2201

森永製菓(2201)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

食料品 食品

事業の概要

  • 菓子・食品製造販売
    森永製菓グループは、菓子や食品の製造・販売を主軸としています。キャラメル、チョコレート、ビスケット、スナック菓子などの幅広い製品を展開し、消費者の日常に密着した商品を提供することで収益を上げています。また、健康志向の高まりに応えるinゼリーなどの機能性食品も手掛け、多様なニーズに対応しています。
  • 食品卸売事業
    グループ会社の森永商事株式会社が業務用食品の卸売を担っています。自社製品だけでなく、他社製品も含む幅広い食品を飲食店や小売店などに供給することで、流通経路を確保し、グループ全体の売上を支える重要な役割を果たしています。これにより、製造した商品を効率的に市場へ届けています。
  • 不動産・サービス事業
    不動産の賃貸やゴルフ場の経営も行っています。森永高滝カントリー株式会社がゴルフ場を運営するなど、本業である食品事業以外の多角的な事業展開も特徴です。これにより、安定した賃料収入やレジャー需要を取り込み、収益源の多様化を図ることで、事業全体の安定性を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 菓子食品製造事業
    森永製菓グループの主要な収益源であり、売上高は2,175.78億円、営業利益は198.62億円と最も大きな割合を占めています。キャラメル、チョコレート、ビスケット、スナック菓子、冷菓、inゼリーなどの幅広い製品の製造・販売を手掛けています。高崎森永や森永エンゼルデザートなどの連結子会社がこの事業を支え、国内外の市場に製品を供給しています。
  • 食品卸売事業
    業務用食品の卸売を担う事業で、売上高は86.9億円、営業利益は14.41億円です。森永商事株式会社が中心となり、自社製品だけでなく他社製品も含む多様な食品を、飲食店や小売店などの法人顧客に提供しています。この事業は、グループ全体の製品を効率的に流通させる上で重要な役割を果たしています。
  • 不動産・サービス事業
    不動産の賃貸やゴルフ場の経営などを行う事業で、売上高は18.7億円、営業利益は8.01億円です。森永高滝カントリー株式会社がゴルフ場を運営しており、本業である食品事業とは異なる収益源を確保しています。これにより、事業ポートフォリオの多様化と安定的な収益基盤の構築に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
GroceryManufacturing 事業 2,176 199 9.1%
GroceryWholesale 事業 87 14 16.6%
RealEstateAndService 事業 19 8 42.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|687 文字
3 【事業の内容】当社グループは、森永製菓㈱、連結子会社15社、非連結子会社2社で構成されており、事業は食料品製造、食料卸売、不動産及びサービスほかを営んでおります。事業内容と森永製菓㈱及び関係会社の当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。セグメント名事業内容森永製菓㈱及び連結子会社非連結子会社食料品製造菓子食品事業森永製菓㈱ 高崎森永㈱ (会社数 2社) 冷菓事業森永製菓㈱ 森永エンゼルデザート㈱ 森永デザート㈱ 高崎森永㈱ (会社数 4社) in事業森永製菓㈱ (会社数 1社) 通販事業森永製菓㈱ (会社数 1社) 事業子会社等森永製菓㈱ ㈱アントステラ 森永市場開発㈱ (会社数 3社) 米国事業森永製菓㈱ 米国森永製菓㈱ 森永アメリカフーズ㈱ 台湾森永製菓股份有限公司 森永食品(浙江)有限公司 (会社数 5社) 中国・台湾・輸出等森永製菓㈱ 台湾森永製菓股份有限公司 上海森永食品有限公司 森永食品(浙江)有限公司 森永アジアパシフィック㈱ (会社数 5社) 食料卸売業務用食品の卸売森永商事㈱ (会社数 1社) 不動産及び不動産賃貸及び森永製菓㈱ サービスゴルフ場経営森永高滝カントリー㈱ (会社数 2社) その他その他㈱森永生科学研究所㈱SEE THE SUN 森永ビジネスパートナー㈱バクテクス㈱ (会社数 2社)(会社数 2社)会社数森永製菓㈱連結子会社 15社 非連結子会社 2社 (注)非連結子会社に対する投資については持分法を適用しております。 当社グループの状況について事業系統図を示すと、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料調達コスト増加を販売価格に転嫁できない場合、業績を圧迫するリスクがあるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
「ハイチュウ」「チョコモナカジャンボ」「マリー」などの主力ブランドと技術力。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:サイバー攻撃 / 商品欠陥・リコール / 原材料調達・資材調達のリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

森永製菓は「チョコボール」「ハイチュウ」「ダース」など、長年愛されるロングセラーブランドを多数保有。これらのブランドは高い認知度と信頼性を背景に、消費者の購買行動に影響を与え続けている。また、健康志向の高まりに対応した「inゼリー」シリーズや、機能性表示食品なども開発しており、時代の変化に合わせた商品開発力も無形資産と言える。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

菓子類は嗜好品であり、消費者は価格や新商品への関心から容易にブランドを乗り換える傾向がある。特定の機能性食品(例:inゼリー)においては、リピート購入が見られるものの、全体としてスイッチング・コストは低いと考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、直接的なネットワーク効果を生み出すものではない。製品の利用者が増えることで、製品自体の価値が向上するような構造は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

食品業界は競争が激しく、原材料価格の変動や製造コストの管理が重要となる。同社は効率的な生産体制を構築していると考えられるが、他社と比較して構造的なコスト優位性を持つほどの顕著な特徴は見られない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

森永製菓は日本の大手菓子メーカーの一つであり、一定の生産規模と販売網を有している。これにより、効率的な仕入れや物流が可能となり、中小企業に対しては一定の競争優位性を確保している。しかし、グローバルな食品メーカーと比較すると、規模の優位性は限定的である。

  • 多様な製品ポートフォリオ
    森永製菓は菓子、食品、冷菓、in事業など多岐にわたる製品を展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、幅広い顧客層のニーズに対応できる強みがあります。例えば、inゼリーのような健康食品から伝統的な菓子まで、多様な製品ラインナップが安定した収益基盤を築いています。
  • 海外事業展開
    米国、中国、台湾といった海外市場にも積極的に進出しています。現地法人を通じて製品の製造・販売を行うことで、グローバルなブランド展開と収益機会の拡大を図っています。特にアジア市場での成長は、国内市場の成熟を補完し、将来的な成長ドライバーとなる可能性があります。
  • 品質保証体制
    FSSC22000やJFSなどの食品安全マネジメントシステム認証を国内外の工場で取得し、厳格な品質管理体制を構築しています。商品開発段階から安全性・適法性を確認する「品質アセスメントシステム」を導入することで、消費者に安全で高品質な商品を提供し、ブランドへの信頼を維持・向上させています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、取り巻く経営環境が大きく変化する中、持続的な成長を目指すべく、2021年に新たに企業理念を策定いたしました。企業理念は、わたしたちの使命(パーパス)、わたしたちが目指す未来(ビジョン)、わたしたちが大切にする想い(バリュー)と、これらを一言で表した『コーポレートメッセージ』(おいしく たのしく すこやかに)で構成しております。この企業理念を当社グループにおける全ての活動の拠り所として、ステークホルダーの皆様と社会の期待に応えることで持続可能な社会の実現に貢献し、長期的な企業価値向上を図ってまいります。 (2) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題 ① 経営環境世界的な不確実性の高まり、気候変動や資源不足、デジタル技術の発展、日本国内の人口動態の変化、生活環境の変化など、今後予測される経営環境の変化は安定的な事業活動にとって脅威であるとともに、変化への迅速な対応により新たな需要を創造することは大きな機会になり得ると捉えております。 ② 2030経営計画当社グループは、企業理念のもと、持続可能な社会の実現に貢献しつつ中長期的な成長を遂げ、企業価値を高めていくため、2030年に向けた長期経営計画「2030経営計画」を推進しております。 2030ビジョン当社グループは、2030年の目指す姿として2030ビジョン『森永製菓グループは、2030年にウェルネスカンパニーへ生まれ変わります。』を定めております。「ウェルネス」とは、「いきいきとした心・体・環境を基盤にして、豊かで輝く人生を追求・実現している状態」と定義し、顧客・従業員・社会に、心の健康、体の健康、環境の健康の3つの価値を提供し続ける企業になることを目指してまいります。120余年の歴史で培った信頼と技術を進化させ、あらゆる世代のウェルネスライフをサポートしてまいります。 基本方針 方針1)事業ポートフォリオの転換と構造改革による収益力の向上 <重点領域への経営資源集中> 高い収益性、成長性が見込める事業として、「inゼリー」など「in」ブランドを中心とするin事業、冷菓事業、通販事業、米国事業を選定し、これらを重点領域と定めました。重点領域への経営資源集中によって当社グループの成長を牽引してまいります。<基盤領域による安定的なキャッシュ創出> 菓子食品事業など着実な売上高拡大と収益力向上を目指す事業を基盤領域と定め、重点領域への投資原資の安定的な創出に取り組んでまいります。<探索・研究領域の取組み> ウェルネスを基軸とした国内外におけるビジネスモデルの創造や商品開発など、新たな取組みを総称して探索・研究領域と定め、次世代成長を担う新事業の育成を目指してまいります。<機能部門を中心とした構造改革による収益力の向上> 重点領域への投資原資を創出するとともに、様々な経営リスクに備えるべく、生産、物流、販売など機能部門を中心に、全社的に構造改革を実行していくことで、収益力のさらなる底上げに取り組んでまいります。 方針2)事業戦略と連動した経営基盤の構築 「2030経営計画」の達成に向けた事業戦略と連動し、「人」「技術」「キャッシュ」そして「デジタル」という経営に不可欠なリソースを最大限活かすことで経営基盤をより強固なものにしてまいります。併せてコーポレート・ガバナンスの改革を推し進め、経営の透明性向上を図ってまいります。 方針3)ダイバーシティ&インクルージョンの推進 「一人ひとりの個を活かす」という考えのもと、ダイバーシティ&インクルージョンを推進することで、多様な人材が活躍できる環境・風土をベースに社会課題の解決につながる新しい価値(イノベーション)を創出できる環境の整備を推し進めてまいります。 経営目標「2030経営計画」における経営目標・指標は以下のとおりであります。 2030年売上高3,000億円以上<重要経営指標> 売上高営業利益率12%以上 重点領域売上高比率60%以上 海外売上高比率25%以上 ROE15%以上 ROIC(注)12%以上 DOE4.5%以上 (注)貸方アプローチで算出 計算式:NOPAT÷投下資本(有利子負債+株主資本) 2030経営計画全体像 ③ サステナブル経営パーパスに基づくサステナブル経営を推進現在、グローバル社会では、気候変動問題をはじめとする社会課題の深刻化やデジタル化の急速な進展など、企業活動に大きな影響を及ぼす環境変化が今までにないスピードで起き、将来の見通しに関する不確実性も高まっております。そのような中、パーパス・2030ビジョンを実現するには、ありたい姿に向けた課題を明確化したうえで、長期視点を持ち、全社グループを挙げて取り組んでいくことが必要であります。当社グループは、創業時より社会への貢献を強く意識して事業を行ってまいりましたが、新たな企業理念の策定を機に、グローバル社会の一員としてSDGsの達成を含めた持続可能な社会の実現に向けた取組みを、これまで以上に積極的に進めていくことといたしました。このような取組みの積み重ねが、当社グループのビジネスをよりサステナブルなものとし、持続的成長と中長期的な企業価値の向上につながると考えております。 当社グループのマテリアリティを特定当社グループでは2024中期経営計画策定に当たり、経営を取り巻く外部環境変化を踏まえて、マテリアリティの見直しを行いました。マテリアリティへの対応を通じて、社会価値の創造とレジリエントな経営基盤づくりを着実に進め、持続的成長を実現してまいります。 <当社グループのマテリアリティ特定プロセス>外部環境変化を踏まえ、新たに抽出・整理した取り組むべき課題について、社外ステークホルダー16名(投資家3名、取引先5社、NGO1名、アドバイザリーボードメンバー3名、社外役員4名)と社内のキーメンバー11名で重要性評価を行いました。その結果を基に役員で議論を重ね、当社グループのマネジメントや業務とのつながりを総合的に考慮して統合し、社内決議及び取締役会報告を経て、5つのマテリアリティを特定いたしました。 ④ 2024中期経営計画(2024-2026)2025年3月期を初年度とする「2024中期経営計画」では、2030経営計画達成をより確実なものにするための2ndステージと位置づけ、キーメッセージを「飛躍に向けた成長軌道の確立」と定めております。成長し続ける永続企業を目指して、重点領域の成長、経営基盤の強化に向け積極的な投資を継続するとともに、基盤領域及び機能部門を中心とした構造改革を推し進めております。ROICマネジメントの実践を通して、これらの戦略をスピードをもって引き続き実行することにより、成長性と資本収益性の好循環を生み出し、2030年に向けた成長軌道を確かなものにしてまいります。 ⑤ 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 重点領域による成長の牽引「inゼリー」を中心としたin事業や「チョコモナカジャンボ」をはじめとした冷菓事業、「おいしいコラーゲンドリンク」などの通販事業の拡大、米国事業では「HI-CHEW」を中心としたブランド育成と事業基盤の強化など重点領域に経営資源を集中してまいります。in事業においては、ゼリー飲料のトップランナーとして「inゼリー」のさらなるシーンとターゲットの拡大を進めるとともに次世代成長ドライバーを育成いたします。冷菓事業は独自価値を有する商品群の技術深耕により、強いものをより強くするとともに、価値提供領域を拡大していく「芽の創造」にも取り組むことで事業成長を実現してまいります。通販事業はこれまで蓄積してきた顧客データを活用し、1to1マーケティングの実践と顧客ニーズに応える商品・サービスの提供によって定期顧客の育成を図るとともに、DtoCの仕組みを構築し新たな事業領域への進出を目指します。米国事業においては、「HI-CHEW」のさらなる拡大と「Chargel」をはじめとした次世代成長ドライバーの育成を図るとともに、事業成長を支える基盤強化を着実に進めてまいります。 基盤領域の資本収益性向上菓子食品事業においては、「ハイチュウ」「森永ビスケット」など主力ブランドへの集中によるカテゴリーポートフォリオの転換、保有資産を活かした売上高の拡大、維持更新投資の選択と集中による段階的アセットライト、コスト低減や販売費効率化、機動的な価格改定など高収益基盤の構築に向けて様々な取組みを実施してまいります。 さらなる成長に向けた取組みウェルネスを基軸に、国内では独自技術を活用した口腔ケア領域への挑戦や当社独自の素材であるパセノール™ビジネスの育成、海外では、ゼリー飲料やコラーゲンドリンクにおける市場創造の深耕に加え、MyMo Holdco, Inc.買収による米国冷菓市場への挑戦をスタートし、当社ブランドと技術によるシナジー発現での事業拡大に取り組んでまいります。また「HI-CHEW」においても、将来の新市場開拓として欧州での取組みを加速させてまいります。 機能部門の構造改革製造部門のスマートファクトリー化のさらなる進化や市場変化を見据えた販売部門の組織最適化による生産性の向上、物流体制の変革により全社的な資本収益性の向上を図ってまいります。構造改革を支える人材育成の強化や職場環境のさらなる改善等、従業員のエンゲージメントを高める取組みを推進してまいります。 経営基盤の構築成長軌道の確立に向け事業戦略を横断的に支える経営基盤を構築してまいります。人事戦略では、「ダイバーシティ&インクルージョン」「人材育成・組織風土づくり」「健康経営の推進」の取組みを進め、人的資本経営を実践してまいります。また、R&D戦略ではグローバル視点の「既存技術深化」「新規技術探索」による価値の創出、DX戦略においてはデジタル経営基盤の拡張とAI技術等による業務高度化・効率化、経理財務戦略ではROICマネジメントの全社推進を行ってまいります。 ⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等「2024中期経営計画」における最終年度2027年3月期の経営目標・指標は以下のとおりであります。 2027年3月期 売上高2,460億円 同 営業利益246億円<重要経営指標> 売上高営業利益率10.0% 重点領域売上高比率53%以上 海外売上高比率16%以上 ROE12%以上 ROIC(注)10%以上 DOE4.3% (注)貸方アプローチで算出 計算式:NOPAT÷投下資本(有利子負債+株主資本)
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、取り巻く経営環境が大きく変化する中、持続的な成長を目指すべく、2021年に新たに企業理念を策定いたしました。企業理念は、わたしたちの使命(パーパス)、わたしたちが目指す未来(ビジョン)、わたしたちが大切にする想い(バリュー)と、これらを一言で表した『コーポレートメッセージ』(おいしく たのしく すこやかに)で構成しております。この企業理念を当社グループにおける全ての活動の拠り所として、ステークホルダーの皆様と社会の期待に応えることで持続可能な社会の実現に貢献し、長期的な企業価値向上を図ってまいります。 (2) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題 ① 経営環境世界的な不確実性の高まり、気候変動や資源不足、デジタル技術の発展、日本国内の人口動態の変化、生活環境の変化など、今後予測される経営環境の変化は安定的な事業活動にとって脅威であるとともに、変化への迅速な対応により新たな需要を創造することは大きな機会になり得ると捉えております。 ② 2030経営計画当社グループは、企業理念のもと、持続可能な社会の実現に貢献しつつ中長期的な成長を遂げ、企業価値を高めていくため、2030年に向けた長期経営計画「2030経営計画」を推進しております。 2030ビジョン当社グループは、2030年の目指す姿として2030ビジョン『森永製菓グループは、2030年にウェルネスカンパニーへ生まれ変わります。』を定めております。「ウェルネス」とは、「いきいきとした心・体・環境を基盤にして、豊かで輝く人生を追求・実現している状態」と定義し、顧客・従業員・社会に、心の健康、体の健康、環境の健康の3つの価値を提供し続ける企業になることを目指してまいります。120余年の歴史で培った信頼と技術を進化させ、あらゆる世代のウェルネスライフをサポートしてまいります。 基本方針 方針1)事業ポートフォリオの転換と構造改革による収益力の向上 <重点領域への経営資源集中> 高い収益性、成長性が見込める事業として、「inゼリー」など「in」ブランドを中心とするin事業、冷菓事業、通販事業、米国事業を選定し、これらを重点領域と定めました。重点領域への経営資源集中によって当社グループの成長を牽引してまいります。<基盤領域による安定的なキャッシュ創出> 菓子食品事業など着実な売上高拡大と収益力向上を目指す事業を基盤領域と定め、重点領域への投資原資の安定的な創出に取り組んでまいります。<探索・研究領域の取組み> ウェルネスを基軸とした国内外におけるビジネスモデルの創造や商品開発など、新たな取組みを総称して探索・研究領域と定め、次世代成長を担う新事業の育成を目指してまいります。<機能部門を中心とした構造改革による収益力の向上> 重点領域への投資原資を創出するとともに、様々な経営リスクに備えるべく、生産、物流、販売など機能部門を中心に、全社的に構造改革を実行していくことで、収益力のさらなる底上げに取り組んでまいります。 方針2)事業戦略と連動した経営基盤の構築 「2030経営計画」の達成に向けた事業戦略と連動し、「人」「技術」「キャッシュ」そして「デジタル」という経営に不可欠なリソースを最大限活かすことで経営基盤をより強固なものにしてまいります。併せてコーポレート・ガバナンスの改革を推し進め、経営の透明性向上を図ってまいります。 方針3)ダイバーシティ&インクルージョンの推進 「一人ひとりの個を活かす」という考えのもと、ダイバーシティ&インクルージョンを推進することで、多様な人材が活躍できる環境・風土をベースに社会課題の解決につながる新しい価値(イノベーション)を創出できる環境の整備を推し進めてまいります。 経営目標「2030経営計画」における経営目標・指標は以下のとおりであります。 2030年売上高3,000億円以上<重要経営指標> 売上高営業利益率12%以上 重点領域売上高比率60%以上 海外売上高比率25%以上 ROE15%以上 ROIC(注)12%以上 DOE4.5%以上 (注)貸方アプローチで算出 計算式:NOPAT÷投下資本(有利子負債+株主資本) 2030経営計画全体像 ③ サステナブル経営パーパスに基づくサステナブル経営を推進現在、グローバル社会では、気候変動問題をはじめとする社会課題の深刻化やデジタル化の急速な進展など、企業活動に大きな影響を及ぼす環境変化が今までにないスピードで起き、将来の見通しに関する不確実性も高まっております。そのような中、パーパス・2030ビジョンを実現するには、ありたい姿に向けた課題を明確化したうえで、長期視点を持ち、全社グループを挙げて取り組んでいくことが必要であります。当社グループは、創業時より社会への貢献を強く意識して事業を行ってまいりましたが、新たな企業理念の策定を機に、グローバル社会の一員としてSDGsの達成を含めた持続可能な社会の実現に向けた取組みを、これまで以上に積極的に進めていくことといたしました。このような取組みの積み重ねが、当社グループのビジネスをよりサステナブルなものとし、持続的成長と中長期的な企業価値の向上につながると考えております。 当社グループのマテリアリティを特定当社グループでは2024中期経営計画策定に当たり、経営を取り巻く外部環境変化を踏まえて、マテリアリティの見直しを行いました。マテリアリティへの対応を通じて、社会価値の創造とレジリエントな経営基盤づくりを着実に進め、持続的成長を実現してまいります。 <当社グループのマテリアリティ特定プロセス>外部環境変化を踏まえ、新たに抽出・整理した取り組むべき課題について、社外ステークホルダー16名(投資家3名、取引先5社、NGO1名、アドバイザリーボードメンバー3名、社外役員4名)と社内のキーメンバー11名で重要性評価を行いました。その結果を基に役員で議論を重ね、当社グループのマネジメントや業務とのつながりを総合的に考慮して統合し、社内決議及び取締役会報告を経て、5つのマテリアリティを特定いたしました。 ④ 2024中期経営計画(2024-2026)2025年3月期を初年度とする「2024中期経営計画」では、2030経営計画達成をより確実なものにするための2ndステージと位置づけ、キーメッセージを「飛躍に向けた成長軌道の確立」と定めております。成長し続ける永続企業を目指して、重点領域の成長、経営基盤の強化に向け積極的な投資を継続するとともに、基盤領域及び機能部門を中心とした構造改革を推し進めております。ROICマネジメントの実践を通して、これらの戦略をスピードをもって引き続き実行することにより、成長性と資本収益性の好循環を生み出し、2030年に向けた成長軌道を確かなものにしてまいります。 ⑤ 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 重点領域による成長の牽引「inゼリー」を中心としたin事業や「チョコモナカジャンボ」をはじめとした冷菓事業、「おいしいコラーゲンドリンク」などの通販事業の拡大、米国事業では「HI-CHEW」を中心としたブランド育成と事業基盤の強化など重点領域に経営資源を集中してまいります。in事業においては、ゼリー飲料のトップランナーとして「inゼリー」のさらなるシーンとターゲットの拡大を進めるとともに次世代成長ドライバーを育成いたします。冷菓事業は独自価値を有する商品群の技術深耕により、強いものをより強くするとともに、価値提供領域を拡大していく「芽の創造」にも取り組むことで事業成長を実現してまいります。通販事業はこれまで蓄積してきた顧客データを活用し、1to1マーケティングの実践と顧客ニーズに応える商品・サービスの提供によって定期顧客の育成を図るとともに、DtoCの仕組みを構築し新たな事業領域への進出を目指します。米国事業においては、「HI-CHEW」のさらなる拡大と「Chargel」をはじめとした次世代成長ドライバーの育成を図るとともに、事業成長を支える基盤強化を着実に進めてまいります。 基盤領域の資本収益性向上菓子食品事業においては、「ハイチュウ」「森永ビスケット」など主力ブランドへの集中によるカテゴリーポートフォリオの転換、保有資産を活かした売上高の拡大、維持更新投資の選択と集中による段階的アセットライト、コスト低減や販売費効率化、機動的な価格改定など高収益基盤の構築に向けて様々な取組みを実施してまいります。 さらなる成長に向けた取組みウェルネスを基軸に、国内では独自技術を活用した口腔ケア領域への挑戦や当社独自の素材であるパセノール™ビジネスの育成、海外では、ゼリー飲料やコラーゲンドリンクにおける市場創造の深耕に加え、MyMo Holdco, Inc.買収による米国冷菓市場への挑戦をスタートし、当社ブランドと技術によるシナジー発現での事業拡大に取り組んでまいります。また「HI-CHEW」においても、将来の新市場開拓として欧州での取組みを加速させてまいります。 機能部門の構造改革製造部門のスマートファクトリー化のさらなる進化や市場変化を見据えた販売部門の組織最適化による生産性の向上、物流体制の変革により全社的な資本収益性の向上を図ってまいります。構造改革を支える人材育成の強化や職場環境のさらなる改善等、従業員のエンゲージメントを高める取組みを推進してまいります。 経営基盤の構築成長軌道の確立に向け事業戦略を横断的に支える経営基盤を構築してまいります。人事戦略では、「ダイバーシティ&インクルージョン」「人材育成・組織風土づくり」「健康経営の推進」の取組みを進め、人的資本経営を実践してまいります。また、R&D戦略ではグローバル視点の「既存技術深化」「新規技術探索」による価値の創出、DX戦略においてはデジタル経営基盤の拡張とAI技術等による業務高度化・効率化、経理財務戦略ではROICマネジメントの全社推進を行ってまいります。 ⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等「2024中期経営計画」における最終年度2027年3月期の経営目標・指標は以下のとおりであります。 2027年3月期 売上高2,460億円 同 営業利益246億円<重要経営指標> 売上高営業利益率10.0% 重点領域売上高比率53%以上 海外売上高比率16%以上 ROE12%以上 ROIC(注)10%以上 DOE4.3% (注)貸方アプローチで算出 計算式:NOPAT÷投下資本(有利子負債+株主資本)
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑴ 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 経営成績の状況■2026年3月期実績(注)1 EBITDAは簡易版を使用→営業利益+減価償却費 2 2025年11月発表値 3 在外子会社換算レートは、1米ドル=150.77円。前同は151.58円。 ■2026年3月期実績:セグメント情報※連結子会社の決算日統一に伴い、以下のとおり前期比較は月ずれが生じております。事業子会社等に包含しているアントステラ(前期 3-2月、当期 4-3月)、海外子会社(前期 1-12月、当期 4-3月)(注)1 inブランドを冠したキャンディ、チョコレート等の商品は菓子食品事業に含む。 2 中国・台湾の米国向け輸出に係る利益を含む。 3 現地通貨ベースの売上高前期比は97.0% ② 財政状態の状況 財政状態は次のとおりであります。(流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は、1,058億2千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億6千万円増加しております。これは主に、現金及び預金が米国第2工場の建設に係る支出並びに配当等の支払や自己株式取得等により46億4千3百万円減少した一方で、増収に伴う受取手形及び売掛金が11億8百万円、原材料及び貯蔵品が14億4千2百万円、原材料の有償支給に係る未収金を含む流動資産のその他が22億5千9百万円増加したこと等によるものであります。(固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は、1,200億9千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ147億7千5百万円増加しております。これは主に、建物及び構築物(純額)が14億8千2百万円、機械装置及び運搬具(純額)が29億5千4百万円減少した一方で、建設仮勘定が148億3千3百万円、数理計算上の差異により退職給付に係る資産が63億2千8百万円増加したこと等によるものであります。(流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は、575億8千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ56億9千6百万円増加しております。これは主に、借り換えに伴い短期借入金が30億円、未払金が15億8千4百万円、未払法人税等が25億8千6百万円増加したこと等によるものであります。(固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は、246億4千万円となり、前連結会計年度末に比べ10億6千3百万円減少しております。これは主に、繰延税金負債が21億2千5百万円増加した一方で、借り換えにより長期借入金が30億円減少したこと等によるものであります。(純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は、1,436億9千6百万円で、前連結会計年度末に比べ113億3百万円増加しております。これは主に、株主還元の強化により、配当金の支払い78億9千3百万円や自己株式の取得48億8千6百万円により減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益177億6千5百万円の計上による増加や数理計算上の差異により退職給付に係る調整累計額が41億3千5百万円増加したこと等によるものであります。以上により自己資本比率は、62.8%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ51億1千9百万円減少し、257億2千6百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金の増加は236億3千7百万円となりました。主な内容は、棚卸資産の増加額22億2千9百万円、法人税等の支払額50億4千9百万円といった資金減少の一方、税金等調整前当期純利益253億2千7百万円、減価償却費101億6千万円によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の減少は142億8千9百万円となりました。主な内容は、有形固定資産の取得による支出169億8千6百万円、投資有価証券の売却による収入36億5千8百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の減少は132億3千6百万円となりました。主な内容は、自己株式の取得による支出47億5千4百万円、配当金の支払額78億9千3百万円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)食料品製造菓子食品事業96,267+1.4 冷菓事業49,730+11.6 in事業10,885△17.6 通販事業-- 事業子会社等9,519△3.0 米国事業10,334△1.7 中国・台湾・輸出等9,686+7.7合計186,423+2.4 (注)1 金額は、販売価格(内部取引価格を含む)によっております。2 「食料卸売」及び「不動産及びサービス」のセグメントについては、該当事項はありません。 b. 受注実績主要製品の受注生産は、行っておりません。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)食料品製造菓子食品事業88,957+5.4 冷菓事業53,528+8.4 in事業29,955△4.4 通販事業10,748△3.9 事業子会社等11,276+0.3 米国事業20,214△3.5 中国・台湾・輸出等10,486+15.7 小計225,167+3.5食料卸売8,798+1.2不動産及びサービス1,897+1.4その他809△0.9合計236,672+3.4 (注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)三菱食品株式会社――24,90010.5 (注)前連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、当連結会計年度より、連結子会社の決算日を3月31日に統一しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑴ 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)3 連結子会社の事業年度等に関する事項」をご覧ください。 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の我が国の経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の堅調な推移を背景に、内需を中心として緩やかな回復基調で推移しました。一方で、期中を通じて継続した物価上昇の影響により、消費者マインドには慎重さが残り、個人消費は底堅さを維持しつつも、伸び悩む推移となりました。また、各国の通商政策や不安定な国際情勢による世界経済の先行き不透明感が続く中、事業活動を取り巻く環境には引き続き不確実性が残る状況です。このような中、当社グループは「2030経営計画」の達成に向けて、その道筋をつくる2ndステージである「2024中期経営計画」の2期目として、引き続き飛躍に向けた成長軌道の確立に向けて成長性と資本収益性の好循環を生み出すべく、各事業の強化を図ってまいりました。その結果、売上高は、主に好調な菓子食品事業、冷菓事業が牽引し、2,366億7千2百万円と前年実績に比べ77億1千5百万円(3.4%)の増収となりました。損益については、原材料価格の高騰や物流費の増加、経営基盤の強化に向けたDXや人的資本への投資などがありましたが、増収及び価格改定・コストダウンを中心とした打ち返しにより、営業利益は前年実績に比べ11億2千8百万円(5.3%)増益の223億9千4百万円、経常利益も前年実績に比べ3億5千5百万円(1.6%)増益の226億5千9百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前年実績に比べ5千5百万円(0.3%)増益の177億6千5百万円となりました。 ■営業利益増減分析(注)1 FY25の実績調達レートは 1米ドル=150.18円、FY24は同150.55円 2 売上原価計上分のみ セグメントの業績は、次のとおりであります。 <食料品製造> 菓子食品事業ビスケットカテゴリーでは、「森永ビスケット」は9月に実施した価格改定による一時的な影響もありましたが、着実に需要を回復し、前年実績を上回りました。キャンディカテゴリーでは、「ハイチュウ」は、発売50周年を切り口としたプロモーションなどにより需要喚起に取り組みました。食感訴求を強化した「ハイチュウミニ」が好調を継続した一方、「ハイチュウプレミアム」の販売が伸び悩み、ブランド全体で前年実績をわずかに下回りました。「森永ラムネ」は、受験生に向けたプロモーションと店頭露出の強化により、パウチ形態の「大粒ラムネ」、ボトル形態いずれも好調が継続したほか、「生ラムネ玉」の販売好調も寄与し、前年実績を大きく上回りました。チョコレートカテゴリーでは、「カレ・ド・ショコラ」は、6月に実施した価格改定以降もハイカカオの健康需要拡大による「カカオ70」の好調が継続したほか、1月の期間限定品の販売好調も寄与し、前年実績を上回りました。「ダース」は、高単価商品が苦戦しましたが、基幹品の「ダース<ミルク>」「白いダース」は9月の価格改定以降も堅調に推移し、前年実績並みとなりました。「チョコボール」は、“おもちゃのカンヅメ”のプロモーション刷新など、断続的な話題喚起により基幹品の好調が継続し、前年実績を上回りました。食品カテゴリーでは、「森永ココア」は、引き続き健康ブランドとして需要喚起に取り組み、9月の価格改定以降も「純ココア」を中心に好調に推移し、前年実績を大きく上回りました。「森永甘酒」は、前年実績を下回りました。なお、原材料等のコストアップへの対応として、昨年2月・3月にチョコレートカテゴリー及びココアの一部商品、6月に「カレ・ド・ショコラ」、9月にチョコレート及びビスケットカテゴリー、ココアなど食品カテゴリーの一部商品において価格改定・内容量の減量を実施しました。さらに、一部商品では商品規格を見直す等の対策も講じております。これらの取組みの結果、収益性は着実に改善しております。これらの結果、菓子食品事業全体の売上高は889億5千7百万円と前年実績に比べ45億2千1百万円(5.4%)増となりました。損益については、原材料価格の高騰を増収及び価格改定・コストダウン等の取組みで打ち返し、営業利益は前年実績に比べ42億4千6百万円(108.4%)増益の81億6千3百万円となりました。 冷菓事業「ジャンボ」グループは、TVCMやポップアップショップを通じた「バニラモナカジャンボ」の認知拡大も奏功し、9月の価格改定以降も販売は好調に推移しました。その結果、グループ全体で前年実績を上回りました。「板チョコアイス」は、基幹品の好調な推移に加え、新商品「板チョコアイス マカダミア」の発売も寄与し、前年実績を上回りました。「ザ・クレープ」は、期間限定品の発売や消費者キャンペーンの展開など、顧客接点拡大に取り組んだ結果、9月の価格改定以降も好調が継続し、前年実績を大きく上回りました。「アイスボックス」は、割材としての活用を訴求するプロモーションなど、秋冬の需要喚起と店頭での取り扱い拡大に取り組み、引き続き好調に推移しました。なお、原材料等のコストアップに対する収益改善策として、主力品について、9月に価格改定・内容量の減量を実施しております。これらの結果、冷菓事業全体の売上高は535億2千8百万円と前年実績に比べ41億6千8百万円(8.4%)増となりました。損益については、原材料価格の高騰や物流費の増加を増収及び価格改定効果で打ち返し、営業利益は前年実績に比べ7億5百万円(16.5%)増益の49億6千3百万円となりました。 in事業「inゼリー」は、日常生活における飲用シーンの訴求に取り組む中で、「エネルギーブドウ糖」は堅調に推移しましたが、「エネルギー」を中心とする基幹品の苦戦により、前年実績を下回りました。「inバー」は、直近ではメインフレーバーの好調に加え、プロテインバーから栄養バランス食品へと領域を拡大した新商品の発売によりターゲット層の拡大を図っておりますが、通期としては前年実績を下回りました。これらの結果、in事業全体の売上高は299億5千5百万円と前年実績に比べ13億8千4百万円(4.4%)減となりました。損益については、減収や物流費の増加により、営業利益は前年実績に比べ14億1千2百万円(19.3%)減益の58億8千8百万円となりました。 通販事業「おいしいコラーゲンドリンク」は、節約志向の高まりや昨年4月に実施した価格改定による解約等の影響が残る中で、顧客獲得効率を踏まえた広告投下により、顧客基盤の拡大に取り組みましたが、ブランド全体で前年実績を下回りました。「おいしい青汁」は、前年実績を下回りました。これらの結果、通販事業全体の売上高は107億4千8百万円と前年実績に比べ4億3千6百万円(3.9%)減となりました。損益については、価格改定効果に加え、顧客獲得効率の状況に応じて広告投資を抑制したことにより、営業利益は前年実績に比べ2億3千6百万円(49.4%)増益の7億1千4百万円となりました。 事業子会社等㈱アントステラは、原材料や人件費等のコストアップに対する収益改善策として10月に価格改定を実施しました。販売については、大手量販店の銘店コーナーへの出店拡大などに取り組みましたが、前年実績を下回りました。森永市場開発㈱は、テーマパークにおける販売が好調に推移したほか、アンテナショップにおける販売も好調を継続し、前年実績を上回りました。これらの結果、事業子会社等全体の売上高は112億7千6百万円と前年実績に比べ3千5百万円(0.3%)増となりました。損益については、営業利益は前年実績に比べ3億7千1百万円(106.9%)増益の7億1千8百万円となりました。 [国内における主な商品の前年比 (単位:%)]菓子食品事業冷菓事業森永ビスケット101ジャンボグループ105ハイチュウ99板チョコアイス104森永ラムネ126ザ・クレープ121カレ・ド・ショコラ113アイスボックス113ダース100in事業チョコボール111inゼリー95森永甘酒93inバー99森永ココア119通販事業 おいしいコラーゲンドリンク95 ※表中の数値は国内販売実績にて算出 米国事業「HI-CHEW」は、食品スーパーチャネルにおける取り扱いSKU数の拡大や新規チャネルの開拓、季節催事における販売促進に取り組みました。一方で、インフレに伴う消費低迷によりコンビニチャネルにおける販売が引き続き伸び悩んだことや、カカオ高騰を背景に大手菓子メーカーがキャンディカテゴリーへの注力を強めたことで、競争環境が一層激化したことの影響などもあり、ブランド全体で前年実績を下回りました。ゼリー飲料「Chargel」は、サンプリング活動やタグラインの刷新などを通じて、商品理解の促進や日常的なシーンにおける需要獲得に向けた取組みを進めております。なお、原材料や人件費、物流費等のコストアップに対する収益改善策として、11月に一部商品において価格改定を実施しております。これらの結果、米国事業全体の売上高は202億1千4百万円と前年実績に比べ7億4千2百万円(3.5%)減となりました。損益については、減収や原材料価格の高騰に加え、米国の関税政策による影響、並びに競争環境激化への対応として店頭での販促を強化したことによる販売促進費の増加により、営業利益は前年実績に比べ17億5千4百万円(57.3%)減益の13億1千万円となりました。 中国・台湾・輸出等中国では、「HI-CHEW」が店舗・ネット販売ともに伸長し、好調に推移しました。台湾では、「inゼリー」の販売が好調を継続したほか、「HI-CHEW」も堅調に推移しました。探索・研究領域である東アジア・東南アジア・オセアニア地区や欧州においても、「HI-CHEW」のグローバルブランドとしてのさらなる拡大に向けて、取組みを進めております。これらの結果、中国・台湾・輸出等全体の売上高は104億8千6百万円と前年実績に比べ14億2千6百万円(15.7%)増となりました。営業利益は前年実績に比べ7千3百万円(14.7%)増益の5億6千9百万円となりました。 以上の結果、<食料品製造>の売上高は2,251億6千7百万円と前年実績に比べ75億8千9百万円(3.5%)増となりました。セグメント利益は223億2千7百万円と前年実績に比べ24億6千5百万円(12.4%)の増益となりました。 <食料卸売>売上高は87億9千8百万円と前年実績に比べ1億8百万円(1.2%)増となりました。セグメント利益は前年実績に比べ7億5千1百万円(52.1%)減益の6億9千万円となりました。 <不動産及びサービス>売上高は、18億9千7百万円と前年実績に比べ2千7百万円(1.4%)増となりました。セグメント利益は8億8千万円と前年実績に比べ7千9百万円(9.8%)の増益となりました。 <その他> 売上高8億9百万円、セグメント利益1億4千5百万円であります。 ② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容財政状態の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの状況)キャッシュ・フローの詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。(キャッシュ・フロー指標のトレンド) 第174期2022年3月期第175期2023年3月期第176期2024年3月期第177期2025年3月期第178期2026年3月期自己資本比率(%)60.760.758.762.362.8時価ベースの自己資本比率(%)88.886.2106.4102.5100.4キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.4-0.61.80.8インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)739.8-288.599.5203.8 (注)自己資本比率:自己資本/総資産 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。※第175期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。 (資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取組み)<2024中期経営計画の進捗>当社グループは「2030経営計画」の達成に向けて、その道筋をつくる2ndステージとして「2024中期経営計画」を策定し、飛躍に向けた成長軌道の確立に向けて成長性と資本収益性の好循環を生み出すべく、各事業の強化を図っております。その2期目にあたる2025年度の売上高は、前年同期実績に比べ3.4%の増収となり5期連続で過去最高を達成し、営業利益も過去最高を更新いたしました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期実績並みとなりました。原材料価格の高騰や物流費の増加、経営基盤の強化に向けたDXや人的資本への投資等がありましたが、増収及び価格改定・コストダウンを中心とした打ち返しにより、増収増益及び売上高営業利益率を改善いたしました。基盤領域では菓子食品事業、重点領域では冷菓事業がそれぞれ増収を牽引し、特に菓子食品事業においては価格改定・コストダウン等により収益性を大幅に改善いたしました。一方、重点領域であるin事業、米国事業は環境変化の中で苦戦いたしました。その結果、重点領域売上高比率及び海外売上高比率は前期と比較してやや低下いたしました。事業ポートフォリオ転換を見据える中で、重点領域売上高比率の低下は課題であり、収益性の高いin事業、グローバル戦略の要である米国事業を中心に、改めて成長軌道を確立していく必要があると認識しております。また、2025年度のROEは、株主還元の強化や政策保有株式等の非事業資産の売却等により13.0%となりました。株主総利回り(TSR)は、株価水準の切り上がりと、2014年度から2025年度にかけて11期連続での増配により、前年に引き続き100%を超える水準(150.5%)となりました。 (注) 貸方アプローチで算出 計算式:NOPAT÷投下資本(有利子負債+株主資本) (注)2021年度の期初より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月)等を適用 2020年度に係る各数値については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値 2018・2019年度は当該会計基準等を遡って適用したと仮定した概算値 (注)2021年度の期初より「収益認識に関する会計基準」 (注)2021年度の期初より「収益認識に関する会計基準」 (企業会計基準第29号2020年3月)等を適用 (企業会計基準第29号2020年3月)等を適用 2020年度に係る数値については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値 2020年度以前に係る数値については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値 (注)1 2024年1月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施 2022年度以前の数値は当該株式分割を遡って適用した後の数値(注)2 TSR (各事業年度末日の株価+各事業年度の4事業年度前から各事業年度までの1株当たり配当額の累計額) ÷各事業年度の5事業年度前の末日の株価 <森永製菓グループの財務課題>企業価値向上を資本市場の視点で評価する指標の一つである株価純資産倍率(PBR)は、2018年度より下降傾向でしたが、2022年度を底に株価上昇と資本収益性の回復を受けて上昇に転じ、2025年度末には約1.6倍となりました。今後も持続的な企業価値向上は当社グループにとって最も重要な財務課題として取り組んでまいります。次にPBRの構成要素であるROEとPERについてですが、ROEは、相対的に収益性の高い冷菓事業やin事業等の成長を促進し、概ね2桁水準を維持しております。新型コロナウイルス感染症の拡大や原材料価格等の高騰といった急激な外部環境の変化もあり、2022年度には7.9%まで低下いたしました。しかし、増収及び価格改定効果等によって事業収益性の維持・改善を図ると同時に、株主還元策の強化並びに政策保有株の縮減や保有不動産の売却等を通じて、手元流動性水準の調整や非事業資産の圧縮を進めたことによる総資産回転率の上昇により、2025年度のROEは13.0%となりました。引き続き、当社グループの株主資本コスト(7~8%と推測)を中長期にわたり安定的に上回ることができる事業基盤の構築を目指してまいります。PERについては、前年より改善し12.8倍となりました。さらなるPER改善に向けて、将来の事業成長に対する資本市場の期待をさらに高めること、環境変化に強い事業ポートフォリオの構築やサステナブル経営の徹底による長期事業リスクの低減を図ることが重要と認識しております。 (注)政策保有株式売却に伴う特別利益を除いた場合は10.1% (注)1 2021年度の期初より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月)等を適用 2020年度に係る各数値については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値 2018・2019年度は当該会計基準等を遡って適用したと仮定した概算値(注)2 売上高当期純利益率は、政策保有株式売却に伴う特別利益の影響を除いた数値(含む場合15.3%) <財務戦略骨子>当社グループの基本方針は、積極的な成長投資と安定した財務基盤を維持することにより、持続的な企業価値向上と継続的かつ安定的な株主還元を実現していくことであります。引き続き、2030経営計画の達成に向けて、「資本コストや株価を意識した経営」を実践し、企業価値を最大化することですべてのステークホルダーに貢献することを目指してまいります。当社グループでは、企業価値(株主価値)を示す代表指標の一つであるPBRに着目し、その構成要素であるROEの向上とPERの上昇を狙いとして、以下に挙げる3つの主要財務戦略を実行いたします。 <戦略① ROICマネジメントの実践による成長力と資本収益性の向上>当社グループは、中長期的な企業価値向上を図るために、ROICマネジメントを実践し、最適な事業ポートフォリオを形成することで「成長軌道の確立」に向けた成長性と資本収益性の好循環を生み出してまいります。そのため「成長性」と「資本収益性」の2軸で事業を分析し、各事業の中長期的な戦略・施策を決定いたします。成長を加速する事業、資本収益性を改善する事業を見定め、投資先・投資規模を含めて、経営資源の最適な配分を行ってまいります。 主に2030経営計画で定める重点領域に対して、事業提携やM&A等のインオーガニック成長や当社グループのマテリアリティへの対応による新たな事業機会の創出を含めて、戦略的な成長投資を最優先に実施し、飛躍的な成長を促してまいります。一方、相対的にROIC水準が低い基盤領域等の事業においては、主に収益性や投下資本効率の改善を通じて「資本収益性」の改善に取り組んでまいります。具体的には、保有資産を活かした売上高拡大を志向しつつ、維持更新投資の選択と集中により、段階的なアセットライトを推進してまいります。同時に、コスト低減、機動的な価格改定等の収益性改善施策を展開いたします。 こうした取組みを全社一丸となって進めるため、2025年度においては、経営層から管理職を対象として、それぞれの役割に応じたROICマネジメントの深化に向けた研修を実施いたしました。従業員の会計リテラシー向上に加え、ROICツリーと実務の結びつきを正確に把握することで、取組みの加速を図ってまいります。 これらを通じて、2024中期経営計画における各事業のミッションや具体的な取組みの考え方を明確化するとともに、成長性と資本収益性の中期目標を事業毎に定めました。同中期経営計画期間においては、重点領域は成長軌道の確立に向けて成長投資を先行して行ってまいります。一方、基盤領域である菓子食品事業については資本収益性の改善を重視し、現状6~7%程度と推計される全社WACC(加重平均資本コスト)を上回る8%以上を目指して取り組んでまいります。 また、個別の投資の実行にあたっては、投資決定基準に基づき案件評価を厳格に行い、投資回収状況を継続的にフォローしながら、資本コストを意識した投資管理を行ってまいります。 (注)1 連結ROICは貸方アプローチ、事業別ROICは借方アプローチ(現預金・投資有価証券等の非事業用資産は投下資本に含まない)で算出(注)2 米国事業の売上高CAGRは現地通貨ベース (注)3 2023年度から2026年度のCAGR <戦略② 財務安全性の確保と資本コストの低減>当社グループは、外的経営環境の急変や戦略的大型投資案件(M&A等)の発現に備え、一定水準の財務安全性と投資余力を確保することを基本方針としております。財務安全性の基準としては、㈱日本格付研究所(JCR)における長期発行体格付「A」以上を維持することを原則としております。また、手元流動性、ネットD/Eレシオ、有利子負債/EBITDA倍率といった財務指標をモニタリングして財務安全性を確保してまいります。そのうえで、投資資金需要を満たすための資金調達にあたっては、適切な手元資金の水準、資金調達コストの水準等の調達条件、財務安全性指標やROE・ROICといった財務指標への影響等を総合的に勘案し決定いたします。 また、当社グループは、企業価値の向上に向けて資本コストの低減に取り組んでまいります。現状のネットキャッシュの状況に対し、財務安全性や投資資金需要を見極めたうえで、有利子負債の構成を高め、財務レバレッジを活用することで、現状6~7%程度と推計されるWACC(加重平均資本コスト)の低減を図ってまいります。株主資本コストは7~8%程度と推計されますが、その低減にあたっては、環境変化に強い事業ポートフォリオの構築やサステナブル経営の推進による長期事業リスクの低減が重要と認識しております。そのため、当社グループのマテリアリティへの対応を進めるとともに、無形投資(広告・R&D・DX・人材等)を強化し、持続的な事業成長力を高めてまいります。また、政策保有株式のさらなる縮減、非事業不動産等の売却・処分推進等のアセットライトにより、投下資本の圧縮と成長投資資金の確保を図るとともに、資産価値変動リスクを低減いたします。そのうち政策保有株式については、2024中期経営計画期間終了までに2024年度末より半減させることを掲げており、2025年度は時価総額で36億円の売却を実施いたしました。引き続きアセットライトを進めてまいります。さらに、財務・非財務情報の開示や株主・投資家との対話を強化し、中長期的事業成長への取組み、事業リスク等への対応状況等をご理解いただき、適正な株価形成によって株価ボラティリティを抑制してまいります。 (注)みなし保有株式は含まない <戦略③ 株主還元の強化>当社グループは、戦略的かつ重要な事業投資を優先することを原則としつつ、株主の皆様への利益還元について、経営基盤の盤石化を進めながら、継続的かつ安定的な株主還元を実施することを基本方針としております。株主還元にあたっては、健全なバランスシートを維持することを前提に、配当性向の水準、フリーキャッシュ・フローを考慮しながら、資本政策の指標である純資産配当率(DOE)の水準を中長期的に引き上げていくことを目指してまいります。また、総還元性向を意識して、投資資金需要を考慮しつつ、必要に応じ自己株式の取得を機動的に実施することも検討してまいります。2024中期経営計画期間においては、3年間で360億円以上(注5)の株主還元の実現を目標として掲げております。2024中期経営計画2年目である2025年度においては、剰余金の配当54億円、自己株式取得47億円(所在不明株主の株式買取り分を除く)の計102億円(キャッシュアウトベースでは2025年度より中間配当を実施したため126億円)を実施し、2024中期経営計画期間における総還元額は2024年度から累計で278億円となりました(キャッシュアウトベースでは300億円)。2014年度から2026年度までに12年連続の増配予想で、今後とも継続的かつ安定的な配当を目指してまいります。加えて、2025年度より中間配当を実施し、株主の皆様への利益還元の機会を増やしました。さらに、機動的な資本政策の遂行を図るため、今後も必要に応じ自己株式の取得を検討してまいります。 (注)1 当該会計期間中の取得金額を記載(2026年5月11日までの取得分。なお2025年度の金額は所在不明株主の株式買取り分を除いたもの)(注)2 2026年5月11日における2027年3月期業績予想数値 (注)3 当該会計期間に係る剰余金処分の額を記載 (注)4 2024年1月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施。2022年度以前の数値は株式分割を遡及適用した数値(注)5 2024中期経営計画期間におけるキャッシュアウトベースの金額 <キャッシュアロケーションの考え方>当社グループは、2030経営計画達成のための道筋をつくるため、2024中期経営計画では「飛躍に向けた成長軌道の確立」をテーマと定め、重点領域を中心とした事業成長投資、事業戦略と連動した経営基盤強化投資、無形資産投資を実行し、サステナビリティを強化してまいります。特に「HI-CHEW」のグローバルにおけるブランド成長に向けた生産体制構築のための戦略的投資、DX投資をはじめとした経営基盤強化のための戦略投資、重点領域への積極的なM&A探索を含め、2024中期経営計画期間の3年間で総額約600億円(注1)の投資を計画しております。2025年度においては、米国での「HI-CHEW」の現地生産拡張のため、森永アメリカフーズ㈱の第2工場の建設を進めてまいりました。また、2026年4月1日付で米国最大手のモチアイス製造企業であるThe Mochi Ice Cream Company, LLCの全持分を間接的に保有するMyMo Holdco, Inc.の全株式を取得し、子会社化いたしました。DX投資についてはグローバルレベルでの業務・システムの標準化、業務の効率化・高度化の実現を目的とした基幹システムの刷新及び高度化等に伴い、約10億円の投資を実施いたしました。一方、株主還元については、事業からのキャッシュ創出力を引き続き強化し、2024中期経営計画期間で360億円以上(注2)の還元を目指す方針であります。 (注)1 中計期間における計上ベースの金額 (注)2 中計期間におけるキャッシュアウトベースの金額 <株主・投資家の皆様との対話について>当社グループは、中長期的な企業価値向上を目指し、長期経営計画である「2030経営計画」の達成に向けて、「資本コストや株価を意識した経営の実践」を重要な経営課題の一つと位置づけております。この方針のもと、株主・投資家の皆様との建設的な対話の促進及びその内容の経営への反映に注力し、IR活動を継続的に深化してまいりました。四半期毎の決算説明会や個別IR面談に加え、海外IRやカンファレンス、資本市場の関心事項を踏まえたIR Dayやスモールミーティングを通じて、特に中長期視点での対話の拡充を図っております。また、個人投資家向けの説明会も継続し、幅広い投資家層とのコミュニケーションを推進しております。開示情報の拡充にも引き続き取り組んでおり、当社ホームページのIRサイトにおいては、投資判断に資する情報を分かりやすく提供することに努めてきた結果、継続的に外部機関から高い評価をいただいております。対話の実施状況や内容については、四半期毎に開催されるIR委員会や取締役会に報告し、取組方針等を検討・議論するとともに、年間を通じて適宜関連部門にもフィードバックを行い、資本市場の視点を踏まえた経営判断や施策検討に繋げております。 (注)個別IR面談、IR Day、スモールミーティング、カンファレンス、海外IRにて投資家・アナリストとの接点を得た回数(カウントの単位は「社」、同一四半期において複数回の接点があった場合も「1」とカウントし、四半期毎の合算で集計) 対話においては、事業戦略や成長性に加え、資本効率に対する関心が引き続き高いことを踏まえ、2024中期経営計画において開示した主要事業別のROIC実績及び目標並びに資本コストの推計値を共通の議論基盤として用いております。投資家・アナリストの皆様のご意見や評価を社内での検証に活かし、資本効率改善に向けた検討を継続するとともに、資本の有効活用及び企業価値向上の観点から、手元流動性水準や政策保有株式の保有意義を定期的に検証した上で、縮減を含む対応を進めております。引き続き、建設的な対話の促進に努め、得られた示唆を経営活動に活かす好循環を通じて、持続的な企業価値向上を目指してまいります。

事業リスク

  • サイバー攻撃による事業停止
    サイバー攻撃により、個人情報や機密情報が漏洩するリスクがあります。これにより、社会的信用が失墜するだけでなく、生産ラインや物流機能が停止し、業績に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。24時間監視体制やセキュリティ教育の徹底で対応していますが、攻撃の高度化は常に脅威です。
  • 商品欠陥・リコール発生リスク
    異物混入などにより商品に欠陥が生じ、リコールが発生する可能性があります。これにより、多額の損害賠償費用やリコール費用が発生するだけでなく、ブランドイメージが著しく低下し、売上が大幅に減少する恐れがあります。品質保証体制を強化していますが、リスクはゼロではありません。
  • 原材料調達・資材調達リスク
    気候変動、政情不安、為替変動などにより、原材料や資材の価格が高騰したり、調達が困難になるリスクがあります。代替原料の確保が難しい場合、製造コストが増加し、販売価格への転嫁ができないと、中長期的に業績を圧迫する可能性があります。調達先の分散や為替予約で対応しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,222 文字
3 【事業等のリスク】(1) リスクマネジメント体制当社グループは、事業活動に潜在する様々なリスクを把握し、トータルリスクマネジメントの理念のもとリスクに対し適切な対応を図るべく取り組んでおります。事業活動に潜在するリスクに対応するため、内部統制システムの一環として「トータルリスクマネジメント規程」を制定し、想定されるリスクを分類・評価して平常時における予防策を実施しております。またトータルリスクマネジメントを組織横断的に検討・主管・実施する組織として、取締役が参加する「トータルリスクマネジメント委員会」を設置し、協議内容を取締役会に報告しております。 (2) リスクの把握と管理当社グループは、「トータルリスクマネジメント規程」に基づき、想定リスクの把握とリスクの影響度・発生頻度の評価を行い「トータルリスクマップ」を作成し、リスク対応の優先順位を見直し・決定をしております。優先的に対応すべきリスクは、リスク対応策の立案部門と実施部門を明確にし、立案部門はリスク対応策の立案と実施状況のモニタリング、改善策の策定を行い「トータルリスクマネジメント委員会」に報告する、一連のPDCAを回しております。また災害発生時においても、事業継続を確実に行うために、主要商品について事業継続マネジメント(BCM)の円滑な運用が図れるよう定期的に見直しを行い、その結果を「トータルリスクマネジメント委員会」に報告しております。 ◆リスクマネジメント体制図 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの事業、業績及び財政状態等に影響を与え、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスク事項には、次のようなものがあります。 なお、本事項の文中に将来に関する事項が含まれており、有価証券報告書提出日(2026年6月25日)現在において判断したものであります。 (3) 短期・中期の視点から事業、業績及び財政状態等に影響を与える可能性のある重要なリスク 想定されるリスク影響度発生頻度森永製菓グループの対応サイバー攻撃・基幹システムがサイバー攻撃を受け、個人情報・顧客情報、機密情報が漏えいし、社会的信頼が失墜し、売上が減少するとともに、生産ラインの停止、物流機能の停止といったサプライチェーンの停止に伴い、業績が悪化高中・グループ全体のセキュリティ管理体制における役割及び責任を明確化した管理体制の段階的な整備・インシデント発生時の対応計画、復旧計画及び対応フローの整備、運用・ゼロトラストの考え方を取り入れたネットワーク構成、アクセス管理の設計及び段階的な導入・各種規程類の整備及び継続的な見直し・サイバー保険の加入継続商品欠陥・リコール・商品への異物混入等により、規定された品質水準を満たさない商品が市場に出荷され、損害賠償、リコール等の費用が発生するとともに、社会的信頼が失墜し、売上が著しく減少高中・「品質方針」「品質保証規則」等を定め、体系的な品質保証体制を構築・商品開発段階での「品質アセスメントシステム」による原材料及び商品の安全性・適法性、適切な輸送・保管条件、容器包装への正確で分かりやすい表示等の重要項目の確認・国内外の工場で食品安全マネジメントシステム「FSSC22000」「JFS」等の認証取得・製造委託先の管理、点検・品質事故発生に備えた「クライシス対応要領」を設定労働災害・従業員の生命身体を脅かす事故が発生(製造などの業務実施中における事故/交通事故)高中・「森永製菓グループ 労働安全衛生方針」の制定、社内外への周知、安全で快適な職場環境の推進・労働災害に関する情報を共有し、事故を防止するための対策を講じるため安全対策労使会議の実施・営業部門による安全運転研修、危険予知研修の実施・生産部門による労災疑似体験教育、シニア教育・体力測定の実施 想定されるリスク影響度発生頻度森永製菓グループの対応固定資産の投資・投資当初に想定・計画したとおりの成果が獲得できず、事業の収益性が低下し、固定資産の減損が発生高中・投資管理規程に則った以下の投資マネジメントの実施▷ 一定水準以上の投資を行う場合は取締役会決議とし、定性、定量、リスクアセスメント等の多面的な視点での包括的な評価を実施▷ 投資回収状況についての継続的なモニタリング、変化点の適時把握と適切なリカバリープランの実行を志向個人情報等の情報漏えい(持ち出し)・役員又は従業員による不正持ち出しにより、顧客の個人情報等の機密情報・重要情報が漏えいし、社会的信頼が失墜高中・本リスクにおける「個人情報」を定義し、個人情報取扱い規程、個人情報取扱い細則、個人情報の取扱いに関する運用マニュアルを制定、運用大地震・津波・噴火・風水害等の自然災害によるサプライチェーンの停止・工場や倉庫、従業員の被災、物流寸断等による調達・生産・物流・販売活動の停止に伴い、機会損失が発生・会社資産の被災により、固定資産及び棚卸資産に関する災害損失が発生中中・ハザードマップの確認・避難場所の確認、防災設備点検、防災訓練、非常食点検他を実施・台風や大雨の襲来が予測される場合は、配送センター、製品倉庫の周辺状況を把握し被害が発生しない様に関係先へ注意喚起・「南海トラフ地震臨時情報対応要領」を策定し、臨時情報「巨大地震警戒」発表時に事業継続・停止の判断を実施感染症のまん延・従業員が感染症にかかり、生産ライン、物流機能といったサプライチェーンの停止に伴い、売上が減少・本社、販売事業所の従業員が感染症にかかり、間接業務の運用が非効率となり、費用が増加中中・「感染症がまん延した時の対応方針」を更新することで未発生時・初期段階(海外発生時)での周知と準備を徹底・社内感染対策として衛生用品を備蓄 (4) 中期・長期の視点から事業、業績及び財政状態等に影響を与える可能性のある重要なリスク 想定されるリスク影響度発生頻度森永製菓グループの対応原材料調達・資材調達のリスク・気候変動・人口動態・政情不安・為替変動等の環境変化により原料不足など調達難に陥り、かつ、代替原料を調達することができなかった結果、価格が高騰した原材料資材を調達せざるをえず、費用(調達コスト)が増加・当該調達コストの増加を販売価格に転嫁できなかった場合、中長期的に業績を圧迫高高・サプライヤー等からの市況、変動予測情報の収集・為替変動をヘッジするための為替予約等の実施・生産地、サプライヤー等調達拠点の分散・多様化・安定調達可能な原材料等への置換検討の推進・企画、調達、生産連携によるコスト圧縮の取組み・適正在庫水準の維持・重要原材料のサステナブル化、サプライヤーのサステナビリティ取組みの推進温室効果ガス排出規制への対応コストの増加・温室効果ガス排出規制により、エネルギーに関する追加費用が発生中高・スマートファクトリー化を推進し、高効率な生産体制へ転換・老朽化した既存設備の更新時に省エネ設備へ更新することで、追加費用を低減・高崎森永㈱において、オンサイトPPAによる太陽光発電電力の受電を開始・再生可能エネルギーの導入を推進 省エネ政策への対応コストの増加・省エネ対応に伴い、製造設備投資に起因する追加費用が発生高中サクセッションプランの停滞・サクセッションプランを適切に作成、運用できず、事業を推進する経営者を継続的に輩出できないことにより、中長期の経営目標達成や事業継続が困難高中・役員候補、部長候補、マネジャー候補を選定、毎年見直しを行い候補者に対して選抜育成・計画配置を実施・多様な考え方を取り入れるため、内部選抜・育成と並行して、必要に応じて外部キャリア採用での人材確保 なお、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある要素は、上記だけに限定されるものではありません。

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