事業の概要
- 発電事業と電力販売水力、火力、風力など多様な発電所を自社や関係会社で保有し、発電した電力を販売しています。また、卸電力取引市場から電力を調達し、顧客に販売することで収益を得ています。これは、電力の安定供給を支える基盤となる事業です。
- 送変電事業の運営子会社が保有する送電・変電設備を用いて、沖縄電力以外の一般送配電事業者9社に対して電力の託送サービスを提供しています。これは、発電所から消費地へ電力を届けるための重要なインフラ事業であり、安定した収益源となっています。
- 多角的な電力関連事業発電・送変電事業を補完する電力周辺関連事業、海外での発電事業、そして石炭販売などの「その他の事業」も展開しています。これにより、事業ポートフォリオを多様化し、特定の事業に依存しない安定的な収益構造を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 発電事業水力、火力、風力などの発電所を保有し、発電した電力を販売する事業です。売上高は9,457億円とグループ全体の大部分を占める稼ぎ頭であり、電力の安定供給を担う中核事業として、多様な発電方式で収益を上げています。
- 送変電事業子会社が保有する送電・変電設備により、沖縄電力を除く一般送配電事業者9社へ電力託送サービスを提供する事業です。売上高は498.51億円で、電力インフラを支える重要な役割を担い、安定した収益基盤を提供しています。
- 海外事業海外における発電事業とその関連事業を展開しています。売上高は2,446.73億円で、グローバルな展開を通じて事業ポートフォリオの多様化と成長機会の獲得を目指しており、特に再生可能エネルギー開発に注力しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| PowerGenerationReportableSegment | 事業 | 9,457 | − | − |
| TransmissionandTransformationReportableSegment | 事業 | 499 | − | − |
| ElectricPowerRelated | 事業 | 592 | − | − |
| Overseas | 事業 | 2,447 | − | − |
| OtherBusinesses | 地域 | 172 | − | − |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社109社及び関連会社86社(2026年3月31日現在)によって構成されており、主に、水力、火力、風力など当社又は関係会社で保有する発電所による発電事業及び卸電力取引市場等から調達した電力の販売事業を行っているほか、送電事業として子会社で保有する送・変電設備により、沖縄電力㈱を除く一般送配電事業者9社の電力託送を行っております。 当社グループの事業の内容としては、当社又は関係会社が行う「発電事業」、関係会社が行う「送変電事業」、発電事業及び送変電事業を補完し円滑かつ効率的な遂行に資する「電力周辺関連事業」、海外における発電事業及びその関連事業を行う「海外事業」並びに当社グループの保有する経営資源、ノウハウを活用して行う「その他の事業」があります。また、次の5部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。 [発電事業]当社は、水力、火力、風力など当社又は関係会社が行う発電事業及びその保守運営、並びに卸電力取引市場等から調達した電力の販売を行っております。 [送変電事業]当社の子会社で保有する送・変電設備による、沖縄電力㈱を除く一般送配電事業者9社の電力託送事業を行っております。 [電力周辺関連事業]発電事業及び送変電事業を補完し、その円滑かつ効率的な遂行に資する事業を行っております。 [海外事業]海外における発電事業及びその関連事業を行っております。 [その他の事業]当社グループの保有する経営資源、ノウハウを活用して行う石炭等販売事業等を行っております。 当社グループを事業系統図によって示すと次頁のとおりです。 [事業系統図]
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 発電事業に関する料金は市場競争環境下で販売先との協議により決定されるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 電気事業法に基づく事業許可や料金規制、原子力発電所の新規制基準適合性審査など。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:気候変動問題への対応と法的規制 / 電気事業制度改革による料金収入への影響 / 大間原子力発電所計画の遅延と費用増加
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
電源開発は、発電所の開発・運営・保守に関する長年の経験とノウハウ、および国内外の電力インフラ事業における実績を持つ。これらは無形資産と言えるが、特許やブランド力のような強力な独占的優位性とは言い難い。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
電力小売自由化が進む中で、一部の法人顧客や新電力へのスイッチングは発生している。しかし、大規模インフラへの依存度が高い産業用電力や、地域独占的な側面を持つ一般家庭向け電力など、スイッチングが容易でない顧客層も一定数存在する。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
電力供給事業は、ネットワーク効果を生み出すようなプラットフォームビジネスとは性質が異なる。供給能力や安定性が重要であり、ユーザー数の増加が直接的な価値向上に繋がる構造ではない。
コスト優位★★★☆☆
電源開発は、自社で発電所を開発・運営・保守することで、外部委託コストを抑え、効率的な事業運営を目指している。特に、再生可能エネルギー事業における開発・運営ノウハウの蓄積は、コスト競争力に寄与する可能性がある。
規模の経済★★★★☆
日本国内における大規模な発電事業者としての地位を確立しており、多様な電源(水力、火力、地熱、洋上風力など)を保有・運営している。これにより、安定的な電力供給と、規模の経済によるコスト効率化を実現している。
- 多様な発電方式と規模水力、火力、風力といった多様な発電方式を保有し、国内最大規模の再生可能エネルギー設備出力を有しています。これにより、特定のエネルギー源に依存せず、安定した電力供給能力と環境変化への適応力を高めています。
- 送変電インフラの保有沖縄電力を除く一般送配電事業者9社への電力託送を行う送変電設備を子会社が保有しています。これは、電力流通の要となる重要なインフラであり、安定的な収益を確保するとともに、他社に対する競争優位性をもたらしています。
- 原子力発電所の開発全炉心MOX燃料利用を目指す大間原子力発電所計画を進めており、国の政策的な位置付けと旧一般電気事業者9社による全量受電の基本協定があります。これは、将来のベースロード電源として、またCO2フリー電源としての重要な役割を担う可能性を秘めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- カーボンニュートラルへの挑戦2050年までに発電事業のカーボンニュートラル実現を目指し、2030年にはCO2排出量を2017~2019年度平均比で40%削減する目標を掲げています。これは、国内外でのCO2フリー電源開発加速化、既存資産のアップサイクル、新たな領域への挑戦を通じて達成を目指すものです。
- CO2フリー電源の開発加速水力、風力、太陽光などの再生可能エネルギーや原子力発電の開発を国内外で加速しています。特に、洋上風力発電への参画や、大間原子力発電所の安全を大前提とした着実な推進を通じて、電力の安定供給と脱炭素化の両立を図る方針です。
- 既存資産の価値創造既存の火力発電所をCO2フリー水素発電に転換する「GENESIS松島計画」など、既存資産に新たな技術を付加し、高付加価値化(アップサイクル)することで、経済合理性をもって早期に環境負荷低減を実現する戦略です。これにより、電力の安定供給を維持しつつ、持続可能な社会への貢献を目指します。
出典: FY2021 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月24日)現在において当社グループが判断したものです。(1) 経営の基本方針当社グループは、「人々の求めるエネルギーを不断に提供し、日本と世界の持続可能な発展に貢献する」というミッション達成のため、2050年に向けて発電事業のカーボンニュートラル実現に挑んでいくこと、そのマイルストーンとする2030年までのCO2排出削減目標の達成に一定の見通しを得て、2030年以降の世界も見据えたカーボンニュートラル化の加速に向けて、資本効率も意識しつつ国内外においてカーボンニュートラルアセット中心となる事業ポートフォリオへの変換を目指します。また、電力安定供給やレジリエンス(強靭性)強化の要請に応えつつカーボンニュートラル実現に取り組んでいくために、それを支える強固な事業基盤の構築を図っていきます。当社グループは、サステナブルな成長を実現し、その成果を全てのステークホルダーと共に分かち合い、持続可能な社会の発展に貢献していきます。 (2) 当社グループを取り巻く経営環境と対処すべき課題世界情勢が不安定・不透明となる中、世界の電力需要は引き続き増加が見込まれ、エネルギー安全保障の重要性が一層強く認識される状況にあります。その一方、カーボンニュートラルに向けた現実的な解も求められています。わが国では、2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画において、S+3E(安全性を前提に、安定供給、経済効率性の向上、環境への適合を図る)という基本的視点のもと、DXやGXの進展による電力需要増加への対応とエネルギー安全保障の観点から、脱炭素電源を最大限活用しつつ、特定の電源や燃料源に過度に依存しないバランスの取れた電源構成を目指すとされました。加えて、2025年5月に改正された脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(GX推進法)により、2026年度からCO2直接排出量が10万t-CO2/年以上の事業者に対して排出量取引制度(GX-ETS)への参加が義務付けられました。本制度により排出削減に向けた先行投資などの取組みを促進することで、脱炭素と産業競争力強化の同時実現を社会全体で目指していくことになります。当社グループは、カーボンニュートラル実現による企業価値向上を目指す2050年に向けた長期ビジョンとしてJ-POWER“BLUE MISSION 2050”を策定しています。中期経営計画(2024-2026)では、2030年以降のカーボンニュートラル化の加速に対応するため、5つの重点項目を示しています。この取組みに注力することで、事業ポートフォリオとビジネスモデルの変換を進め、上述のように変化する環境の中で、電力安定供給と気候変動対応の両立を図り、企業価値の向上を目指します。 ※1 電源開発送変電ネットワーク㈱(J-POWER送変電)の取組み。 ① 持続可能な収益源の確立と成長a.国内再生可能エネルギー事業当社グループではカーボンニュートラルの実現に向けて再生可能エネルギーの開発を加速してきましたが、競争が増す中、規模拡大だけでなく収益性を向上させる必要性もますます高まっています。このため、新規開発に加え、既存の発電所をより効率的な発電所に更新する取組みや稼働率の向上など既存資産を最大限に活用する取組みにより再生可能エネルギーの発電電力量を増大しつつ、コーポレートPPA※2など新たな販売方法の導入により環境価値の実現を目指します。2025年度には北九州響灘洋上ウインドファーム、北九州市響灘太陽光発電所、奥只見発電所(水力)などの新設・更新による設備出力の拡大に加えて、稼働率向上などに取組みました。また、当社初となる水力発電所由来の環境価値に係る長期販売契約を締結しました。今後も発電電力量増大と環境価値実現に向けた取組みを進めてまいります。 ※2 企業や自治体などの需要家が、発電事業者から再生可能エネルギーの電力・環境価値を長期に亘って購入する契約。 b.海外事業世界では今後も多くの事業機会が見込まれるため、それを取り込むことにより当社グループの成長につなげてまいります。発電事業のみならず、再生可能エネルギーなどの開発者利益の獲得を軸に、資本効率を改善しながら事業セグメントと事業エリアを拡大し、多様な時間軸で利益創出できるビジネスモデルへのトランジションを目指します。2025年度には、北米ガス火力権益売却による利益獲得が実現した一方で、豪州再生可能エネルギープロジェクトにおいて減損損失の計上が発生しました。個別プロジェクトの進捗としては、当社出資先が米国の大規模太陽光発電所やインドネシア国の水力発電所の建設に着手したほか、フィリピン国での複数の水力発電所を譲受し、事業運営を開始しました。また、スペイン国における浮体式洋上風力発電の実証試験プロジェクトに参画し、その開発に向けた知見の獲得を図っています。今後も海外事業全体としての収益拡大を目指し、多様な事業を各国で機動的・効率的に推進してまいります。 ② 2030年代事業ポートフォリオへの布石当社グループは2030年以降のカーボンニュートラル化の加速に向けて国内火力のトランジションを進め、資本効率も意識しながら、2030年代に国内外でカーボンニュートラルアセットが中心となる事業ポートフォリオへの変換を目指します。 a.CO2フリー水素・アンモニア戦略当社グループは、将来的なCO2フリー水素発電の実現に向け、石炭ガス化発電(IGCC)技術※3の商用化を目指すGENESIS松島計画※4の検討を行っています。また、水素やアンモニア、CCS※5などサプライチェーンの上流から下流にわたる多様な可能性を追求する観点で、2025年4月にはCCSに関する組織・機能を集約した新組織を設置し、西日本におけるCCS事業の事業化検討、豪州沖・マレー半島沖でのCCS事業の検討・調査などを進めています。このような取組みにより、脱炭素技術の確保を図り、確実な火力トランジションを目指します。 ※3 ガス化炉で石炭から水素や一酸化炭素などのガスを生成し、発電に利用する技術。※4 経年化した松島火力発電所に新技術の石炭ガス化設備を付加。※5 Carbon dioxide Capture and Storage、CO2の分離・回収・貯留。 b.電力ネットワーク増強への貢献※6これからの再生可能エネルギーの大量導入に向けて、再生可能エネルギーの適地(北海道、東北、九州など)で発電された電気を消費地まで届けるための電力ネットワークの増強が要請されています。当社グループは、保有する佐久間周波数変換所の保守を通じて東西日本を結ぶ電力運用に貢献していますが、佐久間周波数変換所増強計画を推進することで、電力系統の広域的運用に貢献します。また、これまでの実績を基に電力ネットワーク増強に貢献する事業機会を追求し、収益への貢献を図ります。 ※6 電源開発送変電ネットワーク㈱(J-POWER送変電)の取組み。 c.安全を大前提とした大間原子力発電所計画の推進当社グループは、青森県下北郡大間町にて、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用する大間原子力発電所の建設を進めています。同発電所は、エネルギー安定供給を支えるベースロード電源であり、気候変動問題対応の社会的要請に応えるCO2フリー電源としての役割に加えて、日本政府がプルトニウムの保有量減少を求める中でフルMOX運転により多くのプルトニウム消費が可能となる原子燃料サイクルの中核を担う発電所として重要性が高まっています。現在実施中の原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査は、2024年11月に基準津波、2025年5月に基準地震動について概ね妥当と評価されるなど、着実に進展しており、新たな工事の開始・終了時期についてはしかるべき時期に公表することを見込んでおります。また、長期脱炭素電源オークション制度※7については2025年度に応札し、落札しており、活用してまいります。引き続き必要な安全対策などを着実に実施することで早期の建設工事本格化を目指し、大間原子力発電所計画を着実に推進します。 ※7 カーボンニュートラル実現に資する新規電源投資を促すため、原則20年間にわたり落札価格が交付される入札制度。 d.新たな事業領域の創造カーボンニュートラルへの移行やデジタル技術をはじめとするイノベーションの進展により、社会・経済構造の大きな変革が想定されています。当社グループはスタートアップなどへの投資と連携を通じ、当社グループが有する技術・ノウハウとの融合による価値創造を目指します。2025年度には、カーボンニュートラルやエネルギー分散化、及びデータセンター需要の取り込みの観点で、新規事業創出に資する複数のスタートアップに出資を行ったほか、環境配慮型高機能リサイクル繊維の量産化検証など、複数の既存出資先において共同実証事業を開始しております。引き続き、幅広い領域でのさらなる価値の探索と事業開発に向けた取組みを進めてまいります。 ③ 収益力・投資効率の向上当社グループはROIC(投下資本利益率)を資本効率を測る指標とし、セグメント別ROICを算定、公表しています。設備運用見直しや環境価値実現などによる利益の拡大、高収益・成長分野への資本重点投下、アセットの入れ替えを通じた資金回収の早期化など、事業特性を踏まえた資本効率向上策の検討・実践を各事業部門に促し、全社ROICの向上を目指します。 ④ グループ競争力の強化個人を尊重し、多様な業務経験機会を確保し、従業員のチャレンジを支援する人財制度を整備・充実し、知恵と技術のさきがけとなる多彩な人財を育成し続けることで、日本と世界が直面する様々な社会課題の解決に貢献しつつ、企業価値の向上を目指します。また、当社グループのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進ビジョン“DX 3S×AI”※8の実現に向けた具体的施策の推進により人財の「よりょく」(余力(ゆとりの力)、与力(新たな力)、予力(見通す力))を創出し、グループ競争力の強化を目指します。 ※8 「Safety 安全・安心」「Smartness 効率性・即応性」「Strength 稼ぐ力」×AI ⑤ ESG経営の深化当社グループはESG経営推進体制を整備し、また5つのマテリアリティを特定してESG経営を推進してきました。今後もPDCAサイクルを回しながらESG経営の深化を図ります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループは、中期経営計画において、2030年代に実現を目指す財務目標として「ROE8%以上」を設定しています。当財務目標の実現に向けては、ROIC(投下資本利益率)の導入を通じて、資本効率を高めることを意識しつつ、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標として2026年度「連結経常利益900億円」を採用しています。2025年度の連結経常利益は1,585億円となりました。また、2025年度の国内発電事業のCO2排出量(速報値)は3,577万t(2013年度実績比 △1,300万t)となり、非財務の目標を達成しました。引き続き経営目標達成に向けて取り組んでまいります。 項目経営目標連結経常利益 2026年度 900億円 項目経営目標達成時の主な経営指標水準親会社株主に帰属する当期純利益 2026年度 620億円ROE 2026年度 5.0%程度稼働資産ROIC※9 2026年度 3.5%程度 (注)上記財務目標は、有価証券報告書提出日(2026年6月24日)現在において予測できる事情等を基礎とした当社グループの合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。 項目非財務の目標国内発電事業CO2排出量(2013年度実績比)2025年度 △920万t(達成)2030年 △2,250万t(△46%)国内再生可能エネルギー発電電力量(2022年度比) 2030年度までに年間+40億kWh ※9 (NOPAT+持分法投資損益)/(有利子負債+株主資本−非稼働資産)、NOPAT(税引後営業利益)には事業部門に直課可能な営業外損益・特別損益を含む。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月24日)現在において当社グループが判断したものです。(1) 経営の基本方針当社グループは、「人々の求めるエネルギーを不断に提供し、日本と世界の持続可能な発展に貢献する」というミッション達成のため、2050年に向けて発電事業のカーボンニュートラル実現に挑んでいくこと、そのマイルストーンとする2030年までのCO2排出削減目標の達成に一定の見通しを得て、2030年以降の世界も見据えたカーボンニュートラル化の加速に向けて、資本効率も意識しつつ国内外においてカーボンニュートラルアセット中心となる事業ポートフォリオへの変換を目指します。また、電力安定供給やレジリエンス(強靭性)強化の要請に応えつつカーボンニュートラル実現に取り組んでいくために、それを支える強固な事業基盤の構築を図っていきます。当社グループは、サステナブルな成長を実現し、その成果を全てのステークホルダーと共に分かち合い、持続可能な社会の発展に貢献していきます。 (2) 当社グループを取り巻く経営環境と対処すべき課題世界情勢が不安定・不透明となる中、世界の電力需要は引き続き増加が見込まれ、エネルギー安全保障の重要性が一層強く認識される状況にあります。その一方、カーボンニュートラルに向けた現実的な解も求められています。わが国では、2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画において、S+3E(安全性を前提に、安定供給、経済効率性の向上、環境への適合を図る)という基本的視点のもと、DXやGXの進展による電力需要増加への対応とエネルギー安全保障の観点から、脱炭素電源を最大限活用しつつ、特定の電源や燃料源に過度に依存しないバランスの取れた電源構成を目指すとされました。加えて、2025年5月に改正された脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(GX推進法)により、2026年度からCO2直接排出量が10万t-CO2/年以上の事業者に対して排出量取引制度(GX-ETS)への参加が義務付けられました。本制度により排出削減に向けた先行投資などの取組みを促進することで、脱炭素と産業競争力強化の同時実現を社会全体で目指していくことになります。当社グループは、カーボンニュートラル実現による企業価値向上を目指す2050年に向けた長期ビジョンとしてJ-POWER“BLUE MISSION 2050”を策定しています。中期経営計画(2024-2026)では、2030年以降のカーボンニュートラル化の加速に対応するため、5つの重点項目を示しています。この取組みに注力することで、事業ポートフォリオとビジネスモデルの変換を進め、上述のように変化する環境の中で、電力安定供給と気候変動対応の両立を図り、企業価値の向上を目指します。 ※1 電源開発送変電ネットワーク㈱(J-POWER送変電)の取組み。 ① 持続可能な収益源の確立と成長a.国内再生可能エネルギー事業当社グループではカーボンニュートラルの実現に向けて再生可能エネルギーの開発を加速してきましたが、競争が増す中、規模拡大だけでなく収益性を向上させる必要性もますます高まっています。このため、新規開発に加え、既存の発電所をより効率的な発電所に更新する取組みや稼働率の向上など既存資産を最大限に活用する取組みにより再生可能エネルギーの発電電力量を増大しつつ、コーポレートPPA※2など新たな販売方法の導入により環境価値の実現を目指します。2025年度には北九州響灘洋上ウインドファーム、北九州市響灘太陽光発電所、奥只見発電所(水力)などの新設・更新による設備出力の拡大に加えて、稼働率向上などに取組みました。また、当社初となる水力発電所由来の環境価値に係る長期販売契約を締結しました。今後も発電電力量増大と環境価値実現に向けた取組みを進めてまいります。 ※2 企業や自治体などの需要家が、発電事業者から再生可能エネルギーの電力・環境価値を長期に亘って購入する契約。 b.海外事業世界では今後も多くの事業機会が見込まれるため、それを取り込むことにより当社グループの成長につなげてまいります。発電事業のみならず、再生可能エネルギーなどの開発者利益の獲得を軸に、資本効率を改善しながら事業セグメントと事業エリアを拡大し、多様な時間軸で利益創出できるビジネスモデルへのトランジションを目指します。2025年度には、北米ガス火力権益売却による利益獲得が実現した一方で、豪州再生可能エネルギープロジェクトにおいて減損損失の計上が発生しました。個別プロジェクトの進捗としては、当社出資先が米国の大規模太陽光発電所やインドネシア国の水力発電所の建設に着手したほか、フィリピン国での複数の水力発電所を譲受し、事業運営を開始しました。また、スペイン国における浮体式洋上風力発電の実証試験プロジェクトに参画し、その開発に向けた知見の獲得を図っています。今後も海外事業全体としての収益拡大を目指し、多様な事業を各国で機動的・効率的に推進してまいります。 ② 2030年代事業ポートフォリオへの布石当社グループは2030年以降のカーボンニュートラル化の加速に向けて国内火力のトランジションを進め、資本効率も意識しながら、2030年代に国内外でカーボンニュートラルアセットが中心となる事業ポートフォリオへの変換を目指します。 a.CO2フリー水素・アンモニア戦略当社グループは、将来的なCO2フリー水素発電の実現に向け、石炭ガス化発電(IGCC)技術※3の商用化を目指すGENESIS松島計画※4の検討を行っています。また、水素やアンモニア、CCS※5などサプライチェーンの上流から下流にわたる多様な可能性を追求する観点で、2025年4月にはCCSに関する組織・機能を集約した新組織を設置し、西日本におけるCCS事業の事業化検討、豪州沖・マレー半島沖でのCCS事業の検討・調査などを進めています。このような取組みにより、脱炭素技術の確保を図り、確実な火力トランジションを目指します。 ※3 ガス化炉で石炭から水素や一酸化炭素などのガスを生成し、発電に利用する技術。※4 経年化した松島火力発電所に新技術の石炭ガス化設備を付加。※5 Carbon dioxide Capture and Storage、CO2の分離・回収・貯留。 b.電力ネットワーク増強への貢献※6これからの再生可能エネルギーの大量導入に向けて、再生可能エネルギーの適地(北海道、東北、九州など)で発電された電気を消費地まで届けるための電力ネットワークの増強が要請されています。当社グループは、保有する佐久間周波数変換所の保守を通じて東西日本を結ぶ電力運用に貢献していますが、佐久間周波数変換所増強計画を推進することで、電力系統の広域的運用に貢献します。また、これまでの実績を基に電力ネットワーク増強に貢献する事業機会を追求し、収益への貢献を図ります。 ※6 電源開発送変電ネットワーク㈱(J-POWER送変電)の取組み。 c.安全を大前提とした大間原子力発電所計画の推進当社グループは、青森県下北郡大間町にて、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用する大間原子力発電所の建設を進めています。同発電所は、エネルギー安定供給を支えるベースロード電源であり、気候変動問題対応の社会的要請に応えるCO2フリー電源としての役割に加えて、日本政府がプルトニウムの保有量減少を求める中でフルMOX運転により多くのプルトニウム消費が可能となる原子燃料サイクルの中核を担う発電所として重要性が高まっています。現在実施中の原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査は、2024年11月に基準津波、2025年5月に基準地震動について概ね妥当と評価されるなど、着実に進展しており、新たな工事の開始・終了時期についてはしかるべき時期に公表することを見込んでおります。また、長期脱炭素電源オークション制度※7については2025年度に応札し、落札しており、活用してまいります。引き続き必要な安全対策などを着実に実施することで早期の建設工事本格化を目指し、大間原子力発電所計画を着実に推進します。 ※7 カーボンニュートラル実現に資する新規電源投資を促すため、原則20年間にわたり落札価格が交付される入札制度。 d.新たな事業領域の創造カーボンニュートラルへの移行やデジタル技術をはじめとするイノベーションの進展により、社会・経済構造の大きな変革が想定されています。当社グループはスタートアップなどへの投資と連携を通じ、当社グループが有する技術・ノウハウとの融合による価値創造を目指します。2025年度には、カーボンニュートラルやエネルギー分散化、及びデータセンター需要の取り込みの観点で、新規事業創出に資する複数のスタートアップに出資を行ったほか、環境配慮型高機能リサイクル繊維の量産化検証など、複数の既存出資先において共同実証事業を開始しております。引き続き、幅広い領域でのさらなる価値の探索と事業開発に向けた取組みを進めてまいります。 ③ 収益力・投資効率の向上当社グループはROIC(投下資本利益率)を資本効率を測る指標とし、セグメント別ROICを算定、公表しています。設備運用見直しや環境価値実現などによる利益の拡大、高収益・成長分野への資本重点投下、アセットの入れ替えを通じた資金回収の早期化など、事業特性を踏まえた資本効率向上策の検討・実践を各事業部門に促し、全社ROICの向上を目指します。 ④ グループ競争力の強化個人を尊重し、多様な業務経験機会を確保し、従業員のチャレンジを支援する人財制度を整備・充実し、知恵と技術のさきがけとなる多彩な人財を育成し続けることで、日本と世界が直面する様々な社会課題の解決に貢献しつつ、企業価値の向上を目指します。また、当社グループのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進ビジョン“DX 3S×AI”※8の実現に向けた具体的施策の推進により人財の「よりょく」(余力(ゆとりの力)、与力(新たな力)、予力(見通す力))を創出し、グループ競争力の強化を目指します。 ※8 「Safety 安全・安心」「Smartness 効率性・即応性」「Strength 稼ぐ力」×AI ⑤ ESG経営の深化当社グループはESG経営推進体制を整備し、また5つのマテリアリティを特定してESG経営を推進してきました。今後もPDCAサイクルを回しながらESG経営の深化を図ります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループは、中期経営計画において、2030年代に実現を目指す財務目標として「ROE8%以上」を設定しています。当財務目標の実現に向けては、ROIC(投下資本利益率)の導入を通じて、資本効率を高めることを意識しつつ、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標として2026年度「連結経常利益900億円」を採用しています。2025年度の連結経常利益は1,585億円となりました。また、2025年度の国内発電事業のCO2排出量(速報値)は3,577万t(2013年度実績比 △1,300万t)となり、非財務の目標を達成しました。引き続き経営目標達成に向けて取り組んでまいります。 項目経営目標連結経常利益 2026年度 900億円 項目経営目標達成時の主な経営指標水準親会社株主に帰属する当期純利益 2026年度 620億円ROE 2026年度 5.0%程度稼働資産ROIC※9 2026年度 3.5%程度 (注)上記財務目標は、有価証券報告書提出日(2026年6月24日)現在において予測できる事情等を基礎とした当社グループの合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。 項目非財務の目標国内発電事業CO2排出量(2013年度実績比)2025年度 △920万t(達成)2030年 △2,250万t(△46%)国内再生可能エネルギー発電電力量(2022年度比) 2030年度までに年間+40億kWh ※9 (NOPAT+持分法投資損益)/(有利子負債+株主資本−非稼働資産)、NOPAT(税引後営業利益)には事業部門に直課可能な営業外損益・特別損益を含む。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の収入面は、タイで販売電力量が減少したことや松島火力発電所を休廃止したこと及び容量市場価格の下落等により、売上高(営業収益)は前連結会計年度に比べて10.2%減少の1兆1,822億円となりました。営業外収益は、米国火力発電事業の持分譲渡による持分法投資利益の増加等により、前連結会計年度に比べて143.6%増加の973億円となり、経常収益は前連結会計年度に比べて5.7%減少の1兆2,796億円となりました。一方、費用面は、発電事業の燃料費及び他社購入電源費が減少したことや海外事業の燃料費が減少したこと等により、営業費用は前連結会計年度に比べて8.2%減少の1兆812億円となりました。これに営業外費用を加えた経常費用は前連結会計年度に比べて7.8%減少の1兆1,211億円となりました。経常利益は、発電事業の修繕費の増加や豪州炭鉱権益保有子会社の石炭販売価格の低下があったものの、持分法投資利益の増加等により、前連結会計年度に比べて13.2%増加の1,585億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、豪州に所在する再生可能エネルギー発電設備や高砂火力発電所等で減損損失を計上したことに加えて、大間原子力発電所計画において、計測制御機器類等の品質及び信頼性確保の観点から、一部の機器類を除却したことに伴う固定資産除却損を特別損失に計上したこと等により、前連結会計年度に比べて36.7%減少の585億円となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。(発電事業)再生可能エネルギーの販売電力量は、水力出水率の低下(91%→88%)等により、前連結会計年度に比べて2.6%減少の98億kWhとなりました。火力の販売電力量は、発電所利用率の上昇(58%→67%)等により、前連結会計年度に比べて1.5%増加の418億kWhとなりました。卸電力取引市場等から調達した電力の販売量は、前連結会計年度に比べて9.3%減少の150億kWhとなり、発電事業全体の販売電力量は、前連結会計年度に比べて1.7%減少の667億kWhとなりました。売上高(電気事業営業収益及びその他事業営業収益)は、松島火力発電所を休廃止したことや容量市場価格の下落等により、前連結会計年度に比べて10.5%減少の8,656億円となりました。セグメント利益は、松島火力発電所を休廃止したことや修繕費の増加等により、前連結会計年度に比べて33.8%減少の453億円となりました。 (送変電事業)売上高(電気事業営業収益)は、託送収益の減少により、前連結会計年度に比べて1.2%減少の498億円となりました。セグメント利益は、売上の減少や支払利息の増加等により、前連結会計年度に比べて37.4%減少の17億円となりました。 (電力周辺関連事業)売上高(その他事業営業収益)は、豪州炭鉱権益保有子会社の石炭販売価格の低下等により、前連結会計年度に比べて12.4%減少の899億円となりました。セグメント利益は、売上の減少等により、前連結会計年度に比べて50.2%減少の169億円となりました。 (海外事業)販売電力量は、タイで減少したことにより、前連結会計年度に比べて19.5%減少の144億kWhとなりました。売上高(海外事業営業収益)は、販売電力量が減少したこと等により、前連結会計年度に比べて6.9%減少の2,278億円となりました。セグメント利益は、米国火力発電事業の持分譲渡による持分法投資利益の増加等により、前連結会計年度に比べて174.9%増加の948億円となりました。 (その他の事業)売上高(その他事業営業収益)は、前連結会計年度に比べて11.8%減少の160億円となりました。セグメント利益は、前連結会計年度に比べて32.9%減少の4億円となりました。 資産については、米国チャージャー太陽光発電所建設工事や佐久間東西幹線増強工事の進捗及び円安の影響等により、前連結会計年度末に比べて709億円増加し3兆7,397億円となりました。一方、負債については、前連結会計年度並みの2兆2,052億円となりました。このうち、有利子負債額は前連結会計年度末に比べて41億円増加し1兆8,832億円となりました。なお、有利子負債額のうち3,343億円は海外事業のノンリコースローン(責任財産限定特約付借入金)です。また、純資産については、自己株式の取得による減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べて709億円増加し1兆5,344億円となりました。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の36.4%から37.6%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、利息及び配当金の受取額が増加したものの、営業利益の減少や法人税等の支払額の増加等により、前連結会計年度に比べて収入が260億円減少し、2,242億円の収入となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出の増加等により、前連結会計年度に比べて支出が704億円増加し、1,932億円の支出となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出が増加したものの、社債の発行による収入や借入れによる収入の増加等により、前連結会計年度に比べて支出が694億円減少し、642億円の支出となりました。 以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて242億円減少の3,488億円となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績当社グループが実施する事業のうち、発電事業の受給実績、販売実績、資材の状況及び海外事業の販売実績について記載しております。 ○ 発 電 事 業a.受給実績種別当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)発受電電力量(百万kWh)69,60998.4損失電力量等(百万kWh)△2,88499.7内部取引(百万kWh)△13176.6販売電力量(百万kWh)66,71298.3 (注)発受電電力量は、水力・汽力・風力発電電力量等の合計です。 b.販売実績① 販売実績 当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比 (%)電力量 (百万kWh)電力料 (百万円)電力量電力料発電事業・電力販売事業66,712832,37698.389.0 (注)発電事業の販売電力量及び電力料は、水力・汽力・風力等の合計です。 ② 主要顧客別売上状況 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)売上高(百万円)割合(%)売上高(百万円)割合(%)(一社)日本卸電力取引所220,37616.7191,73216.2中国電力㈱149,99511.4121,88910.3 (注)割合は営業収益に対する割合です。 c.資材の状況① 石炭、重油及び軽油の受払状況(イ) 石 炭 期首残高(t)受入量(t)払出量(t)棚卸修正(t)期末残高(t)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)1,265,29116,018,63915,768,19836,0611,551,793前年同期比(%)85.3104.3101.4-122.6 (ロ) 重 油 期首残高(kl)受入量(kl)払出量(kl)棚卸修正(kl)期末残高(kl)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)26,25720,55328,633△10718,070前年同期比(%)74.890.991.1493.168.8 (ハ) 軽 油 期首残高(kl)受入量(kl)払出量(kl)棚卸修正(kl)期末残高(kl)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)8,68726,86826,4461399,248前年同期比(%)87.795.189.163.7106.5 ○ 海 外 事 業 ① 販売実績 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)電力量(百万kWh)電力料(百万円)電力量(百万kWh)電力料(百万円)ガス火力(コンバインドサイクル)17,818239,83314,260221,980 (注)タイ及びアメリカにおけるプロジェクトのうち、主要な販売実績について記載しております。 ② 主要顧客別売上状況 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)売上高(百万円)割合(%)売上高(百万円)割合(%)タイ電力公社180,69513.7147,09512.4PJM32,6302.555,4824.7 (注) 1 割合は営業収益に対する割合です。 2 PJM は米国東部地域における独立系統運用機関(Independent System Operator)です。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、当連結会計年度末における資産及び負債の報告数値並びに当連結会計年度における収益及び費用の報告数値に影響を与える見積りを行う必要があります。当該見積りについては、経営者は過去の実績や見積り時点で入手可能な情報等に基づく仮定を用いて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。当社グループは、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、以下のものが重要であると考えております。なお、a.固定資産の減損については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」にも記載しております。 a.固定資産の減損当社グループは、継続的に収支の把握を行っている管理会計上の区分を基本として資産をグルーピングしております。減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産及び資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を認識します。減損の兆候の判定並びに減損損失の認識及び測定に当たっては、過去の実績や入手可能な情報等を踏まえた合理的な見積り及び仮定に基づき検討しておりますが、経営環境、市況又は事業計画の変化により当該見積り及び仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。 b.有価証券の減損当社グループは、時価のある有価証券について、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価を以て貸借対照表価額とし、評価差額を減損損失として認識します。また、時価のない有価証券について、当該会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく下落したときは、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、相当の減額を行い、評価差額を減損損失として認識します。回復可能性の検討に当たっては、過去の実績や入手可能な情報等を踏まえた合理的な見積り及び仮定に基づき検討しておりますが、経営環境、市況又は事業計画の変化により当該見積り及び仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。 c.退職給付費用及び債務当社及び一部の国内子会社は、数理計算上で設定される前提条件(割引率、将来の退職金ポイント累計、退職率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等)に基づき、従業員に係る退職給付費用及び債務を算出しておりますが、実際の算出結果が前提条件と異なる場合、特に株価等市況が大きく変化し年金資産の実運用収益率が影響を受けた場合又は割引率が低下した場合、数理計算上の差異が大きくなり、その償却により人件費が影響を受けます。 d.繰延税金資産の回収可能性当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の判断に当たって、将来の課税所得を合理的に見積もっております。将来の課税所得の見積りに当たっては、合理的な要因に基づく業績予測等を前提としておりますが、経営環境の変化又は税制改正による法定実効税率の変更等が生じ、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を減額し費用を計上します。また、当該変更等により計上金額を上回る繰延税金資産を将来回収できると判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を増額し収益を計上します。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績の分析(イ)営業収益営業収益は、前連結会計年度に比べて1,344億円(10.2%)減少の1兆1,822億円となりました。このうち電気事業営業収益は、松島火力発電所を休廃止したことや容量市場価格の下落等により、前連結会計年度に比べて1,026億円(10.4%)減少の8,860億円となりました。海外事業営業収益は、タイで販売電力量が減少したこと等により、前連結会計年度に比べて167億円(6.9%)減少の2,278億円となりました。また、その他事業営業収益は、豪州炭鉱権益保有子会社の石炭販売価格が低下したこと等により、前連結会計年度に比べて150億円(18.0%)減少の683億円となりました。 (ロ)営業費用及び営業利益営業費用は、前連結会計年度に比べて970億円(8.2%)減少の1兆812億円となりました。電気事業営業費用は、修繕費の増加があったものの、火力の燃料費や他社購入電源費の減少等により、前連結会計年度に比べて805億円(8.9%)減少の8,263億円となりました。海外事業営業費用は、燃料費の減少等により、前連結会計年度に比べて172億円(8.3%)減少の1,893億円となりました。また、その他事業営業費用は、前連結会計年度に比べて6億円(1.0%)増加の655億円となりました。営業利益は、売上の減少に加え、発電事業の修繕費の増加や豪州炭鉱権益保有子会社の石炭販売価格が低下したことによる減益等により、前連結会計年度に比べて373億円(27.0%)減少の1,009億円となりました。 (ハ)営業外収益と費用及び当期経常利益営業外収益は、米国火力発電事業の持分譲渡による持分法投資利益の増加等により、前連結会計年度に比べて574億円(143.6%)増加の973億円となりました。営業外費用は、前連結会計年度に比べて16億円(4.4%)増加の398億円となりました。営業利益の減少はあったものの、持分法投資利益が増加したこと等により、経常利益は前連結会計年度に比べて184億円(13.2%)増加の1,585億円となりました。 (ニ)親会社株主に帰属する当期純利益税金等調整前当期純利益は、経常利益の増加があったものの、豪州に所在する再生可能エネルギー発電設備や高砂火力発電所等で減損損失(特別損失)を計上したことに加えて、大間原子力発電所計画において、計測制御機器類等の品質及び信頼性確保の観点から、一部の機器類を除却したことに伴う固定資産除却損(特別損失)を計上したこと等により、前連結会計年度に比べて333億円(23.8%)減少の1,067億円となりました。法人税等合計は、米国火力発電事業の持分譲渡による課税所得の増加があったものの、当社や豪州炭鉱権益保有子会社で課税所得が減少したこと等により、前連結会計年度に比べて46億円(12.5%)減少の328億円となりました。また、非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて52億円(52.0%)増加の152億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて339億円(36.7%)減少の585億円となりました。 b.経営成績に重要な影響を与える要因○ 営業収益(電気事業営業収益)当社グループの電気事業営業収益は主に、当社グループの発電設備で発電した電力の販売による収入、卸電力取引市場等から調達した電力の販売による収入、容量市場からの収入、並びに一般送配電事業者からの託送料収入により構成されます。販売電力量は、小売電気事業者等の電力需給動向により影響を受けるため、当社グループの電力量料金に係る収入は間接的に電力需給の影響を受けます。 (イ) 発電設備容量当社グループは、発電施設の建設にあたり、長期的な電力需要の見通し、市場競争の進展度合い等の想定されうる将来の事業環境を前提に、当該発電施設の収益性を判断し、開発計画を策定しております。想定以上の事業環境の変化により当社が期待する収益性を確保できない可能性はありますが、基本的に発電設備容量の増加は販売電力量及び販売電力料の増加に結びつきます。 (ロ) 電力需要日本の最終電力需要の見通しによっては、長期的に建設・運転可能な発電所数等が左右されることになり、間接的に当社グループの収益に影響します。また、電力需要は冷夏・暖冬等の天候によっても影響を受けます。 (ハ) 電気料金等小売電気事業者等への販売料金は、電気事業法の改正に伴い、2016年4月より卸規制等が撤廃され、販売先との協議により決定しております。卸電力取引市場への販売料金は電力市場価格に基づくため、当該価格変動の影響を受けます。一方、送電事業に関する料金は、規制部門として適正な原価に適正な利潤を加えて算定しております。発電事業に関する小売電気事業者等への販売料金及び卸電力取引市場などから調達する電力についての販売料金の詳細な条件は契約当事者間で協議のうえ、契約により決定し、適宜改定を行っています。なお、火力発電設備の従量料金の大半を占める燃料費相当部分については、海外炭の価格動向など市況の変動が大きいため、原則として販売先との間で燃料調達に係る市況の変動を適宜反映する仕組みを導入しております。 (海外事業営業収益)当社グループの海外事業営業収益は主に、タイにおける当社の連結子会社とタイ電力公社との長期電力販売契約に基づく販売電力料収入及びアメリカにおける当社の連結子会社の電力市場での販売電力料収入です。タイにおいては、販売電力料収入には固定料金である基本料金収入と販売電力量に応じた電力量料金収入があります。当社の連結子会社の販売電力量は、販売先であるタイ電力公社の電力需給動向により影響を受けるため、当社の連結子会社の電力量料金に係る収入は間接的に電力需給の影響を受けます。また、アメリカにおいては、販売電力料収入には販売容量に応じた容量収入と販売電力量に応じた電力量料金収入があります。当社の連結子会社の容量収入は容量市場における容量需給動向により変動します。当社の連結子会社の販売電力量は、電力市場における電力需給動向により影響を受けるため、当社の連結子会社の電力量料金に係る収入は電力需給の影響を受けます。 ○ 営業費用(電気事業営業費用)(イ) 減価償却費重要な減価償却資産の減価償却の方法は、定額法によっております。今後、新たに大規模な設備が資産計上されると減価償却費も増加します。 (ロ) 燃料費火力発電所の燃料に使用する石炭については、主として長期契約若しくは期間1年程度の契約により行っております。また、補完的にスポットでの調達も行っております。長期契約に基づく石炭の購入価格は、通常、1年に1回市場価格を踏まえて調整されます。当社の燃料費は、石炭の価格変動、輸送船舶の需給状況、燃料調達先の設備・操業トラブル等の影響を受けます。 (ハ) 人件費従業員に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件(割引率、将来の退職金ポイント累計、退職率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等)に基づき算出されておりますが、実際の算出結果が前提条件と異なる場合、特に株価等市況が大きく変化し年金資産の実運用収益率が影響を受けた場合又は割引率が低下した場合、数理計算上の差異が大きくなり、その償却により人件費が影響を受けます。 (ニ) 修繕費設備信頼性を維持するため計画的な補修を実施しておりますが、定期点検の内容、規模等により修繕費は変動します。 (ホ) 他社購入電源費電力市場価格や販売先との契約に基づく販売電力量等により、卸電力取引市場等からの電力の調達に要する他社購入電源費は変動します。 (海外事業営業費用)(イ) 燃料費タイにおける火力発電に用いる燃料の天然ガスは、タイ石油公社と長期燃料供給契約を締結し購入しております。当社の連結子会社の燃料費は、ガス価格の変動、タイ石油公社の設備・操業トラブル等の影響を受けます。また、アメリカにおける火力発電に用いる燃料の天然ガスは、市場から購入しております。当社の連結子会社の燃料費は、ガス価格の変動の影響を受けます。 ○ 営業外収益・費用営業外費用には、支払利息のほか為替差損があり、金利及び為替の変動によって影響を受けます。 c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 (イ) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 (ロ) 資金需要の動向 当社グループの主な資金需要は、発電事業、送変電事業及び海外事業への設備投資並びに長期負債の借換資金です。当連結会計年度の発電事業に係る設備投資は、前連結会計年度より27億円増加の807億円、送変電事業に係る設備投資は、前連結会計年度より155億円増加の443億円、海外事業に係る設備投資は、前連結会計年度より379億円増加の602億円です。 (ハ) 資金調達の方法及び状況当社グループの資金需要は設備投資と債務の借換に係るものが大半であるため、資金調達は長期資金で手当てすることを原則としています。長期資金調達に際しては、安定的な資金調達手段として普通社債の発行及び金融機関からの借入を行っており、当連結会計年度末の普通社債発行残高は7,339億円、借入残高は1兆1,381億円となりました。短期資金については、運転資金に加え、調達の即応性を高める観点から機動的なつなぎ資金調達を実施することとしており、これら短期の資金需要を満たすために3,000億円のコマーシャル・ペーパーの発行限度枠を設定しています。なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末から41億円増加し1兆8,832億円となりました。○ 長期有利子負債当連結会計年度末の長期有利子負債は、社債6,789億円、長期借入金9,897億円です。なお、長期借入金のうち2,917億円はノンリコースローン(責任財産限定特約付借入金)です。○ 短期有利子負債当連結会計年度末の短期有利子負債は、1年以内に償還予定の社債550億円、1年以内に返済予定の長期借入金1,484億円及び短期借入金82億円です。なお、1年以内に返済予定の長期借入金のうち450億円はノンリコースローン(責任財産限定特約付借入金)です。 d.目標とする経営指標の達成状況等当社グループは、中期経営計画(2024-2026)において、2026年度に実現を目指す経営目標として「連結経常利益900億円」を設定しています。また、経営目標達成時の主な経営指標水準として、「親会社株主に帰属する当期純利益620億円」「ROE 5.0%程度」及び「稼働資産ROIC 3.5%程度」を設定しています。当連結会計年度における連結経常利益は1,585億円、親会社株主に帰属する当期純利益は585億円、ROEは4.3%、稼働資産ROICは4.5%となりました。引き続き経営目標達成に向けて取り組んでまいります。
事業リスク
- 気候変動問題への対応CO2排出量が多い石炭火力発電所を多数保有しており、政府のカーボンニュートラル目標や排出量取引制度、炭素賦課金導入などの規制強化が事業計画や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。脱炭素化への取り組みは進めているものの、その進捗やコストが経営に影響を与えるリスクがあります。
- 電力システム改革の影響電力小売の全面自由化や発送電分離など、電気事業制度改革の進展により市場競争が激化しています。卸電気事業者としての料金規制撤廃により、販売先との協議や市場動向によって収益が変動する可能性があり、安定的な収益確保が困難になるリスクがあります。
- 大間原子力発電所計画の不確実性大間原子力発電所計画は、新規制基準への適合性審査の進捗や追加の安全対策工事により、工程の延伸や建設費の増加、関連費用の発生が懸念されます。これにより、事業計画に大きな影響を与え、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】以下には、当社の財政状態、経営成績並びに現在及び将来の事業等に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(2026年6月24日)において当社が入手可能な情報等に基づいて判断したものです。また、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、当社が必ずしも重要なリスクとは考えていない事項であっても、事業等のリスクを理解する上で投資家にとって参考となる情報は記載しております。また、以下の記述は、別段の意味に解される場合を除き、連結ベースでなされており、「当社」には当社並びに当社の連結子会社及び持分法適用会社(連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和51年大蔵省令第28号)の定義に従います。)が含まれております。 (1) 気候変動問題について当社は、LNG等他の化石燃料を使用する発電所と比較して、発電量当たりのCO2排出量が相対的に多い石炭火力発電所を多数有しておりますが、化石電源のゼロエミッション化を2050年に向けた目標として掲げ、その実現に向けて石炭火力の高効率化・低炭素化等に取り組んでおります。また、CO2フリー電源である再生可能エネルギーの導入拡大、原子力発電の開発などにも取り組んでおります。さらに、2015年7月に当社を含む電気事業者により策定された「電気事業における低炭素社会実行計画」に基づき、電気事業全体での目標の達成に向けて最大限努力しております。日本国内では、2050年のカーボンニュートラル実現を目指すという政府目標が示され、第7次エネルギー基本計画においては、再生可能エネルギー、原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用することに加え、火力発電について、安定供給に必要な発電容量を維持・確保しつつ、非効率な石炭火力を中心に発電量を減らしていくことが示されています。カーボンニュートラル目標と安定供給の両立に資する電源を対象に、新規の設備投資に対して長期予見性を付与する仕組みである「長期脱炭素電源オークション」が2023年度より導入されました。また、2025年5月に改正された「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(GX推進法)」に基づき、2026年度からCO2排出量が一定規模以上の事業者に対して、排出量取引制度(GX-ETS)への参加が義務付けられています。加えて、2028年度から化石燃料輸入事業者等を対象に炭素に対する賦課金(化石燃料賦課金)が導入され、2033年度から発電事業者を対象とした有償オークションが導入される予定です。当社としてもこれらの動向を注視しつつ、カーボンニュートラル目標に貢献する電源の開発や、気候変動問題の解決に資する事業の運営に取り組んでまいります。一方で、中長期的な温室効果ガス削減に向けた政策の進展を背景に、GX-ETSや今後導入が予定されている化石燃料賦課金及び有償オークションについて、制度運用の具体化や水準の見直しにより、当社の発電コストや設備投資計画等に影響が生じる可能性があります。加えて、気候変動問題への対応に関する新たな法的規制等が導入された場合には、当社の事業計画・事業運営に大幅な変更や制約等が生じ、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 電気事業制度改革の進展等による当社の料金収入等への影響について2013年4月に閣議決定された「電力システムに関する改革方針」に基づく電気事業制度改革によって、当社を取り巻く事業環境は大きく変化しております。電気事業法改正により、2016年4月には電力小売参入が全面自由化されるとともに、卸電気事業者に関する規制(事業許可制や料金規制)が撤廃されました。また、2020年4月には当社及び旧一般電気事業者は送配電部門の法的分離を実施しました。今後さらに、旧一般電気事業者に対する電気小売料金規制(経過措置)の見直しが行われる予定です。 制度改革における電気事業類型の見直しに伴い、2016年4月より当社は改正前の電気事業法で規定されていた卸電気事業者から、発電事業及び送電事業を営む電気事業者となりました。発電事業に関する料金は、原価主義に基づく料金規制等が撤廃され、市場競争環境下で販売先との協議により決定されることになります。また、送電事業に関する料金は、健全な送配電ネットワーク維持のため引き続き規制分野として原価主義に基づく料金制度となっております(当社の電気料金については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照)。当社の営業収益の大半は、国内における旧一般電気事業者への販売による料金収入であるため、当社は、市場競争が進んでいく発電事業分野で、持続的に当社の発電事業が価値を発揮できるような取組みを進めております。具体的には、旧一般電気事業者を主とする販売先との適切な料金協議や電力販売の多様化による収益基盤の安定化の取組みに加えて、発電設備の保守高度化による競争力の強化等の取組みも進めております。しかしながら、かかる取組みにもかかわらず、今後の長期的な電力需要の推移、更なる市場競争の進展、販売先との協議、法的規制等によって事業計画・事業運営に大幅な変更等が生じ、又は予期せぬ設備トラブル等により発電コストに見合った収益を確保できない場合、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 大間原子力発電所計画について大間原子力発電所計画は、1995年8月の原子力委員会決定によって、国及び電気事業者の支援の下、当社が責任を持って取り組むべきとされた全炉心でのMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料利用を目指した改良型沸騰水型軽水炉(フルMOX-ABWR)であり、軽水炉でのMOX燃料利用計画の柔軟性を広げるという政策的な位置付けを持つものとされております。このため、全炉心でのMOX燃料利用に関する技術開発部分について、「全炉心混合酸化物燃料原子炉施設技術開発費補助金交付要綱」に基づき、政府から補助金の交付を受けております。また、既に沖縄電力㈱を除く旧一般電気事業者9社と基本協定を締結しており、その中で旧一般電気事業者9社による適正原価等での全量受電が約されております。加えて、計画の現況についても旧一般電気事業者9社と定期的に確認しております。なお、当社は、大間原子力発電所について、2025年度の長期脱炭素電源オークションに応札し、落札しております。今後、長期脱炭素電源オークションを活用しつつ、旧一般電気事業者9社との協議を進めてまいります。大間原子力発電所計画は、全炉心でのMOX燃料利用の原子力発電所として、地元大間町、青森県の同意を得て、1999年8月に電源開発調整審議会により電源開発促進法で定める国の電源開発基本計画に組み入れられ、2008年4月には「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」に基づく原子炉設置許可、5月には電気事業法に基づく工事計画認可(第1回)を経済産業大臣から受け、着工に至っております。この時点で予定していた工事費は4,690億円でした。その後、2011年3月に発生した東日本大震災直後より工事を休止しておりましたが、2012年10月より工事を再開しております。当社は、2013年7月に施行された原子力発電所に係る新規制基準への適合性審査を受けるため、2014年12月16日に原子力規制委員会に対し、原子炉設置変更許可申請書及び工事計画認可申請書を提出しました。具体的な取組みは多岐にわたりますが、シビアアクシデントを防止するために、設計基準事故対策の強化及び地震・津波等への想定や対応策の強化を行うとともに、新規制基準において新設された重大事故等対策として、炉心損傷の防止及び格納容器の破損防止のための対策を行っております。さらに、航空機衝突等のテロ対策として、原子炉格納容器の破損による外部への放射性物質の異常な放出を抑制するため原子炉の減圧等の遠隔操作を可能とする特定重大事故等対処施設を設置することとしています。当社は、上記申請の中で取り纏めた追加の安全強化対策工事をできるだけ早期に開始し、2029年後半に終了する目標を掲げておりますが、原子力規制委員会の審査の状況、新規制基準への追加の対応等を踏まえると、目標の達成は厳しい状況です。そのような中で、当社は、追加の安全強化対策工事に係る工程の精査を進めております。なお、安全強化対策工事については、先行して適合性審査に合格した同型炉の安全強化対策の内容や規模も参考に更なる対策の実施を検討しており、2014年12月16日の上記申請書に記載した工事費見通し約1,300億円についても、それに伴う相応の増額を見込んでおります。また、現在実施している安全強化対策工事に係る工程の精査が順調に進んだ場合には、しかるべき時期に具体的な工事の開始・終了時期を公表することができると見込んでおりますが、工程精査の結果、工事費が更に増額する可能性があります。加えて、原子力発電においては、国の原子力政策の見直しなど原子力事業を取り巻く状況の大幅な変化や更なる市場競争の進展、予期せぬ事態の発生等による計画変更等のリスク、また、運転開始後には、放射性物質の貯蔵と取扱いに関するリスク、他の発電設備と同様、自然災害、不測の事故等のリスクも存在します(「(7) 自然災害、疫病の流行等について」を参照)。一方で、全炉心でMOX燃料の利用が可能な大間原子力発電所は、国がエネルギー基本計画において基本的方針としている原子燃料サイクルに大きく貢献できる発電所です。年間最大6.6tPutのプルトニウムを回収可能な六ヶ所再処理工場が安定的に稼働するためには、フルMOX運転時に年間約1.7tPutのプルトニウムを消費できる大間原子力発電所は必要不可欠と考えております。当社は、これらの大間原子力の重要性を踏まえ、原子力規制委員会の適合性審査に真摯かつ適切に対応し、必要な安全対策等を着実に実施して全社を挙げて安全な発電所づくりに取り組むとともに、ここに記載した原子力発電事業の様々なリスクに対しても可能な限り対策を講じ、事業者として関係者とも協力しながら経済性を確認しつつ事業を推進していく所存ですが、仮にリスクが顕在化した場合、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 海外発電事業をはじめとする国内外での新たな事業への取組みについて当社は、収益基盤の強化を目指して、海外発電事業をはじめとする国内外での新たな取組みを進めております。具体的には、海外発電事業については、海外諸国でのコンサルティング事業の経験を活かしてIPP(独立系発電事業者)プロジェクトへの取組み等を進めております。また、国内電気事業については、高効率石炭火力発電所等の運営や、水力・風力・地熱等の再生可能エネルギーを利用した発電事業等に加えて、電力小売販売等にも取り組んでおります。しかしながら、これらの事業は、状況の大幅な変化、需要や市場環境の変化、規制の変更等の予期せぬ事態の発生等により、当社が期待したほどの収益を生まない可能性があり、これらの事情により事業計画の変更、事業・建設の取り止め等があれば、これに伴う関連費用の発生、追加資金拠出等により、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性もあります。また、これらの事業の中には第三者との合弁形態で運営されているものがあり、事業環境の変化に伴う合弁形態の見直しや、当社が非支配持分保有者に留まる合弁形態のために経営統制等に関与できない事態等が生じた場合、合弁事業の結果が、必ずしも当社の業績に有益な貢献をもたらさない可能性があります。さらに、海外での事業については、為替リスクに加え当該国の政情不安等によるリスク(カントリーリスク)が存在します。 (5) 資金調達について当社は、これまで発電所等への多額の設備投資を行っており、そのための設備資金を主として借入れ及び社債発行によって調達してきました。今後も、再生可能エネルギー発電設備や大間原子力発電所の新規開発をはじめとする国内外での新たな事業等への投資、既存の債務の償還等のための資金調達を必要とする見通しです。今後の資金調達にあたり、その時点における金融情勢、当社の信用状態又はその他の要因のために当社が必要資金を適時に適正な条件で調達することができなければ、当社の事業展開並びに財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 石炭火力発電用燃料について当社の石炭火力発電所は海外炭を主たる燃料としております。当社は、海外炭の調達にあたっては、供給の安定性と経済性を同時に追求するため、オーストラリア、インドネシア、北米などに調達地域を多様化しております。また、石炭の安定確保のために、一部の炭鉱においては権益を保有しております。なお、当社による海外炭の調達は、主として長期契約又は期間1年程度の契約により行われており、補完的にスポットでの購入も行っております。長期契約に基づく石炭の購入価格は、通常、1年に1回市場価格を踏まえて調整されます。当社の燃料費は、海外炭の価格変動、輸送船舶の需給状況、燃料調達先の設備・操業トラブル等により影響を受けますが、主要な石炭火力発電所の電力料金の燃料費相当部分については、販売先との間で燃料調達に係る市況の変動を適宜反映することとしているため、当社の業績への影響は限定的です。ただし、石炭価格の急激な上昇等があった場合、これに伴う燃料費の上昇分を料金に反映させるまでにタイムラグがあるため、一時的に業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、石炭価格が大幅に下落し、当社が権益を保有している炭鉱の業績に影響が生じた場合、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) 自然災害、疫病の流行等について自然災害、人為的なミス、テロ、燃料供給の中断又はその他の不測の事態により、当社の発電設備若しくは送・変電設備等又はこれらの設備を運転制御する情報システム等に重大な事故等があった場合、当社の事業運営に支障を来たし、ひいては周辺環境に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、当社が事業を実施している国及び地域における重要なインフラストラクチャーである発電設備及び送・変電設備の事故等の防止、関係者の安全確保並びに周辺環境の保全のため、保安・防災体制の確立、事故・災害の予防対策及び応急・復旧対策並びに環境モニタリング等に全社をあげて取り組んでおります。しかしながら、事故等のために当社の発電設備又は送・変電設備等が操業を停止した場合、さらには事故等のため周辺環境に悪影響を及ぼした場合には、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社は発電設備又は送・変電設備等の維持・運営等にあたり、電力安定供給のための対策を実施していますが、疫病の流行その他の不測の事態により、設備の運営、建設・補修工事又は大規模な点検等に必要な人員、原材料及び資機材等の確保が困難となる場合には、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 法的規制について当社事業の大半を占める電気事業については、電気事業法による規制を受けております。2014年6月の電気事業法改正により、2016年4月以降、改正前の電気事業法で定められていた卸電気事業者に関する規制(事業許可制や料金規制)は撤廃されましたが、当社は、引き続き同法に規定される発電事業及び送電事業を営む電気事業者として、事業規制及び保安規制、並びにこれらの規制に伴う変更・中止命令及び送電事業については許可の取消しに関する規定の適用を受けております。この他、当社の事業運営は様々な法令の適用を受けております。このため、当社がこれらの法令・規制を遵守できなかった場合、又はこれらの法令・規制の改正があった場合には、当社の事業運営や財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、原子力事業者による相互扶助の考え方に基づいて、将来にわたって原子力損害賠償の支払等に対応できる支援組織を中心とした仕組みを構築することを目的とする「原子力損害賠償・廃炉等支援機構法」により、原子力事業者は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構の業務に要する費用に充てるための負担金を納付することを義務付けられております。当社は、現在進めている大間原子力発電所計画について、同発電所が「原子力損害の賠償に関する法律」に定める原子炉の運転等を開始した後に、負担金を納付することとなりますが、かかる負担金の額によっては当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9) コンプライアンス・人権尊重について当社は、事業を遂行するうえで守るべき遵法精神・企業倫理に則った行動の規範として、「企業行動規範」を制定し、社員への浸透を図っております。また、法令や社内規程、社会規範等のコンプライアンスを徹底し、全社のコンプライアンス活動を推進するため「コンプライアンス行動指針」を制定するとともに、コンプライアンス推進策の審議及び実施状況評価、対応を図る組織として会長を委員長とする「J-POWERグループコンプライアンス委員会」を設置しております。人権尊重の取組みについては、「J-POWERグループ人権基本方針」を制定し、社長を責任者とするサステナビリティ推進会議の下部に「人権部会」を設置して人権に関する課題を関係部で横断的に議論を行い、サプライチェーンを含むすべてのステークホルダーの人権尊重の取組みを推進しております。しかしながら、当社にて、人権侵害も含めたコンプライアンスに反した行為が発生した場合には、当社のレピュテーションや業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10) 業務情報の管理について当社は、個人情報をはじめ機密を要する多くの重要な情報を保有しています。これらの情報については情報セキュリティ対策の推進、従業員教育等の実施により厳重に管理しておりますが、外部に流出した場合、当社のレピュテーションや業績に悪影響を及ぼす可能性があります。