事業の概要
- 製粉事業ニップングループの基盤となる事業で、小麦粉やふすまを製造し、特約店を通じて販売しています。松屋製粉株式会社ではそば粉も製造・販売しており、日本の食卓に欠かせない基本的な食材を提供することで収益を上げています。
- 食品事業家庭用小麦粉や冷凍食品、パスタ類、中食関連食品、加工調理製品など、幅広い食品を製造・販売しています。オーマイ株式会社がパスタを製造し、株式会社ファーストフーズなどが中食を製造するなど、グループ内で連携して多岐にわたる食品を提供し、消費者の多様なニーズに応えることで収益を確保しています。
- その他事業不動産賃貸、ペットフード製造販売、健康食品販売、食品プラント設計施工、飲食店経営、情報システム開発、物流サービスなど、多角的な事業を展開しています。これにより、食品事業以外の分野でも収益源を確保し、グループ全体の安定した経営基盤を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 製粉事業小麦粉やふすま、そば粉の製造・販売を主とする事業です。最新年度の売上高は1,216.63億円、営業利益は92.03億円で、グループの基盤を支える重要な収益源となっています。主に国内市場を対象としており、特約店を通じて製品を供給しています。
- 食品事業家庭用小麦粉、プレミックス、冷凍食品、パスタ、中食、加工調理製品など、幅広い食品の製造・販売を行う事業です。最新年度の売上高は2,383.53億円、営業利益は92.83億円と、グループ内で最も大きな売上を誇る稼ぎ頭です。国内だけでなく、タイ、中国、米国、インドネシアなど海外にも展開しています。
- その他事業不動産賃貸、ペットフード、健康食品、食品プラント設計施工、飲食店経営、情報システム開発、物流サービスなど、多岐にわたる事業が含まれます。具体的な売上や利益の数字は記載されていませんが、グループ全体の安定性と多角化に貢献しています。これらの事業は、食品事業を補完し、新たな収益機会を創出する役割を担っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| FlourMillingBusiness | 地域 | 1,217 | 92 | 7.6% |
| FoodBusiness | 地域 | 2,384 | 93 | 3.9% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社ニップン)及び子会社59社、関連会社21社で構成されております。営んでいる主な事業内容と当社及び子会社、関連会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。 (1) 製粉事業当社が小麦粉、ふすまを製造し、特約店を通じて販売しており、ニップン商事㈱、㈱ニップン商事コーポレーション、鈴木㈱及び丸七商事㈱は、この特約店の一部であります。松屋製粉㈱がそば粉を製造し、販売しております。(2) 食品事業<国内>当社が家庭用小麦粉、プレミックス等、冷凍食品類を製造し、特約店を通じて販売しております。オーマイ㈱が当社製造の小麦粉を使用して、パスタ類を製造し当社に販売しております。日本リッチ㈱が冷凍食材を当社から仕入れて販売しております。㈱畑中食品が当社製造の食材を使用して、冷凍食品を製造し当社に販売しております。㈱ファーストフーズ、㈱一富士製麺所、㈱ファーストフーズつくば、㈱ファーストフーズ名古屋が当社製造の食材を使用して、中食関連食品を製造、販売しております。オーケー食品工業㈱、㈱ナガノトマトが加工調理製品を製造、販売しております。<海外>タイにおいて、NIPPN(Thailand)Co.,Ltd.がプレミックス及び冷凍生地を製造しており、NIPPN FOODS CORPORATION(THAILAND) LTD.がプレミックス等を販売しております。中国において、上海金山日粉食品有限公司がプレミックスを製造しており、上海日粉総合貿易有限公司がプレミックス等を販売しております。米国において、Pasta Montana,L.L.C.がパスタ類を製造、販売しており、NIPPN California Inc.がプレミックス等を当社等から仕入れて販売しております。インドネシアにおいて、PT NIPPN PRODUCTS INDONESIAがプレミックスを製造しており、PT NIPPN FOODS INDONESIAがプレミックス等を販売しております。(3) その他事業当社が不動産の賃貸を行っております。エヌピーエフジャパン㈱がペットフードを製造、販売しております。ニップンライフイノベーション㈱が健康食品類を当社から仕入れて販売しております。ニップンエンジニアリング㈱が食品関連プラントの設計、施工を行っております。ニップンドーナツ㈱、ニップンドーナツ関西㈱、ニップンウミノ㈱及び大和フーヅ㈱が当社製造のプレミックスを使用する飲食店を経営しております。ニップンビジネスシステム㈱が情報処理システムの開発、提供をしております。㈱ニップンロジスが物流サービスを提供しております。 以上に記載した事業を系統図によって示すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 原材料・商品の調達価格に見合った適正な製品価格への転嫁に努めているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 設備 製粉事業は国内小規模工場の閉鎖と臨海大型工場へ生産集約によるコスト競争力強化を図っているため。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:貿易自由化の変動と麦政策の変更 / 物流の委託 / 気候変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
長年培われたブランド力と、長寿企業としての信頼性は無形資産となり得る。特に「ニップン」ブランドは、一般消費者に広く認知されている。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
家庭用小麦粉においては、ブランドへのこだわりや品質への信頼から、他社製品への乗り換えは限定的である可能性がある。業務用では、品質や供給安定性が重視される。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
食料品製造業であり、特定のプラットフォームやエコシステムを形成するようなネットワーク効果は限定的である。
コスト優位★☆☆☆☆
規模の経済によるコスト優位性は存在するが、原材料価格の変動や競合他社との価格競争により、持続的なコスト優位性の構築は難しい。
規模の経済★★★☆☆
国内有数の製粉会社であり、原料調達から製造、販売まで一貫したサプライチェーンを持つ。規模の経済によるコスト競争力と、安定供給能力は強みである。
- 多角的な事業展開製粉から食品製造、さらには不動産賃貸やペットフード、健康食品、物流まで幅広い事業を手掛けており、特定の事業に依存しない安定した収益構造を築いています。これにより、市場環境の変化に強く、リスクを分散できる点が強みです。
- 国内外の生産・販売網国内では特約店を通じた販売網に加え、子会社がパスタや中食、加工調理品などを製造・販売しています。海外ではタイ、中国、米国、インドネシアに生産・販売拠点を持ち、グローバルな供給体制を構築しているため、国際的な市場での競争力を有しています。
- 品質管理と研究開発有価証券報告書には直接的な記述はありませんが、食品事業を展開する上で、製品の安全性確保と品質管理は不可欠です。また、市場ニーズに合わせた新製品開発や高付加価値品の開発は、競争が激化する食品業界において重要な差別化要因となり、持続的な成長を支える強みと考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは創業以来の製粉事業に食品事業を加えて基盤事業とし、冷凍食品や中食など事業の多角化を進めてまいりましたが、今後はヘルスケアや大豆・野菜事業などへも注力し、さらに新規事業も加えて事業領域を拡げ持続的成長を図っていくため、「人々のウェルビーイング(幸せ・健康・笑顔)を追求し、持続可能な社会の実現に貢献します」を経営理念としております。 当社を取り巻く環境は目まぐるしく変化しておりますが、創業以来の技術力と新しいデジタルトランスフォーメーション(DX)の融合を図り、イノベーションを起こすことで、変化を先取りした新しい時代の「食」を創造していきたいと考えております。 社内においては、社員一人ひとりが創業以来のパイオニア精神を忘れず、創造性・多様性を育み、何事にも積極的に取り組めるような職場環境を構築し、新たな事業領域にチャレンジしてまいります。 このような企業活動を通じて、気候変動等の環境問題、食資源の有効活用、生物多様性の保全、人権課題、人口問題、健康寿命の延伸等の社会的課題に対して真摯に向き合い、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。ESG経営を実践するレジリエント企業として、日本と世界の現実に目を向け、国内外のパートナーとともに「より良い社会」「より良い地球」の実現に力を注ぎます。 当社グループは、経営理念を実現するためにお客様、社員、株主、社会をはじめとするステークホルダーとともに、未来につながる価値を創出してまいります。 様々な場面で当社製品が愛用され、世の中の全ての人々に幸せ、心身の健康、そして笑顔をお届けする企業を目指します。 (2) 会社を取り巻く経営環境 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に、緩やかな回復傾向で推移いたしました。しかしながら、アメリカの通商政策の動向や金融資本市場の変動に加え、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の高騰やサプライチェーンの混乱等により、先行きは一段と不透明感を増しております。 食品業界においては、インバウンド需要の拡大や外食産業の持ち直しにより緩やかな回復基調が見られたものの、中東の地政学的リスクに伴う原油高や供給不安により、原材料価格・物流費の高騰に加え、石油由来の包装資材を始めとした原材料の調達リスクに直面しております。個人消費の更なる冷え込みも懸念される中、当社グループの経営環境に及ぼす影響について、最大限の注意を払う状況が続きました。 当社グループは持続的な成長を実現するため、ブランド力の強化や差別化した商品の展開に注力するほか、生産拠点の整備・拡充や事業の取得・提携を推進することにより、収益の向上に努めておりますが、国内外での消費行動の変化等が当社グループの業績に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。 (3) 会社の対処すべき課題と中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標① 長期ビジョン2030について当社グループは、経営理念の達成に向けて、2024年5月に長期ビジョン2030「ニップングループは、総合食品企業として、食による社会課題の解決に挑み続けます」を策定しました。売上高5,000億円・営業利益250億円規模までの成長を目指す経済的価値の追求に加え、社会的価値の創造にも注力するため、当社のありたい姿と取り組みの方向性を整理し、2030年度までに達成することとしました。 <長期ビジョン達成に向けた施策>長期ビジョン2030の実現に向け、事業戦略の実行を支える全社的な基盤整備を推進しております。特に、生産性向上に直結するDXの推進と、価値創造の源泉となる人的資本の強化を全社共通の最重要施策と定め、業務の効率化と高度化の両立を図ってまいります。 ■DX推進による生産性向上当社グループは、アナログデータのデジタル化や業務の自動化・見える化を段階的に推進してまいりましたが、より本質的なDXにシフトアップするため、「ニップンDX全体構想」を策定しました。既存事業の進化と新規事業の創出・ウェルビーイング実現に向けて、抜本的な業務の効率化・高度化により、挑戦する時間と人財を生み出すDXを推進しております。生成AIをはじめとする最新技術と全社的に蓄積されたデータをシームレスに連携して活用できる基盤を整え、現場主導で業務プロセスの最適化と改善を繰り返す企業文化を形成してまいります。 ■人的資本の強化長期ビジョンの達成や従業員のウェルビーイング実現に向け、経営戦略と人財戦略の連動を図るため「人財ビジョン」を策定しております。人財ビジョンを主軸として、求められる人財創出につながる人財育成・人事制度改定・組織風土づくり等に取り組むことで、従業員の創造性と多様性を育み、何事にも積極的に取り組める職場環境の構築を進めながら個人と組織双方の持続的な成長を目指します。 <成長領域における戦略と課題>■冷凍食品事業において、2030年までに売上高900億円/年を目指します。家庭用冷凍食品において、「オーマイプレミアム」をはじめとする冷凍パスタに加えて、市場の伸長が続くワンプレート商品を軸として売上拡大を図ります。業務用冷凍食品において、好調な外食需要やインバウンド需要に対応するため、ユーザーのニーズに即した商材の売上拡大を図ります。売上拡大を実現するために、2025年4月に連結子会社化した株式会社畑中食品の新冷凍食品工場建設や自動化技術の導入を進め、供給能力の増強に取り組んでまいります。 ■海外事業において、2030年までに売上高600億円/年を目指します。既存進出国における事業拡大を図る他、新規需要地域への販売拡大に取り組んでまいります。また、海外事業の拡大に貢献できるグローバル人財の育成に注力する他、日本製品の輸出拡大も進めてまいります。冷凍食品事業業績推移と目標 海外事業業績推移と目標 ②中期目標当社グループは、長期ビジョンに掲げる売上高5,000億円・営業利益250億円の実現に向けて、「2026年度までに売上高4,000億円・営業利益150億円の達成」を中期目標として2022年5月に設定しました。その後、2023年度実績がこれを前倒しで達成したことから、2024年5月に中期目標を上方修正して、新たに「2026年度までに売上高4,500億円・営業利益210億円、ROE8%以上、ROIC5%以上」を掲げております。中東の地政学的リスクに伴う物流費や原材料の高騰、供給不安など先行きの不透明感は増していますが、当社グループは基盤領域の収益力強化、成長領域及び新規事業領域への戦略投資、M&Aや事業提携の機会追求、DX推進による企業競争力の強靭化、サステナビリティ経営の推進の5つを戦略の基本方針とし、基本方針に沿った戦略を着実に実行することによって、2026年度中期目標の達成に努めてまいります。 <各事業の戦略と施策>製粉事業では、知多工場が2026年2月に稼働を開始し、省エネ・環境を含めサステナビリティに配慮しながら、最新の自動化技術等により高い生産性を実現しております。また、やわら小麦など当社ならではの価値訴求型商品を開発・拡販していくことで差別化を図ってまいります。加えて、DXを駆使した生産性の高い営業活動の実践と無駄の排除、物流改善、各工場における生産効率向上を図り、安定的なキャッシュの創出に努めてまいります。 食品事業では、プレミックスやシーズニングにおいて、当社ノウハウを活用した商品の差別化やDXを通じた採算管理の徹底により、更なる収益性の向上を図ってまいります。家庭用分野においては、冷凍・常温いずれの温度帯でもマスターブランドである「オーマイプレミアム」の商品開発を継続することに加え、広告宣伝活動と連動した販促を実施することで、ブランド認知の向上とさらなる価値訴求を図ってまいります。さらに株式会社畑中食品の新工場新設等を通じて供給体制の増強を推進してまいります。 海外事業では、拠点内外における市場開拓と海外事業拡大へ向けた取り組みを加速させてまいります。2025年9月よりUtah Flour Milling, LLCの新工場が本格稼働しており、事業拡大へ向けた取り組みの検討を継続するだけでなく、各国拠点の近隣諸国の販路拡大に向けた活動や、NIPPN Vietnam Company Limitedの新工場稼働に向けた体制整備にも取り組んでまいります。 <中期目標達成へ向けた成長戦略>当社グループは、中期目標達成をより確実なものとする具体的施策として、「生産拠点の新設・再配置」、「付加価値商品の開発・提供」及び「マーケティング戦略の推進」に取り組んでおります。 ■生産拠点の新設・再配置国内では、2026年2月に製粉拠点として知多工場が稼働を開始いたしました。臨海部に立地し大型穀物船が接岸できる知多埠頭の原料サイロに隣接しており、原料小麦の直接搬入による原材料調達コストの削減を実現しております。加えて、流量や製品分析などを自動測定するシステムを導入することにより、製粉工程の精度向上と効率化を図る等、スマートファクトリー化を推進しております。さらには、大地震の際の津波の影響を考慮し、建物1階床レベルの嵩上げを行う等、自然災害への強靭性を高めております。同工場は、太陽光発電設備の導入や非化石証書の活用により、実質100%再生可能エネルギーを実現した当社初のカーボンニュートラル工場となります。このほか、2026年度末に株式会社畑中食品の新冷凍食品工場が竣工予定、また、研究開発拠点を新たに設置する「ニップンR&Dセンター」へ移転予定です。さらに海外では2027年にNIPPN Vietnam Company Limitedのプレミックス新工場が稼働予定となっております。今後も投資効果を慎重に見極めながら、拠点の新設・再配置を検討してまいります。 ■付加価値商品の開発・提供当社は、でんぷんの老化が遅く(硬くならない)、作りたてのような食感を長持ちさせる特性を持つ国内産小麦を、農研機構と共同研究し、「やわら小麦®」として商標を取得しております。その開発と実用化が評価され、令和7年度民間部門農林水産研究開発功績者表彰において、「農林水産省農林水産技術会議会長賞」を受賞しました。2026年3月には、「焼きたてはもちろん翌日以降もやわらかな食感が楽しめる」という新たな消費者価値を提供する家庭用新商品として、「ニップンつぎの日もやわらか強力小麦粉」を発売しております。今後も「やわら小麦®」を広くご活用いただけるよう、各種商品開発に向け取り組んでまいります。 ■マーケティング戦略の推進消費者起点の取り組みにより成熟市場においても拡大・成長を実現するべく、2023年10月よりマーケティング戦略を推進してまいりました。具体的には「オーマイプレミアム」ブランドに注力し、常温・冷凍いずれの温度帯でもおいしさを実感していただける商品を展開することで、消費者に選ばれる商品・ブランドづくりを進めてまいります。また、2025年4月にはマーケティング本部を新設し、商品開発と営業支援機能を組み込むことで、統一した戦略立案と迅速な意思決定が図れる体制を整えました。今後は、徹底した「消費者起点のマーケティング」を業務用領域においても展開し、ブランド認知の更なる向上と収益拡大につなげてまいります。 <政策保有株式の縮減>当社グループは、政策保有株式の保有にあたり、資本コストを意識した上で銘柄ごとに保有意義を検証し、保有合理性が薄れたと判断した株式の縮減を進めることにより、資本効率の向上を目指しております。2025年度においては、保有先との対話を進め、59億円相当の政策保有株式を売却いたしました。中期目標の最終年度となる2026年度においては、保有額を連結純資産比20%未満にするという目標達成のため、引き続き縮減に注力してまいります。 当社グループの経営理念である「人々のウェルビーイング(幸せ・健康・笑顔)を追求し、持続可能な社会の実現に貢献」するため、経済的価値を追求する事業成長戦略と社会価値創造戦略に経営資源を投入し、長期ビジョン及び中期目標の達成を目指してまいります。 ③サステナビリティ経営の取り組み当社グループは、多くの地球の恵みの恩恵を受け、事業を展開しています。これらの素材の調達から製造・物流・加工等のサプライチェーン全体の事業活動が環境に大きな影響を与えていることを認識しています。サステナブルな食料システムの維持のため、「気候変動対応」「生物多様性の保全」「循環型社会の実現」を通じ、食の持続可能性に対する負のインパクトを軽減することは、当社グループの事業継続において、喫緊の課題であることを認識しています。また、企業価値創造の源泉となる「従業員」のウェルビーイング実現に向け経営戦略と人財戦略の連動を図るため「人財ビジョン」を策定しました。人財ビジョンを主軸とし、求められる人財創出につながる人財育成、人事制度改定、組織風土づくりなどに取り組んでいます。 <気候変動>当社グループは、気候変動への対応を企業理念の実現における重要な課題と捉えております。GHG排出量削減の重要性を認識し、2030年度までにスコープ1+2のGHG排出量を2021年度比で42%削減する目標を設定しました。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、具体的な取り組みを進めております。2026年2月に稼働を開始した知多工場では、当社国内工場で4例目となる太陽光発電設備を導入しました。また、使用電力の100%を実質再生可能エネルギーとし、ZEB Readyの取得など、高い省エネ性能を実現しました。今後も省エネ設備の導入、再生可能エネルギー設備の導入、及び再エネ電力の調達等に関するロードマップを的確に見直しながら、着実なGHG排出量削減に努めてまいります。 <持続可能な調達>当社グループは総合食品企業として、製粉やプレミックスなどの食品素材から、冷凍食品などの川上から川下まで幅広い事業を展開しています。その中で多様な原材料を扱うことから、サプライチェーンの拡大に伴い「人権」「生物多様性」「気候変動」など、社会・環境面への影響がより大きくなると認識しています。こうした状況を踏まえ、当社グループは「人権方針」および「調達基本方針」を改定し、新たに「生物多様性方針」を策定しました。これらの方針に基づき、人権デュー・ディリジェンスの実施や、TNFDのLEAPアプローチを通じたリスクと機会の特定など、持続可能な調達に向けた取り組みを進めています。 <人的資本>人財ビジョンを主軸に、求められる人財創出につながる人事制度改定や人財パイプラインづくりとしての人財育成、イノベーション創出基盤としての組織風土醸成に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは創業以来の製粉事業に食品事業を加えて基盤事業とし、冷凍食品や中食など事業の多角化を進めてまいりましたが、今後はヘルスケアや大豆・野菜事業などへも注力し、さらに新規事業も加えて事業領域を拡げ持続的成長を図っていくため、「人々のウェルビーイング(幸せ・健康・笑顔)を追求し、持続可能な社会の実現に貢献します」を経営理念としております。 当社を取り巻く環境は目まぐるしく変化しておりますが、創業以来の技術力と新しいデジタルトランスフォーメーション(DX)の融合を図り、イノベーションを起こすことで、変化を先取りした新しい時代の「食」を創造していきたいと考えております。 社内においては、社員一人ひとりが創業以来のパイオニア精神を忘れず、創造性・多様性を育み、何事にも積極的に取り組めるような職場環境を構築し、新たな事業領域にチャレンジしてまいります。 このような企業活動を通じて、気候変動等の環境問題、食資源の有効活用、生物多様性の保全、人権課題、人口問題、健康寿命の延伸等の社会的課題に対して真摯に向き合い、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。ESG経営を実践するレジリエント企業として、日本と世界の現実に目を向け、国内外のパートナーとともに「より良い社会」「より良い地球」の実現に力を注ぎます。 当社グループは、経営理念を実現するためにお客様、社員、株主、社会をはじめとするステークホルダーとともに、未来につながる価値を創出してまいります。 様々な場面で当社製品が愛用され、世の中の全ての人々に幸せ、心身の健康、そして笑顔をお届けする企業を目指します。 (2) 会社を取り巻く経営環境 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に、緩やかな回復傾向で推移いたしました。しかしながら、アメリカの通商政策の動向や金融資本市場の変動に加え、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の高騰やサプライチェーンの混乱等により、先行きは一段と不透明感を増しております。 食品業界においては、インバウンド需要の拡大や外食産業の持ち直しにより緩やかな回復基調が見られたものの、中東の地政学的リスクに伴う原油高や供給不安により、原材料価格・物流費の高騰に加え、石油由来の包装資材を始めとした原材料の調達リスクに直面しております。個人消費の更なる冷え込みも懸念される中、当社グループの経営環境に及ぼす影響について、最大限の注意を払う状況が続きました。 当社グループは持続的な成長を実現するため、ブランド力の強化や差別化した商品の展開に注力するほか、生産拠点の整備・拡充や事業の取得・提携を推進することにより、収益の向上に努めておりますが、国内外での消費行動の変化等が当社グループの業績に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。 (3) 会社の対処すべき課題と中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標① 長期ビジョン2030について当社グループは、経営理念の達成に向けて、2024年5月に長期ビジョン2030「ニップングループは、総合食品企業として、食による社会課題の解決に挑み続けます」を策定しました。売上高5,000億円・営業利益250億円規模までの成長を目指す経済的価値の追求に加え、社会的価値の創造にも注力するため、当社のありたい姿と取り組みの方向性を整理し、2030年度までに達成することとしました。 <長期ビジョン達成に向けた施策>長期ビジョン2030の実現に向け、事業戦略の実行を支える全社的な基盤整備を推進しております。特に、生産性向上に直結するDXの推進と、価値創造の源泉となる人的資本の強化を全社共通の最重要施策と定め、業務の効率化と高度化の両立を図ってまいります。 ■DX推進による生産性向上当社グループは、アナログデータのデジタル化や業務の自動化・見える化を段階的に推進してまいりましたが、より本質的なDXにシフトアップするため、「ニップンDX全体構想」を策定しました。既存事業の進化と新規事業の創出・ウェルビーイング実現に向けて、抜本的な業務の効率化・高度化により、挑戦する時間と人財を生み出すDXを推進しております。生成AIをはじめとする最新技術と全社的に蓄積されたデータをシームレスに連携して活用できる基盤を整え、現場主導で業務プロセスの最適化と改善を繰り返す企業文化を形成してまいります。 ■人的資本の強化長期ビジョンの達成や従業員のウェルビーイング実現に向け、経営戦略と人財戦略の連動を図るため「人財ビジョン」を策定しております。人財ビジョンを主軸として、求められる人財創出につながる人財育成・人事制度改定・組織風土づくり等に取り組むことで、従業員の創造性と多様性を育み、何事にも積極的に取り組める職場環境の構築を進めながら個人と組織双方の持続的な成長を目指します。 <成長領域における戦略と課題>■冷凍食品事業において、2030年までに売上高900億円/年を目指します。家庭用冷凍食品において、「オーマイプレミアム」をはじめとする冷凍パスタに加えて、市場の伸長が続くワンプレート商品を軸として売上拡大を図ります。業務用冷凍食品において、好調な外食需要やインバウンド需要に対応するため、ユーザーのニーズに即した商材の売上拡大を図ります。売上拡大を実現するために、2025年4月に連結子会社化した株式会社畑中食品の新冷凍食品工場建設や自動化技術の導入を進め、供給能力の増強に取り組んでまいります。 ■海外事業において、2030年までに売上高600億円/年を目指します。既存進出国における事業拡大を図る他、新規需要地域への販売拡大に取り組んでまいります。また、海外事業の拡大に貢献できるグローバル人財の育成に注力する他、日本製品の輸出拡大も進めてまいります。冷凍食品事業業績推移と目標 海外事業業績推移と目標 ②中期目標当社グループは、長期ビジョンに掲げる売上高5,000億円・営業利益250億円の実現に向けて、「2026年度までに売上高4,000億円・営業利益150億円の達成」を中期目標として2022年5月に設定しました。その後、2023年度実績がこれを前倒しで達成したことから、2024年5月に中期目標を上方修正して、新たに「2026年度までに売上高4,500億円・営業利益210億円、ROE8%以上、ROIC5%以上」を掲げております。中東の地政学的リスクに伴う物流費や原材料の高騰、供給不安など先行きの不透明感は増していますが、当社グループは基盤領域の収益力強化、成長領域及び新規事業領域への戦略投資、M&Aや事業提携の機会追求、DX推進による企業競争力の強靭化、サステナビリティ経営の推進の5つを戦略の基本方針とし、基本方針に沿った戦略を着実に実行することによって、2026年度中期目標の達成に努めてまいります。 <各事業の戦略と施策>製粉事業では、知多工場が2026年2月に稼働を開始し、省エネ・環境を含めサステナビリティに配慮しながら、最新の自動化技術等により高い生産性を実現しております。また、やわら小麦など当社ならではの価値訴求型商品を開発・拡販していくことで差別化を図ってまいります。加えて、DXを駆使した生産性の高い営業活動の実践と無駄の排除、物流改善、各工場における生産効率向上を図り、安定的なキャッシュの創出に努めてまいります。 食品事業では、プレミックスやシーズニングにおいて、当社ノウハウを活用した商品の差別化やDXを通じた採算管理の徹底により、更なる収益性の向上を図ってまいります。家庭用分野においては、冷凍・常温いずれの温度帯でもマスターブランドである「オーマイプレミアム」の商品開発を継続することに加え、広告宣伝活動と連動した販促を実施することで、ブランド認知の向上とさらなる価値訴求を図ってまいります。さらに株式会社畑中食品の新工場新設等を通じて供給体制の増強を推進してまいります。 海外事業では、拠点内外における市場開拓と海外事業拡大へ向けた取り組みを加速させてまいります。2025年9月よりUtah Flour Milling, LLCの新工場が本格稼働しており、事業拡大へ向けた取り組みの検討を継続するだけでなく、各国拠点の近隣諸国の販路拡大に向けた活動や、NIPPN Vietnam Company Limitedの新工場稼働に向けた体制整備にも取り組んでまいります。 <中期目標達成へ向けた成長戦略>当社グループは、中期目標達成をより確実なものとする具体的施策として、「生産拠点の新設・再配置」、「付加価値商品の開発・提供」及び「マーケティング戦略の推進」に取り組んでおります。 ■生産拠点の新設・再配置国内では、2026年2月に製粉拠点として知多工場が稼働を開始いたしました。臨海部に立地し大型穀物船が接岸できる知多埠頭の原料サイロに隣接しており、原料小麦の直接搬入による原材料調達コストの削減を実現しております。加えて、流量や製品分析などを自動測定するシステムを導入することにより、製粉工程の精度向上と効率化を図る等、スマートファクトリー化を推進しております。さらには、大地震の際の津波の影響を考慮し、建物1階床レベルの嵩上げを行う等、自然災害への強靭性を高めております。同工場は、太陽光発電設備の導入や非化石証書の活用により、実質100%再生可能エネルギーを実現した当社初のカーボンニュートラル工場となります。このほか、2026年度末に株式会社畑中食品の新冷凍食品工場が竣工予定、また、研究開発拠点を新たに設置する「ニップンR&Dセンター」へ移転予定です。さらに海外では2027年にNIPPN Vietnam Company Limitedのプレミックス新工場が稼働予定となっております。今後も投資効果を慎重に見極めながら、拠点の新設・再配置を検討してまいります。 ■付加価値商品の開発・提供当社は、でんぷんの老化が遅く(硬くならない)、作りたてのような食感を長持ちさせる特性を持つ国内産小麦を、農研機構と共同研究し、「やわら小麦®」として商標を取得しております。その開発と実用化が評価され、令和7年度民間部門農林水産研究開発功績者表彰において、「農林水産省農林水産技術会議会長賞」を受賞しました。2026年3月には、「焼きたてはもちろん翌日以降もやわらかな食感が楽しめる」という新たな消費者価値を提供する家庭用新商品として、「ニップンつぎの日もやわらか強力小麦粉」を発売しております。今後も「やわら小麦®」を広くご活用いただけるよう、各種商品開発に向け取り組んでまいります。 ■マーケティング戦略の推進消費者起点の取り組みにより成熟市場においても拡大・成長を実現するべく、2023年10月よりマーケティング戦略を推進してまいりました。具体的には「オーマイプレミアム」ブランドに注力し、常温・冷凍いずれの温度帯でもおいしさを実感していただける商品を展開することで、消費者に選ばれる商品・ブランドづくりを進めてまいります。また、2025年4月にはマーケティング本部を新設し、商品開発と営業支援機能を組み込むことで、統一した戦略立案と迅速な意思決定が図れる体制を整えました。今後は、徹底した「消費者起点のマーケティング」を業務用領域においても展開し、ブランド認知の更なる向上と収益拡大につなげてまいります。 <政策保有株式の縮減>当社グループは、政策保有株式の保有にあたり、資本コストを意識した上で銘柄ごとに保有意義を検証し、保有合理性が薄れたと判断した株式の縮減を進めることにより、資本効率の向上を目指しております。2025年度においては、保有先との対話を進め、59億円相当の政策保有株式を売却いたしました。中期目標の最終年度となる2026年度においては、保有額を連結純資産比20%未満にするという目標達成のため、引き続き縮減に注力してまいります。 当社グループの経営理念である「人々のウェルビーイング(幸せ・健康・笑顔)を追求し、持続可能な社会の実現に貢献」するため、経済的価値を追求する事業成長戦略と社会価値創造戦略に経営資源を投入し、長期ビジョン及び中期目標の達成を目指してまいります。 ③サステナビリティ経営の取り組み当社グループは、多くの地球の恵みの恩恵を受け、事業を展開しています。これらの素材の調達から製造・物流・加工等のサプライチェーン全体の事業活動が環境に大きな影響を与えていることを認識しています。サステナブルな食料システムの維持のため、「気候変動対応」「生物多様性の保全」「循環型社会の実現」を通じ、食の持続可能性に対する負のインパクトを軽減することは、当社グループの事業継続において、喫緊の課題であることを認識しています。また、企業価値創造の源泉となる「従業員」のウェルビーイング実現に向け経営戦略と人財戦略の連動を図るため「人財ビジョン」を策定しました。人財ビジョンを主軸とし、求められる人財創出につながる人財育成、人事制度改定、組織風土づくりなどに取り組んでいます。 <気候変動>当社グループは、気候変動への対応を企業理念の実現における重要な課題と捉えております。GHG排出量削減の重要性を認識し、2030年度までにスコープ1+2のGHG排出量を2021年度比で42%削減する目標を設定しました。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、具体的な取り組みを進めております。2026年2月に稼働を開始した知多工場では、当社国内工場で4例目となる太陽光発電設備を導入しました。また、使用電力の100%を実質再生可能エネルギーとし、ZEB Readyの取得など、高い省エネ性能を実現しました。今後も省エネ設備の導入、再生可能エネルギー設備の導入、及び再エネ電力の調達等に関するロードマップを的確に見直しながら、着実なGHG排出量削減に努めてまいります。 <持続可能な調達>当社グループは総合食品企業として、製粉やプレミックスなどの食品素材から、冷凍食品などの川上から川下まで幅広い事業を展開しています。その中で多様な原材料を扱うことから、サプライチェーンの拡大に伴い「人権」「生物多様性」「気候変動」など、社会・環境面への影響がより大きくなると認識しています。こうした状況を踏まえ、当社グループは「人権方針」および「調達基本方針」を改定し、新たに「生物多様性方針」を策定しました。これらの方針に基づき、人権デュー・ディリジェンスの実施や、TNFDのLEAPアプローチを通じたリスクと機会の特定など、持続可能な調達に向けた取り組みを進めています。 <人的資本>人財ビジョンを主軸に、求められる人財創出につながる人事制度改定や人財パイプラインづくりとしての人財育成、イノベーション創出基盤としての組織風土醸成に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額前期比売 上 高410,878418,4257,546101.8%営業利益21,48622,082595102.8%経常利益24,39324,874481102.0%親会社株主に帰属する当期純利益24,75721,803△2,95388.1% 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に、緩やかな回復傾向で推移いたしました。しかしながら、アメリカの通商政策の動向や金融資本市場の変動に加え、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の高騰やサプライチェーンの混乱等により、先行きは一段と不透明感を増しております。食品業界においては、インバウンド需要の拡大や外食産業の持ち直しにより緩やかな回復基調が見られたものの、中東の地政学的リスクに伴う原油高や供給不安により、原材料価格・物流費の高騰に加え、石油由来の包装資材を始めとした原材料の調達リスクに直面しております。個人消費の更なる冷え込みも懸念される中、当社グループの経営環境に及ぼす影響について、最大限の注意を払う状況が続きました。このような状況下、当社グループは経営理念「人々のウェルビーイング(幸せ・健康・笑顔)を追求し、持続可能な社会の実現に貢献します」のもと、企業価値の持続的な向上に努めております。当連結会計年度においては、収益力強化を図る取り組みとして、マーケティング戦略を家庭用から業務用まで含めた全領域へ拡大し、「消費者起点のマーケティング」を徹底することで、ブランド認知の更なる向上と収益拡大に取り組みました。加えて、成長領域の拡大に向けた取り組みとして、冷凍食品の需要拡大を見据えた供給体制の増強を目的に進めている株式会社畑中食品の新冷凍食品工場建設は、2026年度末の竣工に向けて順調に進捗しております。また、海外事業では、ASEAN地域や北米地域において販売が好調に推移したほか、Utah Flour Milling, LLCが本格稼働し安定操業を継続するなど、更なる事業拡大に取り組んでおります。2026年2月には国内製粉事業の基盤強化を担う知多工場が稼働を開始しました。同工場では大型穀物船接岸による原料調達コストの削減に加え、自動化技術の導入やスマートファクトリー化を推進することで、作業負荷を軽減し高い生産性を実現しております。さらに自然災害への強靭性、省エネ性能、環境配慮を兼ね備えたサステナブルな最新鋭の製粉工場として、安定供給と収益性の向上に貢献してまいります。当社グループの当連結会計年度の業績につきましては、インバウンド需要の拡大やマーケティング戦略を駆使した販売促進、並びに諸コストの上昇に伴い実施した価格改定により、売上高は4,184億2千5百万円(前期比101.8%)となりました。利益面では、各事業において人件費および物流費を始めとした諸コストの増加があったものの、販売が堅調に推移したことにより、営業利益は220億8千2百万円(同102.8%)、経常利益は248億7千4百万円(同102.0%)となりました。一方で、前年に遊休地の売却による特別利益の計上があったことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は218億3百万円(同88.1%)となりました。事業別の状況は次のとおりです。 <製粉事業> (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額前期比売 上 高121,663120,000△1,66398.6%営業利益9,2039,471267102.9% 製粉事業については、販売は堅調に推移し出荷は前年を上回ったものの、昨年4月および10月に外国産小麦の政府売渡価格が引き下げられたことに伴う価格改定の影響があったことにより、売上高は1,200億円(前期比98.6%)、営業利益は94億7千1百万円(同102.9%)となりました。 <食品事業> (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額前期比売 上 高238,353243,6945,340102.2%営業利益9,2839,065△21797.7% 業務用食品については、インバウンド需要の拡大や海外事業が堅調に推移したこと等により、売上高は前年を上回りました。家庭用食品については、「もちっとおいしいスパゲッティ」や「極上アルデンテがおいしいスパゲッティ」の販売数量伸長、並びに冷凍食品では1食完結型のトレー入り「よくばり」シリーズ、「いまどきごはん」シリーズ等の販売数量が堅調に推移する等、マーケティング戦略の推進による販売力強化により、売上高は前年を上回りました。中食事業については、消費者の節約志向の強まりがあったものの、原材料等のコスト上昇に伴う価格改定を実施したことにより、売上高は前年を上回りました。以上により、食品事業の売上高は2,436億9千4百万円(前期比102.2%)、営業利益は90億6千5百万円(同97.7%)となりました。 <その他事業> (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額前期比売 上 高50,86154,7303,869107.6%営業利益3,1713,656485115.3% ペットケア事業については、販売数量伸長等により、売上高は前年を上回りました。外食事業については、販売が好調に推移したこと、および価格改定を実施したことから売上高は前年を上回りました。エンジニアリング事業は、大口工事の引き合いが増加した結果、売上高は前年を上回りました。以上により、その他事業の売上高は547億3千万円(前期比107.6%)、営業利益は36億5千6百万円(同115.3%)となりました。 ②資産、負債及び純資産の状況 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額流動資産159,014194,20335,189固定資産240,210282,53442,323繰延資産18887資産 合計399,226476,82677,599流動負債104,40782,786△21,621固定負債48,334104,16255,828負債 合計152,742186,94934,207純資産246,484289,87743,392負債・純資産 合計399,226476,82677,599 当連結会計年度末の総資産残高は、前連結会計年度末に比べ775億9千9百万円増加し、4,768億2千6百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が242億2千8百万円、有形固定資産が230億9千万円、投資有価証券が171億1千7百万円、その他の流動資産が77億8千3百万円、退職給付に係る資産が43億2千2百万円、商品及び製品が30億7千万円増加したこと、及び長期貸付金が39億5千5百万円減少したことによるものであります。負債の残高は、前連結会計年度末に比べ342億7百万円増加し、1,869億4千9百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が285億6千3百万円、社債が200億円、繰延税金負債が66億8千1百万円、その他の流動負債が17億9千7百万円、未払法人税等が11億6千万円増加したこと、及び1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が250億2百万円減少したことによるものであります。純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ433億9千2百万円増加し、2,898億7千7百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が164億2千3百万円、その他有価証券評価差額金が113億4千4百万円、資本剰余金が64億8千6百万円、資本金が64億3千万円増加したことによるものであります。 ③キャッシュ・フローの状況 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額営業活動によるキャッシュ・フロー18,76825,2726,503投資活動によるキャッシュ・フロー△7,807△27,088△19,281財務活動によるキャッシュ・フロー△10,53324,46735,000現金及び現金同等物に係る換算差額31599△215現金及び現金同等物の増減額74322,75122,007現金及び現金同等物の期末残高41,47164,22222,751 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ227億5千1百万円増加し、642億2千2百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、252億7千2百万円の収入となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益が317億7百万円、減価償却費が113億3千万円、利息及び配当金の受取額が32億5千9百万円、仕入債務の増加額が12億7千万円となったこと、並びに法人税等の支払額が85億3千6百万円、投資有価証券売却損益が63億8千1百万円、棚卸資産の増加額が32億2千4百万円となったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、270億8千8百万円の支出となりました。この主な要因は、固定資産の取得により312億1千9百万円、有価証券の取得により60億円の支出があったこと、並びに投資有価証券の売却及び償還による収入が71億6千2百万円、有価証券の売却及び償還による収入が40億円あったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、244億6千7百万円の収入となりました。この主な要因は、転換社債型新株予約権付社債の償還による支出が116億円、配当金の支払により53億7千9百万円、自己株式の取得による支出が40億円、並びに長期借入れによる収入が303億9千万円、社債の発行による収入が199億1千4百万円あったことによるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績ⅰ) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 前年同期比(%)製粉事業(百万円)124,51498.9食品事業(百万円)180,57296.8その他(百万円)29,916117.9合計(百万円)335,00399.1(注)1.金額は期間中の平均販売価格によっております。2.セグメント間の取引については相殺消去しております。ⅱ) 受注実績当社グループ(当社及び連結子会社)の生産は受注によるものではなく、この項目の記載事項はありません。 ⅲ) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 前年同期比(%)製粉事業(百万円)120,00098.6食品事業(百万円)243,694102.2その他(百万円)54,730107.6合計(百万円)418,425101.8(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)伊藤忠商事株式会社57,83814.156,26613.4株式会社ファミリーマート49,45212.050,78112.1 ⑤重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」並びに「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ⑥資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループは、経営方針として、有利子負債圧縮の考えのもと、事業活動に必要な資金の安定的な確保と、事業環境の変化に耐えうる流動性の維持を基本としております。当社グループの短期資金需要のうち主要な内容は、製造・販売活動に必要な運転資金、研究開発費、借入の返済、配当金の支払い、法人税の支払いであり、これらについては営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入のほか、必要に応じてコマーシャル・ペーパーを発行することでまかなう方針であります。長期資金需要は、長期運転資金及び設備投資資金であり、設備投資のうち主要な内容は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております大規模投資のほか、生産合理化に向けた設備投資等であります。これらの投資資金については営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入のほか、必要に応じて主として社債を発行することで資金需要をまかなう方針であります。資金流動性を維持するにあたり、当社及び主要な連結子会社は、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、各社の余剰資金を当社へ集中させ一元管理することにより、資金効率の向上と金融費用の低減を図っております。また、設備投資を行うにあたっては投資計画の妥当性を考慮して資金の使用時期と金額を判断しております。さらに、主要取引銀行とのコミットメントライン契約及び当座貸越契約により、十分な流動性を確保しております。なお、当連結会計年度末における社債、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は807億3千万円、現金及び現金同等物の残高は642億2千2百万円となり、ネット有利子負債は165億7百万円(前期比95.4%)となりました。
事業リスク
- 貿易自由化と麦政策の変更CPTPPや日EU EPAなどの貿易協定により、小麦粉関連製品の輸入が増加する可能性があります。これにより、国内の製粉事業やプレミックス、パスタ事業が大きな影響を受け、収益性が低下するリスクがあります。コスト競争力強化や差別化製品の開発、海外事業拡大で対応しています。
- 物流の委託と2024年問題ドライバー不足や高齢化、2024年問題による物流能力の縮小は、製品の納入遅延を引き起こし、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。難作業改善、共同物流拡大、積載重量増加などにより物流効率向上を図り、リスク低減に努めています。
- 原材料の調達リスク気候変動や自然災害による収穫量減少、エネルギーコスト高騰、為替変動、紛争などにより、原材料の調達が困難になったり、コストが上昇したりする可能性があります。調達コストを製品価格に適切に転嫁できない場合、業績に悪影響を及ぼすため、複線化した調達体制と価格転嫁で対応しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】当社グループでは、企業目的の達成に影響を与えるリスク管理に関して必要な事項を定め、リスクの防止及び損失の最小化を図ることを目的に、代表取締役社長を委員長としたリスクマネジメント委員会を設置しております。さらに、リスクマネジメント委員会の下部組織として、コンプライアンス部会、災害対策部会、事業遂行部会、情報セキュリティ部会を設置し、各部会においてそれぞれ担当の事案を検証し、必要に応じて対応できる体制を整備しております。多様なリスクについては、①事業、②サステナビリティ、③ガバナンスの3つのカテゴリーに分類し、それぞれに対して基本的な対応策を設定しています。また、リスクマネジメント委員会では、「影響度」と「発生頻度」の2軸でリスクマップを作成しています。「影響度」は人的被害、事業中断リスク、コンプライアンスおよび財務への影響を基準とし、「発生頻度」は年次発生の可能性から10年に1回程度の頻度までを想定して、各リスク項目を大・中・小で評価しマッピングしています。 リスク対応策1・事業1-1 貿易自由化の変動と麦政策の変更CPTPP(TPP11)、日EUEPA、日米貿易協定等の継続的な見直し・拡大に加え、世界的な貿易政策の不確実性が高まっています。これらに伴う制度変更、小麦調達方式の変更、輸入増加、国内価格競争の激化、関連業界の再編等により、当社グループの基幹事業(製粉、プレミックス、パスタ等)が影響を受ける可能性があります。また、国際的な物流環境の変化や地政学リスクにより、調達・供給の安定性に影響が及ぶ可能性もあります。小規模工場の集約や臨海大型工場への生産統合によるコスト競争力強化、差別化可能な製品開発、海外事業の拡大を進めております。また、制度・国際情勢の動向を継続的に把握し、調達方式の柔軟化や市場変動に対応した供給体制の確保に努め、リスクの低減を図っております。1-2 為替の変動海外から調達する原材料・商品のコストは、為替相場の急激な変動に大きく影響を受けます。加えて、在外子会社の損益・財務状況は円貨換算時の評価差により変動し、業績に影響を及ぼす可能性があります。為替変動がサプライチェーン全体に及ぶことで、調達コスト増や在庫評価への影響が生じる場合もあります。為替予約ルールの運用や市場動向の注視により調達影響を低減するとともに、原材料・商品の価格転嫁を適宜行うことで、業績変動の抑制に努めております。また、在外事業の為替影響を踏まえた財務管理を実施し、変動リスクの最小化を図っております。1-3 製品市況の変動国内市場は人口減少・少子高齢化が進むなか競争が激化しており、消費動向の変化や景気動向、物価上昇等の影響を受けやすい状況です。製品市況が大きく変動した場合、当社グループの業績の不安定要因となる可能性があります。特に、製粉事業の副産物であるふすまは需給バランスの影響を受けやすく、価格変動が収益に影響する可能性があります。市場動向に応じた適正な販売価格設定、高付加価値製品の開発、需要変化に対応した製品ラインアップの強化を進めております。また、副産物については在庫水準の適正化に努めることで、市況変動の影響を抑制しております。1-4 物流の委託ドライバーの不足や高齢化、物流関連法規制の厳格化が進みドライバー確保がより困難を極めている状況に加え、人件費、燃料費、車輛維持費等の上昇が運送会社の経営を圧迫し倒産リスクを高めており、輸送能力が縮小する事で取引先への製品納入が滞り、業績に悪影響を与える可能性があります。今後急速に進む事が予想される輸送能力の縮小を回避する対策として、難作業の改善、トラックの長時間待機・荷役時間削減に向け物流の改善に取り組んでいます。またリードタイム延長による輸送平準化、共同輸送の拡大、積載重量の増加等の物流効率化策を進めています。 リスク対応策1・事業1-5 海外事業当社グループは米国やアジア地域に事業を展開しており、これらの地域では、政治・経済情勢の変化、法令・規制変更、テロ・紛争等の地政学リスク、物流遅延、感染症の再拡大など、事業活動に影響を与える不確実性が存在します。これらの要因により事業運営が制約を受けるほか、収益性に影響が生じる可能性があります。海外情勢の情報収集とリスク監視を強化するとともに、海外関連会社に対する適切な管理・運営サポートを実施しております。また、地域分散の推進、供給体制の見直し等により、特定地域への依存リスクを抑制し、事業継続性の確保を図っております。1-6 投資コストの増加生産設備及び各拠点の大規模な設備投資の実施により、一時的な減価償却費や各種経費等の増加が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。一定金額以上の設備投資については、投融資委員会を設置し、委員会において社内基準に基づき経済合理性を十分吟味したうえで、取締役会において投資効果等を審議のうえ決議しており、また、投資後の業績進捗状況等のモニタリングを継続的に実施することでリスクの低減を図っております。2・サステナビリティ2-1 製品の安全性食品の安全性に対する消費者の意識は日々高まっており、法令・規制等も厳格さを増しております。当社グループでは、新技術の導入や品質管理に関する社内研修の実施等、品質保証体制の強化に取り組んでおりますが、想定外の要因により、販売停止や製品回収を行う可能性があります。当社グループでは、JFS-C等の食品安全マネジメントシステムおよび品質管理システムの認証取得、食品防御や食品偽装防止への取り組みの強化、製造委託先を含む製造拠点における品質管理の徹底、トレーサビリティシステムの維持、食品表示の多重チェック等、品質保証体制の強化を推進することにより、リスクの低減を図っております。2-2 気候変動気候変動により、原材料の調達からお客様への販売まで、サプライチェーン上の様々な場面で影響が及び、また、脱炭素社会への対応により、コストが上昇するなど、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。当社はサステナビリティ委員会及びサステナビリティ実行委員会を設置しており、気候変動に関する当社グループのリスクに包括的かつ具体的に対応する体制を整えております。また、2023年2月には、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同を表明し、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」における提言に沿って取り組み、リスクの低減を図ってまいります。2-3 原材料の調達地球温暖化・自然災害によって動植物の収穫量が減少したり、エネルギーコストや人件費の高騰、為替の変動等によって調達コストが上昇したり、紛争、政治情勢の不安定化、疫病の蔓延等による物流障害によって、原材料の調達が難しくなる可能性があります。また、原材料の変動コストを適切に商品原価に転嫁しないと、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。調達に際して環境・人権問題等の社会的課題に適切に対応しなかった場合、当社グループのブランド毀損や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、環境・人権等に配慮しながら、安全で価格競争力のある原材料を探し出し、様々な変化 やリスクを踏まえて、産地分散による複線化した調達体制を確保し、原材料の変動コストを適切に商品原価に転嫁して、リスクの低減を図っております。2-4 資金調達当社グループは、銀行等からの借入により必要資金の調達をしておりますが、急激な金利上昇や事業計画未達等により格付けが低下し、資金調達環境の悪化や金利負担が増加するなど、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。財務体質の維持及び強化に努めるとともに、資金調達先及び方法、期間を分散させることにより、リスクの低減を図っております。 リスク対応策3・ガバナンス3-1 サイバー攻撃及びコンピュータシステムのトラブル・データ漏洩当社グループでは、システムにトラブルが起こった場合、業務に支障をきたすことが考えられます。また、個人情報を含むデータの漏洩やデータ暗号化の被害等があった場合、対応費用が発生します。情報セキュリティ基本方針、情報セキュリティ管理規程等を制定し、従業員教育や訓練を実施しております。外部からの攻撃に対するハード面、ソフト面の強化を図るとともに、情報機器についてはデータへのアクセス制御やパスワードの厳重管理を徹底し、取締役会が定期的に情報セキュリティの管理状況をモニタリングしており、リスク低減を図っております。3-2 法的規制の影響当社グループでは、食品衛生法、食品表示法、環境法等、国内外の法的規制等の適用を受けています。規制強化や想定を超えた新たな法的規制により、事業活動の制限や対応費用が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。関連法規の改正動向の把握に努め、外部研修会への参加、社内研修会の開催、内部監査などを実施し、コンプライアンス体制を強化し、リスクの低減を図っております。3-3 知的財産権当社グループの知的財産権やノウハウが侵害される可能性、また、当社グループが第三者の知的財産権を意図せず侵害した場合、当該第三者から損害賠償請求等の権利行使を受ける可能性があり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。法務部門、知的財産部門による知的財産権の取得、関連部門によるノウハウ化、知的財産権の調査、知的財産権を尊重した製品開発及び営業活動を行い、リスクの低減を図っております。3-4 災害による影響当社グループでは、大規模災害等が発生した場合、大きな損害を被ったり、製品の製造・出荷に支障をきたしたりすることが考えられます。リスクマネジメント委員会の下部組織である災害対策部会が、全社的な体制の検討を行います。設備・機器の安全性チェックや防災訓練などを実施し、安全な操業や事故防止体制の確立を図るとともに、従業員の安否確認システムの導入や初動対応計画の作成、事業継続計画の見直し、通信手段、情報ツールの導入、防災用品の拡充、食料の備蓄、損害保険の付保等によりリスクの低減を図っております。3-5 人材の確保当社グループでは、人材の確保及び育成が順調に進まない場合、適切な人材の配置に支障をきたす恐れがあり、特に製造現場での人材が不足することは事業継続に影響を与える可能性があります。当社グループでは、製造要員他必要な人材を確保するとともに、職場における教育(OJT)や研修(OFF-JT)等により、その育成に努め、ワークライフバランスの促進や育児・介護に関する休業・勤務制度の導入等、働きやすい制度設計に取り組み、加えて健康経営を推進しております。またエンゲージメントサーベイを通じて社員の状態を可視化した上で組織課題の洗い出しや定着率向上に向けた対策を講じております。さらにIоTやAIを活用して作業の効率化、省力化することで生産性の向上に取り組み、リスクの低減を図っております。3-6 提携及び買収当社グループでは、事業展開の手段として他社との提携や買収を実施することがあります。事業環境の変化等の様々な不確実性により、当初期待した成果を実現できない場合、生産設備、のれん及び投資有価証券については、投資額の回収が見込めなくなることにより、多額な減損処理が必要となり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。提携や企業買収にあたっては、詳細なデューデリジェンスを実施し、一定金額以上の設備投資やM&A等の計画については、投融資委員会において社内基準に基づき経済合理性を十分吟味したうえで、取締役会において投資効果等を検証しながら決議しております。また、投資後の業績進捗状況等のモニタリングを継続的に実施することでリスクの低減を図っております。 リスク対応策3・ガバナンス3-7 資産の運用当社グループの従業員に係る年金資産は、外部金融機関を通じて運用されておりますが、市況の悪化等により期待運用収益率を実現できない場合や、数理計算上で設定される割引率等の前提条件が変動した場合、将来期間において認識される退職給付債務が増減し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは政策保有株式を保有しておりますが、経済環境や企業収益の動向に付随する時価下落や発行会社の業績不振等により、自己資本が毀損するなど当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。年金資産については、運用の詳細情報を定期的に収集して運用状況のモニタリングを実施しております。政策保有株式の保有については、個別の銘柄ごとに保有目的やメリットなど経済合理性の検証を行い取締役会に報告するとともに、保有の妥当性が認められない場合は縮減に取り組んでおります。検証にあたっては便益やリスクが資本コストに見合っているか否かを精査したうえで、事業戦略の観点など定性的な評価を含め総合的な判断をしております。3-8 感染症等感染症の流行により従業員の感染、原材料の確保に支障が生じる等により、製品の安定供給に支障が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。感染症の流行時の事業継続計画を策定し、業績への影響を低減するよう備えております。