経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針・世界の子どもたちと人々に「夢」と「希望」を届ける“創発企業”となる。 当社はこの経営理念の下、1956年の創業以来半世紀以上の長きにわたり、日本アニメーション業界のパイオニアとして、劇場作品278本、テレビ作品247本、総話数約14,000話に及ぶ日本最多・世界有数の規模のアニメーション作品を製作して参りました。 これらの多彩なライブラリー作品群、そして今後創作する新作品/新作話からなる魅力的かつインパクトのある「IP(=intellectual property)」を事業戦略の軸とし、世界中の人々を魅了する“新たな映像表現”を創造しグローバルに展開するアニメーションのトップランナーとして進化し続けることで、世界有数の映像製作・事業会社になることを目指しています。 (2)経営指標2025年10月、当社では10年後(2035年度)を見据えた2030年度までの5か年計画、中期経営計画「VISION2030」を発表しました。同計画では、5年後の2030年度には、売上高2,000億円/営業利益500億円、そして10年後の2035年度には、売上高5,000億円規模の企業となることを目指しています。また、中計期間(2027年3月期~2031年3月期)を通じた財務KPIとして、自己資本比率70%以上、配当性向40%以上、最終年度の財務KPIとして、ROE15%以上、総還元性向50%、と掲げています。 (3)対処すべき課題本年、当社は創立70周年を迎えました。日本で最も長い歴史を有するアニメーション製作会社として、ここまで右肩上がりの成長を実現し、確固たる事業基盤を確立してきた経緯にあります。一方、グローバル市場の拡大や情報通信技術の進化等を始めとする昨今の大きな事業環境の変化に対応し、自ら進化し続けるための挑戦が必要と捉えています。係る問題意識の下、当社は、昨年10月に中期経営計画「VISION2030」を発表しました。当社経営理念の「世界の子供たちと人々に夢と希望を届ける創発企業」の下、アニメ業界リーディングカンパニーの矜持として「世界中の人々を魅了する、アニメーションのトップランナーとして進化し続ける」をありたい姿として掲げました。そして、この挑戦に相応しい定量目標として、同中計最終年度の2031年3月期に売上高2,000億円、営業利益500億円の達成を目指します。オーガニックな成長を軸に、有望な投資機会をとらえM&A等のインオーガニック成長にも挑戦し、市場平均を大きく超える成長(CAGR17%程度)の実現を目指します。またこの5年間を“グローバル企業としての飛躍に向けた仕込み期間”と位置付け、戦略投資により事業基盤を大幅に強化し、10年後には、売上高5,000億円規模の企業となり「世界に冠たる東映アニメーションブランド」を確立することをAspiration/志(こころざし)として掲げました。 その達成を目指すための成長戦略4本柱は以下の通りです。 ① スタジオの進化業界一を誇る当社大泉スタジオを中心に据えた、グローバル製作体制を構築し、質・量両面で世界トップクラスを目指します。数百名規模の人員増強、並びに国内外にスタジオを新設することにより、現状比約1.5倍に製作能力を拡充します。そしてデジタル領域を再編の上、次世代製作技術を確立します。VR/AR、モーションキャプチャー、AI等の最新テクノロジーを駆使した新たな映像表現を実現します。 ② IPの強化世界のアニメーション市場は、今後も大きな成長が見込まれており、グローバル展開を前提としたIP創出・育成が不可欠です。IPポートフォリオ戦略を一層高度化し、IPの多様化と増強を図り、グローバル市場での成長を確実なものにします。既に世界的に知名度ある作品群については、映像製作はもちろん、宣伝やマーケティング面も強化し、グローバルIPとして地位を確固たるものにします。それらに続く基幹IP群は、「成長・育成IP」として、IP毎の特徴や地域との親和性を見極め、国内外に広めます。新規IP創出への挑戦も、一層強化します。地域毎の文化・慣習・規制の違いを理解する、現地有力パートナーやクリエーターとIPを共創し展開する多種多様な挑戦を続けます。また、当社が誇る日本最大・世界有数のライブラリ作品群も、国内のみならず海外でも活用していきます。 ③ 地域展開の強化既に当社は欧米亜それぞれに強固な現地ネットワークを構築しています。既存地域での基盤をさらに強化すると共に、新たな成長地域にも積極的に進出し、将来的な海外売上比率を70%超に高めることを目指します。新たに6地域へ進出、海外人員の増強、そして日本発IPの一層の輸出拡大に加え、海外発IPの展開を第二の海外事業の柱として確立することを目指します。 ④ 顧客接点の拡大商品販売事業、イベント事業の最大の意義は、「作品」と「ファン/顧客」を直接つなぐ「接点」を自ら持つことです。IP価値最大化に向け、顧客接点を増やし、ファンの数を増やすと共に、エンゲージメントを高め、成長サイクルを持続的なものとします。従来からの国内ストア、催事はEC展開や物流の効率化を伴った上で、増加させます。また、飲食や総合エンタメ施設などの運営にも挑み、国内基盤をより強固なものとします。また、国内のノウハウを活かした、海外でのストアやイベント展開にも挑戦します。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針・世界の子どもたちと人々に「夢」と「希望」を届ける“創発企業”となる。 当社はこの経営理念の下、1956年の創業以来半世紀以上の長きにわたり、日本アニメーション業界のパイオニアとして、劇場作品278本、テレビ作品247本、総話数約14,000話に及ぶ日本最多・世界有数の規模のアニメーション作品を製作して参りました。 これらの多彩なライブラリー作品群、そして今後創作する新作品/新作話からなる魅力的かつインパクトのある「IP(=intellectual property)」を事業戦略の軸とし、世界中の人々を魅了する“新たな映像表現”を創造しグローバルに展開するアニメーションのトップランナーとして進化し続けることで、世界有数の映像製作・事業会社になることを目指しています。 (2)経営指標2025年10月、当社では10年後(2035年度)を見据えた2030年度までの5か年計画、中期経営計画「VISION2030」を発表しました。同計画では、5年後の2030年度には、売上高2,000億円/営業利益500億円、そして10年後の2035年度には、売上高5,000億円規模の企業となることを目指しています。また、中計期間(2027年3月期~2031年3月期)を通じた財務KPIとして、自己資本比率70%以上、配当性向40%以上、最終年度の財務KPIとして、ROE15%以上、総還元性向50%、と掲げています。 (3)対処すべき課題本年、当社は創立70周年を迎えました。日本で最も長い歴史を有するアニメーション製作会社として、ここまで右肩上がりの成長を実現し、確固たる事業基盤を確立してきた経緯にあります。一方、グローバル市場の拡大や情報通信技術の進化等を始めとする昨今の大きな事業環境の変化に対応し、自ら進化し続けるための挑戦が必要と捉えています。係る問題意識の下、当社は、昨年10月に中期経営計画「VISION2030」を発表しました。当社経営理念の「世界の子供たちと人々に夢と希望を届ける創発企業」の下、アニメ業界リーディングカンパニーの矜持として「世界中の人々を魅了する、アニメーションのトップランナーとして進化し続ける」をありたい姿として掲げました。そして、この挑戦に相応しい定量目標として、同中計最終年度の2031年3月期に売上高2,000億円、営業利益500億円の達成を目指します。オーガニックな成長を軸に、有望な投資機会をとらえM&A等のインオーガニック成長にも挑戦し、市場平均を大きく超える成長(CAGR17%程度)の実現を目指します。またこの5年間を“グローバル企業としての飛躍に向けた仕込み期間”と位置付け、戦略投資により事業基盤を大幅に強化し、10年後には、売上高5,000億円規模の企業となり「世界に冠たる東映アニメーションブランド」を確立することをAspiration/志(こころざし)として掲げました。 その達成を目指すための成長戦略4本柱は以下の通りです。 ① スタジオの進化業界一を誇る当社大泉スタジオを中心に据えた、グローバル製作体制を構築し、質・量両面で世界トップクラスを目指します。数百名規模の人員増強、並びに国内外にスタジオを新設することにより、現状比約1.5倍に製作能力を拡充します。そしてデジタル領域を再編の上、次世代製作技術を確立します。VR/AR、モーションキャプチャー、AI等の最新テクノロジーを駆使した新たな映像表現を実現します。 ② IPの強化世界のアニメーション市場は、今後も大きな成長が見込まれており、グローバル展開を前提としたIP創出・育成が不可欠です。IPポートフォリオ戦略を一層高度化し、IPの多様化と増強を図り、グローバル市場での成長を確実なものにします。既に世界的に知名度ある作品群については、映像製作はもちろん、宣伝やマーケティング面も強化し、グローバルIPとして地位を確固たるものにします。それらに続く基幹IP群は、「成長・育成IP」として、IP毎の特徴や地域との親和性を見極め、国内外に広めます。新規IP創出への挑戦も、一層強化します。地域毎の文化・慣習・規制の違いを理解する、現地有力パートナーやクリエーターとIPを共創し展開する多種多様な挑戦を続けます。また、当社が誇る日本最大・世界有数のライブラリ作品群も、国内のみならず海外でも活用していきます。 ③ 地域展開の強化既に当社は欧米亜それぞれに強固な現地ネットワークを構築しています。既存地域での基盤をさらに強化すると共に、新たな成長地域にも積極的に進出し、将来的な海外売上比率を70%超に高めることを目指します。新たに6地域へ進出、海外人員の増強、そして日本発IPの一層の輸出拡大に加え、海外発IPの展開を第二の海外事業の柱として確立することを目指します。 ④ 顧客接点の拡大商品販売事業、イベント事業の最大の意義は、「作品」と「ファン/顧客」を直接つなぐ「接点」を自ら持つことです。IP価値最大化に向け、顧客接点を増やし、ファンの数を増やすと共に、エンゲージメントを高め、成長サイクルを持続的なものとします。従来からの国内ストア、催事はEC展開や物流の効率化を伴った上で、増加させます。また、飲食や総合エンタメ施設などの運営にも挑み、国内基盤をより強固なものとします。また、国内のノウハウを活かした、海外でのストアやイベント展開にも挑戦します。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度において、当社グループでは「ワンピース」、「ドラゴンボール」シリーズ、「プリキュア」シリーズ、「デジモンアドベンチャー」シリーズ等の主力作品群に加え、昨年度に投入した「ガールズバンドクライ」等のグローバル展開による安定的な収益の確保・拡大を図りました。この結果、当連結会計年度における売上高は936億69百万円(前連結会計年度比7.1%減)、営業利益は310億18百万円(同4.4%減)、経常利益は334億62百万円(同0.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は250億70百万円(同6.1%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります(セグメント間取引金額を含む)。なお、セグメント損益は、営業利益ベースの数値であります。 [映像製作・販売事業]劇場アニメ部門では、前年度からの継続公開となった「映画おしりたんてい スター・アンド・ムーン」(2025年3月公開)に加え、9月に「映画キミとアイドルプリキュア♪ お待たせ!キミに届けるキラッキライブ!」、10月に「劇場版総集編 ガールズバンドクライ 前編 青春狂走曲」、11月に「劇場版総集編 ガールズバンドクライ 後編 なぁ、未来。」を公開しました。前年同期に公開した、映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版」程には至らず、減収となりました。テレビアニメ部門では、「ワンピース」、「キミとアイドルプリキュア♪」(2026年2月より「名探偵プリキュア!」)、「科学×冒険サバイバル!」、「DIGIMON BEATBREAK」、「おしりたんてい」、「ゲゲゲの鬼太郎 私の愛した歴代ゲゲゲ」、「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」の7作品を放映しました。前年同期と比較して放映作品話数が減少したこと等から、減収となりました。コンテンツ部門では、「ガールズバンドクライ」のブルーレイ・DVDが好調に稼働したものの、前年発売の映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」程には至らず、前年同期と比較して減収となりました。海外映像部門では、「ワンピース」の配信権販売が好調に稼働したものの、「ドラゴンボール」シリーズの海外配信権・ビデオ化権販売の反動減により、大幅な減収となりました。その他部門では、映画「THE FIRST SLAM DUNK」、映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」をはじめとした、国内の映像配信権販売の反動減により、大幅な減収となりました。この結果、映像製作・販売事業全体では、売上高は311億51百万円(前連結会計年度比16.5%減)、セグメント利益は87億51百万円(同15.7%減)と減収減益となりました。 [版権事業]国内版権部門では、前年同期の「ワンピース」周年施策、「ドラゴンボール」シリーズ新作関連の反動減があり、前年同期の勢いには至らなかったことから、大幅な減収となりました。海外版権部門では、「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売の反動減はあったものの、「ワンピース」、「デジモンアドベンチャー」シリーズの商品化権・ゲーム化権販売が好調に稼働したことから、前年同期と比較して若干の増収となりました。この結果、版権事業全体では、売上高は489億5百万円(前連結会計年度比3.3%減)、セグメント利益は267億20百万円(同3.1%増)と減収増益となりました。 [商品販売事業]商品販売部門では、前年同期に好調に稼働した映画「THE FIRST SLAM DUNK」の商品販売の反動減により、大幅な減収となりましたが、「ドラゴンボール」シリーズ、「プリキュア」シリーズのショップ事業が好調に稼働し、増益となりました。この結果、売上高は79億23百万円(前連結会計年度比14.0%減)、セグメント利益は7億34百万円(同12.3%増)と減収増益となりました。 [その他事業]その他部門では、催事イベントやキャラクターショー等を展開しました。「プリキュア」シリーズ、「ガールズバンドクライ」の催事が好調に稼働したことから、大幅な増収となりました。この結果、売上高は63億25百万円(前連結会計年度比46.6%増)、セグメント利益は3億56百万円(同101.7%増)と増収増益となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ96億23百万円増加し、764億6百万円となりました。その要因は以下のとおりであります。なお、連結貸借対照表に掲記されている現金及び預金勘定927億48百万円との差異は、預入期間3ヶ月超の定期預金165億18百万円等であります。 [営業活動によるキャッシュ・フロー]営業活動の結果得られた資金は、169億50百万円(前連結会計年度は271億63百万円の獲得)となりました。資金の増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益341億75百万円、売上債権の減少28億37百万円、資金の減少の主な内訳は、棚卸資産の増加32億90百万円、仕入債務の減少50億56百万円、法人税等の支払額106億78百万円であります。なお、減価償却費7億59百万円は、資金流出の発生しない費用であるため、キャッシュ・フロー計算書では資金増の要因となっております。 [投資活動によるキャッシュ・フロー]投資活動の結果得られた資金は、9億89百万円(前連結会計年度は55億41百万円の使用)となりました。資金の増加の主な内訳は、貸付金の回収による収入31億17百万円、定期預金の払戻による収入389億83百万円、資金の減少の主な内訳は、定期預金の預入による支出398億67百万円であります。 [財務活動によるキャッシュ・フロー]財務活動の結果使用した資金は、91億53百万円(前連結会計年度は64億40百万円の使用)となりました。これは、主に配当の支払によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績イ 受注製作事業実績当社グループは、映像製作・販売事業において、劇場アニメ作品・テレビアニメ作品の受注製作を行っており、当連結会計年度の製作実績及び受注実績を示すと次のとおりであります。 a.製作実績区分製作高(百万円)前期比(%)劇場アニメ作品1,42960.8テレビアニメ作品6,398105.2合計7,82892.8 (注) アニメ作品製作について、作業の一部を外注に依存しております。(主な外注先:㈱ウィットスタジオ、㈱青二プロダクション、㈱ぎゃろっぷ)なお、当連結会計年度における外注費は、6,404百万円であります。 b.受注実績区分本数受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)劇場アニメ作品31,544428.91,4361,063.7テレビアニメ作品1501,06673.774964.0合計1532,610144.42,185167.4 ロ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)映像製作・販売事業31,14083.5版権事業48,45996.3商品販売事業7,89685.8その他事業6,172153.6合計93,66992.9 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)㈱バンダイナムコエンターテインメント17,27117.116,08317.2 3.東映グループ(除く東映㈱及び当社の子会社)に対する販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)東映グループ2590.31250.1 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(a) 財政状態の分析(資産の部)当連結会計年度末の総資産は、前期末比112億91百万円増の2,022億71百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて6.0%増加し、1,355億66百万円となりました。これは、現金及び預金が102億74百万円、仕掛品が30億93百万円増加し、関係会社短期貸付金が30億65百万円、受取手形及び売掛金が24億44百万円減少したこと等によるものです。その結果、流動資産合計は前期末比76億25百万円増の1,355億66百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べて5.8%増加し、667億4百万円となりました。これは、投資有価証券が21億99百万円、長期預金が8億円、建物及び構築物(純額)が2億86百万円増加したこと等によるものです。その結果、固定資産合計は前期末比36億65百万円増の667億4百万円となりました。(負債の部)当連結会計年度末の負債合計は、前期末比65億49百万円減の312億31百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて22.1%減少し、265億10百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が47億65百万円、未払法人税等が24億35百万円減少したこと等によるものです。その結果、流動負債合計は、前期末比75億25百万円減の265億10百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べて26.0%増加し、47億21百万円となりました。これは、繰延税金負債が9億72百万円増加したこと等によるものです。その結果、固定負債合計は、前期末比9億75百万円増の47億21百万円となりました。(純資産の部)当連結会計年度末の純資産合計は、前期末比178億40百万円増の1,710億39百万円となりました。株主資本については、利益剰余金が前期に係る剰余金の配当により83億90百万円減少し、親会社株主に帰属する当期純利益により250億70百万円増加いたしました。その結果、株主資本は、前期末比160億28百万円増の1,545億81百万円となりました。その他の包括利益累計額については、その他有価証券評価差額金が10億57百万円、為替換算調整勘定が7億55百万円それぞれ増加いたしました。その結果、その他の包括利益累計額は、前期末比18億12百万円増の164億58百万円となりました。 (b) 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度の売上高は、その他事業は増収の一方で映像制作・販売事業、版権事業、商品販売事業は減収であったため、前期比71億66百万円減の936億69百万円となりました。各セグメントの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」、海外部門の売上高につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の「セグメント情報等 関連情報」をご参照ください。(売上原価及び売上総利益)当連結会計年度の売上原価は、前期比79億48百万円減の444億65百万円となりました。収益性の高い海外商品化権販売の好調に加え、前年同期の新作映像分の製作原価減少により、原価率は47.5%となりました。その結果、当連結会計年度の売上総利益は、前期比7億81百万円増の492億3百万円となりました。 (販売費及び一般管理費並びに営業利益)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人件費の増加等により、前期比21億95百万円増の181億85百万円となりました。その結果、当連結会計年度の営業利益は、前期比14億14百万円減の310億18百万円となりました。また、売上高営業利益率は32.2%から33.1%となりました。(営業外損益及び経常利益)当連結会計年度の営業外損益は、為替差益が増加したこと等により、営業外損益の純額では、前期比16億88百万円の増となりました。その結果、当連結会計年度の経常利益は、前期比2億74百万円増の334億62百万円となりました。また、売上高経常利益率は32.9%から35.7%となりました。(特別損益)当連結会計年度の特別損益は、投資有価証券売却益があったことにより、特別損益の純額では、前期比10億92百万円の増となりました。その結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前期比13億66百万円増の341億75百万円となりました。(法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の法人税等合計は、前期比80百万円減の91億5百万円となりました。また、税効果会計適用後の法人税等の負担率は26.6%となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比14億46百万円増の250億70百万円となりました。 当社グループは、海外における展開地域や事業の拡大、新規IPの創出とIPライフサイクルの長期化、映像製作能力の進化等により、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指すべく、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)対処すべき課題」に記載した方針に基づき、各種課題に取り組んでまいります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの分析)当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますが、営業活動によるキャッシュ・フローの収入から、投資活動によるキャッシュ・フローの支出を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは179億39百万円(前連結会計年度は216億21百万円)となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フローが減少したことが主な要因です。なお、翌連結会計年度において、重要な資本的支出の予定はありません。 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)アニメーションビジネスは、先行投資型ビジネスであり、製作段階で、多額の製作資金を投入し、その後、完成した作品の映像著作権をベースに、各種事業を展開し、製作資金を回収していくのが基本的なスキームです。作品によって、回収に要する期間はさまざまであり、複数の作品が、一定の成績に達しない場合、営業活動から創出される資金が減少することも想定されますが、新規作品の企画製作は、当社グループが成長・発展していくために欠かせないものです。そのため、当社グループは、運転資金、設備投資資金はもとより、新規作品の企画製作費用についても、充分な資金流動性を確保し、堅固な財務体質を維持することに努めております。また、各子会社の余剰資金につきましては、配当金により当社へ集約することを基本に考えておりますが、将来におけるより効率的な資金運用に向けた施策として、キャッシュ・マネジメント・システムにより、一部の海外子会社より資金を集約しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、製品、仕掛品の評価、非上場株式の評価、貸倒引当金の計上、退職給付に係る負債の計上、役員株式給付引当金の計上等について見積り計算を行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針・世界の子どもたちに「夢」と「希望」を提供する“創発企業”となる。 当社はこの経営理念の下、1956年の創業以来半世紀以上の長きにわたり、日本アニメーション界のパイオニアとして、テレビアニメ作品244タイトル、劇場アニメ作品275タイトル、総コンテンツ数約14,000本に及ぶ日本最大・世界有数の規模のアニメーション作品を製作して参りました。 これらの多彩なライブラリー作品群、そして今後創作する新作品/新作話からなる魅力的かつインパクトのある「IP(=intellectual property)」を事業戦略の軸とし、世界を魅了する“新たな映像表現”を創造し続けグローバルに展開する、世界有数の映像製作・事業会社になることを目指しております。 (2)経営指標アニメーションビジネスは不確定要素が多く、作品により予想と結果が著しく乖離する場合があります。特定の指標をもって経営目標とすることはしておりませんが、堅牢な財務基盤の維持を大前提に、「IPを戦略の軸に据えたグローバル事業展開」をより一層強化し、持続的成長と中長期的な企業価値向上に資する事業機会やグローバル企画に積極的に戦略的投資を行って参ります。また配当については、安定配当を基本方針としつつ、投資戦略や業績動向に応じて柔軟に、総合的な判断を行って参ります。 (3)対処すべき課題当社グループでは、「IPを戦略の軸に据えたグローバル事業展開」をより一層強化し、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指します。日本最大・世界有数の作品数を有するアニメーション製作会社としての競争優位性を基盤に、魅力的でインパクトのある新たな作品を創作し世界に届けることを梃子に、収益化の機会を限りなく広げていくことを最重要課題として掲げています。 ① IP増強:新規IP創出数の増強とIPライフサイクルの長期化新規IP創出を加速すると共に、産み出した作品を自ら育成・発展させ、IPライフサイクルを長期化することで、作品ファンの親子二世代化・三世代化(エバーグリーン化)を目指します。 ② 事業拡張:顧客接点の拡大とIP当たり収益規模の伸張これまでに当社が獲得してきた作品製作や権利運用のノウハウを活かし、既存ライセンス事業に加え、IPの育成・発展に寄与する自社事業にも注力し、IP当たりの収益規模の最大化を目指します。 ③ 地域展開拡大:日本発IPの増強と海外発IPの強化国内市場に加え、海外市場へと作品展開をグローバルに加速し、マーケットシェアを高め、世界に冠たる「東映アニメーションブランド」の確立を目指します。日本発IPは、従来からの国内外での取組みをより一層強化すると共に、特に海外輸出については、新たな有望国や地域を見定め、ビジネスの拡大を図ります。海外IPは、欧州・中東・中国等において現地有力パートナーと手を組み、地域の文化・慣習・規制等の事業障壁を乗り越え作品展開しヒットを目指す地産地消型ビジネスや、当社の指揮・統括の下、海外で企画製作した作品を、グローバルな配信配給流通網を活用して、全世界に一斉展開し、関連ビジネス全体で収益獲得を目指すハリウッド型ビジネスを推進します。 ④ 製作能力の進化:IP別に目的特化した製作体制構築と2D/3D先端技術の統合IP・顧客セグメント別の訴求ポイントを明確化すると共に、国内外の提携スタジオのノウハウ・人材ネットワークの有効化と最適化により、子どもから大人まで幅広いファンを魅了する作品を創作していきます。また、独自の演出・作画技法をはじめとする当社の伝統技術とCG・AI等の革新技術を融合し、全く新たな映像表現を産み出す製作スタジオを目指します。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針・世界の子どもたちに「夢」と「希望」を提供する“創発企業”となる。 当社はこの経営理念の下、1956年の創業以来半世紀以上の長きにわたり、日本アニメーション界のパイオニアとして、テレビアニメ作品244タイトル、劇場アニメ作品275タイトル、総コンテンツ数約14,000本に及ぶ日本最大・世界有数の規模のアニメーション作品を製作して参りました。 これらの多彩なライブラリー作品群、そして今後創作する新作品/新作話からなる魅力的かつインパクトのある「IP(=intellectual property)」を事業戦略の軸とし、世界を魅了する“新たな映像表現”を創造し続けグローバルに展開する、世界有数の映像製作・事業会社になることを目指しております。 (2)経営指標アニメーションビジネスは不確定要素が多く、作品により予想と結果が著しく乖離する場合があります。特定の指標をもって経営目標とすることはしておりませんが、堅牢な財務基盤の維持を大前提に、「IPを戦略の軸に据えたグローバル事業展開」をより一層強化し、持続的成長と中長期的な企業価値向上に資する事業機会やグローバル企画に積極的に戦略的投資を行って参ります。また配当については、安定配当を基本方針としつつ、投資戦略や業績動向に応じて柔軟に、総合的な判断を行って参ります。 (3)対処すべき課題当社グループでは、「IPを戦略の軸に据えたグローバル事業展開」をより一層強化し、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指します。日本最大・世界有数の作品数を有するアニメーション製作会社としての競争優位性を基盤に、魅力的でインパクトのある新たな作品を創作し世界に届けることを梃子に、収益化の機会を限りなく広げていくことを最重要課題として掲げています。 ① IP増強:新規IP創出数の増強とIPライフサイクルの長期化新規IP創出を加速すると共に、産み出した作品を自ら育成・発展させ、IPライフサイクルを長期化することで、作品ファンの親子二世代化・三世代化(エバーグリーン化)を目指します。 ② 事業拡張:顧客接点の拡大とIP当たり収益規模の伸張これまでに当社が獲得してきた作品製作や権利運用のノウハウを活かし、既存ライセンス事業に加え、IPの育成・発展に寄与する自社事業にも注力し、IP当たりの収益規模の最大化を目指します。 ③ 地域展開拡大:日本発IPの増強と海外発IPの強化国内市場に加え、海外市場へと作品展開をグローバルに加速し、マーケットシェアを高め、世界に冠たる「東映アニメーションブランド」の確立を目指します。日本発IPは、従来からの国内外での取組みをより一層強化すると共に、特に海外輸出については、新たな有望国や地域を見定め、ビジネスの拡大を図ります。海外IPは、欧州・中東・中国等において現地有力パートナーと手を組み、地域の文化・慣習・規制等の事業障壁を乗り越え作品展開しヒットを目指す地産地消型ビジネスや、当社の指揮・統括の下、海外で企画製作した作品を、グローバルな配信配給流通網を活用して、全世界に一斉展開し、関連ビジネス全体で収益獲得を目指すハリウッド型ビジネスを推進します。 ④ 製作能力の進化:IP別に目的特化した製作体制構築と2D/3D先端技術の統合IP・顧客セグメント別の訴求ポイントを明確化すると共に、国内外の提携スタジオのノウハウ・人材ネットワークの有効化と最適化により、子どもから大人まで幅広いファンを魅了する作品を創作していきます。また、独自の演出・作画技法をはじめとする当社の伝統技術とCG・AI等の革新技術を融合し、全く新たな映像表現を産み出す製作スタジオを目指します。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度において、当社グループでは「ワンピース」、「ドラゴンボール」シリーズ、「プリキュア」シリーズ、「スラムダンク」といった主力作品群からの安定的な収益の確保・拡大を図りました。この結果、当連結会計年度における売上高は1,008億36百万円(前連結会計年度比13.7%増)、営業利益は324億32百万円(同38.8%増)、経常利益は331億88百万円(同25.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は236億23百万円(同25.7%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります(セグメント間取引金額を含む)。なお、セグメント損益は、営業利益ベースの数値であります。 [映像製作・販売事業]劇場アニメ部門では、前年度からの継続公開となった映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」(2023年11月公開)、「映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ」(2024年3月公開)に加え、8月に映画「THE FIRST SLAM DUNK」(復活上映)、9月に映画「わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!」、10月に映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版」、3月に「映画おしりたんてい スター・アンド・ムーン」を公開しました。前年同期に公開した映画「THE FIRST SLAM DUNK」程には至らず、大幅な減収となりました。テレビアニメ部門では、「ドラゴンボールDAIMA」、「ワンピース」、「わんだふるぷりきゅあ!」(2025年2月より「キミとアイドルプリキュア♪」)、「魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~」、「科学×冒険サバイバル!」、「逃走中 グレートミッション」、「おしりたんてい」、「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」、「ガールズバンドクライ」の9作品を放映しました。前年同期と比較して放映作品話数が増加したこと等から、増収となりました。コンテンツ部門では、映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」のブルーレイ・DVDが好調に推移したものの、前年発売の映画「THE FIRST SLAM DUNK」のブルーレイ・DVD程には至らず、前年同期と比較して大幅な減収となりました。海外映像部門では、前年同期好調に稼働した映画「THE FIRST SLAM DUNK」の海外上映権販売の反動減があったものの、「ワンピース」、「ドラゴンボール」シリーズの海外配信権販売が好調だったことに加え、サウジアラビア向けテレビアニメ作品の納品により、前年同期と比較して大幅な増収となりました。その他部門では、映画「THE FIRST SLAM DUNK」、映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」をはじめ、国内の映像配信権販売が好調に稼働したことから、前年同期と比較して大幅な増収となりました。この結果、映像製作・販売事業全体では、売上高は373億23百万円(前連結会計年度比7.2%増)、セグメント利益は、103億79百万円(同51.9%増)と増収増益となりました。 [版権事業]国内版権部門では、「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売、商品化権販売や、「ワンピース」の商品化権販売が好調に稼働したことから、前年同期と比較して大幅な増収となりました。海外版権部門では、「ワンピース」、「ドラゴンボール」シリーズ、「デジモン」シリーズの商品化権販売、「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売が好調に稼働したことから、前年同期と比較して大幅な増収となりました。この結果、版権事業全体では、売上高は505億82百万円(前連結会計年度比27.5%増)、セグメント利益は259億24百万円(同36.8%増)と増収増益となりました。 [商品販売事業]商品販売部門では、「ワンピース」、「プリキュア」シリーズのショップ事業が好調に稼働しましたが、前年同期に好調に稼働した映画「THE FIRST SLAM DUNK」の商品販売の反動減により、前年同期と比較して大幅な減収となりました。この結果、売上高は92億11百万円(前連結会計年度比13.8%減)、セグメント利益は6億54百万円(同64.1%減)と減収減益となりました。 [その他事業]その他部門では、催事イベントやキャラクターショー等を展開しました。「ワンピース」や「ゲゲゲの鬼太郎」の催事が好調に稼働したことから、前年同期と比較して増収となりました。この結果、売上高は43億15百万円(前連結会計年度比10.0%増)、セグメント利益は1億76百万円(同31.0%増)と増収増益となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ146億79百万円増加し、667億82百万円となりました。その要因は以下のとおりであります。なお、連結貸借対照表に掲記されている現金及び預金勘定824億74百万円との差異は、預入期間3ヶ月超の定期預金157億79百万円等であります。 [営業活動によるキャッシュ・フロー]営業活動の結果得られた資金は、271億63百万円(前連結会計年度は162億84百万円の獲得)となりました。資金の増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益328億9百万円、仕入債務の増加7億67百万円、資金の減少の主な内訳は、売上債権の増加45億83百万円、棚卸資産の増加2億63百万円、法人税等の支払額64億9百万円であります。なお、減価償却費7億82百万円は、資金流出の発生しない費用であるため、キャッシュ・フロー計算書では資金増の要因となっております。 [投資活動によるキャッシュ・フロー]投資活動の結果使用した資金は、55億41百万円(前連結会計年度は45億42百万円の使用)となりました。資金の増加の主な内訳は、定期預金の払戻による収入584億37百万円、資金の減少の主な内訳は、定期預金の預入による支出657億58百万円であります。 [財務活動によるキャッシュ・フロー]財務活動の結果使用した資金は、64億40百万円(前連結会計年度は64億10百万円の使用)となりました。これは、主に配当の支払によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績イ 受注製作事業実績当社グループは、映像製作・販売事業において、劇場アニメ作品・テレビアニメ作品の受注製作を行っており、当連結会計年度の製作実績及び受注実績を示すと次のとおりであります。 a.製作実績区分製作高(百万円)前期比(%)劇場アニメ作品2,349167.2テレビアニメ作品6,08495.1合計8,433108.0 (注) アニメ作品製作について、作業の一部を外注に依存しております。(主な外注先:㈱青二プロダクション、㈱ぎゃろっぷ、㈱スタジオディーン)なお、当連結会計年度における外注費は、6,500百万円であります。 b.受注実績区分本数受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)劇場アニメ作品4360141.2135-テレビアニメ作品1641,44789.81,17078.4合計1681,80796.91,30587.4 ロ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)映像製作・販売事業37,311107.2版権事業50,306127.6商品販売事業9,19986.6その他事業4,018106.0合計100,836113.7 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)㈱バンダイナムコエンターテインメント18,09520.417,27117.1 3.東映グループ(除く東映㈱及び当社の子会社)に対する販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)東映グループ2,5152.82590.3 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(a) 財政状態の分析(資産の部)当連結会計年度末の総資産は、前期末比282億40百万円増の1,909億80百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて6.2%増加し、1,279億40百万円となりました。これは、現金及び預金が34億66百万円、受取手形及び売掛金が53億63百万円、商品及び製品が3億12百万円それぞれ増加し、仕掛品が2億80百万円減少したこと等によるものです。その結果、流動資産合計は前期末比74億85百万円増の1,279億40百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べて49.1%増加し、630億39百万円となりました。これは、建物及び構築物(純額)が2億22百万円、投資有価証券が47億3百万円、長期預金が185億円それぞれ増加し、関係会社長期貸付金が30億円減少したこと等によるものです。その結果、固定資産合計は前期末比207億55百万円増の630億39百万円となりました。(負債の部)当連結会計年度末の負債合計は、前期末比67億55百万円増の377億81百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて18.5%増加し、340億35百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が17億55百万円、未払法人税等が31億60百万円それぞれ増加したこと等によるものです。その結果、流動負債合計は、前期末比53億5百万円増の340億35百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べて63.2%増加し、37億45百万円となりました。これは、繰延税金負債が13億86百万円、固定負債のその他が1億40百万円それぞれ増加したこと等によるものです。その結果、固定負債合計は、前期末比14億50百万円増の37億45百万円となりました。(純資産の部)当連結会計年度末の純資産合計は、前期末比214億85百万円増の1,531億98百万円となりました。株主資本については、利益剰余金が前期に係る剰余金の配当により63億44百万円減少し、親会社株主に帰属する当期純利益により236億23百万円増加いたしました。その結果、株主資本は、前期末比172億79百万円増の1,385億53百万円となりました。その他の包括利益累計額については、その他有価証券評価差額金が30億9百万円、為替換算調整勘定が12億円それぞれ増加いたしました。その結果、その他の包括利益累計額は、前期末比42億5百万円増の146億45百万円となりました。 (b) 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度の売上高は、商品販売事業は減収の一方で映像制作・販売事業、版権事業は増収であったため、前期比121億81百万円増の1,008億36百万円となりました。各セグメントの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」、海外部門の売上高につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の「セグメント情報等 関連情報」をご参照ください。(売上原価及び売上総利益)当連結会計年度の売上原価は、前期比12億8百万円増の524億13百万円となりました。増収に伴い売上原価も増加しましたが、前年の「聖闘士星矢The Beginning」の評価損計上の影響消失に加え、収益性の高い配信権販売や版権事業の好調により、原価率は52.0%となりました。その結果、当連結会計年度の売上総利益は、前期比109億72百万円増の484億22百万円となりました。 (販売費及び一般管理費並びに営業利益)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、劇場、TVアニメ作品に係る広告宣伝費の増加や、人件費の増加等により、前期比19億4百万円増の159億89百万円となりました。その結果、当連結会計年度の営業利益は、前期比90億67百万円増の324億32百万円となりました。また、売上高営業利益率は26.4%から32.2%となりました。(営業外損益及び経常利益)当連結会計年度の営業外損益は、為替差損が増加したこと等により、営業外損益の純額では、前期比23億33百万円の減となりました。その結果、当連結会計年度の経常利益は、前期比67億34百万円増の331億88百万円となりました。また、売上高経常利益率は29.8%から32.9%となりました。(特別損益)当連結会計年度の特別損益は、投資有価証券評価損及び減損損失の計上があったことにより、特別損益の純額では、前期比6億32百万円の減となりました。その結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前期比61億2百万円増の328億9百万円となりました。(法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の法人税等合計は、前期比12億74百万円増の91億85百万円となりました。また、税効果会計適用後の法人税等の負担率は28.0%となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比48億28百万円増の236億23百万円となりました。 当連結会計年度も、事業内容では、売上高、利益に占める国内外のアプリゲーム化権、中国向けの大口映像配信権の割合が引続き大きい状況にあり、作品でも、売上高、利益に占める「ドラゴンボール」シリーズ、「ワンピース」の2タイトルの割合が大きい状況が続いています。こうした中、当社グループは、海外における展開地域や事業の拡大、新規IPの創出とIPライフサイクルの長期化、映像製作能力の進化等により、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指すべく、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)対処すべき課題」に記載した方針に基づき、各種課題に取り組んでまいります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの分析)当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますが、営業活動によるキャッシュ・フローの収入から、投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは216億21百万円(前連結会計年度は117億42百万円)となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フローが増加したこと及び定期預金の払戻による収入が増加したことが主な要因です。なお、翌連結会計年度において、重要な資本的支出の予定はございません。 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)アニメーションビジネスは、先行投資型ビジネスであり、製作段階で、多額の製作資金を投入し、その後、完成した作品の映像著作権をベースに、各種事業を展開し、製作資金を回収していくのが基本的なスキームです。作品によって、回収に要する期間はさまざまであり、複数の作品が、一定の成績に達しない場合、営業活動から創出される資金が減少することも想定されますが、新規作品の企画製作は、当社グループが成長・発展していくために欠かせないものです。そのため、当社グループは、運転資金、設備投資資金はもとより、新規作品の企画製作費用についても、充分な資金流動性を確保し、堅固な財務体質を維持することに努めております。また、各子会社の余剰資金につきましては、配当金により当社へ集約することを基本に考えておりますが、将来におけるより効率的な資金運用に向けた施策として、キャッシュ・マネジメント・システムにより、一部の海外子会社より資金を集約しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、製品、仕掛品の評価、非上場株式の評価、貸倒引当金の計上、退職給付に係る負債の計上、役員株式給付引当金の計上等について見積り計算を行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。