事業の概要
- 持株会社体制ENEOSホールディングスは、子会社497社と持分法適用会社等154社からなる企業グループ全体の経営を統括する持株会社です。グループ全体で多岐にわたる事業を展開しており、各事業会社がそれぞれの専門分野で事業活動を行っています。これにより、グループ全体の効率的な運営と事業ポートフォリオの最適化を図っています。
- エネルギー事業が主軸かつてはエネルギーセグメントが中心でしたが、2024年4月1日にENEOS株式会社の機能材、電気、再生可能エネルギーの3事業を分社化しました。これにより、各事業の専門性を高め、それぞれの市場環境に合わせた戦略を推進しやすくなっています。石油製品の精製・販売が引き続き主要な収益源の一つです。
- 事業構造の変革2025年3月19日には、JX金属株式会社が東京証券取引所プライム市場に上場し、同社株式の一部売却により子会社から持分法適用会社へ移行しました。これに伴い、金属事業は非継続事業に分類され、グループの事業ポートフォリオが大きく変化しています。これにより、新たな成長分野への注力や事業再編を進めていることが伺えます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 石油製品ほかセグメントこのセグメントは、主に石油製品の精製、販売、および石油化学製品の製造・販売を担っています。国内のガソリンスタンド網を通じて燃料油を供給するほか、産業用燃料やアスファルト、潤滑油なども扱っています。原油価格や石油製品の需給状況に収益が大きく左右される特徴があります。
- 石油・天然ガス開発セグメントこのセグメントでは、原油や天然ガスの探鉱、開発、生産を行っています。世界各地の油田・ガス田から原油や天然ガスを調達し、グループのエネルギー供給源として重要な役割を担っています。原油・天然ガス価格の国際市況が、このセグメントの業績に直接的な影響を与えます。
- 機能材セグメントこのセグメントは、タイヤ材料や二次電池材料などの高機能素材を製造・販売しています。自動車産業や電気自動車(EV)市場の動向と密接に関連しており、技術革新や顧客ニーズの変化に対応しながら、高付加価値製品を提供しています。原材料価格の変動や景気後退による自動車需要の低迷がリスクとなります。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社を持株会社とする企業集団(当社、子会社476社、持分法適用会社等149社)が営む主要な事業の内容と主要な関係会社の当該事業における位置づけは、次のとおりです。主要な会社の詳細は、「4 関係会社の状況」に記載しています。前第4四半期連結会計期間においてJX金属株式会社(以下、JX金属)が東京証券取引所プライム市場に上場しました。株式上場に際し、JX金属株式の一部売出しを行ったことにより、JX金属は子会社から持分法適用会社となったため、金属事業を非継続事業へ分類しています。これに伴い、報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、「第5 経理の状況 連結財務諸表 注記7.セグメント情報」をご覧ください。 なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準は連結ベースの数値に基づき判断することとなります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 石油製品のマージンは原油価格と国内市場価格に左右され、コントロールし得ない要因で決定されるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 設備 石油精製能力や稼働率、石油・天然ガス開発における探鉱・開発地域の選定、設備の建設コスト。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:市場リスク・商品価格変動リスク / 環境規制に関するリスク / 操業に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 14 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
ENEOSは国内最大の石油元売であり、長年のブランド認知と政府からの規制・許認可(石油精製・販売業)が参入障壁となっている。特に、国内のインフラ維持という側面から、新規参入は極めて困難。ブランド力はガソリンスタンド網を通じて消費者に浸透している。
スイッチングコスト★★☆☆☆
法人顧客においては、既存の供給網や価格交渉力から、他社への切り替えには一定のコストや手間が発生する可能性がある。しかし、一般消費者にとっては、ガソリンスタンドの利便性や価格で選択されるため、スイッチング・コストは限定的。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
石油製品の供給網はネットワーク効果を生むものではなく、むしろ規模の経済やインフラの物理的制約が重要となる。
コスト優位★★★★☆
国内最大の精製能力と調達力を背景に、スケールメリットによるコスト優位性を持つ。また、自社系列のサービスステーション網は、効率的な販売チャネルとして機能し、他社に対するコスト競争力を支えている。
規模の経済★★★★★
国内石油精製・販売市場において圧倒的なシェア(約4割)を有しており、業界規模に対して最適化された少数寡占状態を形成している。この規模は、調達、精製、物流、販売の各段階で強力な効率性を生み出す。
- 広範な事業ポートフォリオENEOSホールディングスは、エネルギー、機能材、電気、再生可能エネルギーなど多岐にわたる事業を展開しており、特定の事業に依存しないリスク分散が図られています。これにより、市場環境の変化や特定の事業の不振があった場合でも、グループ全体としての安定性を保ちやすい構造と言えます。
- 強固な国内基盤国内における石油製品の精製・販売において、長年の実績と広範な供給網を持つことは、同社の大きな強みです。サービスステーション網や物流インフラは、新規参入企業が容易に構築できない規模であり、安定的な収益基盤を形成しています。
- リスクマネジメント体制全社的リスクマネジメント(ERM)体制を整備・運用し、グループ経営に甚大な影響を与えうるリスク事象を毎年抽出し、対応策を実行しています。これにより、事業活動における潜在的なリスクを早期に特定し、適切な対策を講じることで、経営の安定性を高める努力をしていると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当社が本報告書提出日現在において判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針当社は、事業活動の基礎となる「ENEOSグループ理念」を次のとおり定めています。 また、当社グループを取り巻く事業環境がかつてない転換期を迎えている中、「ENEOSグループ理念」の実現に向けて「『今日のあたり前』を支え、『明日のあたり前』をリードする。」を新たな決意として掲げています。ENEOSグループは、困難な課題に挑戦し、「明日のあたり前」を創りつづけるリーディングカンパニーとして、ステークホルダーの皆様からの一層の信頼に応えていきます。 (2)目標とする経営指標 当社は、2025年5月に2025年度からの3ヵ年の第4次中期経営計画(2025-2027年度)を策定しています。 ENEOSグループ理念・長期ビジョンの実現に向け、第4次中期経営計画の2本柱である「筋肉質な経営体質への転換」・「ポートフォリオ再編」、そしてこれらの実現を可能にする人的資本経営を推進し、企業価値最大化の実現に向けた取組を加速しています。 <基本方針> <第4次中期経営計画の進捗(筋肉質な経営体質への転換)> 既存事業の収益最大化を成し遂げるべく、徹底的な効率化を推進しています。 ① グループ会社の組織・体制再構築 ノンコア事業の売却及び組織・機能の重複解消等を目的としたグループ内再編を推進し、連結対象会社を2025年3月末から13社削減しました。 ② AI活用の推進 当社は、新たにAI活用を推進する専任組織「AIイノベーション部」を設置しました。同部を中心に、業務全域におけるAIの活用可能性を追求し、データに基づく最適化により業務効率の向上及び組織のスリム化を図っています。また、データ・AIに関するガバナンス体制の強化、データの整備・標準化の推進に加え、従業員のAIリテラシー向上に向けた教育も実施しました。 <第4次中期経営計画の進捗(ポートフォリオ再編)> 企業価値向上に向け、海外燃料油・低炭素事業を中心とした投資案件を実行するとともに、グループ内事業再編を推進しています。 ③ 戦略的投資案件の検討及び実行 投資審査プロセスの厳格化を通じ、採算性が劣後する案件や事業リスクの高い案件を適切に選別し、海外燃料油やLNG・バイオ燃料等、投資案件の検討を進め、具体的な投資案件を決定しています。2026年5月に、海外における燃料油事業の拡大を目的に、Chevronが保有する東南アジア・豪州法人の株式100%を取得することを決定しました。 ④ グループ内ポートフォリオの再編 電気事業・再生可能エネルギー事業について、2026年4月1日付で、役員を兼任とし組織の一部を一体運営することにより、経営の実質的な一体運営体制に移行しました。 また、2026年4月1日付で、ENEOSの天然ガス事業をENEOS Xploraに移管・統合し、上流から下流まで一元的に運営する体制としました。 <財務目標の実績及び見通し> 2025年度の主な経営指標の実績及び2026年度の見通し、第4次中期経営計画最終年度である2027年度の財務目標は、以下のとおりです。 (3)対処すべき課題<基本方針>当社グループは、徹底的な効率化による既存事業の収益最大化及び厳選した投資の実行による事業ポートフォリオ再編等、第4次中期経営計画に包含される各種施策を通じて、企業価値の向上を図ります。 <東南アジア・豪州における石油精製・販売事業のM&A>当社は、Chevronグループが東南アジア及び豪州で展開する石油精製・販売事業を取得することを決定しました。本件により、シンガポール、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、ベトナム、インドネシアの6か国における燃料油・潤滑油事業を取得します。特にシンガポールでは、製油所を有するSingapore Refining Companyの持分50%を取得し、精製機能を含むバリューチェーンを強化します。これにより、製油所、貯蔵ターミナル、販売ネットワーク等の実物資産を包括的に獲得し、安定的な事業運営基盤を構築します。本M&Aは、第4次中期経営計画の柱である「ポートフォリオ再編」を具体化する中核施策です。本件を通じて、当社の基盤事業である石油精製・販売事業を一層強化し、成長機会の拡大を図ります。また、海外売上高は本件の実施により大きく伸長し、2030年度には約50%規模まで拡大することを目指しています。 国内では石油需要の構造的な減少が見込まれる一方、東南アジア及び豪州では中長期的な需要の成長が期待されています。このような環境を踏まえ、当社は成長市場である東南アジア及び主要輸出先である豪州における事業を取り込むことで、石油ビジネスの持続的な成長を図ります。 <グループ会社の組織・体制の再構築> 当社グループは、会社別の保有方針を決定し、2025年3月末との比較で約100社の削減を行う計画を策定しています。今後、対象会社については、売却や統合・再編等の実行を進めていきます。 <AI活用の推進>当社グループは、業務全域におけるAI活用を、グループ会社の再構築と並び重要な経営課題として位置付けて推進し、業務効率の向上及び組織のスリム化を図っています。具体的には、原油調達から製造、物流、販売に至るサプライチェーン全体のデータを一元的に管理・活用し、市況や需要の変化に応じた最適な意思決定を実現する体制の構築を進めています。また、AI活用による複数シナリオの検討を通じて収益機会を的確に捉え、全社的な利益最大化を目指すとともに、経営データの可視化及び分析の高度化により、迅速かつ高度な経営判断の実現に取り組んでいます。さらに、管理部門における業務の標準化・自動化を推進し、コスト効率の高い事業運営体制の構築及びガバナンスの強化を進めています。 <企業価値向上に向けた取組>当社は、PBR及びROEの推移を踏まえ、企業価値向上に向けた現状を以下のとおり認識しています。2026年3月末時点のPBRは1.10倍となり、1倍を上回る水準へ改善しました。この改善は、グループ会社再編や累進配当方針に基づく増配等、各種中期経営計画施策に対する市場からの評価・期待が株価に反映された結果であると認識しています。 ROE(在庫影響除き)は、株主資本コスト(CAPMベース)を上回る水準で推移しています。堅調な白油マージンや五井火力発電所の全基稼働を受け、改善傾向にあります。一方、さらなるPBR向上にはROEの一層の改善が課題であると認識しており、引き続き中期経営計画の各施策を着実に実行していきます。 各事業の分野別の取組は以下のとおりです。石油製品事業においては、製油所の競争力強化に取り組んでおり、設備投資による計画稼働の向上と合わせて、2027年度における定修除き稼働率90%の達成を目指しています。また、海外燃料油事業の拡大を進めており、東南アジア及び豪州における石油精製・販売事業のM&Aを決定する等、海外アセットの獲得を通じて事業拡大を図っています。石油化学事業においては、国内におけるエチレン需要の減退や国際競争の激化を踏まえ、生産・供給体制の最適化を進めています。その一環として、川崎製油所のエチレン製造装置1基の停止を最終決定し、2027年度末の停止を予定しています。バイオ燃料事業においては、国内外の有力企業との協力を通じた事業推進に取り組んでいます。具体的には、和歌山製造所において2028年度以降に年間40万KLのSAF製造を目指すとともに、英国C2Xへの出資を通じて、海運セクター向けサプライチェーンの構築や、バイオ資源を原料とする合成燃料・ケミカルへの展開を検討しています。 天然ガス事業においては、これまで東南アジア及びオセアニアにおける優良プロジェクトへの参画を通じて蓄積してきた知見を活かし、投資の拡大を図っています。LNGについては、2040年頃まで需要の増加が見込まれていることから、引き続き事業の強化・拡充を進めます。 <株主還元> 資本効率改善の観点及び株主還元方針を踏まえ、500億円の自己株式取得を決定しました。「3カ年平均で総還元性向50%以上」との中期経営計画方針に則り、今後の業績進捗を踏まえつつ、適切な時期に追加還元を検討していきます。 <次期の連結業績予想について(2026年5月公表)>2025年度に計上したプラスタイムラグの剥落による減益、石油・天然ガス開発事業の増益、及びJX金属株式売却による利益を織り込んでいます。前提条件に基づく次期の業績予想は下記のとおりです。●前提条件(2026年4月以降) 為替:155円/ドル、原油(ドバイスポット):85ドル/バーレル 売上高:12兆8,500億円 営業利益:6,100億円 親会社の所有者に帰属する当期利益:4,150億円 在庫影響(総平均法及び簿価切下げによる棚卸資産の評価が売上原価に与える影響)を除いた営業利益相当額は、5,900億円と見込んでいます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当社が本報告書提出日現在において判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針当社は、事業活動の基礎となる「ENEOSグループ理念」を次のとおり定めています。 また、当社グループを取り巻く事業環境がかつてない転換期を迎えている中、「ENEOSグループ理念」の実現に向けて「『今日のあたり前』を支え、『明日のあたり前』をリードする。」を新たな決意として掲げています。ENEOSグループは、困難な課題に挑戦し、「明日のあたり前」を創りつづけるリーディングカンパニーとして、ステークホルダーの皆様からの一層の信頼に応えていきます。 (2)目標とする経営指標 当社は、2025年5月に2025年度からの3ヵ年の第4次中期経営計画(2025-2027年度)を策定しています。 ENEOSグループ理念・長期ビジョンの実現に向け、第4次中期経営計画の2本柱である「筋肉質な経営体質への転換」・「ポートフォリオ再編」、そしてこれらの実現を可能にする人的資本経営を推進し、企業価値最大化の実現に向けた取組を加速しています。 <基本方針> <第4次中期経営計画の進捗(筋肉質な経営体質への転換)> 既存事業の収益最大化を成し遂げるべく、徹底的な効率化を推進しています。 ① グループ会社の組織・体制再構築 ノンコア事業の売却及び組織・機能の重複解消等を目的としたグループ内再編を推進し、連結対象会社を2025年3月末から13社削減しました。 ② AI活用の推進 当社は、新たにAI活用を推進する専任組織「AIイノベーション部」を設置しました。同部を中心に、業務全域におけるAIの活用可能性を追求し、データに基づく最適化により業務効率の向上及び組織のスリム化を図っています。また、データ・AIに関するガバナンス体制の強化、データの整備・標準化の推進に加え、従業員のAIリテラシー向上に向けた教育も実施しました。 <第4次中期経営計画の進捗(ポートフォリオ再編)> 企業価値向上に向け、海外燃料油・低炭素事業を中心とした投資案件を実行するとともに、グループ内事業再編を推進しています。 ③ 戦略的投資案件の検討及び実行 投資審査プロセスの厳格化を通じ、採算性が劣後する案件や事業リスクの高い案件を適切に選別し、海外燃料油やLNG・バイオ燃料等、投資案件の検討を進め、具体的な投資案件を決定しています。2026年5月に、海外における燃料油事業の拡大を目的に、Chevronが保有する東南アジア・豪州法人の株式100%を取得することを決定しました。 ④ グループ内ポートフォリオの再編 電気事業・再生可能エネルギー事業について、2026年4月1日付で、役員を兼任とし組織の一部を一体運営することにより、経営の実質的な一体運営体制に移行しました。 また、2026年4月1日付で、ENEOSの天然ガス事業をENEOS Xploraに移管・統合し、上流から下流まで一元的に運営する体制としました。 <財務目標の実績及び見通し> 2025年度の主な経営指標の実績及び2026年度の見通し、第4次中期経営計画最終年度である2027年度の財務目標は、以下のとおりです。 (3)対処すべき課題<基本方針>当社グループは、徹底的な効率化による既存事業の収益最大化及び厳選した投資の実行による事業ポートフォリオ再編等、第4次中期経営計画に包含される各種施策を通じて、企業価値の向上を図ります。 <東南アジア・豪州における石油精製・販売事業のM&A>当社は、Chevronグループが東南アジア及び豪州で展開する石油精製・販売事業を取得することを決定しました。本件により、シンガポール、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、ベトナム、インドネシアの6か国における燃料油・潤滑油事業を取得します。特にシンガポールでは、製油所を有するSingapore Refining Companyの持分50%を取得し、精製機能を含むバリューチェーンを強化します。これにより、製油所、貯蔵ターミナル、販売ネットワーク等の実物資産を包括的に獲得し、安定的な事業運営基盤を構築します。本M&Aは、第4次中期経営計画の柱である「ポートフォリオ再編」を具体化する中核施策です。本件を通じて、当社の基盤事業である石油精製・販売事業を一層強化し、成長機会の拡大を図ります。また、海外売上高は本件の実施により大きく伸長し、2030年度には約50%規模まで拡大することを目指しています。 国内では石油需要の構造的な減少が見込まれる一方、東南アジア及び豪州では中長期的な需要の成長が期待されています。このような環境を踏まえ、当社は成長市場である東南アジア及び主要輸出先である豪州における事業を取り込むことで、石油ビジネスの持続的な成長を図ります。 <グループ会社の組織・体制の再構築> 当社グループは、会社別の保有方針を決定し、2025年3月末との比較で約100社の削減を行う計画を策定しています。今後、対象会社については、売却や統合・再編等の実行を進めていきます。 <AI活用の推進>当社グループは、業務全域におけるAI活用を、グループ会社の再構築と並び重要な経営課題として位置付けて推進し、業務効率の向上及び組織のスリム化を図っています。具体的には、原油調達から製造、物流、販売に至るサプライチェーン全体のデータを一元的に管理・活用し、市況や需要の変化に応じた最適な意思決定を実現する体制の構築を進めています。また、AI活用による複数シナリオの検討を通じて収益機会を的確に捉え、全社的な利益最大化を目指すとともに、経営データの可視化及び分析の高度化により、迅速かつ高度な経営判断の実現に取り組んでいます。さらに、管理部門における業務の標準化・自動化を推進し、コスト効率の高い事業運営体制の構築及びガバナンスの強化を進めています。 <企業価値向上に向けた取組>当社は、PBR及びROEの推移を踏まえ、企業価値向上に向けた現状を以下のとおり認識しています。2026年3月末時点のPBRは1.10倍となり、1倍を上回る水準へ改善しました。この改善は、グループ会社再編や累進配当方針に基づく増配等、各種中期経営計画施策に対する市場からの評価・期待が株価に反映された結果であると認識しています。 ROE(在庫影響除き)は、株主資本コスト(CAPMベース)を上回る水準で推移しています。堅調な白油マージンや五井火力発電所の全基稼働を受け、改善傾向にあります。一方、さらなるPBR向上にはROEの一層の改善が課題であると認識しており、引き続き中期経営計画の各施策を着実に実行していきます。 各事業の分野別の取組は以下のとおりです。石油製品事業においては、製油所の競争力強化に取り組んでおり、設備投資による計画稼働の向上と合わせて、2027年度における定修除き稼働率90%の達成を目指しています。また、海外燃料油事業の拡大を進めており、東南アジア及び豪州における石油精製・販売事業のM&Aを決定する等、海外アセットの獲得を通じて事業拡大を図っています。石油化学事業においては、国内におけるエチレン需要の減退や国際競争の激化を踏まえ、生産・供給体制の最適化を進めています。その一環として、川崎製油所のエチレン製造装置1基の停止を最終決定し、2027年度末の停止を予定しています。バイオ燃料事業においては、国内外の有力企業との協力を通じた事業推進に取り組んでいます。具体的には、和歌山製造所において2028年度以降に年間40万KLのSAF製造を目指すとともに、英国C2Xへの出資を通じて、海運セクター向けサプライチェーンの構築や、バイオ資源を原料とする合成燃料・ケミカルへの展開を検討しています。 天然ガス事業においては、これまで東南アジア及びオセアニアにおける優良プロジェクトへの参画を通じて蓄積してきた知見を活かし、投資の拡大を図っています。LNGについては、2040年頃まで需要の増加が見込まれていることから、引き続き事業の強化・拡充を進めます。 <株主還元> 資本効率改善の観点及び株主還元方針を踏まえ、500億円の自己株式取得を決定しました。「3カ年平均で総還元性向50%以上」との中期経営計画方針に則り、今後の業績進捗を踏まえつつ、適切な時期に追加還元を検討していきます。 <次期の連結業績予想について(2026年5月公表)>2025年度に計上したプラスタイムラグの剥落による減益、石油・天然ガス開発事業の増益、及びJX金属株式売却による利益を織り込んでいます。前提条件に基づく次期の業績予想は下記のとおりです。●前提条件(2026年4月以降) 為替:155円/ドル、原油(ドバイスポット):85ドル/バーレル 売上高:12兆8,500億円 営業利益:6,100億円 親会社の所有者に帰属する当期利益:4,150億円 在庫影響(総平均法及び簿価切下げによる棚卸資産の評価が売上原価に与える影響)を除いた営業利益相当額は、5,900億円と見込んでいます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要前第4四半期連結会計期間において、当社の子会社であったJX金属株式会社(以下、JX金属)が東京証券取引所プライム市場に上場しました。株式上場に際し、当社が保有するJX金属株式の一部売出しを行ったことにより、JX金属は子会社から持分法適用会社となりました。これに伴い、前第4四半期連結会計期間において、JX金属及び同社子会社等からなる金属事業(金属セグメント)を非継続事業に分類しており、前連結会計年度の売上高、営業利益及び税引前利益については、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しています。また、当連結会計年度における金属事業の持分法による投資利益については、継続事業としてセグメント情報における「その他」の区分に含めています。 <ENEOSグループを取り巻く環境>当連結会計年度における原油価格(ドバイ原油)は、期初は1バーレル当たり76ドルから始まり、アジア地域の需要動向やOPECプラスの生産調整等の影響を受け、年度を通じて軟調に推移しましたが、3月の中東情勢の緊迫化を背景に急騰し、期末には121ドルとなりました。期平均では、前年同期比7ドル安の72ドルとなりました。円の対米ドル相場は、期初の150円から、米国の金融政策動向等を背景に4月中旬には一時140円台前半まで急速に円高が進行しました。その後は日米金利差や金融政策の動向を背景に円安傾向で推移し、3月には中東情勢の緊迫化を受けて更に円安が進行し、期末には160円となりました。期平均では前年同期比2円円高の151円となりました。 <連結業績の概要>こうした状況のもと、当連結会計年度における連結売上高は、前年同期比4.5%減の11兆7,655億円となりました。また、営業利益は、前年同期比3,605億円増益の4,666億円となりました。在庫影響(総平均法及び簿価切下げによる棚卸資産の評価が売上原価に与える影響)を除いた営業利益相当額は、前年同期比3,107億円増益の4,744億円となりました。金融収益と金融費用の純額178億円を差し引いた結果、税引前利益は、前年同期比3,606億円増益の4,488億円となり、法人所得税費用1,416億円を差し引いた当期利益は、前年同期比203億円増益の3,072億円となりました。なお、当期利益の内訳は、親会社の所有者に帰属する当期利益が2,587億円、非支配持分に帰属する当期利益が485億円となりました。 セグメント別の概況は、次のとおりです。 [石油製品ほかセグメント]<主な事業内容>ENEOS株式会社は、国内最大の燃料油販売シェアを有する石油精製販売事業に加え、エネルギートランジション実現への取組として、SAF(*1)・水素・合成燃料といった次世代エネルギー事業にも取り組んでいます。*1 SAF : 持続可能な航空燃料 <トピックス>●製油所の競争力強化に向けた取組国内既存事業の収益力強化を成し遂げるべく、製油所稼働率の最大化に向けた取組を推進しました。具体的には、製油所トラブルの抑制を目的に、保全計画の改善、検査の強化・前倒し、工事品質の向上、運転トラブルの削減の4本柱の施策を進めており、当第4四半期の定期修理除き稼働率は、前年同期の77%から良化し、中東情勢影響除き(*2)で86%となりました。また、製油所高稼働の期間においては、国内における石油製品の安定供給責任を果たしつつ、海外市況に応じた機動的な製品輸出対応により、収益改善を図りました。さらに、設備の評価精度向上や業務効率化を進めることによりエンジニアの環境を整備し、設備の信頼性向上を目指すべく、AI・DXを通じた抜本的な保全業務改革を推進する「E-MOREプロジェクト室」を専任組織として設置しました。*2 中東情勢影響を受けた稼働率減 : 5%●新たな収益機会の獲得に向けた取組国内における石油製品の安定供給責任を果たしつつ、新たな収益機会の獲得に向けて取り組むべく、グローバルな事業拡大を目指し、トレーディングを含めた海外燃料油事業の拡大を進めました。一方で、カーボンニュートラル社会の到来に向けて、低炭素事業においては、和歌山製造所のSAF量産供給体制構築の準備を進め、また、2025年4月には、グリーンメタノールのサプライチェーンを構築し、生産・販売ビジネスの事業開発につなげるべく、英国C2Xへの出資を決定しました。加えて、2025年7月には、米国Par Pacificが米国ハワイ州において推進するKapolei製油所でのバイオ燃料の製造・販売事業に参画することを決定しました。 <事業概況>石油製品については、自動車の低燃費化を主因とする構造的な国内石油製品需要の減少や、採算販売の徹底の一方、製油所の稼働状況を受けて輸出数量が増加したことにより、販売数量は前年同期比2.7%増となりました。石油化学製品にかかる当社のマージンについては、パラキシレンはインドの輸入規制撤廃等により市況良化となり前年同期比で良化、ベンゼンは米国による関税措置の影響から市況軟調となり前年同期比で悪化しました。また、石油製品ほかセグメントの子会社であるENEOSオーシャン株式会社の原油タンカー事業以外の海運事業を同社が新たに設立したNYK Energy Ocean株式会社(以下、NEO)へ吸収分割により承継させた上で、NEOの株式の80%を日本郵船株式会社に譲渡したことにより売却益が発生しています。こうした状況のもと、石油製品ほかセグメントの当連結会計年度における売上高は、前年同期比5.3%減の10兆3,953億円となりました。営業利益は前年同期比3,431億円増益の2,924億円となりました。在庫影響による会計上の損失が78億円(前年同期は576億円の損失)含まれており、在庫影響を除いた営業利益相当額は、前年同期比2,933億円増益の3,002億円となりました。なお、中東情勢の緊迫化を背景に原油供給を巡る不確実性が高まっており、当社の原油調達環境にも影響が生じています。当社では、石油製品の安定供給を維持するため、国家備蓄の活用や調達先の多角化、市場からの原油及び石油製品の緊急調達等の対応を行っています。また、国際的な原油及び石油製品市況、調達関連コストの変動が、当社の事業環境に影響を与えています。 [石油・天然ガス開発セグメント]<主な事業内容>ENEOS Xplora株式会社は、石油・天然ガスの開発・生産・販売事業に加え、CCS/CCUS(*3、4)を中心とした環境対応型事業にも取り組んでいます。*3 CCS : 二酸化炭素回収・貯留*4 CCUS : 二酸化炭素回収・有効利用・貯留 <トピックス>●石油・天然ガス開発事業の強化・拡充エネルギーの安全・安定供給を実現するため、石油・天然ガス開発事業においても安全・安定操業を継続するとともに、事業の強化・拡充を図りました。具体的には、日本を含む東アジア諸国へのエネルギーの安全・安定供給に今後も貢献すべく、1987年に権益を取得したマレーシア・サラワク州沖SK10鉱区の価値最大化に継続して取り組み、2025年6月には、同国国営エネルギー会社PETRONASとの間で、生産分与契約を2028年から2038年までの10年間延長する契約を締結しました。●非炭化水素事業等の隣接領域への取組収益源を多様化させるべく、石油・天然ガスの開発・生産事業で培った地下技術を生かし、希少資源の開発等の取組を推進しました。具体的には、既にカナダにおいて進出済のヘリウム事業について、オーストラリアを拠点とする天然水素及びヘリウムの探鉱・開発企業であるGold Hydrogenへの出資を決定しました。●CCS/CCUSの推進CO₂を回収・有効利用・貯留する環境対応型事業として、米国・Petra Nova CCUSプロジェクトを推進しています。 <事業概況>原油及び天然ガスの生産量については、ベトナム沖15-2鉱区における新たな生産分与契約締結に伴う権益比率の上昇や、中東プロジェクトでの増産等の増加要因があったものの、マレーシア・サラワク州沖SK10鉱区において、前期の一過性の投資が完了したことに伴い、生産分与契約に基づく投資の回収分として受け取れる生産量が減少したことから、前年同期比減少しました。また、原油及び天然ガスの販売価格は、市況を反映し、前年同期比下落しました。こうした状況のもと、石油・天然ガス開発セグメントの当連結会計年度における売上高は、前年同期比10.7%減の2,167億円、営業利益は前年同期比366億円減益の508億円となりました。 [機能材セグメント]<主な事業内容>株式会社ENEOSマテリアルは、主にタイヤ材料として使用される合成ゴム及びその関連製品に加え、高機能化学品の生産・販売事業を展開しています。また、サステナブル原料の技術開発やカーボンニュートラル推進のための諸施策に取り組んでいます。 <トピックス>●競争力強化の取組機能材セグメントの中核を担うエラストマー事業における戦略商品である高機能タイヤ材料・S-SBR(溶液重合スチレン・ブタジエンゴム)は、次世代タイヤの性能向上及び環境負荷低減を支える材料として世界的に需要拡大が続いています。この状況に対応するため、製造における日本・タイ・ハンガリーの連携を一層強化し、今後も安定的なグローバル供給体制を構築すべく取組を進めています。その一環として、2025年11月、研究開発から製造までを一体で行う四日市工場において、S-SBRの生産能力を1万トン分増強することを決定しました。●研究開発分野におけるAI活用研究開発分野においては、これまでの断片的な情報に基づく“経験”中心のテーマ検討から、統合された知識に基づくデータドリブンな検討への転換を目的として、独自のナレッジグラフとAIエージェント技術を統合した新材料テーマ創出AIエージェントシステムを開発し、2025年10月から社内検証を開始しました。同システムは一般的な生成AIでは辿りつかない材料の新たな組み合わせの自動提示ができ、今後の新材料テーマ創出までのリードタイムの短縮に寄与し、研究開発プロセス全体の効率化を後押しすることになります。 <事業概況>機能材事業については、拡販等により販売数量は増加したものの、インフレ等に伴う経費増、ブタジエン市況の下落による影響に加え、機能材セグメントの子会社において減損損失を計上したことから、前年同期比減益となりました。こうした状況のもと、機能材セグメントの当連結会計年度における売上高は前年同期比2.3%減の3,390億円、営業利益は前年同期比66億円減益の111億円となりました。 [電気セグメント]<主な事業内容>ENEOS Power株式会社は、発電事業や電気小売事業を主要事業領域として、事業を展開しています。また、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、電力の需給バランスの安定化に貢献するVPP(*5)事業にも取り組んでいます。*5 VPP : 仮想発電所 <トピックス>●収益力向上及び安定化の実現2025年3月に全面運開した五井火力発電所の供給力を最大限に活用して電力販売を強化し、収益力の向上を実現しています。具体的には、ENEOS公式アプリの活用推進とともに、都市ガス等とのバンドルサービス、オール電化、太陽光発電設置済みのお客様向け等の多様なメニューも販売し、顧客基盤を盤石化しました。また、CO2見える化サービスの提供や再生可能エネルギーを活用したオフサイト電力購入契約(PPA)の締結を推進する等、脱炭素化に貢献する付加価値販売を展開しました。さらに、収益力安定化の実現に向け、卸電力市場のボラティリティリスクを回避するために、電力先物を活用したリスクヘッジを進めており、着実にその効果を発揮しています。●分散型エネルギー活用の推進蓄電池等の分散型エネルギーリソースの活用により電力需給調整力を高めることで、持続可能な社会の実現に取り組んでいます。当連結会計年度は、お客様の蓄電池運用を受託し、需給調整による収益の最適化支援に関する新たなサービスサイトを立ち上げました。これにより、北海道室蘭市での蓄電池運用実績やAIを活用した運用ノウハウを一層活用し、需給バランスの安定化や収益性向上に貢献します。また、パナソニック株式会社と連携した、蓄電池やHEMS/BEMS(*6)等を活用したエネルギーマネジメント実証に加え、京セラ株式会社と連携した、家庭用蓄電池を活用した電力の需給調整に取り組みました。*6 HEMS/BEMS : 分電盤の各回路の電力測定とディスプレイによる見える化、機器の制御を行う装置 <事業概況>電気事業については、前期に計上した一過性利益の反転や、減損損失の発生による影響があったものの、五井火力発電所の全基運開に加え、小売販売数量の増加等により前年同期比増益となりました。こうした状況のもと、電気セグメントの当連結会計年度における売上高は前年同期比9.2%増の3,492億円、営業利益は前年同期比10億円増益の220億円となりました。 [再生可能エネルギーセグメント]<主な事業内容>ENEOSリニューアブル・エナジー株式会社は、太陽光・陸上風力・バイオマスといった再生可能エネルギーの電源開発・発電・販売事業を展開しており、今後は、洋上風力を含めた再生可能エネルギー全般を幅広くカバーし、業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立すべく、諸施策に取り組んでいます。 <トピックス>●エネルギートランジション実現に向けた再生可能エネルギー発電所の開発カーボンニュートラル基本計画2025年度版の取組方針である「社会の温室効果ガス排出削減への貢献」を成し遂げるべく、当連結会計年度においても再生可能エネルギー発電所の開発を推進しました。具体的には、計14か所の風力・太陽光発電所の運転を開始しました。また、出力制御のリスクを低減し、安定的な再生可能エネルギーの供給を図るため、太陽光発電所への蓄電池併設を推進し、計5か所の運転を開始しました。●脱炭素社会への貢献と経済性確保の両立に向けた取組再生可能エネルギー発電事業を通じ、脱炭素社会への貢献をしつつ、収益基盤を確立するために、当連結会計年度においても、各種企業に対し、当社グループ保有の発電所が発電する電力又は環境価値を供給・提供する電力購入契約(PPA)の締結を進めました。また、資本効率向上を実現するため、発電所の稼働率改善に向けた取組を推進しました。具体的には、発電所の稼働率向上に向けた遠隔監視の高度化や設備劣化が著しい発電所のリパワリングを通じた発電量向上に取り組みました。 <事業概況>再生可能エネルギー事業については、当連結会計年度においても一部プロジェクトで開発中止に伴う減損損失等を計上しましたが、太陽光・陸上風力の新規発電所の稼働により発電量が増加し、前年同期比増益となりました。こうした状況のもと、再生可能エネルギーセグメントの当連結会計年度における売上高は前年同期比10.7%増の487億円、営業損失は9億円(前年同期は169億円の損失)となりました。 [その他]その他の事業の当連結会計年度における売上高は前年同期比3.5%増の5,200億円、営業利益は前年同期比423億円増益の928億円となりました。建設事業については、公共投資は底堅く推移し、民間設備投資も企業の投資意欲を背景に増加傾向となった一方、原材料価格の上昇や労働需給のひっ迫を受け、厳しい経営環境が継続しました。このような事業環境下、技術の優位性を活かした受注活動の強化、生産性の向上及びコスト削減の推進により、競争力の強化に努めました。金属事業については、金属価格の上昇に加えて、AI関連需要の拡大を背景に半導体及び情報通信材料市場は引き続き堅調に推移しました。このような事業環境下、技術を活用した差別化と高収益体質の確立に向けた取組を進めました。 上記各セグメント別の売上高には、セグメント間の内部売上高が合計1,035億円(前年同期は1,135億円)含まれています。 (2)生産、受注及び販売の実績ア.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)石油製品ほか5,879,63689.1石油・天然ガス開発194,92492.2機能材271,48497.5その他81,678103.6合計6,427,72289.7(注)上記の金額は、各セグメントに属する製造会社の製品生産金額の総計(セグメント間の内部振替前)を記載しています。 電気セグメント及び再生可能エネルギーセグメントについては、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。 イ.受注実績当社グループでは主要製品について受注生産を行っていません。 ウ.発電容量 [参考]当連結会計年度末時点における電気セグメント及び再生可能エネルギーセグメントの出資持分割合に応じた発電容量(kW)は以下のとおりです。※建設中の電源を除く電気 :約220万kW再生可能エネルギー:約130万kW エ.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)石油製品ほか10,341,78794.9石油・天然ガス開発216,74489.3機能材336,50797.7電気332,198106.1再生可能エネルギー46,861108.1その他491,373103.1合計11,765,47095.5(注)セグメント間の取引については、相殺消去しています。 (3)財政状態及びキャッシュ・フローの概況①流動性と資金の源泉当社は、効率的で安定的な資金の確保と、事業活動のための流動性の維持を、財務活動の取組として重視しています。効率的な調達に向けて、コマーシャル・ペーパーや社債等の直接金融と、金融機関からの借入等の間接金融を、機動的に選択しています。当社は、安定的な資金の確保に向けて、直接金融市場への継続的なアクセスを図るとともに、間接金融についても原油備蓄資金のための制度融資等も活用しており、政府系金融機関及び市中金融機関と幅広く関係を維持しています。また、トランジション・リンク・ローンといったサステナブル・ファイナンスによる資金調達を実施する等、調達ソースの多様化を図って十分な流動性を確保しています。また、金融市場の環境変化にも対応できる流動性を維持するために、現金及び現金同等物を確保する他、取引金融機関と特定融資枠契約(コミットメントライン契約)を締結しています。当該契約の極度額は当連結会計年度末では2,275億円であり、また同契約に係る借入残高はありません。連結における資金管理では、当社を中心に集中して資金調達を行い、国内外の金融子会社を通じてグループ各社に資金を配分するというグループファイナンス制度を設けています。その運営においてキャッシュマネジメントシステムを活用しており、流動性資金の一元管理及び効率化を実現しています。当社は、資金調達とグローバルなビジネスを円滑に行うため、格付投資情報センター(R&I)、日本格付研究所(JCR)、ムーディーズ・ジャパン(ムーディーズ)の3社から格付けを取得しています。3社の2026年6月時点の当社に対する格付け(長期/短期)は、R&IがAA-(見通し安定的)/a-1+、JCRがAA-(見通し安定的)/J-1+、ムーディーズがBaa2(見通し安定的)/(短期は取得無し)となっています。 ②連結財政状態計算書ア.資産 当連結会計年度末における資産合計は、石油製品ほかセグメントの海運事業を一部売却したことによる資産の減少等があったものの、有形固定資産及びその他の金融資産の増加等により、前連結会計年度末比3,049億円増加の9兆943億円となりました。 イ.負債 当連結会計年度末における負債合計は、社債及び借入金の減少、石油製品ほかセグメントの海運事業を一部売却したことによる負債の減少等があったものの、リース負債及びその他の金融負債の増加等により、前連結会計年度末比173億円増加の5兆3,361億円となりました。有利子負債残高は、前連結会計年度末比603億円減少の2兆6,157億円となり、また、手元資金を控除したネット有利子負債は、前連結会計年度末比835億円減少の1兆7,038億円となりました。なお、有利子負債にはリース負債を含めています。 ウ.資本 当連結会計年度末における資本合計は、配当金の支払による減少等があったものの、当期利益の計上等により、前連結会計年度末比2,876億円増加の3兆7,582億円となりました。 なお、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末比1.8ポイント上昇し37.1%、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度末比100.25円増加の1,252.75円、ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)は前連結会計年度末比0.07ポイント改善し、0.51倍(ハイブリッド債資本性調整前)となりました。 また、当連結会計年度よりネットD/Eレシオ算出方法を変更しており、ネット有利子負債にリース負債を加算するとともに、自己資本から非支配持分を除いて算出しています。これに伴い、前連結会計年度末のネットD/Eレシオについても、変更後の計算式に基づき算出しています。2025年度以降 ネットD/Eレシオ=(有利子負債(*)-現金及び現金同等物-3ヵ月超の定期預金-拘束性預金)/(資本合計-非支配持分)* 有利子負債にはリース負債を含めています。 ③連結キャッシュ・フロー当社は、第4次中期経営計画において、「ポートフォリオ再編」を基本方針の柱の一つとして掲げ、投資の厳選とリターン最大化のための仕組みを強化します。なお、当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況と主な要因は以下のとおりです。ア.営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動の結果、現金及び現金同等物(以下、資金)は6,200億円増加しました(前期は5,768億円の増加)。これは、法人税の支払や持分法による投資損益等による減少要因があったものの、税引前利益や減価償却費等の増加要因が上回ったことによるものです。イ.投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果、資金は2,520億円減少しました(前期は1,308億円の増加)。これは、子会社株式の売却による収入等の増加要因があったものの、石油製品ほかセグメントの石油精製設備の維持・更新のための投資や石油・天然ガス開発事業への投資等の減少要因が上回ったことによるものです。ウ.財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果、資金は3,610億円減少しました(前期は6,304億円の減少)。これは、長期借入金やリース負債の返済、配当金の支払等の減少要因によるものです。 この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は8,773億円となり、期首に比べ307億円増加しました。 (4)重要性のある会計方針及び見積り当社の連結財務諸表はIFRSに準拠して作成しています。当社は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同規則第312条の規定を適用しています。重要性のある会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 連結財務諸表 注記3、4」をご参照ください。
事業リスク
- 商品価格変動リスク原油、石油製品、石油化学製品、天然ガス、電力などの商品価格は、為替相場、産油地域の政治情勢、OPECの生産調整、世界的な需要変動など、同社がコントロールできない多くの要因によって大きく変動します。これらの価格変動は、原材料の調達コストや製品の販売価格に直接影響し、収益性を不安定にする可能性があります。
- 為替変動リスク同社グループは、外貨建ての取引や資産・負債が多額に存在するため、外国為替相場の変動が、円換算した際の収益や資産価値に影響を及ぼす可能性があります。特に原油などの輸入は米ドル建てが多く、円安は調達コストの増加に直結し、業績に悪影響を与える可能性があります。
- 環境規制・需要変動リスク同社グループの事業は、広範な環境規制の適用を受けており、規制強化は環境対策費用の増加や操業制限につながる可能性があります。また、「脱炭素社会」への移行に伴い、国内の石油製品需要は減少傾向にあり、低燃費車や電気自動車の普及、エネルギー転換の進展が、主要事業の収益に長期的な影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】当社グループでは、グループ経営に関するリスクに的確な対応を図るため「全社的リスクマネジメント(Enterprise Risk Management: ERM)体制」を整備・運用しています。具体的には、毎年度グループ経営に甚大な影響を与えうるリスクを抽出した上で「グループ重要リスク」を選定し、対応策の実行を進め、その取組状況を経営会議及び取締役会に報告するプロセスを導入しています。なお、2025年度には、主要事業会社により洗い出されたリスク及び経営層の意向を反映し、「グループ重要リスク」として、「個人情報漏洩」「経済環境の変化に伴う保有資産価値の低下」を選定し、所管部署を中心にリスク低減に努めました。2026年度以降も、引き続き同様な取組を実施していきます。リスクに対するガバナンス体制は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1.ガバナンスの高度化・コンプライアンスの徹底 (1)ガバナンス」をご参照ください。当社グループの事業において、重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、別段の表示がない限り、当社が本報告書提出日現在において判断したものです。 (1)市場リスク・商品価格変動リスク当社グループは、石油製品・石油化学製品・電力等の販売及びそれらの原料となる原油等の購入を行っています。これらの販売価格及び購入価格は商品市場価格の変動によって影響を受けることから、商品価格変動リスクに晒されています。また、中東情勢により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (石油製品ほかセグメント)国内の石油製品のマージンは、主に原油価格と国内の石油製品市場価格との関係に左右され、当社グループがコントロールし得ない要因によって決定されます。原油価格に影響を及ぼす要因としては、円の対米ドル為替相場、産油地域の政治情勢、OPECによる生産調整、シェールオイルの生産動向、全世界的な原油需要等があります。また、石油製品価格に影響を及ぼす要因としては、石油製品の国内需要、海外石油製品市況、国内の石油精製能力及び稼働率、国内のサービスステーション総数等があります。当社グループは、石油製品販売価格を石油製品の需給状況や市況動向を適切に反映して決定していますが、原油価格や石油製品市況の動向次第では、マージンが大きく変動します。また、石油化学製品のマージンも、原油価格やナフサ等の原料油価格と石油化学製品価格との関係に左右され、当社グループがコントロールし得ない要因によって決定されます。石油化学製品価格については、生産設備の新増設による供給能力拡大と衣料・自動車・家電等の需要動向に影響されます。需給が緩和した場合は、原油・原料油価格の上昇を製品価格に転嫁することが困難になります。従って、原油価格、石油製品価格、石油化学製品価格の変動等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (石油・天然ガス開発セグメント)石油・天然ガス開発事業においては、原油及び天然ガス価格の上昇時には売上高が増加し、原油及び天然ガス価格の下落時には、売上高が減少します。従って、原油及び天然ガス価格の変動により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (機能材セグメント)機能材事業においては、原油価格やナフサ価格、ならびに主要原料であるブタジエンの市況変動により、原材料の調達価格や製品価格が変動し、マージンに影響を及ぼす可能性があります。また、本事業で取り扱うタイヤ材料や二次電池材料は、自動車及び電気自動車(EV)の需要と関連性が高く、各国・地域の経済動向の影響を受けるリスクがあります。従って、景気後退等により自動車需要が低迷した場合には、当該事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (電気セグメント)電気事業においては、当社グループの発電量が販売量を上回る場合は余剰電力を卸電力市場等へ売却し、下回る場合は不足電力を卸電力市場等から調達しています。そのため、燃料調達価格や卸電力市場価格の変動により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (再生可能エネルギーセグメント)再生可能エネルギー事業においては、当社グループの発電所が発電する電力の大半は固定価格により販売していますが、一部は市場価格に連動するスキームで販売しているため、市場価格の変動により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、バイオマス発電事業では、燃料の市場価格が高騰した場合、収益が悪化する可能性があります。 ・為替リスク当社グループは、外貨建ての営業取引による収入及び支出が発生しており、また多額の外貨建て資産及び負債を有しています。そのため、外国為替相場の変動は、資産、負債、収入及び支出の円貨換算額に影響を及ぼす可能性があります。また、外国為替相場の変動は、海外の子会社、持分法適用会社、共同支配事業及び共同支配企業の財務諸表を円貨換算する場合にも影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループでは、デリバティブ金融商品を利用したヘッジを行い、市場リスクを低減する対策を講じています。その具体的な取組については、「第5 経理の状況 連結財務諸表 注記21.金融商品 (2)財務リスク管理 ③市場リスク」をご参照ください。また、上記の市場リスクのうち、当社グループの経営成績に影響を及ぼす主要なリスクである外国為替相場及び原油価格の市況変動による営業利益への影響額については、感応度を算定しています。次期の連結業績予想(2026年5月公表)へ与える市況変動の感応度は、下表のとおりです。なお、本感応度は一定の前提をおいて算定したもので、諸条件の変化によって影響額も変動します。 (2)環境規制に関するリスク当社グループの事業は、広範な環境規制の適用を受けており、環境汚染や、規制に違反する事象を生じさせた場合には、これらの規制により罰金・賠償金の支払いを求められ、操業の継続が困難となる可能性があります。また、今後、規制が強化される可能性があります。これらの環境規制に関する義務や負担は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)気候変動に関するリスク当項目は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 2.持続可能な地球環境の形成・保全への貢献 (1)気候変動対応(TCFD)」の中で記載しています。 (4)操業に関するリスク当社グループの事業は、火災、爆発、事故、輸出入制限、自然災害、天候等の自然現象、労働争議、原料や製品の輸送制限等の様々な操業上のリスクを伴っており、これらの事故・災害等が発生した場合には、多大な損失を蒙る可能性があります。当社グループは、可能かつ妥当な範囲において、事故、災害等に関する保険を付していますが、それによってもすべての損害を填補し得ない可能性があります。 (5)需要変動に関するリスク当社グループの製品・サービスの需要は、それらを提供している国又は地域の経済状況、社会情勢の影響を強く受けています。国内石油製品需要については、「脱炭素社会」の実現に向けた動きが加速することを受けて、低燃費車の普及、ガス・電気等へのエネルギー転換が進展し、今後も減少することが予想されます。石油化学製品の販売はアジア諸国での需要に大きく依存しており、これらの地域における需要の変動が当社グループの製品需要に大きな影響を与えます。これら当社グループの需要の変動については、正確な予測に努め必要な対策を行っていますが、予測を超えた急激な変動がある時は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)競合に関するリスク当社グループは、様々な市場で激しい競争に晒されています。特に国内石油精製販売事業においては、企業間で激しい競争が行われていますが、国内需要の減少傾向が、この状況をさらに加速する可能性があります。また、機能材事業は、技術革新及び顧客ニーズの急速な変化を伴う事業環境下にあり、国内外の競合他社との競争に絶えず晒されています。このような競争環境の激化が、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)原料供給源に関するカントリーリスク当社グループは、原料の多くを海外から調達しており、特に、原油は中東の限られた供給源に大きく依存しています。こうした国・地域における政治不安、社会混乱、労働争議、経済情勢の悪化、法令・政策の変更等のカントリーリスクが発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)資源開発に関するリスク当社グループが行っている油田・天然ガス田における探鉱及び開発活動は、現在、商業化に向けて、様々な段階にあります。探鉱及び開発の成功は、探鉱・開発地域の選定、設備の建設コスト、政府による許認可や税制、資金調達等、種々の要因に左右されます。個々のプロジェクトが商業化に至らず、投資費用が回収できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、探鉱・開発事業においては、高度な専門技術と幅広い経験を有する人材を確保する必要がありますが、当社グループが優秀な人材を十分に確保できない場合は、収益機会の逸失及び競争力低下につながる可能性があります。 (9)石油・天然ガスの埋蔵量確保に関するリスク国際的な資源獲得競争により、当社グループが石油・天然ガスの埋蔵量を確保するための競争条件は一段と厳しくなっています。当社グループの将来における石油・天然ガスの生産量は、探鉱、開発、権益取得等によって、商業ベースの生産が可能な埋蔵量を確保できるか否かにより左右されます。当社グループが石油・天然ガス埋蔵量を補填できない場合には、将来的に生産量が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、石油・天然ガス埋蔵量の見積りは、地質学的、技術的、経済的情報に基づいた主観的判断や決定を伴うため、正確に測定することが困難であり、進歩する回収技術の適用や生産活動を通じた新たな情報に基づいて大幅な修正が必要となる可能性があります。実際の埋蔵量が見積りを下回った場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)石油・天然ガス開発機材に関するリスク石油・天然ガスの探鉱及び生産をするため、当社グループは、第三者から掘削機等の機材及びサービスの提供を受けています。原油価格が高騰している時期等は、これらの機材及びサービスが不足し、機材及びサービス提供の価格も上昇することになります。当社グループが、適切なタイミングかつ経済的に妥当な条件で、必要な機材やサービスの提供を受けることができない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (11)第三者との提携、事業投資に関するリスク当社グループは、様々な事業分野において、合弁事業その他の第三者との提携及び他企業等への戦略的な投資を行っています。これらの提携や投資は、当社グループの事業において重要な役割を果たしており、種々の要因により、重要な合弁事業が経営不振に陥り、又は提携関係や投資における成果を上げることができない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)事業の再構築に関するリスク当社グループは、コスト削減、事業の集中と効率性の強化を図ることとしており、事業の再構築に伴う相当程度の損失が発生する可能性があります。当社グループがその事業の再構築を適切に行うことができず、又は、再構築によっても、想定した事業運営上の改善を実現することができなかった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (13)設備投資及び投融資と減損に関するリスク当社グループにおいては、事業の維持・成長又は新たな事業機会の獲得のために、継続的な設備投資及び投融資を必要としていますが、キャッシュ・フローの不足等の要因によりこれらの計画を実行することが困難となる可能性があります。また、外部環境の変化等により、実際の投資額が予定額を大幅に上回り、あるいは計画どおりの収益が得られない可能性もあります。それにより、当社グループが所有している有形固定資産、のれん及び無形資産について投資額の回収が見込めなくなった場合には、これを反映させるように帳簿価額を減額し、その減少額を減損損失として計上することとなるため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (14)繰延税金資産に関するリスク当社グループの繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で金額を計上しています。課税所得発生の時期及び金額は、合理的な見積りに基づき決定していますが、課税所得が生じる時期及び金額は、将来の不確実な経済状況の変動によって影響を受ける可能性があり、実際に生じた時期及び金額が見積りと異なった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (15)棚卸資産の収益性の低下による簿価切下げと棚卸資産評価に関するリスク当社グループは、多額の棚卸資産を所有しており、原油、石油製品等の価格下落等により、棚卸資産の期末における正味売却価額が帳簿価額よりも低下したときには、収益性が低下しているとみて、期末帳簿価額を正味売却価額まで切り下げて売上原価等に計上することとなるため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、原油、石油製品等棚卸資産の評価を総平均法で行っており、原油価格の上昇局面では、期初の相対的に安価な棚卸資産の影響により売上原価が押し下げられて増益要因となりますが、原油価格の下落局面では、期初の相対的に高価な棚卸資産の影響により売上原価が押し上げられて減益要因となるため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (16)有利子負債に関するリスク当社グループは、多額の有利子負債により事業活動等に制約を受ける可能性があり、また、負債の元利金支払いのために、追加借入又は資産の売却等による資金調達を必要とする可能性がありますが、こうした資金調達を行うことができるか否かは、金融市場の状況、当社の株価、資産の売却先の有無等、様々な要因に依存しています。さらに、国内外の金利が上昇した場合には、金利負担が増加することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (17)確定給付制度に関するリスク当社グループは確定給付制度を含む退職給付制度を有しています。これらの各制度に係る確定給付制度債務の現在価値及び関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定されます。数理計算上の仮定には、割引率等、様々な変数についての見積り及び判断が求められます。これらの変数を含む数理計算上の仮定の適切性について、将来の不確実な経済状況の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、制度資産に関しては、主に資本性金融商品の価格や社債利率の変動リスクに晒されており、これらの資産の利回り低下も当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお詳細は、「第5 経理の状況 連結財務諸表 注記19.退職後給付 (2)確定給付制度」をご参照ください。 (18)信用に関するリスク当社グループは、保有する売掛金などの金融債権が、債務者(取引先)の信用悪化や経営破綻などにより債務不履行になることにより、回収不能になるリスク、すなわち信用リスクに晒されています。当該リスクに対応するために、与信管理規程等に基づき取引先ごとに与信限度額を設けた上で、取引先の財務状況等について定期的にモニタリングし、金融債権の期日及び残高を取引先ごとに適切に管理することにより、回収懸念の早期把握を図っています。さらに、必要に応じて担保設定・ファクタリング等を利用することによって保全措置を図っていますが、信用リスクが完全に回避される保証はありません。取引先の信用状態の悪化を受けて、保有する金融債権が回収不能になった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(19)知的財産に関するリスク当社グループは、事業遂行のため、特許権等の知的財産権を保有及び活用していますが、状況によってはその確保が困難となり、又はその有効性が否認される可能性があります。また、当社グループの企業秘密が、役員・従業員又は第三者により不適切に取り扱われる可能性があります。さらに、急速な技術の発展により、当社グループの事業遂行に必要な技術について知的財産権による保護が不十分となる可能性があります。また、当社グループの製品やサービスに関して第三者から知的財産権を侵害しているという主張を受けた場合は、多額のロイヤリティー支払い又は当該技術の使用を差止められる可能性があります。さらに、当社グループが第三者から供与されている知的財産権のライセンスが、更新されない可能性があります。以上のように、当社グループが事業遂行に必要な知的財産権を確保できない、又はそれを十分に活用することができない場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (20)内部統制システムに関するリスク当社グループは、かねてからコンプライアンス、リスクマネジメント等の充実に努めており、財務報告に係る内部統制を含め、内部統制システムの充実強化を図っていますが、当社グループが構築した内部統制システムが有効に機能せず、コンプライアンス違反、巨額な損失リスクの顕在化、ディスクロージャーの信頼性の毀損等の事態が生じた場合には、ステークホルダーの信頼を一挙に失うことにもなりかねず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (21)情報システムに関するリスク当項目は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 6.情報セキュリティ及びDX推進に関する事項」の中で記載しています。 (22)個人情報の管理に関するリスク当社グループは、石油販売等の事業に関連して顧客の個人情報を保有しており、それらに保護対策等を実施して適切に管理していますが、こうした対策に今後多額の費用を必要とする可能性があります。また、今後、仮に顧客の個人情報が流出し又は悪用された場合、上記事業に影響が及ぶ可能性があります。