1963

日揮ホールディングス(1963)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

建設業 建設・資材

事業の概要

  • 総合エンジニアリング事業
    石油、ガス、化学、原子力、バイオ、医薬品など多岐にわたる産業分野で、プラントや施設の計画、設計、調達、建設、試運転までを一貫して手掛けるEPC(Engineering, Procurement, and Construction)ビジネスが主力です。世界中の大規模プロジェクトを顧客とし、複雑なシステム構築を通じて収益を得ています。
  • 機能材製造事業
    触媒、ナノ粒子技術、クリーン・安全関連製品、電子材料、高性能セラミックス、次世代エネルギー材料など、幅広い分野の機能性素材を製造・販売しています。石油精製用触媒や半導体・ディスプレイ向け素材など、高度な技術を要する製品群が特徴です。
  • その他事業
    機器調達、コンサルティング、オフィスサポートのほか、原油・ガス生産販売、水処理、発電・造水、FPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)の保有・傭船、SAF(持続可能な航空燃料)製造など、多角的な事業を展開しています。これにより、主力事業を補完し、収益源の多様化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 総合エンジニアリング事業
    石油、ガス、化学、原子力、バイオ、医薬品など、幅広い産業分野におけるプラントや施設の設計、調達、建設、試運転までを一貫して手掛ける事業です。2023年度の売上高は約7,949.77億円とグループの主要な収益源ですが、営業利益は-145.91億円と赤字を計上しており、複数の海外プロジェクトでの損失引当が影響しています。
  • 機能材製造事業
    触媒、ナノ粒子技術、クリーン・安全関連製品、電子材料、高性能セラミックス、次世代エネルギー材料など、多岐にわたる機能性素材の製造・販売を行う事業です。2023年度の売上高は約546.43億円、営業利益は81.97億円と堅調な収益を上げており、グループの安定収益に貢献しています。
  • その他の事業
    機器調達、コンサルティング、オフィスサポートのほか、原油・ガス生産販売、水処理、発電・造水、FPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)保有・傭船、SAF(持続可能な航空燃料)製造など、多様な事業が含まれます。これらの事業は、主力事業を補完し、グループ全体の収益源の多様化とリスク分散に寄与しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
EngineeringReportableSegment 事業 7,950 -146 -1.8%
FunctionalMaterialsManufacturingReportableSegment 事業 546 82 15.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,795 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社、当社の子会社58社及び関連会社45社)は、総合エンジニアリング事業及び機能材製造事業を主たる事業としており、これに加え、機器調達及びコンサルティング等の附帯事業を営んでおります。各事業における当社及び主要な関係会社の位置付け等は次のとおりであります。なお、次の区分はセグメント情報に記載された区分と同一であります。 総合エンジニアリング事業当セグメントは、石油、石油精製、石油化学、ガス、LNG、一般化学、原子力、金属製錬、バイオ、食品、医薬品、医療、物流、IT、環境保全、公害防止等に関する装置、設備及び施設の計画、設計、調達、建設及び試運転役務等のEPCビジネスを中心に構成されております。なお、当セグメントを構成する主要な会社は以下のとおりであります。分野会社名設計・調達・建設日揮グローバル㈱、日揮㈱、㈱高田工業所JGC ASIA PACIFIC PTE. LTD.、JGC PHILIPPINES, INC.、PT. JGC INDONESIA、JGC Gulf International Co., Ltd.、JGC OCEANIA PTY LTD、JGC America, Inc.、JGC Gulf Engineering Co., Ltd.、JGC Construction International Pte. Ltd.、JGC ASIA PACIFIC (M) Sdn.Bhd.、JGC INDIA EPC PRIVATE LIMITED、JGC Corporation Oceania Pty Ltd、JGC France SAS、Japan NuScale Innovation, LLC検査・保守青森日揮プランテック㈱プロセスライセンシング日揮ユニバーサル㈱その他Sunrise Healthcare Service Co., Ltd. 機能材製造事業当セグメントは、以下のような分野別製品群からなる事業で各関係会社にて製造・販売しております。分野製品会社名触媒分野重質油の水素化精製・流動接触分解、灯軽油の脱硫などの石油精製用触媒及び素材、化学品の水素化・異性化・酸化などの石油化学用触媒など日揮触媒化成㈱日揮ユニバーサル㈱ナノ粒子技術分野フラットパネルディスプレイ・半導体・化粧品・プラスチック眼鏡レンズなどに使用される機能性素材、化学的機械研磨材料、ライフサイエンス材など日揮触媒化成㈱クリーン・安全分野環境触媒、脱臭・消臭剤、オゾン分解触媒、酵素フィルタなど日揮触媒化成㈱日揮ユニバーサル㈱電子材料・高性能セラミックス分野薄膜集積回路、高品位アルミナ基板、高熱伝導窒化ケイ素基板、半導体・FPD製造装置用セラミックス部品、半導体・FPD製造装置用金属セラミックス複合材部品など日本ファインセラミックス㈱JFCマテリアルズ㈱次世代エネルギー分野燃料電池用脱硫材、色素増感型太陽電池用材料など日揮触媒化成㈱ その他の事業その他の事業は総合エンジニアリング事業及び機能材製造事業以外の事業であり、以下のような分野及び会社で構成されております。分野会社名機器調達日揮商事㈱コンサルティング日本エヌ・ユー・エス㈱オフィスサポート日揮ビジネスサービス㈱原油・ガス生産販売事業等JGC (GULF COAST), LLC、JGC Exploration Eagle Ford LLC、JGC EXPLORATION CANADA LTD.水処理事業水ing㈱、水ingAM㈱、水ingエンジニアリング㈱発電・造水事業Al Asilah Desalination Company S.A.O.C.、A.R.C.H WLL、ASH SHARQIYAH OPERATION AND MAINTENANCE COMPANY LLCFPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)保有・傭船事業Japan Sankofa Offshore Production Pte. Ltd.国産廃食用油を原料とするSAF、バイオナフサ、バイオディーゼルの製造事業(同)SAFFAIRE SKY ENERGY また、当社グループに対してコーポレート業務を提供する日揮コーポレートソリューションズ㈱があります。 以上に述べた事項の概略は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
資機材・原燃材料費及び輸送コストの高騰に対する適切な契約条件の設定等を実施。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
複雑なシステム総合体であるプラントの計画、設計、調達、建設及び試運転役務等のEPCビジネス。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:プロジェクトの受注及び遂行に関するリスク / カントリーリスク / 自然災害・疫病等に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

日揮ホールディングスは、プラントエンジニアリングにおける長年の実績と技術力を持つが、明確なブランド力や特許による独占的な優位性は限定的。特定の技術やノウハウは存在するものの、模倣や代替が比較的容易な側面もある。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

プラント建設においては、顧客(エネルギー企業など)が建設会社を変更する際の切り替えコストは高い。設計、調達、建設(EPC)のプロセス全体にわたる関係構築や、既存インフラとの互換性などが要因となる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

プラントエンジニアリング事業は、直接的なネットワーク効果を生み出すビジネスモデルではない。顧客との関係は重要だが、プラットフォーム型のようなネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

大規模プロジェクトの遂行には、サプライヤーとの交渉力や調達網の効率化が重要となるが、競合他社も同様の努力をしており、圧倒的なコスト優位性を確立しているとは言えない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

日揮グループは、世界各地で大規模なプラント建設・エンジニアリングを手掛けており、その規模と実績は強みとなる。グローバルな事業展開、多数のプロジェクトを同時に遂行する能力は、他社に対する優位性となり得る。

  • 大規模プロジェクト遂行能力
    オイルメジャーや国営石油会社を顧客とする国際的な大規模EPCプロジェクトを数多く手掛けており、長期間にわたる複雑なプロジェクトを計画から引渡しまで一貫して遂行する高度な技術力と豊富な経験が強みです。これにより、他社が容易に参入できない領域で競争優位性を確立しています。
  • 多岐にわたる技術ポートフォリオ
    総合エンジニアリング事業に加え、触媒、高性能セラミックス、ナノ粒子技術などの機能材製造事業も展開しており、幅広い産業分野で独自の技術と製品を提供しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定的な収益基盤を構築しています。
  • グローバルな事業展開とネットワーク
    世界各地に子会社や関連会社を有し、グローバルな事業展開を行っています。これにより、各地域のニーズに対応したサービス提供や、資機材調達の最適化、多様な人材の活用が可能となり、国際競争力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 企業理念に基づく持続的成長
    企業理念「JGC's Purpose and Values」として「Enhancing planetary health(地球の健やかさを高める)」を掲げ、挑戦、創造、結集、完遂の4つの価値観と尊重、誠実の2つの誓いを軸に企業活動を進めています。これにより、企業価値向上と持続可能な社会への貢献を目指しています。
  • 中期経営計画「BSP2025」の推進
    2021年度から2025年度を「挑戦の5年間」と位置づけ、EPC事業のさらなる深化、高機能材製造事業の拡大、将来の成長エンジンの確立を重点戦略としています。売上高8,000億円、営業利益600億円、ROE10%を財務目標に掲げ、収益の拡大と多様化を図っています。
  • 将来の成長エンジンの確立
    2040年ビジョンを見据え、エネルギートランジション、ヘルスケア・ライフサイエンス、高機能材、資源循環、産業・都市インフラの5つのビジネス領域で、特に将来の成長が見込まれる事業の確立に注力しています。2025年度に売上高500億円、10年後には5,000億円規模のビジネスへの育成を目指し、持続的な成長基盤を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 基本方針当社グループは、企業活動を行う上での軸・拠り所として企業理念「JGC's Purpose and Values」を制定しております。「JGC's Purpose and Values」は日揮グループのパーパス(存在意義)及びValues(価値観)の2つの要素から構成され、日揮グループのパーパス(存在意義)として、「Enhancing planetary health」を掲げ、当社グループ共通のValuesとして、4つのちから、即ち、「挑戦」、「創造」、「結集」、「完遂」を定め、さらに「尊重」、「誠実」を2つの誓いとして明らかにしております。当社グループは、企業理念「JGC's Purpose and Values」に基づき企業活動を進めていくことで、企業価値の一層の向上を図り、以て人と地球の健やかな未来づくりに貢献してまいります。 (2) 目標とする経営指標、経営環境、中長期的な経営戦略及び会社の対処すべき課題前中期経営計画「BSP2025」の振り返り当社グループは2021年度から2025年度までの5ヶ年を長期経営ビジョン「2040年ビジョン」の1stフェーズ―「挑戦の5年」と位置づけ、中期経営計画「Building a Sustainable Planetary Infrastructure 2025 (BSP2025)」(以下、「BSP2025」という。)において、「EPC事業のさらなる深化」、「高機能材製造事業の拡大」、「将来の成長エンジンの確立」を重点戦略とし、これらの実現に向けた成長戦略投資(M&A、設備投資、研究開発等)に積極的に取り組むことで、財務目標として、2025年度の売上高8,000億円、営業利益600億円、当期純利益450億円、自己資本利益率(ROE)10%の達成を目指してまいりました。本計画のもと、対象期間における実績は以下のとおりとなりました。BSP2025期間中の経営実績は、売上高は増加基調で推移し期中に目標を達成しました。他方、営業利益及び当期純利益については、過年度の不採算案件の影響から目標は未達成となりましたが、ROEについては目標を達成しました。「EPC事業のさらなる深化」について、総合エンジニアリング事業では、国内において株式会社IHIプラントからの医薬品事業譲受や株式会社高田工業所との資本業務提携といった競争力強化に向けた施策を積極的に推進いたしました。海外ではLNGを中心としたプラントマーケットの好況を背景に、ジョイントベンチャー組成やモジュール工法といった当社の持つ競争優位性を最大限に活用し、大型案件を成功裡に完遂してまいりました。他方、市場と分野の多角化を急いだ結果、人財リソースの分散や適正配置不全を招き、それらがプロジェクトの安定遂行に影響を及ぼしたことでいくつかの案件で採算悪化が発生いたしました。足元では、社内のEPC遂行体制強化に向けた取組みを推進してきたことで、遂行中案件における懸念材料が減少しつつあり、2025年度では採算を大きく改善することができました。「高機能材製造事業の拡大」について、同事業では、半導体関連市場に向けた商材の展開や生産能力の増強を進めた結果、BSP2025で掲げた売上高目標を概ね達成いたしました。特にファインセラミックス分野では、旧昭和電工マテリアルズ株式会社からの事業譲受や宮城県富谷市における新工場設置により、生産能力が増強され、さらなる成長の土台を整えることができました。また、「将来の成長エンジンの確立」については、ビジネス領域の多角化を推進するため、将来の成長エンジンとして掲げた複数のビジネス領域への展開を図り、水素製造プラントやブルー水素・アンモニア製造実証プラントに加えて、持続可能な航空燃料(SAF)製造プラントにおけるEPC役務、グリーン水素/MCH製造プラントにおける基本設計役務を受注する等、貴重な知見を蓄積することができました。また、上記3つの重点戦略の実現に向け、BSP2025期間中に計画していた2,000億円の成長戦略投資については、当連結会計年度末時点で約1,000億円の投資実績となりました。事業環境の変化等を受け、M&Aを中心に当初計画どおりの投資判断に至らない案件もありましたが、研究開発投資及び事業投資、並びに機能材製造事業をはじめとする設備投資を着実に推進しました。なお、総合エンジニアリング事業における成長戦略投資は、中長期的な競争力の強化及び体質改善への貢献を企図するものであり、新中期経営計画においても、こうした取組みを継続していく方針です。 新中期経営計画「BSP2030」について長期経営ビジョン「2040年ビジョン」における2ndフェーズである2026年度から2030年度までの5ヶ年を対象期間とし、「深耕の5年」として位置付けを再定義した新中期経営計画「Building a Sustainable Planetary Infrastructure 2030 (BSP2030)」(以下、「BSP2030」という。)の内容は以下のとおりです。 1.事業環境認識BSP2030期間における事業環境の見通しは次のとおりです。・ マーケット:エネルギーを含む各種需要が今後も引き続き拡大していくなか、低・脱炭素化の潮流は不変と捉えていますが、経済的なハードルの高さからそのスピードには変化が見られており、比較的クリーンで安価なLNGの重要性が当面は継続すると見込んでいます。また、不確実性が高い環境下においてこそ、当社グループが各市場の先端情報を的確に捉え、技術を基軸に課題解決型の提案を行うことで、主体的なビジネス機会の創出が可能になると考えています。・ サプライチェーン:コロナ禍以降、加速する地政学リスクの増大や産業構造の変化、加えて希少資源の偏在といった諸課題は、サプライチェーンの分断と再編という形でその影響が顕在化しつつあります。サプライチェーン上の協力会社との連携強化、仕様の標準化やモジュール化、デジタル技術の導入、人財の育成といった一つひとつの要素が、事業の継続だけでなく競争優位の源泉として、将来の成長に向けた重要な鍵となります。・ 技術・デジタル:AIをはじめとするデジタル技術の進展は、生活利便性の向上や社会基盤・顧客設備の高度化を加速させる強力な推進力となります。顧客設備の維持管理や運転改善に加え、バイオや材料、低・脱炭素化の領域など、当社グループの既存事業に隣接するあらゆる領域に対して、デジタル技術を活用し強化された当社グループの技術力は、顧客への提供価値と当社グループの成長を着実に推進していくものと認識しています。 2.3つの重点戦略上記の事業環境認識を踏まえ、BSP2030において、「総合エンジニアリング事業の持続的な競争力強化」、「機能材製造事業の成長加速」、「ソリューションビジネスの拡充」に取り組むことで、次なる成長の基盤を構築してまいります。(1)総合エンジニアリング事業の持続的な競争力強化① 遂行体制の強化による収益基盤の安定化EPCランプサムプロジェクトは、複数の分野・地域で志向される顧客ニーズに応え、かつ長年に亘り培ってきた当社グループにおける競争優位を発揮できるビジネスモデルであることから、リスクマネジメントの強化や、インド拠点であるJGC India EPC Private Limited社の人財リソース拡充をはじめとする様々な施策の推進を通じて、ランプサムモデルの強化に取り組みます。また、FS(フィージビリティスタディ)やFEED(基本設計)といった上流のビジネス、メンテナンスや改造・更新工事といった下流のビジネスへの取組み強化等を通じて、ライフサイクル全体への価値提供に取り組んでいきます。これらを通じて総合エンジニアリング事業全体の収益安定化を図るとともに、得られた情報・知見・ノウハウを、EPCを含む上下流すべてを通じたプラントライフサイクルにおける価値提供に還元させる循環を創出します。② EPCビジネスの進化に向けた挑戦EPCというビジネスモデルを巡っては、外部環境の変化や顧客課題の多様化に合わせて、その遂行能力を高度化させることで、競争力を維持・強化していくことも非常に重要となります。デジタル技術による設計の効率化・高度化、製作プロセスの最適化、モジュール技術の応用等、競争力向上に向けた挑戦に大胆に取り組むとともに、柔軟な対応を通じて顧客に対する新たな価値提供を目指していきます。③ マーケットへの適応と戦略的事業育成の両立マーケットの変化が不透明かつ激しさを増しつつあるなか、多様な顧客課題の受け皿として、技術に立脚したビジネス領域はさらに拡大していきます。こうしたなか、FSやFEEDといった上流でのサービス提供を通じて、市場の変化や顧客のニーズに寄り添うことで有望なビジネス領域を見極め、それに対し最適なアプローチを講じることで、新たな収益の柱として戦略的に育成していきます。 (2)機能材製造事業の成長加速① 半導体関連市場での販売拡大BSP2025において商品展開及び増産投資を行った、ファインセラミックス分野の半導体製造装置向け部材、窒化ケイ素基板などの基板材料、ファインケミカル分野の半導体関連向け研磨砥粒や添加剤について、引き続き半導体関連市場への販売拡大を図ります。また、外部協業の積極的な展開を通じて、技術面・生産面で生じうる課題を解消しながら、開発・生産にスピードが要求される半導体市場に対応できる体制を構築していきます。② 開発力の強化による提案型案件の創出当社内に設置されている機能材製造事業オフィスが中心となってマーケティング機能と先行開発能力を強化し、競合他社に先駆けた提案型案件を創出することで、従来の受託製造よりも高い利益率確保を目指します。③ 海外市場の積極的な開拓国内製油所や国内化学メーカーを主要顧客とした国内市場の縮小を受け、触媒分野において海外顧客への展開を一層強化していきます。また、半導体関連市場に関しても現在は国内顧客向けの販売が中心であることから、BSP2030では規模の大きな海外顧客への販売拡大も戦略的に進めていきます。 (3)ソリューションビジネスの拡充総合エンジニアリング事業と機能材製造事業で培ってきた強みを新たなビジネスモデルへと展開することで、事業ポートフォリオの中長期的な変革を促進し、収益変動の緩和と安定的な成長を実現します。具体的には、社会や顧客の課題を「先読み」し、オープンイノベーション活動等を通じて汎用的なソリューションを先行的に開発し、そのソリューションを顧客に提供するというアプローチを積極的に推進していく方針です。こうした取組みの一環として、当社では国家プロジェクトへの参画を通じて「バイオものづくり」と呼ばれる新たな事業分野にも挑戦していきます。 3.財務目標財務目標として、2030年度に営業利益600億円、当期純利益500億円、ROE10%以上を目指します。なお、本目標には、「4.成長戦略実現に向けた投資と資本政策」に記載しているM&Aによる収益は考慮していません。 4.成長戦略の実現に向けた投資と資本政策2026年度から2030年度にわたるBSP2030においては、以下3点の基本方針のバランスを取りながら、重点戦略への取組みを通じてさらなる企業価値の向上に努めてまいります。(1)強固な財務基盤維持当社グループのコアビジネスである総合エンジニアリング事業におけるEPCランプサムプロジェクトでは、顧客の信頼獲得に加え、予期せぬ外部環境の変化や市場の混乱局面においてもプロジェクトを円滑に遂行することが重要です。このため、自己資本比率50%の安定的な維持及び十分な手元流動性の確保を通じて、強固な財務基盤の維持に取組みます。 (2)成長投資の推進3つの重点戦略への取組みを通じた次なる成長の基盤構築のために、BSP2030期間を通じて総額2,800億円の成長投資を行う予定です。M&Aや機能材製造事業における設備投資といった、BSP2030における戦略的意義が高く、比較的早期に効果の収穫が可能な案件を中心に実施していく事を計画しています。 (3)株主還元の強化以下の株主還元方針に基づいた配当政策を実施してまいります。・ 株主還元方針を配当性向からDOE※へ変更し、2027年3月期にDOE3%から始め、2031年3月期に向けてDOE4%を目指す。 ・ 自己株式取得は、業績見通しやキャッシュ・フローの状況、資本効率の観点から適宜実施を検討する。※DOE(株主資本配当率):親会社株主に帰属する連結株主資本(その他の包括利益累計額及び非支配株主持分を除く)に対する配当金総額の割合 5.人的資本の強化BSP2030期間においては、「個人と組織の学習が連動し、知やノウハウが循環(蓄積・活用)し続ける状態」の高度化に向けた施策を講じていきます。当社グループにおいて人財は最も重要な経営基盤のひとつであり、個人と組織の学習効果による能力向上は非常に重要な要素となります。人財を単一機能の担い手として捉えるのではなく、環境変化に柔軟に対応し、活躍する場を拡張できる多能な存在として捉えなおすことで、組織全体の対応力と持続的な成長を目指します。人的資本の強化に向けた施策を積極的に推進することで、当社グループに集う人財が組織に蓄積されていくデジタルアセットを活用しながら、基盤となる知識や経験を伝承していくという循環に繋げ、より効果的・高度に学習効果を発揮する企業集団を目指します。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 基本方針当社グループは、企業活動を行う上での軸・拠り所として企業理念「JGC's Purpose and Values」を制定しております。「JGC's Purpose and Values」は日揮グループのパーパス(存在意義)及びValues(価値観)の2つの要素から構成され、日揮グループのパーパス(存在意義)として、「Enhancing planetary health」を掲げ、当社グループ共通のValuesとして、4つのちから、即ち、「挑戦」、「創造」、「結集」、「完遂」を定め、さらに「尊重」、「誠実」を2つの誓いとして明らかにしております。当社グループは、企業理念「JGC's Purpose and Values」に基づき企業活動を進めていくことで、企業価値の一層の向上を図り、以て人と地球の健やかな未来づくりに貢献してまいります。 (2) 目標とする経営指標、経営環境、中長期的な経営戦略及び会社の対処すべき課題前中期経営計画「BSP2025」の振り返り当社グループは2021年度から2025年度までの5ヶ年を長期経営ビジョン「2040年ビジョン」の1stフェーズ―「挑戦の5年」と位置づけ、中期経営計画「Building a Sustainable Planetary Infrastructure 2025 (BSP2025)」(以下、「BSP2025」という。)において、「EPC事業のさらなる深化」、「高機能材製造事業の拡大」、「将来の成長エンジンの確立」を重点戦略とし、これらの実現に向けた成長戦略投資(M&A、設備投資、研究開発等)に積極的に取り組むことで、財務目標として、2025年度の売上高8,000億円、営業利益600億円、当期純利益450億円、自己資本利益率(ROE)10%の達成を目指してまいりました。本計画のもと、対象期間における実績は以下のとおりとなりました。BSP2025期間中の経営実績は、売上高は増加基調で推移し期中に目標を達成しました。他方、営業利益及び当期純利益については、過年度の不採算案件の影響から目標は未達成となりましたが、ROEについては目標を達成しました。「EPC事業のさらなる深化」について、総合エンジニアリング事業では、国内において株式会社IHIプラントからの医薬品事業譲受や株式会社高田工業所との資本業務提携といった競争力強化に向けた施策を積極的に推進いたしました。海外ではLNGを中心としたプラントマーケットの好況を背景に、ジョイントベンチャー組成やモジュール工法といった当社の持つ競争優位性を最大限に活用し、大型案件を成功裡に完遂してまいりました。他方、市場と分野の多角化を急いだ結果、人財リソースの分散や適正配置不全を招き、それらがプロジェクトの安定遂行に影響を及ぼしたことでいくつかの案件で採算悪化が発生いたしました。足元では、社内のEPC遂行体制強化に向けた取組みを推進してきたことで、遂行中案件における懸念材料が減少しつつあり、2025年度では採算を大きく改善することができました。「高機能材製造事業の拡大」について、同事業では、半導体関連市場に向けた商材の展開や生産能力の増強を進めた結果、BSP2025で掲げた売上高目標を概ね達成いたしました。特にファインセラミックス分野では、旧昭和電工マテリアルズ株式会社からの事業譲受や宮城県富谷市における新工場設置により、生産能力が増強され、さらなる成長の土台を整えることができました。また、「将来の成長エンジンの確立」については、ビジネス領域の多角化を推進するため、将来の成長エンジンとして掲げた複数のビジネス領域への展開を図り、水素製造プラントやブルー水素・アンモニア製造実証プラントに加えて、持続可能な航空燃料(SAF)製造プラントにおけるEPC役務、グリーン水素/MCH製造プラントにおける基本設計役務を受注する等、貴重な知見を蓄積することができました。また、上記3つの重点戦略の実現に向け、BSP2025期間中に計画していた2,000億円の成長戦略投資については、当連結会計年度末時点で約1,000億円の投資実績となりました。事業環境の変化等を受け、M&Aを中心に当初計画どおりの投資判断に至らない案件もありましたが、研究開発投資及び事業投資、並びに機能材製造事業をはじめとする設備投資を着実に推進しました。なお、総合エンジニアリング事業における成長戦略投資は、中長期的な競争力の強化及び体質改善への貢献を企図するものであり、新中期経営計画においても、こうした取組みを継続していく方針です。 新中期経営計画「BSP2030」について長期経営ビジョン「2040年ビジョン」における2ndフェーズである2026年度から2030年度までの5ヶ年を対象期間とし、「深耕の5年」として位置付けを再定義した新中期経営計画「Building a Sustainable Planetary Infrastructure 2030 (BSP2030)」(以下、「BSP2030」という。)の内容は以下のとおりです。 1.事業環境認識BSP2030期間における事業環境の見通しは次のとおりです。・ マーケット:エネルギーを含む各種需要が今後も引き続き拡大していくなか、低・脱炭素化の潮流は不変と捉えていますが、経済的なハードルの高さからそのスピードには変化が見られており、比較的クリーンで安価なLNGの重要性が当面は継続すると見込んでいます。また、不確実性が高い環境下においてこそ、当社グループが各市場の先端情報を的確に捉え、技術を基軸に課題解決型の提案を行うことで、主体的なビジネス機会の創出が可能になると考えています。・ サプライチェーン:コロナ禍以降、加速する地政学リスクの増大や産業構造の変化、加えて希少資源の偏在といった諸課題は、サプライチェーンの分断と再編という形でその影響が顕在化しつつあります。サプライチェーン上の協力会社との連携強化、仕様の標準化やモジュール化、デジタル技術の導入、人財の育成といった一つひとつの要素が、事業の継続だけでなく競争優位の源泉として、将来の成長に向けた重要な鍵となります。・ 技術・デジタル:AIをはじめとするデジタル技術の進展は、生活利便性の向上や社会基盤・顧客設備の高度化を加速させる強力な推進力となります。顧客設備の維持管理や運転改善に加え、バイオや材料、低・脱炭素化の領域など、当社グループの既存事業に隣接するあらゆる領域に対して、デジタル技術を活用し強化された当社グループの技術力は、顧客への提供価値と当社グループの成長を着実に推進していくものと認識しています。 2.3つの重点戦略上記の事業環境認識を踏まえ、BSP2030において、「総合エンジニアリング事業の持続的な競争力強化」、「機能材製造事業の成長加速」、「ソリューションビジネスの拡充」に取り組むことで、次なる成長の基盤を構築してまいります。(1)総合エンジニアリング事業の持続的な競争力強化① 遂行体制の強化による収益基盤の安定化EPCランプサムプロジェクトは、複数の分野・地域で志向される顧客ニーズに応え、かつ長年に亘り培ってきた当社グループにおける競争優位を発揮できるビジネスモデルであることから、リスクマネジメントの強化や、インド拠点であるJGC India EPC Private Limited社の人財リソース拡充をはじめとする様々な施策の推進を通じて、ランプサムモデルの強化に取り組みます。また、FS(フィージビリティスタディ)やFEED(基本設計)といった上流のビジネス、メンテナンスや改造・更新工事といった下流のビジネスへの取組み強化等を通じて、ライフサイクル全体への価値提供に取り組んでいきます。これらを通じて総合エンジニアリング事業全体の収益安定化を図るとともに、得られた情報・知見・ノウハウを、EPCを含む上下流すべてを通じたプラントライフサイクルにおける価値提供に還元させる循環を創出します。② EPCビジネスの進化に向けた挑戦EPCというビジネスモデルを巡っては、外部環境の変化や顧客課題の多様化に合わせて、その遂行能力を高度化させることで、競争力を維持・強化していくことも非常に重要となります。デジタル技術による設計の効率化・高度化、製作プロセスの最適化、モジュール技術の応用等、競争力向上に向けた挑戦に大胆に取り組むとともに、柔軟な対応を通じて顧客に対する新たな価値提供を目指していきます。③ マーケットへの適応と戦略的事業育成の両立マーケットの変化が不透明かつ激しさを増しつつあるなか、多様な顧客課題の受け皿として、技術に立脚したビジネス領域はさらに拡大していきます。こうしたなか、FSやFEEDといった上流でのサービス提供を通じて、市場の変化や顧客のニーズに寄り添うことで有望なビジネス領域を見極め、それに対し最適なアプローチを講じることで、新たな収益の柱として戦略的に育成していきます。 (2)機能材製造事業の成長加速① 半導体関連市場での販売拡大BSP2025において商品展開及び増産投資を行った、ファインセラミックス分野の半導体製造装置向け部材、窒化ケイ素基板などの基板材料、ファインケミカル分野の半導体関連向け研磨砥粒や添加剤について、引き続き半導体関連市場への販売拡大を図ります。また、外部協業の積極的な展開を通じて、技術面・生産面で生じうる課題を解消しながら、開発・生産にスピードが要求される半導体市場に対応できる体制を構築していきます。② 開発力の強化による提案型案件の創出当社内に設置されている機能材製造事業オフィスが中心となってマーケティング機能と先行開発能力を強化し、競合他社に先駆けた提案型案件を創出することで、従来の受託製造よりも高い利益率確保を目指します。③ 海外市場の積極的な開拓国内製油所や国内化学メーカーを主要顧客とした国内市場の縮小を受け、触媒分野において海外顧客への展開を一層強化していきます。また、半導体関連市場に関しても現在は国内顧客向けの販売が中心であることから、BSP2030では規模の大きな海外顧客への販売拡大も戦略的に進めていきます。 (3)ソリューションビジネスの拡充総合エンジニアリング事業と機能材製造事業で培ってきた強みを新たなビジネスモデルへと展開することで、事業ポートフォリオの中長期的な変革を促進し、収益変動の緩和と安定的な成長を実現します。具体的には、社会や顧客の課題を「先読み」し、オープンイノベーション活動等を通じて汎用的なソリューションを先行的に開発し、そのソリューションを顧客に提供するというアプローチを積極的に推進していく方針です。こうした取組みの一環として、当社では国家プロジェクトへの参画を通じて「バイオものづくり」と呼ばれる新たな事業分野にも挑戦していきます。 3.財務目標財務目標として、2030年度に営業利益600億円、当期純利益500億円、ROE10%以上を目指します。なお、本目標には、「4.成長戦略実現に向けた投資と資本政策」に記載しているM&Aによる収益は考慮していません。 4.成長戦略の実現に向けた投資と資本政策2026年度から2030年度にわたるBSP2030においては、以下3点の基本方針のバランスを取りながら、重点戦略への取組みを通じてさらなる企業価値の向上に努めてまいります。(1)強固な財務基盤維持当社グループのコアビジネスである総合エンジニアリング事業におけるEPCランプサムプロジェクトでは、顧客の信頼獲得に加え、予期せぬ外部環境の変化や市場の混乱局面においてもプロジェクトを円滑に遂行することが重要です。このため、自己資本比率50%の安定的な維持及び十分な手元流動性の確保を通じて、強固な財務基盤の維持に取組みます。 (2)成長投資の推進3つの重点戦略への取組みを通じた次なる成長の基盤構築のために、BSP2030期間を通じて総額2,800億円の成長投資を行う予定です。M&Aや機能材製造事業における設備投資といった、BSP2030における戦略的意義が高く、比較的早期に効果の収穫が可能な案件を中心に実施していく事を計画しています。 (3)株主還元の強化以下の株主還元方針に基づいた配当政策を実施してまいります。・ 株主還元方針を配当性向からDOE※へ変更し、2027年3月期にDOE3%から始め、2031年3月期に向けてDOE4%を目指す。 ・ 自己株式取得は、業績見通しやキャッシュ・フローの状況、資本効率の観点から適宜実施を検討する。※DOE(株主資本配当率):親会社株主に帰属する連結株主資本(その他の包括利益累計額及び非支配株主持分を除く)に対する配当金総額の割合 5.人的資本の強化BSP2030期間においては、「個人と組織の学習が連動し、知やノウハウが循環(蓄積・活用)し続ける状態」の高度化に向けた施策を講じていきます。当社グループにおいて人財は最も重要な経営基盤のひとつであり、個人と組織の学習効果による能力向上は非常に重要な要素となります。人財を単一機能の担い手として捉えるのではなく、環境変化に柔軟に対応し、活躍する場を拡張できる多能な存在として捉えなおすことで、組織全体の対応力と持続的な成長を目指します。人的資本の強化に向けた施策を積極的に推進することで、当社グループに集う人財が組織に蓄積されていくデジタルアセットを活用しながら、基盤となる知識や経験を伝承していくという循環に繋げ、より効果的・高度に学習効果を発揮する企業集団を目指します。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 当連結会計年度の概況 当連結会計年度において、堅調な個人消費や企業による人工知能(AI)分野への活発な投資などを背景に、世界経済は底堅く推移しました。一方で、米国・イスラエルとイランの衝突による地政学的緊張の高まりに伴って世界経済の先行きに対する不透明感が強まっております。 このような状況のなか、当社グループの総合エンジニアリング事業の海外マーケットにおいて、エネルギー分野(液化天然ガス(LNG)、石油精製、石油化学、化学、ガス処理、水素・燃料アンモニア、CCS、SAF、原子力関連分野等の各種プラントの設計・調達・建設)では、天然ガスやLNGの需要が高く、産油・産ガス諸国において関連プラントの新設のみならず既存プラントの増設などの設備投資計画に進捗が見られました。 一般産業分野(半導体・蓄電池関連、データセンターなどの各種インフラ設備・施設の設計・調達・建設)では、デジタル化の進展に伴って半導体材料や、データセンターなどのデジタル産業を支えるインフラ施設や関連施設の設備投資計画が、アジアなどを中心に着実に進展しました。 また、総合エンジニアリング事業の国内マーケットにおいては、化学分野やライフサイエンス分野、食品分野を中心に設備投資計画が進展しました。 一方で、金利上昇や建設費用等の増加により、顧客のCAPEX(資本的支出)は上昇を続けていることから、一部の顧客において設備投資の最終決定時期を2026年度以降に先送りする動きが見られました。こうした傾向はCAPEX増加に加えて、政府による制度設計の確立や需要家の確保、補助金交付に時間を要している国内外の水素・燃料アンモニア、SAFといったサステナブル分野の案件でより顕著でした。機能材製造事業において、触媒・ファインケミカル分野では、触媒製品はアジアを中心に石油精製触媒などの需要が伸長しました。ファインケミカル製品は主力である半導体やハードディスク市場が回復基調にあり、製品需要が堅調に推移しました。ファインセラミックス分野では、生成AIを中心とした半導体・電子材料関連市場の製品需要が好調でした。 以上のような取組みのもと、総合エンジニアリング事業においては、海外大型プロジェクトが複数完工するなど国内外の大型プロジェクトで着実な遂行を継続した結果、全体として採算は改善いたしました。機能材製造事業においては、海外向け石油精製触媒の需要は拡大し、ファインケミカル分野とファインセラミックス分野の市況が回復基調にあるなか同分野の製品需要が拡大したことに伴い、着実な業績を収めることができました。その結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績等については、以下のとおりとなりました。 経営成績 当連結会計年度(百万円)対前年度増減率(%)売上高745,280△13.1営業利益35,399-経常利益58,188414.0親会社株主に帰属する当期純利益41,842- 受注高地域当連結会計年度(百万円)割合(%)海外271,55056.8国内206,50643.2合計478,057100.0 当連結会計年度末の受注残高は、為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整を加え、1兆1,666億円となりました。なお、当社グループが中東で遂行中のEPC(設計・調達・建設)プロジェクトは、中東情勢の悪化に伴い現地に駐在する社員・関係者の安全確保を最優先に、個々の建設現場の状況に合わせながら退避を含めたあらゆる可能性を考慮して対応してまいりました。中東情勢悪化に伴う当社グループ事業への影響については、翌連結会計年度前半に中東地域におけるプロジェクト遂行に支障がなくなるとの想定に基づき、期末時点で見積もった影響額を業績に反映しております。 なお、当連結会計年度の連結財政状態の概況は以下のとおりであります。 (資産)当連結会計年度末における流動資産は6,132億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ520億4百万円の増加となりました。これは主に現金預金が667億75百万円増加したことによるものです。固定資産は2,255億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億13百万円の増加となりました。これは主に投資その他の資産が43億28百万円減少したものの、有形固定資産が62億64百万円増加したことによるものです。この結果、総資産は8,387億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ546億18百万円の増加となりました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は3,572億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ103億56百万円の増加となりました。これは主に支払手形・工事未払金等が224億18百万円減少し、社債を100億円償還した一方で、契約負債が433億40百万円増加したことによるものです。固定負債は100億円の社債発行があった一方で、退職給付に係る負債の減少などにより、結果として前連結会計年度末に比べ53億30百万円増加し、503億16百万円となりました。この結果、負債合計は4,076億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ156億87百万円の増加となりました。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は4,311億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ389億30百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金が320億2百万円増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は51.2%(前連結会計年度末は49.8%)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較し677億8百万円増加し、4,004億70百万円となりました。また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益607億69百万円に加え、売上債権及び契約資産、仕入債務並びに契約負債などの運転資本の増減などにより、結果として798億98百万円の増加(前連結会計年度は467億61百万円の増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより148億22百万円の減少(前連結会計年度は211億72百万円の減少)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより109億79百万円の減少(前連結会計年度は150億49百万円の減少)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績ⅰ)生産実績セグメントの名称当連結会計年度(百万円)(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)総合エンジニアリング事業--機能材製造事業57,785109.2報告セグメント計57,785109.2その他の事業--合計57,785109.2 (注)金額は販売価格によっております。 ⅱ)受注実績セグメントの名称当連結会計年度(百万円)(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)総合エンジニアリング事業409,27144.4機能材製造事業60,021112.7報告セグメント計469,29248.1その他の事業8,764101.4合計478,05748.6 ⅲ)売上実績セグメントの名称当連結会計年度(百万円)(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)総合エンジニアリング事業679,58885.5機能材製造事業56,995104.3報告セグメント計736,58486.7その他の事業8,696102.8合計745,28086.9 (注)売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、以下のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)売上高(百万円)割合(%)売上高(百万円)割合(%)サウジアラムコ社146,66417.1103,94813.9サウスリファイナリーズ社121,27914.1--LNGカナダ社93,85710.9-- (注)当連結会計年度のサウスリファイナリーズ社、LNGカナダ社については、当該割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。 (参考)受注高、売上高及び受注残高(単位:百万円)区分前連結会計年度末受注残高当連結会計年度受注高 当連結会計年度 売上高 当連結会計年度末受注残高総合エンジニアリング事業1,404,603409,271679,5881,155,589 国内 エネルギートランジション関係 石油・ガス関係10,84237,00238,4919,353 LNG関係---- 化学関係3,01827,21913,04917,189 クリーンエネルギー関係52,73520,96249,71323,956 その他3131,268766812 計66,91086,452102,02051,311 ヘルスケア・ライフサイエンス関係57,19864,89134,79387,295 産業・都市インフラ関係7,7487,3158,3236,740 その他5311916011 国内計131,910158,778145,297145,359 海外 エネルギートランジション関係 石油・ガス関係347,788108,270183,539278,499 LNG関係435,118123,651239,558343,426 化学関係92,1616,86270,72325,610 クリーンエネルギー関係2,6113,8963,6792,824 その他392,2322,40230,446358,825 計1,269,911245,083527,9471,009,186 ヘルスケア・ライフサイエンス関係6253,3043,20730 産業・都市インフラ関係1,9132,2623,0561,010 その他242△158802 海外計1,272,693250,492534,2911,010,229機能材製造事業7,16760,02156,99510,129その他の事業1,0808,7648,696976合計1,412,852478,057745,2801,166,695 (注)1.総合エンジニアリング事業の「当連結会計年度末受注残高」は、当連結会計年度における為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額21,303百万円を含んでおります。2.機能材製造事業の「当連結会計年度末受注残高」は、当連結会計年度における為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額△64百万円を含んでおります。3.その他の事業の「当連結会計年度末受注残高」は、当連結会計年度における為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額△172百万円を含んでおります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容「(1)経営成績等の状況の概要 ① 当連結会計年度の概況」に記載のとおり、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高7,452億80百万円(前期比13.1%減)、営業利益353億99百万円(前期は営業損失114億74百万円)、経常利益581億88百万円(前期比414.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益418億42百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失3億98百万円)となりました。売上高は、総合エンジニアリング事業において新規案件の受注時期が後ろ倒しとなったことに加え、プロジェクト終盤を迎えた案件が多かったことなどから前連結会計年度と比較して減収となりました。一方で、一部の苦戦中案件を除き国内外の複数の大型プロジェクトの着実な工事遂行により採算が改善したことから、営業利益に転じました。営業外損益は、外貨建キャッシュの減少に伴う受取利息の減少や持分法投資利益の減少があったものの、為替レートが前連結会計年度末に比べ大幅に円安となったことにより為替差益を計上し、前連結会計年度から概ね横ばいとなりました。以上の結果、営業利益の増加を主因として経常利益は大幅な増益となり、前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失から親会社株主に帰属する当期純利益に転じました。 当連結会計年度のセグメント別の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりです。 総合エンジニアリング事業(百万円)対前年度増減率(%)機能材製造事業(百万円)対前年度増減率(%)その他の事業(百万円)対前年度増減率(%)売上高679,588△14.556,9954.38,6962.8営業利益33,641-7,676△6.42,113△12.2 総合エンジニアリング事業総合エンジニアリング事業においては、プロジェクト遂行力強化の取組みを進めており、2026年2月から始まった中東地域での武力衝突によるプロジェクトのコスト増加を織り込んだものの、複数の国内外大型プロジェクトにおいて着実な工事遂行を継続したことでリスクが低下するなど、全体として採算が改善傾向となり、前連結会計年度のセグメント損失からセグメント利益に転じました。 機能材製造事業機能材製造事業では、触媒分野においては、アジアを中心としたFCC触媒の需要増加に伴い拡販が進展したほか、海外顧客向けケミカル触媒の受託製造案件を稼得したことなどにより増収となりました。ファインケミカル分野においても、半導体やエレクトロニクス市場の需要が回復基調となったことに伴いハードディスクや半導体向けの研磨材用シリカゾルなどの需要が堅調に推移したことなどにより増収となりました。また、ファインセラミックス分野においては、生成AIを中心とした半導体・電子材料関連市場が堅調に推移し、半導体製造装置関連製品やデータセンター向け電子材料関連製品の需要拡大、電気自動車向けパワー半導体用高熱伝導窒化ケイ素基盤製品の中国向けの市場開拓の進展などにより増収となりました。セグメント利益は、従業員の処遇改善に伴う人件費の増加に加え、原材料費の高騰及び生産設備増強に伴う減価償却費負担の増加などにより、前連結会計年度に比較して減益となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益に加え、総合エンジニアリング事業における顧客からの前受金の入金等により、営業活動によるキャッシュ・フローが798億98百万円の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に世界初のガス循環発酵プロセス開発拠点の新設や機能材製造事業における増産のための生産設備などの有形固定資産の取得、総合エンジニアリング事業におけるデジタル関連投資に伴うソフトウェア等の無形固定資産の取得による支出により148億22百万円の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等により109億79百万円の減少となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末から677億8百万円増加し 4,004億70百万円となりました。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりです。 (資金需要)総合エンジニアリング事業は、キャッシュ・フローや採算の変動が大きく、プロジェクトの安定的な遂行のために十分な運転資金を必要としております。機能材製造事業では、主として製造設備の拡張・更新のための設備投資を効率的かつ継続的に行っております。また、2026年度から2030年度までの5ヶ年を対象期間とする中期経営計画「BSP2030」において計画している成長戦略投資を進めてまいります。 (資金調達)当社グループは、資金需要に対して、営業活動によるキャッシュ・フローから得た資金及び手元資金に加え、状況に応じて有利子負債などによる調達資金を充当しております。有利子負債は、金融市場の環境等を鑑み、社債発行や金融機関からの借入など最適な手段によることとしております。なお、当社は株式会社日本格付研究所から信用格付を取得しており、報告書提出時点において長期発行体格付がA+、コマーシャル・ペーパー格付がJ-1となっております。 (財務戦略)当社グループは、顧客からの信頼獲得及び長期にわたる大型プロジェクトの円滑な遂行の観点から、短期的な市場動向に左右されない強固な財務基盤を維持するとともに、成長戦略投資に対する機動的な資金調達余力を確保するため、自己資本比率については50%以上を安定的に維持することを目標としております。また、市場混乱時にも事業を継続するために十分な流動性を常時確保する方針としており、手元資金に加え取引金融機関とのコミットメントライン契約未使用枠300億円を有しております。手元資金については、効率的な運用・配分を実現するため、グループ内のキャッシュ・マネジメントの最適化に取り組んでおります。当社は、成長戦略投資に機動的に対応しつつ強固な財務基盤を維持するとともに株主還元を着実に実施し、企業価値・株主価値の向上に努めてまいります。 (株主還元)当社は、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題の一つとして位置付けております。具体的な株主還元方針の内容については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • プロジェクト遂行リスク
    大規模な総合エンジニアリング事業では、契約から引渡しまで複数年を要し、その間に政治・社会情勢の変化、政策変更、取引先の状況変化などにより、計画変更、中止、中断、延期のリスクがあります。これにより、代金回収の悪化やプロジェクトの採算低下を招き、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • カントリーリスク
    事業を展開する国や地域での政情不安、戦争、テロ、経済政策の急変、経済制裁などが発生した場合、プロジェクトの中止・延期や資機材調達の遅延により採算が悪化する可能性があります。また、機能材製造事業では販売減少や売掛金回収不能のリスクがあり、グループ全体の事業活動に影響を与える可能性があります。
  • 資機材・原燃材料費高騰リスク
    プラント建設に必要な資機材や機能材製造の原燃材料費は、経済制裁、紛争、国際輸送の混乱、世界的なインフレーションなどにより、予測を超えて高騰する可能性があります。これにより、総合エンジニアリング事業の採算悪化や機能材製造事業の利益率低下、調達・供給スケジュールの遅延が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|9,997 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業その他に関する主要なリスクとして、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には、以下のようなものがあります。ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。これらのリスクは、予測不可能な不確実性を含んでおり、将来の当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクに対処するため、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治体制の概要」及び同「⑦ リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおり、グループリスク管理委員会を含む必要なリスク管理体制を整え、リスクの管理及び対応を行っておりますが、当社グループがコントロールできない事象の発生等により、これらのリスクの顕在化及び当該リスクによる当社グループへの影響を完全には回避できない可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、中東情勢悪化に伴う当社グループの対応及び当社グループ事業への影響に関しては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①当連結会計年度の概況」をご参照ください。 ① プロジェクトの受注及び遂行に関するリスク総合エンジニアリング事業においては、オイルメジャーや国営石油会社が顧客となる国際的な大規模プロジェクトを遂行しております。このようなプロジェクトにおいて当社グループが設計、調達及び建設する各種プラントは、数多くの異なる要素や機能で構成される複雑なシステム総合体であり、契約締結からプラント引渡しまで複数年に渡る長期間を要します。その間の政治・社会情勢の変化、政策の変更その他顧客を含む取引先の状況等の変化による受注後のプロジェクトの計画変更、中止、中断又は延期等のリスクを含む総合エンジニアリング事業におけるリスクの見積りは複雑性を伴い、高度な技術力及び豊富な経験を要します。上記のリスクが顕在化した場合、代金回収及びプロジェクトの採算が悪化し、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、パートナー企業と責任を分担するジョイントベンチャー又はコンソーシアムを組成し、プロジェクトを受注することがあります。この場合、パートナー企業のプロジェクト遂行能力の不足、分担業務の不履行やパートナー企業の財政状態の悪化等が生じた場合、当社がパートナー企業の債務を負担することとなり、大幅な追加費用の負担が発生し、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループでは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ⑦ リスク管理体制の整備の状況<プロジェクトリスク管理>」に記載のとおり、リスク管理体制を整備し、各プロジェクトの案件選別段階、見積・応札段階及び遂行段階においてリスク低減に努めております。 ② カントリーリスク仕向地や現地工事を行う国や地域で不安定な政情、戦争、革命、内乱、テロ、経済政策・情勢の急変、経済制裁等のいわゆるカントリーリスクが顕在化した場合、総合エンジニアリング事業においてはプロジェクトの計画変更、中止、中断若しくは延期又は工事従事者の動員及びプラント建設に要する資機材調達の遅れ等によりプロジェクトの採算が悪化する他、機能材製造事業においては販売取引の減少及び売上債権を回収できないこと等により、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループでは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ⑦ リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおり、リスク管理体制を整備し、カントリーリスクの低減に努めております。また、日揮コーポレートソリューションズ株式会社におけるコーポレート部門によるサポートのもと、カントリーリスクに応じて、貿易保険の利用及び取引上の適切な不可抗力条件の設定等の対策を実施しております。さらに、テロや紛争等の地政学リスク・治安リスクに対する海外駐在員の安全対策については、当社危機管理統括部が中心となり、平時からの情報収集・分析の強化や各種予防策の拡充等に取り組んでおります。特に、地政学リスク・治安リスクが高いプロジェクトに対しては、見積・応札段階から当社危機管理統括部が関与し、セキュリティ対策の策定等を支援しております。また、有事においては「日揮グループ危機管理基本規程」に基づき緊急対策本部を設置し、組織的かつ迅速な対応を行っております。当連結会計年度においては、横浜本社に設置される緊急対策本部の運用を想定した不測事態対処要領の訓練を行うなど、危機管理体制のさらなる高度化に努めております。 ③ 自然災害・疫病等に関するリスク当社グループが事業活動を展開する国や地域において、地震、豪雨、暴風雨等の想定を超える自然災害や感染症の世界的流行(パンデミック)に見舞われた場合、総合エンジニアリング事業においては、プロジェクトの計画変更、中止、中断、延期又はやり直し等によりプロジェクトの採算が悪化するほか、機能材製造事業においては事業所・工場の操業停止や生産能力低下等が発生する可能性があります。また、本社ビルが大規模震災等により被災した場合には、経営管理機能やコーポレート業務等の本社機能が一時的に停止又は制約を受ける可能性があり、これらにより、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループでは、グループ各社の建設現場、事務所・工場等の拠点ごとに自然災害発生時の対応手順を規定化し、安否確認システムの導入及び防災訓練等を実施するほか、リスクに関する情報の収集及び取引上の適切な不可抗力条件の設定等の対策を実施し、各種保険による対応や、リスク低減に努めております。また、災害対応マニュアル及び安否確認体制の整備・アップデート並びに防災訓練の実施等、大規模震災発生時における本社機能の継続及び早期復旧を目的とした体制・対応方針の検討を進めております。 ④ 為替変動リスク当社グループは、海外売上高のほとんどが外貨建て契約となっているため、為替レートが急激に変動した場合、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。このリスクに対して、複数通貨建てによるプロジェクトの受注契約をはじめ、各事業会社において、日揮コーポレートソリューションズ株式会社におけるコーポレート部門によるサポートのもと、海外調達、外貨建ての発注及び為替予約等の対策を状況に応じて実施し、リスクの低減に努めております。 ⑤ 工事従事者の不足、賃金高騰リスク総合エンジニアリング事業においては、プラント建設国における他の建設工事の急激な増加、海外労働者規制等による工事従事者の不足が発生した場合、工事従事者の賃金の高騰、建設工事の遅延及び建設工事費用の増加によりプロジェクトの採算が悪化し、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対して、主要プラントマーケットにおける建設労働力動向をモニタリング・予測するとともに、モジュール工法を採用した現地工事の最小化や、現地建設工事に豊富な実績を有する企業との協業のほか、人件費高騰に対する適切な契約条件の設定等の対策を実施し、リスクの低減に努めております。 ⑥ 資機材・原燃材料費等の高騰リスク当社グループでは、プラント建設に要する資機材費等の見積り後、発注までにタイムラグがあるため、この間に経済制裁措置や紛争による素材やエネルギー等の需要圧迫や国際輸送の混乱、世界経済のインフレーションを含む社会情勢の急激な変化による部材供給不足等に起因して、当社グループの予測を超えて資機材・原燃材料費及び輸送コストが高騰する可能性があります。この場合、総合エンジニアリング事業におけるプロジェクトの採算が悪化するほか、機能材製造事業においては利益率が低下する可能性があるうえ、資機材・原燃材料の調達及び供給スケジュールが遅延するおそれがあり、このような当社グループの予測を超えた資機材・原燃材料費及び輸送コストの高騰による影響が続いた場合、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループは、経営環境の変化や価格動向のモニタリング・予測、予測精度向上に向けた取組み、早期発注、調達先の多様化、製品価格への転嫁、先物取引の活用、並びに資機材・原燃材料費及び輸送コストの高騰に対する適切な契約条件の設定等の対策を実施し、リスクの低減に努めております。 ⑦ 投資に伴うリスク当社グループは、既往のインフラ事業及びヘルスケア事業への投資に加え、前中期経営計画「BSP2025」に基づく施策としてデジタル、M&A、生産設備、事業開発、商業実証、研究開発等の形態で成長戦略投資の取組みを行ってまいりました。2026年度から2030年度までの5ヶ年を対象期間とする「BSP2030」においても、成長戦略投資は継続していく計画です。こうした投資を実行する中で、投資先やパートナー企業の業績や財政状態を含む事業・投資環境に想定を超える事態が生じた場合、期待通りの収益が上げられないリスク、投資の一部若しくは全部が損失となる、又は追加資金拠出が必要となるリスクがあります。また、パートナー企業との経営方針の相違、投資の流動性の低さ等により、当社グループが希望する時期や方法で撤退できないリスクがあります。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対して、新規投資の実行に当たっては、審査要領を設け投資の意義・目的を明確にしたうえで、取締役会やグループ投融資委員会による定量・定性評価に基づく審議を経るとともに、定期的な既存投資のモニタリングを強化し、リスクの低減に努めております。 ⑧ 法令及び規制に関するリスク当社グループは、事業活動において税法、建設業法等の事業関連法規、国内外の環境に関する各種法令、安全保障目的を含む輸出入貿易規制、汚職等の腐敗行為や競争制限防止のための諸法令、人権保護に関する法令及び原則、事業及び投資に対する許認可等の制約を受けております。当社グループによる各種法令等違反が生じた場合や、関係する各種法令等の大幅な変更又は予期しない解釈の適用が行われた場合には、当社グループの事業活動に対する制約の発生、法令遵守及び監督官庁対応に関する費用の発生、当社グループに対する過料・課徴金・罰金等の制裁、当社グループの社会的評価の毀損等により、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対しては、当社グループの法務部門及び輸出管理部門等において当社グループの事業に影響を与える可能性のある国内外の法令及び規制等の動向を注視するとともに、これらを遵守するため、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ⑤ コンプライアンス」に記載のとおり、グループ会社間の垣根なくコンプライアンスの情報共有を行う場としてグループ横断型のコンプライアンス・コミッティーを設けております。また、主要なグループ会社にコンプライアンス責任者を配置し、指揮下のコンプライアンス部門担当者とともに、各社の実情に合った施策を立案・実施するグループ・コンプライアンス体制を構築しております。当社グループでは、当社ガバナンス統括オフィスコンプライアンスユニットが、当社グループ全体を対象としたコンプライアンス推進のための総合的な施策の策定や調整等の機能を担っております。コンプライアンス向上のための取組みとして、階層別及び目的別(腐敗やハラスメント防止を含む)の各種コンプライアンス研修並びに一般的に不正が発生しやすい部門及び役職での人材ローテーションを実施しております。また、コンプライアンスに関する相談・通報窓口として、内部窓口のほかに専門の第三者機関が受付を担当する外部相談・通報窓口(グローバル通報を含む)を整備し、取引先からの相談・通報についてはホームページ経由で受付ける体制を運用する等、相談・通報先の選択肢を多く設けることでコンプライアンス上のリスクの未然防止や早期発見に資する取組みも実施しております。特に、贈賄防止においては、当社グループ贈賄防止関連諸規程の整備及びこれらに基づく贈賄防止プログラムを展開し、当社グループと取引を行う顧客、パートナー、サブコントラクター及びベンダー等に対するコンプライアンス上の事前審査や契約書への贈賄防止文言の反映等の取組みを行っております。加えて、近年、地政学的緊張の高まりや各国における経済安全保障政策の強化に伴い、輸出入貿易規制に関する法令は一層複雑化・厳格化しております。特に、米国・EU・中国等の主要国における制裁措置や輸出管理規制の動向は、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対応するため、当社は、輸出関連法規遵守委員会のもと、各国の最新法令の把握と社内規程の見直しを継続的に実施し、契約条件への反映も含めてリスクの低減に努めております。 ⑨ 情報セキュリティに関するリスク当社グループは、重要な営業情報、技術情報及び個人情報等の機密情報を保有しております。これらの情報は、停電、災害、情報システムの障害、情報端末の紛失・盗難、サイバー攻撃、マルウェアへの感染等により、漏洩、消失、改ざん、毀損等のリスクがあります。また、当社グループは、国内外の関連会社や建設現場・工場といった多数の事業拠点及び広範なサプライチェーンを有していることから、これらにおいて発生した事象の影響が、当社グループ全体に波及するリスクがあります。これらのリスクが顕在化した場合には、事業活動の中断又は遅延、多額の費用負担の発生及び当社グループの社会的評価の低下により、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、これらのリスクに対して、当社情報セキュリティ担当部門を中心とした当社グループの情報セキュリティに関するガバナンス及びリスク管理体制のもと、「日揮グループ情報セキュリティ方針」及び情報セキュリティ関連規程を策定し、グループ全体で統一的なセキュリティ管理を推進しております。本ガバナンス及びリスク管理体制のもと、当社グループ会社それぞれにおいても、各社のトップマネジメントにより情報セキュリティ責任者を任命し、推進・維持体制を構築しております。 具体的な取組みとしては、情報セキュリティ対策基盤を整備し、多層的なセキュリティ対策の実施に努め、定期的な情報セキュリティモニタリングと脆弱性評価、緊急時対応計画の策定、並びに教育研修及び訓練等を通じて主要グループ会社すべての従業員の意識向上を図り、リスクの低減に努めております。また、個人情報保護に関しては、漏洩等による重大な悪影響が発生し得ることを踏まえ、関係部門が主導してプライバシーポリシー及び個人情報保護に関する社内規程等を整備し、これらの適切な運用及び従業員への教育を行うことにより、個人情報保護の徹底に努めております。これらの活動は「グループ情報セキュリティ委員会」で報告され、マネジメントレベルで状況を把握し、対応の強化の立案と審議を実施しております。 ⑩ 品質に関するリスク当社グループは、調達品等の品質不良、不具合の発生防止を含め、納入品の品質確保に努めておりますが、納入品の性能、品質に起因して顧客、取引先又は製品使用者から国内外で請求を受け、また、訴訟等を提起された場合、大規模な納入品回収や損害賠償責任の発生等に加え、当社グループの社会的評価に影響を及ぼすことが考えられ、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループは、ISO9001に準拠した品質マネジメントシステムを構築し、長年に亘って蓄積してきた知識や技術、教訓を結集し、システムと人財をグローバルに活用して、品質確保に係る活動を推進しております。各主要グループ会社においては、社長の下に品質保証委員会等の会議体が設置されており、品質マネジメント活動が社長のレビューにて総括される品質マネジメント体制が構築されております。また、これら各社では、上記品質マネジメントシステムに基づき、品質方針を策定しております。組織の各階層が方針に基づく品質目標を設定して組織の課題を明確化し、品質目標とアクションプランのPDCAサイクルを回すことにより、継続的なパフォーマンス改善を図っております。その上で、上記の品質保証委員会等の会議体が定期的に開催され、高品質のプロダクトやサービスを提供するため、品質上の問題の根本原因を究明、有効な再発防止策を含めた改善活動を推進し、その成果を評価して継続的な改善を実践しております。こうした品質マネジメントの活動は、各社において少なくとも年に二度、社長によるマネジメントレビューを実施して総括し、品質保証に関わる枠組みの整備と改善を継続的に実施しております。マネジメントの品質におけるリーダーシップ発揮の重要性を鑑み、2025年12月から四半期ごとに、日揮グローバル株式会社代表取締役社長執行役員、同社マネジメント及び海外グループ会社トップマネジメント等が参加する品質問題に焦点をあてた全体会議を開催しております。これらのリスク対策に加えて、当社グループでは製造物責任賠償保険に加入する等の対策も講じてリスクの低減に努めております。 ⑪ マクロ経済環境、社会・国際情勢の変化に関するリスク当社グループは、グローバルに事業を展開しており、当社の業績も海外諸国の経済動向、社会・国際情勢の変化、地政学的情勢、経済制裁、保護貿易の状況等の影響を受けます。特に原油や天然ガス等のエネルギー資源の価格は世界の景気動向に加えて、資源輸出国の生産動向、各国のエネルギー政策、さらにはロシア・ウクライナ情勢、中東情勢及び関連する経済・金融制裁の動向によって今後も上下する状況が続くとみられます。エネルギー資源の価格の変動が世界的な景気後退につながる場合には、当社グループの顧客の設備投資の低下を招き、また開発案件数の減少による競合企業との競争の激化等が生じる可能性があります。特に、総合エンジニアリング事業においては、世界的な景気後退により、顧客、パートナー企業、資機材発注先、現地建設工事会社等の取引先の財政状態の悪化等が生じ、プロジェクトの計画変更、中止、中断、延期又は現地建設工事若しくは資機材調達の遅れによるプロジェクト遂行への悪影響、及び取引先からの代金回収に影響を及ぼす可能性があります。また、機能材製造事業においては、米国による対中輸出規制強化による先端半導体産業の事業環境の悪化等及び機能材出荷先の所在国における規制強化に伴う製品排除により、売上や利益率に悪影響が生じる可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループでは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ⑦ リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおりリスク管理体制を整備しており、グループリスク管理委員会及び経済安全保障・地政学リスク検討タスクフォース等によるグループ横断でのマクロ経済環境、社会・国際情勢の変化に関するリスクに係る情報収集、分析及び共有を行っております。また、各事業会社において、日揮コーポレートソリューションズ株式会社におけるコーポレート部門によるサポートのもと、総合エンジニアリング事業における各EPCプロジェクト及び機能材製造事業に影響するこれらのリスクの把握、分析及び低減を一次的に行うことで、早期にこれらのリスクを把握し、調達及び機能材に係る取引先の分散、並びにEPC及び製品価格への転嫁等を通じて、効果的に対処できるよう努めております。 ⑫ 気候変動に関するリスクパリ協定の長期目標を踏まえた脱炭素化社会の実現に向けた動きの一環として、当社グループが事業活動を展開する国や地域をはじめとする関係国や地域において、気候変動政策の強化、環境関連法規等の変更・新規導入等が実施されるほか、企業を中心とした民間部門の自主的な取組みにより、化石燃料及び化石燃料由来の製品需要が減少した場合、顧客の化石燃料関連投資の抑制、顧客の事業内容自体の変更等、当社グループの顧客の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。これらの結果、化石燃料に関連した案件数の減少に伴う受注機会の減少、限られた案件の受注を巡る競合企業との競争の激化、各種コストの増加等に伴う収益や利益の低下が起こる可能性があります。また、当社グループの建設現場及び製造現場などでは、地球温暖化に起因するとされる豪雨や防風雨及び台風、又は高温や乾燥及び少雨その他の極端な気象現象の増加により、洪水や山火事等の自然災害リスクが高まる可能性があります。こうした状況に対し、当社グループが適切に対応できない場合には、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。これらのリスクのうち、事業環境が変化するリスクに対しては、2021年5月に公表した長期経営ビジョン「2040年ビジョン」に基づき、「第2 事業の状況 6 研究開発活動」に記載の活動を含め、中長期的な取組みとして、エネルギートランジション、資源循環、高機能材等の幅広いビジネス領域へのトランスフォーメーション(変革)等に取り組んでおります。また、自然災害リスクについては、「③自然災害・疾病等に関するリスク」に記載のとおりリスクの低減に努めております。 ⑬ 知的財産に関するリスク当社グループでは、国内外を問わず広く事業を展開しており、複数国に設計、製造又は建設現場等の拠点があります。各国における知的財産制度の理解に努め、情報収集を行っております。しかしながら、国によっては十分な情報が得られず、第三者の権利状況を把握することが困難な場合があり、第三者の知的財産権を意図せずに侵害しているとされるリスクがあります。これらのリスクに対応するため、当社ガバナンス統括オフィス知的資産ユニット及び日揮コーポレートソリューションズ株式会社知的財産部を中心とした当社グループの知的財産に関するガバナンス及びリスク管理体制のもと、第三者の知的財産権のモニタリング及び知的財産権に係るリスクの特定・分析・対策に努めております。また、第三者の知的財産権を尊重して適切な対応を図り、特許紛争などを未然に防止することに引き続き注力いたします。さらに、知的財産に関するリスクの低減に向けて、当社グループ及び第三者の知的財産権の重要性を認識するため、知的財産に関する社内教育の実施及び情報発信等の啓発活動を行い、知的財産保護の徹底に係る指導監督を行っております。

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