事業の概要
- 持株会社体制アルフレッサ ホールディングスは、グループ全体の経営戦略の策定や経営計画の立案を行う持株会社です。傘下の各事業会社がそれぞれの専門分野で事業を展開し、グループ全体で経営資源を有効活用することで企業価値の向上を目指しています。これにより、各事業の専門性を高めつつ、グループとしてのシナジー効果を追求するビジネスモデルです。
- 医療用医薬品等卸売グループの中核事業は、アルフレッサ株式会社を中心とした医療用医薬品、医療用検査試薬、医療機器・材料の卸売です。病院や診療所などの医療機関に対し、医薬品や医療材料を安定的に供給することで収益を得ています。この事業は、医療現場のニーズに応える重要な役割を担っており、グループの売上の大部分を占める主力事業です。
- 医薬品等の製造販売アルフレッサ ファーマ株式会社を中心に、医薬品、医療用検査試薬、医療機器・用具、医薬品原薬などの製造販売も行っています。自社で製品を開発・製造し、それを医療機関や薬局に提供することで収益を上げています。これにより、卸売だけでなく、製品の企画・開発から販売までを一貫して手掛けることで、より高い付加価値を創出しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 医療用医薬品等卸売事業この事業は、主に医療用医薬品、医療用検査試薬、医療機器・材料の卸売を行っており、グループの売上高の大部分を占める主力事業です。2兆6210億6200万円の売上と330億5500万円の営業利益を上げており、病院や診療所への安定供給を通じて医療現場を支えています。
- セルフメディケーション卸売事業一般用医薬品、健康食品、ヘルスケア関連商品などを卸売する事業で、2652億7500万円の売上と29億5000万円の営業利益を計上しています。ドラッグストアや薬局などを通じて、消費者の健康維持・増進に貢献しており、多様なニーズに対応する事業として成長が期待されます。
- 医薬品等製造事業医薬品、医療用検査試薬、医療機器・用具、医薬品原薬などの製造販売を行う事業です。売上高は376億9000万円、営業利益は12億9400万円です。自社で製品を開発・製造することで、グループ全体の付加価値を高め、卸売事業との連携により安定的な供給体制を構築しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| EthicalPharmaceuticalsWholesalingBusiness | 地域 | 26,211 | 331 | 1.3% |
| SelfMedicationProductsWholesalingBusiness | 地域 | 2,653 | 30 | 1.1% |
| ManufacturingBusiness | 地域 | 377 | 13 | 3.4% |
| MedicalRelatedBusiness | 地域 | 370 | 6 | 1.6% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社は、持株会社としてグループ全体の経営方針の策定、それに基づく経営計画の立案を行うとともに、グループとして経営資源を有効に活用し継続的な企業価値の向上を図ることを基本的な役割としております。当社グループは、アルフレッサ株式会社を中心とした医療用医薬品、医療用検査試薬、医療機器・材料等の卸販売、アルフレッサ ヘルスケア株式会社を中心とした一般用医薬品等の卸販売、アルフレッサ ファーマ株式会社を中心とした医薬品、医療用検査試薬、医療機器・用具、医薬品原薬等の製造販売およびアポクリート株式会社を中心とした調剤薬局の経営を主たる事業としております。事業内容と当社および関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。次の事業区分のうち、主たる事業である医療用医薬品等卸売事業、セルフメディケーション卸売事業、医薬品等製造事業および調剤薬局等事業につきましてはセグメント情報の区分と同一であります。また、その他の事業についても一部営んでおります。事業区分会社名主要取扱品等医療用医薬品等卸売事業アルフレッサ㈱医療用医薬品、医療用検査試薬、医療機器・材料四国アルフレッサ㈱医療用医薬品、医療用検査試薬、医療機器・材料ティーエスアルフレッサ㈱医療用医薬品、医療用検査試薬、医療機器・材料明祥㈱医療用医薬品、医療用検査試薬、医療機器・材料㈱琉薬医療用医薬品、医療用検査試薬、医療機器・材料東北アルフレッサ㈱医療用医薬品、医療用検査試薬、医療機器・材料アルフレッサ メディカルサービス㈱医療材料、SPD事業(注)1アルフレッサ篠原化学㈱医療用検査試薬、研究試薬、福祉介護用品エス・エム・ディ㈱医療用医薬品エーエル プラス㈱運送業、倉庫業㈱宮崎温仙堂商店医療用医薬品、医療用検査試薬、医療機器・材料㈱テクノ・スズタ医療用検査試薬、研究試薬、医療機器セルフメディケーション卸売事業アルフレッサ ヘルスケア㈱一般用医薬品、健康食品、ヘルスケア関連商品医薬品等製造事業アルフレッサ ファーマ㈱医薬品、医療用検査試薬、医療機器・用具、その他(医薬品原薬等)青島耐絲克医材有限公司医療機器・用具アルフレッサ ファインケミカル㈱医療用医薬品原薬調剤薬局等事業アポクリート㈱調剤薬局の経営その他事業アルフレッサ システム㈱情報システムの運用・保守および開発事業セルリソーシズ㈱細胞原料、特定細胞加工物、再生医療等製品ArkMS㈱CRO・PMS事業(注)2アルフレッサ ビズサポート㈱ 他保険代理業、不動産管理業務、日用雑貨消耗品等の販売 他 (注)1.SPD(Supply Processing and Distribution):院内の全ての物品を対象に、購入から物流・消費までの管理を一元的に行い、合理化・効率化・管理精度の向上を図ろうとする考え方。医療機関においても経営の効率化が求められているため、院内物品管理を外部業者に委託する施設が増加しております。2.CRO(Contract Research Organization):製薬企業や研究機関が行う臨床試験に関する一連の業務を支援する専門機関PMS(Post Marketing Surveillance):医薬品や医療機器が販売された後に行われる品質、有効性および安全性の確保を図るための調査 当社と、主な関係会社の位置付けは次のとおりであります。 2026年3月31日現在 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 主要取扱商品の医療用医薬品の価格は厚生労働大臣の告示によって公定され、定期的に引き下げ改定が行われるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)による免許・許可の登録および指定、開発、製造、輸入に関する承認許可が必要。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:医療制度改革による経営成績への影響 / 薬価改定による経営成績への影響 / 法的規制および法令違反等による影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
アルフレッサは医薬品卸売業界における主要プレイヤーであり、長年の実績と信頼に基づくブランド力は一定の無形資産となり得る。しかし、特許や独占的IPといった強力な無形資産は限定的である。
スイッチングコスト★★★☆☆
医療機関や薬局は、医薬品の安定供給、品質管理、物流網の信頼性から、既存の卸売業者との取引を継続する傾向が強い。取引先の変更には、新たなサプライヤー選定、契約手続き、物流再構築などのコストやリスクが伴うため、スイッチング・コストは中程度存在する。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
医薬品卸売業は、プラットフォーム型ビジネスではなく、サプライヤーと顧客の直接的な取引が中心であり、ネットワーク効果はほとんど見られない。
コスト優位★★☆☆☆
医薬品卸売業は、規模の経済による効率的な物流網の構築や、大量仕入れによる価格交渉力がコスト優位に寄ち寄与する可能性がある。しかし、業界全体として価格競争は激しく、構造的なコスト優位性は限定的である。
規模の経済★★★★★
アルフレッサは日本国内の医薬品卸売市場においてトップクラスのシェアを誇り、広範な物流ネットワークと多数の取引先を有している。この規模は、効率的なオペレーションと広範なカバレッジを可能にし、新規参入者にとって大きな障壁となる。
- 広範な事業領域アルフレッサグループは、医療用医薬品卸売、一般用医薬品卸売、医薬品製造販売、調剤薬局経営、医療関連サービスなど多岐にわたる事業を展開しています。これにより、医療・ヘルスケア分野における多様なニーズに対応できるだけでなく、事業間の連携によるシナジー効果も期待でき、安定的な収益基盤を築いています。
- 強固な流通ネットワーク医療用医薬品等の卸売事業において、アルフレッサ株式会社をはじめとする複数のグループ会社が全国各地で事業を展開しています。これにより、医療用医薬品や医療機器・材料を安定的に供給できる強固な流通ネットワークを構築しており、医療機関への迅速かつ確実な供給体制が競争優位性となっています。
- 専門性と品質管理医薬品等製造事業では、アルフレッサ ファーマ株式会社が医薬品原薬や医療機器・用具の製造販売を手掛けています。医薬品の品質、有効性、安全性に関する厳しい規制を遵守し、高い品質管理体制を構築することで、医療現場からの信頼を得ています。これは、生命関連商品を扱う企業にとって重要な競争力となります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針アルフレッサグループは、「グループ理念」および「サステナビリティ基本方針」等として次のように位置づけております。(注) 2026年3月期の期首より従来の医療関連事業を調剤薬局等事業に改称し、その他事業セグメントを新設しております。 (2) 中期経営計画アルフレッサグループは、2028年3月期を最終年度とする「25-27 中期経営計画 Vision2032 Stage2 ~総合力で未来を切り拓く~」を策定しております。① 「25-27中期経営計画」グループ経営方針 グループ全体で、医薬品等の導入・開発、製造から物流・販売、市販後調査、ラストワンマイルまでをシームレスに提供し、限定流通品の獲得、CDMO事業の拡大、安定的なサプライチェーン運営を目指してまいります。 成長が期待されるモダリティに、グループとして一元対応できるように機能を充実してまいります。 持続的成長に向けて新たな収益モデルを構築するため、各事業セグメントならびにTSCS、再生医療関連事業、医療周辺事業、海外事業に積極的に投資をしてまいります。 グループ価値向上に向けて基盤事業の収益力向上を図ってまいります。 物流費や人件費等の上昇、毎年薬価改定の環境の中、コストコントロールの徹底を進めてまいります。 サステナビリティ基本方針については、グループ理念に加え、持続可能な社会と企業価値向上を目指す姿勢をより詳しく表現し、サステナビリティ重要課題も新たに特定いたしました。 ② セグメント別の重点施策(A) 医療用医薬品等卸売事業 (B) セルフメディケーション卸売事業 (C) 医薬品等製造事業 (D) 調剤薬局等事業 (3) 目標とする経営指標25-27中期経営計画の最終年度である2028年3月期の経営目標を次のとおり設定しております。目標とする経営指標2028年3月期売上高(連結)3兆3,000億円営業利益(連結)435億円ROE(3年平均)7%水準投資計画(累計)1,200億円株主還元DOE(注) 2.5%以上かつ累進配当 (注)DOE:連結純資産配当率 〈投資計画(累計)〉2026年3月期から2028年3月期までの3か年累計で1,200億円規模の投資を予定しております。 (4) 経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、今後大きく変化することが予想されております。 (5) 優先的に対処すべき事業上の課題① 企業価値の向上に向けた取り組みアルフレッサグループでは、グループ理念に基づいて、「健康寿命の延伸」、「地域医療への貢献」、「ヘルスケア・イノベーション」を通じた社会価値を創造するため、2032年度を目標年度とする「アルフレッサグループ中長期ビジョン」を掲げております。中長期ビジョンの実現に向けた第2ステージとして位置付けている「25-27中期経営計画」2年目となる本年度は、初年度に実施した各種施策・投資の成果を着実に顕在化させるとともに、成長事業・新規事業への戦略的投資を継続し、その収益化の確度を高める重要なフェーズと位置付けております。あわせて、基盤事業の更なる競争力強化、コストコントロールの徹底およびサステナビリティ経営の推進を通じて、重点分野への投資とコスト最適化を両立させ、確実な利益拡大と事業基盤の強化に取り組んでまいります。 (A) 事業戦略 ~トータルサプライチェーンサービスの取り組み~医薬品のスペシャリティ化や創薬ベンチャーの台頭等により、医薬品開発・製造・流通を取り巻く環境は大きく変化しております。このような中で、医薬品メーカー等からは、開発、製造から物流、販売、市販後調査に至るまでを一体的に支援できる戦略的パートナーとしての役割が求められております。当社グループは、「25-27中期経営計画」における主要方針の一つとして、グループ全体で保有する経営資源を有機的に一体活用し、「トータルサプライチェーンサービス(TSCS)」の進化・拡大に取り組んでおります。その一環として、2026年1月より、海外の新興バイオ医薬品企業等の日本市場参入を包括的に支援するプラットフォーム「PATH-Solution」のサービス提供を開始いたしました。本サービスは、当社のトータルサプライチェーンサービス(TSCS)の機能を活用し、日本市場への参入検討から承認、上市後の流通に至るまでを一気通貫で伴走支援するものであり、海外からの革新的医薬品の導入促進を通じて、「ドラッグ・ラグ/ロス」の解消に貢献することを目的としております。一方で、米国最恵国待遇(MFN)薬価政策※が市場予見性を下げ、国内における新薬の開発・上市に悪影響を及ぼし得るリスク要因であると認識しております。当社グループは、こうした外部環境の変化を踏まえつつ、安定的なサプライチェーン運営、更なる流通改善および新たな価値創出を図り、医療・ヘルスケア分野における社会的課題の解決と持続的な成長を目指してまいります。※ 米国最恵国待遇(MFN)薬価政策:米国における医薬品価格を他の先進国と同水準に引き下げることを目的に導入が検討されている政策 (B) 財務・資本戦略中長期ビジョンとその第2ステージである「25-27中期経営計画」の達成に向けて、成長・新規領域への資金配分を行い、事業ポートフォリオの拡大・変革による収益力強化を目指すとともに、株主還元や最適なバランスシート運営により資本効率性を追求し、当社グループの価値向上を実現してまいります。3年間の主要な指標として、累計営業利益額約1,190億円、平均ROE7%水準、投資1,200億円規模(うち、新規・成長領域への投資700億円)、DOE2.5%以上かつ累進配当、政策保有株式※の連結純資産比率10%未満(2028年3月期)を掲げております。2026年3月期における政策保有株式の連結純資産比率は9.19%(保有金額466億円)と目標を達成しております。今後も資本効率の更なる向上に向け、政策保有株式の縮減を継続してまいります。※ 政策保有株式:「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」に記載の当事業年度末における政策保有株式残高(C) サステナビリティ(ESG)戦略当社グループは、「ヘルスケアコンソーシアム®」の実現を長期目標に掲げ、「サステナビリティ基本方針」に基づき、経営の根幹にサステナビリティを位置付けております。25-27中期経営計画において特定した8つの重要課題を事業運営および経営判断の基盤として活用し、経営資源の配分や取り組みの優先順位の明確化を図っております。医薬品・ヘルスケア流通という社会インフラを担う企業として、医薬品等の安定供給を中核に、人財、環境、ガバナンスに関する取り組みを事業活動と一体で推進しております。本年度も引き続き、社会課題の解決に貢献し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針アルフレッサグループは、「グループ理念」および「サステナビリティ基本方針」等として次のように位置づけております。(注) 2026年3月期の期首より従来の医療関連事業を調剤薬局等事業に改称し、その他事業セグメントを新設しております。 (2) 中期経営計画アルフレッサグループは、2028年3月期を最終年度とする「25-27 中期経営計画 Vision2032 Stage2 ~総合力で未来を切り拓く~」を策定しております。① 「25-27中期経営計画」グループ経営方針 グループ全体で、医薬品等の導入・開発、製造から物流・販売、市販後調査、ラストワンマイルまでをシームレスに提供し、限定流通品の獲得、CDMO事業の拡大、安定的なサプライチェーン運営を目指してまいります。 成長が期待されるモダリティに、グループとして一元対応できるように機能を充実してまいります。 持続的成長に向けて新たな収益モデルを構築するため、各事業セグメントならびにTSCS、再生医療関連事業、医療周辺事業、海外事業に積極的に投資をしてまいります。 グループ価値向上に向けて基盤事業の収益力向上を図ってまいります。 物流費や人件費等の上昇、毎年薬価改定の環境の中、コストコントロールの徹底を進めてまいります。 サステナビリティ基本方針については、グループ理念に加え、持続可能な社会と企業価値向上を目指す姿勢をより詳しく表現し、サステナビリティ重要課題も新たに特定いたしました。 ② セグメント別の重点施策(A) 医療用医薬品等卸売事業 (B) セルフメディケーション卸売事業 (C) 医薬品等製造事業 (D) 調剤薬局等事業 (3) 目標とする経営指標25-27中期経営計画の最終年度である2028年3月期の経営目標を次のとおり設定しております。目標とする経営指標2028年3月期売上高(連結)3兆3,000億円営業利益(連結)435億円ROE(3年平均)7%水準投資計画(累計)1,200億円株主還元DOE(注) 2.5%以上かつ累進配当 (注)DOE:連結純資産配当率 〈投資計画(累計)〉2026年3月期から2028年3月期までの3か年累計で1,200億円規模の投資を予定しております。 (4) 経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、今後大きく変化することが予想されております。 (5) 優先的に対処すべき事業上の課題① 企業価値の向上に向けた取り組みアルフレッサグループでは、グループ理念に基づいて、「健康寿命の延伸」、「地域医療への貢献」、「ヘルスケア・イノベーション」を通じた社会価値を創造するため、2032年度を目標年度とする「アルフレッサグループ中長期ビジョン」を掲げております。中長期ビジョンの実現に向けた第2ステージとして位置付けている「25-27中期経営計画」2年目となる本年度は、初年度に実施した各種施策・投資の成果を着実に顕在化させるとともに、成長事業・新規事業への戦略的投資を継続し、その収益化の確度を高める重要なフェーズと位置付けております。あわせて、基盤事業の更なる競争力強化、コストコントロールの徹底およびサステナビリティ経営の推進を通じて、重点分野への投資とコスト最適化を両立させ、確実な利益拡大と事業基盤の強化に取り組んでまいります。 (A) 事業戦略 ~トータルサプライチェーンサービスの取り組み~医薬品のスペシャリティ化や創薬ベンチャーの台頭等により、医薬品開発・製造・流通を取り巻く環境は大きく変化しております。このような中で、医薬品メーカー等からは、開発、製造から物流、販売、市販後調査に至るまでを一体的に支援できる戦略的パートナーとしての役割が求められております。当社グループは、「25-27中期経営計画」における主要方針の一つとして、グループ全体で保有する経営資源を有機的に一体活用し、「トータルサプライチェーンサービス(TSCS)」の進化・拡大に取り組んでおります。その一環として、2026年1月より、海外の新興バイオ医薬品企業等の日本市場参入を包括的に支援するプラットフォーム「PATH-Solution」のサービス提供を開始いたしました。本サービスは、当社のトータルサプライチェーンサービス(TSCS)の機能を活用し、日本市場への参入検討から承認、上市後の流通に至るまでを一気通貫で伴走支援するものであり、海外からの革新的医薬品の導入促進を通じて、「ドラッグ・ラグ/ロス」の解消に貢献することを目的としております。一方で、米国最恵国待遇(MFN)薬価政策※が市場予見性を下げ、国内における新薬の開発・上市に悪影響を及ぼし得るリスク要因であると認識しております。当社グループは、こうした外部環境の変化を踏まえつつ、安定的なサプライチェーン運営、更なる流通改善および新たな価値創出を図り、医療・ヘルスケア分野における社会的課題の解決と持続的な成長を目指してまいります。※ 米国最恵国待遇(MFN)薬価政策:米国における医薬品価格を他の先進国と同水準に引き下げることを目的に導入が検討されている政策 (B) 財務・資本戦略中長期ビジョンとその第2ステージである「25-27中期経営計画」の達成に向けて、成長・新規領域への資金配分を行い、事業ポートフォリオの拡大・変革による収益力強化を目指すとともに、株主還元や最適なバランスシート運営により資本効率性を追求し、当社グループの価値向上を実現してまいります。3年間の主要な指標として、累計営業利益額約1,190億円、平均ROE7%水準、投資1,200億円規模(うち、新規・成長領域への投資700億円)、DOE2.5%以上かつ累進配当、政策保有株式※の連結純資産比率10%未満(2028年3月期)を掲げております。2026年3月期における政策保有株式の連結純資産比率は9.19%(保有金額466億円)と目標を達成しております。今後も資本効率の更なる向上に向け、政策保有株式の縮減を継続してまいります。※ 政策保有株式:「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」に記載の当事業年度末における政策保有株式残高(C) サステナビリティ(ESG)戦略当社グループは、「ヘルスケアコンソーシアム®」の実現を長期目標に掲げ、「サステナビリティ基本方針」に基づき、経営の根幹にサステナビリティを位置付けております。25-27中期経営計画において特定した8つの重要課題を事業運営および経営判断の基盤として活用し、経営資源の配分や取り組みの優先順位の明確化を図っております。医薬品・ヘルスケア流通という社会インフラを担う企業として、医薬品等の安定供給を中核に、人財、環境、ガバナンスに関する取り組みを事業活動と一体で推進しております。本年度も引き続き、社会課題の解決に貢献し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要については次のとおりであります。なお、経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容については、各項目に含めて記載しております。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)におけるわが国経済は、緩やかに回復しているものの中東情勢の影響を注視する必要があり、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの金融資本市場の変動の影響や米国の通商政策をめぐる動向などに注意する必要がある状況となっております。当社グループでは、2023年5月に発表した2032年度までの中長期的な事業戦略および財務・資本戦略「アルフレッサグループ中長期ビジョン」に掲げた目標達成に向けて、今年度新たに「25-27 中期経営計画 Vision2032 Stage2 ~総合力で未来を切り拓く~(以下「25-27中計」という。)」を策定し、以下のグループ経営方針に取り組んでおります。・TSCS※1進化拡大のためのグループ総合力発揮・成長事業・新規事業への戦略的投資・基盤事業のさらなる競争力強化・コストコントロールの徹底・サステナビリティ経営の推進2025年6月、当社は第22回定時株主総会での承認決議を経て監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行いたしました。これを機に、業務執行の決定権限を取締役会から取締役へ大幅に委任することで監督と執行の分離と権限委譲を通じた迅速な経営の意思決定を行うとともに、監査等委員である取締役を置くことで取締役会のモニタリング機能の強化を図り、コーポレートガバナンスを一層充実させ、さらなる企業価値の向上を図ってまいります。2025年11月、当社、キッズウェル・バイオ株式会社(本社:東京都中央区)、株式会社カイオム・バイオサイエンス(本社:東京都渋谷区)およびMycenax Biotech Inc.(本社:台湾新竹県)の4社は、バイオ後続品※2(以下「バイオシミラー」という。)の原薬・製剤製造を行う合弁会社の設立に関する契約を締結することを取締役会において決議いたしました。本契約締結により、バイオシミラーを含むバイオ医薬品の国内製造施設を整備し、4社の強みを活かした合弁会社によるバイオシミラー等のCDMO※3事業等を進めるとともに、当社グループの流通機能を組み合わせることでバイオシミラー等のトータルバリューチェーンを構築し、バイオシミラーの国内自給率の向上と安定供給体制の確立、製造したバイオシミラー原薬や製剤の海外輸出および日本におけるバイオ医薬品開発・製造に係る人材育成に取り組み、バイオ医薬品産業の発展に貢献してまいります。2026年1月、当社グループは、「ドラッグ・ラグ/ロス」の解消へ向けて、海外の新興バイオ医薬品企業等の日本参入を包括的に支援するプラットフォーム「PATH-Solution」のサービス提供を開始いたしました。本サービスを通じてTSCS構想の下、当社グループ内の事業を活用し、参入にあたっての市場分析から開発・薬事・製造・販売、市販後調査まで一気通貫で伴走支援してまいります。当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高3兆1,040億64百万円(前期比4.8%増)、営業利益361億64百万円(同5.0%減)、経常利益386億34百万円(同4.6%減)となりました。また、特別利益に政策保有株式縮減による投資有価証券売却益253億31百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益417億46百万円(同52.4%増)となりました。なお、販売費及び一般管理費には、再生医療関連事業およびバイオシミラー施設整備関連等の事業投資費21億73百万円が含まれており、これを除外した場合の営業利益は383億37百万円(同0.7%増)であります。※1TSCS(Total Supply Chain Service):トータルサプライチェーンサービス※2バイオ後続品:国内で既に承認・販売されているバイオ医薬品(先行バイオ医薬品)の特許期間・再審査期間満了後に、異なる製薬企業から販売される先行バイオ医薬品と同等・同質の製品※3 CDMO(Contract Development andManufacturing Organization): 医薬品の製造工程の開発から、治験薬や商用製造までを受託するサービス セグメント別の業績は、以下のとおりであります。 ① セグメント別の業績(A) 医療用医薬品等卸売事業医療用医薬品等卸売事業におきましては、「TSCS実現に向けた事業機会の拡大」を目指し、「25-27中計」に掲げた以下の重点施策に取り組んでおります。・「MS力の最大化」・「全国ネットワークの強化」・「ソリューション事業の推進による収益基盤の構築」・「ステークホルダーが求めるロジスティクス体制構築」・「グループ一体となった人的資本の戦略強化」「MS力の最大化」の取り組みとして、業界№1のMS数でネオプライマリー戦略※4を遂行し、プロダクトサービス活用による業務改善を進めながら積極的な営業展開を図ることで、特に処方元医師への営業活動に注力し診療所販路で高い売上成長を実現しております。あわせて、「グループ一体となった人的資本の戦略強化」として、グループ会社間での積極的な人財交流を進めております。これにより、より一層の連携強化を図り、高機能・高品質なサービスを全国一律で提供する体制を構築し、地域の生活者の皆様の健康およびお得意様・お取引先の発展により一層貢献してまいります。「ステークホルダーが求めるロジスティクス体制構築」への取り組みでは、流通品質強化の一環として品質マネジメントシステムに関する国際規格ISO9001の認証取得を当社グループ全体で推進しているなか、当年度中に連結子会社8社※5において新たに「ISO9001」の認証を取得いたしました。当社グループは、引き続きグループ全体でISO認証取得の取り組みを進め、お得意様・お取引先の満足度の向上に取り組んでまいります。2025年9月、「全国ネットワークの強化」として、ティーエスアルフレッサ株式会社が医療機器専門商社である株式会社ミヤノメディックス(本社:広島県福山市)の全株式を取得し子会社化するとともに、東北アルフレッサ株式会社が医療機器専門商社である東日本メディカルシステム株式会社(本社:仙台市青葉区)の全株式を取得する株式譲渡契約を締結いたしました(10月31日取得完了)。TSCSにおけるメディカル品の流通機能の強化に繋げ、地域医療へのさらなる貢献を目指します。また、2026年3月、当社は、株式会社温仙堂(本社:長崎県諫早市)との間で、同社の完全子会社で、臨床・研究用診断薬および医療機器等の専門商社である株式会社テクノ・スズタ(本社:長崎県長崎市)の全株式を取得し完全子会社化いたしました。これにより、同社が有する医療・研究・福祉領域における卸売事業の拡大を図るとともに、九州エリアにおけるメディカル品の流通ネットワーク強化を図り、地域医療へのさらなる貢献を目指してまいります。当セグメントの当連結会計年度の業績は、2025年4月に実施された薬価の中間年改定によるマイナス影響および人件費を含む物流費高騰等厳しい経営環境であったものの、ネオプライマリー戦略の推進やスペシャリティ医薬品等限定流通品の取扱い増加など市場伸長を上回る売上伸長による増収効果等により、売上高2兆7,825億84百万円(前期比5.4%増)、営業利益332億97百万円(同0.7%増)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高195億2百万円(同2.7%増)を含んでおります。※4ネオプライマリー戦略:限定された適応症を有する等の特徴があるスペシャリティ医薬品でありながら、対象患者が比較的多く、専門病院に限らずプライマリー領域でも処方される製品のプロモーション活動に注力する営業戦略。製薬企業MR数の減少・適正化が進むなか、処方医へ広く情報提供が求められることから当社グループMSの人的リソースを最大限活用し差別化を図る。 ※5ティーエスアルフレッサ株式会社(本社:広島市西区)…ロジスティクス本部品質管理部および尾道物流センター 株式会社琉薬(本社:沖縄県浦添市)…管理本部ロジスティクス部 明祥株式会社(本社:石川県金沢市)…管理本部物流部(現コーポレートサポートユニット流通戦略部) 東北アルフレッサ株式会社(本社:仙台市若林区・福島県郡山市)…ロジスティクス本部および郡山物流センター 四国アルフレッサ株式会社(本社:香川県高松市)…ロジスティクス業務部四国物流センター アルフレッサ株式会社(本社:東京都千代田区)…ロジスティクス業務部つくば物流センター、神奈川物流センター、静岡物流センター、福岡物流センター(当期認証取得4拠点追加) エーエル プラス株式会社(本社:東京都千代田区)…ロジスティクス企画業務部およびつくば事業所 エス・エム・ディ株式会社(本社:東京都千代田区)…スペシャリティ医薬品(医薬品と再生医療等製品を含む)の流通管理および医療機器レンタル管理業務 (B) セルフメディケーション卸売事業セルフメディケーション卸売事業におきましては、連結子会社のアルフレッサ ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区)が、「『健康』×つなぐ×しあわせ」をテーマに、「25-27中計」の重点施策として掲げた「外部環境の変動に強い販売戦略の展開」「自社主体的な新たなソリューションの展開」に取り組んでおります。当セグメントの当連結会計年度の業績は、販路拡大による増収効果に加えて、物流費の上昇はあるもののコストコントロールに注力したこと等により、売上高2,670億74百万円(前期比0.5%増)、営業利益30億12百万円(同2.1%増)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高4億47百万円(同5.3%減)を含んでおります。 (C) 医薬品等製造事業医薬品等製造事業におきましては、「事業ポートフォリオの再構築による安定的な経営基盤の確立」を目指し、「25-27中計」の重点施策として掲げた「利益率・効率性のさらなる向上」「受託製造拡大と製品パイプライン拡充」「API(原薬)製造部門の新規事業開発」に取り組んでおります。2026年2月、連結子会社のアルフレッサ ファーマ株式会社(本社:大阪市中央区)がアナフィラキシー補助治療剤「ネフィー®点鼻液1mg/2mg」(一般名:アドレナリン)を日本国内において発売いたしました。本製品はアドレナリンを有効成分とする点鼻液で、蜂毒、食物および薬物等に起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療剤として、点鼻により簡便な投与が可能です。アルフレッサ ファーマ株式会社は、アナフィラキシー補助治療剤の新たな選択肢として、患者様や保護者等の治療時の負担軽減が期待できる本製品を提供することで、アンメット・メディカル・ニーズに貢献してまいります。当セグメントの当連結会計年度の業績は、原薬の売上伸長や販管費抑制への取り組みの一方で、薬価改定および2024年10月から導入された長期収載品の選定療養制度の影響による医薬品の販売減少ならびに診断薬の需要落ち込み等による減収の影響により、売上高521億79百万円(前期比3.5%減)、営業利益12億3百万円(同7.1%減)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高149億98百万円(同8.4%減)を含んでおります。 (D) 調剤薬局等事業調剤薬局等事業におきましては、連結子会社のアポクリート株式会社(本社:東京都豊島区)が、「地域に求められる『かかりつけ薬局』を目指す」をテーマに、「25-27中計」の重点施策として掲げた「対患者様業務の充実・処方箋確保」「門前医療機関以外からの処方箋獲得強化」「新たな薬局機能の拡充」「介護事業への参入」に取り組んでおります。当セグメントの当連結会計年度の業績は、対患者様業務の充実や薬剤師の生産性向上に努めたものの、薬価改定によるマイナス影響および仕入原価上昇等の影響により、売上高371億74百万円(前期比0.4%増)、営業利益4億99百万円(同16.3%減)となりました。 (E) その他(事業)当連結会計年度の期首より再生医療関連事業を営む当社の完全子会社のセルリソーシズ株式会社(本社:東京都千代田区)を新たに連結子会社といたしました。マスターセルの製造と保管、CMO※6・CDMO事業の開発を重点的に進め、各案件を早期にローンチすべく体制整備に取り組んでおります。その他(事業)の当連結会計年度の業績は、案件受注に向けた人件費や研究開発費等の事業投資費を販売費及び一般管理費に計上したことにより、売上高-百万円、営業損失10億99百万円となりました。※6CMO(Contract Manufacturing Organization):製薬企業などからの医薬品製造の受託・代行 ② 生産、受注及び販売の実績(A) 生産実績及び受注実績当社グループの生産実績および受注実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。 (B) 仕入実績セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)医療用医薬品等卸売事業2,620,685105.2セルフメディケーション卸売事業240,682101.1医薬品等製造事業15,20073.6調剤薬局等事業23,533100.6合計2,900,101104.6 (注)1.金額は実際の仕入額によっております。2.セグメント間の内部仕入高は344億16百万円(前期比97.2%)であり、上記金額に含めております。 (C) 販売実績セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)医療用医薬品等卸売事業2,782,584105.4セルフメディケーション卸売事業267,074100.5医薬品等製造事業52,17996.5調剤薬局等事業37,174100.4合計3,139,013104.7 (注)1.セグメント間の内部売上高は349億49百万円(前期比97.5%)であり、上記金額に含めております。2.主要な相手先別の販売実績および当該総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。 (2) 財政状態当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前期末比671億31百万円増加し、1兆5,070億16百万円となりました。流動資産は、648億17百万円増加し、1兆1,593億14百万円となりました。これは主として、「現金及び預金」が159億81百万円、売上債権が369億29百万円および「未収入金」が91億75百万円増加したことによるものであります。固定資産は、23億13百万円増加し、3,477億1百万円となりました。これは主として、物流センターや医薬品製造棟等の設備投資などに伴い有形固定資産が91億73百万円増加およびソフトウエア等の無形固定資産が16億63百万円増加した一方で、政策保有株式の縮減に伴い「投資有価証券」が89億51百万円減少したことによるものであります。 セグメント別の総資産は、以下のとおりであります。 医療用医薬品等卸売事業のセグメント資産は、前期末比730億60百万円増加し、1兆3,111億51百万円となりました。これは主として、売上債権等の流動資産が増加したことによるものであります。セルフメディケーション卸売事業のセグメント資産は、11億58百万円減少し、918億70百万円となりました。これは主として、棚卸資産等の流動資産が増加した一方で、投資有価証券等の固定資産が減少したことによるものであります。医薬品等製造事業のセグメント資産は、71億21百万円増加し、801億28百万円となりました。これは主として、棚卸資産等の流動資産が増加および医薬品製造棟等の設備投資に伴い有形固定資産が増加したことによるものであります。調剤薬局等事業のセグメント資産は、5億38百万円増加し、170億39百万円となりました。これは主として、関係会社長期貸付金等の固定資産が増加したことによるものであります。当連結会計年度末における当社グループの負債は、前期末比414億76百万円増加し、9,991億13百万円となりました。流動負債は、435億12百万円増加し、9,384億74百万円となりました。これは主として、「支払手形及び買掛金」が471億円増加および「未払法人税等」が59億69百万円増加した一方で、「独占禁止法関連損失引当金」が49億37百万円減少したことによるものであります。固定負債は、20億36百万円減少し、606億39百万円となりました。これは主として、「繰延税金負債」が13億94百万円減少および「退職給付に係る負債」が13億7百万円減少したことによるものであります。結果として、当連結会計年度末における当社グループの純資産は、256億55百万円増加し、5,079億3百万円となりました。これは主として、「利益剰余金」が283億17百万円増加および「退職給付に係る調整累計額」が17億25百万円増加した一方で、保有株式の売却に伴い「その他有価証券評価差額金」が43億48百万円減少したことによるものであります。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物は、前期末比158億71百万円増加し、1,906億84百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、「税金等調整前当期純利益」が620億7百万円と前期と比べ226億47百万円の増益となったことに加えて、運転資本増減の影響等により、385億66百万円の増加(前期は56億39百万円の増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、物流センターの建設等の設備投資に伴う支出が増加した一方で、保有株式の縮減を目的とした投資有価証券の売却による収入が増加したこと等により、87億21百万円の減少(前期は249億17百万円の減少)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いがあったものの前期は「自己株式の取得による支出」があったこと等により、140億47百万円の減少(前期は235億34百万円の減少)となりました。 〈資本の財源および資金の流動性〉アルフレッサグループは、日本の社会インフラである医薬品サプライチェーンを製造、卸売、調剤薬局等の各事業領域で支え、必要な時に、必要な医薬品を、必要な場所へ、安定的に供給することに貢献しております。社会的責任の遂行と持続的な企業価値の向上には、財務の健全性、資本効率の向上、安定的・継続的な株主還元の最適バランスを追求し、さらなる企業価値を追求することが当社グループの財務・資本戦略の基本となっております。当連結会計年度末における純資産のうち当社の持分は、親会社株主に帰属する当期純利益の積み上がり、配当金の支払いやその他の包括利益の増減により、5,073億57百万円(前期末比255億69百万円増加)となり、この結果、自己資本比率は33.7%となりました。また、株式会社格付投資情報センターの発行体格付は「A+」(2025年8月格付)を2026年5月末時点で維持しております。財務健全性のさらなる向上には財務基盤・収益基盤の強化が不可欠であるため、当社グループの資本配分計画に基づき、事業拡大投資・事業強化投資を実行してまいります。株主還元を含むこれら資本配分の財源(資金の調達方法)は、主に営業活動により得られるキャッシュ・フローを源泉とした自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入、社債の発行によっております。なお、当連結会計年度における主要な使途等については前記「(3) キャッシュ・フロー」を、翌連結会計年度以降については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。当連結会計年度末における「現金及び預金」残高は1,930億66百万円であり、連結ベースの流動比率は123.5%、総資産に対する流動資産の比率は76.9%、流動負債の比率は62.3%であることから、十分な流動性を確保しているものと認識しております。また、当社グループは、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)により、グループ内の資金需要と運用の最適化および資金の効率的な活用を図っております。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって用いた、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定について検討いたしましたが、当該見積り等に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 医療制度改革の影響当社グループの主要事業である医療用医薬品業界は、健康保険制度や医療行政の影響を強く受けます。高齢化による社会保障費の増加に伴い、診療報酬の包括払い導入、自己負担見直し、後発医薬品促進策、薬価基準制度見直しなど、医療費抑制を目的とした制度改革が実施されており、これが経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
- 薬価改定による影響医療用医薬品の価格は厚生労働大臣によって公定されており、「薬価」として実質的な販売価格の上限となっています。市場の実勢価格や需要動向に応じて定期的に薬価が引き下げられる改定が行われており、これが当社グループの売上や利益に直接影響を及ぼす可能性があります。薬価改定の頻度や幅によっては、収益性が圧迫されるリスクがあります。
- 法的規制と法令違反当社グループは、医薬品医療機器等法をはじめとする様々な法的規制の下で事業活動を行っています。許認可の状況や、独占禁止法、下請法などの法令遵守が求められ、万一これらの法令に違反した場合、企業活動の制限、コスト増加、社会的信用の毀損などが発生し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。コンプライアンス体制の維持が重要です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 医療制度改革について当社グループが主に事業を展開する医療用医薬品業界は、健康保険制度および医療行政の影響を強く受けます。そのため、制度の大幅な変更が行われた場合は経営成績等に重大な影響を与える可能性があります。現在、高齢化の進展、生活習慣病の拡大により社会保障費は増加傾向にあります。しかし、医療保険財源の支払能力は低下しているため、診療報酬の包括払いの導入、自己負担の見直し、後発医薬品の普及促進策や薬価基準制度の見直しなどの医療費抑制を目的とした様々な医療制度改革が実施されております。当社グループは、2018年4月からスタートしました「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の遵守に重点的に取り組んでおります。また、仕入から売上債権回収までの一連の営業活動について適切な対応を進めるとともに、医療制度に影響を受けない商材やサービスの取り扱い拡大に取り組んでおります。 (2) 薬価の改定について当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品の価格は、厚生労働大臣の告示によって公定されています。この公定価格が「薬価」(使用薬剤の公定価格)であります。実質的に販売価格の上限として機能している薬価については、市場における実勢価格や需要動向に応じて、定期的に引き下げ改定が行われており、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 法的規制および法令違反等について当社グループは、医療用医薬品の卸・製造販売を主な事業としております。したがって、事業活動を行うにあたり、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」および関連法規等の規制により、免許・許可の登録および指定や、開発、製造、輸入に関し様々な承認許可が必要となります。監督官庁の許認可の状況により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが遵守すべき法令(独占禁止法、下請法、不正競争防止法、金融商品取引法等)に十分留意した企業活動を行っておりますが、万一これらの違反を起こした場合、企業活動の制限や法令上の規制に対応するためのコストの増加、社会的信用の毀損等が発生する可能性があり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、グループ理念のもと、「コンプライアンスガイドライン」を制定し、グループコンプライアンス・リスクマネジメント会議や研修等を通じて、法令等の遵守の徹底を図っております。 (4) 医療機関・製薬企業との取引慣行について当社グループが主に事業展開する医療用医薬品卸売業界においては、医薬品が生命関連商品であり納入停滞が許されないという性質上、薬価改定後の一定期間、価格未決定のまま医療機関に納品し、その後卸売業者と医療機関との間で価格交渉を行うという特有の慣行が旧来より続いております。交渉が難航した場合、当社グループでは合理的な見積りにより決定予想価格を算出して売上計上しております。価格交渉の長期化や当初予想と異なる価格での決定となった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の遵守に重点的に取り組み、得意先である医療機関との価格交渉の早期妥結をはじめとした流通改革に継続して取り組んでおります。 (5) 製造事業に係るリスクについて当社グループの医薬品等製造事業においては、医薬品原薬の開発、製造および販売ならびに医薬品等の開発、製造および販売を行っております。製品開発については全ての品目が発売できるとは限らず、途中で開発を断念しなければならない場合や他社からの導入等も行えない場合があります。また、製品および原材料の一部には特定の取引先にその供給、販売を依存している品目があります。何らかの理由により調達・製造・販売活動に遅延または停止するような事態が発生する可能性があります。さらに、製品の開発から製造の段階において安全性、信頼性には万全を期しておりますが、予期しない副作用や異物混入などによる製品回収や販売中止等が発生し、訴訟を提起されるリスクがあります。このような場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、医薬品等製造事業において「安心・安全・誠実なモノづくり」を重点施策として掲げ、共通の品質管理システムを国内の連結子会社2社に導入し、製品等の安全性および信頼性の向上に連携して取り組んでおります。 (6) 調剤薬局事業に係るリスクについて当社グループの調剤薬局等事業における調剤業務は薬剤師(人)に負うところが大きく、調剤過誤が発生する可能性があります。医療用医薬品の場合、用法・用量に厳格な制限があり、他の薬剤との相互作用や中毒症状の発症など、医療トラブルが発生する可能性があります。発生した場合、損害賠償に加え、既存顧客の信用および社会的信用を失うこととなり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、薬剤師法第19条において薬剤師以外の調剤を禁じていることや、医薬品医療機器等法および厚生労働省令等によって、薬局への薬剤師の配置および配置人数を厳しく規制しております。したがって、営業時間を通じて薬剤師の必要人員数が確保されない場合には、当社グループの薬局の維持、新規開設に支障をきたし、経営成績等に影響を与える可能性があります。当社グループは、処方箋の受入枚数等を適宜把握し、薬剤師・事務員の適正配置や必要に応じた増員再配置に取り組んでおります。また、調剤過誤につきましては、人員の適正配置、調剤業務のマニュアルの整備や調剤監査システムの導入・活用によりその防止に取り組んでおります。 (7) システムトラブルおよびサイバーリスクについて当社グループの事業活動においては、コンピュータネットワークシステムに大きく依拠しており、災害や事故等によりシステムが機能停止した場合、リカバリーシステムによる復旧までに時間を要し、販売物流を中心とした営業活動の一部に支障をきたす可能性があります。また、近年のデジタル技術の著しい発展の一方で、サイバー攻撃手法の高度化・巧妙化も進んでおり、サイバー攻撃等外部からの不正アクセス、コンピュータウイルス等により、システムダウン、誤作動および不正利用を含む障害ならびに社外への情報漏洩等が発生する可能性があります。これらの要因により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、災害等が発生した場合に備え、複数拠点にデータセンターを設置しております。また、システムの運用・保守等を行う連結子会社が、災害等のほか、様々な障害や事故等の防止および発生に備え、コンピュータネットワークシステムを監視しております。さらに、サイバーセキュリティにも常に留意し、適宜必要なシステムの導入を進めてまいります。 (8) 海外との取引について当社グループは、中華人民共和国に医薬品等製造事業の生産拠点の一部や事業拠点を設けております。また、ベトナム社会主義共和国にも事業拠点を置いております。こうした海外における事業活動や日本と海外との間の製品・商品の輸出入取引において、政治的摩擦や為替の急激な変動等が当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 情報流出について当社グループは、重要な機密情報、顧客情報および各種の個人情報等を保有しておりますが、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜や損害賠償や取引停止処分、流出の影響を受けた顧客その他関係者への補償等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、情報セキュリティ対策推進のため、法令等に基づいた社内規程の整備・運用の徹底を実施し、グループ全体で「情報セキュリティ体制」を構築することにより、グループ統一基準に基づいた教育・運用チェック等を行っております。保有する情報の外部への流出等を防止するため情報管理等の研修会を適宜開催し、情報漏洩等を防ぐための対策を講じております。 (10) 自然災害、パンデミック等について当社グループは医薬品等卸売事業において、物流機能が大きな役割を果たしております。震災等の自然災害により物流機能が毀損した場合、販売物流活動に支障をきたす可能性があります。また、自然災害やパンデミック等の発生により事業活動を縮小せざるを得ない事態となった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは,事業継続計画(BCP)および災害時の各種マニュアルを策定し、大規模災害時において、医薬品等を迅速かつ安定的に供給するため、備蓄が必要とされる医薬品等のリスト化や配送拠点が被災した場合の近隣拠点によるバックアップ体制等を整備し、重要な社会インフラである医薬品等の流通機能が停止しないように最大限の対策を構築しております。また、当社およびグループ会社での新型コロナウイルス感染拡大防止のための対策の検討等を実施し、必要に応じて当社およびグループ会社間で連携し対応するための体制を整えております。 (11) 事業投資に係るリスクについて当社グループは、医薬品の流通を担う事業の運営上、物流センターや営業拠点等への設備投資(インフラ投資)が不可欠であります。これらのインフラ投資は多額かつその回収に長期間を要する傾向にあることから減損リスクを有しております。また、事業開発や事業拡大を視野に、医療関連領域のベンチャー企業への出資やM&A投資を実施することがありますが、これらも同様に減損リスクを有しており、これらの投資の成否によっては、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、一定規模以上の投資案件について事業投資委員会に諮り検証のうえ決定機関に答申することにより、減損リスクを低減する体制を構築しております。 (12) 気候変動リスクについて当社グループにとって、気候変動はサステナビリティ経営に影響を及ぼす重要課題の一つと認識しており、当社グループ全体の気候変動に関する影響の評価等のためシナリオ分析を実施しております。事業におけるリスク・機会のうち、経営成績等に影響を及ぼす可能性の観点から重要度の高い項目については以下のとおりであります。・移行リスク(1.5℃シナリオ) … 2050年カーボンニュートラルに向けて、政策・規制導入や市場変化が急速に進行することで、地球の平均気温上昇が産業革命前の水準に比べ1.5℃に抑えられる想定。 → 脱炭素化に向け、移行による影響が最大・物理的リスク(4℃シナリオ) … CO2排出削減に向けた政策・規制や社会の取り組みが進まず、地球の平均気温上昇が産業革命前の水準に比べ4℃となる想定。災害などの気候変動による影響が甚大化する。 → 脱炭素化に向けた移行は想定しないが、気候変動の影響が最大当社グループでは、グループサステナビリティ推進委員会の下部組織としてTCFD分科会を設置し、リスクマネジメントを統轄するグループコンプライアンス・リスクマネジメント会議と連携して気候変動リスクと機会の特定・重要性評価・対策の推進・モニタリングを行い、取締役会へ報告する体制としております。これらのリスクマネジメントを通じてリスクの低減を図るとともに、積極的な環境負荷低減および環境課題解決に取り組んでおります。