事業の概要
- 石油・天然ガス開発石油資源開発グループは、日本国内外で原油や天然ガスの探鉱・開発・生産・販売を一貫して行っています。特に海外では、リスク分散のため他社との共同事業形態を取りながら、北米、欧州、中東などで事業を展開しており、これが主要な収益源となっています。
- インフラ・ユーティリティ事業国内では、自社生産の天然ガスに加え、輸入LNGを原料とした気化ガスを製造し、総延長800km超のガスパイプライン網を通じて需要家へ販売しています。さらに、発電事業や再生可能エネルギー開発、蓄電池事業にも取り組んでおり、エネルギー供給の多角化を進めています。
- その他事業子会社を通じて、油田・ガス田の掘削・改修作業、物理探鉱作業、物理検層・マッドロギング作業といった専門的な技術サービスを提供しています。また、石油製品の製造・販売も行っており、グループ全体の事業を多方面から支える役割を担っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 日本事業国内では、原油・天然ガスの生産に加え、輸入LNGを原料とする気化ガスを製造し、総延長800km超のガスパイプライン網を通じて販売しています。発電事業や再生可能エネルギー開発も手掛け、2798.83億円の売上と449.85億円の営業利益を上げており、グループの主要な収益源の一つです。
- 北米事業米国テキサス州・オクラホマ州、コロラド州・ワイオミング州でタイトオイル・ガスの開発・生産を行っています。また、テキサス州のフリーポートLNGプロジェクトにも参画しており、557.05億円の売上と211億円の営業利益を計上し、海外E&P事業の重要な柱となっています。
- 欧州・中東事業欧州ではノルウェー領海で原油・天然ガスの探鉱開発・生産を行い、191.81億円の売上と55.93億円の営業利益を上げています。中東ではイラクのガラフ油田で原油生産を行い、343.11億円の売上と41.54億円の営業利益を計上しており、これらの地域も海外事業の収益に大きく貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Japan | 地域 | 2,799 | 450 | 16.1% |
| NorthAmerica | 地域 | 557 | 211 | 37.9% |
| Eourope | 事業 | 192 | 56 | 29.2% |
| MiddleEast | 事業 | 343 | 42 | 12.1% |
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3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社32社及び関連会社19社(2026年3月31日現在)により構成されており、「E&P事業」「インフラ・ユーティリティ事業」「その他の事業」を事業内容の区分とし、国内での事業活動に加え、海外においては事業拠点ごとに設立されたプロジェクト会社により事業活動を展開しております。また、海外において原油・天然ガスの探鉱開発事業を行うにあたり、他社との共同事業形態をとることによりリスクの分散化を図っております。当社グループは事業拠点別のセグメントから構成されております。各事業セグメントの事業内容及び当社と関係会社の位置付けは次のとおりであります。事業セグメント事業内容日本(1)E&P事業当社及び連結子会社の日本海洋石油資源開発㈱は、国内において原油・天然ガスの生産を行っております。また、連結子会社の北日本オイル㈱は、当社の原油を購入し販売しております。(2)インフラ・ユーティリティ事業当社は、当社グループが生産する国産天然ガスに加え、相馬LNG基地及び日本海エル・エヌ・ジー㈱新潟基地において輸入LNGを原料とする気化ガスを製造し、これらのガスを、当社が保有する総延長800km超のガスパイプライン網を通じて沿線地域の需要家に販売しております。連結子会社の白根瓦斯㈱及び関連会社の東北天然ガス㈱は、当社より卸供給を受けてガスの販売を行っており、また、連結子会社の秋田県天然瓦斯輸送㈱は、当社が秋田県内で販売するガスの輸送を行っております。北海道では、勇払LNG受入基地において内航船及びタンクローリーにより原料を受け入れ、その気化ガスを、国産天然ガスとともに道内需要家に販売しております。加えて、当社及び一部の関係会社では、パイプライン沿線以外の地域における天然ガスの需要に対応するため、タンクローリー及びタンクコンテナを利用したLNGサテライト供給を行っております。また当社は、託送供給依頼者に対し、当社導管を利用した託送供給サービスを提供しております。関連会社の福島ガス発電㈱(以下、「FGP」)は、相馬LNG基地に隣接する福島天然ガス発電所において発電事業を行っております。当社は、FGPに発電を委託しており、当該電力を、主として他の小売電気事業者に販売しております。また当社は、FGPより、同発電所が燃料として使用するLNGの気化業務を受託しております。ガス事業や電力事業に必要となる原燃料LNGを安定的に調達するため、当社は、調達先や契約条件の多様化に努めております。これに加え、当社では再生可能エネルギーの開発及び蓄電池事業に取り組んでおります。関連会社の(同)網走バイオマス第2発電所及び(同)網走バイオマス第3発電所は、北海道産の国内材木質チップを発電燃料としたバイオマス発電を行っております。関連会社の大洲バイオマス発電㈱を営業者とする匿名組合は、当社より燃料供給を受けてバイオマス発電を行っております。(3)その他の事業連結子会社のエスケイエンジニアリング㈱は、当社等から坑井の掘さく作業及び改修作業を請け負っております。連結子会社の㈱物理計測コンサルタントは、当社等から坑井の掘さく作業及び改修作業に係る物理検層及びマッドロギング作業(掘さく中に坑井内を循環させる泥水や、泥水によって地表に上がる地層の掘りくず等の調査・分析結果を記録する作業)を請け負っております。連結子会社の㈱地球科学総合研究所は、当社等から物理探鉱作業等を請け負っております。連結子会社のエスケイ産業㈱は、石油製品等の製造、販売等を行っております。 事業セグメント事業内容北米(1)E&P事業連結子会社のJapex (U.S.) Corp.は、米国テキサス州・オクラホマ州においてタイトオイルの開発及び生産を行っております。連結子会社のVerdad Resources Intermediate Holdings LLCは、米国コロラド州・ワイオミング州においてタイトオイル・ガスの開発及び生産を行っております。(2)インフラ・ユーティリティ事業関連会社のGulf Coast LNG Holdings LLCは、米国テキサス州「フリーポートLNGプロジェクト」に参画しております。欧州E&P事業連結子会社のJAPEX Norge ASは、ノルウェー領海上鉱区において原油・天然ガスの探鉱開発及び生産を行っております。中東E&P事業連結子会社の㈱ジャペックスガラフは、イラク共和国ガラフ油田において原油の生産を行っております。その他E&P事業東南アジア(開発段階の関連会社にEMP Gebang Ltd.)、ロシア(関連会社にサハリン石油ガス開発㈱)の事業セグメントがあります。 事業の系統図は、次のとおりであります。なお、( )は事業セグメント、〔 〕は事業内容を表しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 LNG調達価格の変動を販売価格に転嫁する対策を講じているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 設備 総延長800km超のガスパイプライン網やLNG基地、発電所設備など大規模なインフラが必要。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:原油・天然ガス価格の変動 / 為替の変動 / E&P事業投資の不確実性
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
石油・天然ガス開発事業における探鉱・開発技術やノウハウは一定の競争優位性となりうるが、特許等で保護された明確なブランドや技術ではない。資源開発の成功は運の要素も大きい。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
既存のインフラやサプライチェーンへの依存度はある程度考えられるが、顧客が他社へ乗り換えることによる直接的なコストや手間は限定的。事業特性上、顧客との直接的な関係性は薄い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
事業モデル上、ネットワーク効果はほとんど期待できない。プラットフォーム型ビジネスではないため、利用者の増加がサービスの価値向上に直結することはない。
コスト優位★★☆☆☆
資源開発における初期投資は莫大であり、新規参入障壁となる。また、既存のインフラや技術ノウハウの蓄積は、後発企業にとってコスト増要因となりうる。
規模の経済★★★☆☆
大規模な鉱区の保有や、開発・生産における規模の経済が働きやすい。グローバルな資源開発においては、一定の規模を持つ企業が有利な立場を築きやすい。
- E&Pの総合技術力同社は、地質的に難易度の高い国内での探鉱・物理探査・貯留層技術で培ったE&P(石油・天然ガス開発)の総合技術力を強みとしています。この技術力は、海外の複雑な地層での開発においても競争優位性をもたらし、効率的な資源開発に貢献しています。
- 国内トップのCCUS実績二酸化炭素の回収・有効活用・貯留(CCUS)において、国内トップクラスの実績と知見を有しています。これは、脱炭素社会への移行が進む中で、環境負荷低減と事業継続性を両立させるための重要な技術的優位性であり、将来的な事業機会の創出にも繋がります。
- 厳格なポートフォリオ管理同社は、厳格なポートフォリオ管理とポートフォリオ入れ替えの断行を強みとしています。これにより、リスクを分散しながら経営資源を効率的に配分し、収益性の高い事業に集中することで、持続的な企業価値向上を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- エネルギー安定供給と社会貢献同社は、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売を通じて、日本のエネルギー安定供給に貢献することを経営の基本としています。同時に、持続可能な開発目標の実現に向けた社会的課題の解決にも取り組み、企業としての社会的責任を果たすことを目指しています。
- コア資産群の構築2026年から2035年までの中長期経営計画「JAPEX経営計画2026-2035」を策定し、海外E&P事業とCCUS(二酸化炭素回収・貯留)への集中投資により「コア資産群」を構築する方針です。これにより、2035年度に当期純利益1,000億円を目指し、収益基盤の強化を図ります。
- 気候変動対応とCO2削減貢献気候変動対応として、2050年カーボンニュートラル社会の実現に貢献するため、CCUSによる「社会へのCO2削減貢献」を新たな目標として設定しています。2035年度までにCO2累計貯留量800万トン以上を目指し、脱炭素化と事業の両立を図る戦略です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。(1) 会社の経営の基本経営方針当社グループは、1955年の創業以来、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売を中心事業とする企業として、埋蔵量の確保と生産の拡大を図ることを通じて我が国のエネルギーの供給に貢献することを使命に、石油・天然ガスの発見を重ねながら現在の経営基盤を確立してまいりました。供給規模の拡大に伴い、安定供給に対する当社グループの社会的責任は益々増加するとともに、世界的な脱炭素化の進展による不可逆的なエネルギー需給構造等の変化を踏まえた新たなビジネスモデルの構築が極めて重要となることから、当社は、経営環境の変化に対応しながら市場競争力を持った企業として発展することを目指し、次のとおり当社企業グループの経営理念を掲げております。 「私たちは、エネルギーの安定供給を通じた社会貢献を使命とするとともに、持続可能な開発目標の実現に向けた社会的課題の解決に取り組みます。」・国内外において、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売に取り組みます。・当社国内インフラ基盤を活用したガスサプライチェーンを、電力供給を加えてさらに強化します。・当社の技術と知見を活かした新技術開発とその事業化を通じて、エネルギーや気候変動に係る持続可能な社会への課題解決に貢献します。・すべてのステークホルダーとの信頼を最優先とし、企業としての持続的な発展と企業価値の最大化を図ります。 (2) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題当社は、2026年4月に、2035年までを見据えた当社の中長期の成長戦略となる「JAPEX経営計画2026-2035~Building Core Assets toward 2035」(以下、「経営計画」)を策定・公表いたしました。 経営計画の要旨は以下のとおりです。 1) 外部環境および当社の状況認識(外部環境)・地政学的リスクの高まりにより、エネルギー安定供給や石油・天然ガスの重要性が再認識されています。・ネットゼロ目標は維持されているものの、到達時期や移行過程は、現実路線へ軌道修正されつつあります。・新興国や途上国の経済成長、AI普及に伴う電力需要の増加予想を背景に、石油・天然ガスの需要見通しは拡大基調にあります。・CCUSは脱炭素化に不可欠な要素技術として一定の普及が想定されます。(注)CCUS(Carbon dioxide, Capture, Utilization, and Storage:二酸化炭素(CO2)の回収・有効活用・貯留)はCCS(Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素(CO2)回収・貯留)を含む表現としており、固有名詞として用いる場合やCO2の有効利用を含まない場合などには「CCS」の表記を用いることがあります。 (当社の状況)・足元(2026年3月時点)でのPBRは1倍を超えていますが、東証プライム市場平均とのギャップは解消していません。・この点は、当社の持続的成長力に対する株式市場の疑念が要因と分析しています。 (PBR) 2) 基本方針・2026年度から2030年度を海外E&PとCCUSへの集中による「コア資産群」の構築期間、2031年度から2035年度は「コア資産群」による収益貢献が本格化する期間と位置づけます。・基本方針を着実に実行するために、コーポレートトランスフォーメーションとして人的資本強化、組織カルチャー変革、DXにも取り組み、実行力を強化します。 3) 事業戦略・JAPEXの強みを活かせる4つのエリアに経営資源を集中投下し、開発時期やリスクを分散しながら、コア資産群を形成し、収益拡大を目指します。 (JAPEXの強み)・E&Pの総合技術力 ○地質的難度の高い国内で鍛えた、探鉱・物理探査・貯留層技術を中心としたE&Pの技術力・CCUSの国内トップランナー ○国内トップのCCUSの実績・知見とステークホルダーとの信頼関係・ポートフォリオ管理 ○厳格なポートフォリオ管理 ○ポートフォリオ入れ替えの断行 4) 経営目標・事業戦略の確実な遂行を通じて、1.5兆円の成長投資によりコア資産群を構築し、2035年度に当期純利益1,000億円への利益成長を目指します。・気候変動対応において、2021年5月に策定したJAPEX2050の基本コンセプト(「石油・天然ガスの安定供給」を前提にネットゼロ社会実現に貢献)を継承しつつ、CCUSによる「社会へのCO2削減貢献」目標として「2035年度 CO2累計貯留量 800万t以上」を本経営計画で新たに設定します。(生産量・貯留量目標) 2031年度2035年度生産量*210万boe/d18万boe/dCO2貯留量150~200万t/年の貯留開始累計800万t以上注)*2 連結子会社は非支配株主持分含む、持分法適用関連会社はグロスベース 5) 株主還元・当面は現在の配当方針である、連結配当性向30%及び下限配当1株当たり40円を維持しつつ、経営目標の達成を通じて利益成長による着実な配当額の増加を目指します。・還元強化のタイミングとして、コア資産群構築後の2030年度頃に株主還元拡充(連結配当性向の引き上げ等)を判断するとともに、コア資産群構築以前でも、利益規模が想定を大幅に上回る場合には成長投資の進捗などを踏まえて総合的に都度拡充を検討します。 「JAPEX経営計画2026-2035~Building Core Assets toward 2035」:https://www.japex.co.jp/ir/uploads/pdf/JAPEX20260422_ManagementPlan2026-2035_presentation_j.pdf「JAPEX2050~カーボンニュートラル社会の実現に向けて~」:https://www.japex.co.jp/ir/uploads/pdf/JAPEX20210513_JAPEX2050_Presentation_j.pdf 当社は、「JAPEX経営計画2026-2035~Building Core Assets toward 2035」の着実な遂行により、海外E&Pを主力とする「石油・天然ガスの安定供給」と、2050年カーボンニュートラル社会実現への貢献とを両立し、企業価値のさらなる向上を目指してまいります。 なお、本項「(2) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題」のうち経営計画についての将来に関する事項は、経営計画の公表日時点において当社グループが判断したものであり、実際の結果等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。(1) 会社の経営の基本経営方針当社グループは、1955年の創業以来、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売を中心事業とする企業として、埋蔵量の確保と生産の拡大を図ることを通じて我が国のエネルギーの供給に貢献することを使命に、石油・天然ガスの発見を重ねながら現在の経営基盤を確立してまいりました。供給規模の拡大に伴い、安定供給に対する当社グループの社会的責任は益々増加するとともに、世界的な脱炭素化の進展による不可逆的なエネルギー需給構造等の変化を踏まえた新たなビジネスモデルの構築が極めて重要となることから、当社は、経営環境の変化に対応しながら市場競争力を持った企業として発展することを目指し、次のとおり当社企業グループの経営理念を掲げております。 「私たちは、エネルギーの安定供給を通じた社会貢献を使命とするとともに、持続可能な開発目標の実現に向けた社会的課題の解決に取り組みます。」・国内外において、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売に取り組みます。・当社国内インフラ基盤を活用したガスサプライチェーンを、電力供給を加えてさらに強化します。・当社の技術と知見を活かした新技術開発とその事業化を通じて、エネルギーや気候変動に係る持続可能な社会への課題解決に貢献します。・すべてのステークホルダーとの信頼を最優先とし、企業としての持続的な発展と企業価値の最大化を図ります。 (2) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題当社は、2026年4月に、2035年までを見据えた当社の中長期の成長戦略となる「JAPEX経営計画2026-2035~Building Core Assets toward 2035」(以下、「経営計画」)を策定・公表いたしました。 経営計画の要旨は以下のとおりです。 1) 外部環境および当社の状況認識(外部環境)・地政学的リスクの高まりにより、エネルギー安定供給や石油・天然ガスの重要性が再認識されています。・ネットゼロ目標は維持されているものの、到達時期や移行過程は、現実路線へ軌道修正されつつあります。・新興国や途上国の経済成長、AI普及に伴う電力需要の増加予想を背景に、石油・天然ガスの需要見通しは拡大基調にあります。・CCUSは脱炭素化に不可欠な要素技術として一定の普及が想定されます。(注)CCUS(Carbon dioxide, Capture, Utilization, and Storage:二酸化炭素(CO2)の回収・有効活用・貯留)はCCS(Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素(CO2)回収・貯留)を含む表現としており、固有名詞として用いる場合やCO2の有効利用を含まない場合などには「CCS」の表記を用いることがあります。 (当社の状況)・足元(2026年3月時点)でのPBRは1倍を超えていますが、東証プライム市場平均とのギャップは解消していません。・この点は、当社の持続的成長力に対する株式市場の疑念が要因と分析しています。 (PBR) 2) 基本方針・2026年度から2030年度を海外E&PとCCUSへの集中による「コア資産群」の構築期間、2031年度から2035年度は「コア資産群」による収益貢献が本格化する期間と位置づけます。・基本方針を着実に実行するために、コーポレートトランスフォーメーションとして人的資本強化、組織カルチャー変革、DXにも取り組み、実行力を強化します。 3) 事業戦略・JAPEXの強みを活かせる4つのエリアに経営資源を集中投下し、開発時期やリスクを分散しながら、コア資産群を形成し、収益拡大を目指します。 (JAPEXの強み)・E&Pの総合技術力 ○地質的難度の高い国内で鍛えた、探鉱・物理探査・貯留層技術を中心としたE&Pの技術力・CCUSの国内トップランナー ○国内トップのCCUSの実績・知見とステークホルダーとの信頼関係・ポートフォリオ管理 ○厳格なポートフォリオ管理 ○ポートフォリオ入れ替えの断行 4) 経営目標・事業戦略の確実な遂行を通じて、1.5兆円の成長投資によりコア資産群を構築し、2035年度に当期純利益1,000億円への利益成長を目指します。・気候変動対応において、2021年5月に策定したJAPEX2050の基本コンセプト(「石油・天然ガスの安定供給」を前提にネットゼロ社会実現に貢献)を継承しつつ、CCUSによる「社会へのCO2削減貢献」目標として「2035年度 CO2累計貯留量 800万t以上」を本経営計画で新たに設定します。(生産量・貯留量目標) 2031年度2035年度生産量*210万boe/d18万boe/dCO2貯留量150~200万t/年の貯留開始累計800万t以上注)*2 連結子会社は非支配株主持分含む、持分法適用関連会社はグロスベース 5) 株主還元・当面は現在の配当方針である、連結配当性向30%及び下限配当1株当たり40円を維持しつつ、経営目標の達成を通じて利益成長による着実な配当額の増加を目指します。・還元強化のタイミングとして、コア資産群構築後の2030年度頃に株主還元拡充(連結配当性向の引き上げ等)を判断するとともに、コア資産群構築以前でも、利益規模が想定を大幅に上回る場合には成長投資の進捗などを踏まえて総合的に都度拡充を検討します。 「JAPEX経営計画2026-2035~Building Core Assets toward 2035」:https://www.japex.co.jp/ir/uploads/pdf/JAPEX20260422_ManagementPlan2026-2035_presentation_j.pdf「JAPEX2050~カーボンニュートラル社会の実現に向けて~」:https://www.japex.co.jp/ir/uploads/pdf/JAPEX20210513_JAPEX2050_Presentation_j.pdf 当社は、「JAPEX経営計画2026-2035~Building Core Assets toward 2035」の着実な遂行により、海外E&Pを主力とする「石油・天然ガスの安定供給」と、2050年カーボンニュートラル社会実現への貢献とを両立し、企業価値のさらなる向上を目指してまいります。 なお、本項「(2) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題」のうち経営計画についての将来に関する事項は、経営計画の公表日時点において当社グループが判断したものであり、実際の結果等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、物価上昇の継続や米国の通商政策による影響などが我が国の景気を下押しする懸念があった中で、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果などを背景に、緩やかな回復基調にありました。原油CIF価格は、年度当初の1バレル70ドル台後半から、米国の関税政策を受けた世界経済減速への懸念や産油国の減産緩和を背景に、年度前半は下落基調で推移いたしました。その後、年度半ばには一時的に上昇したものの、年度後半にかけては世界石油需給緩和感の強まりから再び下落し、2月には60ドル台半ばの水準となりました。その後、中東情勢の緊迫化に伴う石油供給途絶から反転急騰し、年度末にかけて60ドル台後半となっております。為替相場は、年度当初は1米ドル140円台後半であり、年度前半にかけて一時的に円高が進んだものの、その後は年度末にかけて円安傾向が強まり、年度末時点では150円台後半となっております。国内天然ガス市場では、物価高騰に伴うコスト抑制意識の高まりがガス需要の減退を招きました。これに加え、従来からのエネルギー業界全体での競争も継続しており、市場環境は当社グループにとって厳しい状況となりました。また、国内電力市場では、燃料輸入価格が比較的安定して推移したことを背景に、当年度の日本卸電力取引所(JEPX)におけるスポット市場価格は前年度と同水準で推移いたしました。このような状況のもと、当社は、脱炭素化の動きに関する当社の対応方針を示した「JAPEX2050~カーボンニュートラル社会の実現に向けて~」(「JAPEX2050」、2021年5月公表)を踏まえ、2022年3月に策定した「JAPEX経営計画2022-2030」に基づき、収益力の強化と、2030年以降を見据えた事業基盤の構築に取り組んでまいりました。その結果、利益水準や株主還元水準等、2026年度の主要目標を前倒しで達成しておりますが、持続的な成長に資する事業資産の構築という観点では道半ばの状況にあります。また、世界のエネルギー情勢は、脱炭素目標は維持されつつも、安定供給の重要性が再認識され、より現実的な移行が模索されており、資本市場からは「資本コストを意識した経営」がより強く求められております。こうした当社の現状と外部環境の変化を踏まえ、強靭なポートフォリオ構築とそのための実行力の強化に向けて、新たな経営計画が不可欠であると判断し、2026年4月に「JAPEX経営計画2026-2035~Building Core Assets toward 2035」(「JAPEX経営計画2026-2035」)を公表いたしました。当社グループは、本計画の着実な遂行により、企業価値のさらなる向上を引き続き目指してまいります。 当連結会計年度の売上高は340,336百万円と前連結会計年度に比べ48,745百万円の減収(△12.5%)となり、売上総利益は、76,741百万円と前連結会計年度に比べ22,416百万円の減益(△22.6%)となりました。前連結会計年度に比べ減収減益となった主な要因は、原油や天然ガスの販売価格が下落したことや、液化天然ガスの販売量が減少したことなどによるものです。探鉱費は、1,965百万円と前連結会計年度に比べ1,206百万円減少(△38.0%)し、販売費及び一般管理費は、35,860百万円と前連結会計年度に比べ1,888百万円増加(+5.6%)した結果、営業利益は38,915百万円と前連結会計年度に比べ23,097百万円の減益(△37.2%)となりました。経常利益は、主に持分法による投資損失が投資利益に転じたことや為替差損が為替差益に転じたことなどにより営業外損益が増益となったものの、営業利益の減益を相殺しきれず、61,556百万円と前連結会計年度に比べ2,664百万円の減益(△4.1%)となりました。税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に計上した投資有価証券売却益がなくなったことなどにより、前連結会計年度に比べ45,056百万円減益(△41.5%)の63,557百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ27,725百万円減益(△34.2%)の53,427百万円となりました。 なお、売上高の内訳は次のとおりであります。(イ)E&P事業 E&P事業の売上高は、原油価格が下落したことなどにより、109,257百万円と前連結会計年度に比べ19,755百万円の減収(△15.3%)となりました。(ロ)インフラ・ユーティリティ事業 インフラ・ユーティリティ事業の売上高は、液化天然ガスの販売量が減少したことなどにより、172,349百万円と前連結会計年度に比べ16,829百万円の減収(△8.9%)となりました。(ハ)その他の事業 請負(掘さく工事及び地質調査の受注等)、液化石油ガス(LPG)・重油等の石油製品等の販売及びその他業務受託等の売上高は、58,730百万円と前連結会計年度に比べ12,160百万円の減収(△17.2%)となりました。 主なセグメントごとの業績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりであります。日本 日本セグメントの売上高は、主に原油、天然ガス(LNG含む)、電力、請負及び石油製品等により構成されております。当連結会計年度における売上高は、液化天然ガスの販売量が減少したことなどにより、248,194百万円と前連結会計年度に比べ31,711百万円の減収(△11.3%)となりました。セグメント利益は、原油価格が下落したことや為替が前連結会計年度に比べ円高に推移したことで原油及び天然ガス(LNG含む)の販売収支が悪化したことなどにより、前連結会計年度に比べ14,115百万円減益(△31.4%)の30,869百万円となりました。北米 北米セグメントの売上高は、主に原油及び天然ガスにより構成されております。当連結会計年度における売上高は、原油の販売価格が下落したことなどにより、52,377百万円と前連結会計年度に比べ3,328百万円の減収(△6.0%)となりました。セグメント利益は、売上高と同様に、原油の販売価格が下落したことなどにより、前連結会計年度に比べ4,017百万円減益(△19.0%)の17,082百万円となりました。欧州 欧州セグメントの売上高は、主に原油及び天然ガスにより構成されております。当連結会計年度における売上高は、JAPEX UK E&P LIMITEDの当社保有株式の全てを譲渡したことに伴い原油及び天然ガスの販売量が減少したことなどにより、8,072百万円と前連結会計年度に比べ11,109百万円の減収(△57.9%)となりました。セグメント利益は、前連結会計年度に比べ3,966百万円減益(△70.9%)の1,626百万円となりました。中東 中東セグメントの売上高は、原油により構成されております。当連結会計年度における売上高は、販売価格が下落したことなどにより、31,692百万円と前連結会計年度に比べ2,619百万円の減収(△7.6%)となりました。セグメント利益は、前連結会計年度に比べ1,186百万円減益(△28.6%)の2,968百万円となりました。 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ180,871百万円増加し、862,470百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ75,479百万円の減少となりました。これは、現金及び預金ならびに有価証券が減少したことなどによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ256,350百万円の増加となりました。これは、Verdad Resources Intermediate Holdings LLCの全持分取得に伴い、同社を連結の範囲に含めたことによる有形固定資産の増加や、時価上昇による投資有価証券の増加などによるものであります。 負債は、前連結会計年度末に比べ79,231百万円増加し、203,572百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ40,139百万円の増加となりました。これは、未払金が増加したことなどによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ39,092百万円の増加となりました。これは、繰延税金負債ならびに資産除去債務が増加したことなどによるものであります。 純資産は、前連結会計年度末に比べ101,640百万円増加し、658,897百万円となりました。これは、利益剰余金ならびにその他有価証券評価差額金が増加したことなどによるものであります。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、前連結会計年度末に比べ90,977百万円減少し、49,954百万円となりました。主な内訳は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は102,976百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益63,557百万円の計上及び減価償却費47,050百万円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は200,494百万円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出157,706百万円ならびに有形固定資産の取得による支出28,630百万円により資金を使用したことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は6,007百万円となりました。これは主に、配当金の支払額12,839百万円により資金を使用しましたが、コマーシャル・ペーパーの純増減額19,979百万円により資金を得たことによるものであります。③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。・日本 当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)E&P事業原油(千bbl)1,428△3.3天然ガス(百万cf)14,969△11.4インフラ・ユーティリティ事業電力(百万kWh)2,852△7.3 ・北米 当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)E&P事業原油(千bbl)5,4795.2天然ガス(百万cf)3,93015.6インフラ・ユーティリティ事業電力(百万kWh)-- ・欧州 当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)E&P事業原油(千bbl)807△33.0天然ガス(百万cf)1,264△35.1インフラ・ユーティリティ事業電力(百万kWh)-- ・中東 当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)E&P事業原油(千bbl)3,02623.0天然ガス(百万cf)--インフラ・ユーティリティ事業電力(百万kWh)-- b.受注実績当社及び連結子会社は受注生産を行っておりません。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。・日本 当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)数量金額(百万円)数量金額E&P事業原油(千bbl)1,54217,114△2.0△13.6天然ガス(海外)(百万cf)---- 小計 17,114 △13.6インフラ・ユーティリティ事業天然ガス(国内)(百万cf)32,77073,345△0.9△5.4液化天然ガス(t)231,38623,112△45.2△47.5電力(百万kWh)3,36148,4601.5△5.7バイオマス燃料(t)732,87021,625114.2112.6その他 5,804 △4.6 小計 172,349 △8.9その他の事業請負 10,807 26.1石油製品・商品 45,441 △23.8その他 2,481 △8.8 小計 58,730 △17.2 合計 248,194 △11.3 ・北米 当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)数量金額(百万円)数量金額E&P事業原油(千bbl)5,50550,5114.8△7.5天然ガス(海外)(百万cf)3,9511,86617.573.4 小計 52,377 △6.0インフラ・ユーティリティ事業天然ガス(国内)(百万cf)----液化天然ガス(t)----電力(百万kWh)----バイオマス燃料(t)----その他 - - 小計 - -その他の事業請負 - -石油製品・商品 - -その他 - - 小計 - - 合計 52,377 △6.0 ・欧州 当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)数量金額(百万円)数量金額E&P事業原油(千bbl)5665,648△55.7△63.9天然ガス(海外)(百万cf)1,2812,423△36.6△31.2 小計 8,072 △57.9インフラ・ユーティリティ事業天然ガス(国内)(百万cf)----液化天然ガス(t)----電力(百万kWh)----バイオマス燃料(t)----その他 - - 小計 - -その他の事業請負 - -石油製品・商品 - -その他 - - 小計 - - 合計 8,072 △57.9 ・中東 当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)数量金額(百万円)数量金額E&P事業原油(千bbl)3,03831,6925.4△7.6天然ガス(海外)(百万cf)---- 小計 31,692 △7.6インフラ・ユーティリティ事業天然ガス(国内)(百万cf)----液化天然ガス(t)----電力(百万kWh)----バイオマス燃料(t)----その他 - - 小計 - -その他の事業請負 - -石油製品・商品 - -その他 - - 小計 - - 合計 31,692 △7.6 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.E&P事業の「原油」には、当社グループが鉱山より産出した原油及び他社から購入した原油が含まれております。3.インフラ・ユーティリティ事業の「天然ガス(国内)」は、国内において導管により供給されるガスであり、国産天然ガスとLNG気化ガスの合計です。国産天然ガスの生産拠点と、気化ガスの製造拠点であるLNG基地とは当社パイプライン網で連結され、これらのガスは当社供給ネットワークで一体となって販売されることから、インフラ・ユーティリティ事業に区分しております。4.インフラ・ユーティリティ事業の「その他」には、天然ガスの受託輸送及び発電燃料用LNGの気化受託等が含まれております。なお、前連結会計年度まで「その他」として集計しておりましたバイオマス燃料販売については、金額の重要性が増したため、独立した項目に変更しております。5.その他の事業の「石油製品・商品」には、液化石油ガス(LPG)、重油、軽油、灯油等が、「その他」にはその他業務受託等が含まれております。6.当連結会計年度より、原油の表示単位をkLから千bblへ、天然ガスの表示単位を千㎥から百万cfへ、電力の表示単位を千kWhから百万kWhへ変更しております。 ④当社グループの埋蔵量 2026年3月31日現在、提出会社及び連結子会社の保有する確認埋蔵量並びに持分法適用会社が保有する確認埋蔵量の当該会社に対する提出会社出資比率相当量は下表のとおりです。確認埋蔵量連結対象会社持分法適用会社合計国内海外小計原油千bblガス百万cf原油千bblガス百万cf原油千bblガス百万cf原油千bblガス百万cf原油千bblガス百万cf2025年3月31日現在8,400246,73956,70832,41265,108279,1514811,11365,156290,264 拡張及び発見等による増加511--511--511 前期評価の修正による増減4,90137,5841,1879236,08938,507△0△96,08938,498 買収・売却による増減--96,710230,30296,710230,302△731,40496,704261,705 生産による減少△1,456△16,193△9,324△5,123△10,780△21,316△2△115△10,782△21,4312026年3月31日現在11,851268,141145,281258,515157,132526,6553942,392157,171569,048(注)1.以下の連結子会社保有量には、非支配株主に帰属する数量を含んでおります。(括弧内は非支配株主比率)国内:日本海洋石油資源開発㈱(29.39%)海外:Peoria Resources, LLC(0.12%)、㈱ジャペックスガラフ(45.00%)2.連結子会社及び持分法適用会社のうち、決算日が連結決算日と異なる会社については、各社の事業年度における埋蔵量を計上しております。3.当社は、2025年12月18日開催の取締役会において、当社の連結子会社であるPeoria Resources, LLCが管理するPeoria Resources Acquisition Company, LLCを通じて、米国コロラド州及びワイオミング州でタイトオイル・ガス資産を保有するVerdad Resources Intermediate Holdings LLC(VRIH社)の全持分を取得することを決議し、2026年2月26日(現地時間)に全持分取得を完了しました。これにより、VRIH社の2026年2月末時点の埋蔵量を上表の連結対象会社・海外の「買収・売却による増減」に含めております。4.当連結会計年度より、原油の表示単位を千kLから千bblへ、天然ガスの表示単位を百万㎥から百万cfへ変更しております。 上表における確認埋蔵量とは、評価時点において既知の油・ガス層から地質的、工学的データに基づき経済的にも操業面からも今後確実に採取可能であろうと予測された油・ガスの地上状態での数量であり、過去の生産量、未発見鉱床に係る資源量は含んでおりません。 埋蔵量の定義については、石油技術者協会(SPE)、世界石油会議(WPC)、米国石油地質技術者協会(AAPG)及び石油評価技術協会(SPEE)の4組織により2007年に策定されたPetroleum Resources Management System(PRMS)が国際的な基準として知られています。上表の確認埋蔵量は、2018年に改定されたPRMSにおける「確認埋蔵量(Proved Reserves)」の定義に準拠した当社自身による評価に基づく数値であり、PRMSにおいて確認埋蔵量よりも将来の採取可能性の不確実性が高いものとして区分されている「推定埋蔵量(Probable Reserves)」や「予想埋蔵量(Possible Reserves)」に該当する埋蔵量は含んでおりません。また、同定義においては、例えば、資源の賦存が確認されている鉱区であっても商業開発計画が未確定な段階のプロジェクト等については、埋蔵量(Reserves)とは区分して「条件付資源量(Contingent Resources)」に分類することとされており、当社グループにおいても、開発計画が未確定な地域の「条件付資源量」に該当する数量は、上表の数値に含めておりません。なお、PRMS以外には、米国証券取引委員会(SEC)による確認埋蔵量の定義が米国の投資家を中心に広く知られており、SECによる確認埋蔵量の定義は、PRMSと基本的には類似しています。 当社は、PRMSによる「確認埋蔵量(Proved Reserves)」の定義に準拠して当社自身の判断に基づく値を開示しております。また、海外プロジェクト会社の保有埋蔵量については、各プロジェクト会社の現地政府等との契約による経済的取分に基づく数量を示しております。また、当社は、当社自身による埋蔵量評価・判断の妥当性を検証するため、上表に示した2026年3月31日現在の国内における当社及び連結対象会社の確認埋蔵量の約72%に相当する部分[1]について、Ryder Scott Company, L.P.へ第三者による鑑定を委託しております。また、海外については、Japex (U.S.) Corp.、Peoria Resources, LLC(同社の子会社を含む)の埋蔵量について第三者評価を受けております。上表の2026年3月31日現在の確認埋蔵量総計のうち約82%に相当する部分[2]について第三者評価・鑑定を受けております。当社自身による評価値と第三者評価の値は近似しており、第三者による鑑定においても妥当性が裏付けられていることから、当社は、上表の当社自身の評価による確認埋蔵量の値は妥当であると判断しております。 埋蔵量は、元来、不確実性を内包した将来の生産可能量の見通しであり、当社は、現時点において入手可能な地質的・工学的データ等の科学的根拠に基づき正確な評価の実施に努めておりますが、今後新たに取得されるデータ等に基づく見直しや経済条件の変動及び国際的に認知された埋蔵量定義の変更等によって、上方にも下方にも修正される可能性があります。[1] 天然ガスは、1BOE=5.8Mscfとして計算しております。[2] [1]と同様。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、図表1「当期純利益の主な増減要因(前期比)」に示すように、前連結会計年度に比べ277億円減益の534億円となりました。この主たる増減要因を段階利益ごとに以下に分析します。 図表1:当期純利益の主な増減要因(前期比) 図表2:原油価格・為替等の前期比較 (営業利益△230億円)営業利益の230億円減益の主な要因は、国内の原油、天然ガス、及び液化天然ガスの販売量が減少したことや、図表2「原油価格・為替等の前期比較」に示すように、前連結会計年度に比べ原油価格が下落したことや為替が円高で推移したことに伴い国内外の原油及び天然ガスの販売価格が下落したことによるものであります。a.海外E&P事業海外E&P事業は、主に北米セグメントに含まれるJapex (U.S.) Corp.、欧州セグメントに含まれるJAPEX UK E&P Ltd.及びJAPEX Norge AS、中東セグメントに含まれる㈱ジャペックスガラフを対象としております。海外E&P事業の94億円減益の主な要因は、Japex (U.S.) Corp.において原油の販売価格下落により40億円の減益となったことや、JAPEX UK E&P Ltd.において2025年7月に当社が保有する同社株式の全てを譲渡したことにより33億円の減益となったことによるものです。 b.国内E&P事業国内E&P事業は、日本セグメントに含まれる当社及び連結子会社である日本海洋石油資源開発㈱の原油・天然ガスの生産及び販売活動を主な対象としております。国産原油は外部顧客への販売を認識する一方、国産天然ガスはインフラ・ユーティリティ事業に供給する内部管理上の取引を販売として認識しております。国内E&P事業の87億円減益の主な要因は、原油及び天然ガスの販売量の減少、及び販売価格の下落によるものです。 c.インフラ・ユーティリティ事業インフラ・ユーティリティ事業は、主に当社のガスパイプライン網を通じた沿線地域の需要家への天然ガス(国産天然ガス及びLNG気化ガス)の販売、パイプライン沿線以外の地域における天然ガス需要に対応するためのタンクローリーを利用したLNGのサテライト販売、及び電力の販売を対象としております。インフラ・ユーティリティ事業の32億円減益の主な要因は、液化天然ガスの販売量減少によるものです。 当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ26億円減益(△4.1%)の615億円となりました。図表1「当期純利益の主な増減要因(前期比)」に示すように、26億円減益の要因は、上述の営業利益の減益及び営業外損益の204億円の増益からなります。 (営業外損益+204億円)為替差損益の100億円の増益は、主に当社及び㈱ジャペックスガラフの外貨建金銭債権及び外貨預金に係る為替差損が為替差益に転じたことによるものであります。持分法による投資損益の43億円の増益は、2024年6月に持分を一部取得した米国テキサス州フリーポートLNGプロジェクトに参画するGulf Coast LNG Holdings LLCが当連結会計年度は通期で収益貢献したことに加え、JAPEX Norge ASにおいて前連結会計年度に計上した損失がなくなったことによるものであります。なお、JAPEX Norge ASは前連結会計年度において、2024年7月1日をみなし取得日として株式を追加取得し連結の範囲に含めたため、2024年1月1日から2024年6月30日までの業績を持分法による投資損益として計上しておりました。その他の営業外損益の60億円の増益は、主にデリバティブ評価益及びデリバティブ利益を計上したことによるものであります。 当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ450億円減益の635億円となりました。図表1「当期純利益の主な増減要因(前期比)」に示すように、450億円減益の要因は、上述の経常利益の減益及び特別損益の423億円の減益からなります。特別損益の423億円の減益は、主に前連結会計年度に計上した投資有価証券売却益がなくなったことによるものであります。 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ277億円減益の534億円となりました。図表1「当期純利益の主な増減要因(前期比)」に示すように、277億円減益の要因は、上述の税金等調整前当期純利益の減益、法人税等の減少による178億円の増益及び非支配株主損益の増加による5億円の減益からなります。当連結会計年度の「法人税、住民税及び事業税」に「法人税等調整額」を加えた法人税等の金額は78億円(前連結会計年度に比べ178億円の減少)となりました。これは、上述の税金等調整前当期純利益の減少に応じて法人税等の金額が減少したことによるものであります。また、当連結会計年度の非支配株主損益の金額は22億円(前連結会計年度に比べ5億円の増加)となりました。これは、主に当連結会計年度において㈱ジャペックスガラフにおける当期純利益が増加したことによるものであります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(基本方針)当社グループでは、「JAPEX経営計画2026-2035」の下で、原油価格が1バレル50米ドル及び為替相場が1米ドル110円の環境下でも有利子負債/EBITDA倍率が3倍未満となるように財務の健全性を維持しつつ、事業継続及び新規投資等のために必要となる資金を確保することとしております。前連結会計年度と当連結会計年度の同倍率の推移は、図表3「EBITDA有利子負債倍率の推移」に示すとおりであり、「有利子負債/EBITDA<3」はもとより、前経営計画での財務規律の目安である「有利子負債/EBITDA<2」も達成されております。 図表3:EBITDA有利子負債倍率の推移(調達手段)当社グループでは、資金需要に応じて、内部資金、コマーシャル・ペーパー及び銀行借入等を有効に活用することにより、必要資金を確保しております。また、資金調達手段の多様化を図るべく、当社は当連結会計年度に社債の発行登録を行っております。運転資金等は、主に内部資金やコマーシャル・ペーパーの発行により賄っており、前者に関してはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)及び金融機関とのキャッシュプーリング契約により、資金の効率化及び流動性の確保を図っております。なお、当該契約による借入金は預金との相殺表示を行っており、当連結会計年度末の相殺金額は179億円であります。また、LNGの購入などに備え外貨を調達する場合等には、為替変動リスクをヘッジすることを目的として適宜、先物為替予約等を締結しております。さらに、複数の取引銀行とコミットメントライン契約を締結しており、十分な手元流動性を確保しております。 (資金使途・配分方法)a.連結財務状況及び資金配分方針当社グループでは、図表4「JAPEX経営計画2026-2035資金配分方針」に示すとおり、2026年度から2035年度までの10年間の累計で、E&P、カーボンニュートラル、インフラ・ユーティリティの各分野への成長投資に1兆5,000億円、株主還元に1,900億円以上をそれぞれ配分することとしております。なお、資金配分の原資は、大型案件への継続的な再投資により営業キャッシュ・フローとして創出する1兆5,000億円を充当するほか、手元資金の活用、借入れ及び資産の入れ替え等により確保する想定としております。 図表4:JAPEX経営計画2026-2035資金配分方針 b.保有資金の考え方主にE&P事業に関しては、多額の投資を要する一方、事業に着手してから投資額を回収するまで長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境が変化するリスクに晒されます。このような事業特性に照らし、円滑な事業運営に必要な水準の手元流動性を確保できるように資金計画を作成する等の方法により、資金管理を行っております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内において、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し継続評価しており、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらとは異なる場合があります。当連結会計年度において、不確実性の高い会計上の見積りとして、繰延税金資産の回収可能性があります。この項目は、その判断において当社グループが主たる事業活動から将来にわたり稼得する収益や生み出すキャッシュ・フローの見積りに大きく依拠しており、特に原油価格や為替などの市況要因と埋蔵量の見積りの影響を直接的に受けることになります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、上記の重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 原油・天然ガス価格変動原油や天然ガスの国際価格は、世界の経済状況や地政学的リスク、需給バランスによって大きく変動します。同社の売上高や営業利益はこれらの価格変動に大きく影響され、例えば油価が1ドル変動すると営業利益が7.6億円増減する試算があり、減損損失計上の可能性もあります。
- 為替変動リスク同社が国内で販売する原油や天然ガスは、米ドル建ての国際価格を参照した円建てで取引されるため、米ドル・円の為替レートの変動が売上高や営業利益に影響を与えます。例えば、為替が1円円安になると営業利益が4.7億円増加する試算があり、輸入LNGの調達コストにも影響します。
- カントリーリスク海外事業、特にイラクやロシアなどカントリーリスクが高い地域での事業は、政治・経済・社会情勢の混乱、法制度や税制の変更、治安悪化などにより、事業の円滑な遂行や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。中東情勢の緊迫化により、イラクのガラフ油田の操業停止が業績予想に影響を与えています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】(1)当社のリスク管理体制 当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主な事項を以下に記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針であります。 当社では、経営リスク委員会をはじめとした各種社内委員会においてリスクの管理を行っておりますが、詳細については前記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ全般 <リスク管理>」及び後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項(リスク管理体制の整備の状況)」をご参照ください。 (2)主要リスクの抽出における考え方 当社は、主要リスクを蓋然性と影響度の観点から評価・管理しており、蓋然性は発生可能性又は発生頻度を、影響度は財務的影響額を用いて評価しております。また、事業等のリスクを3つに分類しており、それぞれの考え方は以下のとおりです。 「外部環境リスク」:外部環境における変動を主要因とし、その発生について企業の管理・統制が及ばない要素を含むリスク「事業活動に係るリスク」:当社事業に内在し、直接的に業績に影響するリスク「事業基盤に係るリスク」:特定の事業によらず、当社全体の経営を支える共通の仕組みに関わるリスク これら3つの分類に含まれるリスク項目を蓋然性と影響度の二軸で評価し、主要リスクと判断したものを以下のリスクマップ及び後記「(3)リスク詳細」に記載しております。 なお、各リスク項目は、経営リスク委員会での審議及び取締役会での報告を経て主要なリスクとして判断したものであり、以下に記載していないリスク項目により当社グループの経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。また、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は提出日現在において当社が判断したものであります。 (3)リスク詳細 前記リスクマップに示したリスク項目に係るリスク認識と対応策は以下のとおりです。なお、対応策においては、当該リスクを低減する効果はあるものの、完全に回避するものではありません。 1. 外部環境リスク1-1 価格変動リスク(原油・天然ガス等)リスク認識 当社グループは、国内外でE&P事業とインフラ・ユーティリティ事業を行っており、その売上高や営業利益は、原油・天然ガス等の価格変動により大きな影響を受けます。 当社の2027年3月期の営業利益は、油価が1米ドル/バレル上昇(下落)すると760百万円増加(減少)すると試算しております(2026年3月期決算説明資料にて公表)。この増減額には、原油価格にリンクしているLNGの調達コストの増減及びそれによる国内天然ガスと電力の販売価格の増減による影響等を含みます。ただし、実際の営業利益は上記以外の様々な要因によっても影響を受けます。 さらに、原油・天然ガス等の中長期的な想定販売価格の引き下げ等を理由としてその時点における事業用資産の帳簿価額を将来の収益から回収できない見込みとなった場合には、当該資産について減損損失を計上することとなるため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。対応策 原油・天然ガス等の価格変動が中長期的な視点で当社事業に与える影響については、サステナビリティ委員会や経営リスク委員会においてモニタリングを行っており、原油・天然ガス等の価格変動リスクに耐性のある資産の組み込み等、事業ポートフォリオについて適宜検討しております。 また、原油・天然ガス等の価格変動リスクを低減するため、デリバティブ取引等を一部実施しております。 1-2 為替変動リスク(為替)リスク認識 当社グループが国内で生産する原油や天然ガスは、原油やLNGの通関価格(CIF価格)を参照した円建てで販売するため、米ドル・円のレートの変動は、売上高や営業利益等に影響を与えます。また、輸入LNGを原料とした天然ガス及び輸入LNGを燃料とした電力の国内販売価格にも影響を与えますが、仕入れ価格も同様の影響を受けます。 当社の2027年3月期の営業利益は、為替が1円/米ドル円安(円高)に変動すると470百万円増加(減少)すると試算しております(2026年3月期決算説明資料にて公表)。対応策 為替変動が業績に与える影響を低減するため、為替動向を継続的にモニタリングするとともに、デリバティブ取引を一部実施しております。 1-3 カントリーリスク(カントリーリスク)リスク認識 海外事業には一般的な傾向としてカントリーリスクがあります。海外E&P事業の一部は、イラクやロシア等、カントリーリスクの相対的に高い地域で実施されることがあります。これらの国々の政治・経済・社会的な混乱(治安の著しい悪化を含む)、法制や税制もしくは政策等の変更を含む事業環境の変化や不確実性が、当社グループの海外事業の円滑な遂行や当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、中東情勢の緊迫化に伴う2027年3月期業績予想への影響額は、2026年3月期決算説明資料にて公表しております。当社が調達しているLNGについては代替調達によるコストの増加を想定しており、また、当社グループがイラクに権益を保有するガラフ油田については当該公表時点において操業再開時期の見通しが立たないことから、通年の生産・出荷停止を前提としております。対応策 投資判断に際しては、想定されるリスクが当社の許容範囲に留まることを慎重に検討しております。最終投資決定後は、関係当局を含むステークホルダーとの対話を継続的に実施することで、各国の政治・経済情勢等をモニタリングし、リスクの早期把握と影響の低減に努めております。 また、従来よりLNG調達については調達先を多様化し特定産地への依存低減を図っておりますが、直近の中東情勢の緊迫化を踏まえて取り組みを一層強化しております。ガラフ油田の操業に関しては現地情報の収集・把握を引き続き実施していきます。 1-4 気候変動に関するリスク(気候変動)リスク認識 パリ協定の採択を受け、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの削減を目的とした取り組みが世界的に進められております。 脱炭素社会への移行に伴う石油・天然ガス需要の減少による販売価格の低迷等を通じて事業価値が毀損される可能性があります。また、国際的な脱炭素の潮流により、金融機関等からのE&P事業投資に係る資金調達や損害保険契約の締結が困難となる可能性があります。対応策 当社は、TCFD提言に基づき気候変動に関するリスク及び機会を特定し、必要な取り組みを進めております。 当該リスクの詳細は、前記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動 <リスク管理>」をご参照ください。 1-5 需要変動リスク(天然ガス)リスク認識 当社国内のインフラ・ユーティリティ事業では、少子高齢化に伴う人口減少、需要家の設備稼働率の低下、他社との競合関係の激化等を要因とする既存の天然ガス取扱数量(第三者からの託送供給量を含む)の減少、及び新規需要開拓の不調等により、天然ガス需要量の減少が発生した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策 当社は、既存の天然ガスパイプライン等を活用した需要開拓に加え、新たに周辺地域で見込まれる需要に対してのパイプライン延伸や、タンクローリー等を利用したLNGサテライト供給による需要開拓等に取り組んでおります。 また、需要家に寄り添ったサービスの提供を実現するため、天然ガス供給に限定されない包括的なエネルギーサービスを実施しており、複数需要家を対象とした工業団地等への面的なエネルギー供給や、カーボン・オフセット商材等のソリューション提供にも取り組んでおります。 1-6 大規模災害・パンデミック等に関するリスク(大規模災害・パンデミック等)リスク認識 当社グループの操業(坑井の掘さく、原油・天然ガスの生産・輸送、LNGの貯蔵・気化・輸送等)においては、設備の不具合やヒューマンエラーに伴う事故等の操業上のリスクに加え、地震等の大規模災害や疫病の蔓延(パンデミック)等に関するリスクが存在します。これらが発生した場合、人的・物的損害の発生や、油・ガス田等の操業停止を招く可能性があります。また、直接的な損害だけでなく、販売の中断による収入の減少、当社が供給義務を負う販売先に対する損害賠償、土壌・大気・水質・海洋等の環境汚染による損害賠償、行政処分、社会的信用の低下といった副次的な損害をもたらす可能性があります。対応策 当社グループでは、平常時より設備の健全性確認や、保安体制の維持に努めており、HSEリスク評価を踏まえた設備の設計や運転マニュアルの整備を行っております。 加えて、地震等の大規模災害や疫病の蔓延(パンデミック)等に備えて、BCP(事業継続計画)を含む緊急時対応策を整備しております。主要拠点では、操業現場等での緊急時を想定した防災訓練、都市部での大規模災害を想定した防災訓練、従業員の安否確認訓練等を定期的に行い、その結果をもとに災害時の対応方法の改善に取り組んでおります。グループ会社や地域の防災団体等と連携した訓練を実施することで防災体制を強化しております。 また、上記リスクへの対応の一環として、損害保険契約を締結する等の対応策を一部講じております。 その他、プロセス安全に関する教育等、保安体制の維持に必要な教育を実施しております。 1-7 固有法規に係るリスク(固有法規)リスク認識 当社グループの事業は、その特性上、鉱業法、鉱山保安法、高圧ガス保安法、ガス事業法、電気事業法、二酸化炭素の貯留事業に関する法律(CCS事業法)等、様々な法規制の影響を受けます。将来、これらの法規制の変更、又は新たな法規制の導入等があった場合には、追加的な義務の発生や競争の激化、又は対応策に係る費用の増加等により経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策 当社グループの事業に関わる様々な法規制について、各種審議会のモニタリングや業界団体との意見交換等により継続的に情報収集をしております。また、重要性の高いリスクについては経営リスク委員会等で適宜モニタリングし、リスクの把握と影響の低減に努めております。 2. 事業活動に係るリスク2-1 事業特有のリスク(E&P事業)リスク認識 当社グループによるE&P事業の一般的な特徴として、以下のような投資に関するリスクがあります。これらのリスクにより、それまでに投じた費用の回収ができず投資損失が発生する可能性、又は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。① 投資回収期間の長さによるリスク E&P事業は、探鉱段階から開発・生産段階に至るまで長期間にわたる多額の投資を要し、投資回収までに相当の期間を要します。このような事業の性質上、投資回収までの間に事業環境の変化、開発スケジュールの遅延、投資額の増大等が発生する可能性があります。② 探鉱投資に関するリスク 探鉱段階においては、地質調査・物理探査・試掘等を実施し資源量評価を行いますが、地質的不確実性により当初期待した規模の資源量を発見できない可能性があります。③ 開発投資に関するリスク 開発段階においては、合理的な最終投資決定に努めているものの、その後の設備仕様の変更、資機材・サービスの高騰、許認可手続き等のスケジュール遅延、新たな地質的問題等が発生する可能性があります。④ 埋蔵量・生産量に関するリスク E&P事業の持続的発展には、生産に伴う埋蔵量・生産量の減少を探鉱・開発活動により補填・拡大する必要があります。これらの取り組みが計画通り進捗しない場合、将来の埋蔵量・生産量が減少する可能性があります。なお、埋蔵量は評価時点において既知の地質的・工学的データ及び経済条件等に基づく評価であり、新たなデータ取得や経済条件等の変化により修正される可能性があります。埋蔵量の詳細は、後記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ④当社グループの埋蔵量」をご参照ください。⑤ 将来の廃坑・廃山に関するリスク 生産終了後の廃坑・廃山に関する費用について、将来の廃坑・廃山計画の変更、法規制の強化、資機材の高騰等により、当初の見積り額を超過する可能性があります。なお、当社は生産終了後の廃坑・廃山に関する費用について資産除去債務を計上しております。資産除去債務の詳細は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(資産除去債務関係)」をご参照ください。対応策 当社の事業戦略を踏まえつつ、上記リスクが当社の許容範囲に留まることを投資評価委員会において慎重に検討し、慎重に投資判断を行っております。 また、リスク分散の観点から、契約形態の最適化や他社との共同事業化等も適宜検討しております。投資決定後も経営リスク委員会において定期的なモニタリングを行い、上記リスクの兆候を把握するとともに、資産の入替・売却も含めた機動的な判断を行うことで、投資回収の確実性を高められるよう努めております。 将来の廃坑・廃山に関する費用等については、法規制の変更、資機材価格の動向、及び技術の進歩等を踏まえ、合理的な見積りを行っております。 2-2 パートナーリスク(パートナーリスク)リスク認識 事業遂行に多額の投資が必要となる場合や技術面等においてリスクが高い場合には、当社単独ではなく他社をパートナーとしたうえで共同事業化し、資金やリスクの分散を図っております。 共同事業に関わる意思決定にあたっては、パートナーごとにその保有権益の多寡に応じた議決権が認められるのが一般的であり、当社としてマイナーシェアを保有するに留まる共同事業においては、当社は支配的権限を有しないことがあります。そのため、事業上の意思決定等において当社の意向が必ずしも反映されるとは限らず、これらが当社利益に沿わない形で実施された場合には、期待した収益を得られない可能性があります。また、一部パートナーが事業から撤退した場合等には、事業の円滑な遂行に支障が生じる可能性があります。 一方、当社がオペレーターとして事業を主導する場合においても、事業計画や予算等の重要事項の決定にはパートナー企業の承認が必要となる場合があり、パートナーとの見解の相違により意思決定が遅延・停滞する可能性があります。 また、参画形態によらず、パートナーの財務状況悪化による資金拠出の不履行が発生した場合、当社の資金負担の増加を招く可能性があります。対応策 共同事業におけるパートナーリスクを低減するため、事業参画にあたっては、パートナー候補企業の技術力、運営実績、財務基盤、ガバナンス及びコンプライアンス状況等を評価し、リスクが当社の許容範囲に留まることを慎重に検討しております。 参画後のパートナーとの関係においては、参画事業の定例会議への出席や当社からの技術提案等、対話機会の創出により相互理解の促進と連携強化に努めております。なお、パートナーの財務基盤等に懸念が生じた場合には、当該事業への出資・費用負担割合の見直しや、代替パートナーの検討を含む様々な対応策を検討しております。 2-3 新規案件・新規事業への投資リスク(新規案件・新規事業成立)リスク認識 当社は、2035年までを見据えた中長期の成長戦略となる「JAPEX経営計画2026-2035」(以下、「経営計画」)を2026年4月に公表しました。経営計画では、2026年度から2030年度を海外E&PとCCUSへの集中による「コア資産群」の構築期間と位置づけ、2031年度から2035年度を「コア資産群」による収益貢献が本格化する期間としております。かかる取り組みにおいて新規案件獲得及び新規事業成立が進まない場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策 当社は経営計画の中で「海外E&P資産群の構築」や「CCUSの事業化」を含む4つのマテリアリティを定義しており、重点的に取り組む方針です。 海外E&P事業は、当社の強みを活かせるエリア(米国・ノルウェー・東南アジア)に焦点を当てて新規案件・新規事業の検討を進めております。2026年4月には、長期的かつ全社最適を意識した資源の重点配分に対応する体制を強化するため、海外事業本部の組織改編を行いました。また、米国及びノルウェーにおいては、当該地域での事業経験が豊富な人材を現地子会社の幹部として社外から登用しております。 CCUSについては、社長を委員長とするカーボンニュートラル事業推進委員会において国内外の案件組成に向けた進捗管理と部門間連携を行っております。国内CCSについては専任の事業本部を設置して事業化を推進しております。 また、「コア資産群」構築を主導するキーポジション人材の計画的な育成や、キーポジション人材を持続的に輩出する人材パイプラインの構築に努めております。 新規案件・新規事業への投資の妥当性については、投資評価委員会において事業戦略やリスク評価を踏まえて審議をしており、最終投資決定後は経営リスク委員会においてリスクモニタリングを行っております。また、経営計画全体の進捗管理はサステナビリティ委員会において実施しております。 3. 事業基盤に係るリスク3-1 情報セキュリティに関するリスク(情報セキュリティ)リスク認識 事業活動を行ううえでデジタル技術は欠かせない一方、サイバー攻撃手法は多様化・高度化しており、当社グループを取り巻く情報セキュリティ関連リスクは高まっております。 サイバー攻撃等によるシステム障害や情報漏洩等が発生した場合、油・ガス田の生産操業の停止や訴訟費用の発生といった損害に加え、社会的信用の失墜といった間接的な損害が発生し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策 当社は、情報セキュリティ基本方針に基づき、情報セキュリティ総括責任者を委員長とする情報セキュリティ委員会等の管理体制を構築し、グループ全体のガバナンス強化に努めております。 サイバー攻撃への多層的な防御策を講じるとともに、システムを常時監視する体制の整備や脆弱性診断を定期的に実施しております。また、情報セキュリティ事故の発生やシステム障害等の不測の事態に備え、CSIRT(緊急時対応チーム)を中心としたインシデント対応体制やBCP(事業継続計画)を整備し、訓練を行っております。 また、役員及び従業員を対象とした定期的な教育・研修による情報セキュリティリテラシーの向上や、標的型攻撃メール訓練を実施しております。 3-2 コンプライアンス違反リスク(法令遵守)リスク認識 当社グループ事業に関連する法令としては、会社法、金融商品取引法、独占禁止法、労働基準法、税務諸法、環境関連諸法、情報セキュリティ関連諸法、贈賄防止関連諸法等の一般的な法令や、鉱業法、ガス事業法等の事業固有の法令があります。これらの法令遵守が適切になされない場合、罰金や訴訟費用等の発生に加え、社会的信用の失墜といった間接的な損害が発生し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策 当社グループでは、「JAPEXグループ倫理行動規範」、「コンプライアンスマニュアル」の制定及び事例形式の解説集を作成し、企業倫理に基づく行動とコンプライアンスの徹底を図っております。マニュアルや解説集は適宜改定するとともに、従業員への周知を行い、新入社員や特定の部門を対象としたコンプライアンス研修を実施しております。 また、「コンプライアンス報告・相談取扱規程」に基づき、内部通報窓口を設置のうえ、これを周知し、内部通報体制の構築と通報者の保護に取り組んでおります。 (不公正取引)リスク認識 当社グループの事業において、贈賄や反社会的勢力への利益供与といった不公正な取引が行われた場合、罰則等の対象となる可能性に加え、社会的信用の失墜といった損害が発生し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策 贈賄防止関連法令の確実な遵守のための体制の構築や、内部承認手続きの明確化等を規定した「贈賄防止ガイドライン」を制定しております。本ガイドラインに基づき、定期的なセルフチェックや従業員への贈賄防止研修等を行い、実効性の強化に努めております。 3-3 国の保有する当社株式に関するリスク(国の保有する当社株式)リスク認識 当社は、2003年12月、石油公団(当時)が保有していた当社株式の一部の売出しにより東京証券取引所市場第一部(当時)に株式を上場しました。この結果、同公団の保有株式数の割合は65.74%から49.94%に低下しました。 さらに、同公団が保有していた当社株式は、同公団の廃止に伴い2005年4月1日付で国(経済産業大臣)に承継され、2007年6月15日を受渡期日とする株式売出しにより当該保有株式のうち15.94%相当分が売却されました。その結果、同大臣の保有株式数の割合は34.00%まで低下しました。その後、当社において自己株式の取得を行ったことにより、2026年3月期末における同大臣の保有株式数の割合は37.84%となっております。 同大臣が保有する株式は今後も売却される可能性があり、その時期・方法・数量等によっては、当社の株価及び信用格付に影響を及ぼす可能性があります。対応策 当社は、積極的なIR・広報活動を通じ、株主に長期的かつ安定的に株式を保有していただけるよう、定期的な対話や情報交換に努めております。また、経営計画にて掲げた目標の達成に向け、海外E&PとCCUSへの集中による「コア資産群」の構築と資本効率の向上を推進し、企業価値の持続的向上と株主還元の拡充を図っていきます。