円となり、前連結会計年度に比べ、50億円(24.2%)の減益となりました。 (2) 財政状態の分析資産は、固定資産仮勘定が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ、3,336億円(6.2%)増加し、5兆7,318億円となりました。負債は、有利子負債が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ、2,067億円(4.7%)増加し、4兆5,961億円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などから、前連結会計年度末に比べ、1,269億円(12.6%)増加し、1兆1,357億円となりました。これにより、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.1ポイント上昇し、19.4%となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況の分析(営業活動によるキャッシュ・フロー)法人税等の支払額が減少したものの、市場や販売環境の変化に伴う収支悪化などから、前連結会計年度に比べ、401億円(9.8%)減少し、3,701億円の収入となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出の減少などから、前連結会計年度に比べ、469億円(11.1%)減少し、3,756億円の支出となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)長期借入れによる収入の増加などから、前連結会計年度に比べ、810億円(237.3%)増加し、1,151億円の収入となりました。 この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に比べ、1,094億円(19.9%)増の6,605億円となりました。 (単位:億円) 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)増 減営業活動によるキャッシュ・フロー4,1033,701△401投資活動によるキャッシュ・フロー△4,226△3,756469フリー・キャッシュ・フロー△122△5567財務活動によるキャッシュ・フロー3411,151810現金及び現金同等物の期末残高5,5116,6051,094 (注) フリー・キャッシュ・フローは「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計であります。 また、キャッシュ・フロー指標の変動は次のとおりであります。 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)8.19.4 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)16.512.6 (注) 1 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー2 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利息の支払額 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)① 資金調達方針並びに状況当社は、電気事業における安定供給に必要な設備投資、社債などの償還資金への充当及びさらなる付加価値を提供していくための投資などの資金需要に対し、資金調達環境の動向や有利子負債、現金及び現金同等物の適正な保有額を総合的に勘案し、社債の発行及び、金融機関からの借入金等を組み合わせて安定的に資金を調達しております。また、「東北電力グループ“カーボンニュートラルチャレンジ2050”」の実現に向けた取組を一層加速していくため、グリーン/トランジション・ファイナンスを実施するなど、持続可能な社会の実現に向けたカーボンニュートラルへの積極的な挑戦を資金調達面から支えるとともに、さらなる資金調達の多様性や安定性の確保に努めております。上記による資金調達の結果、当連結会計年度末の社債発行残高及び借入金残高はそれぞれ1兆7,716億円、1兆7,074億円となっております。短期的な資金需要に対しては、機動的なつなぎ資金調達の手段としてコマーシャル・ペーパーなどを活用しております。コマーシャル・ペーパーは、株式会社格付投資情報センター(R&I)よりa-1の短期債格付を取得しており、当連結会計年度は3,000億円の発行限度枠を設定しております。 ② 資金の流動性に係る情報当社は、月次での資金計画などにより、資金需要を的確に把握することに努めるとともに、金融機関との間に当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結していることから、電力需要の変動などに伴い、営業活動によるキャッシュ・フローが減少した場合でも、必要に応じて極度枠の範囲内で速やかに資金調達ができる体制を整えることにより、充分な流動性を確保しております。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。当社企業グループは、固定資産の減損、繰延税金資産、貸倒引当金、退職給付に係る負債及び資産、資産除去債務などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。 (5) 生産、受注及び販売の実績当社企業グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため「生産実績」及び「販売実績」を定義することが困難であることから、生産、受注及び販売の実績については、記載可能な情報を「(1)経営成績の分析」においてセグメントの業績に関連付けて記載しております。なお、当社個別の事業の状況は次のとおりであります。 ① 供給力実績種別当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年度比(%)自社発電電力量(百万kWh)56,168101.4水力発電電力量(百万kWh)7,716113.6火力発電電力量(百万kWh)43,20193.7原子力発電電力量(百万kWh)5,199229.4新エネルギー等発電等電力量(百万kWh)5429.3融通・他社受電電力量(百万kWh)32,59799.0△6,12494.9揚水発電所の揚水用電力量等(百万kWh)△33972.3合計(百万kWh)82,303101.1出水率(%)100.7― (注) 1 停止中発電所の所内電力量は、自社事業用電力量として、販売実績に記載しております。2 融通・他社受電電力量には、連結子会社からの受電電力量(東北電力ネットワーク㈱6,156百万kWh、酒田共同火力発電㈱2,791百万kWh、東北自然エネルギー㈱997百万kWh 他)、送電電力量(東北電力ネットワーク㈱6,223百万kWh 他)を含んでおります。3 融通・他社受電電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示しております。4 揚水発電所の揚水用電力量等とは貯水池運営のため揚水用に使用する電力量及び自己託送の電力量であります。5 出水率は、1994年度から2023年度までの30ヶ年平均に対する比であります。6 個々の数値の合計と合計欄の数値は、四捨五入の関係で一致しない場合があります。 ② 販売実績種別当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年度比(%)販売電力量(百万kWh)電灯19,54499.4電力38,67593.8小売 計58,21995.6卸売20,639120.5合計78,858101.1 (注) 1 停止中発電所の所内電力量は、自社事業用電力量として、販売実績に記載しております。2 小売には自社事業用電力量(21百万kWh)を含んでおります。3 卸売には特定融通等を含んでおります。4 個々の数値の合計と合計欄の数値は、四捨五入の関係で一致しない場合があります。 ③ 資材の状況 石炭及び燃料油等の受払状況区分単位2025年3月末在庫量当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)2026年3月末在庫量受入前年度比(%)払出前年度比(%)石炭t630,4557,191,10393.306,991,55688.99830,002重油kl7,569--1,2644.326,305LNGt193,4383,804,89799.233,724,88198.93273,454

事業リスク

  • 自然災害と設備停止リスク
    地震、津波、台風などの自然災害や設備事故、サイバー攻撃により、発電所や送配電設備が損傷したり、長期停止したりする可能性があります。これにより、復旧費用や代替電力の調達費用が増加し、業績や財政状態に重大な影響を及ぼす恐れがあります。
  • エネルギー政策と規制変更
    国のエネルギー政策の変更、電力システム改革の進展、環境規制の強化などにより、事業環境が大きく変化する可能性があります。特に、原子力発電所の再稼働の遅れや、バックエンド事業のコスト変動は、長期的に燃料費の増加や費用負担の増大を招き、業績に影響を与える可能性があります。
  • 燃料価格と為替レート変動
    火力発電の主要コストである石炭、LNG、原油などの燃料価格や為替レートの変動は、燃料費に直接影響を与えます。燃料費調整制度があるものの、変動幅が大きい場合や、制度の適用範囲を超える変動があった場合には、収益性が悪化し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,564 文字
3 【事業等のリスク】当社企業グループの中核である電気事業は、電力の安定供給のために発電設備や流通設備、燃料の確保等が必要不可欠であり、設備の損傷や電源の長期停止といった設備リスクは、事業運営における重要なリスクとして認識しております。また、電気という日常生活、産業活動に不可欠なインフラを供給するという社会的使命を果たす電気事業は、国のエネルギー政策の動向や関連する制度措置の見直しといった規制リスクを有しており、事業環境における重要なリスクとして認識しております。加えて、電気事業における主要コストである火力燃料費は、原油などのCIF価格及び為替レートの変動の影響を大きく受けることなどから、市場リスクについても重要なリスクとして認識しております。 これらのリスクが顕在化した場合には、当社企業グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性があると認識しており、当社企業グループでは、これらのリスクの低減に努めるとともに、発生した場合は、的確な対応に努めております。 以下では、当社企業グループの業績及び財政状態への影響が大きいリスクを取り上げておりますが、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであり、全てのリスクを網羅している訳ではありません。当社企業グループの事業は、現在は未知のリスク、あるいは現時点では重要と見做されていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。 なお、当社は、経営に重大な影響を及ぼすおそれのあるリスクについて、社長執行役員を議長とする統合リスクマネジメント会議を設置し、統合リスク管理方針を定め、モニタリング・リスクマネジメントを行うとともに、各部門は定期的に事業活動に係るリスクの抽出・評価を行い、その対策等を毎年度策定する事業計画に織り込み、管理サイクルの中でリスク管理を実践しております。 [リスク管理体制図] (1)設備リスク等の事業運営におけるリスクa.自然災害及び設備事故の発生による影響 影響度:極めて大きい 重要性:特に高い 地震・津波や台風等の自然災害、戦争、事故やテロ、サイバー攻撃等の不法行為や設備トラブルの発生などにより、当社が出資や受電する他社の発電所を含め設備が損傷した場合や電源の長期停止、重要システムの停止などに至った場合は、設備復旧費用や発電費用の上昇などにより、当社企業グループの業績及び財政状態は重大な影響を受ける可能性があります。 当社企業グループは、これらの設備リスクを低減し、お客さまに高品質な電力を安定的に供給するため、設備の点検・修繕を計画的に実施するとともに、サイバーセキュリティ対策を講じ、設備の信頼性向上に努めるとともに、「東北電力グループ安全・保安方針」を制定し、労働安全・設備保安に係る取組の充実を図っております。 (2)規制リスク等の事業運営におけるリスクa.電気事業を取り巻く制度変更等による影響 影響度:大きい 重要性:特に高い 非化石価値取引市場やベースロード市場、容量市場、需給調整市場等の市場取引における制度変更や電力システム改革の進展、国内外のエネルギー政策の動向、それによる電気事業者及び他エネルギー事業者との競争の進展、環境関連規制の強化等による設備対策の増加などにより、当社企業グループの業績及び財政状態は長期にわたり影響を受ける可能性があります。 このため、国のエネルギー政策動向や電気事業を取り巻く制度変更等に関して、引き続き動向を注視してまいります。 b.原子力発電を取り巻く制度変更等による影響 影響度:大きい 重要性:特に高い 原子力発電を取り巻く環境が厳しさを増している中、今後の政策・規制変更、新規制基準への対応や訴訟等の結果により、当社が保有するあるいは当社が受電する原子力発電所の停止が長期化する場合など、火力燃料費の増加継続などにより、当社企業グループの業績及び財政状態は長期にわたり影響を受ける可能性があります。 当社は、安全確保を最優先に原子力を一定程度活用していくことが重要と考えており、新規制基準への適合に加え、さらなる安全性向上に向けて自主的な対策を進めるなどの取組を行っております。 なお、一定の前提を置いた試算ではありますが、女川原子力発電所第2号機が停止した場合は年間で600億円程度の火力燃料費が増加し、東通原子力発電所第1号機が再稼働した場合は年間で400億円程度の火力燃料費が減少するものと想定しております。 c.原子力のバックエンド事業等のコストの変動による影響 影響度:極めて大きい 重要性:特に高い 我が国は、資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減等の観点から、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム等を有効利用する核燃料サイクルの推進を基本的方針としており、使用された原子燃料の処理・処分等に係るバックエンド事業については、関係法令等に基づき実施しております。原子力のバックエンド事業等のコストについては下表のとおりです。なお、原子力のバックエンド事業は超長期の事業で不確実性を伴いますが、国による制度措置等により事業者のリスクが軽減されております。 内容関連法令等制度措置等使用済燃料の再処理等に要するコスト原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律使用済燃料再処理・廃炉推進機構に対し、原子力発電所の運転に伴い発生する使用済燃料の量に応じた拠出金を納付使用済燃料の再処理後に生じる特定放射性廃棄物の最終処分に係るコスト特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律原子力発電環境整備機構に対し、原子力発電所の運転に伴い発生する特定放射性廃棄物等の量に応じた拠出金を納付原子力発電施設を解体するために要するコスト原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律使用済燃料再処理・廃炉推進機構に対し、同機構の廃炉推進業務に必要な費用に充てるための拠出金を納付 ただし、国の政策変更や、関連する制度措置の見直し、将来費用の見積額の変動、再処理施設の稼働状況等により、費用負担が増加するなど、当社企業グループの業績及び財政状態は長期にわたり影響を受ける可能性があります。このため、原子力のバックエンド事業等に係る国の政策や関連する制度措置の動向に関して、引き続き動向を注視してまいります。 d.気候変動に関するリスク 影響度:大きい 重要性:特に高い 自然災害の激甚化による設備被害増大など、気候変動による影響を受けた場合、当社企業グループの業績及び財政状態は長期にわたり影響を受ける可能性があります。 また、脱炭素社会への移行が国際的に求められている中、化石燃料を使用した火力電源の稼働・資金調達には一定の制約等がありうることを認識しており、日本政府においても2050年カーボンニュートラルを目指すことが示されるなど、社会全体にとって、気候変動への対応はこれまで以上に重要な課題となっております。 このような状況を踏まえ、「東北電力グループ“カーボンニュートラルチャレンジ2050”」のもと、「再エネと原子力の最大限の活用」、「火力の脱炭素化」及び「電化の推進とエネルギー利用の最適化」の展開を中心としたCO2排出削減などの緩和策を加速させるとともに、自然災害へのレジリエンス向上などの適応策に引き続き取り組んでおります。 (3)価格変動等の市場リスクa.需要及び販売価格の変動による影響 影響度:大きい 重要性:特に高い 電気事業における販売電力量や託送電力量並びに販売価格は、電力小売全面自由化による競争激化、少子高齢化による人口減少や景気動向、気温の変動、さらには省エネルギーの進展などによって変動することから、当社企業グループの業績及び財政状態は重大な影響を受ける可能性があります。当社企業グループは、小売のみならず、卸売でのさらなる販売拡大により、域外での販売電力量の拡大を引き続き推進していくほか、電気の価値の最大化に向けた電力市場化を踏まえたトレーディング機能の活用に取り組んでおります。 b.燃料費、購入電力料の変動による影響 影響度:大きい 重要性:特に高い 電気事業における火力燃料費や購入電力料等は、石炭、LNG、重・原油などのCIF価格及び為替レートや、卸電力取引所価格の変動による影響を受けます。電気事業には、燃料価格及び為替レートの変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」が適用されますが、火力発電所の稼働状況や燃料価格などが著しく変動した場合には、当社企業グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性があります。 このため、当社は、バランスのとれた電源構成を目指すことなどによって燃料費変動リスクの分散に努めております。 また、年間降雨降雪量により、豊水の場合は燃料費の減少要因、渇水の場合は燃料費の増加要因となりますが、「渇水準備引当金制度」により一定の調整が図られるため、業績への影響は限定的と考えられます。 なお、当社火力燃料費は、一定の前提を置いた試算ではありますが、1バレル当たりの原油価格が1米ドル変動すると年間22億円、1米ドルの為替レートが1円変動すると年間29億円、出水率が1パーセント変動すると年間12億円の変動影響があるものと想定されますが、火力発電所の稼働状況などにも影響を受けるため、燃料価格及び為替レートのみで決定はされません。 c.金利の変動による影響 影響度:大きい 重要性:高い 当連結会計年度末の有利子負債残高は3兆4,791億円となりました。当社では、金利の変動影響を回避するため、固定金利での資金調達を基本としておりますが、今後の市場金利の動向及び格付の変更により、当社企業グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性があり、金利が1パーセント変動すると年間24億円の影響があると試算されます。 ただし、有利子負債残高の多くは固定金利で調達した社債や長期借入金であることなどから、市場金利の変動による影響は限定的と考えております。 d.退職給付費用・債務の変動による影響 影響度:大きい 重要性:高い 退職給付費用及び債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出しております。割引率や運用利回りの変動により、当社企業グループの業績は影響を受ける可能性があります。 このため、企業年金資産の分散投資によるリスク低減や、連合型確定拠出年金制度の導入により、当社企業グループ全体での退職給付債務の削減による財務リスクの軽減を図り、業績への影響緩和に努めております。 (4)その他のリスクa.情報流出による影響 影響度:大きい 重要性:高い 当社企業グループは大量の個人情報や設備情報など重要な情報を保有しており、重要な情報の流出により問題が発生した場合は、損害賠償金の支払いや当社企業グループに対する社会的信用の低下などにより、当社企業グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性があります。 当社企業グループでは、重要な情報の適切な取扱いを図るため、基準等の整備や従業員に対する教育啓発、委託先管理の徹底等、情報セキュリティ対策の強化を図っております。 b.コンプライアンスに反した行為による影響 影響度:大きい 重要性:高い コンプライアンスに反した行為が発生した場合、法令上の罰則や当社企業グループに対する社会的信用の低下などにより、当社企業グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性があります。 当社企業グループでは、コンプライアンスが全ての事業活動の前提になるとの考えのもと、コンプライアンスの体制を構築し、定着に向けた啓発活動等に取り組むとともに、「東北電力グループサステナビリティ方針」のもと、誠実で公正な事業活動を行うとともに、ステークホルダーの期待に応え、企業としての社会的責任を果たしてまいります。 c.新型感染症拡大による影響 影響度:大きい 重要性:高い 新型感染症の拡大が長期化した場合、消費の低迷や生産活動の停滞等による電力需要の減少や発電所の稼働に制約が生じる等によって、当社企業グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性があります。 また、当社管内での流行時には発電所の運転人員等の確保や、世界的な感染拡大の状況によっては発電燃料の調達に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、感染症の大規模流行に備え、電力の安定供給を維持するための事業継続計画を策定しており、当社管内の流行段階に応じて、縮小や中断が可能な業務から順次業務を絞り込みながら業務運営を行うこととしているほか、燃料の調達ソースの多様化・分散化により調達安定性を確保し、燃料の供給が途絶するリスクの低減を図り電力の安定供給に努めていくとともに、中長期的な事業環境変化にも対応していくこととしております。 d.電気事業以外のリスク 影響度:大きい 重要性:高い 従来の電気事業以外の事業の業績は、他事業者との競合状況や、カーボンニュートラルへの対応及びDXの進展などの事業環境の変化により、売上・利益の減少などの影響を受けることがあることから、当社企業グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性があります。 当社企業グループでは、従来の電気事業の枠を超え、エネルギーとサービスのトータルパッケージでの提供やソリューションサービスの充実化を図ることで、競争力の強化を進めながら、スマート社会の実現に貢献し、早期収益化に挑戦していくこととしております。

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