事業の概要
- ガス製造・供給・販売北海道の主要都市(札幌、小樽、函館、千歳、北見など)を主な供給区域とし、家庭や企業に都市ガスを製造・供給・販売しています。LNG(液化天然ガス)の調達から供給まで一貫して行い、関連会社と連携して検針や保安業務も担っています。地域に密着した生活インフラとして安定的な収益基盤を築いています。
- 電力事業の展開北海道全域を対象に電力の発電と販売も手掛けています。自社での発電に加え、連結子会社の太陽光発電事業や持分法適用関連会社のバイオマス発電事業から電力を調達し、顧客に供給することで、エネルギー供給の多角化を進めています。これにより、ガス事業と合わせた総合的なエネルギーサービスを提供しています。
- エネルギー関連サービスガス小売事業(旧簡易ガス事業)やLPG(液化石油ガス)の販売、ガス機器の販売・貸付、ガス配管工事、冷温熱供給など、多岐にわたるエネルギー関連サービスを提供しています。特に、新興団地を中心に地域に根差したサービスを展開し、顧客の多様なニーズに応えることで、収益源の多様化と顧客基盤の強化を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- ガス事業北海道瓦斯グループの主力事業であり、売上高1,024.65億円、営業利益126.26億円と最も大きな収益を上げています。札幌、小樽、函館などの主要都市でガスの製造・供給・販売を行い、地域住民や企業に不可欠なエネルギーインフラを担っています。LNGの調達から供給、保安まで一貫して手掛ける基盤事業です。
- 電力事業売上高289.14億円、営業利益36.07億円を計上しており、ガス事業に次ぐ規模の収益源となっています。北海道全域を販売区域とし、自社発電や再生可能エネルギーを活用した電力の発電・販売を行っています。ガスと並ぶ主要なエネルギー供給源として、事業の多角化と安定化に貢献しています。
- その他エネルギー事業売上高378.07億円、営業利益10.63億円のセグメントです。ガス小売事業(旧簡易ガス事業)、LPG販売、ガス機器の販売・貸付、ガス配管工事、地域熱供給など、多岐にわたるエネルギー関連サービスを含みます。地域に密着したサービス展開により、顧客の多様なニーズに応え、グループ全体の収益を補完する役割を担っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Gas | 事業 | 1,025 | 126 | 12.3% |
| Power | 事業 | 289 | 36 | 12.5% |
| OtherEnergyBusiness | 地域 | 378 | 11 | 2.8% |
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3 【事業の内容】当社グループ(当社、連結子会社9社、持分法適用関連会社8社、持分法非適用非連結子会社4社の計22社)が営んでいる主な事業内容と各関係会社の当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。 「ガス」当社は、札幌市、小樽市、函館市、千歳市、北見市を主な供給区域としてガスの製造・供給及び販売を行っております。なお、当社は、LNG出荷・輸送業務を北海道LNG㈱(連結子会社)に、ガスの販売に関する検針等の業務を北ガスサービス㈱(連結子会社)に、ガス供給に関する保安・点検業務等を北ガスフレアスト㈱(連結子会社)、北ガスフレアスト北㈱(持分法適用関連会社)、北ガスフレアスト函館南㈱(持分法適用関連会社)、北ガスフレアスト函館北㈱(持分法適用関連会社)にそれぞれ委託しております。北海道LNG㈱は、LNG輸送のほか、所有するLNG関連設備を当社へ賃貸しております。釧路エルエヌジー㈱(持分法適用関連会社)は、釧路LNGターミナルの基地運営を行っており、当社はLNGを釧路エルエヌジー㈱に預託しております。石狩LNG桟橋㈱(持分法適用関連会社)は、所有するLNG受入設備を当社へ賃貸しております。室蘭ガス㈱(連結子会社)は、当社のLNGを原料として、室蘭市を主な供給区域としてガスの供給及び販売を行っております。 「電力」 当社は、北海道内を販売区域として電力の発電及び販売を行っております。北ガスジェネックス㈱(連結子会社)は、太陽光発電事業を行っており、当社へ電力を販売しております。また、苫小牧バイオマス発電㈱(持分法適用関連会社)は、木質バイオマス発電事業を行い、当社へ電力を販売しております。 「エネルギー関連」当社及び北ガスジェネックス㈱は、札幌市・函館市周辺の新興団地を中心にガス小売事業(旧簡易ガス事業)及びLPGの販売を行っております。また、北ガスジェネックス㈱は、LPGボンベの配送を㈱エネルギーサプライ(持分法適用関連会社)に委託しております。なお、「ガス」同様、当社は、ガス小売事業(旧簡易ガス事業)及びLPG販売に関する検針等の業務を北ガスサービス㈱に委託しており、北ガスジェネックス㈱は、ガス小売事業(旧簡易ガス事業)及びLPG販売に関する保安・点検業務等を、北ガスフレアスト㈱、北ガスフレアスト北㈱にそれぞれ委託しております。 当社、北ガスジェネックス㈱及び室蘭ガス㈱は、ガス引用に関する工事を行っております。北ガスジープレックス㈱(連結子会社)は、当社及び北ガスジェネックス㈱が発注するガスの配管に関する工事を行っているほか、建築工事、土木工事等を行っております。また当社及び北ガスジェネックス㈱は、ガス機器の販売及び貸付を行うとともに、北ガスフレアスト㈱、北ガスフレアスト北㈱、北ガスフレアスト函館南㈱、北ガスフレアスト函館北㈱に対しガス機器を卸売しております。 当社は、札幌市における北4東6周辺、新さっぽろ駅周辺地区を対象に、冷温熱を供給する事業を行っております。㈱エナジーソリューション(連結子会社)は、当社からのガス供給によりエネルギーサービス事業を行っているほか、火力発電事業等を行っております。㈱北海道熱供給公社(連結子会社)は、当社からのガス供給により冷温水・蒸気及び電力を製造・供給する事業を行っております。㈱サッポロエネルギーサービス(持分法適用関連会社)は、当社からのガス供給により冷水・蒸気等の熱供給を行っております。 「その他」北ガスサービス㈱は、当社からの受託業務のほか、ビジネスサポート事業、システム機器の販売等を行っております。北ガスライフロント㈱(連結子会社)は、賃貸住宅の企画開発事業等を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。 (注) 当社グループには上記事業系統図に記載されているほかに、持分法非適用非連結子会社が4社あります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 原料価格変動分はガス料金に反映する「原料費調整制度」を適用しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 都市ガス事業は供給区域が定められており、新規参入には許認可や大規模な設備投資が必要。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:原料調達に関する不測の事態 / 自然災害の発生 / エネルギー・環境に関わる政策・制度等の変更リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
北海道ガスは、地域独占的なガス供給事業者としての規制ライセンスを有している。これは参入障壁となるが、ブランド力や特許による優位性は限定的である。地域インフラとしての側面が主。
スイッチングコスト★★☆☆☆
都市ガス事業は、インフラ設備が地域ごとに固定されているため、顧客が他社へ乗り換えることは物理的に困難である。ただし、自由化の進展により、料金プランの選択肢は増えている。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
都市ガス供給事業には、ユーザー数の増加がサービス価値を直接的に高めるネットワーク効果は基本的に存在しない。
コスト優位★★★☆☆
液化天然ガス(LNG)の調達コストが収益に大きく影響する。大規模な調達や長期契約による安定的な価格交渉力がコスト優位性の源泉となりうる。インフラ維持費も規模の経済が働く。
規模の経済★★★★☆
北海道という広大な地域におけるガス供給インフラの維持・管理は、先行投資が莫大であり、新規参入が極めて難しい。既存のインフラ網を持つ同社は、地域内での効率規模の優位性を享受している。
- 地域密着のインフラ基盤札幌市、小樽市、函館市など北海道の主要都市を供給区域とするガス導管網やLNG基地といった強固なインフラを保有しています。これは新規参入が極めて困難な事業であり、安定的な顧客基盤と収益を確保する上で大きな競争優位性となっています。長年にわたる地域での信頼と実績も強みです。
- 多角的なエネルギー供給体制都市ガスだけでなく、電力供給やLPG販売、地域熱供給など、多様なエネルギーサービスを提供できる体制を構築しています。これにより、顧客の様々なエネルギーニーズにワンストップで対応可能であり、顧客の囲い込みやスイッチングコストの発生を抑制し、競争力を高めています。
- サプライチェーンの強靭化LNG調達において、複数の長期契約やポートフォリオ契約による調達先の多様化を進めており、緊急融通調達体制も構築しています。これにより、特定の供給源に依存せず、安定的な原料調達を実現しています。また、災害時にも供給を維持できるよう、設備の耐震性向上やBCP(事業継続計画)策定にも力を入れています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- カーボンニュートラルへの挑戦2050年以降のカーボンニュートラル社会を見据え、2030年を中間目標として脱炭素化への備えを進めています。具体的には、太陽光や風力などの再生可能エネルギー電源の開発拡大、地域と連携した環境価値(Jブルークレジットなど)の創出・活用を通じて、北海道の脱炭素化と持続可能な地域社会の発展に貢献することを目指しています。
- 総合エネルギーサービスの進化ガス・電力の顧客基盤を拡大しつつ、分散型電源と情報プラットフォームを融合したエネルギーマネジメントを通じて、顧客と共に省エネルギーを推進します。家庭用エネルギーマネジメントシステム「EMINEL-smart」の普及や、業務・産業用向けサービスの開発、家庭用マイホーム発電の普及拡大により、エネルギー利用の最適化とレジリエンス向上を図ります。
- デジタル技術による事業変革情報プラットフォーム「Xzilla(くじら)」を活用し、社内外のあらゆるデータを集約・分析することで、業務プロセスの抜本的な改革を進めています。AIとの連携による新サービスの創出や、会員制WEBサイト「TagTag」を通じた顧客との双方向コミュニケーションの深化により、高付加価値型の事業基盤を構築し、競争力強化を目指します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。世界各地での紛争が続くなど地政学リスクが一層深刻化する中、北海道においては、少子高齢化や人口減少といった構造的な課題に加え、半導体をはじめとする新たな産業の集積、さらにはエネルギーの供給構造や競争環境の在り方など、当社グループの事業を取り巻く環境は大きく変わりつつあり、複雑さを増している状況にあります。当社グループでは、2022年に北ガスグループ経営計画「Challenge 2030」を策定し、「エネルギーと環境の最適化による快適な社会の創造」の実現に向けて3つの主要施策に取り組んでおります。計画の折り返しとなる5年目を迎え、フェーズ1で築き上げたベースを活かしながら、それぞれの取り組みを磨き上げ、収益力の向上に繋げてまいります。また、北ガスグループ全体における「保安業務の総点検」として、業務基準、判断基準の明確化やグループ全体での基準の統一などを含め、安全確保の仕組みを改めて整理し、保安レベルの更なる向上を図ってまいります。 <北ガスグループ経営計画「Challenge 2030」の基本的な考え方>Challenge12050年以降のカーボンニュートラル時代を展望しつつ、2030年を中間点として位置づけ、北ガスグループのさらなる成長を図り、省エネを基盤としてあらゆる手段、可能性を探りながら、脱炭素社会への備えを進めていきます Challenge2資源・環境制約が強まる中、次世代プラットフォームの構築によるデジタル化で省エネの定量化と価値化を図り、デマンドサイドデータ活用による総合エネルギーサービス事業への展開を推進し、量の拡大に依存しない価値創造型の強固な事業基盤を構築していきます Challenge3地方自治体さま等との連携により、地域資源の活用に北ガスグループの総力をあげて取り組み、全道への展開と新たな事業の可能性を追求していきます Challenge4従来の慣行から抜け出し、非効率・不合理なものを排除し、事業にとって最適なものを追い求めるとともに、DXを最大限活用、機能させ、業務改革を遂行していきます Challenge5次代を担う人材として、資格取得等により実践的で高度な専門家集団、DX推進人材等、北ガスグループ全体での人材育成を推進し、北ガスグループ機能の強化を図っていきます Challenge6社会、経済の急激な変化、災害等に迅速・柔軟に対応できるよう、DX活用により日常の中に備えを作り込み、意思決定の迅速化と明確化の基盤を構築していきます <3つの主要施策について> Ⅰ.総合エネルギーサービス事業の進化による分散型社会の形成グループ一体となって事業基盤となるガス・電力のお客さま件数を拡大し需要を伸長させるとともに、分散型電源と情報プラットフォームを高度に融合したエネルギーマネジメントを通じて、お客さまと共に省エネを推進してまいります。 ■天然ガスの普及拡大データ活用型営業を深化させ、設備更新時期を捉えた天然ガスへの燃料転換を推進してまいります。また、工場や船舶向けのLNG供給の拡大により、北海道内全域でのエネルギーシェアの向上を目指してまいります。 ■エネルギーマネジメントシステムの標準化新モデルとして開発した家庭用エネルギーマネジメントシステム「EMINEL-smart」の普及拡大を進め、エネルギーマネジメントシステムの標準化による省エネの拡大を図るとともに、業務・産業用向けのエネルギーマネジメントサービスの開発にも取り組み、エネルギー利用の最適化を追求いたします。 ■分散型電源の普及拡大家庭用マイホーム発電の普及拡大に向けた販売戦略の充実により、お客さまに省エネ・経済性・レジリエンスの向上を実感いただけるビジネスモデルを構築してまいります。 Ⅱ.カーボンニュートラルへの挑戦再生可能エネルギー電源の開発・地域連携の推進により、北海道内各地で環境価値の創出・活用のノウハウを着実に積み重ねております。引き続き、地域資源の有効活用や地域課題の解決を通じて、北海道の脱炭素化と持続可能な地域社会の発展に貢献してまいります。 ■再エネ電源開発自治体と連携した太陽光発電の新規開発を中心に再エネ電源の拡大を進めてまいります。また、「風車の町」である道南の上ノ国町と連携協定を締結し、新たな風力発電所建設の検討や既存の陸上風力発電所の活用なども検討しております。引き続き、北海道の豊かなポテンシャルをいかした再エネ電源の開発に取り組んでまいります。 ■地域と連携したクレジットの創出・活用北海道内の地方自治体と連携した地域の環境価値創出・管理・活用の一括マネジメントを進めております。函館市との包括連携協定において「南かやべの養殖昆布が吸収したCO2由来のJブルークレジット」を活用し、CO2の地産地活モデルの構築に貢献するなど、北海道内でのエネルギーと環境価値の地産地消を引き続きサポートしてまいります。 Ⅲ.デジタル技術の活用による事業構造変革デジタル技術や事業に関するあらゆるデータを繋ぐ、情報プラットフォーム「Xzilla(くじら)」を活用し、抜本的な事業構造変革を進めております。また、会員制WEBサイト「TagTag」を通じた、お客さまとの双方向コミュニケーションを深化させ、お客さまサービスの向上と高付加価値型の事業基盤を構築いたします。 ■情報プラットフォーム「Xzilla」の最大活用と業務構造改革社内外のあらゆるデータを集約した「Xzilla」を活用することで、業務プロセスを抜本的に改革し、お客さまへの提供価値を向上してまいります。また、AIとの連携も進め、新たなサービスを創出し、競争力の強化につなげてまいります。 上記の取り組みに加え、将来にわたって北海道の発展に貢献し続けるため、中長期的視点に立ったインフラを整備し、カーボンニュートラル社会を見据えたサプライチェーンの強化を図っていくことが必要です。苫小牧地区におけるLNG一次基地建設の検討については、引き続き専任チームを中心に、需要の積み上げや基地建設エンジニアリングの徹底的な効率化など、検討を深めてまいります。さらに、これらの取り組みを支える重要な事業基盤整備の一環として、従業員が中長期的な業績向上に向けて主体的に取り組むことを促し、企業価値の最大化に繋げることを主な目的とした、「従業員持株会を通じた譲渡制限付株式割当制度(持株会RS)」の導入や新たな人事処遇制度を開始いたしました。当社グループが着実に成長し続けられるよう、一人ひとりが自らの力を最大化できる環境を整え、個の力を結集して変化に強い組織づくりを進めてまいります。今後も一層重要性が高まる天然ガスを軸に、省エネルギーと再生可能エネルギーを組み合わせ、エネルギーマネジメントにより需給を最適化する「高度な分散型エネルギー社会」を構築することを通じて、地域の生活と経済の発展、産業基盤の強化に、引き続き貢献してまいります。 ○目標とする経営指標(Challenge 2030)項目目標(2030年度)連結売上高2,000億円連結営業利益160億円連結有利子負債500億円台自己資本比率50%超
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。世界各地での紛争が続くなど地政学リスクが一層深刻化する中、北海道においては、少子高齢化や人口減少といった構造的な課題に加え、半導体をはじめとする新たな産業の集積、さらにはエネルギーの供給構造や競争環境の在り方など、当社グループの事業を取り巻く環境は大きく変わりつつあり、複雑さを増している状況にあります。当社グループでは、2022年に北ガスグループ経営計画「Challenge 2030」を策定し、「エネルギーと環境の最適化による快適な社会の創造」の実現に向けて3つの主要施策に取り組んでおります。計画の折り返しとなる5年目を迎え、フェーズ1で築き上げたベースを活かしながら、それぞれの取り組みを磨き上げ、収益力の向上に繋げてまいります。また、北ガスグループ全体における「保安業務の総点検」として、業務基準、判断基準の明確化やグループ全体での基準の統一などを含め、安全確保の仕組みを改めて整理し、保安レベルの更なる向上を図ってまいります。 <北ガスグループ経営計画「Challenge 2030」の基本的な考え方>Challenge12050年以降のカーボンニュートラル時代を展望しつつ、2030年を中間点として位置づけ、北ガスグループのさらなる成長を図り、省エネを基盤としてあらゆる手段、可能性を探りながら、脱炭素社会への備えを進めていきます Challenge2資源・環境制約が強まる中、次世代プラットフォームの構築によるデジタル化で省エネの定量化と価値化を図り、デマンドサイドデータ活用による総合エネルギーサービス事業への展開を推進し、量の拡大に依存しない価値創造型の強固な事業基盤を構築していきます Challenge3地方自治体さま等との連携により、地域資源の活用に北ガスグループの総力をあげて取り組み、全道への展開と新たな事業の可能性を追求していきます Challenge4従来の慣行から抜け出し、非効率・不合理なものを排除し、事業にとって最適なものを追い求めるとともに、DXを最大限活用、機能させ、業務改革を遂行していきます Challenge5次代を担う人材として、資格取得等により実践的で高度な専門家集団、DX推進人材等、北ガスグループ全体での人材育成を推進し、北ガスグループ機能の強化を図っていきます Challenge6社会、経済の急激な変化、災害等に迅速・柔軟に対応できるよう、DX活用により日常の中に備えを作り込み、意思決定の迅速化と明確化の基盤を構築していきます <3つの主要施策について> Ⅰ.総合エネルギーサービス事業の進化による分散型社会の形成グループ一体となって事業基盤となるガス・電力のお客さま件数を拡大し需要を伸長させるとともに、分散型電源と情報プラットフォームを高度に融合したエネルギーマネジメントを通じて、お客さまと共に省エネを推進してまいります。 ■天然ガスの普及拡大データ活用型営業を深化させ、設備更新時期を捉えた天然ガスへの燃料転換を推進してまいります。また、工場や船舶向けのLNG供給の拡大により、北海道内全域でのエネルギーシェアの向上を目指してまいります。 ■エネルギーマネジメントシステムの標準化新モデルとして開発した家庭用エネルギーマネジメントシステム「EMINEL-smart」の普及拡大を進め、エネルギーマネジメントシステムの標準化による省エネの拡大を図るとともに、業務・産業用向けのエネルギーマネジメントサービスの開発にも取り組み、エネルギー利用の最適化を追求いたします。 ■分散型電源の普及拡大家庭用マイホーム発電の普及拡大に向けた販売戦略の充実により、お客さまに省エネ・経済性・レジリエンスの向上を実感いただけるビジネスモデルを構築してまいります。 Ⅱ.カーボンニュートラルへの挑戦再生可能エネルギー電源の開発・地域連携の推進により、北海道内各地で環境価値の創出・活用のノウハウを着実に積み重ねております。引き続き、地域資源の有効活用や地域課題の解決を通じて、北海道の脱炭素化と持続可能な地域社会の発展に貢献してまいります。 ■再エネ電源開発自治体と連携した太陽光発電の新規開発を中心に再エネ電源の拡大を進めてまいります。また、「風車の町」である道南の上ノ国町と連携協定を締結し、新たな風力発電所建設の検討や既存の陸上風力発電所の活用なども検討しております。引き続き、北海道の豊かなポテンシャルをいかした再エネ電源の開発に取り組んでまいります。 ■地域と連携したクレジットの創出・活用北海道内の地方自治体と連携した地域の環境価値創出・管理・活用の一括マネジメントを進めております。函館市との包括連携協定において「南かやべの養殖昆布が吸収したCO2由来のJブルークレジット」を活用し、CO2の地産地活モデルの構築に貢献するなど、北海道内でのエネルギーと環境価値の地産地消を引き続きサポートしてまいります。 Ⅲ.デジタル技術の活用による事業構造変革デジタル技術や事業に関するあらゆるデータを繋ぐ、情報プラットフォーム「Xzilla(くじら)」を活用し、抜本的な事業構造変革を進めております。また、会員制WEBサイト「TagTag」を通じた、お客さまとの双方向コミュニケーションを深化させ、お客さまサービスの向上と高付加価値型の事業基盤を構築いたします。 ■情報プラットフォーム「Xzilla」の最大活用と業務構造改革社内外のあらゆるデータを集約した「Xzilla」を活用することで、業務プロセスを抜本的に改革し、お客さまへの提供価値を向上してまいります。また、AIとの連携も進め、新たなサービスを創出し、競争力の強化につなげてまいります。 上記の取り組みに加え、将来にわたって北海道の発展に貢献し続けるため、中長期的視点に立ったインフラを整備し、カーボンニュートラル社会を見据えたサプライチェーンの強化を図っていくことが必要です。苫小牧地区におけるLNG一次基地建設の検討については、引き続き専任チームを中心に、需要の積み上げや基地建設エンジニアリングの徹底的な効率化など、検討を深めてまいります。さらに、これらの取り組みを支える重要な事業基盤整備の一環として、従業員が中長期的な業績向上に向けて主体的に取り組むことを促し、企業価値の最大化に繋げることを主な目的とした、「従業員持株会を通じた譲渡制限付株式割当制度(持株会RS)」の導入や新たな人事処遇制度を開始いたしました。当社グループが着実に成長し続けられるよう、一人ひとりが自らの力を最大化できる環境を整え、個の力を結集して変化に強い組織づくりを進めてまいります。今後も一層重要性が高まる天然ガスを軸に、省エネルギーと再生可能エネルギーを組み合わせ、エネルギーマネジメントにより需給を最適化する「高度な分散型エネルギー社会」を構築することを通じて、地域の生活と経済の発展、産業基盤の強化に、引き続き貢献してまいります。 ○目標とする経営指標(Challenge 2030)項目目標(2030年度)連結売上高2,000億円連結営業利益160億円連結有利子負債500億円台自己資本比率50%超
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、継続的な賃上げによる所得環境の改善や高水準の設備投資に加え、インバウンド需要の旺盛な推移などにより、国内景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、エネルギー価格の高止まりや人手不足に起因するコスト増のほか、米国の通商政策の変化や中東をはじめとした地政学的リスクの緊迫化、さらには脱炭素社会の実現に向けた規制強化の動きなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループは、「エネルギーと環境の最適化による快適な社会の創造」に向けて、天然ガスの更なる普及拡大とエネルギーマネジメントシステムの標準化、北海道内の自治体との連携したエネルギー地産地消の拡大、情報共通基盤の活用を通じた抜本的な事業構造変革に取り組んでまいりました。連結売上高につきましては、ガス販売量の増加に加えLNGや冷温熱の販売量が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ2.5%増の174,519百万円となりました。経常利益は、販売量の増加等により、同14.3%増の16,495百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、同10.8%増の11,525百万円となりました。なお、当社グループの連結業績は、冬期から春先にかけてエネルギー関連の需要が大きく、多くの売上が計上されるという季節的変動要因があります。セグメント別の業績は次のとおりです。 ① ガス当連結会計年度末の取付メーター件数は、家庭用の賃貸物件を中心に増加し、前連結会計年度末に比べ、1,559件増の606,177件となりました。なお、暖房厨房1メーター化工事の影響を除くと同7,435件増となり、当社の小売お客さま件数につきましては、同510件減の487,990件となりました。都市ガス販売量は、家庭用につきましては、新設件数の増加に加え、春先や初冬の低気温および記録的な降雪に伴う暖房需要等の増加により、同6.8%増の234百万㎥となりました。業務用につきましては、夏場の高気温に伴う空調需要の増加に加え、商業用や工業用分野の稼働向上等により、同5.1%増の416百万㎥となりました。以上の結果、他のガス事業者向け卸供給を含めた総販売量は同5.8%増の685百万㎥となりました。売上高は、原料費調整制度における販売単価が低下したものの、販売量が増加したこと等により、同3.1%増の108,064百万円となりました。セグメント利益は、販売量の増加等により、同19.8%増の15,129百万円となりました。 ② 電力 当連結会計年度末のお客さま件数は、ガス・電気セット契約拡大に向けたマスPRやキャンペーンの展開により、低圧家庭用のお客さまが増加し、前連結会計年度末に比べ662件増の257,271件となりました。また、電力販売量は、気温影響による家庭用の冷房および暖房需要の増加等により、同1.9%増の862百万kWhとなりました。売上高は、件数および販売量は拡大したものの、燃料費調整制度における販売単価の低下等により、同2.1%減の28,528百万円となりました。セグメント利益は、修繕費の増加等により、同19.3%減の2,911百万円となりました。 ③ エネルギー関連新築賃貸物件等の獲得に伴う器具販売・工事の増加、および冷温熱の販売量増加等により、売上高は、前連結会計年度に比べ4.6%増の41,428百万円となり、セグメント利益は、同31.4%増の1,398百万円となりました。 ④ その他システム販売や北ガスライフロントの連結子会社化等により、売上高は、前連結会計年度に比べ28.3%増の4,271百万円となり、セグメント利益は、同215.3%増の464百万円となりました。 (目標とする経営指標の実績)2025年度における当社グループの経営指標の実績は下記のとおり。項目2025年度連結売上高1,745億円連結営業利益164億円連結有利子負債606億円自己資本比率49.1% (注) 1 本書面では、ガス量はすべて1㎥当り45メガジュール(10,750キロカロリー)で表示しております。 (2) 財政状態当連結会計年度末の総資産につきましては、設備投資による固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ2,766百万円増加し、198,198百万円となりました。負債は、社債や長期借入金等の有利子負債が減少したこと等により、同8,457百万円減少し、98,487百万円となりました。純資産は、利益剰余金の増加等により、同11,224百万円増加し、99,710百万円となりました。 (3) キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは原料費の支払が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ2,803百万円減少し、27,028百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは関係会社貸付の減少等により、同3,526百万円支出額が減少し、16,532百万円の支出となりました。これらを合計した当期のフリー・キャッシュ・フローは10,496百万円のプラスとなりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還や長期借入金の返済等により、12,027百万円の支出となりました。なお、有利子負債につきましては、フリー・キャッシュ・フローを有利子負債の返済資金に充当したことで、同8,540百万円減少し、60,613百万円となりました。現金及び現金同等物の期末残高は同1,524百万円減少し、9,799百万円となりました。 (資本の財源及び資金の流動性)当社グループにおける資金需要は、主に、設備投資、有利子負債返済、運転資金となります。資金調達に関しては、安定的な長期の調達を基本としつつ、期中に必要となる運転資金に関しては、マーケットの状況を勘案のうえ、短期借入金・短期社債(電子CP)等を調達する方針です。当連結会計年度末における有利子負債残高は60,613百万円となっております。なお、資金調達の多様化を図るため、主要な取引先金融機関との良好な取引関係維持に加え、国内2社の格付機関から格付を取得しております。株式会社日本格付研究所の格付は、「A+(安定的)」、株式会社格付投資情報センターの格付は、「A+(安定的)」となっております。また、当社グループ内の資金は、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の導入により効率的な資金管理を行っております。 (4) 生産、受注及び販売の実績当社グループにおきましては、「都市ガス事業」が売上高及び営業費用共に連結財務諸表の大半を占めており、当該セグメントが当社グループの生産、受注及び販売活動の中心となっております。以下は、「都市ガス事業」における当社の生産、受注及び販売の実績について記載しております。 ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。 区分生産量(千m3)対前年増減率(%)都市ガス石狩LNG基地627,1675.7函館みなと工場54,3814.4北見工場11,7392.5計693,2875.6 ② 受注実績 都市ガス事業については、その事業の性質上、受注生産を行っておりません。 ③ 販売実績 都市ガス販売実績 当連結会計年度における都市ガス販売実績は次のとおりであります。 区分販売量対前年増減率(%)都市ガス家庭用234,054千m36.8その他416,282千m35.1計650,336千m35.7他事業者向け供給34,293千m36.9総販売量684,628千m35.8月平均調定件数453,384件0.8調定件数1件当たり月平均販売量119.5m34.8 区分販売高(百万円)対前年増減率(%)都市ガス家庭用36,5330.8その他47,035△0.4計83,5690.1 取付メーター件数及び普及率 2026年3月末における地区別取付メーター件数及び普及率は次のとおりであります。 地区別世帯数(世帯)取付メーター件数(件)普及率(%)札幌地区918,720(0.5)470,949(0.4)51.3(△0.2)函館地区111,156(△0.4)62,446(△1.4)56.2(△0.9)小樽地区42,535(△1.2)30,991(△0.7)72.9(0.6)千歳地区49,035(2.1)23,014(4.1)46.9(2.0)北見地区43,503(△1.1)18,777(0.6)43.2(1.9)計1,164,949(0.4)606,177(0.3)52.0(△0.2) (注) 1 世帯数は、供給区域の住民基本台帳及び各自治体の資料から推計した一般世帯数であります。 2 ( )内数値は対前年増減率(%)であります。 都市ガス料金供給約款料金に対しては、下記の料金が適用されます。この区分によるa基本料金およびb従量料金の合計とし、各月の使用量に応じてA・B・C・D・Eのいずれかの料金表が適用されます。また、一般ガス供給約款で定める料金以外に、選択約款による料金や個別交渉による大口向けの料金があります。 a 基本料金基本料金は、1か月につき次のとおりであります。料金表種別1か月の使用量基本料金(税込)(ガスメーター1個につき)A0m3から15m3まで946.00円B15m3を超え50m3まで1,454.20円C50m3を超え200m3まで2,013.00円D200m3を超え800m3まで7,700.00円E800m3を超える場合9,900.00円 b 従量料金従量料金は、使用量に次の単位料金を乗じて算定しております。料金表種別1か月の使用量基準単位料金(税込)(1m3につき)A0m3から15m3まで200.69円B15m3を超え50m3まで166.81円C50m3を超え200m3まで155.63円D200m3を超え800m3まで127.20円E800m3を超える場合124.45円 (注) 1 支払期限日(検針日の翌日から30日目)を経過した後に支払われる場合には、その経過日数に応じて1日当たり0.0274%の割合で算定した延滞利息が発生します。 2 上記の料金は1㎥当り45メガジュールです。なお、消費税10%分が含まれております。3 当社は、為替レートや原油価格など外的な要因で変動する原料価格をガス料金に反映する原料費調整制度を導入しております。2025年4月から2026年3月までの調整額は次のとおりであります。 検針月1m3当たり調整額(税込)2025年4月23.64円 2025年5月28.27円 2025年6月27.53円 2025年7月23.74円 2025年8月13.15円 2025年9月9.31円 2025年10月10.01円 2025年11月17.37円 2025年12月16.44円 2026年1月15.33円 2026年2月△2.85円 2026年3月△1.74円 ※ 1m3当たり調整額は、経済産業省の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」に参画し実施した値引き後の金額となっております。 2025年4月検針分 1m3当たり調整額△ 5.00円 2025年8月検針分 1m3当たり調整額△ 8.00円 2025年9月検針分 1m3当たり調整額△10.00円 2025年10月検針分 1m3当たり調整額△ 8.00円 2026年2月検針分~3月検針分 1m3当たり調整額△18.00円 なお、年間契約量が1,000万m3以上のお客さまは本値引きの対象外とされております。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、過年度実績や経営計画、入手可能で合理的な情報に基づく仮定等から会計上の見積りを行っておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果は異なる場合があります。
事業リスク
- 災害・事故による供給停止大規模な自然災害(地震、津波など)や製造・供給設備のトラブルが発生した場合、都市ガスや電力の供給が停止する可能性があります。これにより、顧客への影響はもちろん、復旧費用や社会的信用の低下、賠償責任などが発生し、業績に深刻な影響を及ぼすリスクがあります。
- 原材料価格の変動都市ガスの主要原料であるLNGの価格は、原油価格や為替レートの変動に大きく影響されます。これらの変動が調達コストに直接影響し、事業収支を悪化させる可能性があります。ただし、ガス料金には「原料費調整制度」が適用されるため、中長期的には影響が軽減される仕組みがあります。
- 政策・制度変更と脱炭素化エネルギー・環境に関わる国の政策や制度が変更された場合、市場競争の激化や新たな規制対応費用が発生し、事業収支に影響を及ぼす可能性があります。特に、脱炭素社会への移行が加速する中で、顧客ニーズや社会の動向に適切に対応できない場合、競争力が低下するリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1) 災害・事故発生によるリスク ① 原料調達に関する不測の事態LNGや天然ガス等の原料調達に関して不測の事態が生じ、長期にわたり調達ができない場合、都市ガスや電力の供給に支障を及ぼす可能性があります。原料の大半を占めるLNGは海外からの輸入に頼っておりますが、複数の長期契約で供給源を特定しないポートフォリオ契約による調達先の多様化を進めているため、供給プロジェクトのトラブルやLNG船のトラブル時にも代替調達が可能となっております。このほかにも、緊急融通調達体制を構築し、迅速なスポット調達を組み合わせることで、より安定的かつ柔軟なLNG調達を実現しております。 ② 自然災害の発生大規模な自然災害により、LNG基地等の製造設備やガス導管等の供給設備に被害が発生した場合、都市ガスの供給に支障を及ぼす可能性があります。また、不測の大規模な停電が発生した場合、都市ガスの製造・供給に支障を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの発電設備に支障が発生した場合、電力の市場調達が必要となり、その対応に伴う費用等により、電力収支に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、多様化・複雑化する「事業中断リスク」を最小限に止めるため、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定するとともに、製造・供給設備等の耐震性向上や津波対策、非常時の自家発電設備の整備による停電対応力強化を進めることで、災害による影響を最小限に止める対策を実施しております。 ③ ガス製造・供給設備のトラブルの発生都市ガスの製造設備や供給設備に漏えい・故障等のトラブル・事故が発生し、都市ガス供給の支障やお客さま被害が生じた場合、対応に要する直接的・間接的な費用の発生に加え、社会的信用の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、計画的な設備の点検と更新に加えて、製造設備のバックアップ対策や設備電源の二重化並びに導管網の整備等、不測の事態が発生した際の影響を最小化する対策に取り組んでおります。また、大規模な災害や供給支障に備えた事業継続計画(BCP)を策定するとともに、高い事業継続性を有する供給防災センターで、専門職員が24時間365日全社の保安指令を担う体制を整備し、各種保安対策や教育・訓練の計画的な実施を行うことにより、ガス事故の防止や二次災害防止に努めております。 ④ ガス消費機器・設備に関するトラブルの発生ガス消費機器・設備に関する重大な不具合が発生した場合、対応に要する直接的費用の発生に加え、社会的信用の低下等により、事業収支に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、お客さまへのガス設備安全点検の品質向上、安全型機器への取替や警報器設置の促進、ガス機器の安全使用の周知等により、保安の強化に努めております。 ⑤ 感染症の流行 感染症の蔓延により、一時的に業務が停止することにより、事業活動や収支に影響を及ぼす可能性があります。また、影響が長期化した場合、都市ガスの製造・供給や保安体制の維持が困難となるほか、販売量の減少、サプライチェーンの停滞、債権回収の遅延といった複合的な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、「新型インフルエンザ等対策に関する業務計画」に基づき、国内外で感染症が蔓延した場合においても事業の継続を可能とするための対策を講じることで、事業中断リスクの最小化に努めております。 (2) 事業遂行に伴うリスク ① エネルギー・環境に関わる政策・制度等の変更リスクエネルギーや環境に関わる国の政策・制度が変更された場合、市場競争の激化によるお客さまの離脱や規制対応に要する費用の発生等により、当社グループの事業収支に影響を及ぼす可能性があります。加えて、脱炭素に向けた社会の動向やお客さまニーズに適切に対応できなかった場合、市場における競争力の低下により、事業収支に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、将来のカーボンニュートラル時代を見据え、国策や制度、業界動向などの環境変化に加え、お客さまのニーズを的確に把握するため、お客さまや関係機関との緊密な対話に努めるとともに、デジタル技術の高度利用やお客さまとの協働による省エネルギーの推進、太陽光・風力等の再生可能エネルギー電源の導入拡大、自治体との連携による地域資源の活用、水素・メタネーション等の次世代技術への取り組み等、社会の要請を踏まえた総合エネルギーサービス事業を展開することで、お客さまに選択されるよう努めております。 ② 原材料調達価格の変動原材料価格が、原油価格・為替・市場相場等の変動によって高下した場合、事業収支に影響を及ぼす可能性があります。都市ガスの主要原料であるLNGの売買契約のうち、原油価格に連動するものについては、原油価格の変動により事業収支に影響を及ぼす可能性があります。また、外貨建てで売買契約を締結しているものについては、為替の変動が事業収支に影響を及ぼす可能性があります。ただし、原料価格が変動しても、変動分については、ガス料金に反映する「原料費調整制度」を適用しているため、中長期的には事業収支への影響は軽微となります。また、電力事業においても同様に、電源調達価格が変動した場合に事業収支に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、自社電源の活用、電源調達先の分散等により調達リスクを回避し、電源調達コストの低減に努めております。 ③ 気温影響によるガス需要の変動当社グループの売上高の過半が都市ガス及びLNG販売によるため、気温の推移が平年値から乖離する等によりガス需要が想定から変動した場合、事業収支に影響を及ぼす可能性があります。特に、積雪寒冷地の北海道では、冬季から春先にかけて需要が大きくなるため、当該期間の気温の推移が事業収支に与える影響は大きくなる傾向があります。当社グループは、気温の影響を受けづらい産業用やコージェネレーション用のガス販売強化、総合エネルギーサービスによるエネルギーシェア拡大、付加価値の提供等により、気温による事業収支への影響の軽減に取り組んでおります。 ④ 商品・技術開発の遅延外部環境変化や北海道の気象条件に適合する商品やサービス、次世代エネルギー技術の開発を進めておりますが、開発に遅延が生じた場合、事業収支に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、商品に対するお客さまの使用感や要望等についての定期的なアンケート調査や機器の使用状況に関するデータ計測、学会・エネルギー展示会等への参加を通じて、お客さまのニーズや商品の課題、社会環境の変化、最新技術動向等の的確な把握に努めております。その上で、新商品・技術を適切なタイミングに遅延なく市場投入できるよう、開発メーカーや地域の大学と密に連携を図り、数年先までの工程を共有しながら商品・技術の企画・開発に取り組んでおります。 ⑤ 設備投資による影響インフラ事業の性質から、業容拡大や増産を目的とした大規模な設備投資の実施により、費用負担が増加し、一時的に事業収支に影響を及ぼす可能性があります。また係る設備投資が、その後の経済情勢の変化等により、所期の成果を出せないことで、有利子負債依存度が高まる可能性があります。当社グループは、投資の実施にあたっては、事前にリスクや事業性を検証した上で経営会議や常務会、取締役会に諮る等、総合的な経営判断の下に投資を決定しております。 ⑥ 資金調達・資産運用による影響市況や金融の混乱により資金調達・資産運用の環境が悪化した場合、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、資金調達先や年金資産運用先について多様化を図っております。また、有利子負債は、長期で固定化した資金調達とすることで、借入期間中の金利変動リスクを限定的にするよう備えております。 ⑦ コンプライアンス違反の発生法令、定款に照らして不適切な行為、並びに企業倫理、社会規範に反する行為が発生した場合、対応に要する直接的な費用にとどまらず、社会的信用の低下等、有形無形の損失が発生し、当社グループの事業収支に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、倫理・法令遵守の基本的な考え方として「北ガスグループ倫理方針」「北ガスグループ行動規範」を定めるとともに、コンプライアンス遵守に関する教育・啓発等により、グループ全体でコンプライアンス向上に取り組んでおります。また、法令改正情報を迅速に把握し、社内共有する仕組みや顧問弁護士との連携強化により、ガス事業法をはじめとした関係法令の遵守に努めております。さらに、内部監査により、業務が適正に遂行されているか確認を行っております。 ⑧ 取引先の信用問題や事故の発生取引先の倒産や事故等があった場合、債権未回収や業務支障を招き、事業収支に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、取引開始時における信用調査等、与信管理を徹底しております。 (3) 情報管理・システム運用に関するリスク ① ITシステム・通信回線の不具合の発生ITシステムや通信回線の不具合により、業務処理の誤りや業務停滞が生じた場合、有形無形の損失が発生する可能性があります。特に、売上高の多くを占めているガスと電力の供給に係る契約や料金計算、債権等につきましてはITシステムで管理しており、これらのシステムの不具合等により当社グループの事業収支に影響を及ぼす可能性があります。ITシステム構築にあたっては、システム開発標準を定め、これに則りシステム設計・プログラミング・テスト・評価等を行うことで、ITシステムの品質維持・向上を図っております。また、ITシステムのサーバーは、津波の心配がなく耐震性や電源供給に優れた施設に設置するとともに、データのバックアップを毎日実施し、万一の不具合発生時の早期復旧に備えております。さらに、グループ会社を含めた主要拠点間の通信設備は、故障時にも通信が途切れることのないように冗長化しているほか、何らかの原因で通信設備が利用できない場合でも、インターネット回線を利用して外部から安全にアクセスすることができるルートを用意しております。 ② 個人情報等の社内情報の流出当社グループでは、お客さま情報をはじめ、多くの個人情報や営業機密情報を有しております。それらの社内情報が不適切な形で外部流出した場合、対応に要する直接的な費用にとどまらず、社会的信用の低下等、有形無形の損失が発生し、当社グループの事業収支に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、情報管理に関する各種規程を整備するとともに、グループ全体を対象とした情報セキュリティ推進体制を構築し、情報セキュリティに関する教育・啓発や情報管理に関する職場点検、システム的な対策の実施等、個人情報等の流出防止と事故発生時の影響の最小化に取り組んでおります。 ③ サイバー攻撃サイバー攻撃は、巧妙化、高度化しており、その対策が十分ではない場合、基幹システムの停止・動作不良、社内情報の流出等が発生し、業務やお客さまへの対応が停滞するばかりではなく、当社グループの社会的信用の低下等、有形無形の損失が発生し、当社グループの事業収支に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、システム的な各種セキュリティ対策の実施やインシデント対応訓練を実施する他、適宜、情報セキュリティの脆弱性に関する確認を行い防御策の見直しを行う等、サイバー攻撃への対策を実施しております。さらにサプライチェーンを狙った攻撃にも備えるため、情報保有量の多い取引先とセキュリティ向上の取り組みを行うなど、取引先と一体となってリスク低減を図っております。また、情報系システム・インフラを起因とする情報事故対応体制として「北ガスグループCSIRT(Computer Security Incident Response Team)」を設置し、万一情報漏えい事故が発生した際の被害を最小限に止めるための体制を整えております。