事業の概要
- 半導体・電子デバイス販売マクニカホールディングスは、集積回路や電子デバイス、ネットワーク関連商品を販売する事業を主軸としています。国内外の半導体メーカーから製品を仕入れ、世界中の様々な製造業者に提供することで収益を上げています。特に、最先端の技術を持つ製品をいち早く見つけ出し、顧客に提供する「技術商社」としての役割が特徴です。
- ネットワーク関連商品の販売同社は半導体・電子デバイス事業に加え、ネットワーク関連商品の販売も手掛けています。これにより、情報通信技術の進化に対応した幅広いソリューションを提供し、顧客の多様なニーズに応えることで収益源を多角化しています。サイバーセキュリティ関連の商材も含まれ、現代社会に不可欠なインフラを支えています。
- 高付加価値ディストリビューション単に製品を販売するだけでなく、最先端の技術や知見を活かした高付加価値なサービス・ソリューションを提供することで差別化を図っています。顧客の課題解決に貢献する提案型のビジネスモデルを展開し、技術商社としての専門性を強みとしています。これにより、顧客との長期的な関係構築と安定した収益確保を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 集積回路・電子デバイスその他事業このセグメントは、半導体や電子部品の販売を主に行っています。マクニカホールディングスグループの主要な収益源であり、2025年3月期の売上高は8,802億4,200万円、営業利益は263億2,800万円と、グループ全体の大部分を占める稼ぎ頭です。国内外の子会社がこの事業をグローバルに展開しています。
- ネットワーク事業ネットワーク関連商品の販売を担うセグメントです。2025年3月期の売上高は1,539億3,800万円、営業利益は133億2,000万円を計上しており、グループのもう一つの重要な柱となっています。この事業は、情報通信技術の進化に対応したソリューションを提供し、顧客の多様なニーズに応えています。
- 自動運転システム開発・販売NAVYA MOBILITY SASなどの子会社を通じて、自動運転システムの開発、製造、販売も行っています。これは、集積回路・電子デバイス事業で培った技術力を応用した新規事業分野であり、将来の成長ドライバーとして期待されています。既存事業とのシナジー効果も追求し、事業領域の拡大を図っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| IntegratedCircuitElectronicDeviceAndOther | 事業 | 8,802 | 263 | 3.0% |
| Network | 事業 | 1,539 | 133 | 8.7% |
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3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社と子会社、関連会社の計56社で構成され、集積回路、電子デバイス、ネットワーク関連商品の販売を中心とした事業を行っております。当社グループの事業に関わる主な関係会社の事業の位置付けは、次のとおりであります。セグメントの名称は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) 」に掲げる事業セグメント情報の区分と同様であります。なお、当連結会計年度より「ネットワーク事業」のセグメント名称を「サイバーセキュリティ及びその他ITソリューション事業」に名称変更を行いました。本変更は名称変更のみであり、セグメントの区分、範囲、測定方法の変更はありません。これに伴い、前連結会計年度についても変更後のセグメント名称で記載しております。また、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 摘要会 社 名セグメントの名称事業内容主たる連結子会社㈱マクニカ集積回路及び電子デバイスその他事業サイバーセキュリティ及びその他ITソリューション事業半導体及び電子部品の販売ネットワーク関連商品の販売MACNICA CYTECH LIMITED集積回路及び電子デバイスその他事業半導体及び電子部品の販売MACNICA CYTECH PTE. LTD.集積回路及び電子デバイスその他事業半導体及び電子部品の販売MACNICA GALAXY INC.集積回路及び電子デバイスその他事業半導体及び電子部品の販売MACNICA ANSTEK INC.集積回路及び電子デバイスその他事業半導体及び電子部品の販売MACNICA CHUNGJU CO., LTD.集積回路及び電子デバイスその他事業持株会社MACNICA CYTECH (THAILAND) CO., LTD.集積回路及び電子デバイスその他事業半導体及び電子部品の販売NAVYA MOBILITY SAS集積回路及び電子デバイスその他事業自動運転システムの開発、製造、販売NETPOLEON SOLUTIONS PTE LTDサイバーセキュリティ及びその他ITソリューション事業ネットワーク関連商品の販売 事業の系統図は、次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 半導体市況の供給過剰による製品価格の下落、仕入先との関係に影響を受けるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 最先端の技術・商品を有する国内外の企業を仕入先とし、代理店契約を締結している。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:シリコンサイクル・需給バランス・景気変動 / サプライチェーン全般の機能不全 / 仕入先との関係変化や商品開発力低下
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
マクニカは半導体・電子部品の専門商社であり、特定のメーカーとの強固な関係性や、長年培ってきた技術的な知見・ソリューション提案力は無形資産となりうる。しかし、特定の特許やブランドによる独占的な優位性は限定的である。
スイッチングコスト★★☆☆☆
顧客はマクニカから調達する部品やソリューションに依存している場合、仕様変更やサプライヤー変更に伴う開発コストやリスクを考慮すると、乗り換えには一定のスイッチングコストが発生する可能性がある。しかし、部品調達先の選択肢は複数存在するため、その度合いは強くない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
マクニカのビジネスモデルは、サプライヤーと顧客を結びつける仲介業であり、ユーザー数の増加が直接的にサービス価値を高めるネットワーク効果は発生しない。
コスト優位★☆☆☆☆
規模の経済によるコスト優位性は限定的。商社ビジネスのため、仕入れ価格や物流効率がコストに影響するが、構造的な圧倒的コスト優位性を築くのは難しい。
規模の経済★★★☆☆
半導体・電子部品業界において、マクニカは大手商社の一つであり、幅広い製品ラインナップとグローバルな調達・販売網を有している。これにより、一定の交渉力とサプライチェーンにおける存在感を発揮しており、業界規模に対して最適な少数寡占の一角を担っていると言える。
- 最先端技術の発掘力国内外の最先端技術を持つ企業をいち早く発掘し、代理店契約を結ぶことで、常に競争力の高い商品ラインナップを維持・拡大しています。この目利き力と迅速な導入能力が、技術革新の激しい半導体・IT業界における同社の強みとなっています。
- グローバルな事業展開アジアを中心に世界28の国と地域に事業拠点を持ち、グローバルなサプライチェーンを構築しています。これにより、世界中の顧客に製品を供給できるだけでなく、地域ごとのニーズに合わせたきめ細やかなサービス提供が可能となり、事業の安定性と成長性を高めています。
- 高付加価値ソリューション提供半導体やネットワーク事業で培った専門知識を活かし、単なる製品販売に留まらない高付加価値なサービス・ソリューションを提供しています。自動運転システムやスマートマニュファクチャリングなど、新しい分野での実績も積み重ねており、技術商社としての枠を超えた価値創造を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- サービス・ソリューションカンパニーへの変革従来の高付加価値ディストリビューションモデルを拡大しつつ、サービス・ソリューションモデルへの変革を目指しています。これは、半導体やサイバーセキュリティで培った強みを活かし、研究機関や官公庁、M&Aで拡大したグループ会社など多様なパートナーと協働し、高付加価値サービスを提供するものです。
- 未来を描くパーパスの追求企業理念「足下に種を蒔き続ける」を基盤に、「変化の先頭に立ち、最先端のその先にある技と知を探索し、未来を描き“今”を創る」というパーパスを掲げています。これは、未来予測が困難な時代において、常に新しい技術や知見を探求し、社会に貢献するソリューションを創造していくという同社の強い意志を示しています。
- 年度の長期経営目標2030年度には、連結売上高2兆円、連結営業利益1,500億円、連結営業利益率7.5%、連結ROE15.0%という具体的な目標を掲げています。これは、社会的価値と経済的価値の両立を目指すものであり、半導体、サイバーセキュリティ、CPSソリューションの3つの柱を強化することで、持続的な成長を実現する計画です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 企業理念体系① 企業理念 足下に種を蒔き続ける 「足下に種を蒔き続ける」は、当社グループが創業時から掲げている企業理念です。全社員が企業理念、経営方針、行動指針を理解し、日々の事業活動のベクトルを合わせるために、社員全員に経営方針書、行動指針書を配布し、社員全員が幾度となく繰り返し読み込んでおります。本企業理念は経営方針書の冒頭に記載があり、社員のDNAとなっています。 ② パーパス 変化の先頭に立ち、最先端のその先にある技と知を探索し、未来を描き“今”を創る。 私たち、マクニカは、未来予測が困難な時代において、地球環境・社会の変化を先読みし、その変化の先頭に立ち、失敗を恐れず、ワクワク楽しみながら、挑戦心を持った開拓者「ファーストペンギン」であり続ける。 最先端のその先にあるまだ誰も知らない、指数関数的に進化していく世界中の技:先端テクノロジーと、知:インテリジェンスを探索し、その種を足下に蒔き続け、育て、つなぎ、つむぐ。 快適で信頼できる持続可能な未来ビジョンを構想し、あらゆる業種・業界のプロフェッショナルと私たちの技と知を新結合する事で、解像度の高いソリューションを“今”に、きちんと実装し、その実現にとことんこだわり、情熱をもって新たな価値を創りあげる。 明るく・楽しく・元気よく!! 私たちは、皆さまと共に、笑顔あふれる、豊かな未来に向けて、終わりなき成功へと寄り添い、伴走します。 「パーパス」は、過去、現在、未来の事業を通じ、普遍的に共通する当社グループの「志」を表すものです。当社グループは、新しい技術をどこよりも早く探し出し、磨きこむ目利き力を駆使して、最先端の半導体、電子デバイス、ネットワーク、サイバーセキュリティ商品を提供してまいりました。近年は、これらの経験と知見を活かし、新しい領域へ活動の幅を広げ、事業活動を行っております。当社グループは、今後も最先端の技(テクノロジー)と知(インテリジェンス)をつなぎ、未来構想力と解像度の高い実装力を併せ持った共創パートナーとして、未来社会の発展に貢献する企業を目指していく所存です。 ③ ビジョン:Vision2030 サービス・ソリューションカンパニーは、これまで50年以上にわたるグループの成長を支えてきた高付加価値ディストリビューションのビジネスモデルを拡大しながら、その強みを生かした新しいビジネスモデルであるサービス・ソリューションモデルへと変革していくことで目指す絵姿です。サービス・ソリューションモデルは、半導体、サイバーセキュリティ事業で培ってきたCyberとPhysicalの強みの融合、創業時から最先端の技と知を追い求め種を蒔き続けてきた先進性、昨今急拡大している共創パートナー、研究機関をはじめ、従来のサプライヤ、お客様、官公庁やM&A等によるグループ会社などによって大きく広がるエコパートナーを組み合わせることで、当社グループと当社グループのエコパートナーにしかできない、高付加価値のサービス・ソリューションを提供していくものです。従来の当社グループのビジネスはその大部分がBtoBで完結するものでしたが、今後はソリューションのカバレージをコンシューマにまで広げ、社会価値と経済価値を両立させるサービス・ソリューションを提供してまいります。 ④ バリュー Trust Excitement Aggressiveness Move Stretch 当社グループのバリュー「T.E.A.M.S」は、社員が日々判断や行動に迷った際に立ち返る価値観をまとめたものです。社員全員がバリューに基づきベクトルを一つにすることで、質の高いチームワークが実現し、未来を切り開くエネルギーと勢いを生み出します。 (2) サステナビリティ基本方針当社グループは地球環境や社会課題への対応を経営方針の最重要事項のひとつとして捉え、当社グループのパーパスである「変化の先頭に立ち、最先端のその先にある技と知を探索し、未来を描き“今”を創る。」ための活動に邁進します。 ① 重要課題を特定し、社会課題の解決と持続可能な社会に貢献するビジネス推進と事業投資マネジメント事業活動を通じての社会、環境への貢献と企業価値の向上に努めます。 ② 環境・人権に配慮したグローバル経営の推進とサプライチェーンの強化環境保全、人権と労働の基本的権利に配慮した経営を行います。仕入先、得意先に当社グループのサステナビリティの考え方を理解してもらったバリューチェーンの構築を目指し、また、世界各国の文化、慣習などの理解と公正且つ誠実な事業活動を行います。 ③ 社会からの信頼づくりとガバナンス・リスクマネジメント体制の強化正確、明瞭、タイムリーな情報開示とステークホルダーとの対話をいたします。不正などが発生せず、持続可能な経営が実現できるガバナンス体制の構築と強化を行います。 ④ サステナビリティ推進に向けた社員の教育・啓発全ての社員がサステナビリティを推進する責務を負っていることから、社員に対してサステナビリティ推進に関する教育、啓発活動を行います。 (3) マテリアリティ(重要課題)と経営・事業活動の関係性当社グループは社会、ステークホルダーにとって重要度が高く、かつ当社グループの経営インパクトも大きいと考える以下のマテリアリティを特定いたしました。 ① 顧客課題の解決を通じ経済の発展に寄与するスマートマニュファクチャリング事業を通じ、代替えリソースによる労働力確保などの顧客課題の解決に注力してまいります。 ② 安全安心で快適な暮らしを創るヘルスケア事業を通じ、個人に最適化された個別化医療、予防医療の発展に貢献してまいります。また、スマートシティ/モビリティ事業を通じ、安全で安心できる生活環境の整備や地域社会の活性化にも寄与してまいります。 ③ 持続可能な地球環境を創るサーキュラーエコノミー事業を通じ、カーボンニュートラルの実現、再生可能な資源を活用した循環型社会の実現に貢献いたします。また、フード・アグリテック事業を通じ、生活基盤の強化による食料の安定供給を実現してまいります。 そして、これら3つのマテリアリティに共通して、最先端半導体の提供やIT商材の提供を通じて、産業と技術革新の基盤の創造に取り組んでまいります。 (注) スマートマニュファクチャリング事業、スマートシティ/モビリティ事業、ヘルスケア事業、サーキュラーエコノミー事業、フード・アグリテック事業とは、サービス・ソリューションモデルにおける事業テーマであります。 ④ 経営・事業のレジリエンスを強化する以下の3つのテーマのもとに経営のレジリエンスを強化してまいります。 ・ガバナンスとリスクマネジメント強化・ダイバーシティ&インクルージョン(人的資本の最大化)・ステークホルダーとの対話の強化 (4) 長期経営目標2030年度の長期経営目標として、社会的価値と経済的価値(企業価値)の両立を目指してまいります。社会的価値としては①顧客課題の解決を通じ経済発展に寄与する、②安全安心で快適な暮らしを創る、③持続可能な地球環境を創る、の3つのマテリアリティ、経済的価値として、現在の高付加価値ディストリビューションモデルに加え、サービス・ソリューションモデルを強化することにより、ビジネスモデル変革を図り、連結売上高2兆円、連結営業利益1,500億円、連結営業利益率7.5%、連結ROE15.0%を実現し、事業の持続的な成長を目指します。 2030年度経営目標連結売上高2兆円連結営業利益1,500億円連結営業利益率7.5%連結ROE15.0% (注) 1 半導体事業、サイバーセキュリティ事業、CPSソリューション事業の3つの柱で1,500億円 2 2025年度より「ネットワーク事業」のセグメント名称を「サイバーセキュリティ及びその他ITソリューション事業」と名称変更し、「サイバーセキュリティ事業」と表記しております。なお、セグメント名称の変更に伴うセグメントの区分、範囲、測定方法への変更はありません。 (5) 中期経営計画(FY2025~FY2027)① 当社グループを取り巻く環境 当社グループは、独立系エレクトロニクス専門商社として、エレクトロニクス市場の黎明期からスマートフォンなどの高度な情報端末が日常の生活空間の隅々に行きわたり、社会に欠かせない存在となった現在まで、半導体やサイバーセキュリティなどの世界の最先端の商品・技術を提供することを自らの使命としてきました。また、変化の激しいエレクトロニクス・情報通信業界にあって、当社グループは商品の物流機能だけを提供するのではなく、お客様の課題に対する的確な提案やお客様が新たな技術を使いこなしていただくためのテクニカルサポートの提供を通じて、競合他社との差別化を図ってまいりました。昨今の当社グループを取り巻く環境並びに今後の見通しにつきましては、国内外におけるデータセンターを始めとした設備投資の動向、スマートフォン、民生機器、自動車、産業機器などの需給バランスの変動による好不況は避けられません。また、米国の政策変更による貿易摩擦、戦争などの国際情勢の変動、半導体メーカーの合従連衝を背景とした半導体商社間の競争激化、さらに国内においては商社間で買収、統合などの再編が発生しており、大きな環境変化を迎えております。IT産業におきましては、ランサムウェアやサプライチェーンを経由したサイバー攻撃が多発しており、情報の漏えいや業務停止など、甚大な被害を及ぼしていることから、サイバーセキュリティリスクを経営課題と捉える企業が増加しております。また、クラウド活用やリモートワークの定着に伴って、外部への接続が増加し、企業が対策すべき領域が広がっております。一方、今後は生成AIの実装が社会や企業で本格化するものと思われ、国内労働人口の減少や地方社会が抱える課題の解決に向けて、AIや自動運転技術などの活用が大きく期待されております。 このような環境の中、当社グループは、Vision2030の実現に向けて、中期経営計画(FY2025~FY2027)を新たに策定し、グループ経営の戦略的変革を推進しております。 ② 中期経営計画 a. 中期経営目標 2027年度目標連結売上高1.4兆円連結営業利益800億円連結営業利益率5.7%連結ROE15.0% (注) 連結ROE = 連結親会社株主に帰属する当期純利益 ÷ 連結自己資本(純資産から非支配株主持分を除いたもの、期末時点) b. 中期経営戦略 ・全社戦略Vision2030に向けた成長投資ビジネスモデル変革AI関連ビジネスの強化 ・半導体事業成長国への重点投資成長市場の継続強化AI関連ビジネスの強化 ・サイバーセキュリティ事業高付加価値ディストリビューションモデルの拡大高付加価値運用支援サービスの強化サービス・ソリューションの拡大 ・CPSソリューション事業スマートシティ/モビリティ、スマートマニュファクチャリングのビジネス拡大サーキュラーエコノミー、ヘルスケア、フード・アグリテックの個別強化 c. 経営基盤強化財務戦略強化人財戦略強化IR戦略強化ブランディング戦略強化IT/DX戦略強化コーポレートガバナンス強化
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 企業理念体系① 企業理念 足下に種を蒔き続ける 「足下に種を蒔き続ける」は、当社グループが創業時から掲げている企業理念です。全社員が企業理念、経営方針、行動指針を理解し、日々の事業活動のベクトルを合わせるために、社員全員に経営方針書、行動指針書を配布し、社員全員が幾度となく繰り返し読み込んでおります。本企業理念は経営方針書の冒頭に記載があり、社員のDNAとなっています。 ② パーパス 変化の先頭に立ち、最先端のその先にある技と知を探索し、未来を描き“今”を創る。 私たち、マクニカは、未来予測が困難な時代において、地球環境・社会の変化を先読みし、その変化の先頭に立ち、失敗を恐れず、ワクワク楽しみながら、挑戦心を持った開拓者「ファーストペンギン」であり続ける。 最先端のその先にあるまだ誰も知らない、指数関数的に進化していく世界中の技:先端テクノロジーと、知:インテリジェンスを探索し、その種を足下に蒔き続け、育て、つなぎ、つむぐ。 快適で信頼できる持続可能な未来ビジョンを構想し、あらゆる業種・業界のプロフェッショナルと私たちの技と知を新結合する事で、解像度の高いソリューションを“今”に、きちんと実装し、その実現にとことんこだわり、情熱をもって新たな価値を創りあげる。 明るく・楽しく・元気よく!! 私たちは、皆さまと共に、笑顔あふれる、豊かな未来に向けて、終わりなき成功へと寄り添い、伴走します。 「パーパス」は、過去、現在、未来の事業を通じ、普遍的に共通する当社グループの「志」を表すものです。当社グループは、新しい技術をどこよりも早く探し出し、磨きこむ目利き力を駆使して、最先端の半導体、電子デバイス、ネットワーク、サイバーセキュリティ商品を提供してまいりました。近年は、これらの経験と知見を活かし、新しい領域へ活動の幅を広げ、事業活動を行っております。当社グループは、今後も最先端の技(テクノロジー)と知(インテリジェンス)をつなぎ、未来構想力と解像度の高い実装力を併せ持った共創パートナーとして、未来社会の発展に貢献する企業を目指していく所存です。 ③ ビジョン:Vision2030 サービス・ソリューションカンパニーは、これまで50年以上にわたるグループの成長を支えてきた高付加価値ディストリビューションのビジネスモデルを拡大しながら、その強みを生かした新しいビジネスモデルであるサービス・ソリューションモデルへと変革していくことで目指す絵姿です。サービス・ソリューションモデルは、半導体、サイバーセキュリティ事業で培ってきたCyberとPhysicalの強みの融合、創業時から最先端の技と知を追い求め種を蒔き続けてきた先進性、昨今急拡大している共創パートナー、研究機関をはじめ、従来のサプライヤ、お客様、官公庁やM&A等によるグループ会社などによって大きく広がるエコパートナーを組み合わせることで、当社グループと当社グループのエコパートナーにしかできない、高付加価値のサービス・ソリューションを提供していくものです。従来の当社グループのビジネスはその大部分がBtoBで完結するものでしたが、今後はソリューションのカバレージをコンシューマにまで広げ、社会価値と経済価値を両立させるサービス・ソリューションを提供してまいります。 ④ バリュー Trust Excitement Aggressiveness Move Stretch 当社グループのバリュー「T.E.A.M.S」は、社員が日々判断や行動に迷った際に立ち返る価値観をまとめたものです。社員全員がバリューに基づきベクトルを一つにすることで、質の高いチームワークが実現し、未来を切り開くエネルギーと勢いを生み出します。 (2) サステナビリティ基本方針当社グループは地球環境や社会課題への対応を経営方針の最重要事項のひとつとして捉え、当社グループのパーパスである「変化の先頭に立ち、最先端のその先にある技と知を探索し、未来を描き“今”を創る。」ための活動に邁進します。 ① 重要課題を特定し、社会課題の解決と持続可能な社会に貢献するビジネス推進と事業投資マネジメント事業活動を通じての社会、環境への貢献と企業価値の向上に努めます。 ② 環境・人権に配慮したグローバル経営の推進とサプライチェーンの強化環境保全、人権と労働の基本的権利に配慮した経営を行います。仕入先、得意先に当社グループのサステナビリティの考え方を理解してもらったバリューチェーンの構築を目指し、また、世界各国の文化、慣習などの理解と公正且つ誠実な事業活動を行います。 ③ 社会からの信頼づくりとガバナンス・リスクマネジメント体制の強化正確、明瞭、タイムリーな情報開示とステークホルダーとの対話をいたします。不正などが発生せず、持続可能な経営が実現できるガバナンス体制の構築と強化を行います。 ④ サステナビリティ推進に向けた社員の教育・啓発全ての社員がサステナビリティを推進する責務を負っていることから、社員に対してサステナビリティ推進に関する教育、啓発活動を行います。 (3) マテリアリティ(重要課題)と経営・事業活動の関係性当社グループは社会、ステークホルダーにとって重要度が高く、かつ当社グループの経営インパクトも大きいと考える以下のマテリアリティを特定いたしました。 ① 顧客課題の解決を通じ経済の発展に寄与するスマートマニュファクチャリング事業を通じ、代替えリソースによる労働力確保などの顧客課題の解決に注力してまいります。 ② 安全安心で快適な暮らしを創るヘルスケア事業を通じ、個人に最適化された個別化医療、予防医療の発展に貢献してまいります。また、スマートシティ/モビリティ事業を通じ、安全で安心できる生活環境の整備や地域社会の活性化にも寄与してまいります。 ③ 持続可能な地球環境を創るサーキュラーエコノミー事業を通じ、カーボンニュートラルの実現、再生可能な資源を活用した循環型社会の実現に貢献いたします。また、フード・アグリテック事業を通じ、生活基盤の強化による食料の安定供給を実現してまいります。 そして、これら3つのマテリアリティに共通して、最先端半導体の提供やIT商材の提供を通じて、産業と技術革新の基盤の創造に取り組んでまいります。 (注) スマートマニュファクチャリング事業、スマートシティ/モビリティ事業、ヘルスケア事業、サーキュラーエコノミー事業、フード・アグリテック事業とは、サービス・ソリューションモデルにおける事業テーマであります。 ④ 経営・事業のレジリエンスを強化する以下の3つのテーマのもとに経営のレジリエンスを強化してまいります。 ・ガバナンスとリスクマネジメント強化・ダイバーシティ&インクルージョン(人的資本の最大化)・ステークホルダーとの対話の強化 (4) 長期経営目標2030年度の長期経営目標として、社会的価値と経済的価値(企業価値)の両立を目指してまいります。社会的価値としては①顧客課題の解決を通じ経済発展に寄与する、②安全安心で快適な暮らしを創る、③持続可能な地球環境を創る、の3つのマテリアリティ、経済的価値として、現在の高付加価値ディストリビューションモデルに加え、サービス・ソリューションモデルを強化することにより、ビジネスモデル変革を図り、連結売上高2兆円、連結営業利益1,500億円、連結営業利益率7.5%、連結ROE15.0%を実現し、事業の持続的な成長を目指します。 2030年度経営目標連結売上高2兆円連結営業利益1,500億円連結営業利益率7.5%連結ROE15.0% (注) 1 半導体事業、サイバーセキュリティ事業、CPSソリューション事業の3つの柱で1,500億円 2 2025年度より「ネットワーク事業」のセグメント名称を「サイバーセキュリティ及びその他ITソリューション事業」と名称変更し、「サイバーセキュリティ事業」と表記しております。なお、セグメント名称の変更に伴うセグメントの区分、範囲、測定方法への変更はありません。 (5) 中期経営計画(FY2025~FY2027)① 当社グループを取り巻く環境 当社グループは、独立系エレクトロニクス専門商社として、エレクトロニクス市場の黎明期からスマートフォンなどの高度な情報端末が日常の生活空間の隅々に行きわたり、社会に欠かせない存在となった現在まで、半導体やサイバーセキュリティなどの世界の最先端の商品・技術を提供することを自らの使命としてきました。また、変化の激しいエレクトロニクス・情報通信業界にあって、当社グループは商品の物流機能だけを提供するのではなく、お客様の課題に対する的確な提案やお客様が新たな技術を使いこなしていただくためのテクニカルサポートの提供を通じて、競合他社との差別化を図ってまいりました。昨今の当社グループを取り巻く環境並びに今後の見通しにつきましては、国内外におけるデータセンターを始めとした設備投資の動向、スマートフォン、民生機器、自動車、産業機器などの需給バランスの変動による好不況は避けられません。また、米国の政策変更による貿易摩擦、戦争などの国際情勢の変動、半導体メーカーの合従連衝を背景とした半導体商社間の競争激化、さらに国内においては商社間で買収、統合などの再編が発生しており、大きな環境変化を迎えております。IT産業におきましては、ランサムウェアやサプライチェーンを経由したサイバー攻撃が多発しており、情報の漏えいや業務停止など、甚大な被害を及ぼしていることから、サイバーセキュリティリスクを経営課題と捉える企業が増加しております。また、クラウド活用やリモートワークの定着に伴って、外部への接続が増加し、企業が対策すべき領域が広がっております。一方、今後は生成AIの実装が社会や企業で本格化するものと思われ、国内労働人口の減少や地方社会が抱える課題の解決に向けて、AIや自動運転技術などの活用が大きく期待されております。 このような環境の中、当社グループは、Vision2030の実現に向けて、中期経営計画(FY2025~FY2027)を新たに策定し、グループ経営の戦略的変革を推進しております。 ② 中期経営計画 a. 中期経営目標 2027年度目標連結売上高1.4兆円連結営業利益800億円連結営業利益率5.7%連結ROE15.0% (注) 連結ROE = 連結親会社株主に帰属する当期純利益 ÷ 連結自己資本(純資産から非支配株主持分を除いたもの、期末時点) b. 中期経営戦略 ・全社戦略Vision2030に向けた成長投資ビジネスモデル変革AI関連ビジネスの強化 ・半導体事業成長国への重点投資成長市場の継続強化AI関連ビジネスの強化 ・サイバーセキュリティ事業高付加価値ディストリビューションモデルの拡大高付加価値運用支援サービスの強化サービス・ソリューションの拡大 ・CPSソリューション事業スマートシティ/モビリティ、スマートマニュファクチャリングのビジネス拡大サーキュラーエコノミー、ヘルスケア、フード・アグリテックの個別強化 c. 経営基盤強化財務戦略強化人財戦略強化IR戦略強化ブランディング戦略強化IT/DX戦略強化コーポレートガバナンス強化
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇の影響はあるものの雇用・所得の回復や底堅い企業収益の改善により設備投資が徐々に持ち直し、景気は緩やかに回復しております。世界経済におきましては、米国の政策変更による貿易摩擦の懸念、従前の地政学リスクに加え、新たな中東情勢の緊迫化も加わり、先行き不透明な状況が続いております。当社の属するエレクトロニクス産業におきましては、生成AI向けサーバーの需要が増加することでメモリーやGPUといった高性能な半導体の需要が急増し、世界の半導体市場は過去最高の市場規模となりました。産業機器市場では、その半導体を製造する設備投資が好調に推移しました。また、車載市場では、EV(電気自動車)の市場成長が想定より遅れ、市場全体が伸び悩んでいるものの、安全性の向上・自動化に向けた高度な制御システムの需要は継続しています。IT産業におきましては、企業のIT投資環境は引き続き良好となっております。セキュリティに関しては、ランサムウェアやサプライチェーンを経由したサイバー攻撃が多発しており、情報の漏えいや業務停止など、甚大な被害を及ぼしていることから、サイバーセキュリティリスクを経営課題と捉える企業が増加しております。また、クラウド活用やリモートワークの定着に伴って、外部への接続が増加し、企業が対策すべき領域が広がっております。社内システムにおいてもユーザーやデバイスを前提として信頼しないゼロトラストや、情報資産のリスクを可視化・管理するASM(アタック・サーフェス・マネジメント)、各種データ分析・可視化するソリューションへの関心が高まっております。以上の結果、当連結会計年度における売上高は1,214,196百万円(前期比17.4%増)、営業利益は41,950百万円(前期比5.8%増)、経常利益は37,392百万円(前期比0.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては27,765百万円(前期比9.8%増)となりました。 セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。なお、2026年3月期より「ネットワーク事業」のセグメント名称を「サイバーセキュリティ及びその他ITソリューション事業」に名称変更を行いました。本変更は名称変更のみであり、セグメントの区分、範囲、測定方法の変更はありません。 集積回路及び電子デバイスその他事業当事業におきましては、産業機器市場においては、海外市場において新たな商流獲得によるシェアの拡大に加え、市場自体も半導体製造装置を中心に回復しました。コンピュータ市場では、生成AIへの投資が加速しAIサーバー向けに高性能なサーバーを中心に国内外で需要が増加しました。また、車載市場では、市場自体は停滞しているものの当社の営業活動が評価され商流移管が進みました。これらの結果、同事業の当連結会計年度の売上高は1,040,045百万円(前期比18.2%増)、比較的利益率の低い海外の売上高比率が高まったこと及び新規事業への中長期的な事業拡大を目的とした投資による販管費の増加により営業利益は24,735百万円(前期比6.1%減)となりました。 サイバーセキュリティ及びその他ITソリューション事業当事業におきましては、クライアント端末へのセキュリティ対策の重要性認識が浸透し、エンドポイントセキュリティ関連商品が引き続き堅調に推移しました。クラウドサービスの利用拡大とゼロトラストセキュリティの普及を背景に、クラウド上での安全なコンテンツ管理を支援するソリューションや、ネットワークとセキュリティを統合するSASE(Secure Access Service Edge)関連商品等が堅調に成長しました。また、東南アジア地域を中心とした海外サイバーセキュリティ事業も順調に伸長しております。これらの結果、同事業の当連結会計年度の売上高は174,230百万円(前期比13.2%増)、営業利益は17,213百万円(前期比29.2%増)となりました。 (資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べ142,936百万円増加となりました。これは主に電子記録債権が15,942百万円、売掛金が62,659百万円、商品が29,362百万円、その他の流動資産が29,578百万円それぞれ増加したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,512百万円増加となりました。これは主に退職給付に係る資産が1,558百万円増加したことによるものです。 (負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べ116,509百万円増加となりました。これは主に支払手形及び買掛金が77,367百万円、未払法人税等が3,202百万円、契約負債が5,304百万円、預り金が22,276百万円、その他の流動負債が5,808百万円それぞれ増加したことによるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べ301百万円増加となりました。これは主にその他の固定負債が263百万円減少したものの、リース債務が370百万円、繰延税金負債が203百万円それぞれ増加したことによるものです。 (純資産)純資産は、前連結会計年度末に比べ27,638百万円増加となりました。これは主に利益剰余金が15,271百万円、為替換算調整勘定が11,259百万円、非支配株主持分が1,119百万円それぞれ増加したことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の48,452百万円に比べ5,917百万円増加し、54,370百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは18,774百万円増加(前連結会計年度は、24,232百万円増加)となりました。これは主に売上債権及び棚卸資産の増加があったものの、税金等調整前当期純利益38,641百万円の計上及び仕入債務の増加があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは1,306百万円減少(前連結会計年度は、9,573百万円減少)となりました。これは主に貸付金の回収による収入及び投資有価証券の売却による収入があったものの、貸付けによる支出、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは15,158百万円減少(前連結会計年度は、4,229百万円減少)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出及び配当金の支払いがあったことによるものです。 ③ 仕入、受注及び販売の実績a. 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称仕入高(百万円)前期比(%)集積回路及び電子デバイスその他事業946,130+23.3サイバーセキュリティ及びその他ITソリューション事業168,494+14.6合計1,114,624+21.9 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 b. 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)集積回路及び電子デバイスその他事業1,384,181+77.5826,795+71.3サイバーセキュリティ及びその他ITソリューション事業188,858+13.771,460+25.9合計1,573,040+66.3898,256+66.5 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 2 集積回路及び電子デバイスその他事業の受注高及び受注残高の増加は、主に海外での商流移管の獲得による 増加に伴うものであります。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)集積回路及び電子デバイスその他事業1,040,045+18.2サイバーセキュリティ及びその他ITソリューション事業174,150+13.1合計1,214,196+17.4 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の当社の属するエレクトロニクス産業におきましては、半導体市場は、年度を通じて生成AI向けに高性能な半導体(GPUやメモリ)の需要が増加しました。また、車載市場では、生産台数は低下したものの、安全性の向上・自動化に向けた高度な制御システム、脱炭素化に向けたEV(電気自動車)化の動きなど、車1台当たりの半導体搭載量が増加しております。産業機器市場では、国内市場において、年度の前半は顧客在庫の調整の影響を受け回復が遅れていましたが、海外市場では回復が進みました。IT産業におきましては、企業のIT投資環境は引き続き良好となっております。セキュリティに関しては、ランサムウェアなどのサイバー攻撃により情報の漏えいや業務停止するなど、甚大な被害を及ぼしていることから、経営課題ととらえる企業が増加しております。また、近年、企業のITシステムは、クラウド活用やリモートワークの進展などにより外部接続の増加とともに対策するべき点が増えており、社内システム内でもユーザーやデバイスを最初から信頼しないことを前提とするゼロトラストや情報資産のリスクを評価・管理するASM(アタック・サーフェス・マネジメント)への注目が高まっています。このような経済環境下、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ17.4%増加の1,214,196百万円、営業利益は前連結会計年度に比べ5.8%増加の41,950百万円、経常利益は、0.2%増加の37,392百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ9.8%増加の27,765百万円となりました。 a. 売上高当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ17.4%増加の1,214,196百万円となりました。集積回路及び電子デバイスその他事業におきましては、産業機器に関しては、国内では年度の前半は顧客在庫の調整により微減となりましたが、海外ではアナログICを中心に新たな商流獲得によるシェア拡大に加え、市場自体の回復により売上高は増加しました。また、海外を中心に、データセンター向けAIサーバーの販売が増加し、コンピュータが大幅に増加しました。その結果、前連結会計年度に比べて18.2%増加の1,040,045百万円となりました。サイバーセキュリティ及びその他ITソリューション事業におきましては、国内では、大手企業におけるサイバーセキュリティ対策の対象の拡大により追加需要が継続しており、また、中堅以下の企業にもセキュリティ対策の導入が拡大しています。その結果、エンドポイントセキュリティ関連商品を中心に大幅に伸長しました。また、東南アジア地域を中心とした海外事業においても、サイバーセキュリティ需要は継続しております。その結果、前連結会計年度に比べて13.2%増加の174,230百万円となりました。 b. 売上原価、販売費及び一般管理費売上原価は、前連結会計年度の912,928百万円から18.7%増加し、1,083,758百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は89.3%となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ8.4%増加し、88,487百万円となりました。なお、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は7.3%であります。 c. 営業利益営業利益は、売上総利益の増加により、前連結会計年度の39,649百万円から5.8%増加し、41,950百万円となりました。 d. 営業外収益営業外収益は、受取利息が286百万円減少したものの、受取配当金247百万円及び保険金収入477百万円の増加等により、前連結会計年度の1,732百万円から63.3%増加し、2,829百万円となりました。 e. 営業外費用営業外費用は、支払利息495百万円及び為替差損2,640百万円の増加等により、前連結会計年度の4,064百万円から81.7%増加し、7,387百万円となりました。 f. 経常利益経常利益は、前連結会計年度の37,318百万円から0.2%増加し、37,392百万円となりました。 g. 特別利益特別利益は、投資有価証券売却益1,020百万円の増加等により、前連結会計年度の1,158百万円から56.1%増加し、1,807百万円となりました。 h. 特別損失特別損失は、減損損失355百万円の減少等により、前連結会計年度の984百万円から43.3%減少し、558百万円となりました。 i. 税金等調整前当期純利益税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の37,491百万円から3.1%増加し、38,641百万円となりました。 j. 法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額税金等調整前当期純利益に対する法人税等の比率は、前連結会計年度の28.4%から2.3%減少し、26.1%となりました。 k. 親会社株主に帰属する当期純利益親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の25,279百万円から9.8%増加し、27,765百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a. 財政状態「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概況 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。 b. キャッシュ・フロー「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概況 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 c. 資金需要当社グループの運転資金需要の主要なものは、売上の増加に伴う支払と回収のサイト差及び商品在庫の保有によるものです。サイト差については、主に海外の仕入先に支払う仕入代金のサイトが国内外の得意先からの回収サイトよりも短くなっていることが主な要因であります。また商品在庫に関しては、得意先への納入期限に対応するために適正水準を保持しております。 d. 財務政策当社グループにおける増加運転資金につきましては、内部資金、売上債権の流動化、金融機関からの借入等によって調達しております。グループ各社の必要資金は、グループ全体の資金効率を踏まえつつ、調達環境や市場動向を勘案し、各社による調達または子会社である㈱マクニカからの親子ローンを柔軟に決定していく方針であります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の報告数字に影響を与える見積りは、主として棚卸資産、貸倒引当金、投資の減損、繰延税金資産、賞与引当金、退職給付費用等であり、継続して評価を行っております。見積り及び判断については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。 a. 棚卸資産当社グループは、将来における需要や市場状況等に基づき、正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には収益性の低下があるものとし売価評価減を、棚卸資産の保有日数に応じて一定金額まで帳簿価額を切り下げる滞留評価減や将来の販売可能性の見積りに基づく個別評価減を計上しております。 b. 貸倒引当金当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。 c. 投資の減損当社グループは、中長期的な企業価値向上に資すると判断される場合に限定して例外的に取引先との関係の維持・強化のほか、資本業務提携、新規事業分野への参画・創出を目的とした株式保有を行っております。また新規仕入先の開拓を目的とした情報収集のために、投資事業有限責任組合及びそれに類する組合(金融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるもの)等への出資をしております。これらには市場価格のある公開企業等への投資と市場価格のない未公開企業等への投資があります。市場価格のある投資につきましては、市場価格が取得原価に比べ50%以上下落した場合には無条件で減損処理を行い、30%以上50%未満下落した場合には個別に下落率の推移、発行体の財政状態等を勘案し、減損処理を行っております。一方、市場価格のない投資の減損につきましては、実質価額が著しく低下した場合、合理的な事業計画等に基づき、回復可能性が認められない場合には実質価額まで減損処理を行っております。また非連結の子会社及び関連会社の株式等についても、有価証券の評価方法に準じて処理を行っております。当連結会計年度において減損処理を行い、投資有価証券評価損409百万円を計上しております。今後も株式市場の悪化や投資先の業績不振などにより、評価損を計上する可能性があります。 d. 繰延税金資産当社グループは、将来の課税所得と慎重かつ実現可能性の高い継続的な経営計画を検討したうえで繰延税金資産を計上しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を回収又は解消できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上する可能性があります。 e. 賞与引当金賞与引当金は、支給対象期間の業績に応じて支給見込額のうち当期に帰属する額を計上しておりますが、実際の支給額は支給時点における外部環境及び当社グループの状況を勘案のうえ決定されるため、実際の支給額が見積りと異なる場合には追加の費用計上が必要となる可能性があります。 f. 退職給付費用及び退職給付に係る負債退職給付費用及び退職給付に係る負債は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。前提条件には、退職給付債務の割引率、将来の報酬水準、退職率及び直近の統計数値に基づいて算出される死亡率や年金資産の期待運用収益率等が含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、将来において認識される費用及び計上される負債に影響を与える可能性があります。
事業リスク
- シリコンサイクルと需給変動半導体業界特有の好不況サイクルである「シリコンサイクル」の影響を受けやすく、供給過剰による価格下落や需要変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、半導体の需要や供給力の急激な変化も業績に影響を与える要因となります。
- サプライチェーンの機能不全主力事業である半導体は、製造工程や顧客の生産拠点が世界各地に分散しており、感染症パンデミックや自然災害などによりサプライチェーンが機能不全に陥るリスクがあります。これにより、事業継続が困難となり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 仕入先との関係性変化最先端技術を持つ国内外の仕入先との代理店契約に依存しており、仕入先のM&Aや代理店政策の見直しにより商権に変更が生じる可能性があります。また、仕入先の商品開発力低下も、同社の競争力と業績に影響を与えるリスクとなります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 外部・内部経営環境に関するリスク① シリコンサイクル・需給バランス・景気変動の影響について当社グループの属する半導体業界はシリコンサイクルと呼ばれる好不況のサイクルが存在し、浮き沈みを繰り返していると言われています。これは、半導体市況の上昇局面では、多くの企業が一斉に生産設備の増強を計画し、その後、生産も同時に行われるため、供給過剰が発生して製品価格が下落し、売上高の減少・停滞が発生するものです。一方、不況となれば一斉に投資に抑制がかかり、その後には供給不足となって価格下落がとまるとともに稼働率が上がって再び好況となります。当社グループは、このような半導体業界特有のサイクルによる好不況の影響を受ける可能性があります。また、当社は顧客、仕入先と常に最新情報の共有などを行っておりますが、昨今のように、このようなサイクルとは別に当社グループが取り扱う半導体の需要の変化や半導体の供給力の変化、または、半導体が搭載される製品の価格やライフサイクルの変化などによって当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② サプライチェーン全般について当社グループは、主力の半導体事業において、米国企業を中心とする半導体メーカーの商品を仕入れて、世界各地の顧客(各種製造事業者)に販売しております。半導体メーカーの製造工程には前工程、後工程、出荷テスト工程があり、商品ごとにそれぞれの工程がアジアを中心に世界各地に所在しており、納入先である顧客の生産拠点もその多くがアジア各地に所在しております。当社グループもアジアをはじめ世界33の国と地域に事業拠点を設置しております。当社グループでは事業継続のための各種取組みを行っておりますが、感染症パンデミックによる都市封鎖、自然災害、戦争・紛争等の事象により、現状のサプライチェーンモデルが機能不全に陥り、事業継続が困難になった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 仕入先との関係について当社グループは、最先端の技術・商品などを有する国内外の様々な企業を仕入先としております。それら仕入先とは、代理店契約などを締結し、緊密な関係を維持しておりますが、仕入先がM&Aに遭遇したり、仕入先自体の代理店政策の見直しにより代理店再編成が生じた場合は、商権に変更が生じるなど業績に影響を与える可能性があります。また、半導体及びIT・セキュリティ業界は、技術革新の激しい業界でありますが、仕入先の商品開発力が著しく低下し、商品の競争力に優位性が保てない場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 新規仕入先の継続的な発掘について当社グループは国内外の最先端の技術力を持ち、競争力の高い商品・サービスを有した企業をいち早く発掘し、代理店契約を締結することで商品ラインナップを拡大・強化してまいりました。これらの企業の獲得競争は激しいものとなっており、仮にこのような新規仕入先の継続的な発掘が困難になった場合は、当社グループの事業計画の遂行に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ サービス・ソリューションモデルの構築について半導体やネットワーク事業で培ってきた高付加価値ディストリビューションのビジネスモデルを拡大し、従来の仕入先、顧客に加え、研究機関、官公庁、M&Aにより拡大したグループ会社等と協働しながら、技術商社の枠を超えた価値を創造する高付加価値サービス・ソリューションモデルへの変革を目指しております。既に各市場で必要な専門技術やパートナーを獲得し、例えば、自動運転ソリューションやスマートマニュファクチャリング等の分野において着実に一定の取引実績を上げておりますが、今後、これら新規事業の進捗に遅延等が生じた場合、将来の当社グループの収益拡大に向けた事業計画の遂行に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 高度な技術力の維持と人材確保について当社グループの属する半導体及びIT・セキュリティ業界は、技術革新の激しい業界にあり、今後の成長及び収益性の向上は半導体、セキュリティ、AI、デジタル技術などの高度な専門性に基づくソリューションを顧客の課題に応じて提供することが重要となります。このような価値を顧客に提供するには、社内の技術力を高め、優秀な人材を採用、育成することが必要になります。近年特に優秀な技術者の獲得競争は激しいものとなっており、高度専門人材の活躍を後押しし、人的資本を最大化する各種取組みを推進する等、当社グループは優秀な技術者の確保に注力しておりますが、仮に十分な技術者を採用できない場合や優秀な技術者が流出した場合には、事業計画の遂行に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ カントリーリスク当社グループはアジアを中心として世界33の国と地域に拠点を設置しております。事業展開する海外各国・各地域において、法律・規制の大きな変化、テロや戦争、米中対立の激化による半導体製品の中国への輸出規制や中国での不買運動、その他政治・経済状況の急激な変化、戦争・紛争や、疾病といった予測し難い事態が生じ、事業活動に大きな影響を受け、事業継続が困難になった場合、海外での事業活動の停滞や不測の事態による損害の発生等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 財務リスク① 為替相場変動の影響について当社グループのビジネスにおきましては、2026年3月期の国内仕入額に占めるドル建比率は82.0%、海外も含めた販売額に占めるドル建比率が43.9%と外貨建比率が高いことから、為替相場変動が当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。すなわち、ドル建の販売に対しては売上高の変動、ドル建の仕入に対しては売上原価の変動、さらにこれらに係る債権債務の発生時から決済時迄の為替相場変動による営業外損益発生の可能性があります。また、米国主要仕入先との取引では、仕入値引を仕入の実施から数ヶ月後の販売時に決済する取引条件としており、この間仕入値引に相当する債権額が変動する可能性があります。加えて、当社グループは、連結財務諸表を海外子会社の現地通貨ベースの資産及び負債を円換算して作成しているため、為替相場変動による換算リスクを負っています。当社グループは、外貨建債権債務をヘッジしておりますが、かかる為替リスクを完全に払拭することはできず、為替相場変動が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 棚卸資産廃棄及び棚卸資産評価の影響について当社グループのビジネスにおきましては、顧客からの所要数、納期などの要求に迅速に対応するため数ヶ月分の棚卸資産を確保しております。当社グループでは、棚卸資産額を適正に保つため商品が搭載される最終製品の需要予測、顧客の所要数量及び受注状況を考慮しながら、仕入先への発注を調整するなどして棚卸資産を管理しております。しかしながら急激な顧客の所要数量の変動、また、生産中止品や保守用在庫として確保していた商品が、当初見込んでいた顧客所要数量より差異が生じる際は、廃棄、又は資産価値評価の見直しを必要とする可能性があります。このような場合は当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 事業投資リスクについて当社グループは、既存事業における確固たるポジションの確立やグローバルに拡大していくためにM&Aを行い、子会社化を進めてきました。また、継続的な成長を目指し、既存事業だけでなく、AI、ヘルスケアといった新規事業分野の企業への出資も行っております。これらの出資に関しては、出資の妥当性・適正性について事業投資委員会の審議・検討を経て経営会議又は取締役会等の決裁機関で決定し、継続的にそれら企業の業績モニタリングを行っております。しかしながら、出資先企業の価値または株式の市場価値が低迷した場合には、当社グループが投資金額の全部もしくは相当部分を失うことがあります。このような場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 法的及びその他リスク① 輸出管理法規制・関税について当社グループは、半導体・集積回路等の最先端の電子部品・ネットワーク関連商品・セキュリティ関連製品及びこれらに関する技術等の輸出入を行っているため、輸出関連法規や関連諸規定等の影響下にあります。当社グループでは、安全保障貿易管理を適切に実施するため、各国の輸出関連法規や関連諸規定等を遵守しております。しかしながら、当社グループの取扱商品が予期せず、需要者を通じて懸念国に迂回輸出され、軍事用途製品の一部に転用される可能性もあります。 そのため、当社グループとしましては、「該非判定」・「仕向地、需要者、用途、取引経路等の精査」を行う輸出管理業務に加え、適宜、政府承認取得・手続実施を行うことなく軍事的用途に使用しないこと・輸出関連法規や関連諸規定等を遵守することを規定した書面を提出して頂くよう顧客企業に求める等、リスクの軽減に努めております。しかしながら、万一、当社グループの取扱商品が予期せぬ需要者、用途で使用された場合、結果として当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、米国などの関税政策の動向によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 情報セキュリティについて当社グループは、当社が提供する商品・サービスの販売活動を通じて、顧客企業が保有する個人情報などの各種機密情報を知り得る場合があります。このような状況において、サイバー攻撃、もしくは人為的な過失等により、サービス停止、個人情報や機密情報の漏えい・改ざん・紛失等が発生する可能性があります。当社では最先端のサイバーセキュリティ対策製品を導入し、システムがサイバー攻撃を検知した際には、即座に分析・対応できる組織を構成しております。また、世界各地の関連法規制を含み、社員への教育や啓蒙を継続的に実施することで、リスクの軽減に最大限努めております。しかし、このような取組みにもかかわらず、情報漏えい等が発生した場合に、顧客企業などからの損害賠償請求や、当社グループへの信頼喪失を招くことで、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 求償リスクについて当社グループの取扱商品及びサービスは、業務の性格上、顧客企業の様々な製品・サービスに使用されておりますので、商品不良等の問題により、当社グループが損害賠償を負う可能性があります。当社グループでは、契約書、取扱商品のクレームに対する仕入先メーカーとの連携及び協力等により、リスクの予防・軽減に最大限努めておりますが、このような対策にもかかわらず、重大な問題が発生した場合には、結果として当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。