事業の概要
- 金融機関向けシステム開発クレジットカード会社や銀行、証券会社などの金融機関を主要顧客とし、決済ネットワーク接続やカード不正利用検知システムなどの業務システムを開発・保守しています。自社開発のパッケージソフトウェアを基盤とし、オンプレミス型とクラウド型の両方で提供することで、顧客の多様なニーズに対応し収益を得ています。
- 情報セキュリティ製品の提供企業の内部情報漏えい対策を目的とした自社製品の開発・販売に加え、サイバーセキュリティ関連製品の販売と保守サービスも手掛けています。特定の業界に限定せず、幅広い企業や組織を対象とすることで、安定的な収益源を確保しています。
- 新規領域への事業展開これまでに金融業界で培った技術力を活かし、近年では放送分野など新たな領域への事業展開も積極的に推進しています。これにより、既存事業に加えて新たな収益の柱を構築し、事業ポートフォリオの多様化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 金融システムソリューション事業クレジットカード会社や銀行、証券会社などの金融機関向けに、決済システム開発や保守サービスを提供しています。同社の主力事業であり、売上高98.58億円、営業利益11.24億円と、企業全体の収益を牽引する稼ぎ頭となっています。
- プロダクトソリューション事業企業の内部情報漏えい対策製品の開発・販売や、サイバーセキュリティ関連製品の販売・保守サービスを手掛けています。売上高は10.63億円ですが、営業利益は-0.88億円と赤字であり、今後の収益改善が課題となる事業セグメントです。
- 事業系統図による構成同社の企業集団は、親会社および関連会社1社で構成されており、情報サービス業を中心に事業を展開しています。上記の二つの事業分野が主な収益源であり、それぞれの事業が相互に関連しながら企業活動を支えています。
FY2020 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| FinancialSystemSolutionsBusiness | 事業 | 99 | 11 | 11.4% |
| ProductSolutionsBusiness | 事業 | 11 | -1 | -8.2% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社の企業集団は、当社、親会社および関連会社1社により構成されており、情報サービス業を中心に事業を展開しています。事業は、主に「金融業界向け事業」と「情報セキュリティ対策事業」の二つの分野に分かれています。 (1) 金融業界向け事業 クレジットカード会社、銀行、証券会社などの金融機関を主要顧客とし、各種業務システムの開発および保守を行っています。特に主力の決済領域においては、決済ネットワーク接続・認証システム、カード不正利用検知システム、加盟店管理業務システムなど、自社開発のパッケージソフトウェアを基盤としたシステムを提供しています。これらはオンプレミス型およびクラウド型の両形態に対応しており、顧客の多様なニーズに応えています。また、これまでに蓄積した技術力を活かし、近年では放送分野をはじめとする新規領域への事業展開も推進しています。 (2) 情報セキュリティ対策事業 企業の内部情報漏えい対策を目的とした自社製品の開発・販売に加え、サイバーセキュリティ関連製品の販売および保守サービスも提供しています。特定業界に限らず、幅広い企業・組織を対象としています。 (事業系統図)以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 特定の機能分野のシステム開発に強みと専門的知見・実績があり、顧客と長期安定関係を構築 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 決済ネットワーク接続・認証システム、カード不正利用検知システムなど自社開発パッケージソフトウェア |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:決済領域の競争激化と業界再編 / システム開発プロジェクトの採算性悪化・品質低下 / IT人財の獲得競争激化と流出
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
インテリジェントウェイブの財務サマリデータが未収録であり、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPに関する具体的な情報が入手できないため、無形資産による競争優位性は評価できない。
スイッチングコスト★★☆☆☆
金融機関向けシステム開発・保守が中心であり、既存顧客との長期契約やシステム更改による一定のスイッチング・コストは存在する可能性がある。しかし、具体的な顧客数や契約期間、システム依存度に関する詳細データがないため、その強さは限定的と判断される。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
インテリジェントウェイブの事業内容から、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は想定されず、そのための具体的なデータも存在しない。
コスト優位★☆☆☆☆
情報通信業であり、大規模な設備投資や原材料費の変動が少ないため、構造的なコスト優位性は低いと考えられる。特定の技術やノウハウによる効率化の可能性はあるが、それを裏付けるデータはない。
規模の経済★☆☆☆☆
特定のニッチ市場に特化している可能性はあるが、業界全体における規模の経済性や寡占度に関する情報がないため、効率規模による競争優位性は低いと判断される。
- 金融決済領域の専門性クレジットカード業界を中心に、オンライン取引に必要なネットワーク接続やデータ連携など、特定の技術分野で深い知見と実績を蓄積しています。この専門性が顧客からの信頼と評価につながり、長期的な取引関係を構築する上で重要な強みとなっています。
- 自社パッケージの活用決済ネットワーク接続・認証システムやカード不正利用検知システムなど、自社開発のパッケージソフトウェアを基盤としたシステムを提供しています。これにより、顧客ごとの個別開発負担を軽減しつつ、高品質かつ効率的なシステム導入を可能にしています。
- 長期的な顧客関係特定の機能分野におけるシステム開発の強みと専門的な知見により、多くの顧客から信頼を得ています。一度取引が開始した顧客とは長期にわたる安定した関係を築けており、これが同社の事業基盤を支える重要な要素となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(注) 文中の将来に関する事項は、2026年6月期末現在において当社が判断したものです。 (1)経営方針当社は目指すべき価値観として、「ミッション、ビジョン、バリュー」を策定しています。「IT基盤の提供により社会の仕組みを支える」というミッションのもと、「人々の生活に価値をもたらし、新たな信頼性を創造する」ことをビジョンとしています。またこれらミッション、ビジョンの実現に向けて、個人として「探究と研鑽」を通じて成長し、チームとして「対話と創造」により創発し、事業を「大局的な視点」で推進し、社会において「誠実さと価値を追求」していきます。当社はこれらの価値観を基盤に、中期経営計画を策定し、持続可能な成長と企業価値の向上を図っていきます。 (2)中期経営計画当社は2025年6月期から始まる3カ年中期経営計画を策定しています。本中期経営計画では、"Transformation for the Future"を掲げ、2030年代を見据え、事業の多角化と持続的な成長の基盤づくりに取り組んでいます。決済・セキュリティ・テクノロジー領域を中心とした、様々な分野で積極的に事業を展開することで、人々の生活に価値をもたらし、新たな信頼性を創造していきます。これらの実現に向けて、この3年間は、「事業」「技術」「人財」の3つの“変革”に注力します。また、DNPグループとの連携をこれまで以上に進めることで、それぞれの顧客基盤を活用しながら事業競争力を強化するとともに、この3年間を多角化に向けた収益基盤の強化期間と位置づけ、中長期的な安定成長を達成できるよう、各種施策を推進しています。 ① 事業の“変革” 当社最大の強みである自社プロダクト・サービスを活かし、事業領域の拡大と収益構造の見直しを進めます。「決済」「セキュリティ」「データ通信・分析基盤(新領域)」のそれぞれの領域において、保有ソリューションの価値最大化と成長施策の推進に注力し、持続的な事業成長を目指します。② 技術の“変革”事業の変革を支える技術基盤として、コア技術である高速・大量のデータ通信及び分析・処理技術を中心に、先端技術やDXとの融合を図ります。既存製品・サービスの付加価値向上に加え、技術的強みを活かした新規事業の創出にも取り組み、競争力の強化を目指します。③ 人財の“変革”事業・技術の変革を支える基盤として、人財の変革に取り組みます。変化を恐れず、社内外との「共奏」によって未来を切り拓く、“信頼されるプロフェッショナル集団”の形成を目指します。スキル・経験の可視化や継続的な学習支援、リスキリングを通じて戦略的配置を推進します。また、管理職層の育成や組織状態の可視化により、チームの健全性とパフォーマンス向上を図るとともに、多様なキャリア機会を通じて柔軟で多面的な視野を持つ人財を育成します。 (3)目標とする経営指標当社は中期経営計画において、2027年6月期の当初計画として売上高190億円、営業利益28.5億円(営業利益率15.0%)、ROE17.0%以上を掲げていました。しかしながら、2026年6月期までの進捗状況や事業環境の変化を踏まえ、2027年6月期は、売上高177億円、営業利益22億円(営業利益率12.4%)を計画しています。将来の成長に向けた事業基盤の整備やAI活用を前提とした事業運営の高度化を進め、2028年6月期から開始する次期中期経営計画を見据え、持続的な成長を支える経営基盤の強化に取り組んでまいります。 (参考)中期経営計画 単位:百万円 2025年6月期(実績)2026年6月期 (実績)2027年6月期 (業績予想)2027年6月期 (当初計画)売上高15,59617,24717,70019,000営業利益(率)1,848 (11.9%)2,076 (12.0%)2,200 (12.4%)2,850 (15.0%)ROE14.4%15.2%17.0%以上17.0%以上 (参考)事業領域別売上高 単位:百万円 2025年6月期(実績)2026年6月期 (実績)2027年6月期 (業績予想)2027年6月期 (当初計画)決済12,75514,28514,55014,600セキュリティ2,0222,0672,1502,800データ通信・分析基盤8178941,0001,600
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(注) 文中の将来に関する事項は、2026年6月期末現在において当社が判断したものです。 (1)経営方針当社は目指すべき価値観として、「ミッション、ビジョン、バリュー」を策定しています。「IT基盤の提供により社会の仕組みを支える」というミッションのもと、「人々の生活に価値をもたらし、新たな信頼性を創造する」ことをビジョンとしています。またこれらミッション、ビジョンの実現に向けて、個人として「探究と研鑽」を通じて成長し、チームとして「対話と創造」により創発し、事業を「大局的な視点」で推進し、社会において「誠実さと価値を追求」していきます。当社はこれらの価値観を基盤に、中期経営計画を策定し、持続可能な成長と企業価値の向上を図っていきます。 (2)中期経営計画当社は2025年6月期から始まる3カ年中期経営計画を策定しています。本中期経営計画では、"Transformation for the Future"を掲げ、2030年代を見据え、事業の多角化と持続的な成長の基盤づくりに取り組んでいます。決済・セキュリティ・テクノロジー領域を中心とした、様々な分野で積極的に事業を展開することで、人々の生活に価値をもたらし、新たな信頼性を創造していきます。これらの実現に向けて、この3年間は、「事業」「技術」「人財」の3つの“変革”に注力します。また、DNPグループとの連携をこれまで以上に進めることで、それぞれの顧客基盤を活用しながら事業競争力を強化するとともに、この3年間を多角化に向けた収益基盤の強化期間と位置づけ、中長期的な安定成長を達成できるよう、各種施策を推進しています。 ① 事業の“変革” 当社最大の強みである自社プロダクト・サービスを活かし、事業領域の拡大と収益構造の見直しを進めます。「決済」「セキュリティ」「データ通信・分析基盤(新領域)」のそれぞれの領域において、保有ソリューションの価値最大化と成長施策の推進に注力し、持続的な事業成長を目指します。② 技術の“変革”事業の変革を支える技術基盤として、コア技術である高速・大量のデータ通信及び分析・処理技術を中心に、先端技術やDXとの融合を図ります。既存製品・サービスの付加価値向上に加え、技術的強みを活かした新規事業の創出にも取り組み、競争力の強化を目指します。③ 人財の“変革”事業・技術の変革を支える基盤として、人財の変革に取り組みます。変化を恐れず、社内外との「共奏」によって未来を切り拓く、“信頼されるプロフェッショナル集団”の形成を目指します。スキル・経験の可視化や継続的な学習支援、リスキリングを通じて戦略的配置を推進します。また、管理職層の育成や組織状態の可視化により、チームの健全性とパフォーマンス向上を図るとともに、多様なキャリア機会を通じて柔軟で多面的な視野を持つ人財を育成します。 (3)目標とする経営指標当社は中期経営計画において、2027年6月期の当初計画として売上高190億円、営業利益28.5億円(営業利益率15.0%)、ROE17.0%以上を掲げていました。しかしながら、2026年6月期までの進捗状況や事業環境の変化を踏まえ、2027年6月期は、売上高177億円、営業利益22億円(営業利益率12.4%)を計画しています。将来の成長に向けた事業基盤の整備やAI活用を前提とした事業運営の高度化を進め、2028年6月期から開始する次期中期経営計画を見据え、持続的な成長を支える経営基盤の強化に取り組んでまいります。 (参考)中期経営計画 単位:百万円 2025年6月期(実績)2026年6月期 (実績)2027年6月期 (業績予想)2027年6月期 (当初計画)売上高15,59617,24717,70019,000営業利益(率)1,848 (11.9%)2,076 (12.0%)2,200 (12.4%)2,850 (15.0%)ROE14.4%15.2%17.0%以上17.0%以上 (参考)事業領域別売上高 単位:百万円 2025年6月期(実績)2026年6月期 (実績)2027年6月期 (業績予想)2027年6月期 (当初計画)決済12,75514,28514,55014,600セキュリティ2,0222,0672,1502,800データ通信・分析基盤8178941,0001,600
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要2026年6月期における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。また、文中の将来に関する事項は、2026年6月末現在において当社が判断したものです。 ① 経営成績の状況当社は2025年6月期から始まる3カ年中期経営計画を策定しています。本中期経営計画では、"Transformation for the Future"を掲げ、2030年代を見据え、事業の多角化と持続的な成長の基盤づくりに取り組んでいます。これらの実現に向けて、この3年間は、「事業」「技術」「人財」の3つの“変革”に注力しています。中期経営計画では、事業領域を提供する機能別に、「決済」「セキュリティ」「データ通信・分析基盤(新領域)」の3つに再編し、それぞれの領域において、成長に向けた施策を推進しています。主力の決済領域では、国内のキャッシュレス決済の拡大に伴い、主要取引先である決済事業者の基幹システムのモダナイズやオープン化が進展しています。当社は強みであるFEP※分野に加え、アクワイアリング分野への領域拡大を図ることで、決済ソリューションの価値向上に努めています。また、不正検知分野においては、カードの不正利用が後を絶たず、不正の手口も高度化・多様化する中、カード業界横断型の不正対策ソリューションの立ち上げなどを通じて、決済領域における提供価値の向上に取り組んでいます。セキュリティ領域では、収益性の高い自社プロダクトの価値向上に向けた開発を進めるとともに、東南アジアを中心とした海外市場への展開にも注力しています。データ通信・分析基盤領域では、コア技術である高速・大量のデータ通信および分析・処理技術の他業界における活用の検討を進め、新たな市場の獲得にチャレンジしています。 当事業年度の業績は、売上高17,247百万円(前期比10.6%増)、営業利益2,076百万円(同12.3%増)、経常利益2,129百万円(同12.6%増)、当期純利益1,487百万円(同10.2%増)となりました。決済領域における主要顧客向けシステム更改案件等が好調に推移し、売上高及び各利益ともに過去最高を更新しました。 ■事業領域別売上高 (単位:百万円) 2025年6月期2026年6月期前期比売上高15,59617,247110.6% 決済12,75514,285112.0% うちクラウドサービス3,4794,293123.4% セキュリティ2,0222,067102.2% データ通信・分析基盤817894109.4% 売上高は、決済領域において、主力のFEP・不正検知分野で主要顧客のシステム更改案件等が進捗したことにより、ハードウェア販売に加え、下期にはシステム開発売上も増加しました。カード会社における基幹システムのモダナイズや不正利用対策を中心としたシステム投資需要は、堅調に推移しています。また、データ通信・分析基盤領域においては、証券会社向けシステム開発案件の売上が増加しました。営業利益は、一部顧客向けクラウドサービス案件における品質対応や、セキュリティ領域における製品構成の影響により粗利率が低下したものの、品質対応は当事業年度中に収束しました。一方で、主要案件を中心としたシステム開発案件の採算が堅調に推移したことに加え、ハードウェア販売が増加したことから、増益となりました。 受注高は15,365百万円(前期比20.5%減)、受注残高は18,429百万円(同9.3%減)となりました。受注高及び受注残高は、前事業年度にクラウドサービスおよびセキュリティ領域で大型の複数年契約案件を獲得した反動により減少しました。一方で、システム開発案件については主要顧客のシステム更改案件等により増加しました。 ※ FEP(Front End Processor)システム:クレジットカード決済処理に必要なネットワーク接続やカード使用認証等の機能をもつハードウェア、及びソフトウェア ② 財政状態の状況当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ1,357百万円減少し、17,333百万円となりました。うち流動資産は、前事業年度末に比べ579百万円減少し、9,880百万円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産1,168百万円、未収入金147百万円、前払費用135百万円の増加があったものの、現金及び預金1,788百万円、前渡金386百万円の減少があったためです。固定資産は、前事業年度末に比べ777百万円減少し、7,452百万円となりました。これは主に、投資有価証券102百万円の増加があったものの、無形固定資産700百万円、繰延税金資産264百万円の減少があったためです。当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べ1,947百万円減少し、7,267百万円となりました。これは主に、前受金863百万円、未払法人税等759百万円、未払消費税等395百万円の減少があったためです。当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ590百万円増加し、10,065百万円となりました。これは主に、繰越利益剰余金514百万円、その他有価証券評価差額金73百万円の増加があったためです。 ③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物は、4,034百万円となり、前事業年度末に比べて、2,388百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、313百万円の収入(前事業年度比92.6%減)となりました。主な内訳としては、税引前当期純利益2,106百万円、減価償却費1,711百万円の計上、売上債権の増加額2,031百万円、仕入債務の増加額554百万円、未払消費税等の減少額404百万円、法人税等の支払額1,255百万円があったためです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,730百万円の支出(前事業年度は1,599百万円の支出)となりました。これは主に、販売目的及び自社利用のソフトウェアの構築を主とする無形固定資産の取得による支出607百万円と定期預金の預入による支出600百万円があったためです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、975百万円の支出(前事業年度は1,052百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額972百万円があったためです。 キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。 2025年6月期2026年6月期自己資本比率(%)50.758.1時価ベースの自己資本比率(%)156.0140.9債務償還年数(年)0.00.0インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)―― (注)1 自己資本比率:自己資本/総資産 2 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。3 債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー 有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としています。 4 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)当社の主要な資金需要は、システム開発に係る人件費や商品の仕入、販売管理費などの営業費用、新製品開発を行う研究開発、設備の新設や改修等に係る投資等です。これらの資金需要は、手許の資金と営業活動によるキャッシュ・フローを財源とすることを基本方針としています。なお、必要と判断した場合には金融機関等外部からの資金調達も検討します。また、取引金融機関4行及び生命保険会社1社と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、機動的かつ安定的な資金調達体制を構築し、資金の流動性を確保しています。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績前事業年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)当事業年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)生産高(千円)前年同期比(%)生産高(千円)前年同期比(%)5,803,226101.15,192,52989.5 (注) 生産実績は、販売価格により表示しています。 b.仕入実績前事業年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)当事業年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)仕入高(千円)前年同期比(%)仕入高(千円)前年同期比(%)1,725,97098.42,720,727157.6 (注) 当社の仕入はソフトウェア及びサービスであり、数量表示は困難ですので、金額のみで表示しています。 c.受注実績前事業年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)当事業年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)受注高(千円) 受注残高(千円) 受注高(千円) 受注残高(千円) 前年同期比(%)前年同期比(%)前年同期比(%)前年同期比(%)19,322,68696.020,311,266122.515,365,14379.518,429,40090.7 d.販売実績前事業年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)当事業年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)前年同期比(%)15,596,131107.417,247,009110.6 (注)1 当社の製品は多岐にわたっており、数量表示は困難ですので、金額のみで表示しています。2 主な相手先別の販売実績が当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。 相手先前事業年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)当事業年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)イオンフィナンシャルサービス㈱874,2455.61,917,84611.1大日本印刷㈱1,731,25111.11,437,4248.3 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、次のとおりです。また、文中の将来に関する事項は、2026年6月期末現在において当社が判断したものです。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容上記については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載しています。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報上記については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しています。 ③経営指標について当社は、継続的な収益力の向上と事業運営の効率性を示す指標として、営業利益率とROE(株主資本利益率)を主要な経営指標としており、営業利益率15.0%、ROE17.0%以上の達成を目指しています。また、当社の資本コストは、8~10%と見積もっており、資本コストを上回るROEを追求することで、当社の株主価値の向上を目指します。 1)経営指標の推移 (単位:百万円) 2022年6月2023年6月2024年6月2025年6月2026年6月営業利益1,5191,5562,0301,8482,076利益率(営業利益)13.2%11.6%14.0%11.9%12.0%ROE13.5%13.8%15.8%14.4%15.2%総資産回転率 (売上高/総資産)0.961.010.950.880.96利益率(純利益)9.2%8.7%9.8%8.6%8.6%財務レバレッジ(総資産/純資産)1.531.571.691.901.84一人あたり売上高25.528.029.530.132.3 (単位:百万円) 2022年6月2023年6月2024年6月2025年6月2026年6月総資産額12,74013,68316,84718,69017,333うち流動資産額8,2747,8639,27910,4609,880うち無形固定資産額2,0492,7383,9964,1543,453 2)ROEについて売上高の増加に合わせて資産も増加していますが、直近3年間の総資産回転率は、0.88から0.96の範囲で推移しました。総資産のうち無形固定資産は、当社製のソフトウェア(販売用のソフトウェアやクラウドサービスに提供されるソフトウェア)が大部分を占めています。この知的資産を有効に活用し、売上高の増加を促進することで、総資産回転率は改善の余地があるものとみています。 営業利益率の向上は、システム開発業務の効率化や成果物の品質を上げることによって実現されるほか、自社プロダクトの販売等システム開発業務の収益性を超える売上高比率を増やすことによっても実現されます。当社事業の場合、営業利益率の向上は純利益率の向上に直結します。従業員一人あたり売上高の増加は、売上高の成長の効率性を示す指標と考えられます。より長期的には、一人あたり売上高の増加に伴う効率的な売上高の増加によって、規模的な成長とともに収益性も高めることができ、営業利益率を向上させることと期待します。 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しています。財務諸表の作成に際し、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。 (a) 市場販売目的のソフトウェアの減価償却の方法市場販売目的のソフトウェアの減価償却費については、製品ごとに未償却残高を、見込販売収益を基礎として当事業年度の実績販売収益に対して計算した金額と残存有効期間(3年)に基づく定額償却額のいずれか大きい金額で償却を行うものとしています。今後、見込販売収益が減少した場合、減価償却費が増加する可能性があります。 (b) 固定資産の減損判定固定資産については、当事業年度末に、有形固定資産及び無形固定資産が減損している可能性を示す兆候の有無を判断しています。減損の兆候がある資産又は資産グループについて、サービスの提供に用いるソフトウェアや資産計上したサーバ等の当該資産から得られる割引前キャッシュフローの総額が、事業環境の悪化や開発コストの増加等により帳簿価額を下回る場合には、固定資産の減損処理を実施する可能性があります。 (c) 繰延税金資産の回収可能性の判断繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上していますが、繰延税金資産は将来の課税所得の見積りに依存するため、将来の不確実な経済条件の変動等や税制改正による法定実効税率等の変化があった場合には、繰延税金資産の回収可能性が変動する場合があります。
事業リスク
- 競争激化と業界再編電子マネー普及や異業種参入により決済領域の競争が激化しており、またクレジットカード業界の再編も進んでいます。これにより顧客数の減少やシステム発注規模の変化が生じ、売上高に影響を及ぼす可能性があります。一方で、大規模化による収益機会増加の可能性もあります。
- システム開発の不確実性長期プロジェクトにおける要件変更や工数増加、納期遅延、品質問題は、採算性悪化や損害賠償につながるリスクがあります。同社は段階契約や品質管理、リスク早期洗い出しで対応していますが、外部ソフトウェアの障害もシステム品質に影響を与える可能性があります。
- IT人材の確保難少子高齢化やDX進展によりIT人材の獲得競争が激化しており、専門技術を持つ人材の確保・育成が重要な課題です。必要な人材を確保できない場合、事業遂行や持続的成長が困難になる可能性があります。労働環境悪化による人材流出も、開発体制や業績、顧客信頼に悪影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等を踏まえて、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると経営者が認識している主要なリスクは以下のとおりです。これらは、当社が認識する代表的なリスクであり、実際に発生し得るすべてのリスクを網羅するものではありません。また、文中の将来に関する事項は、2026年6月期末現在において当社が判断したものです。 1.事業環境について当社が主力とする決済領域においては、キャッシュレス化の進展、デジタルサービスの拡大、決済サービスの高度化・多様化等、社会的・技術的な変化が進展しています。また、クレジットカード業界においては、金融グループ内の事業再編や業務統合等が進む可能性があります。これらの変化により、従来はクレジットカード会社が担っていた決済業務に異業種から新規参入する事例がある等、当社にとって新たな事業機会が生まれる一方で、競争環境が激化するリスクがあります。顧客統合が進んだ場合には、顧客数の減少やシステム開発案件の発注減少を通じて、当社の売上高及び業績に影響を及ぼす可能性があります。一方、顧客統合によりシステムの大規模化が進む場合には、1件あたりの発注規模が拡大し、当社の売上高及び収益の増加につながる可能性もあります。また、各社の業績動向や法規制の変更等によっては、当社への発注が一時的に減少し、業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、生成AIをはじめとする先端技術の普及に伴い、顧客から求められるシステム要件、情報管理要件及びガバナンス要件が高度化・多様化する可能性があります。当社がこれらの要請に適切に対応できない場合には、取引機会の逸失や顧客満足度の低下等により、当社の事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これらの変化に対して、当社は顧客ニーズ及び技術動向を継続的に把握し、必要な体制整備や提案力の強化を進めることで、新たな案件の獲得及び取引拡大につなげるよう努めています。 2.システム開発について 当社は、システム開発において、要件変更、工数増加、納期遅延、品質低下、外部サービスの性能低下やインフラ障害等のリスクを認識しています。これらのリスクが顕在化した場合には、採算性の悪化、追加コストの発生、損害賠償請求、顧客からの信用低下等により、当社の業績及び事業活動に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社はシステム開発に伴う各種リスクを適切に管理し、安定的かつ持続可能な事業運営を実現することを重要な経営課題と位置づけています。長期にわたる開発プロジェクトでは、要件変更や工数の増加、納期の遅延等により、採算性が損なわれるリスクがあります。このようなリスクに対して、当社は工程単位の段階的な契約形態の導入、品質管理部門による進捗状況の定期的な確認及び各開発工程での移行審査、リリース判定を通じて、リスクの早期把握と抑制に努めています。また、開発工程における不確定要素や想定外の事象に備え、リスクを早期に洗い出し、柔軟にリソース調整を行うことで、コスト及び納期への影響を最小限に抑える体制を構築しています。開発品質に関するリスクとして、初期段階で仕様が不明確なまま進行した場合には、手戻りや修正が頻発し、品質の低下、スケジュールの遅延及び採算性の悪化を招く可能性があります。また、品質トラブルが顕在化した場合には、追加コストや損害賠償が発生し、当社の業績及び信用に影響を及ぼす可能性があります。これらの品質リスクに対して、品質管理部門がプロジェクトの状況を継続的にモニタリングし、問題の兆候が確認された場合には、速やかに是正措置を講じる体制を整備しています。外部のソフトウェアやクラウドサービスを活用する場合には、性能低下やインフラ障害により、システム品質やサービス提供に影響を及ぼすリスクがあります。これらのリスクに対して、当社は信頼性の高いインフラの選定、冗長化構成の導入、資源等の定期的なモニタリング、障害発生時の対応体制の整備を通じて、リスクの低減に取り組んでいます。また、これらのリスクに対するレビュー結果は、リスク管理委員会に報告され、必要に応じて取締役会で再発防止策が検討される等、全社的なリスクマネジメント体制の強化に努めています。 3.人財について国際競争の激化、急速な少子高齢化による労働人口の減少、デジタルトランスフォーメーションの進展を背景として、IT人財の獲得競争は一層激化しています。また、ビジネスを取り巻く外部環境や企業に対する社会的要請の変化は著しく、専門的な技術力に加え、持続的なイノベーション創出や多様化する社会課題、顧客ニーズに対応できる人財の確保・育成は、当社の事業を推進するうえで重要な課題の一つとなっています。当社では、採用活動や教育・研修の充実を通じて人財の確保・育成に努めるとともに、外部企業への業務委託も積極的に活用しています。しかしながら、必要な人財を十分に確保又は育成できない場合には、事業遂行に支障が生じ、持続的な成長力の維持に影響を与える可能性があります。また、生成AIをはじめとする先端技術の活用が急速に進展するなか、当社が必要とする高度な専門知識や技術を有する人財の育成が計画どおり進まない場合には、事業運営上求められるスキルとのミスマッチが生じ、顧客ニーズへの適切な対応や競争力の維持が困難となり、当社の事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、労働環境の悪化等により労働生産性の低下や人財の流出が進んだ場合には、開発プロジェクトを円滑に推進するための体制を十分に構築できなくなる可能性があります。また、中長期的には、開発成果物や提供サービスの品質低下を招き、顧客からの信頼の低下や当社の企業価値の毀損につながる可能性があります。これらのリスクに対応するため、当社では事業戦略と連動した人財戦略を策定し、中長期視点で新卒・第二新卒採用及び即戦力となるキャリア採用を推進しています。また、人財がより高度なスキルを継続的に習得できるよう、教育・研修制度の充実等、各種人財育成施策を積極的に展開しています。加えて、健康経営の推進を通じて、従業員の安全管理や長時間労働の抑制等、労働環境の維持・改善に取り組むとともに、その状況を定期的にリスク管理委員会に報告し、個別の事案について対応していくことで、社員一人ひとりの「well-being」と当社の持続的な成長の実現を目指しています。 4.クラウドサービス事業について当社が展開する共同利用型のクラウドサービス事業では、顧客が個別にシステムを保有するのではなく、当社が提供するシステム及びインフラ(ハードウェア、ネットワーク等)を複数の顧客が利用します。当該サービスの開始に際しては、顧客へのサービス提供に必要なシステム開発及びインフラ整備等に係る初期投資が必要となり、相対的に大規模な金額の投資が短期間に行われるため、当社の業績や資金繰りが一時的に影響を受ける可能性があります。当社が提供するシステム及びインフラに係る運用費用は、顧客からの月額サービス利用料によって賄われていますが、初期投資の回収には複数年を要します。そのため、当社では顧客と複数年契約を締結する等、投資回収の確実性を高める施策を講じたうえでサービス提供を開始しています。しかしながら、顧客の事情や不測の事態等により、サービス提供が中断され、収益が途絶する可能性があります。このような場合には、事業の損益悪化、資金繰りの悪化、クラウドサービス事業用資産に対する減損処理等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が顧客に代わってクラウドサービスのシステムを運用しているため、当該システムの不具合や障害等により、顧客の業務に損害を与えるリスクがあります。これにより損害賠償請求を受けた場合、当社の業績に影響を及ぼすほか、顧客からの信頼低下を通じて中長期的な売上減少につながる可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社はサービス開始前に投資採算性及び回収可能性を十分に検証するとともに、サービス提供開始後も収益性及び利用状況の継続的なモニタリングを実施しています。また、システム及びインフラについては、監視体制の強化、冗長化構成の採用、障害対応手順の整備等を通じて安定運用の確保に取り組んでいます。 5.価格競争について 一般的に、システム開発業務においては、顧客のシステム投資に対する慎重な姿勢や、受注獲得のための事業者間の競争、さらには既存技術を代替する効率的な新技術の台頭等により、従来どおりのサービス内容で受注価格を引き上げることは難しい状況となっています。 当社は、特定の機能分野のシステム開発に強みを持っており、当社の専門的な知見と実績によって、多くの顧客から信頼と評価を得ています。取引が開始した顧客とは長期的に安定した関係を構築することができており、この事実は当社の事業基盤の重要な要素になっています。しかしながら、顧客にとって望ましい付加価値を提供し続けることができなければ、競合他社との価格競争に敗れ、受注高、売上高の減少につながる可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社では専門性の高い技術力及び業務ノウハウの蓄積・高度化を図るとともに、技術動向及び顧客ニーズを踏まえた付加価値の高いサービスの提供を通じて、競争優位性の維持及び収益性の向上に取り組んでいます。 6.技術革新について当社は、主にクレジットカード業界を中心に、オンライン取引の完遂に必要なネットワーク接続やデータの受渡し等、固有の技術や機能分野において知見を蓄積しており、これらが事業上の強みとなっています。しかしながら、破壊的な技術革新により、決済業務を支える既存の技術体系や市場構造が大きく変化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、生成AI等の技術の普及により、ソフトウェア開発手法や顧客ニーズが大きく変化した場合、当社がこれらの変化に適切に対応できないことにより、競争力の低下や事業機会の逸失が生じる可能性があります。特に、当社が強みを持つFEP(Front-End Processor)システムの市場において、技術的優位性を維持できない場合には、競争力の低下やシェアの喪失を通じて業績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対応するため、当社は技術動向及び市場動向を継続的に調査・分析するとともに、生成AIを含む先端技術の研究・検証及び人財育成に取り組んでいます。また、顧客ニーズの変化に応じた製品・サービスの高度化を推進することで、競争力の維持及び新たな事業機会の創出に努めています。 7.製品開発について当社は、顧客にとって最適なサービスやソリューションを提供するため、その基盤となる新製品の開発や既存製品の改良及び機能強化等の研究開発を行っています。研究開発の開始に際しては必要経費や販売計画等を総合的に事業計画として検討したうえ決定していますが、こうした無形資産(販売用ソフトウェア)の先行投資の回収可能性に疑義が生じた場合は、減損評価によって損失を計上する等、当社の業績が影響を受ける可能性があります。これらのリスクに対応するため、当社は市場ニーズや事業性を踏まえた開発テーマの選定及び定期的な進捗・採算評価を実施しています。また、開発段階におけるレビューや販売状況の継続的なモニタリングを通じて、投資リスクの管理及び製品価値の向上に努めています。 8.自然災害等について当社は、クレジットカード決済に不可欠な機能を提供するシステムの開発や運用を担っており、その社会的な役割を認識し、業務継続に必要な設備や体制の見直しを継続的に実施しています。しかしながら、大規模な自然災害等によりインフラが長期にわたり損壊、停止した場合、業績が一時的または中長期的に悪化する可能性があります。システム運用業務についても、拠点被災や通信障害により一時停止した場合、顧客の信頼を損なう恐れがあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対応するため、定期的にデータのバックアップ、システム稼働状況の監視等によりシステムの堅牢化と冗長化を進めており、自然災害等による事業への影響を最小化するよう努めています。また、事業継続計画(BCP)を策定し、全社的な視点で定期的に内容を見直すとともに、有事を想定した訓練を実施し、実効性の向上に努めています。 9.情報セキュリティについて当社は、顧客情報を含む重要な情報資産を取り扱う業務を有しており、情報紛失や漏えい等が発生した場合、顧客からの損害賠償請求や信用失墜により、当社の業績に影響が生じる可能性があります。そのため、当社では通信技術や情報保護システムに依存するだけでなく、人為的な漏えいや不正使用のリスクにも備えており、情報セキュリティ規程類を整備し、全社員への月次点検や定期研修を通じて意識向上を図っています。個人情報保護については、プライバシーマークを取得して以来継続的に改善を行い、適切な運用に努めています。クレジットカード情報保護の国際基準PCI DSSも取得し、基準に沿った運用業務を行っています。また、生成AI等の利用拡大に伴い、機密情報の不適切な入力や知的財産権への配慮不足等による新たな情報管理上のリスクが生じる可能性がありますが、当社は利用ルールや環境整備、教育等を通じて適切な管理に努めています。さらに、外部からのサイバー攻撃等により情報漏えいが発生した場合も、顧客からの損害賠償や信用失墜により、当社の事業及び業績が影響を受ける可能性があるため、情報セキュリティ対策を強化しています。これらのリスクに対しては、セキュリティ委員会を設置し、全社的なシステムやネットワークの対策を評価・検討し、情報を集約しています。情報セキュリティに関わる重要事項は取締役を含むリスク管理委員会に報告するとともに、同委員会において審議を行い、リスクの未然防止に取り組んでいます。 10.コンプライアンスについて当社がシステム開発を行う中で、第三者の知的財産権(著作権や特許等)を侵害した場合、損害賠償請求を受けるリスクがあるため、開発段階での調査、必要に応じて専門家への確認を行っています。また、当社の事業遂行上の全ての局面において、国内外の法令や規制に違反する等の事案が発生した場合は、当社の事業及び業績が影響を受ける可能性があります。当社は、社員が各種法制度に係る理解を深め、リスクについての認識を高めることで、コンプライアンス違反を未然に防ぐことを目的として、定期的に社内研修を実施しており、全ての社員に受講を義務付け、受講の実績を管理して徹底しています。また、業務運用管理委員会で潜在的なコンプライアンスリスクの評価を行っており、発見した場合は速やかに対応策を導入し、リスク管理委員会に報告することとしています。 11.親会社の影響力について当社の親会社である大日本印刷株式会社は、2026年6月期末現在で、当社の議決権の50.78%を保有しています。当社は継続的な業績向上を目的として、大日本印刷株式会社とは、決済領域、セキュリティ領域を中心に協業を推進しており、定常的に一定規模の取引があります。大日本印刷株式会社は、こうした関係と影響力とを背景に、自らの利益にとって最善ながら他の株主にとってはそうはならない行動をとる可能性があります。対応策として、大日本印刷株式会社との取引に関して、少数株主にとって不利益なものではないことについて、独立社外取締役と独立社外監査役で構成される特別委員会で十分な検討を行うこととしています。