9629

ピー・シー・エー(9629)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • ソフトウェア開発・販売
    ピー・シー・エーは、企業や組織向けのコンピュータソフトウェアの開発、製造、販売、および保守サービスを提供しています。会計、給与計算、販売管理といった基幹業務を効率化するソフトウェアが主力で、企業の業務プロセスをデジタル化し、効率向上を支援することで収益を得ています。
  • クラウドサービス提供
    同社は、自社開発のソフトウェアをインターネット経由で利用できるクラウドサービス(SaaS)も提供しています。これにより、顧客はソフトウェアを自社で導入・管理する手間なく、必要な時に必要な機能を利用でき、ピー・シー・エーは継続的な利用料を収益としています。
  • 導入・運用支援とメンタルヘルス
    ソフトウェアの導入や運用に関する支援サービスも提供し、顧客がスムーズにシステムを活用できるようサポートしています。また、子会社を通じてメンタルヘルス関連事業も展開しており、企業の従業員の健康管理や福利厚生のニーズにも応えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 商工業向け事業
    このセグメントは、主に会計、給与、販売管理などの基幹業務ソフトウェアや関連サービスを商工業の企業に提供しています。売上高は66.3315億円、営業利益は5.8355億円と、同社グループの中で最も大きな売上と利益を上げており、主力事業であることが分かります。
  • クラウド事業
    クラウドサービス(SaaS)の提供に特化したセグメントで、インターネット経由でソフトウェア機能を提供し、継続的な利用料を収益源としています。売上高は11.09433億円ですが、営業利益は5.23158億円と、売上に対する利益率が非常に高く、収益性の高い成長事業として位置づけられます。
  • 非営利団体向け事業
    非営利団体や公益法人向けに特化したソフトウェアやサービスを提供しています。売上高は2.88229億円、営業利益は0.46234億円と、規模は小さいながらも安定した利益を確保しており、特定の顧客層に特化したニッチな市場で事業を展開しています。
FY2016 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
CommerceAndIndustry 事業 66 6 8.8%
Cloud 事業 11 5 47.2%
NonprofitOrganizations 事業 3 0 16.0%
Healthcare 事業 5 -2 -40.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|954 文字
3【事業の内容】(1)当社グループ(当社及び当社の関係会社)は当社及び子会社6社で構成されており、主な事業の内容は次のとおりであります。A.コンピュータソフトウェアの開発、製造、販売および保守サービスB.コンピュータソフトウェアの導入および運用支援C.クラウドサービスの提供D.ITを活用した各種サービス・事業開発E.メンタルヘルス関連事業F.CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンドの運営、スタートアップ支援及び協業促進 (2)各事業を構成している連結財務諸表提出会社(以下提出会社という)、連結子会社の当該事業における位置づけは、次のとおりであります。なお、当社はセグメント情報を記載していないため、事業分野・事業形態別によって記載しております。 A事業は提出会社及び連結子会社であるクロノス㈱が営んでおり、連結子会社である㈱ケーイーシーは製品の販売を分担して当事業に携わっております。 B事業は提出会社及び連結子会社であるクロノス㈱が営んでおり、連結子会社である㈱ケーイーシーは製品の導入支援を分担して、当事業に携わっております。 C事業は提出会社及び連結子会社であるクロノス㈱が営んでおります。 D事業は連結子会社である㈱タイレルシステムズが営んでおります。 E事業は連結子会社である㈱ドリームホップが営んでおります。 F事業は連結子会社である飯田橋クロスパートナーズ㈱、ICP-1号投資事業有限責任組合が営んでおります。 以上に述べた事項の概要図は次のとおりであります。 事業分野 事業形態ABCDEFコンピュータソフトウェア開発、製造業務コンピュータソフトウェア販売業務コンピュータソフトウェア保守サービス業務コンピュータソフトウェア導入および運用支援クラウドサービス業務ITを活用した各種サービス・事業開発メンタルヘルス関連事業CVC事業開発・製造販売・及び保守サービス (提出会社)ピー・シー・エー㈱※1 クロノス㈱ ※1㈱タイレルシステムズ クラウドサービス (提出会社)ピー・シー・エー㈱※1 クロノス㈱ 販売・サービス他 ※1㈱ケーイーシー ※1㈱ケーイーシー ※1㈱ドリームホップ その他 ※1飯田橋クロスパートナーズ㈱ICP-1号投資事業有限責任組合 ※1.連結子会社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
価格破壊ともいえる低価格競争が急激に進んでおり、収益が圧迫されるリスクがあるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
最新OS・ネットワーク技術・コンポーネント技術等の最先端テクノロジーの採用と研究開発。
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:競合等により収益が圧迫されるリスク / クラウド事業におけるサービス停止や低価格競合のリスク / 訴訟リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 0 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務サマリが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPなどの無形資産に関する具体的な評価は困難です。公開情報が限定的であり、詳細な分析はできません。

スイッチングコスト☆☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客が乗り換えによる損失が大きいかどうかの判断材料が不足しています。ソフトウェア製品の性質上、一定のスイッチングコストは想定されますが、その程度を定量的に評価できる情報はありません。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ユーザー数の増加が製品・サービスの価値向上に繋がるネットワーク効果の有無を判断できる情報がありません。特に、プラットフォームビジネスやSNSのような明確なネットワーク効果を持つ事業ではないと推測されます。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

競合他社と比較して、構造的に安価に製品・サービスを提供できるコスト優位性があるかどうかの判断材料が不足しています。特に、情報・通信業においては、技術革新や開発投資がコスト構造に影響を与える可能性があります。

規模の経済☆☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているかどうかの判断ができません。市場シェアや事業規模に関する具体的なデータが不足しており、効率規模の優位性を評価することは困難です。

  • 基幹業務ソフトウェアの実績
    長年にわたり企業の基幹業務を支えるソフトウェアを提供してきた実績があり、会計や給与計算といった重要業務における信頼とノウハウを蓄積しています。これにより、新規顧客獲得や既存顧客の囲い込みにおいて優位性があると考えられます。
  • クラウドサービスへの移行
    従来のパッケージソフトウェアだけでなく、クラウドサービスへの移行を推進しており、顧客の多様なニーズに対応しています。これにより、サブスクリプション型の安定した収益基盤を構築しつつあり、市場の変化に適応する柔軟性を持っています。
  • グループ会社による多角的な展開
    子会社が製品販売、導入支援、メンタルヘルス関連事業を分担して行っています。これにより、事業の専門性を高めつつ、顧客に対して多角的なサービスを提供できる体制を構築しており、総合的な顧客満足度向上に貢献している可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、「『はたらく』に新しい価値を創出し、すべての人に豊かな時間と可能性を提供する」というパーパス(存在意義)のもと、基幹業務の高度な自動化を実現するソフトウェアの提供を核に、企業の円滑な経営・運営をサポートする「マネジメントサポート・カンパニー」であり続けることをミッションとして掲げております。 さらに、ビジョンとして「社会の変化をいち早く捉えて、働く人に寄り添い課題を解決する」とし、会社が目指すべき姿を示しております。 これらを実現するため、当社グループで働くすべての社員は「Professional」「Customer-First」「As-One」の3つをバリュー(行動指針)として共有しております。最新の技術や社会の変化、お客様のニーズを常に捉え、それらに真摯に向き合う姿勢をサービス開発に貫くとともに、社員が互いに尊重し協力し合うことで、お客様やパートナー企業の期待に応える価値を創造し続けてまいります。 今後とも、変化し続ける経済環境の中にあっても、働く人に寄り添い、さらなる信頼性と利便性を兼ね備えたソフトウェア及びサービスをご提供することで、社会に貢献する企業を目指してまいります。また、社会的責任を果たすべく、法令を遵守した継続的かつ安定的な企業成長を目指し、お客様、パートナー様、株主の皆様、社員及び地域社会のご期待に応えてまいります。 (2)中長期的な会社の経営戦略会社の健全で持続的な成長を実現するため、次の重点施策に注力します。① 主力事業の成長力強化1.クラウドビジネスの更なる広がり オンプレ製品(パッケージ版)の販売終了に伴い、「PCAクラウド/on AWS」「PCAサブスク」への戦略的移行を推進しております。特に、2025年11月にリリースした「PCA Arch」では、既に実装されている「AIアシスタント」に加え、他社サービスとも連携し自律的に業務を完遂する「AIエージェント」の実装を今後順次予定しています。これにより、ご担当者様がより付加価値の高い業務に集中できる環境の創出を目指します。また、同製品と「PCA Hub」等とのセット販売による包括的な提案を通じて顧客単価(ARPU)の向上を実現し、強固な継続課金モデル(ARR)の確立を図ってまいります。2.ストック型ビジネスモデルへの転換促進 「PCAクラウド/on AWS」および「PCAサブスク」を中心に、オンプレ製品(パッケージ版)の買取販売から継続利用型サービスへの切り替えを促進しております。 2028年以降に順次迎えるパッケージ版のサポート終了を見据え、オンプレ製品の既存保守会員が最新サービスへ円滑に移行できるよう、共通ID基盤「PCA ID」の活用や価格体系の整備を図ります。こうした取り組みを通じて、安定的な収益基盤である継続課金モデル(ARR)の成長を加速させます。3.デジタル・カスタマーサクセスの強化 デジタルチャネルを中心に、デジタルツールやデジタルコンテンツを活用し、増大するダイレクトニーズへの効果的な対応とカスタマーサクセス強化による導入契約率と利用継続率の向上を図ります。 ② 新ビジネス基盤整備と先行投資1.共通ID基盤「PCA ID」によるサービス連携と顧客接点の強化 共通ID基盤である「PCA ID」は実装を完了し、パスキー認証によるセキュリティの高度化や、シングルサインオンによる利便性向上を実現しております。今後は外部IDとの連携をさらに深化させることで、お客様との接点をより強固かつダイレクトなものとし、当社のマルチプロダクト戦略を支える基盤として、収集されたデータアセットを製品開発やマーケティングへ活用してまいります。2.生成AIの実装による「基幹業務の自律化」の推進 生成AIの活用については、これまでの研究段階から「実装段階」へと移行いたしました。自律的に業務を遂行する「AIエージェント」等の実装を進めることにより、基幹業務の圧倒的な高度化・自律化を推進します。これにより、ユーザーがより付加価値の高い業務に集中できる環境を創出し、製品のさらなる差別化を図ります。 3.戦略的投資とM&Aによるグループ総合力の飛躍的向上 成長を加速させるための戦略投資・M&A等を積極的に実行しております。開発体制を強化する株式会社タイレルシステムズや、BPOサービス領域の拡張を担う株式会社PRIMASのグループインにより、グループの総合力を高めてまいります。また、機動的なM&Aの実行等に向けて100億円規模の戦略投資枠を確保する一方で、2027年3月期はAI開発やクラウド移行推進に約16億円の先行投資を実施し、事業基盤のさらなる強化と中長期的な企業価値の最大化に注力いたします。 ③ サービス指向のモノづくり1.開発体制の刷新とモダン化の推進 「サービスデザイン」「プロダクトオーナーシップ」「開発投資評価」「ソフトのモダン化」の4つの取組みを推進します。アジャイル開発やUXデザインを核に、ユーザー起点で迅速なサービス提供を実現する体制を構築し、製品・サービスの質を継続的に向上させます。2.成長の源泉となる継続的な開発投資 中期経営計画の達成に向け、リソースを最適に配分した大規模な開発投資を実行します。既存製品の機能改良に加え、基幹システムのモダン化や新プロダクト開発、さらには生成AI活用といった研究開発に注力し、総合的なサービスラインナップの拡充と質の向上を図ります。3.HR領域の強化とデータ活用の推進 グループ会社のクロノス株式会社および株式会社ドリームホップとの連携により、就業管理やメンタルヘルス対策から人事労務までを包括的にサポートします。HR分野の利便性を高め、最終的には人的資本経営を支える「非財務データの可視化と分析」の実現に寄与してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための指標 当社グループは、売上高、営業利益、売上高営業利益率を重要な指標として位置づけ、収益性を向上させるとともに、より高い成長性を確保することを目指します。今次中期経営計画で確立を目指している継続課金モデルでは以下4つを重要な業績指標(KPI)としております。継続課金モデルとは、従来からの安定的な収入として捉えていたストック収入から「オンプレミス向け保守料収入」を除き、継続的な課金収入が見込める「基幹クラウド(PCAクラウド等)・周辺クラウド(PCA Hub)・継続利用型オンプレミス(PCAサブスク)」による経常的な収益性と継続的な成長性を追求していく収益獲得モデルとなります。 2026年3月期末2025年3月期末前年同期比2026年3月期第3四半期末前四半期末比課金契約数※143,857件35,364件24.0%増41,579件5.5%増ARR(年間・継続課金収入)※211,320百万円9,896百万円14.4%増10,904百万円3.8%増 2026年3月期末2026年3月期第3四半期末前四半期末増減チャーンレート(解約率)※30.26%0.25%0.01%増ARPU(年間・平均契約単価)※4258千円262千円4千円減※1)PCAにおけるPCAクラウド(on AWS含む)・ PCA Hub・PCAサブスクの課金契約数、及びクロノスにおけるクロノスPerformanceクラウド・クロッシオンの課金契約数の合計値※2)月次継続課金売上高(MRR)×12倍(月数)※3)離脱課金契約数÷前月末課金契約数※4)「月次継続課金売上高(MRR)×12倍」(=ARR)÷ 課金契約数 (4)当社グループを取り巻く経営環境<企業構造> 当社グループは、当社が会計、給与計算、販売管理、仕入管理などの基幹業務系のアプリケーションの開発・販売及び保守サポート業務を実施しております。製品の導入・運用支援および開発体制においては、子会社の株式会社ケーイーシーが製品等の導入指導やデータの移管・入力代行などのユースウェア業務を担うとともに、株式会社タイレルシステムズが持つ先端的なWeb開発技術やアジャイル開発力をグループに統合しております。これにより、クラウドサービスにおける開発スピードの向上と、利便性の高いUI/UX設計の実現を図っております。HR事業領域においては、子会社のクロノス株式会社が当社製品等と連動する勤怠管理ソフトを開発・販売し、給与計算と勤怠管理の一元化による顧客業務の効率化を推進しております。これに加え、株式会社ドリームホップが提供するメンタルヘルスサービスを当社販売網で展開することで、就業管理から心の健康管理までを幅広くカバーする体制を整えております。さらに、財務・経理領域に特化したBPOサービスを展開する株式会社PRIMASがグループに加わったことで、従来のソフトウェア提供に加え、専門人材による業務代行サービスを組み合わせた「統合型バックオフィス支援」を提供できる体制を構築しております。グループ各社の強みを融合させ、お客様の多様なバックオフィス業務を包括的に支援してまいります。また、非連続な事業成長に向けた戦略的投資を推進するため、運用子会社である飯田橋クロスパートナーズ株式会社がコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の運営を担っております。同社を通じて、既存事業とのシナジー創出や新事業領域の発掘を目指した投資活動を行うことで、グループ全体の持続的な企業価値向上を図ってまいります。<市場環境、顧客基盤> 従来型アプリケーションの「オンプレミス」と、クラウド上でサービス提供する「PCAクラウド」の業務アプリケーションの市場のなかで、当社は従業員規模別に顧客を区分したスモール(従業員19名以下)、ミッド(従業員20名~999名以下)およびエンタープライズ(従業員1,000名以上)の3領域に対してそれぞれのニーズに即したソリューションを提供しております。 業務アプリケーション市場の全体は、製品の普及と中小・中堅企業数の減少により、新規需要は減少し既存ユーザーの買替需要が中心となっております。したがって、製品の機能改善の提供のみではなく新たな観点での製品・サービスを他社に先駆けて提供することが重要となります。 1)従業員1名から19名以下の市場(スモール)当該市場の多くの企業においては、主に1台で動作するスタンドアロン型の基幹業務ソフトウェアが導入されており、会計・給与処理を中心とした限定的な業務利用にとどまるケースが大半を占めています。業務目的を特定部署・特定機能に絞り込んで利用する企業が多く、外部連携やクラウド化への対応はいまだ途上にあります。一方で、FinTechやペーパーレス化の進展など社会環境の変化を受け、クラウドサービスへの移行ニーズは着実に高まっております。また、少子高齢化に伴う深刻な人手不足を背景に、入力業務の自動化・省力化へのニーズも増加しており、AI技術を活用した業務効率化への関心が当該市場においても急速に高まっております。加えて、労働関係法令の改正への対応などが、小規模事業者における労務管理・給与計算システム整備の重要な契機となっております。当社はこれらのニーズに応えるべく、直感的な操作性と低コストで高品質な業務環境を提供してまいります。さらに、「PCA Arch」に搭載されたAIアシスタント機能を通じ、仕訳入力の自動提案・給与計算における異常値検知など、AI活用による業務負担軽減を実現することで、当該セグメントの顧客基盤のさらなる拡充を図ってまいります。しかしながら、AIや自動化テクノロジーの急速な普及により、入力業務を中心とした経理・労務業務の代替が進むリスクも存在します。また、低価格のクラウド会計・給与サービスを提供する競合事業者が増加するなか、引き続き価格競争力と機能優位性の両立が重要な経営課題となっております。 2)従業員20名から999名以下の市場(ミッド)当該市場は、当社が長年にわたり顧客基盤を築いてきたコアセグメントであり、スタンドアロン型製品に加え、ネットワーク対応型製品およびクラウドサービスの導入が積極的に進んでいます。ハードウェア管理コストの削減、システム全体の効率化・最適化、テレワーク・在宅勤務への対応など多様な経営課題に直面しており、業務システムの刷新・クラウドシフトへの機運が一層高まっております。当社は他社に先駆けてオンプレミス製品のクラウド展開(PCAクラウド)を2008年5月より開始しており、当該市場を中心に普及を進めてまいりました。PCAクラウドの課金売上は継続的に拡大し、継続課金売上においても全サービス中最大規模となっており、当社のサブスクリプションビジネスの根幹を担っております。また、グループ企業・関連会社を持つ企業や101名〜999名規模の中堅企業については、グループ管理・マルチテナント対応・業務の自動化など高度な管理機能へのニーズが高まっております。特に2026年度においては、基幹業務へのAI活用ニーズが顕在化しており、経費精算の自動仕訳・月次決算の早期化・給与労務データの分析高度化など、AIを組み込んだ業務変革への要請が中堅企業を中心に急速に拡大しております。当社は「PCA Arch」に搭載されたAIアシスタント機能の継続的な拡充により、これらのニーズへの対応を強化してまいります。さらに、労働関係法制の変化、および人事労務領域におけるDX推進(採用・評価・エンゲージメント管理等)への対応ニーズも旺盛であり、当社は「PCA Hub」シリーズや「クロノス勤怠管理システム」との連携も含めた統合型ソリューションの提供によって、顧客のLTV(顧客生涯価値)向上とARPU改善を目指してまいります。 3)従業員1,000名以上の市場(エンタープライズ)当該市場においては、グループ連結管理・内部統制・ガバナンス強化などの高度かつ複雑な業務要件への対応が求められており、従来は大手ERP・専用システムが主流でありました。しかしながら近年、既存システムの保守コスト増大・老朽化、クラウドネイティブなサービスへの移行ニーズの高まりに加え、基幹業務領域におけるAI活用の本格化を受け、大企業においてもSaaS型サービスの選択肢が急速に広がりつつあります。特に、AIによる財務データの異常検知・予算実績分析の自動化・人事データを活用したタレントマネジメント高度化など、AIを核とした業務変革への期待が大企業においても高まっております。当社は、財務経理・人事労務の両領域において、「PCA Arch エンタープライズ」の提供を開始し、大規模組織特有の要件(複数法人管理・高度な権限設定等)に対応した機能を提供しております。加えて、「PCA Arch」に実装されたAIアシスタント機能を大規模組織の業務フローに適合させた形で提供し、経理・人事部門における意思決定の高度化・迅速化を支援してまいります。大手SIerや専門パートナーとの協業を通じたソリューション提案体制を整備し、当該セグメントでの新規顧客獲得とブランド認知向上に取り組んでまいります。また、M&Aや事業承継を通じた企業規模拡大・グループ化が加速するなか、ミッドセグメントからエンタープライズセグメントへ移行する顧客の複数法人管理(マルチテナント管理)が重要な差別化要因となっております。当社はPCA Archの製品ラインナップをスタンダード・エンタープライズの2区分で体系化することで、顧客企業の成長ステージに応じた継続的な価値提供と、AI活用を通じた業務変革への伴走を実現してまいります。 <競争優位性> オンプレミス製品市場が成熟期にある中、当社は2024年3月をもってパッケージ版の販売を終了し、継続課金型のビジネスモデルへの完全移行を推進しております。昨今、他社との機能的な差別化が困難な市場環境において、当社は共通ID基盤「PCA ID」による利便性の提供、Web-APIによる柔軟な外部連携、およびグループ会社であるクロノス株式会社の就業管理製品等との一体提案を通じて、製品単体の枠を超えた付加価値を提供し、競争上の優位を確保しております。クラウド領域においては、2008年から提供している「PCAクラウド」の安定した運用実績に加え、2025年11月にリリースした次世代基幹業務クラウド「PCA Arch」が今後の競争優位を確立する中核を担っております。「PCA Arch」において、既に提供を開始している自然言語で操作を支援する「AIアシスタント」や、他社サービスと連携し自律的に業務を遂行する「AIエージェント」の実装を順次予定しており、当社は従来の入力自動化を超えた「基幹業務の自律化」を実現する先進的な技術プラットフォームを確立してまいります。近年、周辺サービス事業者による基幹業務領域への参入が相次いでおりますが、当社は長年培った法令に準拠した業務処理の知見と、グループの総合力により対抗しております。さらに、株式会社タイレルシステムズのグループインによる開発体制の強化に加え、3年間で120億円以上の開発投資および機動的なM&A投資枠を活用することで、安全性・可用性の向上とAI駆動型の革新的なサービス開発を継続し、優位性の維持・向上に努めてまいります。 <販売網> 当社は従来から代理店販売を中心に事業を展開してまいりました。現在、当社が営む業務アプリケーションの市場(特にクラウドサービス)においてはネット販売が顕著に拡大しております。したがって、当社もネット販売を新たな販売網と位置づけ、当社ウェブサイトへの誘導、魅力あるコンテンツの提供、閲覧者の行動分析と提案などのデジタルマーケティングを推進し、案件獲得を強化してまいります。また、税理士、公認会計士、社会保険労務士などの職業的専門家(いわゆる士業)を通じた商流や、金融機関との連携を通じた商流など新たなチャネル開拓も継続して推進します。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題1)低価格サービスを展開する事業者への対応 近年クラウド上で機能全体を絞り込み、低価格にてサービスを提供する事業者が業績を伸ばしつつあります。 現状では機能差、価格帯と、顧客との関係性強化で棲み分けができていて、影響は限定的であります。また、プログラムの構造上の制限により、当社と同等の機能を搭載すると十分な処理速度が確保されないことや、販売・仕入系の複雑な内部処理が必要なサービスは提供困難とされています(PCAクラウドはこれを回避するため特殊な技法を採用しています)。 しかし、業務アプリケーションに対する顧客ニーズが、「基本機能さえあれば十分」と大きく変遷した場合、低価格サービスへの移行が加速し当社顧客の喪失となるリスクが将来的に存在します。 当社としては、サービス単体での価格差競争には応じず、サービス群、基幹システムと連携する周辺ソリューション、他システムとの連携や親切丁寧な顧客サポートなどサービス全体での費用対効果を向上し、差別化を図ります。これらにより顧客数の維持、拡大を図り、長期的に安定した事業基盤を築きます。 2)新技術への対応 当社はクラウドサービスへの早期対応に続き、現在は生成AIを筆頭とする新技術の実装による事業基盤の更なる強靭化を最重要課題と認識しております。2025年11月には、これら新技術を統合した次世代基幹業務クラウド「PCA Arch」をリリースし、AI活用を研究段階から「実装段階」へと移行させました。 具体的には、自然言語による操作支援を行う「AIアシスタント」に加え、他社サービスとも連携し自律的に業務を遂行する「AIエージェント」の実装を推進しております。これにより、従来の入力自動化を超えた「基幹業務の自律化」を実現し、ユーザーの生産性を飛躍的に向上させます。さらに、「PCA Hub」シリーズを核とした周辺業務との高度な連携基盤を確立することで、基幹業務プロセスの圧倒的な高度化を支える先進的な技術プラットフォームの構築を強力に推進してまいります。 3)既存顧客への対応の強化 前述の通り基幹業務系のアプリケーションの市場は飽和状態であり、新規顧客の獲得は難しく、PCの入れ替えや基幹業務システムのリース契約期間の満了を契機に他社システムへの移行を検討する事案が増えております。当社では当社製品のより効果的な活用方法や未導入製品との連携による自動化の実現など、顧客のビジネスがより円滑になり成果が上がることを目的に、カスタマーサクセス部を設置し、強化してまいりました。引き続き、顧客の成功体験により当社製品の継続利用の促進や他社製品への移行の抑制を図ってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、「『はたらく』に新しい価値を創出し、すべての人に豊かな時間と可能性を提供する」というパーパス(存在意義)のもと、基幹業務の高度な自動化を実現するソフトウェアの提供を核に、企業の円滑な経営・運営をサポートする「マネジメントサポート・カンパニー」であり続けることをミッションとして掲げております。 さらに、ビジョンとして「社会の変化をいち早く捉えて、働く人に寄り添い課題を解決する」とし、会社が目指すべき姿を示しております。 これらを実現するため、当社グループで働くすべての社員は「Professional」「Customer-First」「As-One」の3つをバリュー(行動指針)として共有しております。最新の技術や社会の変化、お客様のニーズを常に捉え、それらに真摯に向き合う姿勢をサービス開発に貫くとともに、社員が互いに尊重し協力し合うことで、お客様やパートナー企業の期待に応える価値を創造し続けてまいります。 今後とも、変化し続ける経済環境の中にあっても、働く人に寄り添い、さらなる信頼性と利便性を兼ね備えたソフトウェア及びサービスをご提供することで、社会に貢献する企業を目指してまいります。また、社会的責任を果たすべく、法令を遵守した継続的かつ安定的な企業成長を目指し、お客様、パートナー様、株主の皆様、社員及び地域社会のご期待に応えてまいります。 (2)中長期的な会社の経営戦略会社の健全で持続的な成長を実現するため、次の重点施策に注力します。① 主力事業の成長力強化1.クラウドビジネスの更なる広がり オンプレ製品(パッケージ版)の販売終了に伴い、「PCAクラウド/on AWS」「PCAサブスク」への戦略的移行を推進しております。特に、2025年11月にリリースした「PCA Arch」では、既に実装されている「AIアシスタント」に加え、他社サービスとも連携し自律的に業務を完遂する「AIエージェント」の実装を今後順次予定しています。これにより、ご担当者様がより付加価値の高い業務に集中できる環境の創出を目指します。また、同製品と「PCA Hub」等とのセット販売による包括的な提案を通じて顧客単価(ARPU)の向上を実現し、強固な継続課金モデル(ARR)の確立を図ってまいります。2.ストック型ビジネスモデルへの転換促進 「PCAクラウド/on AWS」および「PCAサブスク」を中心に、オンプレ製品(パッケージ版)の買取販売から継続利用型サービスへの切り替えを促進しております。 2028年以降に順次迎えるパッケージ版のサポート終了を見据え、オンプレ製品の既存保守会員が最新サービスへ円滑に移行できるよう、共通ID基盤「PCA ID」の活用や価格体系の整備を図ります。こうした取り組みを通じて、安定的な収益基盤である継続課金モデル(ARR)の成長を加速させます。3.デジタル・カスタマーサクセスの強化 デジタルチャネルを中心に、デジタルツールやデジタルコンテンツを活用し、増大するダイレクトニーズへの効果的な対応とカスタマーサクセス強化による導入契約率と利用継続率の向上を図ります。 ② 新ビジネス基盤整備と先行投資1.共通ID基盤「PCA ID」によるサービス連携と顧客接点の強化 共通ID基盤である「PCA ID」は実装を完了し、パスキー認証によるセキュリティの高度化や、シングルサインオンによる利便性向上を実現しております。今後は外部IDとの連携をさらに深化させることで、お客様との接点をより強固かつダイレクトなものとし、当社のマルチプロダクト戦略を支える基盤として、収集されたデータアセットを製品開発やマーケティングへ活用してまいります。2.生成AIの実装による「基幹業務の自律化」の推進 生成AIの活用については、これまでの研究段階から「実装段階」へと移行いたしました。自律的に業務を遂行する「AIエージェント」等の実装を進めることにより、基幹業務の圧倒的な高度化・自律化を推進します。これにより、ユーザーがより付加価値の高い業務に集中できる環境を創出し、製品のさらなる差別化を図ります。 3.戦略的投資とM&Aによるグループ総合力の飛躍的向上 成長を加速させるための戦略投資・M&A等を積極的に実行しております。開発体制を強化する株式会社タイレルシステムズや、BPOサービス領域の拡張を担う株式会社PRIMASのグループインにより、グループの総合力を高めてまいります。また、機動的なM&Aの実行等に向けて100億円規模の戦略投資枠を確保する一方で、2027年3月期はAI開発やクラウド移行推進に約16億円の先行投資を実施し、事業基盤のさらなる強化と中長期的な企業価値の最大化に注力いたします。 ③ サービス指向のモノづくり1.開発体制の刷新とモダン化の推進 「サービスデザイン」「プロダクトオーナーシップ」「開発投資評価」「ソフトのモダン化」の4つの取組みを推進します。アジャイル開発やUXデザインを核に、ユーザー起点で迅速なサービス提供を実現する体制を構築し、製品・サービスの質を継続的に向上させます。2.成長の源泉となる継続的な開発投資 中期経営計画の達成に向け、リソースを最適に配分した大規模な開発投資を実行します。既存製品の機能改良に加え、基幹システムのモダン化や新プロダクト開発、さらには生成AI活用といった研究開発に注力し、総合的なサービスラインナップの拡充と質の向上を図ります。3.HR領域の強化とデータ活用の推進 グループ会社のクロノス株式会社および株式会社ドリームホップとの連携により、就業管理やメンタルヘルス対策から人事労務までを包括的にサポートします。HR分野の利便性を高め、最終的には人的資本経営を支える「非財務データの可視化と分析」の実現に寄与してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための指標 当社グループは、売上高、営業利益、売上高営業利益率を重要な指標として位置づけ、収益性を向上させるとともに、より高い成長性を確保することを目指します。今次中期経営計画で確立を目指している継続課金モデルでは以下4つを重要な業績指標(KPI)としております。継続課金モデルとは、従来からの安定的な収入として捉えていたストック収入から「オンプレミス向け保守料収入」を除き、継続的な課金収入が見込める「基幹クラウド(PCAクラウド等)・周辺クラウド(PCA Hub)・継続利用型オンプレミス(PCAサブスク)」による経常的な収益性と継続的な成長性を追求していく収益獲得モデルとなります。 2026年3月期末2025年3月期末前年同期比2026年3月期第3四半期末前四半期末比課金契約数※143,857件35,364件24.0%増41,579件5.5%増ARR(年間・継続課金収入)※211,320百万円9,896百万円14.4%増10,904百万円3.8%増 2026年3月期末2026年3月期第3四半期末前四半期末増減チャーンレート(解約率)※30.26%0.25%0.01%増ARPU(年間・平均契約単価)※4258千円262千円4千円減※1)PCAにおけるPCAクラウド(on AWS含む)・ PCA Hub・PCAサブスクの課金契約数、及びクロノスにおけるクロノスPerformanceクラウド・クロッシオンの課金契約数の合計値※2)月次継続課金売上高(MRR)×12倍(月数)※3)離脱課金契約数÷前月末課金契約数※4)「月次継続課金売上高(MRR)×12倍」(=ARR)÷ 課金契約数 (4)当社グループを取り巻く経営環境<企業構造> 当社グループは、当社が会計、給与計算、販売管理、仕入管理などの基幹業務系のアプリケーションの開発・販売及び保守サポート業務を実施しております。製品の導入・運用支援および開発体制においては、子会社の株式会社ケーイーシーが製品等の導入指導やデータの移管・入力代行などのユースウェア業務を担うとともに、株式会社タイレルシステムズが持つ先端的なWeb開発技術やアジャイル開発力をグループに統合しております。これにより、クラウドサービスにおける開発スピードの向上と、利便性の高いUI/UX設計の実現を図っております。HR事業領域においては、子会社のクロノス株式会社が当社製品等と連動する勤怠管理ソフトを開発・販売し、給与計算と勤怠管理の一元化による顧客業務の効率化を推進しております。これに加え、株式会社ドリームホップが提供するメンタルヘルスサービスを当社販売網で展開することで、就業管理から心の健康管理までを幅広くカバーする体制を整えております。さらに、財務・経理領域に特化したBPOサービスを展開する株式会社PRIMASがグループに加わったことで、従来のソフトウェア提供に加え、専門人材による業務代行サービスを組み合わせた「統合型バックオフィス支援」を提供できる体制を構築しております。グループ各社の強みを融合させ、お客様の多様なバックオフィス業務を包括的に支援してまいります。また、非連続な事業成長に向けた戦略的投資を推進するため、運用子会社である飯田橋クロスパートナーズ株式会社がコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の運営を担っております。同社を通じて、既存事業とのシナジー創出や新事業領域の発掘を目指した投資活動を行うことで、グループ全体の持続的な企業価値向上を図ってまいります。<市場環境、顧客基盤> 従来型アプリケーションの「オンプレミス」と、クラウド上でサービス提供する「PCAクラウド」の業務アプリケーションの市場のなかで、当社は従業員規模別に顧客を区分したスモール(従業員19名以下)、ミッド(従業員20名~999名以下)およびエンタープライズ(従業員1,000名以上)の3領域に対してそれぞれのニーズに即したソリューションを提供しております。 業務アプリケーション市場の全体は、製品の普及と中小・中堅企業数の減少により、新規需要は減少し既存ユーザーの買替需要が中心となっております。したがって、製品の機能改善の提供のみではなく新たな観点での製品・サービスを他社に先駆けて提供することが重要となります。 1)従業員1名から19名以下の市場(スモール)当該市場の多くの企業においては、主に1台で動作するスタンドアロン型の基幹業務ソフトウェアが導入されており、会計・給与処理を中心とした限定的な業務利用にとどまるケースが大半を占めています。業務目的を特定部署・特定機能に絞り込んで利用する企業が多く、外部連携やクラウド化への対応はいまだ途上にあります。一方で、FinTechやペーパーレス化の進展など社会環境の変化を受け、クラウドサービスへの移行ニーズは着実に高まっております。また、少子高齢化に伴う深刻な人手不足を背景に、入力業務の自動化・省力化へのニーズも増加しており、AI技術を活用した業務効率化への関心が当該市場においても急速に高まっております。加えて、労働関係法令の改正への対応などが、小規模事業者における労務管理・給与計算システム整備の重要な契機となっております。当社はこれらのニーズに応えるべく、直感的な操作性と低コストで高品質な業務環境を提供してまいります。さらに、「PCA Arch」に搭載されたAIアシスタント機能を通じ、仕訳入力の自動提案・給与計算における異常値検知など、AI活用による業務負担軽減を実現することで、当該セグメントの顧客基盤のさらなる拡充を図ってまいります。しかしながら、AIや自動化テクノロジーの急速な普及により、入力業務を中心とした経理・労務業務の代替が進むリスクも存在します。また、低価格のクラウド会計・給与サービスを提供する競合事業者が増加するなか、引き続き価格競争力と機能優位性の両立が重要な経営課題となっております。 2)従業員20名から999名以下の市場(ミッド)当該市場は、当社が長年にわたり顧客基盤を築いてきたコアセグメントであり、スタンドアロン型製品に加え、ネットワーク対応型製品およびクラウドサービスの導入が積極的に進んでいます。ハードウェア管理コストの削減、システム全体の効率化・最適化、テレワーク・在宅勤務への対応など多様な経営課題に直面しており、業務システムの刷新・クラウドシフトへの機運が一層高まっております。当社は他社に先駆けてオンプレミス製品のクラウド展開(PCAクラウド)を2008年5月より開始しており、当該市場を中心に普及を進めてまいりました。PCAクラウドの課金売上は継続的に拡大し、継続課金売上においても全サービス中最大規模となっており、当社のサブスクリプションビジネスの根幹を担っております。また、グループ企業・関連会社を持つ企業や101名〜999名規模の中堅企業については、グループ管理・マルチテナント対応・業務の自動化など高度な管理機能へのニーズが高まっております。特に2026年度においては、基幹業務へのAI活用ニーズが顕在化しており、経費精算の自動仕訳・月次決算の早期化・給与労務データの分析高度化など、AIを組み込んだ業務変革への要請が中堅企業を中心に急速に拡大しております。当社は「PCA Arch」に搭載されたAIアシスタント機能の継続的な拡充により、これらのニーズへの対応を強化してまいります。さらに、労働関係法制の変化、および人事労務領域におけるDX推進(採用・評価・エンゲージメント管理等)への対応ニーズも旺盛であり、当社は「PCA Hub」シリーズや「クロノス勤怠管理システム」との連携も含めた統合型ソリューションの提供によって、顧客のLTV(顧客生涯価値)向上とARPU改善を目指してまいります。 3)従業員1,000名以上の市場(エンタープライズ)当該市場においては、グループ連結管理・内部統制・ガバナンス強化などの高度かつ複雑な業務要件への対応が求められており、従来は大手ERP・専用システムが主流でありました。しかしながら近年、既存システムの保守コスト増大・老朽化、クラウドネイティブなサービスへの移行ニーズの高まりに加え、基幹業務領域におけるAI活用の本格化を受け、大企業においてもSaaS型サービスの選択肢が急速に広がりつつあります。特に、AIによる財務データの異常検知・予算実績分析の自動化・人事データを活用したタレントマネジメント高度化など、AIを核とした業務変革への期待が大企業においても高まっております。当社は、財務経理・人事労務の両領域において、「PCA Arch エンタープライズ」の提供を開始し、大規模組織特有の要件(複数法人管理・高度な権限設定等)に対応した機能を提供しております。加えて、「PCA Arch」に実装されたAIアシスタント機能を大規模組織の業務フローに適合させた形で提供し、経理・人事部門における意思決定の高度化・迅速化を支援してまいります。大手SIerや専門パートナーとの協業を通じたソリューション提案体制を整備し、当該セグメントでの新規顧客獲得とブランド認知向上に取り組んでまいります。また、M&Aや事業承継を通じた企業規模拡大・グループ化が加速するなか、ミッドセグメントからエンタープライズセグメントへ移行する顧客の複数法人管理(マルチテナント管理)が重要な差別化要因となっております。当社はPCA Archの製品ラインナップをスタンダード・エンタープライズの2区分で体系化することで、顧客企業の成長ステージに応じた継続的な価値提供と、AI活用を通じた業務変革への伴走を実現してまいります。 <競争優位性> オンプレミス製品市場が成熟期にある中、当社は2024年3月をもってパッケージ版の販売を終了し、継続課金型のビジネスモデルへの完全移行を推進しております。昨今、他社との機能的な差別化が困難な市場環境において、当社は共通ID基盤「PCA ID」による利便性の提供、Web-APIによる柔軟な外部連携、およびグループ会社であるクロノス株式会社の就業管理製品等との一体提案を通じて、製品単体の枠を超えた付加価値を提供し、競争上の優位を確保しております。クラウド領域においては、2008年から提供している「PCAクラウド」の安定した運用実績に加え、2025年11月にリリースした次世代基幹業務クラウド「PCA Arch」が今後の競争優位を確立する中核を担っております。「PCA Arch」において、既に提供を開始している自然言語で操作を支援する「AIアシスタント」や、他社サービスと連携し自律的に業務を遂行する「AIエージェント」の実装を順次予定しており、当社は従来の入力自動化を超えた「基幹業務の自律化」を実現する先進的な技術プラットフォームを確立してまいります。近年、周辺サービス事業者による基幹業務領域への参入が相次いでおりますが、当社は長年培った法令に準拠した業務処理の知見と、グループの総合力により対抗しております。さらに、株式会社タイレルシステムズのグループインによる開発体制の強化に加え、3年間で120億円以上の開発投資および機動的なM&A投資枠を活用することで、安全性・可用性の向上とAI駆動型の革新的なサービス開発を継続し、優位性の維持・向上に努めてまいります。 <販売網> 当社は従来から代理店販売を中心に事業を展開してまいりました。現在、当社が営む業務アプリケーションの市場(特にクラウドサービス)においてはネット販売が顕著に拡大しております。したがって、当社もネット販売を新たな販売網と位置づけ、当社ウェブサイトへの誘導、魅力あるコンテンツの提供、閲覧者の行動分析と提案などのデジタルマーケティングを推進し、案件獲得を強化してまいります。また、税理士、公認会計士、社会保険労務士などの職業的専門家(いわゆる士業)を通じた商流や、金融機関との連携を通じた商流など新たなチャネル開拓も継続して推進します。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題1)低価格サービスを展開する事業者への対応 近年クラウド上で機能全体を絞り込み、低価格にてサービスを提供する事業者が業績を伸ばしつつあります。 現状では機能差、価格帯と、顧客との関係性強化で棲み分けができていて、影響は限定的であります。また、プログラムの構造上の制限により、当社と同等の機能を搭載すると十分な処理速度が確保されないことや、販売・仕入系の複雑な内部処理が必要なサービスは提供困難とされています(PCAクラウドはこれを回避するため特殊な技法を採用しています)。 しかし、業務アプリケーションに対する顧客ニーズが、「基本機能さえあれば十分」と大きく変遷した場合、低価格サービスへの移行が加速し当社顧客の喪失となるリスクが将来的に存在します。 当社としては、サービス単体での価格差競争には応じず、サービス群、基幹システムと連携する周辺ソリューション、他システムとの連携や親切丁寧な顧客サポートなどサービス全体での費用対効果を向上し、差別化を図ります。これらにより顧客数の維持、拡大を図り、長期的に安定した事業基盤を築きます。 2)新技術への対応 当社はクラウドサービスへの早期対応に続き、現在は生成AIを筆頭とする新技術の実装による事業基盤の更なる強靭化を最重要課題と認識しております。2025年11月には、これら新技術を統合した次世代基幹業務クラウド「PCA Arch」をリリースし、AI活用を研究段階から「実装段階」へと移行させました。 具体的には、自然言語による操作支援を行う「AIアシスタント」に加え、他社サービスとも連携し自律的に業務を遂行する「AIエージェント」の実装を推進しております。これにより、従来の入力自動化を超えた「基幹業務の自律化」を実現し、ユーザーの生産性を飛躍的に向上させます。さらに、「PCA Hub」シリーズを核とした周辺業務との高度な連携基盤を確立することで、基幹業務プロセスの圧倒的な高度化を支える先進的な技術プラットフォームの構築を強力に推進してまいります。 3)既存顧客への対応の強化 前述の通り基幹業務系のアプリケーションの市場は飽和状態であり、新規顧客の獲得は難しく、PCの入れ替えや基幹業務システムのリース契約期間の満了を契機に他社システムへの移行を検討する事案が増えております。当社では当社製品のより効果的な活用方法や未導入製品との連携による自動化の実現など、顧客のビジネスがより円滑になり成果が上がることを目的に、カスタマーサクセス部を設置し、強化してまいりました。引き続き、顧客の成功体験により当社製品の継続利用の促進や他社製品への移行の抑制を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】業績等の概要(1)業績 当連結会計年度における我が国の経済状況は、賃上げによる雇用・所得環境の改善や設備投資の堅調な推移、企業収益の改善等により、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、中東地域における情勢不安の再燃やウクライナ情勢の長期化、円安基調の継続に伴う原材料・エネルギーコストの高騰に加え、国内における物価上昇の定着や金利動向の影響等、依然として先行きが不透明な状況が続いております。 このような中、当社は、当期より新たな中期経営計画(2025年4月から2028年3月までの3ヵ年)をスタートさせました。 この中期経営計画のなかで3つの重点施策を推進し、継続課金モデルを確立していきます。① 主力事業の成長力強化 :クラウドシフトの推進、Hubサービスの拡充、セールスマーケティングの強化② 新ビジネス基盤整備と先行投資:統合ID基盤整備とIDアセット活用、生成AI実装と業務の自動化研究、CVCによる非連続成長への先行投資③ サービス指向のモノづくり :4つの取り組みと開発投資計画の推進、HR領域のグループ製品開発計画の推進 当社は、2025年11月に新サービス「PCA Arch」をリリースいたしました。 当連結会計年度後半におきましては、JR東日本首都圏の電車内におけるポスター広告の掲出等、同サービスの認知向上と市場浸透を図るべく積極的なプロモーション活動を展開してまいりました。「PCA Arch」は、AIなどの最新技術を活用し、財務経理・人事労務・販売管理といった基幹業務をワンストップでサポートすることで、中小・中堅企業様の「業務のデジタル化」や「ナレッジの共有」といった課題解決に貢献しております。 2025年8月には、株式会社タイレルシステムズが当社グループに加わりました。これにより、製品開発スピードの向上と技術力の強化を図ることで、成長戦略をさらに加速させ当期の業績成長はもとより、中期経営計画の達成を目指してまいります。 また、今次中期経営計画の当初より、さらなる事業基盤の強化に向けてM&Aの検討を重ねてまいりましたが、その結実として、2026年4月には、当社連結子会社である株式会社ケーイーシーが、株式会社PRIMASを子会社化いたしました。当社の基幹業務サービスとPRIMAS社の「専門人材・BPO機能」をかけ合わせることで、システム提供のみならず実務運用までを見据えた支援体制の構築を進めてまいります。本件を通じて、グループ全体でユーザー様への提供価値の幅を広げ、当社が目指す「マネジメントサポート・カンパニー」としての基盤強化を図ってまいります。 今後も機能拡大に努め、中小・中堅企業様の基幹業務をワンストップでサポートできるよう開発を進めてまいります。 このような状況下において、当社グループの当連結会計年度の売上高は、17,306百万円(前年同期比6.6%増)となりました。一方で、中期経営計画達成に向け開発力強化への取り組みを継続中であり、開発人件費及び外注費等の純増額が前年同期比で16.1%増となることで営業利益は2,463百万円(前年同期比6.6%減)となりました。また、投資事業組合運用損70百万円を営業外費用に計上したことにより経常利益は2,495百万円(前年同期比7.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、主に投資有価証券売却益887百万円の計上により2,355百万円(前年同期比35.3%増)となりました。 (2)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,924百万円減少(前連結会計年度は902百万円の増加)し、18,548百万円となりました。 なお、当連結会計年度における各活動によるキャッシュ・フローの状況とそれらの主な増減要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は、1,434百万円(前連結会計年度は2,853百万円の収入)となりました。 これは主に、税金等調整前当期純利益3,382百万円、法人税等の支払額1,655百万円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は、2,518百万円(前連結会計年度は265百万円の支出)となりました。 これは主に、定期預金の預入による支出2,002百万円、投資有価証券の売却による収入919百万円、投資事業組合への出資による支出502百万円、投資有価証券の取得による支出400百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果支出した資金は、1,840百万円(前連結会計年度は1,685百万円の支出)となりました。 これは主に、株主に対する配当金の支払額1,741百万円によるものであります。 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための指標につきましては、次の通りであります。指標2026年3月(期初計画)2026年3月(実績)2026年3月(計画比)売上高176億円173億円△3億円 (97.8% )営業利益28億円24億円△3億円 (87.2% )売上高営業利益率16.0%14.2%△1.8ポイントROE9.9%12.4%2.5ポイントDOE9.9%10.1%0.2ポイント 2026年3月期の達成・進捗状況は以下のとおりです。 売上高についてはPCAクラウドやPCAサブスク等の課金契約数が堅調に増加したものの、低単価製品の伸長に伴うARPU(契約単価)の低下等により、期初計画比3億円減(2.2%減)となりました。上記売上高減に加え、利益面については、中期経営計画の達成および中長期的な企業価値の最大化に向け、2025年9月にAI・開発領域等への積極投資へと大きく舵を切り、AI開発の加速やPCA Arch等の製品開発、将来の顧客基盤拡大に向けたマーケティング・カスタマーサクセス体制の拡充に約10億円の投資を機動的に実行いたしました。これらの将来成長を見据えた先行投資の結果、営業利益は期初計画比3億円減(12.8%減)の24億円となりましたが、これは戦略的な経営判断に基づくものとなっております。 一方、ROEについては、政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益を特別利益に計上したこと等により、当初予想を2.5ポイント上回る12.4%となりました。 1株当たり配当金につきましては、期初計画のとおり95円00銭とし、DOEは期初計画から0.2ポイント増加し10.1%となりました。 生産、受注及び販売の実績(1)生産実績区分当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)製品(百万円)606101.6(注)生産金額は、販売価格で表示しております。 (2)受注実績 受注実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。 (3)販売実績 単一セグメントであるため、種類別の実績を記載しております。区分当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)クラウドサービス(百万円)10,738114.5保守サービス(百万円)3,25887.8製品(百万円)606101.6商品(百万円)51197.9その他営業収入(百万円)2,192108.3合計(百万円)17,306106.6 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)株式会社リコー4,14725.54,44725.7富士フイルムビジネスイノベーション株式会社1,62910.01,73310.0 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 有価証券報告書に記載しております事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項につきましては、以下のようなものがあります。 当該文中における予想、見込み等の将来に関する事象は、有価証券報告書提出日(2026年6月23日)現在において当社グループが判断したものであり、今後様々な要因により実際の結果と異なる可能性があります。 (1)重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 (2)財政状態の分析① 資産・負債の状況の分析等(資産の状況) 当連結会計年度末における総資産の残高は、35,401百万円(前連結会計年度末は34,974百万円)となり、427百万円の増加となりました。 流動資産においては、328百万円(前連結会計年度末26,426百万円から当連結会計年度末26,098百万円へ)の減少となりました。これは主に投資事業組合への出資及び当社が実施したM&Aにより現金及び預金が921百万円減少、受取手形及び売掛金が345百万円増加、有価証券が100百万円増加したことによるものであります。 固定資産においては、755百万円(同8,547百万円から同9,303百万円へ)の増加となりました。これは主に繰延税金資産が909百万円増加、上場有価証券売却により投資有価証券が561百万円減少、M&A実施によりのれんが190百万円増加したことによるものであります。 (負債の状況) 当連結会計年度末における負債の残高は、16,348百万円(前連結会計年度末は15,691百万円)となり、657百万円の増加となりました。 流動負債においては、576百万円(前連結会計年度末14,008百万円から当連結会計年度末14,584百万円へ)の増加となりました。これは主に契約負債が533百万円増加したことによるものであります。 固定負債においては、81百万円(同1,682百万円から同1,764百万円へ)の増加となりました。これは主に資産除去債務が63百万円増加したことによるものであります。 ② 資本の財源及び資金の流動性にかかわる情報等(純資産の状況) 当連結会計年度末における純資産の残高は、19,052百万円(前連結会計年度末は19,283百万円)となり、230百万円の減少となりました。これは主にその他有価証券評価差額金が794百万円減少、利益剰余金が610百万円増加したことによるものであります。 (キャッシュ・フロー) 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,924百万円減少(前連結会計年度は902百万円の増加)し、18,548百万円となりました。また、流動比率が178.9%(流動資産26,098百万円÷流動負債14,584百万円)となっており、十分な流動性を確保しているものと認識しております。 (3)経営成績の分析① 経営成績の分析等(売上総利益) 当連結会計年度における売上高は17,306百万円(前年同期比6.6%増)となり、売上総利益は10,569百万円(同3.3%増)となりました。 (営業利益) 当連結会計年度における営業利益は2,463百万円(前年同期比6.6%減)となりました。これは主に、中期経営計画達成に向け開発力強化への取り組みを継続中であり、開発人件費及び外注費等の増加の影響によるものであります。 (経常利益) 当連結会計年度における経常利益は、2,495百万円(前年同期比7.2%減)となりました。これは主に、営業利益の減少に加えて、投資事業組合運用損を営業外費用に計上した影響によるものであります。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、2,355百万円(前年同期比35.3%増)となりました。これは主に、投資有価証券売却益887百万円によるものであります。 ② 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析(外部環境要因) 当社グループは、一般企業向け業務用パッケージソフトウェアの製造、開発及び販売を事業の主な収益源としております。 業務用パッケージソフトウェア市場においては、会計基準の変更、税法等の改正及び各種制度の改正などによって、ソフトウェアの更新需要が大きく変動する傾向があり、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすことが考えられます。 (内部環境要因) 当社グループでは、パッケージソフトウェアの製品開発において、「研究開発費等に係る会計基準」(企業会計審議会 1998年3月13日)に基づき費用配分の会計処理をしております。 当社グループにおける製品開発については、既存のソフトウェアに新しい機能等を付加した、いわゆるアップグレード版のソフトウェアの開発もおこなっており、その提供により将来の収益獲得が確実であると認められる場合のみ無形固定資産に資産計上を行っております。 当社グループは、クラウドサービスであるSaaSによる販売構成比が高く、ソフトウェアのアップグレードによるソフトウェアの開発と収益獲得に直接的な相関性がないケースも多いことから当期費用として会計処理されるものが相対的に多くなっております。この結果、製品開発費用が増加し、SaaSによる販売への価格転嫁が行えない場合は、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすことが考えられます。

事業リスク

  • 競合激化による収益圧迫
    ソフトウェアサービス市場では、低価格競争が激化しており、特に周辺業務領域から基幹業務領域へ進出する新規参入者も増加しています。これにより、ピー・シー・エーの製品の収益性が圧迫され、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • クラウド事業のサービス停止と競争
    クラウドサービスは、システム障害による長時間停止が発生した場合、顧客からの信頼を失うリスクがあります。また、競合他社が新技術やM&Aにより、同等機能を大幅な低価格で提供した場合、顧客を失い、収益が減少する可能性があります。
  • 機密情報漏えいのリスク
    顧客情報や重要な情報を扱うため、ハッカーなどの悪意ある第三者によるサイバー攻撃で機密情報が漏えいするリスクがあります。万一漏えいが発生した場合、企業のイメージや社会的評価が低下し、損害賠償責任を負うことで業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,800 文字
3【事業等のリスク】 当社グループは、事業活動を展開する上で様々なリスクが存在することを認識しており、これらのリスクを適切に管理することが経営上の重要な課題であると考えております。そのため、以下のとおりリスク管理体制を整備し、リスクの未然防止、発生時の影響の最小化、及び迅速な復旧に努めております。当社グループは、リスク管理に関する基本方針や推進体制を明記した「リスク及び緊急事態管理規程」を定め、これに基づきグループ横断的なリスク管理を推進しております。この体制の中核として、社長を委員長とし、常勤取締役および各部門の責任者等で構成される「リスク管理委員会」を設置しており、本委員会が平時における網羅的なリスクの把握・評価および対策の検討を行うことで、リスクの低減を図っております。また、リスクが顕在化した際には、速やかに同委員会を招集し、社長の指揮のもと、迅速かつ的確な意思決定と対応を行う体制を構築しております。なお、同委員会には常勤監査役も参加し、独立した立場からリスク管理体制の妥当性・有効性を監督しております。 リスク管理委員会は、半年に1回以上定期的に開催しております。また、経営に重大な影響を及ぼすリスクが顕在化した場合(例:サービス停止、情報漏洩等)には、同委員会を開催し、事実関係の調査、対応方針の決定、再発防止策の策定等を迅速に実行します。当事業年度において同委員会は5回開催されました。また、当社グループでは、リスクの特定・評価にあたり、全社で統一されたフレームワークを運用しております。事業環境の変化を踏まえ、各部門で洗い出した事業遂行上の様々なリスクに対し「発生可能性」と「影響額」の2つの軸でそれぞれスコアリング(数値化)を行い、算出したスコアをリスクマップ上に配置してリスクの相対的な重要度を可視化し、一定の基準を超えるものを「重大リスク」として特定するプロセスを運用しております。特定した重大リスクに対する管理方針や具体的な対応策、年次対応計画を策定し、その対応進捗状況を内部監査で確認しております。 以下の記載においては、このリスク評価の結果に基づき、当社の事業活動及び財政状態に特に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している重大なリスクを中心に記載しております。これらのリスクに対し、発生の未然防止と発生時の影響極小化に努めておりますが、以下の記載は当社グループの全てのリスクを網羅するものではなく、また、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性が伴う点にご留意ください。 (1)競合等により収益が圧迫されるリスク 近年、基幹業務領域に加えてその周辺業務領域まで拡大してきているソフトウェアサービス市場においては、価格破壊ともいえる低価格競争が急激に進んでおります。特に、周辺業務領域のサービスを提供する事業者が急速に事業を拡大し、周辺業務領域のサービスを足掛かりに基幹業務領域と一体的に提供する事業者も出始めているように、外部環境や競合事業者の位置づけも変化しております。また、デジタル技術革新も急速に進展しているため、業界全体や新たな競合先も含め競合他社の動向も急激に変化しております。 このような状況のもと、当社グループにおいては、競争の激化または新たなビジネスモデルによる低価格製品や新たなサービスとの競合により、販売製品の収益を圧迫するリスクが考えられます。 (2)クラウド事業におけるリスク 当社におけるクラウド事業であるSaaSにおいては、トラブルによるサービス停止が長時間にわたる等の障害により、ユーザーからの信頼を失うリスクが考えられます。このリスクを低減するため、当社では、データセンターの分散、外部セキュリティ専門会社によるチェック、異常時通報システムの導入等により、リスクの低減に努めております。 また、競合する事業者などが新技術の採用やM&Aによる事業展開、新たなビジネスモデル等によって、基幹業務ソフトウェアのPCAクラウドと同等機能のクラウドサービスを大幅な低価格で実現した場合に、顧客を失うリスクがあります。 (3)訴訟リスク 当社グループでは、当連結会計年度末現在、重要な訴訟事件等に該当するものはございません。しかしながら、将来において、第三者から、ソフトウェア製品における特許権をはじめ、著作権、商標権等の知的財産権の侵害を理由として、また、取引先から当社グループに起因する過失等による契約違反を理由として、損害賠償等の訴訟のリスクはあるものと考えられます。 (4)情報セキュリティに関するリスク 当社は、第三者による当社のサーバー等への侵入に対して、セキュリティ専門企業の助言を受けながら、ファイアウォールや不正侵入検知システムの導入など、システム的・技術的な対策を施すとともに、社内管理体制の強化を推進しております。しかしながら、高度化・巧妙化するサイバー攻撃(ランサムウェアや標的型攻撃等)をはじめとする悪意のある第三者からの不正アクセスやコンピューターウイルスへの感染、または人為的過失による紛失や盗難などにより、顧客企業の個人情報や重要な情報が漏えいする、あるいはシステムが停止する等の可能性は完全に否定できません。万が一、このような事態が生じた場合には、当該顧客からの損害賠償請求による費用発生や、社会的信用の低下などにより、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。 (5)自然災害等によるリスク 当社は、開発およびサポートの拠点を関東地区とそれ以外の地区に設置し、大規模な自然災害による事業停止への対策を取っております。製品の出荷につきましては、オンプレ製品(パッケージ版)の販売終了とクラウドサービスの割合増加により、商品の発送業務に必要な設備・規模が縮小したため、配送拠点を1箇所に集約しております。また、本社が被災した場合の機能維持対策も引き続き重要課題として取り組んでおります。例えば、重要なサーバーはクラウド上に移管し、移管が不適切なサーバーについてはデータのバックアップを別拠点に保管しております。また、担当者が使用するPCもノート型へ移行し、有事の際はPCを持ち出して業務の継続ができるようにしております。しかしながら、通信インフラの障害や各拠点で同時期に大規模な自然災害に見舞われた場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。 (6)会計、税制等の制度改正等のリスク 当社の事業内容上、新たな会計基準や税制の導入・改正が当社の経営成績に深く関わっており、税制等の改正の中止・延期により事業計画や年間の業績が大きく変動するリスクがあります。また、会計基準等の変更・税制改正の影響を予測することは困難であり、変更・改正による追加的な財務資源が必要になる可能性があります。 (7)人材確保・維持に係るリスク 当社のさらなる業務拡大のため、当社の技術を発展させる技術者、利益拡大や顧客満足度、労働生産性のさらなる向上・充実を図るための人員の確保が重要であると認識しております。特に、子会社では採用難の状況が顕著に現れている現状です。当社は知名度の向上や従業員に対する教育・福利厚生の充実といった対策を講じておりますが、少子化や著名企業によるIT技術者の積極採用の影響もあり質の高い人材の確保および維持ができない場合には、当社の目指す製品およびサービスレベルの維持が困難となり、当社の事業・業績に影響を及ぼす可能性があります。また、人員の増加に伴い固定的な人件費等も増加する可能性があり、固定費の増加を上回る売上の増加を確保できない場合には、業績が悪化する可能性があります。 加えて、高度な製品・サービス開発、その運用やセキュリティ認証等を取得するなどの高付加価値の源泉となる各種業務を遂行するにあたり専門性が高まりつつあります。複数の人間で対応しての業務補完、ナレッジの共有や社内研修などの対策を講じておりますが、一部の業務においては特定人物への依存が高くなっております。該当者の退職等で円滑な業務継続及び事業運営に影響を及ぼす可能性があります。 (8)研究開発に係るリスク 当社が製品提供する市場では急速な技術革新が起きており、顧客の要求をタイムリー且つ効果的に満たせるよう、Fintech、AI(Generative AI他)等の最新テクノロジーへの製品対応が求められております。そのような新しいテクノロジーに対応できる人材の確保や研究活動の遅延、またはノウハウや特許等を有する事業者との提携ができなかった場合、他社が当社より優れた技術やサービス等を活用した製品・サービスを開発すれば当社製品の市場競争力が低下する恐れがあります。 (9)開発・サービス提供・お客様の使用環境への依存に係るリスク 当社製品の開発・サービス提供に関する環境および当社製品の顧客の使用環境につきましては、他社の製品や技術・サービスに依存しております。それら他社製品・技術・サービスのアップデート等の変更に合わせて当社製 品・サービスも対応いたしますが、当社の対応が遅れるもしくは対応の全部または一部が不可能であった場合に、業績に影響を与える可能性があります。

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