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オートバックスセブン(9832)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • カー用品の卸売と小売: オートバックスセブンは、タイヤ、ホイール、カーエレクトロニクスなどのカー用品を国内外のフランチャイズ加盟店や一般消費者に卸売・小売しています。これにより、広範な顧客層に製品を提供し、安定的な収益基盤を築いています。
  • 車検・整備・車販売: カー用品の販売だけでなく、車検、整備、板金・塗装、さらには新車・中古車の販売も行っています。これにより、顧客のカーライフ全般をサポートし、多角的な収益源を確保しています。
  • 多様な事業展開: クレジット関連事業、保険代理店、店舗設備のリース、不動産開発、次世代マイクロモビリティの取り扱いなど、カー用品事業を核としながらも幅広い事業を展開しています。これにより、市場の変化に対応し、新たな成長機会を追求しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • オートバックス事業: 国内外のフランチャイズ加盟法人へのカー用品(タイヤ、ホイール、カーエレクトロニクス等)の卸売と、一般消費者への販売・取付サービス、車検・整備、板金・塗装、車販売が主な内容です。売上高1921.3億円、営業利益220.5億円と、グループの稼ぎ頭であり、中核を担う事業です。
  • コンシューマ事業: オートバックス事業以外の小売として、一般消費者向けにタイヤを中心としたカー用品販売や車販売を行っています。自社サイトや公式アプリを通じたオンライン販売も展開しており、売上高290.39億円、営業利益-8.47億円と、現状は赤字ですが、新たな顧客接点の創出を目指しています。
  • ホールセール事業: 主に国内外のホームセンターなどの小売業者に対し、カー用品やプライベートブランド商品の卸売・輸出販売を行っています。売上高244.94億円、営業利益5.17億円で、BtoB取引を通じて広範な流通チャネルを確保し、安定的な収益に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
AUTOBACSBusiness 地域 1,921 221 11.5%
ConsumerBusiness 地域 290 -8 -2.9%
WholesalingBusiness 地域 245 5 2.1%
ExpansionBusiness 地域 39 5 12.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|828 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社50社および関連会社13社で構成され、カー用品等の国内外への卸売・小売、ネット販売、車販売、車検・整備および自動車ディーラーを行うほかに、オートバックスグループへの店舗設備のリースおよびクレジット関連事業等を行っております。 当社グループの事業内容および事業部門との関連は次のとおりであります。 なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。(1)オートバックス事業 国内フランチャイズ加盟法人に対してタイヤ・ホイールおよびカーエレクトロニクス等、カー用品等の卸売を行っております。また、主に国内外の一般消費者に対して、カー用品等の販売および取付サービス、車検・整備、板金・塗装ならびに車販売を行っております。(2)コンシューマ事業 オートバックス事業以外の小売りとして、一般消費者に対してタイヤを中心としたカー用品等の販売や車販売を行っております。また、自社サイトおよび公式アプリを通じて、実店舗と連携しカー用品等の提供を行っております。さらに、法人顧客に対するカー用品等の販売や車検・整備、板金事業等を行っております。(3)ホールセール事業 主に国内外のホームセンター等の小売業者に対して、カー用品等の卸売・輸出販売を行っております。また、ライフスタイルブランドをはじめとするプライベートブランド等の卸売を行っております。(4)拡張事業 主に子会社を通じて、クレジット関連事業、保険代理店、国内フランチャイズ加盟店における個別信用購入あっせんおよび提携カードの発行を行うほか、同加盟法人等に対する備品等のリースを行っております。また、不動産関連のデベロップメント事業や、特定小型原動機付自転車をはじめとした次世代マイクロモビリティの取り扱いを行っております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
プライベートブランド商品の開発を行っているが、仕入価格高騰による需要後退リスクがあるため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
「オートバックス」ブランドの維持・向上に継続的に取り組むことが経営の最重要課題と認識
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:国内市場環境に関するリスク / 店舗運営に関するリスク / 技術革新に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

オートバックスのブランド認知度は高いが、特許や独自IPによる競争優位性は限定的。カー用品業界全体でブランド力は重要だが、模倣されやすい側面もある。特定の技術やデザインで他社を圧倒するほどの無形資産は現時点では見られない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

既存顧客は、ポイントプログラムや会員特典、車検・整備サービスとの連携により、一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。しかし、カー用品の購入は比較検討が容易であり、価格や利便性で競合に流れる可能性も十分にある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

オートバックスのビジネスモデルには、ユーザー数が増えることでサービスの価値が高まるようなネットワーク効果は基本的に見られない。プラットフォーム型ビジネスではないため、顧客間の相互作用による価値創出は期待できない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

大量仕入れによる一定の交渉力はあると推測されるが、業界全体として価格競争が激しく、構造的なコスト優位を確立しているとは言えない。PB商品の開発などでコスト削減努力はしているものの、他社も同様の取り組みを行っている。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

国内のカー用品チェーンとしてはトップクラスの店舗網と売上規模を持つ。これにより、仕入れや物流における効率化、ブランド認知度の向上といったスケールメリットを享受している。業界内での寡占的な地位は一定程度確立している。

  • 広範な店舗ネットワークとブランド力: オートバックスは全国に広がるフランチャイズ店舗網と長年培ってきたブランド力により、多くの顧客に認知され、信頼されています。これにより、新規顧客獲得やリピーターの確保に有利な立場を築いています。
  • ワンストップソリューションの提供: カー用品販売から車検・整備、車販売まで、モビリティに関する多様なサービスをワンストップで提供できる体制を構築しています。これにより、顧客は複数の店舗を回る手間なく、必要なサービスをまとめて受けられるため、利便性が高く、顧客の囲い込みにつながっています。
  • 技術革新への対応力: 電気自動車(EV)市場への参入や、先進運転支援システム(ADAS)に対応した特定整備認証の取得など、自動車技術の進化に積極的に対応しています。これにより、変化する市場ニーズに柔軟に対応し、将来にわたる競争力を維持・強化しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • モビリティライフのインフラ化: オートバックスセブンは、従来のカー用品販売店から、クルマをはじめとするモビリティ全般の課題を解決する「モビリティライフのインフラ」となることを目指しています。これにより、顧客のモビリティに関する「煩わしさ」を軽減し、社会になくてはならない存在となることを目標としています。
  • 既存事業の深化と新規領域開拓: 2024中期経営計画「Accelerating Towards Excellence」に基づき、既存のカー用品販売や車検・整備事業を強化しつつ、中古車販売の拡大やマイクロモビリティの取り扱いなど、新たな成長領域を開拓しています。これにより、事業規模の拡大と提供価値の向上を図り、2032年度連結売上高5,000億円の達成を目指しています。
  • 顧客ニーズへの多角的対応: 新車価格高騰による中古車需要の増加や、顧客の価値観・購買行動の多様化に対応するため、オートバックスカーズとオトロンカーズの連携強化、PB商品の拡充、スーパーオートバックスの再構築など、多角的な戦略を進めています。これにより、価格重視層から付加価値重視層まで、幅広い顧客層のニーズに応え、持続的な成長を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 ■パーパス社会の交通の安全とお客様の豊かな人生の実現 ■オートバックスセブンの新たな方向性 お客様にとっての『モビリティライフのインフラ』をグローバルで目指す 当社グループは、「社会の交通の安全とお客様の豊かな人生の実現」をパーパスに掲げ、クルマをはじめとしたモビリティに関わるさまざまな社会課題を解決し、モビリティ社会を支えるインフラとして、人とモビリティが調和する持続可能な社会と当社グループの持続的な成長を目指しております。 現在、当社グループは、2024年に発表した2024中期経営計画「Accelerating Towards Excellence」において明示した、“お客様にとっての『モビリティライフのインフラ』をグローバルで目指す”という方向性のもと、従来のカー用品のワンストップサービスから、モビリティに関わる課題全般を解決できるワンストップソリューションの実現に向けて取り組みを進めております。その第一歩は、お客様のモビリティに関する「煩わしさ」を軽減する身近なメンテナンス拠点となることです。そして、モビリティに関する多様な機能を兼ね備えた「総合モビリティアフター業」として、モビリティに関するあらゆる課題を解決できる存在へと進化することで、社会になくてはならない「モビリティライフのインフラ」を支える企業グループとなることを目指してまいります。 (2)経営環境 日本経済は、インバウンド需要の隆盛や雇用環境の改善、賃上げの継続等を背景に、緩やかな回復基調にあるものの、物価上昇の長期化や個人消費の伸び悩み、さらには地政学リスクの高まりにより、依然として先行きには不透明感が残る状況です。 モビリティ業界においては、脱炭素化の流れを背景に電動化の進展が続いているものの、各国における補助金政策の見直しや充電インフラ整備の遅れなどにより、電気自動車(EV)の普及には地域差が生じています。加えて、先進運転支援システム(ADAS)など、先進技術を搭載したことにより進む車両の高度化は、車両の高機能化と高付加価値化を実現する一方で、車両整備に求められる専門性は、より一層高まっていると言えます。 また、インフレの進行により新車価格が高騰していることを背景に中古車需要は拡大しており、車両の長期保有が進展していることで、国内における平均車齢は上昇傾向にあります。これにより、車両メンテナンスやアフターサービスの需要および重要性についてもこれまで以上に高まっております。 こうした環境に加え、車両の所有形態やマイクロモビリティ等の選択肢の増加により、お客様の価値観や購買行動は多様化が進んでいます。また、物価上昇の影響を背景とした価格を重視する志向と、専門性や体験価値といった付加価値を重視する志向の二極化も顕在化しており、商品やサービスを提供する事業者には柔軟かつ多面的な対応が求められております。 当社グループといたしましては、こうした環境変化を的確に捉え、商品・サービスの高度化や提供価値の再構築を通じて競争力の強化を図るとともに、お客様のニーズの変化に柔軟かつ迅速に対応することで、持続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。 なお、当社が加盟する自動車用品小売業協会(APARA)発表の2025年4月から2026年3月までの協会加盟企業4社の店舗売上高合計は、4,357億96百万円で、前年比4.5%増加いたしました。また、同期間の新車販売台数※1は、約453万台(前年比0.9%減)、中古車登録台数※2は、約315万台(前年比0.5%減)となりました。 2024年7月から2025年6月までの自動車整備に関わる市場総売上※3は、6兆6,592億円(前年比6.4%増)となり、4年連続で増加いたしました。※1 日本自動車販売協会連合会 発表 登録車と軽自動車の合計※2 日本自動車販売協会連合会 発表 普通乗用車と小型乗用車の合計※3 日本自動車整備振興会連合会 発表 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 事業上の課題 当社グループは、長期ビジョン「Beyond AUTOBACS Vision 2032」において掲げている、2032年度連結売上高5,000億円の達成に向け、事業規模の拡大と提供価値の向上に取り組んでおります。本ビジョンは、単なる事業規模の拡大を目的とするものではなく、モビリティを取り巻く社会課題の解決を通じて、持続的な企業価値の向上を実現することを目指しております。現在は、2024年5月に発表した2024中期経営計画「Accelerating Towards Excellence」をもとに、既存事業の深化と新たな成長領域の開拓を図りながら、各種施策を着実に推進しております。 長期ビジョンの達成を目指す過程において、当社を取り巻く環境は、かつてないスピードで変化し続けています。2032年度に掲げる目標を確実なものとするためには、こうした環境変化を向かい風としてではなく、成長の機会として的確に取り込み、従来以上に実行スピードを高めながら、事業ポートフォリオの最適化と競争力の強化を継続的に推進していくことが必要です。 まず、先進技術を搭載した車両やEVの増加により、車検や整備に求められる技術および設備の高度化への対応です。サービス品質の向上が不可欠となる中、当社グループでは、診断機の導入や、整備士をはじめとする人材育成・研修体制の強化に取り組んでおります。これにより、車種を問わず、将来にわたって安心してご利用いただける整備体制の構築を進めております。 次に、新車価格の高騰を主たる背景とした中古車需要の高まりへの対応です。当社グループでは、この中古車需要の拡大を中核的な成長領域と位置付けており、ともに車両の販売を事業とする、オートバックスカーズとオトロンカーズの事業連携を強化することで、車両調達力の向上および価格競争力の確保を進めております。加えて、2025年度より、新たにオートバックスカーズのフランチャイズ新規加盟募集を開始することで、フランチャイズ加盟店の拡大を通じ、より多くのお客様とのタッチポイントの創出と提供エリアの拡大を図っております。 さらに、平均車齢の上昇によるメンテナンス需要の高まりに対しては、ご来店いただいたお客様に、無料安全点検を通じて安心して車両を長く使用いただける環境を提供するとともに、点検結果に基づく整備や消耗品交換の提案を行うことで、車両状態に応じた計画的かつ合理的なメンテナンスの実現と、サービス需要の継続的な創出を図っております。また、クルマが重要な生活インフラである地域へも、積極的に出店することで、インフラを維持する役割を果たしてまいります。 そして、お客様の価値観や購買行動の多様化と、インフレ進行による志向の二極化へも具体的な対応を進めています。移動手段や保有形態の多様化に対応するため、新たな事業ドメインとしてマイクロモビリティの取り扱いを拡充し、従来のクルマに限定されない領域に事業を拡げています。また、価格志向のお客様に対しては、PB商品や専売品の拡充、オトロンやビーラインなどのマルチブランド展開を通じて、品質と価格の両立を図っております。他方、付加価値や体験価値を重視されるお客様に対しては、スーパーオートバックスの再構築や専門店の出店など、専門性と提案力を高めたストア展開を進めております。 事業環境変化への対応力を高めることを目的として、事業基盤の整備にも注力しております。2025年度は、グループの拡大に伴い、サプライチェーンマネジメントの推進や機能改革にも取り組んでおり、調達機能が重複していた子会社については機能統合を進め、スケールメリットを活用した商品調達を実現しました。また、2024中期経営計画期間における投資についても、当初計画を上回るスピードで実行しております。 ② 財務上の課題 利益成長を実現した一方で、成長投資を計画以上の速度で推進したことにより、あしもとでは投下資本が先行しております。これらの投資は、将来の収益拡大に向けた基盤強化であり、今後は投資回収を着実に進めることで、資本効率の改善を図ってまいります。なお、本中期経営計画におけるキャピタルアロケーションとして計画している累計350億円規模の投資については、M&A投資計画170億円に対して進捗97%、設備投資計画180億円に対して進捗144%と、計画を上回るペースで進捗しております。こうした積極的な投資の推進を背景に、これまでに実行してきた投資については業績への貢献が顕在化しており、現在は投資効果が数値として確認できるフェーズへと移行しつつあります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、ROEであります。 2027年3月期の目標値は、売上高3,000億円、営業利益150億円、親会社株主に帰属する当期純利益90億円、ROE7.0%であります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 ■パーパス社会の交通の安全とお客様の豊かな人生の実現 ■オートバックスセブンの新たな方向性 お客様にとっての『モビリティライフのインフラ』をグローバルで目指す 当社グループは、「社会の交通の安全とお客様の豊かな人生の実現」をパーパスに掲げ、クルマをはじめとしたモビリティに関わるさまざまな社会課題を解決し、モビリティ社会を支えるインフラとして、人とモビリティが調和する持続可能な社会と当社グループの持続的な成長を目指しております。 現在、当社グループは、2024年に発表した2024中期経営計画「Accelerating Towards Excellence」において明示した、“お客様にとっての『モビリティライフのインフラ』をグローバルで目指す”という方向性のもと、従来のカー用品のワンストップサービスから、モビリティに関わる課題全般を解決できるワンストップソリューションの実現に向けて取り組みを進めております。その第一歩は、お客様のモビリティに関する「煩わしさ」を軽減する身近なメンテナンス拠点となることです。そして、モビリティに関する多様な機能を兼ね備えた「総合モビリティアフター業」として、モビリティに関するあらゆる課題を解決できる存在へと進化することで、社会になくてはならない「モビリティライフのインフラ」を支える企業グループとなることを目指してまいります。 (2)経営環境 日本経済は、インバウンド需要の隆盛や雇用環境の改善、賃上げの継続等を背景に、緩やかな回復基調にあるものの、物価上昇の長期化や個人消費の伸び悩み、さらには地政学リスクの高まりにより、依然として先行きには不透明感が残る状況です。 モビリティ業界においては、脱炭素化の流れを背景に電動化の進展が続いているものの、各国における補助金政策の見直しや充電インフラ整備の遅れなどにより、電気自動車(EV)の普及には地域差が生じています。加えて、先進運転支援システム(ADAS)など、先進技術を搭載したことにより進む車両の高度化は、車両の高機能化と高付加価値化を実現する一方で、車両整備に求められる専門性は、より一層高まっていると言えます。 また、インフレの進行により新車価格が高騰していることを背景に中古車需要は拡大しており、車両の長期保有が進展していることで、国内における平均車齢は上昇傾向にあります。これにより、車両メンテナンスやアフターサービスの需要および重要性についてもこれまで以上に高まっております。 こうした環境に加え、車両の所有形態やマイクロモビリティ等の選択肢の増加により、お客様の価値観や購買行動は多様化が進んでいます。また、物価上昇の影響を背景とした価格を重視する志向と、専門性や体験価値といった付加価値を重視する志向の二極化も顕在化しており、商品やサービスを提供する事業者には柔軟かつ多面的な対応が求められております。 当社グループといたしましては、こうした環境変化を的確に捉え、商品・サービスの高度化や提供価値の再構築を通じて競争力の強化を図るとともに、お客様のニーズの変化に柔軟かつ迅速に対応することで、持続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。 なお、当社が加盟する自動車用品小売業協会(APARA)発表の2025年4月から2026年3月までの協会加盟企業4社の店舗売上高合計は、4,357億96百万円で、前年比4.5%増加いたしました。また、同期間の新車販売台数※1は、約453万台(前年比0.9%減)、中古車登録台数※2は、約315万台(前年比0.5%減)となりました。 2024年7月から2025年6月までの自動車整備に関わる市場総売上※3は、6兆6,592億円(前年比6.4%増)となり、4年連続で増加いたしました。※1 日本自動車販売協会連合会 発表 登録車と軽自動車の合計※2 日本自動車販売協会連合会 発表 普通乗用車と小型乗用車の合計※3 日本自動車整備振興会連合会 発表 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 事業上の課題 当社グループは、長期ビジョン「Beyond AUTOBACS Vision 2032」において掲げている、2032年度連結売上高5,000億円の達成に向け、事業規模の拡大と提供価値の向上に取り組んでおります。本ビジョンは、単なる事業規模の拡大を目的とするものではなく、モビリティを取り巻く社会課題の解決を通じて、持続的な企業価値の向上を実現することを目指しております。現在は、2024年5月に発表した2024中期経営計画「Accelerating Towards Excellence」をもとに、既存事業の深化と新たな成長領域の開拓を図りながら、各種施策を着実に推進しております。 長期ビジョンの達成を目指す過程において、当社を取り巻く環境は、かつてないスピードで変化し続けています。2032年度に掲げる目標を確実なものとするためには、こうした環境変化を向かい風としてではなく、成長の機会として的確に取り込み、従来以上に実行スピードを高めながら、事業ポートフォリオの最適化と競争力の強化を継続的に推進していくことが必要です。 まず、先進技術を搭載した車両やEVの増加により、車検や整備に求められる技術および設備の高度化への対応です。サービス品質の向上が不可欠となる中、当社グループでは、診断機の導入や、整備士をはじめとする人材育成・研修体制の強化に取り組んでおります。これにより、車種を問わず、将来にわたって安心してご利用いただける整備体制の構築を進めております。 次に、新車価格の高騰を主たる背景とした中古車需要の高まりへの対応です。当社グループでは、この中古車需要の拡大を中核的な成長領域と位置付けており、ともに車両の販売を事業とする、オートバックスカーズとオトロンカーズの事業連携を強化することで、車両調達力の向上および価格競争力の確保を進めております。加えて、2025年度より、新たにオートバックスカーズのフランチャイズ新規加盟募集を開始することで、フランチャイズ加盟店の拡大を通じ、より多くのお客様とのタッチポイントの創出と提供エリアの拡大を図っております。 さらに、平均車齢の上昇によるメンテナンス需要の高まりに対しては、ご来店いただいたお客様に、無料安全点検を通じて安心して車両を長く使用いただける環境を提供するとともに、点検結果に基づく整備や消耗品交換の提案を行うことで、車両状態に応じた計画的かつ合理的なメンテナンスの実現と、サービス需要の継続的な創出を図っております。また、クルマが重要な生活インフラである地域へも、積極的に出店することで、インフラを維持する役割を果たしてまいります。 そして、お客様の価値観や購買行動の多様化と、インフレ進行による志向の二極化へも具体的な対応を進めています。移動手段や保有形態の多様化に対応するため、新たな事業ドメインとしてマイクロモビリティの取り扱いを拡充し、従来のクルマに限定されない領域に事業を拡げています。また、価格志向のお客様に対しては、PB商品や専売品の拡充、オトロンやビーラインなどのマルチブランド展開を通じて、品質と価格の両立を図っております。他方、付加価値や体験価値を重視されるお客様に対しては、スーパーオートバックスの再構築や専門店の出店など、専門性と提案力を高めたストア展開を進めております。 事業環境変化への対応力を高めることを目的として、事業基盤の整備にも注力しております。2025年度は、グループの拡大に伴い、サプライチェーンマネジメントの推進や機能改革にも取り組んでおり、調達機能が重複していた子会社については機能統合を進め、スケールメリットを活用した商品調達を実現しました。また、2024中期経営計画期間における投資についても、当初計画を上回るスピードで実行しております。 ② 財務上の課題 利益成長を実現した一方で、成長投資を計画以上の速度で推進したことにより、あしもとでは投下資本が先行しております。これらの投資は、将来の収益拡大に向けた基盤強化であり、今後は投資回収を着実に進めることで、資本効率の改善を図ってまいります。なお、本中期経営計画におけるキャピタルアロケーションとして計画している累計350億円規模の投資については、M&A投資計画170億円に対して進捗97%、設備投資計画180億円に対して進捗144%と、計画を上回るペースで進捗しております。こうした積極的な投資の推進を背景に、これまでに実行してきた投資については業績への貢献が顕在化しており、現在は投資効果が数値として確認できるフェーズへと移行しつつあります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、ROEであります。 2027年3月期の目標値は、売上高3,000億円、営業利益150億円、親会社株主に帰属する当期純利益90億円、ROE7.0%であります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等を背景に、景気は緩やかな回復基調を維持している一方、継続的な物価上昇による個人消費への影響懸念に加え、各国の通商政策や地政学リスクの高まり等の不安定な国際情勢、金融・為替市場の動向等の不確実要因により、依然として先行きは不透明な状況が続いております。国内の自動車関連業界の動向といたしましては、一部自動車メーカーの出荷再開に伴い、軽自動車が伸長したものの、小型および普通自動車の販売が減少し、2025年度の国内新車販売台数は前年を下回りました。中古車市場においては、中古車オークション相場の高騰や新車販売の停滞に伴う下取り車の減少等による仕入れ難が発生するも、中古車需要は底堅く推移し、2025年度の中古車登録台数は前年同水準となりました。このような環境下において、当社グループは、お客様にとっての「モビリティライフのインフラ」をグローバルで目指し、2024中期経営計画に基づき、「タッチポイントの創出」「商品・ソリューションの開発と供給」「新たな事業ドメインの設定」を戦略骨子とした各種施策を推進しております。 ① 連結損益状況売上高、売上総利益当社グループの当連結会計年度における売上高は、前年同期比12.2%増加の2,800億55百万円、売上総利益は前年同期比13.3%増加の1,001億35百万円となりました。 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円)セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)オートバックス事業192,130198,785コンシューマ事業29,03952,625ホールセール事業24,49423,933拡張事業3,8614,710報告セグメント計249,525280,055(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 販売費及び一般管理費、営業利益 販売費及び一般管理費は、前年同期比13.2%増加の863億40百万円、営業利益は前年同期比13.8%増加の137億95百万円となりました。 販売費及び一般管理費について、主に連結子会社が増加したことにより増加いたしました。 セグメント別の従業員の状況(単位:人)セグメントの名称2025年3月期2026年3月期増減オートバックス事業3,362(1,001)3,401(1,142)39(141)コンシューマ事業911(82)1,238(101)327(19)ホールセール事業395(11)328(18)△67(7)拡張事業150(23)316(48)166(25)全社(共通)383(6)334(2)△49(△4)合計5,201(1,123)5,617(1,311)416(188)(注)従業員数は就業人員であり、出向者は除いております。臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。 営業外収益、営業外費用、経常利益営業外収益は、前年同期比6.7%増加の23億20百万円となりました。営業外費用は、前年同期比16.5%減少の14億90百万円となりました。フランチャイズチェンパッケージの変更等により、情報機器賃貸料および情報機器賃貸費用が減少したことや、主に為替差損益が好転しました。この結果、経常利益は前年同期比16.9%増加の146億25百万円となりました。 特別利益、特別損失特別利益は、投資有価証券売却益7億14百万円、事業譲渡益5億33百万円、段階取得に係る差益21百万円を計上いたしました。特別損失は、固定資産の減損損失11億88百万円、投資有価証券評価損3億38百万円を計上いたしました。 法人税等合計法人税等合計は、前年同期比11億88百万円増加の59億91百万円となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比2.7%増加の83億52百万円となりました。 ②セグメントごとの経営成績 当社グループ 報告セグメントの概要 セグメントごとの売上高、利益(単位:百万円) 報告セグメント調整額連結財務諸表計上額オートバックス事業コンシューマ事業ホールセール事業拡張事業合計売上高 顧客との契約から生じる収益198,78552,62523,9332,349277,694-277,694 その他の収益---2,3602,360-2,360外部顧客への売上高198,78552,62523,9334,710280,055-280,055対前期増減率3.5%81.2%△2.3%22.0%12.2%-12.2%セグメント間の内部 売上高又は振替高7,5772139,5776,00523,375△23,375-計206,36352,83833,51110,716303,430△23,375280,055対前期増減率4.7%80.3%△5.7%17.7%11.9%-12.2%セグメント利益22,40251994176424,627△10,83213,795対前期増減率1.6%-81.7%60.6%11.0%-13.8% オートバックス事業オートバックス事業の売上高は2,063億63百万円(前年同期比4.7%増加)、セグメント利益は224億2百万円(同1.6%増加)となりました。国内においては、国内オートバックスチェン(フランチャイズ加盟法人店舗を含む)の全業態の売上高は、前年同期比で既存店が2.2%の増加、全店が3.3%の増加となりました。国内オートバックスチェンでは、専売タイヤの拡販や高付加価値タイヤのラインアップ拡充に加え、おクルマ無料安全点検やタイヤセールに関するTVCMおよびWEB広告等を強化したことが奏功し、タイヤが好調に推移いたしました。また、平均車齢の高齢化に伴う車両メンテナンス需要増加を背景に、オイル・バッテリー等のメンテナンス関連商品が堅調に推移いたしました。さらに、アプリ・WEBからのピット作業予約機能の改善や量り売りオイルのラインアップ拡充を実施いたしました。一方、新車販売台数の減少や新車装備の充実化に伴い、カーナビゲーション・ドライブレコーダー等のカーエレクトロニクスや車内小物・インテリア等のアクセサリーが低調に推移いたしました。車検・整備については、2025年4月の規則改正による車検の受検可能期間の拡大に関する告知や年間を通じたメディア・SNSによるプロモーション等を実施いたしました。この結果、車検実施台数は前年同期比1.7%増加の約68万2千台、車検・整備の売上高は前年同期比6.0%増加の257億84百万円となりました。車販売については、新車販売および中古車業販が低調であった一方、中古車小売は、他社との協業等によるグループ内での共有在庫車両取引の活性化等を背景に好調に推移し、国内オートバックスチェンにおける総販売台数は前年同期比0.5%増加の約30千4百台、総販売金額は前年同期比2.5%増加の368億58百万円となりました。また、オートバックスカーズの中古車検索サイトのオープンや店舗・出張買取査定のWEB予約等、WEBを活用した販売施策を強化いたしました。 国内オートバックスチェン売上・客数・客単価(既存店前年比/月別)2025年4月~2026年3月 オートバックス事業セグメントにおける商品別売上(連結調整後)(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期増減タイヤ・ホイール52,22857,1114,882カーエレクトロニクス19,06218,314△748オイル・バッテリー18,54718,693145アクセサリー・メンテナンス用品38,39238,926534車検・サービス21,36322,5821,219車販売10,96911,438469その他31,56531,718152合計192,130198,7856,655 国内における出退店は、2025年3月末の1,020店舗から、新規出店が41店舗、退店が2店舗あり、2026年3月末は1,059店舗となりました。 国内出退店実績(単位:店) 2025年3月末新店退店2026年3月末オートバックス50910-519オートバックスガレージ1--1スーパーオートバックス71--71A PIT AUTOBACS21-3オートバックスセコハン市場※184121Smart+1※144-18オートバックスエクスプレス11--11オートバックスカーズ※394221415国内計1,0204121,059※インショップおよび併設店を含む 国内店舗数の内訳(単位:店) 2025年3月末2026年3月末直営1418連結対象子会社278312連結対象外法人※728729合計1,0201,059※関連会社を含む 海外においては、フランスは、プライベートブランドをはじめとした商品ラインアップの拡充や、自動発注システムの導入による生産性向上等を行ったものの、景気低迷により個人消費支出が停滞し、売上が減少いたしました。シンガポールは、COE(車両購入権)価格の高騰による既存車の車両メンテナンス需要増加を背景にピットサービスが好調に推移し、売上が増加いたしました。また、マレーシアにおいては、卸売事業強化を目的に、オートバックスライセンス店舗(4店舗)の運営事業から2026年3月末をもって撤退いたしました。 海外における出退店は、2025年3月末の148店舗から、新規出店が5店舗、退店が4店舗あり、2026年3月末は149店舗となりました。 海外出退店実績(単位:店) 2025年3月末新店退店2026年3月末フランス8--8シンガポール2--2タイ1225-127台湾6--6マレーシア4-4-フィリピン6--6海外計14854149 海外店舗の内訳(単位:店) 2025年3月期2026年3月期連結対象子会社1210連結対象外法人※136139合計148149※関連会社を含む コンシューマ事業 コンシューマ事業においては、2024年8月にオトロンカーズ株式会社、2024年10月に株式会社東葛ホールディングス、2025年1月に株式会社ビーラインを連結子会社化したことにより、売上・利益ともに大幅に伸長いたしました。 この結果、コンシューマ事業における売上高は528億38百万円(前年同期比80.3%増加)、セグメント利益は5億19百万円(前年同期は8億47百万円のセグメント損失)となりました。 ディーラーにおいては、Audi正規ディーラー「Audi小山」のオープンに加え、BYDの新型車投入等により売上が増加いたしました。また、2026年3月には、BYD正規ディーラーで全国No.1 の展示台数を誇る「BYD AUTO 太田」をオープンいたしました。 店舗数の内訳(単位:店)会社名2025年3月末2026年3月末ディーラー2023ビーライン7977オトロン1721AUTO IN882合計124203 オンラインストアにおいては、取扱商品の拡充等により自社ECサイトが好調に推移したことに加え、新たな外部ECモールへの出店や販売促進施策が奏功し、売上が伸長いたしました。 オトロンにおいては、自社ローンによる分割支払回数48回プランの提供開始に加え、「オトロン名古屋店」をはじめ4店舗をオープンしたことにより、売上が伸長いたしました。 ビーラインにおいては、「ビーライン大野城店」をはじめ3店舗をオープンいたしました。 AUTO INにおいては、M&Aの推進により店舗数が74店舗増加いたしました。また、一部商品や整備機材を当社の商流へ変更することで、事業シナジーの創出も図っております。 コンシューマ事業における出退店は、2025年3月末の124店舗から、新規出店が85店舗、退店が6店舗あり、2026年3月末は203店舗となりました。 ホールセール事業ホールセール事業における売上高は335億11百万円(前年同期比5.7%減少)、セグメント利益は9億41百万円(同81.7%増加)となりました。国内においては、プライベートブランド「AQ.」のセブン‐イレブン向け卸売が増加いたしました。また、オイル販売を行う子会社においては、販売単価の上昇に加え販売数量も増加し、業績は堅調に推移いたしました。一方、アルミホイールの製造・販売を行う子会社においては、冬タイヤ向けホイールの販売が低調に推移いたしました。なお、2025年4月には、オイル販売を行う子会社が担っていた商品調達および開発に関する一部事業を当社に承継し、組織・機能の集約による業務効率化およびコストの最適化を推進し、利益改善に貢献いたしました。海外においては、既存取引先との関係強化や新規顧客獲得に向けた各種施策を実施したものの、日本からの輸出減少の影響により、売上は減少いたしました。中国においては、新商品開発の推進により日本向けの輸出が拡大するとともに、中国国内における卸売も開始し、売上が伸長いたしました。オーストラリアにおいては、インフレおよび金利上昇を背景とした消費者の購買意欲低下が継続したものの、プライベートブランド商品の販売が好調に推移いたしました。 拡張事業拡張事業における売上高は107億16百万円(前年同期比17.7%増加)、セグメント利益は7億64百万円(同60.6%増加)となりました。不動産においては、新規出店や増改築等により不動産賃貸収入が増加したことに加え、ガレージハウスの賃貸事業や遊休資産を活用した事業が堅調に推移いたしました。SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)においては、特定小型原動機付自転車等のマイクロモビリティの商品ラインアップ拡充により売上が増加いたしました。 ③ 財政状態に関する分析a.連結貸借対照表の各項目の状況流動資産流動資産は、前連結会計年度末に比べ51億78百万円減少し、1,218億49百万円となりました。主に売掛金、商品が増加した一方、現金及び預金が減少したことなどによるものです。 有形固定資産、無形固定資産有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ105億74百万円増加し、673億31百万円となりました。主に新規出店、改装による建物及び構築物、土地が増加したことなどによるものです。無形固定資産は、前連結会計年度末に比べ7億30百万円減少し、166億39百万円となりました。 投資その他の資産投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ70億66百万円増加し、340億80百万円となりました。主に投資有価証券に含まれる関連会社株式が増加したことなどによるものです。 流動負債流動負債は、前連結会計年度末に比べ36億12百万円増加し、620億45百万円となりました。主に未払金が減少した一方、未払法人税等、支払手形及び買掛金が増加したことなどによるものです。 固定負債固定負債は、前連結会計年度末に比べ34億61百万円増加し、412億35百万円となりました。主に銀行からの長期借入金が増加したことなどによるものです。 純資産合計純資産合計は、前連結会計年度末に比べ46億57百万円増加し、1,366億21百万円となりました。主に利益剰余金の配当により減少した一方、親会社株主に帰属する当期純利益による増加があったことなどによるものです。 セグメントごとの資産(単位:百万円) 2025年3月末2026年3月末増減オートバックス事業106,506113,8027,296コンシューマ事業43,30950,6077,298ホールセール事業17,42415,989△1,435拡張事業33,09737,5504,453全社(共通)27,83221,951△5,881総合計228,170239,90111,731 資産合計/負債純資産合計資産合計、負債純資産合計は、前連結会計年度末に比べ117億31百万円増加し、2,399億1百万円となりました。 b.連結キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ112億52百万円減少し199億29百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは145億85百万円の収入(前年同期は39億44百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益143億68百万円に対し、非資金損益項目等の調整を加減した営業取引による収入189億28百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額42億61百万円等であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、231億81百万円の支出(前年同期は180億20百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、投資有価証券の売却及び償還による収入8億99百万円、貸付金の回収による収入3億22百万円および差入保証金の回収による収入1億65百万円等であり、支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出170億8百万円、関係会社株式の取得による支出49億57百万円、差入保証金の差入による支出17億47百万円および連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出9億63百万円等であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、27億4百万円の支出(前年同期は139億73百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入70億円等であり、支出の主な内訳は、配当金の支払額47億11百万円、長期借入金の返済による支出38億7百万円および短期借入金の返済(純額)3億47百万円等であります。 c.設備投資の状況当社グループでは、新規出店・既存店舗の改装、店舗用地の取得による拠点の拡大に加え、安心ピットカメラの導入によるサービス品質の向上、物流センターへの投資による物流体制の効率化、ならびに情報システム投資その他に対し、総額170億8百万円の設備投資を実施いたしました。 設備投資の主な内訳(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期新規出店(リニューアル含む)2,5832,660既存店改装・改修3402,224土地2,4292,791情報化投資1,2242,164その他2,3477,167合計8,92617,008 セグメント別設備投資額(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期オートバックス事業5,7978,944コンシューマ事業8924,074ホールセール事業893134拡張事業489838全社(共通)8523,015合計8,92617,008 ④ 資金調達の状況当連結会計年度において、M&A投資資金や設備投資資金等への充当を目的として長期借入金70億円等の資金調達を実施いたしました。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度における日本経済は、雇用環境の改善やインバウンド需要の回復を背景に緩やかな回復基調が継続した一方で、物価上昇に伴う実質購買力の低下や地政学リスクの高まりにより、個人消費および先行きには依然として不透明感が残る状況となりました。 当社グループが属する自動車関連業界においては、新車価格の上昇および保有期間の長期化を背景に平均車齢が上昇し、中古車およびメンテナンス需要は堅調に推移しました。一方で、EVの普及や車両機能の高度化に伴い整備に求められる技術水準が高まるとともに、顧客ニーズの多様化により価格重視と付加価値重視の二極化が進むなど、市場環境は構造的な変化の局面にあり、これらへの対応は中長期的な競争力を左右する重要な経営課題であると認識しております。 こうした事業環境を背景に、当社グループは長期ビジョン「Beyond AUTOBACS Vision 2032」のもと、事業領域の拡大と新たな価値創造を推進し、2032年度の連結売上高5,000億円の達成を目指しております。また、2024年度から2026年度を対象とする2024中期経営計画に基づき、「タッチポイントの創出」「商品・ソリューションの開発と供給」「新たな事業ドメインの設定」を軸とした施策を推進しております。 中期経営計画の2年目となる当連結会計年度の経営成績につきましては、連結売上高2,800億円(前期比12.2%増)、営業利益137億円(前期比13.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益83億円(前期比2.7%増)となり、増収増益を達成いたしました。売上高は過去最高を更新するとともに、中期経営計画の売上目標を1年前倒しで達成しております。また、有価証券売却による特別利益および固定資産の減損損失を計上いたしましたが、各段階利益はいずれも計画を上回りました。 当連結会計年度は、新規出店やM&Aなどの成長投資により事業基盤の拡充が進んだことに加え、中古車およびメンテナンス需要の取り込み、ならびにコスト構造の見直しによる収益性の改善が業績に寄与したものと評価しております。一方で、成長投資の進展に伴う投下資本の増加に対して収益性の向上が十分とは言えず、また業界および競合他社と比較した場合のROE水準にも改善の余地があるなど、資本効率および収益性の強化が重要な経営課題であると認識しております。今後は、投資回収の加速と投資効率・収益構造の高度化を通じて、持続的に高い資本効率と収益性を実現する経営基盤の構築を進めてまいります。 事業環境変化への対応として、原材料価格の高騰等により新車価格が上昇している状況下において、中古車およびメンテナンスに対する需要が高まっています。これに対し、買取・販売拠点の拡大とグループ内シナジーの強化により車両供給体制を拡充するとともに、アフターサービス機能の強化を進めております。また、先進技術の進展に伴うEVの普及および整備の高度化に対応するため、設備投資や人材育成の強化を通じてEV整備への対応力の向上を図っております。さらに、インフレの進行による価格志向の高まりと、先進技術の普及や次世代モビリティの進展による付加価値志向の高まりを背景として、顧客ニーズの二極化が進んでおります。これに対し、価格志向および付加価値志向の双方に対応した商品・サービスの提供体制を構築するとともに、マイクロモビリティや新興メーカーとの連携により、お客様のモビリティの選択肢を拡充する取り組みを進めております。 経営資源の最適化においては、生産性向上を重要な経営課題と位置付け、調達機能の統合や人員配置の最適化、本部機能の効率化等を推進しております。 翌連結会計年度(2027年3月期)は、売上高3,000億円(前期比7.1%増)、営業利益150億円(同8.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益90億円(同7.7%増)を見込んでおり、全セグメントで増益を計画しております。なお、地政学リスクに伴う調達環境の変化やエネルギー価格の動向、EV補助金政策の変更等については不確実性が高く、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。一方で、こうした不確実性に対しては、調達チャネルの多様化やグループ内連携の強化による商品調達体制の高度化および事業ポートフォリオの最適化を通じて対応を進め、収益力の強化に取り組んでおります。 以上を踏まえ、当社グループは、成長投資により構築した事業基盤を活用し、収益拡大と資本効率向上の両立を図る段階へ移行しております。今後は、投資回収の加速およびグループ内シナジーの最大化を通じて、企業価値の持続的向上に取り組んでまいります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③財政状態に関する分析 b.連結キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 資本の財源および資金の流動性の状況 当社グループの運転資金需要は、主にカー用品を中心とした商品の仕入およびシステム運営に係る費用等であります。一方、フランチャイズ加盟法人向け卸売および個人顧客向け小売を中心とする事業構造により、売上債権の回収が仕入債務の支払に先行する傾向にあり、安定的な営業キャッシュ・フローを創出できる財務構造となっております。 当連結会計年度においては、M&Aおよび新規出店、DX関連投資等の成長投資を積極的に実行した結果、投資キャッシュ・フローの支出が増加いたしました。一方で、EBITDAは営業利益を上回る伸びを示しており、営業キャッシュ・フローによる資金創出力は向上しております。 資金調達については、営業キャッシュ・フローに加え短期借入を活用し、季節的に変動する運転資金需要および投資需要に対応しております。 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、成長投資の推進に伴う投資キャッシュ・フローの支出が増加したことから199億円となりましたが、自己資本比率は56.8%と良好な水準を維持しており、財務の健全性および資金の流動性は確保されております。 投資の状況 中期経営計画期間(2024年度~2026年度)においては、設備投資およびM&Aを中心に累計約350億円の投資を計画しております。当連結会計年度までの進捗については、設備投資は、2024年度から実施しているチェンパッケージの変更に伴う既存店舗への投資に加え、新規出店および既存店舗の改装を積極的に推進した結果、計画を上回る水準で推移しております。M&A投資につきましては概ね計画どおりに進捗しております。 また、長期ビジョンの達成に向けては、2032年度までに累計約1,000億円規模の投資を想定しており、引き続き成長投資を継続してまいります。一方で、今後は投資案件ごとの収益性および資本効率をより重視するとともに、効率的な店舗投資や事業間シナジーの創出を通じて、投資効果の最大化を図ってまいります。 株主還元方針および資本効率性指標 株主還元については、成長投資とのバランスを踏まえ、中期経営計画期間(2024年度~2026年度)においては年間60円の安定配当を基本方針としております。 資本効率の観点では、当連結会計年度のROICは5.7%と計画どおり推移したものの、M&Aや新規出店等の成長投資により投下資本が増加したことから、資本効率の改善は限定的となりました。当社グループは中期経営計画期間を成長投資の先行局面と位置付けており、投資の効果は売上および利益に顕在化し始めている一方で、資本効率の向上は引き続き重要な経営課題であると認識しております。今後は、全事業において資本コストを上回る収益性の確保を前提とし、特に成長投資を進めているコンシューマ事業を中心に、収益性および資本効率の改善に取り組んでまいります。 これにより、投資回収の加速および事業間シナジーの創出を通じて、全社ROICおよびROEの持続的な向上を図り、企業価値の最大化に努めてまいります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益および費用の計上に際し、様々な見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果につきましては、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループが連結財務諸表で採用する重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)および(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 国内市場環境の悪化: 日本経済の悪化、個人消費の低迷、為替変動、競争激化などが、カー用品の販売や車検・整備の需要に悪影響を及ぼす可能性があります。これにより、売上高の減少や収益性の低下につながる恐れがあります。
  • 技術革新への対応遅れ: 運転支援機能や自動運転技術の進化、電気自動車(EV)の普及など、自動車関連技術の急速な変化に対応できない場合、販売する交換部品の需要減少や市場規模の変化により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 情報セキュリティリスク: サイバー攻撃の高度化や巧妙化により、情報システム障害、データ漏洩、業務データの改ざん・消失などが発生する可能性があります。これにより、事業活動の停滞、社会的信用の失墜、損害賠償の発生など、業績に重大な影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|7,336 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)リスクの管理体制当社は、主たる事業である国内オートバックス事業によるオートバックスフランチャイズシステムをはじめモビリティライフのグローバルなインフラとなるべくさまざまな商品・サービスを数多くの顧客に提供しており、あらゆるステークホルダーからさらなる支持と信頼を獲得する「オートバックス」ブランドの維持・向上に継続的に取り組むことが経営の最重要課題と認識しております。そのため、日々変化する当社グループを取り巻く環境変化に対応するだけでなく、目標達成を阻害する可能性のあるさまざまなリスクの的確な把握と特に重点的に取り組むリスクを選定し、具体的なリスク低減の取り組みにより適切なリスクコントロールを行っております。また重大事案が発生した場合における、被害拡大防止や損害・損失の極小化を可能とする態勢を確立することで、企業の社会的責任を果たすことに努めております。当社は、オートバックスセブングループを挙げて「統合リスクマネジメント」に継続的に取り組み、ステークホルダーから信頼される企業グループを目指します。 統合リスクマネジメント態勢当社は、代表取締役社長を委員長とし、業務執行取締役および委員長から指名された者を委員とした「リスクマネジメント委員会」を設置し、オートバックスセブングループにおけるリスクの管理、全社的なリスクマネジメントシステムの構築・推進を行います。また、有事の際には、リスクマネジメント委員長である代表取締役社長が「危機対応本部」を設置し、自ら指揮を執り、迅速かつ適切な対応と回復に努めます。 (注)1.リスクマネジメント体制および危機管理態勢を含めて「統合リスクマネジメント態勢」としています。2.「危機」とは、オートバックスセブングループの経営または事業継続に重大な影響を与える恐れのある、または与えた事象を指します。3.組織を常設する「体制」に加え、身構えや心構えを含めて「態勢」としています。 (2)主要なリスク①国内市場環境に関するリスク(影響度:非常に大きい・発生可能性:たまに、リスクマップ③)当社グループは、日本国内においてカー用品の卸売・小売、車検・整備および車販売等の事業を行っております。そのため、国内外の情勢の変化に伴う商品調達、為替変動などによる日本経済の悪化、個人消費の低迷、競争優位性の変動等が、当社グループの営業成績や財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対して、国内市場動向や消費動向、為替動向等に関する情報を継続的にモニタリングし、経営環境の変化を的確に把握することに努めております。これらを踏まえ、M&Aによる拠点拡大・事業領域の拡大、車検・整備や車販売等の高付加価値サービスの強化、グループ内の事業・組織統合による競争力強化を目的とした商品開発の強化、物流・在庫管理の効率化等を通じて、収益性および競争力の維持・強化に努めております。 ②店舗運営に関するリスク(影響度:非常に大きい・発生可能性:たまに、リスクマップ③)当社グループは、カー用品販売、車検・整備、車販売を取り扱う小売店舗を営業しておりますが、店舗の営業に伴う廃棄物の処理、有害物質の取り扱い、ピット作業における事故、また店舗敷地内でのその他の事故などのリスクがあります。これらは直接的、もしくは顧客のグループ店舗に対する心証悪化に伴う客数減少などによって、間接的に当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。ピット作業事故等につきましては重大リスクと認識し、研修による指導教育、作業マニュアルの周知徹底、コンプライアンスチェックプログラムによる点検と改善を継続しております。 ③技術革新に関するリスク(影響度:非常に大きい・発生可能性:たまに、リスクマップ③)自動車関連の技術は日々変化をしており、運転支援機能、自動運転の技術開発、電気自動車の普及などに伴い、当社グループが販売する交換部品の需要や市場規模が変化する可能性があります。こうした技術進化に伴う顧客ニーズの多様化に対し、柔軟に対応できなかった場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対応するため、国内外の自動車メーカーとの協業、BYD正規ディーラー「BYD AUTO 東京ベイ東雲」のオープンを含む電気自動車市場への参入、車検指定工場全店における特定整備認証(電子制御装置整備)の取得など、継続して技術革新のノウハウ獲得のための取り組みを推進しております。 ④情報セキュリティに関するリスク(影響度:非常に大きい・発生可能性:たまに、リスクマップ③)当社グループが行う事業活動の多くは、情報システムおよび通信ネットワークに依存しておりますが、近年、ランサムウェアによる身代金要求、標的型攻撃、サプライチェーンを経由した不正侵入等、サイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、これらを完全に未然防止することは困難となっております。想定外の災害やサイバー攻撃などにより、データセンター機能の停止やシステム障害、業務データの暗号化、改ざんまたは消失等が発生し、ITシステムが長期間にわたり正常に作動しなくなった場合、当社グループの業務が著しく停滞し、店舗運営、物流、商品供給、顧客対応等に支障を来すことにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、個人情報や法人の秘密情報等が外部に漏えいした場合には、当社グループの社会的信用に影響を及ぼす可能性や、損害賠償等を行う必要が生じることにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、ランサムウェア等により身代金の要求を受けた場合には、支払いの有無にかかわらず、事業継続およびレピュテーションに重大な影響を受ける可能性があります。こうしたリスクに対して、ファイアウォールなどで通信を監視し、許可されない通信の遮断やあらゆるアクセスを検証対象として情報保護対策を行うとともに、情報セキュリティに関する規程(「ITガバナンス規程」、「情報セキュリティ規程」等)を整備しております。また、情報セキュリティに関するeラーニングや標的型攻撃メール訓練をオートバックスセブングループ全従業員に対して実施するなど、教育・研修の徹底を図っております。さらに、情報セキュリティに関する重要事項については、経営会議および取締役会に定期的に報告し、リスクの把握および対策方針について監督・指示を受ける体制を構築しております。加えて、自然災害や停電、火災等の災害に対する耐性やセキュリティ面を考慮した24時間対応可能なデータセンターを設置するとともに、複数のデータセンターを利用することでリスクの分散を図っております。また、定期的にデータのバックアップを行い、非常時において当該データの復元および事業継続計画(BCP)に基づく対応を行うことで、できる限り速やかにサービスを再開できる体制を整備し、リスク対策を講じております。 ⑤気候変動に関するリスク(影響度:非常に大きい・発生可能性:たまに、リスクマップ③)当社グループが販売する商品には、スタッドレスタイヤ、タイヤチェーンなど販売数量が天候により大きく左右される季節商品が一部含まれています。そのため、冷夏や暖冬などの気候変動が発生した場合、季節商品の需要低下や販売時期のずれにより売上高が減少する可能性があります。また、環境に関する法的規制や社会的要請の高まりによって炭素税等の導入や各種規制の拡大が進んだ場合、事業活動の制約やオペレーションコスト・設備コストの上昇など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対して、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、店舗で排出する温室効果ガスの総量をゼロにすることを目標に、再生可能エネルギーの活用に取り組むとともに、環境配慮型店舗やEV車の販売・メンテナンスをはじめとした脱炭素への取り組みにより、省エネルギー化の推進を行っております。また、事業ポートフォリオの柔軟な見直しを行い、経営から現場に至るまで、気候変動課題と事業推進の両立を図りリスク低減を目指しております。 ⑥人材確保・育成に関するリスク(影響度:大きい・発生可能性:少ない、リスクマップ⑥)当社グループが事業を維持・拡大していくためには、車の整備や検査等をはじめ次世代整備の専門性を有する人材や、イノベーションを創出することのできる多様な知見・スキル・価値観を有する人材を確保・育成していくことが不可欠です。特に、M&Aによる事業領域の拡大や、新たな事業ドメインへの参入に伴い、多様な専門性を持つ人材の確保・育成は喫緊の課題であり、今後の社会情勢や雇用環境の変化により、ふさわしい人材を継続的に採用することが困難になる場合、既存事業における売上確保や成長戦略の推進に支障が生じるなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。人材確保につきましては、当社グループならびにフランチャイズ加盟法人を含めたチェンリクルートや採用支援、自動車整備士確保の取り組み強化により、人材確保を推進しております。また、ワークライフバランスを重視し、働き方や価値観の多様化に対応した人事制度の構築や労務環境の整備に取り組んでおります。人材育成につきましては、当社グループならびにフランチャイズ加盟法人を含めた人材育成プログラムの充実を図るとともに、自動車整備士資格をはじめとした各種資格の取得を支援する制度を設けているほか、独自のグループ内認定資格を用意するなど役職員に自己研鑽を促し、育成に取り組んでおります。 ⑦商品の開発および調達に関するリスク(影響度:大きい・発生可能性:たまに、リスクマップ⑦)当社グループは、プライベートブランド(PB)の商品開発を行っております。開発においては厳しい基準を設けて品質検査を実施する等、さまざまな取り組みを進めておりますが、PB商品等に起因する事故等が発生した場合、お客様からの信頼失墜を招き、ブランド毀損により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。PBを含めた商品は、国内外より調達を行っておりますが、各国の通商政策、地政学リスクの高まり、自然災害、経済状況の変化などのさまざまな要因によってその商品の調達が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、仕入価格の高騰に伴う小売価格の上昇で商品・サービスに対する需要が後退した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧コンプライアンスに関するリスク(影響度:大きい・発生可能性:たまに、リスクマップ⑦)当社グループは、法令遵守・コンプライアンスに係る問題につき内部統制の整備を図っており、より充実した内部管理体制の確立のため当社グループの内部統制を主管する部門を定め、役員および従業員が高い倫理観に基づいて企業活動を行うよう行動規範と行動指針を制定しています。しかし、役員および従業員による不正行為は完全に回避できない可能性があります。万一、このような事象が発生した場合、当社グループの社会的な信用の低下や、多額の損害賠償の請求など、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対して「行動規範・行動指針」の周知・徹底、店舗運営におけるコンプライアンスチェックプログラムの実行、重大事案報告制度、内部通報制度等の対策によりリスクの極小化に努めております。 ⑨自然災害に関するリスク(影響度:非常に大きい・発生可能性:稀に、リスクマップ⑨)当社グループが店舗を展開する地域および事業関連施設を所有する地域において、地震、台風その他の自然災害が発生し、当該施設への物理的な損傷、または役職員の死亡・負傷による欠員があった場合、商品の損害、売上高の減少、または原状復帰や人員の補充などにかかる費用によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対して当社グループではBCP/事業継続計画を策定し、年2回の訓練実施においてさまざまな災害ケースを想定し実行することで、課題抽出とリスク低減に努めております。 ⑩法規制等の変化によるリスク(影響度:小さい・発生可能性:たまに、リスクマップ⑪)当社グループは、店舗の出店において「大規模小売店舗立地法」により売場面積1,000㎡超の新規出店や既存店舗の増床などについて、騒音、交通渋滞、ごみ処理問題など、生活環境等の法令や条例などの規制を受けております。当社グループは、1,000㎡超の大型店舗を新規出店する際には、出店計画段階から地域環境を十分考慮し、出店地近隣住民や自治体との調整を図りながら出店していく方針ですが、これらの規制に変更等が生じ、新たな法規制等の影響を受けることになった場合には出店を計画通りに進めることができず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪強毒性感染症に関するリスク(影響度:小さい・発生可能性:たまに、リスクマップ⑪)人々の交通インフラの一翼を担う「オートバックス」事業を中核事業とする当社グループは、新型コロナウイルス(COVID-19)のような感染症の流行に備え、お客様・取引先、従業員等の安全を最優先に考えた上で、お客様の安全・安心な車生活を守るため、感染症流行時における人員確保など、営業継続の対策を講じておりますが、感染拡大などの状況に応じて、店舗の休業や営業時間の短縮などの措置をとる可能性があります。この場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、対策備品の配布・備蓄やバックオフィスにおいてリモートワーク等の導入を行い、影響の最小化に努めております。 ⑫個人情報・機密情報管理に関するリスク(影響度:大きい・発生可能性:稀に、リスクマップ⑫)当社グループは、事業の過程において、個人情報や機密情報を保有しています。万一、当社が保有するこれらの情報の漏えい事故等が発生した場合、当社グループの社会的な信用の低下により、業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対して、資料の取り扱いに関する規制や制限を実施しております。特に重要な電子データはアクセス権限設定やパスワード設定、期限設定など対策を厳格に実施しております。 ⑬M&A及び事業ポートフォリオ変革に関するリスク(影響度:非常に大きい・発生可能性:たまに、リスクマップ③)当社グループは、「モビリティライフのインフラ」をグローバルで目指すため、2024中期経営計画を策定し、「タッチポイントの創出」「商品・ソリューションの開発と供給」「新たな事業ドメインの設定」を戦略骨子として掲げ、企業買収や資本提携を積極的に推進することで、事業ポートフォリオの変革に取り組んでおります。その一環として、オートバックス事業と親和性の高い車販売事業やタイヤ販売事業を手掛ける企業を連結子会社化し、関連分野から段階的に事業領域の拡大を進めております。これらのM&Aや事業ポートフォリオ変革の取り組みにおいて、統合・協業が計画通りに進まない場合、当初計画していたシナジー効果が得られず成長が実現しない、または事業統合後の企業文化の融合が不十分であるといった事態が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績および財務状況等に悪影響を与える可能性があります。こうしたリスクに対して、当社グループでは、設定した指標に基づいて投資判断を行うとともに、外部機関も活用して徹底したデューデリジェンスを行い、リスクを事前に洗い出し、対策を講じております。買収後は、グループ一体となったPMI(統合活動)を推進し、シナジーの実現に向けたアクションを実施することで、リスク低減に取り組んでおります。また、事業ポートフォリオについては、戦略にそぐわない低収益事業の縮小・撤退基準を設けて定期レビューを行うとともに、取締役会などの重要会議体で進捗を定期的に確認し、事業環境に応じて施策を更新、追加しております。加えて、海外においてはエリアフランチャイズによる店舗運営から、卸売事業への注力に向けた事業の見直しも進めております。 ⑭固定資産減損に関するリスク(影響度:大きい・発生可能性:稀に、リスクマップ⑫)当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。特に、最近の積極的なM&A活動により、のれんの増加が顕著となっています。今後、これらの買収した事業や既存の店舗等、当社グループが保有する固定資産の収益性が悪化し、帳簿価額が回収可能価額を下回った場合、新たに減損損失を計上することになり、当社グループの業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3)リスク評価プロセス当社のリスク評価は、M&Aや事業ポートフォリオ変革に伴う新たなリスクを含め、18のリスクカテゴリーにおける177のリスク項目について、経営層および管理職によりリスクマップに基づき分析・評価を行っております。毎年、この評価結果と過年度の重点リスク項目のモニタリング結果を基に「リスクマネジメント委員会」でレビューし、翌期の重点リスク項目を選定しリスク管理に取り組んでおります。 ①リスクカテゴリー ②リスクマップ※リスクマップの最大被害額および発生頻度の基準数値は分析・評価のために設定した目安であり、実態を反映したものではありません。

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