経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「経営理念」に基づき、「ビジョン」に掲げる当社グループのありたい姿を目指し、事業活動を通じて当社グループの中長期にわたる安定成長の実現と企業価値向上に努めております。このため、経営の透明性・公正性・迅速性を確保することに加え、株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダーとの信頼関係を構築し、共存共栄に努めております。 <経営理念>ゲームというエンターテインメントを通じて「遊文化」をクリエイトし、人々に感動を与える「感性開発企業」 <ビジョン>最高のコンテンツで世界中の人々を夢中にさせる企業 (2) 目標とする経営指標当社グループは、事業の継続的な拡大を通じて、企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。経営指標として「毎期10%営業利益増益」の中期経営目標に加え、現金の動きを把握するキャッシュ・フロー経営を重視するとともに、資本効率の観点から、ROE(自己資本利益率)向上による企業価値の増大に努めてまいります。また、連結配当性向については、将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案のうえ、30%を基本方針とし、かつ安定配当の継続に努めてまいります。 (3) 経営環境および中長期的な会社の経営戦略当社グループを取り巻く環境は、ゲームコンテンツの増加やグローバルベースでのユーザーの拡大を背景に、主力のデジタルコンテンツ事業の市場規模は堅調な成長が見込まれる一方、コンテンツの提供チャネルの増加やデバイスの多様化、生成AIの普及をはじめとする技術革新の進展により、急速に変化を遂げております。このような環境下、当社グループは、引き続き中期経営目標の達成と、当社グループのビジョンの実現を目指してまいります。そのため、当社ブランドのさらなる浸透と新規ユーザーの獲得を図り、魅力ある当社コンテンツの展開を、より一層グローバルに拡大すべく注力してまいります。主力のデジタルコンテンツ事業においては、年間1億本の販売に向け、長期的な価格施策の実施に加え、240を超える国・地域での販売網の拡充と、国・地域の特性に応じたマーケティングの強化、ユーザーニーズの把握に努め、グローバル販売の強化に取り組んでまいります。加えて、アミューズメント施設事業やアミューズメント機器事業において人気IPや主力コンテンツを活用した展開を図るとともに、映像作品への投資とその活用、ライセンス商品、eスポーツ等への展開により、IPの認知向上による新規ユーザーの創出と収益機会の最大化に努めてまいります。また、上記の戦略に加え、持続的な成長の原動力となる人材投資戦略を推し進めるとともに、新規IPの創出と主要IPの活用によるパイプラインの拡充や新技術への対応を推進するため、当社独自の開発エンジン等の最先端技術の研究開発や開発環境構築のための積極的な成長投資を図ることにより、引き続き経営目標の達成に取り組んでまいります。今後も様々な活動を通じて、経営理念の実現に向け、取組みを行ってまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題前記(3)を推進するため、以下の課題に取り組んでまいります。 ① 次期の事業別戦略次期においては、前記(3)の戦略に基づき以下の点を中心に取り組んでまいります。 ア.デジタルコンテンツ事業当事業におきましては、今年4月に完全新規IPとして、新感覚のSFアクションアドベンチャーゲーム『プラグマタ』(プレイステーション 5、Xbox Series X|S、パソコン、Nintendo Switch 2 用)を発売したほか、シリーズ最新作『鬼武者 Way of the Sword』(プレイステーション 5、Xbox Series X|S、パソコン用)を投入してまいります。加えて、当期発売の『バイオハザード レクイエム』、前期発売の『モンスターハンターワイルズ』等のリピートタイトルについても、デジタル販売の強化と販売施策の推進により、収益の最大化と総販売本数の継続的な増加に努めてまいります。さらに、『ストリートファイター6』について、eスポーツ展開の継続やハリウッドでの映画展開により、引き続きブランドの価値向上とユーザー数の拡大を推し進めてまいります。 イ.アミューズメント施設事業当事業におきましては、新業態店舗の展開を継続するとともに、引き続き国内外での堅実な店舗出店、運営を進めてまいります。また、各店舗におけるイベント実施等により、リアル店舗の魅力の最大化と他事業とのシナジー効果の創出を図ってまいります。次期は出店9店舗を予定しております。 ウ.アミューズメント機器事業当事業におきましては、パチスロ市場で継続的需要が見込まれるスマートパチスロにおいて、人気IPを中心に新機種を順次投入してまいります。次期はスマスロ『バイオハザード RE:3』を今年5月に販売したほか、4機種の投入により販売台数53千台を予定しております。 エ.その他事業その他事業につきましては、『ストリートファイター6』を活用したeスポーツビジネスにおいて、2026年シーズンも、主要大会の決勝大会である「CAPCOM CUP 13」および「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2026」について、両国国技館での開催を決定しております。加えて、次世代選手の育成および競技シーンのさらなる活性化に向け、選手層の多様化と『ストリートファイター6』の一層の認知拡大に努めるとともに、業界振興およびグローバル市場での成長に資する取組みを継続してまいります。また、当社IPの全世界への浸透拡大を図るため、コンテンツの映像化の推進や他業種とのコラボレーションを通じ、ワンコンテンツ・マルチユース戦略の強みを最大限に活かした施策をグローバルに推し進めてまいります。この一環として、映像ビジネスにおいては「ストリートファイター」シリーズを原作とした実写映画の公開を今年10月に予定しております。これらの取組みにより、引き続きコンテンツのブランド拡大を図るとともに、コーポレートブランドの価値の最大化に努めてまいります。 ② サステナビリティへの取組み当社グループは、経営理念のもと、事業活動を通じて当社グループの中長期にわたる安定成長と企業価値向上に努めるとともに、すべての人々が安心してゲームを楽しめる世界の実現に向け、社会・環境における共通課題の解決に積極的に取り組んでおります。当社グループは、これらの取組みを通じて株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダーの皆様との信頼関係を構築し、より良い未来の実現を目指してまいります。 ア.人材投資戦略当社グループは、企業価値創造の源泉である人的資本への取組みを最優先課題の一つとして位置づけており、最高人事責任者(CHO)を設置し、人材投資戦略を推進しております。今後も、以下の取組みを実行することにより、企業価値の向上を図ってまいります。 (ア)将来を支える人材の確保と育成当社グループは、経営目標の達成に向けた持続的な成長のため、中核的競争力である開発体制の拡充を図るには、開発人員の増強と生産性の向上が重要であると認識しております。そのため、当社グループは毎期100名以上の開発人員の増員を推し進めるとともに、当社正社員に対し、平均基本年収の継続向上(2022年3月期比で38.2%増額)、業績連動性を高めた賞与制度および従業員向け株式報酬制度の運用、新卒初任給の引き上げ等の施策を実施し、採用力強化による優秀な人材の確保と従業員の意欲向上に努めております。加えて、産学連携の一環として自社開発エンジン「RE ENGINE」を活用した学生向けゲーム制作コンペティション「CAPCOM GAMES COMPETITION」を開催し、次世代のゲーム開発を支える人材の発掘と育成を通して、優秀な人材の獲得に向けた機会創出を図っております。また、当社グループでは、開発人員の共有すべき価値観と行動基準を明文化した開発人材ポリシー「CAPCOM-SHIP」を制定し、人材育成や組織マネジメント、チームビルディングへの活用を進めております。この結果、2026年3月期末における連結従業員数は3,976名、うち開発職は3,011名となっております。引き続き、将来を支える人材の確保・育成を図ってまいります。 (イ)働く環境の整備と向上当社グループは、開発の大規模化と技術の高度化に対応するため人員の増強を図っており、開発体制を支える環境および設備の拡充に向けた、事業用資産としての不動産取得等の成長投資を進めております。また、人権を尊重する会社風土の醸成と働きやすい環境の整備に努めており、研修による役職員の意識向上や、経営層と従業員との直接対話の機会活用などの取組みを継続的に推進しております。引き続き、従業員の離職防止およびエンゲージメント向上に向け、より働きやすい環境づくりに注力してまいります。また、従業員の良好なメンタルヘルス維持のため、多言語で利用可能なカウンセリングサービスの導入や、「カスタマーハラスメント対応指針」の策定等の取組みを推進しております。 (ウ)人材の多様性の確保当社グループが、今後より一層の開発体制の拡充を図っていくためには、多様な背景を持つ人材が能力を最大限に発揮できる環境づくりが必要であると考えております。そのため、当社グループは、性別、国籍、年齢等に関係なく採用や評価等を行うなど、多様性のある人材の確保・育成に努めております。当社は、2029年3月末までに男性の育児休業取得率85%以上、正社員における男女間賃金格差(女性正社員の平均賃金を男性正社員の平均賃金で割った比率)を88%以上とする目標を設定しているほか、パートナーシップ制度の設置、介護セミナーの実施等の取組みを行っております。また、当社は、2026年3月末時点で37の国や地域の外国籍従業員が在籍しており、一時帰国のための特別休暇制度や日本語教育等の支援体制の充実に努めております。引き続き、多様な背景を持つ人材が活躍できる環境づくりのため、各種取組みの推進と制度拡充を図ってまいります。 (ご参考) 2022年3月末2023年3月末2024年3月末2025年3月末2026年3月末連結従業員数(名)3,2063,3323,5313,7663,976 うち開発職(名)2,3692,4602,6752,8463,011平均年間給与(単体)(千円)7,1277,6608,3289,1859,852従業員1人当たり営業利益(連結)(千円)13,38415,24916,16517,46618,937離職率(単体)(%)5.43.52.92.82.6男性育児休業取得率(単体)(%)34.545.566.779.779.7男女間賃金格差(単体)(%)82.985.483.882.881.3 (注)いずれも正社員のみを集計対象としております。なお、男性育児休業取得率については、臨時社員を含む全従業員を集計対象としております。 イ.知的財産当社グループの事業拡大および持続的な成長を実現するためには、IPを継続的に創出するための投資に加え、グローバルにおけるブランド認知の拡大・浸透が重要であると考えております。そのため、当社の強みである独自の高度な技術および開発力の維持・向上が不可欠であることから、当社独自の開発エンジン等の最先端技術に関する研究開発やその他の開発投資、ゲーム開発プロセスの効率化や生産性向上を目的とした生成AIの活用、開発環境の構築に向けた積極的な成長投資を継続しております。これらの取組みにより、コンテンツを安定的に市場へ投入するとともに、リピート販売の拡大を通じて、全世界におけるコンテンツおよびコーポレートブランドのさらなる拡大・浸透を図り、ブランド価値の向上に努めております。また、当社が保有する豊富なIPをはじめとする知的財産について、継続的な活用と適切な管理・保護の推進により、企業価値の向上に取り組んでおります。 ウ.情報セキュリティの強化への取組み当社グループは、ゲームコンテンツを240を超える国・地域で販売しており、情報が企業活動に重要な影響を与えるものと認識しております。今後、グローバルでのさらなる拡販とビジネスのデジタルシフトを加速していくためには、個人情報の適切な安全管理措置など、情報管理とサイバーセキュリティ対策等の情報セキュリティの確保が不可欠であると考えております。そのため当社は、情報セキュリティに係るリスク情報を集約のうえ、対応方針等について協議するほか、外部アドバイザリー組織であるセキュリティ監督委員会を定期的に開催し、専門的見地からの監督・助言を受ける体制を整備し、情報セキュリティの強化に継続的に取り組んでおります。また、万一セキュリティリスクが顕在化するなどの非常時が発生した場合においても早期対処・復旧を可能とする体制を構築するとともに、当社役職員に対する教育・訓練を実施するなど、情報セキュリティへの意識向上に努めております。これらの取組みを通じて、PDCAサイクルに基づく情報セキュリティ管理体制の維持および強化を図っております。 エ.環境への取組み当社グループの連結売上高の約70%を占めるデジタルコンテンツ事業は、ソフトウェアの開発・販売を主な事業としており、一般的な製造業と比較して環境負荷および気候関連リスクは低いものと認識しております。そのため、気候変動に係るリスクおよび収益機会が、当社の事業活動や経営成績等に与える影響は少ないと判断しております。しかしながら、気候変動への対応は社会全体で取り組むべき課題であるとの認識のもと、当社グループでは、事業特性に応じた環境対応を進めております。当社グループは、いち早くコンテンツのデジタル販売を推進し、ディスク製造および輸送に伴う資源削減ならびにCO2排出量の低減に努めてまいりました。加えて、パチスロ機の製造・販売においても、省電力対応や一部パーツのリサイクルを行うなど、環境負荷に配慮した取組みを進めております。さらに、当社グループは環境対策の一環として、主要拠点への再生可能エネルギー由来のCO2フリー電力の導入を進めており、日本国内における電力使用量の約30%を同エネルギーにより賄っております。あわせて、各事業拠点における当該電力の利用拡大に加え、一部拠点でグリーン電力を導入するとともに、節電対策を施した自社データセンターの使用や、再生可能エネルギー使用を促進している大手クラウドサービス企業や大手データセンターサービス企業を利用するなど、事業活動に伴う環境負荷の低減を図っております。 ③ コーポレート・ガバナンスに関する取組み当社グループは、経営の透明性、健全性を高めるとともに、環境の変化に対応できる体制の構築と、中長期的な企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実に取り組んでおります。 ア.コーポレート・ガバナンスの強化当社は、ステークホルダーの皆様の立場を踏まえ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現に向けて、取締役会における多様性の確保や社外取締役の積極的な参画を通じ、取締役会の機能強化に努めております。また、社外取締役を委員長とする指名・報酬委員会(委員の過半数は社外取締役)や、社内取締役と社外取締役の意見交換会等を通じた情報共有や相互理解により、経営の監督機能の強化を図っております。2025年に、新たに女性社外取締役1名を選任し、女性取締役を計3名とするなど、取締役会の多様性の確保を推進しております。加えて、取締役の報酬制度について、中長期的な企業価値向上の観点を踏まえ、業務執行取締役の報酬体系に業績連動性を高めた報酬や株式報酬を採用する等、株主の皆様との価値共有の深化に努めております。 イ.リスク管理体制の強化当社グループの持続的な成長のためには、事業の遂行に伴い生じるリスクを適切に管理する体制の構築、運用が重要であると考えております。そのため当社は、取締役会の諮問機関として社外取締役を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会を設置するとともに、代表取締役を議長とするリスク・コンプライアンス会議を設置しております。これにより、リスク管理体制を明確化するとともに、当社グループにおけるリスク管理の一元化および充実を図っております。また、リスク・コンプライアンス会議は、活動状況について、リスク・コンプライアンス委員会へ定期的に報告するなど、リスク管理の実効性向上を図ることにより、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するよう努めております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「経営理念」に基づき、「ビジョン」に掲げる当社グループのありたい姿を目指し、事業活動を通じて当社グループの中長期にわたる安定成長の実現と企業価値向上に努めております。このため、経営の透明性・公正性・迅速性を確保することに加え、株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダーとの信頼関係を構築し、共存共栄に努めております。 <経営理念>ゲームというエンターテインメントを通じて「遊文化」をクリエイトし、人々に感動を与える「感性開発企業」 <ビジョン>最高のコンテンツで世界中の人々を夢中にさせる企業 (2) 目標とする経営指標当社グループは、事業の継続的な拡大を通じて、企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。経営指標として「毎期10%営業利益増益」の中期経営目標に加え、現金の動きを把握するキャッシュ・フロー経営を重視するとともに、資本効率の観点から、ROE(自己資本利益率)向上による企業価値の増大に努めてまいります。また、連結配当性向については、将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案のうえ、30%を基本方針とし、かつ安定配当の継続に努めてまいります。 (3) 経営環境および中長期的な会社の経営戦略当社グループを取り巻く環境は、ゲームコンテンツの増加やグローバルベースでのユーザーの拡大を背景に、主力のデジタルコンテンツ事業の市場規模は堅調な成長が見込まれる一方、コンテンツの提供チャネルの増加やデバイスの多様化、生成AIの普及をはじめとする技術革新の進展により、急速に変化を遂げております。このような環境下、当社グループは、引き続き中期経営目標の達成と、当社グループのビジョンの実現を目指してまいります。そのため、当社ブランドのさらなる浸透と新規ユーザーの獲得を図り、魅力ある当社コンテンツの展開を、より一層グローバルに拡大すべく注力してまいります。主力のデジタルコンテンツ事業においては、年間1億本の販売に向け、長期的な価格施策の実施に加え、240を超える国・地域での販売網の拡充と、国・地域の特性に応じたマーケティングの強化、ユーザーニーズの把握に努め、グローバル販売の強化に取り組んでまいります。加えて、アミューズメント施設事業やアミューズメント機器事業において人気IPや主力コンテンツを活用した展開を図るとともに、映像作品への投資とその活用、ライセンス商品、eスポーツ等への展開により、IPの認知向上による新規ユーザーの創出と収益機会の最大化に努めてまいります。また、上記の戦略に加え、持続的な成長の原動力となる人材投資戦略を推し進めるとともに、新規IPの創出と主要IPの活用によるパイプラインの拡充や新技術への対応を推進するため、当社独自の開発エンジン等の最先端技術の研究開発や開発環境構築のための積極的な成長投資を図ることにより、引き続き経営目標の達成に取り組んでまいります。今後も様々な活動を通じて、経営理念の実現に向け、取組みを行ってまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題前記(3)を推進するため、以下の課題に取り組んでまいります。 ① 次期の事業別戦略次期においては、前記(3)の戦略に基づき以下の点を中心に取り組んでまいります。 ア.デジタルコンテンツ事業当事業におきましては、今年4月に完全新規IPとして、新感覚のSFアクションアドベンチャーゲーム『プラグマタ』(プレイステーション 5、Xbox Series X|S、パソコン、Nintendo Switch 2 用)を発売したほか、シリーズ最新作『鬼武者 Way of the Sword』(プレイステーション 5、Xbox Series X|S、パソコン用)を投入してまいります。加えて、当期発売の『バイオハザード レクイエム』、前期発売の『モンスターハンターワイルズ』等のリピートタイトルについても、デジタル販売の強化と販売施策の推進により、収益の最大化と総販売本数の継続的な増加に努めてまいります。さらに、『ストリートファイター6』について、eスポーツ展開の継続やハリウッドでの映画展開により、引き続きブランドの価値向上とユーザー数の拡大を推し進めてまいります。 イ.アミューズメント施設事業当事業におきましては、新業態店舗の展開を継続するとともに、引き続き国内外での堅実な店舗出店、運営を進めてまいります。また、各店舗におけるイベント実施等により、リアル店舗の魅力の最大化と他事業とのシナジー効果の創出を図ってまいります。次期は出店9店舗を予定しております。 ウ.アミューズメント機器事業当事業におきましては、パチスロ市場で継続的需要が見込まれるスマートパチスロにおいて、人気IPを中心に新機種を順次投入してまいります。次期はスマスロ『バイオハザード RE:3』を今年5月に販売したほか、4機種の投入により販売台数53千台を予定しております。 エ.その他事業その他事業につきましては、『ストリートファイター6』を活用したeスポーツビジネスにおいて、2026年シーズンも、主要大会の決勝大会である「CAPCOM CUP 13」および「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2026」について、両国国技館での開催を決定しております。加えて、次世代選手の育成および競技シーンのさらなる活性化に向け、選手層の多様化と『ストリートファイター6』の一層の認知拡大に努めるとともに、業界振興およびグローバル市場での成長に資する取組みを継続してまいります。また、当社IPの全世界への浸透拡大を図るため、コンテンツの映像化の推進や他業種とのコラボレーションを通じ、ワンコンテンツ・マルチユース戦略の強みを最大限に活かした施策をグローバルに推し進めてまいります。この一環として、映像ビジネスにおいては「ストリートファイター」シリーズを原作とした実写映画の公開を今年10月に予定しております。これらの取組みにより、引き続きコンテンツのブランド拡大を図るとともに、コーポレートブランドの価値の最大化に努めてまいります。 ② サステナビリティへの取組み当社グループは、経営理念のもと、事業活動を通じて当社グループの中長期にわたる安定成長と企業価値向上に努めるとともに、すべての人々が安心してゲームを楽しめる世界の実現に向け、社会・環境における共通課題の解決に積極的に取り組んでおります。当社グループは、これらの取組みを通じて株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダーの皆様との信頼関係を構築し、より良い未来の実現を目指してまいります。 ア.人材投資戦略当社グループは、企業価値創造の源泉である人的資本への取組みを最優先課題の一つとして位置づけており、最高人事責任者(CHO)を設置し、人材投資戦略を推進しております。今後も、以下の取組みを実行することにより、企業価値の向上を図ってまいります。 (ア)将来を支える人材の確保と育成当社グループは、経営目標の達成に向けた持続的な成長のため、中核的競争力である開発体制の拡充を図るには、開発人員の増強と生産性の向上が重要であると認識しております。そのため、当社グループは毎期100名以上の開発人員の増員を推し進めるとともに、当社正社員に対し、平均基本年収の継続向上(2022年3月期比で38.2%増額)、業績連動性を高めた賞与制度および従業員向け株式報酬制度の運用、新卒初任給の引き上げ等の施策を実施し、採用力強化による優秀な人材の確保と従業員の意欲向上に努めております。加えて、産学連携の一環として自社開発エンジン「RE ENGINE」を活用した学生向けゲーム制作コンペティション「CAPCOM GAMES COMPETITION」を開催し、次世代のゲーム開発を支える人材の発掘と育成を通して、優秀な人材の獲得に向けた機会創出を図っております。また、当社グループでは、開発人員の共有すべき価値観と行動基準を明文化した開発人材ポリシー「CAPCOM-SHIP」を制定し、人材育成や組織マネジメント、チームビルディングへの活用を進めております。この結果、2026年3月期末における連結従業員数は3,976名、うち開発職は3,011名となっております。引き続き、将来を支える人材の確保・育成を図ってまいります。 (イ)働く環境の整備と向上当社グループは、開発の大規模化と技術の高度化に対応するため人員の増強を図っており、開発体制を支える環境および設備の拡充に向けた、事業用資産としての不動産取得等の成長投資を進めております。また、人権を尊重する会社風土の醸成と働きやすい環境の整備に努めており、研修による役職員の意識向上や、経営層と従業員との直接対話の機会活用などの取組みを継続的に推進しております。引き続き、従業員の離職防止およびエンゲージメント向上に向け、より働きやすい環境づくりに注力してまいります。また、従業員の良好なメンタルヘルス維持のため、多言語で利用可能なカウンセリングサービスの導入や、「カスタマーハラスメント対応指針」の策定等の取組みを推進しております。 (ウ)人材の多様性の確保当社グループが、今後より一層の開発体制の拡充を図っていくためには、多様な背景を持つ人材が能力を最大限に発揮できる環境づくりが必要であると考えております。そのため、当社グループは、性別、国籍、年齢等に関係なく採用や評価等を行うなど、多様性のある人材の確保・育成に努めております。当社は、2029年3月末までに男性の育児休業取得率85%以上、正社員における男女間賃金格差(女性正社員の平均賃金を男性正社員の平均賃金で割った比率)を88%以上とする目標を設定しているほか、パートナーシップ制度の設置、介護セミナーの実施等の取組みを行っております。また、当社は、2026年3月末時点で37の国や地域の外国籍従業員が在籍しており、一時帰国のための特別休暇制度や日本語教育等の支援体制の充実に努めております。引き続き、多様な背景を持つ人材が活躍できる環境づくりのため、各種取組みの推進と制度拡充を図ってまいります。 (ご参考) 2022年3月末2023年3月末2024年3月末2025年3月末2026年3月末連結従業員数(名)3,2063,3323,5313,7663,976 うち開発職(名)2,3692,4602,6752,8463,011平均年間給与(単体)(千円)7,1277,6608,3289,1859,852従業員1人当たり営業利益(連結)(千円)13,38415,24916,16517,46618,937離職率(単体)(%)5.43.52.92.82.6男性育児休業取得率(単体)(%)34.545.566.779.779.7男女間賃金格差(単体)(%)82.985.483.882.881.3 (注)いずれも正社員のみを集計対象としております。なお、男性育児休業取得率については、臨時社員を含む全従業員を集計対象としております。 イ.知的財産当社グループの事業拡大および持続的な成長を実現するためには、IPを継続的に創出するための投資に加え、グローバルにおけるブランド認知の拡大・浸透が重要であると考えております。そのため、当社の強みである独自の高度な技術および開発力の維持・向上が不可欠であることから、当社独自の開発エンジン等の最先端技術に関する研究開発やその他の開発投資、ゲーム開発プロセスの効率化や生産性向上を目的とした生成AIの活用、開発環境の構築に向けた積極的な成長投資を継続しております。これらの取組みにより、コンテンツを安定的に市場へ投入するとともに、リピート販売の拡大を通じて、全世界におけるコンテンツおよびコーポレートブランドのさらなる拡大・浸透を図り、ブランド価値の向上に努めております。また、当社が保有する豊富なIPをはじめとする知的財産について、継続的な活用と適切な管理・保護の推進により、企業価値の向上に取り組んでおります。 ウ.情報セキュリティの強化への取組み当社グループは、ゲームコンテンツを240を超える国・地域で販売しており、情報が企業活動に重要な影響を与えるものと認識しております。今後、グローバルでのさらなる拡販とビジネスのデジタルシフトを加速していくためには、個人情報の適切な安全管理措置など、情報管理とサイバーセキュリティ対策等の情報セキュリティの確保が不可欠であると考えております。そのため当社は、情報セキュリティに係るリスク情報を集約のうえ、対応方針等について協議するほか、外部アドバイザリー組織であるセキュリティ監督委員会を定期的に開催し、専門的見地からの監督・助言を受ける体制を整備し、情報セキュリティの強化に継続的に取り組んでおります。また、万一セキュリティリスクが顕在化するなどの非常時が発生した場合においても早期対処・復旧を可能とする体制を構築するとともに、当社役職員に対する教育・訓練を実施するなど、情報セキュリティへの意識向上に努めております。これらの取組みを通じて、PDCAサイクルに基づく情報セキュリティ管理体制の維持および強化を図っております。 エ.環境への取組み当社グループの連結売上高の約70%を占めるデジタルコンテンツ事業は、ソフトウェアの開発・販売を主な事業としており、一般的な製造業と比較して環境負荷および気候関連リスクは低いものと認識しております。そのため、気候変動に係るリスクおよび収益機会が、当社の事業活動や経営成績等に与える影響は少ないと判断しております。しかしながら、気候変動への対応は社会全体で取り組むべき課題であるとの認識のもと、当社グループでは、事業特性に応じた環境対応を進めております。当社グループは、いち早くコンテンツのデジタル販売を推進し、ディスク製造および輸送に伴う資源削減ならびにCO2排出量の低減に努めてまいりました。加えて、パチスロ機の製造・販売においても、省電力対応や一部パーツのリサイクルを行うなど、環境負荷に配慮した取組みを進めております。さらに、当社グループは環境対策の一環として、主要拠点への再生可能エネルギー由来のCO2フリー電力の導入を進めており、日本国内における電力使用量の約30%を同エネルギーにより賄っております。あわせて、各事業拠点における当該電力の利用拡大に加え、一部拠点でグリーン電力を導入するとともに、節電対策を施した自社データセンターの使用や、再生可能エネルギー使用を促進している大手クラウドサービス企業や大手データセンターサービス企業を利用するなど、事業活動に伴う環境負荷の低減を図っております。 ③ コーポレート・ガバナンスに関する取組み当社グループは、経営の透明性、健全性を高めるとともに、環境の変化に対応できる体制の構築と、中長期的な企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実に取り組んでおります。 ア.コーポレート・ガバナンスの強化当社は、ステークホルダーの皆様の立場を踏まえ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現に向けて、取締役会における多様性の確保や社外取締役の積極的な参画を通じ、取締役会の機能強化に努めております。また、社外取締役を委員長とする指名・報酬委員会(委員の過半数は社外取締役)や、社内取締役と社外取締役の意見交換会等を通じた情報共有や相互理解により、経営の監督機能の強化を図っております。2025年に、新たに女性社外取締役1名を選任し、女性取締役を計3名とするなど、取締役会の多様性の確保を推進しております。加えて、取締役の報酬制度について、中長期的な企業価値向上の観点を踏まえ、業務執行取締役の報酬体系に業績連動性を高めた報酬や株式報酬を採用する等、株主の皆様との価値共有の深化に努めております。 イ.リスク管理体制の強化当社グループの持続的な成長のためには、事業の遂行に伴い生じるリスクを適切に管理する体制の構築、運用が重要であると考えております。そのため当社は、取締役会の諮問機関として社外取締役を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会を設置するとともに、代表取締役を議長とするリスク・コンプライアンス会議を設置しております。これにより、リスク管理体制を明確化するとともに、当社グループにおけるリスク管理の一元化および充実を図っております。また、リスク・コンプライアンス会議は、活動状況について、リスク・コンプライアンス委員会へ定期的に報告するなど、リスク管理の実効性向上を図ることにより、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するよう努めております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度におきまして、当社グループは、グローバル市場においてさらなる進化と拡大を図るため、デジタル販売の継続的な強化を主軸とした成長投資を積極的に推し進めました。また、当社グループの最優先課題の一つである人材投資戦略について、安定的、持続的な成長のため、将来を支える人材の確保と育成に向けた人的資本への投資を継続し、中長期的な企業価値向上を図りました。事業の状況につきましては、中核事業であるデジタルコンテンツ事業において、主力シリーズの大型新作タイトル『バイオハザード レクイエム』の投入やリピートタイトルの販売強化、新型ゲーム機向け移植タイトルの発売により、グローバルに販売本数の増加を図りました。これにより、当連結会計年度におけるデジタルコンテンツ事業は、253タイトルを244の国や地域に販売し、販売本数は5,907万本と前期5,187万本を上回り、業績向上に寄与しました。また、当社グループの主力コンテンツとeスポーツ・映像・キャラクタービジネスとの連携によるIPの持つブランド力の向上に努めました。加えて、アミューズメント施設事業における堅実な店舗運営と新業態店舗や国内外への出店の推進、アミューズメント機器事業におけるスマートパチスロの継続投入や当社グループの人気IP活用等の施策により、収益の向上を図りました。このほか、当社グループは、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)において、大阪府・市などが出展した「大阪ヘルスケアパビリオン」への協賛、参加等により、地域・文化・技術の振興に努めてまいりました。この結果、売上高は1,953億65百万円(前期比15.2%増)、営業利益は752億95百万円(前期比14.5%増)、経常利益は741億34百万円(前期比12.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は545億87百万円(前期比12.7%増)と、13期連続の営業増益を達成しました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(デジタルコンテンツ事業)当事業におきましては、2月発売のシリーズ最新作『バイオハザード レクイエム』(プレイステーション 5、Xbox Series X|S、Nintendo Switch 2 、パソコン用)が、最新のグラフィック技術や没入感により高い評価を得たほか、グローバルに幅広いユーザーから支持され、全世界で販売本数600万本を突破するなど好調に推移しました。あわせて、『バイオハザード RE:4』、『バイオハザード ヴィレッジ』のほか、同シリーズのリピートタイトルも販売が続伸しました。加えて、3月発売の「モンスターハンター」シリーズのRPG作品『モンスターハンターストーリーズ3 ~運命の双竜~』(Nintendo Switch 2 、プレイステーション 5、Xbox Series X|S、パソコン用)が業績に寄与しました。このほか、過去作のNintendo Switch 2 向け展開を拡充するなど、積極的なマルチプラットフォーム戦略の推進により、さらなるユーザー層の拡大に弾みをつけました。リピートタイトルにおいては、『ストリートファイター6』について、引き続きeスポーツ展開との連携や新型ゲーム機への展開等によるブランド認知とユーザー数の拡大を推し進めたことなどにより、累計販売本数が全世界で600万本を突破しました。加えて、『デビル メイ クライ 5』をはじめとする「デビル メイ クライ」シリーズの過去作が、映像作品との連携による価格施策や、IPの認知拡大によるブランド価値向上を図ったことにより業績向上に貢献したほか、前期2月発売のシリーズ最新作『モンスターハンターワイルズ』の累計販売本数が1,100万本を突破し、同シリーズの過去作『モンスターハンターライズ』や『モンスターハンターライズ:サンブレイク』が引き続き販売本数を伸ばしました。その結果、リピートタイトルの販売本数は4,946万本と前期3,949万本を上回り、収益を押し上げました。モバイルコンテンツにおいては、11月に「バイオハザード」シリーズの最新モバイルゲーム『バイオハザード サバイバルユニット』(iOS、Android用)がグローバルに配信され、累計500万ダウンロードを突破するなど、IPの認知拡大に寄与しました。この結果、売上高は1,442億77百万円(前期比15.3%増)、営業利益は706億18百万円(前期比8.4%増)となりました。 (アミューズメント施設事業)当事業におきましては、ユーザーの消費行動に変化が見られる状況下、引き続き既存店の堅実な店舗運営や新業態での出店効果などにより、収益拡大に貢献しました。また、海外への店舗展開や各店舗におけるイベント実施等により、リアル店舗の魅力の最大化と他事業とのシナジー効果の創出を推進しました。当期は、7月に当社の最新情報を体験できる「DIVE!CAPCOM」等を併設した体感型施設「CAPCOM CONNECT SPACE(カプコンコネクトスペース)」(大阪府)、3月に当社人気キャラクターをテーマにしたアトラクション等を併設した「CAPCOMIX あべのHoop店」(大阪府)など、新業態での出店拡大に注力しました。また、4月に当社人気キャラクターグッズの物販店「カプコンストアセンダイ」(宮城県)、2月に「カプコンストアイケブクロ」(東京都)に加え、3月に海外初の直営店として「CAPCOM STORE TAIPEI(カプコンストアタイペイ)」(台湾)をオープンしました。加えて、総合キャラクターグッズ専門店やカプセルトイ専門店など、合計9店舗を出店するとともに1店舗を閉鎖しましたので、施設数は61店舗となっております。また、一部の既存店を新業態のクレーンゲーム専門店「ツカモーヨ」としてリニューアルするなど、積極的な店舗展開を図りました。この結果、売上高は256億56百万円(前期比12.8%増)、営業利益は32億1百万円(前期比31.6%増)となりました。 (アミューズメント機器事業)当事業におきましては、スマートパチスロの普及が進み、引き続き安定した需要が見込まれる市場環境下、6月稼働の新機種スマスロ『デビル メイ クライ 5 スタイリッシュトライブ』を11千台販売するとともに、10月稼働の新機種スマスロ『新鬼武者3』を24.5千台販売し、収益に貢献しました。また、前期11月稼働のスマスロ『モンスターハンターライズ』および前期3月稼働のスマスロ『バイオハザード5』がプレイヤーからの高評価による長期稼働を受け、リピート販売も好調に推移しました。この結果、売上高は177億80百万円(前期比13.9%増)、営業利益は100億33百万円(前期比49.7%増)となりました。 (その他事業)その他事業につきましては、eスポーツビジネスにおいて、『ストリートファイター6』を用いた「CAPCOM Pro Tour 2025」を5月から世界各地域で開催し、8月から国内でのチームリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2025」および11月から米国・欧州においても同チームリーグ戦を開催するなど、グローバル規模でのユーザー層の裾野拡大に向けた展開を図りました。さらに、決勝大会である「CAPCOM CUP 12」および「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2025」を3月に両国国技館で開催し、来場者は過去最高の2万人を記録するなど、グローバル規模でのeスポーツの振興を図りました。映像ビジネスにおいては、2025年4月にNetflixの新作アニメ『Devil May Cry』が全世界で配信されました。加えて、Legendary Entertainment社との共同出資による、「ストリートファイター」シリーズを原作としたハリウッド実写映画について、今年10月の公開を発表するなど、主力IPの映像化による認知拡大に努めました。キャラクタービジネスにおいては、人気タイトル等のキャラクターグッズや各種イベント展開などに注力しました。さらに、当社ゲーム開発のプロセス等を展示した「大カプコン展 -世界を魅了するゲームクリエイション」が大阪を皮切りに各地で開催され好評を博すなど、コーポレートブランドの価値向上に向けた施策を講じました。この結果、売上高は76億50百万円(前期比25.2%増)、営業利益は36億45百万円(前期比46.7%増)となりました。 ② 財政状態の状況当連結会計年度末における資産につきましては、前連結会計年度末に比べ263億25百万円増加し、3,393億7百万円となりました。主な増加は、「投資有価証券」150億37百万円、「土地」100億38百万円、「映像資産」99億9百万円および「ゲームソフト仕掛品」54億18百万円であり、主な減少は、「現金及び預金」187億80百万円によるものであります。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ150億87百万円減少し、715億91百万円となりました。主な増加は、「株式給付引当金」11億41百万円および「賞与引当金」10億37百万円であり、主な減少は、「繰延収益」115億25百万円、「短期借入金」35億91百万円および「長期借入金」30億円によるものであります。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ414億12百万円増加し、2,677億16百万円となりました。主な増加は、「親会社株主に帰属する当期純利益」545億87百万円、「為替換算調整勘定」38億78百万円および「退職給付に係る調整額」5億29百万円であり、主な減少は、「剰余金の配当」179億1百万円によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、313億80百万円の資金の増加(前連結会計年度は676億18百万円の資金の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益739億34百万円等の資金の増加と法人税等の支払額221億11百万円、繰延収益の減少額116億97百万円、映像資産の増加額99億9百万円等の資金の減少によるものです。投資活動に使用された資金は、558億62百万円(前連結会計年度は72億73百万円)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入426億13百万円等の資金の増加と定期預金の預入による支出688億33百万円、投資有価証券の取得による支出150億21百万円、有形固定資産の取得による支出135億93百万円等の資金の減少によるものです。財務活動に使用された資金は、260億69百万円(前連結会計年度は187億35百万円)となりました。これは主に、配当金の支払額178億87百万円、短期借入金の純減少額35億91百万円、長期借入金の返済による支出30億円、リース債務の返済による支出15億67百万円等の資金の減少によるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)デジタルコンテンツ事業47,577135.2アミューズメント機器事業6,23092.8合計53,808128.4 (注) 1.上記の金額は、製造原価により算出しております。2.上記の金額は、ゲームソフト開発費を含んでおります。 b. 受注実績当社グループは受注生産を行っておりません。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)デジタルコンテンツ事業144,277115.3アミューズメント施設事業25,656112.8アミューズメント機器事業17,780113.9その他7,650125.2合計195,365115.2 (注) 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)Valve Corporation52,72331.140,38320.7Sony Interactive Entertainment LLC--20,74110.6 (注)前連結会計年度のSony Interactive Entertainment LLCに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当社グループの当連結会計年度末現在の事業および経営環境に基づいて判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なりうる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。(無償ダウンロードコンテンツの収益認識)および(ゲームソフト仕掛品の評価)「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 (退職給付に係る負債)従業員の退職給付費用については、各連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき引当計上しており、退職率、割引率、昇給率、死亡率等の重要な前提条件を見積りに加味して計上しております。これらの条件が変更される場合、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。(繰延税金資産)当社グループは、将来の収益計画に基づいた課税所得が十分に確保できる可能性や、回収可能性があると判断した将来減算一時差異に基づいて、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依拠するため、その見積りの前提とした条件や仮定に著しい変更が生じた場合、繰延税金資産を見直し、その影響額を法人税等調整額に計上する可能性があります。 (固定資産の減損処理)当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては慎重に検討しておりますが、当社グループの事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に著しい変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容当連結会計年度の当社グループ事業全体および各セグメントの事業の概況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。当連結会計年度末における自己資本比率は78.8%(前期から6.5ポイントの増加)となり、ROE(自己資本利益率)は22.1%(前期から0.9ポイントの減少)となりました。当社グループは、資本効率の観点からROE向上による企業価値の増大に努めており、中核事業であるデジタルコンテンツ事業において、主力シリーズの大型タイトルの投入や、採算性の高いリピートタイトル販売が続伸したことにより、ROEを安定的に維持させることができました。翌連結会計年度に与える影響を含め、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。 ③ 経営方針・経営戦略または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループは経営における重要な指標として、企業の稼ぐ力の基本となる「営業利益」(成長指標)と収益性の基本である「営業利益率」(効率性指標)そして「キャッシュ・フロー」を重視しております。当社グループの営業利益および営業利益率のこれまでの推移は次のとおりであり、営業利益の持続的な増加および営業利益率向上による効率性の改善に努めております。 2022年3月2023年3月2024年3月2025年3月2026年3月 前期比(%) 前期比(%) 前期比(%) 前期比(%)売上高 (百万円)110,054125,93014.4152,41021.0169,60411.3195,36515.2営業利益 (百万円)42,90950,81218.457,08112.365,77715.275,29514.5営業利益率 (%)39.040.3-37.5-38.8-38.5- キャッシュ・フローにつきましては、当社グループは、預金残高から有利子負債を控除したネット・キャッシュ残高を重視しており、当連結会計年度末の残高は1,480億2百万円(前連結会計年度末より121億89百万円減少)となりました。当社グループは、手元流動性の拡大による財務健全性の向上を図り、経営の安定性を高めるように努力しております。当社グループは、これらの指標を改善することにより、ROE(自己資本利益率)など関連する指標も向上し、株主価値を創出することになるものと考えております。当社グループのROEの推移につきましては、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (1) 連結経営指標等」をご参照ください。また、当社グループは、成長を継続するための必要な投資を行い、企業価値の向上に努め、株主への安定的な配当による利益還元の実施を目的とし、配当性向を最も重要な経営指標の一つと考えております。その基本方針を連結配当性向30%とし、かつ安定配当の継続に努めております。当連結会計年度におきましても連結配当性向は34.5%と安定配当を継続して行っております。 2022年3月2023年3月2024年3月2025年3月2026年3月連結配当性向(%)30.236.133.734.534.5 なお、必要に応じた機動的な自己株式の取得を実施することにより、当社グループの1株当たりの利益を高めることで株式の価値を高め、株主への還元に資することも重要な施策の一つとして考えております。上記施策により、当期の株主総利回りは196.0%と、比較指標である配当込みTOPIXの202.2%に近似した値となっております。当社のこれまでの株主総利回りの推移は、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (2) 提出会社の経営指標等」をご参照ください。 ④ 資本の財源および資金の流動性当社は中長期的に安定した成長を遂げるため、オリジナルコンテンツを生み出す源泉となるデジタルコンテンツ事業への十分な投資額を確保することが必要不可欠であると認識しております。具体的には、コンテンツ充実によるタイトルラインナップの拡充や新たな技術に対応するため、開発者の増員や開発環境の整備への投資が必要であります。当連結会計年度における研究開発投資額および設備投資額を合わせた合計717億1百万円の74.5%に相当する534億7百万円を、デジタルコンテンツ事業に投資しております。なお、ゲームコンテンツの研究開発投資につきましては、「6 研究開発活動」に記載のとおりであります。ゲームコンテンツの開発費用は、高性能かつ多機能な家庭用ゲーム機の登場に伴い増加傾向にあります。また、主力タイトルのゲームコンテンツ開発期間は2年以上を要することに加え、発売後の定期的なゲームコンテンツのバージョンアップおよびネットワークインフラの維持に継続的な投資が発生するため、相応の現預金を保有しておく必要があります。当社は、財務基盤を強化するとともに成長のための投資資金の確保を実現するため、リスク対応の留保分を考慮したうえで、保有しておくべき現預金水準を3年分の開発費用を目途に設定しており、加えて長期の人材の確保と開発体制拡充のための投資も含めた適正レンジの維持に努めております。また、事業環境の変化や事業拡大により保有する現預金残高を超える投資計画が発生した場合には、適切な資金調達を行います。なお、配当を含めました当連結会計年度の資金流動につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。このような状況下、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は475億93百万円減少し1,028億33百万円となりました。