事業の概要
- 事業の多角化と構成:ニトリホールディングスは、主に「ニトリ事業」と「島忠事業」の2つの柱で収益を上げています。ニトリ事業では、家具・インテリア用品の開発から製造、販売までを一貫して手掛け、さらに不動産賃貸や物流サービスなども展開しています。島忠事業は、家具・インテリア雑貨に加え、ホームセンター商品の販売も行い、幅広い顧客ニーズに対応しています。
- 海外展開とサプライチェーン:ニトリ事業では、商品の約90%をプライベートブランドとして開発・輸入しており、中国大陸をはじめとするアジア諸国での生産・調達が中心です。これにより、「お、ねだん以上。」の品質と価格を実現しています。海外子会社も多数存在し、グローバルなサプライチェーンを構築することで、効率的な事業運営を図っています。
- 持株会社体制とグループ構成:株式会社ニトリホールディングスが持株会社としてグループ全体を統括し、傘下にニトリ、島忠、ホームロジスティクスなど37の連結子会社と1社の持分法適用会社を擁しています。これにより、各事業の専門性を高めつつ、グループ全体でのシナジー効果を追求する体制が構築されており、多岐にわたる事業活動を効率的に管理しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- ニトリ事業の収益貢献:ニトリ事業は、グループ全体の売上高の大部分を占める主力事業であり、家具・インテリア用品の開発、製造、販売を主軸としています。最新年度の売上高は7,768.35億円、営業利益は1,250.75億円と、圧倒的な収益力を誇ります。この事業は、商品の企画から物流、販売までを一貫して行う独自のビジネスモデルにより、高い利益率を維持しています。
- 島忠事業の展開と規模:島忠事業は、家具・インテリア雑貨とホームセンター商品の販売を手掛けており、ニトリ事業に次ぐ規模を持つ事業です。最新年度の売上高は1,189.64億円、営業利益は21.08億円となっています。この事業は、地域密着型の店舗展開を通じて、幅広い生活用品を提供し、ニトリ事業とは異なる顧客層にアプローチしています。
- 事業構成と地域分布:ニトリホールディングスは、ニトリ事業と島忠事業の二つの主要セグメントで構成されています。ニトリ事業は日本国内だけでなく、台湾や中国、ベトナムなどアジア地域にも展開しており、グローバルな事業展開を進めています。一方、島忠事業は主に日本国内での展開が中心であり、それぞれの事業が異なる市場で収益を上げています。
2024-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| NITORIReportableSegment | 事業 | 7,768 | 1,251 | 16.1% |
| SHIMACHUReportableSegment | 事業 | 1,190 | 21 | 1.8% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は当社と連結子会社38社及び持分法適用会社1社により構成されており、ニトリ事業と島忠事業に区別されております。ニトリ事業では、家具・インテリア用品の開発・製造・販売及びその他不動産賃貸業、広告サービス、物流サービス等を行っております。島忠事業では家具・インテリア雑貨・ホームセンター商品の販売等を行っております。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 当社グループの事業内容及び当社と主要な関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。区分会社名セグメントの名称持株会社 ㈱ニトリホールディングス(当社)ニトリ事業 主な連結子会社 ㈱ニトリニトリ事業㈱島忠島忠事業 ㈱ホームロジスティクスニトリ事業 宜得利家居股份有限公司ニトリ事業 似鳥(中国)投資有限公司ニトリ事業 明応商貿(上海)有限公司ニトリ事業 似鳥(上海)家居有限公司ニトリ事業 似鳥(上海)家居銷售有限公司ニトリ事業 似鳥(太倉)商貿物流有限公司ニトリ事業 NITORI FURNITURE VIETNAM EPEニトリ事業 ㈱ホーム・デコニトリ事業 ㈱ニトリパブリックニトリ事業 他連結子会社26社ニトリ事業/島忠事業持分法適用関連会社 ㈱カチタス中古住宅の再生販売事業 [事業系統図]
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 強い 「お、ねだん以上。」の実現を目指し、商品の約90%をプライベートブランドとして開発輸入しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | ブランド 独自の厳格な品質基準に基づいた商品開発と品質確保、製造物流IT小売業としての優位性。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:為替変動に関するリスク / 商品の海外調達に関するリスク / 品質に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
ニトリは「お、ねだん以上。」のキャッチフレーズで知られるが、これは強力なブランドイメージというよりは、価格と品質のバランスを訴求するメッセージ性が強い。特許や独自IPによる明確な優位性は見られない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
家具やインテリア用品は一度購入すると頻繁に買い替えるものではなく、また、ニトリの製品は比較的手頃な価格帯であるため、顧客が他社へ乗り換える際の心理的・経済的ハードルは低い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ニトリのビジネスモデルは、顧客が増えることで直接的にサービスの価値が向上するネットワーク効果は発生しない。
コスト優位★★★★☆
製造小売(SPA)モデルを採用し、企画・製造・物流・販売まで一貫して自社で行うことで、中間マージンを排除し、徹底したコスト管理を実現している。これにより、同業他社と比較して低価格帯での商品提供を可能にしている。
規模の経済★★★★☆
国内家具・インテリア小売業界において、ニトリは圧倒的な売上規模と店舗網を持つ。この規模を活かした仕入れ力や物流効率は、競合他社に対する大きな優位性となっている。
- 一貫したサプライチェーン:ニトリは商品の企画・開発から製造、物流、販売までを一貫して自社で行う「製造物流IT小売業」というビジネスモデルを確立しています。これにより、中間コストを削減し、高品質な商品を低価格で提供できるコスト競争力を有しています。この独自のビジネスモデルが、他社との差別化に繋がり、顧客からの支持を得ています。
- プライベートブランド戦略:販売商品の約90%をプライベートブランドとして開発・輸入することで、品質管理を徹底しつつ、デザインや機能性を自社の基準でコントロールしています。これにより、市場のトレンドに迅速に対応し、顧客の多様なニーズに応える商品を展開できる点が強みです。また、海外からの直接調達により、コストを抑えつつ安定した供給を実現しています。
- 多角的な事業展開とブランド力:「ニトリ事業」と「島忠事業」の二つの事業軸を持つことで、家具・インテリア用品からホームセンター商品まで幅広い商品群を提供し、多様な顧客層を獲得しています。長年にわたり培ってきた「ニトリ」のブランド力は、顧客からの信頼と認知度が高く、これが安定した収益基盤を支える重要な要素となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「暮らしの豊かさを世界の人々に提供する。」というロマン(志)を社員一人ひとりの行動の原点として共有し、当社グループの力を結集して長期ビジョンの実現に全力を尽くすことを企業活動の指針としております。そのため、グローバルチェーンの確立により、世界のより多くのお客様に、品質が維持された商品をお求めになりやすい価格で提供すること、並びに住空間をトータルコーディネートする楽しさを提案することを基本方針としております。(2) 目標とする経営指標と中長期経営戦略当社グループは、「暮らしの豊かさを世界の人々に提供する。」というロマンを実現するために、中長期ビジョンである「売上高3兆円」の達成に向けた経営戦略を策定しております。当社グループの掲げる壮大なロマンとビジョンを実現するために、事業活動に関わる全ての人々と信頼関係を構築し、「製造物流IT小売業」というビジネスモデルを通じ、社会における共有価値を創出し相互繁栄を図ってまいります。[中長期経営戦略]① 事業領域の拡大と顧客の支持獲得世界情勢の不確実性の高まりや、日本国内の人口減少・少子高齢化・単身世帯や共働き世帯の増加、急激な円安の進行と定着、長く続いたデフレ経済からインフレ経済への転換、食品や原油価格の上昇に伴う生活防衛意識の高まり、テクノロジーの進化による購買行動や価値観の多様化等、大きなビジネス環境の変化に直面しています。既存事業においては、今まで以上に新商品の開発を加速し、魅力ある価格、品質、コーディネートを実現し、客層の拡大と客数の増加を図ってまいります。利用頻度が高いホームセンター事業においては、当社グループの強みを活かしてPB商品の開発を加速し、価格、品質、品揃えにより磨きをかけ、客数の増加を図る一方、ローコストオペレーションを一層推し進めることで利益の拡大に努めてまいります。また、お客様から支持し続けていただけるよう、変容する消費者のニーズ・ウォンツに対応した商品開発や、変わりゆく消費者の買い方に応じた販売方法に変革をしてまいります。② グローバルチェーン展開の加速アジアは当社にとってサプライチェーン上の重要拠点でありますが、経済成長に伴い中間所得層が急速に拡大しており、大きな成長機会を有する市場でもあります。当社は海外販売事業の拡大を成長戦略の柱として位置づけており、2026年3月期は、日本に加えてアジア11か国・地域での事業展開となっております。今後も足元の経済情勢・地政学リスク等外部環境を見極めながら、海外における事業の拡大と収益性の改善を進めてまいります。③ サプライチェーンマネジメント・IT・組織戦略によるビジネス基盤改革長期ビジョンの実現を下支えするビジネス基盤として、創業以来培ってきたサプライチェーン全般を自社ネットワークでコントロールする「製造物流小売業」の姿を、近年いっそう重要性が増すデジタルテクノロジーの活用により「製造物流IT小売業」へと進化させ、さらに発展させてまいります。そして、中長期経営戦略に沿った組織戦略と、従業員のキャリアアップとライフイベントとを両立させる人事制度により、従業員一人ひとりの成長を企業の成長の機動力とし、グループとしてロマン実現と社会貢献を果たしたいと考えております。2026年3月期は、かねてより進めておりました物流戦略プロジェクトにおいて、竣工済の自社DC全6拠点が本格稼働を開始いたしました。物流業界における供給力の逼迫や物流コストの増加が懸念される中、当社グループの持つ店舗網・物流網・自社EC等を戦略的に活用することが一層重要となっております。これらを最大限に活かしたビジネス基盤を構築し、成長を加速させてまいります。④ ビジネス領域拡大に向けたM&A、アライアンスの推進ビジネス領域拡大や垂直的な機能強化の両面からM&Aも視野に入れ、戦略的なアライアンスを模索してまいります。 ⑤ 社会課題解決とロマン実現を両立するサステナビリティ経営「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。(3) 会社の対処すべき課題上記に掲げた中長期経営戦略に加え、喫緊の経営課題を鑑み、下記の優先課題に取り組んでおります。① 安さの実現2026年3月期において、国内ニトリ事業における既存店の買上客数前年比が92.8%と大きく落ち込む結果となりました。食品やエネルギー等の価格上昇により生活防衛意識が高まる中で、消費者の節約志向・低価格指向に充分にお応えできていないことが大きな要因であると認識しております。新規取引先のソーシングを含めた商品開発の強化や、物流コストのコントロール等により原価低減を実現し、売価に還元することで、品質を維持しながら、よりお求めいただきやすい価格を実現し、お客様の暮らしに貢献してまいります。② トータルコーディネートの提供消費者の購買ニーズが多様化する中で、お部屋を自分好みに整えるコーディネートの需要は、今後ますます増加していくことを見込んでおります。お手頃な価格でありながら自分に合った空間を気軽に作ることができる、トータルコーディネートのご提案を強化してまいります。③ 顧客視点・商品が主役の売場改革オンラインとオフラインの融合が進み実店舗の価値が大きく変化する中で、商品を体験する場所としてのご来店動機がより高まっているものと認識しております。ご利用シーンを想起しやすい展示方法の改善や、商品をお試しいただきやすい売場作りを進めてまいります。また、新商品や広告掲載商品をはじめとしたオススメ商品が見つけやすい売場とすることで、お客様の買い物のしやすさと楽しさを両立できるよう努めてまいります。④ 新商品開発の加速商品開発においては、開発から店舗への展開までのリードタイムを短縮することで、お客様が解決したい困りごとにお応えする商品をタイムリーにお届けしてまいります。また、商品開発体制を強化し売場の約3割を新商品が占める状態とすることで、ご来店のたびに新しい商品をご覧いただける売場を実現してまいります。⑤ 在庫管理精度の向上実店舗に対するお客様のご期待の一つとして、ご来店当日に商品をお持ち帰りいただけることがあると考えております。ご来店時の品切れ抑制に取り組む一方、店舗在庫や新商品が増加する中においても、適正水準を維持した在庫管理を推進してまいります。⑥ 海外事業の再成長基盤構築不動産不況をはじめ、事業環境が大きく変化した中国大陸において、2026年3月期までに、不採算店舗の整理を主とした事業構造改革が概ね完了いたしました。また、店舗の適正面積化を推進しております。その一環として、当社グループの提供価値を的確にお伝えしながら収益性を確保したプロトタイプ店舗を開発し、その実験と拡大を国・地域を越えて進めております。これらの取り組みの結果、2027年3月期から海外事業は再拡大フェーズに移行する計画で、早期に海外で年間100店舗出店を実現したいと考えております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「暮らしの豊かさを世界の人々に提供する。」というロマン(志)を社員一人ひとりの行動の原点として共有し、当社グループの力を結集して長期ビジョンの実現に全力を尽くすことを企業活動の指針としております。そのため、グローバルチェーンの確立により、世界のより多くのお客様に、品質が維持された商品をお求めになりやすい価格で提供すること、並びに住空間をトータルコーディネートする楽しさを提案することを基本方針としております。(2) 目標とする経営指標と中長期経営戦略当社グループは、「暮らしの豊かさを世界の人々に提供する。」というロマンを実現するために、中長期ビジョンである「売上高3兆円」の達成に向けた経営戦略を策定しております。当社グループの掲げる壮大なロマンとビジョンを実現するために、事業活動に関わる全ての人々と信頼関係を構築し、「製造物流IT小売業」というビジネスモデルを通じ、社会における共有価値を創出し相互繁栄を図ってまいります。[中長期経営戦略]① 事業領域の拡大と顧客の支持獲得世界情勢の不確実性の高まりや、日本国内の人口減少・少子高齢化・単身世帯や共働き世帯の増加、急激な円安の進行と定着、長く続いたデフレ経済からインフレ経済への転換、食品や原油価格の上昇に伴う生活防衛意識の高まり、テクノロジーの進化による購買行動や価値観の多様化等、大きなビジネス環境の変化に直面しています。既存事業においては、今まで以上に新商品の開発を加速し、魅力ある価格、品質、コーディネートを実現し、客層の拡大と客数の増加を図ってまいります。利用頻度が高いホームセンター事業においては、当社グループの強みを活かしてPB商品の開発を加速し、価格、品質、品揃えにより磨きをかけ、客数の増加を図る一方、ローコストオペレーションを一層推し進めることで利益の拡大に努めてまいります。また、お客様から支持し続けていただけるよう、変容する消費者のニーズ・ウォンツに対応した商品開発や、変わりゆく消費者の買い方に応じた販売方法に変革をしてまいります。② グローバルチェーン展開の加速アジアは当社にとってサプライチェーン上の重要拠点でありますが、経済成長に伴い中間所得層が急速に拡大しており、大きな成長機会を有する市場でもあります。当社は海外販売事業の拡大を成長戦略の柱として位置づけており、2026年3月期は、日本に加えてアジア11か国・地域での事業展開となっております。今後も足元の経済情勢・地政学リスク等外部環境を見極めながら、海外における事業の拡大と収益性の改善を進めてまいります。③ サプライチェーンマネジメント・IT・組織戦略によるビジネス基盤改革長期ビジョンの実現を下支えするビジネス基盤として、創業以来培ってきたサプライチェーン全般を自社ネットワークでコントロールする「製造物流小売業」の姿を、近年いっそう重要性が増すデジタルテクノロジーの活用により「製造物流IT小売業」へと進化させ、さらに発展させてまいります。そして、中長期経営戦略に沿った組織戦略と、従業員のキャリアアップとライフイベントとを両立させる人事制度により、従業員一人ひとりの成長を企業の成長の機動力とし、グループとしてロマン実現と社会貢献を果たしたいと考えております。2026年3月期は、かねてより進めておりました物流戦略プロジェクトにおいて、竣工済の自社DC全6拠点が本格稼働を開始いたしました。物流業界における供給力の逼迫や物流コストの増加が懸念される中、当社グループの持つ店舗網・物流網・自社EC等を戦略的に活用することが一層重要となっております。これらを最大限に活かしたビジネス基盤を構築し、成長を加速させてまいります。④ ビジネス領域拡大に向けたM&A、アライアンスの推進ビジネス領域拡大や垂直的な機能強化の両面からM&Aも視野に入れ、戦略的なアライアンスを模索してまいります。 ⑤ 社会課題解決とロマン実現を両立するサステナビリティ経営「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。(3) 会社の対処すべき課題上記に掲げた中長期経営戦略に加え、喫緊の経営課題を鑑み、下記の優先課題に取り組んでおります。① 安さの実現2026年3月期において、国内ニトリ事業における既存店の買上客数前年比が92.8%と大きく落ち込む結果となりました。食品やエネルギー等の価格上昇により生活防衛意識が高まる中で、消費者の節約志向・低価格指向に充分にお応えできていないことが大きな要因であると認識しております。新規取引先のソーシングを含めた商品開発の強化や、物流コストのコントロール等により原価低減を実現し、売価に還元することで、品質を維持しながら、よりお求めいただきやすい価格を実現し、お客様の暮らしに貢献してまいります。② トータルコーディネートの提供消費者の購買ニーズが多様化する中で、お部屋を自分好みに整えるコーディネートの需要は、今後ますます増加していくことを見込んでおります。お手頃な価格でありながら自分に合った空間を気軽に作ることができる、トータルコーディネートのご提案を強化してまいります。③ 顧客視点・商品が主役の売場改革オンラインとオフラインの融合が進み実店舗の価値が大きく変化する中で、商品を体験する場所としてのご来店動機がより高まっているものと認識しております。ご利用シーンを想起しやすい展示方法の改善や、商品をお試しいただきやすい売場作りを進めてまいります。また、新商品や広告掲載商品をはじめとしたオススメ商品が見つけやすい売場とすることで、お客様の買い物のしやすさと楽しさを両立できるよう努めてまいります。④ 新商品開発の加速商品開発においては、開発から店舗への展開までのリードタイムを短縮することで、お客様が解決したい困りごとにお応えする商品をタイムリーにお届けしてまいります。また、商品開発体制を強化し売場の約3割を新商品が占める状態とすることで、ご来店のたびに新しい商品をご覧いただける売場を実現してまいります。⑤ 在庫管理精度の向上実店舗に対するお客様のご期待の一つとして、ご来店当日に商品をお持ち帰りいただけることがあると考えております。ご来店時の品切れ抑制に取り組む一方、店舗在庫や新商品が増加する中においても、適正水準を維持した在庫管理を推進してまいります。⑥ 海外事業の再成長基盤構築不動産不況をはじめ、事業環境が大きく変化した中国大陸において、2026年3月期までに、不採算店舗の整理を主とした事業構造改革が概ね完了いたしました。また、店舗の適正面積化を推進しております。その一環として、当社グループの提供価値を的確にお伝えしながら収益性を確保したプロトタイプ店舗を開発し、その実験と拡大を国・地域を越えて進めております。これらの取り組みの結果、2027年3月期から海外事業は再拡大フェーズに移行する計画で、早期に海外で年間100店舗出店を実現したいと考えております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日)における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されておりますが、中東情勢や金融資本市場の変動の影響、米国の通商政策をめぐる動向などに注意する必要があります。家具・インテリア業界におきましては、消費者態度指数の回復の遅れにより、特に耐久消費財に対する購買意欲低下の影響を受けております。加えて、業種・業態の垣根を越えた販売競争の激化、人手不足による人件費の高騰、並びに原油価格の高騰に伴う原材料価格及び物流コスト等の増加により、従来にも増して厳しい経営環境となっております。当連結会計年度における主な経営成績は次のとおりであります。 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)売上収益928,828912,248△16,580△1.8営業利益117,665125,5267,8616.7(利益率)(12.7%)(13.8%) 親会社の所有者に帰属する当期利益82,54689,2706,7238.1 セグメント別の経営成績は次のとおりであります。 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)ニトリ事業売上収益820,886816,196△4,690△0.6(外部顧客への売上収益)(809,684)(803,548)(△6,136)(△0.8)セグメント利益118,975118,381△593△0.5島忠事業売上収益119,596110,273△9,323△7.8(外部顧客への売上収益)(119,143)(108,699)(△10,444)(△8.8)セグメント利益△1,2887,2128,500- ① ニトリ事業国内の営業概況といたしましては、当連結会計年度において、ニトリ40店舗、デコホーム22店舗を出店いたしました。売上実績といたしましては、国内既存店の客数が前期比92.8%となり、売上が前期比95.8%となりました。足元における客数の減少は、デザインや機能、価格競争力に優れた新たな商品の開発が十分に進まず、適時に商品提案を行えなかったことにより、お客様の期待に応えられなかったことが要因であると認識しております。この課題を解決し、お客様にご支持いただける商品開発を推進するため、商品部の組織体制を変更し、商品開発の質・量・スピードを一層高める体制を構築しております。加えて、価格競争力の強化に向けた原価低減の取り組みとして、仕様変更による商品切り替えや原材料の見直しに加え、新規サプライヤーの開拓及び既存サプライヤーとの取引条件の見直しを進めるとともに、原材料から自社で製造する体制の整備や、最新設備の導入による生産効率の向上を推進しております。さらに、製造から販売までを一貫して担う製造物流IT小売業である当社の強みをより活かした、商品パッケージの小型化を推進することで、お客様の持ち帰りやすさの向上に加え、輸送コストの削減等も実現しております。引き続き、お客様にとって魅力・価値のある商品開発を加速させるとともに、さらなる安さを実現することで新たな顧客層も含めた「ニトリのファンづくり」に努めてまいります。新商品の販売実績といたしましては、お求めやすい価格帯ながら厚みがあり、寝心地がよいポケットコイルマットレス「ZC001シリーズ」や、毎日の料理や片付けが楽しくなる超軽量フライパン「KY066、KY067シリーズ」などの実績が好調に推移いたしました。家電におきましては、革新的な商品を次々に開発、市場投入し、前期比を上回る実績となっております。中でも、「常識を変える機能」と「衝撃の価格」の両立を目指し開発した、「410L 4ドアファン式冷凍冷蔵庫」や「Mini LED液晶テレビ」の販売実績は好調に推移しております。また、「12kgヒートポンプ式ドラム式洗濯乾燥機ND120HL1」が「家電大賞2025-2026」において総合銀賞を受賞するなど、高い評価をいただいております。さらに、新商品のプロモーション強化を目的として2回目となる新商品展示会を開催いたしました。メディア関係者やインフルエンサーの皆様に新商品を実際に「見て・触れて・体験」していただいたことで、各種メディア等での発信が広がり、認知度向上に寄与いたしました。今後も、定期的な展示会の開催を通じて、さらなる認知度拡大を図ってまいります。販売費及び一般管理費につきましては、将来の成長基盤を強化するための戦略的投資を優先した結果、前期比で増加いたしました。主な要因は、積極的な人材採用や全社的な賃金改定等の人的資本への投資、及び新たな物流センター(DC)稼働に伴う物流インフラへの投資によるものです。一方で、業務の効率化を進めるとともに、不要不急な経費の削減にも継続して取り組んでおります。物流施策といたしましては、川上から川下までの物流機能の全体最適の実現を目的とした物流戦略プロジェクトを推進し、当連結会計年度に、竣工済みの自社DC6拠点全てが本格稼働いたしました。これにより、従来賃借していたDCや発送センターから自社DCへの移転を進めたことで、今後の物流コスト削減が見込まれております。また、デバンニングロボット(荷下ろしロボット)の導入を開始し、作業の自動化による職場環境の抜本的な改善と省人化を目指しております。これらのDC拠点の最適配置と機能集約の整備が概ね進んだことにより、物流経費率につきましては、当連結会計年度でピークアウトする見込みとなっております。海外の営業概況といたしましては、当連結会計年度において、台湾6店舗、中国大陸3店舗、韓国5店舗、マレーシア4店舗、シンガポール3店舗、タイ2店舗、ベトナム1店舗、フィリピン3店舗、インドネシア3店舗の合計30店舗を出店いたしました。中国大陸におきましては、不採算店舗の撤退のほか、新たな出店基準に基づく、適正面積での出店やより良い立地への移転に加え、商品分類別の損益に基づいた売場面積の拡縮を行いました。これらの取り組みを推進した結果、収益性が大幅に改善し、今後の再成長に向けた基盤が整いました。ベトナムや韓国の新規出店店舗におきましては、陳列や演出を重視した新たな売場づくりを行い、お客様からご好評をいただいております。これら店舗の売場スタイルを新たな出店モデルとして位置づけ、各国、各地域へ展開しております。また、海外事業における商品の輸送経路の見直しを実施いたしました。生産工場から店舗までの物流フローを再構築したことにより、物流コストの削減をしております。 ② 島忠事業当連結会計年度におきましては、商品開発と売場改善、コストの見直しを軸に、営業利益の向上に取り組んだ結果、増益となりました。プライベートブランド(以下、「PB」という。)商品の開発を積極的に推進することで、PB商品の売上構成比が前期比で向上し、荒利益率の改善を実現しております。中でも、衣料品分野のPB商品「Neasyシリーズ」が好調に推移しております。引き続き、PB商品の開発を進めるとともに、開発済みのPB商品の品質改善も行い、売上構成比を高めることで、荒利益率の向上を図ってまいります。販売費及び一般管理費につきましては、テレビCMの放映頻度の削減や、チラシのサイズと配布回数の見直しにより、広告宣伝費の最適化を行いました。また、外部委託先から物流子会社であるホームロジスティクスへの配達業務移管(前連結会計年度8月より実施)を通じて、グループ内資源の有効活用を進め、物流経費の削減を実施いたしました。これら各種コストの見直しの結果、販売費及び一般管理費は前期比で減少いたしました。さらに、商品分類別の損益に基づき売場面積の拡縮を行い、一部店舗では捻出されたスペースにおいて、ニトリ店舗の出店や外部テナントの誘致を積極的に実施いたしました。これらに加え、施設ごとの採算の再設計、共用部の活用及び販管費の見直しを一体的に進めた結果、店舗集客力及び収益性が向上し、営業利益の改善に寄与いたしました。今後もお客様の暮らしに密着した「お、ねだん以上。」のPB商品開発を拡大し、より商品力の強化を図ることで、地域のお客様に豊かな暮らしを提供してまいります。 店舗の出退店の状況は次のとおりであります。 2025年3月31日店舗数出店退店2026年3月31日店舗数 ニトリ(EXPRESS含む)5664013593 デコホーム172229185 Nプラス44-1430 国内小計7826236808 台湾686173 中国大陸10032578 香港3--3 韓国5555 マレーシア124214 シンガポール4316 タイ102-12 ベトナム31-4 フィリピン43-7 インドネシア33-6 インド1--1 海外小計2133034209ニトリ事業99592701,017島忠事業53-152合計1,04892711,069 当社グループでは、お買い上げいただけるお客様の数が増え続けることが社会貢献のバロメーターになると考え、より多くのお客様に豊かな暮らしを提供すべく、日本そして世界へと店舗展開を拡大し、グローバルチェーンの整備を進めております。今後も引き続き、お客様数の増加と買い物利便性の向上のため、事業領域と店舗網の拡大を進めてまいります。 (2) 生産、受注及び販売の実績販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)ニトリ事業803,548△0.8島忠事業108,699△8.8合計912,248△1.8 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 (3) 財政状態流動資産は、その他の金融資産が131億29百万円、棚卸資産が94億16百万円、現金及び現金同等物が90億8百万円、それぞれ増加した等により、前連結会計年度末に比べ332億7百万円増加いたしました。非流動資産は、建物及び構築物の増加等により有形固定資産が38億84百万円、持分法で会計処理されている投資が24億91百万円、それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ86億55百万円増加いたしました。これらの結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ418億63百万円増加し、1兆5,712億84百万円となりました。流動負債は、その他の流動負債が24億73百万円、増加した一方で、短期借入金が231億38百万円、営業債務及びその他債務が56億21百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ301億67百万円減少いたしました。非流動負債は、長期借入金が100億円、減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ108億3百万円減少いたしました。これらの結果、当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ409億70百万円減少し、5,827億13百万円となりました。資本は、当期利益892億74百万円の計上等により、前連結会計年度末に比べ828億34百万円増加し、9,885億70百万円となりました。 (4) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローにより1,489億11百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローにより551億3百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローにより865億2百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ90億8百万円増加し、1,450億10百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動の結果獲得した資金は、1,489億11百万円(前連結会計年度は1,443億84百万円の獲得)となりました。これは主として、税引前当期利益1,273億57百万円によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は、551億3百万円(前連結会計年度は1,278億56百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産及び投資不動産の取得による支出414億12百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は、865億2百万円(前連結会計年度は12億95百万円の獲得)となりました。これは主として、短期借入金(3ヶ月以内)の純増減額200億円の減少、リース負債の返済による支出360億66百万円、長期借入金の返済による支出100億円並びに配当金の支払額172億80百万円によるものであります。(資本の財源及び資金の流動性)当社グループの主な資金需要は、商品仕入や販売費及び一般管理費等の運転資金及び出店や物流施設、工場拡張、システム投資等の設備投資資金であります。これらの資金需要につきましては、主に自己資金により賄うことを予定しておりますが、今後のM&A等を検討する場合に借入や社債発行等の資金調達が機動的かつ低コストで行えるよう、充実した内部資金を元とした健全な財務基盤を構築・維持することが重要であると考えております。 (5) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況2027年3月期は、雇用・所得環境の改善や各種政策効果を背景に、我が国の経済及び個人消費は緩やかな回復基調を強めていくことが期待されます。一方で、食品・エネルギー価格等物価上昇に伴う生活防衛意識の高まりにより、消費者の購買行動においては節約志向・低価格指向は継続するとともに、耐久消費財の購入意欲の回復は限定的なものに留まると予測しております。また、足元ではイラン情勢をはじめとする世界情勢の不確実性の高まりにより、事業環境には引き続き不透明な状況が見られます。このような環境下において当社グループは、独自のビジネスモデルである「製造物流IT小売業」を通じて外部環境の変化に柔軟に対応するとともに、社会における共有価値を創出し相互繁栄を図ってまいります。既存事業における魅力ある価格・品質・コーディネートの実現、ホームセンター事業におけるローコストオペレーションの実現、グローバル展開の加速を進めてまいります。また、お客様から支持し続けていただけるよう、変容する消費者ニーズ・ウォンツに対応した商品の開発や、変わりゆく消費者の買い方に応じた販売方法に変革をしてまいります。次期の連結業績見通しは、次のとおりであります。 次期予想当期増減額増減率売上収益(百万円)957,000912,24844,7514.9営業利益(百万円)130,300125,5264,7733.8親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)91,00089,2701,7291.91株当たり当期利益(円)161.05157.983.061.9 (6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。連結財務諸表の作成に用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
事業リスク
- 為替変動による収益影響:ニトリグループは商品の約90%を海外から輸入しているため、為替レートの変動が仕入れコストに直接影響を与えます。特に米ドル高が急激に進むと、輸入コストが増加し、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。為替予約や決済通貨の調整でリスク軽減を図っていますが、完全に回避することは困難です。
- 海外調達におけるサプライチェーンリスク:商品の大半を中国大陸をはじめとするアジア諸国で生産・輸入しているため、自然災害、政治情勢の変動、経済環境の変化、ストライキなどにより、商品供給体制が滞るリスクがあります。これにより、物流の停滞や社員の避難が必要となる場合があり、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 情報セキュリティリスク:ニトリグループは、顧客情報や企業秘密など多くの機密情報を保有しており、情報システムへの不正アクセス、サイバー攻撃、システム障害などが発生した場合、情報漏洩やシステム停止により、事業活動に重大な支障をきたす可能性があります。これにより、企業の信頼性低下や損害賠償責任が発生し、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】(1)当社のリスクマネジメント体制当社は、当社グループ内で発生しうる様々なリスクに対し、発生防止と適切なリスク対応を行うため、2009年に「リスク管理規程」を定め、当社グループの企業価値にマイナスの影響を及ぼす恐れのあるリスクを軽減するため、当社代表取締役社長を最高責任者とし、各グループ会社の社長等を各社のリスクマネジメント責任者とする全社横断的なリスクマネジメント体制を確立しています。また、全社的なリスクマネジメントの向上を図ることを目的に、「リスク・コンプライアンス委員会」、「サステナビリティ経営推進委員会」を設置し、討議部門である「社内役員会」等で審議することにより、それぞれが関係するリスクを管理し、当社グループに影響を及ぼすリスクの特定と評価を定期的に実施しております。<ガバナンス体制図>具体的な活動として、「リスク・コンプライアンス委員会」は、企業価値毀損の未然防止・最小化の視点から、当社グループ全体に内在するリスクとその状態を把握し、当社グループ全社のリスク対策方針の決定や各種ガイドライン設計を行うとともに、毎年当社グループリスクリストを見直ししております。当社取締役会は、リスク・コンプライアンス委員会の取り組みの進捗状況に応じた助言等を行い、(4)重要な事業リスクに記載するリスクを中心に議論のうえ、リスク対策の検討を行っております。 <リスクマネジメント体系図>「サステナビリティ経営推進委員会」は、気候変動をはじめとする環境・社会課題に対し、リスクと機会の観点から、国内のみならずグローバルでのESG課題への対応を進め、ビジネスモデルのレジリエンス強化と企業としての社会的責任を果たすため、各マテリアリティの目標を達成するための取り組みを実施しております。当社取締役会は、サステナビリティ経営推進委員会の取り組みの進捗状況に応じた助言等を行い、当社グループとしての方向性と対応策等を決定しております。これらの活動の他に、3つのディフェンスライン(グループ会社事業部門等を第1ディフェンスライン、グループ各社の管理部門と機能会社を第2ディフェンスライン、内部統制部門を第3ディフェンスライン)の考え方で、個々のリスク管理の担当と役割を定め、現場と経営層がリスク情報を共有するガバナンス体制を構築しています。 (2)当社のクライシスマネジメント体制当社グループでは、大規模な災害や事件・事故等のインシデントが現実に発生した場合に備えるため、2008年に「危機管理規程」を制定し、企業価値の損失を最小限に抑制することを目的に、BCP基本方針を定めております。その基本的な行動指針は、以下のとおりです。1.『お客様、従業員、地域住民の人命尊重を最優先します。』2.『危機発生時においては、可能な限りの安全確保を行い、地域社会貢献のための事業継続をすみやかに再開します。』また、重大インシデント発生時には、当社リスク対策担当執行役員が本部長となる「災害復旧対策本部」または「事件・事故対策本部」を立上げ、初期対応を円滑に進めることで、グループ経営に及ぼす影響を最小限にとどめる体制を整えております。なお、被害の規模が大きい非常事態の場合は、当社代表取締役社長が本部長を担うこととしております。 <クライシスマネジメント体制図> (3)リスクマネジメント評価体制当社グループは、各グループ会社における自律的なリスク管理を基本とし、その中でもリスクの対応状況について、当社取締役会の事前審議機関となる社内役員会等が定期的に監督しております。また、リスク・コンプライアンス委員会は、年度ごとの経営環境の変化に対して、特に影響が大きい(または大きくなる可能性の高い)リスクを「重要リスク」として特定し、社内役員会にて討議の上、当期のグループ重要リスクとして選定しており、そのプロセスは、次のとおりです。 ①リスクの特定・・・時期:7月~9月、全社リスクの網羅的な洗出し ②リスクアセスメント・・・時期:10月~11月、各社各部署のリスクマネジャーによるセルフ評価 ③「重要リスク」の特定・・・時期:12月、重要リスクの選定、社内役員会の事前審議による当社取締役会報告 ④重要リスク対策の策定・・・時期:1月~3月、次年度リスク対応計画策定⑤対応計画の推進・モニタリング・・・時期:翌年度、リスク対策実施状況の四半期評価、半期・期末のモニタリング なお、当社取締役会は、リスク・コンプライアンス委員会からの報告を議論のうえ、年間目標を決定しております。 <リスク評価プロセス>上記、リスク評価プロセスに基づき、特に当社グループの企業価値の損失影響の高いリスクを「重要リスク」としております。2025年度における当社グループが対策を行った「重要リスク」は次のとおりです。<重要リスク> 2025年度(2025年4月1日~2026年3月31日) ①地震・津波リスク②台風・洪水リスク③情報漏えいリスク④サイバー攻撃・システム障害リスク⑤労務管理リスク⑥地政学リスクなお、各社事業部門や各社管理部門における年度経営計画のコミットメント達成を阻害する可能性があるリスクで、「重要リスク」として選定されないリスクについては「機能別リスク」と定め、当該年度に重点的に取り組むものは各社各部署のコミットメントとしてリスク対策のPDCA体制が継続的に行われるように管理を強化しています。<リスクマップ> (4)重要な事業リスク経営者が当社グループの業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりです。ただし、これらは当社グループにかかる全てのリスクや不確実性を網羅したものではなく、現時点において予見できない、あるいは重要とみなされていない他の要因の影響を将来的に受ける可能性があります。当社グループを取り巻くリスクや不確実性に関して、当社グループでは取締役会の事前審議機関となる社内役員会等において定期的に議論し、これらのリスクや不確実性を機会として活かす、あるいは低減するための対応を検討しています。その検討結果は、取締役会へ報告・議論されており、以下に記載したリスクや不確実性には、取締役会における議論も反映しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において、当社グループが判断したものであります。 ①為替変動に関するリスク当社グループは、「使う・買う」立場に立って、全ての商品で「お、ねだん以上。」の実現を目指すため、商品の約90%をプライベートブランドとして開発輸入しております。そのため、外貨建取引について為替予約の実行や、輸入為替レートの平準化を図ることで、仕入コストの安定化を推進しておりますが、各国基軸通貨に対して、米ドル高が急激に進む場合、為替相場の変動が当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループは外貨建取引について為替予約の実行や、海外子会社においては決済通貨を米ドルにすることで、相対的に為替変動を抑えるように努めております。また、「デリバティブ基本方針」に基づき、為替予約を利用したヘッジ取引を機動的に行うことで対応するとともに、当社取締役会にて情報の共有化とモニタリングを実施しております。 ②商品の海外調達に関するリスク当社グループは、適正な品質を維持しながら、どこよりも安い価格で商品を提供するため、販売する商品の大半を、中国をはじめとするアジア諸国等にて生産し輸入しております。そのため、地震、風水害等大規模な自然災害の発生等により、商品供給体制に影響を及ぼすほか、アジア諸国の政治情勢、経済環境、治安状態、法制度に著しい変動があった場合、工場従業員や港湾従業員によるストライキの発生、主要な取引先等を含む、サプライチェーンの寸断等による物流の停滞や社員の避難等により、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループは安定した調達を継続するため、商品毎に生産国の見直しや産地分散、複数のサプライヤーから調達可能な体制を構築しております。危機発生時には、調達先の現状と納入可否の確認を実施するとともに、代用可能な採用実績のある他社相当品への切り替えを検討することで影響を最小限に留めるよう努めております。 ③品質に関するリスク当社グループは、販売する商品について独自の厳格な品質基準に基づき、品質不良や不具合の発生防止を含め、商品の品質確保に万全な対策を講じておりますが、全ての商品において、予想できない品質問題の発生可能性があり、品質問題に起因する当社グループのブランドイメージの低下や社会的信用の失墜による売上の減少や対策コストの発生等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループは品質保証を所管する組織を設置し、独自の厳格な基準に沿った調査を行ったうえで取引先の工場を選定しております。過去の製品リコール事案を教訓として、厳格化した独自の使用制限物質リストを運用するとともに、商品開発部門と品質保証部門が合同で『企画設計評価会』を定常的に開催し、未然防止体制を確立しております。また、新素材・新機能を伴う商品については、この評価会を経ずには商品化されない仕組みとしたうえ、商品の使用上の安全性を確認する「開発技術評価会」と並行して行うことで品質問題の未然防止に努めております。その他の取り組みとして、製造物責任賠償保険に加入する等の対策を講じております。 ④知的財産に関するリスク当社グループでは、第三者の知的財産権を侵害することのないように常に注意を払っておりますが、万が一、当社グループの事業活動が第三者の知的財産権を侵害した場合、第三者から当該事業活動に対する中止要請や、損害賠償を請求されることにより、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対し、当社グループは新たに「知的財産ポリシー」を定めました。国内外で自らが使用するロゴ等の商標登録や、商品等の開発時に必要な調査を実施することにより対策を講じております。また、知的財産権に対する従業員教育等を徹底することにより、未然防止体制の整備・運用改善を図っております。 ⑤人材に関するリスク当社グループでは、製造物流IT小売業としての優位性を確保するため、人材採用と人材育成が重要となります。今後の事業拡大や事業環境変化への対応のためには、多様な社員が活躍するダイバーシティ経営の推進が、中長期ビジョンの実現に向けて経営の重要課題であり、優秀な人材の確保がなかった場合、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、代表取締役 似鳥 昭雄、白井 俊之をはじめとする経営陣は、各担当業務分野において重要な役割を果たしているため、これら役員が業務執行できない事態となった場合には、同様に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループは優秀な人材の確保に向け、多様な人材が活躍し、多様な働き方が実現できるよう労働環境の改善及び整備等、当社グループの魅力を高める取り組みに努めるとともに、役員の業務分掌の見直しや、次期役員候補の育成等の施策に加え、業務の省力化、省人化を実現する先端技術の活用をする等、効率化を図っております。さらに、当社グループは「ニトリグループ人権ポリシー」に基づき、人権侵害や差別・ハラスメントにつながる行為を禁止するとともに、日々の活動において人権を尊重することがグループの事業活動の基盤であり、持続的な成長のために必要不可欠であることを示すために、グループ全体への周知・啓蒙活動に取り組んでおります。 ⑥気候変動に関するリスク当社グループでは、気候変動により近年発生が増加傾向にある台風、集中豪雨等の異常気象により、当社グループが商品を生産・調達・流通・供給する業界が甚大な被害を受けた場合、その復旧まで生産もしくは出荷が長期間にわたり停止する可能性があります。また、冷夏、暖冬、長雨等による異常気象により、商品供給への影響が発生する場合や季節的な要因に左右される商品の売れ行き不振や販売シーズンの経過による商品価値の下落が発生する場合には、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループは安定した調達を継続するため、複数のサプライヤーから調達できるように取り組みを進めており、商品力の強化や商品企画・投入時期の見直しで販売比率を向上させること、及びお客様のニーズに即した商品販売時期の適正化による消化率の向上や在庫の適正化により、収益性の改善を図っております。さらに、当社グループは、気候変動に関する対応を重要な経営課題と捉え、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明するとともに、その枠組みに沿って、2030年度時点、2050年度時点の温室効果ガス排出量削減目標を設定しております。温室効果ガス発生の低減に努めるとともに、共同輸送やモーダルシフト等グリーンロジスティクスの推進や、各拠点への太陽光発電設備の設置拡大、再生可能エネルギー電力の導入、インターナルカーボンプライシング(ICP:社内炭素価格)を踏まえた投資を通じて、サプライチェーンにおけるCO2削減への貢献に努めてまいります。また、具体的な対策につきましては、当社代表取締役社長を委員長とした「サステナビリティ経営推進委員会」と各事業会社の部門責任者を構成員とする「サステナビリティ経営推進会議」において、今後も検討を重ねてまいります。 ⑦自然災害・大規模事故等に関するリスク当社グループでは、日本全国に830店舗以上、また海外においては中国大陸に70店舗以上、台湾に70店舗以上、さらにマレーシア、シンガポール、タイ、韓国、ベトナム、インドネシア、フィリピン、インド等のアジア諸国へ出店を果たしております。その他アジア諸国に商社機能・製造機能・物流機能を有しており、これらの地域において、大規模な自然災害や火災等の重大な事故により店舗、製造工場、物流センター等の設備や棚卸資産、人的資源等に被害が発生した場合には、営業活動に支障が生じ、復旧等のコスト発生により、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループは事業継続計画(BCP)や毎月実施しているリスク・コンプライアンス会議にて、管理体制の整備・構築と運用の遵守・徹底を図っております。また、危機発生時に備え、従業員等の安全確保・安否確認等の初動対応フローの見直し、定期訓練や必要物資等の備蓄対策を実施するとともに、あらゆる事象を想定したリスク・影響度分析に基づく、継続的なPDCAサイクルの実施等、包括的なリスクマネジメント活動を推進し、各種危機に備えております。 ⑧感染症及びパンデミックに関するリスク新型感染症の発生や感染症の世界的流行が発生した場合、国内外の経済活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。最大のリスクは、お客様、従業員、お取引先様が健康被害を受けてしまうことですが、それによる事業の中断や社会的信用が失墜する可能性があるために、当社グループでは、従業員の安全と商品の安定供給を引き続き確保するため、感染症対策に伴う事業環境の急変に最優先に対応しております。その感染拡大等の状況次第では、経済活動がより一層停滞し、需要の減退、サプライチェーンの混乱、当社グループの生産活動への悪影響等、当社グループが事業展開するうえで、重大なリスクに繋がる可能性があり、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対し、当社グループは海外子会社も含むグループ全体の日常の感染症対策として、従業員の基本的な衛生管理の推奨や、多様な働き方を支えるIT環境の整備により、新たな感染症が発生した際にも事業継続とお客様の安全確保が両立できる体制を整えております。また、販売対策として、Eコマース強化、店舗の非接触化・接客省人化、ショートタイムショッピングの推進、OMO(Online Merges with Offline)推進等、消費者の買物に対する意識変化を見極めながら、お客様が安心して買物できる環境の整備に努めております。 ⑨情報セキュリティに関するリスク当社グループでは、製造物流IT小売業という一気通貫のビジネスモデルを活かす独自のIT開発を行っており、そのノウハウ管理や多くの個人情報等を取り扱うため、社内管理体制を整備してその取扱いを厳重に行っております。万が一、コンピューターウイルスやランサムウェア、不正アクセス等のサイバー攻撃、システム障害、 従業員や委託先の管理ミス等の要因により、社内情報や個人情報の漏えい、改ざん、滅失、毀損、またはシステム停止等が発生した場合には、当社グループのブランドイメージの低下や社会的信用の失墜による売上の減少が考えられるほか、調査・復旧対応、関係者対応、法的な責任の追及によるコストの発生等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループは「情報セキュリティ基本規程」に基づく情報セキュリティ活動(教育訓練を含む)を展開し、セキュリティ関連の情報収集に努め、各種セキュリティ対策や監視体制の継続的な強化、基幹系サーバの二重化等の適切なIT管理体制の構築に取り組んでおります。 ⑩M&A、事業提携に関するリスク当社グループでは、事業拡大及び企業価値向上のためにM&A及び事業提携を日々検討しております。特にこれらの経営戦略を実施する場合は、対象会社への十分なデューデリジェンスを実施するとともに、取締役会等にて、出資・取得価額の妥当性について十分に検討したうえで実行することとしております。しかしながら、当該M&Aや資本提携等実施時に見込んだ成果が計画どおりに進捗しないこと等によるのれんや株式取得価額の減損等、当初予期していなかった事業上の問題の発生、取引関連費用の負担等によって当社グループの事業、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある場合、公表している中期経営計画の見直しを行う可能性があります。 ⑪コンプライアンスに関するリスク当社グループでは、コンプライアンスを最優先とした経営を推進しております。しかしながら、商品・サービスや労働・安全、サプライチェーン全体におけるコンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、各種法令に抵触する事態が発生した場合、当社グループのブランドイメージの低下や社会的信用の失墜による売上の減少が考えられ、発生した事象に対する追加的な費用の発生等により、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループはグループ経営の健全性を高めるため、グローバル共通の基本的な姿勢・行動の指針となる「ニトリグループ行動憲章」について、社会情勢や価値観の変化を踏まえた見直しを行ってまいりました。こうした取り組みを通じて、従業員一人ひとりが実践でき、日々の業務の中で迷った際に立ち返ることができる指針として、グループ全体への周知・啓蒙活動に取り組んでおります。また、様々な目的の情報が開示される中、公開される文書やナレーション、映像や画像などの表示物に対するコンプライアンスリスクを回避するため、表示物の作成に関連するすべての部署に表示管理責任者を設置するなど、表示管理体制の再整備を行うとともに、適正な表示指針を示した「ニトリグループ表示ガイドライン」を制定しました。この他、従業員へのコンプライアンス教育の実施、グループ内部通報制度及び協力会社・パートナーに対するアンケートを通じた不適正事案の早期発見と適切な対応等、グループガバナンスの強化に取り組んでおります。