事業の概要
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 食材の調達が天候等の自然条件や市況に左右されるため、仕入価格上昇が業績に影響する。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | なし 飲食業であり、特段の参入障壁に関する記述はない。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:新規出店数が計画を下回る可能性 / 賃貸借契約トラブルによる閉店や敷金回収困難 / 食材の品薄・価格上昇、安全性問題による調達支障
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
「餃子の王将」ブランドは長年にわたり親しまれており、高い知名度と顧客ロイヤルティを確立している。特に、独自の調理法や味付けは模倣が難しく、ブランド価値を支えている。店舗数も全国に700店舗以上展開しており、ブランド浸透に貢献。
スイッチングコスト★★☆☆☆
既存顧客は「餃子の王将」の味や価格に慣れており、他社の中華料理店への乗り換えは限定的と考えられる。しかし、外食産業全体としては選択肢が多く、顧客が容易に他店へ移行する可能性も否定できない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
該当するネットワーク効果は見られない。顧客が増えることでサービスの質が向上したり、プラットフォームの価値が高まるような構造ではない。
コスト優位★★☆☆☆
セントラルキッチン方式の導入や、食材の共同仕入れなど、効率化によるコスト削減努力は見られる。しかし、競合他社も同様の取り組みを行っており、圧倒的なコスト優位を築いているとは言えない。
規模の経済★★★☆☆
国内に700店舗以上を展開する規模は、外食産業において一定の規模の経済性を実現している。仕入れや物流における交渉力は、小規模店舗と比較して優位性を持つ。
- 顧客体験の重視王将フードサービスは、お客様の目の前で料理人が調理する「オープンキッチン」にこだわり、強火で鍋を振る音や餃子が焼ける音、立ち上る湯気など、五感で楽しめる「ライブ感」を大切にしています。これにより、単に食事を提供するだけでなく、お客様に「ワクワク感」や「美味しさが倍増する体験」を提供し、他社との差別化を図っています。この独自の価値提供が、顧客満足度を高め、リピーター獲得に繋がっています。
- 人材育成とエンゲージメント同社は「人が価値を創る」という考えに基づき、従業員の「自奮自発の精神」を重視し、人材育成に力を入れています。具体的には、大卒初任給を業界最高水準に引き上げ、各種研修機会(調理実地、接客応対、マネジメントセミナーなど)を豊富に提供しています。これにより、従業員のスキルアップと仕事への情熱(エンゲージメント)を高め、質の高いサービスと料理の提供を実現し、企業の持続的な成長を支える競争優位性を築いています。
- DXによる生産性向上人口減少と少子化による労働力不足が顕著な中、王将フードサービスはデジタル技術を積極的に導入し、生産性向上と顧客利便性の両立を目指しています。自動釣銭機やセミセルフレジの導入、テイクアウトモバイルオーダーの開発に加え、eラーニングによる人材育成や従業員の働き方改革までを視野に入れたDX戦略を推進しています。これにより、人にしかできない「おもてなし」や「価値創造」に注力できる環境を整え、効率的な店舗運営と顧客体験の向上を実現しています。
出典: FY2024 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 顧客満足度を追求する経営王将フードサービスは、「快適な食空間、心温まる接客、そして美味しい料理を高品質かつ低価格で提供し、より多くの人に幸せを感じてもらう」ことを社会的使命としています。この使命を達成するため、「お客様から褒められる店を創ろう!」という経営理念を掲げ、従業員一人ひとりの主体性を尊重し、自己成長を支援することで、真の顧客サービスを追求し実践しています。
- 増収と利益率の向上同社は、美味しい料理を通じて多くの人に幸せを届けるという使命に基づき、着実な「増収」を目標としています。同時に、原価率の適正化とコスト管理を重視し、「売上高営業利益率」を重要な経営指標としています。当期は目標水準の8%を大きく上回る10.1%を達成しており、今後もこの指標を重視しながら、企業価値の向上と安定的な株主還元を目指しています。
- 人材への積極投資とDX推進人口減少と労働力不足が深刻化する中、「人が価値を創る会社」である同社は、人材の確保と育成を最重要課題と位置付けています。具体的には、大卒初任給の引き上げや多様な人材の採用強化、王将アカデミーによる研修機会の提供、そして全企業トップクラスの賃上げを実施しています。また、自動釣銭機やモバイルオーダー導入などのDX推進により、従業員の生産性向上と働き方改革を進め、人にしかできない価値創造を最大化する戦略です。
出典: FY2024 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社の社会的使命は「快適な食空間、心温まる接客、そして美味しい料理は人々を『幸せ』にします。私たちは、それらを高品質で提供しながら、低価格で実現する努力を行う事によって、より多くの人に『幸せ』を感じてもらう事を使命とします。」と定めています。そして、その使命を全うするために『お客様から褒められる店を創ろう!』というわかりやすい言葉を経営理念としております。 お客様から褒められる店舗創りを実現するためには、顧客ニーズをくみ取り、それに応えていく必要があり、そのためには従業員の「考える」「発言する」「行動する」「反省する」という主体性が不可欠です。当社は創業当時よりそうした「自奮自発の精神」を大切にし、従業員が自己成長することをサポートすることで、真のお客様サービスの追求と実践を行ってまいりました。今後もこの精神を伝承し、従業員の成長をもって会社の持続的な成長を実現してまいります。 (2)目標とする経営指標 当社は美味しい料理を提供して、より多くの人に幸せを感じてもらいたいという社会的使命に基づき、着実な「増収」を目標とするとともに、原価率の適正な水準やコスト管理を重視する方針から、「売上高営業利益率」を重要な指標としております。当期の「売上高営業利益率」は8.9%と、目標水準である8%を上回る成果を上げました。 同時に、企業価値のさらなる向上を図るため、将来の事業展開を目的とした設備及び人的資本に対する成長投資を推進するとともに、資本効率を重視し、安定的かつ持続的な配当による株主還元の向上に努めてまいります。 (3)会社の経営戦略・優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①従業員の価値創造力の向上 一人ひとりの従業員が成長し、付加価値を創造するためには、仕事や会社に対するエンゲージメントを高めることが不可欠であると考えています。当社は毎年実施している専門業者による従業員満足度調査を、エンゲージメントを可視化するものとして重視し、その結果を経営に活かすように努めています。調査結果を待遇や労働環境の改善に活かすだけでなく、各種研修を受講する機会が幅広く従業員に提供されています。またアルバイト・パートに対しては、育成を目的としたランクアップシステムを整備しております。こうした機会が、従業員の成長と生産性向上に直接役立つとともに、ワークエンゲージメントの向上に大きく寄与し、それが仕事への情熱や誇り、そしてプロ意識となって、お客様の期待に応える新たな価値創造につながっています。 さらに処遇面でも賃金等の大幅な引き上げを実施しております。当社は継続的な定期昇給に加え、2023年から4年連続となるベースアップを実施し、賞与でも、夏期、冬期賞与以外に、これまで決算賞与、コロナ禍においてはコロナ慰労金、新生活支援金等を支給しております。これに加え、従業員の資産形成を支援するため、譲渡制限付株式の付与や従業員持株会における奨励金の大幅な引き上げも実施しております。こうした継続的な賃上げとともに新卒採用を強化すべく、新卒初任給も大幅に引き上げました。当社で働く魅力を映像コンテンツ等で発信し、学生との寄り添いを重視した会社説明会の開催、社長自らが登壇して就活生と交流するトップセミナーの開催など、多様な採用戦略により、採用ブランディングを高め、インナー採用も継続的に推進し、人材確保に努めております。 これらの人材育成と採用の取り組みに加え、東京都日本橋浜町に、採用・教育一体型の新オフィスを開設いたしました。本オフィスには、調理道場・研修施設・人事部フロアの3つが入っており、東西2拠点において効果的な採用・教育が可能となります。 ダイバーシティにおいては、障害のある社員が能力を最大限に発揮できる職場を作ることを目的に、特例子会社王将ハートフルを設立し、その事業を展開し、障害者雇用に積極的に取り組んでいます。さらに、重要ポジションへの女性の積極登用や、外国人労働者の特定技能制度を活用するなど、当社は多様な人材に活躍の場を提供しております。 ②店舗や工場の積極投資 当社工場における品質と生産性の向上、そして新たな付加価値商品の開発を推進するため、主力工場である久御山工場の麺ラインを最新設備に更新いたしました。そのほか九州工場の餃子成形機を最新設備に更新するとともに札幌工場にも餃子成形機を導入しており、東松山工場においては第53期に向け、蒸し麺ラインの新設を予定するなど、さらなる品質向上に努めております。また原材料の安定供給と品質管理を強化するため、取引先と連携し、定期的に産地を訪問して生産者の方々との協力体制を構築しております。 店舗投資につきましては、海外も含め、東日本エリアを軸に出店を加速させ、1,000店舗達成に向けて取り組んでまいります。それに加えて、省エネ化を含めた既存店の大規模な改装工事を実施し、お客様のみならず従業員にとっても愛着と誇りを持てる店創りを実施してまいります。 また、店舗業務へのデジタル活用を推進しており、自動釣銭機やセミセルフレジの導入、「テイクアウトネット予約システム」の開発など、顧客利便性とともに、省力化や生産効率向上などに役立つデジタル技術の導入を積極的に進めております。また、IT・DX投資においては、社内の基幹システムの更新にあわせて、セキュリティを強化することで、昨今リスクが高まりつつあるサイバー攻撃に備えた「守り」の体制構築を進めております。 一方、AIを活用した「攻め」のDXにおいては、外部専門家を招いた「IT有識者会議」を発足させ、当社のビジネスモデルに合致するIT・AIシステムの開発・導入といった戦略的投資の意思決定を加速させています。AI等のDX投資を一段と拡充させ、精緻なデータに基づいた現場運営を実現することで、当社が強みとしてきた現場力を最大限に発揮できる環境を整備してまいります。当社のDX戦略の最終の目標は、「デジタル技術が創り出す価値」の導入による「人にしか創り出せない価値」の最大化であり、そのための土台であるIT基盤を最適化し、DX戦略を積極的に推進してまいります。 ③商品力の向上 「餃子の王将をもっと美味しくChallenge 2025」と題し、麺のリニューアルを行いました。自社工場で製造される「平打ち麺」は、しっかりとしたコシと、北海道産小麦のコクが味わえる旨麺として大好評でした。また、グランドメニューの改良とともに、お客様に常に新鮮な美味しさをお届けするため季節に合わせた月替わりメニューも充実させています。そして、今期最も注力した活動が、「新極王シリーズ」の開発です。11月の極王餃子の王将ラーメンから始まり、2026年1月から「新極王7(セブン)シリーズ」の販売を開始しました。これらの新商品の販売においては、全国のエリアマネージャーや各店長が徹底的に調理方法や提供方法を学び、それを現場スタッフに確実に浸透させることで、全国どこの店舗でもおいしい商品を提供できる体制が支えられています。 ④ブランド力の強化 2026年3月からオンエアされたCMでは、今年で起用3年目になる佐々木蔵之介さんに加え、新しく飯島寛騎さん、武内おとさんをブランドアンバサダーに起用し、全てのお客さまへのブランド力の強化を図っております。 新CM では、3人のアンバサダーがカーペンターズで有名なジャンバラヤという曲をバックに餃子の王将店舗の明るく、楽しく、来店したくなる雰囲気を伝えています。4つのタイプのCMを制作し、年間販促スケジュールに合わせて展開できるよう工夫すると同時に、女性客や1人客のお客様も来店したくなるCMとなっています。また、テレビCMとは別にテレビ番組への出演、撮影協力、ラジオや新聞、SNSを活用したクロスメディア展開を実施しております。 当社は、「プロの技と、プロの味と、プロの誇りを。次のステージは、挑戦の先にある。」を本年のスローガンに掲げ、QSCのさらなる向上とともに、調理オペレーションの改良や客席レイアウトの変更により料理提供時間の短縮と生産性の向上を図り、お客様がスピード感を実感できる、タイムパフォーマンスの高い店舗創りに努めてまいります。その上で、お客様の体験価値の向上を実現し、収益基盤の一層の強化を図ってまいります。 また、当社ではさまざまな社会課題に対し、食を通じて積極的に取り組んでいくため、特に重要性の高い社会課題項目を8つのマテリアリティ(重点課題)にまとめました。 当社の成長の大前提となる持続可能な社会形成を実現するため、マテリアリティの追求に全社を挙げて取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社の社会的使命は「快適な食空間、心温まる接客、そして美味しい料理は人々を『幸せ』にします。私たちは、それらを高品質で提供しながら、低価格で実現する努力を行う事によって、より多くの人に『幸せ』を感じてもらう事を使命とします。」と定めています。そして、その使命を全うするために『お客様から褒められる店を創ろう!』というわかりやすい言葉を経営理念としております。 お客様から褒められる店舗創りを実現するためには、顧客ニーズをくみ取り、それに応えていく必要があり、そのためには従業員の「考える」「発言する」「行動する」「反省する」という主体性が不可欠です。当社は創業当時よりそうした「自奮自発の精神」を大切にし、従業員が自己成長することをサポートすることで、真のお客様サービスの追求と実践を行ってまいりました。今後もこの精神を伝承し、従業員の成長をもって会社の持続的な成長を実現してまいります。 (2)目標とする経営指標 当社は美味しい料理を提供して、より多くの人に幸せを感じてもらいたいという社会的使命に基づき、着実な「増収」を目標とするとともに、原価率の適正な水準やコスト管理を重視する方針から、「売上高営業利益率」を重要な指標としております。当期の「売上高営業利益率」は8.9%と、目標水準である8%を上回る成果を上げました。 同時に、企業価値のさらなる向上を図るため、将来の事業展開を目的とした設備及び人的資本に対する成長投資を推進するとともに、資本効率を重視し、安定的かつ持続的な配当による株主還元の向上に努めてまいります。 (3)会社の経営戦略・優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①従業員の価値創造力の向上 一人ひとりの従業員が成長し、付加価値を創造するためには、仕事や会社に対するエンゲージメントを高めることが不可欠であると考えています。当社は毎年実施している専門業者による従業員満足度調査を、エンゲージメントを可視化するものとして重視し、その結果を経営に活かすように努めています。調査結果を待遇や労働環境の改善に活かすだけでなく、各種研修を受講する機会が幅広く従業員に提供されています。またアルバイト・パートに対しては、育成を目的としたランクアップシステムを整備しております。こうした機会が、従業員の成長と生産性向上に直接役立つとともに、ワークエンゲージメントの向上に大きく寄与し、それが仕事への情熱や誇り、そしてプロ意識となって、お客様の期待に応える新たな価値創造につながっています。 さらに処遇面でも賃金等の大幅な引き上げを実施しております。当社は継続的な定期昇給に加え、2023年から4年連続となるベースアップを実施し、賞与でも、夏期、冬期賞与以外に、これまで決算賞与、コロナ禍においてはコロナ慰労金、新生活支援金等を支給しております。これに加え、従業員の資産形成を支援するため、譲渡制限付株式の付与や従業員持株会における奨励金の大幅な引き上げも実施しております。こうした継続的な賃上げとともに新卒採用を強化すべく、新卒初任給も大幅に引き上げました。当社で働く魅力を映像コンテンツ等で発信し、学生との寄り添いを重視した会社説明会の開催、社長自らが登壇して就活生と交流するトップセミナーの開催など、多様な採用戦略により、採用ブランディングを高め、インナー採用も継続的に推進し、人材確保に努めております。 これらの人材育成と採用の取り組みに加え、東京都日本橋浜町に、採用・教育一体型の新オフィスを開設いたしました。本オフィスには、調理道場・研修施設・人事部フロアの3つが入っており、東西2拠点において効果的な採用・教育が可能となります。 ダイバーシティにおいては、障害のある社員が能力を最大限に発揮できる職場を作ることを目的に、特例子会社王将ハートフルを設立し、その事業を展開し、障害者雇用に積極的に取り組んでいます。さらに、重要ポジションへの女性の積極登用や、外国人労働者の特定技能制度を活用するなど、当社は多様な人材に活躍の場を提供しております。 ②店舗や工場の積極投資 当社工場における品質と生産性の向上、そして新たな付加価値商品の開発を推進するため、主力工場である久御山工場の麺ラインを最新設備に更新いたしました。そのほか九州工場の餃子成形機を最新設備に更新するとともに札幌工場にも餃子成形機を導入しており、東松山工場においては第53期に向け、蒸し麺ラインの新設を予定するなど、さらなる品質向上に努めております。また原材料の安定供給と品質管理を強化するため、取引先と連携し、定期的に産地を訪問して生産者の方々との協力体制を構築しております。 店舗投資につきましては、海外も含め、東日本エリアを軸に出店を加速させ、1,000店舗達成に向けて取り組んでまいります。それに加えて、省エネ化を含めた既存店の大規模な改装工事を実施し、お客様のみならず従業員にとっても愛着と誇りを持てる店創りを実施してまいります。 また、店舗業務へのデジタル活用を推進しており、自動釣銭機やセミセルフレジの導入、「テイクアウトネット予約システム」の開発など、顧客利便性とともに、省力化や生産効率向上などに役立つデジタル技術の導入を積極的に進めております。また、IT・DX投資においては、社内の基幹システムの更新にあわせて、セキュリティを強化することで、昨今リスクが高まりつつあるサイバー攻撃に備えた「守り」の体制構築を進めております。 一方、AIを活用した「攻め」のDXにおいては、外部専門家を招いた「IT有識者会議」を発足させ、当社のビジネスモデルに合致するIT・AIシステムの開発・導入といった戦略的投資の意思決定を加速させています。AI等のDX投資を一段と拡充させ、精緻なデータに基づいた現場運営を実現することで、当社が強みとしてきた現場力を最大限に発揮できる環境を整備してまいります。当社のDX戦略の最終の目標は、「デジタル技術が創り出す価値」の導入による「人にしか創り出せない価値」の最大化であり、そのための土台であるIT基盤を最適化し、DX戦略を積極的に推進してまいります。 ③商品力の向上 「餃子の王将をもっと美味しくChallenge 2025」と題し、麺のリニューアルを行いました。自社工場で製造される「平打ち麺」は、しっかりとしたコシと、北海道産小麦のコクが味わえる旨麺として大好評でした。また、グランドメニューの改良とともに、お客様に常に新鮮な美味しさをお届けするため季節に合わせた月替わりメニューも充実させています。そして、今期最も注力した活動が、「新極王シリーズ」の開発です。11月の極王餃子の王将ラーメンから始まり、2026年1月から「新極王7(セブン)シリーズ」の販売を開始しました。これらの新商品の販売においては、全国のエリアマネージャーや各店長が徹底的に調理方法や提供方法を学び、それを現場スタッフに確実に浸透させることで、全国どこの店舗でもおいしい商品を提供できる体制が支えられています。 ④ブランド力の強化 2026年3月からオンエアされたCMでは、今年で起用3年目になる佐々木蔵之介さんに加え、新しく飯島寛騎さん、武内おとさんをブランドアンバサダーに起用し、全てのお客さまへのブランド力の強化を図っております。 新CM では、3人のアンバサダーがカーペンターズで有名なジャンバラヤという曲をバックに餃子の王将店舗の明るく、楽しく、来店したくなる雰囲気を伝えています。4つのタイプのCMを制作し、年間販促スケジュールに合わせて展開できるよう工夫すると同時に、女性客や1人客のお客様も来店したくなるCMとなっています。また、テレビCMとは別にテレビ番組への出演、撮影協力、ラジオや新聞、SNSを活用したクロスメディア展開を実施しております。 当社は、「プロの技と、プロの味と、プロの誇りを。次のステージは、挑戦の先にある。」を本年のスローガンに掲げ、QSCのさらなる向上とともに、調理オペレーションの改良や客席レイアウトの変更により料理提供時間の短縮と生産性の向上を図り、お客様がスピード感を実感できる、タイムパフォーマンスの高い店舗創りに努めてまいります。その上で、お客様の体験価値の向上を実現し、収益基盤の一層の強化を図ってまいります。 また、当社ではさまざまな社会課題に対し、食を通じて積極的に取り組んでいくため、特に重要性の高い社会課題項目を8つのマテリアリティ(重点課題)にまとめました。 当社の成長の大前提となる持続可能な社会形成を実現するため、マテリアリティの追求に全社を挙げて取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)経営成績 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や堅調な設備投資を背景に緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、物価高騰の長期化による生活防衛意識の一段の高まりに加え、米国の通商政策を巡る不透明感や地政学リスクの顕在化など、依然として予断を許さない状況が続いています。 外食業界におきましては、インバウンド需要が堅調に推移したこともあり、外食需要は総じて底堅く推移したものの、人件費の上昇や原材料価格の高止まり、さらには店舗建築費・設備費の増大など、さまざまなコストの上昇が収益を下押しする要因となっており、消費者の節約志向の高まりも相まって、収益確保に向けた経営環境は厳しい局面にあります。 こうした厳しい環境下において当社グループは、「快適な食空間」、「心温まる接客」、そして「美味しい料理」をお客様に提供するという社会的使命を全うするため、人的資本や、店舗・工場への投資を積極的に行い、QSCレベルの一層の向上に注力するとともに、各種販売促進施策を継続して実施いたしました。 その結果、当連結会計年度の売上高は4年連続で過去最高を更新し、5年連続で増収を達成いたしました。売上高につきましては、2026年2月まで49カ月連続で同月比過去最高を更新するという極めて力強い成長を実現してまいりました。この間に構築した強固な顧客基盤をベースに、次期以降のさらなる飛躍に向けて邁進してまいります。 営業利益につきましては、コスト上昇の影響を強く受けて減益となったものの、過去最高を記録した前年度の水準を概ね維持し、3年連続で100億円を突破いたしました。 以下、当連結会計年度の主な取り組みと成果について、ご説明をいたします。①QSCの着実な向上「プロの技と、プロの味と、プロの誇りを。おいしい力が、未来を変える。」のスローガンのもと、王将アカデミーによる調理研修、調理知識研修及び調理技能検定試験の実施等を継続し、調理知識・技術の着実な向上を図りました。あわせて資格取得支援制度の拡充を背景に、調理師資格の取得者が84名増加するなど、人材育成の成果が着実に現れております。今後もプロとしての誇りを持ち、さらなる技術の研鑽に努めてまいります。また、「餃子の王将をもっと美味しくChallenge2025」と題し、麺のコシとコク、そして風味を追求した全面リニューアルを行いました。その上で、ラーメンスープに良く絡み、具材に負けない存在感と食べ応えのある「平打ち麺」を新開発し、既存メニューの美味しさという魅力を一層向上させました。接客面では、人にしかできないホスピタリティの習得を目的とした接客応対研修や接客トレーナーの育成を進めてまいりました。あわせて、「プロの料理人」の誇りを体現し、快適な着心地と機能性を併せ持つ新たなキッチンスタッフユニフォームを導入し、現場のパフォーマンス向上に努めました。そして、クレンリネスの面では、清掃マニュアルを着実に実施することにより、徹底した衛生管理を浸透させるとともに、店舗のリニューアルを積極的に実施することで、安心安全で快適な食空間の整備に努めました。②販売促進施策の実施当社の強固な顧客基盤を支える「ぎょうざ倶楽部お客様感謝キャンペーン」におきましては、2025年版にて導入した3段階の会員制度が奏功し、過去最高となる132万名の会員獲得を実現いたしました。続く2026年版でも、オリジナルグッズが好評を博したことに加え、スタンプ数に応じてステップアップする会員制度の魅力も相まって、3月末時点の会員数は前年を上回るペースで順調に推移しており、ロイヤリティの高いファン層をさらに拡大することができました。その他、生ビールキャンペーンを継続的に実施したほか、生餃子セール、スタンプ2倍押しキャンペーン、さらには、日頃より餃子の王将をご愛顧くださっているお客様への感謝の気持ちを込めた「大感謝祭」及び「創業祭」での250円割引券の進呈など、各種販売促進施策を展開いたしました。商品戦略では、1月14日よりプレミアムメニューの「極王シリーズ」として、新たに7商品を発売いたしました。先行して昨年11月より販売している「極王餃子の王将ラーメン」においてもさらなる品質向上を図ったほか、2月からは人気3品を揃えた「新極王人気3品ジャストサイズセット」をお得な価格で提供し、同シリーズの浸透を促進いたしました。一方で、平日の時間帯限定メニューとして、短時間でお得に満足いただける「餃子の王将ランチ」3種を全国販売し、ランチタイムの集客強化を図りました。このように、消費の二極化をにらみ、ワンランク上の価値を提供する「極王シリーズ」から、手軽に楽しめるランチメニューまで、幅広い顧客ニーズに対応した商品戦略を推進してまいりました。③投資の拡大ア.人的資本への投資当社は「人が価値を創る会社」として、持続的な成長の源泉である人的資本への投資に積極的に取り組んでおります。人材の採用におきましては、中期経営計画で掲げる「1,000店舗達成」に向けた最優先課題として、採用競争力の強化を図っております。2025年度の給与改定では、一人当たり平均30,139円(賃上げ率8.2%)の大幅なベースアップを実施するとともに、大卒初任給を300,000円へと引き上げ、業界最高水準の処遇を実現いたしました。また、社長自らが登壇し経営理念を直接伝える「トップセミナー」や、学生との対話を重視した採用活動を展開した結果、2026年4月入社の大卒者数は前年比154%となりました。また、役員面接を継続的に実施し、候補者へ当社の魅力を直接訴求することで、有為な人材の確保に繋げております。人材育成におきましては、前述の研修をはじめとした各種研修プログラムやeラーニングなど、幅広く学べる機会を全従業員に提供しております。特に東日本エリアへの出店加速を人的資源の面から支えるため、東京都中央区に調理技術と教育の拠点となる「調理道場」および「研修施設」を新設し、2026年5月より稼働いたします。採用拠点となる人事部オフィスを併設し、採用から教育までを一気通貫で行える体制を整えることで、次世代を担う人材の早期戦力化を推進してまいります。エンゲージメントの向上におきましては、持続的な成長を支える従業員への還元を積極的に実施しております。賞与については、夏期・冬期ともに労働組合の要求に対し満額以上の回答を行ったほか、従業員2,469名に対する譲渡制限付株式(総額6億82百万円)の交付や、従業員持株会の奨励金割合を拠出額の5%から20%へ大幅に引き上げるなど、従業員の中長期的な価値創造への貢献意欲を高め、資産形成を支援する人的資本投資を積極的に展開いたしました。なお、2026年度の給与改定においても組合要求に満額回答し、一人当たり平均22,594円(5.9%)の賃上げを実施いたします。これにより、直近4年間の累積賃上げ率は約37%に達しており、今後も人材への投資を継続することで、持続的な企業価値の向上に邁進してまいります。イ.設備投資工場におきましては、久御山工場及び東松山工場の異物検査設備を最新鋭に刷新し、品質保証体制を高度化したほか、九州工場の餃子製造ラインを最新設備へ更新し、品質向上と生産能力の増強、製造工程の効率化を図りました。さらに、2026年1月には久御山工場の麺製造ラインの自動化を実施いたしました。品質の向上とともに、生産性の向上とヒューマンエラーに起因するリスク低減を図り、店舗への安定供給体制をより強固なものとしております。新規出店(リロケートを含む)におきましては、当連結会計年度において、2025年5月に「亀戸店」、9月に「阪神尼崎店」、11月に「BLiX茅ヶ崎店」をオープンいたしました。開店以来、客足は好調であり、売上も堅調に推移しております。今後は首都圏への積極展開を予定しており、すでに約300カ所の出店可能立地を精査しております。これを確実なものとするため、前述の新たな人材育成及び採用基盤を最大限に活用し、東日本地区への出店を加速していく方針であります。さらに、海外展開では、2026年4月に海外事業室を新設し、台湾台中市に初出店となる「台中漢神洲際店」をオープンさせるなど、将来の成長に向けたグローバル展開の歩みも進めております。ウ.DX投資DX推進のための投資として、IT基盤の最適化に着手しており、ホストシステムの刷新や基幹システムの見直しを進めております。また、「テイクアウトネット予約システム」をFC加盟店にも順次導入するとともに、公式スマホアプリとの連携により、事前決済時にぎょうざ倶楽部会員の割引機能を追加するなど、さらなる利便性の向上を図ってまいりました。さらに、業務の効率化や顧客利便性の向上のためにはIT分野への積極的な投資が欠かせないことから、ITに関する専門的な知識と経験を有し、客観的な評価や見立てのできる社外の有識者2名を構成員に加えた「IT有識者会議」を取締役会の諮問機関として新たに設置いたしました。こうしたシステム投資の最適化およびイノベーションの実現に向けた体制整備を契機として、今後、DXやAI(人工知能)対応のための投資を加速させてまいります。④サステナビリティの推進2021年より継続している全国の子ども食堂等への「お子様弁当」の無償提供は、累計123万食、3億円規模に達し、地域社会への貢献を深めており、当社店舗が少ない地域などでは、子ども達が当社の餃子を初めて知る機会にもなっています。また、3月の限定メニュー「野菜煮込みラーメン」の売上の一部を、物価高騰により深刻化している貧困問題から子どもたちを守る「セーブ・ザ・チルドレン」の活動へ寄付いたします。能登半島地震の被災地支援におきましては、石川県能登島へのキッチンカー派遣による支援活動を展開したほか、全国の「餃子の王将」において店頭募金を実施し、2025年11月末までの1年10か月間で累計31,778,725円を、日本赤十字社を通じて被災された方々へお届けいたしました。また、ダイバーシティへの対応として、特例子会社王将ハートフルにおいて、障害のある方がいきいきと、そして安全に働ける環境を提供するだけではなく、メンバーの働きがいや自立支援の場として機能させています。その結果、王将ハートフルは、2017年の創業以来業務上無災害を継続し、3,000日以上の業務上無災害を達成しております。気候変動の問題におきましては、TCFD提言に基づき、GHG排出量削減につながる設備の更新等を行うとともに、2024年度の事業活動におけるCO₂排出量(Scope1,2)及びサプライチェーンにおけるCO₂排出量(Scope3)の算定を行い、売上高当たりのCO₂排出量が前年度比で減少していることを確認いたしました。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は、前年同期に比べて58億4百万円(5.2%)の増収で1,168億38百万円となり、過去最高を4年連続で達成し、5年連続で増収となりました。 営業利益は、原材料の高騰や人件費の上昇等があり、前年同期に比べて4億94百万円(4.5%)の減益で104億10百万円となりました。 経常利益は、前年同期に臨時的な保険金収入等があった影響もあり、前年同期に比べて6億9百万円(5.4%)の減益で107億2百万円となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は、上記理由等により、前年同期に比べて6億1百万円(7.5%)の減益で74億70百万円となりました。 当連結会計年度の店舗展開の状況につきましては、直営店2店、FC加盟店6店の新規出店、直営店2店、FC加盟店6店の閉店を行っており、これにより当連結会計年度末店舗数は、直営店551店、FC加盟店177店となり、合計店舗数は728店となりました。 (生産、受注及び販売の実績)① 生産実績 当連結会計年度における生産実績は、主な品目を示すと次のとおりであります。品目当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)生産高(百万円)前年同期比(%)麺類1,2712.0成形餃子7,753△1.7スライス豚肉934△2.6(注) 上記の金額は、製造原価額によっております。 なお、前連結会計年度において、餃子の具、餃子の皮についても生産実績を記載しておりましたが、生産実態 を適切に反映するため、当連結会計年度より成形餃子に一本化して記載しております。 ② 商品仕入実績品目当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)仕入高(百万円)前年同期比(%)酒類2,2547.5清涼飲料水等2576.2合計2,5127.4(注) 上記の金額は、仕入価格によっております。 ③ 受注実績 当社グループは飲食業であり、見込生産によっておりますので、受注高及び受注残高について記載すべき事項はありません。 ④ 販売実績a 形態別販売実績区分当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)店舗数(店)金額(百万円)前年同期比(%)直営店551107,1595.2フランチャイズ加盟店1779,6795.1合計728116,8385.2(注)1 直営店は、直営店舗での中華料理等の販売高であり、フランチャイズ加盟店は、当社からの中華食材等の販売高であります。2 店舗数は、期末日現在のものであります。b 地域別販売実績地域別当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)店舗数(店)売上高(百万円)前年同期比(%)直営店 京都府418,9735.8大阪府11622,0765.8兵庫県398,2987.8滋賀県153,8397.9奈良県153,2274.8和歌山県91,8384.3北海道183,0623.1宮城県3660△1.9東京都6111,2022.1埼玉県284,2873.9千葉県284,7456.3神奈川県367,0494.7群馬県6837△1.9茨城県59463.1栃木県35941.2長野県460913.9新潟県34163.7山梨県12127.1愛知県245,4968.8岐阜県122,3514.5三重県122,4814.7静岡県71,3714.0富山県46924.5石川県81,4653.1福井県47599.0岡山県23609.2広島県61,140△0.1山口県34617.1徳島県22525.3香川県45315.8福岡県194,5446.2熊本県46665.1佐賀県24087.4長崎県45654.5大分県12419.4台湾24875.3小計551107,1595.2 地域別当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)店舗数(店)売上高(百万円)前年同期比(%)フランチャイズ加盟店 京都府52105.3大阪府392,3811.0兵庫県342,3136.1滋賀県6298△4.3奈良県21527.1和歌山県393△3.9宮城県1583.7東京都72877.1茨城県1278.6埼玉県845519.4神奈川県52584.2群馬県526117.8愛知県191,0344.8岐阜県53226.3三重県72977.6福井県2999.6岡山県721214.5広島県41007.1山口県12214.9鳥取県3144△0.4徳島県32247.3香川県31577.3愛媛県26410.8高知県214115.6福岡県231△44.5熊本県12614.8小計1779,6795.1合計728116,8385.2(注)1 一部の複数の地域にまたがって店舗展開をしているフランチャイズ加盟店については、一部店舗の販売金額を当該フランチャイズ加盟店の本店所在地に含めて表示しております。2 直営店は、直営店舗での中華料理等の販売高であり、フランチャイズ加盟店は、当社からの中華食材等の販売高であります。3 店舗数は、期末日現在のものであります。 なお、国内直営店売上についての主な分析は下記のとおりであります。 第51期店内店外別全店売上 売上高(百万円)客数(千人)客単価(円) 構成比店内飲食75,23274.2%68,8221,093テイクアウト・デリバリー26,12825.8%15,3391,703合計101,361100.0%84,1621,204(注)1 店内飲食のお客様がテイクアウトを追加注文された場合など混在した売上は、店内飲食としてカウントしております。2 レジ入力ミス等による売上高の修正は店内飲食に含めております。3 店内飲食は、前年を上回り、過去最高売上となりました。また、テイクアウト・デリバリーについても、「テイクアウトネット予約」を直営全店で導入し、テイクアウト需要の取り込みを強化したことなどにより、前年を上回り、好調を維持いたしました。 第52期店内店外別全店売上 売上高(百万円)客数(千人)客単価(円) 構成比店内飲食81,18076.1%69,8881,162テイクアウト・デリバリー25,49223.9%14,2671,787合計106,672100.0%84,1551,268(注)1 店内飲食のお客様がテイクアウトを追加注文された場合など混在した売上は、店内飲食としてカウントしております。2 レジ入力ミス等による売上高の修正は店内飲食に含めております。3 店内飲食は、前年を上回り、過去最高売上となりました。一方、テイクアウト・デリバリーにつきましては、外部環境の変化に伴い、デリバリー需要が減少した事などにより、前年比で減収となりました。 第51期既存店月別売上構成比 第51期既存店曜日別平均売上対比(月曜日を100として対比)月別売上構成比(%)営業日数 曜日別平均売上対比月火水木金土日祝合計 4月7.84544444130 月曜日100.05月8.23455434331 火曜日100.36月7.94444455030 水曜日106.67月8.14554444131 木曜日102.98月8.73445554131 金曜日119.59月7.83444445230 土曜日157.610月8.03555444131 日曜日158.311月8.23444544230 祝日151.612月8.65544445031 1月9.33454455131 2月8.13344444228 3月9.35443455131 合計100.04351525050515315365 (注)1 新規出店、閉鎖及び改装を行った店舗を除いております。2 元日は祝日としてカウントしておらず、1月2日は土曜日、1月3日は日曜日としてカウントしており、営業日数については営業していない店舗もあります。 第52期既存店月別売上構成比 第52期既存店曜日別平均売上対比(月曜日を100として対比)月別売上構成比(%)営業日数 曜日別平均売上対比月火水木金土日祝合計 4月8.54454444130 月曜日100.05月8.83345544331 火曜日102.46月8.05444445030 水曜日107.97月8.03555444131 木曜日104.38月9.03444555131 金曜日121.99月7.84444444230 土曜日160.810月7.93455544131 日曜日160.511月8.32444455230 祝日152.212月8.45554444031 1月8.93445455131 2月7.73434444228 3月8.75544345131 合計100.04350515250515315365 (注)1 新規出店、閉鎖及び改装を行った店舗を除いております。2 元日は祝日としてカウントしておらず、1月2日は土曜日、1月3日は日曜日としてカウントしており、営業日数については営業していない店舗もあります。 (2)財政状態 当社は、株主還元の更なる強化、及び資本効率の向上を図るため、2025年5月に自己株式4,200千株を144億90百万円で取得するとともに、自己株式5,000千株の消却を実施いたしました。その結果、現金及び預金と利益剰余金等が圧縮され、総資産及び純資産が前連結会計年度末に比べて大きく減少しております。 (資産の部) 当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ115億45百万円(11.9%)減少し、850億87百万円となりました。主な増減要因は次のとおりであります。 流動資産は、前連結会計年度末に比べ132億58百万円(30.8%)減少し、298億33百万円となりました。主な要因は現金及び預金の減少等であります。 固定資産は、前連結会計年度末に比べ17億12百万円(3.2%)増加し、552億53百万円となりました。主な要因は退職給付に係る資産の増加等であります。 (負債の部) 当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ23億77百万円(10.6%)減少し、200億17百万円となりました。主な増減要因は次のとおりであります。 流動負債は、前連結会計年度末に比べ4億4百万円(2.5%)減少し、156億6百万円となりました。主な要因は未払法人税等の減少等であります。 固定負債は、前連結会計年度末に比べ19億72百万円(30.9%)減少し、44億10百万円となりました。主な要因は長期借入金の減少等であります。なお、借入金の残高は30億円となりました。 (純資産の部) 当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ91億68百万円(12.4%)減少し、650億69百万円となりました。主な要因は自己株式の取得144億90百万円による減少等であります。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の76.8%から76.5%となりました。 (3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ135億92百万円減少し、245億27百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。① 営業活動によるキャッシュ・フロー 営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べて5億5百万円(4.5%)減少し、107億9百万円となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益の減少であります。 営業活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、税金等調整前当期純利益105億83百万円に減価償却費32億64百万円を加えた額から法人税等の支払額32億56百万円等を減じた額であります。 ② 投資活動によるキャッシュ・フロー 投資活動の結果使用した資金は、前年同期に比べて1億99百万円(4.4%)増加し、47億74百万円となりました。主な要因は有形固定資産の取得による支出の増加であります。 投資活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、有形固定資産の取得による支出43億56百万円等によるものであります。 ③ 財務活動によるキャッシュ・フロー 財務活動の結果使用した資金は、前年同期に比べて147億12百万円(304.9%)増加し、195億38百万円となりました。主な要因は自己株式の取得による支出の増加であります。 財務活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、長期借入金の返済による支出20億円、自己株式の取得による支出144億90百万円及び配当金の支払額30億48百万円によるものであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、安定した資金調達基盤を維持しつつ、資金効率を重視して資金調達を行う方針としております。当連結会計年度におきましては、潤沢な営業キャッシュ・フローを創出できたことから、新規借入は実行しておりませんが、引き続き事業拡大のための事業投資と人的資本への投資を積極的に行う方針から、資金効率を重視しつつ、今後も必要に応じて最適な資金調達方法を検討し実行してまいります。 なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。 第50期2024年3月期第51期2025年3月期第52期2026年3月期自己資本比率(%)75.076.876.5時価ベースの自己資本比率(%)161.1188.0190.8キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.60.40.3インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)471.8300.8245.9(注) 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。※ キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り等を行っております。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
事業リスク
- 出店計画未達のリスク王将フードサービスは、特に西日本に比べて出店余地が多い関東地域を中心に新規出店を進めていますが、商圏や立地条件、賃料水準などの収益性を重視するため、条件に合う物件を確保できない場合があります。この場合、新規出店数が計画を下回り、売上や利益が計画通りに確保できず、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。同社は専門部署の強化や建築・設備コスト削減でリスク軽減を図っています。
- 賃貸借契約トラブル同社は土地や建物を賃借して店舗を出店するビジネスモデルを基本としているため、賃貸人との契約トラブルのリスクがあります。具体的には、賃貸人の都合で契約が解除されたり更新できなくなったりすると、好調な店舗でも閉店を余儀なくされ、売上減少に繋がる可能性があります。また、賃貸人の財政悪化により、預け入れている敷金や保証金の回収が困難になることで損失が発生するリスクも存在します。
- 食材の安定確保と価格変動食材の産地での事件・事故・災害、異常気象による品薄や価格高騰、豚コレラや鳥インフルエンザなどの食品安全問題は、食材の安定的な確保に支障をきたし、仕入れ価格の上昇や提供できる料理の制約に繋がる可能性があります。これにより、同社の業績に大きな影響を与えるリスクがあります。同社は産地の分散や生産者との連携、代替食材の検討などでリスク軽減を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 当社は、リスクマネジメント規程において、代表取締役社長をリスクマネジメント体制の最高責任者と定め、その直属の組織として、各部室長によって構成されるリスクマネジメント会議を定期的に開催しております。 当会議では、当社グループの事業に関するリスクを総合的に抽出・分析し、重点的に対応すべきと評価したリスクについて、発生の予防策及び発生した場合の対応策の策定を行い、それらの施策の実行状況確認及び是正をしております。 また、当社はリスクが顕在化した場合に備えて危機管理対応に関する諸規程を整備しており、経営危機の発生時には直ちに経営危機対策本部を設置し、迅速かつ適切に対応することで、損失の極小化を図る体制となっております。 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)出店戦略について 当社グループは、現在は西日本と比較して出店余地の多い関東地域を中心に新規出店に取り組んでおりますが、出店にあたっては、商圏・立地条件や賃借料の水準等に基づく店舗の収益性を重視して決定しております。 したがって、条件に合う出店予定地を確保できない場合などにより、新規出店数が計画を下回ると、計画通りの売上利益を確保できないなど、業績に影響を及ぼす可能性があります。 そのため、人材補強等による専門部署の整備により市場分析能力の向上を図り、店舗開発力を強化して計画通りの出店を実現するとともに、出店にあたっては建築・設備コスト及びランニングコストを削減して新店の収益力を高めることで、リスク発現可能性の軽減を図っております。 (2)賃借物件について 当社グループは、土地もしくは建物を賃借して出店するビジネスモデルを基本としているため、賃貸借契約をめぐるトラブルに起因するリスクがあります。具体的には、賃貸人側の事情によって契約が解除または更新不能になった場合には、業績好調な店舗であっても当社グループの計画に拘わらず閉店を余儀なくされる結果、売上高が減少する可能性があります。また、賃貸人の財政状態が悪化した場合には、当社グループが預け入れている敷金・保証金の回収が困難となる結果、差入保証金の回収不能による損失が発生する可能性があります。 ただし、これらが一時期に集中して起きる可能性は低いため、一部店舗においてリスクが発現しても、当社グループの業績及び財政状態に及ぼす影響は極めて限定的であると判断しております。 対応策としては、賃貸人とのコミュニケーションを重視し、契約更新にあたっては期限に十分余裕のある段階から当社グループの意思を伝えて丁寧な交渉を行い、契約更新のトラブルを回避いたします。また、敷金・保証金の回収に関しては、賃貸借契約書に基づく契約満了時の回収や、契約更新協議時における一部回収に努めるほか、事案に応じて賃貸借契約締結時に返還請求権の登記による保全措置を検討するなどして、リスク発現可能性の軽減を図っております。 (3)安全かつ安定的な食材の確保について 食材の産地、当社工場、及び輸送経路に、何らかの事件や事故、災害等による被害が発生した場合や、異常気象、天候不順などの気候変動により食材の極端な品薄や価格の上昇があった場合、並びに地政学的リスクに伴うエネルギー・資材価格の高騰が生じた場合、食材の安定的な確保に問題が生じる可能性があります。 また、豚熱(CSF)や鳥インフルエンザ、残留農薬等に代表されるように、使用している食材にその安全性が疑われる問題が生じた場合、需給関係に変動が生じて食材の調達に支障を来す可能性があります。 こうした場合、提供できる料理の制約や仕入価格の上昇が業績に大きな影響を与える可能性がありますが、食材の調達は常に天候等の自然条件の影響を受け、市況にさらされているため、そのリスクは多少なりとも常時存在していると考えられます。 当社グループにおきましては、上質かつ安定的な国産食材の供給を確保するため、生産者と緊密な連携を実施し、産地を分散する等の工夫を行っており、さらに、産地の巡回、製造委託先に対する定期的な監査と評価の実施、製品規格書の整備、代替食材選定の検討等を実施し、リスク発現可能性の軽減を図っております。 (4)自然災害の店舗・工場運営及び本社への影響について 当社グループが出店、操業している地域やその周辺地域における大型の台風や地震等の自然災害により、店舗・工場の設備や電気・ガス・水道などのインフラの損傷、配送やサプライチェーンの分断、また従業員が出勤できない等の事情が発生すると、店舗・工場が正常な運営を継続できなくなる可能性があり、被害が広域で甚大である場合には、営業活動の休止が長期にわたる可能性があります。 近年、頻発している大雨や大型台風などの異常気象に対しては、本社、店舗、工場ごとに、大規模災害発生時の事業継続と損失軽減のための計画を策定しております。 具体的には、店舗・工場の耐震化やITインフラの冗長化等の対策とともに、災害時における従業員の出退勤や店舗の営業継続に関する判断基準の作成、従業員の安否確認・連絡網と避難場所の周知等により、お客様と従業員の安全を最優先とし、さらに、食材産地の分散化と被災工場をカバーする生産・供給体制の構築、借入枠の設定による被災時の資金面の手当など、事業継続または早急な事業再開につなげる体制作りを行っております。 (5)気候変動への取り組みとTCFDへの対応 近年、世界的規模でエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策のための法規制等、気候変動抑制のための動きが強まっておりますが、気候変動問題は当社が目指す持続可能な社会の実現、及び事業の持続可能性の追求に重大なダメージを与えるリスクであると認識しております。 そのため、当社グループは、サステナビリティビジョンの1つとして、「地球環境の保全」を掲げ、サステナビリティのための活動の一環として積極的な取り組みを開始いたしました。実例をあげますと、レジ袋については、植物性由来の素材を含んだプラスチック製への切り替えを実施、「バイオマスプラスプーン」、「プラスチックレンゲ」を有料化するとともに、「ストロー」の素材をプラスチックから紙に、「使い捨てミニスプーン」はプラスチックから金属製のデザートスプーンに変更いたしました。また、環境配慮設計等によるエネルギーコストの削減や、AIを利用した配送編成により配送距離を適正化し、DXによりトータル物流業務時間を短縮するとともに、製品化率の引き上げにより食材ロスを削減するなど、カーボンニュートラルに向けた積極的な取り組みを図っております。 さらに、気候変動に係るリスク及び機会が当社グループの事業活動や収益等に与える影響について必要なデータの収集と分析を行い、TCFD提言に沿った取り組みを進めております。 (6)消防法、建築基準法等について 当社グループは消防法、建築基準法及び都市計画法等による規制を受けておりますが、店舗内で調理を行う関係上、常時発生しているリスクとして、店舗での不慮の火災発生があります。 リスクが発現し、当社グループ店舗において火災による死傷事故等が発生した場合、当社グループの信用低下とともに、損害賠償請求等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 そのため、当社グループでは直営全店に自動消火設備を設置するとともに、防火対策についてマニュアルを整備して社員教育を徹底し、とりわけお客様や従業員の生命や身体に被害が及ばぬように、年に2回の消防訓練を行うなど、リスクの軽減を図っております。また、店舗・工場等の建物・設備に対する火災保険や事業総合賠償責任保険に加入するなど、リスク発現時の損失の補填対応を行っております。 (7)食品衛生法について 当社グループの事業においては、食品衛生法に基づき、飲食提供に際して食品衛生責任者を設置して法令違反のないよう監督を行う必要があり、営業にあたっては食品衛生法第55条の規定により都道府県知事の許可を受けなくてはなりません。さらに、食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年法律第46号)により、営業許可制度の見直し及び営業届出制度の創設が施行、新たに従来の32業種以外の業種に関しての届出制度が創設され、HACCPに沿った衛生管理が制度化されたため、これらに対しても規定に従った運用・監督を行うことが義務付けられております。その他、食品用器具・容器包装におけるポジティブリスト制度の導入、アレルゲン、消費期限等安全性に関わる食品表示法違反による回収情報の届け出義務化、遺伝子組み換え表示制度における任意表示に対応するための体制を整えております。 また、・食中毒、異物の混入等、健康に影響を及ぼす事故等を起こした場合、若しくはその恐れがある場合・法令若しくは条例によって規定された食品及びその表示、施設内外の清潔保持に係る規格・基準に違反する場合・厚生労働大臣の命令により禁止された食品等を取り扱った場合・業務を行う役員が食品衛生法第55条第2項第1号若しくは第2号に該当した場合・許認可に際して付けられた条件に反した場合・食品衛生法第60条の取消事由に該当した場合などには、一定期間の営業停止、営業の全部若しくは一部禁止、又は営業許可の取消を命じられることがあります。 上記の事案については、常時存在しているリスクであり、リスクが発現した場合には、営業停止等の処罰はもちろん、食材の廃棄損や営業停止に伴う売上高の減少、さらに近年ではSNSでの情報の拡散もあり、当社グループの社会的信用の低下を招いて企業イメージを大きく損ない、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。 そのため、当社グループでは、店舗や工場における食材の管理・取扱い、及び設備機器・従業員等の衛生状態について常に最大限の注意を払うとともに、定期的に厳格な衛生検査を実施する等の対応を行い、リスクの発現可能性を軽減しております。 店舗においては、直営店舗は西日本・東日本衛生管理課のスタッフ、FC店舗はショップアドバイザーがそれぞれ自主衛生チェック・店舗巡回指導及び異物混入対策講習等を実施し、HACCP制度に沿った衛生管理体制の整備、専門業者による定期的な害虫・害獣駆除の実施に加え、異物混入防止を含む各種マニュアルを策定し、適切に運用・遵守するとともに異物混入時の対応フロー体制の構築、年2回の検体提出(検便)、定期健康診断の実施等、衛生管理体制の強化を図っております。 工場においては、FSSC22000・ISO9001・HACCP・JFS-B規格の取得と継続維持、従業員に対しての食品衛生法及びその他関連法規に関する勉強会・モラル教育の実施、各工場のフードセキュリティ・フードディフェンスの強化、衛生問題や事故発生時を想定したシミュレーション訓練の実施、製造機器及び資材からの異物混入防止のための危害分析による危害の抽出・排除とメンテナンスカレンダーの運用、さらにBCP(事業継続計画)の策定を行っております。 以上のとおり、当社グループは、食品衛生法に係るリスクを発現させないための徹底した取り組みを全社的に行っております。 (8)店舗における酒類提供について 当社の店舗において、20歳未満の者であることを知っての酒類提供及び車両等で来店されていることを知っての酒類提供等が発生した場合、当社グループ及び従業員は20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律や道路交通法違反等の罪に問われ、店舗は営業停止処分等を課されるリスクがあります。また、これらの違反が報道やSNS等で情報拡散され当社グループのブランドイメージが損なわれると、長期的な業績の下振れ要因になる可能性があります。 酒類を提供している店舗において、リスクが顕在化する可能性は常時あることから、当社グループでは酒類を注文されたお客様全員に対し、車両等の運転をしての来店でないこと、及び20歳未満の者でないことの確認を行っており、毎日の朝・夕礼においてその徹底を指導しております。さらに、飲酒運転、20歳未満の者への酒類提供禁止の確認バッチ着用や啓蒙ポスターの掲示、コンプライアンス研修時の酒類提供に関する確認テストの実施など、常に注意喚起を行ってリスク発現可能性の軽減を図っております。 (9)法的規制等の強化に関するリスク 当社グループは、上記の法令の他、食品の表示については食品衛生法以外にも食品表示法、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)等の規制を受け、また、フランチャイズ・チェーン運営に関しては私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)及び中小小売商業振興法等の規制を受けております。その他、環境への意識の高まりを背景に、食品循環資源の再利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環促進法)等が適用されるなど、様々な法的規制を受けております。 今後、社会環境の変化等により新たな法律の施行や法令の改正等を通じて規制が強化され、対応するための費用が必要となる場合は、当社グループの業績が費用増加による影響を受ける可能性があります。また、新たな法的規制への対応が遅れ、違反する事態となれば、当社グループに対する法的な制裁を受けるのみならず、社会的評価を落とし、大きな経済的損失に発展する可能性があります。 そこで、当社グループでは、法律の制定・改正情報の配信サービスの活用、公的機関による関係法令に関する説明会やフォーラムへの参加、各省庁のウェブサイト内の法規制に関連する通達の閲覧、法規制に関する社内勉強会の開催等を通して、関係法令の改正について情報収集に努めており、業務との関連性を常に調査し確認することで、リスク発現可能性の軽減を図っております。 (10)重要な訴訟事件等について 当社グループは、契約締結時の審査体制や決裁手続きに関する規程を定めてこれを遵守しており、契約に関するリスクを適切に管理できる体制を構築しておりますが、事業を遂行していくうえで、お客様、取引先、フランチャイズ加盟店等、利害関係人との間で契約上のトラブルによる紛争になった場合、契約上の責任に加え、訴訟のための時間と費用、訴訟の内容によってはブランドイメージが低下する等、業績に影響を及ぼす可能性があります。 そのため、商取引においては書面でのやりとりや契約書の締結により曖昧な点をなくして紛争の未然防止を図るとともに、利害関係者と十分な意思確認を行うことで、リスク発現可能性の軽減を図っております。 (11)固定資産の減損会計適用について 当社グループが保有する固定資産を使用している店舗の営業損益に悪化が見られ、回復が見込まれない場合、もしくは不動産の時価が著しく下落した場合には、当該固定資産について減損会計を適用し、減損損失を計上しております。 中食市場との競合、少子高齢化による需要の減退、人手不足等による人件費単価の上昇などの要因により事業環境は引続き不透明であるため、減損損失を計上するリスクが翌期においても相応にあるものと認識しております。また、営業収支の悪化に減損損失が重なった場合には業績に与えるインパクトが増幅する可能性があります。 そのため、当社グループは、王将アカデミーによる社員の教育を通したQSCの基礎的レベルの向上や、店舗の生産性の引き上げ、販売促進の様々な営業施策の継続的な実施等により、各店舗の収益力を強化し、リスク発現可能性の軽減を図っております。 (12)人材確保・育成について 就職活動の早期化が進む一方、通年採用への動きが見られる等、企業にとって人材の確保のための新たな対応を迫られる状況に置かれております。特に当社グループの場合、多彩なメニューの調理技術、オリジナルメニューの考案力、接客技術及び店舗マネジメント力その他IT分野における専門性など、社内で求められるスキルを身に付けた人材を育成するには数年を要するため、従業員の計画的な採用及び育成が不可欠です。 従業員の採用と育成が順調に行かずに人的資源の不足を招いた場合、新規出店の鈍化と店舗のQSCレベルの低下、IT分野では、当社システム開発の停滞等を招き、当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。 そのため、当社グループは、時代に即した採用チャネルと採用方法の見直しや、採用公式ベージの刷新に着手しております。さらに、当社アルバイトからのインナー採用も推し進めることで、外部と内部の両輪で採用活動の強化を図っております。その上で、大卒初任給は300,000円と業界最高水準にまで高めました。また、研修・教育機関として社内に「王将アカデミー」を設置して店舗運営に必要なスキルとルールのマニュアル化と、各等級の期待役割に応じたスキルを習得させるための一貫した研修体制を構築しております。「王将アカデミー」の調理部が運営する「王将調理道場」では、調理実地研修により社員の調理技術の向上に努めるとともに、調理知識研修も並行して開講し、美味しい料理の提供に最善を尽くしています。その上で、コロナ禍以降、新たにリモート研修も導入し、パートタイマーも含めた従業員の受講機会を一気に拡大いたしました。こうした採用の強化と、各種研修の充実により従業員の成長を促すことで、店舗における上記リスク発現可能性の軽減を図っております。 (13)労務管理について 当社グループにおいて、適切な労務管理体制の構築や維持が困難となった場合、人材の流出や定着率の低下を招くほか、労使紛争や訴訟等へと発展した場合には、当社グループのブランドイメージが毀損し、営業活動や今後の 採用活動に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、これらのリスクを低減するため、適切な労務管理の徹底に加え、以下の対策を講じております。・社内体制および通報窓口の整備「ハラスメント防止に関する細則」を制定・周知し、発生時の対応や再発防止策、対応窓口を明確化しております。また、社内相談窓口に加え、外部機関や弁護士を窓口とする内部通報制度を構築し、従業員が安心して相談できる環境を整備しております。・教育・研修の徹底全従業員や各階層を対象に、労務管理およびハラスメント防止をテーマとしたコンプライアンス研修を定期的に開催し、労務問題の発生予防に努めております。・多様なハラスメントへの対応店舗等におけるカスタマーハラスメントから従業員およびお客様を守るため「カスタマーハラスメント対策マニュアル」を策定・周知しているほか、健全な採用活動を担保するため「就活ハラスメント対策マニュアル」を策定し、採用に関わる全社員への教育を実施しております。 (14)個人情報について 当社グループは、事業遂行上、顧客、株主、取引先担当者、従業員、採用応募者、懸賞応募者等、多くの個人情報を取り扱っており、特に「餃子の王将公式スマホアプリ」や「テイクアウトネット予約」のリリースによって顧客のデジタル情報が増加傾向にあります。個人情報に係るリスクは常時存在していると考えられ、不測の事態等により個人情報が外部に漏洩した場合、社会的信用の低下や損害賠償請求による経済的損失が発生して、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。 そのため、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)の内容を踏まえ、個人情報の社内取扱責任者による監督、アクセス制御、管理・取扱区域の制限等の安全管理措置と個人情報の取扱いについて定めた社内規程を整備し、これを全社的に厳格に運用することでリスク発現可能性を軽減するとともに、事故発生時の危機管理体制を構築して、リスク発現時の損失を最小限とする対策を図っております。 なお、当社の各種システムについては、不正アクセス防止を含めた高度なセキュリティ対策を実施しております。 (15)サイバーセキュリティについて 当社グループは、DXの推進等に伴い事業活動における情報システムへの依存度が高まっており、高度化・巧妙化するサイバー攻撃を主要な経営リスクと認識しております。万一、不正アクセス等によるデータの流出や、ランサムウェアによるシステムの停止等が発生した場合、社会的信用の失墜や損害賠償の発生、さらには事業中断等により、グループの業績や財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります 。これに対し、当社グループではアクセス権限の厳格化をはじめとする防御力強化に努めるほか、端末監視ツールの運用や外部専門組織との連携による早期検知・遮断体制を確立しております 。また、定期的な模擬攻撃テストやメール訓練を通じて全社的な対応力を向上させるとともに、万一の侵入を前提とした独立バックアップ環境や復旧手順の整備を行うなど、実効性の高いセキュリティ体制の維持・高度化に継続して取り組んでおります。 (16)フランチャイズ・チェーン展開について 当社グループの売上高の1割弱はフランチャイズ加盟店に対する当社工場からの食材等の出荷売上であり、フランチャイズ加盟店はフランチャイズ基本契約に基づいて、当社グループの店舗ブランド名で営業を行っております。そのため、一度に多数のフランチャイズ基本契約が解消された場合には当社グループの売上に直接影響を与え、またフランチャイズ加盟店において不祥事や業績悪化による信用不安が発生した場合には当社グループ全体のブランドイメージに影響を与える可能性があります。 こうしたリスクは潜在的には常に存在しているため、当社グループではフランチャイズ加盟店の状況把握とサポートを最重要の対策と位置づけております。具体的な取組みとしては、フランチャイズ加盟店経営者との定期的な面談や財務状況の把握、加盟店が抱える課題の解決を全社的にバックアップできるような組織体制にしております。西日本・東日本営業本部の中に西日本・東日本FC営業部を組み入れ、ショップアドバイザーがFC店舗を巡回して直営店と同様のQSCチェックを行うとともに、王将アカデミーによる調理等の研修を受講する機会を提供して、王将スタンダードの徹底を図り、ブランド価値の維持向上に努め、リスクの発現可能性の軽減を図っております。 さらに契約満了で後継者がいないFC加盟店を直営店に移行、もしくは他のFC加盟店オーナーに事業承継して、これまでの固定客を維持しながら店舗価値の引き上げを図るなど、FC加盟店を含めたチェーン全体としての店舗展開を進めてまいります。