2158

FRONTEO(2158)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • AIソリューション事業
    FRONTEOは、独自の自然言語処理AI「KIBIT」を核に、AI創薬、AI医療機器、ビジネスインテリジェンス、経済安全保障の4分野でAIソリューションを提供しています。例えば、AI創薬では新薬開発の効率化を支援し、AI医療機器では認知機能検査用AIプログラム医療機器の開発を進めるなど、幅広い産業の課題解決に貢献しています。
  • リーガルテックAI事業
    この事業では、AI「KIBIT」を活用し、企業内の不正調査(デジタル・フォレンジック)や国際訴訟における電子証拠開示支援(eディスカバリ)を行っています。PCやスマホのデータ解析を通じて不正の原因究明を助けたり、国際訴訟で必要な電子データの特定から提出までを一貫してサポートすることで、企業の危機対応や訴訟対応の負担を軽減しています。
  • 多様なAI活用
    FRONTEOのビジネスモデルは、自社開発のAI技術を基盤として、様々な社会課題や企業のニーズに対応するソリューションを提供することで収益を上げています。特に、専門性の高い分野でのAI活用に強みがあり、技術開発と顧客ニーズへの対応を通じて持続的な成長を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • AIソリューション事業
    この事業は、FRONTEOの主要な収益源の一つであり、売上高は26.07892億円、営業利益は2.77703億円です。ライフサイエンスAI(AI創薬、AI医療機器)、ビジネスインテリジェンス、経済安全保障の3分野で、独自のAI「KIBIT」を活用したソリューションを提供しています。特にAI医療機器分野では、認知機能検査用AIプログラム医療機器の開発を進めるなど、成長が期待される領域です。
  • リーガルテックAI事業
    もう一つの主要事業であり、売上高は34.9151億円、営業利益は2.49846億円と、AIソリューション事業を上回る売上を上げています。この事業では、AI「KIBIT」を用いて、企業内の不正調査(デジタル・フォレンジック)や国際訴訟における電子証拠開示支援(eディスカバリ)を行っています。日本と韓国市場を中心に展開しており、企業の危機管理や訴訟対応をサポートしています。
  • 二つの柱による事業展開
    FRONTEOは、AIソリューション事業とリーガルテックAI事業の二つのセグメントを柱として事業を展開しています。両事業ともに自社開発のAI「KIBIT」を基盤としており、それぞれ異なる市場ニーズに対応することで、事業ポートフォリオの多様化と安定した収益基盤を構築しています。特にリーガルテックAI事業は、売上規模で貢献度が高いことが分かります。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ArtificialIntelligenceSolutionsReportableSegment 事業 26 3 10.6%
RegaltechArtificialIntelligenceReportableSegment 事業 35 2 7.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,435 文字
3 【事業の内容】当社グループは株式会社FRONTEO及び連結子会社5社(2026年3月31日現在)で構成され、(1)ライフサイエンスAI事業、(2)リスクマネジメント事業、(3)DX事業の3つのセグメントで展開しております。各事業の内容は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報)」をご参照ください。 (1) ライフサイエンスAI事業 ① AI創薬分野AI創薬分野においては、新薬開発における標的分子の枯渇や適応症探索の難しさが課題として捉えられております。この課題を解決する一つの方法として、当社は方程式駆動型AI「KIBIT(キビット)」による自然言語処理AI技術を活用し、文献情報などの解析を通して、文献に記載のない疾患と創薬標的分子の関連性を体系的に発見する独自技術(特許申請済み)を確立しております。この技術を活用し、疾患関連性の高い未報告の標的分子の抽出に加え、その根拠となる疾患メカニズムの仮説提示を可能とする、AI創薬支援サービス“Drug Discovery AI Factory”(以下、DDAIF)を提供しております。また、DDAIFを活用したビジネスモデルとして、「共創プロジェクト」、「包括的共創モデル」、「DDAIF Innovation Bridge」及び「自社研究・共同研究」の4つのモデルを展開しており、製薬企業やバイオベンチャー、アカデミア等と連携をしながら創薬研究の効率化・短期化・成功確率向上に貢献しております。 ② AI医療機器分野AI医療機器分野では、世界に先駆けた自然言語処理AI技術を用いた医療機器「会話型 認知機能検査用AIプログラム医療機器(SDS-881)」の日本での製造販売承認取得及び社会実装に向けた開発は順調に進捗しております。また、医療機器の開発と並行して、非医療機器における産業横断アライアンスの一環として「トークラボKIBIT」をリリースし、2025年10月1日よりサービスの提供を開始しました。加えて、統合失調症やADHDなどの他の精神神経疾患領域を対象とした医療機器及び非医療機器開発も検討を進めており、対応疾患領域の拡大を目指しております。 (2) リスクマネジメント事業 ① ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野においては、方程式駆動型AI「KIBIT」を活用した「KIBIT Eye(キビット アイ)」、「KIBIT Knowledge Probe(キビット ナレッジ プローブ)」を中心とした監査ソリューションを通じて、大手企業の法令・コンプライアンス全般及び各種規制対応を支援しております。 ② リーガルテックAI分野リーガルテックAI分野においては、国内を中心とした不正調査(デジタル・フォレンジック調査)及び電子データの保全・調査分析(eディスカバリ支援)を展開しております。デジタル・フォレンジック調査では、社内不正や情報漏洩などの有事発生時に、PCやスマートフォンなどのデジタルデバイスから取得したデータを専門的に解析し、事実関係の解明を支援しております。また、有事の際に設置される第三者委員会や特別調査委員会などでも、当社の技術が活用され、企業の迅速かつ的確な危機対応にも貢献しております。eディスカバリ支援では、国際訴訟や規制対応に必要な電子証拠の開示プロセスを、データの特定・保全から処理、ドキュメントレビュー、提出用データの作成までワンストップで支援しております。これにより、企業の負担を軽減し、迅速かつ正確な対応を実現しております。 ③ 経済安全保障分野経済安全保障分野においては、世界情勢や社会構造の急激な変容を背景に、調達リスクや各国の規制に伴う制裁リスクが一層高まっております。国際的に事業を展開する企業では、リスク対策の不備や対応の遅れによる機会損失や信用低下への懸念が強まっており、サプライチェーンリスクの可視化や、制裁リスト対象国・組織による実質支配の把握ニーズが拡大しております。また、重要技術の流出防止や情報漏洩リスクへの対応を含めた包括的なリスク管理体制の整備が喫緊の課題となっており、平時の段階からこれらのリスクへの対応が急務となっています。当社はこれらの懸念及び課題に対応するため、「KIBIT Seizu Analysis(キビット セイズ アナリシス)」を活用したサプライチェーン解析、株主支配ネットワーク解析、研究者ネットワーク解析ソリューションを提供しております。これらの解析結果を基にした、取引先のデューディリジェンスや対策提言を行うことで、平時からの経済安全保障対策を総合的に支援しております。 (3)DX事業 日本においては、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の必要性が長年にわたり指摘されているものの、その導入効果を十分に実感できていない企業が依然として散見されます。その背景には、既存のレガシーシステムの刷新が進まず、社内に分散するデータのデジタル化及び統合が十分に進捗していないことが、主な要因として挙げられます。こうした課題に対応すべく、当社は2025年4月30日に子会社化した株式会社アルネッツが提供するソリューションを活用して、企業内に分散するデータの統合及びデジタル化を実現し、企業のDX推進のための基盤整備を進めております。さらに、当社のプロフェッショナル支援ソリューションを組み合わせることで、DX推進の初期段階からAI導入・高度化に至るまで一貫した支援を提供し、DX事業の持続的な成長に向けた取り組みを加速させてまいります。 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
独自の自然言語処理AI技術「KIBIT」を基盤としたソリューションを提供。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
自社開発の特化型AI「KIBIT」による自然言語処理技術(日本・米国・欧州で特許取得済み)。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:事業計画が想定目標を達成できない可能性 / 技術革新への対応の遅れ / 機密情報の喪失や個人情報の漏洩
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

独自のAI技術(特に自然言語処理、画像認識)を基盤としたサービスを展開。特許やノウハウの蓄積が競争優位性の源泉となり得る。しかし、AI技術の進化は速く、他社の追随や代替技術の出現リスクも存在する。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

顧客がFRONTEOのAIプラットフォームにデータを蓄積・活用している場合、他社への乗り換えにはデータ移行やシステム再構築のコストが発生する可能性がある。しかし、サービス内容によっては乗り換え障壁はそれほど高くない可能性もある。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

現時点では、明確なネットワーク効果(利用者が増えるほどサービス価値が高まる構造)は観察されない。BtoBサービスが中心であり、プラットフォーム上での利用者間の直接的な相互作用は限定的。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

AI開発・運用には一定のコストがかかるが、それが直接的な価格競争優位性につながるわけではない。規模の経済によるコスト削減効果も現時点では限定的。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

売上規模はまだ大きくなく、AI技術開発への先行投資が先行している段階。グローバル展開を進めているが、大手IT企業と比較すると規模の面での優位性は小さい。

  • 独自のAI技術
    FRONTEOは、自社開発の特化型AI「KIBIT」を競争力の源泉としています。このAIは、自然言語処理技術と解析結果をマップ化する構造化技術において、日本・米国・欧州で特許を取得しており、他社にはない独自の技術基盤を持っています。これにより、複雑な非構造化データから意味のある情報を抽出し、様々な社会課題の解決に貢献しています。
  • 専門分野への特化
    同社は「ライフサイエンス」「経済安全保障」「ビジネスインテリジェンス」「リーガルテック」という高度な専門性を要する4つの事業分野に特化してAIソリューションを提供しています。これにより、各分野の深い知識とAI技術を組み合わせることで、顧客の具体的な課題に対してより精度の高い、実践的な解決策を提供できる点が強みです。
  • 市場の先駆者
    FRONTEOは、他社に先駆けてユーザーのビジネスにAIを実装してきたフロントランナーとしての実績があります。これにより、AI市場における豊富な経験とノウハウを蓄積しており、急速に変化する技術やクライアントのニーズに対応する上で有利な立場にあります。特に医療機器分野では、世界に先駆けたAI医療機器の開発を進めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは「Bright Valueの実現~集合知に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する~」という企業理念のもと、方程式駆動型AI「KIBIT」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造することで、社会のさまざまな場面で必要かつ適切な情報に出会えるフェア(fair)な世界の実現を目指しております。 当社グループは、中期経営計画(ステージ4)の達成に向け、ライフサイエンスAI事業を中核事業と位置付けております。2025年4月30日付で株式会社アルネッツ(以下、アルネッツ)を子会社化し製造業向けDX事業の強化を決定したことを背景に、当連結会計年度において、事業ポートフォリオの再編を実施し、報告セグメントを変更しております。これに伴い、前年同期の数値を変更後の数値に組替えて比較しております。 また、2027年3月期より、「DX事業」セグメントに含まれていたビジネスインテリジェンス・プロフェッショナル支援分野を「リスクマネジメント事業」セグメントへ移管し、「DX事業」セグメントはアルネッツのみで構成される体制に報告セグメントの区分を変更することといたしました。 当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりです。 (ライフサイエンスAI事業)ライフサイエンスAI事業では、自然言語処理技術を強みとする方程式駆動型AI「KIBIT」を活用し、AI創薬とAI医療機器の2つの分野において、さらなる事業拡大を進めてまいります。創薬事業の成長により黒字化を予定しており、今後の非連続的な成長を目指してまいります。 AI創薬分野日本政府が2024年12月3日に「創薬力強化・後発医薬品などの安定供給確保に向けた政策パッケージ」を公表して以降、日本国内では創薬力強化の動きが活発化しております。一方で、新薬開発における標的分子の枯渇や適応症探索の難しさが国家的課題として認識されております。これらの課題に対する解決策として、当社は方程式駆動型AI「KIBIT」を活用し、疾患関連性の高い未報告の標的分子を抽出するとともに、その根拠となる疾患メカニズムの仮説を提示するAI創薬支援サービス“Drug Discovery AI Factory”(以下、DDAIF)を提供しております。DDAIFを軸としたAI創薬のビジネスは、「共創プロジェクト」、「包括的共創モデル」、「DDAIF Innovation Bridge」に加え、「自社研究・共同研究」を含む4つのモデルへと拡張しています。現在、特定テーマやプロジェクトを起点として、DDAIFを活用した「共創プロジェクト」が複数の製薬企業と進行しております。今後は、これまでの成功実績を基盤として案件拡大を図るとともに、製薬企業の研究開発戦略全般に対する意思決定を支援する「包括的共創モデル」への発展を推進してまいります。また、「DDAIF Innovation Bridge」を起点とした各共創プロジェクトについては、プロフィットシェア型での共同研究・事業化を推進し、収益の安定化と非連続的な収益機会創出の両立を図ってまいります。これにより、従来の共創プロジェクトによる積み上げ型の収益構造から、導出による一時金やマイルストーン、ロイヤルティ型の収益構造に変革を進め、成功確率の高い創薬パイプラインを多数所有する新たなビジネスモデルへの成長を進めてまいります。「自社・共同研究」では、国立大学法人東京科学大学に共同研究拠点を配置するなど、同校との連携を強化し、仮説生成から実験検証までの一体化した研究体制を構築し、高い新規性を持つ創薬パイプラインの創出を推進してまいります。加えて、オクラホマ大学との共同研究を通じて、臨床外挿性の高い研究開発を推進してまいります。今後は、DDAIFを核とした創薬エコシステムを構築し、創薬プロセスの効率化、開発期間の短縮及び成功確率の向上を実現することで、非連続的な成長を目指してまいります。 AI医療機器分野AI医療機器分野では、2024年2月に塩野義製薬株式会社(以下、塩野義製薬)と「認知症・うつ病の診断支援AIプログラム事業に関する戦略的業務提携契約」を締結以降、「会話型 認知機能検査用AIプログラム医療機器(SDS-881)」の日本での製造販売承認取得及び社会実装に向けた開発は順調に進捗しております。開発の進展に応じたマイルストーンフィー、製品上市後の販売額に応じたロイヤルティフィーを受領する予定であり、中長期的な収益基盤の構築を進めております。認知症領域の医療機器については、2026年度中の承認を目指し開発を継続しております。同領域の非医療機器に関する産業横断アライアンスについては、日本生命保険相互会社及び朝日生命保険相互会社への導入を皮切りに、その他の保険会社や金融機関等とのアライアンス拡大を進めてまいります。また、統合失調症やADHDなどの精神神経疾患領域を対象とする医療機器及び非医療機器の開発検討も進めており、対応領域の拡大を図ってまいります。今後も、世界初の自然言語処理AIを用いた医療機器及び非医療機器の開発、事業化、早期市場浸透を通じた社会実装を推進するとともに、パイプラインの拡充を通じた非連続的な成長を目指してまいります。 (リスクマネジメント事業)リスクマネジメント事業の各分野においては、従来からの強みを活かし個々のソリューション導入やサービスの提供を行いつつ、各分野の連携を強め、クライアントが直面する「平時」・「有事」におけるリスク解決を、全体最適の視点でサポートしてまいります。 ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野企業の不正リスクの未然防止に関する社会的な要請が高まっており、コンプライアンス体制構築の急務を背景に、情報漏洩、人権問題、品質不正といった社会的関心の高い課題への対応ニーズが拡大するなか、AI監査ソリューションの導入が進んでいます。こうした環境のもと、戦略的なプロダクトの選択と集中を実行し、中期的な競争力強化を優先する方針のもと、売上の一時的な減少を許容しつつ、収益性の高い事業構造への転換を推進してまいります。「KIBIT Eye」「KIBIT Knowledge Probe」を中心とした、平時におけるコンプライアンス監査ソリューションの提供に注力するとともに、大手顧客に対する取引拡大を軸とした活動を通じてリカーリング収益の拡大を図り、当社グループの収益基盤の安定化と継続的な成長を目指してまいります。 ビジネスインテリジェンス・プロフェッショナル支援分野当社がプロフェッショナル支援分野のソリューションを展開する製造業においては、国内生産年齢人口の減少が加速する中、AI等の先進技術活用を前提とした生産革新が求められています。こうした課題と需要を背景として、プロフェッショナル支援分野は今後さらなる成長拡大が期待されます。当社は、戦略的なプロダクトの選択と集中を実行し、中期的な競争力強化を優先する方針のもと「KIBIT Libria(キビットリブリア)」、「匠KIBIT零(タクミキビットゼロ)」を製品ラインナップの中心として位置付け、多様化する企業ニーズを的確に捉えた開発と徹底した内部稼働率管理を通じて生産性の向上を図ってまいります。 リーガルテックAI分野リーガルテックAI分野において当社は、日本における有事対応サポートのリーディングカンパニーとして、圧倒的に豊富な実績と高い信頼性を強みとして、方程式駆動型AI「KIBIT」を活用した国内デジタル・フォレンジック調査事業を中心に展開してまいります。また、当社が独自に運営する、ポータルサイト「FRONTEO Legal Link Portal」や、企業の法務・コンプライアンス担当者同士で実践知や課題を共有し、リスクマネジメントの強化及び高度化を図ることを目的として設立されたコミュニティ「Risk Initiative Community」を通じたマーケティング活動及び営業活動を積極的に展開しております。顧客基盤と継続的な接点強化を通じて、収益相関性の高い事業運営を継続してまいります。 経済安全保障分野経済安全保障分野では、世界情勢と社会構造の急激な変容を背景に、調達リスクや各国の規制に伴う制裁リスクが一層高まっております。国際的に事業を展開する企業では、リスク対策の不備や対応の遅れによる機会損失や信用低下への懸念が強まっており、サプライチェーンリスクの可視化や、制裁リスト対象国・組織による実質支配の把握ニーズが拡大しております。また、重要技術の流出防止や情報漏洩リスクへの対応を含めた包括的なリスク管理体制の整備が喫緊の課題となっています。近年、国際的な研究活動においても、外国からの不当な影響(FOCI:Foreign Ownership, Control or Influence)への懸念が高まっており、政府においても、2025年12月に「研究セキュリティの確保に関する手順書」が策定されるなど、対策強化が進められています。一方、研究機関の現場では、研究者本人や共同研究先、研究インフラ、資金源等に関する膨大な情報確認作業が負担となり、研究時間の圧迫や国際共同研究への参画意欲低下といった新たな課題が顕在化しています。これらの課題に対し、当社は「日本の科学技術は日本の技術で守る」というコンセプトのもと、「KIBIT Seizu Analysis」を活用し、研究者の事務負担を最小限に抑えながら、技術流出リスクを高精度かつリアルタイムに可視化するシステムの開発・実装を進めてまいります。これにより、日本の研究セキュリティ水準を世界最高水準へ引き上げるとともに、国際共同研究を持続可能に支える研究環境の整備に貢献してまいります。また、政府の政策動向と連動しながら、経済安全保障政策の実装を担う官公庁、研究機関、企業への支援を拡大してまいります。今後も、リカーリング収益基盤の拡大強化を図るとともに、経済安全保障分野におけるAIソリューションのリーディングカンパニーとして、リニアな成長を目指してまいります。 (DX事業) 株式会社アルネッツ・DX内製化支援、システム開発分野アルネッツは、独国Siemens社が提供するローコードプラットフォーム「Mendix(メンディックス)」を活用したDXソリューションを通じて、コスト抑制はもとより最適化を前提とした基幹システムのモダナイゼーションを実現してまいりました。現在の「Mendix」導入先企業は製造業が中心であり、基幹システムやPLMとの連携システムとして活用されるケースが多く見られます。当社のプロフェッショナル支援ソリューション「KIBIT」を「Mendix」へアドオンすることで新たな付加価値を創出し、双方の顧客基盤に対するクロスセル効果を通じたソリューション提供領域の拡大を目指し、DX事業の基盤を築いてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは「Bright Valueの実現~集合知に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する~」という企業理念のもと、方程式駆動型AI「KIBIT」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造することで、社会のさまざまな場面で必要かつ適切な情報に出会えるフェア(fair)な世界の実現を目指しております。 当社グループは、中期経営計画(ステージ4)の達成に向け、ライフサイエンスAI事業を中核事業と位置付けております。2025年4月30日付で株式会社アルネッツ(以下、アルネッツ)を子会社化し製造業向けDX事業の強化を決定したことを背景に、当連結会計年度において、事業ポートフォリオの再編を実施し、報告セグメントを変更しております。これに伴い、前年同期の数値を変更後の数値に組替えて比較しております。 また、2027年3月期より、「DX事業」セグメントに含まれていたビジネスインテリジェンス・プロフェッショナル支援分野を「リスクマネジメント事業」セグメントへ移管し、「DX事業」セグメントはアルネッツのみで構成される体制に報告セグメントの区分を変更することといたしました。 当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりです。 (ライフサイエンスAI事業)ライフサイエンスAI事業では、自然言語処理技術を強みとする方程式駆動型AI「KIBIT」を活用し、AI創薬とAI医療機器の2つの分野において、さらなる事業拡大を進めてまいります。創薬事業の成長により黒字化を予定しており、今後の非連続的な成長を目指してまいります。 AI創薬分野日本政府が2024年12月3日に「創薬力強化・後発医薬品などの安定供給確保に向けた政策パッケージ」を公表して以降、日本国内では創薬力強化の動きが活発化しております。一方で、新薬開発における標的分子の枯渇や適応症探索の難しさが国家的課題として認識されております。これらの課題に対する解決策として、当社は方程式駆動型AI「KIBIT」を活用し、疾患関連性の高い未報告の標的分子を抽出するとともに、その根拠となる疾患メカニズムの仮説を提示するAI創薬支援サービス“Drug Discovery AI Factory”(以下、DDAIF)を提供しております。DDAIFを軸としたAI創薬のビジネスは、「共創プロジェクト」、「包括的共創モデル」、「DDAIF Innovation Bridge」に加え、「自社研究・共同研究」を含む4つのモデルへと拡張しています。現在、特定テーマやプロジェクトを起点として、DDAIFを活用した「共創プロジェクト」が複数の製薬企業と進行しております。今後は、これまでの成功実績を基盤として案件拡大を図るとともに、製薬企業の研究開発戦略全般に対する意思決定を支援する「包括的共創モデル」への発展を推進してまいります。また、「DDAIF Innovation Bridge」を起点とした各共創プロジェクトについては、プロフィットシェア型での共同研究・事業化を推進し、収益の安定化と非連続的な収益機会創出の両立を図ってまいります。これにより、従来の共創プロジェクトによる積み上げ型の収益構造から、導出による一時金やマイルストーン、ロイヤルティ型の収益構造に変革を進め、成功確率の高い創薬パイプラインを多数所有する新たなビジネスモデルへの成長を進めてまいります。「自社・共同研究」では、国立大学法人東京科学大学に共同研究拠点を配置するなど、同校との連携を強化し、仮説生成から実験検証までの一体化した研究体制を構築し、高い新規性を持つ創薬パイプラインの創出を推進してまいります。加えて、オクラホマ大学との共同研究を通じて、臨床外挿性の高い研究開発を推進してまいります。今後は、DDAIFを核とした創薬エコシステムを構築し、創薬プロセスの効率化、開発期間の短縮及び成功確率の向上を実現することで、非連続的な成長を目指してまいります。 AI医療機器分野AI医療機器分野では、2024年2月に塩野義製薬株式会社(以下、塩野義製薬)と「認知症・うつ病の診断支援AIプログラム事業に関する戦略的業務提携契約」を締結以降、「会話型 認知機能検査用AIプログラム医療機器(SDS-881)」の日本での製造販売承認取得及び社会実装に向けた開発は順調に進捗しております。開発の進展に応じたマイルストーンフィー、製品上市後の販売額に応じたロイヤルティフィーを受領する予定であり、中長期的な収益基盤の構築を進めております。認知症領域の医療機器については、2026年度中の承認を目指し開発を継続しております。同領域の非医療機器に関する産業横断アライアンスについては、日本生命保険相互会社及び朝日生命保険相互会社への導入を皮切りに、その他の保険会社や金融機関等とのアライアンス拡大を進めてまいります。また、統合失調症やADHDなどの精神神経疾患領域を対象とする医療機器及び非医療機器の開発検討も進めており、対応領域の拡大を図ってまいります。今後も、世界初の自然言語処理AIを用いた医療機器及び非医療機器の開発、事業化、早期市場浸透を通じた社会実装を推進するとともに、パイプラインの拡充を通じた非連続的な成長を目指してまいります。 (リスクマネジメント事業)リスクマネジメント事業の各分野においては、従来からの強みを活かし個々のソリューション導入やサービスの提供を行いつつ、各分野の連携を強め、クライアントが直面する「平時」・「有事」におけるリスク解決を、全体最適の視点でサポートしてまいります。 ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野企業の不正リスクの未然防止に関する社会的な要請が高まっており、コンプライアンス体制構築の急務を背景に、情報漏洩、人権問題、品質不正といった社会的関心の高い課題への対応ニーズが拡大するなか、AI監査ソリューションの導入が進んでいます。こうした環境のもと、戦略的なプロダクトの選択と集中を実行し、中期的な競争力強化を優先する方針のもと、売上の一時的な減少を許容しつつ、収益性の高い事業構造への転換を推進してまいります。「KIBIT Eye」「KIBIT Knowledge Probe」を中心とした、平時におけるコンプライアンス監査ソリューションの提供に注力するとともに、大手顧客に対する取引拡大を軸とした活動を通じてリカーリング収益の拡大を図り、当社グループの収益基盤の安定化と継続的な成長を目指してまいります。 ビジネスインテリジェンス・プロフェッショナル支援分野当社がプロフェッショナル支援分野のソリューションを展開する製造業においては、国内生産年齢人口の減少が加速する中、AI等の先進技術活用を前提とした生産革新が求められています。こうした課題と需要を背景として、プロフェッショナル支援分野は今後さらなる成長拡大が期待されます。当社は、戦略的なプロダクトの選択と集中を実行し、中期的な競争力強化を優先する方針のもと「KIBIT Libria(キビットリブリア)」、「匠KIBIT零(タクミキビットゼロ)」を製品ラインナップの中心として位置付け、多様化する企業ニーズを的確に捉えた開発と徹底した内部稼働率管理を通じて生産性の向上を図ってまいります。 リーガルテックAI分野リーガルテックAI分野において当社は、日本における有事対応サポートのリーディングカンパニーとして、圧倒的に豊富な実績と高い信頼性を強みとして、方程式駆動型AI「KIBIT」を活用した国内デジタル・フォレンジック調査事業を中心に展開してまいります。また、当社が独自に運営する、ポータルサイト「FRONTEO Legal Link Portal」や、企業の法務・コンプライアンス担当者同士で実践知や課題を共有し、リスクマネジメントの強化及び高度化を図ることを目的として設立されたコミュニティ「Risk Initiative Community」を通じたマーケティング活動及び営業活動を積極的に展開しております。顧客基盤と継続的な接点強化を通じて、収益相関性の高い事業運営を継続してまいります。 経済安全保障分野経済安全保障分野では、世界情勢と社会構造の急激な変容を背景に、調達リスクや各国の規制に伴う制裁リスクが一層高まっております。国際的に事業を展開する企業では、リスク対策の不備や対応の遅れによる機会損失や信用低下への懸念が強まっており、サプライチェーンリスクの可視化や、制裁リスト対象国・組織による実質支配の把握ニーズが拡大しております。また、重要技術の流出防止や情報漏洩リスクへの対応を含めた包括的なリスク管理体制の整備が喫緊の課題となっています。近年、国際的な研究活動においても、外国からの不当な影響(FOCI:Foreign Ownership, Control or Influence)への懸念が高まっており、政府においても、2025年12月に「研究セキュリティの確保に関する手順書」が策定されるなど、対策強化が進められています。一方、研究機関の現場では、研究者本人や共同研究先、研究インフラ、資金源等に関する膨大な情報確認作業が負担となり、研究時間の圧迫や国際共同研究への参画意欲低下といった新たな課題が顕在化しています。これらの課題に対し、当社は「日本の科学技術は日本の技術で守る」というコンセプトのもと、「KIBIT Seizu Analysis」を活用し、研究者の事務負担を最小限に抑えながら、技術流出リスクを高精度かつリアルタイムに可視化するシステムの開発・実装を進めてまいります。これにより、日本の研究セキュリティ水準を世界最高水準へ引き上げるとともに、国際共同研究を持続可能に支える研究環境の整備に貢献してまいります。また、政府の政策動向と連動しながら、経済安全保障政策の実装を担う官公庁、研究機関、企業への支援を拡大してまいります。今後も、リカーリング収益基盤の拡大強化を図るとともに、経済安全保障分野におけるAIソリューションのリーディングカンパニーとして、リニアな成長を目指してまいります。 (DX事業) 株式会社アルネッツ・DX内製化支援、システム開発分野アルネッツは、独国Siemens社が提供するローコードプラットフォーム「Mendix(メンディックス)」を活用したDXソリューションを通じて、コスト抑制はもとより最適化を前提とした基幹システムのモダナイゼーションを実現してまいりました。現在の「Mendix」導入先企業は製造業が中心であり、基幹システムやPLMとの連携システムとして活用されるケースが多く見られます。当社のプロフェッショナル支援ソリューション「KIBIT」を「Mendix」へアドオンすることで新たな付加価値を創出し、双方の顧客基盤に対するクロスセル効果を通じたソリューション提供領域の拡大を目指し、DX事業の基盤を築いてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容)(1) 経営成績 セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。 (ライフサイエンスAI事業) ライフサイエンスAI事業では、独自の自然言語処理AI技術を中核として、AI創薬及びAI医療機器の2つの分野で事業を展開しております。 AI創薬分野日本政府は、2024年12月3日に「創薬力強化・後発医薬品などの安定供給確保に向けた政策パッケージ」を公表、さらに2025年6月には、内閣府が「創薬力向上のための官民協議会」*1を設置したことが象徴するように、創薬力の強化は日本にとって喫緊の国家課題となっております。一方で、新薬開発においては標的分子の枯渇や適応症探索の難易度の高さが課題となっております。これらの課題に対する解決手段の一つとして、当社は方程式駆動型AI「KIBIT」による自然言語処理AI技術を活用し、文献情報などの解析を通じて、文献に記載のない疾患と創薬標的分子の関連性を非連続的に発見する独自技術(特許申請済み)を確立しております。この技術を活用し、疾患関連性の高い未報告の標的分子の抽出に加え、その根拠となる疾患メカニズムの仮説提示を可能とする、AI創薬支援サービス“Drug Discovery AI Factory”を提供しております。当期においては、創薬プロセスの関与度や契約形態に応じた4つのAI創薬ビジネスモデルを構築し、短期収益から中長期の導出・ロイヤルティ収益までを組み合わせた収益ポートフォリオを形成しました。共創プロジェクト*2を基盤とした安定収益に加え、創薬開発の進捗に応じたマイルストーン収入や、パイプライン導出型のビジネスモデルを通じて、中長期的な非連続成長を目指しております。 ① 共創プロジェクト製薬企業と当社創薬研究チームが密に連携(共創)し、特定ニーズを起点としたテーマ・プロジェクト単位でDDAIFを活用し研究開発を推進するモデルです。当期は、EAファーマ株式会社、中外製薬株式会社、マルホ株式会社、富士製薬工業株式会社、日華化学株式会社に加え、Meiji Seikaファルマ株式会社、株式会社S-Quatre、日本新薬株式会社、参天製薬株式会社、日本化薬株式会社との間で新たにプロジェクトを開始しました。第一三共株式会社においては、2024年11月に開始した「毒性試験報告書テキスト情報解析の取り組み」において有用性が確認されたことを受け、2025年より第2フェーズとして当該取り組みの拡大を進めております。UBE株式会社(以下、UBE)においても、2024年11月に開始したドラッグリポジショニングに関する共創プロジェクトを通じ、2025年11月には創薬シーズ*3の創出及びライセンスアウト(導出)を目的とした共同研究の基本合意を締結いたしました。当社の「標的分子探索」とUBEの「化合物探索・最適化」という強みを融合することで、創薬シーズのライセンスアウト(導出)までのプロセスを効率化し、実効性の高い創薬モデルの構築を実現しております。 ② 包括的共創モデル中長期の業務提携を前提に、特定の疾患領域や研究部門に限定することなく、製薬企業の全社的な創薬戦略を横断的に支援するモデルです。2026年2月には、丸石製薬株式会社(以下、丸石製薬)と戦略的業務提携契約を締結いたしました。丸石製薬が保有する独自の知見及びデータベース情報と、当社のDDAIFにより抽出した創薬シーズ解析情報を組み合わせることで、創薬シーズ導入*4判断の高度化及び効率化を図り、創薬研究開発全般に加え、育薬やライフサイクルマネジメントなどへと提携領域を拡張していく予定です。本モデルでは、解析費及びコンサルティングフィーに加え、導入後の研究開発及び販売段階に応じた成功報酬を受領します。今後は、上述した「共創プロジェクト」を起点として本モデルへと深化させる案件を増やし、成果に応じた非連続的な収益獲得を見込んでおります。 ③ DDAIF Innovation BridgeDDAIFと資金支援を組み合わせ、バイオベンチャーの創薬パイプライン価値最大化を支援するモデルです。1stフェーズではDDAIFを活用してバイオベンチャーのパイプラインに関する機序仮説*5を強化することで、研究の不確実性を低減し、成功確率の向上や研究進捗の改善につなげるとともに、検証や再実験を進めるための資金支援(出資を含む)を行います。2ndフェーズでは、研究環境や競争状況を踏まえ、パイプラインの見直しや新たな創薬戦略の再設計を支援します。このようなバイオベンチャーとの協業を通じて、パイプラインの共同導出やプラットフォーム事業展開などを推進することで、将来的なライセンス収益の獲得を見込んでおります。抗体医薬品*6研究開発を専門とする北海道大学発の認定スタートアップ企業である株式会社エヌビィー健康研究所とは、PoCを通じたシナジーが確認されたことから、2026年2月より2ndフェーズとして、既存パイプラインを対象とした新規適応症探索及びライセンスアウト(導出)に向けた共同研究と、新規抗体医薬品パイプライン創出に向けた共同研究を開始しました。これに続き、セルアクシア株式会社、タグシクス・バイオ株式会社、C4U株式会社、株式会社糖鎖工学研究所との取り組みも進行しております。 ④ 自社研究・共同研究当社が主体となり、DDAIFを活用して仮説・創薬標的を提示し、自社研究及びアカデミア等との共同研究を通じて検証を進めライセンスアウト(導出)を目指すモデルです。2025年4月14日付で国立大学法人熊本大学と、新たながん治療法探索に関する共同研究を開始し、続く5月には東京科学大学と双方の独自技術を活用した新規創薬標的分子の探索を目的とする共同研究を開始いたしました。また、近年世界的に注目を集めているマイクロバイオームを創薬に応用する取り組みとして、メタジェンセラピューティクス株式会社との共同研究も開始いたしました。2025年7月には、DDAIFを活用したすい臓がんの創薬標的分子候補の抽出及びin vitro(試験管)にてがん細胞の増殖抑制試験を実施し、一定の効果が確認されたことを発表いたしました。本実験では、DDAIFを活用し約2万遺伝子からわずか2日で17の標的分子候補を抽出しました。従来2年以上を要する標的探索と比較して大幅な効率化を実現しており、6遺伝子でがん細胞増殖抑制効果を確認しております。このうち4遺伝子は関連論文のない極めて新規性の高い候補であり、本技術の有効性を示す成果となりました。この検証結果は、方程式駆動型AI「KIBIT」が既知の文献から未知の創薬標的分子と疾患の関連性を体系的に発見できることを示すものであり、「標的探索」プロセスの大幅な短縮と創薬の成功確率を高める可能性を示しています。これらの成果を踏まえ、当社は今後の研究指針を策定し、細胞増殖抑制効果が確認された標的分子を起点に、既存薬の転用を含む新たな創薬候補化合物の発見に向けた取り組みを進めてまいります。 また、AI創薬事業の米国市場への本格的な事業展開に向けて、米国コンサルティング企業であるQ Partners LLCと戦略的パートナー契約を締結し、米国市場における新規参入戦略の策定と実行を進めております。また、米国におけるAI創薬事業の展開に向けた第一歩として、米国オクラホマ大学との共同研究を開始いたしました。本研究では、当社のDDAIFと、全米屈指の医学研究機関であるオクラホマ大学医学部が有する高い臨床研究能力やウェットラボ機能、世界的に評価されている医学的知見を融合させ、アンメット・メディカル・ニーズ*7の高い疾患領域において、有望な創薬標的を効率的に同定することを目指します。さらに、DDAIFの基幹技術に関する研究開発については、作用機序(薬物が作用を発現するメカニズム)に関する高度な理解及び解析効率の向上を目的とした取り組みを積極的に推進しております。2025年10月には、新たに2件の基幹技術開発について特許査定を取得しました。これらの研究成果は技術的優位性の確立に寄与しており、2025年12月末時点におけるDDAIF関連の特許は世界全体で23件となります。このように当社は、DDAIFを核とした、疾患領域やモダリティに応じた最適な共創パートナーとのエコシステムを構築することで、創薬の生産性の最大化、開発期間の短縮及び希少疾患を含む幅広い疾患領域への対応を図ってまいります。顧客とともにFirst in Classの医薬品を創出し、「日本を再び創薬の地へ」という理念のもと、医薬品産業を自動車、半導体に次ぐ基幹産業へと成長させることに貢献し、薬を必要とする全ての人に適切な薬が届けられるフェアな世界を目指してまいります。 *1 内閣府「創薬力向上のための官民協議会」, https://www8.cao.go.jp/iryou/kanmin_kyogikai.html*2 共創プロジェクトとは、製薬企業と当社の研究チームが協調し新規標的探索や適応症の探索、バイオマーカー探索等、個別の研究 開発を実施する形態。*3 創薬シーズとは、医薬品研究開発の「ネタ」となる、疾患の治療に有効だと考えられる化合物や抗体、創薬技術など*4 導入とは、製薬企業において、自社内で研究開発を行う形態のほか、他社・他機関から医薬品候補化合物などの開発権や販売権を 獲得するケースがあり、後者を導入(ライセンスイン)と呼ぶ*5 機序仮説とは、疾患の病態や薬の作用について、「どのようなメカニズム(機序)でその結果が引き起こされているのか」を、確 定していないが、理論的に説明する答えのこと(仮説)*6 抗体医薬品:抗原(体にとって異物となり、免疫反応を引き起こす物質。ウィルス、アレルギー原因物質、がん細胞表面の特徴的 なタンパク質など)と結合して無毒化する「抗体」を、遺伝子組換え技術などを応用して人工的に作製し、医薬品としたもの。 抗原を持たない細胞や組織には影響を与えないため、副作用が少なくより高い治療効果が期待できる点が特徴とされる。*7 有効な治療方法が見つかっていない疾患に対する、新しい治療薬や治療法などへのニーズ。 AI医療機器分野AI医療機器分野においては、2024年2月に塩野義製薬と「認知症・うつ病の診断支援AIプログラム事業に関する戦略的業務提携契約」を締結しており、共同開発を進めている「会話型 認知機能検査用AIプログラム医療機器(SDS-881)」は、厚生労働省より「プログラム医療機器に係る優先審査対象品目」に指定されております。その後PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)への治験届提出を完了し、2025年5月より臨床試験を開始いたしました。現在、日本での製造販売承認取得及び社会実装に向けた開発は順調に進捗しております。非医療機器領域においては、産業横断アライアンスの一環として、塩野義製薬と、AI解析による会話型の「あたまの健康度」*判定Webアプリケーションサービス「トークラボKIBIT」を共同開発し、2025年10月1日より提供を開始いたしました。「トークラボKIBIT」は、生活者が日常会話を通じて簡単に利用できる「あたまの健康度」セルフチェックツールとして、生活者が自身の状態を日常的に把握することで健康に関する意識向上を促し、生活習慣改善や健康寿命の延伸に貢献することを目的としています。本ツールは、2025年10月より日本生命保険相互会社の「ニッセイみらいのカタチ 認知症保障保険(認知症サポートプラス)」の付帯サービスとして提供を開始しており、ニッセイ情報テクノロジー株式会社が提供する「暮らしの脳トレ」と連動する形で社会実装されております。さらに、2026年3月には、朝日生命保険相互会社が開始する「みんなのあんしん100年プロジェクト」に参画し、同プロジェクトが構築するエコシステム内で提供開始することを発表いたしました。加えて、既存の技術を応用し、統合失調症やADHDなどの精神神経疾患領域を対象とする医療機器及び非医療機器の開発についても検討を進めており、対応疾患領域の拡大を目指しております。当社は引き続き、世界に先駆けた自然言語処理AI技術を用いた医療機器・非医療機器の開発及び事業化を推進し、早期の市場浸透と社会実装を目指してまいります。また、新規アライアンスの構築とパイプラインの拡充を通じ、非連続的な成長を目指してまいります。 *「トークラボKIBIT」の「あたまの健康度」とは、AIが会話中の文脈的つながりと語彙の多様性を解析し、記憶力・言語理解力・ 情報処理能力を総合的な指標としてスコア化するものです。疾病の診断を目的としたものではありません。 (リスクマネジメント事業)リスクマネジメント事業の各分野においては、従来からの強みを活かし、個々のソリューション導入やサービス提供に加え、各部門間の連携を一層強化しております。これにより、クライアントが直面する「平時」・「有事」並びに「内部」・「外部」における多様なリスク課題の解決に向けて、全体最適の視点から統合的なサポートを提供しております。 ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野においては、特に金融業界を中心に、ファイアウォール規制を含む各種金融業規制への対応強化が求められております。加えて、他産業においても、情報流出・品質不正・カルテル・ハラスメントなどの不適切な事業活動による企業価値の毀損リスクや、企業の信頼性に関わるレピュテーションリスクへの対応として、コンプライアンス体制の構築・強化が喫緊の課題となっております。一方で、コンプライアンス監査の対象となるデータ量及び領域の拡大に伴い、オペレーションは一層複雑化しており、人的リソースのみでは体制の維持・拡大に限界が生じています。このような背景から、拡張性と精度を兼ね備えたAI監査ソリューションの導入ニーズが急速に高まっております。当社は、「KIBIT Eye」及び「KIBIT Knowledge Probe」を中心とした監査ソリューションを通じて、金融機関をはじめとする大手企業の法令・コンプライアンス全般並びに各種規制対応の高度化を支援しております。当期においては、みずほ証券株式会社において、通話音声のテキスト化データを高度に解析・検証することにより、金融サービス利用者の潜在ニーズをより的確に把握することを目的として「KIBIT Eye」が導入されました。また、信金中央金庫においても、メール・チャットのモニタリング強化及びコンプライアンス体制の高度化を目的として「KIBIT Eye」が導入されています。平時における不正リスクを予見し、未然防止を図るAIソリューションについては、特に金融機関中心に多数の導入実績(導入率:メガバンクグループ100%、5大証券会社80%など)を有しております。長年培ってきた高度なAI技術と専門的知見の融合が、当社ソリューションの競争優位性を形成しております。 リーガルテックAI分野リーガルテックAI分野においては、国内を中心とした不正調査(デジタル・フォレンジック調査)及び電子データの保全・調査分析(eディスカバリ支援)を展開しております。不正調査(デジタル・フォレンジック調査)については、継続的なマーケティング活動の効果により、国内の弁護士事務所や企業からの問い合わせ・受注が堅調に推移しております。例えば、当社が独自に運営するポータルサイト「FRONTEO Legal Link Portal」において、2025年11月時点で公開動画コンテンツ数が1,000本を突破いたしました。同ポータルでは、オンラインセミナー、リアルセミナー、解説動画、オーダーメイド勉強会など、さまざまな形式を通じて情報収集・情報提供や課題解決をサポートしております。登録会員数は2万人に達しております。さらに、2026年1月には企業の法務・コンプライアンス担当者が企業の枠を超えて実践知や課題を共有し、リスクマネジメントの強化及び高度化を図ることを目的としたコミュニティ「Risk Initiative Community」を設立いたしました。当社は、方程式駆動型AI「KIBIT」を活用した国内デジタル・フォレンジック調査において、圧倒的な実績件数と、有事の際に設置される第三者委員会や特別調査委員会などでも採用される等の高い信頼性を強みとして、デジタル・フォレンジック調査やeディスカバリ支援事業を中心に、堅実な事業運営を継続してまいります。 経済安全保障分野経済安全保障分野においては、世界情勢や社会構造の急激な変容を背景に、調達リスクや各国の規制に伴う制裁リスクが一層高まっております。国際的に事業を展開する企業では、リスク対策の不備や対応の遅れによる機会損失や信用低下への懸念が強まっており、サプライチェーンリスクの可視化や、制裁リスト対象国・組織による実質支配の把握ニーズが拡大しております。また、重要技術の流出防止や情報漏洩リスクへの対応を含めた包括的なリスク管理体制の整備が喫緊の課題となっています。近年、国際的な研究活動においても、外国からの不当な影響(FOCI:Foreign Ownership, Control or Influence)への懸念が高まっており、政府においても、2025年12月に「研究セキュリティの確保に関する手順書」が策定されるなど、対策強化が進められています。一方で、研究機関の現場では、研究者本人や共同研究先、研究インフラ、資金源等に関する膨大な確認作業が負担となり、研究時間の圧迫や国際共同研究への参画意欲低下といった新たな課題が顕在化しています。こうした背景のもと、当社は「日本の科学技術は日本の技術で守る」というコンセプトに沿って、「KIBIT Seizu Analysis」を活用したサプライチェーン解析、株主支配ネットワーク解析、最先端技術・研究者ネットワーク解析ソリューションを提供しております。さらに、これまでの支援実績を基盤として、2025年4月より、企業が自律的に経済安全保障対応を運用できる「経済安全保障室」の業務設計を支援する「経済安全保障対策コンサルテーション」を提供しております。当期においては、住友重機械工業株式会社においてサプライチェーンの強靭化を目的とした、「KIBIT Seizu Analysis」の導入が進んだほか、官公庁向けでは、内閣府「研究セキュリティ・インテグリティに関するリスクマネジメント体制整備支援事業」の一環として、「研究セキュリティ・リスクマネジメントシステム」の開発を実施しました。さらに、「KIBIT Seizu Analysis」の機能強化として、デューデリジェンスの効率化並びに高度化を目的に、制裁リスク等の情報を統合した新データベースを構築するとともに、取引ネットワークを可視化・分析するモニタリング機能を追加しました。これにより、企業、研究機関、行政機関は、経済安全保障リスクに対応するための情報収集・分析プロセスを効率化・高度化し、サプライチェーン全体の透明性向上と、リスクアセスメント体制の強化を実現することが可能となります。今後も当社は、経済安全保障分野におけるAIソリューションのリーディングカンパニーとして、リニアな成長の実現とリカーリング収益基盤の強化を推進してまいります。 (DX事業)日本においては、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の必要性が長年にわたり指摘されているものの、その導入効果を十分に実感できていない企業が依然として散見されます。その背景には、既存のレガシーシステムの刷新が進まず、社内に分散するデータのデジタル化及び統合が十分に進捗していないことが、主な要因として挙げられます。こうした課題に対応すべく、当社は2025年4月30日に子会社化したアルネッツが提供するソリューションを活用して、企業内に分散するデータの統合及びデジタル化を実現し、企業のDX推進のための基盤整備を進めております。さらに、当社のプロフェッショナル支援ソリューションを組み合わせることで、DX推進の初期段階からAI導入・高度化に至るまで一貫した支援を提供し、DX事業の持続的な成長に向けた取り組みを加速させてまいります。 ■各事業の当連結会計年度のセグメント別及び連結業績の概況は以下のとおりであります。 (ライフサイエンスAI事業)AI創薬分野につきましては、前期を大幅に上回る「共創プロジェクト」案件の積み上げに加え、2026年2月に発表した「DDAIF Innovation Bridge」案件の早期収益貢献により、売上高は751,823千円(前年同期比511.7%増)と大幅な増収となりました。AI医療機器分野につきましては、既存案件の順調な進捗に加え、「トークラボKIBIT」の収益化により売上高は281,414千円(前年同期比21.5%増)となりました。これらの結果、ライフサイエンスAI事業全体の売上高は1,033,237千円(前年同期比191.4%増)となり、事業の成長が顕著に現れております。営業損益につきましては、将来の成長に向けた人材への先行投資の加速及び、売上高増加に伴う本社費用配賦の負担増加があったものの、増収効果により前年度から大幅に改善し、16,185千円の営業損失(前年同期は231,654千円の営業損失)となりました。 (リスクマネジメント事業)ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野につきましては、不正検知システム「KIBIT Eye」のリカーリング収益は堅調に継続したものの、新規案件の獲得が伸び悩み、売上高は1,338,203千円(前年同期比8.2%減)となりました。リーガルテックAI分野につきましては、米国子会社の事業撤退の影響により、売上高は2,136,044千円(前年同期比38.8%減)となりました。経済安全保障分野につきましては、地政学リスクの高まりや、各国の規制による制裁リスクへの対応需要の増加を背景に、官公庁及び企業からの受注が堅調に推移し、売上高は545,694千円(前年同期比28.2%増)となりました。これらの結果、リスクマネジメント事業全体の売上高は4,019,943千円(前年同期比25.2%減)となりました。営業損益は、リーガルテックAI分野における米国子会社の事業撤退に伴う営業損失130,295千円の計上がありましたが、605,569千円の営業利益(前年同期比8.1%減)となりました。 (DX事業)DX事業につきましては、アルネッツの買収・統合により、DX事業全体の売上高は2,590,175千円(前年同期比598.9%増)と大幅に増加しました。営業損益は161,907千円の営業利益(前年同期比62.0%増)となりました。 以上の結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高7,643,356千円(前年同期比25.3%増)、営業利益739,353千円(前年同期比40.1%増)、経常利益675,093千円(前年同期比24.1%増)となりました。また、ストックオプションの権利行使期間終了に伴い、未行使分に関する新株予約権戻入益62,654千円を特別利益として計上いたしました。一方、前期に実施した米国子会社の事業撤退に関連し、撤退費用の一部を海外子会社事業整理損51,451千円として特別損失に計上しております。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は544,244千円(前年同期比2.0%減)となりました。なお、前期は撤退した海外子会社に係る税効果の影響により法人税等調整額の戻入が生じていたため、親会社株主に帰属する当期純利益の比較においてその反動が減少要因となっております。 (2) 財政状態(資産)総資産は、前連結会計年度末と比べて2,735,563千円増加し、9,202,367千円となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比べて168,239千円減少し、3,834,796千円となりました。これは主に、売掛金が203,345千円増加、契約資産が277,259千円増加、原材料が82,990千円増加、仕掛品が60,932千円増加したものの、現金及び預金が864,211千円減少したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末と比べて2,903,802千円増加し、5,367,570千円となりました。これは主に、アルネッツ取得によりのれんが1,039,396千円増加、顧客関連資産が199,983千円増加したことに加えて、投資有価証券の取得及び保有株式の時価の変動により投資有価証券が1,126,832千円増加したことによるものです。 (負債)負債合計は、前連結会計年度末と比べて2,118,752千円増加し、5,357,792千円となりました。流動負債は、前連結会計年度末と比べて1,336,800千円増加し、4,181,179千円となりました。これは主に、短期借入金が1,600,000千円増加したことによるものです。固定負債は、前連結会計年度末と比べて781,952千円増加し、1,176,613千円となりました。これは主に、アルネッツ買収資金の借入の実行により長期借入金が669,095千円増加したことによるものです。 (純資産)純資産合計は、前連結会計年度末と比べて616,810千円増加し、3,844,574千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益計上による利益剰余金の増加と株価の変動によるその他有価証券評価差額金の増加、及び自己株式の取得によるものです。 (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,724,829千円となりました。 当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況と、その主な要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により増加した資金は258,038千円(前年同期比495,235千円の収入の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益665,156千円を計上した一方で、米国子会社の事業撤退に伴う支出306,038千円があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により支出した資金は2,486,044千円(前年同期比2,232,013千円の支出の増加)となりました。これは主に、アルネッツの株式取得による支出1,069,448千円、投資有価証券の取得による支出680,905千円、無形固定資産の取得による支出625,130千円によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により増加した資金は1,335,825千円(前年同期は913,281千円の支出)となりました。これは主に、アルネッツの株式取得資金として実行した長期借入金による収入1,000,000千円及び短期借入れによる収入2,600,000千円がありましたが、短期借入金の返済による支出1,080,000千円及び自己株式の取得による支出199,934千円があったことによるものです。 (参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率53.353.234.745.939.7時価ベースの自己資本比率675.6341.9354.2343.9343.5キャッシュ・フロー対有利子負債比率1.6△3.41.72.615.6インタレスト・カバレッジ・レシオ94.1△31.575.736.75.2 自己資本比率:自己資本/総資産 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。 2 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。 3 有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。 (4)生産、受注及び販売の状況① 生産実績当社グループの事業内容は提供するサービスの関係上、生産実績の記載に馴染まないため記載しておりません。 ② 商品仕入実績当連結会計年度において商品仕入実績はありませんでした。 ③ 受注状況当社グループは、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。 ④ 販売実績当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。 売上高(千円)前期比(%)ライフサイエンスAI事業AI創薬分野751,823511.7AI医療機器分野281,41421.5ライフサイエンスAI事業売上高 計1,033,237191.4リスクマネジメント事業ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野1,338,203△8.2リーガルテックAI分野2,136,044△38.8経済安全保障分野 545,69428.2リスクマネジメント事業売上高 計4,019,943△25.2DX事業 ビジネスインテリジェンス・プロフェッショナル支援分野264,431△28.6 株式会社アルネッツ・DX内製化支援、システム開発分野2,325,743-DX事業売上高 計2,590,175598.9合 計7,643,35625.3 (注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)TMI総合法律事務所 759,559千円 12.45% 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため、記載はありません。 (5) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループは、主に営業活動から得られる自己資金及び金融機関からの借入を資金の源泉としております。設備投資並びに研究開発等の事業投資の長期資金需要につきましては、資金需要が発生した時点で、自己資金又は、金融機関からの長期借入金、増資等、資金調達コストの最小化を図れるような調達方法を検討し対応しております。また、運転資金需要につきましては、営業活動から得られる自己資金と金融機関からの借入金等により賄っております。なお、当連結会計年度におけるシンジケートローン契約締結については、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」、重要な設備の新設等の計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」、配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,024,676千円となっており、借入金については主に運転資金やアルネッツの株式取得等のための資金で、全て金融機関からの借入となっております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,724,829千円であります。 (6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (7) 中長期的な会社の経営戦略当社は、方程式駆動型AI「KIBIT」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造しております。「KIBIT」は、当社が独自開発した人工知能であり、方程式を用いることで非連続な発見や因果関係の把握、高い再現性を実現する点に特徴があります。汎用型AIとは異なり、教師データの量及びコンピューティングパワーに依存することなく、高速かつ高精度での解析を可能にします。加えて、解析結果をマップ化(構造を可視化)する特許技術を活用することで、「KIBIT」は専門家のインサイトに直接働きかけ、創薬における仮説生成や標的分子探索など、高度専門領域においてその真価を発揮しております。「集合知に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」という理念のもと、当社は「KIBIT」の独自技術とアプローチを軸に、ライフサイエンスAI事業、リスクマネジメント事業、DX事業において社会実装を推進しております。 中期経営計画(ステージ4)の達成に向けて、当社はライフサイエンスAI事業を中核事業として位置付けております。特にAI創薬分野においては、従来の受託型案件によるアップフロント型の収益に加え、創薬パイプライン導出による一時金、創薬開発の進展に応じて受け取るマイルストーン収入、上市後のロイヤルティ収入を獲得するアップサイド型の収益モデルへの転換を進めております。リスクマネジメント事業においては、収益性及び市場成長性を踏まえた戦略的なプロダクトの選択と集中を推進し、リカーリング収益の拡大と収益性の向上を図ってまいります。DX事業においては、顧客企業のデータ活用基盤の整備を通じて、当社グループのAIソリューション展開を支える重要な事業基盤として位置付けております。これらの事業を通じて、当社は独自技術である「KIBIT」を核とした事業ポートフォリオの強化を図り、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。 (ライフサイエンスAI事業)ライフサイエンスAI事業では、方程式駆動型AI「KIBIT」を活用し、AI創薬及びAI医療機器の2つの分野でさらなる事業拡大を進めてまいります。当社は、これらの事業を中長期的な成長ドライバーとして位置付け、研究開発及び事業開発への重点的な投資を継続してまいります。 AI創薬分野日本政府が2024年12月3日に「創薬力強化・後発医薬品などの安定供給確保に向けた政策パッケージ」を公表して以降、日本国内では創薬力強化に向けた動きが活発化しております。一方で、新薬開発における標的分子の枯渇や適応症探索の難しさが国家的課題として認識されております。AI創薬分野においては、疾患関連性の高い未報告の標的分子を抽出するとともに、その根拠となる疾患メカニズムの仮説を提示するAI創薬支援サービス「DDAIF」を提供しております。当期においては、DDAIFを軸としたAI創薬のビジネスを、「共創プロジェクト」、「包括的共創モデル」、「DDAIF Innovation Bridge」及び「自社研究・共同研究」の4つのモデルへと拡張しました。これにより、従来のアップフロント型収益に加え、パイプライン導出による一時金、創薬開発の進展に応じたマイルストーン収入、ロイヤルティ収入へとつながるアップサイド型の収益獲得を可能とする事業モデルを構築いたしました。中長期的には、複数の製薬企業との共創プロジェクトを通じて蓄積した知見と成功実績を基盤に、製薬企業の研究開発戦略全般を支援する「包括的共創モデル」の拡大、「DDAIF Innovation Bridge」においては、プロフィットシェア型の共同研究・事業化を推進し、収益の安定化を図りつつ、非連続な収益機会の創出を目指してまいります。さらに、「自社研究・共同研究」においては、東京科学大学やオクラホマ大学との共同研究を通じて、新規性の高い創薬パイプラインを創出し、自社保有パイプラインの導出による収益化を推進しております。加えて、米国市場への本格展開を推進し、グローバル製薬企業及び研究機関との連携拡大を推進してまいります。世界最大の医薬品市場である米国においてDDAIFの有効性を実証し、事業基盤を確立することで、日本発のAI創薬プラットフォームとして国際的な競争力の向上を目指してまいります。これらの取り組みを通じて、当社は創薬パイプライン創出から導出までを視野に入れた一時金やマイルストーン収入、ロイヤルティ収入などのアップサイド型の収益モデルを拡大し、非連続な成長と持続的な企業価値向上の実現を目指してまいります。「日本を再び創薬の地へ」という理念のもと、医薬品産業を自動車、半導体に次ぐ基幹産業へと成長させることに貢献し、薬を必要とする全ての人に適切な薬が届けられるフェアな世界を目指してまいります。 AI医療機器分野AI医療機器分野では、2024年2月に塩野義製薬と「認知症・うつ病の診断支援AIプログラム事業に関する戦略的業務提携契約」を締結して以降、「会話型 認知機能検査用AIプログラム医療機器(SDS-881)」の日本での製造販売承認取得及び社会実装に向けた開発は順調に進捗しております。開発の進展に応じたマイルストーン収入、製品上市後の販売額に応じたロイヤルティ収入を受領する予定であり、中長期的な収益基盤の構築を進めております。認知症領域の医療機器については、2026年度中の製造販売承認取得を目指し開発を継続しております。同領域の非医療機器に関しては、産業横断アライアンスの一環として、塩野義製薬と共同開発による会話型「あたまの健康度」判定Webアプリケーションサービス「トークラボKIBIT」を展開しています。日本生命保険相互会社及び朝日生命保険相互会社への導入を皮切りに、その他の保険会社や金融機関等とのアライアンス拡大を進めてまいります。また、統合失調症やADHDなどの精神神経疾患領域を対象とする医療機器及び非医療機器の開発検討も進めており、対応領域の拡大を図ってまいります。今後も、世界初の自然言語処理AIを用いた医療機器及び非医療機器の開発・事業化・早期市場浸透を通じた社会実装を推進するとともに、パイプラインの拡充を通じた非連続的な成長を目指してまいります。 (リスクマネジメント事業)リスクマネジメント事業においては、収益性及び市場成長性を踏まえた戦略的なプロダクトの選択と集中を推進するとともに、各分野の連携強化を通じて、クライアントが直面する「平時」・「有事」におけるリスク課題を総合的に支援する体制を構築いたしました。 ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野不正リスクの未然防止に対する社会的要請の高まりを背景に、当社のAIソリューションへの需要は今後も拡大基調を維持すると見込んでおります。企業におけるコンプライアンス体制の構築は急務となっており、特に金融業界ではファイアウォール規制をはじめとする各種金融規制への対応が求められております。製造業など他業種においても、情報流出、品質不正、カルテル、ハラスメントといった不適切な事業活動による企業価値の毀損やレピュテーションリスクへの対応が喫緊の課題となっています。一方で、監査対象となるデータ量や領域の拡大により、コンプライアンス監査のオペレーションは複雑化しており、人的リソースによる対応には限界があります。このような背景から、拡張性と効率性を兼ね備えたAI監査ソリューションの導入ニーズが急速に高まっており、当社は今後も当該分野における事業拡大を見込んでおります。こうした環境のもと、戦略的なプロダクトの選択と集中を実行し、中期的な競争力強化と、収益性の高い事業構造への転換を推進しております。当社は、「KIBIT Eye」及び「KIBIT Knowledge Probe」を中心とした平時におけるコンプライアンス監査ソリューションを提供しております。大手企業を中心とした取引拡大を通じてリカーリング収益の拡大を図り、当社グループの収益基盤の安定化と持続的な成長を目指しております。特に不正検知システム「KIBIT Eye」は、規制強化を背景に、大手金融機関を中心に導入が進展しております。今後は、大手金融機関に加え、大手製造業をはじめとする大手・準大手企業への展開を加速させ、リカーリング収益の拡大による安定的な収益基盤の構築を進めてまいります。また、プロダクトの選択と集中を通じて事業収益性の向上を図り、当該分野における持続的な成長を実現してまいります。 ビジネスインテリジェンス・プロフェッショナル支援分野ビジネスインテリジェンス・プロフェッショナル支援分野においては、製造業を中心とした日本企業が直面する生産年齢人口の減少や熟練技術者の退職に伴う技能承継の課題が深刻化しております。また、品質・安全性への要求水準の高度化といった構造的課題により、現場に蓄積された知見の可視化と活用の重要性が高まっております。当社は、現場に蓄積された知見を共有し、業務の標準化と継続的改善を実現するためのAIソリューションを提供しており、社会的背景と市場ニーズを踏まえ、当該分野を中長期的に成長が見込まれる重要な事業領域と位置づけております。当社は、戦略的なプロダクトの選択と集中を実行し、中期的な競争力強化を優先する方針のもと「KIBIT Libria」、「匠KIBIT零」を提供ソリューションの中心として位置付け、今後も、多様化する企業ニーズを的確に捉えた開発と徹底した内部稼働率管理を通じて生産性の向上を図るとともに、社会実装を目指してまいります。 リーガルテックAI分野当社は、2003年の創業以来、国際訴訟及び不正調査における日本のパイオニアとして豊富な実績と高い信頼を築いてまいりました。「KIBIT」を活用したAIレビューツール「KIBIT Automator」などの技術力を強みに、デジタル・フォレンジック調査や、eディスカバリ支援を展開しております。また、当社が独自に運営する、ポータルサイト「FRONTEO Legal Link Portal」や、企業の法務・コンプライアンス担当者同士で実践知や課題を共有し、リスクマネジメントの強化及び高度化を図ることを目的として設立されたコミュニティ「Risk Initiative Community」を通じたマーケティング及び営業活動を積極的に展開しております。これらの顧客基盤との継続的な接点強化を通じて、収益性の高い事業運営を継続してまいります。今後は、コンプライアンス支援分野との連携を一層強め、有事対応で得た知見を平時におけるリスク診断やリスクシナリオの構築、内部リスク管理体制の高度化へ展開することで、顧客への提供価値向上と収益機会の拡大を図ってまいります。 経済安全保障分野世界情勢と社会構造の急激な変容を背景に、調達リスクや各国の規制に伴う制裁リスクが一層高まっております。国際的に事業を展開する企業では、リスク対策の不備や対応の遅れによる機会損失や信用低下への懸念が強まっており、サプライチェーンリスクの可視化や、制裁リスト対象国・組織による実質支配の把握ニーズが拡大しております。また、研究機関や企業においては、重要技術の流出防止や情報漏洩リスクへの対応を含めた包括的なリスク管理体制の整備が喫緊の課題となっています。近年、国際的な研究活動においても、外国からの不当な影響(FOCI:Foreign Ownership, Control or Influence)への懸念が高まっており、政府においても、2025年12月に「研究セキュリティの確保に関する手順書」が策定されるなど、対策強化が進められています。一方、研究機関の現場では、研究者本人や共同研究先、研究インフラ、資金源等に関する膨大な情報確認作業が負担となり、研究時間の圧迫や国際共同研究への参画意欲低下といった新たな課題が顕在化しています。これらの課題に対し、当社は「日本の科学技術は日本の技術で守る」というコンセプトのもと、「KIBIT Seizu Analysis」を活用し、研究者の事務負担を最小限に抑えながら、技術流出リスクを高精度かつリアルタイムに可視化するシステムの開発・実装を進めてまいります。これにより、日本の研究セキュリティ水準を世界最高水準へ引き上げるとともに、国際共同研究を持続可能に支える研究環境の整備に貢献してまいります。また、政府の政策動向と連動しながら、経済安全保障政策の実装を担う官公庁、研究機関、企業への支援を拡大してまいります。今後も、リカーリング収益基盤の拡大強化を図るとともに、経済安全保障分野におけるAIソリューションのリーディングカンパニーとして、リニアな成長を目指してまいります。 (DX事業) 株式会社アルネッツ・DX内製化支援、システム開発分野アルネッツは、独国Siemens社が提供するローコードプラットフォーム「Mendix」を活用したDXソリューションを通じて、コスト抑制はもとより最適化を前提とした基幹システムのモダナイゼーションを実現してまいりました。特に製造業においては、業務データが部門ごとに分散し、非構造化されたまま蓄積されていることや、システム間の連携が不十分であることが、DX推進の大きな障壁となっています。こうした課題に対し、「Mendix」は、既存システムとの高い連携性を活かし、データの統合・可視化・構造化を効率的に実現することで、企業全体の情報基盤を再構築する有力な手段となります。さらに、当社のプロフェッショナル支援ソリューションである「KIBIT」を「Mendix」へアドオンすることにより、統合されたデータを基に、技能伝承支援、事故リスクの予測、顧客の声の可視化による品質向上といった、多面的な価値を創出する、高付加価値な統合型DXソリューションの提供が可能となります。これにより、顧客企業のDX推進を支援するとともに、当社グループの持続的な成長を目指してまいります。 (8) 経営者の問題認識と今後の方針について経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 事業計画の未達
    FRONTEOはAIを主体としたビジネスモデルへの転換を加速していますが、事業計画は入手可能な情報や一定の前提に基づいており、様々な要因により目標を達成できない可能性があります。市場環境の変化や技術開発の進捗、内部リソースの状況などが計画通りに進まない場合、会社の業績に影響を与える可能性があります。
  • 技術革新への対応遅れ
    同社が属するAI市場は技術変化が非常に速く、クライアントのニーズも著しく変化しています。もし、新しい技術や変化する顧客のニーズへの対応が遅れた場合、競争力を失い、事業や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。常に最新技術を取り入れ、サービス水準を向上させる必要があります。
  • 情報管理の重要性
    FRONTEOの事業では、顧客企業の機密情報や個人情報を取り扱うため、高度な情報管理が求められます。災害、不正アクセス、社員の不正などにより情報漏洩が発生した場合、事業の中断、損害賠償請求、信用失墜などにより、会社の事業や経営成績に重大な影響を与える可能性があります。特に医療情報や金融情報など機密性の高い情報を扱っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,219 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、本項における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 事業計画について当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、AIを主体としたビジネスモデルへのポートフォリオ・トランスフォーメーションをさらに加速させるべく、技術開発及び人材投資を進めてまいりました。事業計画の策定に際しては、当社グループが入手可能な情報や一定の前提に基づいているため、以下に掲げる各リスク等を含む様々な要因により、当社グループの事業及び経営成績が想定した目標を達成できない可能性があります。当社グループは事業計画、研究開発の進捗、市場環境の変化、内部リソースの状況などを随時レビューしており、重要事項については取締役会、経営会議で適切にモニタリングし、管理してまいります。 (2) 技術革新について当社グループは、他社に先駆けてユーザーのビジネスにAIを実装してきたフロントランナーであります。近年、当社グループが属する市場においては、急速な技術変化とサービス水準の向上が進んでおり、これに伴いクライアントのニーズも著しく変化しております。今後、クライアントのニーズの変化及び技術革新への対応が遅れた場合、当社グループの事業並びに経営成績に重大な影響を与える可能性があります。一方で、企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)に関する投資が加速され、人が行う作業をデジタル化することで業務を効率化、高度化することができるAI製品の需要が増加いたしました。当社グループは、ライフサイエンスAI事業、リスクマネジメント事業及びDX事業において、自社開発・国産の方程式駆動型AI「KIBIT」を主な技術基盤としたソリューションを提供しております。KIBITは、自然言語処理技術(日本・米国・欧州で特許取得済み)と、解析結果をマップ化する構造化技術(日本・米国で特許取得済み)を活用した革新的なAIであり、これらの技術を用いて、様々な社会課題の解決に貢献してまいります。 (3) 情報の管理について当社グループの事業では、事業の特性上、ITシステムを使った調査の際に顧客企業の重要な情報を保有することとなるため、高度な情報の管理が求められておりますが、災害、機器・ソフトウエアの欠陥などに乗じた外部からの不正アクセス、従業員等の不正等により、機密情報の喪失、個人情報の漏洩などが発生する可能性があります。このような予期せぬリスクが顕在化した場合、事業の中断や損害賠償請求、信用の低下等により、当社グループの事業及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。ライフサイエンスAI事業では、医療機器の開発を進めており、診断に関わる医療情報、創薬に関わる製薬企業の重要機密情報を取り扱っております。またリスクマネジメント事業におけるビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野では、金融や知財、サプライチェーンなどの機密性の高い情報を取り扱っており、同様に高度な情報の管理が求められております。当社グループでは、データ処理センターを分散配置し、静脈認証や入退室管理の徹底、耐火金庫による調査データの保管、外部と隔絶されたネットワークの構築等により安全な作業環境の確保に努めております。また、そのサービス運用において、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際標準規格である「ISO27001」、並びに国内規格である「JISQ27001」の認証を取得し、認証に基づく規定類により各種オペレーションを管理するとともに、従業員教育及び継続的な情報セキュリティ改善活動を実施し、リスクを未然に防ぐよう取り組んでおります。 (4) 人材の確保について当社グループでの事業展開においては、専門的な情報技術や業務知識を有する有能な人材を確保する事が重要であります。しかしながら、人材需要が旺盛なライフサイエンスAI事業、リスクマネジメント事業及びDX事業を対象とした、専門性を有する人材は限られております。そのため、日本国内での少子高齢化による労働人口減少、ライフサイエンスAI事業、リスクマネジメント事業及びDX事業における人材需要の増加及び要求されるスキルレベルの高度化により、有能な人材の必要数を確保できない場合、または既存の有能な人材が社外に流出した場合には、当社グループの経営活動に支障が生じ、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、積極的な採用活動を継続して行っており、これを更に強化いたします。加えて、開発、営業推進、サービスの実装というユーザーのニーズや導入フェーズに合わせて必要となる人材の育成を進めてまいります。また、当社独自の技術と実績をアピールすることで、認知向上と人材の確保に取り組んでまいります。 (5) 企業買収・合併について当社グループは、成長戦略の一環として、M&A等により企業買収、合併、資本業務提携その他の手法を活用することがあります。これらの実行後に、偶発債務、未認識債務、内部統制上の課題等が判明した場合又は対象事業の収益性が当初想定を下回った場合には、のれんその他の資産の減損、事業再編等に伴う費用の発生等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループでは、実行時に対象会社とのシナジー、事業の親和性及びリスクを検討し、必要に応じて外部専門家を起用したデューデリジェンスを実施するとともに、実行後はPMIを通じた経営管理体制の整備に努めてまいります。 (6) 他社との提携について当社グループは、研究開発、製品開発、販売活動等において、共同研究、共同開発、販売提携等を含む多様な形態で他社と提携を行うことがあります。提携開始後に、当初想定した成果又はシナジーが十分に実現しない場合、連携体制の構築が遅延する場合又は提携先の事業運営上の問題が生じた場合には、想定どおりに案件化又は収益化が進まず、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、提携前に戦略の方向性、事業の親和性、役割分担等を検証し、契約上可能な限りリスクの低減を図るとともに、提携後も提携先とのコミュニケーションを継続し、協力体制の維持・強化に努めてまいります。 (7) 自社製品品質について当社グループが提供する自社開発の製品・サービスにおいて、検知されていないプログラミングのエラー、解析精度又は性能に関する不具合、運用上の不備等が発生した場合、当社グループの評判が損なわれ、又は当社グループのサービスの市場における受容性が低下する可能性があります。また、新規に上市する自社製品・サービスが顧客からの要求水準を満たさず、業務遅延、情報漏洩その他の事故又はインシデントが発生した場合、損害賠償請求等により、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、製品リリース前の試験及びレビュー体制を整備し、顧客からの指摘事項を開発及び運用に反映することにより、品質の維持・向上に努めてまいります。 (8) 事業の市場環境について当社グループは、ライフサイエンスAI事業、リスクマネジメント事業及びDX事業においてAIを活用した製品・サービスを提供しております。AIを活用した新規性の高い事業領域においては、市場形成の遅れ、顧客の導入判断の長期化、PoCから本格導入への移行遅延、国内外の競争環境の変化、AI関連規制の整備・強化等により、想定どおりに案件化又は収益化が進まない可能性があります。また、主要取引先が地政学リスク、国際的な通商・制裁措置、エネルギー価格の変動等の影響を受ける場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、市場環境、規制動向、政治・経済情勢等を継続的に確認し、事業環境の変化に応じた対応を行ってまいります。 (9) システム障害について当社グループの事業では、AIを活用した製品・サービス、解析システム、データ処理環境、社内外のネットワーク及び各種ITシステムを利用しております。医療情報、特許性の高い情報、金融・知財・サプライチェーン関連情報等の機密性の高い情報の取扱いが増加する中で、自然災害、通信障害、機器・ソフトウエアの不具合、人的ミス、ランサムウェア等のマルウェア感染、サイバー攻撃等により、当社サービスのシステムに障害、エラー又は遅延が生じた場合、信用低下、復旧対応費用の発生、受注機会の喪失、損害賠償請求等により、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、ネットワーク機器、サーバ及びストレージ機器の冗長化、死活監視、バックアップ取得、EDR及びアンチウイルスソフトウエアによるマルウェア感染防止、IDS/IPS、ペネトレーションテスト等により、システム障害及びサイバー攻撃に係るリスクの低減に取り組んでおります。 (10) その他① 法的規制について国内外においてAI関連法、AI事業者ガイドラインその他AI関連制度・ガイドラインの整備・運用が進展しており、AIの開発・提供・利用に関する体制整備、透明性、説明責任、安全性、データ管理等への対応に加え、個人情報保護法、著作権法、不正競争防止法等の現行法令への適合が求められる可能性があります。また、ライフサイエンスAI事業では医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に準拠する必要があります。今後、他分野においても、新たに法律や規制が制定された場合や、業界内で自主規制が求められた場合には、当社グループの事業上の計画等の見直しが必要となる可能性があります。その結果、これらに対応するための支出が増加する等、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ② 知的財産等について当社グループは、AIを活用した製品・サービスの開発及び提供にあたり、ソフトウエア、データ、解析手法その他の知的財産を利用しております。当社グループでは、第三者の知的財産権を侵害しないよう、調査可能な範囲で確認を行うとともに、必要に応じて知的財産権の取得、管理及び保護に努めております。しかしながら、当社グループの事業領域においては、技術革新の速度が速く、第三者の知的財産権の完全な把握は困難であるため、当社グループの製品・サービスについて、第三者から知的財産権の侵害を主張される可能性があります。また、当社グループが保有する技術、ノウハウその他の知的財産が十分に保護されない場合、又は第三者により不正に使用された場合には、当社グループの競争力に影響を与える可能性があります。これらの場合、使用差止め、損害賠償請求、ロイヤルティ又はライセンス料の支払、製品・サービスの仕様変更、信用低下等により、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ③ 為替相場の変動について当社は、日本円を価格決定のベースとした外貨建ての取引を継続する予定であります。このため、為替相場の変動は外貨取引の収益や財務諸表の円貨換算額に影響を与えます。また、為替相場の変動は、海外の連結子会社の収益や財務諸表の円貨換算額に影響を与える可能性があります。当社では、為替変動リスクの主な要因である親子会社間の債権債務の減少、債権回収の早期化により、リスクを低下させる方針を取っております。また、並行して為替動向を注視し、必要に応じて為替予約等により、リスクを最小化しております。 ④ 感染症、自然災害等について新型インフルエンザ、新型コロナウイルス等の感染症の世界的拡大、地震や風水害などの大規模災害が発生した場合、当社グループでは、事業継続計画に基づき、速やかにかつ適切に全社的対応を行うよう努めてまいりますが、事前の想定をはるかに越えた規模に影響を与える事象により、事故発生後の業務継続、復旧がうまくいかなかった場合、当社グループの事業及び業績に深刻な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 気候変動について気候変動に伴う自然災害や異常気象等によって当社関連施設等に物理的な被害を被った場合、または、当社の気候変動への対応が不十分と評価された場合には、当社グループの事業、経営成績、財政状態に影響が現れる可能性があります。

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