9929

平和紙業(9929)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 和洋紙卸売業
    平和紙業グループは、木材などを原料とする紙や紙加工品の販売を主な事業としています。具体的には、特殊紙を含む幅広い種類の紙を、メーカーから仕入れて顧客に販売する卸売業が中心です。この事業には、商品の物流、保管、紙の加工も含まれており、グループ全体で紙のサプライチェーンを支えています。
  • 不動産賃貸業
    グループは、紙の卸売業に加えて、不動産の賃貸事業も行っています。具体的には、自社で保有する不動産を、連結子会社の平和興産株式会社やその他の取引先に貸し出すことで収益を得ています。これにより、事業の多角化を図り、安定した収益源の一つとしています。
  • 収益構造の柱
    平和紙業グループの収益の大部分は「和洋紙卸売業」から来ており、最新のセグメント実績では売上高が160.22101億円と、全体の約99%を占めています。一方、「不動産賃貸業」は売上高0.09956億円と規模は小さいものの、営業利益率は高く、安定的な収益に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 紙卸売事業
    この事業は、木材などを原料とする紙や紙加工品の販売が主な内容です。平和紙業グループの主力事業であり、最新の年度では売上高が160.22101億円、営業利益が1.21653億円と、グループ全体の収益の大部分を占めています。特殊紙を中心に、国内市場での販売が中心となっています。
  • 不動産賃貸事業
    この事業では、不動産の売買、賃貸借、管理、仲介を行っています。具体的には、自社で保有する不動産を連結子会社や取引先に貸し出すことで収益を得ています。最新の年度では売上高が0.09956億円、営業利益が0.19058億円であり、売上規模は小さいものの、安定した収益源としてグループに貢献しています。
  • 事業構成と地域性
    平和紙業グループは、主に「紙卸売事業」と「不動産賃貸事業」の二つの事業で構成されています。売上高の約94%が国内市場からのものであり、東京、大阪、名古屋をはじめとする全国7拠点に販売・物流網を展開しています。香港にも子会社がありますが、事業の大部分は国内に集中しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PaperWholesale 事業 160 1 0.8%
RealEstateRental 事業 0 0 191.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|441 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社3社により構成されており、木材及びその他の原料から製造された紙、紙加工品等の販売及びこれらに付随する紙、紙加工品等の物流、保管・紙加工業務を行う「和洋紙卸売業」並びに不動産の売買、賃貸借、管理及び仲介を行う「不動産賃貸業」を主たる業務としております。 当社グループの事業内容及び当社と連結子会社の当該事業にかかわる各社の位置付けは次のとおりであります。 (1)和洋紙卸売業 当社及び連結子会社である株式会社辻和並びに平和紙業(香港)有限公司は和洋紙を販売しております。 また、連結子会社である平和興産株式会社は、主として当社及び株式会社辻和の商品の物流、保管、紙加工業務並びに当社及び株式会社辻和以外の取引先についても物流・保管・紙加工業務をおこなっております。 (2)不動産賃貸業 当社は連結子会社である平和興産株式会社及び取引先に不動産賃貸をおこなっております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
コスト上昇分を顧客に負担を依頼する場合があるが、サービスレベル低下のリスクがあるため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
多品種の特殊紙在庫を倉庫に保有し、小ロットで供給するビジネスモデルが新規参入障壁
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:紙需要及び市況の変動リスク / 固定資産や商品在庫の減損リスク / コスト上昇リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

平和紙業は特定のブランドや特許、規制ライセンス等による明確な無形資産の優位性は見られない。一般消費財メーカーのような強力なブランド力や、製薬会社のような特許による独占的なIPは保有していない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

紙製品の卸売業であり、顧客(印刷会社、製本会社等)は特定の紙の種類や品質、納期、価格などを重視する。一度取引が始まると、仕様変更やサプライヤー変更の手間から、一定のスイッチング・コストは存在する可能性があるが、価格競争力や代替品の存在により、その効果は限定的と考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

紙製品の卸売業であり、プラットフォームビジネスのようなネットワーク効果は発生しない。顧客数や取引量の増加が直接的にサービスの価値を高める構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業継続による仕入れルートの確立や、効率的な物流網の構築により、一定のコスト優位性を築いている可能性がある。しかし、同業他社も同様の努力をしていると考えられ、構造的な圧倒的コスト優位性とは言えない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

紙製品卸売業界において、長年の実績と広範な顧客基盤、多様な商品ラインナップを持つことで、一定の規模の経済性を享受していると考えられる。業界内での一定のシェアを維持し、効率的な事業運営を行っていると推測される。

  • 特殊紙の供給力
    平和紙業は、ファンシーペーパーなどの特殊紙を小ロットで供給できる点が強みです。多品種の紙を豊富に在庫として保有することで、幅広い顧客の多様なニーズに迅速に応えることが可能となり、これが他社との差別化要因となっています。この供給力は、顧客からの信頼獲得に繋がっています。
  • 多品種在庫戦略
    同社は、多品種の紙を在庫として多く持つことを重要な戦略としています。これにより、顧客は必要な時に必要な種類の紙を入手でき、利便性が高まります。このビジネスモデルは、新規参入企業が容易に模倣できない障壁となっており、同社の競争優位性を確立しています。
  • 物流・加工機能
    連結子会社の平和興産株式会社が、グループ内の和洋紙の物流、保管、紙加工業務を一手に担っています。これにより、効率的なサプライチェーンが構築され、顧客への安定供給とコスト管理に貢献しています。また、グループ外の取引先にもサービスを提供し、収益源を多様化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針・経営戦略等 当社グループは、「平和を愛し、環境を重んじ、文字文化を通じ、豊かな未来創りに役立つ企業を目指す」ことを社是として掲げ、「仕入先・得意先と共存共栄を旨とし、誠意を持って接する」「常に創意工夫をおこたらず、開拓・開発に進取と挑戦の精神で行動する」を企業理念としています。 当社グループは経営ビジョンに、「お客様に信頼され、社員の働きがいがあり、世界を舞台にして安定的に収益を伸ばせる独創的で魅力的な企業を目指す」ことを掲げております。当社グループにおいては、このビジョンの達成に向けて、社員一人当たりの生産性・効率化を高めることで、収益性の向上と強固な経営基盤の確立を図っています。同時に、当社グループを取り巻くすべての利害関係者の信頼とご期待にお応えすることを経営の基本方針としております。 また、地球規模で気候変動対応が求められる中、特殊紙を中心とする紙の販売・流通を営む当社グループにおいても、環境に配慮した紙『エコロジーペーパー』の開発・販売推進並びに啓発活動に注力することで、地球環境の保全と循環型社会への寄与を図っています。2020年1月には、国連の採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」への当社の対応をまとめ、森林の活性化等をはじめとする環境課題はもちろんのこと、ジェンダーの平等、社員の働きがいといった社会的課題の解決を図りながら、事業を通じて、紙の文化向上と社会貢献ができるよう、企業活動を展開しております。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、本業の紙の販売に関する収益性を判断する観点から、売上高営業利益率を重視しております。加えて、企業価値の観点から株主資本利益率(ROE)、さらに長期的な持続可能性を示す指標として総資産利益率(ROA)を、経営の重要指標として位置づけ、収益力の強化を推進し、バランスの取れた財務体質の強化を目指しております。なお、社内の販売管理においては売上総利益に注視することで、より付加価値の高い商品の販売比率の向上へとつなげています。 また、企業運営においては、フリー・キャッシュ・フローの観点から現預金等の手元資金の水準を常に把握し、適正な範囲内での増減に収まるよう、管理しております。 なお、過去5年間における上記指標の推移は下記の通りです。 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期売上高営業利益率(%) 1.0 0.9 1.0 0.9 0.6ROE(%) 1.0 9.8 1.4 1.2 0.8ROA(%) 0.6 5.2 0.7 0.6 0.4 (3)経営環境及び対処すべき課題 紙・板紙の国内需要は、長期にわたって減少傾向が続いており、デジタル化の進展により、特に印刷・情報用紙の落ち込みが続いています。印刷・情報用紙に関しては、今後も需要の減退トレンドが加速していくことが見込まれます。 世界規模で気候変動に対応することが大きな課題となっている中、消費者の環境意識の高まりに加え、企業も環境への負荷を軽減していくことが社会的な要請となっています。その一環として、脱プラスチック・脱炭素を図るための代替素材として、パッケージ用途を中心に紙の持つ役割が再認識されています。当社の強みを発揮できる高級パッケージや特殊機能が付与されている技術紙を中心に、従来の手法に加えSNS等を活用した販売推進活動も活用しながら、売上の拡大を図ります。また、お客様、お取引先様の諸問題を解決するソリューションビジネスの提供を通じて付加価値を高め、収益性の向上へとつなげることで、外部環境の変化に影響されにくい経営基盤の確立を図っていきます。 経営基盤としては、従業員にとって、より働きやすい職場環境を構築するために、時差出勤やテレワークの併用も行いつつ、事業の効率化を推進するためのIT環境の整備やDX化にも投資を進めます。 引き続き、主力事業である和洋紙卸売業のさらなる強化を推し進めながら、社会における紙需要の変化に対応した新規需要の創出等、新しい取り組みにも挑戦し、サステナビリティ経営の強化にも取り組んでまいります。 ①既存事業の強化 IT化・DX化が加速する中で、「Writing(書く)」「Wrapping(包む)」「Wiping(拭く)」という紙の3機能の中でも、情報を伝達する「Writing」機能としての紙の需要は急速な縮小傾向が続いています。当社グループは、高付加価値の特殊紙を主力としておりますが、商品パッケージ等の「Wrapping」用途や特殊機能が付与されている技術紙分野については、需要の高まりが期待されており、ニッチな市場でのトップ企業群の一社として、既存事業の強化を推し進めております。2026年度は引き続き、高級パッケージや技術紙等、今後も堅調な需要が見込める、あるいは需要増の期待できる領域へ向けた商品シフトを加速していきます。販売推進活動においても、従来通りお客様とのコミュニケーションを大切にしながら、紙の採用決定権を持つデザイン・クリエイティブ部門や企画部門等との関係をさらに強化していきます。また、SNS等のデジタル領域を活用した情報発信を更に強化して需要創造を図っていきます。 環境意識の高まりから脱プラスチック・脱炭素の流れが加速する中で、これまでのプラスチック樹脂やスチール缶等の金属素材を使ったパッケージを、木材由来のカーボンニュートラル性を持つ紙素材に転換する需要が増えてきています。また、需要増が期待できる技術紙を中心とした商品群に経営資源を積極投入し、着実にそうした需要に応えてまいります。 付加価値のある紙については、直接お客様に触れていただくことでその価値を訴求できるという点があり、東京・大阪・名古屋のギャラリー等でのイベント開催を通じて、需要の喚起につなげてまいります。 ②新規取り組みへの挑戦<和洋紙卸売業> 長期的に情報伝達媒体としての紙の需要が減少していくと予測される中、当社を取り巻く事業環境や顧客のニーズも大きく変化し続けています。こうした状況に対応するために、従来の延長線上で物事を捉えるだけではなく、新たな視点から事業環境を見直すべく、当社では事業開発本部を中心とした、「新たな価値・市場・事業の創造」に取り組んでいます。特に、社会における脱プラスチック・脱炭素に向けた動きが加速する中で、当社は、これまでの特殊な紙を扱う企業から、特殊な素材を扱う企業へと裾野を広げられるよう、検討を進めています。社内での新たな取り組みへの挑戦はもちろん、従来の紙販売に近い領域でのM&Aによる成長機会についても引き続き検討していきます。当社の持続的成長に資する案件が出てきた際には、手元資金の水準を見ながら積極的に検討し、事業基盤を拡充してまいります。<不動産賃貸業> 大阪・名古屋地区で保有する固定資産の収益化を進めています。大阪事務所ビル(HSK南船場ビル)については、耐震補強及びリニューアル工事が完了し、その一部を賃貸区分とすることし、2026年4月より一部賃貸区分の賃貸借契約が成立しております。また名古屋地区においては、等価交換により取得したオフィス及び賃貸用住戸の完成引き渡しが2026年2月に完了し、2026年度の収益化を計画しております。また、好立地に位置する物流拠点・倉庫の有効活用を図っており、物流子会社である平和興産株式会社では、一部、外部顧客からの物流の引き受けも開始し、効率的な倉庫運営を図るべく、物流体制の改善に取り組んでいます。不動産の有効活用は順調に進んでおり、今後、適切な追加投資も行いながら、将来的な固定資産の入れ替え等も検討していきます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針・経営戦略等 当社グループは、「平和を愛し、環境を重んじ、文字文化を通じ、豊かな未来創りに役立つ企業を目指す」ことを社是として掲げ、「仕入先・得意先と共存共栄を旨とし、誠意を持って接する」「常に創意工夫をおこたらず、開拓・開発に進取と挑戦の精神で行動する」を企業理念としています。 当社グループは経営ビジョンに、「お客様に信頼され、社員の働きがいがあり、世界を舞台にして安定的に収益を伸ばせる独創的で魅力的な企業を目指す」ことを掲げております。当社グループにおいては、このビジョンの達成に向けて、社員一人当たりの生産性・効率化を高めることで、収益性の向上と強固な経営基盤の確立を図っています。同時に、当社グループを取り巻くすべての利害関係者の信頼とご期待にお応えすることを経営の基本方針としております。 また、地球規模で気候変動対応が求められる中、特殊紙を中心とする紙の販売・流通を営む当社グループにおいても、環境に配慮した紙『エコロジーペーパー』の開発・販売推進並びに啓発活動に注力することで、地球環境の保全と循環型社会への寄与を図っています。2020年1月には、国連の採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」への当社の対応をまとめ、森林の活性化等をはじめとする環境課題はもちろんのこと、ジェンダーの平等、社員の働きがいといった社会的課題の解決を図りながら、事業を通じて、紙の文化向上と社会貢献ができるよう、企業活動を展開しております。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、本業の紙の販売に関する収益性を判断する観点から、売上高営業利益率を重視しております。加えて、企業価値の観点から株主資本利益率(ROE)、さらに長期的な持続可能性を示す指標として総資産利益率(ROA)を、経営の重要指標として位置づけ、収益力の強化を推進し、バランスの取れた財務体質の強化を目指しております。なお、社内の販売管理においては売上総利益に注視することで、より付加価値の高い商品の販売比率の向上へとつなげています。 また、企業運営においては、フリー・キャッシュ・フローの観点から現預金等の手元資金の水準を常に把握し、適正な範囲内での増減に収まるよう、管理しております。 なお、過去5年間における上記指標の推移は下記の通りです。 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期売上高営業利益率(%) 1.0 0.9 1.0 0.9 0.6ROE(%) 1.0 9.8 1.4 1.2 0.8ROA(%) 0.6 5.2 0.7 0.6 0.4 (3)経営環境及び対処すべき課題 紙・板紙の国内需要は、長期にわたって減少傾向が続いており、デジタル化の進展により、特に印刷・情報用紙の落ち込みが続いています。印刷・情報用紙に関しては、今後も需要の減退トレンドが加速していくことが見込まれます。 世界規模で気候変動に対応することが大きな課題となっている中、消費者の環境意識の高まりに加え、企業も環境への負荷を軽減していくことが社会的な要請となっています。その一環として、脱プラスチック・脱炭素を図るための代替素材として、パッケージ用途を中心に紙の持つ役割が再認識されています。当社の強みを発揮できる高級パッケージや特殊機能が付与されている技術紙を中心に、従来の手法に加えSNS等を活用した販売推進活動も活用しながら、売上の拡大を図ります。また、お客様、お取引先様の諸問題を解決するソリューションビジネスの提供を通じて付加価値を高め、収益性の向上へとつなげることで、外部環境の変化に影響されにくい経営基盤の確立を図っていきます。 経営基盤としては、従業員にとって、より働きやすい職場環境を構築するために、時差出勤やテレワークの併用も行いつつ、事業の効率化を推進するためのIT環境の整備やDX化にも投資を進めます。 引き続き、主力事業である和洋紙卸売業のさらなる強化を推し進めながら、社会における紙需要の変化に対応した新規需要の創出等、新しい取り組みにも挑戦し、サステナビリティ経営の強化にも取り組んでまいります。 ①既存事業の強化 IT化・DX化が加速する中で、「Writing(書く)」「Wrapping(包む)」「Wiping(拭く)」という紙の3機能の中でも、情報を伝達する「Writing」機能としての紙の需要は急速な縮小傾向が続いています。当社グループは、高付加価値の特殊紙を主力としておりますが、商品パッケージ等の「Wrapping」用途や特殊機能が付与されている技術紙分野については、需要の高まりが期待されており、ニッチな市場でのトップ企業群の一社として、既存事業の強化を推し進めております。2026年度は引き続き、高級パッケージや技術紙等、今後も堅調な需要が見込める、あるいは需要増の期待できる領域へ向けた商品シフトを加速していきます。販売推進活動においても、従来通りお客様とのコミュニケーションを大切にしながら、紙の採用決定権を持つデザイン・クリエイティブ部門や企画部門等との関係をさらに強化していきます。また、SNS等のデジタル領域を活用した情報発信を更に強化して需要創造を図っていきます。 環境意識の高まりから脱プラスチック・脱炭素の流れが加速する中で、これまでのプラスチック樹脂やスチール缶等の金属素材を使ったパッケージを、木材由来のカーボンニュートラル性を持つ紙素材に転換する需要が増えてきています。また、需要増が期待できる技術紙を中心とした商品群に経営資源を積極投入し、着実にそうした需要に応えてまいります。 付加価値のある紙については、直接お客様に触れていただくことでその価値を訴求できるという点があり、東京・大阪・名古屋のギャラリー等でのイベント開催を通じて、需要の喚起につなげてまいります。 ②新規取り組みへの挑戦<和洋紙卸売業> 長期的に情報伝達媒体としての紙の需要が減少していくと予測される中、当社を取り巻く事業環境や顧客のニーズも大きく変化し続けています。こうした状況に対応するために、従来の延長線上で物事を捉えるだけではなく、新たな視点から事業環境を見直すべく、当社では事業開発本部を中心とした、「新たな価値・市場・事業の創造」に取り組んでいます。特に、社会における脱プラスチック・脱炭素に向けた動きが加速する中で、当社は、これまでの特殊な紙を扱う企業から、特殊な素材を扱う企業へと裾野を広げられるよう、検討を進めています。社内での新たな取り組みへの挑戦はもちろん、従来の紙販売に近い領域でのM&Aによる成長機会についても引き続き検討していきます。当社の持続的成長に資する案件が出てきた際には、手元資金の水準を見ながら積極的に検討し、事業基盤を拡充してまいります。<不動産賃貸業> 大阪・名古屋地区で保有する固定資産の収益化を進めています。大阪事務所ビル(HSK南船場ビル)については、耐震補強及びリニューアル工事が完了し、その一部を賃貸区分とすることし、2026年4月より一部賃貸区分の賃貸借契約が成立しております。また名古屋地区においては、等価交換により取得したオフィス及び賃貸用住戸の完成引き渡しが2026年2月に完了し、2026年度の収益化を計画しております。また、好立地に位置する物流拠点・倉庫の有効活用を図っており、物流子会社である平和興産株式会社では、一部、外部顧客からの物流の引き受けも開始し、効率的な倉庫運営を図るべく、物流体制の改善に取り組んでいます。不動産の有効活用は順調に進んでおり、今後、適切な追加投資も行いながら、将来的な固定資産の入れ替え等も検討していきます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績等の状況<経営成績> 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果等に支えられ、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、アメリカの通商政策の影響や中東情勢等の地政学的リスクによる懸念、物価上昇による個人消費の下振れや金利および為替相場変動等の影響により、景気の先行きは不透明な状況が続いております。 紙パルプ業界におきましては、印刷・情報用紙の構造的な需要減少や物価上昇の継続に伴う需要の冷え込みが依然として続いており、紙・板紙での国内出荷量(日本製紙連合会発表値)は、前年実績を下回りました。 このような中で当社グループは、主力である高付加価値特殊紙の販売強化に加え、成長が期待される高級パッケージ用途や各種技術紙分野、機能紙分野への事業拡大を推進しました。また、展示会、商品説明会、SNS等を活用した継続的な情報発信を強化して、ブランドの認知拡大と新規顧客の獲得に努めました。脱炭素・脱プラスチック・SDGs等の社会要請に対応したサステナブル商材の開発や付加価値創出による新規需要の開拓を進めるとともに、紙・板紙の枠を超えた特殊素材分野への事業展開を図っています。 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高157億96百万円(前期比1.5%減)、経常利益1億46百万円(前期比29.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は78百万円(前期比32.8%減)となりました。 当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は、次のとおりです。なお、以下の数値はセグメント間の取引消去前となっております。[和洋紙卸売業] 和洋紙卸売業は、国内市場では、印刷・情報用紙分野での情報伝達媒体のデジタルシフトによる構造的な需要縮減や物価上昇の継続による個人消費の冷え込みが影響、販売拡大に注力しましたが、対前年で若干の減少となりました。海外市場においては、アメリカの関税措置等の影響もあり、中国および東南アジア市場における販売量が大きく減少し、この結果、売上高は164億4百万円(前期比1.4%減)、営業利益は92百万円(前期比24.2%減)となりました。[不動産賃貸業] 不動産の売買、賃貸借、管理及び仲介で構成される不動産賃貸業は、既存物件における賃貸面積の増加により売上が増加しましたが、大阪事務所ビル(HSK南船場ビル)において当期内に賃貸が成約せず、減価償却費及び管理費が先行して発生、売上高28百万円(前期比8.2%増)、営業利益は7百万円(前期比62.3%減)となりました。<財政状態>[資産] 資産合計は、177億74百万円(前期比1億96百万円減)となりました。 流動資産の減少(前期比11億14百万円減)は、現金及び預金4億49百万円、受取手形及び売掛金6億85百万円の減少が主な要因となっております。 固定資産の増加(前期比9億18百万円増)は、建設仮勘定12億円が減少しましたが、建物及び構築物8億9百万円、土地5億72百万円、投資有価証券6億36百万円の増加が主な要因となっております。[負債] 負債合計は、75億27百万円(前期比5億26百万円減)となりました。 流動負債の減少(前期比6億29百万円減)は、短期借入金の減少5億21百万円が主な要因となっております。 固定負債の増加(前期比1億2百万円増)は、リース債務78百万円が減少しましたが、繰延税金負債1億78百万円の増加が主な要因となっております。 [純資産] 純資産合計は、102億46百万円(前期比3億30百万円増)となりました。 自己株式の取得により92百万円が減少しましたが、その他有価証券評価差額金4億27百万円の増加が主な要因となっております。 (参考)当社単体の和洋紙卸売業の品目別の営業成績品目別前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)増減率(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)ファンシーペーパー3,52223.43,50023.4△0.6ファインボード1,97413.11,88212.6△4.7高級印刷紙3,52323.43,50623.4△0.5ベーシックペーパー3,77425.13,70924.8△1.7技術紙2,07913.82,22514.97.0その他1561.21370.9△12.2合計15,031100.014,961100.0△0.5 [ファンシーペーパー] 多様な色、表面性、風合いを持つ高付加価値特殊紙のファンシーペーパーは、書籍等出版物用途や封筒・カード等の紙製品用途が堅調に推移しましたが、商業印刷、高級パッケージ用途が伸び悩み、売上高は35億円、前期比0.6%の減少となりました。[ファインボード] ファンシーペーパーの厚物(板紙)であるファインボードは、紙製品用途での販売は堅調に推移しましたが、高級パッケージや商業印刷用途が伸び悩み、売上高は18億82百万円、前期比4.7%の減少となりました。[高級印刷紙] 独自の風合いを持ち、通常の印刷用紙より高価格帯の高級印刷紙は、出版物および映像・音楽関連用途、封筒等紙製品用途が増加しましたが、販促用印刷物向けの販売が減少し、売上高は35億6百万円、前期比0.5%の減少となりました。[ベーシックペーパー] 上質紙、塗工紙、色上質紙等の印刷用紙、包装用紙、各種パッケージ向け板紙等で構成されるベーシックペーパーは、パッケージ用途が増加しましたが、商業印刷物、出版物用途の販売が減少し、売上高は37億9百万円、前期比1.7%の減少となりました。[技術紙] 通常の紙にはない特殊機能が付与されている技術紙は、耐水撥水性機能紙や工業製品製造用紙の販売が減少しましたが、合成紙、偽造防止用紙等の販売が堅調に推移し、売上高は22億25百万円、前期比7.0%の増加となりました。[その他] 家庭紙、紙加工品、製紙関連資材等で構成される当区分では、ペーパータオル等家庭紙の販売および製紙関連資材等の販売が減少し、売上高は1億37百万円、前期比12.2%の減少となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて1億79百万円減少し、21億94百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は10億46百万円(前期比301.3%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1億41百万円に減価償却費1億87百万円、売上債権の減少額4億32百万円および棚卸資産の減少額2億22百万円の加算調整を行ったこと等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は3億83百万円(前期比30.8%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出5億13百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は8億38百万円(前期比388.9%増)となりました。これは主に、 短期借入金の減少5億33百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出99百万円、 自己株式の取得による支出92百万円および配当金の支払額1億13百万円によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績該当事項はありません。b.受注実績該当事項はありません。c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比(%)和洋紙卸売業(千円)15,786,63098.5不動産賃貸業(千円)10,295103.4合計(千円)15,796,92598.5(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容<当連結会計年度の財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容> 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」に記載のとおりであります。<経営成績に重要な影響を与える要因> 当社グループは「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、経営環境、事業の内容、事業体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向及び業界動向を注視しつつ、優秀な人材の確保及び適切な教育を実施するとともに、事業体制及び内部管理体制を強化し、社会のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に対し適切な対応を行ってまいります。<セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容> 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」に記載のとおりであります。<経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等> 当社グループは、安定的な収益基盤を構築するため、売上高、営業利益及び収益性を判断する観点から売上高営業利益率を重視しております。また、株主資本利益率(ROE)を重要な指標として位置づけ、総資産利益率(ROA)も意識しております。 当連結会計年度においては、当初2025年5月13日の時点で、売上高が2025年3月期比2.3%増の164億円、営業利益が同13.5%増の1億62百万円と予想し、その達成に努めてまいりました。高付加価値特殊紙の販売強化、高級パッケージ用途や各種技術紙分野および機能紙分野への事業拡大、ブランドの認知拡大と新規顧客の獲得に努めましたが、情報伝達媒体のデジタルシフト進行に伴う構造的な需要縮減が想定を上回って推移したことに加え、アメリカの関税措置による影響等により、中国および東南アジア市場における販売量が減少し、売上高は157億96百万円と、計画比6億3百万円減(3.7%減)、営業利益については99百万円と、計画比62百万円減(38.6%減)となりました。 なお、売上高営業利益率、株主資本利益率(ROE)及び総資産利益率(ROA)については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報<キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容> 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。<資本の財源及び資金の流動性>(a)資本の財源 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの運転資金需要のうち主なものは商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備投資を目的とした資金需要は、主に倉庫等における機械装置等の固定資産購入によるものであります。運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備資金の調達につきましては、自己資金を基本としております。 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は18億33百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は21億94百万円となっております。 (b)資本政策 当社グループが創出したフリー・キャッシュ・フローについては、有事の際に機動的な対応がとれるよう備えつつも、平時においては手元資金の適正な範囲内で、成長投資と株主還元とをバランスよく保ちながら、分配することとしております。 株主還元につきましては安定的な配当として中間配当と期末配当の年2回を基本方針としております。原則として、連結による損益を基礎とし、特別な損益の状態である場合を除き、中間配当と期末配当の年間2回配当を確実に実施することで、安定的・継続的な利益還元に努めていくこととしております。 なお、2026年3月期の連結業績を踏まえ、期末配当については、1株につき6円(年間配当金としては1株につき12円)を2026年6月25日開催予定の定時株主総会の決議事項としております。今後の市場回復傾向や、それに伴う業績の見通しを踏まえながらではございますが、株主の皆様に還元できるよう、努力してまいります。 成長投資については、経営状況を判断しながら、さまざまな施策の優先順位を検討してまいります。特殊紙を中心とする紙の販売・流通を軸としたオーガニックな成長に加え、M&A等による成長機会に関しては、常時、情報を収集し、案件次第で検討してまいります。その際には、当社の事業領域との親和性に加え、事業成長性を重視した上で、成長投資としてキャッシュを一定量振り向ける準備もしてまいります。また、2025年3月に大阪事務所ビル(HSK南船場ビル)の耐震補強工事とリニューアルが完了、その一部を賃貸区分とし、2026年4月より一部賃貸区分の賃貸借契約が成立しております。名古屋地区においても等価交換等により取得したオフィスおよび賃貸用住戸の完成引き渡しが2026年2月に完了し、2026年度の収益化を計画しております。当社グループにおいては、引き続き利益成長を図りながらキャッシュの創出力を高め、資本コストと財務の柔軟性のバランスを考慮した適切な資本構成を維持していく考えです。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 紙需要の変動リスク
    平和紙業グループの売上高の約94%は国内売上であり、国内景気の後退や、出版・広告業界でのデジタル化の進展により、紙媒体からインターネットへの移行が進んでいます。これにより、紙全体の需要が減少する可能性があり、特に印刷・情報用紙の不振が続くと、グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 在庫減損のリスク
    同社は特殊紙を小ロットで供給するため、多品種の紙を大量に在庫として保有しており、商品在庫は総資産の約22%(38億円)を占めています。この戦略は強みである一方、市場の変化や需要の減少により、一部の商品が売れ残る「不動商品」が増加した場合、評価損や減損処理が発生し、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
  • コスト上昇リスク
    製紙メーカーの価格改定による調達コストの上昇に加え、物流業界での人手不足や燃料費の高騰により、物流コストが増加する可能性があります。これらのコスト上昇分を顧客に転嫁できない場合や、サービスレベルの低下により顧客満足度が低下した場合には、グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,124 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関するリスクのうち、当社グループの経営成績及び財務状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。なお、以下に記載したリスクは主要なものであり、これらに限られるものではありません。また、必ずしも以下のリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。(1)紙需要及び市況の変動リスク 当社グループは、特殊紙を中心とする紙の販売を主要事業としております。当社グループの売上高の約95%は 国内売上高が占めており、国内景気の大幅な後退や需要構造の変化等によって国内需要の減少が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。 また、出版業界や広告業界等、さまざまな業界において、従来の紙媒体からインターネットを媒体としたオンラインでの情報伝達・サービス等へと移行が進んでいます。これは、長期間のデフレ進行による消費需要の低迷、少子・高齢化に伴う消費者ニーズの変化、デジタル化、IT技術の進展によるメディアの多様化といったさまざまな要因によるものと考えられます。日本製紙連合会の試算によると、2025年の紙・板紙の内需は、印刷・情報用紙の不振が続き、物価の高騰により消費が停滞し、梱包資材の出荷も振るわなかったことから、紙は前年比4.3%減少し、板紙も前年比1.0%の減少に転じ、縮小しました。2026年についても、引き続き印刷物のデジタル化で印刷・情報用紙が縮減する見通しとなっているほか、コスト削減に伴う需要縮減の影響に加え、物価高騰による消費の減少により、梱包用板紙需要も減少が予測されます。当社が得意とする高級印刷紙等では、インバウンド需要の回復、さらには脱プラスチック・脱炭素を目的とした紙需要の増加等は期待できるものの、紙全体の需要動向が当社の想定以上に急速に、あるいは著しく縮小した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。(2)固定資産や商品在庫の減損リスク 当社グループは、事務所及び倉庫として、土地をはじめとする固定資産を東京・大阪・名古屋に保有しております。また、紙の流通事業者の中でも、当社は、ファンシーペーパー等の特殊紙を小ロットで供給することを強みとし、幅広い顧客に支持されていることから、多品種の紙の在庫を倉庫に保有しており、2026年3月31日現在で当社グループの商品在庫は36億円と、総資産の約21%を占めております。 自社開発商品も含め、在庫を多く持つことは当社の強みを発揮していくための重要戦略の一つでもあり、そうしたビジネスモデルでの展開は新規参入障壁にもなっております。また、2026年2月末の発生した米国・イスラエルとイランとの間の軍事的緊張の高まりや、それに伴うホルムズ海峡の事実上の閉鎖等により、在庫を絞りすぎることによるリスクも顕在化しております。しかしその一方で、多品種を揃えることで、ある一定の不動商品が出るリスクはあり、また、販売に応じた在庫を適正に保つことが重要であるとの考えから、在庫の中身の入れ替えにも注力しております。しかしながら、不回転商品が当社の想定以上に増加した場合には、評価替えや減損等によって、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。(3)コスト上昇リスク 2025年度は、製紙メーカーの価格改定の影響を受け、流通を担う当社の調達コストも上昇しました。また、当社はサプライチェーンの一環で物流業務を外部の専門業者に委託しておりますが、物流業界内での働きやすい環境の構築等により、車両・ドライバー不足や物流コストがさらに上昇する可能性があり、加えて原油価格や為替レートの変動により燃料費が高騰する可能性もあります。物流コストの上昇分は、お客様にご理解いただき、ご負担をお願いさせていただく場合もございますが、これまで通りのサービスレベルでの納品が難しく、顧客満足度が低下した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。 また、昨今のデジタル化等を背景とした情報伝達媒体としての紙需要の減少局面では、製紙メーカーの中では、事業再構築に伴って、老朽化した抄造設備の停機等が進行しています。当社取扱商品の改廃やリニューアルが必要となるケースも出てきており、代替商品の開発や、他の仕入先への切り替え等により仕入れコストが増加し、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。 (4)商品の品質等に関するリスク 当社グループは、販売する商品の特性に応じた最適な品質を確保できるよう、各商品の仕入先・メーカーに厳格な品質管理を要請していますが、予期せぬ仕入先・メーカーの事情により大規模なリコール等に発展する品質問題が発生する場合があります。大規模なリコールや商品の欠陥・品質不良は、その処理に多額のコストが発生し、当社グループの販売商品の信用に重大な影響を与えることとなり、これにより需要が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。(5)資金調達リスク 当社グループでは、運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本に、設備投資の調達については自己資金を基本としていますが、今後、M&Aの検討等も含め、一部資金を金融機関からの長期借り入れや社債の発行等により調達する可能性があります。そのようになった場合、景気の後退、金融市場の悪化、金利の上昇、当社グループの信用力の低下、業績の見通しの悪化等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達を行えない可能性があります。 また、金融機関からの借り入れや社債等には各種のコベナンツ(融資取引における情報開示や財務等の特約事項)が規定されている場合もあり、当社グループの経営成績、財政状態または信用力の低下等の要因で、いずれかのコベナンツへの抵触が不可避な場合には、これらの条項に基づき残存する債務の一括返済を求められる可能性や、金利及び手数料率の引き上げや新たな担保権の設定を求められる可能性があります。これらの要因により、当社グループが今後資金調達を望ましい条件で実行できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。(6)カントリーリスク ウクライナや中東情勢の長期化、米国・イスラエルとイランとの間の軍事的緊張の高まりや、それに伴うホルムズ海峡の事実上の封鎖等、世界的な地政学リスクの高まりにより、原燃料価格の高騰、急激な為替相場の変動、物流費用の増加等が当社の想定を上回った場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。 また、当社グループの連結子会社である平和紙業(香港)有限公司は、米国向け商品に使用する特殊紙を取り扱っていることから、米国による通商政策等の動向が間接的に当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。あわせて、香港の政治・経済・社会情勢の変化や各種法令・規制の変更等による国家収用・送金停止等のカントリーリスクを有しております。香港周辺地域(台湾を含む)において地政学リスクが高まった場合、債権回収や事業遂行において遅延または支障が生じる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。(7)自然災害・感染症等の発生リスク 当社グループは、東京・大阪・名古屋をはじめ全国7拠点に販売・物流網を有し、静岡県富士市にも各拠点の中心となる物流拠点を構えることで事業活動は地域的に分散されており、売上高も地域的な偏在は大きく見られません。しかし、販売・物流拠点の周辺で、大規模な地震、台風・豪雨及び津波・洪水等の自然災害、火災、停電、戦争、情報セキュリティの欠陥、未知の感染症の伝染、テロ攻撃及び国際紛争等が発生し、さらには事業所や倉庫等の物流インフラが被害を受けた場合、復旧のための費用、販売機会損失、商品等への損害等により経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。 また、これらの自然災害または有事等により、当社グループのITシステムに障害等が生じた場合、インターネット関連でのサービス提供が困難となり、当社グループの顧客満足度が低下し、当社グループの業績、事業運営及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、大規模な自然災害等が発生した場合、当社グループの顧客事業の中断並びにイベント活動及び日常消費活動の萎縮等の二次的影響が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。(8)訴訟等のリスク 当社グループは、特殊紙を中心とする紙の流通・販売事業を主に営んでおり、業務の遂行に当たっては、法令順守等コンプライアンス経営に努めておりますが、その事業活動の遂行過程において、当社グループは、お客様、仕入先及び競合他社その他の関係者から、当社グループが提供する商品・サービスの不備、社員の労務管理、個人情報及び機密情報の漏洩または知的財産の侵害等に関する訴訟その他の法的手続きを提起される恐れがあります。また、当局による捜査や処分等の対象となり、これらの法的手続きに関連して多額の費用を支出した場合には、事業活動に支障をきたす恐れがあります。かかる法的手続きは長期かつ多額となることがあり、また、結果の予測が困難となる場合があり、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。

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