事業の概要
- PC技術を用いた建設業: 富士ピー・エスは、プレストレストコンクリート(PC)技術を核とした建設事業を展開しています。PC技術は、コンクリートに事前に圧縮力を与えることで、強度と耐久性を高める特殊な技術であり、橋梁や高層ビルなどの大規模構造物に適しています。この技術を活かし、土木工事と建築工事の両方で、企画、設計、施工監理、PC製品の製造・販売までを一貫して手掛けています。
- 土木事業と建築事業: 主力事業は土木事業と建築事業の二本柱です。土木事業では、PC技術を用いた橋梁や道路、防災施設などのインフラ整備に貢献しており、公共事業への依存度が高いのが特徴です。建築事業では、PC技術を応用した高層ビルや商業施設などの建設を手掛け、特に工場で製造されるPC建築製品は、現場での省力化に貢献しています。
- 多角的な事業展開: 建設事業の他に、不動産の賃貸・管理事業や海外事業、建設資機材のリース事業なども手掛けています。子会社の駿河技建はコンクリート構造物の診断・補修・補強を行い、太平洋セメントからはセメントなどの資材を調達するなど、グループ全体で建設関連の幅広いサービスを提供し、収益源を多様化しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 土木建設事業: 主にPC技術を用いた土木工事の請負、企画、設計、施工監理、PC土木製品の製造・販売を行っています。橋梁や道路、防災施設など、社会インフラの整備に貢献しており、当社グループの売上の大部分を占める基幹事業です。最新年度の売上高は227.19億円で、公共事業への依存度が高い特徴があります。
- 建築建設事業: PC技術を用いた建築工事の請負、企画、設計、施工監理、PC建築製品の製造・販売を行っています。高層ビルや商業施設、工場などの建設を手掛け、特に工場で生産されるPC建築製品は、現場での省力化に貢献しています。最新年度の売上高は107.69億円で、土木事業に次ぐ主要な収益源となっています。
- 不動産賃貸事業: 不動産の賃貸・管理などを手掛ける事業です。建設事業とは異なる収益源として、グループ全体の安定経営に貢献しています。最新年度の売上高は2.71億円で、規模は小さいものの、事業ポートフォリオの多様化に寄与しています。その他、海外事業や建設資機材のリースなども行っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| CivilEngineeringAndConstructionIndustry | 地域 | 227 | − | − |
| ConstructionIndustry | 地域 | 108 | − | − |
| PropertyRentalIndustry | 地域 | 3 | − | − |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社及び当社の関係会社は、当社、子会社3社、その他の関係会社1社により構成され、PC技術を用いた建設業を主な事業の内容としております。 当社及び当社の関係会社の事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。 なお、次の2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。土木事業 当社は、PC技術を用いた土木工事の請負、企画、設計、施工監理及びPC土木製品の製造・ 販売を行っております。 駿河技建㈱(連結子会社)は、コンクリート構造物の診断及び補修・補強を行っております。 太平洋セメント㈱(その他の関係会社)からは、同社製品のセメント等を購入しております。 建築事業 当社は、PC技術を用いた建築工事の請負、企画、設計、施工監理及びPC建築製品の製造・ 販売を行っております。 太平洋セメント㈱(その他の関係会社)からは、同社製品のセメント等を購入しております。 その他 当社は、不動産の賃貸・管理等及び海外事業、建設資機材のリース等を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。 ※関係会社の一部は複数の事業を行っており、上記は主な事業内容を掲載しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 資材価格や外注労務単価が高騰し、スライド条項が適用されない場合は業績に影響。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 建設業法に基づく特定建設業許可が必要であり、許可取り消しは事業に重大な影響。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:公共事業の市場環境の影響 / 現場での労災事故 / 契約不適合責任及び製造物責任
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
ブランド力や特許などの無形資産は限定的。建設業という性質上、技術力やノウハウは存在するが、明確な競争優位性となるほどのブランド力や特許は確認できない。
スイッチングコスト★★☆☆☆
顧客が他社へ乗り換える際のコストは、建設プロジェクトの特性上、一定程度存在する。特に、進行中のプロジェクトや、過去の実績・信頼関係が重視される場合、乗り換えは容易ではない。
ネットワーク効果★☆☆☆☆
建設業では、元請け・下請けといった関係性や、業界内での評判が重要となる場合がある。しかし、富士ピー・エス特有の強力なネットワーク効果は確認できない。
コスト優位★★☆☆☆
規模の経済によるコスト優位性は限定的。建設業は労働集約的な側面もあり、個々のプロジェクトの効率化が重要となる。ただし、資材調達や建設機械の保有などで一定のコスト管理は行われている。
規模の経済★★★☆☆
売上高が近年増加傾向にあり、一定の事業規模を有している。これにより、大規模プロジェクトの受注や、資材調達における交渉力に一定の優位性を持つ可能性がある。
- PC技術の専門性: 富士ピー・エスは、プレストレストコンクリート(PC)技術という高度で専門的な技術を強みとしています。この技術は、一般的なコンクリートよりも強度や耐久性に優れ、長寿命な構造物の建設を可能にします。長年の経験と実績に裏打ちされたPC技術は、同社の競争力の源泉であり、高品質なインフラや建築物の提供を可能にしています。
- 工場生産による効率化: PC建築製品の製造・販売を手掛けることで、建設現場での作業効率を高めています。工場で部材を生産することで、品質の均一化、工期の短縮、現場での省力化を実現し、人手不足が深刻化する建設業界において、顧客にとって魅力的なソリューションを提供しています。全国に6つの工場ネットワークを持つことも強みです。
- 社会インフラへの貢献: 土木事業における公共事業への高い依存度は、安定的な需要が見込めるという側面も持ちます。国土強靭化計画など、国の政策に沿ったインフラ整備需要は今後も継続すると見られており、同社のPC技術は老朽化インフラの更新や災害対策事業において重要な役割を果たすことが期待されます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 「VISION2030」による成長戦略: 富士ピー・エスは、2030年度を最終年度とする第5次中期経営計画「VISION2030」を推進しています。この計画では、「新たな成長戦略に向けた経営リソースの拡充」をメインテーマに掲げ、2025年度までに高収益体制の実現と経営資源の充実を目指し、その後2030年に向けて急成長を遂げることを目標としています。売上高450億円超、営業利益率5%超の達成を目指し、選別受注と利益優先主義を継続する方針です。
- 人的リソースの拡充と定着: 建設業界の慢性的な担い手不足に対応するため、人材戦略を「量」から「質」の向上へと転換しています。実践的な教育研修による現場運営の高度化、健康経営の深化、リ・ブランディング活動によるエンゲージメント向上、i-con戦略ラボの活動加速などを通じて、既存社員の定着と新たな担い手の確保・育成を最優先課題としています。女性技術者や外国人技術者の積極的な採用も進めています。
- 工場事業の再編と収益性改善: 全国6工場のネットワークを強みとしつつも、老朽化や機能拡張の限界といった課題に対応するため、統廃合も視野に入れた「最適配置と生産体制の再構築」を検討しています。これにより、事業の継続性と効率性を両立させ、次世代を支える強固な生産基盤を確立する方針です。また、「工事工場利益改善プロジェクト」による徹底した原価管理と適正な価格転嫁、大豊建設との業務提携による収益機会の拡大を通じて、収益性のさらなる改善を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、「企業は社会の公器、企業の社会的責任遂行」という言葉を明確に自覚し、株主を始め、顧客、当社グループ社員、協力会社並びに地域社会からの信頼を得て、社会資本整備を通して「信頼と利益」の調和の取れた企業経営を目指しております。企業である限り競争は必然であり、そのためにより高度で特化した技術が必要であることを認識し、人材教育と技術開発を推進しております。 (経営理念)・福祉国家建設の一翼を担って社会に奉仕する・技術を究め創意をこらし自己の責任を完遂する・和信協同し企業の繁栄と共に幸福を創り出す (経営方針)技術の研鑽と創意に努め、安全と安心の企業ブランドのもと、社会資本整備を通して国家建設に貢献するとともに、利益追求と社会的責任の調和を実現する。 (2)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題 当社グループが事業対象とする市場環境につきましては、土木分野においてこれまで市場を牽引してきた高速道路会社の大規模更新事業が僅かに縮小へ向かう傾向にあるものの、政府の「第1次国土強靱化実施中期計画」の始動により、老朽化インフラの更新や災害対策事業の拡大が見込まれ、市場全体としては引き続き堅調に推移するものと判断しております。また建築分野では、首都圏を中心とする都市再開発需要が継続する中、深刻な人手不足を背景に、現場の省力化を実現する当社独自製品「FR板」への需要がさらに高まる見通しです。その一方で、原材料価格や労務コストの高止まり、及び受注競争の激化など、予断を許さない状況が続いています。また当社グループは現在、2030年度を最終年度とする第5次中期経営計画「VISION2030」を推進しております。外部環境の変化に伴い、中間目標(売上高350億円、営業利益率5%)の達成時期を2027年3月期へと1年延長いたしましたが、第75期はこの目標完遂に向けた「稼ぐ力」を最大化させる極めて重要な年です。これまでのアクションプランを通じ、九州小竹工場のリニューアルやDX環境の整備、メンテナンス事業会社のM&Aなど、着実な成果を上げてまいりました。しかしながら、人的リソースの拡充においては慢性的な担い手不足が足かせとなり、想定した成果を十分に上げるには至っておりません。これらの状況を踏まえ、当社グループは以下の課題に重点的に対処してまいります。①人的リソースの拡充と定着(「量」から「質」への転換) 担い手不足が深刻化する中、人材戦略を従来の「量」の確保から個々の「質の向上」をより重視する施策へと抜本的に転換いたします。実践に即した教育研修を通じて現場運営の高度化を実現するとともに、既存社員の定着(離職防止)を経営の最優先課題の一つに掲げます。具体的には、健康経営の活動深化、リ・ブランディング活動を通じたエンゲージメント向上に加え、i-con戦略ラボの活動を加速・実装させることで、現場の負担軽減を図ります。これらを通じて「働き続けたい企業」としての基盤を固め、担い手の確保と育成の両立を目指します。②サステナブルな工場事業に向けた再編の検討 全国6工場のネットワークは、安定的に製品需要に応えることができる当社グループの強みのひとつです。しかし、一部の工場においては老朽化による更新費用の増大や、敷地の狭小性による機能拡張の限界など、長期的な採算性の観点から課題も顕在化しております。今後、工場製品への需要がさらに高まる中、事業の継続性と効率性を両立させるべく、統廃合をも視野に入れた「最適配置と生産体制の再構築」の検討を推進し、次世代を支える強固な事業としての生産基盤を確立いたします。③収益性のさらなる改善と業務アライアンスの実装 「工事工場利益改善プロジェクト」による徹底した原価管理と適正な価格転嫁を継続し、高水準の収益性を安定的に維持できる経営体制を確立いたします。あわせて、大豊建設株式会社との業務提携を具体的な収益へと繋げる「実装フェーズ」を加速させます。PC技術の相互補完や共同技術開発を深化させ、自社単独では困難であった新事業分野への展開や受注競争力の強化を早期に実現いたします。 ④企業価値向上に向けた戦略的アプローチ 持続的な成長と資本効率の向上を通じて、ステークホルダーからの社会的評価を高める取り組みを強化いたします。東証の要請(PBR1.0以上の早期達成)を真摯に受け止め、収益性の改善と市場との対話の深化を実行することで、外的環境に左右されない「自律的な経営環境」を強固なものといたします。 上記の課題解決を加速させることで、「社会に必要とされる100年企業」への道筋を確かなものにし、中長期的な企業価値の最大化に邁進する方針です。 (3)中期経営計画「VISION2030」について 当社グループは、2021年に向こう10年を見据えて、「新たな成長戦略に向けた経営リソース(人材、技術・生産設備、財務)の拡充」をメインテーマとした「VISION2030」を策定いたしました。 「VISION2030」では、通過点である2025年までの5年間で高収益体制の実現、経常的に経営資源を充実させていく体制・文化の構築を目指すべきゴールとして、「稼ぐ力」を蓄えるためのハード・ソフト両面での環境整備を集中的に行い、その後、2030年に向かってこれをテコに「急成長を成し遂げる期間」としております。 2030年にあるべき姿として「価値を創造するエンジニアリング企業」「顧客の要望にワンストップで応える企業」「世界レベルのSDGs達成に貢献する企業」を目標としております。 この「VISION2030」を達成するための方針として、次の4つを掲げております。事業方針: (ⅰ)2030年度のゴールに向けて、2025年度までに高収益体質が実現し、経常的に経営資源を充実させていく体制・文化の構築している状態を目指す (ⅱ)2030年度のゴールを、売上高450億円超・営業利益率5%超とし、2025年度に売上高350億円超・営業利益率5%超を目指し、選別受注及び利益優先主義を継続する (ⅲ)人員増加施策だけでなく、生産性の向上を図るため、大規模な設備増強や現場負荷軽減のための仕組みづくりに注力する投資方針: (ⅰ)工場を中心に5年間で集中的な投資を行い、生産性の向上、製品売上比率の向上を図る (ⅱ)将来の工場製品売上の増加見通しに伴い、必要な時期において工場の生産能力の増強を検討する (ⅲ)継続的な研究開発を行うために売上高の0.3%を開発費に充てる財務方針: (ⅰ)財務の健全性を重視し、投資は利益の範囲内とする (ⅱ)将来、大規模な投資が必要となった場合は、保有資産の活用も視野に入れる (ⅲ)ROEは7%超の維持を目標とする株主還元方針:配当性向20%超の維持 また、「VISION2030」においては、SDGsの17の目標への取り組みについても掲げております。 当社グループは、2015年に国連サミットで採択されたSDGsに対し、当社事業の重要な様相としてSDGsを位置付け、「世界レベルのSDGs達成に貢献する企業グループ」を目標に掲げ、SDGsが描く未来の現実に取り組むことで、さらなる社会貢献を図ること、及び事業活動を通じて、課題抽出と技術革新に取り組み環境負荷軽減を達成することは重要な課題と捉えております。 また、外部環境の変化を受け中期経営計画「VISION2030」の一部をアップデートし、中長期的な企業価値の向上に向けて、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を行うことを2024年5月15日に公表いたしました。 世界的なインフレによる原材料、労務費、輸送費等の建設コストの高騰など外部環境の変化の影響を受け、「VISION2030」に掲げたROE7%超の維持が未達、PBR(株価純資産倍率)が1.0を割り込んでいる状況であることから、主要セグメントである土木事業・建築事業の収益性確保により「VISION2030」の業績目標を達成し、株主還元の充実、IR活動の強化などによる株価の向上に向けた取り組みの実施により、ROEとPBRの改善・向上に繋げてまいります。 具体的な目標・取り組みは以下のとおりです。(ⅰ)利益確保によるROEの改善 「VISION2030」に計画する工場設備投資等による既存事業の充実に加え、新規事業への挑戦・拡大を図るとともに、「工事工場利益改善プロジェクト」にて策定した諸施策の遂行により、売上高350億円超、営業利益率5%超の実現することにより、ROE8%超の実現を目指す (ⅱ)株価向上施策によるPBRの向上①配当政策の見直し株主還元強化による株価向上施策の一環として、配当性向40%を目指す②自己株式の取得資本効率向上と株主還元強化の一環として、自己株式の取得を検討③IR活動の強化積極的な情報開示とIR活動の強化 (ⅲ)他社との協業による企業価値の向上 当社は、2025年6月に主力分野の異なる大豊建設株式会社と将来的な企業価値の向上を目指す施策の一環として、業務提携を行いました。 主力分野の異なる企業との協業は、シナジー効果によって企業価値を安定的に高め、対象市場を拡大し、コスト競争力を強化できるものと考えております。 業務提携の主な目的と内容等は次のとおりです。①プレキャスト化の推進②メンテナンス工事におけるトータル対応の実現
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、「企業は社会の公器、企業の社会的責任遂行」という言葉を明確に自覚し、株主を始め、顧客、当社グループ社員、協力会社並びに地域社会からの信頼を得て、社会資本整備を通して「信頼と利益」の調和の取れた企業経営を目指しております。企業である限り競争は必然であり、そのためにより高度で特化した技術が必要であることを認識し、人材教育と技術開発を推進しております。 (経営理念)・福祉国家建設の一翼を担って社会に奉仕する・技術を究め創意をこらし自己の責任を完遂する・和信協同し企業の繁栄と共に幸福を創り出す (経営方針)技術の研鑽と創意に努め、安全と安心の企業ブランドのもと、社会資本整備を通して国家建設に貢献するとともに、利益追求と社会的責任の調和を実現する。 (2)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題 当社グループが事業対象とする市場環境につきましては、土木分野においてこれまで市場を牽引してきた高速道路会社の大規模更新事業が僅かに縮小へ向かう傾向にあるものの、政府の「第1次国土強靱化実施中期計画」の始動により、老朽化インフラの更新や災害対策事業の拡大が見込まれ、市場全体としては引き続き堅調に推移するものと判断しております。また建築分野では、首都圏を中心とする都市再開発需要が継続する中、深刻な人手不足を背景に、現場の省力化を実現する当社独自製品「FR板」への需要がさらに高まる見通しです。その一方で、原材料価格や労務コストの高止まり、及び受注競争の激化など、予断を許さない状況が続いています。また当社グループは現在、2030年度を最終年度とする第5次中期経営計画「VISION2030」を推進しております。外部環境の変化に伴い、中間目標(売上高350億円、営業利益率5%)の達成時期を2027年3月期へと1年延長いたしましたが、第75期はこの目標完遂に向けた「稼ぐ力」を最大化させる極めて重要な年です。これまでのアクションプランを通じ、九州小竹工場のリニューアルやDX環境の整備、メンテナンス事業会社のM&Aなど、着実な成果を上げてまいりました。しかしながら、人的リソースの拡充においては慢性的な担い手不足が足かせとなり、想定した成果を十分に上げるには至っておりません。これらの状況を踏まえ、当社グループは以下の課題に重点的に対処してまいります。①人的リソースの拡充と定着(「量」から「質」への転換) 担い手不足が深刻化する中、人材戦略を従来の「量」の確保から個々の「質の向上」をより重視する施策へと抜本的に転換いたします。実践に即した教育研修を通じて現場運営の高度化を実現するとともに、既存社員の定着(離職防止)を経営の最優先課題の一つに掲げます。具体的には、健康経営の活動深化、リ・ブランディング活動を通じたエンゲージメント向上に加え、i-con戦略ラボの活動を加速・実装させることで、現場の負担軽減を図ります。これらを通じて「働き続けたい企業」としての基盤を固め、担い手の確保と育成の両立を目指します。②サステナブルな工場事業に向けた再編の検討 全国6工場のネットワークは、安定的に製品需要に応えることができる当社グループの強みのひとつです。しかし、一部の工場においては老朽化による更新費用の増大や、敷地の狭小性による機能拡張の限界など、長期的な採算性の観点から課題も顕在化しております。今後、工場製品への需要がさらに高まる中、事業の継続性と効率性を両立させるべく、統廃合をも視野に入れた「最適配置と生産体制の再構築」の検討を推進し、次世代を支える強固な事業としての生産基盤を確立いたします。③収益性のさらなる改善と業務アライアンスの実装 「工事工場利益改善プロジェクト」による徹底した原価管理と適正な価格転嫁を継続し、高水準の収益性を安定的に維持できる経営体制を確立いたします。あわせて、大豊建設株式会社との業務提携を具体的な収益へと繋げる「実装フェーズ」を加速させます。PC技術の相互補完や共同技術開発を深化させ、自社単独では困難であった新事業分野への展開や受注競争力の強化を早期に実現いたします。 ④企業価値向上に向けた戦略的アプローチ 持続的な成長と資本効率の向上を通じて、ステークホルダーからの社会的評価を高める取り組みを強化いたします。東証の要請(PBR1.0以上の早期達成)を真摯に受け止め、収益性の改善と市場との対話の深化を実行することで、外的環境に左右されない「自律的な経営環境」を強固なものといたします。 上記の課題解決を加速させることで、「社会に必要とされる100年企業」への道筋を確かなものにし、中長期的な企業価値の最大化に邁進する方針です。 (3)中期経営計画「VISION2030」について 当社グループは、2021年に向こう10年を見据えて、「新たな成長戦略に向けた経営リソース(人材、技術・生産設備、財務)の拡充」をメインテーマとした「VISION2030」を策定いたしました。 「VISION2030」では、通過点である2025年までの5年間で高収益体制の実現、経常的に経営資源を充実させていく体制・文化の構築を目指すべきゴールとして、「稼ぐ力」を蓄えるためのハード・ソフト両面での環境整備を集中的に行い、その後、2030年に向かってこれをテコに「急成長を成し遂げる期間」としております。 2030年にあるべき姿として「価値を創造するエンジニアリング企業」「顧客の要望にワンストップで応える企業」「世界レベルのSDGs達成に貢献する企業」を目標としております。 この「VISION2030」を達成するための方針として、次の4つを掲げております。事業方針: (ⅰ)2030年度のゴールに向けて、2025年度までに高収益体質が実現し、経常的に経営資源を充実させていく体制・文化の構築している状態を目指す (ⅱ)2030年度のゴールを、売上高450億円超・営業利益率5%超とし、2025年度に売上高350億円超・営業利益率5%超を目指し、選別受注及び利益優先主義を継続する (ⅲ)人員増加施策だけでなく、生産性の向上を図るため、大規模な設備増強や現場負荷軽減のための仕組みづくりに注力する投資方針: (ⅰ)工場を中心に5年間で集中的な投資を行い、生産性の向上、製品売上比率の向上を図る (ⅱ)将来の工場製品売上の増加見通しに伴い、必要な時期において工場の生産能力の増強を検討する (ⅲ)継続的な研究開発を行うために売上高の0.3%を開発費に充てる財務方針: (ⅰ)財務の健全性を重視し、投資は利益の範囲内とする (ⅱ)将来、大規模な投資が必要となった場合は、保有資産の活用も視野に入れる (ⅲ)ROEは7%超の維持を目標とする株主還元方針:配当性向20%超の維持 また、「VISION2030」においては、SDGsの17の目標への取り組みについても掲げております。 当社グループは、2015年に国連サミットで採択されたSDGsに対し、当社事業の重要な様相としてSDGsを位置付け、「世界レベルのSDGs達成に貢献する企業グループ」を目標に掲げ、SDGsが描く未来の現実に取り組むことで、さらなる社会貢献を図ること、及び事業活動を通じて、課題抽出と技術革新に取り組み環境負荷軽減を達成することは重要な課題と捉えております。 また、外部環境の変化を受け中期経営計画「VISION2030」の一部をアップデートし、中長期的な企業価値の向上に向けて、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を行うことを2024年5月15日に公表いたしました。 世界的なインフレによる原材料、労務費、輸送費等の建設コストの高騰など外部環境の変化の影響を受け、「VISION2030」に掲げたROE7%超の維持が未達、PBR(株価純資産倍率)が1.0を割り込んでいる状況であることから、主要セグメントである土木事業・建築事業の収益性確保により「VISION2030」の業績目標を達成し、株主還元の充実、IR活動の強化などによる株価の向上に向けた取り組みの実施により、ROEとPBRの改善・向上に繋げてまいります。 具体的な目標・取り組みは以下のとおりです。(ⅰ)利益確保によるROEの改善 「VISION2030」に計画する工場設備投資等による既存事業の充実に加え、新規事業への挑戦・拡大を図るとともに、「工事工場利益改善プロジェクト」にて策定した諸施策の遂行により、売上高350億円超、営業利益率5%超の実現することにより、ROE8%超の実現を目指す (ⅱ)株価向上施策によるPBRの向上①配当政策の見直し株主還元強化による株価向上施策の一環として、配当性向40%を目指す②自己株式の取得資本効率向上と株主還元強化の一環として、自己株式の取得を検討③IR活動の強化積極的な情報開示とIR活動の強化 (ⅲ)他社との協業による企業価値の向上 当社は、2025年6月に主力分野の異なる大豊建設株式会社と将来的な企業価値の向上を目指す施策の一環として、業務提携を行いました。 主力分野の異なる企業との協業は、シナジー効果によって企業価値を安定的に高め、対象市場を拡大し、コスト競争力を強化できるものと考えております。 業務提携の主な目的と内容等は次のとおりです。①プレキャスト化の推進②メンテナンス工事におけるトータル対応の実現
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」と いう。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要の継続や堅調な企業業績等を背景に、賃上げによる雇用・所得環境の改善に加え、政府による各種政策により、物価上昇の中でも緩やかな回復基調が続いております。一方で、中東やウクライナにおける紛争の長期化による原材料・エネルギー価格は依然として高止まりの状況にあることに加え、米国の通商政策などの影響による景気の下振れが懸念されることから、今後も引き続き国内外の様々な環境変化を注視していく必要があります。 当建設業界におきましては、土木分野は高速道路の大規模更新事業において発注者側の働き方改革や事業財源の制約などにより、整備スピードに鈍化傾向がみられるものの、災害復旧事業や「防災・減災、国土強靱化」関連の整備事業を中心に堅調に推移しました。土木分野の先行きにつきましては、従来の公共事業関係費に加え、2026年度からスタートする政府主導の「第1次国土強靭化実施中期計画」や高速道路会社の「中期事業見通し」などから、引き続きインフラ老朽化対策など必要性の高い事業を中心に一定量の発注が想定され、底堅く推移していくと見込まれます。また、建築分野につきましても首都圏を中心とした再開発事業や防衛関連施設への投資の増加に加え、民間設備投資に持ち直しの動きがみられ、今後も需要拡大が期待されます。一方で、労務費・建設資材・輸送費の高騰など建設コストが総じて高い価格水準で推移していることに加え、深刻な人手不足は業界全体における喫緊の課題であり、人材の確保や生産性の向上に向けた施策が必須となっております。 このような経営環境のもと、当社グループは「新たな成長戦略に向けた経営リソース(人材、技術・生産設備、財務)の拡充」をメインテーマとした第5次中期経営計画「VISION2030」の中間年にあたる5年目を迎え、「工事工場利益改善プロジェクト」による収益性の向上、キャッシュ・フローの改善による財務体質の健全化、既存工場のリニューアルによる労働環境の改善や生産性の向上、専門部署による「DX」の推進・普及、生産現場の業務を支援するバックオフィスの機能向上、SBT認定に向けたカーボンニュートラル等の環境対策や補修補強・防災分野に関する研究開発、子会社を核としたメンテナンス事業の拡大、コンクリート構造物を主たる事業とするゼネコンとの業務提携など、整備してきたリソースを通じて「稼ぐ力」の向上を目指した取り組みを実施しながら企業活動を進めてまいりました。また、多様性を重視したリクルート活動、生産現場の働きがい改革「リ・ブランディング」の推進、時間外労働の減少などワークライフバランスの充実、経済産業省が推進する健康経営優良法人の認定継続、「SDGs」の全社的展開を通じた社会的な企業価値向上のための取り組みなど、生産性の向上とあわせて社員及び協力会社従業員の働き方改革の実現に向けて様々な施策を実施してまいりました。 a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,142百万円減少し、35,613百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,976百万円減少し、22,470百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ834百万円増加し、13,143百万円となりました。 b.経営成績 当連結会計年度の受注高は建築事業におけるプレキャスト製品の需要拡大などにより31,201百万円(前連結会計年度比18.1%増)、売上高は手持ち工事が順調に進捗したものの、建築事業売上高が前連結会計年度において過去最高額だったことによる反動減により32,230百万円(前連結会計年度比4.6%減)となりました。利益につきましては、売上高は減少したものの、工事採算性が改善したことなどから、営業利益は1,588百万円(前連結会計年度比79.4%増)、経常利益は1,476百万円(前連結会計年度比73.4%増)となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に保有資産の譲渡に伴う譲渡益を特別利益に計上した影響により993百万円(前連結会計年度比54.6%減)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 なお、第1四半期より、従来報告セグメントとして開示しておりました「不動産賃貸事業」は、量的な重要性が低下したため、報告セグメントから除外し、「その他」として記載する方法に変更しております。 また、前連結会計年度のセグメント情報は、当連結会計年度の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。 土木事業 土木事業は、官庁発注の工事が大型化・長期化の傾向がより強まる中で、長期の大型手持ち工事の確保と中・短期的な工事確保による安定経営を目指し公入札、民間受注活動に鋭意取り組みました。その結果、当連結会計年度においては、国土交通省発注の政府調達協定対象工事(WTO)で技術提案高評価により2件を受注、またNEXCO発注工事ではゼネコンとのJVで継続工事を随意契約で受注し、地元福岡においては福岡県、福岡北九州高速道路公社などでも複数件の工事を受注しました。さらに民間営業での工場製品である大型プレキャストPC床版製作工事を受注するなど営業活動を進めましたが、橋梁関連の公入札工事の発注に鈍化傾向がみられたこともあり、それに伴い競争が激化した影響などにより、受注高は17,080百万円(前連結会計年度比6.7%減)となりました。 売上高につきましては、現場施工、製品製作とも大型工事を中心に概ね順調に進捗したことに加え、工期末を迎えた大型工事の最終設計変更契約による増額などにより、当連結会計年度においては23,053百万円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。 セグメント利益につきましては、売上高の増加に加え、上記のように発注者との各種スライド条項や協議による設計変更を進めた結果、想定以上の成果が得られたことなどにより工事採算性が改善したことから4,124百万円(前連結会計年度比20.7%増)となりました。 建築事業 建築事業は、関東及び関西・中部地区におけるマンション事業の発注が順調に推移したことに加え、建設物価上昇分を販売価格に転嫁できたこと、また関東地区を中心に工事を含む複数のPCa物件の受注を獲得できたことにより、受注高は14,036百万円(前連結会計年度比79.7%増)となりました。 売上高につきましては、関西・中部地区で耐震補強工事等の進捗が好転したこと、及び関西・関東地区の大型再開発現場も順調に進捗しましたが、前連結会計年度の売上高が過去最高額を更新したことによる反動減により、9,084百万円(前連結会計年度比15.6%減)となりました。 セグメント利益につきましては、運送費、人件費等の建設コスト高騰の影響を受けたものの、適正な価格転嫁の推進により全工種に亘って原価率の改善が実施できたことで、942百万円(前連結会計年度比28.8%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物は1,133百万円減少し、期末残高は1,950百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、獲得した資金は418百万円(前連結会計年度は2,334百万円の使用)となりました。収入の主な要因は、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上、売上債権の減少などによるものであります。支出の主な要因は、仕入債務の減少、未収入金の増加、法人税等の支払いなどによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、使用した資金は1,086百万円(前連結会計年度は1,701百万円の獲得)となりました。主な内容は、有形固定資産の取得による支出であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、使用した資金は464百万円(前連結会計年度は1,514百万円の調達)となりました。これは、長期借入金の返済による支出及び配当金の支払いが主な要因であります。 ③生産、受注及び販売の実績a.受注実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)(百万円)前年同期比(%)土木事業17,080△6.7建築事業14,03679.7その他83△71.3合計31,20118.1 b.売上実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)(百万円)前年同期比(%)土木事業23,0531.5建築事業9,084△15.6その他92△67.2合計32,230△4.6(注)1.当社では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。2.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。 相手先 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日) 当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日) 金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)中日本高速道路㈱4,45313.25,45616.9西日本高速道路㈱3,3209.83,78511.8 (参考)提出会社の建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績は次のとおりであります。 (1)受注工事高、完成工事高及び繰越工事高期別区分前期繰越工事高(百万円)当期受注工事高(百万円)計(百万円)当期完成工事高(百万円)次期繰越工事高(百万円)前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)土木工事38,83212,88251,71517,48934,225建築工事1,2599282,1881,236951計40,09213,81153,90318,72635,176その他11,98311,40623,38913,5809,809合計52,07525,21777,29332,30644,986当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)土木工事34,22512,04646,27117,64228,629建築工事9511,0782,0291,426602計35,17613,12548,30119,06929,232その他9,80916,16425,97411,66114,313合計44,98629,28974,27530,73043,545(注)前事業年度以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にそ の増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。 (2)受注工事高の受注方法別比率工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。期別区分特命(%)競争(%)計(%)前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)土木工事34.365.7100建築工事100-100当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)土木工事50.849.2100建築工事99.30.7100(注) 百分比は請負金額比であります。 (3)完成工事高期別区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)土木工事17,4543417,489建築工事8703661,236計18,32540118,726当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)土木工事17,6271517,642建築工事1,2401861,426計18,86720119,069(注)1.前事業年度の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なものは、次のとおりであります。中日本高速道路㈱北陸自動車道(特定更新等)九頭竜川橋他2橋床版取替工事(その2)中国地方整備局令和4年度三隅・益田道路木部高架橋PC上部工事㈱大林組新東名高速道路大御神西跨道橋他3橋(PC上部工)工事㈱大林組東名阪津島高架橋拡幅梁外ケーブル工事四国地方整備局令和4-6年度 横断道江田高架橋上部PA27-PA32工事 2.当事業年度の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なものは、次のとおりであります。東日本高速道路㈱首都圏中央連絡自動車道 阿見高架橋(PC上部工)工事阪神高速道路㈱喜連瓜破橋大規模更新工事宮崎県道路公社令和4年度 一ツ葉道路工事 第4号 但し、一ツ葉大橋耐震工事福岡県県道甘木田主丸線両筑橋橋梁上部工工事(2工区)関東地方整備局R5国道20号八王子南BP寺田跨道橋上部工事 3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。前事業年度中日本高速道路㈱4,246百万円22.7% 西日本高速道路㈱3,320百万円17.7%当事業年度中日本高速道路㈱5,302百万円27.8% 西日本高速道路㈱3,785百万円19.9% (4)次期繰越工事高(2026年3月31日現在)区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)土木工事28,5844428,629建築工事52082602計29,10512729,232(注) 次期繰越工事のうち請負金額4億円以上の主なものは次のとおりであります。中日本高速道路㈱岡谷高架橋改良工事西日本高速道路㈱令和2年度 佐世保道路 佐世保高架橋(拡張)工事中日本高速道路㈱名神高速道路(特定更新等)木曽川橋床版取替工事西日本高速道路㈱新名神高速道路 城陽第二高架橋東(PC上部工)工事中日本高速道路㈱新名神高速道路錐ヶ瀧橋他1橋(PC上部工)拡幅工事 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、会計上の見積りを行う必要があり、のれん、貸倒引当金、完成工事補償引当金、工事損失引当金、株式給付引当金、退職給付に係る負債、収益認識に関する会計基準に基づく収益認識などの判断につきましては、過去の実績や合理的な方法により見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 上記のうち、見積り及び仮定の重要度が高いものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)財政状態 当連結会計年度末における資産合計は35,613百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,142百万円の減少となりました。 流動資産は、25,434百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,430百万円の減少となりました。主な要因といたしましては、未収入金が435百万円増加するなどはありましたが、現金預金が1,123百万円、受取手形・完成工事未収入金等が1,819百万円減少したことなどによるものであります。 固定資産は、10,179百万円となり、前連結会計年度末に比べ288百万円の増加となりました。主な要因といたしましては、九州小竹工場リニューアル工事の進捗に伴い機械・運搬具及び工具器具備品や建設仮勘定の増加により有形固定資産が299百万円増加いたしました。また、のれんの償却などによる減少とその他の資産の増加により無形固定資産が1百万円の増加、繰延税金資産の減少などにより投資その他の資産が12百万円減少いたしました。 負債合計は22,470百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,976百万円の減少となりました。 流動負債は、21,011百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,917百万円の減少となりました。主な要因といたしましては、流動負債「その他」296百万円増加いたしましたが、支払手形・工事未払金等が1,169百万円、電子記録債務が719百万円減少したことなどによるものであります。 固定負債は、1,458百万円となり、前連結会計年度末に比べ59百万円の減少となりました。主な要因といたしましては、長期借入金が57百万円減少したことなどによるものであります。 純資産合計は13,143百万円となり、前連結会計年度末に比べ834百万円の増加となりました。主な要因といたしましては、親会社株主に帰属する当期純利益993百万円の計上、退職給付に係る調整累計額の増加57百万円、自己株式の株式報酬としての処分による増加5百万円、剰余金の配当による減少234百万円によるものであります。 以上の結果、自己資本比率は36.9%となり、前連結会計年度末に比べ4.3%上昇いたしました。 2)経営成績(売上高) 当連結会計年度における売上高は、潤沢な手持ち工事が順調に進捗したものの、建築事業売上高が前連結会計年度において過去最高額だったことによる反動減により前連結会計年度に比べ1,541百万円減少(前連結会計年度比4.6%減)の32,230百万円となりました。 なお、セグメント別の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」の項目をご参照ください。 (売上原価、販売費及び一般管理費) 当連結会計年度における売上原価は、売上高の減少に加え、土木事業、建築事業ともに工事原価の低減に努めた結果、前連結会計年度に比べ2,358百万円減少(前連結会計年度比8.0%減)の27,102百万円となりました。 売上総利益は、売上高の減少はあったものの、土木事業においては順調な設計変更契約の獲得など、建築事業においては適正な価格転嫁の推進などにより工事採算性が改善し、前連結会計年度に比べ816百万円増加(前連結会計年度比18.9%増)の5,128百万円となりました。売上総利益率は前連結会計年度12.8%に対し、3.1ポイント改善し15.9%となりました。 なお、セグメント別の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」の項目をご参照ください。 販売費及び一般管理費は、各種経費の節減や業務効率化による残業時間の削減などに努めましたが、賃金上昇による労務費の増加などにより、前連結会計年度に比べ114百万円増加(前連結会計年度比3.3%増)の3,539百万円となりました。 (営業利益) 営業利益は、売上総利益の増加により前連結会計年度に比べ702百万円増加(前連結会計年度比79.4%増)の1,588百万円となりました。営業利益率は4.9%となり、前連結会計年度に比べ2.3ポイントの大幅な好転となりました。 (営業外損益) 営業外収益は、前連結会計年度に比べ38百万円減少の50百万円となりました。鉄屑等の売却による物品売却益の減少及び固定資産の経常的な入れ替え等に伴う処分益の減少が主な要因となります。 営業外費用は、前連結会計年度に比べ39百万円増加の162百万円となりました。借入金利の上昇に伴う支払利息の増加が主な要因となります。 (特別損益) 特別損失は、九州小竹工場リニューアル工事及び関東工場リニューアル工事に伴う固定資産除却損を計上した結果、52百万円となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度において保有不動産の譲渡に伴う譲渡益を特別利益に計上したことなどにより前連結会計年度に比べ1,194百万円減少(前連結会計年度比54.6%減)の993百万円となりました。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの経営に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題」、及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 c.資本の財源及び資金の流動性1)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 2)資金需要当社グループの資金需要は、運転資金、投資資金及び株主還元に分けられます。運転資金需要の主なものは、工事の施工及び工場の製品製造のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用や管理費用であります。投資資金需要の主なものは、設備資金であり、工場における製造設備、工事現場における建設機材等固定資産の購入によるものであります。また、株主還元については、財務健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施しております。 3)資金調達当社グループは、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、子会社(非連結・持分法非適用)を含めた資金調達は、原則として当社が一元管理しており、必要に応じて当社より子会社へ貸付けを行っております。運転資金及び株主還元につきましては、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金により充当しておりますが、運転資金において不足が生じた場合には金融機関からの借入金を利用しております。設備資金につきましては、設備投資計画に基づき資金計画を作成し、内部資金で不足する場合には金融機関からの借入金を利用しております。なお、工場建設等の大規模な設備投資の場合には、内部資金に加え長期借入金を始めとした複数の調達方法を検討しております。当社は、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フローの創出を維持するとともに、長期・短期の借入金のバランスを考慮した安定的な資金調達を行いながら、今後の事業成長に資するため事業運営上必要な手元流動性を高めることに努めております。 d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、「新たな成長戦略に向けた経営リソース(人材、技術・生産設備、財務)の拡充」をメインテーマとした第5次中期経営計画「VISION2030」を2022年3月期よりスタートさせ、当連結会計年度は5年目となりました。この「VISION2030」における前半の5年間(「稼ぐ力」を蓄える期間)における具体的な数値計画は以下のとおりとなっております。(百万円) 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期(当期)売上高28,16029,40031,20033,00035,300営業利益9801,1601,2501,5001,750(営業利益率)(3.5%)(3.9%)(4.0%)(4.5%)(5.0%) 売上高及び営業利益(率)は、企業経営の基本的な指標であり、会社の本来の業務における収益性の判断材料として、重要な指標としております。当連結会計年度の実績との比較は以下のとおりであります。 (百万円) VISION2030実績値差額売上高35,30032,230△3,069営業利益1,7501,588△162(営業利益率)(5.0%)(4.9%)(△0.1%) 当連結会計年度における実績は、「VISION2030」に対し売上高は3,069百万円下回り32,230百万円となり、達成率としては91.3%となりました。この主な要因は、土木事業では、潤沢な手持ち工事を現場・工場ともに順調に進捗させたことに加え、工期末を迎えた大型工事の最終設計変更契約が円滑に進んだことなどにより手持ち工事に係わる売上高が増加した一方で、橋梁関係の公入札工事の発注に鈍化傾向が見られ、競争が激化し受注高が減少したことにより、新規受注工事の売上高が計画を下回ることとなり、全体としてVISION2030の目標値を下回る結果となりました。建築事業においては、関西・中部地区で耐震補強工事等の進捗が好転したこと、並びに関東や関西における大型再開発現場が滞りなく進捗したことで当社製品の供給も順調に行えたことにより、当連結会計年度は「VISION2030」の目標値を達成する結果となりました。営業利益は、「VISION2030」の目標値を162百万円下回り1,588百万円となり、達成率は90.7%となりました。営業利益率につきましては、4.9%と5.0%にわずかに達成できなかったものの、「工事工場利益改善プロジェクト」などの施策の効果により工事採算性が改善し、前連結会計年度の実績2.6%に比べ大幅に改善しており、順調に進捗しております。販売費及び一般管理費につきましては、賃金上昇により労務費は増加傾向にありますが、各種経費の節減や業務効率化による残業時間の削減などに努めた結果、「VISION2030」の目標値を2.0%程度上回るに留まりました。したがいまして、営業利益の未達成の主な要因は、前述の要因による売上高が「VISION2030」の目標値を下回ったことにあると判断しております。 (投資方針及びその分析)投資につきましては、当社グループが建設業界に属していることから工事用機材の適切な維持更新は安全な施工を行うために不可欠であり、また、工場においても生産性の向上、省人・省力化等のために継続的な設備投資は不可欠と考えております。従って、設備投資額を重要な指標の一つとしております。当連結会計年度における設備投資額は、782百万円であります。老朽化設備の更新に加え、大型機材や工場製造設備といった設備増強、安全性・生産性の向上及び効率化のための設備の取得などの設備投資が397百万円となりました。さらに、生産力アップのため既存工場の本格的なリニューアル工事として、九州小竹工場リニューアル工事を2022年3月期からスタートさせており、5年目を迎えた当連結会計年度においては、自社工法で工場事務所棟の建設などを行い384百万円の設備投資を実施いたしました。なお、当連結会計年度で全てのリニューアル工事の完了を予定しておりましたが、進捗に若干の遅れが生じ、事務所棟は5月の完成となりました。九州小竹工場のリニューアル工事の計画及び進捗については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。 研究開発につきましては、設立以来、新製品の開発、製造技術の合理化、現場工事における施工方法の開発、施工上の問題解決等の課題に挑戦しながら、社会のニーズに対応できるよう研究開発活動を実施していることから研究開発投資も重要な指標としております。研究所での技術開発などを行った結果、当連結会計年度における開発費の額は125百万円で、売上高の0.4%となり、方針としている売上高の0.3%を達成する結果となりました。 (財務方針及びその分析)財務につきましては、ROE(自己資本利益率)は投下した資本に対しどれだけの利益を獲得できたかを示す指標であり、重要な指標としております。当連結会計年度においては、連結で7.8%、個別で7.7%となり、方針としている8%超の目標値を若干下回る結果となりました。なお、今後は「第2 事業の状況 (3)中期経営計画「VISION2030」について」に記載した通り、利益確保によるROEの改善を図り、ROE8%超の実現を目指してまいります。また、当連結会計年度の設備投資資金につきましては、設備投資総額で782百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益993百万円の範囲内となっております。従って、当連結会計年度の設備投資資金は、基本として自己資金によっております。なお、九州小竹工場リニューアル関連投資に係る今後の資金については、基本的に内部留保等の活用による自己資金による調達を考えておりますが、大型・長期の設備投資と言うこともあり、長期での資金調達が適切と考えており、借入金等による調達も視野に入れ検討しております。 (株主還元方針及びその分析)当社グループは、株主に対する利益還元を経営の最重要課題の一つと位置付け、財務体質の強化と積極的な事業展開に必要な内部留保の充実を図りながら、安定配当を実施することを基本方針としております。当社の中期経営計画「VISION2030」においても、配当性向を重要な指標としており、2024年5月15日に公表いたしました「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」において配当性向40%を目指すこととしております。また、期間損益に影響を受けやすいという特性がある配当性向に加え、安定配当の指標として株主資本配当率(DOE)を配当検討の際の指標として加えております。当連結会計年度においては、前連結会計年度の普通配当13円から9円増配の1株当たり22円の普通配当といたしました。この結果、配当性向は39.1%となりました。また、もう一つの指標としている株主資本配当率は前連結会計年度の2.0%から1.1ポイント上昇し3.1%となりました。なお、今後も「第2 事業の状況 (3)中期経営計画「VISION2030」について」に記載した通り、PBR向上のため、株主還元強化を株価向上施策の一環と捉えており、翌連結会計年度の配当は、当連結会計年度の普通配当より3円増配し、1株当たり25円の普通配当を予定しており、配当性向も43.7%となる予定です。今後も株主還元を強化し、配当性向は40%超を維持できるよう努める方針としております。 (SDGsへの取り組み)「VISION2030」においては、SDGsの17の目標への取り組みについても掲げております。「世界レベルのSDGs達成に貢献する企業グループ」を2030年に目指す姿の一つと定め、その実現に向けて、基本理念に基づいた重要と思われる5つの課題(マテリアリティ)及びその課題を解決するための活動方針(アクションプラン)を策定しております。当連結会計年度において、当社グループではSDGs関連研修の実施をはじめとして、SDGsに寄与するため下記のような取り組みを実施いたしました。① 福岡市・北九州市における「福岡市SDGs登録制度」認定継続取得② 7年連続で「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」の認定取得③ スポーツエールカンパニー2026として認定を継続取得④ 「健康づくり優良事業所」ゴールド認定取得⑤ 「女性活躍推進法に基づくえるぼし認定(2段階目)」取得⑥ 「カーボンニュートラル推進プロジェクト」により検討を進め、SBT認定の取得を目指してグループ全体としての取り組みを実施 「スポーツエールカンパニー」とは、従業員の健康増進のためにスポーツの実施に向けた積極的な取り組みを行っている企業としてスポーツ庁が認定を行う制度です。社員がスポーツに親しめる環境づくりを進めることで、社員が心身ともに健康で個性や能力を最大限に発揮できる職場環境の実現を目指し、健康経営を推進しています。また、当社に設置している「カーボンニュートラル推進プロジェクト」において、CO2削減目標、ロードマップの策定及び具体的なCO2削減策の立案と検討を進め、過年度において、企業が「Science Based Targets initiative (SBTi)」に対し、2年以内に科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標を設定し、SBTiの承認を得ることを約束する意思表明「コミットメント」を完了させております。このほかにも、脱炭素・低炭素につながるコンクリートの材料・配合選定・養生方法などの研究開発の実施、風力発電ハイブリッドタワーの実用化に向けた取り組み、工場で使用する蒸気養生ボイラーの燃料を重油から天然ガスに転換することで、有害排気ガスの排出削減の実施など様々な地球温暖化対策に積極的に取り組んでおり、今後も継続して取り組みを実施してまいります。
事業リスク
- 公共事業への依存と市場変動: 当社グループの事業は公共土木事業への依存度が約7割と高く、国の財政状況や公共事業予算の変動が業績に直接影響する可能性があります。国土強靭化策により公共事業は増加傾向にあるものの、中長期的な継続性は不透明であり、建築事業の拡大が計画通りに進まない場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
- 労災事故と品質問題: 建設業は高所作業など危険を伴う作業が多く、労災事故が発生するリスクがあります。万一、重大な労災事故が発生した場合、工事成績評点へのマイナス影響や、発注機関からの指名停止処分を受け、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、契約不適合責任や製造物責任による損害賠償や補修工事が発生した場合も、多額の費用発生や指名停止により業績に影響する可能性があります。
- 資材価格・人件費の高騰と人手不足: 原材料価格や外注労務単価の変動は、工事原価に影響を与え、契約条件にあるスライド条項が適用されない場合は、収益性を圧迫する可能性があります。また、少子高齢化や建設産業の構造的な問題により、建設技術者や技能労働者の不足が深刻化しており、適切な人材確保ができない場合、施工能力の低下や工期の遅延などにより業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)公共事業の市場環境の影響について 当社グループの事業は公共土木事業への依存度が7割程度であります。国土強靭化策などにより公共事業は増加基調にありますが、わが国の財政事情などから、この増加基調が中長期的に継続するか否かは不透明であります。当社グループは公共事業に偏らない土木・建築を両輪とした安定的な事業構造への転換を進めておりますが、建築事業の拡大が進展しない場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、公共事業以外の受注活動も強化することで、リスクの軽減を図っております。 (2)現場での労災事故について 建設業界は高所作業など危険作業が多く、産業界でも重大事故発生率が最も高い産業であります。当社グループは「安全なくして生産なし」をスローガンとして掲げ、グループを挙げてゼロ災害に取り組んでおります。しかしながら、万一、労災事故が発生した場合は、工事成績評点へのマイナス影響や、関係発注機関から指名停止を受けるなど業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、各支店に安全衛生委員会を設置し、安全パトロールや作業員に対する安全衛生教育を定期的に実施するとともに、日常の安全衛生活動では、安全朝礼、ツールボックス・ミーティング、危険予知活動(KY活動)を行い労災事故の防止に努めております。 (3)契約不適合責任及び製造物責任について 「安全と安心」を企業ブランドとして掲げ、品質管理にはグループを挙げて万全を期しておりますが、万一、契約不適合責任及び製造物責任による損害賠償や補修工事などが発生した場合は、多額の補修費用の発生や関係発注機関から指名停止を受けるなど業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、工事受注後から設計照査を行い、品質パトロールを定期的に実施するなど、プロセスチェックを実施する品質管理体制により、厳密な品質管理を徹底することで、リスクの軽減を図っております。 (4)PC建築製品製作のための工場設備について 当社グループの事業安定化のためには建築事業の拡大が不可欠であり、その主力製品は工場部材であることから、各地域市場に供給する工場設備の保有が必要であります。民間建築投資は景気、物価、賃金、雇用動向等に大きく影響を受けることから、景気の低迷等による需要低下で工場の稼働率が落ちるなど業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、公共事業を中心とする土木事業のプレキャスト化を推進することで、民間建築投資に過度に依存しない体制を構築し、リスクの軽減を図っております。 (5)官公需法の影響について 官公需法とは、地元企業育成のために地元中小企業に優先的に公共事業を発注する制度を定めた法律であります。特に地方自治体は地域振興策を強化しており、官公需法の運用が堅持・強化された場合は、当社グループはこれら地元中小企業の下請けになるケースや地元企業との共同企業体となるケースが増加することなどが考えられます。 元請けや共同企業体構成員となった地元企業が信用不安に陥った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、契約前に取引先の信用調査を適切に実施することで、リスクの軽減を図っております。(6)資材価格や外注労務単価変動の影響について 様々な要因で資材の購入単価や外注労務単価が高騰し、契約条件にある請負金額のスライド条項などが適用されない場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、発注者との交渉を密にし、スライド条項が適用されるように働きかけることで、リスクの軽減を図っております。(7)建設技術者や技能労働者の不足について 少子高齢化の進展や建設産業の構造的な問題により、建設技術者や技能労働者の不足が顕著な問題となっております。労働者不足に関しては国をあげた課題として取り組まれており、この問題に適切に対応できない場合は施工能力が落ちるなど業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、建設技術者や技能労働者不足に対応するために、現場工事のプレキャスト化の推進や、女性技術者及び外国人技術者の採用を積極的に行うことで、リスクの軽減を図っております。 (8)大規模自然災害等 地震や台風等大規模な自然災害の発生や感染症の流行により、当社グループの事業遂行に直接的または間接的な影響を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、事業継続に重大な影響を及ぼす大規模自然災害や感染症等の不測の事態に備え事業継続計画を策定するとともに、大規模災害を想定した避難訓練、安否確認訓練を実施し、リスクの軽減を図っております。 (9)情報セキュリティについて 当社グループの事業活動において、施工物件や知的財産に関する情報など、多様な電子データを取り扱っており ます。近年、ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃が増加し、当社グループ内で同様の事象が生じた場合、 機密情報や個人情報などの漏洩に加え、事業活動の継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、情報セキュリティ研修によるリテラシー向上や、マルウェア検知ソフトの導入、他拠点バッ クアップによるデータ保護を行っています。さらに、感染時や感染が疑われる場合に、適切な連絡体制を通じて速 やかな報告を行い、定められた手順に従って迅速に対応して情報システム環境の復旧と適切な情報発信を行うこと を事業継続計画に定め、リスクの軽減を図っております。 (10)法的規制等について 当社グループの事業は、建設業法、建築士法、建築基準法等の法的規制を受けております。主要な事業であります土木・建築事業は、建設業法に基づき、特定建設業許可を受けておりますが、不正な手段による許可の取得や経営管理者・専任技術者等の欠格条項違反に該当した場合は、建設業法第29条により許可の取り消しとなります。 当社グループでは、当該許可の諸条件や法令等の遵守に努めており、現時点において、これらの免許の取消事由に該当する事実はないと認識しております。しかしながら、万一、法令違反等によって許可が取り消された場合、当社グループの業績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、法務部門が当該許可の諸条件や法令等を遵守していることを定期的に確認することでリスクの軽減を図っております。 (許認可等の状況)法令等許認可等有効期限取消事由建設業法特定建設業の許可国土交通大臣許可(特—4)第2301号2022年11月26日から2027年11月25日まで(5年ごとの更新)建設業法第29条