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帝国ホテル(9708)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • ホテル運営と料飲施設
    帝国ホテルグループは、ホテルやレストランの運営を中核事業としています。これには宿泊サービスだけでなく、宴会、婚礼、レストランでの食事提供などが含まれ、多岐にわたる顧客ニーズに応えることで収益を上げています。子会社がコミュニティホテルやレストラン運営、ホテル付帯サービスを担い、グループ全体で事業を拡大しています。
  • 不動産賃貸事業
    帝国ホテルは、自社で保有する不動産の賃貸も行っています。これはホテル事業とは異なる安定的な収益源となり、テナントからの賃料収入が主な収益となります。事業の多角化により、ホテル業界特有の変動リスクを一部補完する役割も果たしています。
  • 付帯サービスと海外展開
    ホテル事業に付帯するサービスとして、ハイヤー事業や不動産管理、調理食品の製造販売なども手掛けています。また、北米やアジアに子会社を設立し、海外での販売・マーケティング活動を通じて国際的な顧客層の獲得にも力を入れています。これにより、グローバルな視点での収益機会を追求しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ホテル事業
    帝国ホテルの主要な収益源であり、ホテル運営、料飲施設の提供、宴会・婚礼サービスなどを含みます。この事業は、帝国ホテル本体だけでなく、子会社5社と関連会社2社が一体となって展開しており、グループ全体の売上高の大部分を占める523.37億円を計上し、46.58億円の営業利益を上げています。
  • 不動産賃貸事業
    帝国ホテルが自社で保有する不動産を賃貸することで収益を得る事業です。ホテル事業とは異なる安定的な収益基盤を提供しますが、最新年度の売上高は2.73億円に対し、営業利益は-2.53億円と赤字となっています。これは、賃貸物件の維持管理費用や減価償却費などが影響している可能性があります。
  • 多角的な事業構成
    帝国ホテルグループは、ホテル事業と不動産賃貸事業を二つの柱としていますが、子会社を通じてコミュニティホテル運営、ホテル付帯サービス、ハイヤー事業、調理食品製造販売など、多岐にわたる事業を展開しています。これにより、収益源を分散し、特定の事業リスクに偏らない経営を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Hotel 事業 523 47 8.9%
Leasing 事業 3 -3 -92.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|529 文字
3 【事業の内容】当社の企業集団は、当社、子会社5社及び関連会社2社で構成されており、ホテル及び料飲施設の運営・不動産賃貸事業並びにそれらに付帯するサービス事業活動を展開しております。当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。 なお、セグメントと同一の区分であります。 ホテル事業 ……当社、子会社5社及び関連会社2社で事業を営んでおります。 不動産賃貸事業……当社が営んでおります。 子会社、関連会社及びその他の関係会社の主な事業内容子会社㈱帝国ホテルエンタープライズ コミュニティホテル並びにレストラン等の運営及びホテル付帯サービス ㈱帝国ホテルサービスホテル付帯サービス及び不動産の管理㈱帝国ホテルハイヤー 一般乗用旅客自動車運送及び駐車場管理 IMPERIAL HOTEL AMERICA, LTD.北米地区における販売及びマーケティング活動IMPERIAL HOTEL ASIA PTE. LTD.アジア地区における販売及びマーケティング活動 関連会社㈱帝国ホテルキッチン調理食品の製造及び売買㈱ニューサービスシステムバンケットサービス及び不動産の管理・清掃 その他の関係会社三井不動産㈱不動産業 事業の系統図

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
ブランド力とサービス品質による価格設定が可能だが、市場環境に左右される
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
「帝国ホテル」という長年の歴史と信頼に裏打ちされたブランド力
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:自然災害及び火災等の事故の発生 / 感染症の発生、まん延 / テロ、戦争の勃発
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★★☆
根拠:強いブランド・特許・許認可

「帝国ホテル」ブランドは、高級ホテルとしての高い知名度と信頼性を確立しており、長年にわたり富裕層やビジネス層から支持を得ている。特に、その歴史と伝統に裏打ちされたホスピタリティは、他社が容易に模倣できない無形資産となっている。東京、大阪、成田に主要ホテルを持ち、国際的なブランドイメージを維持している。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

帝国ホテルは、ロイヤルティプログラム「インペリアルクラブ」を通じて顧客の囲い込みを図っている。会員特典や限定イベントへの参加機会は、顧客が他のホテルへ乗り換える際の心理的・経済的ハードルを高める。特に、長年の利用者は、築き上げた関係性や特典を失うことを惜しむ可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ホテル業界において、明確なネットワーク効果(ユーザーが増えるほどサービス価値が増す構造)は限定的である。帝国ホテルも、個々の顧客体験の質に依存するビジネスモデルであり、プラットフォーム型のようなネットワーク効果は観察されない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

高級ホテルとしての高いサービス品質維持のため、人件費や設備投資は必然的に高水準となる。スケールメリットによるコスト削減余地は限定的であり、構造的なコスト優位性は低い。競合ホテルとの価格競争力よりも、ブランド価値による価格設定が中心となる。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

帝国ホテルは、東京、大阪、成田といった主要都市に拠点を持ち、一定の規模を持つホテルグループである。しかし、グローバル展開する大手ホテルチェーンと比較すると、その規模は限定的であり、業界全体に対する支配力は高くない。効率規模による圧倒的な優位性は見られない。

  • 歴史とブランド力
    帝国ホテルは、創業以来培ってきた長い歴史と「帝国ホテル」という強力なブランドイメージを持っています。これは、顧客からの信頼と高い品質への期待につながり、競合他社との差別化要因となっています。特に高級ホテル市場において、このブランド力は価格競争力や顧客ロイヤルティの維持に大きく貢献しています。
  • 多角的な事業展開
    ホテル運営だけでなく、不動産賃貸、ハイヤー、調理食品製造など、多岐にわたる事業を展開しています。これにより、特定の事業に依存するリスクを分散し、安定した収益基盤を構築しています。各事業が相互に連携し、顧客への総合的なサービス提供を可能にしています。
  • 徹底したリスク管理体制
    自然災害、感染症、テロ、食の安全、情報漏洩など、様々な事業リスクに対して、詳細な規程やマニュアルを整備し、定期的な訓練や委員会を通じて実効性を高めています。これにより、予期せぬ事態が発生した場合でも、迅速かつ適切に対応できる体制が整っており、事業継続性を高める強みとなっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 国際的ベストホテルへの挑戦
    帝国ホテルは、創業の精神を受け継ぎ、日本を代表するホテルとして、国際的なベストホテルを目指すことを企業理念としています。これは、最も優れたサービスと商品を提供することで、国際社会の発展と人々の豊かな生活に貢献するという長期的な目標を示しています。
  • 中期経営計画の推進
    マーケットや競合環境の変化に対応するため、「中期経営計画2020」を策定し、迅速な対応と安定的な経営基盤の確保を目指しています。この計画では、「安全性の追求」「帝国ホテルブランドの向上」「顧客満足の追求」「イノベーションへの挑戦」の4つの重点課題に取り組んでいます。
  • コスト見直しと雇用維持
    新型コロナウイルス感染症による厳しい経営環境の中、全社的なコストを抜本的に見直し、経費執行を最小限に抑えることで収益確保に注力しています。同時に、従業員の安定した雇用とモチベーション維持に努め、顧客と従業員の安全・安心を最優先課題として感染症対策を徹底しています。
出典: FY2020 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1)企業理念帝国ホテルは、創業の精神を継ぐ日本の代表ホテルであり国際的ベストホテルを目指す企業として、最も優れたサービスと商品を提供することにより、国際社会の発展と人々の豊かでゆとりのある生活と文化の向上に貢献する。 (2)経営方針・経営戦略当社グループは、東京事業所建て替え後を見据えた『中長期経営計画』を策定しております。 私たちは私たちの誇る誠実で人間味あふれる従業員の存在が企業価値を高める上で何よりも大切な、企業としての原点だと考えています。ホテル業として従業員の満足度を高めながらサービスレベルを向上させれば、お客様の満足度が上がり、その結果として収益が向上し、その収益をハードウェアの改善や人材投資につなげることで従業員満足度とサービスレベルが更に高まるという理想的なサイクルが出来上がります。そのサイクルを発展的に循環させることであらゆるステークホルダーの期待に応えていくことが我々の使命であると考えています。しかし、昨今、競合する新規ホテルの相次ぐ開業によりハードウェアにおける差は拡大し、従業員の努力だけではお客様に十分にご満足いただくことが難しくなってきました。当社は地域一帯の再開発により新たなハードを手に入れ、当社の誇る従業員がその力を最大限に生かせる環境を整えるとともに、ボラティリティの高いホテル事業を補うために不動産事業を拡充し収益を安定させます。また、視野が広く、語学、ICTなどに長けた顧客対応力の高い従業員を育成することでお客様の満足度を更に高めると共に、新たなハードや新規事業を通じて更に幅広い顧客を獲得し、日本の迎賓館としての役割を継続して担っていきます。 目指すべき姿創業の精神を継ぐ「日本を代表するホテル」として、人を原点とする帝国ホテルブランドをより進化させる。また、いかなる経営環境下においても企業継続できる体制を構築し、来る2040年の開業150周年を目指す。 基本戦略①グランドホテルの進化日比谷本館建て替えによるハードウェア刷新と人材育成強化によるヒューマンウェアの充実をもって当社ブランド力を高める。②企業としての安定的成長今後のホテル事業を盤石の体制とするため、不動産事業等の拡充により、収益力・財務基盤の強化を図る。③社会課題の解決当社企業活動の全てについてSDGs貢献度を最大限向上させる。 (3)経営環境及び優先的に対処すべき課題今後の見通しにつきましては、世界情勢の変化に伴う原材料やエネルギー価格の上昇に加え、各国の金融政策の変化などの景気下押しリスクを注視する必要があります。一方、国内においては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、個人消費を中心に緩やかな回復が継続することが期待されます。当社グループにおきましては、30年ぶりの新規ホテルとなる「帝国ホテル京都」を開業いたしました。祇園町のシンボルとして親しまれてきた弥栄会館の一部を保存・活用することで、紡がれてきた歴史を継承するとともに、国内外のお客様を最高のサービスでお迎えし、未来へつないでまいります。そして、東京、上高地、大阪に続く帝国ホテルブランドのホテルとして、当社グループの企業価値を一層向上させる存在へと育ててまいります。帝国ホテル東京の建て替え計画は、内幸町一丁目街区の再開発計画の進捗状況や近時の社会環境などに鑑み検討を行ってまいりましたが、より質の高い事業計画の検討に要する期間が必要と判断し、2030年度末頃のタワー館解体工事着工を目指すことといたしました。当社は「日本の代表ホテルであり、国際的ベストホテルを目指す」という企業理念のもと、昨年11月に開業135周年を迎えました。今後、150周年、200周年もこの日比谷の土地で日本を代表するグランドホテルとしての存在意義を引き継いでいくため、持続的成長が可能な新本館、新タワー館となるよう、最善を尽くしてまいります。この検討期間中も、現タワー館の客室と宴会場に加え、オフィス、テナントなどの不動産事業も営業を再開することで収益を最大化してまいります。また、東京の本館、上高地、大阪、京都も需給変動に合わせた機動的な価格政策や付加価値の高い商品企画などを行うことで、安定的な収益確保を図ってまいります。そして、当社の価値創造の原点である従業員が活き活きと働き、お客様へのサービスが向上し満足度が高まることが持続的な企業価値の向上につながるという考えのもと、賃上げや業務の効率化、労働環境の一層の改善を行うなど、引き続き人的資本の強化を推進してまいります。今後も当社の企業理念である「国際的ベストホテル」を目指し、全力で取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1)企業理念帝国ホテルは、創業の精神を継ぐ日本の代表ホテルであり国際的ベストホテルを目指す企業として、最も優れたサービスと商品を提供することにより、国際社会の発展と人々の豊かでゆとりのある生活と文化の向上に貢献する。 (2)経営方針・経営戦略当社グループは、東京事業所建て替え後を見据えた『中長期経営計画』を策定しております。 私たちは私たちの誇る誠実で人間味あふれる従業員の存在が企業価値を高める上で何よりも大切な、企業としての原点だと考えています。ホテル業として従業員の満足度を高めながらサービスレベルを向上させれば、お客様の満足度が上がり、その結果として収益が向上し、その収益をハードウェアの改善や人材投資につなげることで従業員満足度とサービスレベルが更に高まるという理想的なサイクルが出来上がります。そのサイクルを発展的に循環させることであらゆるステークホルダーの期待に応えていくことが我々の使命であると考えています。しかし、昨今、競合する新規ホテルの相次ぐ開業によりハードウェアにおける差は拡大し、従業員の努力だけではお客様に十分にご満足いただくことが難しくなってきました。当社は地域一帯の再開発により新たなハードを手に入れ、当社の誇る従業員がその力を最大限に生かせる環境を整えるとともに、ボラティリティの高いホテル事業を補うために不動産事業を拡充し収益を安定させます。また、視野が広く、語学、ICTなどに長けた顧客対応力の高い従業員を育成することでお客様の満足度を更に高めると共に、新たなハードや新規事業を通じて更に幅広い顧客を獲得し、日本の迎賓館としての役割を継続して担っていきます。 目指すべき姿創業の精神を継ぐ「日本を代表するホテル」として、人を原点とする帝国ホテルブランドをより進化させる。また、いかなる経営環境下においても企業継続できる体制を構築し、来る2040年の開業150周年を目指す。 基本戦略①グランドホテルの進化日比谷本館建て替えによるハードウェア刷新と人材育成強化によるヒューマンウェアの充実をもって当社ブランド力を高める。②企業としての安定的成長今後のホテル事業を盤石の体制とするため、不動産事業等の拡充により、収益力・財務基盤の強化を図る。③社会課題の解決当社企業活動の全てについてSDGs貢献度を最大限向上させる。 (3)経営環境及び優先的に対処すべき課題今後の見通しにつきましては、世界情勢の変化に伴う原材料やエネルギー価格の上昇に加え、各国の金融政策の変化などの景気下押しリスクを注視する必要があります。一方、国内においては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、個人消費を中心に緩やかな回復が継続することが期待されます。当社グループにおきましては、30年ぶりの新規ホテルとなる「帝国ホテル京都」を開業いたしました。祇園町のシンボルとして親しまれてきた弥栄会館の一部を保存・活用することで、紡がれてきた歴史を継承するとともに、国内外のお客様を最高のサービスでお迎えし、未来へつないでまいります。そして、東京、上高地、大阪に続く帝国ホテルブランドのホテルとして、当社グループの企業価値を一層向上させる存在へと育ててまいります。帝国ホテル東京の建て替え計画は、内幸町一丁目街区の再開発計画の進捗状況や近時の社会環境などに鑑み検討を行ってまいりましたが、より質の高い事業計画の検討に要する期間が必要と判断し、2030年度末頃のタワー館解体工事着工を目指すことといたしました。当社は「日本の代表ホテルであり、国際的ベストホテルを目指す」という企業理念のもと、昨年11月に開業135周年を迎えました。今後、150周年、200周年もこの日比谷の土地で日本を代表するグランドホテルとしての存在意義を引き継いでいくため、持続的成長が可能な新本館、新タワー館となるよう、最善を尽くしてまいります。この検討期間中も、現タワー館の客室と宴会場に加え、オフィス、テナントなどの不動産事業も営業を再開することで収益を最大化してまいります。また、東京の本館、上高地、大阪、京都も需給変動に合わせた機動的な価格政策や付加価値の高い商品企画などを行うことで、安定的な収益確保を図ってまいります。そして、当社の価値創造の原点である従業員が活き活きと働き、お客様へのサービスが向上し満足度が高まることが持続的な企業価値の向上につながるという考えのもと、賃上げや業務の効率化、労働環境の一層の改善を行うなど、引き続き人的資本の強化を推進してまいります。今後も当社の企業理念である「国際的ベストホテル」を目指し、全力で取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(経営成績等の状況の概要)(1) 業績当期におけるわが国経済は、世界的な地政学リスクの高まりが懸念される中、継続的な賃上げなどを背景に個人消費に持ち直しの動きがみられ、景気は緩やかに回復してまいりました。ホテル・観光業界におきましては、円安に加え大阪・関西万博の開催により上期を中心にインバウンド需要が大きく伸長し、下期には日中関係の悪化に伴う渡航制限や中東情勢の緊迫化などの影響はあったものの、全体として堅調に推移いたしました。 このような状況のもと、当社グループにおきましては、2025年11月に開業135周年、2026年3月に帝国ホテル大阪が開業30周年を迎えるとともに、2026年3月5日には30年ぶりの新規ホテルとなる帝国ホテル京都が開業いたしました。 営業面におきましては、開業を記念したコラボレーション企画の実施や各種記念商品の販売を行うなど、積極的な販売促進とブランド力のさらなる向上に努めてまいりました。また、一部営業を休止していた帝国ホテル東京のタワー館客室について、段階的に稼働を再開いたしました。帝国ホテル大阪におきましては、大阪・関西万博の開催に伴う国内外の賓客や個人需要を確実に取り込むなど、グループをあげて売上の伸長に取り組んでまいりました。 経費面におきましては、人材の採用を強化し、積極的な人的投資を行う一方で、デジタル化の推進などを通じて経費の抑制にも努め、利益の確保に注力いたしました。 また、さらなるサステナビリティの推進に向けて、廃食用油を原料として持続可能な航空燃料(SAF)を製造するプロジェクトに参画したほか、環境省などが推奨する食品ロス削減の取り組みである食べ残しの持ち帰り「mоttECO(モッテコ)」を導入いたしました。さらに、健康経営への様々な取り組みが評価され「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」における上位法人「ホワイト500」に2年連続で認定されました。 以上の結果、当期における当社グループの売上高は前期比7.0%増の562億67百万円、EBITDAは前期比14.9%増の46億49百万円、営業利益は前期比33.7%増の21億26百万円、経常利益は前期比29.2%増の26億64百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比65.9%増の42億90百万円となりました。 セグメントの業績は、次のとおりであります。①ホテル事業イ 帝国ホテル本社宿泊につきましては、タワー館の稼働再開に伴う販売可能客室数の増加の影響を受け、稼働率は前期比5.6ポイント減の62.2%、一室単価は前期並みの61,897円となったものの、増加したインバウンド需要の取込みなどが奏功し、販売室数は前期比24.1%増加し、売上高は前期比9.3%増で過去最高の118億62百万円となりました。食堂につきましては、宿泊者数の増加に伴い『インペリアルバイキング サール』の朝食利用が好調だったことに加え、各店舗におけるビジネス利用や歓送迎会需要も増加したことから、売上高は前期比2.0%増の62億50百万円となりました。宴会につきましては、一般宴会は総利用人数が減少いたしましたが、単価の上昇により、一案件当たりの収益性が向上し、売上増となりました。婚礼も、少人数婚礼を中心とした件数の獲得に努めました。その結果、売上高は前期比5.1%増の122億56百万円となりました。外販につきましては、開業135周年に伴う各種企画により、ホテルショップ『ガルガンチュワ』の来客数が増加し売上高は前期を上回る実績となりましたが、卸部門は、収益性改善を目的に一部取引を縮小したことや、フォーマルギフト需要が低調だったことから、売上高は前期比13.2%減の23億41百万円となりました。 ロ 帝国ホテル大阪宿泊につきましては、上期は大阪・関西万博に関連する需要を背景に利用が伸長した一方、下期は海外情勢の影響で個人・団体ともに需要が減少したため、稼働率は前期並みの60.0%となりました。しかし、高単価客室の販売室数の増加に伴い、一室単価は前期比12.9%増の33,469円となり、売上高は前期比14.5%増の27億72百万円となりました。食堂につきましては、宿泊者の増加を背景に売上が堅調に推移いたしました。さらに高単価なディナーイベントの実施や30周年記念コース等の販売促進に努めた結果、売上高は前期比5.4%増の13億97百万円となりました。宴会につきましては、婚礼は件数の減少により売上高が前期を下回ったものの、一般宴会においては大阪・関西万博に伴う利用増に加え、飲食を伴う大型案件を多数受注いたしました。その結果、売上高は前期比7.9%増の40億54百万円となりました。 以上のことなどから、ホテル事業の売上高は前期比6.7%増の55,865百万円となり、セグメント利益は前期比4.8%増の4,880百万円となりました。 ②不動産賃貸事業入居率の改善に伴い、売上高は前期比45.3%増の401百万円、営業利益は107百万円となりました。 財政状態の概要は、次のとおりであります。当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて12,834百万円増加し81,869百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べて9,106百万円増加し32,793百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末と比べて3,728百万円増加し49,076百万円となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、22,328百万円となり、前期と比べ2,389百万円増加いたしました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益を計上していることなどから、4,115百万円の収入(前期は税金等調整前当期純利益の計上などにより7,063百万円の収入)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、9,666百万円の支出(前期は14,137百万円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出などにより、使用した資金は4,471百万円減少いたしました。財務活動によるキャッシュ・フローは、7,940百万円の収入(前期は724百万円の支出)となりました。短期借入金の増加により、前期と比べ8,664百万円増加いたしました。 (生産、受注及び販売の実績)(1) セグメント売上高 セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)金額(百万円)ホテル事業52,33755,865帝国ホテル本社40,33442,688帝国ホテル大阪9,55910,380その他2,4432,796不動産賃貸事業273401合計52,61056,267 (注) 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。 (2) 主要な事業所の収容能力及び収容実績① 帝国ホテル本社項目前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)収容能力収容実績利用率一日平均収容能力収容実績利用率一日平均客室 ホテル227,878室154,481室67.8%423室308,307室191,652室62.2%525室 サービス アパートメント31,759室20,378室64.2%224室0室0室0.0%0室食堂405,279名810,257名2.0回転2,220名405,279名819,738名2.0回転2,246名宴会1,387,000名389,275名0.3回転1,067名1,387,000名379,205名0.3回転1,039名委託食堂92,345名65,874名0.7回転180名92,345名67,476名0.7回転185名 (注) 1 客室の収容能力は客室数により算出しております。2 食堂及び宴会の収容能力は着席数により算出しております(宴会についてはディナー形式の着席数としております)。3 サービスアパートメントの営業を2024年6月末に終了し、一部を2024年7月よりホテルの客室としての営業に切り替えました。さらに、2025年7月よりホテル客室としての営業を段階的に拡大いたしました。これらの変更により、ホテル及びサービスアパートメントの収容能力が変動しております。 当連結会計年度及び前連結会計年度の宿泊客、食事客及び宴会客の利用割合は次のとおりであります。項目前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)比率(%)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)比率(%)利用客数(名)宿泊計利用客数(名)宿泊計宿泊客 外国人客160,73855.8 193,25060.8 邦人客127,19244.2 124,66839.2 小計287,930100.019.4317,918100.021.0食事客810,257 54.5819,738 54.0宴会客389,275 26.2379,205 25.0合計1,487,462 100.01,516,861 100.0 ② 帝国ホテル大阪項目前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)収容能力収容実績利用率一日平均収容能力収容実績利用率一日平均客室137,970室81,660室59.2%224室137,970室82,837室60.0%227室食堂190,165名215,543名1.1回転591名190,165名228,050名1.2回転625名宴会963,600名154,515名0.2回転423名963,600名183,690名0.2回転503名委託食堂38,325名37,601名1.0回転103名38,325名36,458名1.0回転100名 (注) 1 客室の収容能力は客室数により算出しております。2 食堂及び宴会の収容能力は着席数により算出しております(宴会についてはディナー形式の着席数としております)。 当連結会計年度及び前連結会計年度の宿泊客、食事客及び宴会客の利用割合は次のとおりであります。項目前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)比率(%)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)比率(%)利用客数(名)宿泊計利用客数(名)宿泊計宿泊客 外国人客81,83658.9 64,47148.3 邦人客57,19141.1 69,00851.7 小計139,027100.027.3133,479100.024.5食事客215,543 42.3228,050 41.8宴会客154,515 30.4183,690 33.7合計509,085 100.0545,219 100.0 (経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。(1) 財政状態の分析(資産)当連結会計年度末における資産の合計は81,869百万円(前連結会計年度末69,034百万円)となり、12,834百万円増加いたしました。うち流動資産は34,339百万円(同27,785百万円)と、6,554百万円増加いたしました。これは有価証券が増加したことなどによるものであります。固定資産は47,529百万円(同41,249百万円)と、6,280百万円増加いたしました。これは有形固定資産が増加したことなどによるものであります。(負債)当連結会計年度末における負債の合計は32,793百万円(同23,686百万円)となり、9,106百万円増加いたしました。うち流動負債は17,618百万円(同7,545百万円)と、10,073百万円増加いたしました。これは短期借入金の増加などによるものであります。固定負債は15,174百万円(同16,141百万円)と、967百万円減少いたしました。これは繰延税金負債が減少したことなどによるものであります。(純資産)当連結会計年度末における純資産の合計は49,076百万円(同45,347百万円)と、3,728百万円増加いたしました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上などによるものであります。この結果、自己資本比率は59.9%となりました。 (2) 経営成績の分析当連結会計年度における売上高は56,267百万円(前年同期比7.0%増)、材料費・販売費及び一般管理費の合計額は54,140百万円(同6.1%増)、営業利益は2,126百万円(同33.7%増)、経常利益は2,664百万円(同29.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は4,290百万円(同65.9%増)となりました。売上高の主な増加要因は、円安に加え、一部営業を休止していた帝国ホテル東京のタワー館客室の稼働を段階的に再開したことや、大阪・関西万博の開催により上期を中心にインバウンド需要が大きく伸長したことなどによるものであります。帝国ホテル京都を万全の体制で開業するために人材の採用を強化し、積極的な人的投資を行う一方で、デジタル化の推進などを通じて経費の抑制にも努め、利益の確保に注力したことにより、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を計上することができました。なお、当期純利益については、最近の業績動向と今後の見通しを踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、法人税等調整額(△は益)△1,826百万円を当期末に計上したことにより、前期と比較して大幅に増加しております。 (3) キャッシュ・フローの分析(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、得られた資金は、前期と比べ2,947百万円減少し、4,115百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,664百万円、減価償却費1,972百万円の計上などによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、使用した資金は、9,666百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出7,262百万円などによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、得られた資金は7,940百万円となりました。これは短期借入金の増加などによるものであります。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は22,328百万円となり、前連結会計年度末より2,389百万円増加いたしました。 (4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの資金需要のうち主なものは、材料費、販売費及び一般管理費などの運転資金及び設備投資資金であり、これらの資金需要に対する資金調達については、自己資金及び金融機関からの借入金を充当しております。資金調達の方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(金融商品関係)1.金融商品の状況に関する事項 (1)金融商品に対する取組方針」に記載しております。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 自然災害・事故の発生
    大規模な地震や台風、火災などの自然災害や事故が発生した場合、建物や施設に損害が生じ、一時的な営業停止による売上減少や修復費用が発生する可能性があります。また、直接的な被害がなくても、消費マインドの減退や交通機関への影響により、来客数が減少し収益に影響を及ぼす可能性があります。
  • 感染症の発生・まん延
    新型コロナウイルスのような感染症の発生や世界的まん延は、海外からの入国規制や渡航自粛、国内での外出自粛要請などにより、宿泊客や宴会利用客の激減を招き、売上が大幅に減少する可能性があります。これにより、グループ全体の収益確保に深刻な影響が出る恐れがあります。
  • 食の安全に関わる問題
    食中毒やアレルギー事故など、食の安全に関する問題が発生した場合、企業の信用失墜やブランドイメージの低下、損害賠償費用の発生につながる可能性があります。また、宴会のキャンセルやレストランの来客数減少により、収益確保に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,310 文字
3 【事業等のリスク】当社グループは事業等のリスクに関し、諸規程を整備し、各種リスクに対する予防および発生時の対処等について研修、訓練を実施し、リスク管理の実効性を向上させております。また定期的に「リスク管理委員会」を開催し、事業運営に伴う各種リスクの適正な分析・評価、リスクの予防措置、発生時の対応等を検討し、総合的なリスク管理体制を整備しております。これらの体制を踏まえ、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。 (1)自然災害及び火災等の事故の発生大規模な地震や台風等の自然災害や火災等の事故の発生は、当社グループの所有する建物、施設等に損害を及ぼし、一時的な営業停止による売上減や修復のための費用負担が発生する可能性があります。また、特に近年頻発する台風・集中豪雨の規模・範囲によっては、当社グループに直接的な損害が無い場合でも、消費マインドの減退や、国内交通機関への影響による来客数の減少等が予想され、当社グループの収益確保に影響する可能性があります。これらのリスクに対し、事業継続計画(BCP)、各種災害対策マニュアルに基づき、備蓄資材・食料等の管理、全事業所での年間約80回の総合・部分訓練等により、対応力を強化するとともに、定期的なマニュアル見直しによりその実効性を高め、災害時のお客様・従業員の安全を守り、速やかに事業再開に向けた活動に移行できるよう、体制を整備しております。 (2)感染症の発生、まん延新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症の発生やまん延は、海外からの入国規制や渡航自粛による訪日外国人利用客の減少、国内での不要不急の外出自粛要請や消費マインドの減退などによる経済活動の減速、停滞が引続き予想されます。当社グループにおいては、全事業所の宿泊需要の低下に伴う売上げの減少に加え、会食や宴会利用が低調となり、当社グループの収益確保に大きく影響する可能性があります。これらのリスクに対し、マスク、消毒液の備蓄やサーマルカメラの常備、在宅勤務体制の整備などを推進し、お客様・従業員の安全・安心を守るべく防疫体制を整備しております。 (3)テロ、戦争の勃発テロ行為や戦争、紛争等の勃発による世界情勢の変化により、海外渡航制限や自粛による外国人利用客の減少、観光、レジャーや慶事に対する消費マインドの減退、加えて原材料・建築資材等の調達コスト上昇の長期化が予想されます。 当社グループにおいては、平常時の宿泊客外国人比率が約6割の東京本社、大阪事業所の売上げ回復の遅れに加え、自粛要請等による宿泊、各種会議・宴会の取り消しなどにより当社グループの収益確保に影響するとともに、調達コスト上昇により利益確保に影響する可能性があります。これらのリスクに対し、テロ対策マニュアルを整備し、行政の指導に基づく訓練等による対応力と実効性を高め、お客様・従業員の安全を確保する取り組みを推進しております。また、宿泊者構成の多様性にも留意し、国内外の均衡のとれた営業活動を展開し、業績への影響を最小限に留めるよう努めております。 (4)食の安全に関わる問題当社グループは、食に関わる全社横断的な組織として「食の安全と信頼委員会」を設置し、食中毒対策、食品衛生、食品表示、アレルギー対策、防除等に取り組むなど、食の安全管理には細心の注意を払っておりますが、ノロウイルス等による食中毒やアレルギー事故の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、当社グループ全体への信用の失墜とブランドの低下ならびに損害賠償等の費用負担に加え、各種宴会の取消しならびに受注減、レストランの来客数減等により、当社グループの収益確保に影響する可能性があります。これらのリスクに対し、食品安全管理運用書を整備し、全事業所の飲食関連施設・従業者に対する定期的な衛生管理点検、腸内検査、アレルギー対応シミュレーション、メニュー表示チェック等を実施し、定期的な運用書の見直しによりその実効性を高め、食に対するお客様の安心・安全の確保に努めております。 (5)個人情報や営業上の機密情報の漏洩、システムの停止顧客の個人情報や営業上の機密情報の管理は、社内の情報管理、監視部門が中心になり、外部への流出防止を行っておりますが、万が一サイバー攻撃等による情報漏洩やシステム停止が発生した場合、当社グループ全体の信用の失墜とブランドの低下ならびに損害賠償等の費用負担により、当社グループの収益に影響する可能性があります。これらのリスクに対し、各種規程に基づき、サイバー攻撃対策としてインシデント発生時の対応体制の整備、定期的な個人情報保護状況の確認、SNSモニタリング等の人的対策、サイバー保険への加入など、多層的な対策を講じております。 (6)法令等遵守に関するリスク当社グループは、事業活動を継続する上で、関連する各種法令、規則、行政当局の指導、社会規範及び社内規程等を遵守することが不可欠であります。これらの遵守を怠り、又は意図しないコンプライアンス違反が発生した場合、事業停止命令等の行政処分、多額の課徴金や罰金、損害賠償請求等の訴訟リスクが発生する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与えるとともに、社会的信用の失墜、ブランドイメージの低下を招くおそれがあります。 当社グループでは、コンプライアンスを経営の重要課題の一つとして位置づけ、法令遵守及び倫理的な行動の実践を徹底するため、コンプライアンスに関する規程を整備し、役員及び従業員に対する継続的なコンプライアンス教育・研修を実施しております。また、各部門に法令管理の責任者を配置し、法令改正情報の収集及び周知の徹底、並びに内部監査等を通じた遵守状況の定期的なモニタリング等を実施することで、コンプライアンス体制の強化に努めております。 (7)労務関連(労働契約・労働力不足等)当社グループは、接客業を主としており、人材育成の強化を通じてさらなるサービスの向上に努めるとともに、人材の確保ならびに従業員満足の向上にも努めております。今後、関係法令・社会保険や労働条件・処遇等の労務環境の変化に対応する場合、人件費や業務委託費の増加となり、また人手不足の深刻化により商品提供が滞る場合、当社グループの収益確保に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対し、ハラスメント対策、メンタル疾患防止、時間外就労の管理の徹底および多様な働き方に対応する制度の整備等、従業員のケアに重点を置いた取り組みを進め、また雇用においては、正社員の計画的な採用、中途採用の通年実施に加え、非正規雇用市場の動向も注視し、適正な要員確保に努めております。 (8)固定資産の減損当社グループは、ホテル建物等の固定資産を保有しておりますが、今後一定規模を上回る不動産価額の下落や事業収支が悪化した場合、固定資産の一部について減損損失が発生する可能性があります。これらのリスクに対し、設備投資計画時に当該事業用固定資産から生成される将来キャッシュ・フローが十分に見込まれるか、投資回収可能性を慎重に精査した上で意思決定を行うと共に、定期的に進捗及び達成度評価を実施しております。 (9)繰延税金資産に関するリスク当社グループは、将来の課税所得の見積りに基づき、将来減算一時差異に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、将来の課税所得の十分性や将来減算一時差異の解消見込年度のスケジューリング等に基づき、回収可能性を検討しております。しかしながら、今後の事業環境の変化に伴う「中長期経営計画」の見直しや、地政学的リスクの高まり、感染症の発生やまん延等により、実際の利益が当初の見積りを下回った場合、繰延税金資産の取崩しが必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)賃借した不動産の継続利用又は中途解約ホテル事業においては、ホテル設備や土地を長期に賃借しているものがあり、当該不動産の継続利用が困難となった場合や契約期限が到来した際に更新されない場合は業績に影響が生じる可能性があります。また、長期賃貸借契約の途中で、何らかの事情に基づき契約が中途解約されることがあった場合、残存期間分の未経過賃料のうちの一部について、賃料の支払又は補填の義務が生じる可能性があります。これらのリスクに対し、不動産の所有者の信用度等を勘案した上で、継続利用の蓋然性が高いと判断されるホテル不動産に対してのみ契約を締結するよう努めるとともに、新規の契約にあたっては賃借期間を可能な限り長期とできるよう交渉を行うように努めております。 (11)帝国ホテル東京建て替え計画に関するリスク当社は帝国ホテル東京の本館、タワー館及び駐車場ビルの建て替え計画の実施方針を決定しております。建て替え期間中も帝国ホテル東京としてのホテルの営業は継続することを計画しておりますが、建て替えに伴う一部事業規模の縮小による一時的な収益力低下などにより当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。また、建て替えに伴う総事業規模は約2,000 億円から約2,500 億円程度を見込んでおりますが、物価上昇による資材の高騰や労務費の上昇などが生じた場合、想定していた費用を上回る負担が発生する可能性があります。加えて、本建て替え計画の実施資金に係る財務計画は、今後の関係諸機関との協議等を経た上で策定する予定ですが、その内容によっては、今後、本建て替え計画の実施資金の調達コスト(金利変動等)が当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。さらに、タワー館の建て替えについては、三井不動産株式会社(以下「三井不動産」といいます。)との共同事業として行うことを目指しており、現タワー館を解体後、当社が敷地を分筆したうえで、その土地の共有持分の一部を三井不動産に有償譲渡することとしております。当社と三井不動産は、協議の上、本譲渡にかかる売買契約の締結を行う予定ですが、その締結時期及び譲渡の実行時期については未定であり、当該売買契約の締結が予定通り実施されない場合には、本譲渡が当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。なお、本計画の最終的な実施にあたっては、都市計画法、建築基準法その他の関連諸法令に従った許認可等が得られること、及び近隣の権利者等の関係諸機関との合意が成立することが前提となります。そのため、必要な許認可等が得られない場合や、関係諸機関との合意が成立しない場合等には、当社は最終的に本計画を実施しない又は建築工事の遅れ等で本計画が計画通りに進捗しない可能性があります。 (12)関係会社等に関する重要事項その他の関係会社である三井不動産は、当連結会計年度末現在、当社の発行済株式総数の33.2%を保有しております。2007年に同社の資本参加を受けた際に基本協定書を締結し、以降、当社経営の自主性等を最大限尊重する友好的なパートナーとして将来的な再開発計画、ホテル・リゾート分野等での協力・提携等をともに検討しており、三井不動産の意向は当社グループの事業展開、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。また、業務・資本提携の強化を図る人的交流の一環として、当社は三井不動産より役員を兼務する人材を受け入れておりますが、三井不動産との取引条件については、第三者と比較検討を実施した上で公正な取引条件で実施しており、当社の独立性に影響を及ぼすリスクはないと考えております。ただし、何らかの要因により三井不動産との関係に変化があった場合や、三井不動産の出資方針や取引方針等の変更が生じた場合には、出資関係、人的関係及び取引関係が見直される可能性があり、その結果当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。 (13)スタンダード市場上場維持基準当社は、株式会社東京証券取引所の定めるスタンダード市場の上場維持基準のうち、流通株式比率について、2026年3月31日時点において26.11%となっており、同社が上場維持基準として定める流通株式比率25%以上に近接していることから、何らかの事情により流動性が低下した場合には、上場維持基準に抵触する可能性があります。今後もIRの充実や株主との対話など、引き続き各種取組を継続、基準への適合維持に努めてまいります。 (14)その他の包括的なリスク当社グループの売上高の約8割が東京本社であり、特に上記事項が東京本社にて発生した場合、その他予期し得ない問題等が発生した場合、当社グループ全体の収益確保に大きく影響する可能性があります。

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