事業の概要
- 多角的な事業展開古河機械金属グループは、機械事業と素材事業の二本柱で収益を上げています。機械事業では、産業機械、ロックドリル、ユニッククレーンなどを製造販売し、建設現場や工場、物流など幅広い分野に貢献しています。素材事業では、銅、金、銀などの非鉄金属や、高純度金属ヒ素、硫酸などの化学品を供給し、エレクトロニクスや基礎化学品産業を支えています。
- 幅広い顧客基盤と安定収益機械事業は、建設・土木、鉱山、物流といったインフラ関連分野に強く、景気変動の影響を受けにくい安定した需要が見込めます。素材事業は、国際市況の影響を受けるものの、多様な製品ラインナップとグローバルな供給体制により、リスク分散を図っています。さらに、不動産事業も展開し、賃貸・売買・仲介を通じて収益を確保しています。
- グループシナジーの活用当社グループは、31の子会社と8の関連会社で構成されており、各部門が連携することで事業間のシナジーを創出しています。例えば、ロックドリル部門が鉱山機械を提供し、金属部門がその鉱山から採掘された原料を扱うなど、グループ全体で価値連鎖を形成し、効率的な事業運営と競争力強化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 産業機械部門ポンプ、破砕機、ベルトコンベヤ、環境機器、リサイクルプラント、鋼構造物、橋梁などの製造販売および工事請負を手掛けています。売上高は222.13億円、営業利益は22.06億円で、主に工場やインフラ整備に貢献する機械を提供し、安定した収益源となっています。
- 建設・鉱山機械(ロックドリル部門)油圧ブレーカ、油圧圧砕機、ブラストホールドリル、トンネル工事・鉱山用機械などを製造販売しています。売上高は350.03億円、営業利益は27.95億円と、機械事業の中核を担う稼ぎ頭であり、国内外の建設現場や鉱山で活躍する専門性の高い機械を提供しています。
- ユニック機械部門ユニッククレーン、ミニ・クローラクレーン、オーシャンクレーン(船舶用クレーン)、ユニックキャリアなどを製造販売しています。売上高は290.84億円、営業利益は9.77億円で、物流や建設現場での荷役作業に不可欠なクレーンを提供し、幅広い産業の効率化を支えています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| IndustrialMachinery | 地域 | 222 | 22 | 9.9% |
| ConstructionAndMiningMachineryRockDrills | 事業 | 350 | 28 | 8.0% |
| UNICMachinery | 事業 | 291 | 10 | 3.4% |
| Metals | 事業 | 924 | 24 | 2.6% |
| ElectronicMaterials | 事業 | 65 | 1 | 1.9% |
| Chemicals | 事業 | 98 | 6 | 6.4% |
| RealEstate | 事業 | 21 | 7 | 33.1% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社、子会社31社および関連会社9社で構成されております。主な事業は、古河産機システムズ㈱を中核事業会社とする産業機械部門、古河ロックドリル㈱を中核事業会社とするロックドリル部門および古河ユニック㈱を中核事業会社とするユニック部門から構成される機械事業ならびに古河メタルリソース㈱を中核事業会社とする金属部門、古河電子㈱を中核事業会社とする電子部門および古河ケミカルズ㈱を中核事業会社とする化成品部門から構成される素材事業ならびに事業持株会社である当社を中心とする不動産事業等です。 当社グループの事業内容と関係会社の位置づけは次のとおりです。なお、グループの概要記載に当たり、以下の事業区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。 産業機械部門 :中核事業会社古河産機システムズ㈱が、ポンプ、破砕機、粉砕機、分級機、造粒機、ベルトコンベヤ、環境機器、リサイクルプラント、鋼構造物、橋梁等の製造販売およびサービスならびに各種工事の請負を行っております。(子会社2社)ロックドリル部門:中核事業会社古河ロックドリル㈱が、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、ブラストホールドリル、トンネル工事・鉱山用機械等を製造販売しております。(子会社10社)ユニック部門 :中核事業会社古河ユニック㈱が、ユニッククレーン、ミニ・クローラクレーン、オーシャンクレーン(船舶用クレーン)、ユニックキャリア等を製造販売しております。(子会社7社、関連会社6社)金属部門 :中核事業会社古河メタルリソース㈱が、原料鉱石を海外から買い入れ、関連会社日比共同製錬㈱等に委託製錬して生産された銅、金、銀、硫酸等の供給を受け、販売しております。(子会社2社、関連会社1社)電子部門 :中核事業会社古河電子㈱が、高純度金属ヒ素、結晶製品、コア・コイル、窒化アルミセラミックス、光学部品等を製造販売しております。(子会社2社)化成品部門 :中核事業会社古河ケミカルズ㈱が、硫酸、ポリ硫酸第二鉄溶液、硫酸バンド、亜酸化銅、酸化銅等の製造販売および酸化チタン等の販売を行っております。(子会社1社)不動産部門 :不動産の賃貸、売買および仲介を行っております。(子会社1社)その他の部門 :上記の7つの部門に分類できない運輸業、金属粉体事業、鋳物事業等を本部門に分類しております。子会社古河運輸㈱が、子会社の製品等の一部の運送を行っております。また、子会社古河C&F㈱が、子会社に鋳物製品を供給しております。(子会社6社、関連会社2社) 事業の概要図は、次のとおりです。会社名の前に※を付していない会社は連結子会社であり、付している会社は持分法を適用している関連会社です。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 一部の事業では製品ライフサイクル上の成熟期に位置する取扱製品があり、競合他社製品との差別化が困難。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 高付加価値製品の開発、新技術・新機能を備えた製品の市場投入に積極的に取り組んでいる。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:為替の変動 / 非鉄金属市況の変動 / 金利の上昇
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
古河機械金属は非鉄金属メーカーであり、特許やブランド力に依存する無形資産による競争優位性は限定的である。特定のニッチ分野での技術力は存在する可能性はあるが、公開情報からは明確な無形資産の強さは確認できない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
一部の特殊な合金や加工品においては、顧客との長年の取引や仕様への適合により、一定のスイッチング・コストが存在する可能性がある。しかし、汎用性の高い製品が多く、顧客が他社へ乗り換えることによる損失は限定的と考えられる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
非鉄金属の製造・販売事業は、基本的に製品の品質、価格、供給能力が競争力の源泉であり、ネットワーク効果が発生するようなプラットフォームビジネスではない。
コスト優位★★☆☆☆
非鉄金属業界は規模の経済や操業効率がコストに影響を与えるが、古河機械金属が突出したコスト優位性を持つという情報は少ない。原料調達力や生産プロセスの効率化努力は存在するものの、業界平均との差は明確ではない。
規模の経済★★★☆☆
非鉄金属業界は、特定の金属や製品分野において、大手企業による寡占が進んでいる傾向がある。古河機械金属は、銅やアルミなどの加工品、特殊合金、建設機械などの事業を展開しており、それぞれの分野で一定の生産規模と市場シェアを有していると考えられる。
- 多様な製品と技術力古河機械金属は、ポンプや破砕機などの産業機械から、油圧ブレーカやトンネル工事用機械、ユニッククレーンといった建設・鉱山機械まで、幅広い製品群と高い技術力を有しています。特に、過酷な環境下で使用される機械や、精密な電子材料、基礎化学品など、専門性の高い分野で強みを発揮し、顧客の多様なニーズに応えています。
- グローバルな事業展開同社グループは、日本国内だけでなく、北米、欧州、アジアなど世界各地で生産、調達、販売活動を展開しています。これにより、特定の地域に依存しない安定した事業基盤を構築し、各地域の市場特性に合わせた製品供給やサービス提供を行うことで、国際的な競争力を維持・強化しています。
- 長年の実績と信頼古河機械金属は、長い歴史の中で培われた実績と信頼を基盤としています。特に、産業機械や建設・鉱山機械の分野では、その耐久性や性能が高く評価されており、顧客からの継続的な受注に繋がっています。また、環境機器やリサイクルプラントなど、社会貢献性の高い分野にも注力し、持続可能な社会の実現にも貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針近年、企業を取り巻く経営環境は、かつてないほどの構造的な転換期を迎えております。地球規模での環境問題の深刻化、人口動態の変化、価値観の多様化、デジタル技術の急速な進展、資本市場の構造的変容など、企業の持続的成長には従来の延長線上ではない新たな視座と戦略が求められています。こうした環境変化を踏まえ、当社グループは創業150周年を迎える2025年を一つの節目と捉え、従来の「経営理念」を改定し「古河機械金属グループ 企業理念」を制定いたしました。 企業理念:当社グループは、1875年の創業以来、鉱山開発に始まる技術力により社会基盤を支え、また、時代の変化に対応する自己改革を進めて、事業を変革してきました。現代社会はますます多様化が進み、すべての人々が安心して暮らせる持続可能な共生社会を実現することが、まさに求められています。こうした社会課題を解決するため、当社グループはマーケティング経営を推進し、社会的価値と経済的価値を両立する企業として、社会に必要とされる存在であり続けます。 「使命(ミッション)」… 環境と調和した豊かな社会の実現当社グループは、社会基盤を支えてきた創造的解決力で、安全・快適で環境と調和した社会の実現に貢献します。「ビジョン」… より良い明日のために 社会基盤の進化を支える信頼のパートナー「価値観」… 持続可能性・多様性・革新性「行動原則」… 共生・誠実・共創 (2) 経営環境および中長期的な経営戦略2015年8月8日に創業140周年の節目を迎え、同日付で制定した経営理念「鉱山開発に始まり社会基盤を支えてきた技術を進化させ、常に挑戦する気概をもって社会に必要とされる企業であり続けます。」を具現化すべく、同年11月に2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」を制定いたしました。「2025年ビジョン」においては、「カテゴリートップ・オンリーワンを基軸として成長する企業グループの実現」をありたい姿として、連結営業利益150億円超の常態化を目指してまいりました。 1.2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」「カテゴリートップ・オンリーワンを基軸として成長する企業グループの実現」―創業150周年を迎える2025年度に向けて、連結営業利益150億円超の常態化を目指します― 2. 2025年ビジョン達成のための方針(1) CSV*の視点を織り込んだ「マーケティング経営」による古河ブランドの価値向上マーケティングを経営の根幹に据え、激変する市場の中で価値を認められる製品やサービスを提供し、顧客が抱えている課題を解決することにより「企業価値の向上と持続的な成長」を成し遂げるとともに、SDGs(持続可能な開発目標)をはじめ、我が国における国土強靭化、生産年齢人口の減少など、様々な「社会課題」を解決し「持続可能な社会の実現」に貢献していく。① 顧客ニーズを捉えた技術営業力(提案型・ソリューション型)の強化② 市場ニーズに合致した製品・技術・サービスの開発③ 強みを活かせるニッチ製品への集中と差別化戦略によるカテゴリートップ化の推進④ 新たな市場・カテゴリーの開拓・創造と新たなビジネスモデルの構築⑤ 社会基盤を支えてきた製品・技術・サービスを進化させ、「社会課題」の解決に貢献 * CSV(Creating Shared Value:共通価値/共有価値の創造):企業が社会問題や環境問題などに関わる社会課題に取り組み、社会価値と企業価値を両立させようとする経営フレームワークです。 (2) 機械事業の持続的拡大① インフラ関連・資源開発等を中心に拡大する海外市場における収益基盤の強化② ストックビジネスの拡充・強化③ グループ総合力の発揮、エンジニアリング力の強化によるビジネスチャンスの拡大 (3) 人材基盤の拡充・強化① 新しい古河の活力あふれる人づくり・風土づくり② 国内外の多様な人材の確保・活用・育成③ 営業・サービス人材の重点強化 (4) 企業価値向上に資する投資等の積極的推進① 成長に必要な設備投資の積極的実施② 戦略的なM&A、アライアンスによる事業拡大 (5) 経営基盤の整備① 二桁台のROEを意識した収益性・資本効率の改善による企業価値の向上② 堅固な財務基盤の確立③ 成長投資と株主還元へのバランスのとれた配分④ 当社グループのCSR/ESG課題に配慮した事業運営の実践による企業価値の向上 2025年11月に従来の「経営理念」を改定し「古河機械金属グループ 企業理念」を制定するとともに、企業としてのさらなる飛躍に向けて、2035年ビジョン「Vision F 2035」を新たに策定いたしました。鉱山開発を起点として、社会基盤を支える技術を長年にわたり提供してきた当社グループの歴史と実績を礎に、次なる時代における企業の存在意義と持続的成長の方向性を明確にすることで、社会課題の解決と企業価値の向上を両立させる経営を目指してまいります。 2035年ビジョン「Vision F 2035」「社会のレジリエンスを共創する企業へ」―私たちは、マーケティング経営を進化させ技術・人材・財務を強化して強靭な経営基盤を築くことにより、環境や社会構造の変化に対応したインフラ整備を支え、よりしなやかに持続する社会の創造に貢献します。― 1.事業戦略当社グループの事業戦略は、「社会基盤の進化」を目標に掲げ、環境・社会の二つの領域における重点分野とニーズに対応する形で構成しています。 〔重点分野とニーズ〕・環境領域では、防災・減災、環境配慮を中心に、地球温暖化抑止や循環型経済の実現に資する製品・サービスの提供を推進します。・社会領域では、労働力不足への対応や都市整備の高度化を通じて、安全かつ効率的な社会インフラの構築に貢献します。 〔重点項目〕[環境]・河川改修、ダム建設等のインフラ工事による防災・減災への貢献・電動化、省エネ製品等の開発・供給による地球温暖化抑止への貢献・多様な廃棄物の処理、再資源化を通じた循環型経済実現への貢献・ICT・IoT関連用途素材の開発・供給による環境問題、社会課題対応への貢献 [社会]・無人化・省人化製品の開発と提供による安全かつ高効率な作業実現への貢献-環境対応型搬送設備によるインフラ工事促進-地域特性に応じた都市整備への貢献・IoTを活用したサポートシステムによるカスタマーサクセスへの貢献 2.機能戦略事業戦略を支える基盤として、当社は「経営基盤の拡充」を目標に、人材基盤の進化、 財務基盤の深化、ガバナンスの強化の三つの領域において機能戦略を展開していきます。 〔重点分野とニーズ〕・人材基盤の進化では、価値創造に繋げる最新の技術・業務への対応力向上、 エンゲージメントの向上、キャリア開発を通じた組織活性化を図ります。・財務基盤の深化では、キャッシュ・フロー強化に向けた資金効率の向上、財務レバレッジ力の向上、投下資本に対する利益率の向上を推進します。・ガバナンスの強化では、企業価値の向上とリスクマネジメント体制の整備を図ります。 〔重点項目〕[人材基盤の進化]・人材価値向上に向けた研修教育の実施・健康で働きやすい就業環境の整備・改善・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進・個人の成長と組織の活性化に向けた人事制度の進化 [財務基盤の深化]・営業/生産/物流工程全体の効率化を通じた運転資本削減-売掛債権早期回収の促進、在庫圧縮等によりキャッシュ・フロー創出力を強化-資金効率を高め有利子負債残高をコントロール・株主資本コントロールを通じた資本コストの最適化-配当政策の強化による純資産フロー圧縮-自己株式取得による資本コスト低減 [ガバナンスの強化]・コンプライアンスの徹底・内部統制の高度化、監査体制の充実 これらの戦略の推進を通じて、当社は経営の持続可能性と透明性を高め、ステークホルダーとの信頼関係を一層強化してまいります。 (3) 中期的な経営戦略① 「2025年ビジョン」達成に向けた取り組み当社グループは、長期経営計画である「2025年ビジョン」を3つのフェーズに区分し、各フェーズの位置づけの明確化を図り、戦略的な落とし込み、長期・中期それぞれの時間軸に対応した個別・具体的なアクションプランを策定し、運用してまいりました。「2025年ビジョン」達成のための重要なツールとして、毎年、期間3年で中期経営計画をローリングする方式を採用し、各フェーズが始まる際に対外公表する中期経営計画のシームレスな策定を実現してまいりました。 なお、2035年ビジョン「Vision F 2035」実現に向けた次期中期経営計画につきましては、対象期間を2027年度~2029年度とし、2027年2月下旬を目途に公表予定です。 ② 「中期経営計画2025」の振り返り「中期経営計画2025」においては、「2025年ビジョン」の実現に向けた最終フェーズとして、機械事業をコアとした成長戦略の総仕上げを通じ、企業価値と社会価値を同時に創造する経営の定着を図ってまいりました。 財務面においては、ROE、有利子負債/EBITDA倍率、デット・エクイティ・レシオといった主要な経営指標について、計画最終年度の目標を前倒しで達成するなど、資本効率および財務健全性の改善において一定の成果を上げることができました。また、政策保有株式の縮減を進めるとともに、自己株式の取得や増配を実施し、株主還元の充実にも取り組んでまいりました。一方、事業収益力の強化の観点では、重要な課題を残す結果となりました。2025年度の連結営業利益は112億円となり一定の利益水準は確保したものの、目標である130億円には到達せず、売上成長に見合った利益率の向上には至りませんでした。これは、事業を通じた付加価値創出力(価値創造の質)の向上が十分でなかったことを示すものです。特に、コア事業である機械事業は連結営業利益の80%以上を占めることを目標としておりましたが、実績は51%にとどまり、目標との間に大きな乖離が生じました。産業機械部門においては、大型工事案件の発注遅延や工事管理面の課題が収益性に影響し、ロックドリル部門では、主要市場である北米において市場供給の一巡による需要の一服や景気の不透明感が影響いたしました。また、ユニック部門では、トラック加工ボディメーカーの納期長期化や原材料価格の高騰により、コスト増加分を十分に吸収できない状況が継続いたしました。これらの課題を踏まえ、当社グループでは、付加価値の高い製品・サービスの拡充、ストックビジネスの拡大、営業・サービス力の強化、工事管理体制の強化など、部門ごとに具体的な改善施策に着手しております。密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)や全自動ドリルジャンボといった社会インフラ整備や省人化・安全性向上に資する製品は、社会価値の創造と同時に、当社グループの競争力強化に資する重要な要素であると認識しております。また、サステナビリティを経営の最重要課題の一つと位置づけ、カーボンニュートラルへの対応、人材の多様性の確保と育成、コーポレート・ガバナンスの実効性向上にも継続して取り組んでまいりました。これら非財務資本への投資は、将来にわたる持続的成長と価値創造の基盤となるものと認識しております。以上のとおり、「中期経営計画2025」は、財務基盤の強化や資本効率の改善において一定の成果を上げた一方で、本業による収益力の向上を通じた価値創造の質の向上という点において明確な課題を残す結果となりました。これらの成果と課題を次期中期経営計画に的確に反映させ、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題① 次期中期経営計画に関する今後の開示予定当社グループは、事業ポートフォリオの強化に向けた戦略的取り組みを進めており、2026年4月1日には、株式会社アーステクニカの連結子会社化を実現いたしました。今後、当社グループの事業構造や収益モデルに大きな変化が生じることになりますが、競争法による情報共有の限界があったことから、統合効果を含めた事業計画の精緻化と実行体制の構築には、一定の時間を要する見込みです。特に、組織間のシナジー創出、オペレーションの統合、財務指標やKPIの再設定など、複数の重要課題を着実に進める必要があります。これらを十分に検討し、実効性の高い計画を策定することが、当社グループの責務であると考えております。このような背景を踏まえ、当社グループは新たな中期経営計画の対象期間を2027年度~2029年度とし、公表時期の目途を2027年2月下旬にすることといたしました。これは、統合後の事業ポートフォリオを反映し、精度の高い数値目標と戦略を提示するための判断です。なお、今後の決算説明会等を通じて、進捗状況や検討内容を適宜開示し、透明性の確保に努めてまいります。 ② 次期中期経営計画策定の方向性[前提]・2035年ビジョン「Vision F 2035」を起点とした設計・「中期経営計画2025」の総括を踏まえた改善点の反映・外部環境変化(資本市場・社会課題)への対応 [重視する経営テーマ]・事業ポートフォリオの最適化・資本効率を意識した経営の深化・成長投資の選択と集中・経営基盤(人材・DX・ガバナンス)の進化 [財務・資本効率に対する基本スタンス]・キャッシュ・フロー創出力の強化事業収益力の向上を通じ、持続的なキャッシュ・フロー創出基盤を構築します。・資本効率を意識したKPI設計ROIC・ROEなど資本効率指標を軸としたKPI体系を設計し、経営の規律を高めます。・投資と還元のバランス成長投資と株主還元の最適バランスを追求し、中長期的な企業価値向上を図ります。 a.政策保有株式の縮減に向けた取り組み政策保有株式の縮減に関する対応方針● 政策保有株式については、毎年、個別の銘柄ごとに、その保有目的、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか、また同時に定性面、定量面からの総合的な判断を含め精査し、取締役会においてその保有継続の適否を検証しています。● 保有の必要性が認められなくなった銘柄は適宜売却を行うなど、縮減に努め、連結純資産額の20%未満の維持を目指していきます。● 縮減に関する進捗の指標として、政策保有株式の連結純資産に対する比率を継続的に開示していきます。 b.サステナビリティへの取り組みサステナビリティへの取り組みについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティに関する考え方および取り組み、(2) 気候変動」をご参照ください。 c.事業ポートフォリオの見直し基本方針◆ 8つの事業部門ごとに資本コストを算定し、3要素[X軸:企業価値創造力、Y軸:売上高年平均成長率、バブルの大きさ:企業価値創造力×投下資本額/年]をバブルチャートにプロットし、事業ポートフォリオの可視化・識別を行います。そのうえで、成長性と企業価値創造力を判断基軸とする4象限分析を行い、これまでの歴史や思い入れに過度に引きずられない合理的な経営判断を実施していきます。◆ 更に、各事業部門内の事業(製品)ポートフォリオ戦略についても可視化し、収益性の改善や低収益事業(製品)の見極めを推進していきます。 d.研究開発投資基本方針◆ マーケティング経営に基づき、社会課題の解決に貢献する開発テーマの製品化・事業化を推進します。昨今の急激な技術革新に伴い多様化する顧客ニーズに対応し続けるため、先端技術の積極的な導入や、DXにより既存事業の拡大や新規事業の創出を推進しながら、信頼され、魅力あるモノづくり、コトづくりを目指します。 重点課題● 省人化を目指した自動化技術開発の推進● 全固体電池用の固体電解質の材料および量産化技術開発● 高効率化・軽量化等による環境負荷低減に寄与する機械製品、技術の開発● DXの効果的活用● 技術者人材育成プログラムの本格運用による次世代を担う技術者の育成強化 e.知的財産への投資基本方針◆ 知財活動を重要な経営戦略の一つと捉え、競争優位を確保するために知財情報を活用する体制を整備します。◆ 自社技術の権利化を基本とし、知財活用を含む事業全体の価値向上を目指します。◆ 事業戦略の策定に際し、知財情報を重要な要素として取り入れることで、事業戦略と知財戦略の一体化を図ります。 重点課題● 技術力の評価を可視化する知的財産権に関する知財活動(発掘~権利化~維持~活用)の活性化● 保有権利の価値評価による産業財産権の有効活用促進● 特許情報の収集分析による企業戦略の策定 f.人的資本への投資人的資本への投資については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本」をご参照ください。 g.DXへの投資基本方針◆ マインド・スタンスの浸透とデジタル技術の活用の実践 新たな価値を生み出すための考え方・姿勢について現場レベルで醸成・促進 次なる顧客価値創出と現場改革の取り組みを活性化 -モノ・コト(製品・サービス):プロセス改革と市場・ビジネス創造 -業務改革 :デジタル化+ナレッジ蓄積・活用の更なる推進/経営データベースの構築 重点課題への対応状況● DX推進委員会による当社グループ横断の推進体制● 3つの柱(モノづくり/コトづくり/業務改革)と共通課題への対応によるDX推進・現場実装の加速 h.アライアンス、M&Aへの投資基本方針◆ 現有の機械事業の隙間を埋めて連続性を創るような周辺の事業会社など、機械事業のさらなる拡充に向けたアライアンス、M&Aを検討・遂行していきます。 重点課題● コア事業と位置づけている機械事業については、引き続き持続的拡大を図っていくとともに、将来における非連続な成長を実現するために、アライアンスやM&Aへの取り組みを一層強化● 実現したM&A(株式会社アーステクニカの株式取得による連結子会社化、株式会社三井三池製作所の株式取得による持分法適用関連会社化)のシナジー効果追求 ③ セグメント別の事業戦略〔機械事業〕産業機械部門では、国土強靭化や防災・減災、脱炭素といった社会的要素を背景に、当該部門を取り巻く事業環境は中長期的には堅調な需要が見込まれる一方、資機材価格や人件費の上昇、施工余力の低下、技術者不足の慢性化など、事業運営上の制約要因が顕在化しており、これらへの適切な対応が当部門の重要な経営課題となっております。このような環境下において、基本方針として、コア製品・コア技術の融合による顧客価値の最大化と、事業領域の拡大による持続的成長の実現を目指します。従来の機器販売を中心とした事業構造から脱却し、設計・製造・施工管理までを一貫して担うエンジニアリングを核とした付加価値型事業への転換を推進することで、価格競争に依存しない収益基盤の構築を目指します。具体的には、ポンプ製品等の安定収益事業を基盤として、提案営業力およびサービス体制の強化により更新需要の確実な獲得とストック型収益の着実な成長を図ります。そして、流体設備および鉄構部門において事業領域の拡大を進め、事業ポートフォリオの確立を図ってまいります。さらに、長距離ベルトコンベヤや環境配慮型の密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)といったコア製品・コア技術を融合し、防災・環境分野の大型案件に対応するエンジニアリング力を強化することで、コントラクタ事業の成長を加速させてまいります。これらの戦略を確実に実行するため、部門横断的なリソース共有によるエンジニアリング強化、技術者の採用・育成・定着を軸とした人材戦略強化、DX推進による業務効率化と品質向上に継続的に取り組み、外部環境の変化に対応可能な持続的成長基盤の確立を図ってまいります。 ロックドリル部門では、製品の開発・販売からアフターサービスに至る製品ライフサイクル全域で、顧客価値を最大化するビジネスモデル(FRDモデル)の構築を基本戦略としております。コアコンピタンスである油圧ドリフタとその運用ノウハウを最大限に活用し、国内で培ってきたカスタマーサクセスを実現するビジネスモデル(製品販売、部品・消耗品販売、整備サービス、サポートプログラム、下取り再販)を、海外市場へと展開してまいります。北米では、インフラ投資やデータセンター建設需要の拡大を背景に、成長分野への重点展開を進めます。西部・中西部地区を中心に、ブラストホールドリル大型機の市場開拓を推進するとともに、大型・超大型油圧ブレーカについては、北米全域での販売体制を強化し、シェア拡大を図ります。東南アジアでは、「砕石市場創造」をテーマに、中長期的な市場拡大を目指します。砕石市場向けに投入したアタッチメントドリルの販売展開により、さく岩機の油圧化を継続的に推進し、作業効率・安全性の向上を通じて市場浸透を図ります。また、切羽の下流展開(砕石プラント向け)を産業機械部門と協業して進め、タイでの破砕機の販売開始に続き、マレーシアでの営業展開を進めております。欧州では、地域特性を踏まえた製品展開により、収益機会の拡大を目指します。東欧諸国を中心に、油圧ブレーカ市場の新規開拓を推進するとともに、鉱山・砕石分野において、超大型ブレーカの拡販に注力してまいります。国内では、解体・砕石・トンネル分野における構造的課題への対応を軸に事業展開を進めます。解体機市場向けに超大型油圧ブレーカおよび油圧圧砕機の展開を進め、砕石市場においては、少子高齢化によるオペレーター不足への対応策として、セミオート穿孔機能を搭載した油圧クローラドリルの販売を一層強化してまいります。また、トンネル関連分野では、省人化・自動化のニーズに対応すべく、全自動ドリルジャンボ、全自動ロックボルト施工機、支保工エレクタ付吹付機の販売強化により、施工現場の安全性と生産性向上に貢献してまいります。生産面では、集中生産を加速すべく国内4生産拠点の生産・調達等の合理化を更に推進し、コストダウン、品質強化、リードタイム短縮、在庫適正化を図ります。 ユニック部門では、事業環境の変化に適応するために、顧客に選ばれる製品・サービスの提供による収益基盤の再構築を目指し、付加価値製品の提供ときめ細かい営業・サービス対応力強化に取り組んでまいります。油圧技術を軸に制御技術を融合し、顧客に選ばれるユニーク(unique)な製品・サービスで新しい価値を生み出す集団になることをビジョンに掲げ、顧客に選ばれる製品・サービスを提供するために、顧客価値を測る力、その価値を最大化する製品・サービスを生み出す力、それを顧客に満足いただける方法で提供する力の強化に取り組んでまいります。国内においては、安全性、操作性、利便性、環境性向上機能を付与した付加価値製品の提供の強化を進めてまいります。ユニッククレーンでは、オペレーターの操作性、現場での利便性、環境性能を進化させ、製品競争力の一層の強化を図ります。ユニックキャリアでは、業界ごとのニーズに対応した機能の拡充に加え、生産性向上に取り組み、顧客満足度と収益性の向上を目指します。海外においては、地域特性と市場動向を踏まえた販売体制の見直しと市場ニーズに対応した製品の投入により、収益性の向上を目指します。生産面では、国内の2工場(佐倉・小山)・中国・タイそれぞれの特性を活かして4極生産体制のメリットの最大化を図り、生産機能の強化と徹底したコストコントロールを推進いたします。 アーステクニカ部門では、順調な業容と利益の拡大をさらに確固たるものとするため、「何かを変えて成長していく」ことを基本方針に掲げ、成長戦略の推進に取り組んでおります。長年培ってきた破砕・粉砕・選別技術力を事業の基軸とし、既存技術のブラッシュアップに加え、新製品・新技術の開発と応用展開を通じて、多様化するビジネス分野の需要変化に柔軟かつ機動的に対応できる事業展開を進めております。砕石・土壌分野では、省エネ性能に優れた「自走式破砕機」や、JIS規格を満たす建設廃材向けの「再生骨材製造設備」を新たにリリースすることで競争優位性を一段と高めております。あわせて、「サービスで選ばれる」をモットーにカスタマーサポート人員を増員し、体制強化を図ることで、顧客満足度の向上と安定した収益基盤の構築を進めております。海外市場では、鉱山向けに「自動制御技術」を搭載した大型機の拡販を進めるとともに、東南アジアをはじめとする現地パートナーとの連携強化やサービス体制の充実を図り、持続的な事業拡大を目指しております。環境分野は、ここ数年にわたり事業伸長が著しく、砕石・土壌分野に続く当部門の第2の柱として位置付けております。今後も中長期的な成長を牽引する重要分野として、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律への対応や、製鉄業界における電炉化の進展といった市場環境の変化を的確に捉え、事業展開を加速してまいります。とりわけ、混合建設廃棄物向けの新製品や、電炉向け原料用の「大型シュレッダ」など、「真似のできない革新的技術」を核としたプラントフローを提案することで、大型案件の受注拡大を着実に進めてまいります。産機分野では、プラントエンジニアリング力を活かした提案力の強化により、設備更新需要を着実に取り込んでおります。粉体分野では、新製品である連続式造粒乾燥機「LaVortex」を中核製品とし、高度な精密混合性能を強みに、製薬業界における連続製剤システムの拡販展開を加速しております。大手製薬メーカー向けに受注したパイロットプラントを起点に市場への浸透を図り、将来の事業拡大につながる新たな収益基盤の確立を目指しております。これら分野別の成長戦略を着実に実行するため、新製品・新技術の開発とリリースの加速、PDCAサイクルを通じた主力製品のコストダウン、ならびに計画的な多能工化によるものづくり力の向上を進めてまいります。 〔素材事業〕金属部門では、委託製錬事業の最適化への取り組みを基本戦略としております。国際市況動向や鉱石買鉱条件の影響を受け収益変動がある中、採算重視の販売と原料の安定調達に注力し、引き続き採算性と安定化を追求してまいります。 電子部門では、戦略製品の事業拡大による収益向上を基本戦略としております。窒化アルミセラミックスについては、半導体製造装置関係部品向けなどの需要が増加しつつあり、その拡販と将来に向けた特性向上開発に努め、更なる事業拡大を図ってまいります。回折光学素子(DOE)については、自動車や電子機器製造においてレーザー加工技術の採用が進み、レーザー加工用DOEの市場拡大が見込まれる中、技術的優位性を生かして拡販を図り、併せて新製品の開発を進めてまいります。コイルについては、新規案件獲得のため、カスタム対応を駆使しての横展開を図り、開発・拡販による収益拡大を目指してまいります。 化成品部門では、既存製品の収益拡大と新規開発製品の育成・拡大を基本戦略としております。硫酸については、化学工業の各分野で不可欠な基礎材料として大きな需要があり、不純物が少ない高品質硫酸による差別化展開を強化しております。酸化銅については、日本市場で成長が見込まれるサーバー向けパッケージ基板用途への拡販を図ってまいります。新規開発製品である金属銅粉については、品質、量産・販売体制を整え、サンプル展開から販路の拡大を図ってまいります。 〔不動産事業〕室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)の安定収益確保と、保有する不動産の有効活用を基本戦略としております。2023年8月には、古河大阪ビルの跡地その他の土地の共有持分の一部を譲渡いたしました。譲渡代金を原資として、当該地に建築中のホテルおよび一部住宅を用いた賃貸事業を2027年度から本格稼働することを計画しており、準備は順調に進んでおります。 (注)文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針近年、企業を取り巻く経営環境は、かつてないほどの構造的な転換期を迎えております。地球規模での環境問題の深刻化、人口動態の変化、価値観の多様化、デジタル技術の急速な進展、資本市場の構造的変容など、企業の持続的成長には従来の延長線上ではない新たな視座と戦略が求められています。こうした環境変化を踏まえ、当社グループは創業150周年を迎える2025年を一つの節目と捉え、従来の「経営理念」を改定し「古河機械金属グループ 企業理念」を制定いたしました。 企業理念:当社グループは、1875年の創業以来、鉱山開発に始まる技術力により社会基盤を支え、また、時代の変化に対応する自己改革を進めて、事業を変革してきました。現代社会はますます多様化が進み、すべての人々が安心して暮らせる持続可能な共生社会を実現することが、まさに求められています。こうした社会課題を解決するため、当社グループはマーケティング経営を推進し、社会的価値と経済的価値を両立する企業として、社会に必要とされる存在であり続けます。 「使命(ミッション)」… 環境と調和した豊かな社会の実現当社グループは、社会基盤を支えてきた創造的解決力で、安全・快適で環境と調和した社会の実現に貢献します。「ビジョン」… より良い明日のために 社会基盤の進化を支える信頼のパートナー「価値観」… 持続可能性・多様性・革新性「行動原則」… 共生・誠実・共創 (2) 経営環境および中長期的な経営戦略2015年8月8日に創業140周年の節目を迎え、同日付で制定した経営理念「鉱山開発に始まり社会基盤を支えてきた技術を進化させ、常に挑戦する気概をもって社会に必要とされる企業であり続けます。」を具現化すべく、同年11月に2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」を制定いたしました。「2025年ビジョン」においては、「カテゴリートップ・オンリーワンを基軸として成長する企業グループの実現」をありたい姿として、連結営業利益150億円超の常態化を目指してまいりました。 1.2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」「カテゴリートップ・オンリーワンを基軸として成長する企業グループの実現」―創業150周年を迎える2025年度に向けて、連結営業利益150億円超の常態化を目指します― 2. 2025年ビジョン達成のための方針(1) CSV*の視点を織り込んだ「マーケティング経営」による古河ブランドの価値向上マーケティングを経営の根幹に据え、激変する市場の中で価値を認められる製品やサービスを提供し、顧客が抱えている課題を解決することにより「企業価値の向上と持続的な成長」を成し遂げるとともに、SDGs(持続可能な開発目標)をはじめ、我が国における国土強靭化、生産年齢人口の減少など、様々な「社会課題」を解決し「持続可能な社会の実現」に貢献していく。① 顧客ニーズを捉えた技術営業力(提案型・ソリューション型)の強化② 市場ニーズに合致した製品・技術・サービスの開発③ 強みを活かせるニッチ製品への集中と差別化戦略によるカテゴリートップ化の推進④ 新たな市場・カテゴリーの開拓・創造と新たなビジネスモデルの構築⑤ 社会基盤を支えてきた製品・技術・サービスを進化させ、「社会課題」の解決に貢献 * CSV(Creating Shared Value:共通価値/共有価値の創造):企業が社会問題や環境問題などに関わる社会課題に取り組み、社会価値と企業価値を両立させようとする経営フレームワークです。 (2) 機械事業の持続的拡大① インフラ関連・資源開発等を中心に拡大する海外市場における収益基盤の強化② ストックビジネスの拡充・強化③ グループ総合力の発揮、エンジニアリング力の強化によるビジネスチャンスの拡大 (3) 人材基盤の拡充・強化① 新しい古河の活力あふれる人づくり・風土づくり② 国内外の多様な人材の確保・活用・育成③ 営業・サービス人材の重点強化 (4) 企業価値向上に資する投資等の積極的推進① 成長に必要な設備投資の積極的実施② 戦略的なM&A、アライアンスによる事業拡大 (5) 経営基盤の整備① 二桁台のROEを意識した収益性・資本効率の改善による企業価値の向上② 堅固な財務基盤の確立③ 成長投資と株主還元へのバランスのとれた配分④ 当社グループのCSR/ESG課題に配慮した事業運営の実践による企業価値の向上 2025年11月に従来の「経営理念」を改定し「古河機械金属グループ 企業理念」を制定するとともに、企業としてのさらなる飛躍に向けて、2035年ビジョン「Vision F 2035」を新たに策定いたしました。鉱山開発を起点として、社会基盤を支える技術を長年にわたり提供してきた当社グループの歴史と実績を礎に、次なる時代における企業の存在意義と持続的成長の方向性を明確にすることで、社会課題の解決と企業価値の向上を両立させる経営を目指してまいります。 2035年ビジョン「Vision F 2035」「社会のレジリエンスを共創する企業へ」―私たちは、マーケティング経営を進化させ技術・人材・財務を強化して強靭な経営基盤を築くことにより、環境や社会構造の変化に対応したインフラ整備を支え、よりしなやかに持続する社会の創造に貢献します。― 1.事業戦略当社グループの事業戦略は、「社会基盤の進化」を目標に掲げ、環境・社会の二つの領域における重点分野とニーズに対応する形で構成しています。 〔重点分野とニーズ〕・環境領域では、防災・減災、環境配慮を中心に、地球温暖化抑止や循環型経済の実現に資する製品・サービスの提供を推進します。・社会領域では、労働力不足への対応や都市整備の高度化を通じて、安全かつ効率的な社会インフラの構築に貢献します。 〔重点項目〕[環境]・河川改修、ダム建設等のインフラ工事による防災・減災への貢献・電動化、省エネ製品等の開発・供給による地球温暖化抑止への貢献・多様な廃棄物の処理、再資源化を通じた循環型経済実現への貢献・ICT・IoT関連用途素材の開発・供給による環境問題、社会課題対応への貢献 [社会]・無人化・省人化製品の開発と提供による安全かつ高効率な作業実現への貢献-環境対応型搬送設備によるインフラ工事促進-地域特性に応じた都市整備への貢献・IoTを活用したサポートシステムによるカスタマーサクセスへの貢献 2.機能戦略事業戦略を支える基盤として、当社は「経営基盤の拡充」を目標に、人材基盤の進化、 財務基盤の深化、ガバナンスの強化の三つの領域において機能戦略を展開していきます。 〔重点分野とニーズ〕・人材基盤の進化では、価値創造に繋げる最新の技術・業務への対応力向上、 エンゲージメントの向上、キャリア開発を通じた組織活性化を図ります。・財務基盤の深化では、キャッシュ・フロー強化に向けた資金効率の向上、財務レバレッジ力の向上、投下資本に対する利益率の向上を推進します。・ガバナンスの強化では、企業価値の向上とリスクマネジメント体制の整備を図ります。 〔重点項目〕[人材基盤の進化]・人材価値向上に向けた研修教育の実施・健康で働きやすい就業環境の整備・改善・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進・個人の成長と組織の活性化に向けた人事制度の進化 [財務基盤の深化]・営業/生産/物流工程全体の効率化を通じた運転資本削減-売掛債権早期回収の促進、在庫圧縮等によりキャッシュ・フロー創出力を強化-資金効率を高め有利子負債残高をコントロール・株主資本コントロールを通じた資本コストの最適化-配当政策の強化による純資産フロー圧縮-自己株式取得による資本コスト低減 [ガバナンスの強化]・コンプライアンスの徹底・内部統制の高度化、監査体制の充実 これらの戦略の推進を通じて、当社は経営の持続可能性と透明性を高め、ステークホルダーとの信頼関係を一層強化してまいります。 (3) 中期的な経営戦略① 「2025年ビジョン」達成に向けた取り組み当社グループは、長期経営計画である「2025年ビジョン」を3つのフェーズに区分し、各フェーズの位置づけの明確化を図り、戦略的な落とし込み、長期・中期それぞれの時間軸に対応した個別・具体的なアクションプランを策定し、運用してまいりました。「2025年ビジョン」達成のための重要なツールとして、毎年、期間3年で中期経営計画をローリングする方式を採用し、各フェーズが始まる際に対外公表する中期経営計画のシームレスな策定を実現してまいりました。 なお、2035年ビジョン「Vision F 2035」実現に向けた次期中期経営計画につきましては、対象期間を2027年度~2029年度とし、2027年2月下旬を目途に公表予定です。 ② 「中期経営計画2025」の振り返り「中期経営計画2025」においては、「2025年ビジョン」の実現に向けた最終フェーズとして、機械事業をコアとした成長戦略の総仕上げを通じ、企業価値と社会価値を同時に創造する経営の定着を図ってまいりました。 財務面においては、ROE、有利子負債/EBITDA倍率、デット・エクイティ・レシオといった主要な経営指標について、計画最終年度の目標を前倒しで達成するなど、資本効率および財務健全性の改善において一定の成果を上げることができました。また、政策保有株式の縮減を進めるとともに、自己株式の取得や増配を実施し、株主還元の充実にも取り組んでまいりました。一方、事業収益力の強化の観点では、重要な課題を残す結果となりました。2025年度の連結営業利益は112億円となり一定の利益水準は確保したものの、目標である130億円には到達せず、売上成長に見合った利益率の向上には至りませんでした。これは、事業を通じた付加価値創出力(価値創造の質)の向上が十分でなかったことを示すものです。特に、コア事業である機械事業は連結営業利益の80%以上を占めることを目標としておりましたが、実績は51%にとどまり、目標との間に大きな乖離が生じました。産業機械部門においては、大型工事案件の発注遅延や工事管理面の課題が収益性に影響し、ロックドリル部門では、主要市場である北米において市場供給の一巡による需要の一服や景気の不透明感が影響いたしました。また、ユニック部門では、トラック加工ボディメーカーの納期長期化や原材料価格の高騰により、コスト増加分を十分に吸収できない状況が継続いたしました。これらの課題を踏まえ、当社グループでは、付加価値の高い製品・サービスの拡充、ストックビジネスの拡大、営業・サービス力の強化、工事管理体制の強化など、部門ごとに具体的な改善施策に着手しております。密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)や全自動ドリルジャンボといった社会インフラ整備や省人化・安全性向上に資する製品は、社会価値の創造と同時に、当社グループの競争力強化に資する重要な要素であると認識しております。また、サステナビリティを経営の最重要課題の一つと位置づけ、カーボンニュートラルへの対応、人材の多様性の確保と育成、コーポレート・ガバナンスの実効性向上にも継続して取り組んでまいりました。これら非財務資本への投資は、将来にわたる持続的成長と価値創造の基盤となるものと認識しております。以上のとおり、「中期経営計画2025」は、財務基盤の強化や資本効率の改善において一定の成果を上げた一方で、本業による収益力の向上を通じた価値創造の質の向上という点において明確な課題を残す結果となりました。これらの成果と課題を次期中期経営計画に的確に反映させ、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題① 次期中期経営計画に関する今後の開示予定当社グループは、事業ポートフォリオの強化に向けた戦略的取り組みを進めており、2026年4月1日には、株式会社アーステクニカの連結子会社化を実現いたしました。今後、当社グループの事業構造や収益モデルに大きな変化が生じることになりますが、競争法による情報共有の限界があったことから、統合効果を含めた事業計画の精緻化と実行体制の構築には、一定の時間を要する見込みです。特に、組織間のシナジー創出、オペレーションの統合、財務指標やKPIの再設定など、複数の重要課題を着実に進める必要があります。これらを十分に検討し、実効性の高い計画を策定することが、当社グループの責務であると考えております。このような背景を踏まえ、当社グループは新たな中期経営計画の対象期間を2027年度~2029年度とし、公表時期の目途を2027年2月下旬にすることといたしました。これは、統合後の事業ポートフォリオを反映し、精度の高い数値目標と戦略を提示するための判断です。なお、今後の決算説明会等を通じて、進捗状況や検討内容を適宜開示し、透明性の確保に努めてまいります。 ② 次期中期経営計画策定の方向性[前提]・2035年ビジョン「Vision F 2035」を起点とした設計・「中期経営計画2025」の総括を踏まえた改善点の反映・外部環境変化(資本市場・社会課題)への対応 [重視する経営テーマ]・事業ポートフォリオの最適化・資本効率を意識した経営の深化・成長投資の選択と集中・経営基盤(人材・DX・ガバナンス)の進化 [財務・資本効率に対する基本スタンス]・キャッシュ・フロー創出力の強化事業収益力の向上を通じ、持続的なキャッシュ・フロー創出基盤を構築します。・資本効率を意識したKPI設計ROIC・ROEなど資本効率指標を軸としたKPI体系を設計し、経営の規律を高めます。・投資と還元のバランス成長投資と株主還元の最適バランスを追求し、中長期的な企業価値向上を図ります。 a.政策保有株式の縮減に向けた取り組み政策保有株式の縮減に関する対応方針● 政策保有株式については、毎年、個別の銘柄ごとに、その保有目的、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか、また同時に定性面、定量面からの総合的な判断を含め精査し、取締役会においてその保有継続の適否を検証しています。● 保有の必要性が認められなくなった銘柄は適宜売却を行うなど、縮減に努め、連結純資産額の20%未満の維持を目指していきます。● 縮減に関する進捗の指標として、政策保有株式の連結純資産に対する比率を継続的に開示していきます。 b.サステナビリティへの取り組みサステナビリティへの取り組みについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティに関する考え方および取り組み、(2) 気候変動」をご参照ください。 c.事業ポートフォリオの見直し基本方針◆ 8つの事業部門ごとに資本コストを算定し、3要素[X軸:企業価値創造力、Y軸:売上高年平均成長率、バブルの大きさ:企業価値創造力×投下資本額/年]をバブルチャートにプロットし、事業ポートフォリオの可視化・識別を行います。そのうえで、成長性と企業価値創造力を判断基軸とする4象限分析を行い、これまでの歴史や思い入れに過度に引きずられない合理的な経営判断を実施していきます。◆ 更に、各事業部門内の事業(製品)ポートフォリオ戦略についても可視化し、収益性の改善や低収益事業(製品)の見極めを推進していきます。 d.研究開発投資基本方針◆ マーケティング経営に基づき、社会課題の解決に貢献する開発テーマの製品化・事業化を推進します。昨今の急激な技術革新に伴い多様化する顧客ニーズに対応し続けるため、先端技術の積極的な導入や、DXにより既存事業の拡大や新規事業の創出を推進しながら、信頼され、魅力あるモノづくり、コトづくりを目指します。 重点課題● 省人化を目指した自動化技術開発の推進● 全固体電池用の固体電解質の材料および量産化技術開発● 高効率化・軽量化等による環境負荷低減に寄与する機械製品、技術の開発● DXの効果的活用● 技術者人材育成プログラムの本格運用による次世代を担う技術者の育成強化 e.知的財産への投資基本方針◆ 知財活動を重要な経営戦略の一つと捉え、競争優位を確保するために知財情報を活用する体制を整備します。◆ 自社技術の権利化を基本とし、知財活用を含む事業全体の価値向上を目指します。◆ 事業戦略の策定に際し、知財情報を重要な要素として取り入れることで、事業戦略と知財戦略の一体化を図ります。 重点課題● 技術力の評価を可視化する知的財産権に関する知財活動(発掘~権利化~維持~活用)の活性化● 保有権利の価値評価による産業財産権の有効活用促進● 特許情報の収集分析による企業戦略の策定 f.人的資本への投資人的資本への投資については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本」をご参照ください。 g.DXへの投資基本方針◆ マインド・スタンスの浸透とデジタル技術の活用の実践 新たな価値を生み出すための考え方・姿勢について現場レベルで醸成・促進 次なる顧客価値創出と現場改革の取り組みを活性化 -モノ・コト(製品・サービス):プロセス改革と市場・ビジネス創造 -業務改革 :デジタル化+ナレッジ蓄積・活用の更なる推進/経営データベースの構築 重点課題への対応状況● DX推進委員会による当社グループ横断の推進体制● 3つの柱(モノづくり/コトづくり/業務改革)と共通課題への対応によるDX推進・現場実装の加速 h.アライアンス、M&Aへの投資基本方針◆ 現有の機械事業の隙間を埋めて連続性を創るような周辺の事業会社など、機械事業のさらなる拡充に向けたアライアンス、M&Aを検討・遂行していきます。 重点課題● コア事業と位置づけている機械事業については、引き続き持続的拡大を図っていくとともに、将来における非連続な成長を実現するために、アライアンスやM&Aへの取り組みを一層強化● 実現したM&A(株式会社アーステクニカの株式取得による連結子会社化、株式会社三井三池製作所の株式取得による持分法適用関連会社化)のシナジー効果追求 ③ セグメント別の事業戦略〔機械事業〕産業機械部門では、国土強靭化や防災・減災、脱炭素といった社会的要素を背景に、当該部門を取り巻く事業環境は中長期的には堅調な需要が見込まれる一方、資機材価格や人件費の上昇、施工余力の低下、技術者不足の慢性化など、事業運営上の制約要因が顕在化しており、これらへの適切な対応が当部門の重要な経営課題となっております。このような環境下において、基本方針として、コア製品・コア技術の融合による顧客価値の最大化と、事業領域の拡大による持続的成長の実現を目指します。従来の機器販売を中心とした事業構造から脱却し、設計・製造・施工管理までを一貫して担うエンジニアリングを核とした付加価値型事業への転換を推進することで、価格競争に依存しない収益基盤の構築を目指します。具体的には、ポンプ製品等の安定収益事業を基盤として、提案営業力およびサービス体制の強化により更新需要の確実な獲得とストック型収益の着実な成長を図ります。そして、流体設備および鉄構部門において事業領域の拡大を進め、事業ポートフォリオの確立を図ってまいります。さらに、長距離ベルトコンベヤや環境配慮型の密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)といったコア製品・コア技術を融合し、防災・環境分野の大型案件に対応するエンジニアリング力を強化することで、コントラクタ事業の成長を加速させてまいります。これらの戦略を確実に実行するため、部門横断的なリソース共有によるエンジニアリング強化、技術者の採用・育成・定着を軸とした人材戦略強化、DX推進による業務効率化と品質向上に継続的に取り組み、外部環境の変化に対応可能な持続的成長基盤の確立を図ってまいります。 ロックドリル部門では、製品の開発・販売からアフターサービスに至る製品ライフサイクル全域で、顧客価値を最大化するビジネスモデル(FRDモデル)の構築を基本戦略としております。コアコンピタンスである油圧ドリフタとその運用ノウハウを最大限に活用し、国内で培ってきたカスタマーサクセスを実現するビジネスモデル(製品販売、部品・消耗品販売、整備サービス、サポートプログラム、下取り再販)を、海外市場へと展開してまいります。北米では、インフラ投資やデータセンター建設需要の拡大を背景に、成長分野への重点展開を進めます。西部・中西部地区を中心に、ブラストホールドリル大型機の市場開拓を推進するとともに、大型・超大型油圧ブレーカについては、北米全域での販売体制を強化し、シェア拡大を図ります。東南アジアでは、「砕石市場創造」をテーマに、中長期的な市場拡大を目指します。砕石市場向けに投入したアタッチメントドリルの販売展開により、さく岩機の油圧化を継続的に推進し、作業効率・安全性の向上を通じて市場浸透を図ります。また、切羽の下流展開(砕石プラント向け)を産業機械部門と協業して進め、タイでの破砕機の販売開始に続き、マレーシアでの営業展開を進めております。欧州では、地域特性を踏まえた製品展開により、収益機会の拡大を目指します。東欧諸国を中心に、油圧ブレーカ市場の新規開拓を推進するとともに、鉱山・砕石分野において、超大型ブレーカの拡販に注力してまいります。国内では、解体・砕石・トンネル分野における構造的課題への対応を軸に事業展開を進めます。解体機市場向けに超大型油圧ブレーカおよび油圧圧砕機の展開を進め、砕石市場においては、少子高齢化によるオペレーター不足への対応策として、セミオート穿孔機能を搭載した油圧クローラドリルの販売を一層強化してまいります。また、トンネル関連分野では、省人化・自動化のニーズに対応すべく、全自動ドリルジャンボ、全自動ロックボルト施工機、支保工エレクタ付吹付機の販売強化により、施工現場の安全性と生産性向上に貢献してまいります。生産面では、集中生産を加速すべく国内4生産拠点の生産・調達等の合理化を更に推進し、コストダウン、品質強化、リードタイム短縮、在庫適正化を図ります。 ユニック部門では、事業環境の変化に適応するために、顧客に選ばれる製品・サービスの提供による収益基盤の再構築を目指し、付加価値製品の提供ときめ細かい営業・サービス対応力強化に取り組んでまいります。油圧技術を軸に制御技術を融合し、顧客に選ばれるユニーク(unique)な製品・サービスで新しい価値を生み出す集団になることをビジョンに掲げ、顧客に選ばれる製品・サービスを提供するために、顧客価値を測る力、その価値を最大化する製品・サービスを生み出す力、それを顧客に満足いただける方法で提供する力の強化に取り組んでまいります。国内においては、安全性、操作性、利便性、環境性向上機能を付与した付加価値製品の提供の強化を進めてまいります。ユニッククレーンでは、オペレーターの操作性、現場での利便性、環境性能を進化させ、製品競争力の一層の強化を図ります。ユニックキャリアでは、業界ごとのニーズに対応した機能の拡充に加え、生産性向上に取り組み、顧客満足度と収益性の向上を目指します。海外においては、地域特性と市場動向を踏まえた販売体制の見直しと市場ニーズに対応した製品の投入により、収益性の向上を目指します。生産面では、国内の2工場(佐倉・小山)・中国・タイそれぞれの特性を活かして4極生産体制のメリットの最大化を図り、生産機能の強化と徹底したコストコントロールを推進いたします。 アーステクニカ部門では、順調な業容と利益の拡大をさらに確固たるものとするため、「何かを変えて成長していく」ことを基本方針に掲げ、成長戦略の推進に取り組んでおります。長年培ってきた破砕・粉砕・選別技術力を事業の基軸とし、既存技術のブラッシュアップに加え、新製品・新技術の開発と応用展開を通じて、多様化するビジネス分野の需要変化に柔軟かつ機動的に対応できる事業展開を進めております。砕石・土壌分野では、省エネ性能に優れた「自走式破砕機」や、JIS規格を満たす建設廃材向けの「再生骨材製造設備」を新たにリリースすることで競争優位性を一段と高めております。あわせて、「サービスで選ばれる」をモットーにカスタマーサポート人員を増員し、体制強化を図ることで、顧客満足度の向上と安定した収益基盤の構築を進めております。海外市場では、鉱山向けに「自動制御技術」を搭載した大型機の拡販を進めるとともに、東南アジアをはじめとする現地パートナーとの連携強化やサービス体制の充実を図り、持続的な事業拡大を目指しております。環境分野は、ここ数年にわたり事業伸長が著しく、砕石・土壌分野に続く当部門の第2の柱として位置付けております。今後も中長期的な成長を牽引する重要分野として、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律への対応や、製鉄業界における電炉化の進展といった市場環境の変化を的確に捉え、事業展開を加速してまいります。とりわけ、混合建設廃棄物向けの新製品や、電炉向け原料用の「大型シュレッダ」など、「真似のできない革新的技術」を核としたプラントフローを提案することで、大型案件の受注拡大を着実に進めてまいります。産機分野では、プラントエンジニアリング力を活かした提案力の強化により、設備更新需要を着実に取り込んでおります。粉体分野では、新製品である連続式造粒乾燥機「LaVortex」を中核製品とし、高度な精密混合性能を強みに、製薬業界における連続製剤システムの拡販展開を加速しております。大手製薬メーカー向けに受注したパイロットプラントを起点に市場への浸透を図り、将来の事業拡大につながる新たな収益基盤の確立を目指しております。これら分野別の成長戦略を着実に実行するため、新製品・新技術の開発とリリースの加速、PDCAサイクルを通じた主力製品のコストダウン、ならびに計画的な多能工化によるものづくり力の向上を進めてまいります。 〔素材事業〕金属部門では、委託製錬事業の最適化への取り組みを基本戦略としております。国際市況動向や鉱石買鉱条件の影響を受け収益変動がある中、採算重視の販売と原料の安定調達に注力し、引き続き採算性と安定化を追求してまいります。 電子部門では、戦略製品の事業拡大による収益向上を基本戦略としております。窒化アルミセラミックスについては、半導体製造装置関係部品向けなどの需要が増加しつつあり、その拡販と将来に向けた特性向上開発に努め、更なる事業拡大を図ってまいります。回折光学素子(DOE)については、自動車や電子機器製造においてレーザー加工技術の採用が進み、レーザー加工用DOEの市場拡大が見込まれる中、技術的優位性を生かして拡販を図り、併せて新製品の開発を進めてまいります。コイルについては、新規案件獲得のため、カスタム対応を駆使しての横展開を図り、開発・拡販による収益拡大を目指してまいります。 化成品部門では、既存製品の収益拡大と新規開発製品の育成・拡大を基本戦略としております。硫酸については、化学工業の各分野で不可欠な基礎材料として大きな需要があり、不純物が少ない高品質硫酸による差別化展開を強化しております。酸化銅については、日本市場で成長が見込まれるサーバー向けパッケージ基板用途への拡販を図ってまいります。新規開発製品である金属銅粉については、品質、量産・販売体制を整え、サンプル展開から販路の拡大を図ってまいります。 〔不動産事業〕室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)の安定収益確保と、保有する不動産の有効活用を基本戦略としております。2023年8月には、古河大阪ビルの跡地その他の土地の共有持分の一部を譲渡いたしました。譲渡代金を原資として、当該地に建築中のホテルおよび一部住宅を用いた賃貸事業を2027年度から本格稼働することを計画しており、準備は順調に進んでおります。 (注)文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。 ① 経営成績の状況 前連結会計年度当連結会計年度対前年同期増△減売上高(百万円)201,216211,0819,864営業利益(百万円)9,76311,2991,535経常利益(百万円)9,70513,7334,028親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)18,61912,777△5,841 当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の我が国経済は、雇用・所得環境が改善する中、個人消費や設備投資に持ち直しの動きがみられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、米国の通商政策をはじめとする各国の政策動向の影響を受け、製造業を中心に企業収益の改善には一部足踏みがみられました。また、ウクライナ情勢や中東地域における緊張の高まりをはじめ、国際情勢は依然として不安定な状況が続いており、地政学的リスクの拡大に加え、資源価格や為替動向への影響が懸念される中、事業環境の先行きについては不透明な状況が続いております。このような経済環境の下、当社グループの当連結会計年度の売上高は、2,110億81百万円(対前年同期98億64百万円増)、営業利益は、112億99百万円(対前年同期15億35百万円増)となりました。産業機械部門は減収減益、ロックドリル部門およびユニック部門はいずれも増収増益となり、機械事業全体では減収減益となりました。素材事業では、金属部門、電子部門および化成品部門のいずれも増収増益となりました。また、不動産事業では増収増益となりました。営業外収益として、持分法による投資利益31億10百万円などを計上した結果、経常利益は137億33百万円(対前年同期40億28百万円増)となりました。特別利益として、政策保有株式の一部売却を主因とする投資有価証券売却益72億23百万円などを、特別損失として、環境対策引当金繰入額21億94百万円などを計上し、税金費用56億73百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、127億77百万円(対前年同期58億41百万円減)となりました。 セグメント別の業績は、次のとおりです。 〔産業機械〕 前連結会計年度当連結会計年度対前年同期増△減売上高(百万円)22,21318,268△3,944営業利益(百万円)2,2061,646△560 産業機械部門の売上高は、182億68百万円(対前年同期39億44百万円減)、営業利益は、16億46百万円(対前年同期5億60百万円減)となりました。マテリアル機械は、砕石プラントの売上高の減少などにより、減収となりました。また、流体機械事業は、ポンププラントの売上高の減少などにより、減収となりました。更に、コントラクタ事業についても、橋梁工事の出来高が減少したことにより、減収となりました。 〔ロックドリル〕 前連結会計年度当連結会計年度対前年同期増△減売上高(百万円)35,00336,4241,420営業利益(百万円)2,7952,85155 ロックドリル部門の売上高は、364億24百万円(対前年同期14億20百万円増)、営業利益は、28億51百万円(対前年同期55百万円増)となりました。国内については、油圧クローラドリルおよびトンネルドリルジャンボ本体などの出荷が増加したものの、整備事業における売上高の減少などにより、国内全体では減収となりました。一方、海外については、設備投資が堅調な北米向けおよびアフリカ向けの油圧クローラドリルの出荷増などにより、増収となりました。 〔ユニック〕 前連結会計年度当連結会計年度対前年同期増△減売上高(百万円)29,08429,563479営業利益(百万円)9771,273295 ユニック部門の売上高は、295億63百万円(対前年同期4億79百万円増)、営業利益は、12億73百万円(対前年同期2億95百万円増)となりました。国内については、ユニッククレーンの出荷の減少などにより、減収となりました。海外については、アジア向けのユニッククレーンおよびミニ・クローラクレーンの出荷増などにより、増収となりました。 ≪機械事業合計≫ 前連結会計年度当連結会計年度対前年同期増△減売上高(百万円)86,30184,256△2,045営業利益(百万円)5,9805,771△209 産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業の合計売上高は、842億56百万円(対前年同期20億45百万円減)、営業利益は、57億71百万円(対前年同期2億9百万円減)となりました。 〔金 属〕 前連結会計年度当連結会計年度対前年同期増△減売上高(百万円)92,384103,06710,683営業利益(百万円)2,4183,7901,371 金属部門の売上高は、1,030億67百万円(対前年同期106億83百万円増)、営業利益は、37億90百万円(対前年同期13億71百万円増)となりました。電気銅の海外相場は、9,600米ドル/トン台で始まり、米中貿易摩擦による需要減退の懸念から一時下落しましたが、その後はドル安を主因として上昇基調で推移しました。地政学的リスクの拡大や米国の通商政策の影響などによる振れを繰り返しつつ、期末には12,160.00米ドル/トンとなりました。電気銅は、生産量が44,482トン(対前年同期1,293トン減)となった一方、販売数量は前年同期並みとなりました。この結果、海外相場の上昇により増収となったものの、委託損益の悪化により減益となりました。一方、電気金は、販売数量の減少により減収となったものの、海外相場の上昇を背景に増益となりました。 〔電 子〕 前連結会計年度当連結会計年度対前年同期増△減売上高(百万円)6,5456,953407営業利益(百万円)125365240 電子部門の売上高は、69億53百万円(対前年同期4億7百万円増)、営業利益は、3億65百万円(対前年同期2億40百万円増)となりました。コイルは、車載向けの販売数量減により、減収となりました。一方、高純度金属ヒ素は、ガリウムヒ素(GaAs)半導体向けの販売が堅調に推移したことに加え、国内向け販売単価の上昇により増収となりました。また、窒化アルミセラミックスは、半導体製造装置向け部品の需要が回復したことにより、増収となりました。 〔化成品〕 前連結会計年度当連結会計年度対前年同期増△減売上高(百万円)9,82710,359532営業利益(百万円)625837212 化成品部門の売上高は、103億59百万円(対前年同期5億32百万円増)、営業利益は、8億37百万円(対前年同期2億12百万円増)となりました。酸化銅は、AIサーバー市場を中心としたパッケージ基板向け需要の回復により、販売数量が増加し、増収となりました。亜酸化銅は、主要用途である船底塗料の一部顧客が生産調整を行った影響で販売数量が減少したものの、銅価の上昇および価格改定により販売単価が上昇した結果、増収となりました。 ≪素材事業合計≫ 前連結会計年度当連結会計年度対前年同期増△減売上高(百万円)108,757120,38011,623営業利益(百万円)3,1694,9941,824 金属、電子および化成品の素材事業の合計売上高は、1,203億80百万円(対前年同期116億23百万円増)、営業利益は、49億94百万円(対前年同期18億24百万円増)となりました。 〔不動産〕 前連結会計年度当連結会計年度対前年同期増△減売上高(百万円)2,0712,228156営業利益(百万円)6866936 不動産事業の売上高は、22億28百万円(対前年同期1億56百万円増)、営業利益は、6億93百万円(対前年同期6百万円増)となりました。主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)は、オフィスの空室率改善による稼働率の向上により、増収となりました。 〔その他〕 前連結会計年度当連結会計年度対前年同期増△減売上高(百万円)4,0854,215129営業利益(百万円)154832 金属粉体事業、鋳物事業、運輸業等を行っています。売上高は、42億15百万円(対前年同期1億29百万円増)、営業利益は、48百万円(対前年同期32百万円増)となりました。 ② 財政状態の状況 前連結会計年度末当連結会計年度末対前連結会計年度末増△減総資産(百万円)257,107272,37615,268負債(百万円)123,534122,174△1,359(うち有利子負債(百万円))56,03457,3231,288純資産(百万円)133,572150,20116,628自己資本比率(%)50.954.13.2 当連結会計年度末の総資産は、対前連結会計年度末152億68百万円増の2,723億76百万円となりました。これは主として、産業機械部門を中心に受取手形、売掛金及び契約資産が減少したものの、保有する上場株式の株価上昇により、投資有価証券が増加したことによるものです。有利子負債は、対前連結会計年度末12億88百万円増の573億23百万円となり、負債合計は、対前連結会計年度末13億59百万円減の1,221億74百万円となりました。純資産は、対前連結会計年度末166億28百万円増の1,502億1百万円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.2ポイント上昇し、54.1%となりました。また、政策保有株式の純資産に対する比率は、前連結会計年度末に比べ9.2ポイント上昇し、25.8%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 前連結会計年度当連結会計年度対前年同期増△減営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)53,4093,404投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)15,0982,122△12,975財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△9,234△9,662△428現金及び現金同等物(百万円)24,39120,352△4,039 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、非資金損益項目等の調整後収入(税金等調整前当期純利益に非資金損益項目等を調整)が153億50百万円となったものの、営業活動に係る資産・負債の増減による支出63億95百万円および法人税等の純支払額57億76百万円があったことから、34億9百万円の純収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出48億68百万円、関係会社株式の取得による支出26億20百万円などの支出がありましたが、投資有価証券の売却による収入98億73百万円などの収入があり、21億22百万円の純収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入れによる収入186億40百万円などの収入がありましたが、借入金の返済による支出174億52百万円、自己株式の取得による支出80億70百万円および配当金の支払額24億2百万円などの支出があり、96億62百万円の純支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ40億39百万円減し、203億52百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、34億9百万円の純収入で、対前年同期34億4百万円の収入増となりました。これは主として、売上債権の減少などにより、営業活動に係る資産・負債の増減による支出が63億95百万円となり、前年同期に比べ27億65百万円減少したことによるものです。 (参考) 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)対前年同期増△減(百万円)税金等調整前当期純利益25,20818,603△6,604非資金損益項目等の調整(※)△11,201△3,2527,948 非資金損益項目等の調整後収入14,00615,3501,344 営業活動に係る資産・負債の増減△9,161△6,3952,765純支払利息および配当金の受取額508231△276法人税等の純支払額△5,347△5,776△428 営業活動によるキャッシュ・フロー53,4093,404※ 減価償却費や減損損失等の非資金損益項目のほか、営業外損益、特別損益項目の調整を含みます。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、21億22百万円の純収入で、対前年同期129億75百万円の支出増となりました。これは主として、投資有価証券の売却による収入が98億73百万円となり、前年同期に比べ136億56百万円減少したことによるものです。なお、政策保有株式については、毎年、保有継続の適否を検証するとともに、資産の有効活用および財務体質の健全化を図るべく適宜売却を進めております。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、96億62百万円の純支出で、対前年同期4億28百万円の支出増となりました。これは主として、有利子負債の増加による収入が11億87百万円(前年同期は23億39百万円の支出)となったものの、自己株式の取得による支出が80億70百万円となり、前年同期に比べ46億30百万円増加したことによるものです。 ④ 生産、受注および販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)産業機械17,432△16.7ロックドリル35,0097.1ユニック29,4553.8金属99,38810.5電子6,9447.5化成品9,39811.6その他3,199△0.7合計200,8285.7(注)1. 生産金額の算出方法は、販売価格および製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2. 産業機械、ロックドリルおよびユニックの一部については外注生産を、また、金属は委託製錬を行っております。 b. 受注実績産業機械、ユニックおよびその他の一部については受注生産を行っており、当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりです。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)産業機械10,86925.110,012△0.1ユニック3,6154.21,826△1.0その他1,2969.8480△1.5合計15,78118.312,318△0.3 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)産業機械18,268△17.8ロックドリル36,4244.1ユニック29,5631.6金属103,06711.6電子6,9536.2化成品10,3595.4不動産2,2287.6その他4,2153.2合計211,0814.9(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)古河電気工業㈱32,61616.238,18418.0田中貴金属工業㈱22,56411.223,88011.3 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討の内容(当社グループの当連結会計年度の経営成績)当連結会計年度の売上高は、対前年同期98億64百万円(4.9%)増加し、2,110億81百万円、営業利益は、対前年同期15億35百万円(15.7%)増加し、112億99百万円となりました。営業利益率は、0.5ポイント上昇し、5.4%となりました。セグメント別の売上高および営業利益の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりです。 当連結会計年度の営業外収益は、株式会社三井三池製作所の持分法適用関連会社化に伴う負ののれん発生益を含む持分法による投資利益31億10百万円(対前年同期24億89百万円増)、および為替差益5億74百万円(前年同期は6億21百万円の為替差損)などを計上したことにより、対前年同期26億77百万円増加し、49億82百万円となりました。営業外費用は、自己株式取得費用6億90百万円(対前年同期6億89百万円増)などを計上したことにより、対前年同期1億85百万円増加し、25億48百万円となりました。以上の結果、経常利益は、対前年同期40億28百万円(41.5%)増加し、137億33百万円となりました。 当連結会計年度の特別利益は、政策保有株式の一部売却を主因とする投資有価証券売却益72億23百万円(対前年同期98億54百万円減)などを計上したことにより、対前年同期102億77百万円減少し、72億57百万円となりました。特別損失は、オーストラリア旧製錬所跡地周辺住宅地の残留鉛汚染浄化費用の支出に備えるための環境対策引当金繰入額21億94百万円(対前年同期4億9百万円増)などを計上したことにより、対前年同期3億55百万円増加し、23億87百万円となりました。以上の結果、税金等調整前当期純利益は、対前年同期66億4百万円(△26.2%)減少し、186億3百万円となりました。 当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合計した税金費用は、対前年同期7億72百万円減少し、56億73百万円となりました。法人税等の負担率は、子会社留保利益による調整(5.1%)などにより、4.9ポイント上昇し、30.5%となりました。非支配株主に帰属する当期純利益は、対前年同期9百万円増加し、1億52百万円となりました。以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、対前年同期58億41百万円(△31.4%)減少し、127億77百万円となりました。 (当社グループの当連結会計年度末の財政状態)当連結会計年度末の流動資産は、対前連結会計年度末14億92百万円(△1.3%)減少し、1,152億67百万円となりました。減少の主な要因は、2023年8月に古河大阪ビルの跡地その他の土地の一部を共有持分として譲渡した代金(残金)97億93百万円を、決済スケジュールに鑑み投資その他の資産の「その他」に含まれる長期未収入金から振替えたことにより、未収入金が97億6百万円(737.8%)増加した一方、現金及び預金が38億0百万円(△15.3%)減少したこと、および産業機械部門を中心に売上債権の回収が進み、受取手形、売掛金及び契約資産が89億9百万円(△26.5%)減少したことによるものです。 当連結会計年度末の固定資産は、対前連結会計年度末167億60百万円(11.9%)増加し、1,571億8百万円となりました。増加の主な要因は、保有する上場株式の株価上昇により、投資有価証券が211億48百万円(106.3%)増加したことによるものです。なお、当社の株式の保有状況については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」に記載のとおりです。以上の結果、当連結会計年度末の総資産は、対前連結会計年度末152億68百万円(5.9%)増加し、2,723億76百万円となりました。 当連結会計年度末の流動負債は、対前連結会計年度末60億72百万円(△11.4%)減少し、470億41百万円となりました。減少の主な要因は、短期借入金(1年以内返済予定の長期借入金を含みます。)が67億2百万円(155.6%)増加した一方、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」の施行に伴う支払条件の見直しにより、電子記録債務が44億25百万円(△60.6%)減少したこと、および金属原料鉱石代の支払いにより、未払金が98億46百万円(△69.6%)減少したことによるものです。当連結会計年度末の固定負債は、対前連結会計年度末47億12百万円(6.7%)増加し、751億33百万円となりました。増加の主な要因は、長期借入金が54億13百万円(△11.6%)減少した一方、その他有価証券評価差額金の増加に伴い、繰延税金負債が84億80百万円(73.2%)増加したことによるものです。以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、対前連結会計年度末13億59百万円(△1.1%)減少し、1,221億74百万円となりました。 当連結会計年度末の純資産は、対前連結会計年度末166億28百万円(12.4%)増加し、1,502億1百万円となりました。増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益127億77百万円を計上し、剰余金の配当24億12百万円、自己株式の取得80億70百万円を実施したことなどにより、株主資本合計が25億91百万円(2.4%)増加したこと、およびその他有価証券評価差額金の増加により、その他の包括利益累計額合計が138億32百万円(62.4%)増加したことによるものです。 (当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)産業機械製品は、主に民間設備投資と公共投資の動向の影響を受けます。ロックドリル製品は、国内では民間設備投資と公共投資の動向、海外では出荷先各国の景気動向の影響を受けます。ユニック製品は、トラックの国内需要動向の影響を受けます。電気銅をはじめとする金属製品は、原料銅鉱石、地金製品ともに国際市況動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けます。電子製品は、半導体市場の動向の影響を受けます。なお、主要なリスクを含む事業等のリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 (当社グループの資本の財源および資金の流動性)a. キャッシュ・フロー当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 b. 契約債務2026年3月31日現在の契約債務の概要は、以下のとおりです。 年度別要支払額(百万円)合計1年以内1年超2年以内2年超3年以内3年超4年以内4年超5年以内5年超短期借入金3,4383,438-----長期借入金48,8847,5697,5265,9247,4477,26013,156リース債務1,498333300278218108258上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めています。当社グループの第三者に対する保証は、連結会社以外の会社の金融機関等からの借入等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が発生した場合、代わりに弁済する義務があり、2026年3月31日現在の債務保証額は、41億64百万円です。なお、運転資金等の効率的な調達を行うため、取引金融機関と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、2026年3月31日現在の契約総額は、537億99百万円(借入実行額34億38百万円)です。 c. 連結キャッシュ・フロー配分と資本政策「2025年ビジョン」の各フェーズにおける連結キャッシュ・フロー配分の概要は、次のとおりです。 設備投資への資金配分については、第1フェーズにおける設備投資累計額は164億3百万円(設備投資等の支払額163億94百万円)、第2フェーズにおいては131億10百万円(同124億59百万円)、第3フェーズにおいては219億63百万円(同192億77百万円)となりました。第3フェーズの設備投資累計額については215億円を見込み、このうち100億円をコア事業と位置付ける機械事業へ投資する計画としておりました。これに対し、機械事業における設備投資累計額は96億72百万円となり、概ね当初計画どおりに進捗しております。引き続き、ものづくり力の強化を支える設備投資を継続して実施してまいります。なお、当連結会計年度の設備投資の概要については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりです。 有利子負債の削減については、2016年度末の有利子負債残高735億7百万円から、第1フェーズで30億94百万円、第2フェーズで75億64百万円、第3フェーズで55億25百万円を削減(「連結キャッシュ・フロー配分の概要」の有利子負債の増減には、為替換算差額による増減額を含んでおりません。)し、当連結会計年度末の有利子負債残高は、573億23百万円となりました。第3フェーズでは有利子負債65億円の削減を見込むとともに、財務水準としてデット・エクイティ・レシオ0.5倍台、有利子負債/EBITDA倍率3倍台を目指しておりました。有利子負債削減額は若干の未達となったものの、デット・エクイティ・レシオは0.4倍、有利子負債/EBITDA倍率は3.5倍となり、概ね当初計画どおりに進捗しております。引き続き、金融情勢に左右されない資金調達を可能にする堅固な財務基盤の確立を目指してまいります。更に、日系格付機関による発行体格付で、現行の「BBB+」から「A-」以上の格付引上げが可能となる財務水準を目指し、今後とも継続して財務の健全性向上に努めてまいります。 配当については、第1フェーズにおける剰余金の配当累計額は59億58百万円で、平均の連結自己資本総還元率(自己株式の取得額を含んでおります。)は3.2%、第2フェーズにおいては剰余金の配当累計額は58億0百万円で、平均の連結自己資本総還元率(同)は2.6%、第3フェーズにおいては剰余金の配当予定額は71億67百万円で、平均の連結自己資本総還元率(同)は5.1%となる見込みです。持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するための投資を優先したうえで、増配および中間配当の実施を検討し、原則として1株当たり50円以上の年間配当金および連結自己資本総還元率3%以上を目安として、安定的・継続的な利益還元に努めてまいります。自己株式の取得・消却については、株価の動向や資本効率、キャッシュ・フロー等を勘案しつつ適宜検討してまいります。第1フェーズにおける自己株式の取得総数は1,186,300株、取得価額の総額は16億28百万円、第2フェーズにおいては1,099,400株、13億87百万円、第3フェーズにおいては5,835,400株、131億29百万円(「連結キャッシュ・フロー配分の概要」の自己株式の取得額には、単元未満株式の買取請求による自己株式の取得を含んでおります。)となりました。第3フェーズにおいては自己株式取得の目標を130億円程度としておりましたが、これを達成しております。なお、2025年2月28日に当社普通株式4,000,000株を、2026年2月27日に当社普通株式3,900,000株を、それぞれ消却いたしました。 政策保有株式については、2024年5月に、2025年3月末までに連結純資産に対する比率を20%未満にする目標を公表いたしました。前連結会計年度末(2025年3月末)における同比率は16.6%となり、当該目標を達成しております。しかしながら、当連結会計年度末における同比率は、前連結会計年度末に比べ9.2ポイント上昇し、25.8%となりました。これは、政策保有株式の売却を推進したものの、保有する上場株式の株価が上昇した影響によるものです。今後も、保有の必要性が認められなくなった銘柄については売却を進めるなど、政策保有株式の縮減に努め、連結純資産に対する比率20%未満の維持を目指してまいります。なお、政策保有株式の売却資金については、第3フェーズにおける自己株式の取得に活用いたしました。更に、M&A等の成長投資のほか、カーボンニュートラルおよび環境保全に係る投資などの環境投資にも活用する予定です。 (当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)当社グループは、「2025年ビジョン」において連結営業利益150億円超の常態化および二桁台のROEの達成を掲げております。この「2025年ビジョン」の実現に向けた最終フェーズを担う「中期経営計画2025」では、機械事業をコアとした成長戦略の総仕上げを通じて、企業価値と社会価値を同時に創造する経営の定着を図り、最終年度である2025年度に連結営業利益130億円程度、ROE8%程度とする経営指標を設定いたしました。当連結会計年度(2025年度)の連結営業利益は112億99百万円となり、一定の利益水準は確保したものの、目標である130億円には到達せず、売上成長に見合った利益率の向上には至りませんでした。特に、コア事業である機械事業については、連結営業利益の80%以上を占めることを目標としておりましたが、実績は51%にとどまり、目標との間に大きな乖離が生じました。産業機械部門においては、大型工事案件の発注遅延や工事管理面の課題が収益性に影響いたしました。ロックドリル部門では、主要市場である北米において、市場供給の一巡による需要の一服および景気の不透明感が影響いたしました。また、ユニック部門では、トラック加工ボディメーカーの納期長期化や原材料価格の高騰により、コスト増加分を十分に吸収できない状況が継続いたしました。特別利益として、政策保有株式の一部売却を主因とする投資有価証券売却益72億23百万円を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は127億77百万円となった結果、ROEは9.2%となり、目標を達成いたしました。 引き続き、事業ポートフォリオの見直し強化に加え、各事業部門内の事業(製品)ポートフォリオ戦略も可視化を進め、収益性の改善や低収益事業(製品)の見極めを推進してまいります。特に、コア事業と位置づける機械事業については、持続的拡大を新たなステージに引き上げるべく、経営資源を集中してまいります。ROE向上に向けた取り組みの強化については、投資に伴うリスクおよび資本コストを勘案した採算性に留意し、個別の投資判断を行うとともに、効率性、収益性の改善に努めてまいります。また、資本コストを活用した事業ポートフォリオマネジメントを運用することにより、経営資源配分の最適化を追求し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現してまいります。 (セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析検討の内容)ROE向上の取り組みの強化・浸透を図るため、ROA(総資産営業利益率)をセグメントごとの経営指標・管理指標と位置付け、ROAの構成要素である収益性(売上高営業利益率)および効率性(総資産回転率)の改善に取り組んでおります。2016年度(比較基準年)、2019年度(第1フェーズの最終年度)、2022年度(第2フェーズの最終年度)および2023年度~2025年度(第3フェーズ)の状況は以下のとおりです。なお、セグメントごとの今後の課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題 ③セグメント別の事業戦略」に記載のとおりです。 産業機械部門では、単なる機器メーカーからの脱却を目指し、エンジニアリング力の強化を図ってまいりました。その成果として、コントラクタ事業の拡大や、マテリアル機械におけるセクションプラント工事案件への技術提案を通じた受注獲得などが業績向上に貢献し、収益性(営業利益率)は徐々に改善しております。一方で、2025年度においては、大型工事案件の発注遅延などの影響により、2024年度と比較して収益性(営業利益率)が低下し、ROAは5.6となりました。 ロックドリル部門では、新型コロナウイルス感染症の影響から回復した2021年度以降の増収に伴い、収益性(営業利益率)が改善するとともに、在庫水準の適正化に向けた取り組みによる棚卸資産回転率の改善を主因として、効率性(総資産回転率)も向上しております。一方で、2025年度においては、国内における整備事業の売上高の減少などにより、2024年度と比較して収益性(営業利益率)が低下し、ROAは6.9%となりました。 ユニック部門では、トラック加工ボディメーカーの納期長期化や原材料価格の高騰により、コスト増加分を十分に吸収できない状況が継続しており、収益性(営業利益率)は低下しております。また、2016年度から2021年度にかけて実施した佐倉工場の設備投資に伴い固定資産回転率が低下していることから、効率性(総資産回転率)も停滞しております。一方で、2025年度においては、アジア向けのユニッククレーンおよびミニ・クローラクレーンの出荷増などにより、2024年度と比較して収益性(営業利益率)が改善し、ROAは4.1%となりました。 金属部門では、国際市況動向や銅精鉱の買鉱条件の影響を受け、収益が変動する中、採算性の向上および収益の安定化を追求しております。2025年度においては、委託製錬収支が悪化したものの、金属価格の変動による利益計上により、2024年度と比較して収益性(営業利益率)が改善し、ROAは11.1%となりました。 電子部門では、戦略製品の事業拡大を目指しており、半導体製造装置用部品向けなどの需要が増加している窒化アルミセラミックスの生産能力増強に向けた設備投資を実施し、拡販による収益基盤の強化を図っております。2025年度においては、高純度金属ヒ素および窒化アルミセラミックスの増収などにより、2024年度と比較して収益性(営業利益率)が改善し、ROAは4.4%となりました。 化成品部門では、既存製品の収益拡大と新規開発製品の育成・拡大を目指しており、電子材料の小型化や高性能化に伴うパッケージ基板の需要増に対応するため、酸化銅の生産能力増強に向けた設備投資を実施しております。2025年度においては、酸化銅および亜酸化銅の増収などにより、2024年度と比較して収益性(営業利益率)が改善し、ROAは4.5%となりました。 不動産事業では、経営資源の有効活用を図ることを目的として、2023年8月に古河大阪ビルの跡地その他の土地の共有持分の一部を譲渡いたしました。当該譲渡代金を原資として、同跡地に建築中のホテルおよび一部住宅を用いた賃貸事業について、2027年度からの本格稼働を計画しており、その準備は順調に進捗しております。2025年度においては、2024年度と比較して収益性(営業利益率)が低下し、ROAは1.9%となりました。 ② 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、連結財務諸表の作成に当たり用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 為替変動の影響古河機械金属は、製品の輸出や原材料の輸入、製錬加工料収入において為替変動の影響を受けます。特に、銅精鉱などの原材料は海外からの調達が多く、円安が進行すると輸入コストが増加し、収益を圧迫する可能性があります。為替予約取引などでリスク軽減を図っていますが、大幅な変動は経営成績に影響を与える可能性があります。
- 非鉄金属市況の変動主要製品である電気銅などの非鉄金属価格は、ロンドン金属取引所(LME)の国際市況に連動し、需給バランスや投機的取引、国際政治経済情勢によって大きく変動します。価格が下落した場合、金属部門の売上や利益が減少し、グループ全体の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。先物取引によるヘッジで影響を最小化する努力をしています。
- 景気変動と需要の変動同社グループの製品は、国内外の景気動向に左右されます。特に、建設・土木関連の機械や素材は、日本、北米、欧州、アジアなどの主要市場における景気後退や、国内の公共投資額の変動が、製品需要の減少に直結し、売上高や利益に影響を与える可能性があります。これにより、生産計画の見直しや在庫増加のリスクも生じます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容につきましては、合理的に予見することが困難であるものについては記載しておりません。以下に記載したリスクは、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見し難いリスクも存在します。当社グループの事業、業績および財務状況は、かかるリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項および本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討したうえで行われる必要があります。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月24日)現在において当社グループが判断したものです。 (1) 為替の変動について当社グループは、国内外において生産、調達および販売活動を行っており、製品の輸出、銅精鉱を中心とする原材料の輸入および製錬加工料収入について為替変動の影響を受けます。そのため、為替予約取引等を利用してリスクの軽減を図っておりますが、為替が大きく変動した場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (2) 非鉄金属市況の変動について当社グループの主製品の一つである電気銅等非鉄金属の価格は、国際市況を反映したLME(London Metal Exchange:ロンドン金属取引所)で決定されたUSドル建ての国際価格であり、国際的な需給バランス、投機的取引、国際政治・経済情勢などにより変動します。そのため、先物取引を利用したヘッジ等によりLME価格の変動による影響の最小化を図っておりますが、LME価格が大きく変動した場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (3) 金利について当連結会計年度末における当社グループの有利子負債の連結貸借対照表計上額は573億23百万円と、総資産の21.0%を占めております。そのため、金利の上昇により負債コストが増加した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。なお、市場金利が上昇した場合には資金調達コストが増加する可能性がありますが、当社グループでは、固定金利等の種々の借入条件を適宜組み合わせることで、急激な金利変動に備えております。 (4) 投資有価証券および土地、その他の固定資産について当社グループは、歴史上の経緯から、その他有価証券で市場価格のない株式等以外のものおよび土地を保有しております。その当連結会計年度末の連結貸借対照表計上額は、その他有価証券で市場価格のない株式等以外のものが331億61百万円、土地が525億61百万円となっております。そのため、株価や地価が大きく下落した場合には、減損損失、評価損または売却損が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。なお、有価証券については、毎年、取締役会において個別の銘柄ごとに、保有に伴う便益やリスク等を定性面と定量面の両面から総合的に勘案のうえ、その保有の継続の適否を検証しております。検証の結果、保有の意義が認められないと判断したものについては、売却を進めることとしております。また、当社グループが保有するその他の固定資産については、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により減損損失が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (5) 需要の変動について当社グループの製品は、日本国内だけでなく海外でも販売されているため、日本、北米、欧州、アジアなどの主要市場において大きな景気変動があった場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、当社グループには、製品の特性上、売上高に占める国内の公共事業関連の割合が高い事業があるため、公共投資額に大きな変動があった場合も、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (6) カントリーリスクについて当社グループは、販売網の拡大やコスト競争力の強化、為替リスク低減等のために、グローバルに生産、調達および販売活動を行っております。そのため、現地における政情不安、急激な経済の減速、治安の悪化、貿易上の制裁措置、文化や法制度の相違、特殊な労使関係、テロ等の要因により問題が発生し、事業の円滑な遂行に支障が生じた場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、ウクライナ・中東情勢等の地政学的リスクによる売上高の減少、鋼材など原材料や燃料価格の値上げによるコストの増加や、米国の通商政策に変更が生じることによる米国での取引への悪影響等は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (7) 自然災害、感染症のまん延等の不可抗力について当社グループは、地震等の自然災害や大規模火災等に備えた事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定や地震対応マニュアルの作成、緊急時の連絡体制の整備等、事業継続に必要な対策を講じております。しかしながら、これらの災害により当社グループの生産拠点や調達先が重大な被害を受け、生産設備が損壊し、もしくは物流網に障害が発生する等の事態が生じた場合、または、新型ウイルス等の感染症の世界的なまん延により、当社グループの事業所や保有施設、調達先が操業・運営を行うことができない事態が生じた場合、製品およびサービスの安定的な供給・提供を行うことができなくなり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (8) 品質について当社グループは、世界的に認められている品質管理基準に従って製品を製造するとともに、その管理体制の確立および維持向上に努めております。しかしながら、全ての製品について、将来にわたって欠陥が発生しないという保証はありません。そのため、生産物賠償責任保険やリコール保険等に加入することでリスクに備えておりますが、想定を超える大規模な製造物責任やリコールにつながる製品の欠陥が発生した場合、または当社グループおよびその製品への信頼が失われた場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (9) 新製品開発について当社グループは、顧客のニーズを満たす新技術、新機能を備えた製品を市場投入すべく、積極的に新製品の開発に取り組んでおります。しかしながら、一部の事業においては、製品ライフサイクル上の成熟期に位置する取扱製品があり、そのような製品は、競合他社製品との差別化を図ることが困難であることから、利益率が低下する可能性があります。そのため、そのような事業において、将来の柱となるような新製品を開発・市場投入できない場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (10) 人材確保について当社グループは、将来に向けて成長していくため、新卒、経験者を問わず優秀な人材を採用し、戦力化するための育成を行っております。しかしながら、事業に必要とされる人材の確保等を十分に行うことができなかった場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (11) 環境保全について当社グループは、国内外の各事業所において、関係法令に基づき環境保全および環境安全対策ならびに公害防止に努めており、特に、国内休鉱山における坑廃水による水質汚濁防止や集積場(堆積場)の保安等の鉱害防止については、必要な措置を講じております。しかしながら、関係法令の改正等により規制が強化された場合、また、各事業所において不測の事態が発生した場合、その対応に要するコストが増加し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (12) 公的規制について当社グループは、国内外において事業を展開していることから、許認可、租税、環境、労務、独占禁止、輸出管理等に関する各国の法規制を受けております。当社グループは、これらの公的規制の遵守に努めておりますが、法令の改正等により規制が強化され、または新たな規制が制定された場合は、対応コストの増加や事業の継続への影響など、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (13) 退職給付債務について当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、確定給付企業年金制度および退職一時金制度を設けており、当連結会計年度末における退職給付債務および年金資産に基づき退職給付に係る負債を計上しております。しかしながら、退職給付債務等の計算の基礎として採用した割引率や長期期待運用収益率等の前提条件と実際の結果との間に差異が生じた場合、または前提条件が変更された場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (14) 気候変動について当社グループは、気候変動に伴うリスクと機会を重要な経営課題であると認識し、温室効果ガスの排出削減などに取り組んでいます。また、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言へ賛同表明し、気候変動が事業に及ぼすリスク・機会を分析し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しております。しかし、炭素税の導入や異常気象による事業所や工場の被災が発生した場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (15) 情報セキュリティについて当社グループは、研究開発、生産、営業などに関する機密情報や個人情報等を保有しています。当社グループでは、ネットワークセキュリティの強化、システムの保守更新など保守・保全策の強化と情報管理規則・各種ガイドラインを社員に遵守徹底するなど情報管理体制の強化を実施しておりますが、外部攻撃、不正アクセス、マルウェアの感染等により、システム障害や機密情報・個人情報の漏洩が発生した場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。