1905

テノックス(1905)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

建設業 建設・資材

事業の概要

  • 基礎工事の専門性
    テノックスグループは、建設業の中でも特に建物の土台となる基礎工事に特化しています。これは、建物を安全に支えるために非常に重要な部分であり、専門的な技術とノウハウが求められる分野です。子会社を通じて、この基礎工事の請負や関連機材の賃貸も行い、事業の幅を広げています。
  • 建設資材の販売とコンサルティング
    基礎工事だけでなく、建設に必要な資材の販売も手掛けています。また、土木建築に関するコンサルティング事業も展開しており、工事の計画段階から専門的なアドバイスを提供することで、顧客の多様なニーズに応えています。これにより、建設プロジェクト全体に関与し、収益機会を増やしています。
  • 多角的な事業展開
    国内での基礎工事を主軸としつつ、海外(特にベトナム)での事業展開も進めています。さらに、不動産賃貸事業のような「その他の事業」も手掛けることで、特定の事業に依存しすぎないようリスクを分散し、安定した収益基盤の構築を目指していると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 建設事業
    テノックスグループの主力事業であり、基礎工事に特化した建設活動を行っています。当社、テノックス技研、広島組、大三島物産が国内で基礎工事を請け負い、TENOX ASIA COMPANY LIMITEDが海外(主にベトナム)で事業を展開しています。最新年度の売上高は231億6,916万7千円、営業利益は11億368万9千円と、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。
  • 土木建築コンサルティング全般等事業
    株式会社複合技術研究所が担当しており、土木建築に関するコンサルティング業務や工事物件の斡旋業務を行っています。専門的な知識と技術を提供することで、建設プロジェクトの円滑な進行を支援しています。最新年度の売上高は5億2,478万6千円、営業利益は470万1千円であり、グループ全体の事業を補完する役割を担っています。
  • その他の事業
    当社が行っている不動産賃貸事業などが含まれます。これは、特定の事業に依存しない収益源を確保し、事業ポートフォリオの多様化を図る目的があります。最新年度の売上高は2,315万9千円、営業利益は702万1千円と規模は小さいものの、安定した収益に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ConstructionBusiness 地域 232 11 4.8%
CivilEngineeringAndConstructionConsultingBusiness 地域 5 0 0.9%
OtherBusiness 地域 0 0 30.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|683 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社と連結子会社4社(㈱テノックス技研、㈱広島組、㈱複合技術研究所、TENOX ASIA COMPANY LIMITED)及び持分法非適用非連結子会社2社(大三島物産㈱、TENOX VIETNAM PILE FACTORY COMPANY LIMITED)、持分法適用関連会社1社(ジャパンホームシールド㈱)で構成されており、建設及び建設資材の販売を主たる事業としております。 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 なお、次の3部門は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。建設事業………………当社、㈱テノックス技研、㈱広島組、及び大三島物産㈱の4社は基礎工事に特化した建設事業を営んでおり、㈱テノックス技研は、主に当社からの基礎工事の請負及び機材の賃貸を行っております。海外においては、TENOX ASIA COMPANY LIMITEDが事業を行っております。土木建築コンサ………ルティング全般等事業㈱複合技術研究所は土木建築コンサルティング全般等に関する事業及び工事物件の斡旋業務を営んでおります。その他の事業…………当社が行っている不動産賃貸事業等を含んでおります。 これらのほか、ジャパンホームシールド㈱(持分法適用関連会社)は、戸建住宅関連事業を営んでおります。 また、事業の系統図は次のとおりであります。 (注) 無印 連結子会社 ※1 持分法非適用非連結子会社 ※2 持分法適用関連会社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
建設市場における価格競争の激化、建設資材価格の高騰や労務費の上昇による工事採算の悪化。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
長年にわたる基礎工事に関する技術とノウハウの蓄積、多くの特許権取得、新工法の開発。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:建設市場の動向及び価格競争 / 法的規制について / 人材の確保と育成について
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

テノックスは戸建て注文住宅の建設・販売を主軸としており、ブランド力や独自の設計力といった無形資産は限定的。地域密着型の営業が中心であり、全国的なブランド認知度は高くない。特許や商標による強力な保護も確認できない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

戸建て注文住宅においては、設計の自由度や担当者との信頼関係が重要視されるため、一定のスイッチングコストは存在する。しかし、ハウスメーカー間の比較検討は容易であり、価格やデザインの魅力があれば乗り換えは十分に考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

テノックスの事業モデルは、個別の顧客との取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果は期待できない。顧客同士のつながりや、サプライヤーとの強固なネットワークによる優位性も見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

建設業全体として、資材調達や建設技術において一定のコスト構造が存在するが、テノックスが他社に対して顕著なコスト優位性を持つという情報は少ない。スケールメリットによるコスト削減効果も限定的と推測される。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

売上高は増加傾向にあるものの、建設業界全体で見ると中堅規模であり、大手ハウスメーカーのような圧倒的な規模の経済は有していない。地域ごとの拠点展開は進めているが、全国的なシェア拡大には限界がある。

  • 基礎工事の技術とノウハウ
    長年にわたり基礎工事に特化し、独自の技術とノウハウを蓄積しています。これにより、他社との差別化を図り、高品質な施工を提供できる点が強みです。多くの特許権も取得しており、技術的な優位性を確立しています。
  • コンサルティングと技術開発
    土木建築コンサルティング事業を通じて、顧客の課題解決に貢献しています。また、新工法の開発にも注力しており、災害に強い国土形成や脱炭素社会の実現に貢献する技術を追求しています。これにより、将来的な市場ニーズにも対応できる体制を整えています。
  • 海外展開と事業基盤
    ベトナムでの基礎工事事業を展開しており、現地の経済成長を取り込むことで事業拡大を目指しています。また、国内では子会社や長年の協力会社との連携により、安定した施工体制を構築しています。これにより、多様なプロジェクトに対応できる強固な事業基盤を持っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 安全と安心の提供
    テノックスグループは、土木・建築構造物の基礎工事を通じて、利用者に「安全」と「安心」を届けることを経営の基本方針としています。基礎工事分野のリーディングカンパニーとして、常に新しい技術や工法の開発・普及に努め、企業価値の増大を目指しています。
  • 中期経営計画と重要戦略
    2024年度からの中期経営計画「未来を拓く、新たな一歩」に基づき、社会、環境、労働、経営の課題に対し5つの重要戦略で取り組んでいます。具体的には、国内土木・建築事業の強化、ベトナムでの事業拡大、コンサルティング事業の高度化、技術開発、環境・デジタル戦略、経営基盤・人財戦略の強化を通じて、持続的な成長を目指します。
  • 資本効率の向上と株主還元
    企業価値向上のため、自己資本当期純利益率(ROE)を重視する経営指標とし、8%以上の達成を目標としています。利益増加、成長分野への投資(海外事業、環境関連、M&Aなど)、そして純資産配当率(DOE)2%以上を目標とする積極的な株主還元を通じて、資本効率の改善を図る方針です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループの事業目的は、土木・建築構造物の基礎工事を担当することにあり、上部構造物を利用されている全ての方々に「安全」「安心」をお届けすることにあります。基礎工事分野におけるリーディングカンパニーとして、常に新しい技術・工法の開発・普及に努めることで、企業価値の増大を図ることにより、株主・取引先・社会の期待に応える企業を目指します。 (2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略① 経営環境今後のわが国経済は、緩やかな回復が続くことが期待されるものの、米国・イスラエルとイランとの情勢の悪化による原油問題などに起因した、原材料価格やエネルギー価格の高騰といった下振れリスクをはらんでおり、先行きは不透明な状況が続くものと思われます。建設業界におきましては、公共事業は引続き防災・減災・国土強靭化対策などにより底堅く推移すると見込まれ、また、民間投資は企業収益の改善を背景に堅調に推移していくことが期待されています。しかしながら、原油問題に起因する更なる建設資材価格の高騰や人手不足などによる投資計画の延期・見直しの懸念、現場従事者の慢性的な不足など構造的な課題により、業界を取り巻く環境は厳しくなると想定されます。このような環境のもと、当社グループにおきましては、受注環境の変化に適応した事業基盤の強化に向けた取り組みを進めてまいります。 ② 中長期的な会社の経営戦略2024年度からスタートした中期経営計画(2024-2026年度)「未来を拓く、新たな一歩」に基づき、社会、環境、労働、経営における事業課題に対し5つの重要戦略で挑戦しております。長期ビジョンである、100年企業を目指したサステナビリティ経営の実現と社会への貢献に努めてまいります。 具体的には以下のとおりです。5つの重要戦略事業活動アイテムマテリアリティ事業別戦略土木事業(国内)多発・激甚化する自然災害を想定した防災・減災、国土強靭化に係る構造技術提案を強化し、設計織込みストックを拡大建築事業(国内)新開発工法や研究技術を駆使して構造物設計への複合提案を推進、変化・多様化する建築ニーズをキャッチアップ海外事業ベトナム経済の成長政策(社会資本整備計画)へ基礎技術で貢献、現地法人の事業拡大に向けて施工基盤を強化土木建築コンサルティング事業複合技術研究所内に戦略企画室を設置し、テノックスグループでプロジェクトと戦略を共有、土木・建築構造設計へのカスタマーソリューションを高度化開発戦略保有技術の高付加価値化保有技術をブラッシュアップし、付加価値の高い基礎工法のバリエーションを強化施工管理装置「VCCS」の全工法への展開及び新基幹システムとの連携により、施工品質の向上、工事現場の働き方改革を推進社会・環境問題解決への技術開発災害に強い安全な国土形成や脱炭素社会の実現など、時代のニーズに応える技術開発に注力100年企業を目指した新技術の開発担い手不足の解消及び現場の生産性向上・働き方改革の実現に向け、現場施工の自動化(On-site Construction Automation)を推進施工における脱炭素化への挑戦を通じ、持続可能な資源循環社会の実現に貢献環境・デジタル戦略環境経営の実践基礎工事のカーボンニュートラルを実現DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進DXの推進により業務効率化、作業の生産性向上、省力施工を実現経営基盤の強化事業基盤の強化事業の成長と企業価値の向上へ4つの重要課題を実践(①安全・品質管理の徹底 ②収益力の強化 ③施工体制の増強 ④ガバナンスの強化)多様化・高度化する環境や顧客のニーズに対応し持続的な成長を実現人財戦略人財の能力を最大限に生み出す企業ブランディング、Well-being(ウェルビーイング)を実現①人財育成 ②DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン) ③エンゲージメントの向上 ④心理的安全性の醸成等の推進経営管理体制の強化ガバナンス強化とリスク管理の徹底を目的とした6委員会(①リスク管理委員会 ②コンプライアンス委員会 ③情報セキュリティ委員会 ④品質管理委員会 ⑤安全衛生委員会 ⑥サステナビリティ委員会)を設置、社会と事業の持続的成長を追求資本効率経営の推進企業価値向上に向けた現状分析市場の求める株主資本コストを十分に上回ることができていない⇒収益性の向上と資本コストを意識した経営へ注力資本コストの把握と目指すべきROE当社の資本コスト=株主資本コスト企業価値の源泉であるエクイティスプレッドを生み出す資本収益性の確保 ⇒ROE(自己資本当期純利益率)8%以上キャッシュ・アロケーション営業C/F及び手元資金を原資とし、投資・株主還元に戦略的に配分することで、事業成長及び資本収益性を向上株主還元方針『DOE(純資産配当率)2%以上』の方針のもと、積極的に還元 (3) 優先的に対処すべき事業上の課題と経営指標当社グループは、中期経営計画において5つの重要戦略を着実に実行し、収益性の向上に努めてまいります。また、資本効率の向上が当社の企業価値向上に資するとの考えのもと、ROEを経営上重視すべき経営指標としております。中期経営計画における経営指標は以下のとおりです。 最終年度(2026年度)目標2024年度実績2025年度実績売上高270億円237億円210億円経常利益15.00億円11.64億円13.31億円ROE8.0%5.9%7.1%1株当たり配当DOE2%以上50円60.5円DOE2.6%3.0% 企業価値の向上に資するROEの引き上げは急務であり、その実現に向け以下の施策を実施してまいります。①重要戦略への取り組みを通して利益を増加。②営業キャッシュ・フロー及び手元資金を原資とし、将来の成長に繋げるための資金の有効活用として、既存事業投資、成長分野投資(海外事業、環境関連、M&A)及び配当に中期経営計画の3年間で70億円の投資枠を設定。③配当方針をDOE2%以上とし、積極的な株主還元を実施。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループの事業目的は、土木・建築構造物の基礎工事を担当することにあり、上部構造物を利用されている全ての方々に「安全」「安心」をお届けすることにあります。基礎工事分野におけるリーディングカンパニーとして、常に新しい技術・工法の開発・普及に努めることで、企業価値の増大を図ることにより、株主・取引先・社会の期待に応える企業を目指します。 (2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略① 経営環境今後のわが国経済は、緩やかな回復が続くことが期待されるものの、米国・イスラエルとイランとの情勢の悪化による原油問題などに起因した、原材料価格やエネルギー価格の高騰といった下振れリスクをはらんでおり、先行きは不透明な状況が続くものと思われます。建設業界におきましては、公共事業は引続き防災・減災・国土強靭化対策などにより底堅く推移すると見込まれ、また、民間投資は企業収益の改善を背景に堅調に推移していくことが期待されています。しかしながら、原油問題に起因する更なる建設資材価格の高騰や人手不足などによる投資計画の延期・見直しの懸念、現場従事者の慢性的な不足など構造的な課題により、業界を取り巻く環境は厳しくなると想定されます。このような環境のもと、当社グループにおきましては、受注環境の変化に適応した事業基盤の強化に向けた取り組みを進めてまいります。 ② 中長期的な会社の経営戦略2024年度からスタートした中期経営計画(2024-2026年度)「未来を拓く、新たな一歩」に基づき、社会、環境、労働、経営における事業課題に対し5つの重要戦略で挑戦しております。長期ビジョンである、100年企業を目指したサステナビリティ経営の実現と社会への貢献に努めてまいります。 具体的には以下のとおりです。5つの重要戦略事業活動アイテムマテリアリティ事業別戦略土木事業(国内)多発・激甚化する自然災害を想定した防災・減災、国土強靭化に係る構造技術提案を強化し、設計織込みストックを拡大建築事業(国内)新開発工法や研究技術を駆使して構造物設計への複合提案を推進、変化・多様化する建築ニーズをキャッチアップ海外事業ベトナム経済の成長政策(社会資本整備計画)へ基礎技術で貢献、現地法人の事業拡大に向けて施工基盤を強化土木建築コンサルティング事業複合技術研究所内に戦略企画室を設置し、テノックスグループでプロジェクトと戦略を共有、土木・建築構造設計へのカスタマーソリューションを高度化開発戦略保有技術の高付加価値化保有技術をブラッシュアップし、付加価値の高い基礎工法のバリエーションを強化施工管理装置「VCCS」の全工法への展開及び新基幹システムとの連携により、施工品質の向上、工事現場の働き方改革を推進社会・環境問題解決への技術開発災害に強い安全な国土形成や脱炭素社会の実現など、時代のニーズに応える技術開発に注力100年企業を目指した新技術の開発担い手不足の解消及び現場の生産性向上・働き方改革の実現に向け、現場施工の自動化(On-site Construction Automation)を推進施工における脱炭素化への挑戦を通じ、持続可能な資源循環社会の実現に貢献環境・デジタル戦略環境経営の実践基礎工事のカーボンニュートラルを実現DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進DXの推進により業務効率化、作業の生産性向上、省力施工を実現経営基盤の強化事業基盤の強化事業の成長と企業価値の向上へ4つの重要課題を実践(①安全・品質管理の徹底 ②収益力の強化 ③施工体制の増強 ④ガバナンスの強化)多様化・高度化する環境や顧客のニーズに対応し持続的な成長を実現人財戦略人財の能力を最大限に生み出す企業ブランディング、Well-being(ウェルビーイング)を実現①人財育成 ②DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン) ③エンゲージメントの向上 ④心理的安全性の醸成等の推進経営管理体制の強化ガバナンス強化とリスク管理の徹底を目的とした6委員会(①リスク管理委員会 ②コンプライアンス委員会 ③情報セキュリティ委員会 ④品質管理委員会 ⑤安全衛生委員会 ⑥サステナビリティ委員会)を設置、社会と事業の持続的成長を追求資本効率経営の推進企業価値向上に向けた現状分析市場の求める株主資本コストを十分に上回ることができていない⇒収益性の向上と資本コストを意識した経営へ注力資本コストの把握と目指すべきROE当社の資本コスト=株主資本コスト企業価値の源泉であるエクイティスプレッドを生み出す資本収益性の確保 ⇒ROE(自己資本当期純利益率)8%以上キャッシュ・アロケーション営業C/F及び手元資金を原資とし、投資・株主還元に戦略的に配分することで、事業成長及び資本収益性を向上株主還元方針『DOE(純資産配当率)2%以上』の方針のもと、積極的に還元 (3) 優先的に対処すべき事業上の課題と経営指標当社グループは、中期経営計画において5つの重要戦略を着実に実行し、収益性の向上に努めてまいります。また、資本効率の向上が当社の企業価値向上に資するとの考えのもと、ROEを経営上重視すべき経営指標としております。中期経営計画における経営指標は以下のとおりです。 最終年度(2026年度)目標2024年度実績2025年度実績売上高270億円237億円210億円経常利益15.00億円11.64億円13.31億円ROE8.0%5.9%7.1%1株当たり配当DOE2%以上50円60.5円DOE2.6%3.0% 企業価値の向上に資するROEの引き上げは急務であり、その実現に向け以下の施策を実施してまいります。①重要戦略への取り組みを通して利益を増加。②営業キャッシュ・フロー及び手元資金を原資とし、将来の成長に繋げるための資金の有効活用として、既存事業投資、成長分野投資(海外事業、環境関連、M&A)及び配当に中期経営計画の3年間で70億円の投資枠を設定。③配当方針をDOE2%以上とし、積極的な株主還元を実施。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、所得環境の改善や訪日外国人の増加、新政権による積極的な財政政策への期待を背景に株価が上昇するなど、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、継続的な物価上昇、米国の通商政策、米国・イスラエルとイランとの情勢の悪化による原油問題など、国内外の経済の先行きは依然として不透明な状況が続いております。建設業界におきましては、公共投資、民間投資共に緩やかながら増加し、建設需要全体としては底堅く推移しました。一方で、建設資材価格の高止まりに加えて、現場従事者の高齢化・人手不足・時間外労働の上限規制など、構造的な課題を引き続き抱えております。このような状況のもと、当社グループは2024年度を初年度とし、新中期経営計画の5つの重要戦略(事業別戦略、開発戦略、環境・デジタル戦略、経営基盤の強化、資本効率経営の推進)を通じて、変化する社会課題に取り組み、持続可能な100年企業を目指しております。当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ大型の地盤改良工事が増加したものの、大型の杭工事が減少したことで210億93百万円(前連結会計年度比11.1%減)となりました。利益につきましては、全般的な労務費の上昇や、販売費及び一般管理費が増加した影響もありましたが、契約条件の最適化などの営業活動の取り組みや施工効率の向上などにより工事収益が改善した結果、営業利益は12億89百万円(前連結会計年度比15.6%増)、経常利益は13億31百万円(前連結会計年度比14.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億39百万円(前連結会計年度比25.4%増)となりました。 資産は、前連結会計年度末に比べ2億33百万円増加し、213億6百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ4億11百万円減少し、73億70百万円となりました。また、純資産は、前連結会計年度末に比べ6億45百万円増加し、139億36百万円となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(建設事業)建設事業は、主に工場関連や物流施設の大型の地盤改良工事が増加したものの、鉄道などのインフラ関連の大型の杭工事が減少したことから、売上高は204億77百万円(前連結会計年度比11.6%減)となりました。また、利益につきましては、全般的な労務費の上昇の影響がありましたが、契約条件の最適化などの営業活動の取り組みや施工効率の向上などにより工事収益が改善した結果、セグメント利益は12億67百万円(前連結会計年度比14.8%増)となりました。 (土木建築コンサルティング全般等事業)土木建築コンサルティング全般等事業は、主に設計・計算業務が増加したことにより、売上高は5億92百万円(前連結会計年度比12.9%増)となりました。また、利益につきましては、売上構成の変化などの影響もありセグメント利益は14百万円(前連結会計年度比204.1%増)となりました。 (その他の事業)その他の事業は、川崎市に所有している不動産の賃貸により、売上高は23百万円(前連結会計年度比微減)、セグメント利益は7百万円(前連結会計年度比13.3%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて23億57百万円減少し、当連結会計年度末には78億41百万円(前連結会計年度比23.1%減)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得た資金は、14億17百万円(前連結会計年度は30億47百万円の収入)となりました。これは主に法人税等の支払額4億76百万円により資金が減少したものの、税金等調整前当期純利益13億47百万円、減価償却費5億97百万円により資金が増加したためであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は、32億86百万円(前連結会計年度は7億92百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出26億13百万円により資金が減少したためであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は、4億21百万円(前連結会計年度は3億1百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額3億75百万円により資金が減少したためであります。 ③ 受注及び販売の実績a.受注実績受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)受注残高(千円)当連結会計年度(自 2025年4月 1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)当連結会計年度(自 2025年4月 1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)建設事業17,303,543△18.06,568,344△32.6土木建築コンサルティング全般等事業----その他の事業----合計17,303,543△18.06,568,344△32.6(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。2.当社グループでは土木建築コンサルティング全般等事業及びその他の事業は受注生産を行っておりません。 b.売上実績売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月 1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)金額(千円)建設事業20,477,733△11.6土木建築コンサルティング全般等事業592,59112.9その他の事業23,158△0.0合計21,093,483△11.1(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。2.売上実績総額に対する割合が100分の10以上の相手先の売上実績及びその割合は、次のとおりであります。前連結会計年度佐藤工業㈱ 2,789百万円 11.8%当連結会計年度大成建設㈱ 2,884百万円 13.7% なお、当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。 なお、参考のため提出会社単独の事業の状況を示せば、次のとおりであります。建設事業における受注工事高及び施工高① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)工事別前期繰越工事高(千円)当期受注工事高(千円)計(千円)当期完成工事高(千円)次期繰越工事高当期施工高(千円)手持工事高(千円)うち施工高(千円)杭工事9,858,21511,374,87321,233,08814,168,6427,064,4465.3%376,10014,322,866地盤改良工事1,429,6847,653,3759,083,0606,964,1402,118,92033.1%702,6217,361,667合計11,287,89919,028,24930,316,14921,132,7829,183,36611.7%1,078,72121,684,533 当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)工事別前期繰越工事高(千円)当期受注工事高(千円)計(千円)当期完成工事高(千円)次期繰越工事高当期施工高(千円)手持工事高(千円)うち施工高(千円)杭工事7,064,4466,565,50113,629,9479,852,8703,777,0779.8%370,9769,847,747地盤改良工事2,118,9208,987,39011,106,3108,654,3252,451,98513.7%335,9788,287,682合計9,183,36615,552,89224,736,25818,507,1966,229,06211.3%706,95518,135,429(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含めております。したがって、当期完成工事高にもこの増減額が含まれております。2.次期繰越工事高の施工高は、未成工事支出金により手持工事高の工事進捗部分を推定したものであります。3.当期施工高は、(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。 ② 完成工事高期別区分官公庁(千円)民間(千円)合計(千円)前事業年度(自 2024年4月 1日至 2025年3月31日)杭工事12,589,2201,579,42114,168,642地盤改良工事1,797,7925,166,3486,964,140合計14,387,0126,745,76921,132,782当事業年度(自 2025年4月 1日至 2026年3月31日)杭工事8,345,4131,507,4569,852,870地盤改良工事2,396,0616,258,2648,654,325合計10,741,4757,765,72118,507,196(注)1.官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものを含みます。2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。前事業年度佐藤工業㈱ 2,789百万円 13.2%㈱熊谷組 2,163百万円 10.2%当事業年度大成建設㈱ 2,884百万円 15.6% ③ 手持工事高(2026年3月31日現在)区分官公庁(千円)民間(千円)合計(千円)杭工事2,973,432803,6443,777,077地盤改良工事536,5501,915,4352,451,985合計3,509,9822,719,0796,229,062(注)官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものを含みます。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(経営成績)ⅰ 売上高及び営業利益 売上高は、主に民間設備投資の店舗関連や物流施設の地盤改良工事などの大型工事が増加したものの、鉄道高架橋を中心としたインフラ関連の杭工事の大型工事がピークアウトしたことで減収となりました。この結果、売上高は210億93百万円(前連結会計年度比11.1%減)となりました。 売上原価は、主に売上高の減少に伴い減少いたしました。この結果、売上原価は170億94百万円(前連結会計年度比14.9%減)、売上原価率は労務費の上昇などの影響がありましたが、契約条件の最適化などの営業活動の取り組みや施工効率の向上などにより工事収益が改善した結果、81.0%(前連結会計年度比3.7ポイント減)となりました。 また、販売費及び一般管理費は、主に人員採用やベースアップの実施に伴う人件費、基幹システム稼働に伴う減価償却費などが増加したことで27億9百万円(前連結会計年度比8.1%増)、売上高販管費率は12.8%(前連結会計年度比2.2ポイント増)となりました。 以上の結果、営業利益は12億89百万円(前連結会計年度比15.6%増)、営業利益率6.1%(前連結会計年度比1.4ポイント増)となりました。 なお、セグメントごとの売上高と営業利益の概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 ⅱ 営業外損益及び経常利益営業外損益は、主に前連結会計年度に為替差益(営業外収益)であったものが為替差損(営業外費用)となりましたが、営業利益が増加したことで経常利益は13億31百万円(前連結会計年度比14.4%増)となりました。 ⅲ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益親会社株主に帰属する当期純利益は、主に前連結会計年度に損害補償損失(特別損失)を計上しましたが、当連結会計年度は当該費用がなくなったことや経常利益が増加したことで、9億39百万円(前連結会計年度比25.4%増)、利益率は4.5%(前連結会計年度比1.3ポイント増)となり前連結会計年度を上回りました。 (財政状態)当連結会計年度末における総資産額は213億6百万円(前連結会計年度比1.1%増)となりました。流動資産につきましては、主に受取手形・完成工事未収入金及び契約資産等が5億91百万円増加したものの、現金預金が23億48百万円減少したことから、前連結会計年度末に比べ27億円減少し、142億56百万円(前連結会計年度比15.9%減)となりました。固定資産につきましては、主にジャパンホームシールド㈱の株式を取得したことなどにより投資その他の資産が38億98百万円となったことなどで、固定資産合計は前連結会計年度末に比べ29億34百万円増加し、70億49百万円(前連結会計年度比71.3%増)となりました。当連結会計年度末における負債合計は73億70百万円(前連結会計年度比5.3%減)となりました。流動負債につきましては、主に支払手形・工事未払金等が3億58百万円減少したことから、前連結会計年度末に比べ4億67百万円減少し、64億99百万円(前連結会計年度比6.7%減)となりました。また、固定負債につきましては、主にリース債務が増加したことで、前連結会計年度末に比べ55百万円増加し、8億70百万円(前連結会計年度比6.8%増)となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億45百万円増加し、139億36百万円(前連結会計年度比4.9%増)となりました。これは、主に利益剰余金が5億61百万円増加したことなどによるものであります。以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は63.7%(前連結会計年度比2.3ポイント増)、ROEは7.1%(前連結会計年度比1.2ポイント増)となりました。当連結会計年度のROEにつきましては、経営目標とする8%以上を達成することはできませんでしたが、引き続き企業価値を高めるべくROEの向上に努めてまいります。なお、今後の見通しにつきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「3 事業等のリスク」に記載のとおりでありますが、当社グループといたしましては、このようなリスク要因の存在を認識した上で、その発生を未然に防ぎ、万一発生した場合でも適切に対処するよう努める所存であります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報ⅰ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ⅱ 資本の財源及び資金の流動性資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など最適な資本構成を追求しながら、将来のために内部留保の充実と株主への利益還元の最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。当社が中長期的に安定した成長を遂げるためには、利益の源泉となる建設事業への投資資金を確保することが必要であると認識しております。具体的には、施工機械などの新規取得や更新、各工法において施工管理を高めるための管理装置の精度向上や新しい技術開発への研究開発投資であります。今後の建設市場の動向は、公共事業は引続き防災・減災・国土強靭化対策などにより底堅く推移すると見込まれ、また、民間投資は企業収益の改善を背景に堅調に推移していくことが期待されています。その中で会社が持続的に成長を続けるためには建設事業においてシェア拡大を目的とした合併や買収、国内未開拓市場へ参入、海外建設市場へ進出など内部留保を積極的に活用することが必要であると考えております。当連結会計年度においては、ジャパンホームシールド㈱の株式取得25億96百万円、施工機械などへの設備投資4億78百万円、研究開発費68百万円を計上しております。なお、これらの投資のための財源は、主として自己資金で賄っており当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は78億41百万円となっております。また、持続的な成長のための戦略的な大型の投資などが見込まれる場合には、自己資金のほか、金利条件や市場環境に加え、金融機関との取引状況等を総合的に判断し資金調達を検討してまいります。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載しております。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。また、対象となった工事案件ごとに最新の施工状況を把握し最善の見積りに努めておりますが、新型コロナウイルス感染症や同様の感染症が国内に拡大することにより工事の中断や延期等の発生、または何らかの事由により工事収益総額や工事原価総額等を見積るうえで誤謬があった場合には、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。

事業リスク

  • 建設市場の変動と価格競争
    建設市場は景気変動の影響を受けやすく、建設投資の減少や同業他社との競争激化は、テノックスグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、建設資材価格や労務費の高騰も、工事の採算性を悪化させ、業績や財政状態に影響を与えるリスクがあります。
  • 法的規制とコンプライアンス
    建設業法をはじめとする様々な法的規制を受けており、これらの許可要件の維持や法令遵守が不可欠です。万一、法令違反や許可の取り消しなどが発生した場合、事業展開や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。コンプライアンス体制を構築していますが、予期せぬ事態のリスクは存在します。
  • 人材と協力会社の確保
    建設事業は、優秀な技術者や資格者の確保、そして協力会社との良好な関係が事業継続の基盤となります。人材不足や協力会社の施工能力が不安定になった場合、事業活動の維持や拡大が困難になり、業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,845 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループといたしましては、このようなリスクの存在を認識して4つのカテゴリーに分類したうえで、その発生を未然に防ぎ、万一発生した場合でも適切に対処するよう努める所存であります。なお、将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。 (1)事業環境に関するリスク①建設市場の動向及び価格競争当社グループは主に基礎工事に特化した建設事業を営んでいるため、景気の変動により公共工事や民間設備投資が減少した場合や、同業他社との価格競争が激化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 ②自然災害・感染症拡大当社グループは、大規模な地震等の自然災害や感染症の拡大に備えて、BCP(事業継続計画)を策定しており、従業員及び協力業者への周知や従業員の訓練を実施し、災害発生時の速やかな復旧を図りますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの仕掛工事・資産、従業員に被害が及び、また、工事の中断・延期等により、当社グループの事業継続や業績、財政状態に悪影響を与える可能性があります。 ③気候変動リスク気候変動に対応するための脱炭素社会への移行に伴い、炭素税や排出権取引といったカーボンプライシングの導入により事業コストが増加し業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、脱炭素への対応が不十分な企業はサプライチェーンから排除される可能性があります。当社は脱炭素への対応として施工機の燃料に軽油よりCO2の排出量が少ない燃料、特に再生可能資源から製造されるカーボンニュートラルな軽油代替燃料の積極使用やCO2排出を削減する添加剤を使用しており、その使用拡大を進めるとともに、ディーゼル排気ガスの排出ゼロの電動施工機の実用化を推進しています。また、当社の基礎工事において、CO2を封じ込めた炭酸塩の地中固定化や産業副産物を活用した工法の開発を進めます。(「2.サステナビリティに関する考え方及び取組の1)気候変動に関する当社グループの考え方及び取組」参照) ④工事原価の変動当社グループでは、見積り段階における原価計算の精度向上や工事進行中の原価状況の確認、設備機器の効率的運用等の採算性向上に取り組んでおりますが、建設資材や燃料価格の高騰、労務費の上昇、所要工期の見積りと実績の差異等により工事採算が悪化した場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 ⑤カントリーリスク当社グループは、海外での事業展開を行っておりますが、当該地域における予期し得ない法制度の変更、政治状況や経済情勢に変化が生じた場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、為替相場の急激な変動により為替差損が発生した場合も、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (2)事業運営に関するリスク①取引先の与信リスク当社グループの取引先に予期せぬ信用状態の悪化が顕在化して、貸倒れ損失や引当の計上が必要となる事態が生じた場合や、大型工事受注等の関係で当社債権が集中した特定顧客からの債権回収が滞った場合など、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 ②施工品質不良当社グループは、建築基準法をはじめとする各種法令に準拠した品質管理基準に基づいて施工しております。当社グループが手がける杭工事と地盤改良工事では、施工する際に十分な事前調査を行っておりますが、地盤は様々な土質で構成されており、予見できない事象により施工の不備が生じる可能性を皆無とすることはできません。万一、施工の品質不良に伴う工事のやり直しや損害賠償請求という事態が生じた場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 ③労働事故災害建設現場作業は、大型重機に囲まれた屋外作業が中心となっており、他の産業に比べ重大な労働事故災害が発生する危険性が高いものと考えております。当社グループといたしましては、整理・整頓から始まる現場の安全・衛生教育を徹底し、事故災害の発生防止に全力を挙げております。また、万一の場合の金銭的な損失に備え各種保険に加入しておりますが、死亡事故などの重大災害が発生して、これによる人的損失、それに伴って生じる社会的信用の失墜、補償などを含む災害対策費用の発生や工事の遅れによる収益の悪化などが生じた場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 ④協力会社の確保と良好な関係構築当社は、工事の施工管理を行っており、協力会社の確保や良好な関係構築が不可欠であります。現状、当社の子会社や長年取引を行っている協力会社を中心として受注した工事に対応できる施工能力を有しております。しかしながら、将来協力会社に不測の事態が生じて施工能力が安定的に確保できなくなった場合には、当社グループの事業活動の維持や拡大、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (3)組織体制に関するリスク①人材の確保と育成建設事業は優秀な資格者と施工実績の良好な評価が、事業継続と拡大のための基礎となっております。また、工事によっては主任技術者の配置が必須であり、業容を拡大させていくためには、技術の伝承や優秀な人材の採用及び育成が重要な経営課題であると認識しております。現在、有資格者の採用や社員が資格を取得できるような教育に注力しておりますが、今後必要な人材を継続的に確保できなかった場合、当社グループの事業活動の維持や拡大、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(「2.サステナビリティに関する考え方及び取組の2)人的資本に関する当社グループの考え方及び取組」参照) ②技術開発力当社グループは、他社との差別化を図るため長年にわたり基礎工事に関する技術とノウハウを蓄積してまいりました。また、技術志向を標榜する経営理念からも優秀な技術者を養成するとともに多くの特許権を取得してまいりました。新工法の開発には多くの時間とコストが必要とされますが、これらの投資が常にリターンとして回収される保証はありません。また、他社の開発に係る新しい技術が当社の技術の優位性を陳腐化させるなど、技術開発に内在する様々なリスクが顕在化した場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 ③情報セキュリティ当社グループは、グループ内及びグループ外との通信手段に様々な方法を取り入れています。また、グループ内においては様々なシステムを導入しております。リスク対応策として、ウイルス対策ソフトの常時更新やネットワーク接続のセキュリティ対策の強化を行い、情報の外部漏洩等が発生しないよう対策を講じております。しかしながら、ウイルス感染や不正アクセス等により、システム障害や重要な情報の漏洩が発生した場合、業務の一時中断、顧客や取引先からの信用失墜による取引停止、損害賠償等が発生することで当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (4)倫理・コンプライアンスに関するリスク①法的規制当社グループは、建設業法に基づき、国土交通大臣の特定建設業許可及び一般建設業許可を受け、当該許可要件の維持及び各法令の遵守に努めております。これらの免許取消事由に該当する事実はありませんが、万一法令違反等により当該許可の取消等、不測の事態が発生した場合は、当社グループの事業展開、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、建設業法のほか、関連法規として取適法、道路交通法、廃棄物処理法をはじめ様々な法規制を受けております。当社はコンプライアンスの重要性を強く認識し、コンプライアンス委員会を設置して、既存法規制はもとより、これら規制の改廃、新たな法的規制が生じた場合も適切な対応が取れる体制を構築しておりますが、何らかの事由により、これらの法規制に抵触する事態や、法規制の改正により事業の継続性に問題が発生した場合は、当社グループの事業展開や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 ②労働環境リスク当社グループでは、従業員の健康や安心・安全な職場づくりを目指して適正な労働環境や要員配置の整備に努めておりますが、長時間労働や労働管理の不備、ハラスメント等の人権問題が発生した場合は、従業員の安全・健康の悪化、生産性の低下、更には法令違反の責任、社会的信用の失墜等により当社グループの事業運営に悪影響を与える可能性があります。 (5)2026年度の重点管理リスク 「事業等のリスク」の中から、当該リスクの発生可能性と影響度を評価のうえ、管理・対応策を強化すべき項目として、下記の4項目を2026年度の重点管理リスク項目と定め、定期的なモニタリングを通じた管理体制のもと、リスク顕在化の予防やリスク低減に向けた取り組みを継続してまいります。 ・工事原価の変動・施工品質不良・人材の確保と育成・法的規制

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