事業の概要
- ガス設備事業が主力協和日成は、主に東京ガスグループのガス設備事業(屋内の配管工事や戸建住宅の暖冷房給湯工事)とガス導管事業(ガス管の埋設工事)を中核としています。これらの事業は、都市ガス供給に不可欠なインフラを支える重要な役割を担っており、安定した収益基盤となっています。
- 総合設備工事業を展開ガス関連事業のほかにも、建築設備事業(建築工事、給排水衛生設備、空調設備など)や電設・土木事業(電気管路の埋設、上下水道工事など)も手掛けています。これにより、幅広い分野で事業を展開し、多様な顧客ニーズに応える総合設備工事業としての地位を確立しています。
- 子会社・関連会社との連携非連結子会社として車両リース・整備や損害保険代理店業務を行う協和ライフサービス、ガス設備工事や床暖房工事を手掛けるガイアテックがあります。また、関連会社の東京理学検査は配管の検査業務を担っており、グループ全体で多角的なサービスを提供し、事業の相乗効果を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- ガス導管事業売上高が182.72億円と最も大きく、協和日成の主要な稼ぎ頭となっています。この事業は、都市ガスを供給するための本支管の埋設工事や供給管工事を担っており、社会インフラの維持・構築に不可欠な役割を果たしています。
- ガス設備事業売上高は108.51億円で、ガス導管事業に次ぐ規模です。主に東京ガスグループの屋内配管工事や戸建住宅の暖冷房給湯工事を手掛けており、一般家庭や建物へのガス供給を支える重要な事業です。
- 建築設備事業売上高は61.95億円で、今後の中核事業として強化が図られています。建築工事、給排水衛生設備工事、空気調和設備工事、集合住宅暖冷房給湯工事など、建物の快適性や機能性を高めるための幅広い設備工事を提供しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| BuildingEquipmentReportableSegment | 事業 | 62 | − | − |
| GasEquipmentReportableSegment | 事業 | 109 | − | − |
| GasPipelineReportableSegment | 事業 | 183 | − | − |
| ElectricFacilitiesAndEngineeringReportableSegment | 事業 | 20 | − | − |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社は、主に東京ガス株式会社、東京ガスネットワーク株式会社(以下、東京ガスグループという)のガス・機器設備事業(屋内配管工事・戸建住宅暖冷房給湯工事・集合住宅暖冷房給湯工事)、ガス導管事業(本支管埋設工事・供給管工事)を主体としておりますが、そのほか建築設備事業(建築工事・給排水衛生設備工事・空気調和設備工事)、電設・土木事業(電気管路洞道埋設工事・上下水道工事・土木工事)を営み、総合設備工事業として事業活動を展開しております。また、当社には非連結子会社として株式会社協和ライフサービス(車両のリース・整備および損害保険代理店業務)、ガイアテック株式会社(ガス設備工事・床暖房工事・ガス機器設置工事・プロパンガス工事・エクステリア工事)があります。更に、当社には関連会社として東京理学検査株式会社がありますが、同社は配管に対する理化学機器による検査業務を主として営んでおります。 以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。なお、当事業年度より、報告セグメントの区分方法を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) 1 報告セグメントの概要 (報告セグメントの変更)」をご参照ください。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 受注環境の悪化に伴う競合他社との価格競争の激化や原材料価格等の高騰。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 建設業法、民法、労働基準法など様々な法令の規制を受けている。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:受注環境の変化リスク / 戦略的投資の未回収リスク / 法的規制リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
建設業であり、特定のブランド力や特許による無形資産は限定的。地域密着型の信頼や長年の実績がわずかに無形資産となりうるが、競争優位性は低い。
スイッチングコスト★★☆☆☆
建設プロジェクトは一度契約すると、他社への切り替えは困難。しかし、新規プロジェクトの獲得においては、価格や提案力で競合との比較が行われるため、スイッチングコストは限定的。
ネットワーク効果★☆☆☆☆
建設業におけるネットワーク効果は限定的。下請け業者や協力会社との関係性は重要だが、それが直接的な顧客獲得の優位性につながるわけではない。
コスト優位★★☆☆☆
規模の経済によるコスト優位性は限定的。資材調達や効率化によるコスト削減努力は行われるが、競合他社も同様の努力をしており、顕著なコスト優位性は築きにくい。
規模の経済★★★☆☆
一定規模の売上高(約374億円)と事業実績があり、一定の規模の経済が働く可能性がある。大規模プロジェクトの受注能力や、資材調達における交渉力にわずかな優位性をもたらす。
- 東京ガスグループとの連携主要顧客である東京ガスグループからの売上割合が約6割を占めており、長年にわたる強固な関係性が安定した受注基盤を形成しています。これは、都市ガスインフラという社会基盤を支える事業において、信頼と実績に基づく大きな競争優位性と言えます。
- 多角的な事業展開ガス設備工事を中核としつつも、建築設備、電設・土木といった幅広い事業領域を持つことで、特定の事業に依存するリスクを低減し、多様な顧客からの受注機会を確保しています。これにより、市場環境の変化にも柔軟に対応できる体制を構築しています。
- 品質管理と技術力経営品質委員会を設置し、品質管理、内部統制、コンプライアンスなどを包括的に検討することで、事業活動におけるリスクを低減し、高い品質を維持しています。ライフラインを支える設備工事会社として、長年の経験と技術力に裏打ちされた信頼性が強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、「私たちは常に進化する強い意志を持ち、心一つにして一流に向かい羽ばたき続けます。」を企業スローガンとして掲げ、ガス・電気・水といった人々の暮らしや産業に欠かすことのできないライフラインを支えることによって、社会に安心と心地よさを提供し、豊かな未来のために貢献することを社会的使命としております。その社会的使命を果たすために、協力会社も含めた企業集団として、確かな技術ときめ細かな感性でお客様の信頼にお応えし、お客様から選ばれ続けていただくこと、当社の社員が安心して働ける職場環境を提供し、「感じ・考え・自ら行動する」企業風土を醸成していくことを経営の基本方針としており、健全な経営を継続的に行ない、その利益を適正に還元することが社会的責任を果たすことであると考えております。 (2)目標とする経営指標当社は、2025年度を初年度とする3か年の中期経営計画「Triple"S"」の最終年度となる2027年度に、売上高400億円以上、売上高経常利益率4.5%以上、ROE6.5%以上の達成を目指しております。目標達成に向けては、対処すべき課題に対し、中長期的な経営戦略のもと、諸施策を確実に実践するべく取り組んでまいります。 (3)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題2026年度の建設市場を取り巻く環境は、住宅分野においては、省エネ基準適合義務化等に伴う駆け込み需要の反動減からの回復が見込まれ、住宅着工戸数が前年度から増加することが予想されております。また、事務所や工場等の非住宅分野についても、企業の設備投資意欲は引き続き底堅く、堅調に推移するものと見込まれております。既築建物の維持管理・更新市場については、住宅分野における政府の省エネキャンペーンによる補助金政策等の後押しに加え、非住宅分野においても、効率的・環境負荷軽減・供給網の強靭性向上を目的とした設備投資が継続することが見込まれており、引き続き安定した需要が期待されております。また、近年の気象災害の激甚化・頻発化、インフラ設備の経年劣化の進行を背景に、「国土強靭化基本計画」に基づき、防災・減災対策の強化や、予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策が、着実に推進されていくことが見込まれております。このように、当社を取り巻く事業環境は大きく変化することはないと予想されます。しかしながら、当社の収益面においても重要な位置づけにあるガス導管事業においては、2025年度後半より、新たな経年管取替工事が主流となったことで、工事内容や施工エリアの特性が変化してきており、受注量は若干減少しております。一方で、建築設備事業においては、2019年度より推進している中核事業化へ向けた施策が順調に進捗しており、ガス導管事業の受注の減少を補完するとともに、当社の収益基盤の多角化に寄与し始めております。このような事業構造の変化を鑑み、各事業部門において、工事内容や施工エリアごとの需要動向の変化に応じて施工体制を柔軟に見直し・再構築しながら、機動的かつ効率的な体制の維持・強化を図ることが重要となってまいります。加えて、2025年問題の顕在化により、建設業界全体として就労者の高齢化や担い手不足が進行することが見込まれております。当社においては、現場における施工力や品質を支える人材こそが事業基盤であるとの認識のもと、こうした外部環境の変化も踏まえ、人材の確保・育成や、多機能化の推進を含む人的資本の強化を、引き続き重要な経営課題として位置づけております。2026年度は、中期経営計画「Triple "S"」の2年目を迎えます。社会課題解決へ向けて企業への期待が高まる中、前述の事業環境の変化に対応し、社会との共生を図るとともに、「SHINKA(進化・深化・新化)」し続けるために、引き続き、「サステナビリティ経営」を基本方針とし、「株主還元の強化」、「事業戦略」、「サステナビリティの推進」、「経営基盤強化」を推進してまいります。 進化これまで培ってきたノウハウ、技術を生かし、一括受注・施工体制のさらなる推進を目指す。深化既存事業領域の深耕拡大と株主・投資家との良好な対話やIR活動のさらなる強化を目指す。新化多機能化などの人材育成強化および生産性向上と基幹システムの刷新による業務効率化を目指す。 「Triple"S"」では、前中期経営計画に引き続き、既存事業領域の深耕拡大に加えて、建物内の設備工事を担う建築設備事業を新たな中核事業の一つに育てあげ、一社依存度の低減を図ることを掲げております。長年、都市ガス供給網の整備などを主力事業としてきた当社は、これまで培ってきた幅広いお客様との信頼関係を生かしながら、給排水衛生設備、空調設備、給湯・暖房、電気等を一括して受注・施工できる体制を強化し、総合設備工事会社としての価値を一層高めてまいります。一方で、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図る観点から、株主還元も重要な経営課題であると認識し、一層強化していくこととしております。このほか、サステナビリティ基本方針を掲げ、ESGに関するマテリアリティとして、地球環境の保全等に取り組んでまいります。特に、「災害に対する強靭性の向上とまちづくり」として掲げております、インフラメンテナンスの推進や心地よい住環境の実現に向けた体制の維持・整備といったマテリアリティは、その社会的意義の重要性はもとより、中長期的な企業価値の創出につながる重要な経営課題と位置付けております。なお、前述した人的資本の強化につきましては、「事業戦略」や「サステナビリティの推進」に掲げた施策を着実に遂行していくための「経営基盤強化」における重要施策の一つと位置付け、引き続き注力してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、「私たちは常に進化する強い意志を持ち、心一つにして一流に向かい羽ばたき続けます。」を企業スローガンとして掲げ、ガス・電気・水といった人々の暮らしや産業に欠かすことのできないライフラインを支えることによって、社会に安心と心地よさを提供し、豊かな未来のために貢献することを社会的使命としております。その社会的使命を果たすために、協力会社も含めた企業集団として、確かな技術ときめ細かな感性でお客様の信頼にお応えし、お客様から選ばれ続けていただくこと、当社の社員が安心して働ける職場環境を提供し、「感じ・考え・自ら行動する」企業風土を醸成していくことを経営の基本方針としており、健全な経営を継続的に行ない、その利益を適正に還元することが社会的責任を果たすことであると考えております。 (2)目標とする経営指標当社は、2025年度を初年度とする3か年の中期経営計画「Triple"S"」の最終年度となる2027年度に、売上高400億円以上、売上高経常利益率4.5%以上、ROE6.5%以上の達成を目指しております。目標達成に向けては、対処すべき課題に対し、中長期的な経営戦略のもと、諸施策を確実に実践するべく取り組んでまいります。 (3)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題2026年度の建設市場を取り巻く環境は、住宅分野においては、省エネ基準適合義務化等に伴う駆け込み需要の反動減からの回復が見込まれ、住宅着工戸数が前年度から増加することが予想されております。また、事務所や工場等の非住宅分野についても、企業の設備投資意欲は引き続き底堅く、堅調に推移するものと見込まれております。既築建物の維持管理・更新市場については、住宅分野における政府の省エネキャンペーンによる補助金政策等の後押しに加え、非住宅分野においても、効率的・環境負荷軽減・供給網の強靭性向上を目的とした設備投資が継続することが見込まれており、引き続き安定した需要が期待されております。また、近年の気象災害の激甚化・頻発化、インフラ設備の経年劣化の進行を背景に、「国土強靭化基本計画」に基づき、防災・減災対策の強化や、予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策が、着実に推進されていくことが見込まれております。このように、当社を取り巻く事業環境は大きく変化することはないと予想されます。しかしながら、当社の収益面においても重要な位置づけにあるガス導管事業においては、2025年度後半より、新たな経年管取替工事が主流となったことで、工事内容や施工エリアの特性が変化してきており、受注量は若干減少しております。一方で、建築設備事業においては、2019年度より推進している中核事業化へ向けた施策が順調に進捗しており、ガス導管事業の受注の減少を補完するとともに、当社の収益基盤の多角化に寄与し始めております。このような事業構造の変化を鑑み、各事業部門において、工事内容や施工エリアごとの需要動向の変化に応じて施工体制を柔軟に見直し・再構築しながら、機動的かつ効率的な体制の維持・強化を図ることが重要となってまいります。加えて、2025年問題の顕在化により、建設業界全体として就労者の高齢化や担い手不足が進行することが見込まれております。当社においては、現場における施工力や品質を支える人材こそが事業基盤であるとの認識のもと、こうした外部環境の変化も踏まえ、人材の確保・育成や、多機能化の推進を含む人的資本の強化を、引き続き重要な経営課題として位置づけております。2026年度は、中期経営計画「Triple "S"」の2年目を迎えます。社会課題解決へ向けて企業への期待が高まる中、前述の事業環境の変化に対応し、社会との共生を図るとともに、「SHINKA(進化・深化・新化)」し続けるために、引き続き、「サステナビリティ経営」を基本方針とし、「株主還元の強化」、「事業戦略」、「サステナビリティの推進」、「経営基盤強化」を推進してまいります。 進化これまで培ってきたノウハウ、技術を生かし、一括受注・施工体制のさらなる推進を目指す。深化既存事業領域の深耕拡大と株主・投資家との良好な対話やIR活動のさらなる強化を目指す。新化多機能化などの人材育成強化および生産性向上と基幹システムの刷新による業務効率化を目指す。 「Triple"S"」では、前中期経営計画に引き続き、既存事業領域の深耕拡大に加えて、建物内の設備工事を担う建築設備事業を新たな中核事業の一つに育てあげ、一社依存度の低減を図ることを掲げております。長年、都市ガス供給網の整備などを主力事業としてきた当社は、これまで培ってきた幅広いお客様との信頼関係を生かしながら、給排水衛生設備、空調設備、給湯・暖房、電気等を一括して受注・施工できる体制を強化し、総合設備工事会社としての価値を一層高めてまいります。一方で、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図る観点から、株主還元も重要な経営課題であると認識し、一層強化していくこととしております。このほか、サステナビリティ基本方針を掲げ、ESGに関するマテリアリティとして、地球環境の保全等に取り組んでまいります。特に、「災害に対する強靭性の向上とまちづくり」として掲げております、インフラメンテナンスの推進や心地よい住環境の実現に向けた体制の維持・整備といったマテリアリティは、その社会的意義の重要性はもとより、中長期的な企業価値の創出につながる重要な経営課題と位置付けております。なお、前述した人的資本の強化につきましては、「事業戦略」や「サステナビリティの推進」に掲げた施策を着実に遂行していくための「経営基盤強化」における重要施策の一つと位置付け、引き続き注力してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 (1) 財政状態当事業年度末における総資産は、前事業年度末の28,357百万円に比べて1,334百万円増加し、29,691百万円となりました。 (流動資産)当事業年度末における流動資産は、前事業年度末の17,002百万円に比べて455百万円増加し、17,458百万円となりました。これは、未成工事支出金が780百万円減少しましたが、現金及び預金が404百万円、完成工事未収入金及び契約資産が540百万円、また満期までの期間が1年以内となった投資有価証券を流動資産へ区分変更したことにより有価証券が298百万円増加したことが、主な要因であります。 (固定資産)当事業年度末における固定資産は、前事業年度末の11,355百万円に比べて878百万円増加し、12,233百万円となりました。当事業年度末における固定資産のうち有形固定資産は、前事業年度末の6,160百万円に比べて187百万円減少し、5,972百万円となりました。これは、建物及び構築物を一部取得したものの、減価償却、除却により137百万円減少したことが、主な要因であります。無形固定資産は、前事業年度末の477百万円に比べて89百万円減少し、387百万円となりました。主な要因は減価償却によるソフトウェアの減少によるものです。投資その他の資産は、前事業年度末の4,718百万円に比べて1,155百万円増加し、5,873百万円となりました。これは、保有株式の時価評価額の上昇および、新たに取得した債券の計上により、投資有価証券が1,146百万円増加したことが、主な要因であります。 当事業年度末における負債合計は、前事業年度末の9,487百万円に比べて424百万円増加し、9,911百万円となりました。 (流動負債)当事業年度末における流動負債は、前事業年度末の8,940百万円に比べて81百万円増加し、9,021百万円となりました。これは、未払法人税等が153百万円減少しましたが、工事未払金が227百万円増加したことが、主な要因であります。 (固定負債)当事業年度末における固定負債は、前事業年度末の547百万円に比べて342百万円増加し、890百万円となりました。これは、繰延税金負債が312百万円増加したことが、主な要因であります。 (純資産)当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末の18,869百万円に比べて910百万円増加し、19,779百万円となりました。これは、配当金に係る利益剰余金が457百万円、自己株式の取得により567百万円減少しましたが、当期純利益を1,194百万円計上したことに加え、その他有価証券評価差額金が716百万円増加したことが、主な要因であります。 (2) 経営成績当事業年度におけるわが国の経済は、緩やかな持ち直しの動きが続きました。食料品を中心とした物価高による家計の節約志向が根強く、個人消費の回復テンポには鈍さも見られましたが、雇用・所得環境の改善に伴い、年度後半にかけて持ち直しの動きが見られました。設備投資についても、企業の底堅い投資意欲や、省力化・デジタル投資を背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国の通商政策を巡る動向や中東情勢の緊迫化の影響により、海外経済の不透明感が続く中、資源価格や物価動向、人手不足に伴う人件費の上昇、資機材価格の高止まりなどが、景気を下押しするリスクとして引き続き懸念されております。このような状況の中、不動産・建設業界におきましては、「国土強靭化基本計画」に基づくインフラ設備の老朽化対策や、予防保全型インフラメンテナンス、防災・減災関連の取り組みが引き続き堅調に推移いたしました。また、事務所等の非住宅分野においても、設備投資の持ち直しを背景に、概ね堅調な動きとなりました。しかしながら、住宅分野につきましては、省エネ基準適合義務化等に伴う駆け込み需要の反動減を受け、3年連続の減少となりました。また、慢性的な技術者不足や資機材価格・労務費の上昇も相まって、採算面への影響が懸念される状況が続いております。こうした環境下、事業環境や需要動向を的確に捉えつつ、生産性向上や施工体制の確保を進め、柔軟な対応を図っていくことが引き続き重要となっております。エネルギー業界におきましては、エネルギー事業者間の競争激化に伴い、電力・ガスともにコスト削減の動きが継続しており、取引先の事業運営方針の変化等に伴う受注環境の変化に関するリスクも、引き続き懸念されております。一方で、世界情勢が緊迫化する中、エネルギーの安定供給確保や脱炭素化の実現に向けた取り組みが進められており、グリーントランスフォーメーションを背景とした関連投資は引き続き底堅く推移しております。このような経済環境のもと当社におきましては、ガス導管事業において、一部の取引先における設備投資計画に伴う工事の受注が低調に推移したことや、前事業年度と比べ大規模物件の完成が減少したことなどにより、売上高が減少いたしました。一方で、建築設備事業およびガス・機器設備事業においては、給排水、空調、給湯・暖房等の設備工事を中心に受注が堅調に推移し、工事の完成も増加いたしました。この結果、売上高は39,384百万円(前年同期比5.3%増)となりました。利益面では、ガス導管事業、電設・土木事業の一部の工事において利益率の低い物件の完成が多かったことに加え、販売費および一般管理費の増加などもあり、営業利益1,369百万円(同7.7%減)、経常利益1,627百万円(同2.8%減)、当期純利益1,194百万円(同5.4%増)となりました。 セグメント別の状況は次のとおりであります。 当事業年度より、報告セグメントの区分方法を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) 1 報告セグメントの概要 (報告セグメントの変更)」をご参照ください。 ① 建築設備事業集合住宅等における給排水衛生設備工事や学校等のGHP工事(ガスヒートポンプエアコン工事)において、受注が非常に好調に推移したことに加え、工場における営繕工事では大規模物件の完成が増加いたしました。また、GHPメンテナンス事業では大規模な修繕工事が完成したほか、リノベーション工事も順調に推移いたしました。この結果、売上高は6,132百万円(前年同期比46.6%増)、経常利益337百万円(前年同期は6百万円の経常損失)となりました。なお、2026年度の期初手持工事高は5,781百万円(前年同期比102.3%増)となりました。住宅着工戸数における省エネ基準適合義務化等に伴う駆け込み需要の反動減からの回復や企業の底堅い設備投資意欲を背景に、集合住宅等に関連した給排水衛生設備工事や工場における営繕工事を中心として、概ね堅調に推移するものと見込んでおります。一方で、2025年度はGHP工事(ガスヒートポンプエアコン工事)において比較的大規模な工事の完成があったことから、2026年度は当該工事の反動減を見込んでおります。受注・施工体制の強化に向けては、積算要員や現場代理人の継続的な増員および育成を図るとともに、ベテラン社員から若手社員への技術伝承を促進し、より安定した施工体制の構築に取り組んでまいります。また、資材価格の高騰や労務単価の上昇など、建設コストを取り巻く環境は引き続き厳しい状況が見込まれることから、適正な原価の把握に努めるとともに収支管理を徹底し、業務の効率化や生産性の向上に努めてまいります。 ② ガス・機器設備事業主力のガス設備工事や集合住宅の給湯・暖房工事において、受注が好調に推移したことに加え、前事業年度は取引先の着工数減少の影響を受けておりました戸建住宅の給排水設備工事が回復基調で推移いたしました。また、環境商材の拡販等により戸建住宅における給湯・暖房工事も堅調に推移いたしました。この結果、売上高は14,251百万円(前年同期比10.8%増)、経常利益642百万円(同81.3%増)となりました。なお、2026年度の期初手持工事高は6,547百万円(同5.4%減)となりました。住宅着工戸数の回復が見込まれていることもあり、ガス設備工事や給湯・暖房工事を中心として、概ね堅調に推移するものと見込んでおります。また、脱炭素社会へ向け、引き続き太陽光発電・蓄電池等の環境商材の需要が見込まれるほか、戸建住宅における給排水設備工事や電気工事についても一定の需要を見込んでおり、体制の整備を進めながら受注拡大に努めてまいります。旺盛な工事量に対し、若手社員の育成と施工体制の効率化を推進し、品質向上にも努めてまいります。 ③ ガス導管事業当事業年度後半より、東京ガスネットワーク株式会社における経年管取替工事において新たな管種の工事が主流となり、工事内容や施工エリアの特性が変化したことなどを背景として、同社の設備投資計画に伴う工事の受注が減少いたしました。また、静岡ガス株式会社や北海道ガス株式会社の設備投資計画に伴う工事についても受注が低調に推移いたしました。この結果、売上高は16,931百万円(前年同期比7.3%減)となりました。利益面につきましては、売上高の減少に加え、一部の工事において利益率の低い件名が複数完成したことにより、経常利益603百万円(同49.3%減)となりました。なお、2026年度の期初手持工事高は6,989百万円(同10.7%減)となりました。2025年度後半より首都圏の経年管入取替工事において新たな管種の工事が主流となり、工事内容や施工エリアの特性が変化してきておりますが、東京ガスネットワーク株式会社の設備投資計画に基づく工事の受注水準については、概ね2025年度並みを見込んでおります。一方、静岡・北海道エリアにおきましては、各ガス事業者の設備投資計画に基づく工事の受注は2025年度と比べて若干低調に推移するものと見込んでおります。需要動向の変化に応じて施工体制を柔軟に見直し・再構築しながら、効率的かつ機動的な施工体制の維持・強化に努めるとともに、各工事における採算管理を徹底し、施工品質の確保・向上に努めてまいります。 ④ 電設・土木事業ゴルフ場のイリゲーション工事においては、コース散水設備工事等を中心に、ゴルフ場における設備投資が堅調に推移し、複数の大規模物件が完成したほか、東京電力パワーグリッド株式会社の設備投資計画に伴う管路埋設工事の受注も堅調に推移いたしました。一方で、東京都水道局関連工事の受注が低調に推移した結果、売上高は2,003百万円(前年同期比1.2%減)となりました。利益面につきましては、進捗中の管路埋設工事において先行して工事原価が発生したことなどにより、経常利益44百万円(同67.6%減)となりました。なお、2026年度の期初手持工事高は1,392百万円(同124.6%増)となりました。東京電力パワーグリッド株式会社の設備投資計画に伴う管路埋設工事の期初手持工事は十分な水準を確保しており、堅調に推移することが見込まれております。加えて、イリゲーション工事も、引き続き主要取引先における設備の更新計画が見込まれております。利益面につきましては、管路埋設工事において発注者側の徹底したコスト管理施策が続くことが予想されますが、各工事における採算管理を徹底し、綿密な工事計画と適切な要員配置による効率的な施工体制の整備を推進してまいります。 (3)キャッシュ・フローの状況(現金及び現金同等物)当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、7,182百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度末の営業活動による資金は1,958百万円の収入(前年同期は1,108百万円の収入)となりました。主なプラス要因は、税引前当期純利益1,623百万円、減価償却費369百万円、未成工事支出金の減少780百万円、仕入債務の増加227百万円などであり、主なマイナス要因は、売上債権の増加512百万円、法人税の支払額580百万円などであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度末の投資活動による資金は516百万円の支出(前年同期は1,035百万円の支出)となりました。主なプラス要因は投資有価証券の売却による収入300百万円であり、主なマイナス要因は投資有価証券の取得による支出709百万円などであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度末の財務活動による資金は1,037百万円の支出(前年同期は1,221百万円の支出)となりました。これは、自己株式の取得による支出567百万円、配当金の支払額455百万円などが主な要因であります。 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)資本の財源については、収益力及び資産効率の向上によることを基本としており、健全な財務基盤、営業活動で生み出されるキャッシュ・フローにより、通常に必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。資金の流動性については、活動に伴う資金の需要に応じた現金及び現金同等物の適正額を維持することとしております。また、突発的な資金需要に対しては、主要取引銀行と締結しているコミットメントライン契約を活用することで手許流動性を確保しております。なお、当事業年度末の借入実行残高はありません。 当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。 第74期第75期第76期第77期第78期 自己資本比率(%)67.166.865.666.566.6 時価ベースの自己資本比率(%)57.360.649.851.747.19 キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.20.00.00.00.0 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)424.94,483.80.00.00.0 (注)1 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い2 キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。3 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。4 有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。 (4) 重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この財務諸表の作成にあたり、決算日における資産、負債の報告数値及び報告期間における収入、費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営陣は、貸倒債権、棚卸資産、投資、引当金、退職給付債務、繰延税金資産、資産除去債務、法人税等及び財務活動等に関する見積り及び判断に対して継続して評価を行っております。また、過去の実績や状況に応じて合理的だと考えられる見積りおよび判断を行いますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。重要な会計上の見積りについては、第5 [経理の状況]1 [財務諸表等](1)[注記事項](重要な会計方針)」に記載しております。 (5) 生産、受注及び販売の実績建設業を営んでいる当社は、生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。 受注高、売上高、繰越高及び施工高 種類別前期繰越高(千円)当期受注高(千円)計(千円)当期売上高(千円)次期繰越高当期施工高(千円)手持高(千円)うち施工高割合(%)金額(千円)第77期(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)建築設備事業2,798,8244,242,1767,041,0004,182,9702,858,03010.6303,5014,345,678ガス・機器設備事業6,259,55713,521,09419,780,65112,862,9396,917,71214.0965,19812,897,434ガス導管事業9,126,49816,974,93826,101,43618,272,3997,829,03612.2957,66718,013,943電設・土木事業855,8221,792,7192,648,5412,028,497620,04417.8110,4122,062,041その他-69,80969,80969,809---69,809合計19,040,70336,600,73755,641,44037,416,61618,224,82312.82,336,77937,388,908第78期(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)建築設備事業2,858,0309,055,61211,913,6426,132,5045,781,1371.585,3895,914,392ガス・機器設備事業6,917,71213,880,84220,798,55514,251,0706,547,48412.6826,35214,112,225ガス導管事業7,829,03616,092,39123,921,42816,931,9146,989,51410.1706,96216,681,210電設・土木事業620,0442,775,7343,395,7782,003,2031,392,5751.723,1581,915,948その他-66,30666,30666,306---66,306合計18,224,82341,870,88760,095,71039,384,99920,710,7117.91,641,86338,690,082 (注) 1 前期以前に受注した工事で契約の更改により請負額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減額を含みます。従って、当期売上高にも当該増減額が含まれています。2 次期繰越高の施工高は手持工事高における支出金により推定したものです。3 セグメント間取引については、相殺消去しております。4 その他の売上は、工材販売手数料等であります。5 主な相手先別の売上実績及び割合相手先前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)東京ガスグループ21,563,41957.6321,229,88053.90 6 上記のほか売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
事業リスク
- 主要顧客への依存リスク東京ガスグループへの売上依存度が高く、主要取引先の事業戦略変更や市場環境の悪化(少子高齢化による着工数減少、価格競争激化など)があった場合、受注量の減少や収益の悪化に繋がる可能性があります。これにより、会社の業績に大きな影響が出る可能性があります。
- 戦略的投資の未回収リスク中期経営計画で掲げる建築設備事業の強化やM&A、DX推進などの大規模投資が、期待通りのシナジー効果や成果をもたらさない可能性があります。投資回収計画が未達に終わった場合、会社の財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 法的規制・不採算工事リスク建設業法や労働基準法など、様々な法的規制の強化や認識不足による違反が発生した場合、追加費用や社会的信用の失墜に繋がる可能性があります。また、競合激化や原材料価格高騰、工事の遅延などにより不採算工事が発生した場合、会社の収益を圧迫する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社は、社長を委員長とし、取締役(社外除く)・常勤監査役、執行役員、部長で構成される経営品質委員会を設置しております。経営品質委員会はコーポレート・ガバナンスの基本的な考え方を実現し、企業の社会的責任を果たし「経営品質」を向上することを目的として設置されており、委員会の下に各種会議体を設け、品質管理、内部統制、コンプライアンス、CSR調達、ガバナンスなどについて包括的に検討しております。経営品質委員会(年2回開催)では、経営に重大な影響を与える可能性のあるリスクの棚卸およびそのリスクのモニタリングならびに統制活動等の審議を行っております。このうち、統制活動が不十分と判断されたものに対しては、執行部門に是正を求めております。経営品質委員会における審議により、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、将来に関する事項の記載が含まれておりますが、当事業年度末現在において判断したものであり、将来を含めた当社のリスク全般を網羅するものではありません。 (1) 経営成績等の状況の異常な変動① 受注環境の変化リスク当社は東京ガス株式会社等ガス事業者を主要顧客とするガス工事事業を中核事業とし、建築設備事業、電設・土木事業も展開しており、様々な取引先から工事を受注しておりますが、中でも、主要顧客である東京ガスグループ(東京ガス株式会社、東京ガスネットワーク株式会社)の売上割合は約5割を占めております。当社は新築建物内の設備工事を担う建築設備事業を新たな中核事業とすべく、一括受注・施工体制の更なる整備を行うことにより、将来を見据えた事業ポートフォリオの構築と売上高の集中リスクの低減を図っております。また、四半期に一度、業務執行取締役、常勤監査役、執行役員(生産部門)、部長(生産部門)が出席する計画進捗会議において、業績進捗とともに、取引先の動向やエネルギー・原材料価格の高騰の影響など市場環境の変化を含め、確認しております。しかしながら、主要取引先の事業戦略の大幅な変更、少子高齢化による住宅着工数減少による価格競争の激化、パンデミックや地政学的リスクの顕在化による供給網の混乱が想定を超えた場合には受注量の減少や資機材の供給不足、原材料価格の高騰が発生し、当社の事業展開、財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。 ② 戦略的投資の未回収リスク当社は事業基盤確保に向けた戦略的M&Aの実施を掲げ、M&A候補の発掘に取り組んでおります。また、営業上の戦略や、老朽化等による職場環境の改善を目的とした土地建物の取得・事業所の移転、DXの推進に伴うシステム投資など、大規模な投資を行う場合があります。このような大規模な投資を実行する場合には、職務権限規程において職務権限決裁基準を定め、投資回収計画も含め、経営会議における審議と取締役会決議により、適切に判断・実行しております。また、投資実行後は投資回収計画の進捗確認および費用対効果の検証を行い、取締役会に報告することとしております。しかしながら、想定したシナジー効果や期待通りの成果をもたらさなかった場合には、当社の事業展開、財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。 (2) 法的規制・取引慣行 ① 法的規制リスク当社では、事業活動にあたり会社法、金融商品取引法、建設業法、民法、労働基準法などさまざまな法令の規制を受けております。法改正およびそれに伴う作業内容の改定に関しては、都度社員・協力会社への周知・教育を行っており、管理者の現場巡視において遵守状況を確認しております。また、法令、規則等の遵守状況については、会社法に則った業務・コンプライアンス監査や金融商品取引法に係る内部統制監査を毎年実施し、その結果について取締役会に報告する仕組みとなっております。しかしながら、社会情勢の厳格化による法的規制の急激な強化、法規制に関する認識不足に起因する法律違反が顕在化した場合、それに対応するための追加費用の増加や社会的信用の失墜などにより、当社の事業展開、財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。 ② 不採算工事の発生リスク当社では、工事見積時および受注時に職務権限決裁基準で定めた金額に応じた決裁者による決裁を受けております。受注した物件については工種毎に一定のルールを設けて抽出した件名について、物件管理表を作成し現場の進捗と収支状況をチェックしているほか、毎月経理部において、一定のルールに従って抽出した不採算物件について調査し、役員に回覧するなど、不採算工事の早期把握と抑制に努めております。また、システム導入による営業部門と施工部門における情報共有および連携強化を図り、営業担当者と管理者による協議を経て適正価格での入札を推進しております。加えて、近年の原材料価格等の高騰に際しては、定期的な単価改定や、個別の件名に関しての発注者との協議の実施等により、不採算工事の発生抑制に努めております。しかしながら、受注環境の悪化に伴う競合他社との価格競争の激化や当初想定していた見積りからの乖離、工事の施工段階における想定外の原価等の発生や工期遅延に伴う損害に対する賠償金の支払い等により不採算工事が発生した場合は、当社の事業展開、財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。 (3) その他投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項 ① 自然災害リスク地震、大雨、洪水などの自然災害・異常気象やパンデミックが発生した場合、社員や所有建物・設備など事業継続のリソースに対する被害が発生し、事業活動が停止することなどにより、当社または取引先が被害を受ける可能性があります。当社は自然災害などの重大災害に備え、BCP(事業継続計画)を策定し、全役職員に周知するとともに、BCPに基づいた防災訓練の実施や必要物資の備蓄、拠点や関係会社との連携・情報共有などの対策を講じております。また、ライフラインを支える設備工事会社として、災害が発生した場合、二次災害の防止とライフラインの復旧のために社員・協力会社の職員が一定期間活動を行うために十分な現預金を確保するとともに、社員の安否を確認する安否確認システムの導入や建物・設備・システム等の耐震対策(データ等のバックアップを含む)を実施するなど各種災害に備えております。加えて、災害に対する都市の強靭性向上に寄与すべく、当社の事業であるライフラインのメンテナンスや耐震化工事を推進しております。しかしながら、全ての被害や影響を回避できるとは限らず、これに伴う役職員の被災、営業拠点の修復または代替のための費用発生等により、当社の事業展開、財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。 ② 組織力の低下リスク当社は、中長期の事業展開を見据え、「求められる人材像」を定め、新卒だけではなく中途採用を強化するとともに、これまで男性主体であった職種、業務への女性の配置拡大など、多様性の確保も意識し、各部において育成計画や各種研修、資格取得支援等の充実化を図り、将来を担う優秀な人材の採用・育成に努めております。本人の希望と適性を踏まえたキャリアパスの選択や成果に応じたメリハリのある処遇の設定、適材適所な人材配置の実施、本人の希望と能力に応じた定年後再雇用制度の運用により、多機能人材の育成や働きがいのある職場作りに取り組んでおります。加えて、年1回エンゲージメントサーベイを実施し、業務に影響を与える指標の分析を行っております。また、メンタルヘルス不調発生防止を目的に新入社員を対象とした体験カウンセリング(日本産業カウンセラー協会のカウンセラーによる職場の悩み等に関する相談体験)など、心の健康を含む健康経営施策を実施しております。さらに、従業員ならびに就職希望者にとってより魅力的な企業となるよう、従業員の労働環境の改善を図るために、長時間労働抑制に向けた施策の立案、実施に加えて、管理者が労務管理を正確に行うツールとして、勤怠システムを改善するなどのITを活用した環境整備を実施しております。また、2025年4月、従来の基幹システムを刷新いたしました。新システムを活用し、業務管理の見直し・高度化・効率化を目指してまいります。しかしながら、少子化の影響や景気拡大に伴う大手企業の採用数増加などにより、必要な人材を継続的に確保できなかった場合、ならびに人材の多機能化および働き方改革への対応が遅延した場合、当社の事業展開、財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。 ③ 施工力の確保リスク当社では、受注した工事等を協力会社に発注しております。少子高齢化による人手不足、後継者難は建設業界に共通する難しい問題ですが、協力会社を含めたCSR調達方針・ガイドラインおよび推進の枠組みを定め、年1回CSR調達アンケートを実施し、その結果を基にヒアリング等を行っております。2025年度の実施結果では、大きな問題は確認されませんでしたが、寄せられた要望や意見に基づき、当社の業務改善や、協力会社への経営指導・働き方改革を推進することで協力会社従業員の労働環境の改善を行い、魅力ある仕事となるよう可能な限りの支援策を講じてまいります。しかしながら、後継者難、経営状態の悪化、若年層の採用難や若年層の退職増加等により、主要な協力会社に不測の事態が発生した場合、施工能力が低下するなど、当社の事業展開、財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。 ④ 不良工事の発生リスクISO9001:2015規格で培ったノウハウを進化させ、当社独自に策定した品質管理システム「QP(Quality Plus)マネジメントシステム」に基づいて各部・拠点の事業所監査を行い、クレーム処理、是正処置、予防処置を実施するとともに、代表取締役を委員長とした品質マネジメント会議を設置し、品質の向上に取り組んでおります。また、不良工事等の事象が発生した際には傾向分析、原因究明、再発防止策を検討することとしておりますが、特に経営に重大な影響を及ぼす可能性がある事象が発生した際は再発防止検討会を開催し、全社的な対応を検討することとしております。また、安全品質環境部における安全パトロールにおいて、この再発防止策が実施されているかを確認し、必要に応じて指導を行っております。加えて、業務・コンプライアンス監査を定期的に実施し、各部・各拠点において法令、規則等を遵守した業務遂行が行われているかチェックしております。しかしながら、工事施工上の問題、各種法令やルールの理解あるいは確認不足等に起因する品質の不備もしくは事故等が発生した場合、発注元や監督官庁からの工事施工資格や入札参加資格の停止、受注済み件名の発注取り消しといった処分を受けることにより、当社の事業展開、財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。 ⑤ 交通事故・労働災害の発生リスク当社は、安全運転管理規程および安全衛生管理規程を定め、定例勉強会や再発防止策の教育を実施するとともに、本社においては、年4回、安全衛生中央委員会、拠点においては毎月安全衛生委員会を開催し、事故・災害事例の共有と再発防止策の共有に努めております。また、事故・災害が発生した際には傾向分析、原因究明、再発防止策を検討することとしておりますが、特に経営に重大な影響を及ぼす可能性がある事象が発生した際は再発防止検討会を開催し、全社的な対応を検討することとしております。加えて、毎年10月に交通安全強調月間を開催し、安全運転意識を高めるとともに、事故惹起者への運転訓練や全車両へ通信型ドライブレコーダーの設置による運転状況の把握に努めているほか、年に1度、社員、協力会社を集めた安全大会を開催するなど安全管理活動の推進に努めております。しかしながら、予期せぬ事由による事故・災害の発生や基本作業の逸脱による重大事故等の発生による人的被害・物的被害・社会的信用の失墜などにより当社の事業展開、財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。 ⑥ コンプライアンスリスク当社では、コンプライアンス規程を定め、各部門の長を委員としたコンプライアンス推進会議において定めた年度実施計画の基本方針に基づき、各部門で強化策を展開するとともに、2か月に1度、役員からのコンプライアンスメッセージの配信やコンプライアンスに関する研修等を実施することによって「協和日成グループ行動基準」の浸透とコンプライアンスマインドの継続的な高揚を図っております。特に、反社会的な勢力・団体との関係の遮断を「協和日成グループ行動基準」で明文化するとともに、本社地区特殊暴力防止対策協議会への加盟、本社・各拠点に不当要求防止責任者を選任し、反社会的な勢力・団体に関する情報の収集・管理や対応マニュアルの整備等、体制構築に向けての検討を行い、積極的に全社展開を推進しております。また、業務・コンプライアンス監査により、コンプライアンスを逸脱した業務遂行が行われていないかを確認しております。しかしながら、このような施策を講じてもコンプライアンス上のリスクは完全に回避できない可能性があり、法令・規則・関係マニュアル・企業倫理に反する行為等が発生した場合には、対応に要する直接的な費用に止まらず、社会的責任の発生等有形無形の損害が発生する可能性があります。 ⑦ 情報セキュリティスリスク当社では、情報管理規程、情報システム利用規程、個人情報管理規程、特定個人情報取扱規程といった各種規程を整備しており、セキュリティソフトの配備、PCデータ・記録媒体・メールの添付ファイル等の暗号化を行い、全社員を対象とした情報セキュリティ教育を実施するとともに、各組織における情報管理責任者のもとで情報システム運用を補佐するITリーダーを設置し、ITリーダーを通じた各種情報共有や各組織の要望に合わせたIT教育を行っております。また、日常的なサーバー監視や、内部統制のひとつであるIT統制監査、個人情報の保有状況・保管状況チェック等を通じて、情報セキュリティリスクの低減を図っております。また、2025年4月より、新基幹システムの稼働を開始いたしました。実稼働段階において想定し得ない不具合が発生する可能性もあり、モニタリングを強化しております。しかしながら、このような施策を講じても情報セキュリティリスクは完全に回避できない可能性があり、情報漏洩や情報システムの稼働停止が発生した場合には、対応に要する直接的な費用に止まらず、社会的責任の発生等有形無形の損害が発生する可能性があります。