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CKサンエツ(5757)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

非鉄金属 鉄鋼・非鉄

事業の概要

  • 伸銅品の製造販売
    自動車、家電、水栓金具などに使われる黄銅の棒、線、めっき線を製造・販売しています。環境負荷物質を使わない「環境対応合金」の開発に力を入れ、多くの特許も取得しており、持続可能な社会に貢献する製品を提供しています。
  • 精密部品の加工
    デジタル一眼レフカメラのレンズ着脱部品(カメラマウント)や自動車の変速機部品(シンクロリング)、水栓金具などの黄銅製精密部品を、鍛造や切削加工で製造しています。高い技術力で複雑な形状の部品を供給し、多様な産業のニーズに応えています。
  • 配管・鍍金事業
    水道やガスの配管に使われる継手を製造しており、特にダイオキシンを発生させない「脱塩ビ継手」の開発に注力しています。また、鋼材の防錆処理として、環境負荷物質を使わない「CKeめっきスーパー」という特許技術のめっきも提供しており、インフラ整備に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 伸銅事業(BRASS)
    黄銅の棒、線、めっき線を製造・販売する主力事業です。自動車、家電、水栓金具など幅広い産業の素材として利用されており、売上高1064.07億円、営業利益70.89億円と、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。
  • 精密部品事業(PRECISION)
    カメラマウントやシンクロリング、水栓金具などの黄銅製精密部品の鍛造・切削加工を行っています。高精度な加工技術が求められる分野で、売上高56.38億円、営業利益6.24億円と、高い付加価値を生み出しています。
  • 配管・鍍金事業(FITTING GALVANIZING)
    水道・ガス配管用の継手製造と、鋼材の防錆処理としてのめっき加工を手掛けています。環境対応型の製品開発に強みがあり、売上高130.61億円、営業利益22.09億円と、安定した収益を上げています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
BRASS 事業 1,064 71 6.7%
PRECISION 事業 56 6 11.1%
FITTINGGALVANIZING 事業 131 22 16.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,385 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社(株式会社CKサンエツ)、子会社14社により構成されており、伸銅・精密部品・配管・鍍金及びこれらに付帯する事業を行っております。 伸銅事業では、黄銅の棒と線とめっき線を生産しています。これらの伸銅品は、自動車や家電製品や水栓金具等の素材として、広範に使用されています。鉛やカドミウムなどの環境負荷物質を使用しない環境対応合金を実用化し、多数の特許を取得しています。生産拠点は、サンエツ金属株式会社の砺波工場、高岡事業所及び新日東工場、日本伸銅株式会社の堺工場並びに三谷伸銅株式会社の本社工場です。 精密部品事業では、黄銅製のカメラマウント(デジタル一眼レフカメラの本体とレンズの着脱部品)やシンクロリング(自動車のマニュアルトランスミッションに使用されるシンクロナイザーリングの部品)や水栓金具等の鍛造加工や切削加工を行っています。生産拠点は、富山県砺波市にあるサンエツ金属株式会社のプレシジョン工場です。 配管・鍍金事業では、水道やガスの配管に使用される継手の生産を行っています。ダイオキシンなどの環境負荷物質の発生する恐れがある塩化ビニールを一切使用しない脱塩ビ継手を実用化するなど、新製品の開発に注力し、多数の特許を取得しています。施工性に優れた透明被覆継手は、グッドデザイン賞を受賞しました。生産拠点は、富山県高岡市にある株式会社リケンCKJVです。また、鋼材の防錆処理として、鉛やカドミウムなどの環境負荷物質を一切使用しない環境対応鍍金を実用化し、「CKeめっきスーパー」のブランドで生産しています。「CKeめっきスーパー」は、NETIS(国土交通省新技術情報提供システム)に登録された特許技術です。生産拠点は、富山県高岡市にあるシーケー金属株式会社です。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 事業内容と当社及びグループの当該事業にかかる位置付けは次のとおりであります。 次の3部門は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。区分主要製品会社伸銅黄銅棒・黄銅線・黄銅管サンエツ金属株式会社日本伸銅株式会社三谷伸銅株式会社新キタミ株式会社株式会社サンエツ商事三越金属(上海)有限公司台湾三越股份有限公司精密部品カメラマウント・シンクロリングサンエツ金属株式会社配管・鍍金配管機器・溶融亜鉛鍍金シーケー金属株式会社株式会社リケンCKJV 事業の系統図は次のとおりであります。〇連結子会社、※非連結子会社 製造・販売会社 サンエツ金属株式会社、日本伸銅株式会社、三谷伸銅株式会社、新キタミ株式会社、シーケー金属株式会社、 株式会社リケンCKJV、オキノ工業株式会社、三星工業株式会社 販売会社 三越金属(上海)有限公司、台湾三越股份有限公司、株式会社サンエツ商事、株式会社日伸地金、 株式会社CKトレーディング その他 有限会社シーエス保険サービス(注)三星工業株式会社は、2026年1月4日開催の株主総会において解散を決議し、清算手続き中であります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
主原料の価格変動リスクがあり、代替材への変更が行われる可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
環境対応合金や脱塩ビ継手、環境対応鍍金などの特許技術を多数取得している。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:材料価格変動のリスク / 電力供給不安のリスク / 海外事業拠点のリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

非鉄金属業界において、CKサンエツが特許やブランド、規制ライセンスなどの無形資産によって明確な競争優位を築いているという情報は確認できませんでした。同社の事業内容は主に非鉄金属の加工・販売であり、技術的な優位性やブランド力が直接的な競争力に結びついているとは言えません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

CKサンエツの製品は、特定の工業用途向けにカスタマイズされたものが含まれる可能性があります。顧客が代替品に切り替える際には、仕様変更や再認証の手間が発生する可能性があり、一定のスイッチングコストが存在するかもしれません。しかし、それが顧客の乗り換えを強く抑制するほどではないと考えられます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

CKサンエツの事業モデルは、製品の利用者が増えることでサービスの価値が高まるネットワーク効果を生み出す性質のものではありません。同社の競争優位性は、製品の品質、価格、供給能力などに依存すると考えられます。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

非鉄金属の加工・販売においては、原材料の調達力や生産効率がコスト競争力に影響します。CKサンエツが長年の事業活動で培ってきた調達ネットワークや生産ノウハウにより、一定のコスト優位性を有している可能性があります。しかし、業界全体で価格競争が激しい場合、その優位性は限定的になる可能性があります。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

CKサンエツは、特定の非鉄金属加工分野において、一定の市場シェアと生産規模を有していると考えられます。これにより、規模の経済によるコスト削減や、顧客からの信頼獲得に繋がっている可能性があります。しかし、グローバルな大手企業と比較すると、その規模の優位性は限定的かもしれません。

  • 環境対応技術と特許
    鉛やカドミウムなどの環境負荷物質を使用しない伸銅品や、ダイオキシンを発生させない脱塩ビ継手、環境対応めっきなど、環境に配慮した製品開発に強みがあります。これらの技術は多数の特許で保護されており、他社との差別化要因となっています。
  • 高品質な精密加工技術
    カメラマウントやシンクロリングといった高精度が求められる黄銅製精密部品の鍛造・切削加工技術を有しています。自動車やカメラといった品質要求の厳しい分野で採用されることで、その技術力の高さと信頼性が証明されています。
  • 多角的な事業展開と拠点
    伸銅、精密部品、配管・鍍金と幅広い事業を展開し、国内に複数の生産拠点を持ち、中国や台湾にも海外拠点を展開しています。これにより、特定の市場や地域に依存せず、安定した事業運営とリスク分散を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 当社グループは、2011年10月に純粋持株会社体制へ移行しました。当社は、傘下に事業会社であるサンエツ金属株式会社、日本伸銅株式会社、三谷伸銅株式会社及びシーケー金属株式会社を持つ持株会社です。経営理念として、①良いものだけを、安く、早く、たくさん生産することで、社会に貢献します。②努力するに値するプロの仕事と、努力して働くほど報われる働きがいのある職場を提供することで、社会に貢献します。③期待され、期待に応え、期待を超えるため、弛みない努力を重ねます。を掲げ、『地味だけど凄い価値の創造』を目指しております。 当社グループの主力事業である「伸銅事業」と「配管・鍍金事業」は、いずれも国内市場が成熟し、今後とも需要が漸減するものと推測されています。当社グループといたしましては、新製品の開発による市場開拓と、M&Aによる事業拡張に注力することで、企業価値の向上に努めます。 伸銅事業では、新素材の開発と、特殊材の品揃えに注力します。また、スケールメリットを追求するだけでなく、トップシェアにふさわしいブランドイメージの形成による差別優位化を目指します。さらに、当社完全子会社であるサンエツ金属株式会社と連結子会社日本伸銅株式会社及び三谷伸銅株式会社との伸銅事業におけるシナジーを追求します。 配管・鍍金事業では、株式会社リケンと配管機器の開発・生産拠点を統合したことによる相乗効果を追求し、また、溶融亜鉛鍍金における新技術を開発・実用化することで差別優位化を推進します。 当社グループの経営状況を判断するための客観的な指標は経常利益です。伸銅事業の業績は、主要原材料である銅の相場の影響を受けて、営業利益が変動するリスクをヘッジするためのデリバティブ取引を行うことで経常利益段階での利益を安定化させているためです。2027年3月期の経常利益の目標は100億円としております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 当社グループは、2011年10月に純粋持株会社体制へ移行しました。当社は、傘下に事業会社であるサンエツ金属株式会社、日本伸銅株式会社、三谷伸銅株式会社及びシーケー金属株式会社を持つ持株会社です。経営理念として、①良いものだけを、安く、早く、たくさん生産することで、社会に貢献します。②努力するに値するプロの仕事と、努力して働くほど報われる働きがいのある職場を提供することで、社会に貢献します。③期待され、期待に応え、期待を超えるため、弛みない努力を重ねます。を掲げ、『地味だけど凄い価値の創造』を目指しております。 当社グループの主力事業である「伸銅事業」と「配管・鍍金事業」は、いずれも国内市場が成熟し、今後とも需要が漸減するものと推測されています。当社グループといたしましては、新製品の開発による市場開拓と、M&Aによる事業拡張に注力することで、企業価値の向上に努めます。 伸銅事業では、新素材の開発と、特殊材の品揃えに注力します。また、スケールメリットを追求するだけでなく、トップシェアにふさわしいブランドイメージの形成による差別優位化を目指します。さらに、当社完全子会社であるサンエツ金属株式会社と連結子会社日本伸銅株式会社及び三谷伸銅株式会社との伸銅事業におけるシナジーを追求します。 配管・鍍金事業では、株式会社リケンと配管機器の開発・生産拠点を統合したことによる相乗効果を追求し、また、溶融亜鉛鍍金における新技術を開発・実用化することで差別優位化を推進します。 当社グループの経営状況を判断するための客観的な指標は経常利益です。伸銅事業の業績は、主要原材料である銅の相場の影響を受けて、営業利益が変動するリスクをヘッジするためのデリバティブ取引を行うことで経常利益段階での利益を安定化させているためです。2027年3月期の経常利益の目標は100億円としております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要①業績 当連結会計年度における世界経済は、米国が「米国第一主義」を唱えて、保護主義的貿易政策を強硬に推進したために混乱しました。また、米国とイスラエルが2026年2月28日にイランを攻撃して、ホルムズ海峡が封鎖されました。 わが国経済は、資源・エネルギー価格が上昇したため、物価が上昇しました。政策金利は、30年ぶりに0.75%まで上昇しました。当社グループ(当社及び連結子会社)の主要原材料で、国際相場商品である銅の建値は、LME価格の高騰と円安のため、同年1月13日に1トン219万円まで上昇しました。 このような経営環境の下、当社グループは、相乗効果を追求するため、2025年4月1日に同業の三谷伸銅株式会社の株式を譲受し、連結子会社化しました。 この結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、三谷伸銅株式会社を連結子会社化したことに伴う伸銅事業における販売量の増加や、主要原材料である銅の相場が高値で推移したこと等により、売上高は1,494億38百万円(前年同期比19.4%増加)となり、営業利益は141億61百万円(同38.0%増加)となりました。営業外費用として、デリバティブ損失が89億36百万円、デリバティブ評価損が2億51百万円発生したため、経常利益は56億36百万円(同32.8%減少)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は35億87百万円(同31.1%減少)となりました。 各セグメントの業績は、次のとおりであります。 伸銅 伸銅事業では、販売量は10万389トン(前年同期比11.7%増加)、売上高は1,314億42百万円(同23.5%増加)となり、セグメント損益は111億77百万円のセグメント利益(同57.7%増加)となりました。 精密部品 精密部品事業では、売上高は60億9百万円(前年同期比6.6%増加)となり、セグメント損益は9億6百万円のセグメント利益(同45.2%増加)となりました。 配管・鍍金 配管・鍍金事業では、売上高は119億85百万円(前年同期比8.2%減少)となり、セグメント損益は18億72百万円のセグメント利益(同15.2%減少)となりました。 ②キャッシュ・フロー 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ24億3百万円減少し、当連結会計年度末には12億92百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は29億65百万円(前年同期比23億47百万円収入の減少)となりました。これは主に、棚卸資産の増加66億56百万円、法人税等の支払25億23百万円等があったものの、税金等調整前当期純利益が59億54百万円、減価償却費23億96百万円等があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は48億31百万円(前年同期比25億10百万円支出の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が37億97百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が13億51百万円であったこと等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は5億39百万円(前年同期比2億59百万円支出の増加)となりました。これは主に、短期借入金の増加額が16億20百万円、長期借入れによる収入11億77百万円、自己株式の処分による収入1億94百万円等があったものの、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出4億12百万円、長期借入金の返済による支出8億25百万円、自己株式の取得による支出12億66百万円、配当金の支払7億85百万円等があったことによるものです。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年増減率(%)伸銅129,41016.6精密部品6,13210.1配管・鍍金8,119△7.2合計143,66214.7 (注)金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数字によっております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年増減率(%)受注残高(百万円)前年増減率(%)伸銅136,09926.612,77957.3精密部品6,2239.198827.5合計142,32225.813,76854.7 (注)配管・鍍金事業は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年増減率(%)伸銅131,44223.5精密部品6,0096.6配管・鍍金11,985△8.2合計149,43819.4 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)東泉産業株式会社18,37814.719,74213.2 (2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容 (経営成績に関する分析)(単位:百万円) 売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益2026年3月期149,43814,1615,6363,5872025年3月期125,10810,2638,3835,207増減(増減率%)24,329(19.4)3,898(38.0)△2,746(△32.8)△1,619(△31.1) 売上高は、三谷伸銅株式会社を連結子会社化したことに伴う伸銅事業における販売量の増加や、主要原材料である銅の相場が高値で推移したこと等により、1,494億38百万円(前年同期比19.4%増加)となり、営業利益は、141億61百万円(同38.0%増加)となりました。銅や亜鉛の相場変動によって生じる損益への影響を打ち消すために行っているデリバティブ取引による営業外費用が発生したことから、経常利益は56億36百万円(同32.8%減少)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、35億87百万円(同31.1%減少)となりました。 なお、経常利益の主な増減要因は次のとおりであります。 数量・構成31.6億円相場差損益21.1億円デリバティブ損益△67.6億円その他△12.5億円 (財政状態に関する分析)(資産) 当連結会計年度末における流動資産は727億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ97億96百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が24億3百万円、受取手形が8億20百万円、電子記録債権が14億27百万円減少したものの、売掛金が54億55百万円、棚卸資産が94億23百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は247億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億48百万円増加しました。この結果、資産合計は975億20百万円となり、前連結会計年度末に比べ105億45百万円増加しました。(負債) 当連結会計年度末における流動負債は308億45百万円となり、前連結会計年度末に比べ58億24百万円増加しました。これは主に、設備関係支払手形が20億22百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が23億46百万円、短期借入金が35億70百万円、未払金が22億65百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は40億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億11百万円増加しました。この結果、負債合計は348億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ69億35百万円増加しました。(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は626億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億9百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益35億87百万円によるものであります。この結果、自己資本比率は56.3%(前連結会計年度末は60.1%)となりました。 (当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因) 当社グループは、国際相場商品である銅や亜鉛を主要原材料として使用しています。このため、銅や亜鉛の相場が下がり局面にある場合は、保有原材料や工程内仕掛品などの棚卸資産等に含み損益が発生するため、棚卸資産評価損益の計上を必要としたり、製品販売価格が乱高下して売上高が増減したりする可能性があります。 (戦略的現状と見通し) 当社グループは、市場が成熟したり縮小したりしている分野では、M&Aなどによる業容の維持拡大と、新製品の開発による市場開拓に努めて参りました。今後とも引き続き、M&Aと製品開発に注力して参ります。 (経営者の問題認識と今後の方針について) 当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めていますが、資源エネルギー価格が高騰し、各種購買品の仕入価格が上昇しています。コストアップ分を適切に製品価格へ転嫁すると同時に、より一層、新製品の開発と新市場の開拓に注力して行く所存です。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 キャッシュ・フローの状況につきましては、「業績等の概要」に記載のとおりであります。また、当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より23億47百万円少ない29億65百万円の資金を獲得しました。これは主に、棚卸資産の増加66億56百万円、法人税等の支払25億23百万円等があったものの、税金等調整前当期純利益が59億54百万円、減価償却費23億96百万円等があったことによるものです。 投資活動によるキャッシュ・フローでは、主に有形固定資産の取得と連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得により、48億31百万円の資金を支出しました。 また、財務活動によるキャッシュ・フローでは、主に短期借入金の増加と長期借入れによる収入等があったものの、自己株式の取得による支出や配当金の支払い等があったことにより、5億39百万円の資金を支出しました。 営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した29億65百万円の資金と内部留保資金により、投資活動によるキャッシュ・フローでの48億31百万円の資金支出と財務活動によるキャッシュ・フローでの5億39百万円の資金支出を賄ったことになります。ただし、今後も継続的な設備投資が見込まれることや、M&Aによる資金が必要になる可能性もあること、原料相場が上昇した場合には運転資金の確保がさらに必要になることなども考えられます。これらの影響によって、資金需要が増加する際には、内部留保資金に加え、取引金融機関からの借入により資金調達をすることになりますが、当社グループの自己資本比率は56.3%であり、十分な資金調達余力を保有しているものと考えております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 原材料価格の変動
    主要原材料である銅や亜鉛は国際相場商品であり、価格が大きく変動すると、保有する在庫の評価損益が発生する可能性があります。また、価格高騰が続くと、顧客が黄銅以外の素材に切り替えることで需要が減少するリスクもあります。
  • 電力供給の不安定性
    黄銅合金の製造には電気炉を使用するため、電力供給が不安定になった場合、生産活動に支障が出る可能性があります。国内の電力事情悪化は生産障害に直結し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 海外事業固有のリスク
    中国や台湾に海外事業拠点があり、各国の政治・経済情勢の変化や法規制の強化により、事業活動が困難になる可能性があります。予期せぬ規制や制限が課されることで、事業運営に悪影響が及ぶリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,186 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 材料価格変動のリスク当社グループは、国際相場商品である銅や亜鉛を主原料としております。銅や亜鉛の相場が乱高下する場合、保有原料や工程内仕掛品などの棚卸資産等に含み益や含み損が発生する可能性があります。また、投機資金による銅や亜鉛の買占め等が行われた場合、原料不足による生産障害が発生する可能性があります。さらに、原料価格が高騰し続けた場合、販売先において黄銅以外の代替材への材質変更が行われ、黄銅製の棒・線・めっき線・精密部品の需要が減少する可能性があります。そのため、主原料である銅と亜鉛に関しては、原料相場の変動に備えたリスクヘッジのためのデリバティブ取引を締結することで、当該リスクを緩和する対応を講じております。(2) 電力供給不安のリスク当社グループは、電気炉を使用して、銅と亜鉛を溶解することで黄銅合金を製造しております。国内の電力供給事情が悪化し、十分な電力を確保することが困難な事態が生じた場合、生産障害が発生する可能性があります。当該リスクが顕在化する程度や時期を予測することは困難でありますが、当該リスクが顕在化した場合、電力供給事情が悪化していないグループ内の他工場で代替生産する対応を想定しております。(3) 海外事業拠点のリスク当社グループは、中国、台湾に現地法人を設立して、伸銅事業などを展開しております。各国の政治当局は、当社グループがその地でビジネスを展開することに対し、経済的、法的または別の面で困難な状況を生み出したり、実践的でないものにしたり、不可能にしたりする規則や制限を課す可能性があります。当該リスクに対応するために、当社の管理統括部や監査・規格管理室は、海外子会社とコミュニケーションをとることで、問題を早期発見し、是正する体制としています。(4) 取引先の経営破綻による債権回収のリスク当社グループでは、主要な取引先について、信用状況を適宜確認するとともに、必要と判断した先については、リスク回避のために、取引信用保険を付保するなどしておりますが、取引先が経営破綻した場合には、売上債権の全額又は一部を回収できなくなるおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(5) 自然災害・事故等のリスク当社グループは、工場等における安全対策を徹底して実施しておりますが、大規模地震・自然災害・事故等が発生し、当社グループの工場設備や社員に被害が生じた場合や、サプライチェーンの分断が起きた場合には、業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、これらの事象の顕在化に備え、事業継続計画(BCP)を策定し、自然災害・事故等が起きていないグループ内の他工場での代替生産を可能とする体制の構築と調達先の複数化によるサプライチェーン強化に取り組んでおります。(6) 製品クレームによるリスク当社グループは、各種の規格、品質管理基準に従って製品を生産し、需要家のニーズに応えるべく、品質の維持・向上に万全を期しておりますが、製品に欠陥が生じ、製造物賠償責任等に伴う費用が発生する場合があります。(7) 知的財産権を侵害するリスク当社グループでは、現在の事業活動及び将来の事業展開に有用な知的財産権の取得に努める一方、第三者の知的財産権や事業状況の調査を行い問題の発生の防止を図っています。しかしながら、第三者から知的財産に関する訴訟等を提起されたり、第三者が当社グループの知的財産権を侵害したりする可能性は皆無とはいえず、この場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (8) M&A及び事業提携において見込んだ効果を得られないリスク当社グループは、過去において、M&A及び事業提携を有効に活用し、事業基盤を拡大、強化してきました。今後も、グループの事業拡大を加速する有効な手段のひとつとして、M&A及び事業提携を検討していく方針です。M&A及び業務提携の実施の際には、今後も十分な情報収集と検討を行っていきますが、予期し得ない経済情勢、環境変化等により、当初意図した成果が得られない可能性があります。(9) 環境問題に関する費用の発生リスク当社グループでは、環境規制等に則した資材の使用、製造環境の維持に努めておりますが、将来、環境規制等が改正され、新たな浄化対策、除去対策に関わる費用が必要となる場合があります。また、生産活動の過程においては、廃棄物、副産物等が発生しております。当社グループは、法規制を遵守し、的確な対応を行なっておりますが、関連法規制の強化によって業績に影響が及ぶ可能性があります。(10) 設備投資に関するリスク現状、大規模な設備投資は予定しておりませんが、今後、大規模な設備投資を行うことによる減価償却費の増加や、市況や事業環境の悪化によって、当社グループが保有する資産の市場価格が著しく低下する場合や、資産から生み出される収益力が低下する場合には、当該資産について減損損失が発生する可能性があり、当社グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。(11) 紛争及び訴訟に関するリスク当社グループは、有価証券報告書提出日現在において、業績に重大な影響を与える訴訟・紛争には関与しておりません。しかしながら、様々な事由により、今後直接又は間接的に何らかの訴訟・紛争に関与することとなる可能性は否定できず、かかる事態となった場合、その経過又は結果によっては、当社グループの業績及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。(12) 法的規制を受けるリスク当社グループは、環境保全を中心とした法的規制の遵守が経営の重要課題であると認識し、厳格な管理を徹底しつつ事業活動を行っております。しかしながら、今後、環境関連法をはじめ、当社グループの事業に関連する様々な法的規制の強化または社会的責任の要請等に起因して事業活動に制約を受けるような事象が顕在化した場合には、環境対策費用や計画外の設備投資等のための追加負担が生じることとなり、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。(13) 経済環境に関するリスク当社グループの製品は広範囲な産業分野で使用されておりますが、経済状況の変化及び当社グループが販売している製品の需要分野の動向が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(14) 代替製品の開発によるリスク当社グループの主力製品である伸銅品は、優れた電気特性、伝熱特性、耐食性を兼ね備えることから、多種多様な用途に用いられておりますが、アルミニウムやステンレス、樹脂等の他の素材とは競合関係にあります。予期し得ない代替製品の登場により、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。(15) 人材の確保と育成に関するリスク当社グループの将来にわたる継続的な成長と発展のためには、優秀な人材の確保と育成が必要であると認識しております。必要とされる人材の採用、育成が計画どおりに進まない場合は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。(16) パンデミック発生に関するリスク新型コロナウイルス感染症は落ち着きを見せておりますが、新たなウイルス等の発生により大規模なパンデミックが生じ、当社グループ内において集団感染が発生した場合は、生産障害が発生する可能性があります。このような事態が発生した場合は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

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