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三菱マテリアル(5711)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

非鉄金属 鉄鋼・非鉄

事業の概要

  • 金属事業
    銅、金、銀、鉛、錫、パラジウムといった非鉄金属の製錬と販売が主要な収益源です。子会社を通じて製錬業を営むほか、家電リサイクル事業も手掛けており、資源の有効活用にも貢献しています。
  • 高機能製品事業
    銅加工品、機能材料、電子デバイスの製造・販売が中心です。特に、子会社が製造する化成品やシール部品なども含め、幅広い産業分野に貢献する高付加価値製品を提供しています。
  • 加工事業
    超硬製品の製造・販売が主な事業内容です。日本国内外の子会社を通じて、切削工具などに使われる超硬製品を提供しており、製造業の基盤を支える重要な役割を担っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 金属事業
    銅、金、銀、鉛、錫、パラジウムなどの製錬・販売が中心で、売上高は1兆2022.72億円とグループ最大の稼ぎ頭です。子会社による製錬や家電リサイクルも含まれ、資源循環を推進する重要な事業領域です。
  • 高機能製品事業
    銅加工品、機能材料、電子デバイスの製造・販売を手掛けており、売上高は4919.14億円です。幅広い産業に貢献する高付加価値製品を提供し、グループの技術力を支える事業です。
  • 加工事業
    超硬製品の製造・販売が主な事業で、売上高は1442.21億円です。国内外の子会社を通じて、切削工具などに使われる製品を提供しており、製造業の生産性向上に貢献しています。
  • 再生可能エネルギー事業
    地熱・水力発電事業などを営んでおり、売上高は83.36億円です。脱炭素社会への貢献を目指し、環境に配慮したエネルギー供給を通じて、将来的な成長が期待される事業領域です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Metals 事業 12,023 − −
AdvancedProducts 事業 4,919 − −
MetalWorkingSolutions 事業 1,442 − −
RenewableEnergy 事業 83 − −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|946 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社、子会社113社及び関連会社24社で構成され、銅・金・銀・鉛・錫・パラジウム等の製錬・販売、環境リサイクル関連、銅加工品・電子材料等の製造・販売、超硬製品等の製造・販売、再生可能エネルギー関連の事業等を主に営んでおります。 当社グループの事業に係る位置づけは次のとおりであります。 金属事業 …… 当社が銅・金・銀・鉛・錫・パラジウム等の製錬・販売をしているほか、子会社小名浜製錬㈱、細倉金属鉱業㈱及び関連会社インドネシア・カパー・スメルティング社が製錬業を営んでおります。また当社による家電リサイクル事業の企画、立案のもと、子会社東日本リサイクルシステムズ㈱にて家電リサイクルを営んでおります。高機能製品 …… 当社及び子会社ルバタ社の子会社が銅加工品を製造・販売しております。 当社が機能材料・電子デバイスを製造・販売しているほか、子会社三菱マテリアル電子化成㈱が化成品を製造し当社が販売しております。また、子会社三菱電線工業㈱がシール部品等製品の製造・販売及び銅製品の仕入・販売をしております。加工事業 …… 当社及び子会社㈱MOLDINO、日本新金属㈱、エイチ・シー・スタルク・ホールディング社の子会社が超硬製品を製造・販売しております。また、子会社米国三菱マテリアル社及び三菱マテリアルツールズヨーロッパ社が超硬製品等を販売しております。再生可能エネルギー事業 …… 当社及び子会社安比地熱㈱、関連会社湯沢地熱㈱が地熱・水力発電事業等を営んでおります。その他の事業 セメント事業 …… 関連会社UBE三菱セメント㈱がセメント事業及びその関連事業等を営んでおります。 エンジニアリング …… 当社及び当社の関係会社の土木・建設・営繕等の工事を子会社三菱マテリアルテクノ㈱が請負っております。 その他 …… 当社及び当社の関係会社への資材・機械設備の供給及び当社製商品等の販売を、子会社三菱マテリアルトレーディング㈱が営んでおります。 以上述べた事項の概要図は次葉のとおりであります。 (注)エイチ・シー・スタルク・ホールディング社は、欧州地域における資源循環事業の統括会社である三菱マテリアルヨーロッパ社(当社の100%子会社)の子会社であります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
高度なリサイクル技術や環境配慮型製品の開発により、一定の価格決定力を持つ。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
銅・金・銀等の製錬・リサイクル技術、超硬製品製造技術、高機能銅合金開発技術。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:資源循環の推進不足による成長機会逸失 / 地球環境問題対応の強化不足による業績影響 / 人的資本の強化不足による人材確保困難
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

三菱マテリアルは、長年の歴史と実績に裏打ちされた「三菱」ブランドの信用力を持つ。また、一部の特殊金属や加工技術に関する特許を保有しているが、その競争優位性は限定的と見られる。具体的な特許ポートフォリオの強さや、ブランドロイヤリティの高さを示す定量的な情報は少ない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客は特定の用途や品質要求を満たすために、三菱マテリアルの製品を継続して使用する傾向がある。特に、半導体材料や高機能素材分野では、仕様変更に伴うリスクやコストから、顧客の乗り換えは容易ではない。しかし、汎用性の高い金属製品においては、価格競争力のある競合他社への乗り換えも十分に考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

非鉄金属の製造・販売事業は、基本的に個別の取引であり、プラットフォーム型のようなネットワーク効果は発生しない。製品の利用者が増えることで、製品自体の価値が向上するような構造は見られない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の操業で培われた生産ノウハウや、一部の原材料調達における規模の経済性がコスト優位に寄与する可能性がある。しかし、非鉄金属業界は資源価格の変動やグローバルな競争に晒されており、構造的なコスト優位性を確立しているとは言い難い。特に、リサイクル事業の効率化は進んでいるものの、絶対的なコストリーダーシップは確立されていない。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

非鉄金属業界において、三菱マテリアルは銅、アルミニウム、セメントなど多岐にわたる事業を展開しており、業界内でも有数の規模を誇る。特に、銅製錬やセメント事業においては、大規模な設備投資と操業実績により、一定の効率規模の経済性を享受している。この規模は、新規参入障壁や、グローバルな調達・販売網の構築において有利に働く。

  • 高度なリサイクル技術
    E-Scrap(電子機器廃棄物)、家電、超硬工具などから金属資源を回収する高度なリサイクル技術が強みです。これにより、限りある資源の有効活用と環境負荷低減に貢献し、資源循環型社会への移行を推進しています。
  • 多角的な事業展開
    金属製錬から高機能製品、加工事業、再生可能エネルギーまで、幅広い事業領域を持つことで、特定の市場変動リスクを分散し、安定的な収益基盤を構築しています。特に地熱・水力発電事業は、脱炭素社会への貢献と新たな収益源の確保に繋がっています。
  • グローバルな事業ネットワーク
    国内外に多数の子会社や関連会社を持ち、広範な事業ネットワークを構築しています。これにより、原材料の安定調達や製品のグローバルな供給体制を確立し、国際競争力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において判断したものであります。 <中期経営戦略> 今後の世界経済は、関税政策をはじめとする米国の政策動向や中東情勢の影響等により、不透明感が高まり、景気の下振れや資本市場の変動等が懸念されます。日本経済についても、世界経済の動向に加えて、物価上昇の継続を通じた個人消費マインドへの影響による景気の下押しリスクが懸念されます。当社グループを取り巻く事業環境につきましても、為替の変動、買鉱条件(TC/RC)の低下や自動車及び半導体関連の需要動向の変化等、厳しい環境が続くことが見込まれます。 こうしたなか、当社グループは、企業価値の向上に向けて、2026年度以降を対象とする中期経営戦略(2026~2028年度)(以下、「中経」といいます。)に基づく諸施策を実行してまいります。 中経においては、「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」ことを私たちの目指す姿としております。中経の概要は以下のとおりです。 ①基本方針 当社グループは、「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」を基本方針として掲げます。「未来を創る企業」とは現状の延長線上での成長を目指すのではなく、私たち自身が変革し、社会や産業の持続可能性を支える存在になるという強い決意を示しています。資源循環ビジネスを通じ、限りある資源を最大限に活用、廃棄物を新たな価値へと転換することで、環境負荷の低減と経済的価値の両立を目指します。 中経の成長戦略と重要施策は以下3点です。 第1に、資源循環ビジネスのグローバル展開です。従来日本の製錬所を中心に展開してきた製錬・資源循環ビジネスを、今後は欧米での二次原料製錬所の新設等により、グローバルに拡大します。また、タングステン、超硬製品、及び高機能製品ビジネスのグローバル展開を加速します。 第2に、E-Scrap等の二次原料製錬の拡大とタングステンリサイクル率の向上です。E-Scrap処理量を2035年度までに倍増、タングステン製造拠点でのリサイクル原料比率を2030年度までに100%とすることを目標とします。 第3に、銅精鉱の共同買鉱です。銅精鉱の他社との共同買鉱により銅精鉱製錬の国際競争力強化を図ります。 ②事業機会と当社の競争優位 銅精鉱の買鉱条件(TC/RC)は低位推移が見込まれる中、収益性の高いE-Scrapへのシフトは当社の成長に不可欠です。また、銅の需要は脱炭素化等の進展により更なる増加が予測される一方、銅精鉱の供給量には限界があり、E-Scrap等の二次原料の重要性が高まっています。E-Scrapの発生量は世界的に増加傾向、特に欧米では発生量が処理量を継続的に上回ると予測されます。当社は世界トップクラスのE-Scrap集荷・処理能力や家電リサイクルから伸銅品までのバリューチェーンを保有している強みを活かし、E-Scrapの集荷・処理をグローバルに展開、2035年度までに処理量の倍増を目指します。 レアメタルであるタングステンは次世代電池等での需要増が見込まれる一方、一次原料の埋蔵地域は偏在しています。当社グループは、2024年度に独エイチ・シー・スタルク・ホールディング社を買収したことにより、世界最大のスクラップ処理能力を有しています。タングステン製造拠点におけるリサイクル原料比率を2030年度までに100%まで引き上げるとともに収益力の向上を図ります。 ③財務目標 2028年度の財務目標は、抜本的構造改革の効果等を織り込み、ROE8%以上、ROIC7%以上、ネットD/Eレシオ0.5倍以下、ネット有利子負債/EBITDA倍率3.5倍以下とします。長期(2029年度以降)では、二次原料製錬の収益貢献本格化等により、ROE10%以上を目指します。なお、ROICは、成長投資の実行段階において一時停滞することも想定し、当社算定のWACC約5%を上回る7%以上を長期目標としています。 ④事業戦略・マテリアル領域(製錬・資源循環)銅の資源循環では、二次原料製錬への転換を進め、収益性の向上を図ります。銅精鉱処理量は2025年度比で60~70%に減少させる方向で検討する一方、E-Scrapの集荷量及び処理量は2035年度に倍増を目指します。資源循環ループを自ら構築・拡大し、トレーサビリティを確保したリサイクル電気銅やリサイクル伸銅品の安定供給を実現します。グローバル展開に向けた具体策として、集荷面ではサンプリング・分析技術の強化やリサイクラーとの協業を推進します。日本ではE-Scrap処理量拡大のための設備投資を進め、銅精鉱処理量に対するE-Scrap比率最大化に向けた技術開発を加速します。欧州では三菱マテリアルヨーロッパ社で二次原料製錬所の新設を検討し、米国ではExurbanプロジェクトを推進しています。さらに、日本で確立した資源循環スキームやネットワークを海外にも展開し、グローバルでの資源循環ループ構築を目指します。 ・マテリアル領域(伸銅品)資源循環ループにおける顧客との接点として重要な役割を担います。顧客発生スクラップの循環利用を推進し、合金リサイクル技術の高度化を目指します。さらに、付加価値の高い銅合金の開発や、データセンター向けなど新分野の開拓を進めます。 ・マテリアル領域(タングステン)エイチ・シー・スタルク・ホールディング社において、リサイクル量を1.5倍に拡大する設備投資や、米国内リサイクル拠点の新設を検討しています。集荷面では、E-Scrap集荷ルートの活用や、超硬製品事業での使用済み製品の回収強化を図ります。2030年度までに、欧州・米国・アジア・日本でリサイクル率100%体制を目指します。また、超硬製品向けの安定供給とあわせ、電子部品向けタングステン粉など高付加価値製品の拡販を推進します。 ・プロダクト領域(超硬製品)タングステンの資源循環に向けて、各国の販売会社で使用済み製品の回収を強化します。抜本的構造改革として、生産体制の最適化による固定費圧縮を図ります。販売面では、航空・宇宙・医療・半導体分野に、より高付加価値な製品とソリューションの提供を進めます。地域戦略としては、インドを起点とした拡販を推進します。 ・プロダクト領域(高機能製品)事業内ポートフォリオの組み換えによる資本効率の最適化を実行します。半導体、xEV、ヘルスケア領域への高付加価値な製品とソリューションの提供、事業内横断の開発推進などにより、収益性と資本効率の向上を目指します。 ・資源事業銅精鉱の安定調達や既存権益の収益性向上に努めます。マントベルデ銅鉱山では、プラント処理能力の拡張計画を進めており、当社銅鉱石処理量に対して持分銅量比率を拡大することで、低TC/RCによる減益影響の緩和を図ります。また、コバルト、スカンジウム等の副産有価元素の回収技術開発にも取り組んでいます。 ・再生可能エネルギー事業脱炭素社会の実現に向けて、自社消費電力量相当の発電量達成を長期的な目標とし、地熱を中心に新規開発地点の開拓を進めます。 ・経営基盤強化人事戦略:資源循環ビジネスのグローバル展開に対応した人材の採用・育成・配置を戦略的に実現します。抜本的構造改革を進める中で、生産性と資本効率を高める変革を推進できる人材を後押しし、当社グループ全体の共創と成長を生み出す基盤づくりを進めます。 開発戦略:サーキュラーエコノミー、GHG削減分野において、新規事業や新技術の創出を目指します。 生産技術開発:競争力を高め、継続的なイノベーションを支援するために、ものづくり力、エンジニアリング力の強化を図ります。 デジタル戦略:グローバル標準のIT基盤やセキュリティ強化、AI活用の加速により資源循環ビジネスの拡大に貢献します。 ⑤キャピタルアロケーション 2026年度から2028年度の累計で約5,000億円のキャッシュインを見込んでいます。財務規律を維持しつつ、二次原料製錬等、資源循環ビジネスのマテリアル領域を中心とした成長投資を優先的に実施します。 株主還元については、安定的な配当の継続を重視し、DOE2.5%を目途に配当を実施する方針といたします。なお、自己株式取得については、キャッシュ・フローの状況、株価及び財務規律を踏まえ、機動的な実施を検討してまいります。 (ご参考)中期経営戦略(2026~2028年度)期間における株主還元方針 当社は現在、中期経営戦略(2026~2028年度)に基づき、事業の収益力を高めるための抜本的構造改革を進めています。具体的には銅精鉱処理の縮小や二次原料製錬への転換、生産体制や事業ポートフォリオの最適化、ならびに欧州・米国・アジアを中心としたリサイクル原料の集荷体制の構築等に取り組んでいます。これらの取り組みを通じて、投下資本の削減と収益性の改善、財務体質の強化を図るとともに、将来の成長に向けた投資を優先的に進める経営フェーズにあります。 当社は、定款に基づき取締役会決議により剰余金の配当等を行うこととしております。また、当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要目的の一つであるという認識のもと、利益配分については、期間収益、内部留保、財務体質等の経営全般にわたる諸要素を総合的に判断の上、決定する方針としております。 このため、中期経営戦略(2026~2028年度)期間中の利益配分については、安定的な配当の継続を重視し、DOE2.5%を目途に利益還元を行う方針としています。なお、自己株式取得については、キャッシュ・フローの状況、株価及び財務規律を踏まえ、引き続き機動的に行うことを検討してまいります。 <重要課題(マテリアリティ)>当社グループは、社会全体の持続可能性(サステナビリティ)が企業活動の将来に重大な影響を与えるとの認識に立ち、企業活動を通じて解決していく重要な社会課題のうち、重要度の高いものをマテリアリティとして特定しています。また、マテリアリティは、経営環境や事業構造の変化を適時適切に捉えて必要な対応を図るべく、継続的な見直しを行っています。2026年度より開始した中経において、当社グループは「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」を基本方針に掲げています。資源循環ビジネスを通じて、限りある資源を最大限に活用するとともに、廃棄物を新たな価値へと転換することで、環境負荷の低減と経済的価値の両立を図ります。中期経営戦略の検討とあわせて実施した今回のマテリアリティの見直しにあたっては、当社グループの事業活動が環境や社会に与える影響(インパクトマテリアリティ)と、環境や社会に関する課題が当社グループに与える財務的な影響(財務マテリアリティ)の両面から評価を行いました。あわせて、その結果を事業戦略の方向性とも照らし合わせることで、社会課題への対応と企業価値向上の両立を意識しつつ、総合的に重要性を判断しました。 ●資源循環の推進 資源循環ビジネスが中核事業として推進段階にあることを踏まえ、重点テーマをより具体的な事業活動に即した内容へ見直しました。具体的には「二次原料製錬の拡大(グローバル展開)」及び「タングステンリサイクル率の向上」を設定し、資源循環ビジネスの中核となる取り組みを明確化しています。 ●人的資本の強化 労働力不足対応や働きやすさといった課題対応型の整理から、人的資本を競争力・価値創出の源泉として捉え直し、「戦略的人材の採用・育成・配置」、「生産性と資本効率を高める変革」、「共創と成長を生み出す基盤づくり」を重点テーマとし、人材施策を事業変革・成長を支える観点で再整理しています。 ●高付加価値製品・ソリューション提供/開発・生産技術力の強化 見直し前のマテリアリティ「価値創造の追求」で包括的に整理していた内容を再編し、顧客に提供する価値や収益機会の創出に関わる要素を「高付加価値製品・ソリューション提供」として整理しました。あわせて、それを支える基盤技術や新技術に関わる要素を「開発・生産技術力の強化」に統合し、取り組みの対応関係を明確にしています。 ●デジタル戦略の強化 これまで別々に設定していた「DXの深化」と「情報セキュリティの強化」を再整理しました。「AI・デジタルツール活用によるビジネスモデル変革」と「IT・OTセキュリティとレジリエンスの強化」をそれぞれ重点テーマとして設定し、取り組みを推進しています。 有価証券報告書提出日時点のマテリアリティ及び重点テーマは次のとおりです。 マテリアリティ重要テーマ資源循環の推進二次原料製錬の拡大(グローバル展開)タングステンリサイクル率の向上人的資本の強化戦略的人材の採用・育成・配置生産性と資本効率を高める変革共創と成長を生み出す基盤づくり地球環境問題への対応強化カーボンニュートラル実現に向けた取り組み強化再生可能エネルギーの開発・利用促進高付加価値製品・ソリューション提供新たなマテリアルの創出マーケティング力、販売力の強化開発・生産技術力の強化基盤技術の強化新規事業・新技術の創出ものづくり力・エンジニアリング力の強化デジタル戦略の強化AI・デジタルツール活用によるビジネスモデル変革IT・OTセキュリティとレジリエンスの強化SCQ(※)課題への対応強化※Safety & Health(安全・健康最優先)、Compliance & Environment(法令遵守、公正な活動、環境保全)、Quality(『顧客』に提供する製品・サービス等の品質)労働災害の未然防止パンデミックや自然災害への対応コンプライアンスの徹底グループガバナンスによる内部統制の拡充有害物質の敷地外漏洩防止、環境法令違反撲滅規格外品を発生させないための仕組みの構築と実行
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において判断したものであります。 <中期経営戦略> 今後の世界経済は、関税政策をはじめとする米国の政策動向や中東情勢の影響等により、不透明感が高まり、景気の下振れや資本市場の変動等が懸念されます。日本経済についても、世界経済の動向に加えて、物価上昇の継続を通じた個人消費マインドへの影響による景気の下押しリスクが懸念されます。当社グループを取り巻く事業環境につきましても、為替の変動、買鉱条件(TC/RC)の低下や自動車及び半導体関連の需要動向の変化等、厳しい環境が続くことが見込まれます。 こうしたなか、当社グループは、企業価値の向上に向けて、2026年度以降を対象とする中期経営戦略(2026~2028年度)(以下、「中経」といいます。)に基づく諸施策を実行してまいります。 中経においては、「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」ことを私たちの目指す姿としております。中経の概要は以下のとおりです。 ①基本方針 当社グループは、「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」を基本方針として掲げます。「未来を創る企業」とは現状の延長線上での成長を目指すのではなく、私たち自身が変革し、社会や産業の持続可能性を支える存在になるという強い決意を示しています。資源循環ビジネスを通じ、限りある資源を最大限に活用、廃棄物を新たな価値へと転換することで、環境負荷の低減と経済的価値の両立を目指します。 中経の成長戦略と重要施策は以下3点です。 第1に、資源循環ビジネスのグローバル展開です。従来日本の製錬所を中心に展開してきた製錬・資源循環ビジネスを、今後は欧米での二次原料製錬所の新設等により、グローバルに拡大します。また、タングステン、超硬製品、及び高機能製品ビジネスのグローバル展開を加速します。 第2に、E-Scrap等の二次原料製錬の拡大とタングステンリサイクル率の向上です。E-Scrap処理量を2035年度までに倍増、タングステン製造拠点でのリサイクル原料比率を2030年度までに100%とすることを目標とします。 第3に、銅精鉱の共同買鉱です。銅精鉱の他社との共同買鉱により銅精鉱製錬の国際競争力強化を図ります。 ②事業機会と当社の競争優位 銅精鉱の買鉱条件(TC/RC)は低位推移が見込まれる中、収益性の高いE-Scrapへのシフトは当社の成長に不可欠です。また、銅の需要は脱炭素化等の進展により更なる増加が予測される一方、銅精鉱の供給量には限界があり、E-Scrap等の二次原料の重要性が高まっています。E-Scrapの発生量は世界的に増加傾向、特に欧米では発生量が処理量を継続的に上回ると予測されます。当社は世界トップクラスのE-Scrap集荷・処理能力や家電リサイクルから伸銅品までのバリューチェーンを保有している強みを活かし、E-Scrapの集荷・処理をグローバルに展開、2035年度までに処理量の倍増を目指します。 レアメタルであるタングステンは次世代電池等での需要増が見込まれる一方、一次原料の埋蔵地域は偏在しています。当社グループは、2024年度に独エイチ・シー・スタルク・ホールディング社を買収したことにより、世界最大のスクラップ処理能力を有しています。タングステン製造拠点におけるリサイクル原料比率を2030年度までに100%まで引き上げるとともに収益力の向上を図ります。 ③財務目標 2028年度の財務目標は、抜本的構造改革の効果等を織り込み、ROE8%以上、ROIC7%以上、ネットD/Eレシオ0.5倍以下、ネット有利子負債/EBITDA倍率3.5倍以下とします。長期(2029年度以降)では、二次原料製錬の収益貢献本格化等により、ROE10%以上を目指します。なお、ROICは、成長投資の実行段階において一時停滞することも想定し、当社算定のWACC約5%を上回る7%以上を長期目標としています。 ④事業戦略・マテリアル領域(製錬・資源循環)銅の資源循環では、二次原料製錬への転換を進め、収益性の向上を図ります。銅精鉱処理量は2025年度比で60~70%に減少させる方向で検討する一方、E-Scrapの集荷量及び処理量は2035年度に倍増を目指します。資源循環ループを自ら構築・拡大し、トレーサビリティを確保したリサイクル電気銅やリサイクル伸銅品の安定供給を実現します。グローバル展開に向けた具体策として、集荷面ではサンプリング・分析技術の強化やリサイクラーとの協業を推進します。日本ではE-Scrap処理量拡大のための設備投資を進め、銅精鉱処理量に対するE-Scrap比率最大化に向けた技術開発を加速します。欧州では三菱マテリアルヨーロッパ社で二次原料製錬所の新設を検討し、米国ではExurbanプロジェクトを推進しています。さらに、日本で確立した資源循環スキームやネットワークを海外にも展開し、グローバルでの資源循環ループ構築を目指します。 ・マテリアル領域(伸銅品)資源循環ループにおける顧客との接点として重要な役割を担います。顧客発生スクラップの循環利用を推進し、合金リサイクル技術の高度化を目指します。さらに、付加価値の高い銅合金の開発や、データセンター向けなど新分野の開拓を進めます。 ・マテリアル領域(タングステン)エイチ・シー・スタルク・ホールディング社において、リサイクル量を1.5倍に拡大する設備投資や、米国内リサイクル拠点の新設を検討しています。集荷面では、E-Scrap集荷ルートの活用や、超硬製品事業での使用済み製品の回収強化を図ります。2030年度までに、欧州・米国・アジア・日本でリサイクル率100%体制を目指します。また、超硬製品向けの安定供給とあわせ、電子部品向けタングステン粉など高付加価値製品の拡販を推進します。 ・プロダクト領域(超硬製品)タングステンの資源循環に向けて、各国の販売会社で使用済み製品の回収を強化します。抜本的構造改革として、生産体制の最適化による固定費圧縮を図ります。販売面では、航空・宇宙・医療・半導体分野に、より高付加価値な製品とソリューションの提供を進めます。地域戦略としては、インドを起点とした拡販を推進します。 ・プロダクト領域(高機能製品)事業内ポートフォリオの組み換えによる資本効率の最適化を実行します。半導体、xEV、ヘルスケア領域への高付加価値な製品とソリューションの提供、事業内横断の開発推進などにより、収益性と資本効率の向上を目指します。 ・資源事業銅精鉱の安定調達や既存権益の収益性向上に努めます。マントベルデ銅鉱山では、プラント処理能力の拡張計画を進めており、当社銅鉱石処理量に対して持分銅量比率を拡大することで、低TC/RCによる減益影響の緩和を図ります。また、コバルト、スカンジウム等の副産有価元素の回収技術開発にも取り組んでいます。 ・再生可能エネルギー事業脱炭素社会の実現に向けて、自社消費電力量相当の発電量達成を長期的な目標とし、地熱を中心に新規開発地点の開拓を進めます。 ・経営基盤強化人事戦略:資源循環ビジネスのグローバル展開に対応した人材の採用・育成・配置を戦略的に実現します。抜本的構造改革を進める中で、生産性と資本効率を高める変革を推進できる人材を後押しし、当社グループ全体の共創と成長を生み出す基盤づくりを進めます。 開発戦略:サーキュラーエコノミー、GHG削減分野において、新規事業や新技術の創出を目指します。 生産技術開発:競争力を高め、継続的なイノベーションを支援するために、ものづくり力、エンジニアリング力の強化を図ります。 デジタル戦略:グローバル標準のIT基盤やセキュリティ強化、AI活用の加速により資源循環ビジネスの拡大に貢献します。 ⑤キャピタルアロケーション 2026年度から2028年度の累計で約5,000億円のキャッシュインを見込んでいます。財務規律を維持しつつ、二次原料製錬等、資源循環ビジネスのマテリアル領域を中心とした成長投資を優先的に実施します。 株主還元については、安定的な配当の継続を重視し、DOE2.5%を目途に配当を実施する方針といたします。なお、自己株式取得については、キャッシュ・フローの状況、株価及び財務規律を踏まえ、機動的な実施を検討してまいります。 (ご参考)中期経営戦略(2026~2028年度)期間における株主還元方針 当社は現在、中期経営戦略(2026~2028年度)に基づき、事業の収益力を高めるための抜本的構造改革を進めています。具体的には銅精鉱処理の縮小や二次原料製錬への転換、生産体制や事業ポートフォリオの最適化、ならびに欧州・米国・アジアを中心としたリサイクル原料の集荷体制の構築等に取り組んでいます。これらの取り組みを通じて、投下資本の削減と収益性の改善、財務体質の強化を図るとともに、将来の成長に向けた投資を優先的に進める経営フェーズにあります。 当社は、定款に基づき取締役会決議により剰余金の配当等を行うこととしております。また、当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要目的の一つであるという認識のもと、利益配分については、期間収益、内部留保、財務体質等の経営全般にわたる諸要素を総合的に判断の上、決定する方針としております。 このため、中期経営戦略(2026~2028年度)期間中の利益配分については、安定的な配当の継続を重視し、DOE2.5%を目途に利益還元を行う方針としています。なお、自己株式取得については、キャッシュ・フローの状況、株価及び財務規律を踏まえ、引き続き機動的に行うことを検討してまいります。 <重要課題(マテリアリティ)>当社グループは、社会全体の持続可能性(サステナビリティ)が企業活動の将来に重大な影響を与えるとの認識に立ち、企業活動を通じて解決していく重要な社会課題のうち、重要度の高いものをマテリアリティとして特定しています。また、マテリアリティは、経営環境や事業構造の変化を適時適切に捉えて必要な対応を図るべく、継続的な見直しを行っています。2026年度より開始した中経において、当社グループは「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」を基本方針に掲げています。資源循環ビジネスを通じて、限りある資源を最大限に活用するとともに、廃棄物を新たな価値へと転換することで、環境負荷の低減と経済的価値の両立を図ります。中期経営戦略の検討とあわせて実施した今回のマテリアリティの見直しにあたっては、当社グループの事業活動が環境や社会に与える影響(インパクトマテリアリティ)と、環境や社会に関する課題が当社グループに与える財務的な影響(財務マテリアリティ)の両面から評価を行いました。あわせて、その結果を事業戦略の方向性とも照らし合わせることで、社会課題への対応と企業価値向上の両立を意識しつつ、総合的に重要性を判断しました。 ●資源循環の推進 資源循環ビジネスが中核事業として推進段階にあることを踏まえ、重点テーマをより具体的な事業活動に即した内容へ見直しました。具体的には「二次原料製錬の拡大(グローバル展開)」及び「タングステンリサイクル率の向上」を設定し、資源循環ビジネスの中核となる取り組みを明確化しています。 ●人的資本の強化 労働力不足対応や働きやすさといった課題対応型の整理から、人的資本を競争力・価値創出の源泉として捉え直し、「戦略的人材の採用・育成・配置」、「生産性と資本効率を高める変革」、「共創と成長を生み出す基盤づくり」を重点テーマとし、人材施策を事業変革・成長を支える観点で再整理しています。 ●高付加価値製品・ソリューション提供/開発・生産技術力の強化 見直し前のマテリアリティ「価値創造の追求」で包括的に整理していた内容を再編し、顧客に提供する価値や収益機会の創出に関わる要素を「高付加価値製品・ソリューション提供」として整理しました。あわせて、それを支える基盤技術や新技術に関わる要素を「開発・生産技術力の強化」に統合し、取り組みの対応関係を明確にしています。 ●デジタル戦略の強化 これまで別々に設定していた「DXの深化」と「情報セキュリティの強化」を再整理しました。「AI・デジタルツール活用によるビジネスモデル変革」と「IT・OTセキュリティとレジリエンスの強化」をそれぞれ重点テーマとして設定し、取り組みを推進しています。 有価証券報告書提出日時点のマテリアリティ及び重点テーマは次のとおりです。 マテリアリティ重要テーマ資源循環の推進二次原料製錬の拡大(グローバル展開)タングステンリサイクル率の向上人的資本の強化戦略的人材の採用・育成・配置生産性と資本効率を高める変革共創と成長を生み出す基盤づくり地球環境問題への対応強化カーボンニュートラル実現に向けた取り組み強化再生可能エネルギーの開発・利用促進高付加価値製品・ソリューション提供新たなマテリアルの創出マーケティング力、販売力の強化開発・生産技術力の強化基盤技術の強化新規事業・新技術の創出ものづくり力・エンジニアリング力の強化デジタル戦略の強化AI・デジタルツール活用によるビジネスモデル変革IT・OTセキュリティとレジリエンスの強化SCQ(※)課題への対応強化※Safety & Health(安全・健康最優先)、Compliance & Environment(法令遵守、公正な活動、環境保全)、Quality(『顧客』に提供する製品・サービス等の品質)労働災害の未然防止パンデミックや自然災害への対応コンプライアンスの徹底グループガバナンスによる内部統制の拡充有害物質の敷地外漏洩防止、環境法令違反撲滅規格外品を発生させないための仕組みの構築と実行
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】1.経営成績等の状況の概要(1) 経営成績 当連結会計年度における世界経済は、関税政策をはじめとする米国の政策動向や中東情勢の影響等により不透明感が高まるなかで、一部の地域においては景気回復に足踏みがみられるものの、緩やかな持ち直しが続きました。 日本経済は、物価上昇が継続するなかで個人消費マインドの弱含み等もみられましたが、緩やかな回復基調が継続しました。 当社グループを取り巻く事業環境につきましては、自動車関連の需要は緩やかな回復が見られたものの、半導体関連の需要はAI関連を除き低調に推移しました。また、前年度と比べて、銅や金等の価格が上昇した一方で、買鉱条件(TC/RC)の悪化による影響がありました。為替は、米国ドルが上半期は円高基調で、下半期は円安基調で推移しました。 このような状況のもと、当社グループは、量から質へ経営の転換を図り、収益性を向上させるべく抜本的構造改革を前倒しで進めてまいりました。 この結果、当連結会計年度は、連結売上高は1兆8,440億53百万円(前年度比6.0%減)、連結営業利益は605億2百万円(同63.0%増)となりました。連結経常利益は、為替差益を計上したことに加えて、持分法による投資利益及び鉱山からの受取配当金が増加したことなどから、975億56百万円(同62.0%増)となりました。また、前年度に計上した持分変動利益の剥落及び抜本的構造改革に伴う減損損失の計上等により、親会社株主に帰属する当期純利益は405億81百万円(同19.1%増)となりました。 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。 なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の報告セグメントごとの営業利益は、有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。 (金属事業) (単位:億円) 前期当期増減(増減率) 売上高14,33612,356△1,979(△13.8%) 営業利益23124210(4.8%) 経常利益411570158(38.6%) 金属事業は、金の生産量の減少等の影響により、前年度と比べて、売上高は減少しました。これに加えて、買鉱条件(TC/RC)の悪化があったものの、銅や金等の価格が上昇したことなどから、営業利益は増加しました。また、鉱山からの受取配当金の増加及び持分法による投資損益の改善等により、経常利益は増加しました。 (高機能製品) (単位:億円) 前期当期増減(増減率) 売上高5,1035,858754(14.8%) 営業利益56210153(272.6%) 経常利益31200169(536.6%) 高機能製品は、銅加工事業において、販売数量が増加したことに加えて、銅価格上昇の影響がありました。また、電子材料事業において、半導体関連製品の一部の需要は緩やかな回復基調が継続しているものの、化成品及びシール製品の販売が減少しました。 以上により、前年度と比べて、売上高、営業利益及び経常利益は増加しました。 (加工事業) (単位:億円) 前期当期増減(増減率) 売上高1,4882,347859(57.8%) 営業利益8816475(84.9%) 経常利益8514964(75.5%) 加工事業は、2024年12月にエイチ・シー・スタルク・ホールディング社を連結子会社化したことにより、前年度と比べて、売上高は増加しました。また、値上げ効果や超硬製品及びタングステン製品の販売増加等により、営業利益及び経常利益は増加しました。 (再生可能エネルギー事業) (単位:億円) 前期当期増減(増減率) 売上高8362△21(△25.5%) 営業利益2310△13(△55.9%) 経常利益268△18(△69.3%) 再生可能エネルギー事業は、2025年4月に発生した落雷により、安比地熱発電所が操業を停止していたことから、前年度と比べて、売上高及び営業利益は減少しました。これに加えて、持分法による投資利益が減少したことから、経常利益は減少しました。 (その他の事業) (単位:億円) 前期当期増減(増減率) 売上高1,5761,400△176(△11.2%) 営業利益5442△11(△21.9%) 経常利益185148△36(△19.9%) その他の事業は、合算で、前年度と比べて、売上高及び営業利益は減少しました。これに加えて、持分法による投資利益が減少したことから、経常利益は減少しました。 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度売上高(百万円)割合(%)売上高(百万円)割合(%)住友商事株式会社428,34921.8239,56513.0 (2) キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益及び非資金損益項目である減価償却費の計上、減損損失の調整、棚卸資産の増加等により、396億円の収入(前期比192億円の収入減少)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資による支出等により、350億円の支出(前期比443億円の支出減少)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、社債、コマーシャル・ペーパーによる調達等により232億円の収入(前期は132億円の支出)となりました。 以上により、換算差額等による増減を加えた結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、1,217億円(前期末比331億円の増加)となりました。(3) 生産、受注及び販売の実績 「(1) 経営成績」において、各事業のセグメント情報に関連付けて記載しております。 2.経営者の視点による財政状態、経営成績等の状況に関する分析・検討内容 当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において判断したものであります。(1) 当連結会計年度の経営成績及び財政状態の分析① 経営成績 当連結会計年度における経営成績の概況については、「1.経営成績等の状況の概要」に記載しております。② 財政状態 当連結会計年度末の総資産残高は、前期末比 6,203億円(26.1%)増加し、2兆9,997億円となりました。流動資産は、貸付け金地金の増加等により、前期末比 6,006億円(41.0%)増加の 2兆649億円となりました。固定資産は、投資有価証券の増加等により、前期末比 198億円(2.2%)増加の 9,340億円となりました。 負債残高は、前期末比 5,606億円(33.2%)増加し、2兆2,467億円となりました。流動負債は、預り金地金の増加等により、前期末比 5,746億円(44.3%)増加の 1兆8,719億円となりました。固定負債は、長期借入金の減少等により、前期末比 140億円(3.6%)減少の 3,747億円となりました。なお、借入金に社債、コマーシャル・ペーパーを加えた有利子負債残高については、前期末比 589億円(9.9%)増加の 6,520億円となりました。 純資産残高は、利益剰余金の増加等により、前期末比 597億円(8.6%)増加の 7,529億円となりました。 この結果、連結ベースの自己資本比率は、前期末の28.5%から24.5%となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は 5,183.34円から 5,633.05円に増加しました。(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について 「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。(3) 事業戦略と見通し 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。(4) 資本の財源及び流動性の管理方針 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、内部資金、銀行借入、社債発行等により資金調達を行っております。また、キャッシュマネジメントシステムの導入等によるグループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上に努めております。この一環として、一部の海外子会社を対象としたグローバルキャッシュマネジメントシステム(ノーショナルプーリング)を導入しており、グローバルベースでの更なる資金効率向上にも取り組んでおります。なお、当連結会計年度末のノーショナルプーリングにおける預入額534億円を現金及び預金、借入額519億円を短期借入金に含めて表示しております。 当社グループの資金の状況については、「1.経営成績等の状況の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。(5) 経営者の問題意識と今後の方針について 当社グループの経営陣は、収益力、有利子負債等グループの財政状況を認識し、現在の事業規模及び入手可能な情報に基づき経営資源の最も効率的な運用を行い、企業価値を最大限に高めるべく努めております。 (6) 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しておりますが、その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用等、開示に影響を与える判断と見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。 特に次の会計方針が連結財務諸表作成における見積りの判断に大きな影響を及ぼす事項であると考えております。 ① 貸倒引当金、関係会社事業損失引当金の計上 当社グループの保有する債権または関係会社への投資に係る損失が見込まれる場合、その損失に充てる必要額を見積もり、引当金を計上しておりますが、将来、債務者や被出資者の財務状況が悪化した場合、引当金の追加計上等による損失が発生する可能性があります。 ② 有価証券の減損処理 当社グループの保有する株式については、市場価格のない株式等以外のもの、市場価格のない株式等ともに、合理的な判断基準を設定の上、減損処理の要否を検討しております。従って、将来、保有する株式の時価や投資先の財務状況が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。なお、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目につきましては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ③ のれんを含む固定資産の減損処理 当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 2002年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 2003年10月31日)を適用しております。将来、経済環境の著しい悪化や市場価格の著しい下落等の発生如何によっては、減損損失を計上する可能性があります。なお、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ④ 繰延税金資産の回収可能性 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、課税所得がその見積り額を下回る場合、繰延税金資産が取崩され、税金費用が計上される可能性があります。なお、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 なお、当社グループが採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

事業リスク

  • 資源循環の推進不足
    世界的な資源・エネルギー消費増大や廃棄物増加により、資源枯渇や原材料調達リスクが増大しています。資源循環を推進できない場合、成長機会の逸失や産業界からの排除につながる可能性があります。中期経営戦略でリサイクル強化に取り組んでいます。
  • 地球環境問題への対応遅れ
    気候変動対策の強化により、炭素価格制度導入などで温室効果ガス排出コストが増加する可能性があります。また、再生可能エネルギー事業拡大の機会を逃すと成長機会を逸失し、自然環境への配慮不足はレピュテーションリスクにつながります。
  • 人的資本の確保・育成困難
    少子高齢化による労働人口減少や働き方の多様化により、人材確保や専門人材育成が困難になるリスクがあります。柔軟な働き方支援や人事制度が不十分な場合、従業員エンゲージメント低下や企業成長に必要な人材確保に支障をきたす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,028 文字
3【事業等のリスク】1.重大リスクの選定プロセス 当社グループでは、経営上、事業運営上の重大なリスクを、社会情勢や経営環境及びグループの経営課題等を踏まえ、執行役及び本社コーポレート部門にて毎年度網羅的に洗い出し評価しています。また、事業固有の重大なリスクについても、本社事業部門にて毎年度、洗い出し評価したうえで、全執行役が参加するサステナビリティ審議会を経て決定しています。2.当社グループのリスクマネジメント体制及び運用状況 上記の重大リスクに、拠点で事業拠点固有のリスクを洗い出し、評価したものを加え、各拠点で実施計画を策定のうえ、リスクマネジメント活動を行っています。活動状況については、定期的にサステナビリティ・SCQ推進本部、戦略経営会議及び取締役会に報告され、リスクの状況を経営層でモニタリング/レビューしています。また、重大リスクは取締役会に報告され、取締役会はリスクマネジメントを含むリスクの状況を監督しています(図1参照)。 重大リスクをグループ全体に共通するリスク、グループ内の一定範囲に共通するリスク、事業固有のリスク(事業全体の運営に重大な影響を及ぼすリスク)、及び事業拠点固有のリスク(拠点運営に重大な影響を及ぼすリスク)として、各階層が担うべき役割(計画の策定、実行、支援、モニタリング/レビュー)を明確にしています。特に本社のコーポレート部門/事業部門は、本社・直轄拠点・グループ会社で確実に対策が実行されるよう、半期ごとにリスクコミュニケーションを図り、実施状況や課題を共有し必要な支援を協議のうえ実施しています(図2参照)。 また、個々の重大リスクのシナリオを策定し、統一化した評価基準に基づく、影響度と発生可能性の定量的/定性的な評価を行い、リスク発現時のイメージを具体化し、共有しています(図3参照)。 図1:リスクマネジメント体制 図2:リスクマネジメントサイクル 図3:リスクの評価基準 3.事業等のリスク 当社グループは、当社グループそのものが持続可能であり続けるという「自社のサステナビリティ」とともに、事業活動を通して環境や社会を持続可能なものにしていくという「環境・社会のサステナビリティ」の両面を実現するために、サステナビリティ課題を特定しています。サステナビリティ課題に適切に対応していくことで、経済的価値と社会的価値の両立による企業価値の向上、及び当社グループにおける様々なリスクの低減につながると考えています。 これを踏まえて、当社グループの経営陣が、当社グループのサステナビリティ課題及びそれに関連する主要なリスクとして認識している事項は、以下のとおりです。 なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は2026年6月22日現在において判断したものです。 また、当社グループのサステナビリティに関するガバナンスやリスク管理の考え方等については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)ガバナンス及びリスク管理に関する事項」をご参照下さい。 (1)資源循環の推進 (発生可能性:高、影響度:大) 世界的な人口増加・経済成長に伴い、資源・エネルギー消費量等の増大や廃棄物量の増加、地球温暖化をはじめとする環境問題は深刻度を増しています。今後、大量生産・大量消費・大量廃棄型の線形経済モデルは立ち行かなくなる可能性があり、資源枯渇を含む原材料の調達リスク、廃棄物処理の困難性が増大することが考えられます。 限りある資源を消費し続ける社会から、廃棄物の発生を抑制するとともに、資源を循環させて有効活用する社会への移行が求められるなか、当社グループの各事業においても資源循環を推進していかなければ、成長機会の逸失や産業界からの排除のリスクにつながりかねません。 こうした状況を踏まえ、当社グループは、2026年度から2028年度までを対象とする中期経営戦略において、「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」という基本方針を掲げ、二次原料製錬の拡大(グローバル展開)やタングステンリサイクル率の向上に取り組みます。資源循環ビジネスを通じ、限りある資源を最大限に活用、廃棄物を新たな価値へと転換することで、環境負荷の低減と経済的価値の両立を目指します。 (2)人的資本の強化 (発生可能性:高、影響度:中) 少子高齢化に伴う労働人口の減少や個人のキャリア・働き方に対するニーズの多様化により、人材の確保や中長期的な専門人材の育成が困難になってきています。海外への事業展開を強化するにあたっては、公平性を担保し、文化や価値観の多様性を認めながら個々の個性を尊重し、協働することが求められています。 このようななか、柔軟な働き方を支援する施策や人事制度等の設計・運用が不十分である場合、従業員エンゲージメントの低下や企業成長に必要な人材を確保することが困難となる可能性があります。 当社では、「人こそが新しい価値を創造し、当社グループの持続的成長の源泉である」という考えのもと、人材を資源やコストではなく資本として捉え、人事施策を通じて人的資本の強化を行っています。中期経営戦略においては、これまでに取り組んできた「人材の価値最大化」と「共創と成長」をさらに進化させ、「戦略的人材の採用・育成・配置」、「生産性と資本効率を高める変革」、「共創と成長を生み出す基盤づくり」を通じて当社グループの企業価値向上につなげていきます。 (3)地球環境問題対応の強化 (発生可能性:高、影響度:中) 気候変動に関しては、全世界的にカーボンニュートラルに向けた動きが加速しており、日本を含む多くの国で2050年のカーボンニュートラル実現への取り組みが宣言されています。気候変動に対する政策及び法規制が強化され、炭素価格制度(排出権取引制度や炭素税)が導入、強化された場合など、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量に応じたコストが発生することにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、カーボンニュートラルに向けた取り組みにおいて、エネルギー分野では、再生可能エネルギーの積極的な活用も求められており、このような事業拡大の機会を逃すことで、当社グループの成長機会を逸失する可能性があります。 これらに加えて、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させるネイチャーポジティブの取り組みへの注目も高まっており、自然環境に配慮した事業活動が求められています。 当社グループでは、2045年度のカーボンニュートラル実現という目標を掲げ、2030年度に向けたGHG削減目標においては、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの使用を拡大することにより、当社グループの事業活動により排出されるGHGの削減に取り組んでいます。また、当社グループ製品の市場競争力を向上するため、製造プロセスの改善や環境配慮型製品の開発、CO2回収・有効利用・貯留(CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)など環境負荷を低減する技術開発を推進しています。 一方、気候変動に関する政策等の強化により、省エネ・GHG排出削減に貢献する技術や製品・サービスの需要が拡大することが予想され、ビジネス機会が増大すると想定しています。当社グループでは、脱炭素化に貢献する素材・製品・技術の開発、地熱発電等の再生可能エネルギーの開発・利用促進、CO2回収・利用に関する実証試験・技術開発の推進、保有する山林の保全活動等に取り組んでいます。 (4)高付加価値製品・ソリューション提供 (発生可能性:高、影響度:大) 持続的な企業価値向上にむけた競争力を高めるためには、コスト削減や人件費削減などによる一時的な利益率の向上ではなく、長期目線で競争力のある事業に経営資源を集中させることや技術革新による事業・製品を生み出していくことが必要となります。中長期的な成長投資を含む価値創造の追求を推進していかなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。 当社グループでは、中期経営戦略において高付加価値製品・ソリューションを提供することを掲げています。超硬製品事業においては、航空・宇宙・医療・半導体分野に、より高付加価値な製品とソリューションを提供していきます。電子材料事業においては、半導体、xEV、ヘルスケア領域に向けて、コンセプト・インによる高付加価値な製品とソリューションを提供し、また、ソリューション型営業の強化を進めていきます。 (5)開発・生産技術力の強化 (発生可能性:高、影響度:中) 経営環境が急速に変化する中、持続的成長のためには、開発・生産技術力を強化し、製品の高付加価値化や生産効率の向上を図り、市場競争力を維持・拡大していくことが不可欠です。十分な開発・生産技術力の強化ができない場合、競合他社に技術的優位性を奪われ、市場シェアの縮小や収益基盤の弱体化を招くおそれがあります。 当社グループは、中期経営戦略において、サーキュラーエコノミーとGHG削減分野を注力分野として、基盤技術の強化や新規事業・新技術の創出に取り組みます。リサイクルやGHG削減技術の基盤強化、サーキュラーエコノミーに貢献する新たなマテリアルの創出、オープンイノベーションの活用による新規事業創出の推進を進めていきます。また、自律化をベースにした現場力強化によるものづくり基盤強化、5Sマネジメント、生産性向上、品質安定化やグローバルエンジニアリング人材の育成を通じたものづくり力とエンジニアリング力の強化にも取り組みます。 (6)デジタル戦略の強化 (発生可能性:高、影響度:中) 当社グループでは、AIの活用を加速し、中期経営戦略で掲げる資源循環ビジネスの拡大に向けて、MMDX(※)の効果拡大・発展を進めています。IT、通信などの分野で技術が大きく発達し、また、デジタル化の急速な進展により、世界規模で経済環境や社会が大きく変化し続けています。このような中で事業活動を行い、企業価値を向上するにはデジタル技術の活用が必須となっています。アナログ業務をIT化するだけでなく、ビジネス変革につなげることができなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。 また、重要な情報インフラとネットワークの故障、サイバー攻撃(サイバーテロ)等の不測の事態、情報の不正持ち出し、コンピュータシステムの不備や管理不十分、コンピュータウイルスや不正ソフトの関与による個人情報等の漏えいが発生した場合は、社会的信用の失墜等につながる可能性があります。 そのため、グローバル標準のIT基盤やセキュリティの整備、将来に向けた人材育成を通じて、経営基盤の強化に取り組みます。 ※MMDX:三菱マテリアル・デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション (7)SCQ課題への対応強化 (発生可能性:高、影響度:大) 利益(E)だけを追求し、製造現場の安全・健康(S)を軽視し、法令遵守・環境保全(C)を怠り、基準に満たない品質の製品(Q)の供給を行った場合、法的な制裁だけでなく、社会的な信用の低下により、企業価値の低下につながる可能性があります。 当社グループは、当社グループの行動規範を補足する指針・業務遂行上の優先順位として、SCQDE(※)を定めるとともに、SCQ課題への対応強化のために、「サステナビリティ・SCQ推進本部」(本部長:執行役社長)を設置し、関係部署長等で構成する部会を設け、「安全・健康」「コンプライアンス遵守」「品質」などの企業活動の根幹となる部分に集中して取り組みを進めています。 ※業務を行ううえでの判断の優先順位であり、行動規範を補足する指針S:Safety & Health(安全・健康最優先)、C:Compliance & Environment(法令遵守、公正な活動、環境保全)、Q:Quality(「顧客」に提供する製品・サービス等の品質)、D:Delivery(納期厳守)、E:Earnings(適正利益)

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