2003

日東富士製粉(2003)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

食料品 食品

事業の概要

  • 製粉・食品事業
    日東富士製粉グループは、小麦粉やミックス粉、食品の製造販売を主軸としています。親会社である三菱商事や連結子会社を通じて、これらの製品を販売しており、日本の食卓に欠かせない基礎食材を提供することで収益を上げています。また、小麦の保管や荷役を行う倉庫業も手掛けています。
  • 外食事業
    連結子会社の株式会社さわやかを中心に、ケンタッキーフライドチキン(KFC)のフランチャイジーとして関東・東海地区で店舗を展開しています。KFCの運営に加え、多様なレストラン事業も展開しており、消費者の食のニーズに応えることで収益を確保しています。
  • 運送事業
    連結子会社の日東富士運輸株式会社が、グループの主要な原料である小麦や製品の運送を担っています。これにより、グループ全体のサプライチェーンを効率的に管理し、安定した事業運営を支えることで、間接的にグループの収益に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 製粉・食品事業
    この事業は、小麦粉やミックス粉、加工食品の製造販売を主な内容としています。売上高は607.6億円、営業利益は45.82億円と、グループ全体の売上と利益の大部分を占める主力事業であり、日東富士製粉グループの中核を担っています。
  • 外食事業
    ケンタッキーフライドチキン(KFC)のフランチャイジーとして店舗運営を行うほか、各種レストラン経営も手掛けています。売上高は114.36億円、営業利益は4.15億円であり、グループの多様な収益源の一つとして、消費者の食生活を支えています。
  • 運送事業
    グループの原料小麦や製品の運送を担う事業です。売上高は1.44億円、営業利益は0.4億円と、他の事業に比べて規模は小さいですが、グループ全体のサプライチェーンを支える重要な役割を担っており、効率的な物流を通じて事業活動を円滑に進めています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
MillingAndGrocery 事業 608 46 7.5%
Restaurant 事業 114 4 3.6%
Transportation 事業 1 0 27.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|566 文字
3 【事業の内容】当社の企業グループは、当社、連結子会社6社、関連会社1社及び親会社で構成され、小麦その他農産物等を原料として、小麦粉・ふすま・ミックス粉・食品等の製造販売を行う製粉及び食品事業、並びに小麦を保管する倉庫業、ケンタッキーフライドチキン(以下KFC)等のファーストフード店舗経営を行う外食事業、主に当社の原料・製品を運送する運送事業を展開しております。 当グループの事業に係る位置付けは次のとおりであります。製粉及び…………食品事業当社及び㈱増田製粉所が製造した小麦粉・ミックス粉・食品等を、代理店である三菱商事㈱(親会社)や隅田商事㈱・兼三㈱(連結子会社)などの特約店等を通じて販売しております。また、三菱商事㈱・㈱増田製粉所から製品・原材料の一部を、隅田商事㈱からは原材料の一部を購入しております。なお、当社の工場付属営業倉庫(サイロ)においては、小麦の保管業務及び荷揚荷役等を行っております。外食事業…………連結子会社である㈱さわやかが「KFC」のトップフランチャイジーとして関東、東海地区で店舗展開しているほか、各種レストラン等多角的な事業活動を進めております。運送事業………… 関連会社であるM&Fロジスティクス㈱が当社の原料小麦及び製品の運送の大部分を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
小麦相場の急騰及び為替変動による調達コスト上昇時、製品価格の改定が適正に行われないリスクがあるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
小麦粉・ふすま・ミックス粉・食品等の製造販売には大規模な製造設備が必要と推測される。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:景気・業界動向(国内需要減少、輸入食品の関税撤廃・削減) / 小麦粉原料調達リスク(国家貿易、相場急騰、為替変動) / 事故災害リスク(自然災害、火災・爆発による事業停止)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

日東富士製粉は、長年培ってきた製粉技術やノウハウを持つが、特定の強力なブランド力や特許による独占的な優位性は限定的。一般消費財としてのブランド認知度は一定程度あるものの、競合他社との差別化要因としては弱め。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

製粉業界では、取引先(パンメーカー、麺メーカー等)との長年の関係性が重視される傾向にある。一度取引が始まると、品質や供給安定性への信頼から、他社への切り替えは容易ではない。しかし、原料調達の柔軟性や価格競争力によっては切り替えの可能性も残る。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

製粉事業は、ネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。製品の品質や供給能力が重視され、利用者の数が増えることで価値が増すような要素は基本的に存在しない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

規模の経済によるコスト優位性は一部存在するものの、原料(小麦等)の調達価格の変動が大きく、コストリーダーシップを維持することは難しい。また、物流コストも一定の負担となる。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

国内の製粉業界において一定のシェアを占めており、規模の経済による効率化は図られている。しかし、海外の巨大製粉メーカーと比較すると、規模の面での優位性は限定的であり、国内市場の成熟も成長の制約となる。

  • 安定した原料調達網
    主要原料である輸入小麦のほとんどを政府が一元管理する国家貿易を通じて調達しており、安定的な供給基盤を確保しています。これにより、原料価格の急激な変動リスクを一部緩和し、安定した製品供給を可能にしています。
  • 多角的な事業展開
    製粉・食品事業を核としながらも、外食事業(KFCフランチャイジーなど)や運送事業も展開しています。これにより、特定の事業に依存することなく、市場環境の変化に柔軟に対応できる事業ポートフォリオを構築し、リスク分散と収益機会の拡大を図っています。
  • 品質管理と安全性の追求
    食品安全マネジメントシステム規格(ISO22000、FSSC22000)や環境マネジメントシステム規格(ISO14001)の認証を取得し、国内外の生産工場で徹底した品質管理と品質向上に取り組んでいます。これにより、消費者からの信頼を獲得し、ブランド価値を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針及び経営戦略当社グループは、2024年に創業110周年を迎えたことを契機として、社会における当社の存在意義および目指す姿を明確化するため、新たにパーパスを策定するとともに、ビジョンおよび行動指針を改定いたしました。当該パーパスのもと、企業価値の持続的向上に向けた各種施策に取り組んでおります。2024年5月20日に公表した中期経営計画(2024年度~2026年度)につきましては、その後の事業環境の変化や設備老朽化への対応の必要性等を踏まえ、当初想定していた経営指標の達成が困難となる見通しとなりました。このため、当社グループは中期経営計画の運用を見直し、事業環境の変化に柔軟に対応することを目的として、計画を毎年度更新するローリング方式へ移行しております。本ローリング方式のもとでは、事業環境および経営課題の変化を機動的に計画へ反映することにより、戦略の実効性を高めるとともに、迅速な意思決定を可能とし、パーパスの実現と持続的な企業価値向上を図ってまいります。 ◎パーパス「小麦の持つ無限の可能性で、世界の多様なニーズに挑戦し続ける」 ◎ビジョン「事業基盤の強化により持続的に成長する企業となる」「能動的に細かなニーズを捉え、新規領域での成長に挑戦し続ける」 ◎行動指針「環境に配慮した製品・サービスの開発と提供により、社会に貢献し続ける」「法令と社会規範を遵守し、誇りを持って仕事に臨み続ける」「グローバルな視野をもち、多様な文化を受け入れ、すべてのステークホルダーの満足度を高め続ける」 ◎「中期経営計画 Rolling Plan」 1. 事業戦略① 製販統括機能の強化 調達・開発営業・生産の一体化により製販統括機能を強化し、統合データ基盤の再構築による需給管理の 精緻化を通じて、生産効率の改善と、多様な顧客ニーズに対する最適な供給体制構築を実現してまいります。② エンジニアリング体制の強化 エンジニアリング人財の育成・確保と技術力の標準化を進め、中長期視点での施設管理体制を強化します。③ 老朽化対策の徹底 設備更新・修繕対応の再整備を進め、安全・安定供給の基盤を強化、生産効率の向上を図ります。④ スリーラインモデルの導入 工場・本社・監査の三層による品質管理体制を導入、各機能の役割を明確化することで、食品安全に関する ガバナンスを強化します。⑤ 消費者ニーズを先取りした提案型営業 顧客課題の解決を起点とした提案型営業を推進することで、 多様な顧客ニーズへの対応力強化を図って まいります。⑥ 特徴のある製品の開発・拡販 独自性のある原料・製品の開発と拡販を推進し、収益力の向上を図ります。⑦ 海外事業の拡大及び自立化 成長市場における拡販の推進と共に、海外拠点の自立的な経営基盤を確立します。⑧ 既存事業と親和性が高い事業領域への展開 余剰資金・資産の入替えを成長投資に活用し、隣接領域への事業拡大を推進します。 また新規領域で培った技術・知見を既存事業に還元し、付加価値の向上と新たなニーズの創出につなげます。 ⑨ 稼ぐDXと支えるDXの推進 稼ぐDX(収益機会の拡大)と支えるDX(業務基盤の高度化)の両輪で推進し、持続的に企業価値を向上し てまいります。⑩ 2025年度に導入した新人事制度の運用・キャリアプランニングの強化 2025年に導入した人事制度の運用促進による組織力の強化、人財開発の強化による個の成長支援、多様性 の推進を通じ、持続的な成長を支える人的資本基盤の充実を図ります。⑪ 財務健全性と持続的成長を前提とした安定的な株主還元 累進配当方針を堅持し、基礎収益の拡大を通じた持続的かつ安定的な株主還元の充実を目指します。⑫ サステナビリティへの対応 サステナビリティへの対応を推進し、環境・社会的要請への適合と持続的成長を目指します。 2. 財務KPI、非財務目標中期財務目標 (2028年度) 連結純利益 35億円以上 / 連結ROE 6.9%以上 基礎収益 25億円以上 / 基礎収益ROA 3.6%以上 ※基礎収益の定義:「営業利益-配合飼料用副産物損益」×(1-実効税率)+事業投資損益(持分利益) 中期非財務目標 ・GHG削減比率 2030年のGHGの30%削減達成(2020年対比)に向けた環境対策の推進 ・ダイバーシティ関連 役職者(部長等)女性比率向上 特定技能制度活用による外国人労働者・技術者の活用 (2)経営環境及び対処すべき課題2026年度のわが国の経済は、雇用・所得環境の底堅さを背景に、内需は緩やかな回復基調を維持することが期待されます。一方で、海外情勢の不確実性が高まる中、全体としては力強さを欠く展開が見込まれます。特に、米国とイランを巡る緊張の高まりに伴う中東情勢の不安定化は、ホルムズ海峡を中心としたエネルギー輸送への影響が懸念されます。同海峡は世界の原油および液化天然ガス供給の約2割を担う要衝であり、通航制約や軍事的緊張の継続は、原油価格の高騰やエネルギー調達コストの上昇を招き、企業活動および個人消費に広範な影響を及ぼす可能性があります。このような環境のもと、製粉業界におきましては、エネルギー価格の上昇に伴う製粉工程での電力・燃料費の増加に加え、輸入小麦の海上運賃上昇による調達コストの増大が見込まれ、製造原価全体への上昇圧力が一層強まると想定されます。さらに、肥料や農業資材価格の上昇を通じた穀物価格への波及や、物流費高騰による流通コストの増加も重なり、コスト負担は一段と増加する見込みです。これに伴う製品価格の見直しは需要動向への影響も懸念され、経営環境は引き続き厳しい状況が続くものと考えております。また、当社におきましては、工場の老朽化や人材需給の逼迫といった構造的課題に加え、顧客ニーズの多様化により生産計画や在庫管理の複雑化が進んでおり、従来の部門最適型の運営では機動的な対応が難しくなっております。これらの課題に対応するためには、サプライチェーン全体を俯瞰した統合的な需給管理体制の構築が不可欠であります。このような認識のもと、当社は、今回公表の「中期経営計画 Rolling Plan」において、供給体制の強靭化と製販統括機能の強化を重要課題として位置付けております。調達・開発・営業・生産の一体運営を推進するとともに、統合データ基盤の再構築により需給管理の精緻化を図ってまいります。さらに、S&OP(Sales & Operations Planning)を中核とした全社横断の意思決定プロセスを確立し、SCM(Supply Chain Management)基盤の再構築を通じて業務の標準化および見える化を推進することで、全体最適の実現と迅速かつ柔軟な供給体制の構築に取り組んでまいります。また、三菱商事グループ各社との連携強化や、株式会社増田製粉所との開発および営業面でのシナジー創出を一層推進することで、これらの環境変化を成長機会として捉え、業績拡大につなげてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針及び経営戦略当社グループは、2024年に創業110周年を迎えたことを契機として、社会における当社の存在意義および目指す姿を明確化するため、新たにパーパスを策定するとともに、ビジョンおよび行動指針を改定いたしました。当該パーパスのもと、企業価値の持続的向上に向けた各種施策に取り組んでおります。2024年5月20日に公表した中期経営計画(2024年度~2026年度)につきましては、その後の事業環境の変化や設備老朽化への対応の必要性等を踏まえ、当初想定していた経営指標の達成が困難となる見通しとなりました。このため、当社グループは中期経営計画の運用を見直し、事業環境の変化に柔軟に対応することを目的として、計画を毎年度更新するローリング方式へ移行しております。本ローリング方式のもとでは、事業環境および経営課題の変化を機動的に計画へ反映することにより、戦略の実効性を高めるとともに、迅速な意思決定を可能とし、パーパスの実現と持続的な企業価値向上を図ってまいります。 ◎パーパス「小麦の持つ無限の可能性で、世界の多様なニーズに挑戦し続ける」 ◎ビジョン「事業基盤の強化により持続的に成長する企業となる」「能動的に細かなニーズを捉え、新規領域での成長に挑戦し続ける」 ◎行動指針「環境に配慮した製品・サービスの開発と提供により、社会に貢献し続ける」「法令と社会規範を遵守し、誇りを持って仕事に臨み続ける」「グローバルな視野をもち、多様な文化を受け入れ、すべてのステークホルダーの満足度を高め続ける」 ◎「中期経営計画 Rolling Plan」 1. 事業戦略① 製販統括機能の強化 調達・開発営業・生産の一体化により製販統括機能を強化し、統合データ基盤の再構築による需給管理の 精緻化を通じて、生産効率の改善と、多様な顧客ニーズに対する最適な供給体制構築を実現してまいります。② エンジニアリング体制の強化 エンジニアリング人財の育成・確保と技術力の標準化を進め、中長期視点での施設管理体制を強化します。③ 老朽化対策の徹底 設備更新・修繕対応の再整備を進め、安全・安定供給の基盤を強化、生産効率の向上を図ります。④ スリーラインモデルの導入 工場・本社・監査の三層による品質管理体制を導入、各機能の役割を明確化することで、食品安全に関する ガバナンスを強化します。⑤ 消費者ニーズを先取りした提案型営業 顧客課題の解決を起点とした提案型営業を推進することで、 多様な顧客ニーズへの対応力強化を図って まいります。⑥ 特徴のある製品の開発・拡販 独自性のある原料・製品の開発と拡販を推進し、収益力の向上を図ります。⑦ 海外事業の拡大及び自立化 成長市場における拡販の推進と共に、海外拠点の自立的な経営基盤を確立します。⑧ 既存事業と親和性が高い事業領域への展開 余剰資金・資産の入替えを成長投資に活用し、隣接領域への事業拡大を推進します。 また新規領域で培った技術・知見を既存事業に還元し、付加価値の向上と新たなニーズの創出につなげます。 ⑨ 稼ぐDXと支えるDXの推進 稼ぐDX(収益機会の拡大)と支えるDX(業務基盤の高度化)の両輪で推進し、持続的に企業価値を向上し てまいります。⑩ 2025年度に導入した新人事制度の運用・キャリアプランニングの強化 2025年に導入した人事制度の運用促進による組織力の強化、人財開発の強化による個の成長支援、多様性 の推進を通じ、持続的な成長を支える人的資本基盤の充実を図ります。⑪ 財務健全性と持続的成長を前提とした安定的な株主還元 累進配当方針を堅持し、基礎収益の拡大を通じた持続的かつ安定的な株主還元の充実を目指します。⑫ サステナビリティへの対応 サステナビリティへの対応を推進し、環境・社会的要請への適合と持続的成長を目指します。 2. 財務KPI、非財務目標中期財務目標 (2028年度) 連結純利益 35億円以上 / 連結ROE 6.9%以上 基礎収益 25億円以上 / 基礎収益ROA 3.6%以上 ※基礎収益の定義:「営業利益-配合飼料用副産物損益」×(1-実効税率)+事業投資損益(持分利益) 中期非財務目標 ・GHG削減比率 2030年のGHGの30%削減達成(2020年対比)に向けた環境対策の推進 ・ダイバーシティ関連 役職者(部長等)女性比率向上 特定技能制度活用による外国人労働者・技術者の活用 (2)経営環境及び対処すべき課題2026年度のわが国の経済は、雇用・所得環境の底堅さを背景に、内需は緩やかな回復基調を維持することが期待されます。一方で、海外情勢の不確実性が高まる中、全体としては力強さを欠く展開が見込まれます。特に、米国とイランを巡る緊張の高まりに伴う中東情勢の不安定化は、ホルムズ海峡を中心としたエネルギー輸送への影響が懸念されます。同海峡は世界の原油および液化天然ガス供給の約2割を担う要衝であり、通航制約や軍事的緊張の継続は、原油価格の高騰やエネルギー調達コストの上昇を招き、企業活動および個人消費に広範な影響を及ぼす可能性があります。このような環境のもと、製粉業界におきましては、エネルギー価格の上昇に伴う製粉工程での電力・燃料費の増加に加え、輸入小麦の海上運賃上昇による調達コストの増大が見込まれ、製造原価全体への上昇圧力が一層強まると想定されます。さらに、肥料や農業資材価格の上昇を通じた穀物価格への波及や、物流費高騰による流通コストの増加も重なり、コスト負担は一段と増加する見込みです。これに伴う製品価格の見直しは需要動向への影響も懸念され、経営環境は引き続き厳しい状況が続くものと考えております。また、当社におきましては、工場の老朽化や人材需給の逼迫といった構造的課題に加え、顧客ニーズの多様化により生産計画や在庫管理の複雑化が進んでおり、従来の部門最適型の運営では機動的な対応が難しくなっております。これらの課題に対応するためには、サプライチェーン全体を俯瞰した統合的な需給管理体制の構築が不可欠であります。このような認識のもと、当社は、今回公表の「中期経営計画 Rolling Plan」において、供給体制の強靭化と製販統括機能の強化を重要課題として位置付けております。調達・開発・営業・生産の一体運営を推進するとともに、統合データ基盤の再構築により需給管理の精緻化を図ってまいります。さらに、S&OP(Sales & Operations Planning)を中核とした全社横断の意思決定プロセスを確立し、SCM(Supply Chain Management)基盤の再構築を通じて業務の標準化および見える化を推進することで、全体最適の実現と迅速かつ柔軟な供給体制の構築に取り組んでまいります。また、三菱商事グループ各社との連携強化や、株式会社増田製粉所との開発および営業面でのシナジー創出を一層推進することで、これらの環境変化を成長機会として捉え、業績拡大につなげてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国の経済は、訪日外国人の増加によるインバウンド需要の回復や、雇用・賃金の改善を背景として、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、物価上昇の長期化やエネルギー・原材料価格の高止まり、円安基調の影響に加え、自然災害の発生や地政学リスクに対する懸念等により、個人消費は力強さを欠く状況が続きました。食品業界におきましては、原材料価格、物流費及び人件費の上昇を受けた価格改定の動きが継続するなか、消費者の節約志向及び選別消費の傾向が強まりました。特に、穀物相場の変動や米価の高止まりは家計に影響を及ぼし、主食関連市場においても需要構造の変化が見られました。また、外食・中食需要やインバウンド関連需要は回復の動きが見られたものの、業界全体としては人手不足や物流制約への対応が引き続き重要な経営課題となっております。一方で、食品の安全・安心に対する意識及び健康志向は引き続き高水準で推移しており、高付加価値商品の需要拡大が見られました。さらに、SDGsへの関心の高まりを背景として、食品ロス削減、環境配慮型包装の導入、持続可能な調達など、サステナビリティに関する取り組みも進展しております。このような環境のもと、当社グループは『中期経営計画2026』の達成に向け、当連結会計年度はその2年目として各種施策を推進いたしました。また、物流機能の高度化及び効率化を目的として、連結子会社である日東富士運輸株式会社の株式の3分の2を譲渡し、同社を連結子会社から持分法適用会社へと変更いたしました。これにより、外部パートナーとの連携を強化し、物流体制の最適化を図っております。以上の結果、各種施策の推進により一定の成果は見られたものの、老朽化設備の修繕費の増加、販売運賃をはじめとする各種コストの上昇、並びに飼料用副産物の市況価格の下落により、当期純利益は減少いたしました。 このような状況下、当連結会計年度における当社グループの主な取組みは、下記のとおりであります。 [海外事業の拡大及び自立化] 当連結会計年度における海外事業につきましては、中期経営計画2026における事業戦略「成長市場における量的拡大・質的向上に資する施策の推進」のもと、海外拠点の基盤拡充を進めて参りました。ベトナムのミックス粉製造・販売会社である「NITTO-FUJI INTERNATIONAL VIETNAM CO., LTD.」(以下、NFIV)においては、設立以来培ってきた事業基盤を背景に、開発体制の充実や高付加価値商品の提案強化を推進しております。加えて、新規需要の取り込みやアジア地域への販売展開を進めた結果、売上高・利益ともに堅調に推移いたしました。また、需要拡大や競争環境の変化を踏まえ、生産体制のさらなる強化に向けた検討を進めるなど、将来の成長に向けた基盤整備にも取り組んでおります。タイのミックス粉製造・販売会社である「Nitto Fuji International (Thailand) Co., Ltd.」(以下、NFIT)においては、2019年の製造開始以降、増資の実施や隣接地の取得、生産体制の強化及びライン増設等を通じて、段階的に事業基盤を拡大して参りました。コロナ禍を経て日本向け案件の受注が活発化するとともに、ベトナム拠点からの生産移管により主力製品の生産体制を確立し、販売数量は順調に増加するなど、業績の向上に寄与いたしました。当連結会計年度におきましては、これらNFIV及びNFITの両拠点の連携を強化し、生産及び供給体制の最適化を図るとともに、日本を含めた三拠点体制による相互補完機能の強化を進めて参りました。また、コスト削減の徹底及び品質・安全管理体制の強化を通じて信頼性の向上に努め、収益力の改善及び事業の安定性向上を図りました。これらの取り組みにより、日本・タイ・ベトナムの三拠点による連携を一層深化させ、安定供給体制及びリスク分散体制の強化を通じて、グループ全体の競争力向上を図っております。 [㈱増田製粉所とのシナジー創出・極大化]㈱増田製粉所においては、技術に立脚したブランド価値の向上により顧客満足度を高めるなど、既存取引先との関係強化及び新規顧客の開拓に努めました。「宝笠」という菓子用粉に強みを持っており、全国の菓子業界から高く評価されております。各地の銘菓からコンビニスイーツまでの商品に使用され、和洋菓子店から大手製菓メーカーと幅広くご使用いただいております。完全子会社とした際に施策として掲げた下記 ⅰ)~ ⅴ)について、経営資源、システム、ノウハウなどの相互提供・活用を推進し、両社の企業価値をより一層向上させるシナジー極大化の実現へ向けて、取組みを進めて参りました。 ⅰ)調達戦略 ・ 外国産小麦の産地情報を両社で共有し、競争力のある原料調達を図りました。 ・ 各々で強い関係のある産地の国内産小麦を相互活用するとともに、両社が共同で需給調整を行うことにより 国内産小麦の安定調達を図りました。 ・ 資材の共同購入等により調達コストの低減を図りました。 ⅱ)製造戦略 ・ 適地工場での製造により製造の効率化を図りました。 ・ 製造技術の共有により、製造コストの低減を図りました。 ・ 両社の製品毎の需給情報の共有化により製造体系の最適化を図りました。 ⅲ)販売戦略 ・ 両社の持つ商流を活用し、両社商品の未開拓市場への拡販を図りました。 ・ 三菱商事グループが持つ川上(原料調達)から川下(小売)までの一貫したバリューチェーンを最大限活 用して事業展開を進め、商品の拡販を図りました。 ・ 両社の製造設備を活用し、西日本市場への拡販を図りました。 ・ 大正初期からの秘伝として独特の粉作りを引き継ぎ、さらに改良を重ねた製品である「宝笠小麦粉シリ ーズ」のブランド力強化と地域横断的な展開を推進しました。 ⅳ)研究開発 ・ 両社の技術を融合し高品質な新商品を開発しました。 ・ 研究開発部門が連携し開発ノウハウを共有することによって、商品開発力の向上と効率化を図りました。 ⅴ)物流戦略 ・ 両社の持つ拠点を活用し、物流の効率化を図りました。 ・ 関連会社であるM&Fロジスティクス㈱を活用し、グループ全体の収益力を高めました。 [その他の生産性向上・コスト削減の施策] ⅰ)製販の緊密な連携による生産ロス・廃棄物の削減 ⅱ)グループ会社共通のITインフラ構築(ネットワーク統合)による集中管理・コスト削減 以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 (a)財政状態当連結会計年度末の資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ7億9千6百万円増加し、637億4千2百万円となりました。負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べ1億1千4百万円増加し、136億3千4百万円となりました。純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ6億8千1百万円増加し、501億8百万円となりました。 (b)経営成績当連結会計年度の経営成績は、売上高は727億7千7百万円と前連結会計年度に比べ4億3千6百万円(0.6%)の増収となり、営業利益は38億1千6百万円と前連結会計年度に比べ12億8千万円(25.1%)の減益、経常利益は43億8千6百万円と前連結会計年度に比べ11億7千3百万円(21.1%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は33億1千9百万円と前連結会計年度に比べ2億3千1百万円(6.5%)の減益となりました。セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおります。 製粉及び食品事業当事業部門につきましては、外国産小麦の政府売渡価格が、昨年4月改定で4.6%、同10月改定で4.0%それぞれ値下げとなったことを受け、昨年7月10日納品分及び1月10日納品分から業務用小麦粉の価格改定を実施したことから、売上高は前連結会計年度比若干の減収となりました。営業利益につきましては、当社工場で老朽化した設備に対する修繕費の増加、飼料配合用副産物の価格下落の影響に加え、販売運賃等の間接費の高騰があったため、前連結会計年度比減益となりました。この結果、売上高は605億2百万円と前連結会計年度に比べ2億7千万円(0.4%)の減収となり、営業利益は35億2千3百万円と前連結会計年度に比べ10億5千9百万円(23.1%)の減益となりました。 外食事業当事業部門につきましては、主力のケンタッキーフライドチキン店の新店舗開業等により、前連結会計年度比増収となりました。しかしながら営業利益につきましては、人件費やフードコストなど各種費用の大幅な増加により、前連結会計年度比で大幅な減益となりました。この結果、売上高は122億2千1百万円と前連結会計年度に比べ7億8千2百万円(6.8%)の増収となり、営業利益は2億1千6百万円と前連結会計年度に比べ1億9千8百万円(47.9%)の減益となりました。 運送事業当事業部門を担う日東富士運輸㈱につきましては、2025年10月31日付けで株式の一部(66.6%)を譲渡したことに伴い、2025年11月より連結範囲から除外し、持分法適用関連会社へと移行しております。この連結範囲の変更の影響により、売上高及び営業利益はいずれも前連結会計年度比で減少しました。この結果、売上高は14億5千9百万円と前連結会計年度に比べ5億8千7百万円(28.7%)の減収となり、営業利益は3千9百万円と前連結会計年度に比べ1百万円(4.6%)の減益となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は115億5千4百万円と前連結会計年度に比べ11億2千1百万円(10.8%)増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)税金等調整前当期純利益48億9千2百万円、減価償却費17億9千1百万円等で資金が増加した一方、法人税等の支払額15億7千4百万円等により資金が減少した結果、営業活動によるキャッシュ・フローは46億6千7百万円の資金増加となり、当連結会計年度に獲得した資金は前連結会計年度に比べ3億8千8百万円(7.7%)減少しました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)有形固定資産の取得による支出16億1千2百万円等の結果、投資活動によるキャッシュ・フローは9億3百万円の資金減少となり、当連結会計年度に使用した資金は前連結会計年度に比べ12億8千2百万円(58.7%)減少しました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)配当金の支払額25億5千4百万円等の結果、財務活動によるキャッシュ・フローは25億9千1百万円の資金減少となり、当連結会計年度に使用した資金は前連結会計年度に比べ3億1千4百万円(13.8%)増加しました。 (資金需要の主な内容) ⅰ)株主還元・配当政策株主の皆様への利益還元である配当政策を経営の重要課題の一つとして認識し、安定的かつ継続的な配当の実施を基本としつつも、「資本効率向上と財務安定性を踏まえた資本政策」として配当方針を見直し、より安定的な配当(維持・増配)である累進配当を継続的に実施することにより利益還元を一層強化し、株主の皆様のご期待にこたえて参ります。当連結会計年度においては、1株あたり年間280円(2025年3月期期末配当140円、2026年3月期中間配当140円)、総額25億5千4百万円の配当金支払いを実施しました。また、2026年5月7日に開催された取締役会決議により、2026年3月31日現在の株主に対し、1株当たり期末配当140円、総額12億7千7百万円の支払いを2026年6月9日に実施しております。 ⅱ)設備投資当社グループは、生産能力増強や合理化によるコスト競争力の向上、並びに将来の利益確保を目的に、継続的な設備投資が必要と考えております。当連結会計年度においては、有形固定資産の取得による支出は16億1千2百万円であり、使用した資金は、前連結会計年度に比べ10億4千9百万円(39.4%)減少しました。無形固定資産の取得による支出は1千4百万円であり、使用した資金は、前連結会計年度に比べ1千1百万円(44.3%)減少しました。なお、これらの設備投資額は自己資金により賄われております。 (連結キャッシュ・フロー指標推移) 2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)77.278.478.5時価ベースの自己資本比率(%)75.496.8103.1キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.10.10.1インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)2,412.81,460.4953.5 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い(注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。2 株式時価総額は、期末株価終値×当社の期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。3 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用 しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債 を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用し ております。 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は115億5千4百万円、連結有利子負債の残高は4億9千7百万円となっております。現金及び現金同等物の保有額について厳密な目標水準は定めておりませんが、金融情勢などを勘案しつつ、機動的な対応に備え十分な現金及び現金同等物を保有する事としております。 ③生産、受注及び販売の実績(a)生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)製粉及び食品事業54,497△0.6合計54,497△0.6 (注) 金額は、販売価格によっております。 (b)受注実績重要な受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。 (c)販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)製粉及び食品事業60,492△0.4外食事業12,2196.8運送事業65△54.4合計72,7770.6 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)三菱商事㈱10,99115.210,82414.9 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①重要な会計上の見積もり及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ②当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。 (a)財政状態の分析(資産の部)当連結会計年度末の総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ7億9千6百万円増加し、637億4千2百万円となりました。この主な要因は、短期貸付金(キャッシュ・マネジメント・システムによる実質的な現金及び現金同等物)が13億9千5百万円、原材料及び貯蔵品が6億6千1百万円増加した一方、流動資産その他(仮払金・未収入金)等が9億4千万円減少したこと等となります。また、当期にM&Fロジスティクス㈱(旧:日東富士運輸㈱)が完全子会社から持分法適用会社へ移行し、連結範囲から除外されたことに伴い、流動資産が5億6千7百万円、固定資産が4億3千3百万円それぞれ減少しております。(負債の部)当連結会計年度末の負債の残高は、前連結会計年度末に比べ1億1千4百万円増加し、136億3千4百万円となりました。この主な要因は、損害賠償損失引当金が5億1千9百万円減少した一方、固定負債その他(長期預り金)が4億4千9百万円増加したこと等となります。また、M&Fロジスティクス㈱の連結範囲除外に伴い、流動負債が3億3千5百万円、固定負債が2億3千8百万円それぞれ減少しております。(純資産の部)当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ6億8千1百万円増加し、501億8百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が4億8千万円、退職給付に係る調整累計額が4億6千2百万円増加した一方、その他有価証券評価差額金が3億5千5百万円減少したこと等となります。 (b)経営成績の分析(売上高及び営業利益)当連結会計年度の当社グループ業績は、株式譲渡による売上高及び営業利益への影響は若干あったものの、主力である小麦粉の販売数量が堅調に推移したこと等により、売上高は727億7千7百万円と前連結会計年度に比べ4億3千6百万円(0.6%)の増収となりました。利益面につきましては、製粉及び食品事業における販売運賃等のコスト上昇分の価格転嫁の遅れに加え、老朽化設備の修繕費増加、外食事業における人件費やフードコスト等の増加が利益を圧迫し、営業利益は38億1千6百万円と前連結会計年度に比べ12億8千万円(25.1%)の減益となりました。(営業外損益及び経常利益)当連結会計年度の営業外損益は、市場金利動向を踏まえた貸付利率の上昇による受取利息の増加や、前期に発生した為替差損の反動等により、前連結会計年度に比べ1億7百万円増加した結果、5億7千万円の利益となりました。これにより、経常利益は43億8千6百万円と前連結会計年度に比べ11億7千3百万円(21.1%)の減益となりました。(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の特別損益は、前中間連結会計期間に計上した損害賠償損失の反動や、当第4四半期に投資有価証券売却益を計上した一方、外食事業店舗に係る減損損失が発生したことから、前連結会計年度に比べ8億1千5百万円増加し、5億5百万円の利益となりました。 以上の結果、税金等調整前当期純利益は48億9千2百万円となり、税金費用15億5千6百万円、非支配株主に帰属する当期純利益1千5百万円を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は33億1千9百万円と前連結会計年度に比べ2億3千1百万円(6.5%)の減益となりました。 (c)キャッシュ・フローの分析当連結会計年度の当社グループのキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりであります。(資金需要・資金調達)当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに製造設備の新設、改修等に係る投資によるものであります。必要な資金は、主に営業活動によって得られるキャッシュ・フローと、金融機関などからの借入れにより調達しております。なお、調達コストの観点から、長期と短期のバランスを勘案し、低コストかつ安定的な資金確保に努めております。また、運転資金等の安定的な調達を行うため、取引金融機関と当座貸越契約を締結しており、2026年3月末現在の契約総額は、約80億円(うち、借入実施額4億円)であります。(資金の流動性)当社グループは、当社及び国内連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、グループ内資金を当社が一元管理しております。各社における余剰資金を当社へ集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的にグループ内に配分することにより、資金効率の向上と金融負債の極小化を図っております。なお、当社が一元管理するグループ余剰資金は、CMSにより親会社(三菱商事㈱)が同一であるグループ会社(三菱商事フィナンシャルサービス㈱)へ貸付しており、安全性並びに流動性の高い運用であると考えております。

事業リスク

  • 景気・業界動向リスク
    国内の人口減少や少子高齢化により、食品業界全体で需要の大きな成長が見込みにくい状況です。国際貿易協定による輸入食品の関税撤廃・削減が進むと、輸入品への需要シフトが起こり、グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 小麦粉原料調達リスク
    輸入小麦の多くを政府が管理しているため、貿易交渉や政府の政策変更により調達方法が見直される可能性があります。また、世界的な需給変動や為替変動による調達コスト上昇が製品価格に転嫁できない場合、経営成績に重要な影響を与える恐れがあります。
  • 事故災害リスク
    地震、台風、豪雨などの自然災害や火災・爆発事故により、製造設備の破損や操業停止、物流機能の麻痺が発生する可能性があります。特に主要拠点である関東地区で大規模な災害が発生し、復旧に時間がかかったり多額の費用がかかったりした場合、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,660 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループでは、取引与信・原料調達・金融・為替などの事業リスクに加えて、コンプライアンス、環境、災害、品質、情報セキュリティ等に係るリスクについても、それぞれの担当部署において、規則・ガイドラインの制定、研修の実施、マニュアルの作成・配付等を実施してリスク管理を遂行しております。更に、緊急事態の発生、あるいは緊急事態につながるおそれのある事実が判明した際は、グループ各社の危機管理組織等と連携・協議し、迅速かつ適正な対応を行い、リスクの低減に努めるものとしております。また、「リスク管理規定」に基づき、管理本部が「発生する可能性のあるリスクの把握・分析」、「それらリスクの管理体制の確認」、並びに「発生したリスクへの対応状況」を取り纏め、取締役会に定期報告する体制としております。 ①景気・業界動向食品業界におきましては、国内の人口減少による需要減少や今後さらに進展する少子高齢化の影響により、中長期的には大きな成長を見込みにくい状況であります。製粉業界におきましても、国内市場は伸び悩んでおり、厳しい経営環境が予想されます。また、諸外国との国際貿易協定の発効により輸入食品の関税の撤廃・削減が進んでおり、国産から輸入品へ需要が大きくシフトした場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、これらの市場環境の変化に対応できるよう新市場開拓を目指し、積極的な海外展開により事業拡大に取り組み、また、安全・安心・美味しさを追求した商品の安定的な生産と、収益の確保に注力して参ります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。 ②小麦粉原料調達リスク当社グループ製品の主原料である輸入小麦は、その殆どを国家貿易により政府が一元的に管理しております。そのため、小麦輸出国との貿易交渉や政府による麦政策の動向により、小麦の調達方法が大幅に見直される可能性があります。また、世界的な食料需給構造の変化や気候変動による小麦相場の急騰及び、為替変動の影響等により調達コストが上昇し、製品価格の改定が適正に行われなかった場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、需要に応じた主要原料の安定的な調達や、資材の一括大量購入・歩留まり向上等によるコストダウン、並びにコストの変動に応じた販売価格の改定によりリスクの低減を図っております。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。 ③事故災害リスク大規模な地震・台風・豪雨等の自然災害や火災・爆発等の事故発生により、製造設備の破損、電気・ガス・水道の遮断による製造停止、倉庫損壊及び保管製品破損による出荷停止、物流機能麻痺、事務所施設の損壊、交通機関麻痺による従業員の通勤不能等、事業活動が停止する可能性があります。生産拠点の操業に支障が生じた際は、他の生産拠点からの供給等を行う対応をいたしますが、主要拠点である関東地区において想定を超える災害・事故が発生し、事業活動の復旧に長期を要した場合や、施設等の改修に多額の費用が発生した場合などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、大規模な災害・事故が発生した際は、早急に被害状況を把握するため、従業員の安否確認システムを導入するなど、緊急時の連絡体制強化を進めております。また、定期的な訓練実施により、対応力強化と災害対応意識の啓発に努めております。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。 ④設備・固定資産に関するリスク当社グループは多数の固定資産を保有しておりますが、製造設備の一部には導入から長期間が経過したものがあり、老朽化に伴う故障や性能低下が発生した場合、生産効率の低下や修繕費の増加等により、業績に影響を与える可能性があります。設備導入に際しては、収益性や投資回収可能性を十分に検討しておりますが、事業計画との乖離が生じた場合には、減損処理が必要となる可能性があり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼすことが懸念されます。なお、当社グループでは、長期修繕計画に基づき、設備の現況を把握しながら修繕・更新を計画的に実施することで、リスクの低減に努めております。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。 ⑤為替リスク当社グループは海外連結子会社を有して事業展開しているため、為替リスクを負っております。海外連結子会社における資産・負債については、円高が進行すると換算差額を通じ自己資本が減少するリスクがあります。また、海外連結子会社の連結純利益に占める比率も上がってきていますが、これらの収益は外貨建てであり、外国通貨(ベトナムドン・タイバーツ)に対して円高が進むと、連結純利益にマイナスインパクトを与えます。一方、本国で行う輸出入取引から発生する、外貨建債権及び債務等は為替レートの変動によるリスクを有しておりますが、このリスクは為替予約等によってヘッジしており影響は限定されます。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。 ⑥投資リスク・カントリーリスク当社グループは海外戦略としてアジア市場における事業の拡大に努めておりますが、海外における事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商習慣の違いなど様々なリスクが存在します。これらのリスクが顕在化し、事業継続が困難となった場合には、減損損失や事業撤退損失等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、これらのリスクの低減を図るため、海外子会社との連携を密にして海外戦略の見直しを行う一方で、監査体制の強化など経営管理・リスク管理体制の整備にも努めております。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。 ⑦コンプライアンスリスク当社グループは不当景品類及び不当表示防止法・食品衛生法・製造物責任(PL)法など、各種法的規制の遵守を求められており、社内規程の整備や、各所管部門と法務部門との緊密な連携により全ての法的要請に応える体制を構築しております。しかしながら、想定外の法的規制強化や新たな規制の発生、異物混入及び品質・表示不良品の流通による回収費用や訴訟・損害賠償、商品の品質や安全性を確保するためのトレーサビリティーの強化・システム構築などの費用が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、安全・安心な製品の提供を確保するため、国内外の生産工場では、食品安全マネジメントシステム規格の「ISO22000」「FSSC22000」、環境マネジメントシステム規格の「ISO14001」の認証を取得し、品質管理の徹底と品質向上に向けた取組みを実施しております。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。 ⑧情報セキュリティリスク当社グループは、製造・販売等の基幹業務および経営管理に係る多くのシステムを運用しております。これらのシステムについては、故障等の障害に加え、外部からのマルウェア感染等のサイバー攻撃によるIT資産の毀損リスク、並びにそれに起因する事業活動の遅延または停滞のリスクが存在します。これらのリスク低減を図るため、各種ITセキュリティツールの導入によるゼロトラスト対策を推進し、システムの堅牢性向上に努めております。また、グループ横断的な体制のもとでITガバナンスの強化を図るとともに、従業員への情報セキュリティ教育の実施によるリテラシー向上にも取り組んでおります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。 ⑨伝染病・感染症リスク日本国内および事業展開している地域において、今後新たな未知のウイルスが流行し、想定を上回って感染が拡大した場合、製粉及び食品事業においては景気悪化による小麦粉消費量の減少や、原材料の価格高騰・調達の困難、また得意先の財政状態悪化による売上消失や、売上債権回収の困難等が生じ、外食事業においては店舗の休業や営業時間の短縮による売上減少等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。

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