事業の概要
- 建設事業が主力奥村組グループは、土木事業と建築事業を主軸として収益を上げています。道路、橋、ダムなどの社会インフラを整備する土木工事や、オフィスビル、マンションなどの建物を建設する建築工事が、グループ全体の売上の大部分を占める基盤事業です。
- 不動産と再生可能エネルギー建設事業に加えて、不動産の販売や賃貸を行う投資開発事業も展開しています。また、子会社を通じて太陽光発電などの再生可能エネルギーによる発電・売電事業も手掛けており、事業の多角化を進めています。
- 多岐にわたる関連事業建設コンサルティングや建設資機材の製造・販売、さらにはPFI事業(公共施設の設計・建設・運営を民間が行う事業)など、建設事業に付随する多様な事業も行っています。これにより、グループ全体で幅広いサービスを提供し、収益源を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 土木事業道路、橋梁、トンネル、ダムなどの社会インフラを整備する事業です。奥村組グループの中核事業の一つであり、2024年5月期の売上高は990.24億円、営業利益は47.22億円を計上しており、安定した収益源となっています。
- 建築事業オフィスビル、商業施設、マンション、病院などの建物を建設する事業です。奥村組グループのもう一つの主要事業であり、2024年5月期の売上高は1855.51億円、営業利益は66.23億円と、グループ内で最も大きな売上と利益を上げています。
- 不動産投資開発事業不動産の販売や賃貸、再生可能エネルギーによる発電・売電を行う事業です。2024年5月期の売上高は78.75億円ですが、営業利益は-21.09億円と赤字であり、今後の収益改善が課題となる可能性があります。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Engineering | 事業 | 990 | 47 | 4.8% |
| Construction | 事業 | 1,856 | 66 | 3.6% |
| RealEstateInvestmentAndDevelopmentReportableSegment | 事業 | 79 | -21 | -26.8% |
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3 【事業の内容】当社グループは、当社及び子会社9社、関連会社6社で構成され、土木事業、建築事業、投資開発事業を主な事業の内容としています。当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであり、セグメント情報に記載された区分と同一です。〔土木事業〕当社及び関連会社である㈱オーゼットユーが営んでいます。〔建築事業〕当社及び関連会社である㈱オーゼットユーが営んでいます。〔投資開発事業〕当社及び子会社である太平不動産㈱が不動産の販売及び賃貸に関する事業を営んでいます。子会社である石狩バイオエナジー(同)及び平田バイオエナジー(同)が再生可能エネルギーによる発電・売電事業を営んでいます。〔その他〕当社がコンサルティング等建設事業に付帯関連する事業を営んでいます。子会社である奥村機械製作㈱が建設資機材等の製造・販売事業を営んでいます。子会社である吹田南千里PFI㈱他4社及び関連会社である㈱スイムシティ鹿児島他4社がPFI事業等を営んでいます。 事業の系統図は次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 資材価格や労務費の高騰を請負代金に反映することが困難な場合があるため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 建設構造物の品質・安全性向上、脱炭素社会実現に対応する技術の研究開発を推進しているため |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:建設投資の動向 / 資材価格及び労務費の変動 / 契約不適合責任
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
奥村組は長年の実績と信頼を持つゼネコンであり、ブランド力はあるものの、特許技術や強力なブランドによる価格決定力は限定的。建設業特有の技術力は存在するが、模倣されにくいほどの独占性は低い。
スイッチングコスト★★☆☆☆
建設プロジェクトは、一度着工すると途中で設計変更や業者変更はコストと時間がかかるため、顧客(発注者)にとってスイッチングコストは高い。しかし、新規プロジェクトの入札段階では競合他社へのスイッチングは容易。
ネットワーク効果★☆☆☆☆
建設業において、過去の施工実績や顧客との良好な関係は次の受注につながるネットワーク効果を生む可能性がある。しかし、強力なプラットフォーム型ネットワークとは異なり、限定的な効果にとどまる。
コスト優位★☆☆☆☆
規模の経済によるコスト優位性は存在するが、建設資材の価格変動や労務費の高騰の影響を受けやすく、安定したコスト優位性を築くことは難しい。独自の調達網や生産プロセスによる顕著なコスト差はない。
規模の経済★★★☆☆
大手ゼネコンとして、大規模プロジェクトの受注能力、豊富な設備投資、資材調達における交渉力など、規模の経済による優位性を持つ。これにより、中小企業では参入が難しい大型案件の受注が可能。
- 長年の実績と信頼奥村組は長年にわたり土木・建築事業を展開しており、社会インフラや大型建築物の建設を通じて培われた確かな技術力と実績があります。これにより、顧客からの信頼を獲得し、安定的な受注に繋がっています。
- 多角的な事業展開建設事業だけでなく、不動産開発や再生可能エネルギー事業、PFI事業など、複数の事業領域を持つことで、特定の市場変動リスクを分散しています。これにより、安定した収益基盤の構築を目指しています。
- 品質管理と安全への注力品質マネジメントシステムや労働安全衛生マネジメントシステムを導入し、施工品質の徹底管理と労働災害防止に努めています。これにより、顧客への信頼を高め、企業評価の維持・向上を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 堅実経営と社会貢献奥村組は「堅実経営と誠実施工」を信条とし、社会から必要とされる企業として、事業を通じて広く社会に貢献することを経営理念としています。時代の変化に対応し、経営基盤を強化することで、株主や社会の期待に応えることを目指しています。
- 年に向けたビジョン建設市場の需要変動や労働者不足、コスト高騰といった厳しい経営環境を見据え、「2030年に向けたビジョン」を策定しています。これは、持続的な事業継続と社会貢献を目指すための長期的な目標であり、全社員が共有する指針となっています。
- 中期経営計画と事業拡大2030年ビジョン実現に向けたステップとして、「中期経営計画(2025~2027年度)」を策定しました。この計画では、建設事業の収益力・技術力向上による企業価値向上と、建設事業に依存しない安定収益基盤構築のための事業領域拡大を推進し、人的資源の活用にも注力しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営の基本方針当社は、「堅実経営と誠実施工を信条に、社会から必要とされ続ける企業として、社業の発展を通じ広く社会に貢献する」ことを経営理念に掲げ、時代の趨勢、経営環境の変化に柔軟かつ迅速に対応して経営基盤の強化を図り、株主の期待に応え、ひいては社会に貢献することを基本方針としています。当社グループでは、すべての事業活動においてこれらを踏まえ、ステークホルダーに信頼・満足・安心を提供していくことを目指しています。 (2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標① 2030年に向けたビジョン建設市場においては、防災・減災対策、インフラ長寿命化、PPP/PFI事業の拡大、DXの推進や脱炭素に向けた投資など一定の需要が見込まれるものの、中長期的には、地政学的リスクによる景気への影響に加え、新設の建設投資の抑制、技能労働者不足の深刻化、物価や賃金の上昇による建設コストのさらなる高騰など、経営環境は一層厳しさを増すことも予想されます。このような環境認識のもと、今後も長期的に事業を継続し、社会の持続的な発展に貢献するため、将来のありたい姿を示した「2030年に向けたビジョン」の実現を目指し、様々な取り組みを展開しています。 「2030年に向けたビジョン」は、当社グループの将来のありたい姿を示しており、未来に向かって事業を力強く推進し、堅実な成長軌道を描き続けるための全社員が共有する道標と捉えています。「2030年に向けたビジョン」の実現を目指して、ステークホルダーの皆さまに信頼される経営に取り組んでいきます。 私たちの思い私たち奥村組グループは、社会の持続的な発展に貢献するために社会のニーズの変化を見据えて事業・サービスを展開するとともに、確かな技術と誠実な事業運営により、社会の信頼に応え、安心を提供し、関係する全ての人とともに豊かさを分かち合い、成長し続ける企業グループでありたいと考えます。 ② 中期経営計画「中期経営計画(2025~2027年度)」においては、具体的に以下の施策を進めていきます。 なお、「2030年に向けたビジョン」及び「中期経営計画(2025~2027年度)」の詳細については、当社ウェブサイトに掲載しています。 ・2030年に向けたビジョンhttps://www.okumuragumi.co.jp/corporate/vision/・中期経営計画(2025~2027年度)https://www.okumuragumi.co.jp/corporate/plan/ (3) 経営環境及び対処すべき課題わが国経済の先行きは、雇用・所得環境の改善等が景気の下支えとなり、緩やかな回復基調を辿ることが期待されるものの、中東などの国際情勢が及ぼす影響により先行きは不透明であると思われます。建設業界においては、建設投資は公共、民間ともに引き続き堅調に推移することが見込まれますが、人手不足による労務費高騰や原油高による資機材価格への影響など、建設コストの上昇に注視が必要な状況が続くものと思われます。当社グループは、今後も中長期的な成長を通じて社会の持続的な発展に貢献する所存であり、将来のありたい姿を示す「2030年に向けたビジョン」の実現を見据えた第3のステップである「中期経営計画(2025~2027年度)」に掲げた事業戦略の基本方針に基づく取り組みを推進しています。同計画においては、中長期的な業績の拡大に向け、「持続的な成長に向けた経営基盤の強化」を図ることとしており、建設事業の収益力・技術力の向上を中心とした「企業価値の向上」や、建設事業に依存しない安定的な収益基盤の構築に向けた「事業領域の拡大」に取り組んでいます。また、事業推進に欠かすことができない人材の確保および多様な人材が活躍しその能力を最大限に発揮できる環境整備に取り組むとともに、企業の持続的な成長を牽引する人材の育成に努めるなど、「人的資源の活用」により社員が誇れる企業を目指していきます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営の基本方針当社は、「堅実経営と誠実施工を信条に、社会から必要とされ続ける企業として、社業の発展を通じ広く社会に貢献する」ことを経営理念に掲げ、時代の趨勢、経営環境の変化に柔軟かつ迅速に対応して経営基盤の強化を図り、株主の期待に応え、ひいては社会に貢献することを基本方針としています。当社グループでは、すべての事業活動においてこれらを踏まえ、ステークホルダーに信頼・満足・安心を提供していくことを目指しています。 (2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標① 2030年に向けたビジョン建設市場においては、防災・減災対策、インフラ長寿命化、PPP/PFI事業の拡大、DXの推進や脱炭素に向けた投資など一定の需要が見込まれるものの、中長期的には、地政学的リスクによる景気への影響に加え、新設の建設投資の抑制、技能労働者不足の深刻化、物価や賃金の上昇による建設コストのさらなる高騰など、経営環境は一層厳しさを増すことも予想されます。このような環境認識のもと、今後も長期的に事業を継続し、社会の持続的な発展に貢献するため、将来のありたい姿を示した「2030年に向けたビジョン」の実現を目指し、様々な取り組みを展開しています。 「2030年に向けたビジョン」は、当社グループの将来のありたい姿を示しており、未来に向かって事業を力強く推進し、堅実な成長軌道を描き続けるための全社員が共有する道標と捉えています。「2030年に向けたビジョン」の実現を目指して、ステークホルダーの皆さまに信頼される経営に取り組んでいきます。 私たちの思い私たち奥村組グループは、社会の持続的な発展に貢献するために社会のニーズの変化を見据えて事業・サービスを展開するとともに、確かな技術と誠実な事業運営により、社会の信頼に応え、安心を提供し、関係する全ての人とともに豊かさを分かち合い、成長し続ける企業グループでありたいと考えます。 ② 中期経営計画「中期経営計画(2025~2027年度)」においては、具体的に以下の施策を進めていきます。 なお、「2030年に向けたビジョン」及び「中期経営計画(2025~2027年度)」の詳細については、当社ウェブサイトに掲載しています。 ・2030年に向けたビジョンhttps://www.okumuragumi.co.jp/corporate/vision/・中期経営計画(2025~2027年度)https://www.okumuragumi.co.jp/corporate/plan/ (3) 経営環境及び対処すべき課題わが国経済の先行きは、雇用・所得環境の改善等が景気の下支えとなり、緩やかな回復基調を辿ることが期待されるものの、中東などの国際情勢が及ぼす影響により先行きは不透明であると思われます。建設業界においては、建設投資は公共、民間ともに引き続き堅調に推移することが見込まれますが、人手不足による労務費高騰や原油高による資機材価格への影響など、建設コストの上昇に注視が必要な状況が続くものと思われます。当社グループは、今後も中長期的な成長を通じて社会の持続的な発展に貢献する所存であり、将来のありたい姿を示す「2030年に向けたビジョン」の実現を見据えた第3のステップである「中期経営計画(2025~2027年度)」に掲げた事業戦略の基本方針に基づく取り組みを推進しています。同計画においては、中長期的な業績の拡大に向け、「持続的な成長に向けた経営基盤の強化」を図ることとしており、建設事業の収益力・技術力の向上を中心とした「企業価値の向上」や、建設事業に依存しない安定的な収益基盤の構築に向けた「事業領域の拡大」に取り組んでいます。また、事業推進に欠かすことができない人材の確保および多様な人材が活躍しその能力を最大限に発揮できる環境整備に取り組むとともに、企業の持続的な成長を牽引する人材の育成に努めるなど、「人的資源の活用」により社員が誇れる企業を目指していきます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1) 経営成績当連結会計年度のわが国経済は、米国の通商政策の影響が一部にみられましたが、雇用・所得環境の改善等を背景に、緩やかな回復が続きました。建設業界においては、公共投資は堅調に推移したことに加え、民間の設備投資意欲の強さが維持されたことから、良好な受注環境が続きました。当社グループにおいては、建設事業における前期からの繰越工事が堅調に推移したこと等により、売上高は、前期に比べ3.0%増加した307,202百万円となりました。損益面では、建設事業の売上総利益率が改善したこと等により、売上総利益は同22.0%増加した38,669百万円、営業利益は同63.7%増加した15,928百万円、営業外収益に連結子会社である石狩バイオエナジー(同)の為替予約評価益を計上したこと等により、経常利益は同183.6%増加した25,313百万円、前期において特別損失に減損損失を計上したことによる反動で、親会社株主に帰属する当期純利益は同574.3%増加した18,360百万円となりました。(売上高)建築事業の売上高が前期に比べ2.9%減少しましたが、土木事業の売上高が同16.4%増加したため、売上高合計は同3.0%増加した307,202百万円となりました。(売上総利益)土木事業及び建築事業の売上総利益が前期に比べそれぞれ48.6%、0.4%増加したため、売上総利益合計は同22.0%増加した38,669百万円となりました。(販売費及び一般管理費)人件費が増加したこと等により、前期に比べ784百万円増加した22,740百万円となりました。(営業損益)営業利益は、販売費及び一般管理費が増加したものの、売上総利益が増加したことにより、前期に比べ63.7%増加した15,928百万円となりました。(営業外損益)石狩バイオエナジー(同)における為替予約評価益の計上等により営業外収益が前期に比べ9,070百万円増加したことや、前期に同社における為替予約評価損を計上したことの反動等により営業外費用が同1,118百万円減少したことにより、営業外収支は前期の804百万円の赤字から9,385百万円の黒字に転じました。(経常損益)経常利益は、営業利益の増加及び営業外収支の改善により、前期に比べ183.6%増加した25,313百万円となりました。(特別損益)前期に石狩バイオエナジー(同)における減損損失を計上したことの反動等により特別損失が前期に比べ13,286百万円減少したこと等により、特別損益は前期の10,353百万円の赤字から1,355百万円の黒字に転じました。(法人税等)法人税等調整額が前期に比べ1,201百万円減少しましたが、法人税、住民税及び事業税が同2,246百万円増加したことにより、法人税等は同1,045百万円増加した6,163百万円となりました。(親会社株主に帰属する当期純損益)以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ574.3%増加した18,360百万円となりました。 当社グループは、「中期経営計画(2025~2027年度)」に掲げた事業戦略の基本方針に基づく取り組みを推進しており、当連結会計年度の経営成績を、計画最終年度の財務目標と比較すると、次のとおりです。 「中期経営計画(2025~2027年度)」の初年度である当連結会計年度は、本業の建設事業が堅調に推移し、追加工事の獲得や原価低減により損益改善が進んだこと等から、連結業績は売上高・各段階利益ともに過去最高を更新しました。連結子会社である石狩バイオエナジー(同)の為替予約評価益等の特殊要因を除いた場合のROEは7.7%となるものの、採算性を重視した選別受注の徹底や、工事所における損益改善に向けた取り組みの成果は、収益力を着実に向上させており、目標数値に対して良好な進捗状況にあるものと認識しています。なお、「中期経営計画(2025~2027年度)」の概要については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 (土木事業)売上高は前期に比べ16.4%増加した115,248百万円、前期からの繰越工事が追加工事の獲得や原価低減等により採算が向上し、売上総利益率が改善したことから、営業利益は同114.0%増加した10,103百万円となりました。 (建築事業)売上高は前期に比べ2.9%減少した180,142百万円、営業利益は売上高の減少に伴い同8.3%減少した6,076百万円となりました。 (投資開発事業)投資開発事業は不動産の販売及び賃貸に関する事業、再生可能エネルギー事業等で、売上高は前期に比べ8.5%減少した7,206百万円、営業損失は730百万円(前期は2,109百万円の営業損失)となりました。連結子会社である石狩バイオエナジー(同)については、発電施設における爆発事故以降商業運転を停止していましたが、復旧及び再発防止に係る設備改造工事が当初計画どおり完了し、2026年4月から商業運転を再開しています。翌連結会計年度以降は安定的に売上を計上できる見込みであり、前期の減損損失の計上に伴う減価償却費の減少等により、営業利益は黒字転換するものと見込んでいます。 (その他)その他は建設資機材等の製造及び販売に関する事業等で、売上高は前期に比べ20.2%減少した4,604百万円、売上総利益率が改善したことから、営業利益は同10.6%増加した503百万円となりました。 生産、受注及び販売の実績は次のとおりです。 ① 受注実績セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)(百万円) 土木事業192,888132,273(31.4%減) 建築事業183,756220,008(19.7%増) 計376,645352,282(6.5%減) ② 売上実績セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)(百万円) 土木事業99,024115,248(16.4%増) 建築事業185,551180,142(2.9%減) 投資開発事業7,8757,206(8.5%減) その他5,7714,604(20.2%減) 計298,222307,202(3.0%増) (注) 1 当社グループにおいては、土木事業、建築事業以外での受注及び生産は僅少なため、受注実績については、土木事業、建築事業のみ記載しています。2 当社グループが営んでいる事業の大部分を占める土木事業、建築事業では、生産実績を定義することが困難なため、「生産の実績」は記載していません。3 受注実績、売上実績については、セグメント間の取引を相殺消去して記載しています。4 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。 なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりです。建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績 ① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高 期別区分前期繰越工事高(百万円)当期受注工事高(百万円)計(百万円)当期完成工事高(百万円)次期繰越工事高(百万円)前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)土木工事193,747192,888386,63699,024287,612建築工事272,922183,756456,678185,551271,127計466,669376,645843,314284,575558,739当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)土木工事287,612132,273419,885115,248304,636建築工事271,127220,008491,136180,142310,994計558,739352,282911,021295,390615,630 (注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)です。 ② 受注工事高の受注方法別比率工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。 期別区分特命(%)競争(%)計(%)前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)土木工事31.568.5100建築工事27.472.6100当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)土木工事13.586.5100建築工事50.949.1100 (注) 百分比は請負金額比です。 ③ 完成工事高 期別区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)土木工事69,36429,65999,024建築工事33,119152,431185,551計102,484182,091284,575当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)土木工事78,09637,152115,248建築工事34,818145,323180,142計112,915182,475295,390 (注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりです。前事業年度(株)ニトリ ニトリ幸手DC新築工事三交不動産(株) 四日市市浜田町計画 新築工事阪神電気鉄道(株)阪神梅田駅改良及び東西地下道躯体拡幅工事のうち土木関係工事社会福祉法人恩賜財団済生会 福岡県済生会八幡総合病院新築工事皇昌営造股份有限公司萬大線CQ860工事 シールドおよび地盤改良工事(台湾) 当事業年度独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構 北海道新幹線、立岩トンネル(ルコツ)四街道2特定目的会社 DPL千葉四街道Ⅱ新築工事地方独立行政法人天王寺動物園天王寺動物園 第一期リニューアル整備事業 設計施工業務西日本高速道路(株) 佐世保道路 佐世保高架橋南(下部工)工事中華工程股份有限公司宝山シールド工事(台湾) 2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりです。前事業年度四街道2特定目的会社28,604百万円10.1% 当事業年度該当する相手先はありません。 ④ 次期繰越工事高(2026年3月31日現在) 区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)土木工事243,17061,466304,636建築工事57,044253,949310,994計300,214315,415615,630 (注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりです。(株)明治北海道根釧地区新工場 建築工事2026年4月完成川崎2ロジスティック特定目的会社GLP川崎Ⅱプロジェクト2027年8月完成予定大阪広域水道企業団村野浄水場 西系浄水施設更新工事2033年2月完成予定林一二(株)HKプロジェクト2026年5月完成台湾電力股份有限公司港風~中科ケーブルトンネル工事(第一工区)(台湾)2030年3月完成予定 (2) 財政状態当連結会計年度末の資産合計は440,889百万円、負債合計は246,924百万円、純資産合計は193,964百万円となりました。また、当社グループの自己資本比率は44.7%(前連結会計年度末は45.1%)となりました。 (資産)流動資産は、現金預金が減少しましたが、受取手形・完成工事未収入金等が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ18,436百万円増加した259,572百万円となりました。 固定資産は、建設仮勘定、投資有価証券が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ28,986百万円増加した181,316百万円となりました。 この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ47,423百万円増加した440,889百万円となりました。 (負債)流動負債は、短期借入金が減少しましたが、未払法人税等、未成工事受入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ4,045百万円増加した179,012百万円となりました。 固定負債は、長期借入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ21,868百万円増加した67,912百万円となりました。 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ25,914百万円増加した246,924百万円となりました。 (純資産)純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上やその他有価証券評価差額金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ21,509百万円増加した193,964百万円となりました。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により7,616百万円増加しましたが、投資活動により9,959百万円、財務活動により9,731百万円、それぞれ減少したことにより、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ11,764百万円減少した15,676百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)売上債権の増加により資金が減少しましたが、税金等調整前当期純利益、未成工事受入金の増加等により、7,616百万円の資金増加となりました。(前連結会計年度は、11,828百万円の資金減少) (投資活動によるキャッシュ・フロー)有形及び無形固定資産の取得等により、9,959百万円の資金減少となりました。(前連結会計年度は、1,492百万円の資金減少) (財務活動によるキャッシュ・フロー)配当金の支払い等により、9,731百万円の資金減少となりました。(前連結会計年度は、12,070百万円の資金増加) キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。 前連結会計年度(2025年3月31日)当連結会計年度(2026年3月31日)自己資本比率(%)45.144.7時価ベースの自己資本比率(%)39.151.4キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)―899.7インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)―9.1 (注)1 キャッシュ・フロー指標のトレンドの計算式及び算出に利用した数字のベースについては次のとおりで す。自己資本比率自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率株式時価総額/総資産※株式時価総額=期末株価終値×(発行済株式数-自己株式数)キャッシュ・フロー対有利子負債比率有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ営業キャッシュ・フロー/利払い 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としています。営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。 2 前連結会計年度のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつ いては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載していません。 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の完成に要する外注費等の工事費や人件費等の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。また、「中期経営計画(2025~2027年度)」では「企業価値の向上」「事業領域の拡大」「人的資源の活用」を事業戦略の基本方針としており、これらに戦略的に投資することとしています。上記の資金需要に対し、自己資金の活用及び金融機関からの借入(ノンリコース借入を含む)を基本として必要資金の調達を行う方針です。なお、当社グループは運転資金の効率的かつ機動的な調達を行うため、取引銀行3行と総額80億円のコミットメントライン契約を締結しており、緊急の資金需要等の流動性リスクに備えています。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
事業リスク
- 建設投資の変動公共投資の縮小や景気後退による民間設備投資の減少など、建設投資の動向は奥村組の業績に大きな影響を与えます。建設事業の割合が大きいため、受注環境の悪化や競争激化は収益を圧迫する可能性があります。
- 資材価格と労務費の変動原材料価格の高騰や建設技能労働者の不足による労務費の上昇は、建設コストの増加に直結します。これらのコスト増加分を請負代金に転嫁できない場合、利益率が低下し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 契約不適合責任と労働災害設計や施工における重大な欠陥が発生した場合、契約不適合責任に基づく損害賠償金の支払いが発生し、企業評価も悪化するリスクがあります。また、重大な労働災害が発生した場合は、行政処分や企業イメージの低下により、業績に影響が出る可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりで、当社グループはこれらのリスクに対して適切な管理を行い、業績等への影響の回避を図っています。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 ① 建設投資の動向事業環境の変化を見据え、事業戦略に基づき事業領域の拡大を目指すなど、強固な収益基盤の構築に努めていますが、事業ポートフォリオに占める建設事業の割合が大きいため、財政政策の変更による公共投資の縮減や国内外の景気後退等による民間設備投資の縮小など、受注環境が著しく悪化し受注競争が激化した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 資材価格及び労務費の変動主要資材価格及び労務費の動向を常時注視し、大きな価格変動が見込まれる際には契約時期を調整する等により適正な価格での調達に努めていますが、原材料や原油価格の高騰、建設技能労働者の不足、需給バランスの偏り等により資材価格或いは労務費が高騰し、コスト増加分を請負代金に反映することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 契約不適合責任品質マネジメントシステムの運用により、施工案件の品質管理の徹底に努めており、品質トラブル及び顧客クレーム発生時には原因調査や是正を迅速に行っていますが、設計、施工等のサイクルにおいて、万一、重大な欠陥が発生した場合には、企業評価の悪化や契約不適合責任に基づく損害賠償金の支払い等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 労働災害等労働安全衛生マネジメントシステムの運用により、事業所及び建設現場において安全衛生パトロールを実施する等、安全衛生管理には万全を期しており、災害発生時には原因調査や是正を迅速に行っていますが、万一、重大事故や労働災害が発生した場合には、企業評価の悪化や関係官庁からの行政処分等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 取引先の信用リスク顧客及び協力会社についての信用調査を慎重かつ徹底的に行いリスク回避に努めていますが、万一、取引先が信用不安に陥った場合には、債権の回収不能や施工遅延による追加費用の発生等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 保有資産の価格、収益性の変動リスク事業戦略に基づき、事業領域の拡大のため不動産事業の強化を図っており、不動産取得に際しては採算性等に関する十分な検討を行っていますが、国内外の景気動向や金利動向、不動産市況に著しい変化が生じた場合には、保有不動産の時価の著しい低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、取引関係の維持・強化等を目的として保有している有価証券等については、保有に伴う便益・リスクや企業価値向上に資するか等を定期的に精査し、縮減する等見直しを行っていますが、時価が著しく下落した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ PFI事業等のリスクPFI事業等の期間が長期にわたる事業においては、事業内容、採算性等を精査し参入の可否を慎重に判断していますが、経済動向、法的規制の変更、利用者減少等の市況の変化など、事業環境に著しい変化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 海外事業に伴うリスク事業戦略に基づき、事業領域の拡大のため海外事業基盤の強化を図っており、海外事業への取り組みに際しては、詳細な現地調査による情報収集に努めるとともに、為替リスクを回避するため、資金需要に応じた調達方法やヘッジ手段を検討していますが、進出国における政治・経済情勢・法制度や為替相場等に著しい変化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 新規事業展開のリスク事業戦略に基づき、事業領域の拡大のため新規事業への参入を図っており、再生可能エネルギー事業等の新規事業への取り組みに際しては、事業性、将来性等に関する十分な検討を行っていますが、予期しない政治・経済情勢、為替相場等の市場の急激な変化等により、事業環境に著しい変化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 法的規制等コンプライアンスの徹底を経営上の重要課題と位置づけ、役職員へのコンプライアンス教育を実施するほか、コンプライアンス委員会、談合防止専門委員会を設置し、法的規制の遵守徹底を図っていますが、万一、法令違反が発生した場合には、社会的信用を著しく損ねるとともに、関係官庁からの行政処分や公共発注機関からの指名停止処分等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 自然災害・気候変動等大規模な自然災害等が発生した場合においても、事業活動を継続ないしは速やかに復旧し、必要な体制を構築できるよう事業継続計画(BCP)を整備していますが、地震、津波、風水害等の大規模自然災害や感染症の世界的流行が発生し、当社グループの従業員や保有資産に対する損害のほか、事業環境の悪化或いはその懸念が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、気候変動に関するリスク及び対応等については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。 ⑫ 情報管理情報システムの安定稼働のため、システム基盤はクラウド環境を利用し、アクセス制御、バックアップなどの取り組みを行っていますが、不正アクセス等のサイバー攻撃の被害にあった場合には、システム障害が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、顧客の機密情報及び個人情報を保全するため、情報セキュリティ体制と社内規程を整備し、教育・訓練を通じて役職員のセキュリティ意識を高める取り組みも行っていますが、サイバー攻撃やパソコン・スマートデバイスの紛失・盗難などによる情報漏洩が発生した場合には、顧客や社会からの信用失墜や損害賠償金の支払い等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 人材確保のリスク計画的な新卒採用と積極的な中途採用により多様な人材を確保するとともに、働き方改革の推進によるワークライフバランスの向上や人事制度の充実による処遇改善等を進めることで職員のエンゲージメントを高め離職防止に努めていますが、職員が計画通りに採用できない若しくは離職が増加することにより人員の確保が計画通りに進まない場合、適切な人員配置が出来ず、事業規模の拡大を妨げる、または事業規模の縮小を余儀なくされるなど、業績に影響を及ぼす可能性があります。