事業の概要
- 化学工業製品の製造販売: 東邦化学工業グループは、界面活性剤、樹脂、化成品、スペシャリティーケミカルといった多岐にわたる化学工業製品の製造と販売を主な事業としています。これらの製品は、洗剤や化粧品、塗料、接着剤など、私たちの日常生活や産業活動に不可欠な素材として幅広く利用されています。
- 環境関連サービス: 化学工業製品事業に加え、子会社である株式会社横須賀環境技術センターが環境調査測定・分析業務を提供しています。これは、企業の環境規制遵守や持続可能な社会への貢献を支援するサービスであり、グループの事業の多様性を示しています。
- グローバルな生産・販売体制: 日本国内だけでなく、中国(上海、懐集、恵州)やタイにも子会社を持ち、現地での製造や販売、市場調査を展開しています。これにより、グローバルなサプライチェーンを構築し、多様な地域の顧客ニーズに対応できる体制を整えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 界面活性剤事業: 洗剤や化粧品などに使われる界面活性剤の製造販売が主な事業です。当社が製造販売するほか、子会社である近代化学工業が製造し当社に販売、中国の子会社も製造・販売を担っています。最新年度の売上高は263.07億円、営業利益は7.37億円と、グループの主要な収益源の一つです。
- スペシャリティーケミカル事業: 特定の機能を持つ高付加価値な化学品であるスペシャリティーケミカルの製造販売を行っています。当社が製造販売するほか、中国の子会社も製造・販売に関わっています。最新年度の売上高は157.68億円、営業利益は9.54億円と、グループ内で最も高い営業利益を上げており、収益性の高い事業です。
- 化成品事業: 幅広い産業分野で利用される化成品を製造販売しています。当社が製造販売するほか、中国の子会社が製造販売し、一部をタイの子会社などが購入しています。最新年度の売上高は65.74億円、営業利益は0.79億円であり、グループの安定的な収益基盤を支える事業の一つです。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| SurfactantsReportableSegment | 事業 | 263 | 7 | 2.8% |
| ResinsReportableSegment | 事業 | 48 | 1 | 1.9% |
| IndustrialChemicalsReportableSegment | 地域 | 66 | 1 | 1.2% |
| SpecialtyChemicalsReportableSegment | 事業 | 158 | 10 | 6.1% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、当社(東邦化学工業株式会社)及び子会社7社で構成され、化学工業製品事業として、界面活性剤、樹脂、化成品、スペシャリティーケミカル等の製造販売を主たる業務とし、更にその他の事業として環境調査測定・分析業務、市場調査等の業務を展開しています。セグメントの区分ごとの事業の内容は次のとおりであります。(1)界面活性剤当社が製造販売するほか、連結子会社近代化学工業㈱で製造し当社に販売しており、連結子会社東邦化学(上海)有限公司で製造し連結子会社東邦化貿易(上海)有限公司に販売しています。また、東邦化貿易(上海)有限公司は当社及び東邦化学(上海)有限公司からの購入製品を販売しています。(2)化成品当社が製造販売するほか、連結子会社懐集東邦化学有限公司で製造販売し一部を当社及びTOHO CHEMICAL (THAILAND) CO.,LTD.並びに恵州市東邦化学有限公司で購入しています。また、東邦化学(上海)有限公司は製造を行っています。東邦化貿易(上海)有限公司は当社と東邦化学(上海)有限公司及び懐集東邦化学有限公司からの購入製品を販売しています。恵州市東邦化学有限公司は製造販売を行っています。(3)樹脂・スペシャリティーケミカル当社が製造販売するほか、連結子会社東邦化学(上海)有限公司で製造し連結子会社東邦化貿易(上海)有限公司に販売しています。また、東邦化貿易(上海)有限公司は当社及び東邦化学(上海)有限公司からの購入製品を販売しています。(4)その他環境調査測定・分析業務を㈱横須賀環境技術センターが行っています。また、東邦化貿易(上海)有限公司が市場調査等の業務を行っています。 当社グループの事業にかかわる位置付けの概要図は次のとおりであります。 (注) TOHO CHEMICAL (THAILAND) CO.,LTD.及び恵州市東邦化学有限公司は、実質的な支配関係にあるため、子会社とみなしています。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料価格高騰時の製品価格への転嫁が困難な場合や遅れる場合があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 独自性を有する技術力の強化による製品の差別化、新技術・新製品の開発。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:景気変動による需要低迷と信用リスク / 原材料価格の変動と調達リスク / 災害・事故・感染症による生産停止リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
特定の強力なブランドや特許に関する情報は限定的。一部の特殊化学品分野での技術力は存在するが、それが広範な無形資産として認識されるレベルには至っていない可能性。
スイッチングコスト★★☆☆☆
顧客は特定の用途向けにカスタマイズされた化学品を使用しており、仕様変更やサプライヤー変更には一定のコストや手間がかかる可能性がある。しかし、代替品の存在や顧客の交渉力によっては、スイッチング・コストは限定的。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果が事業モデルの核となっている証拠は見当たらない。製品の利用者が増えることで製品自体の価値が向上するようなビジネスではない。
コスト優位★★★☆☆
長年の事業運営で培われた製造ノウハウや、特定の原料調達における効率化の可能性。ただし、競合他社とのコスト競争力に関する具体的な優位性は不明確であり、業界平均レベルのコスト構造と推測される。
規模の経済★★★☆☆
特殊化学品分野において、一定の生産規模と市場シェアを確保している。これにより、効率的な生産体制を維持し、安定した供給能力を持つ。しかし、グローバルな巨大化学メーカーと比較すると規模の経済性は限定的。
- 多角的な製品ポートフォリオ: 東邦化学工業グループは、界面活性剤、樹脂、化成品、スペシャリティーケミカルなど多種多様な製品を製造しており、特定の製品や業界の需要変動による業績への影響を抑えることができます。これにより、市場の変動に対する耐性が高まります。
- グローバルな生産・販売ネットワーク: 日本、中国、タイに生産・販売拠点を持ち、国際的なサプライチェーンと販売網を構築しています。これにより、各地域の市場ニーズに合わせた製品供給や、効率的な原材料調達・製品供給が可能となり、競争力を強化しています。
- リスク管理体制の整備: リスク管理規程を定め、代表取締役社長が委員長を務めるコンプライアンス・リスク管理委員会を設置することで、リスク発生の回避と影響の最小化に努めています。特に、原材料の複数取引先からの調達や安全在庫の確保、複数工場での生産体制の構築など、事業継続性を高めるための具体的な対策を講じています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、多岐にわたる技術と多様な製品群を擁し、小粒でも光る、ファインケミカル中心の中堅優良化学メーカーを目指しております。創業以来の「技術重視」の経営姿勢を堅持し、技術の向上を通じ、広く時代のニーズに応える製品を開発・提供することにより、豊かな社会づくりに貢献するよう努めてまいります。 (2) 中期的な経営戦略当社グループは、2026年3月期を初年度とする「TOHO Step Up Plan 2027」(以下、「中計」という。)に取り組んでおります。中計に掲げた数値目標と課題は、(3)目標とする経営指標、(5)対処すべき課題に記載のとおりです。「TOHO Step Up Plan 2027」では、計画期間の3年間を「持続可能な成長と価値創造のための変革期」と位置づけております。「TOHO Step Up Plan 2027」で掲げた重要課題への取り組みを着実に前進させ、急速に変化する事業環境下においても当社グループが力強く成長を続けるための地盤づくりを進めてまいります。 (3) 目標とする経営指標中計では、継続的な事業規模の拡大と収益性の向上、財務の健全性確保、資本の効率的な活用、株主の皆様への還元を重視し、下記の指標を数値目標としております。 数値目標(連結)<最終年度(2028年3月期)> 2028年3月期 計画 2026年3月期 実績売上高(百万円)60,000 53,625営業利益(百万円)3,000 2,088売上高営業利益率(%)5.0 3.9純資産額(百万円)23,000 24,119自己資本比率(%)32.0 33.9ROE(%)8.0 6.81株当たり配当額(円)30 22 (4) 経営環境ホルムズ海峡の事実上の封鎖の影響により、石油化学業界は、原料の調達難と価格急騰に直面しております。原料不足による生産量の減少と原料高による採算悪化との両面で収益へのマイナス影響が懸念される極めて先行きが不透明な環境にあります。加えて、新興国企業の安価品での攻勢による競争激化、物価上昇の継続による消費者マインドの冷え込み、国内労働市場のタイト化による採用難や人件費の高騰、金利の上昇、米国の通商政策をめぐる動向など多くのリスク要因が存在する状況が続いております。 (5) 対処すべき課題中計(2026年3月期~2028年3月期)の重要課題と対応状況につきましては以下のとおりです。 (最重要課題)① 電子情報材料事業の拡大・中核事業化 2025年度の売上高は期初計画どおり前期比増収となりました。当社製品の供給能力増強に対する取引先からの期待に応えるべく、新電子情報材料プラントの二期増設工事に着工し、2026年11月の完工を予定しております。廃溶剤の自社内リサイクルによるコスト削減の取り組みが進捗しているほか、要員の確保・育成等、生産体制作りは順調に進捗しております。② 東邦化学(上海)有限公司を成長軌道に乗せ、海外市場開拓の取り組みを強化 2025年度は、加圧反応設備増設に向けた建屋補強工事のため一部の設備の稼働を一時休止したことから、同社は前期比減収減益となりましたが、上海拠点の2社合計では営業利益3.8億円を確保いたしました。増設した加圧反応設備は2026年3月に稼働を開始しており、2026年度から同社の生産能力が増加いたします。ホルムズ海峡封鎖後も、中国は日本に比べて原料価格が安い状態が続いており、かつ供給不安も少ないことから、同社の生産能力のフル活用を進めてまいります。また、海外市場の開拓・開発についても活発化しつつあり、着実に成果が出始めております。③ 高機能・高付加価値製品の開発を加速 プラスチック用添加剤や香粧原料等の分野で重要テーマの実績化・実績拡大及び実績化に向けた進捗が見られました。また、電子情報材料や土木建築用薬剤等の分野では、環境配慮型製品の開発への取り組みを強化しております。④ 最適生産体制構築による生産性改善と業務効率化 東邦化学(上海)有限公司や鹿島工場の活用拡大に向けた生産移管並びに千葉工場の人的資源を電子情報材料事業に重点配分するための生産移管が着実に進捗しております。また、生産の時短・合理化に向けた取り組みが多数の製品で進捗し、実績化しております。業務効率化に関しては、生産部門では、QRコードによる原料・製品管理の試行を開始しており、誤仕込・誤出荷防止や作業負担軽減等の効果が期待されます。研究開発部門ではMI(Material Informatics)他、AIの活用について検証を進めております。⑤ 資本効率・財務体質・PBRの改善 資産のスリム化に向け、売掛債権流動化、在庫の削減、政策保有株式の見直し等に取り組んでおります。株価向上に向けては、株主優待制度の変更(拡充)やログミーファイナンス、Yahoo!ファイナンスへの記事掲載などIR活動の拡大に取り組みました。その結果、2025年度末の株価は前期末比上昇しましたが、一方、純資産額が、利益剰余金の増加に加え、投資有価証券の値上がりもあって大きく増加したため、2025年度末のPBRは前期末と同水準となりました。純資産額の増加により、自己資本比率は前期末の30.9%から2025年度末は33.9%に改善いたしました。 (その他重要課題)⑥ 人的資本強化の取り組み推進 若手を中心に処遇を改善し、人材の確保を図るための人事制度改定を2026年度に実施いたします。人事制度については、今後も更なる見直しを進めてまいります。また、社員のキャリアアップ支援のため、教育研修の拡充を進めております。2026年度より役員の体制を見直し、60歳以下の常務取締役5名が各部門を率いる体制となりました。生産部門担当の常務取締役は70歳台から51歳に若返るなど、経営の世代交代を進めております。⑦ 脱炭素化へ向けたサステナビリティ活動の取り組み強化 2025年6月に本社・追浜工場・千葉工場でRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)SCCS認証を取得いたしました。また、鹿島工場や東邦化学(上海)有限公司ではISO14001を取得いたしました。第三者認証機関であるEcoVadisやCDPなどの評価を受け、その評価内容を分析の上、更なる改善への取り組みを進めております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、多岐にわたる技術と多様な製品群を擁し、小粒でも光る、ファインケミカル中心の中堅優良化学メーカーを目指しております。創業以来の「技術重視」の経営姿勢を堅持し、技術の向上を通じ、広く時代のニーズに応える製品を開発・提供することにより、豊かな社会づくりに貢献するよう努めてまいります。 (2) 中期的な経営戦略当社グループは、2026年3月期を初年度とする「TOHO Step Up Plan 2027」(以下、「中計」という。)に取り組んでおります。中計に掲げた数値目標と課題は、(3)目標とする経営指標、(5)対処すべき課題に記載のとおりです。「TOHO Step Up Plan 2027」では、計画期間の3年間を「持続可能な成長と価値創造のための変革期」と位置づけております。「TOHO Step Up Plan 2027」で掲げた重要課題への取り組みを着実に前進させ、急速に変化する事業環境下においても当社グループが力強く成長を続けるための地盤づくりを進めてまいります。 (3) 目標とする経営指標中計では、継続的な事業規模の拡大と収益性の向上、財務の健全性確保、資本の効率的な活用、株主の皆様への還元を重視し、下記の指標を数値目標としております。 数値目標(連結)<最終年度(2028年3月期)> 2028年3月期 計画 2026年3月期 実績売上高(百万円)60,000 53,625営業利益(百万円)3,000 2,088売上高営業利益率(%)5.0 3.9純資産額(百万円)23,000 24,119自己資本比率(%)32.0 33.9ROE(%)8.0 6.81株当たり配当額(円)30 22 (4) 経営環境ホルムズ海峡の事実上の封鎖の影響により、石油化学業界は、原料の調達難と価格急騰に直面しております。原料不足による生産量の減少と原料高による採算悪化との両面で収益へのマイナス影響が懸念される極めて先行きが不透明な環境にあります。加えて、新興国企業の安価品での攻勢による競争激化、物価上昇の継続による消費者マインドの冷え込み、国内労働市場のタイト化による採用難や人件費の高騰、金利の上昇、米国の通商政策をめぐる動向など多くのリスク要因が存在する状況が続いております。 (5) 対処すべき課題中計(2026年3月期~2028年3月期)の重要課題と対応状況につきましては以下のとおりです。 (最重要課題)① 電子情報材料事業の拡大・中核事業化 2025年度の売上高は期初計画どおり前期比増収となりました。当社製品の供給能力増強に対する取引先からの期待に応えるべく、新電子情報材料プラントの二期増設工事に着工し、2026年11月の完工を予定しております。廃溶剤の自社内リサイクルによるコスト削減の取り組みが進捗しているほか、要員の確保・育成等、生産体制作りは順調に進捗しております。② 東邦化学(上海)有限公司を成長軌道に乗せ、海外市場開拓の取り組みを強化 2025年度は、加圧反応設備増設に向けた建屋補強工事のため一部の設備の稼働を一時休止したことから、同社は前期比減収減益となりましたが、上海拠点の2社合計では営業利益3.8億円を確保いたしました。増設した加圧反応設備は2026年3月に稼働を開始しており、2026年度から同社の生産能力が増加いたします。ホルムズ海峡封鎖後も、中国は日本に比べて原料価格が安い状態が続いており、かつ供給不安も少ないことから、同社の生産能力のフル活用を進めてまいります。また、海外市場の開拓・開発についても活発化しつつあり、着実に成果が出始めております。③ 高機能・高付加価値製品の開発を加速 プラスチック用添加剤や香粧原料等の分野で重要テーマの実績化・実績拡大及び実績化に向けた進捗が見られました。また、電子情報材料や土木建築用薬剤等の分野では、環境配慮型製品の開発への取り組みを強化しております。④ 最適生産体制構築による生産性改善と業務効率化 東邦化学(上海)有限公司や鹿島工場の活用拡大に向けた生産移管並びに千葉工場の人的資源を電子情報材料事業に重点配分するための生産移管が着実に進捗しております。また、生産の時短・合理化に向けた取り組みが多数の製品で進捗し、実績化しております。業務効率化に関しては、生産部門では、QRコードによる原料・製品管理の試行を開始しており、誤仕込・誤出荷防止や作業負担軽減等の効果が期待されます。研究開発部門ではMI(Material Informatics)他、AIの活用について検証を進めております。⑤ 資本効率・財務体質・PBRの改善 資産のスリム化に向け、売掛債権流動化、在庫の削減、政策保有株式の見直し等に取り組んでおります。株価向上に向けては、株主優待制度の変更(拡充)やログミーファイナンス、Yahoo!ファイナンスへの記事掲載などIR活動の拡大に取り組みました。その結果、2025年度末の株価は前期末比上昇しましたが、一方、純資産額が、利益剰余金の増加に加え、投資有価証券の値上がりもあって大きく増加したため、2025年度末のPBRは前期末と同水準となりました。純資産額の増加により、自己資本比率は前期末の30.9%から2025年度末は33.9%に改善いたしました。 (その他重要課題)⑥ 人的資本強化の取り組み推進 若手を中心に処遇を改善し、人材の確保を図るための人事制度改定を2026年度に実施いたします。人事制度については、今後も更なる見直しを進めてまいります。また、社員のキャリアアップ支援のため、教育研修の拡充を進めております。2026年度より役員の体制を見直し、60歳以下の常務取締役5名が各部門を率いる体制となりました。生産部門担当の常務取締役は70歳台から51歳に若返るなど、経営の世代交代を進めております。⑦ 脱炭素化へ向けたサステナビリティ活動の取り組み強化 2025年6月に本社・追浜工場・千葉工場でRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)SCCS認証を取得いたしました。また、鹿島工場や東邦化学(上海)有限公司ではISO14001を取得いたしました。第三者認証機関であるEcoVadisやCDPなどの評価を受け、その評価内容を分析の上、更なる改善への取り組みを進めております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善などにより緩やかな回復基調が継続しましたが、一方、米国の通商政策や中国経済の回復の遅れ、人手不足に伴う人件費の上昇や物価の上昇が企業の経営環境に影響を与えております。また、中東情勢の緊迫化、物価上昇による消費者マインドの冷え込み、金利の上昇、為替相場の変動などによる景気下振れの懸念があり、先行き不透明な状況が続いております。化学業界におきましては、半導体市況の回復に伴い、半導体市場向け製品の販売は堅調である一方、石油化学製品を中心に、中国の同国内の需要を上回る生産とそれに伴う輸出拡大の影響が長期化し、厳しい状況が続きました。加えて、2026年2月末に米国・イスラエルとイランとの軍事衝突が発生し、ホルムズ海峡が事実上封鎖されたことによって原料価格の急騰および原料調達不安の問題が生じました。当期の業績への影響は僅かであったものの、次期の業績への影響については予断を許さない状況にあります。このような経営環境下、当社グループの当連結会計年度の売上高は、土木建築用薬剤等で減収となったものの、電子情報産業用の微細加工用樹脂等の増収でカバーし、ほぼ前期並(11百万円増収)の53,625百万円となりました。損益面につきましては、連結子会社である東邦化学(上海)有限公司は、加圧反応設備増設に向けた建屋補強工事のため一部の設備の稼働を一時休止したことから、営業利益は前期比減益となりました。また、連結子会社である懐集東邦化学有限公司は、原料の相場価格下落により在庫評価損が発生したことから、営業利益は前期比減益となりました。一方、当社単体の営業利益は、売上構成の変化等に伴う利益率の改善により前期比増益となりました。連結営業利益は前期比272百万円増益の2,088百万円となり、6期ぶりに20億円台に回復しました。経常利益は前期比178百万円増益の1,931百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等合計の増加を主因として前期比16百万円減益の1,527百万円となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりです。(金額:百万円、率:%)セグメント売上高営業利益2025年3月期2026年3月期 2025年3月期 2026年3月期 増減率利益率利益率 界面活性剤26,30725,460△3.27372.87913.1 樹脂4,8184,8310.3932.0982.0 化成品6,5746,566△0.1791.23024.6 スペシャリティーケミカル15,76816,5585.09546.17894.8報告セグメント小計53,46953,416△0.11,864―1,982― その他26132725.493.7257.8 調整額△116△1192.0△58―80―合計53,61353,6250.01,8153.42,0883.9 (界面活性剤)香粧原料は、海外での販売は伸長したものの国内での販売が振るわず減収となりました。プラスチック用添加剤は、帯電防止剤等の販売が伸長し増収となりました。土木建築用薬剤は、コンクリート用関連薬剤が国内外ともに低調で減収となりました。農薬助剤は、主に国内向けの販売が伸長し増収となりました。繊維助剤は、主に海外での販売が減少し減収となりました。紙パルプ用薬剤は、サイズ剤や消泡剤等の販売が減少し減収となりました。その結果、当セグメント全体の売上高は、前期比847百万円、3.2%減収の25,460百万円となり、セグメント利益は、売上構成の変化等に伴う利益率の改善により前期比54百万円増益の791百万円となりました。 (樹脂)石油樹脂は、大口ユーザー向け販売がやや回復し増収となりました。合成樹脂は、土木関連用等の販売が減少し減収となりました。樹脂エマルションは、金属表面処理剤やフロアーポリッシュ用の販売が振るわず減収となりました。アクリレートは、海外ではやや増収となったものの国内での販売が減少し、若干の減収となりました。その結果、当セグメント全体の売上高は、前期比12百万円、0.3%増収の4,831百万円となり、セグメント利益は、前期比4百万円増益の98百万円となりました。 (化成品)合成ゴム・ABS樹脂用ロジン系乳化重合剤は、中国での販売がやや回復し増収となりました。石油添加剤は、国内外ともに販売が減少し減収となりました。金属加工油剤は、洗浄剤の販売が増加したものの吸塵剤等の販売が減少し、若干の減収となりました。その結果、当セグメント全体の売上高は、前期比8百万円、0.1%減収の6,566百万円となりましたが、セグメント利益は、石油添加剤の採算改善を主因として前期比223百万円増益の302百万円となりました。 (スペシャリティーケミカル)溶剤は、医薬品用等の販売減少により減収となりました。電子情報産業用の微細加工用樹脂は、上期は一部の設備の更新に伴う生産・販売調整があったものの、第3四半期以降は復調し、通期では期初計画どおりの増収となりました。その結果、当セグメント全体の売上高は、前期比790百万円、5.0%増収の16,558百万円となりました。セグメント利益は、円安進行による輸入原料の値上がり分の価格転嫁の遅れにより一時的に利益率が低下した製品があったことや、間接部門の固定費の配賦割合が高まったことも含め、固定費が増加したことから、前期比164百万円減益の789百万円となりました。 なお、上記の各セグメント利益の前年同期比の数値は、(セグメント情報等)「報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報」の表における「報告セグメント」の比較情報です。加えて、報告セグメントに含まれないその他の事業セグメント(環境調査測定・分析業務等)の営業利益が25百万円、各セグメントに帰属しない調整額(棚卸資産の調整額等)が80百万円(前期は△58百万円)あります。 ② 財政状態の状況当連結会計年度末の総資産は、70,824百万円と前期末比2,961百万円の増加となりました。その内訳は、流動資産が1,052百万円減少の35,891百万円、固定資産が4,013百万円増加の34,933百万円です。流動資産の主な増減要因は、現金及び預金が556百万円の減少、受取手形が696百万円の減少、売掛金が105百万円の増加、原材料及び貯蔵品が146百万円の減少、その他(流動資産)が未収入金等の増加により314百万円の増加です。固定資産の主な増減要因は、有形固定資産が2,098百万円の増加、投資その他の資産が1,914百万円の増加です。一方、負債合計は46,704百万円と前期末比80百万円の減少となりました。主な増減要因は、流動負債で、支払手形及び買掛金が228百万円の減少、短期借入金が611百万円の増加、1年内償還予定の社債が800百万円の減少、未払法人税等が158百万円の減少、その他(流動負債)が設備関係支払手形の増加を主因に189百万円の増加、固定負債で、長期借入金が477百万円の増加、リース債務が277百万円の減少、退職給付に係る負債が93百万円の増加です。純資産は、24,119百万円と前期末比3,041百万円の増加となりました。主な増減要因は、利益剰余金が配当金の支払いと親会社株主に帰属する当期純利益との差額の1,107百万円の増加、その他の包括利益累計額が、その他有価証券評価差額金と為替換算調整勘定の増加により1,934百万円の増加です。その結果、自己資本比率は33.9%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動により4,400百万円の増加、投資活動により4,598百万円の減少、財務活動により421百万円の減少となり、その結果、前連結会計年度末に比べ556百万円減少し、当連結会計年度末には5,148百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 営業活動によるキャッシュ・フローは4,400百万円の収入(前期比1,103百万円の収入増)となりました。収入の主な要因は、税金等調整前当期純利益2,076百万円、減価償却費2,805百万円、売上債権の減少額700百万円、棚卸資産の減少額283百万円等であり、支出の主な要因は、投資有価証券売却益240百万円、仕入債務の減少額294百万円、法人税等の支払額722百万円等であります。 投資活動によるキャッシュ・フローは4,598百万円の支出(前期比2,048百万円の支出増)となりました。収入の主な要因は、投資有価証券の売却による収入309百万円等であり、支出の主な要因は、有形固定資産の取得による支出4,391百万円、投資有価証券の取得による支出348百万円等であります。 財務活動によるキャッシュ・フローは421百万円の支出(前期比1,440百万円の支出減)となりました。収入の主な要因は、短期借入金の純増額810百万円、長期借入金の純増額260百万円等であり、支出の主な要因は、社債の純減額800百万円、リース債務の返済による支出271百万円、配当金の支払額420百万円等であります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)界面活性剤16,959△5.0樹脂4,042△6.4化成品6,136△3.8スペシャリティーケミカル14,0931.6その他7435.1合計41,307△2.7 (注) 金額は、製造原価によっております。 b.受注実績受注生産は、行っておりません。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)界面活性剤25,460△3.2樹脂4,8310.3化成品6,566△0.1スペシャリティーケミカル16,5585.0その他20844.4合計53,6250.0 (注) 主要な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討 (当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況について)売上高は、土木建築用薬剤等で減収となったものの、電子情報産業用の微細加工用樹脂等の増収でカバーし、前期比11百万円増収の53,625百万円となりました。セグメント別の売上構成は、界面活性剤47.5%(前期は49.1%)、樹脂9.0%(同9.0%)、化成品12.2%(同12.3%)、スペシャリティーケミカル30.9%(同29.4%)、その他0.4%(同0.2%)となっております。売上総利益は、売上構成の変化や採算改善への取り組み等によって売上高総利益率が16.0%と前期比0.8%改善したことにより、前期比410百万円増益の8,585百万円となりました。販売費及び一般管理費は、運賃や倉敷料等の増加により138百万円増加しました。その結果、営業利益は前期比272百万円増益の2,088百万円となりました。営業外損益は、支払利息等により156百万円のマイナス(前期は62百万円のマイナス)となり、経常利益は前期比178百万円増益の1,931百万円となりました。特別損益は、投資有価証券売却益等により145百万円のプラス(前期は218百万円のプラス)となり、税金等調整前当期純利益は前期比104百万円増益の2,076百万円となりましたが、法人税等合計が前期比124百万円増加したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比16百万円減益の1,527百万円となりました。 (当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について)外部要因として、お取引先の業界の景況と原材料価格の動向、内部要因として東邦化学(上海)有限公司の業績の動向が挙げられます。当社のお取引先は、幅広い業界に亘っており、各業界の景況並びにそこでのお取引先の業績の状況が販売実績に影響します。当連結会計年度は、セメント・コンクリート市場の低迷に伴って土木建築用薬剤の販売が減少するなど、前期比減収となった分野があった一方、半導体市況の回復に伴って電子情報産業用の微細加工用樹脂が伸長するなど、前期比増収となった分野もあり、連結売上高はほぼ前期並となりました。東邦化学(上海)有限公司につきましては、2022年3月期はコロナ禍や中国国務院の生産停止指示による約3ヵ月間の生産停止、2023年3月期は上海市のロックダウンや近接する他社の爆発火災事故の影響、2024年3月期は安全規制対応工事による生産の一時停止といった大きなマイナス要因が発生しましたが、2025年3月期から2026年3月期にかけては大きなトラブルがなく、上海拠点の2社(同社と東邦化貿易(上海)有限公司)合計では、2期連続で4億円前後の営業利益を計上しました。その他、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 (当社グループの資本の財源及び資金の流動性について)当社グループの事業運営に必要な資本の財源及び流動性については、自己資金のほか借入金等の有利子負債を活用し、全体のバランスをみながら安定的に確保することを基本方針としております。このうち有利子負債の調達に関しましては、短期運転資金については、短期借入金、受取手形割引等により、設備投資資金や長期運転資金については、長期借入金や社債及びリースにより、資金調達をしております。今後の重要な資本的支出の予定は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除去等の計画」に記載のとおりですが、その資金調達に関しましても、上記方針に則り調達を実施する予定です。なお、当連結会計年度末における借入金・社債・リース債務を含む有利子負債の残高は28,583百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,148百万円となっております。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローが4,400百万円のプラスとなりました。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローが4,598百万円のマイナスとなりましたので、フリーキャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は198百万円のマイナスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは421百万円のマイナスとなりました。その結果、現金及び現金同等物は556百万円の減少となっております。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)26.027.330.933.9時価ベースの自己資本比率(%)15.115.821.022.6キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)16.98.38.16.2インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)5.410.28.410.0 (注1)・自己資本比率:自己資本÷総資産・時価ベース自己資本比率:株式時価総額÷総資産・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債÷キャッシュ・フロー・インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー÷支払利息(注2)・各指標は、連結ベースの財務数値より算出しております。・株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。・キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。・有利子負債は連結貸借対照表に計上されている社債・借入金の合計額を対象としております。・支払利息は連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 (経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について)当社グループは、2026年3月期を初年度とする「TOHO Step Up Plan 2027」(以下「中計」という。)において、売上高、営業利益、売上高営業利益率、純資産額、自己資本比率、自己資本利益率(ROE)、1株当たり配当額の7つの指標を数値目標としております。各指標の2028年3月期の目標値(中計で掲げた目標値)と2026年3月期の実績は下記のとおりです。 2028年3月期(計画) 2026年3月期(実績)売上高(百万円)60,000 53,625営業利益(百万円)3,000 2,088売上高営業利益率(%)5.0 3.9純資産額(百万円)23,000 24,119自己資本比率(%)32.0 33.9ROE(%)8.0 6.81株当たり配当額(円)30 22 当連結会計年度は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、売上高は略前期並みにとどまり、営業利益は15.0%の増益となりました。その結果、売上高営業利益率は3.9%となり、前期比0.5%改善いたしました。純資産額は、利益剰余金の増加に加え、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定が増加したことがプラス要因となり、前期末比3,041百万円増加いたしました。自己資本比率は、純資産額の増加に伴い前期末比3.0%改善いたしました。ROEは、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比1.0%の減益になったことに加え、純資産額の増加を主因として、前期比0.9%低下の6.8%となりました。1株当たり配当額は、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比減益であったものの、株主の皆さまへの収益還元を重視し、前期比2円増配の22円配当といたしました。 2026年度は、ホルムズ海峡の事実上の封鎖による原料価格急騰と原料調達不安というかつて例のないほどの厳しい環境でのスタートとなりました。中計に掲げた課題への取り組みに加え、2026年度は、この難局を乗り切るための対策に全力を注ぐ必要があります。製品売価への速やかな価格転嫁や原料調達ルートの確保、中国の子会社のフル活用等、取り得る対策全てに全力で臨み、マイナス影響を最小限に抑え、2027年度には中計に掲げた数値目標を達成できるよう、総力を挙げて取り組んでまいります。(中計の重要課題は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)対処すべき課題」に記載しております。) ② 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際し、当連結会計年度末日における報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績や当社グループを取り巻く環境等に応じて合理的と考えられる方法により計上しておりますが、見積り特有の不確実性があるために、実際の結果は異なる場合があります。当社は、特に以下の会計上の見積りが当社の財務諸表に重要な影響を与えるものと考えております。 a.棚卸資産当社グループは、棚卸資産の評価基準及び評価方法として移動平均法に基づく原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)を採用しております。当社グループの保有する棚卸資産は、経済環境の影響を受けて価格が大きく変動する傾向にあるため、市場価格が下落した場合には、棚卸資産の簿価を切り下げ、売上原価を増加させることになります。 b.投資有価証券当社グループは、投資有価証券の期末における時価が、取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、当社グループの規定に基づき回復可能性を考慮して必要と認められた額について減損処理を行います。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能額が生じた場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。 c.貸倒引当金当社グループは、債権の貸倒の損失に備えるため、貸倒引当金を計上しております。一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。一般債権の貸倒実績率については、過去3期の貸倒実績に基づき算出しております。顧客の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合等、追加引当が必要となる可能性があります。 d.退職給付費用当社グループは、退職給付費用及び債務について、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率及び死亡率などがあります。それぞれの前提条件は、現時点で十分に合理的と考えられる方法で計算されております。退職給付費用及び債務の計算に影響を与える最も重要な前提条件は、割引率です。当連結会計年度の退職給付費用の計算に適用した割引率は2.1%です。割引率は、現在利用可能かつ退職給付債務の満期までの期間において利用可能であると見込まれる高格付けの債券の利回りなどを考慮して決定しています。なお、一部の連結子会社は、退職給付債務の算定にあたり簡便法を採用しております。退職給付費用及び債務の計算の前提条件と実際の結果に差異が生じた場合や、前提条件自体が変更になった場合、退職給付債務及び将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。 e.繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について回収可能性を十分に検討し、回収可能と判断した額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の収益力に基づく課税所得の見積りにより、当連結会計年度末における将来減算一時差異等のうち、将来の税金負担額を軽減することができる範囲内で繰延税金資産を計上しております。課税所得の見積りは、取締役会の承認を得た事業計画を基礎としております。事業計画における主要な仮定は、原料価格、製品の販売数量及び販売価格であります。当該仮定に変動が生じ、課税所得の見積額が変動した場合は、繰延税金資産の回収可能性の評価を見直す可能性があります。また、税制や税率が変更された場合、繰延税金資産の回収可能性の評価に影響が及ぶ可能性があります。 f.固定資産の減損当社グループは、固定資産のうち、収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった資産又は資産グループについて、帳簿価格を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損損失を判定するに当たりましては、販売・生産拠点を基礎としてグルーピングを行い、減損の兆候を判定しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、経営環境の変化による収益性の変動等により、想定していた投資回収が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合、減損処理を実施し、減損損失が発生する可能性があります。
事業リスク
- 景気変動による影響: 東邦化学工業グループの製品は多岐にわたりますが、主要製品分野の業界需要が低迷すると、売上高が減少し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、景気悪化による取引先の信用リスク顕在化は、貸倒損失の発生につながる恐れがあります。
- 原材料価格の変動と調達リスク: 製品の主な原材料は石油化学製品や油脂であり、原油価格の変動に強く影響されます。原材料価格が高騰した場合、製品価格への転嫁が困難であれば利益が減少する可能性があります。また、原材料メーカーの被災やサプライチェーンの混乱により、原材料の調達が困難になるリスクも存在します。
- 災害・事故・感染症による事業停止リスク: 大規模地震や火災・爆発事故、新たな感染症の拡大などにより、工場が操業停止に追い込まれる可能性があります。特に、一部の製品は専用設備でしか生産できず、特定の工場に集中しているため、生産能力の著しい低下や顧客への供給悪影響、社会的信用の失墜、補償費用発生などのリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの経営活動において財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、このようなリスクに対処する体制等を「リスク管理規程」に定めるとともに、リスクを横断的に管理する組織として、代表取締役社長が委員長を務めるコンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、リスク発生の回避及びリスク発生時の影響の極小化に努めております。なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 景気変動によるリスク当社グループが生産する製品の種類は多く、さまざまな分野や用途で使用されており、特定の製品の売上・利益が変動することで業績が左右されるリスクは抑えられております。しかしながら、主要製品分野の業界の需要が低迷した場合、売上高が減少し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、景気の悪化によって取引先の信用リスクが顕在化し、回収不能が発生した場合には、貸倒引当金や貸倒損失の計上等、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (2) 原材料に関するリスク① 原材料価格の変動によるリスク当社グループの製品は、石油化学製品、油脂、化成品等を主な原料としており、その仕入価格は特に原油価格の変動の影響を強く受けております。原材料価格が高騰し、製品価格への転嫁が困難な場合や遅れた場合には、売上原価が増加し、利益が減少するなど、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ② 原材料の調達リスク 当社グループは、主要な原材料については、リスク管理の観点からも可能な限り複数の取引先から購入を行っております。また、安全在庫の確保や原材料メーカーとの協力体制強化に努め、一部の重要な原材料については自製化の研究も進めております。しかし、原材料メーカーの被災・事故・倒産等による生産活動停止、サプライチェーンや物流の混乱・寸断等により、原材料の入手が困難になる可能性があります。そのような場合には、生産活動の停滞に伴う売上高の減少や、原材料価格の高騰による売上原価の増加により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (3) 災害・事故・感染症によるリスク① 災害によるリスク当社グループでは、工場の操業停止によるマイナス影響を最小限にするため、安全教育の徹底のほか、すべての設備について日常点検と、シャットダウンしての定期的な点検を行い、耐震補強工事や津波・高潮対策工事も順次実施しております。さらに、汎用設備で生産可能な製品については順次複数工場での生産を可能とし、リスクの分散を図っております。しかし、一部の製品については専用設備でしか生産できず、しかも専用設備が単独の工場にしかないものもあります。これらの製品については、大規模地震等により工場の操業を停止する事象が発生した場合には、生産能力が著しく低下し、顧客への供給に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの国内生産能力の大部分は千葉県、神奈川県、茨城県の関東3県に位置しているため、関東広域にわたって甚大な被害を及ぼす災害が起こった場合は、それらの生産機能が同時に停止する可能性もあります。加えて、災害に伴いサプライチェーンや物流の混乱・寸断が発生した場合には、(2)②に記載の原材料の調達への影響のほか、顧客への出荷活動に悪影響を及ぼす可能性があります。それらの結果、売上高の減少等により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ② 火災等の事故発生リスク当社グループは、危険物及び化学製品の取り扱いについて、事故発生の未然防止のため、すべての製造設備の定期的な点検の実施、安全教育の徹底、安全装置及び消火設備の充実等、安全操業体制の強化に日々取り組んでおります。しかしながら、万一、当社グループの工場において火災・爆発・化学物質の流出等の事故が発生し、当社グループの事業活動及び地域社会に大きな影響を及ぼした場合、社会的信用の失墜、補償等を含む事故への対応費用、生産活動の停止による機会損失等により、売上高の減少やコストの増加等、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ③ 感染症によるリスク当社グループは、新型コロナウイルス感染症に対しては、従業員とその家族の安全と健康を最優先にした対策を徹底し、生産・販売・在庫・物流状況の把握などの施策を通じて影響の最小化を図ってまいりました。中国・上海市にある連結子会社2社については、2022年度に上海市のロックダウンによる影響を受けましたが、国内においては、事業活動に大きな影響が及ぶ事態は避けられました。しかしながら、今後新たな感染症が当社グループの従業員に発生し、拡大した場合、一時的な操業の停止等の結果、売上高が減少するなど、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (4) 情報セキュリティに関するリスク不測の事態によりシステム障害が発生し長期化した場合には、事業活動の停止や対応費用の発生などにより、売上高の減少やコストの増加等、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、情報の漏洩、滅失又は毀損が発生した場合には、社会的信用の失墜、ノウハウの流出又は逸失による競争力の低下、損害賠償責任の発生、対応費用の発生などにより、売上高の減少やコストの増加等、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。そのようなリスクがある中、2023年2月、当社のサーバーが第三者による不正アクセスを受けたことを確認し、専門家による調査の結果、当社が保有するデータの一部が外部に流出したことが確認されました。現在までに、情報の不正利用等の二次被害に関する報告はありませんが、当社としては引き続き、影響を最小限に食い止めるべく、情報収集に努めております。また、二度とこのような事態を起こさぬよう、情報セキュリティの強化に全力で取り組んでおります。 (5) 競争優位性に関するリスク当社グループは、独自性を有する技術力の強化による製品の差別化、生産性の改善による価格競争力の向上、品質管理の厳格化や納期厳守等による顧客からの信頼獲得等、競争優位性の維持・向上に努めております。また、当社グループが生産する製品の種類は多く、さまざまな分野や用途で使用されており、特定の製品の売上・利益が変動することで業績が左右されるリスクは抑えられております。しかしながら、海外安価品の流入等による価格競争の激化、新興国企業の台頭、競合他社の急速な技術力アップ、当社が製品を販売している化学品メーカーにおける当該製品の自製化等、環境の変化により、当社グループの競争力が低下する可能性があります。また、当社グループの新技術・新製品の開発期間が長期化し、顧客のニーズに適時・適切に対応できない場合や、生産性の改善が進まない場合にも、当社グループの競争力が相対的に低下する可能性があります。それらの結果、売上高の減少や利益率の低下による利益の減少等、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (6) 海外での事業活動に関するリスク① 東邦化学(上海)有限公司の事業に関するリスク東邦化学(上海)有限公司は、2014年4月に商業生産を開始し、黒字化実現に当初想定以上の時間を要しましたが、2019年度に操業開始以来初の営業損益黒字化を、2020年度には初の経常損益黒字化を達成しました。しかしながら、2021年度はコロナ禍に加え、中国国務院の生産停止指示による約3ヵ月間の生産停止、2022年度は上海市のロックダウンや近接する他社の爆発火災事故、2023年度は安全規制対応工事実施による生産設備の稼働の一時停止といったマイナス要因が発生し、2021年度から2023年度にかけての営業損益は赤字または少額の利益にとどまりました。2024年度から2025年度にかけては大きなトラブルがなかったため、東邦化貿易(上海)有限公司も加えた上海拠点2社では、2期連続で4億円前後の営業利益を計上しました。現在、中国を中心とした海外市場の開拓、開発案件の早期実績化、国内工場からの製造移管、既存設備の生産余力活用と2025年末に増設工事が完了し2026年3月に稼働を開始した加圧反応設備の早期稼働率向上等に注力しておりますが、投資額に見合う業績の拡大を果たせない場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、同社の業績の悪化や保有資産時価の著しい下落等が生じた場合、同社の固定資産に減損損失が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ② 中国におけるカントリーリスク当社グループは製品の一部を中国で生産しており、中国を中心に、アジア、欧米などの海外市場に向けて販売しております。中国において、政治・経済情勢の悪化、予期しない法律・規則の変更、人材の採用・確保の困難、テロ・戦争・労働争議その他の社会的混乱の発生、治安の悪化、感染症の流行等のリスクが顕在化した場合、中国に所在する連結子会社3社の生産活動や販売活動に悪影響を及ぼし、売上高の減少やコストの増加等、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。特に足許の懸念材料としては、中国国内の環境面や安全面での規制強化が進むことや、世界経済のブロック化により貿易が停滞すること、台湾情勢の緊迫化等により日中関係が悪化することなどが、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性のあるものとして挙げられます。 ③ 為替相場変動によるリスク当社グループの在外連結子会社の財務諸表は、連結財務諸表作成のため円換算しておりますが、その円換算額は為替相場の動向に左右されます。在外連結子会社3社はすべて中国に所在しているため、日本円と中国元との間の為替相場に大幅な変動が生じた場合は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (7) 有利子負債に関するリスク当社グループには2026年3月末時点で28,583百万円の借入金・社債・リース債務を含む有利子負債があります。借入金に係る金利変動リスクに対しては金利スワップの活用等によりリスクの低減を図っておりますが、市場金利が上昇した場合、支払金利が増加し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、当社グループと金融機関との取引関係は長期間にわたり安定的に推移しておりますが、金融市場の変動や当社の信用状態の変化によって、当社グループが必要とする金額の資金調達を金融機関から適時に行うことができない場合、当社グループの資金繰りに大きな影響を与える可能性があります。 (8) 製品の欠陥発生リスク当社グループでは、工場における生産活動に関し、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001の認証を取得し、各種製品の製造及び品質管理を行っております。また製造物責任賠償保険にも加入しております。しかしながら、将来的にすべての製品に欠陥がなく、不良品が発生しない保証はありませんし、この保険が、最終的に負担する賠償額をすべてカバーできるとも限りません。このような保険金額を上回る損害賠償や、大規模なクレームを引き起こす欠陥は、多額のコスト発生による利益の減少や、当社グループの評価・信用の悪化に伴う売上減少等により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (9) 知的財産権に関するリスク当社グループは、研究開発活動で得た当社グループ独自の技術・ノウハウについて、特許出願や営業秘密の外部流出防止策徹底により知的財産の保護を行っております。しかしながら、「(4)情報セキュリティに関するリスク」にも記載のとおり、2023年2月、当社のサーバーが第三者による不正アクセスを受けたことを確認し、専門家による調査の結果、当社が保有するデータの一部が外部に流出したことが確認されました。当社から流出した当社独自の技術・ノウハウが不正利用され、当社グループの競争力が低下した場合、売上高の減少等により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、新たな技術・製品の開発に当たっては、他社の知的財産権を十分に調査解析した上で、独自の技術・製品を開発しておりますが、当社グループが第三者の知的財産権を侵害したとして係争が生じた場合、売上高の減少やコストの増加等により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (10) 気候変動に関するリスク当社グループは、「脱炭素化に向けた取り組み方針」を定め、将来的なカーボンニュートラルの実現に向けてGHG排出量の削減目標を設定し、GHG排出量の抑制につながる省エネ・省資源対策を中心に取り組んでおります。しかしながら、各国政府により温暖化ガス排出量取引が本格的に導入された場合や炭素税が適用された場合には、直接的なコストが増加する可能性があるほか、それらを原因とした原燃料価格や電力価格の上昇も危惧されます。加えて、再生可能エネルギーやバイオマス原料・燃料の使用割合を増やす必要が生じた場合には、それに伴ってコストが増加する可能性があります。また、当社グループは、環境負荷低減製品の開発にも注力しておりますが、化石燃料由来品の使用見直し等、顧客ニーズに極端な変化が生じた場合、既存事業に大きなマイナス影響が生じる可能性があります。さらに、気候変動に対する当社グループの取り組みが不十分とみなされた場合には、社会的信用が低下し、売上高の減少等により当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (11) 法的規制に関するリスク当社グループは、各種許認可のほか、商取引、安全、環境、労働、租税などに関する様々な法規制の適用を受けております。当社グループでは、すべての法律、規制の遵守にとどまらず、ビジネスを実践する上で遵守すべき行動原則として「東邦化学工業グループ行動規範」を制定し、この行動規範の啓蒙・教育を含め、コンプライアンス体制の構築に努めております。しかし、規制の強化や変更により事業活動が制限される場合や対応コストが発生する場合は、売上高の減少やコストの増加等により当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (12) 訴訟、係争等に関するリスク当社グループは、国内外の事業活動に関連して、訴訟、係争、その他の法律的手続きの対象となるリスクがあり、将来重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (13) 有能な人材の確保や育成に関するリスク当社グループは、人材戦略を事業活動における最重要課題の一つとして捉えており、今後の事業展開には適切な人材の確保・育成が必要と認識しております。多様な人材の積極的な採用や育成を通じた最適な人材の確保、生産工程の省人化等による人的資源の有効活用に努めておりますが、適切な人材を十分に確保できなかった場合、当社グループの事業遂行に制約を受け、または機会損失が生じるなど、売上高の減少により当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。