9706

日本空港ビルデング(9706)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

不動産業 不動産

事業の概要

  • 空港施設管理運営
    日本空港ビルデンググループは、羽田空港の旅客ターミナルビル3棟と立体駐車場2棟を建設・所有し、その管理運営を主たる事業としています。航空会社への施設賃貸や、保守・警備・清掃といった運営サービスを提供し、空港のインフラを支えることで安定的な収益を得ています。羽田空港という日本の玄関口の機能を維持・向上させることが、グループの基盤となっています。
  • 物品販売事業
    羽田空港の国内線・国際線ターミナル、さらには成田空港や関西空港においても、航空旅客向けに多種多様な商品の販売を行っています。お土産品、免税品、旅行用品など、空港利用者のニーズに合わせた商品展開により、高い売上を上げています。また、中部空港などでは空港会社への商品卸売も手掛けており、幅広いチャネルで収益を確保しています。
  • 飲食サービス提供
    羽田空港の国内線・国際線ターミナル、成田空港などで、利用者に向けた飲食店の運営を行っています。カフェ、レストラン、フードコートなど、様々な形態の店舗を展開し、出発前や到着後の食事・休憩の場を提供しています。さらに、国際線航空会社への機内食の製造・販売も手掛けており、空港における食のニーズに多角的に応えることで収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 施設管理運営事業
    この事業は、羽田空港の旅客ターミナルや駐車場などの施設を管理・運営し、航空会社などへ賃貸することで収益を得ています。売上高は1055.4億円、営業利益は194.95億円と、安定した収益基盤を形成しており、グループの根幹を支える事業です。空港のインフラを維持・向上させることが主な役割となります。
  • 物品販売事業
    羽田空港、成田空港、関西空港などで、航空旅客向けに商品販売を行う事業です。売上高は1476.66億円、営業利益は293.87億円と、グループ内で最も売上・利益を上げている稼ぎ頭の事業です。免税品やお土産品など、空港ならではの需要を捉え、高い収益性を実現しています。
  • 飲食事業
    羽田空港、成田空港などで、利用者への飲食サービスを提供する事業です。売上高は167.16億円、営業利益は5.79億円となっています。物品販売事業と比較すると規模は小さいですが、空港利用者の利便性向上に貢献し、多様なニーズに応える重要な事業です。機内食の製造・販売もこのセグメントに含まれます。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
FacilitiesManagement 事業 1,055 195 18.5%
MerchandiseSales 事業 1,477 294 19.9%
FoodAndBeverage 事業 167 6 3.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|949 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(日本空港ビルデング株式会社)及び子会社24社、関連会社16社から構成されており、羽田空港における旅客ターミナルの管理運営及び国内線、国際線利用者に対するサービスの提供を主たる事業とする施設管理運営業をはじめ、物品販売業及び飲食業等を営んでおります。また、成田空港、関西空港、中部空港等において物品販売業等を営んでおります。 当社グループ各社の位置づけと事業内容との関連は次のとおりであります。 施設管理運営業 … 当社及び子会社である東京国際空港ターミナル株式会社は、旅客ターミナルの施設管理運営業を行っており、主に航空会社を中心とする航空関連企業への施設の賃貸や、整備運営事業を行っております。 これに付随して、子会社である日本空港テクノ株式会社ほか3社及び関連会社7社は、旅客ターミナル施設等の保守・営繕、運営、警備、清掃、旅客輸送及びグランドハンドリング事業を行っております。子会社である株式会社ビッグウイングほか2社は、旅客ターミナルにおける広告代理業及び旅客サービス等の役務の提供を行っております。 また、子会社である株式会社羽田未来総合研究所及び関連会社5社は主として国内外の空港運営コンサルティング事業等を行っております。 物 品 販 売 業 … 当社及び子会社である東京国際空港ターミナル株式会社ほか9社及び関連会社3社は、物品販売業を行っており、主として羽田空港国内線、国際線及び成田空港並びに関西空港を中心に航空旅客等への商品販売及び中部空港をはじめ空港会社等に対する商品卸売等を行っております。 これに付随して、子会社である株式会社日本空港ロジテムは、商品の運送、倉庫管理等を行っております。 飲 食 業 … 当社及び子会社である東京国際空港ターミナル株式会社ほか3社は、主に羽田空港国内線、国際線及び成田空港の利用者等に対する飲食サービスの提供を行っております。 また、子会社であるコスモ企業株式会社及び関連会社1社は、羽田空港及び成田空港において主として国際線航空会社に対する機内食の製造・販売及び冷凍食品製造・販売を行っております。 以上に述べた事項を事業系統図によって示しますと、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
空港法に基づく空港機能施設事業者としての指定を受けており、公共性が高い。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
羽田空港において空港法に基づく空港機能施設事業者としての指定を受けている。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:空港機能の著しい低下(自然災害・事故) / 重大な感染症のまん延 / サイバーセキュリティ対策不備
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

羽田空港という国内最大のハブ空港の運営権・不動産賃貸事業は、新規参入が極めて困難な規制産業であり、強力な無形資産となっている。特に国際線旅客の増加に伴う恩恵は大きい。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

航空会社やテナントにとって、羽田空港からの移転は、顧客基盤やサプライチェーンへの影響が大きく、スイッチング・コストは一定程度存在する。しかし、他の空港への移転も選択肢としてあり得る。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

航空会社間のネットワーク効果や、旅客の利便性向上によるネットワーク効果は存在するが、企業自体の直接的なネットワーク効果は限定的である。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

空港運営における固定費は高いが、規模の経済によるコスト優位性は限定的。新規参入の障壁がコスト優位性を補完している側面がある。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

羽田空港という巨大なインフラを運営しており、国内空港運営においては圧倒的な規模を持つ。この規模が、効率的な運営と収益基盤を支えている。

  • 羽田空港の独占的地位
    日本空港ビルデングは、空港法に基づき羽田空港の空港機能施設事業者として指定されており、旅客ターミナルの建設・所有・管理運営を担っています。この法的指定により、羽田空港という国内最大級の空港における事業基盤が強固であり、新規参入が極めて困難な競争優位性を確立しています。安定した賃貸収入や施設利用料が収益の柱です。
  • 多角的な事業展開
    施設管理運営に加え、物品販売業、飲食業、機内食製造販売、広告代理業、空港運営コンサルティングなど、空港利用者のあらゆるニーズに対応する幅広い事業を展開しています。これにより、航空需要の変動リスクを分散し、各事業間の相乗効果を生み出すことで、グループ全体の収益力を高めています。特に物品販売は売上高で最大のセグメントです。
  • 長年の経験とノウハウ
    長年にわたり羽田空港の管理運営に携わってきた経験とノウハウは、施設の維持管理、安全対策、顧客サービスにおいて高い専門性を有しています。大規模な空港施設を効率的かつ安全に運営する能力は、他の追随を許さない強みであり、空港内外での新たな事業展開にも活かされています。これにより、質の高いサービス提供と安定運営を実現しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針・経営戦略等当社グループは、国内航空輸送網の拠点である羽田空港における旅客ターミナル等を建設、管理・運営する企業として、「公共性と企業性の調和」を経営の基本理念としております。この基本理念の下、今後とも、旅客ターミナルにおける絶対安全の確立、お客様本位の、安定的かつ効率的な旅客ターミナル運営に努めることにより確実に社会的責任を果たしてまいります。また、グループ全体の継続的な企業価値の向上を図るため、戦略的かつ適切な投資の実行及び投資管理によるさらなる旅客ターミナルの利便性、快適性及び機能性の向上や顧客ニーズの高度化・多様化に的確に対応するとともに、航空会社、空港利用者、取引先、株主等関係者への適切な還元を心がけることを経営の基本方針としております。 (2) 経営環境認識国内外の航空需要はコロナ禍から着実に回復し、羽田空港における当連結会計年度の旅客数は9,000万人を超え、2020年3月の国際線発着枠の拡大を背景に、コロナ前を上回る水準となりました。当社グループでは、2022-2025年度の中期経営計画に基づく取組を推進し、インバウンド等の急激な需要回復や想定を上回る物価高騰にも着実に対応することで、コロナ前以上に収益力を高め、利益成長を実現しました。中長期的には、日本全体における訪日需要は今後も増加し、羽田空港の航空需要も堅調に推移することが見込まれます。一方で、航空業界においては、地方における労働人口の減少や人流の偏在、航空会社における国内線事業の収益性悪化などの課題が顕在化しております。羽田空港では、航空便数は発着枠の上限水準に達しており、需要回復期から需要安定期へと移行しつつあります。旅客数の量的拡大による成長余地が限定される中、羽田空港単独で安定需要を享受する限りでは、航空業界・日本経済全体にとってマイナスとなり、将来的に当社の成長も頭打ちとなることが懸念されます。これらの観点を踏まえ、羽田空港での共創・全体最適を通じて、日本全体の航空成長を支えることが、当社グループの役割であると認識しております。 (3) 経営戦略①長期ビジョン当社グループは経営環境認識に基づき、羽田空港の目指すべき姿を、日本の玄関口・乗継の結節点として日本全体の移動・人流を活性化し、日本の航空旅客数最大化に貢献する空港であると定めました。この目指すべき姿を実現するための方向性として、「首都圏空港の最大活用」「アジアの経済成長の取込」「国内移動需要の創造」の3点を掲げ、当社グループの新たな長期ビジョンを、従来の「需要享受型」の空港ターミナル会社から、需要を自ら生み出し、共創と全体最適を牽引する「需要創造型」の空港の要(Anchor Role)と再定義いたしました。当社が要の役割(Anchor Role)を果たし、共創・全体最適に取り組むことで、旅客には安心で快適な空港体験を、地域社会や事業パートナーには持続的な成長を、従業員には挑戦を通じた成長を、環境には着実な配慮を提供しながら、すべてのステークホルダーへの価値向上に繋げてまいります。日本の航空旅客数最大化に向けた長期戦略において、ハード面では従来の基幹事業の進化として、国が進める人工地盤整備等と連動したターミナル施設の増改修を検討しています。国内線と国際線の機能融合を進め、スムーズな乗継環境の実現により地域送客力を強化するとともに、運営効率の向上を通じて発着処理能力の向上に寄与してまいります。ソフト面では新たな成長の軸として、関係事業者との全体最適を支える空港運営基盤「Total Airport Management(TAM)」を構築し、ナレッジを全国へ共有・活用することで、日本全体の人流創出へと繋げることを目指します。ハードとソフトとの両輪を推進することで取組みの効果を最大化し、収益ポテンシャルを拡大してまいります。 ②中期経営計画(2026-2030年度)2026-2030年度の新中期経営計画においては、長期的な将来像を実現するための企業変革期と位置付け、航空需要の享受にとどまらず、羽田空港全体を最適化し需要創造を牽引する「羽田空港の要」となることを目指します。羽田空港の要としてすべてのステークホルダーへの貢献を果たすために、当社が2030年に実現すべき項目を整理し、マテリアリティ(重要課題)を再編いたしました。再編したマテリアリティへの対応を前提に、戦略の方向性として、将来の大規模投資の遂行へ向けたキャッシュ・フロー創出力の強化と関係者牽引力の強化を掲げ、「効率」「付加価値」「共創」の3つを中核戦略に据えて取り組んでまいります。 「効率」では、資本コストを意識した経営を徹底し、成長性・収益性の観点から経営資源を配分します。投資リターン管理の強化や、不採算事業の整理、非事業資産の圧縮等を通じて筋肉質な経営体質を築くとともに、グループ事業を再編し成長分野に経営資源を集中することで、資本効率の向上を図ります。「付加価値」では、旅客動線や滞在時間、個々の多様なニーズを柔軟に捉えて、「稼ぐ力」を多角的に強化してまいります。内際一体での商業機能配置や乗継需要の取込、CRM強化、EC拡充などを通じてトラベルリテールを高度化し、施設サービスでは、先端技術を活用してターミナル機能の強化やサービスレベルの向上を図ります。これらの取組みによってターミナル滞在時間の価値密度を高め、旅客一人当たり及び施設面積当たりの収益向上を目指します。「共創」では、空港全体の運営基盤となるTotal Airport Management(TAM)の構築を進めます。事業者間の連携高度化・空港全体の最適化を推進することで生み出だされる、時間・スペース・人員の余剰を、新たな価値創造に活かし、さらなる空港評価と収益機会に繋げます。また、世界のエアラインから選ばれ続けるべく、旅客ターミナルにとどまらず、羽田空港全体の脱炭素化計画を着実に推進します。さらに、周辺地域や全国各所との連携を深めることを通じて事業領域を拡張し、羽田空港ターミナル外での収益規模を拡大します。これら中核戦略の推進と合わせて、戦略推進の土台となる人的資本経営を強化することで、持続的な企業価値向上を目指します。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等2025年度を最終年度とする中期経営計画におけるガイドライン及び達成状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②経営成績の分析」に記載しております。2026-2030年度の中期経営計画においては、業績成長目標として、2030年度に売上高3,400億円・営業利益550億円を目標としております。質的成長の成果として、売上高以上の伸び幅で営業利益を拡大することを目指します。また、業績目標に加えて、すべてのステークホルダーへの貢献を可視化すべく、ガイドラインを以下のとおり設定しております。 (5) 対処すべき課題日本国内のインバウンド需要は引き続き堅調に推移する一方で、羽田空港においては発着枠の制約が顕在化しており、旅客数の大幅な増加による量的成長は見込みにくい状況となっています。また、物価上昇や人件費の増加、地政学リスク等を背景とした為替・エネルギー価格の変動などにより、航空需要及びコスト構造の両面において不確実性が高まっています。2026年度は、当社グループにおいては、中期経営計画の初年度として、需要享受から需要創造へ転換する、企業変革の起点となる一年です。地政学的リスクや国際情勢の変動による影響を注視しつつ、不採算事業の整理や収益力の強化に努め、利益創出を図ります。また、当社子会社の取引先事業者の選定等に関して、当社が定める日本空港ビルグループコンプライアンス基本指針に照らして不適切な対応が行われていた事実が判明した事案(以下、「不適切事案」という。)を踏まえ、コーポレート・ガバナンス強化を引き続き経営上の重要な課題として認識しています。継続的なモニタリングのもと、2025年6月12日付「再発防止策の策定及び取締役の処分に関するお知らせ」で策定した再発防止策(以下、「再発防止策」という。)を着実に遂行し、信頼回復に努めてまいります。ターミナル運営では、資材や人件費単価の増加に加えて、第1ターミナル北側サテライト施設の供用開始に伴い、減価償却費やターミナル運営コスト等の不可避な費用増加が見込まれます。また、国際線における旅客数の増加に伴う混雑の解消や、際内乗り継ぎ利便性のさらなる強化に対応するためのターミナル整備が課題となります。このような中で、将来を見据えた施設整備を着実に進めるとともに、PSFC単価改定のほか、継続的な賃料の見直しや、前年度に実施した各サービス料金の改定効果の通年寄与により、増加するコストの吸収を図ります。リテール運営においては、旅客数の増加が限られる中で、展開ブランドの入れ替えや店舗改装、CRMの強化等により旅客一人当たりの収益の向上を図ります。また、銀座市中免税店を撤退する一方で、ECサイトでの免税品事前予約サービスを強化するなど、拠点・店舗単位で採算性を重視した資源配分を行い、高効率リテールを推進します。さらに、グループ全体で投資規律を徹底し、業務委託費や諸経費等のコストを精査することで、利益率及び資本効率の向上を図ります。当社グループは、中期経営計画で掲げる“羽田空港の要=Anchor Role”となることを目指して、「効率」「付加価値」「共創」をキーワードに各施策を着実に実行し、企業価値の持続的な向上へと繋げてまいります。(6) 不適切事案に関する再発防止策における信頼回復への取り組み当社は、不適切事案については再発防止策に基づき、各施策の推進を図ってまいりました。今後は整備した制度・体制を監査等委員会と取締役会がモニタリングし、継続的な運用等を通じることで実効的なコーポレート・ガバナンスの構築、内部統制及びコンプライアンスの強化に努めてまいります。主な取り組み内容は、次のとおりであります。 ①経営体制の刷新経営トップへの権限集中及び牽制機能の欠如を是正し、経営の透明性及び監督機能を確保しました。今後の運用及び定着への取り組みとしては、取締役会の実効性評価等を通じて、経営監督機能の継続的な検証及び改善を行ってまいります。 ②最高経営責任者の後継者育成計画の策定及び指名プロセスの透明化及び指名諮問委員会の在り方の見直し指名・報酬諮問委員会の委員長を独立社外取締役とし、委員会の独立性・客観性を高めました。また、後継者育成計画(サクセッションプラン)の策定に向けた検討を行い、役員指名プロセスの公平性・客観性・透明性を確保する運用体制を構築しました。今後の運用及び定着への取り組みとしては、後継者育成計画では、社長に求める人材要件、候補者の考え方、評価の枠組みを整理し、その運用を着実に進めることで、経営環境の変化に対応した実効性ある人材育成・選任を継続してまいります。 ③経営トップへの牽制機能の強化常勤の監査等委員の選任と監査等委員会室の新設により監査の実効性を確保し、内部統制・内部監査部門の担当役員を明確化し、さらには、主要グループ会社に常勤監査役を配置し、グループ監査体制を強化しました。今後の運用及び定着への取り組みとしては、監査等委員会による定期的なレビューを継続し、内部統制システムに係るグループ監査機能の実効性強化を図ってまいります。 ④組織風土の改革社内通報窓口、社外弁護士事務所による外部通報窓口、監査等委員(社外取締役)への直接通報制度を整備しました。また、内部通報制度の周知・教育を実施するとともに、法令・規程違反等が本社及び監査等委員会に迅速かつ適切に報告される体制を構築しました。今後の運用及び定着への取り組みとしては、通報制度の実効性を検証し、継続的な教育を通じてコンプライアンス意識の定着を図り、さらにはコンプライアンス推進委員会を中心に事案の背景・真因を分析し、その結果を教育・研修に反映することで、職場・組織風土の改善と透明性・信頼性の高い企業運営に繋げてまいります。 ⑤経営改善委員会の設置再発防止策を単なる形式的・一過性な対応にとどまらず、実効性をもって機能させるために横断的に検証・議論する場として経営改善委員会を設置し、組織風土、ガバナンス、調達、後継者育成等に関する課題について継続的な審議を行っております。今後も引き続き経営課題の早期把握及び改善に繋げてまいります。 ⑥コーポレート・ガバナンス委員会の設置取締役会の実効性及びガバナンス体制の継続的な改善を図るために、コーポレート・ガバナンス委員会を設置し、取締役会実効性評価の実施及び社外取締役による意見交換の場を整備しました。今後の運用及び定着への取り組みとしては、取締役会の更なる機能強化を図るため、取締役会実効性評価の結果を踏まえ、指名・報酬諮問委員会と連携した対応策を議論し、取締役会への提言を行うことを通じてガバナンス体制の継続的な改善を図ってまいります。 ⑦継続的なモニタリング監査等委員会及び取締役会において、再発防止策の実施状況及び運用状況について定期的な報告及びレビューを実施しました。今後も定期的なモニタリングを継続し、必要な改善を機動的に実施してまいります。 今後は、各施策の実効性を監査等委員会と取締役会が継続的に検証し、必要な改善を行うことで、コンプライアンス最優先の企業文化の定着に努めてまいります。当社は、公共性の高い空港施設を運営する企業としての社会的責任を改めて認識し、法令遵守と健全な事業運営を徹底するとともに、空港利用者をはじめとする全てのステークホルダーの皆様の信頼回復に向け、継続的に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針・経営戦略等当社グループは、国内航空輸送網の拠点である羽田空港における旅客ターミナル等を建設、管理・運営する企業として、「公共性と企業性の調和」を経営の基本理念としております。この基本理念の下、今後とも、旅客ターミナルにおける絶対安全の確立、お客様本位の、安定的かつ効率的な旅客ターミナル運営に努めることにより確実に社会的責任を果たしてまいります。また、グループ全体の継続的な企業価値の向上を図るため、戦略的かつ適切な投資の実行及び投資管理によるさらなる旅客ターミナルの利便性、快適性及び機能性の向上や顧客ニーズの高度化・多様化に的確に対応するとともに、航空会社、空港利用者、取引先、株主等関係者への適切な還元を心がけることを経営の基本方針としております。 (2) 経営環境認識国内外の航空需要はコロナ禍から着実に回復し、羽田空港における当連結会計年度の旅客数は9,000万人を超え、2020年3月の国際線発着枠の拡大を背景に、コロナ前を上回る水準となりました。当社グループでは、2022-2025年度の中期経営計画に基づく取組を推進し、インバウンド等の急激な需要回復や想定を上回る物価高騰にも着実に対応することで、コロナ前以上に収益力を高め、利益成長を実現しました。中長期的には、日本全体における訪日需要は今後も増加し、羽田空港の航空需要も堅調に推移することが見込まれます。一方で、航空業界においては、地方における労働人口の減少や人流の偏在、航空会社における国内線事業の収益性悪化などの課題が顕在化しております。羽田空港では、航空便数は発着枠の上限水準に達しており、需要回復期から需要安定期へと移行しつつあります。旅客数の量的拡大による成長余地が限定される中、羽田空港単独で安定需要を享受する限りでは、航空業界・日本経済全体にとってマイナスとなり、将来的に当社の成長も頭打ちとなることが懸念されます。これらの観点を踏まえ、羽田空港での共創・全体最適を通じて、日本全体の航空成長を支えることが、当社グループの役割であると認識しております。 (3) 経営戦略①長期ビジョン当社グループは経営環境認識に基づき、羽田空港の目指すべき姿を、日本の玄関口・乗継の結節点として日本全体の移動・人流を活性化し、日本の航空旅客数最大化に貢献する空港であると定めました。この目指すべき姿を実現するための方向性として、「首都圏空港の最大活用」「アジアの経済成長の取込」「国内移動需要の創造」の3点を掲げ、当社グループの新たな長期ビジョンを、従来の「需要享受型」の空港ターミナル会社から、需要を自ら生み出し、共創と全体最適を牽引する「需要創造型」の空港の要(Anchor Role)と再定義いたしました。当社が要の役割(Anchor Role)を果たし、共創・全体最適に取り組むことで、旅客には安心で快適な空港体験を、地域社会や事業パートナーには持続的な成長を、従業員には挑戦を通じた成長を、環境には着実な配慮を提供しながら、すべてのステークホルダーへの価値向上に繋げてまいります。日本の航空旅客数最大化に向けた長期戦略において、ハード面では従来の基幹事業の進化として、国が進める人工地盤整備等と連動したターミナル施設の増改修を検討しています。国内線と国際線の機能融合を進め、スムーズな乗継環境の実現により地域送客力を強化するとともに、運営効率の向上を通じて発着処理能力の向上に寄与してまいります。ソフト面では新たな成長の軸として、関係事業者との全体最適を支える空港運営基盤「Total Airport Management(TAM)」を構築し、ナレッジを全国へ共有・活用することで、日本全体の人流創出へと繋げることを目指します。ハードとソフトとの両輪を推進することで取組みの効果を最大化し、収益ポテンシャルを拡大してまいります。 ②中期経営計画(2026-2030年度)2026-2030年度の新中期経営計画においては、長期的な将来像を実現するための企業変革期と位置付け、航空需要の享受にとどまらず、羽田空港全体を最適化し需要創造を牽引する「羽田空港の要」となることを目指します。羽田空港の要としてすべてのステークホルダーへの貢献を果たすために、当社が2030年に実現すべき項目を整理し、マテリアリティ(重要課題)を再編いたしました。再編したマテリアリティへの対応を前提に、戦略の方向性として、将来の大規模投資の遂行へ向けたキャッシュ・フロー創出力の強化と関係者牽引力の強化を掲げ、「効率」「付加価値」「共創」の3つを中核戦略に据えて取り組んでまいります。 「効率」では、資本コストを意識した経営を徹底し、成長性・収益性の観点から経営資源を配分します。投資リターン管理の強化や、不採算事業の整理、非事業資産の圧縮等を通じて筋肉質な経営体質を築くとともに、グループ事業を再編し成長分野に経営資源を集中することで、資本効率の向上を図ります。「付加価値」では、旅客動線や滞在時間、個々の多様なニーズを柔軟に捉えて、「稼ぐ力」を多角的に強化してまいります。内際一体での商業機能配置や乗継需要の取込、CRM強化、EC拡充などを通じてトラベルリテールを高度化し、施設サービスでは、先端技術を活用してターミナル機能の強化やサービスレベルの向上を図ります。これらの取組みによってターミナル滞在時間の価値密度を高め、旅客一人当たり及び施設面積当たりの収益向上を目指します。「共創」では、空港全体の運営基盤となるTotal Airport Management(TAM)の構築を進めます。事業者間の連携高度化・空港全体の最適化を推進することで生み出だされる、時間・スペース・人員の余剰を、新たな価値創造に活かし、さらなる空港評価と収益機会に繋げます。また、世界のエアラインから選ばれ続けるべく、旅客ターミナルにとどまらず、羽田空港全体の脱炭素化計画を着実に推進します。さらに、周辺地域や全国各所との連携を深めることを通じて事業領域を拡張し、羽田空港ターミナル外での収益規模を拡大します。これら中核戦略の推進と合わせて、戦略推進の土台となる人的資本経営を強化することで、持続的な企業価値向上を目指します。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等2025年度を最終年度とする中期経営計画におけるガイドライン及び達成状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②経営成績の分析」に記載しております。2026-2030年度の中期経営計画においては、業績成長目標として、2030年度に売上高3,400億円・営業利益550億円を目標としております。質的成長の成果として、売上高以上の伸び幅で営業利益を拡大することを目指します。また、業績目標に加えて、すべてのステークホルダーへの貢献を可視化すべく、ガイドラインを以下のとおり設定しております。 (5) 対処すべき課題日本国内のインバウンド需要は引き続き堅調に推移する一方で、羽田空港においては発着枠の制約が顕在化しており、旅客数の大幅な増加による量的成長は見込みにくい状況となっています。また、物価上昇や人件費の増加、地政学リスク等を背景とした為替・エネルギー価格の変動などにより、航空需要及びコスト構造の両面において不確実性が高まっています。2026年度は、当社グループにおいては、中期経営計画の初年度として、需要享受から需要創造へ転換する、企業変革の起点となる一年です。地政学的リスクや国際情勢の変動による影響を注視しつつ、不採算事業の整理や収益力の強化に努め、利益創出を図ります。また、当社子会社の取引先事業者の選定等に関して、当社が定める日本空港ビルグループコンプライアンス基本指針に照らして不適切な対応が行われていた事実が判明した事案(以下、「不適切事案」という。)を踏まえ、コーポレート・ガバナンス強化を引き続き経営上の重要な課題として認識しています。継続的なモニタリングのもと、2025年6月12日付「再発防止策の策定及び取締役の処分に関するお知らせ」で策定した再発防止策(以下、「再発防止策」という。)を着実に遂行し、信頼回復に努めてまいります。ターミナル運営では、資材や人件費単価の増加に加えて、第1ターミナル北側サテライト施設の供用開始に伴い、減価償却費やターミナル運営コスト等の不可避な費用増加が見込まれます。また、国際線における旅客数の増加に伴う混雑の解消や、際内乗り継ぎ利便性のさらなる強化に対応するためのターミナル整備が課題となります。このような中で、将来を見据えた施設整備を着実に進めるとともに、PSFC単価改定のほか、継続的な賃料の見直しや、前年度に実施した各サービス料金の改定効果の通年寄与により、増加するコストの吸収を図ります。リテール運営においては、旅客数の増加が限られる中で、展開ブランドの入れ替えや店舗改装、CRMの強化等により旅客一人当たりの収益の向上を図ります。また、銀座市中免税店を撤退する一方で、ECサイトでの免税品事前予約サービスを強化するなど、拠点・店舗単位で採算性を重視した資源配分を行い、高効率リテールを推進します。さらに、グループ全体で投資規律を徹底し、業務委託費や諸経費等のコストを精査することで、利益率及び資本効率の向上を図ります。当社グループは、中期経営計画で掲げる“羽田空港の要=Anchor Role”となることを目指して、「効率」「付加価値」「共創」をキーワードに各施策を着実に実行し、企業価値の持続的な向上へと繋げてまいります。(6) 不適切事案に関する再発防止策における信頼回復への取り組み当社は、不適切事案については再発防止策に基づき、各施策の推進を図ってまいりました。今後は整備した制度・体制を監査等委員会と取締役会がモニタリングし、継続的な運用等を通じることで実効的なコーポレート・ガバナンスの構築、内部統制及びコンプライアンスの強化に努めてまいります。主な取り組み内容は、次のとおりであります。 ①経営体制の刷新経営トップへの権限集中及び牽制機能の欠如を是正し、経営の透明性及び監督機能を確保しました。今後の運用及び定着への取り組みとしては、取締役会の実効性評価等を通じて、経営監督機能の継続的な検証及び改善を行ってまいります。 ②最高経営責任者の後継者育成計画の策定及び指名プロセスの透明化及び指名諮問委員会の在り方の見直し指名・報酬諮問委員会の委員長を独立社外取締役とし、委員会の独立性・客観性を高めました。また、後継者育成計画(サクセッションプラン)の策定に向けた検討を行い、役員指名プロセスの公平性・客観性・透明性を確保する運用体制を構築しました。今後の運用及び定着への取り組みとしては、後継者育成計画では、社長に求める人材要件、候補者の考え方、評価の枠組みを整理し、その運用を着実に進めることで、経営環境の変化に対応した実効性ある人材育成・選任を継続してまいります。 ③経営トップへの牽制機能の強化常勤の監査等委員の選任と監査等委員会室の新設により監査の実効性を確保し、内部統制・内部監査部門の担当役員を明確化し、さらには、主要グループ会社に常勤監査役を配置し、グループ監査体制を強化しました。今後の運用及び定着への取り組みとしては、監査等委員会による定期的なレビューを継続し、内部統制システムに係るグループ監査機能の実効性強化を図ってまいります。 ④組織風土の改革社内通報窓口、社外弁護士事務所による外部通報窓口、監査等委員(社外取締役)への直接通報制度を整備しました。また、内部通報制度の周知・教育を実施するとともに、法令・規程違反等が本社及び監査等委員会に迅速かつ適切に報告される体制を構築しました。今後の運用及び定着への取り組みとしては、通報制度の実効性を検証し、継続的な教育を通じてコンプライアンス意識の定着を図り、さらにはコンプライアンス推進委員会を中心に事案の背景・真因を分析し、その結果を教育・研修に反映することで、職場・組織風土の改善と透明性・信頼性の高い企業運営に繋げてまいります。 ⑤経営改善委員会の設置再発防止策を単なる形式的・一過性な対応にとどまらず、実効性をもって機能させるために横断的に検証・議論する場として経営改善委員会を設置し、組織風土、ガバナンス、調達、後継者育成等に関する課題について継続的な審議を行っております。今後も引き続き経営課題の早期把握及び改善に繋げてまいります。 ⑥コーポレート・ガバナンス委員会の設置取締役会の実効性及びガバナンス体制の継続的な改善を図るために、コーポレート・ガバナンス委員会を設置し、取締役会実効性評価の実施及び社外取締役による意見交換の場を整備しました。今後の運用及び定着への取り組みとしては、取締役会の更なる機能強化を図るため、取締役会実効性評価の結果を踏まえ、指名・報酬諮問委員会と連携した対応策を議論し、取締役会への提言を行うことを通じてガバナンス体制の継続的な改善を図ってまいります。 ⑦継続的なモニタリング監査等委員会及び取締役会において、再発防止策の実施状況及び運用状況について定期的な報告及びレビューを実施しました。今後も定期的なモニタリングを継続し、必要な改善を機動的に実施してまいります。 今後は、各施策の実効性を監査等委員会と取締役会が継続的に検証し、必要な改善を行うことで、コンプライアンス最優先の企業文化の定着に努めてまいります。当社は、公共性の高い空港施設を運営する企業としての社会的責任を改めて認識し、法令遵守と健全な事業運営を徹底するとともに、空港利用者をはじめとする全てのステークホルダーの皆様の信頼回復に向け、継続的に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)業績等の概要①経営成績等の業績の概要当連結会計年度における我が国経済は、緩やかに回復しています。先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、中東情勢の影響を注視する必要があります。また、金融資本市場の変動の影響や米国の通商政策をめぐる動向などに引き続き注意する必要があります。航空業界においては、訪日外国人数は2025年暦年で4,200万人を超え、年間最高を更新しました。当連結会計年度の羽田空港の旅客数は、前年比で国内線は約3%、国際線は約7%増加し、堅調に推移しました。国際線では、昨年11月以降の中国の渡航自粛や中東情勢の緊迫化に伴い一部減便や欠航が生じておりますが、他の路線の搭乗率向上等によりカバーし、当連結会計年度における羽田国際線旅客数への影響は軽微でありました。このような中、当社グループは長期ビジョン“To Be a World Best Airport”に向けて、中期経営計画の最終年度にあたって、計画の総仕上げに注力してまいりました。施設面では、安心・快適で先進的な空港づくりを目指し、引き続き、施設・搬送設備の耐震化や、老朽化した設備の更新、空調機器や照明設備の省エネ対応などに取り組むとともに、本年5月頃の竣工に向けて第1ターミナル北側サテライト建設工事を順調に進めております。第2ターミナルでは、定時運航性向上の取り組みとして、固定2スポットを増設する北側サテライト延伸工事に着手しました。さらに、空港全体の最適化を目指す「Total Airport Management (TAM)」の実現に向けて、引き続き、国や航空会社等と連携して取り組んでおります。研究開発拠点「terminal.0 HANEDA」では参画企業とともに、保安検査場における旅客ストレスの軽減・検査員の環境向上に向けた研究を進め、空港での効果検証実験を開始しました。また、当社は、東京ベイeSGプロジェクト「Tokyo Bay Innovation Field」プロジェクトサポート型に代表事業者として採択されており、今後、次世代モビリティプロジェクトの分野で、羽田空港を含む様々な環境下での走行実証を行い、将来的に制限区域内バスのレベル4自動運転の実現を目指します。営業面では、増加する旅客需要の着実な取り込みや、EC等の空港外収益の拡大に取り組んでまいりました。国内線では、第1ターミナルゲートエリアに無人決済店舗をオープンしたほか、全国の自治体と連携した催事や、ハワイの人気商品を集めた「Aloha Market」を期間限定で開催するなど、多様な需要の獲得に努めております。また、羽田空港で展開している商品の海外輸出など、新規販路の拡大を図っております。国際線では、新規ブランド導入やブランドブティック店舗の営業時間適正化等による、売上増進及び効率的な店舗運営を図りました。中国人旅客の需要が減少傾向にあるものの、各種販売促進キャンペーン等の施策効果や、インバウンドにも人気の高い商材の導入、上期に改装・増床したエルメス及びシャネルブティックが好調に推移したこと等により、第4四半期(1-3月)の売上は第3四半期に続き、前年同期を上回りました。また、免税品事前予約サイトでは、これまで取り扱いのなかったシャネルの香水・化粧品など商品の拡充を図り、お客さまの利便性向上に努め、さらなる収益向上を目指してまいります。経営基盤の面では、引き続きコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおり、後継者育成計画の策定を進めるほか、グループ経営を高度化するための体制構築や、役職員に向けたリスク管理教育などを実施し、健全で透明性の高いガバナンス体制の構築に努めております。また、羽田空港は国際空港評議会(ACI: Airport Council International)が運営するカーボンマネジメント認証プログラム「空港カーボン認証」のレベル4を取得しました。これは、空港全体のCO2排出量削減に向けたマネジメントや取り組みを段階的に評価するものであり、当社は羽田空港におけるACI加盟事業者として、空港関係者等による官民連携のもと、主体的に認証取得に取り組んでまいりました。財務戦略では、当連結会計年度において中期経営計画の目標収支・ROA(EBITDA)・自己資本比率のガイドラインを全て達成し、引き続き、設備投資計画や株主還元方針のバランスを踏まえ最適資本構成を追求し、資本コスト経営の一層の強化を図ってまいります。以上の結果、当連結会計年度の業績については、営業収益は2,898億2千3百万円(前期比 7.4%増)、営業利益は 450億4千3百万円(前期比 16.8%増)、経常利益は 437億4百万円(前期比 22.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は 291億3千9百万円(前期比 6.1%増)となりました。 (単位:百万円)区 分前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年比増減率(%)営 業 収 益269,923289,8237.4 施設管理運営業105,540117,76511.6 物品販売業147,666154,0534.3 飲食業16,71618,0047.7営 業 利 益38,55745,04316.8経 常 損 益35,72343,70422.3親会社株主に帰属する当期純利益27,47029,1396.1羽田空港旅客ターミナルは、英国SKYTRAX社の“World Airport Star Rating”において、世界最高水準である「5スターエアポート」を12年連続で獲得しました。また、“World Airport Awards 2026”において、国内線空港総合評価部門(14年連続)、空港の清潔さなどを評価する部門(11年連続)、PRM※対応を評価する部門(8年連続)で世界第1位の評価をいただき、空港の総合評価「World's Best Airports」部門で世界第3位を受賞しました。(※ PRMは、Persons with Reduced Mobilityの略で、高齢者、障がいのある方や怪我をされた方の意味。)今後とも引き続き、当社グループは、社会インフラである旅客ターミナルにおける絶対安全の確立に努めるとともに、利便性・快適性及び機能性の向上を目指し、絶え間ない羽田空港の価値創造と航空輸送の発展に貢献することにより、企業価値の向上を図ってまいります。セグメント別の概況セグメント別の業績は次のとおりです。なお、各事業における売上高はセグメント間の内部売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。(施設管理運営業) (単位:百万円)区 分前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年比増減率(%)外部顧客への売上高105,540117,76511.6 家賃収入20,69321,9586.1 施設利用料収入60,25868,37413.5 その他の収入24,58727,43211.6セグメント間の内部売上高3,3973,4391.2売上高 合計108,937121,20511.3セグメント利益19,49528,31245.2家賃収入については、テナント店舗の売上増加に伴う歩合賃料の増加や国内線における賃料(管理費)改定等により、前年を上回りました。施設利用料収入については、旅客数の増加や昨年4月に国内線旅客取扱施設利用料を改定したこと等により、前年を上回りました。その他の収入については、旅客数の増加に加え、ラウンジや駐車場における価格改定効果や、外貨両替所、広告料収入等が増加したこと等により、前年を上回りました。費用面では、第2ターミナル北側サテライトと本館の接続に伴う減価償却費や、物価上昇に伴うターミナル維持管理コストが増加しました。その結果、施設管理運営業の営業収益は 1,212億5百万円(前期比 11.3%増)となり、営業利益は 283億1千2百万円(前期比 45.2%増)となりました。 (物 品 販 売 業) (単位:百万円)区 分前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年比増減率(%)外部顧客への売上高147,666154,0534.3 国内線売店売上14,44515,5727.8 国際線売店売上95,28297,1742.0 その他の売上37,93841,3068.9セグメント間の内部売上高1,7111,529△10.6売上高 合計149,377155,5834.2セグメント利益29,38727,489△6.5国内線売店売上については、国内線旅客数の増加及び催事展開・MD変更等の施策効果により購買単価が上昇し、前期を上回りました。国内線売店売上については、国内線旅客数の増加や、積極的な催事・イベント展開による需要の取り込みに努めたことなどで、前年を上回りました。国際線売店売上については、免税店売上は上期に前年好調の反動で減少となりましたが、下期は売上が回復し、通期で前年を上回りました。その他の売上については、訪日外国人数の増加に伴い、他空港への卸売上が増加したこと等により、前年を上回りました。費用面において、売上増に伴う商品売上原価や他空港店舗の支払家賃等の変動費のほか、人件費や業務委託費、広告宣伝費等が増加したことにより、営業利益は前年を下回りました。その結果、物品販売業の営業収益は 1,555億8千3百万円(前期比 4.2%増)となり、営業利益は 274億8千9百万円(前期比 6.5%減)となりました。 (飲 食 業) (単位:百万円)区 分前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年比増減率(%)外部顧客への売上高16,71618,0047.7 飲食店舗売上8,5158,5510.4 機内食売上6,8997,88814.3 その他の売上1,3021,56420.2セグメント間の内部売上高9631,0044.2売上高 合計17,68019,0087.5セグメント利益5791,15098.6飲食店舗売上については、第1ターミナルフードコート店舗のテナント化に伴い、前年から直営店舗数が減少したものの、旅客数の増加等により、前年をわずかに上回りました。機内食売上については、羽田、成田における外国航空会社の旅客数の増加及び単価の改定等により、前年を上回りました。その結果、飲食業の営業収益は 190億8百万円(前期比 7.5%増)となり、人件費の増加や食材価格高騰の影響を受けながらも、営業利益は 11億5千万円(前期比 98.6%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ 109億5千8百万円増加し、968億3千7百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 177億5千6百万円収入が増加(前年比 33.0%増)し、715億6千9百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 265億9千8百万円支出が増加(前年比 207.1%増)し、394億4千2百万円の支出となりました。これは主に、有価証券の売却による収入が減少し、有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 93億6千万円支出が減少(前年比 30.7%減)し、211億6千8百万円の支出となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が増加したものの、長期借入れによる収入及び社債の発行による収入が増加し、社債の償還による支出が減少したことによるものです。 ③生産、受注及び販売の状況当社グループの事業は、「第1 企業の概況 3.事業の内容」において記載したとおりの業種、業態により、生産実績等について、セグメントごとの生産規模及び受注規模を記載することは困難であります。このため、生産、受注及び販売の状況については、「業績等の概要」における各セグメント業績に関連付けて記載しております。なお、当連結会計年度の営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)施設管理運営業(百万円)105,540117,76511.6 家賃収入(百万円)20,69321,9586.1 施設利用料収入(百万円)60,25868,37413.5 その他の収入(百万円)24,58727,43211.6物品販売業(百万円)147,666154,0534.3 国内線売店売上(百万円)14,44515,5727.8 国際線売店売上(百万円)95,28297,1742.0 その他の売上(百万円)37,93841,3068.9飲食業(百万円)16,71618,0047.7 飲食店舗売上(百万円)8,5158,5510.4 機内食売上(百万円)6,8997,88814.3 その他の売上(百万円)1,3021,56420.2 合計(百万円)269,923289,8237.4(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.施設管理運営業の家賃収入における貸付状況は、次のとおりであります。区 分前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日) 比率(%) 比率(%)所有総面積 (㎡)1,010,556 1,010,556 貸付可能面積(㎡)334,673100.0340,088100.0貸付面積 (㎡)328,14898.1334,86298.5 航空会社 (㎡)159,54647.7160,21747.1 一般テナント (㎡)63,44619.063,80218.8 当社グループ使用(㎡)105,15531.4110,84232.6 (2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析①財政状態の分析(資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べ 124億9千5百万円増加し、1,434億2千9百万円となりました。これは主に、営業収益の増加に伴い現金及び預金が増加したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ 95億2千1百万円増加し、3,485億4千2百万円となりました。これは主に、建物及び構築物の改修及び更新によるものです。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ 220億1千6百万円増加し、4,919億7千2百万円となりました。 (負債)負債合計は、前連結会計年度末に比べ 95億2千1百万円減少し、2,620億8千6百万円となりました。これは主に、社債が増加したものの約定返済及び期限前弁済に伴い長期借入金が減少したことによるものです。 (純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べ 315億3千8百万円増加し、2,298億8千5百万円となりました。これは主に、利益剰余金及び非支配株主持分が増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は、42.7%(前連結会計年度末は 39.9%)となりました。 ②経営成績の分析当社グループの当連結会計年度の経営成績及びセグメント別の売上につきましては、「(1)業績等の概要 ①経営成績等の業績の概要」に記載しております。当社グループは、2022年度から2025年度の中期経営計画において、指標及び2025年度(最終年度)の目標値を以下のとおり定めております。 分類指標2025年度目標値収益性(総合)連結当期純利益200億円以上収益性コスト削減策25億円(前中計の営業利益目標250億円の10%相当)効率性ROA(EBITDA)12%以上安定性自己資本比率40%台への回復を目指す株主還元配当性向30%以上空港評価SKYTRAX評価順位World's Best Airports TOP3当連結会計年度における各指標の進捗状況は次のとおりです。[連結当期純利益][コスト削減策]当連結会計年度の連結当期純利益は 291億3千9百万円となりました。コロナ禍での学びを活かしたオペレーションの見直し、ロボット等の技術活用、省エネのための設備更新などのコスト削減を実行するとともに、計画策定時の想定を上回る物価高騰に対応すべくサービス価格等の改定を実施し、目標を上回る利益成長を達成しました。[ROA(EBITDA)]当連結会計年度のROA(EBITDA)は15.5%となりました。[自己資本比率]当連結会計年度末時点の自己資本比率は42.7%となりました。[配当性向]当連結会計年度の配当性向は30.4%となっております。コロナ禍から業績回復し黒字転換した2023年度以降は、いずれも配当性向30%を上回っております。[SKYTRAX評価順位]本年3月の“WORLD AIRPORT AWARDS 2026”において、羽田空港旅客ターミナルは「World's Best Airports」部門で世界第3位となりました。当連結会計年度においては、コロナ禍において回収できなかった設備投資や物価高騰を適切に転嫁した価格改定効果等により、営業利益と経常利益は3期連続で過去最高益を更新し、前年度に中期経営計画目標を1年前倒しで達成した連結当期純利益を、さらに上積みすることができました。2026-2030年度の中期経営計画においては、最終年度にあたる2030年度の業績目標を設定するとともに、すべてのステークホルダーへの貢献を可視化すべく、ガイドラインを拡充いたしました。詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。 ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの分析については、「(1)業績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当社グループの資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、平素より旅客ターミナルビル等への大規模設備投資に備えて内部留保の充実と株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。運転資金は自己資金を基本としておりますが、不測の事態に対応したコミット期間付タームローン及びコミットメントライン契約を合計90億円の極度額で設定しております。旅客ターミナルビル等の大規模設備投資資金については、自己資金、金融機関からの長期借入及び社債等による調達を基本としております。さらに、シングルAプラス以上の格付(日本の格付機関)を維持することで資金調達の多様化、安定化及び資金調達コストの低減を図るとともに、設備投資に対応する借入の一部については、過度に金利変動リスクにさらされないよう金利スワップなどの手段を活用しております。連結子会社のうち、PFI事業である東京国際空港ターミナル株式会社につきましては、事業の安定性及び継続性が第一に求められており、旅客ターミナルビル等の大規模設備投資はプロジェクトファイナンスの手法を用いて長期借入金等による調達を実施しております。また、当社グループは資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ内の資金調達・管理の一元化を行っております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は968億3千7百万円、借入金等を含む有利子負債残高は1,954億4千9百万円となりました。 ④重要な会計方針及び見積り当社の連結財務諸表及び財務諸表は、我が国における一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。これらの財務諸表の作成の基礎となる取引は会計記録に適切に記録しており、繰延税金資産については回収可能性を十分に検討した回収可能額を計上しております。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5.経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ⑤今後の見通し当社グループは2026年度を初年度とする中期経営計画を策定し、2030年度までの5年間を企業変革の推進期間と位置付け、キャッシュ・フロー創出力の強化と、ステークホルダーとの共創による需要の創造に取り組んでまいります。次期においては、中国の渡航自粛や中東情勢の悪化に伴う燃料価格の高騰等により、航空需要が低迷するリスクがあります。一方で、足元の羽田空港の旅客数は、国内線・国際線ともに堅調に推移しており、現段階においては、引き続き緩やかに増加すると見込んでおります。施設管理運営業では、本年7月頃に第1ターミナル北側サテライト施設の完成を予定しております。施設の供用開始に伴い減価償却費等が増加するほか、インフレによる運営経費の上昇に対応するため、国内線旅客取扱施設利用料の改定を申請するとともに、引き続きオフィス賃料等の適正価格への見直しを行います。物品販売業では、羽田国際線旅客数の増加や為替の円安基調は免税店売上に追い風となりますが、市中免税事業の見直しや一部店舗の改装に伴う一時休業による売上の減少を見込んでおります。飲食業では、原材料価格の高騰を適切な価格転嫁とコスト削減施策により吸収し、売上・利益率の向上を目指します。以上により、次期の連結業績見通しについては、営業収益は2,967億円(当期比 2.4%増)、営業利益は 456億円(当期比 1.2%増)、経常利益 458億円(当期比 4.8%増)、一部の子会社において繰越欠損金に係る繰延税金資産の計上が減少し、税負担が増加することから、親会社株主に帰属する当期純利益 242億円(当期比 17.0%減)を予想しております。 2025年度(実績)※2026年度(予想)増減率(%)羽田国内線6,709万人6,716万人0.1羽田国際線2,457万人2,493万人1.5羽田空港全体9,166万人9,210万人0.5営業収益2,898億円2,967億円2.4営業利益450億円456億円1.2経常利益437億円458億円4.8親会社株主に帰属する当期純利益291億円242億円△ 17.0※2025年度旅客数は東京航空局発表の速報値より当社集計

事業リスク

  • テロ・破壊活動リスク
    空港や旅客ターミナルにおけるテロや破壊活動は、人命や施設への甚大な被害に加え、空港機能の停止や社会的信用の失墜を招き、事業継続に深刻な影響を及ぼす可能性があります。警備体制の強化、防犯システムの高度化、従業員への教育・訓練を通じてリスク軽減に努めていますが、完全に排除することは困難です。
  • 空港機能の著しい低下
    大規模地震、異常気象、航空機事故、大規模停電などの災害や事故により、空港施設やライフラインに甚大な被害が生じ、空港機能が長期間停止した場合、当社グループの経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。施設の耐震化、防災対策、事業継続計画(BCP)の策定・訓練で対応していますが、予測不能な事態には限界があります。
  • 重大な感染症のまん延
    国内外での新たな感染症の発生・まん延は、渡航制限や航空需要の著しい減少、従業員の感染による事業運営体制の縮小等を通じて、当社グループの事業活動全般に広範かつ長期的な影響を及ぼす可能性があります。感染拡大防止対策や柔軟な事業運営体制の構築に努めていますが、感染症の規模や期間によっては大きな影響を受ける可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|8,415 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されていない他の事項が影響を及ぼす可能性もあります。また、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めるとともに、これらのリスクが当社グループの事業戦略の遂行能力及び中長期的な企業価値に与える影響を考慮し、リスク管理体制の強化と適切な情報開示にも努めてまいります。なお、当社は、不適切事案については再発防止策に基づき、各施策の推進を図ってまいりました。今後は整備した制度・体制を監査等委員会と取締役会がモニタリングし、継続的な運用等を通じて実効的なコーポレート・ガバナンスの構築、内部統制の強化及びコンプライアンスの強化に努めてまいります。(注)主な取り組み内容については、「第2.事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 (1) 当社グループの営業基盤について 当社グループは、羽田空港において空港法に基づく空港機能施設事業者としての指定を受けており、旅客ターミナル3棟及び立体駐車場2棟を建設・所有し、管理・運営する企業として、事務室等の賃貸のほか、空港内店舗における物品販売(食料品を含む)、飲食店舗の運営、機内食の製造・販売や旅行サービスの提供等を行っております。 また、成田空港等の拠点空港においても、物品販売や機内食の製造・販売等の飲食サービスの提供を行うほか、空港外に保有する社有地を有効活用した不動産賃貸等を行っており、長年培ってきた経験を生かして空港内外における新たな事業展開についても取り組んでおります。 (2) 当社グループのリスク管理体制について公共性の高い旅客ターミナルの建設、管理・運営を担う当社グループにとって、事業の継続性を確保することは社会的使命であり、新たなリスクが顕在化する不確実な社会において、事業を取り巻くリスクを把握し、対策を講じることは組織のレジリエンス確保において重要な課題であると認識しております。代表取締役社長を委員長とする「リスク管理委員会」を設置し、全社的なリスク情報を集約・評価し、優先的に対応すべきリスク(以下「優先リスク」)を特定しております。リスク管理委員会は、定期的に(年2回以上)開催され、優先リスクへの対応状況の確認、効果検証、及び新たなリスクの評価を行っております。審議内容は経営会議での承認を経て、取締役会へ半期ごとに報告され、取締役会はこれらのリスク管理状況を監督する体制となっております。また、リスク管理委員会は、サステナビリティ委員会やコンプライアンス推進委員会等の関連委員会と連携し、気候変動や人権、サプライチェーンといったサステナビリティ関連リスクを含む全社的リスクマネジメントを推進しております。 (3) リスクマネジメントの全体プロセス 当社グループは、リスク管理委員会を中心に、以下のPDCAサイクルに基づいたリスク管理プロセスを実施し、優先リスクへの対応策の進捗状況は半期に一度確認しております。 計画 (Plan):リスクの調査・識別、評価、対応計画の策定国内外の社会経済情勢や事業環境の変化、中期経営計画及びマテリアリティ等を踏まえ、リスク管理委員会事務局が網羅的なリスク調査を実施します。特に人権・環境リスクは必須調査項目としております。リスク管理委員会は、識別されたリスクを「影響の大きさ」と「発生頻度」で評価し優先順位付けを行い、「純粋リスク」と「戦略リスク」等に分類します。特定された優先リスクに対し、リスク所管部門が対応策を策定し、リスク管理委員会が年度計画として承認します。この計画は経営会議での整合性確認後、取締役会に報告・審議され監督を受けます。 実行 (Do):対応計画の実行リスク所管部門は、承認された年度計画に基づきリスク対応策を実行します。 評価 (Check):モニタリングと評価リスク管理委員会は、各対応策の進捗及び有効性を半期ごとにモニタリング・評価し、必要に応じて計画や評価基準等を見直します。結果は経営会議及び取締役会に報告され監督を受けます。 改善 (Action):対応計画の改善と実行評価結果に基づき、対応計画の改善策を策定・実行し、リスク管理態勢の継続的な改善を図ります。 情報開示本リスク管理プロセス及び主要リスクへの対応状況は、本有価証券報告書、統合報告書、当社ウェブサイト等を通じて適時適切に開示・発信します。 (4) 当社グループの事業等のリスクについてリスク管理プロセスにて記述のとおり、当社グループではリスクを性質により「純粋リスク」(危機管理、業務プロセス、経営基盤)と「戦略リスク」(事業環境変化)に大別しております。この分類の考え方及び概要を下表に示します。表の分類に従い、2025年度に特定・更新した優先リスク18項目及び主な対応状況は以下のとおりです。これらは、当社グループの経営戦略及び事業継続に重要な影響を与える可能性があると認識しており、影響を最小限に留めるべく取り組んでおります。 1.純粋リスク 純粋リスクは、事業運営上、顕在化を抑止する必要のあるリスクであり、ハード(施設設備)・ソフト(仕組み・計画)・ヒューマン(訓練)の対応策により影響の極小化を図るものです。また、経営基盤に関するリスクは、構築が不十分な場合にそれ自体がリスクとなる項目です。 ①危機管理(外的要因)・テロ・破壊活動リスク概要:空港又は旅客ターミナルにおけるテロ・破壊活動の発生は、人的・物的損害に加え、空港機能の停止や社会的信用の失墜等、事業継続に深刻な影響を及ぼす可能性があります。主な対応策:関係機関との連携による警備体制の強化や、ハード・ソフト両面からの継続的な対策として、最新技術を活用した防犯システムの強化、従業員への教育・訓練を継続実施しております。 ・空港機能の著しい低下(自然災害・事故)リスク概要:大規模地震、異常気象等の自然災害や、航空機事故、大規模停電等の事故発生により、空港施設やライフラインに甚大な被害が生じ、空港機能が長期間停止した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。主な対応策:施設の耐震化・防災対策の推進や重要施設の二重化・分散化を含む長期修繕計画の着実な実行に加え、実効性のある事業継続計画(BCP)を策定し、災害対策マニュアルの整備・周知や航空機事故対応訓練を含む各種訓練の実施、非常時備蓄品の確保などを通じて、その検証・更新を行っております。 ・重大な感染症のまん延リスク概要:国内外での新たな感染症の発生・まん延は、渡航制限や航空需要の著しい減少、従業員の感染による事業運営体制の縮小等を通じて、当社グループの事業活動全般に広範かつ長期的な影響を及ぼす可能性があります。主な対応策:旅客及び従業員の安全確保を最優先とした感染拡大防止対策を継続的に実施しており、非接触技術の活用や施設内の衛生管理の徹底、従業員の感染予防策の強化を図っております。感染症対応版BCPに基づく行動計画の周知徹底や、航空需要の変動に対応した柔軟な事業運営体制の構築にも努めております。 ・サイバーセキュリティ対策不備リスク概要:当社グループが保有する顧客情報・技術情報・経営情報等の機密情報漏洩、基幹システムの停止、ランサムウェア攻撃等、サイバー攻撃の脅威はますます高度化・巧妙化しております。これらの攻撃により、事業運営の混乱、社会的信用の失墜、経済的損失、法的責任等が発生する可能性があります。主な対応策:24時間365日の監視体制、クラウド化の基盤整備に加え、サイバーセキュリティに関する訓練・教育の継続実施、規程整備等の人的対策にも取り組み、セキュリティ強化対策を進めております。 ②業務プロセス(内部要因)・商品管理不備(食の安全・過剰在庫)リスク概要:空港内店舗における食料品販売や飲食店舗運営、機内食製造において、食中毒や異物混入等の品質保証問題が発生した場合、顧客の健康被害、行政処分、ブランドイメージの毀損、売上減少等に繋がる可能性があります。また、不適切な在庫管理は、キャッシュ・フローの悪化や廃棄ロス増加による環境負荷増大を招く恐れがあります。主な対応策:衛生管理手法に基づく品質管理体制の強化、従業員への衛生教育の徹底、サプライヤー管理の強化を実施しております。需給予測精度向上による適正在庫の管理、食品ロス削減にも取り組んでおります。 ・サプライチェーンマネジメントの不備リスク概要:当社グループの事業活動は、多数の国内外の取引先に依存しており、自然災害、感染症、地政学的リスク、人権侵害(強制労働・児童労働等)、環境規制強化等によるサプライチェーンの途絶や混乱は、商品・原材料の調達難、コスト上昇、レピュテーション低下等を引き起こす可能性があります。主な対応策:サステナブル調達ガイドラインの遵守要請や、主要取引先へのアンケート調査、対話を通じた適合状況の確認等のサプライヤーに対するESGプログラムを継続実施しております。加えて、調達業務のガバナンス強化を目的とした方針を策定し、実行に向けた取り組みを推進し、サプライチェーン全体の強靭化と持続可能性向上に努めております。 ③経営基盤(人財・財務)・人財不足・育成不足、エンゲージメント低下リスク概要:少子高齢化に伴う労働力人口の減少や働き方の多様化が進む中、事業拡大やサービス品質維持に必要な人財の獲得競争が激化しております。人財の不足や育成の遅れ、従業員エンゲージメントの低下は、店舗運営の制約、新規事業推進の遅延、イノベーション創出の阻害、企業文化の劣化等を通じて、中長期的な競争力低下に繋がる可能性があります。主な対応策:多様なスキル・経験を持つ人財の採用・人事制度の再整備及び多様な人財が互いを高め合う企業風土醸成に取り組んでおります。複線型人事制度の導入や各種セミナーの実施、メンター制度の運用など、働きがいのある職場環境整備も推進しております。従業員エンゲージメントサーベイの結果を活用し、課題把握と改善施策へ繋げ、PDCAサイクルで人財施策の効果を管理することとしております。 ・グループガバナンスの機能不全・コンプライアンス意識の欠如リスク概要:当社グループは多岐にわたる事業を複数のグループ会社を通じて展開しており、グループ全体としての一体的な経営戦略の推進や内部統制システムの実効性確保が不可欠です。グループ会社間での情報連携不足や当社方針の浸透不足、各社における不正行為やコンプライアンス違反等が発生した場合、グループ全体の信用失墜や経営効率の低下を招く可能性があります。主な対応策:内部統制システムに関する基本方針を改定し、当社グループの内部統制を適切に整備・運用するとともに、健全で透明性の高いガバナンス体制の構築に努めております。また、当社内にグループ各社の「事業計画」と「事業運営」を一体的に管理する「主管部」を指定して、グループ管理体制の強化、グループ経営の高度化に向けた会議体の新設や見直しを検討し、グループガバナンスの強化・充実に継続的に取り組んでおります。不適切事案の再発防止策については、「第2.事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、取り組みを進めております。 ・DEI推進・人権尊重の不足 リスク概要:ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)への取り組みの遅れや、サプライチェーンを含む事業活動全体における人権侵害(強制労働、児童労働、ハラスメント等)の発生は、従業員のモチベーション低下、採用競争力の低下、企業イメージの失墜、顧客や投資家からの評価低下、不買運動や訴訟等に繋がる可能性があります。 主な対応策:「多様な人財が互いを高め合う企業風土の醸成」を掲げ、DEI推進体制の強化、各種研修の実施、相談窓口の設置、働きやすい環境整備等を進めております。「人権方針」に基づき、人権デューデリジェンスの仕組みを構築・運用し、サプライヤーに対しても人権尊重を働きかけるとともに、外部専門機関(JaCER)を通じた苦情処理メカニズムを構築し、サプライチェーン全体での救済アクセスを確保しております。また、カスタマーハラスメントに対する方針に基づく従業員教育を行い、従業員の安心と業務の質向上に努めております。 ・財務制限条項抵触リスク概要:大規模な設備投資等に伴う有利子負債の増加や、著しい収益性の悪化により、金融機関との借入契約に付されている財務制限条項に抵触した場合、当該借入金の一括返済を求められる等、当社グループの資金繰り及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。主な対応策:中期経営計画に基づく着実な事業運営と収益力強化、資本コストを意識した投資判断、安定的なキャッシュ・フローの創出に努めております。財務状況を定期的にモニタリングし、月次での収支・資金推移の確認や、グループ各社・金融機関・監査法人等との情報共有を強化しております。 ・同意なき買収 リスク概要:当社株式の大量買付行為等により、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を害する者が経営支配権を取得しようとする場合、当社グループの経営方針に重大な影響が生じる可能性があります。 主な対応策:企業価値及び株主共同の利益の継続的な向上に努めるとともに、平時から株主との建設的な対話を促進し、経営方針への理解を深めていただく活動を推進しております。買収の対応方針については株主総会での決議に基づき継続するとともに機関投資家とのエンゲージメント強化や政策保有株に関する方針決定、大株主の動向分析など、ステークホルダーとのコミュニケーションを重視した対応を行っております。大量買付行為等への対応方針については、その是非や具体的な対応策を適宜検討しております。 2.戦略リスク 戦略リスクは、外部環境の変化による顕在化が想定され、経営戦略において損失の防止もしくは機会の伸長及び転換が求められるリスクです。 ④事業環境変化(外部環境変化への経営戦略対応)・環境課題への対応リスク概要:気候変動に伴う物理的リスク(異常気象による施設被害等)及び移行リスク(炭素税導入等の規制強化、省エネ・再エネ導入コスト増、顧客や社会からの脱炭素要請の高まり等)は、当社グループの事業運営コストの増加、設備投資負担の増大、企業評価の低下、資金調達への悪影響等をもたらす可能性があります。また、廃棄物処理や水資源利用等、環境負荷低減への取り組みが不十分な場合も同様のリスクが想定されます。主な対応策:当社グループ及び羽田空港の脱炭素目標達成に向け、脱炭素ロードマップ(移行計画)の策定、再生可能エネルギー導入拡大、省エネルギー設備の導入、空港内車両のEV化等を推進しております。加えて、循環型社会の実現に向け、廃棄物は発生抑制・再利用・再生利用(3R)を基本に適正処理と削減に努め、分別徹底とリサイクル率向上を推進します。水資源は節水設備導入や雨水・中水活用等により使用量削減と効率的な利用を図っております。 ・行動様式変化・技術革新への対応リスク概要:オンライン会議の普及やワーケーション等の新しい働き方の定着によるビジネス航空需要の構造的変化、ECサイト利用拡大やキャッシュレス化の進展による空港内店舗での購買行動の変化、自動化・省人化技術の急速な発展等、旅客の行動様式や関連技術は常に変化しております。これらの変化への対応が遅れた場合、既存ビジネスモデルの陳腐化や競争力の低下を招く可能性があります。主な対応策:顧客ニーズや市場トレンドの変化を的確に捉え、DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略に基づき、非接触技術の導入、オンラインサービスの拡充、データ分析に基づくパーソナライズされたサービスの提供、スマートエアポート化の推進等に取り組んでおります。新たな技術の活用による業務効率化や新サービス開発にも積極的に挑戦し、変化を機会と捉えた事業変革を進めております。 ・政策(公的規制)の変更リスク概要:空港の管理・運営、保安、環境、労働等に関する法令・制度・政策の変更、新たな規制の導入は、当社グループの事業活動や投資計画に影響を与える可能性があります。特に、国土交通省が進める空港経営改革の動向は、事業環境に大きな変化をもたらす可能性があります。主な対応策:関連省庁や業界団体との連携を通じて、政策動向に関する情報収集を常に行っております。航空保安体制の強化や効率的な空港運用への貢献など、社会的要請に応じた対応にも積極的に取り組んでおります。 ・新規事業・買収・設備投資の実施リスク概要:成長戦略の一環として行う新規事業への進出、M&A、大規模な設備投資は、期待した成果が得られない、投資回収が長期化する、あるいは市場環境の変化等により事業計画が未達に終わる等のリスクを伴います。海外事業においては、政局不安や法制度の変更等のカントリーリスクも存在します。主な対応策:投資案件については、資本コストを意識した事業評価の重要性を認識しており、十分な市場調査、事業性評価、リスク分析を行った上での投融資判断基準及び撤退基準の明確化を図るべく、新たに投融資委員会を設置いたします。 ・市況の急激・大幅変動リスク概要:原材料価格やエネルギー価格の高騰、為替レートの急変動、金利の上昇等は、当社グループの調達コスト、運営費用、設備投資額の増加や、顧客の購買意欲低下を通じて、収益性や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢の長期化等に起因する資源価格高騰やサプライチェーンの混乱も注視が必要です。主な対応策:調達先の多様化等による価格変動リスクのヘッジ、効率的な在庫管理によるコスト負担軽減策を継続的に実施しております。経済動向や市場環境を注視し、事業計画、投資計画や価格戦略に柔軟に反映させる体制を構築しております。 ・売上構成多様化(航空依存緩和)リスク概要:当社グループの収益は、航空旅客数や航空会社の事業活動に大きく依存しております。感染症の再流行、国際紛争、景気後退等による航空需要の急減が発生した場合に、非航空系事業(空港外事業等)による収益基盤が十分に確立されていない場合、経営成績が大きく変動するリスクがあります。主な対応策:これまでの事業で培ったノウハウを活かした新たな収益機会の創出(空港周辺開発、デジタルプラットフォーム事業、海外空港運営事業への参画等)を推進しております。 ・国際情勢の変化と国際社会の分断リスク概要:地政学的リスクの高まり、国家間の対立、テロリズムの頻発、保護主義的政策の台頭等は、国際的な人の往来や物流を停滞させ、国際線の航空需要減少やサプライチェーンの混乱を通じて、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。主な対応策:主要な国際情勢や各地域の動向を継続的に注視し、情報収集・分析体制を強化しております。 ※2026年4月に開催したリスク管理委員会において、新たに「羽田空港の発着枠制限と競合空港の台頭」を優先リスク(戦略リスク)として特定いたしました。本リスクに対し、当社グループはこれまでの需要享受型から需要創造型への企業変革を図るべく、発着枠拡大に依存しない収益基盤の強化及び高付加価値化を推進するとともに、ステークホルダーとの連携による共創を通じて、新たな需要創出と事業領域の拡大を図ります。 (5) 将来を見据えたリスク対応当社グループは、上記のリスクに加え、今後顕在化しうる新たなリスク(エマージングリスク)についても継続的に注視し、その早期認識と迅速な対応に努めます。リスク管理体制及びプロセスは、事業環境の変化や当社グループの成長に合わせて継続的に見直しを行い、実効性の向上を図る方針です。これらの取り組みを通じて、不確実性の高い事業環境においても、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。

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