事業の概要
- 石油開発から販売まで一貫コスモエネルギーホールディングスは、原油の探鉱・開発から、輸入、精製、貯蔵、そしてガソリンスタンドなどを通じた販売まで、石油事業の全工程を一貫して手掛けています。これにより、サプライチェーン全体を自社グループで管理し、効率的な事業運営を目指しています。
- 多角的な事業展開石油事業が主力ですが、石油化学製品の製造・販売、風力発電を中心とした再生可能エネルギー事業、不動産事業、さらには保険代理店業務なども手掛けています。これにより、特定の事業に依存するリスクを分散し、安定した収益基盤の構築を図っています。
- 持株会社体制による経営当社は持株会社として、子会社48社、関連会社33社を統括しています。各子会社がそれぞれの専門分野を担当することで、グループ全体の経営効率を高め、多様な事業を円滑に推進しています。例えば、コスモ石油が精製、コスモ石油マーケティングが販売を担っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 石油事業コスモエネルギーグループの主力事業で、原油の輸入、精製、貯蔵、そしてガソリンや灯油などの石油製品の販売までを一貫して行っています。2025年3月期の売上高は2兆4170.33億円と、グループ全体の大部分を占める稼ぎ頭です。コスモ石油が精製、コスモ石油マーケティングが販売を担っています。
- 石油化学事業石油製品であるナフサなどを原料に、石油化学製品の製造・販売を行っています。丸善石油化学などが主要な会社で、高稼働・高効率操業を目指しています。2025年3月期の売上高は2969.6億円です。近年は市場環境の変化に対応するため、事業再編を進めており、パラキシレン製造事業からの撤退やエチレン生産体制の最適化を図っています。
- 石油開発事業原油の自主開発と生産を手掛ける事業です。コスモエネルギー開発やアブダビ石油などが中心となり、既存油田での安定生産に加え、新たな探鉱鉱区での商業生産の可能性を調査しています。2025年3月期の売上高は436.06億円です。脱炭素化の流れの中でも、必要なエネルギー供給の責任を果たすべく、効率的な開発・操業を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| PetroleumBusiness | 地域 | 24,170 | − | − |
| Petrochemicalbusiness | 地域 | 2,970 | − | − |
| OilExplorationAndProductionBusiness | 地域 | 436 | − | − |
| RenewableEnergyBusiness | 地域 | 132 | − | − |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社は持株会社として、子会社等の経営管理及びそれに附帯または関連する業務を行っております。当社グループは、子会社47社及び関連会社32社により構成され(2026年3月31日現在)、原油の自主開発から輸入・精製・貯蔵・販売を主な事業の内容としております。その他、一部の関係会社により石油化学製品製造・販売、風力発電、不動産の売買・管理、石油関連施設の工事、保険代理店等の事業も営んでおります。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 当社グループの主要な事業内容のセグメントとの関連及び主要な関係会社の当該事業における位置づけは、次のとおりであります。セグメント区分主要な会社会社数(社)石油開発事業原油の開発・生産コスモエネルギー開発㈱、Cosmo E&P Albahriya Limited、アブダビ石油㈱、合同石油開発㈱、他3社7石油事業原油・石油製品の輸出入COSMO OIL INTERNATIONAL PTE. LTD.、COSMO OIL OF U.S.A. INC.2石油精製コスモ石油㈱、他2社3潤滑油製造コスモ石油ルブリカンツ㈱1石油製品の販売コスモ石油マーケティング㈱、コスモ石油販売㈱、コスモ石油㈱、コスモエネルギーソリューションズ㈱、他19社23原油・石油製品の貯蔵コスモ松山石油㈱、沖縄石油基地㈱、東西オイルターミナル㈱、他2社5荷役・運送コスモ海運㈱、坂出コスモ興産㈱、コスモリファイナリーサポート堺㈱、他14社17石油化学事業石油化学製品製造・販売コスモ松山石油㈱、CMアロマ㈱、丸善石油化学㈱、京葉エチレン㈱、他10社14再生可能エネルギー事業風力発電事業コスモエコパワー㈱、伊方エコ・パーク㈱、㈱秋田ウインドパワー研究所、他2社5その他不動産売買・管理コスモ石油㈱、コスモビジネスアソシエイツ㈱、他3社5工事・保険他コスモエンジニアリング㈱、㈱コスモトレードアンドサービス、他6社8経理、財務、購買、総務、人事関連業務の受託コスモビジネスアソシエイツ㈱1 石油開発事業 連結子会社のコスモエネルギー開発㈱、連結子会社のアブダビ石油㈱及び持分法適用関連会社の合同石油開発㈱等は、原油の自主開発及び生産を行っております。 連結子会社のCosmo E&P Albahriya Limitedはアブダビ首長国 Offshore Block4鉱区における原油の探鉱活動を行っております。 石油事業連結子会社のコスモ石油㈱は産油国、商社、提携先各社及び原油の自主開発を行っている連結子会社のアブダビ石油㈱等から原油を購入し、シンガポールにおいてトレーディング業務を行っている連結子会社のCOSMO OIL INTERNATIONAL PTE. LTD.等を通じて原油及び石油製品を購入しております。購入した原油をコスモ石油㈱の製油所で石油製品に精製した上で、連結子会社のコスモ石油マーケティング㈱を通じて系列特約店より一般消費者に販売するとともに、一部大口需要家へはコスモ石油㈱及びコスモ石油マーケティング㈱が直接販売しております。販売に伴う国内輸送は、コスモ石油マーケティング㈱及び連結子会社のコスモ海運㈱等が行っております。なお、石油製品のうち、ナフサ等の石油化学原料に関しては、連結子会社のコスモ松山石油㈱、連結子会社のCMアロマ㈱、連結子会社の丸善石油化学㈱等の石油化学関連企業に販売しております。潤滑油に関しては、コスモ石油㈱が潤滑油の原料油を連結子会社のコスモ石油ルブリカンツ㈱に販売し、当該社が加工し需要家に販売しております。また持分法適用関連会社のジクシス㈱は液化石油ガス(LPG)を販売しております。この原油開発から輸入、精製、販売といった一連の石油事業を補完するため、石油製品の貯蔵を持分法適用関連会社の東西オイルターミナル㈱及び沖縄石油基地㈱等が行っております。 石油化学事業 連結子会社のコスモ松山石油㈱、連結子会社のCMアロマ㈱、連結子会社の丸善石油化学㈱、連結子会社の京葉エチレン㈱等は、石油化学製品製造及び販売を行っております。 再生可能エネルギー事業 連結子会社のコスモエコパワー㈱等は風力発電事業を行っております。 その他連結子会社のコスモ石油㈱及び連結子会社のコスモビジネスアソシエイツ㈱等は、不動産売買、管理を行っております。また、コスモビジネスアソシエイツ㈱は、当社グループの経理、財務、購買、総務、人事関連業務を受託しております。連結子会社のコスモエンジニアリング㈱は、当社グループの製油所設備の建設、維持補修工事を行っております。また、連結子会社の㈱コスモトレードアンドサービスは、系列給油所向けカーケア用品の販売、保険代理店業等の事業を行っております。 事業の系統図は、次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 石油製品の販売価格は国内市況を反映して決定され、国際市況とのギャップやタイムラグが生じるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 設備 原油の自主開発から輸入・精製・貯蔵・販売までの一貫した大規模な設備投資が必要。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:脱炭素化の進展による石油需要の減少・事業資産への影響 / 環境規制・気候変動対策の強化に伴うポートフォリオ・戦略投資への影響 / 労働市場の変化による人材確保・育成の困難化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
コスモ石油ブランドは一定の認知度を持つが、他社ブランドとの差別化は限定的。特許や独占的IPに関する情報は乏しく、無形資産による競争優位性は弱い。
スイッチングコスト★★☆☆☆
ガソリンスタンドの顧客は価格や利便性で選択することが多く、ブランドロイヤリティは高くない。法人向け燃料供給など一部ではスイッチングコストが発生しうるが、全体としては限定的。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果を享受する事業モデルではない。
コスト優位★★★☆☆
製油所・油槽所の効率的な運営や、仕入れ・物流網の最適化により、一定のコスト優位性を構築している可能性がある。ただし、原油価格変動の影響を受けやすい。
規模の経済★★★★☆
国内有数の石油元売会社として、精製・販売インフラにおいて規模の経済が働く。業界再編が進む中で、一定の市場シェアを維持し、効率的な事業運営が可能。
- 一貫したサプライチェーン原油の自主開発から最終製品の販売まで、グループ内で一貫したサプライチェーンを構築している点が強みです。これにより、外部環境の変化に柔軟に対応し、安定した供給体制を維持できるだけでなく、コスト効率の最適化も図りやすくなります。
- 強固な販売ネットワークコスモ石油マーケティングなどを通じたガソリンスタンド網は、一般消費者への強力な接点となります。特に「カーライフスクエアアプリ」は累計900万ダウンロードを突破し、顧客とのデジタル接点を強化。お得なクーポンや車検サービスを提供し、顧客の囲い込みとロイヤリティ向上に貢献しています。
- 再生可能エネルギーへの注力風力発電事業を積極的に展開するコスモエコパワーなど、再生可能エネルギー分野への投資を強化しています。脱炭素社会への移行が進む中で、この分野での実績とノウハウは、将来的な事業ポートフォリオの多様化と持続的な成長を支える重要な競争優位となります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 『Oil & New ~Next Stage~』第7次連結中期経営計画では、「収益力の確保」「成長に向けたNew領域の拡充」「三位一体の資本政策実現」「経営基盤の変革」の4点を基本方針としています。石油事業の構造改善に加え、再生可能エネルギーなどのNew領域を拡大し、企業価値の最大化を目指しています。
- 収益力向上とNew領域拡大2025年度には、在庫影響を除く経常利益1,650億円を目指しています。石油事業では製油所の稼働改善やヘイル油田の増産を進める一方、New領域では国内初の大規模SAF(持続可能な航空燃料)生産開始など、成長事業への投資を強化し、収益基盤の多様化を図ります。
- 経営基盤の変革とDX推進HRX(人材変革)、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)を柱とした経営基盤の変革に取り組んでいます。特に石油事業では、APM導入やデジタルツイン構築による製油所の稼働率向上、カーライフスクエアアプリのリニューアルによる顧客体験向上など、DXを積極的に推進しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針及び経営戦略<第7次連結中期経営計画の振り返り>2023年度から2025年度までの3カ年を対象とする第7次連結中期経営計画においては、「収益力の確保」「成長に向けたNew領域の拡充」「三位一体の資本政策の実現」「経営基盤の変革」を基本方針として掲げ、持続的な企業価値の向上に取り組んできました。その結果、第7次連結中期経営計画の最終年度である連結会計年度において在庫影響を除く経常利益は1,657億円を達成しROEについても目標である10%を上回る水準を確保する等、収益性及び資本効率の向上を実現しています。一方で、将来投資については、機能化学品の生産能力拡大等の投資を実行した一方、洋上風力等の一部案件において事業環境の変化を踏まえ投資を見送る等、事業環境を踏まえた戦略的な投資を実施しました。個別施策としては、デジタルプラントの推進、サービスステーション顧客基盤の拡充、ヘイル油田における生産量最大化、基礎化学品事業の構造改善等を実行しております。また、グリーン電力サプライチェーンの拡大、日本初となる国産SAFの供給開始、カーリース事業の拡大、フォトレジスト用樹脂の生産能力増強等を通じ、成長領域の基盤整備を進めました。三位一体の資本政策においては、増配及び機動的な自己株式の取得により株主還元の充実を図るとともに、財務健全性と資本効率の向上も両立しています。さらに、人材投資の強化やDX推進に加え、GHG排出削減に向けた取組を進める等、経営基盤の強化も実行いたしました。 当社グループは、外部環境の変化に対応し、2035年を見据えた長期ビジョンとしてVision 2035を策定しています。エネルギー安全保障の重要性の高まり、脱炭素社会への移行の長期化、AI・デジタル化の進展に伴う電力需要の増加等を背景に、当社グループは石油/次世代エネルギー、資源開発及び電力サプライチェーンの3つの柱に注力し、企業価値の向上に取り組みます。石油/次世代エネルギーにおいては、競争力の高い石油事業と次世代エネルギーを一体的に推進し、燃料全体として効率性と低・脱炭素化の両立を図るとともに、多様化する顧客ニーズに対応したエネルギー供給の実現につなげます。資源開発においては、既存鉱区の生産量最大化及び新規鉱区開発を通じて収益の拡大を図るとともに、天然ガス等の新たな資源領域への展開を検討します。電力サプライチェーンにおいては、再生可能エネルギー電源の拡大に加え、競争力のある安定電源としてLNG火力発電への参入を検討することで、経済性と調整力を備えた電源構成の構築を進めます。さらに、AIや半導体の普及を背景に高い成長率が見込まれる事業を次の成長領域である「NeXTグロース」として、これまで培ってきた技術基盤を活かしながら、事業規模の拡大を通じて成長の加速を図ります。これらの取組により、10年間で約8,000億円の成長投資を実施し、2035年度における在庫評価を除く経常利益2,500億円以上、ROE15%以上の達成を見据えた経営を推進していきます。 <第8次連結中期経営計画の基本方針>第8次連結中期経営計画においては、『Oil & New エネルギーと、その先へ。』をスローガンに、「収益力最大化」「成長機会の追求」「生産性向上」「三位一体の資本政策」を基本方針としています。「収益力最大化」では、石油・資源開発を柱として収益基盤の最大化を図るとともに、電力やNeXTグロース領域の収益機会を強化し、グループ全体の収益力向上を図ります。「成長機会の追求」では、既存事業を含む成長領域への投資を強化するとともに、重点領域としてAI・デジタル活用への投資を拡充し、投資機会を柔軟かつ積極的に取り込みます。「生産性向上」においては、AI・デジタル活用、人材高度化、意識・行動変革等を通じて競争力の源泉を確立し、グループ全体の価値創出力を高めることで、環境変化に揺るがない強固な経営体質の構築を図ります。資本政策については、第7次連結中期経営計画で掲げた「三位一体の資本政策」を本計画においても堅持し、株主還元、財務健全性、資本効率の適切なバランスを追求します。これらの方針のもと、エネルギーの安定供給と持続的な成長による更なる企業価値向上を目指します。 第8次連結中期経営計画の詳細につきましては、当社ウェブサイト上にて開示しておりますので、ご参照ください。(https://www.cosmo-energy.co.jp/ja/ir/library/consolidated-medium-term-management-plan.html) (2)経営環境当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあって、景気は緩やかに回復しております。一方で、中東情勢の影響や金融資本市場の変動、米国の政策動向による影響等を注視する必要があります。設備投資、個人消費は持ち直しの動きがみられ、消費者物価は緩やかに上昇しております。こうした中で、石油製品の国内需要は、緩やかに需要減退の傾向がみられます。原油価格(ドバイ原油)は、期初1バレル75ドル台から、OPECプラスの増産決定及び世界景気悪化懸念等を背景に下落しました。その後、米国の対ロシア制裁の動き等により一時上昇しましたが、OPECプラスの増産継続や米中貿易摩擦への懸念、世界的な石油需給の緩和観測等により下落基調で推移しました。当連結会計年度末には、中東情勢の緊迫化の影響を受けて大幅に上昇し、121ドル台となりました。為替相場は、期初1ドル149円台から、米国の関税政策による景気悪化への懸念等により一時140円台となりましたが、米国の利下げ観測の後退や日本の財政悪化懸念等を背景に円安に推移しました。年明け以降、米国の利下げ観測の後退及び日銀の利上げ観測の後退に加え、中東情勢の緊迫化等を背景に円安が進行し、当連結会計年度末は159円台となりました。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当連結会計年度末から中東情勢の緊迫化及びホルムズ海峡の封鎖が発生しましたが、このような事業環境下においても、石油事業及び石油化学事業において機動的な対応を進めることで、エネルギーの安定供給を継続しています。また、石油開発事業では、人命の安全確保を最優先事項としたうえで、産油国と連携を図りながら、早期の生産正常化に向けた取組を進めています。中東情勢の緊迫化によりエネルギーの重要性が社会全体で改めて認識される中、当社グループはエネルギーの安定供給を通じて社会を支えるとともに、厳しい事業環境下においても事業継続と収益性の両立を図ることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針及び経営戦略<第7次連結中期経営計画の振り返り>2023年度から2025年度までの3カ年を対象とする第7次連結中期経営計画においては、「収益力の確保」「成長に向けたNew領域の拡充」「三位一体の資本政策の実現」「経営基盤の変革」を基本方針として掲げ、持続的な企業価値の向上に取り組んできました。その結果、第7次連結中期経営計画の最終年度である連結会計年度において在庫影響を除く経常利益は1,657億円を達成しROEについても目標である10%を上回る水準を確保する等、収益性及び資本効率の向上を実現しています。一方で、将来投資については、機能化学品の生産能力拡大等の投資を実行した一方、洋上風力等の一部案件において事業環境の変化を踏まえ投資を見送る等、事業環境を踏まえた戦略的な投資を実施しました。個別施策としては、デジタルプラントの推進、サービスステーション顧客基盤の拡充、ヘイル油田における生産量最大化、基礎化学品事業の構造改善等を実行しております。また、グリーン電力サプライチェーンの拡大、日本初となる国産SAFの供給開始、カーリース事業の拡大、フォトレジスト用樹脂の生産能力増強等を通じ、成長領域の基盤整備を進めました。三位一体の資本政策においては、増配及び機動的な自己株式の取得により株主還元の充実を図るとともに、財務健全性と資本効率の向上も両立しています。さらに、人材投資の強化やDX推進に加え、GHG排出削減に向けた取組を進める等、経営基盤の強化も実行いたしました。 当社グループは、外部環境の変化に対応し、2035年を見据えた長期ビジョンとしてVision 2035を策定しています。エネルギー安全保障の重要性の高まり、脱炭素社会への移行の長期化、AI・デジタル化の進展に伴う電力需要の増加等を背景に、当社グループは石油/次世代エネルギー、資源開発及び電力サプライチェーンの3つの柱に注力し、企業価値の向上に取り組みます。石油/次世代エネルギーにおいては、競争力の高い石油事業と次世代エネルギーを一体的に推進し、燃料全体として効率性と低・脱炭素化の両立を図るとともに、多様化する顧客ニーズに対応したエネルギー供給の実現につなげます。資源開発においては、既存鉱区の生産量最大化及び新規鉱区開発を通じて収益の拡大を図るとともに、天然ガス等の新たな資源領域への展開を検討します。電力サプライチェーンにおいては、再生可能エネルギー電源の拡大に加え、競争力のある安定電源としてLNG火力発電への参入を検討することで、経済性と調整力を備えた電源構成の構築を進めます。さらに、AIや半導体の普及を背景に高い成長率が見込まれる事業を次の成長領域である「NeXTグロース」として、これまで培ってきた技術基盤を活かしながら、事業規模の拡大を通じて成長の加速を図ります。これらの取組により、10年間で約8,000億円の成長投資を実施し、2035年度における在庫評価を除く経常利益2,500億円以上、ROE15%以上の達成を見据えた経営を推進していきます。 <第8次連結中期経営計画の基本方針>第8次連結中期経営計画においては、『Oil & New エネルギーと、その先へ。』をスローガンに、「収益力最大化」「成長機会の追求」「生産性向上」「三位一体の資本政策」を基本方針としています。「収益力最大化」では、石油・資源開発を柱として収益基盤の最大化を図るとともに、電力やNeXTグロース領域の収益機会を強化し、グループ全体の収益力向上を図ります。「成長機会の追求」では、既存事業を含む成長領域への投資を強化するとともに、重点領域としてAI・デジタル活用への投資を拡充し、投資機会を柔軟かつ積極的に取り込みます。「生産性向上」においては、AI・デジタル活用、人材高度化、意識・行動変革等を通じて競争力の源泉を確立し、グループ全体の価値創出力を高めることで、環境変化に揺るがない強固な経営体質の構築を図ります。資本政策については、第7次連結中期経営計画で掲げた「三位一体の資本政策」を本計画においても堅持し、株主還元、財務健全性、資本効率の適切なバランスを追求します。これらの方針のもと、エネルギーの安定供給と持続的な成長による更なる企業価値向上を目指します。 第8次連結中期経営計画の詳細につきましては、当社ウェブサイト上にて開示しておりますので、ご参照ください。(https://www.cosmo-energy.co.jp/ja/ir/library/consolidated-medium-term-management-plan.html) (2)経営環境当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあって、景気は緩やかに回復しております。一方で、中東情勢の影響や金融資本市場の変動、米国の政策動向による影響等を注視する必要があります。設備投資、個人消費は持ち直しの動きがみられ、消費者物価は緩やかに上昇しております。こうした中で、石油製品の国内需要は、緩やかに需要減退の傾向がみられます。原油価格(ドバイ原油)は、期初1バレル75ドル台から、OPECプラスの増産決定及び世界景気悪化懸念等を背景に下落しました。その後、米国の対ロシア制裁の動き等により一時上昇しましたが、OPECプラスの増産継続や米中貿易摩擦への懸念、世界的な石油需給の緩和観測等により下落基調で推移しました。当連結会計年度末には、中東情勢の緊迫化の影響を受けて大幅に上昇し、121ドル台となりました。為替相場は、期初1ドル149円台から、米国の関税政策による景気悪化への懸念等により一時140円台となりましたが、米国の利下げ観測の後退や日本の財政悪化懸念等を背景に円安に推移しました。年明け以降、米国の利下げ観測の後退及び日銀の利上げ観測の後退に加え、中東情勢の緊迫化等を背景に円安が進行し、当連結会計年度末は159円台となりました。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当連結会計年度末から中東情勢の緊迫化及びホルムズ海峡の封鎖が発生しましたが、このような事業環境下においても、石油事業及び石油化学事業において機動的な対応を進めることで、エネルギーの安定供給を継続しています。また、石油開発事業では、人命の安全確保を最優先事項としたうえで、産油国と連携を図りながら、早期の生産正常化に向けた取組を進めています。中東情勢の緊迫化によりエネルギーの重要性が社会全体で改めて認識される中、当社グループはエネルギーの安定供給を通じて社会を支えるとともに、厳しい事業環境下においても事業継続と収益性の両立を図ることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当社グループは、第7次連結中期経営計画において、スローガンを『Oil&New ~Next Stage~』として、「収益力の確保」「成長に向けたNew領域の拡充」「三位一体の資本政策実現」「経営基盤の変革」の4点を基本方針に、収益力の向上、資本政策の充実、成長事業の拡大を図り、3ヶ年平均でPBR1倍水準を達成いたしました。 こうした経営活動の結果、当連結会計年度の連結経営成績は、売上高は2兆6,776億円(前期比△1,223億円)、営業利益は1,448億円(前期比+166億円)、経常利益は1,492億円(前期比△16億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は740億円(前期比+163億円)となりました。 各セグメントの業績を示すと次のとおりであります。(石油事業) 石油事業につきましては、原油価格の変動の影響等により、売上高は2兆3,856億円(前期比△1,213億円)、セグメント利益は763億円(前期比+145億円)となりました。なお、在庫評価の影響を除くセグメント利益は928億円(前期比+2億円)となっております。(石油化学事業) 石油化学事業につきましては、引き続き製品市況が低迷したこと等により、売上高は3,328億円(前期比△74億円)、セグメント損失は31億円(前期はセグメント損失50億円)となりました。(石油開発事業) 石油開発事業につきましては、前期比で原油価格が下落したこと等により、売上高は1,304億円(前期比△42億円)、セグメント利益は653億円(前期比△171億円)となりました。(再生可能エネルギー事業) 再生可能エネルギー事業につきましては、新規サイトの運転を開始したこと等により、売上高は165億円(前期比+32億円)、セグメント利益は28億円(前期比+15億円)となりました。 当連結会計年度末の連結財政状態は、総資産は2兆1,966億円となり、前連結会計年度末に比べ400億円増加しております。負債合計は1兆4,608億円となり、前連結会計年度末に比べ117億円増加しております。純資産合計は7,358億円となり、前連結会計年度末に比べ283億円増加しております。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は818億円となり、前連結会計年度末に比べ469億円増加しております。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、資金の増加は2,137億円(前期は1,371億円の資金の増加)となり、これは主に、税金等調整前当期純利益を計上したこと等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、資金の減少は847億円(前期は1,457億円の資金の減少)となり、これは主に、有形固定資産の取得による支出等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、資金の減少は819億円(前期は690億円の資金の減少)となり、これは主に、長期借入金の返済による支出等によるものです。 ③生産、受注及び販売の実績a生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)石油事業 1,486,89091.6石油化学事業 400,96099.7石油開発事業 14,700110.5合計1,902,55193.3(注)1 自家燃料は除いております。2 委託処理分を含み、受託処理分は除いております。3 上記の金額にセグメント間の生産高は含まれておりません。 b受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)その他12,61586.215,020108.8 c販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)石油事業 2,298,76895.1石油化学事業 288,27797.1石油開発事業 45,224103.7再生可能エネルギー事業 16,138122.7その他 29,17399.9合計2,677,58295.6(注)1 上記の金額にセグメント間の販売高は含まれておりません。2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)キグナス石油㈱369,04513.2331,89012.4※販売実績には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売実績を含めております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」、財務諸表の作成にあたり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりです。 なお、連結財務諸表の作成に関して、認識している重要な見積りを伴う項目については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」を参照ください。 ②経営成績の分析a売上高 売上高は、前連結会計年度に比べ1,223億円減少し、2兆6,776億円となりました。これは主に、原油価格の変動の影響等によるものです。 b売上原価、販売費及び一般管理費 売上原価は、前連結会計年度に比べ1,515億円減少し、2兆3,416億円となりました。売上高に対する売上原価の比率は、1.5ポイント減少して、87.5%となりました。 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ126億円増加し、1,912億円となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、0.7ポイント増加して、7.1%となりました。 c営業利益 営業利益は、前連結会計年度に比べ166億円増加し、1,448億円となりました。これは主に、原油価格の変動の影響等によるものです。 d営業外損益 営業外損益は、前連結会計年度に比べ180億円悪化し、45億円の利益となりました。これは主に、為替差益が130億円減少したこと等によるものです。e特別損益 特別損益は、前連結会計年度に比べ221億円改善し、37億円の損失となりました。これは主に、前連結会計年度に比べ事業構造改善費用や投資有価証券評価損が減少したこと等によるものです。f親会社株主に帰属する当期純利益 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ163億円増加し、740億円となりました。これは主に、法人税等が前連結会計年度に比べ27億円減少し633億円となったこと及び非支配株主に帰属する当期純利益が前連結会計年度に比べ69億円増加し82億円となったこと等によるものです。なお、1株当たりの当期純利益は、453.06円となりました。 なお、セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。(石油事業) 原油価格の変動の影響等により、セグメント利益は前連結会計年度に比べ145億円増加し、763億円となりました。 2026年度は、原油価格の変動等により当連結会計年度比で減益となる見通しとなっております。(石油化学事業) 引き続き製品市況が低迷したこと等により、セグメント損失は31億円(前連結会計年度はセグメント損失50億円)となりました。 2026年度は、輸出数量の減少等により収益の改善を見込んでおり、当連結会計年度比で増益となる見通しとなっております。(石油開発事業) 前期比で原油価格が下落したこと等により、セグメント利益は前連結会計年度に比べ171億円減少し、653億円となりました。 2026年度は、ホルムズ海峡封鎖に起因する生産制約により販売数量の減少等を見込んでおり、当連結会計年度比で減益となる見通しとなっております。(再生可能エネルギー事業) 新規サイトの運転を開始したこと等により、セグメント利益は前連結会計年度に比べ15億円増加し、28億円となりました。 2026年度は、陸上風力を中心とした安定収益により当連結会計年度比で増益となる見通しとなっております。 ③資本の財源及び資金の流動性に関する分析a資金需要 当社グループの資金需要は主に運転資金と設備投資に関するものです。 運転資金需要は製品製造のための原材料仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等によるものであり、設備投資需要は競争力強化を目的とした石油・石油化学製品の製造設備、サービスステーション設備や販売促進のためのシステム投資、原油の生産設備、風力発電設備等の取得や維持更新等によるものです。 b財務政策 2023年4月より開始された第7次連結中期経営計画では、株主還元、財務健全性、資本効率を三位一体で実行することで企業価値の最大化を目指してまいりました。財務健全性においては、資産に内在するリスク、求められる資本効率、柔軟な資金調達といった観点を総合的に精査し、自己資本並びにネットD/Eレシオの目標値を設定し、当該目標を達成いたしました。 当社は、財務の安全性と効率性を両立させる財務運営を目指しており、短期並びに長期社債による直接金融と金融機関からの借入等の間接金融を機動的に行うことで効率的な資金調達を行っております。また、原油備蓄資金の制度融資も活用しており、市中の金融機関のみならず政府系金融機関とも関係を維持し、調達先の多様化を行っております。また、持株会社である当社が一括して資金を調達し、グループ会社に融通するグループファイナンスを実行しており、資金の集中化並びに効率化を行っております。 当社は、円滑な資金調達を行うために日本格付研究所(JCR)並びに格付け投資情報センター(R&I)から格付を取得しております。当連結会計年度末において当社の格付は、JCR、R&IともにA(安定的)となります。(特定融資枠契約) 平時における十分な流動性の確保と災害発生等の緊急時に円滑な資金調達を行うために取引金融機関と特定融資枠契約(コミットメントライン契約)を締結しております。なお、当連結会計年度末における当該契約の極度額は800億円です。 c株主還元方針 当社グループは、株主の皆様への利益還元を重要な課題の一つとして認識しております。 第7次連結中期経営計画では、株主還元、財務健全性、資本効率のいずれも欠けることなく、三位一体で実行していくことを資本政策として掲げ、企業価値の最大化を図っており、株主還元方針としましては、総還元性向60%以上(3ヵ年累計、在庫影響を除く純利益に対する比率)、配当1株当たり165円以上(注1)としております。当連結会計年度は1株当たり165円(注2)の配当に加えて取得総額250億円の自己株式の取得を実施したことで、当連結会計年度の総還元性向は61%となりました。 なお、当連結会計年度の1株当たり配当額165円のうち、期末配当額90円については、2026年6月25日開催予定の定時株主総会の決議事項になっております。 注1 当社は、2025年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。1株当たり165円の配当は、分割実施前の配当方針(1株につき330円)から実質的に変更はありません。 2 2025年9月30日を基準日としてお支払いした中間配当(1株につき150円)は、当該株式分割後の1株当たり配当金に換算すると75円に相当しますので、予定している期末配当(1株につき90円)と合わせた当事業年度の年間配当額は1株当たり165円となります。 d財政状態 当社グループは、自己資本やネットD/Eレシオといった財務健全性の指標向上を重要な課題の一つとして認識しております。財務健全性に加え、株主還元、資本効率を三位一体で実行することで企業価値の最大化を目指してまいります。 (資産) 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末と同水準の1兆809億円となりました。固定資産は1兆1,155億円となり、前連結会計年度末に比べ381億円増加しております。これは主に、有形固定資産が326億円増加したこと等によるものです。 この結果、総資産は2兆1,966億円となり、前連結会計年度末に比べ400億円増加しております。(負債) 当連結会計年度末における流動負債は9,949億円となり、前連結会計年度末に比べ494億円増加しております。これは主に、短期借入金が293億円増加したこと等によるものです。固定負債は4,659億円となり、前連結会計年度末に比べ378億円減少しております。これは主に、長期借入金が744億円減少したこと等によるものです。 この結果、負債合計は1兆4,608億円となり、前連結会計年度末に比べ117億円増加しております。(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は7,358億円となり、前連結会計年度末に比べ283億円増加しております。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益740億円を計上したこと及び自己株式を297億円取得したこと等によるものです。 この結果、自己資本比率は27.6%(前連結会計年度末は27.1%)となりました。 eキャッシュ・フロー 当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。営業活動は税金等調整前当期純利益を計上したこと等により2,137億円の増加となりました。投資活動は有形固定資産の取得による支出等により847億円の減少となりました。財務活動は長期借入金の返済による支出等により819億円の減少となりました。 以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ469億円増加の818億円となりました。 なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率23.5%24.9%27.2%27.1%27.6%時価ベースの自己資本比率11.4%17.7%30.4%24.5%32.0%キャッシュ・フロー対有利子負債比率5.4年84.5年3.5年4.5年2.8年インタレスト・カバレッジ・レシオ16.7倍1.3倍38.3倍27.6倍43.0倍(注)1 各指標は、以下の計算式によっております。自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い2 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。3 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。4 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている借入金、コマーシャル・ペーパー、社債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。5 「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移」に記載のとおり、第10期における会計方針の変更は遡及適用され、第9期の各指標については、遡及適用後の数値となっております。 ④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、当該連結会計年度が最終年度となる第7次連結中期経営計画にて中期的な経営の方向性を目標値として定めております。第7次連結中期経営計画の評価として、収益性や資本効率性、株主還元等、多くの指標で経営目標を達成いたしました。なお、目標値の1つである当連結会計年度の1株当たり配当額165円のうち、期末配当額90円については、2026年6月25日開催予定の定時株主総会の決議事項になっております。
事業リスク
- 脱炭素化による需要減脱炭素化の進展により、石油製品の需要が想定以上の速さで減少する可能性があります。これにより、主力である石油事業の収益性が低下し、保有する事業資産が価値を失う「座礁資産化」のリスクがあります。対策として、中長期的な事業環境変化を捉え、事業方向性を検討しています。
- 原料・資材価格の変動原油やLNGなどの資源価格は、政情不安や経済情勢、各国の政策変更によって大きく変動します。また、世界的なインフレや為替レートの変動も、原材料費や物流費の高騰を招き、業績を悪化させる可能性があります。業界動向や産油国動向のモニタリング、調達体制の最適化で対応しています。
- 自然災害と設備事故地震や津波などの大規模自然災害により、製油所や油田、発電所といった主要設備が壊滅的な被害を受ける可能性があります。これにより、操業停止や復旧の遅延が発生し、巨額の損失を被るリスクがあります。また、設備事故や不具合も操業継続を困難にし、周辺環境への影響も懸念されます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】当社グループは、リスクマネジメントをマテリアリティの一つと位置づけ、事業活動を通じて発生するリスクを把握の上、適切な管理体制を整備し、計画・実践・評価・是正措置のサイクルを構築しています。当社グループのマテリアリティについては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般について ②戦略(マテリアリティの特定)」をご参照ください。また、当社グループを取り巻く事業環境の変化や様々なリスクに対し、より適切に対応するため、中長期の視点を持つとともに、リスクを事業機会として捉え、企業価値を最大化しようとする全社的リスクマネジメント (ERM:Enterprise Risk Management)を構築しています。リスク抽出においては、経営によるトップダウン型のアプローチ手法を導入するとともに、リスク管理においてはリスクオーナー設定によるリスクカテゴリ毎のグループ横断的なリスク管理を推進しています。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)リスク管理体制当社グループでは、各社の事業を発展的かつ安全に運営するため、グループリスクマネジメント統括部署(サステナビリティ推進部)が各社におけるリスクへの取組状況を集約し、サステナビリティ戦略委員会に報告します。サステナビリティ戦略委員会では、グループ全体に関わるリスクへの対策と進捗を審議し、その結果を経営執行会議、取締役会へ報告するとともに、サステナビリティ連絡会を通じてグループ各社へ展開します。(サステナビリティ戦略委員会については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般について」をご参照ください。)また、サステナビリティ戦略委員会の実務機能を担う機関として、サステナビリティコミッティを必要に応じて開催しています。 (2)リスク管理の運営経営層へのヒアリングやアンケートによりトップダウンで抽出した中長期的リスク及び各部門・グループ各社がボトムアップで抽出したリスクのうち、影響度や発生可能性が上位かつ、マテリアリティとの関連性や業界特性上の重要性が高いリスクを選定します。これらのリスクについて、経営層によるサステナビリティ戦略委員会での議論を踏まえ、経営執行会議にてトップリスクを決定し、取締役会へ報告します。これらのプロセスを経て2025年3月にトップリスクとして11項目を選定し、2026年度には第8次連結中期経営計画におけるマテリアリティの達成を阻害する主要な経営リスクとして、外部環境変化や内部要因等を踏まえ10項目へ見直しを行いました。トップリスクについては、グループ横断的に統制を図るため、当社グループ全体におけるグループリスクオーナーと、中核事業会社におけるリスクオーナーを設定しています。グループリスクオーナーであるグループ全体の統括責任部署が、トップリスクへの対策の策定並びにKPIの設定を実施した上でモニタリング・レビューを行い、更なる改善活動に繋げます。中核事業会社のリスクオーナーはグループリスクオーナーとの連携のもと、各社において同様のPDCAサイクルを実践します。また、トップリスクに含まれない、各部門・グループ各社から抽出したリスクについても、全社的リスクマネジメントの中で管理しております。 当社ERMにおけるPDCAサイクル (3)トップリスク2025年度に選定したトップリスクは、以下に記載のとおりです。トップリスクについては「(2)リスク管理の運営」に記載のとおり決定し、管理しております。なお、当社グループを取り巻く事業環境の変化等を踏まえ、一部のリスク項目についてカテゴリの見直しを行っております。カテゴリトップリスクマテリアリティとの関連想定されるシナリオ・主な対策外部環境サプライチェーンの中断○(シナリオ)当社グループのサプライチェーンは広範囲に及ぶため、政治情勢の悪化や取引先における様々な要因等により、原油生産拠点での操業停止、船舶輸送、製油所の整備や給油所の運営等において、サプライチェーンの中断、損失が発生する(対策)調達体制の最適化、運送体制強化等原料・資材価格の変動〇(シナリオ)政情変化や経済変化、各国の政策変更等に伴う原油やLNG等の資源価格のボラティリティ上昇や、世界的な保護主義政策やインフレ(資機材、労務費等の高騰含む)、為替レートの変動により業績が悪化する(対策)業界・政策動向、産油国動向のモニタリング、調達体制の最適化等自然災害○(シナリオ)地震や津波等の大規模自然災害により当社設備が壊滅的な被害を受け、早期復旧が困難となり巨額の損失を被る(対策)当社グループ全体での災害対策の構築環境規制・気候変動対策の強化に伴うポートフォリオ・戦略投資への影響○(シナリオ)エネルギー政策や規制変更等により気候変動対策が急激に強化され、ポートフォリオ転換・戦略投資の判断に影響を及ぼす(対策)中長期的な事業環境の変化を適切に捉え、適切なポートフォリオ・事業戦略を構築戦略脱炭素化の進展による石油需要の減少・事業資産への影響○(シナリオ)エネルギートランジションの進行等により、想定外のスピードでの石油製品需要減少や、GX-ETS、炭素賦課金等によるコスト増に伴い収益性が低下し、当社グループの事業資産が座礁化する(対策)中長期的な事業環境の変化を適切に捉え、事業方向性を検討カーボンニュートラル燃料への対応遅れ○(シナリオ)カーボンニュートラル燃料に関して、上市されている当該燃料の調達が困難となる、あるいは新しい技術開発・導入が遅れる、または失敗することにより、対応が遅れる(対策)業界・政策動向のモニタリング、技術検討等労働市場の変化による人材確保・育成の困難化○(シナリオ)労働人口が減少する中で、既存・新規事業の両面で多様性かつ専門性を持った人材の確保・育成が困難になる(対策)経営人材の確保、事業戦略に合わせた人材の確保等業務情報セキュリティ○(シナリオ)サイバー攻撃により業務停止や情報漏洩、身代金請求等の被害が発生する顧客情報管理の委託先に対する指導・監査を適切に行うことができず、個人情報が流出し、顧客からの信頼を失う(対策)ランサムウェアやウイルス対策の強化、個人情報保護等の対策強化等生産設備における事故、不具合・故障○(シナリオ)製油所・油田・発電所での事故や不具合・故障により、操業継続が困難となるほか、周辺地域の自然環境・生物に影響を及ぼす等損失が発生し、キャッシュ・フロー創出に影響する(対策)不具合の未然防止(APM(注1)の構築等)及び減災対策の強化、老朽化対策等品質不正○(シナリオ)品質管理の不備と自浄作用の欠如により、(出荷後に)品質に関する問題が発覚し、製品回収による損失、ステークホルダーからの信用失墜を招く(対策)品質監査の実施、品質管理システムの高度化検討等 カテゴリトップリスクマテリアリティとの関連想定されるシナリオ・主な対策コンプライアンス内部統制不備による不正/不適切行為の発生○(シナリオ)内部統制システムが十分に機能せず、事業運営における重大な不備や不正が発生し、行政指導や刑事罰を受けるほか、ステークホルダーからの信用を失う企業の価値・競争力の源泉となる情報資産が社外へ漏えいすることで、企業価値・競争力が毀損される(対策)CSA(注2)の実施、グループガバナンス強化、知的財産管理強化等(注1)APM(Asset Performance Management System):グローバルスタンダードの保全・設備信頼性業務プロセスをシステムの活用により、保全のビッグデータを効率的かつ効果的に管理し、網羅性・予見性・管理性を高めることができる。(注2)CSA(Control Self Assessment - 内部統制自己評価) なお、2026年2月28日の米国・イスラエルによるイランへの大規模攻撃に端を発した中東情勢の緊迫化、それに伴うホルムズ海峡の実質的な封鎖によってトップリスクで想定していたリスクシナリオの一部が顕在化し、原油の代替調達や石油製品の輸入に伴う追加コストが発生する等、当社グループの事業も影響を受ける事態となりました。これらの状況が長期化する場合には、影響がさらに拡大する可能性があります。この顕在化したリスクに対し、当社では社長を本部長とする危機対策本部を設置し、人の身体生命の安全確保を最優先とする基本方針のもと、現地からの退避方針の決定・周知を行うことに加え、状況に応じた意思決定と情報連携を行いながら、リスク管理において想定・準備していた対策を中心に石油製品の安定供給責任を果たすための取組を実施、継続しています。 カテゴリ毎のトップリスクに関連する顕在化の可能性、影響の内容及び対策については次のとおりであります。 [カテゴリ:外部環境](サプライチェーンの中断)昨今のウクライナ紛争の長期化、中東地域や東アジア地域の政情変化、欧米及び中国の経済変化に伴う原油価格の急激な変動、テロ等の不測の事態により原油調達が影響を受ける可能性があります。また、原油生産拠点での操業停止のほか、必要資材の確保が困難になる等の要因により、製油所が操業停止に至る場合や給油所の運営が中断された場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループにおける原料、資材確保のために様々な施策を講じてリスクの低減に取り組んでおります。また、サプライチェーンにおける人権課題等の把握が遅れ、リスク発現時にサプライチェーンの変更が求められるほか、中断を招く可能性があります。人権課題に対しては、2021年に策定した人権方針に基づき、人権デューデリジェンス(サプライヤーの人権課題分析、ステークホルダーエンゲージメント、従業員教育等)を実施しました。 (原料・資材価格の変動)原油価格は、世界経済や産油国の生産方針等の需給動向に加え、中東産油国の周辺地域を中心とした戦争勃発や政情の不安定化、テロ等の不測の事態を含む多様な要因により変動する恐れがあります。石油開発事業における原油価格に関するリスクに加え、当社グループは、原油在庫の価格を総平均法で評価しているため、原油価格の下落局面では、期初の在庫単価と期中に仕入れた在庫単価が平均され売上原価を押し上げることになり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの主要な石油製品コストは、国際市況である原油価格や為替レートを反映した形で決定されるのに対し、販売活動は主に国内で行っており、販売価格は国内市況を反映して決定されます。国際市況と国内市況とのギャップやタイムラグが生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります(注)。石油化学製品の価格については、国際市況であるナフサ価格や為替レートの変動、世界的な需要動向等の影響を受ける可能性があります。また、原油価格の下落により、棚卸資産の期末における正味売却価額が帳簿価額よりも低下し、棚卸資産の収益性が低下したと判断する場合があります。この場合、棚卸資産の収益性の低下を反映するために計上した評価損が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは原油及び石油製品の輸出入に係る価格変動のリスクをヘッジすることを目的としてデリバティブ取引を利用しています。具体的な取組については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 金融商品関係」をご参照ください。世界的な保護主義政策やインフレによって資材調達、輸送等のコストが変動し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループはパートナーとの提携や、在庫の適正化等の施策を講じてリスクの低減に取り組んでおります。資材価格の変動に関して、風力発電設備の工事におけるリードタイムは数年あるため、その間に鋼材や労務費等の上昇が発生した場合、建設費用が増加する可能性があります。また、海外からの資機材搬入の遅延等さまざまな要因により、工事が遅延する可能性があります。建設費増加または工事遅延が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループではパートナーとの提携等により、これらのリスクの低減に努めております。 (注)2026年5月12日に公表した2027年3月期通期連結業績予想の経常利益へ与える原油価格変動、為替変動の感応度を測定しております。2026年4月~2027年3月の前提条件は原油価格89ドル/バレル、為替155円/ドルとしており、前提より原油価格+1ドル/バレル当たりの影響額及び為替+1円/ドル当たりの影響額は以下のとおりです。 (自然災害)自然災害の発生時には、当社グループの設備が被害を受け巨額の損失を被るほか、何らかの要因で操業が停止する可能性があります。そのため、当社グループでは巨大地震等の自然災害を想定し、その影響を最小限に抑えるため、非常用電源設置、耐震改修、BCP(事業継続計画)マニュアル整備等を行っています。2025年10月に南海トラフ巨大地震を想定したBCP訓練を当社、コスモ石油㈱、コスモ石油マーケティング㈱の3社合同で行いました。初動対応から被災地へ向けた石油製品の供給・販売方針の策定に重点を置き、災害情報を視覚的に表示するダッシュボードシステム等を活用しオンラインでの情報連携や共有を行う等、より実践的な訓練とすることで、BCPの実効性や課題を確認しました。さらに2025年11月には、首都直下地震により当社グループの本社機能が麻痺した状態を想定し、臨時危機対策本部をコスモ石油㈱堺製油所及びコスモ石油マーケティング㈱大阪オフィスに設置し、災害対応に関する意思決定の権限を委譲した前提のBCP訓練を実施しました。訓練を通じて抽出されたBCPの体制や訓練運営上の課題に対して、対策を進めております。 (環境規制・気候変動対策の強化に伴うポートフォリオ・戦略投資への影響)エネルギー政策や規制変更等により気候変動対策が急激に強化され、ポートフォリオ転換・戦略投資の判断に影響を及ぼす可能性があります。風力発電事業では、開発段階において各種許認可の取得に加え、風況観測及び環境アセスメントが必要となるため、建設工事着工前から一定程度の先行的な投資が発生します。開発段階で事業化を断念しなければならない事象が発生し、投資額が回収できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、資材、建設費等の高騰、競争の激化等から、収益性が低下する可能性があります。これらのリスクに対し、当社グループでは事業候補地におけるフィージビリティスタディ等を実施し、リスク低減に取り組んでおります。なお、当社グループにおける気候変動に関するリスク及び取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動への対応」をご参照ください。 [カテゴリ:戦略](脱炭素化の進展による石油需要の減少・事業資産への影響)当社グループの売上高のうち主要な部分を占めるガソリン・灯油・軽油は、一般消費者の需要動向の影響を強く受け、ナフサは石油化学業界の需要動向に影響されます。燃料油の国内需要は、少子高齢化や人口減少、自動車ハイブリッド化等による燃費改善や燃料転換等の構造的要因から減少傾向が継続するものと想定しております。また、油価の下落、産油国の政策変更による供給先変更及び国内のみならず海外も含めた経済や政治の動向等で石油及び石油化学製品の需要が変動した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは、需要減少に備え国内販路の確保や需要構造の変化に対応した生産体制の構築等に取り組んでおります。また、新たな取組としては、日本初の国産SAF(持続可能な航空燃料。カーボンニュートラル燃料に関するリスクについては(カーボンニュートラル燃料への対応遅れ)に記載)の大規模生産、グリーン電力販売の拡大、蓄電事業の実証の着実な推進、水素事業の推進等に取り組んでおります。 (カーボンニュートラル燃料への対応遅れ)カーボンニュートラル燃料は、既存の石油製品サプライチェーンの活用が可能であること等から脱炭素社会の実現へ向け期待は大きくなっています。一方で、現状では生産効率やコスト等が課題であり、普及に向けて技術開発に取り組む必要があります。脱炭素社会が到来し、カーボンニュートラル燃料が主流となった環境において、技術開発の失敗等によりカーボンニュートラル燃料を扱えない場合には製品の供給が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、脱炭素社会に向けた様々な技術開発・検討を行っており、リスク低減に取り組んでおります。 (労働市場の変化による人材確保・育成の困難化)近年、労働人口が減少する中で有能な人材の確保をめぐる競争は激化しています。在籍している社員の流出防止や、経営戦略の推進に必要な人材の確保・育成ができない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。そのため、当社グループは、事業成長の源泉及び組織活力の維持を担う人材の継続的な確保と育成に努めています。既存・新規事業の両面で多様性かつ専門性を持った人材の確保・育成に対応するため、処遇制度の見直し、自律的キャリア形成強化、人材育成への投資強化、 女性・キャリア採用強化に取り組んでおります。具体的には、自己啓発制度の拡充、経営人材・女性社員・事業部門の育成強化、採用手法の多様化等を実施しています。これら当社グループの取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」をご参照ください。 [カテゴリ:業務](情報セキュリティ)サイバー攻撃によって、事業活動の混乱、秘密情報の喪失、個人情報の漏洩等が発生する可能性があり、近年そのリスクは高まっております。個人情報を含む秘密情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクが顕在化した場合には、事業運営に支障をきたす恐れがあるほか、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージが低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループではランサムウエアへの対応手順の整備、ウイルス対策や個人情報保護等の対策強化を実施しております。さらに、顧客情報を含む機密情報の管理、取扱いにつきましては、社内体制、社内規程等を整備し、外部への委託先に対して監督管理を実施しております。 (生産設備における事故、不具合・故障)設備の老朽化や人為的なミスを原因とする事故や労働災害によって、製油所、物流基地及び油槽所等の操業が停止する可能性があります。また、製油所、物流基地及び油槽所等以外でも給油所、タンカー及びローリーでの事故で事業運営に支障をきたす場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、事故を未然に防止するために、OMS(注1)の仕組みを強化、千葉製油所・四日市製油所のスーパー認定に続き堺製油所のA認定(注2)を取得しました。加えて、APMの導入範囲拡大やデジタルツイン構築、各種データ連携、VRデータ整備等DX強化に取り組むことで、トラブルの低減及び更なる稼働率の向上を目指しております。(注1)OMS(Operations Management System):「あるべき姿(世界トップレベルの安全安定操業)」と現状のギャップを洗い出し、「規則・マニュアル化」、「教育・訓練」、「定着・実践」、「継続的改善」を繰り返すことで、「あるべき姿」を目指す操業マネジメントシステム。(注2)A認定:認定高度保安実施者制度。従来のスーパー認定制度に、テクノロジー活用やサイバーセキュリティの要件等が追加された高圧ガス保安法における認定制度。 (品質不正)当社グループは、日々製品・サービスの品質管理体制の強化に努めておりますが、(出荷後に)品質に関する問題が発覚し、広域にわたり製品回収を行うことにより多額の損失を被るだけでなく、顧客からの信頼喪失やブランドイメージの低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおいて、過去に一部製品における不適正な検査が顕在化した事案を踏まえ、教育の徹底、試験法管理の見直し、監査の強化等の対策を継続して実施し、リスク低減に取り組んでおります。 [カテゴリ:コンプライアンス](内部統制不備による不正/不適切行為の発生)当社グループが構築した内部統制システムが有効に機能せず、コンプライアンス違反等が発生した場合、当該違反による事業の停止や、ステークホルダーからの信頼を失い、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは、当社グループ全社員を対象とした企業倫理人権研修の継続的な実施をはじめ、法令等の遵守のために財務報告に係る内部統制を含む、有効な内部統制システムの整備、運用及び強化を図っております。また、内部通報制度について、周知並びに教育の強化を引き続き実施いたしました。