事業の概要
- 空調・衛生設備工事の設計施工: 新日本空調グループは、オフィスビルや商業施設、工場などの建物における空気調和、冷暖房、換気、給排水、衛生設備、電気設備といった多岐にわたる設備工事の設計、監理、施工を主な事業としています。これにより、快適で安全な室内環境づくりに貢献し、収益を得ています。
- 国内外での事業展開: 国内では、子会社が工事施工の協力や設備の保守点検、電気設備工事などを担っています。海外では、特に中国やアジア地域において、日本企業の進出に伴う空調設備工事を中心に展開し、資機材の供給やコンサルティング業務も手掛けることで、グローバルな収益基盤を構築しています。
- 幅広い環境づくりへの貢献: 単なる設備工事に留まらず、環境保全や温湿度調整、除塵、除菌といった高度な技術を要する分野にも対応しています。これにより、顧客の多様なニーズに応え、社会インフラを支える重要な役割を果たすことで事業を成り立たせています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 設備工事事業(国内): 新日本空調グループの主要な事業であり、日本国内における空気調和、冷暖房、換気、給排水、衛生設備、電気設備などの設計、監理、工事請負を行っています。国内連結子会社である新日空サービス株式会社は施工協力や空調設備の保全業務を、日宝工業株式会社は電気設備工事などを担当し、国内の幅広い分野の環境づくりに貢献しています。
- 設備工事事業(中国): 中国における設備工事事業は、主に日本からの進出企業の空調設備工事を施工しています。新日空(中国)建設有限公司が工事を担い、新日空工貿(上海)有限公司が資機材納入、新日空建築労務(上海)有限公司が施工協力、福建新日空投資諮詢有限公司がコンサルティング業務を行うなど、グループ会社が連携して事業を展開しています。
- 設備工事事業(その他アジア・海外): 香港、シンガポール、スリランカ、ベトナムなど、アジアを中心とした海外地域でも空調設備工事を施工しています。新日空(香港)建設有限公司、SNK (ASIA PACIFIC) PTE.LTD.、SHIN NIPPON LANKA (PRIVATE) LIMITED、SNK ASIA PACIFIC VN CO., LTDなどが各地域で事業を展開し、グローバルな視点で設備工事市場の需要を取り込んでいます。
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3 【事業の内容】当社グループは、当社ならびに子会社10社で構成され、空気調和、冷暖房、換気、環境保全、温湿度調整、除塵、除菌、給排水、衛生設備、電気設備等の設計、監理ならびに工事請負を行い、幅広い分野の環境づくりに貢献しております。当社グループの事業における位置づけおよびセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。 設備工事事業当社グループは設備工事事業を営んでおり、国内連結子会社である新日空サービス株式会社は当社の工事施工に伴う施工協力および空調設備等の保全業務を行っており、日宝工業株式会社は電気設備工事、産業施設設備工事を施工しております。海外連結子会社である新日空(中国)建設有限公司は空調設備工事を施工しており、新日空工貿(上海)有限公司は主に同社の工事施工に伴う資機材納入、新日空建築労務(上海)有限公司は同社の工事施工に伴う施工協力、福建新日空投資諮詢有限公司は同社の工事施工に伴う市場調査、環境保全、建築設計、施工等に関するコンサルティング業務、新日空(香港)建設有限公司は空調設備工事を施工しております。SNK (ASIA PACIFIC) PTE.LTD.、SHIN NIPPON LANKA (PRIVATE) LIMITEDおよびSNK ASIA PACIFIC VN CO., LTDは空調設備工事を施工しております。 事業系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 経済環境による資機材の価格および労務費の急激な高騰により不採算工事が発生するリスクがあるため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 微粒子可視化技術、クリーンルーム向け室圧変動抑制扉、脱炭素化支援技術などの技術開発 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:経済状況・建設市場状況の変動リスク / 安全・品質管理リスク / 工事に関するリスク(採算と遅延)
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モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
新日本空調は、長年の実績と信頼に基づくブランド力は存在するものの、特許や強力なブランドによる価格決定力は限定的。技術力は評価されるが、模倣されにくい独自の無形資産は少ない。
スイッチングコスト★★★☆☆
空調設備は一度設置すると、メンテナンスや運用コスト、再工事の費用から、他社への切り替えは容易ではない。特に大規模施設や高度なシステムでは、切り替えに伴うリスクとコストが大きい。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果はほとんど見られない。顧客基盤の拡大が直接的な競争優位性につながるビジネスモデルではない。
コスト優位★☆☆☆☆
規模の経済によるコスト優位性は限定的。建設業全体に言えることだが、資材調達や効率化によるコスト削減努力は行われているものの、他社との圧倒的な差を生むほどの優位性はない。
規模の経済★★★☆☆
長年の実績と大手ゼネコンとの取引実績から、一定の規模と信頼を得ている。大型案件の受注能力や、サプライヤーとの関係性において、中小企業に対する優位性を持つ。
- 総合的な設備工事技術力: 新日本空調グループは、空気調和、冷暖房、換気、給排水、衛生設備、電気設備など、建物の環境を構成する多様な設備工事を一貫して手掛ける技術力を持っています。これにより、顧客は複数の業者に依頼する手間を省き、高品質なサービスをワンストップで受けられるため、競争上の優位性につながっています。
- 国内外の広範な事業ネットワーク: 国内外に複数の子会社を持ち、それぞれが施工協力、保全業務、電気設備工事、資機材納入、コンサルティングなど、専門的な役割を担っています。特に海外では、日本企業の進出をサポートする形で事業を展開しており、この広範なネットワークが安定した事業基盤と顧客獲得に寄与していると考えられます。
- 環境技術への貢献と対応力: 環境保全や温湿度調整、除塵、除菌といった高度な技術を要する分野にも対応しており、単なる設備工事に留まらない付加価値を提供しています。脱炭素社会への貢献や気候変動への対応といった社会的な要請が高まる中で、これらの技術力は同社の競争力を高める要因となり得ます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
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経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。なお、将来に関する事項は、事業環境、需要動向、資材価格、労務需給、気候変動、技術動向その他の要因により、実際の結果と異なる可能性があります。 (1) 経営方針当社グループは、未来における企業価値の持続的な向上を図るべく、企業理念として「使命」と「価値観」を定義しております。本理念は当社グループ社員全員の価値観の共有化を図ると共に、判断・行動の拠りどころとなり、本企業理念の下、未来に向けた「あるべき姿」を目指し、グループ一体となって、企業価値の向上に努めてまいります。 企業理念「使命」Fill your tomorrow社会と自然の調和を育み、未来へ向けた思いを満たす。 人や社会、環境の調和を尊重し、また、つながりを大切にしながら、空調を核とする事業を通して、お客様や社会からの期待に応える企業として、これからも社会に貢献します。 「価値観」調和社会と自然に敬意を払い、つながりを大切にします。「社会へ向けて」全ての人・社会・自然とのつながりと多様性を尊重します。探究豊かな発想力と熱意を持って、新たな価値の創造に挑みます。「仕事の姿勢」未来に対して大胆に挑戦し、創造力を発揮する専門性と人間力を磨きます。真摯何事にも強くしなやかに向き合い、期待に応えます。「個人の資質」アクティブで且つスピーディーでありながらも誠実さを大切にし、良い品質をお客様に提供します。絆仲間と共に、わくわくしながら、成し遂げる喜びを分かち合います。「仲間へ」職場の仲間・協力会社の皆さんと、創造し提供する喜びを分かち合い、また、家族との大切な時間を共有することを大切にします。 会社の方針新日本空調グループは、『会社の方針』として、次のように事業環境を整えることをお約束します。また、万一、本方針に反する事態が発生した場合、経営トップ自ら率先して問題解決にあたり、原因究明、再発防止に努めます。 「コンプライアンス」役員・従業員は、法律・社会規範・社内ルールを守ります。違法や違反する行為の動機が、「会社のため」、「お客様のため」という職務上のことや、上司の指示であっても例外ではありません。違法行為、社内ルール違反には厳正な姿勢で臨みます。また、そのような行為を出来る限り未然に防ぐために、社内外通報制度を整備、公開し、その通報者を守ります。 「公正な事業慣行」役員・従業員は、関係法令および社内ルールを含む腐敗防止や公正な競争、利益相反行為の禁止、贈収賄防止、反社会的勢力との接触禁止、インサイダー取引の防止(以下、腐敗防止等という)に取り組み、公正さ、誠実さおよび透明性を以て事業活動を推進します。また、腐敗防止等に対する取り組みが不十分と認められる取引先等についても、当社との取引停止を含めた厳しい対応で臨みます。公正さ、誠実さおよび透明性のある事業活動の遂行により、社会、顧客、ビジネスパートナー等のステークホルダーから得られる信用・信頼こそが、かけがえのない財産であることを認識し、活動します。 「リスクマネジメント」事業運営上のあらゆるリスクに的確に把握・対応し、経営の健全性を確保することがコーポレート・ガバナンスの重要な基盤であると認識し、連絡体制を強化し、訓練等を通して迅速な対応に努めます。 「情報セキュリティ管理」顧客情報や特許権、商標権、著作権等の知的財産の情報と情報システム等の資産を適切に保護・管理し、積極的に活用します。また、従業員に対しては、情報セキュリティに関する意識向上を図ると共に、知的財産や情報管理に関する教育・訓練を実施し、紛失、盗難、不正使用等を防ぎます。 「情報開示と社内外コミュニケーション活動」社会から信頼される企業集団であることを目指し、正確かつタイムリーな情報に基づき、積極的な広報活動を通じて、ステークホルダーとのオープンで公正なコミュニケーションに努め、経営の透明性の向上を図ります。また、ステークホルダーの皆様からの要望を受け止めると共に、建設的な対話を行い、企業価値の向上に役立てます。 「環境」持続可能な地球環境の実現のために、気候変動の緩和と適応や環境への負の影響の最小化に向け、環境問題を経営の重要課題と位置づけ、事業活動のみならず、職場環境に至るまで、全ての業務プロセスにおいて、環境に配慮した活動を推進します。また、調達先や協力会社に対しても、環境に配慮した業務遂行を求め、地球環境の改善に努めます。 「労働安全衛生」働く人々の安全確保が企業にとって最重要基盤であると考え、事業活動において、派遣社員、協力会社を含めた働く人々の安全衛生を最優先し、安全で働きやすい環境を確保します。従業員の心身の健康維持・増進を積極的に支援して、健康経営に関する従業員と会社との円滑なコミュニケーションを図ります。また、従業員の声に耳を傾け、一人ひとりが積極的に仕事に取り組み、自由で闊達な発想力を活かす、平等で差別のない明るい職場環境を提供します。更に、ワークライフバランスの充実、労働時間以外の時間帯の適切な確保をサポートし、働きがいを持ち続けられる会社作りを目指します。 「ダイバーシティ」社会に向けて新たな価値を創造し続けるためには、多様性がもたらすイノベーションが不可欠であると考えています。あらゆる属性の人が平等な雇用と活躍の機会を確保され、多様な個性や能力を十分に発揮できるよう、ダイバーシティ経営を推進します。また、多様性を持った人材の広がりを大切にし尊重すると共に、全ての従業員の公正な処遇を重視します。 「人権」あらゆる事業活動において、全てのステークホルダーの皆様の基本的人権および個人の尊厳を尊重し、人権侵害に加担しません。万一、事業活動や商品・サービスが、人権への悪影響を及ぼしていることが判明した場合は、適切かつ速やかに対処します。また、不適切な言動によるハラスメント行為を許しません。ハラスメントとなる行為には厳正な姿勢で臨みます。 「労使関係」「労使相互信頼と相互責任」を基本に、従業員がそれぞれの立場において、プロフェッショナルとして活き活きと活躍できるよう、均等な雇用機会と公正な労働条件を提供します。 「人材育成」従業員は企業にとって大切な経営資源であり、企業の持続的成長のために人材育成が最も重要であると認識しています。このため、人的資源の高度化を図ることや、従業員一人ひとりがプロフェッショナルとして高い専門性を持って仕事に取り組むことができるよう、それぞれの資質・能力を伸ばすプログラムを提供します。また、過去の経験や先輩から引き継いだ「ナレッジ」の有効活用を図るために、技術に関わる情報の開示に努め、エンジニアの一人ひとりが自信を持って、仕事に取り組むことが出来るように当社技術情報を整備更新します。 「地域コミュニティ」持続可能な地域づくりのためには、コミュニティの機能不全や活力低下、都市生活の基盤の脆弱化は、重要な社会問題であると認識しています。このような認識のもと、行政や地域コミュニティと協働し、コミュニティの育成と活性化を支援します。また、自然災害やパンデミック等、地域コミュニティが機能不全になるような事態には、関係者の安全を確保した上で、被災地域の復旧・復興支援およびお客様事業の早期再開の支援を行うことに努めます。 「公平、公正な調達」規模・実績の有無を問わず、開かれた公平でかつ公正な参入機会を提供し、品質、技術、数量、納期の確実性に加え、経営の安定性、技術開発力、環境や社会への取り組み等も総合的に勘案して、調達先を選定します。 「品質」顧客が期待する価値を的確に捉え、全ての業務プロセスにおいて、“品質へのこだわり”を持ってSNK品質の提供を行い、信頼され、満足していただける技術とサービスを提供します。そのために各部署、プロジェクトにおいて品質目標を設定し、品質マネジメントシステムを実施し維持すると共に、マネジメントレビュー等を通じて継続的改善を図ります。 「技術革新への取り組み」技術開発や異業種とのコラボレーションによるイノベーションにも積極的に取り組み、将来に向けて一歩先の先鋭的技術(テクノロジー)の取得と活用に努めます。 行動指針(従業員の日常行動の心構え)「夢を持とう」自分の夢を持ち、それに向かって仕事に取り組むことで、次への扉が開きます。 「誠実に生きよう」約束や規範を守り、自分に誇れる言動が、他者や社会からの信頼を厚くします。 「当事者意識を持とう」当事者としての意識を持ってチームの課題に取り組むことで、自信と謙虚さが生まれます。 「学び続けよう」日々の仕事を通じて専門性や人間性を磨くことが、自己の成長とやりがいにつながります。 「やってみよう、そしてやり遂げよう」失敗を恐れず挑戦し、その経験を活かすことで、課題を乗り越えることができます。 「支え合おう」他者への敬意を忘れず、お互いの成功をともに喜び合い、励まし合うことで、強いチームワークが生まれます。 「感謝を伝えよう」明るい笑顔で心から感謝の気持ちを伝えることで、強く温かい信頼の輪が広がります。 (2) 経営環境当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の不安定化、中国経済の減速、サプライチェーンの再編、為替・金利動向、エネルギー価格および気候変動の影響等により、先行きの不確実性は高まっております。日本経済は、企業の設備投資が継続しておりますが、エネルギー価格の高止まり、円安に伴う物価上昇等が事業運営上の下振れ要因となりました。また、労働市場では人手不足が一段と深刻化しており、専門人材および技能者の確保・育成・定着が重要な課題となっています。建設業界では、大規模開発、データセンター、半導体・医薬品関連工場、老朽設備の更新、省エネルギー改修等設備投資は堅調に推移しました。他方で、資材、労務、物流コストの上昇、熟練技術者の不足、工期・品質・安全管理の高度化により、案件別の損益管理と施工体制の強化が一層重要となっております。さらに、カーボンニュートラルへの対応、AI・IoT・BIM等を活用したデジタル化、資源循環、生物多様性、水資源、ウェルビーイング等の非財務課題への対応も、競争力を左右する要素として重要性を増しております。 (3) 経営計画当社グループは、将来起こりうる変化やその先の見通しに対して、柔軟且つ機敏に対応できる組織であるために、2030年を節目とした長期経営方針となる10年ビジョン「SNK Vision 2030」を定めております。 [ SNK Vision 2030 ] の基本方針 新日本空調グループは、持続可能な地球環境の実現と、お客様資産の価値向上に向け、ナレッジとテクノロジーを活用するエンジニア集団を目指します。 当社グループが提供する建築設備システムは、お客様の重要な資産となり、事業活動の源泉となるものです。従って、当社グループは建築設備システムを構築、提供し、維持更新する活動を通じ、お客様のみならず、多くのエンドユーザーの生活や環境を当社のナレッジとテクノロジーで支え続けていきます。 (4) 中期経営計画「SNK Vision 2030 PhaseⅡ」(2023~2025年度)における取り組みと成果当社グループは、「SNK Vision 2030」の実現に向け、中期経営計画PhaseⅡ(2023年度~2025年度)を推進し、「社会の持続性」と「企業の持続性」の両立を基本方針に掲げ、事業基盤の拡充、生産性向上、成長投資、人的資本の強化およびサステナビリティ経営の推進に取り組みました。PhaseⅡ期間においては、旺盛な建設需要を着実に取り込み、受注工事高、完成工事高および繰越工事高はいずれも拡大しました。また、採算性の改善、プロジェクト管理の高度化、施工体制の効率化を進めたことにより収益力が向上し、主要な経営数値目標を1年前倒しで達成するなど、事業基盤の強化に一定の成果を上げました。具体的には、ストックビジネス、ワンストップ施工および地域戦略受注の強化により受注基盤を拡充するとともに、当社独自の物流・加工ネットワーク「SNK-SOLNet®」およびロジスティクス管理ツール「ConstraX」を活用し、資機材管理の高度化、現場生産性の向上および安定的な施工体制の構築を進めました。 また、スタートアップ企業との連携、新基幹システムの稼働、AI活用を見据えたデータ基盤の整備などを通じて、DXおよび成長投資を推進するとともに、採用・育成の強化、働き方改革、技術・ナレッジの継承に取り組み、人的資本の充実を図りました。PhaseⅡ期間中の成長事業、人的資本およびデジタル関連投資は約140億円となりました。サステナビリティ面では、温室効果ガス削減目標に関するSBT認定の取得、CDP気候変動評価における「Aリスト」選定、サプライヤーエンゲージメント評価における最高評価の獲得、TCFD提言に基づく情報開示の推進等により、脱炭素に向けた取り組みと情報開示の高度化を進めました。また、「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に選定されるなど、外部評価の向上にもつながりました。さらに、当社が培ってきた空調・環境制御技術を新たな成長領域へ展開する取り組みとして、JAXAが公募した「宇宙戦略基金事業(第二期)」に連携機関として採択され、有人宇宙活動に不可欠な環境制御・生命維持システムに関する技術開発に取り組んでおります。また、空調熱源の最適化と脱炭素支援を行う「EnergyQuest®ファミリ」の展開を進め、お客様の脱炭素、運転コスト削減、省力化および設備価値向上に資する提案力の強化を図りました。資本効率の改善に向けては、政策保有株式の削減を進め、PhaseⅡ期間中に47億円規模を削減し、2022年度末比で21.8%の削減を達成しました。一方で、労働人口の減少、資機材・労務費の上昇、サプライチェーンの制約、脱炭素対応の高度化、デジタル技術およびAIの急速な進展等への対応は、引き続き重要な経営課題です。PhaseⅢにおいては、PhaseⅡで強化した収益基盤、施工体制、人的資本および技術基盤を活かし、収益力と資本効率のさらなる向上に取り組んでまいります。 (5) 中期経営計画「SNK Vision 2030 PhaseⅢ」(2026~2029年度)における2030年にありたい姿の実現とマテリアリティへの対応に向けた基本戦略と対処すべき課題中期経営計画PhaseⅢは、「SNK Vision 2030」の実現に向けた総仕上げであると同時に、その先の成長ステージへつなぐ重要な期間と位置付けております。これまでの取り組みを踏まえ、継続すべきテーマと新たに顕在化した課題を整理したうえで、2030 年に向けたありたい姿を再定義しました。デジタルとグリーンを両輪に、既存事業を進化させながら、将来の成長基盤を築いてまいります。2030年に向けたありたい姿として、当社グループは、快適な空間をつくることにとどまらず、健康、安全、省エネルギー、脱炭素およびレジリエンス※を統合した価値として「カイテキ」を創造し、人と社会と地球が調和する豊かな環境の実現を目指しております。 [ありたい姿]・空調工事を核に社会のニーズに応える技術力を磨き、地球環境への貢献を事業成長につなげ、持続的に成長している・「カイテキ」を統合価値と位置付け、企画・提案から施工、維持管理、改修まで一貫して提供し、顧客資産の価値向上に貢献している・省エネルギーと脱炭素を軸に、環境価値と収益性を両立している・高付加価値業務へ集中できる働き方が定着し、生産性とウェルビーイングが両立している・事業の実態が共通指標により可視化され、意思決定の精度と実行力が高まっている・ナレッジの蓄積・再利用により属人化を抑制し、学び続ける組織へ進化している・データと先端技術を活用した協働が定着し、意思決定と実行のスピードを高めている・多様な顧客とサプライチェーンと共に価値を磨く共創パートナーとして選ばれている・独自性と強みが言語化・可視化され、社内外に認知されている・人材の経験、スキル、実績が可視化され、育成、配置、評価に一貫して活用されている・透明性ある情報開示と対話を通じて信頼を獲得し、企業価値を高める体制が整っている ※レジリエンス:自然災害、気候変動、社会情勢の変化、供給制約などの不確実性に対して、事業と顧客の快適性を維持・回復・進化していく力。 当社グループが優先して取り組むマテリアリティは、次の5つです。[マテリアリティ]ありたい姿の実現に向け、当社グループと社会・環境への影響を踏まえ、優先して取り組むテーマとして、次の重要課題を設定します。 優先して取り組む5つの重要課題1.デジタルによる価値創出2.脱炭素とレジリエンスの強化3.人的資本と組織基盤の進化4.持続可能型バリューチェーンの確立5.未来成長領域の創造 これらのマテリアリティへの対応に向け、当社グループは以下の5つの基本戦略を推進します。[デジタルフロンティア戦略]データ、ナレッジおよびAIを経営の基盤として活用し、業務プロセスの全体最適を進め、意思決定と実行を高度化・迅速化する。1.データ連携を軸に、業務全体で一貫して活用できる基盤の整備2.事業の可視化と共通指標の整備による意思決定および計画の精度向上3.ナレッジの蓄積・再利用を促進する仕組みの定着4.AI利活用の信頼性を高めるガバナンスおよび運用体制の整備5.業務プロセスの再設計による経営資源の高付加価値領域への重点配分 [グリーンイノベーション戦略]省エネルギーと脱炭素を中核に「カイテキ」の提供価値を高め、資源循環とレジリエンスを一体で強化して、環境価値と収益性を両立させ、社会課題解決に資する事業モデルを進化させる。1.企画・提案から施工、維持管理、改修まで一貫した環境価値の提供力強化2.運用段階におけるエネルギー最適化と継続的改善の推進3.資源循環の全体最適に向けた標準化と仕組み化4.冷媒対応の高度化に向けた管理・品質体制の強化5.レジリエンスの強化を通じた平時と有事の両面で快適性と事業継続を支える提供力の強化 [人的資本・エンゲージメント戦略]採用から育成、配置、定着までを一体で捉え、人材情報の可視化を通じた適材適所、働き方の高度化、挑戦を後押しする環境整備および知の継承により、社員の成長とエンゲージメントを高め、組織の持続的な価値創出を実現する。1.人材確保と定着に向けた魅力発信および採用・定着施策の強化2.人材情報の可視化と活用基盤の整備による適材適所の実現3.業務プロセスの標準化と役割分担による働き方の高度化4.挑戦を後押しする環境整備による挑戦と成長の循環の創出5.学びと伝承が循環する知の継承の仕組みの定着 [価値共創・収益力戦略]安定成長を支える事業ポートフォリオと施工体制を強化して収益構造を高度化し、独自の強みを活かした価値提案を磨き、多様な顧客とサプライチェーンと共に選ばれ続ける事業基盤を構築する。1.注力分野と投資の方向性の明確化による事業構造の強化2.強みの明確化と発信を通じた提案力およびブランド力の強化3.建物のライフサイクル全体で価値を届ける一貫提供体制の整備4.受注判断とプロジェクト運営の精度向上による収益安定性の向上5.施工体制の持続性を支えるサプライチェーンとの協働の強化 [未来事業創造戦略]「カイテキ」の提供価値の幅を広げ、未来の成長につながる事業とサービスを育て、事業化までを継続的に生み出す仕組みを整えて成長分野での存在感を高める。1.顧客連携を起点とする継続的なテーマ創出体制の整備2.「カイテキ」の提供価値の明確化と発信力の強化3.重点領域への集中、知見の蓄積および新領域への展開を通じた継続的な挑戦の強化4.価値の検証と改善につながる評価・改善の枠組みの整備5.事業化の再現性を高める共通プロセスと推進体制の整備 本計画は、2030 年に向けたありたい姿を実現するための実行計画です。各戦略を具体的な施策へ落とし込み、責任体制と優先順位を明確にしたうえで、進捗と課題を継続的に可視化します。また、法令・コンプライアンスおよび安全を最優先に、事業環境の変化に応じて施策を適宜見直しながら、着実に成果へつなげてまいります。 (6) 経営指標目標当社グループは、「SNK Vision 2030 PhaseⅢ」において、最終年度である2029年度(2030年3月期)の連結経営数値目標を次のとおり定めております。本中期経営計画の推進を通じて、中長期的な経営体質の強化を図り、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。 科目2029年度目標受注工事高2,200億円 完成工事高2,000億円 営業利益(率)240億円(12.0%)経常利益(率)245億円(12.3%)親会社株主に帰属する当期純利益(率)180億円(9.0%)ROE(%)18%以上 (7) 投資計画将来の収益基盤の拡大および競争優位性の確立に向け、PhaseⅢ期間において、4年間で総額300億円規模の成長投資を戦略的かつ選別的に実施する方針です。対象領域は、既存事業の収益力強化、社会課題解決に資するソリューション、人的資本、AI・デジタル・GX・R&D、M&Aおよび新たな成長分野への事業展開等です。また、成長投資の実行にあたっては、戦略適合性、投資採算性、投資回収期間、リスク、事業シナジーおよび資本コストを踏まえて判断し、ROE向上および中長期的な企業価値向上への貢献度を継続的に検証してまいります。 投資領域投資規模人的資本、AI・デジタル・GX・R&D、M&A、新規事業展開、既存事業の収益力強化、社会課題解決に資するソリューション等総額300億円 (8) 資本政策[資本政策の基本方針]当社グループは、将来にわたる持続的な企業価値の向上と資本効率の改善を両立させることを資本政策の基本方針としております。資本コスト、資本収益性および市場評価を重要な経営指標として認識し、ROE、PBR、株主資本コスト、株価水準等を継続的に把握・分析しております。これらの状況については、取締役会において定期的に確認し、成長投資、財務健全性、政策保有株式の削減および株主還元のバランスを踏まえ、資本政策の妥当性を検証しております。「SNK Vision 2030 PhaseⅢ」においては、ROE18%以上を経営目標として掲げ、資本コストを意識した経営を徹底することで、中長期的な価値創造の実現を目指してまいります。 [政策保有株式に関する方針]政策保有株式については、事業上の合理性や資本効率の観点から保有意義を継続的に検証し、保有の適否を判断しております。個別銘柄ごとの保有意義については、毎年、取締役会において、保有目的、取引状況、保有に伴う便益、資本コスト、株価変動リスク、売却可能性および発行体との関係等を総合的に確認し、保有継続の合理性を検証しております。「SNK Vision 2030 PhaseⅢ」においては、政策保有株式の削減を継続し、2029年度末までに、純資産に対する政策保有株式の比率を20%未満とすることを目標としております。政策保有株式の削減により創出した資本については、成長投資および株主還元へ有効に活用し、資本効率の改善と企業価値の向上につなげてまいります。 [株主還元]当社グループは、株主還元を経営上の重要課題の一つと位置付け、安定的かつ継続的な還元を基本方針としております。「SNK Vision 2030 PhaseⅢ」においては、業績動向、財務状況および成長投資とのバランスを勘案しながら、PhaseⅢ期間累計で300億円規模の株主還元を実施する方針です。また、配当については、DOE(株主資本配当率)5%を下限とし、2029年度まで累進配当を継続する方針としております。加えて、自己株式の取得については、PhaseⅢ期間中に200万株規模を目安として、資本効率、株価水準、財務状況および投資機会等を総合的に勘案しながら、機動的に実施してまいります。当社グループは、成長投資、財務健全性および株主還元のバランスを重視しながら、株主・投資家の皆様との建設的な対話を通じて、成長戦略、資本政策および株主還元方針への理解促進を図り、市場からの信頼性向上と企業価値の持続的な向上に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。なお、将来に関する事項は、事業環境、需要動向、資材価格、労務需給、気候変動、技術動向その他の要因により、実際の結果と異なる可能性があります。 (1) 経営方針当社グループは、未来における企業価値の持続的な向上を図るべく、企業理念として「使命」と「価値観」を定義しております。本理念は当社グループ社員全員の価値観の共有化を図ると共に、判断・行動の拠りどころとなり、本企業理念の下、未来に向けた「あるべき姿」を目指し、グループ一体となって、企業価値の向上に努めてまいります。 企業理念「使命」Fill your tomorrow社会と自然の調和を育み、未来へ向けた思いを満たす。 人や社会、環境の調和を尊重し、また、つながりを大切にしながら、空調を核とする事業を通して、お客様や社会からの期待に応える企業として、これからも社会に貢献します。 「価値観」調和社会と自然に敬意を払い、つながりを大切にします。「社会へ向けて」全ての人・社会・自然とのつながりと多様性を尊重します。探究豊かな発想力と熱意を持って、新たな価値の創造に挑みます。「仕事の姿勢」未来に対して大胆に挑戦し、創造力を発揮する専門性と人間力を磨きます。真摯何事にも強くしなやかに向き合い、期待に応えます。「個人の資質」アクティブで且つスピーディーでありながらも誠実さを大切にし、良い品質をお客様に提供します。絆仲間と共に、わくわくしながら、成し遂げる喜びを分かち合います。「仲間へ」職場の仲間・協力会社の皆さんと、創造し提供する喜びを分かち合い、また、家族との大切な時間を共有することを大切にします。 会社の方針新日本空調グループは、『会社の方針』として、次のように事業環境を整えることをお約束します。また、万一、本方針に反する事態が発生した場合、経営トップ自ら率先して問題解決にあたり、原因究明、再発防止に努めます。 「コンプライアンス」役員・従業員は、法律・社会規範・社内ルールを守ります。違法や違反する行為の動機が、「会社のため」、「お客様のため」という職務上のことや、上司の指示であっても例外ではありません。違法行為、社内ルール違反には厳正な姿勢で臨みます。また、そのような行為を出来る限り未然に防ぐために、社内外通報制度を整備、公開し、その通報者を守ります。 「公正な事業慣行」役員・従業員は、関係法令および社内ルールを含む腐敗防止や公正な競争、利益相反行為の禁止、贈収賄防止、反社会的勢力との接触禁止、インサイダー取引の防止(以下、腐敗防止等という)に取り組み、公正さ、誠実さおよび透明性を以て事業活動を推進します。また、腐敗防止等に対する取り組みが不十分と認められる取引先等についても、当社との取引停止を含めた厳しい対応で臨みます。公正さ、誠実さおよび透明性のある事業活動の遂行により、社会、顧客、ビジネスパートナー等のステークホルダーから得られる信用・信頼こそが、かけがえのない財産であることを認識し、活動します。 「リスクマネジメント」事業運営上のあらゆるリスクに的確に把握・対応し、経営の健全性を確保することがコーポレート・ガバナンスの重要な基盤であると認識し、連絡体制を強化し、訓練等を通して迅速な対応に努めます。 「情報セキュリティ管理」顧客情報や特許権、商標権、著作権等の知的財産の情報と情報システム等の資産を適切に保護・管理し、積極的に活用します。また、従業員に対しては、情報セキュリティに関する意識向上を図ると共に、知的財産や情報管理に関する教育・訓練を実施し、紛失、盗難、不正使用等を防ぎます。 「情報開示と社内外コミュニケーション活動」社会から信頼される企業集団であることを目指し、正確かつタイムリーな情報に基づき、積極的な広報活動を通じて、ステークホルダーとのオープンで公正なコミュニケーションに努め、経営の透明性の向上を図ります。また、ステークホルダーの皆様からの要望を受け止めると共に、建設的な対話を行い、企業価値の向上に役立てます。 「環境」持続可能な地球環境の実現のために、気候変動の緩和と適応や環境への負の影響の最小化に向け、環境問題を経営の重要課題と位置づけ、事業活動のみならず、職場環境に至るまで、全ての業務プロセスにおいて、環境に配慮した活動を推進します。また、調達先や協力会社に対しても、環境に配慮した業務遂行を求め、地球環境の改善に努めます。 「労働安全衛生」働く人々の安全確保が企業にとって最重要基盤であると考え、事業活動において、派遣社員、協力会社を含めた働く人々の安全衛生を最優先し、安全で働きやすい環境を確保します。従業員の心身の健康維持・増進を積極的に支援して、健康経営に関する従業員と会社との円滑なコミュニケーションを図ります。また、従業員の声に耳を傾け、一人ひとりが積極的に仕事に取り組み、自由で闊達な発想力を活かす、平等で差別のない明るい職場環境を提供します。更に、ワークライフバランスの充実、労働時間以外の時間帯の適切な確保をサポートし、働きがいを持ち続けられる会社作りを目指します。 「ダイバーシティ」社会に向けて新たな価値を創造し続けるためには、多様性がもたらすイノベーションが不可欠であると考えています。あらゆる属性の人が平等な雇用と活躍の機会を確保され、多様な個性や能力を十分に発揮できるよう、ダイバーシティ経営を推進します。また、多様性を持った人材の広がりを大切にし尊重すると共に、全ての従業員の公正な処遇を重視します。 「人権」あらゆる事業活動において、全てのステークホルダーの皆様の基本的人権および個人の尊厳を尊重し、人権侵害に加担しません。万一、事業活動や商品・サービスが、人権への悪影響を及ぼしていることが判明した場合は、適切かつ速やかに対処します。また、不適切な言動によるハラスメント行為を許しません。ハラスメントとなる行為には厳正な姿勢で臨みます。 「労使関係」「労使相互信頼と相互責任」を基本に、従業員がそれぞれの立場において、プロフェッショナルとして活き活きと活躍できるよう、均等な雇用機会と公正な労働条件を提供します。 「人材育成」従業員は企業にとって大切な経営資源であり、企業の持続的成長のために人材育成が最も重要であると認識しています。このため、人的資源の高度化を図ることや、従業員一人ひとりがプロフェッショナルとして高い専門性を持って仕事に取り組むことができるよう、それぞれの資質・能力を伸ばすプログラムを提供します。また、過去の経験や先輩から引き継いだ「ナレッジ」の有効活用を図るために、技術に関わる情報の開示に努め、エンジニアの一人ひとりが自信を持って、仕事に取り組むことが出来るように当社技術情報を整備更新します。 「地域コミュニティ」持続可能な地域づくりのためには、コミュニティの機能不全や活力低下、都市生活の基盤の脆弱化は、重要な社会問題であると認識しています。このような認識のもと、行政や地域コミュニティと協働し、コミュニティの育成と活性化を支援します。また、自然災害やパンデミック等、地域コミュニティが機能不全になるような事態には、関係者の安全を確保した上で、被災地域の復旧・復興支援およびお客様事業の早期再開の支援を行うことに努めます。 「公平、公正な調達」規模・実績の有無を問わず、開かれた公平でかつ公正な参入機会を提供し、品質、技術、数量、納期の確実性に加え、経営の安定性、技術開発力、環境や社会への取り組み等も総合的に勘案して、調達先を選定します。 「品質」顧客が期待する価値を的確に捉え、全ての業務プロセスにおいて、“品質へのこだわり”を持ってSNK品質の提供を行い、信頼され、満足していただける技術とサービスを提供します。そのために各部署、プロジェクトにおいて品質目標を設定し、品質マネジメントシステムを実施し維持すると共に、マネジメントレビュー等を通じて継続的改善を図ります。 「技術革新への取り組み」技術開発や異業種とのコラボレーションによるイノベーションにも積極的に取り組み、将来に向けて一歩先の先鋭的技術(テクノロジー)の取得と活用に努めます。 行動指針(従業員の日常行動の心構え)「夢を持とう」自分の夢を持ち、それに向かって仕事に取り組むことで、次への扉が開きます。 「誠実に生きよう」約束や規範を守り、自分に誇れる言動が、他者や社会からの信頼を厚くします。 「当事者意識を持とう」当事者としての意識を持ってチームの課題に取り組むことで、自信と謙虚さが生まれます。 「学び続けよう」日々の仕事を通じて専門性や人間性を磨くことが、自己の成長とやりがいにつながります。 「やってみよう、そしてやり遂げよう」失敗を恐れず挑戦し、その経験を活かすことで、課題を乗り越えることができます。 「支え合おう」他者への敬意を忘れず、お互いの成功をともに喜び合い、励まし合うことで、強いチームワークが生まれます。 「感謝を伝えよう」明るい笑顔で心から感謝の気持ちを伝えることで、強く温かい信頼の輪が広がります。 (2) 経営環境当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の不安定化、中国経済の減速、サプライチェーンの再編、為替・金利動向、エネルギー価格および気候変動の影響等により、先行きの不確実性は高まっております。日本経済は、企業の設備投資が継続しておりますが、エネルギー価格の高止まり、円安に伴う物価上昇等が事業運営上の下振れ要因となりました。また、労働市場では人手不足が一段と深刻化しており、専門人材および技能者の確保・育成・定着が重要な課題となっています。建設業界では、大規模開発、データセンター、半導体・医薬品関連工場、老朽設備の更新、省エネルギー改修等設備投資は堅調に推移しました。他方で、資材、労務、物流コストの上昇、熟練技術者の不足、工期・品質・安全管理の高度化により、案件別の損益管理と施工体制の強化が一層重要となっております。さらに、カーボンニュートラルへの対応、AI・IoT・BIM等を活用したデジタル化、資源循環、生物多様性、水資源、ウェルビーイング等の非財務課題への対応も、競争力を左右する要素として重要性を増しております。 (3) 経営計画当社グループは、将来起こりうる変化やその先の見通しに対して、柔軟且つ機敏に対応できる組織であるために、2030年を節目とした長期経営方針となる10年ビジョン「SNK Vision 2030」を定めております。 [ SNK Vision 2030 ] の基本方針 新日本空調グループは、持続可能な地球環境の実現と、お客様資産の価値向上に向け、ナレッジとテクノロジーを活用するエンジニア集団を目指します。 当社グループが提供する建築設備システムは、お客様の重要な資産となり、事業活動の源泉となるものです。従って、当社グループは建築設備システムを構築、提供し、維持更新する活動を通じ、お客様のみならず、多くのエンドユーザーの生活や環境を当社のナレッジとテクノロジーで支え続けていきます。 (4) 中期経営計画「SNK Vision 2030 PhaseⅡ」(2023~2025年度)における取り組みと成果当社グループは、「SNK Vision 2030」の実現に向け、中期経営計画PhaseⅡ(2023年度~2025年度)を推進し、「社会の持続性」と「企業の持続性」の両立を基本方針に掲げ、事業基盤の拡充、生産性向上、成長投資、人的資本の強化およびサステナビリティ経営の推進に取り組みました。PhaseⅡ期間においては、旺盛な建設需要を着実に取り込み、受注工事高、完成工事高および繰越工事高はいずれも拡大しました。また、採算性の改善、プロジェクト管理の高度化、施工体制の効率化を進めたことにより収益力が向上し、主要な経営数値目標を1年前倒しで達成するなど、事業基盤の強化に一定の成果を上げました。具体的には、ストックビジネス、ワンストップ施工および地域戦略受注の強化により受注基盤を拡充するとともに、当社独自の物流・加工ネットワーク「SNK-SOLNet®」およびロジスティクス管理ツール「ConstraX」を活用し、資機材管理の高度化、現場生産性の向上および安定的な施工体制の構築を進めました。 また、スタートアップ企業との連携、新基幹システムの稼働、AI活用を見据えたデータ基盤の整備などを通じて、DXおよび成長投資を推進するとともに、採用・育成の強化、働き方改革、技術・ナレッジの継承に取り組み、人的資本の充実を図りました。PhaseⅡ期間中の成長事業、人的資本およびデジタル関連投資は約140億円となりました。サステナビリティ面では、温室効果ガス削減目標に関するSBT認定の取得、CDP気候変動評価における「Aリスト」選定、サプライヤーエンゲージメント評価における最高評価の獲得、TCFD提言に基づく情報開示の推進等により、脱炭素に向けた取り組みと情報開示の高度化を進めました。また、「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に選定されるなど、外部評価の向上にもつながりました。さらに、当社が培ってきた空調・環境制御技術を新たな成長領域へ展開する取り組みとして、JAXAが公募した「宇宙戦略基金事業(第二期)」に連携機関として採択され、有人宇宙活動に不可欠な環境制御・生命維持システムに関する技術開発に取り組んでおります。また、空調熱源の最適化と脱炭素支援を行う「EnergyQuest®ファミリ」の展開を進め、お客様の脱炭素、運転コスト削減、省力化および設備価値向上に資する提案力の強化を図りました。資本効率の改善に向けては、政策保有株式の削減を進め、PhaseⅡ期間中に47億円規模を削減し、2022年度末比で21.8%の削減を達成しました。一方で、労働人口の減少、資機材・労務費の上昇、サプライチェーンの制約、脱炭素対応の高度化、デジタル技術およびAIの急速な進展等への対応は、引き続き重要な経営課題です。PhaseⅢにおいては、PhaseⅡで強化した収益基盤、施工体制、人的資本および技術基盤を活かし、収益力と資本効率のさらなる向上に取り組んでまいります。 (5) 中期経営計画「SNK Vision 2030 PhaseⅢ」(2026~2029年度)における2030年にありたい姿の実現とマテリアリティへの対応に向けた基本戦略と対処すべき課題中期経営計画PhaseⅢは、「SNK Vision 2030」の実現に向けた総仕上げであると同時に、その先の成長ステージへつなぐ重要な期間と位置付けております。これまでの取り組みを踏まえ、継続すべきテーマと新たに顕在化した課題を整理したうえで、2030 年に向けたありたい姿を再定義しました。デジタルとグリーンを両輪に、既存事業を進化させながら、将来の成長基盤を築いてまいります。2030年に向けたありたい姿として、当社グループは、快適な空間をつくることにとどまらず、健康、安全、省エネルギー、脱炭素およびレジリエンス※を統合した価値として「カイテキ」を創造し、人と社会と地球が調和する豊かな環境の実現を目指しております。 [ありたい姿]・空調工事を核に社会のニーズに応える技術力を磨き、地球環境への貢献を事業成長につなげ、持続的に成長している・「カイテキ」を統合価値と位置付け、企画・提案から施工、維持管理、改修まで一貫して提供し、顧客資産の価値向上に貢献している・省エネルギーと脱炭素を軸に、環境価値と収益性を両立している・高付加価値業務へ集中できる働き方が定着し、生産性とウェルビーイングが両立している・事業の実態が共通指標により可視化され、意思決定の精度と実行力が高まっている・ナレッジの蓄積・再利用により属人化を抑制し、学び続ける組織へ進化している・データと先端技術を活用した協働が定着し、意思決定と実行のスピードを高めている・多様な顧客とサプライチェーンと共に価値を磨く共創パートナーとして選ばれている・独自性と強みが言語化・可視化され、社内外に認知されている・人材の経験、スキル、実績が可視化され、育成、配置、評価に一貫して活用されている・透明性ある情報開示と対話を通じて信頼を獲得し、企業価値を高める体制が整っている ※レジリエンス:自然災害、気候変動、社会情勢の変化、供給制約などの不確実性に対して、事業と顧客の快適性を維持・回復・進化していく力。 当社グループが優先して取り組むマテリアリティは、次の5つです。[マテリアリティ]ありたい姿の実現に向け、当社グループと社会・環境への影響を踏まえ、優先して取り組むテーマとして、次の重要課題を設定します。 優先して取り組む5つの重要課題1.デジタルによる価値創出2.脱炭素とレジリエンスの強化3.人的資本と組織基盤の進化4.持続可能型バリューチェーンの確立5.未来成長領域の創造 これらのマテリアリティへの対応に向け、当社グループは以下の5つの基本戦略を推進します。[デジタルフロンティア戦略]データ、ナレッジおよびAIを経営の基盤として活用し、業務プロセスの全体最適を進め、意思決定と実行を高度化・迅速化する。1.データ連携を軸に、業務全体で一貫して活用できる基盤の整備2.事業の可視化と共通指標の整備による意思決定および計画の精度向上3.ナレッジの蓄積・再利用を促進する仕組みの定着4.AI利活用の信頼性を高めるガバナンスおよび運用体制の整備5.業務プロセスの再設計による経営資源の高付加価値領域への重点配分 [グリーンイノベーション戦略]省エネルギーと脱炭素を中核に「カイテキ」の提供価値を高め、資源循環とレジリエンスを一体で強化して、環境価値と収益性を両立させ、社会課題解決に資する事業モデルを進化させる。1.企画・提案から施工、維持管理、改修まで一貫した環境価値の提供力強化2.運用段階におけるエネルギー最適化と継続的改善の推進3.資源循環の全体最適に向けた標準化と仕組み化4.冷媒対応の高度化に向けた管理・品質体制の強化5.レジリエンスの強化を通じた平時と有事の両面で快適性と事業継続を支える提供力の強化 [人的資本・エンゲージメント戦略]採用から育成、配置、定着までを一体で捉え、人材情報の可視化を通じた適材適所、働き方の高度化、挑戦を後押しする環境整備および知の継承により、社員の成長とエンゲージメントを高め、組織の持続的な価値創出を実現する。1.人材確保と定着に向けた魅力発信および採用・定着施策の強化2.人材情報の可視化と活用基盤の整備による適材適所の実現3.業務プロセスの標準化と役割分担による働き方の高度化4.挑戦を後押しする環境整備による挑戦と成長の循環の創出5.学びと伝承が循環する知の継承の仕組みの定着 [価値共創・収益力戦略]安定成長を支える事業ポートフォリオと施工体制を強化して収益構造を高度化し、独自の強みを活かした価値提案を磨き、多様な顧客とサプライチェーンと共に選ばれ続ける事業基盤を構築する。1.注力分野と投資の方向性の明確化による事業構造の強化2.強みの明確化と発信を通じた提案力およびブランド力の強化3.建物のライフサイクル全体で価値を届ける一貫提供体制の整備4.受注判断とプロジェクト運営の精度向上による収益安定性の向上5.施工体制の持続性を支えるサプライチェーンとの協働の強化 [未来事業創造戦略]「カイテキ」の提供価値の幅を広げ、未来の成長につながる事業とサービスを育て、事業化までを継続的に生み出す仕組みを整えて成長分野での存在感を高める。1.顧客連携を起点とする継続的なテーマ創出体制の整備2.「カイテキ」の提供価値の明確化と発信力の強化3.重点領域への集中、知見の蓄積および新領域への展開を通じた継続的な挑戦の強化4.価値の検証と改善につながる評価・改善の枠組みの整備5.事業化の再現性を高める共通プロセスと推進体制の整備 本計画は、2030 年に向けたありたい姿を実現するための実行計画です。各戦略を具体的な施策へ落とし込み、責任体制と優先順位を明確にしたうえで、進捗と課題を継続的に可視化します。また、法令・コンプライアンスおよび安全を最優先に、事業環境の変化に応じて施策を適宜見直しながら、着実に成果へつなげてまいります。 (6) 経営指標目標当社グループは、「SNK Vision 2030 PhaseⅢ」において、最終年度である2029年度(2030年3月期)の連結経営数値目標を次のとおり定めております。本中期経営計画の推進を通じて、中長期的な経営体質の強化を図り、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。 科目2029年度目標受注工事高2,200億円 完成工事高2,000億円 営業利益(率)240億円(12.0%)経常利益(率)245億円(12.3%)親会社株主に帰属する当期純利益(率)180億円(9.0%)ROE(%)18%以上 (7) 投資計画将来の収益基盤の拡大および競争優位性の確立に向け、PhaseⅢ期間において、4年間で総額300億円規模の成長投資を戦略的かつ選別的に実施する方針です。対象領域は、既存事業の収益力強化、社会課題解決に資するソリューション、人的資本、AI・デジタル・GX・R&D、M&Aおよび新たな成長分野への事業展開等です。また、成長投資の実行にあたっては、戦略適合性、投資採算性、投資回収期間、リスク、事業シナジーおよび資本コストを踏まえて判断し、ROE向上および中長期的な企業価値向上への貢献度を継続的に検証してまいります。 投資領域投資規模人的資本、AI・デジタル・GX・R&D、M&A、新規事業展開、既存事業の収益力強化、社会課題解決に資するソリューション等総額300億円 (8) 資本政策[資本政策の基本方針]当社グループは、将来にわたる持続的な企業価値の向上と資本効率の改善を両立させることを資本政策の基本方針としております。資本コスト、資本収益性および市場評価を重要な経営指標として認識し、ROE、PBR、株主資本コスト、株価水準等を継続的に把握・分析しております。これらの状況については、取締役会において定期的に確認し、成長投資、財務健全性、政策保有株式の削減および株主還元のバランスを踏まえ、資本政策の妥当性を検証しております。「SNK Vision 2030 PhaseⅢ」においては、ROE18%以上を経営目標として掲げ、資本コストを意識した経営を徹底することで、中長期的な価値創造の実現を目指してまいります。 [政策保有株式に関する方針]政策保有株式については、事業上の合理性や資本効率の観点から保有意義を継続的に検証し、保有の適否を判断しております。個別銘柄ごとの保有意義については、毎年、取締役会において、保有目的、取引状況、保有に伴う便益、資本コスト、株価変動リスク、売却可能性および発行体との関係等を総合的に確認し、保有継続の合理性を検証しております。「SNK Vision 2030 PhaseⅢ」においては、政策保有株式の削減を継続し、2029年度末までに、純資産に対する政策保有株式の比率を20%未満とすることを目標としております。政策保有株式の削減により創出した資本については、成長投資および株主還元へ有効に活用し、資本効率の改善と企業価値の向上につなげてまいります。 [株主還元]当社グループは、株主還元を経営上の重要課題の一つと位置付け、安定的かつ継続的な還元を基本方針としております。「SNK Vision 2030 PhaseⅢ」においては、業績動向、財務状況および成長投資とのバランスを勘案しながら、PhaseⅢ期間累計で300億円規模の株主還元を実施する方針です。また、配当については、DOE(株主資本配当率)5%を下限とし、2029年度まで累進配当を継続する方針としております。加えて、自己株式の取得については、PhaseⅢ期間中に200万株規模を目安として、資本効率、株価水準、財務状況および投資機会等を総合的に勘案しながら、機動的に実施してまいります。当社グループは、成長投資、財務健全性および株主還元のバランスを重視しながら、株主・投資家の皆様との建設的な対話を通じて、成長戦略、資本政策および株主還元方針への理解促進を図り、市場からの信頼性向上と企業価値の持続的な向上に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度末の財政状態は、総資産は、前連結会計年度末に比べ172億2千4百万円増加し、1,353億9千1百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ38億4千9百万円増加し、527億2千1百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ133億7千5百万円増加し、826億6千9百万円となりました。当連結会計年度の経営成績は、受注工事高は、前連結会計年度に比べ238億7千1百万円増加し、1,777億6千2百万円となりました。完成工事高は、前連結会計年度に比べ171億9千9百万円増加し、1,548億8千4百万円となりました。営業利益は、151億2千8百万円(前連結会計年度 113億4千6百万円)、経常利益は、158億8千1百万円(前連結会計年度 119億7千6百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は、121億5千4百万円(前連結会計年度 96億5千6百万円)となりました。 受注工事高(百万円)完成工事高(百万円)2025年3月期2026年3月期前期比2025年3月期2026年3月期前期比設備工事事業153,891177,76215.5%137,684154,88412.5% ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、268億6千9百万円となり、前連結会計年度末の201億2千万円と比較すると67億4千9百万円の増加(前期比33.5%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)税金等調整前当期純利益168億7千8百万円、売上債権の増加による支出37億6千2百万円等により116億2千1百万円の資金の増加(前連結会計年度は142億3千8百万円の資金の増加)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資有価証券の売却による収入14億7千5百万円、有形固定資産の取得による支出5億6千万円および投資有価証券の取得による支出5億4千9百万円等により1億9千7百万円の資金の増加(前連結会計年度は20億4千8百万円の資金の増加)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)短期借入金の純減少額14億円、配当金の支払額40億8千3百万円等により51億6千9百万円の資金の減少(前連結会計年度は101億8千4百万円の資金の減少)となりました。 ③生産、受注及び販売の実績当社グループが営んでいる設備工事事業では、生産実績を定義することが困難であり、請負形態をとっているため、販売実績という定義は実態に即しておりません。よって受注及び販売の実績については、「①財政状態及び経営成績の状況」において記載しております。なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は次のとおりであります。 (a) 受注工事高、完成工事高、次期繰越工事高 期別前期繰越工事高当期受注工事高計当期完成工事高次期繰越工事高(百万円)(百万円)(百万円)(百万円)(百万円)第56期自 2024年4月1日至 2025年3月31日88,147122,329210,477111,04999,427第57期自 2025年4月1日至 2026年3月31日99,427154,812254,239128,404125,834 (注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減があるものについては、当期受注工事高にその増減額を含めております。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。 (b) 受注工事高の受注方法別比率工事の受注方法は特命と競争に大別されます。 期別特命(%)競争(%)計(%)第56期自 2024年4月1日至 2025年3月31日56.743.3100.0第57期自 2025年4月1日至 2026年3月31日53.546.5100.0 (注) 百分比は請負金額比で示しております。 (c) 完成工事高 期別官公庁(百万円)民間(百万円)合計(百万円)第56期自 2024年4月1日至 2025年3月31日6,985104,063111,049第57期自 2025年4月1日至 2026年3月31日9,730118,673128,404 (注)1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。第56期キオクシア㈱キオクシア岩手520棟(CR棟)第1期CR動力設備・動力配管工事LINEヤフー㈱LINEヤフー白河データセンター6号棟・7号棟 増築工事大成建設㈱虎ノ門アルセアタワー清水建設㈱BLUE FRONT SHIBAURA TOWERS東芝デバイス&ストレージ㈱東芝デバイス&ストレージ㈱姫路半導体工場 #450号建屋新築機械設備工事 第57期大成建設㈱SMC遠野サプライヤーパーク建設計画機械設備工事東京ガスエンジニアリングソリューションズ㈱八重洲一丁目東地区エネルギーサービス設備建設工事㈱サンケイビルテクノ曽根崎データセンターテナント工事㈱竹中工務店豊田自動織機 事務棟新築工事(空調設備工事)大成建設㈱OMIYA SOUTH GATE増築プロジェクト 2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先及びその割合は次のとおりであります。第56期清水建設㈱ 17,409百万円 15.7%第57期清水建設㈱ 15,141百万円 11.8% (d) 次期繰越工事高(2026年3月31日現在) 官公庁(百万円)民間(百万円)合計(百万円)13,046112,788125,834 (注) 手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。大成建設㈱八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業 南街区2029年7月完成予定鹿島建設㈱世界貿易センタービルディング新本館・ターミナル新築工事2027年2月完成予定清水建設㈱オリンパス辰野2期新棟計画2026年6月完成予定大東建託㈱品川イーストワンタワーZEB化改修工事2028年3月完成予定㈱大林組梅田ダイビル リニューアル工事(1期工事)2028年6月完成予定 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、一定の会計基準の範囲内で、見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績や状況に応じて見直しを行っておりますが、不確実性が伴うため、実際の結果は異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(当社グループの当連結会計年度の経営成績等)(a) 財政状態の分析(流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は998億1千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ99億7千8百万円増加しております。主な要因は、現金預金の増加30億6千5百万円、受取手形・完成工事未収入金等の増加59億4千2百万円および電子記録債権の減少17億7千5百万円であります。(固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は355億7千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ72億4千5百万円増加しております。主な要因は、投資有価証券の増加71億2千8百万円であります。(流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は495億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億5百万円増加しております。主な要因は、短期借入金の減少14億円、支払手形・工事未払金の増加18億5千万円および未払費用の増加28億5千5百万円であります。(固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は32億1千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億4千4百万円増加しております。主な要因は、繰延税金負債の増加9億5千7百万円であります。(純資産)当連結会計年度末における純資産は826億6千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ133億7千5百万円増加しております。主な要因は、利益剰余金の増加80億7千万円およびその他有価証券評価差額金の増加48億7千5百万円であります。 (b) 経営成績の分析(受注工事高及び完成工事高)当連結会計年度は、受注工事高は前期比15.5%増の1,777億6千2百万円、完成工事高は前期比12.5%増の1,548億8千4百万円となりました。(完成工事総利益)当連結会計年度における完成工事総利益は、前期比23.6%増の271億9千万円となりました。(営業利益)当連結会計年度における営業利益は、前期比33.3%増の151億2千8百万円となりました。(経常利益)当連結会計年度における経常利益は、前期比32.6%増の158億8千1百万円となりました。営業外損益の主な内容は、受取配当金6億1百万円であります。(特別損益)当連結会計年度の特別損益の主な内容は、投資有価証券売却益10億5千6百万円であります。(親会社株主に帰属する当期純利益)税金等調整前当期純利益は前期比21.2%増の168億7千8百万円となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は47億2千3百万円となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は前期比25.9%増の121億5千4百万円となりました。 (c) キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 (当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (当社グループの資本の財源及び資金の流動性)当社グループの資金の源泉は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「金融機関からの借入」であります。一方、当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、借入金の返済、法人税等の支払、配当金の支払等であります。それらの資金需要に対しては、内部資金、営業キャッシュ・フローで充当することを基本とし、必要に応じて資金調達を実施しております。
事業リスク
- 経済・建設市場の変動: 日本国内の景気後退や建設投資の減少は、新日本空調グループの主要な収益源である設備工事の需要を直接的に減少させる可能性があります。これにより、受注の減少や工事価格の競争激化が生じ、会社の業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
- 安全・品質管理の事故: 労働災害や交通事故、工事の品質に関する重大な事故が発生した場合、工事の遅延や中断だけでなく、企業の社会的信用を大きく損なう可能性があります。また、事故による損害賠償や補償費用が発生することで、会社の財務状況に深刻な影響を与えるリスクがあります。
- 工事採算と遅延のリスク: 資機材価格や労務費の急激な高騰、あるいは予期せぬ追加原価の発生により、工事が不採算となる可能性があります。また、品質事故、労働災害、技術者不足などによる大幅な工期遅延も、追加コストの発生や違約金、顧客からの信頼失墜につながり、会社の業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社が財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループはこのようなリスクの認識にもとづき、リスクの防止および会社損失の最小化を図ることを目的とし、グループ全体のリスク管理に関する必要な事項をリスク管理規程に定めております。各リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当社グループの連結業績等に与える影響は、当該リスクの内容、発生規模、継続期間その他の要因により異なりますが、当社グループは、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を中心としたリスク管理体制のもと、各リスクの把握、評価および対応策の実施により、リスクの低減および会社損失の最小化に努めております。また、受注時の採算性確認、工事原価・工程・検収予定の管理、契約条件の精査、調達先の分散、災害発生時の連絡・初動対応体制の整備等により、各リスクの特性に応じた対応を行い、顕在化した場合の影響の低減に努めております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経済状況・建設市場状況の変動リスク当社グループが事業を展開している市場は、その大部分を日本国内が占めており、日本国内における景気の後退、民間設備投資または公共投資の減少、金利・為替・金融市場の変動その他建設投資の状況に影響を及ぼすような不測の事態が発生した場合には、受注機会の減少、受注価格の低下、工事採算の悪化等を通じて、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。また、ウクライナ情勢の長期化や中東地域を含む国際情勢の不安定化、各国の通商政策・関税政策の変更等により、エネルギー価格、資機材価格、物流費、為替および金融市場等が大きく変動した場合には、資機材調達コストや外注費の増加、資機材の調達遅延、工事採算の悪化、工期の遅延等を通じて、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。これらのリスクについて、現時点において顕在化する可能性は相対的に高くないものと認識しておりますが、国内外の景気動向、建設投資の動向および国際情勢の変化に応じて、短期から中長期にわたり顕在化する可能性があります。 (2) 安全・品質管理リスク当社グループは、労働災害および多発する交通事故撲滅のため、安全教育や作業現場への安全点検パトロール等を実施しております。事故原因の解明や周知、類似事故防止策の策定等、安全管理を徹底し、安全な作業環境を整え施工を行っておりますが、重大な労働災害および交通事故が発生した場合は、工事の進捗に多大な影響を与えると共に、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、関係者への補償等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。当社グループは、工事の施工における品質の維持・向上のため、入念な施工計画の立案や確かな技術力のある専門業者の選定、安全な作業環境の整備等により、施工管理を行っておりますが、重大な品質事故や苦情事故が発生した場合は、工事の進捗に多大な影響を与えると共に、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、関係者への補償等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 (3) 工事に関するリスク(採算、遅延および業績の季節性)当社グループは、経済環境の変化による資機材の価格および労務費の急激な高騰や工事の施工における想定外の原価追加により不採算工事が発生した場合は、工事損失引当金の計上等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。当社グループは、工事の施工において、重大な品質事故や労働災害が発生した場合、また、工期延長、当社グループの技術者不足等により大幅な工期遅延が発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。また、当社グループの工事案件は、契約条件または発注者の予算執行上の都合等により、工事の完成、検収および引渡しが第4四半期に集中する傾向があります。このため、完成工事高および各段階利益は第4四半期に偏重する傾向があり、同四半期に大型案件の工期遅延、検収遅延、追加原価の発生等が生じた場合には、通期の連結業績に重要な影響を与える可能性があります。 (4) 人材確保・流出に関するリスク当社グループは、新たな人事制度の導入等により、定年年齢の引き上げや人材の育成・確保に努めておりますが、若年層・専門性を有する人材の慢性的な不足および流出により事業活動に重要な影響を与える可能性があります。 (5) 建設業の担い手不足に関するリスク当社グループは、協力会社の技能労働者の確保に努めておりますが、建設業における技能労働者の高齢化が進む一方で、若年層の技能労働者の入職が低迷しつつある中、世代交代が進まず、施工生産体制の確保が困難になることにより、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 (6) 海外事業リスク当社グループは、アジアを中心とした海外においても事業を手掛けており、事業を展開する国・地域において、テロ、暴動等が発生した場合に、現地情報の把握に努め、適切に対応しておりますが、予期し得ない法的規制・租税制度の変更、政情不安および経済状況や為替レートの急激な変動等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 (7) 人権に関するリスク当社グループは、サプライチェーンを包含する「人権」に関するリスクに対処するため、「人権方針」を策定し、人権デューデリジェンスを推進しておりますが、「人権」に関する負の影響の原因となったり、助長したことが判明したりした場合は、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、関係者への補償等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 (8) 気候変動・自然災害に関するリスク当社グループは、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しておりますが、脱炭素社会への「移行」に向けたリスクとして、カーボンプライシング、すなわち炭素税や排出量取引制度等の導入によるコストの増大等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。また、気候変動による「物理的」変化のリスクとして、台風や洪水による機器や資材の入荷遅延、原価高騰、高温による熱中症や昼間工事の中断、交通インフラの不測の影響による労働力不足等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。さらに、地震、台風、豪雨、洪水その他の大規模な自然災害が発生した場合には、施工中の工事の中断または大幅な遅延、当社グループの事業所、施工現場、資機材等の損傷、従業員および協力会社の作業員の安全確保に伴う施工停止、物流網またはサプライチェーンの混乱等が生じる可能性があります。その結果、工期の遅延、追加原価の発生、復旧費用の発生、資機材調達コストの増加等を通じて、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。 (9) 環境リスク当社グループは、取引先に対し温室効果ガス排出量削減提案を実施する等、環境負荷低減に向けた事業活動を行っております。また、フロン等の取扱いにおいて、法令を順守し適正な処置を実施しておりますが、廃棄物の排出や大量のフロン漏洩等の環境破壊を引き起こす事象を発生させた場合は、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、関係者への補償等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 (10) 法的規制リスク当社グループの事業活動は、建設業法、労働安全衛生法、独占禁止法等、各種法令等による規制を受けており、これら法令等の改廃または新たな規制の制定が行われた場合には、新たな義務の発生や費用負担の増加、権利の制約等が発生する可能性があります。また、当社グループは、各種法令等が順守されるよう役職員に対しコンプライアンスの徹底を図っておりますが、これらに違反する事象が発生した場合は、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、事業の停止等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 (11) 保有資産の変動リスク当社グループが保有している有価証券等の価値が大幅に下落した場合は、評価損の発生により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 (12) 取引先の信用不安リスク当社グループの主要な事業である建設業における請負契約は、一つの取引における契約金額が大きく、工事完成時または引き渡し時に多額の工事代金が支払われる傾向にあります。そのため、工事代金の受領前に取引先が信用不安に陥った場合には、工事代金の回収が困難になり、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 (13) 情報管理リスク当社グループは、経営情報や技術情報等の重要な機密情報や、取引先およびその他関係者の個人情報を保有しております。これらの情報の外部への流出を防止するため、社内規程の整備や役職員への周知徹底、セキュリティシステムの強化等対策を講じておりますが、社外からの不正アクセス、社内における不正使用等、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合は、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、関係者への補償等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 (14) 新たな感染症の感染拡大リスク当社グループは、新たな感染症の感染拡大をリスクとして捉えていますが、受注活動の停滞、手持工事の延期や中止、工事現場の閉所による工期の延長等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 (15) イノベーションに関するリスク当社グループは、脱炭素社会の実現や様々な社会課題の解決に向けた新たな技術開発や、長期経営方針である10年ビジョン「SNK Vision 2030」の達成に不可欠なデジタルトランスフォーメーションをはじめとするイノベーションを進めておりますが、先行的な投資が必要となっており、目標とする成果が得られない場合は、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。