事業の概要
- 鋼構造物製造が主力瀧上工業グループは、橋梁や鉄骨などの鋼構造物の設計、製作、施工を一貫して手掛ける受注生産販売を主要事業としています。公共事業向けの橋梁や保全事業、民間向けの都市再開発における鉄骨などが主な受注源であり、子会社や関連会社が外注加工、現場施工、海外での製造を担い、グループ全体で事業を推進しています。
- 不動産賃貸と材料販売主力事業の他に、不動産の賃貸や管理業務も行い、安定的な収益源の一つとしています。また、鋼板の切断・加工販売、鉄筋・建材の販売、ボルト・ナット類の製造販売といった材料販売事業も展開しており、建設関連の幅広いニーズに対応しています。
- 多角的な事業展開運送事業では製品輸送を、工作機械製造事業では工作機械の設計・製作を、そして太陽光発電事業も手掛けるなど、多角的な事業ポートフォリオを構築しています。これにより、特定の事業に依存することなく、グループ全体の安定性と成長性を追求しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 鋼構造物製造事業橋梁や鉄骨などの設計・製作・施工を行う主力事業です。最新年度の売上高は206.79億円とグループ内で最も大きいですが、営業利益は-5.45億円と赤字を計上しており、収益性の改善が課題となっています。
- 不動産賃貸事業不動産の賃貸と管理業務を行う事業で、最新年度の売上高は9.58億円、営業利益は4.79億円と、安定した収益を上げています。グループの収益を支える重要な柱の一つと言えます。
- 材料販売事業鋼板の切断・加工販売、鉄筋・建材の販売、ボルト・ナット類の製造販売を行う事業です。最新年度の売上高は18.12億円と規模は大きいものの、営業利益は-0.27億円とわずかな赤字となっており、収益性の改善が求められます。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| SteelStructureProductionBusiness | 地域 | 207 | -5 | -2.6% |
| RealEstateLeaseBusiness | 地域 | 10 | 5 | 50.0% |
| MaterialsSaleBusiness | 地域 | 18 | -0 | -1.5% |
| TransportBusiness | 地域 | 1 | 0 | 24.1% |
| MachineManufacturingBusiness | 地域 | 2 | -0 | -18.8% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社7社、関連会社1社、その他の関係会社2社で構成され橋梁・鉄骨・その他鉄構物の設計・製作の受注生産販売を主要事業として行っております。 当社グループのセグメントの区分及び主要事業との位置付けは次のとおりであります。A 鋼構造物製造事業 当社は、鋼構造物の設計・製作・施工を行っております。[製品の外注加工] 子会社の㈱菊池鉄工所は、鉄骨等の製作加工を行っております。[製品の現場施工] 子会社の瀧上建設興業㈱は、一般土木建築・橋梁・鉄骨・その他鉄構物の製作・施工を行っております。 子会社の東京フラッグ㈱は、土木、建築工事の請負並びに鉄骨鋼材の製造、溶接工事を行っております。[鉄骨加工製品の製造(海外拠点)] 関連会社の有限責任会社Universal Steel Fabrication Vina-Japan Co.,LTD.(ベトナム)は、鉄骨加工製品の製造を行っております。B 不動産賃貸事業 当社及び子会社の丸定産業㈱、㈱瀧上工作所、瀧上不動産㈱は、不動産賃貸及び管理業務を行っております。C 材料販売事業 子会社の丸定産業㈱は、厚板事業部では鋼板の切断・加工販売、鉄筋・建材事業部では、鉄筋・建材の販売を、その他の関係会社の瀧上精機工業㈱は、ボルト・ナット類の製造販売をそれぞれ行っております。また、子会社の丸定産業㈱のレベラー事業部は、鋼板加工業(薄板)を行っておりますが、当社との取引関係はありません。D 運送事業 子会社の丸定運輸㈱は、橋梁・鉄骨・その他鉄構物の製品輸送を行っております。E その他の事業 当社は太陽光発電設備による太陽光発電事業を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。(注)当社の連結子会社でありました㈱ケイシステックニジューサンは、2026年3月に清算しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料の市場価格等が高騰した際、販売価格等に転嫁することが困難な場合があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 鋼構造物製造事業における鋼構造物の設計・製作・施工技術、橋梁保全技術、高機能材料開発。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:発注案件の減少 / 固定資産の減損リスク / 人材確保のリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
瀧上工業は特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに関する公開情報が乏しく、無形資産による競争優位性は現時点では確認できません。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
建設業における特殊鋼溶接・加工は、一度取引が始まると、品質や納期の信頼性から顧客が他社へ乗り換えるには一定のハードルが存在する可能性があります。しかし、乗り換えコストが極めて高いとは言えません。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
瀧上工業の事業モデルは、ユーザー数の増加がサービスの価値を高めるネットワーク効果を生む構造ではありません。
コスト優位★★☆☆☆
長年の事業継続で培われた製造ノウハウや効率的な生産体制により、一定のコスト競争力を持っている可能性があります。しかし、構造的なコスト優位性を示す具体的な情報は限られています。
規模の経済★★☆☆☆
特殊鋼溶接・加工分野において、一定の市場シェアと生産能力を有していると考えられます。しかし、業界全体で見ると、規模の経済による圧倒的な優位性を持つ寡占状態とは言えません。
- 鋼構造物の一貫体制橋梁や鉄骨などの鋼構造物において、設計から製作、施工までを一貫して手掛ける体制を構築しています。これにより、顧客の多様なニーズに柔軟に対応できるだけでなく、品質管理や納期管理を徹底し、高い信頼性を確保しています。
- グループシナジーの活用子会社や関連会社が、鉄骨加工、現場施工、海外製造、材料販売、運送など、多岐にわたる役割を担っています。これにより、各事業間の連携を強化し、効率的な事業運営とコスト削減を実現するとともに、顧客への総合的なソリューション提供を可能にしています。
- 多様な事業ポートフォリオ鋼構造物製造を主軸としつつも、不動産賃貸、材料販売、運送、工作機械製造、太陽光発電といった多様な事業を展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した経営基盤を築くとともに、新たな収益機会の創出にも繋げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「鋼の強靭さと人の優しさを融合させ、高品質で安心・安全な社会基盤づくりに貢献する」ことを経営理念として掲げ、「社会インフラが成熟・多様化していく時代に適時的確に対応し、あらゆる分野において、『受け継ぐ技術、さらなる高みへ』を合言葉に、信頼される総合エンジニアリング企業を目指す」ことをビジョンとしております。新(第5次)中期経営計画では、持続的成長と企業価値の向上を実現するために、「変革とチャレンジ」をキーワードとして、中長期的に基幹事業ポートフォリオの最適化を図り、事業利益のさらなる向上を目指すことを基本方針としております。 (2)経営戦略等① 第5次中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)の基本方針持続的成長と企業価値の向上を実現するために、第5次中期経営計画の基本方針は、『変革とチャレンジ』をキーワードとして、中長期的に基幹事業ポートフォリオの最適化を図り、事業利益のさらなる向上を目指します。当社のメイン事業領域としている橋梁需要は、新設橋梁から橋梁保全にシフトしつつある一方で、人財不足の恒常化と材料費の高騰等、受注環境はますます厳しさを増すことが予想されます。こうした市場環境の中で、人財や設備、資金等の資源を有効に活用し、事業利益のさらなる向上を目指すため、事業戦略、財務戦略及び経営基盤強化を下記のとおり実行します。② 第5次中期経営計画の見直しについて当社グループは、2024年5月に、2027年3月期までの3か年(第88期~第90期)を対象とする第5次中期経営計画を公表し、最終年度における当社グループ連結の数値目標として、売上高288億円、営業利益8.4億円、経常利益12.7億円を掲げ、事業利益の向上を目指し、事業戦略、財務戦略および経営基盤の強化に取り組んでまいりました。しかしながら、足元の事業環境につきましては、国内における新設鋼橋発注量の低迷や、鉄骨需要の伸び悩みなどにより、第5次中期経営計画策定時に想定していた前提条件との間に乖離が生じております。こうした環境を踏まえ、第5次中期経営計画の最終年度を迎えるにあたり、それまでの進捗状況を総合的に勘案した結果、数値目標を売上高235億円、営業利益2億円、経常利益11億円へ見直しを行っております。 Ⅰ.事業戦略(ⅰ) 鋼構造物製造事業a 新設橋梁事業新設橋梁においては、今後の市場環境変化を見据えた事業戦略の構築に取り組みます。そのためには受注戦略を強化し、中部地区を重点とした受注戦略とともに、他地域への営業活動も展開し、受注機会の拡大を図ってまいります。また設計変更対応力の強化、DXの推進による生産プロセスの強化、工場原価管理の強化など、利益向上のあらゆる施策を実行してまいります。b 橋梁保全事業橋梁保全においては、市場の更なる拡大が期待され、大型特殊橋保全工事に加え中小規模橋梁保全案件を継続して受注することを目指し、高速道路の大規模更新/床版取替工事にも注力いたします。橋梁保全市場の多様化に対応し、エンジニアリング力に厚みを増すため、地元ゼネコンやグループ会社との連携を推進し、更なる強化と拡大に努め、利益向上のあらゆる施策を実行してまいります。c 鉄骨・鉄構事業鉄骨・鉄構においては、新設橋梁発注量の中長期的縮小が見込まれる中で、首都圏超高層案件に取り組むことを新規事業と同等のチャレンジと位置付けし、設備投資と人的投資を行いつつ社内体制を確実に構築するとともに、着実な成長を目指してまいります。(ⅱ) その他の事業a 不動産賃貸事業不動産賃貸事業においては、安定的な収益源として、一定規模を確保しつつも、資本効率を考慮した資産の入れ替え、売却等の実施も検討してまいります。b 材料販売事業材料販売事業においては、新規顧客の開拓及び既存顧客への販売増加を積極的に進め、売上拡大を図ります。厚板の外部販売比率を拡大するために、商社鉄骨と一般ファブリケーターへの販売を強化してまいります。c 海外・新規事業海外その他並びに新規事業においては、事業創造本部で一元して掌握いたします。海外現地法人の更なる利益拡大を目指すとともに、大学や異業種とのアライアンスを構築し、既存事業における技術開発に繋げ、将来に向けての種まきとなる新規事業の企画をしてまいります。Ⅱ.財務戦略財務戦略としては、利益の拡大による営業活動キャッシュ・フローの向上と投資有価証券等の売却、銀行借入等、資本効率を意識した多様な調達手段を活用し、人的資本や設備、M&A等への投資並びに株主還元を戦略的に行ってまいります。株主とのコミュニケーション強化として、ESGやサステナビリティなどの非財務情報に関する目標を設定し、モニタリングを開始するとともに積極的なIR活動を実施いたします。 Ⅲ.経営基盤の強化(ⅰ) DX戦略DX戦略においては、業務の効率化や自働化、ロボット化、デジタルアーカイブの構築等、財務、工場、工事現場等のあらゆる場面でDX化を進めてまいります。(ⅱ) 人財戦略人財戦略においては、事業戦略と連動させ、変化する事業環境にも適応できる専門人財の育成や多様な人財の活用・配置、社員の価値観と自律性を尊重し、働きがいのある労働環境を整備し社員エンゲージメントの向上に取り組む等人的資本にも積極的に投資を進めてまいります。 第5次中期経営計画は、本業である鋼構造物製造事業における利益のさらなる向上を目指すことを最重要課題と位置づけ、資本効率を意識した経営の実現に向けた基盤固めを行う3か年と考えております。上記の戦略を実行することによって中長期的にROE等の改善と資本コストの低減を実現し、次期中期経営計画での資本効率を意識した目標設定の具体化につなげていきたいと考えております。 (3)経営環境経営環境につきましては、国内において慢性的な人手不足や入札競争の激化といった構造的課題に加え、建設コストの上昇や投資判断の慎重化を背景として、民間建設投資や鉄骨需要は力強さを欠いた推移が見込まれております。また、公共分野においても、今年度の新設鋼橋発注量は前年度と同様、引き続き厳しい水準が想定されており、足元の需要動向については慎重な見極めが必要な状況にあります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。①新設橋梁事業新設橋梁事業につきましては、国内の橋梁需要が新設橋梁から橋梁保全へのシフトが進み、中長期的には新設橋梁の市場は減少傾向にあります。こうした厳しい環境の中、第5次中期経営計画の重点施策である中部地区を重点とした受注戦略を継続するとともに、他地域への営業活動も展開し、受注機会の拡大を図ることと併せて、受注競争力を左右する技術提案力の一層の向上と、工場製作においては製造プロセスの見直しによる利益率向上および不適合品の削減が課題となります。②橋梁保全事業橋梁保全事業につきましては、国土強靭化・防災減災への取り組み強化により、高速道路の床版取り替えや橋梁の耐震補強等修繕・更新需要は高水準の発注量を維持していくことが見込まれます。特に大規模保全工事の受注を目指し、中部地区中心の受注から地域および発注者の範囲を広げ、鋼橋に限定されない発注内容に対するリサーチ力および技術提案力の強化を図るとともに、社内異動や即戦力の採用等による配置技術者の増強、グループ会社との協業、さらにはゼネコン等への積極的な働きかけが課題となります。③鉄骨・鉄構事業鉄骨・鉄構事業につきましては、第5次中期経営計画において年間約400万tの発注量を見込んでおりましたが、足元実績は想定を下回る年間約350万tで推移しております。こうした厳しい環境の中、2024年10月にM&Aにより取得した㈱菊池鉄工所との協業案件を積極的に推進することで、当該事業分野における当社グループの競争力および存在感の一層の向上が課題となります。併せて、案件ごとの予実管理を徹底し、原価管理の精度向上を図るとともに、不適合の削減を通じた品質向上と手戻り防止による収益改善が課題となります。④デジタル化及び働き方改革上記の①~③の取り組み課題に共通するリスクは人財不足です。我が国の労働者人口は既に減少し始めており、働き方改革により女性や高齢者の労働参加率を高める取り組みがなされています。しかし、絶対的な人口不足や労働者人口自体の高齢化は着実に進行しており、ロボットやデジタル化の活用が省力化、省人化対策として期待されています。当社グループにおきましても、働き方改革による人財確保やロボット・デジタル技術等DX推進による生産性向上、ビジネスモデルの変革、高齢化に伴う技術者及び工場作業員の人財不足への対応と技術伝承が課題です。⑤財務上の課題当社グループは、第5次中期経営計画の遂行に伴い、売上規模の拡大に加え、厳しい受注環境への対応や生産性向上に向けた設備投資等により、今後、必要資金の更なる増加が見込まれることから、同計画に定める財務戦略に基づき、収益力の強化による営業キャッシュ・フローの創出が課題となります。併せて、投資有価証券の売却、金融機関からの借入等、多様な資金調達手段を活用し、資本効率を意識した資金運営を行うとともに、これらの資金を人的資本、設備投資、M&Aおよび株主還元等に適切に配分していくことも課題となります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等橋梁・鉄骨業界を取り巻く経営環境が一層の厳しさを増していくなか、当社グループといたしましては、企業競争力の強化に努め、適正な受注量の確保を重要な施策と位置付け、売上高、利益面でバランスの取れた収益力を目指しております。2026年度に第5次中期経営計画の最終年度を迎えるにあたり、直近の事業環境等を踏まえて計画の見直しを公表いたしました。なお、当社は引き続き売上高、営業利益(営業利益率含む)及び経常利益(経常利益率含む)を目標指標としております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「鋼の強靭さと人の優しさを融合させ、高品質で安心・安全な社会基盤づくりに貢献する」ことを経営理念として掲げ、「社会インフラが成熟・多様化していく時代に適時的確に対応し、あらゆる分野において、『受け継ぐ技術、さらなる高みへ』を合言葉に、信頼される総合エンジニアリング企業を目指す」ことをビジョンとしております。新(第5次)中期経営計画では、持続的成長と企業価値の向上を実現するために、「変革とチャレンジ」をキーワードとして、中長期的に基幹事業ポートフォリオの最適化を図り、事業利益のさらなる向上を目指すことを基本方針としております。 (2)経営戦略等① 第5次中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)の基本方針持続的成長と企業価値の向上を実現するために、第5次中期経営計画の基本方針は、『変革とチャレンジ』をキーワードとして、中長期的に基幹事業ポートフォリオの最適化を図り、事業利益のさらなる向上を目指します。当社のメイン事業領域としている橋梁需要は、新設橋梁から橋梁保全にシフトしつつある一方で、人財不足の恒常化と材料費の高騰等、受注環境はますます厳しさを増すことが予想されます。こうした市場環境の中で、人財や設備、資金等の資源を有効に活用し、事業利益のさらなる向上を目指すため、事業戦略、財務戦略及び経営基盤強化を下記のとおり実行します。② 第5次中期経営計画の見直しについて当社グループは、2024年5月に、2027年3月期までの3か年(第88期~第90期)を対象とする第5次中期経営計画を公表し、最終年度における当社グループ連結の数値目標として、売上高288億円、営業利益8.4億円、経常利益12.7億円を掲げ、事業利益の向上を目指し、事業戦略、財務戦略および経営基盤の強化に取り組んでまいりました。しかしながら、足元の事業環境につきましては、国内における新設鋼橋発注量の低迷や、鉄骨需要の伸び悩みなどにより、第5次中期経営計画策定時に想定していた前提条件との間に乖離が生じております。こうした環境を踏まえ、第5次中期経営計画の最終年度を迎えるにあたり、それまでの進捗状況を総合的に勘案した結果、数値目標を売上高235億円、営業利益2億円、経常利益11億円へ見直しを行っております。 Ⅰ.事業戦略(ⅰ) 鋼構造物製造事業a 新設橋梁事業新設橋梁においては、今後の市場環境変化を見据えた事業戦略の構築に取り組みます。そのためには受注戦略を強化し、中部地区を重点とした受注戦略とともに、他地域への営業活動も展開し、受注機会の拡大を図ってまいります。また設計変更対応力の強化、DXの推進による生産プロセスの強化、工場原価管理の強化など、利益向上のあらゆる施策を実行してまいります。b 橋梁保全事業橋梁保全においては、市場の更なる拡大が期待され、大型特殊橋保全工事に加え中小規模橋梁保全案件を継続して受注することを目指し、高速道路の大規模更新/床版取替工事にも注力いたします。橋梁保全市場の多様化に対応し、エンジニアリング力に厚みを増すため、地元ゼネコンやグループ会社との連携を推進し、更なる強化と拡大に努め、利益向上のあらゆる施策を実行してまいります。c 鉄骨・鉄構事業鉄骨・鉄構においては、新設橋梁発注量の中長期的縮小が見込まれる中で、首都圏超高層案件に取り組むことを新規事業と同等のチャレンジと位置付けし、設備投資と人的投資を行いつつ社内体制を確実に構築するとともに、着実な成長を目指してまいります。(ⅱ) その他の事業a 不動産賃貸事業不動産賃貸事業においては、安定的な収益源として、一定規模を確保しつつも、資本効率を考慮した資産の入れ替え、売却等の実施も検討してまいります。b 材料販売事業材料販売事業においては、新規顧客の開拓及び既存顧客への販売増加を積極的に進め、売上拡大を図ります。厚板の外部販売比率を拡大するために、商社鉄骨と一般ファブリケーターへの販売を強化してまいります。c 海外・新規事業海外その他並びに新規事業においては、事業創造本部で一元して掌握いたします。海外現地法人の更なる利益拡大を目指すとともに、大学や異業種とのアライアンスを構築し、既存事業における技術開発に繋げ、将来に向けての種まきとなる新規事業の企画をしてまいります。Ⅱ.財務戦略財務戦略としては、利益の拡大による営業活動キャッシュ・フローの向上と投資有価証券等の売却、銀行借入等、資本効率を意識した多様な調達手段を活用し、人的資本や設備、M&A等への投資並びに株主還元を戦略的に行ってまいります。株主とのコミュニケーション強化として、ESGやサステナビリティなどの非財務情報に関する目標を設定し、モニタリングを開始するとともに積極的なIR活動を実施いたします。 Ⅲ.経営基盤の強化(ⅰ) DX戦略DX戦略においては、業務の効率化や自働化、ロボット化、デジタルアーカイブの構築等、財務、工場、工事現場等のあらゆる場面でDX化を進めてまいります。(ⅱ) 人財戦略人財戦略においては、事業戦略と連動させ、変化する事業環境にも適応できる専門人財の育成や多様な人財の活用・配置、社員の価値観と自律性を尊重し、働きがいのある労働環境を整備し社員エンゲージメントの向上に取り組む等人的資本にも積極的に投資を進めてまいります。 第5次中期経営計画は、本業である鋼構造物製造事業における利益のさらなる向上を目指すことを最重要課題と位置づけ、資本効率を意識した経営の実現に向けた基盤固めを行う3か年と考えております。上記の戦略を実行することによって中長期的にROE等の改善と資本コストの低減を実現し、次期中期経営計画での資本効率を意識した目標設定の具体化につなげていきたいと考えております。 (3)経営環境経営環境につきましては、国内において慢性的な人手不足や入札競争の激化といった構造的課題に加え、建設コストの上昇や投資判断の慎重化を背景として、民間建設投資や鉄骨需要は力強さを欠いた推移が見込まれております。また、公共分野においても、今年度の新設鋼橋発注量は前年度と同様、引き続き厳しい水準が想定されており、足元の需要動向については慎重な見極めが必要な状況にあります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。①新設橋梁事業新設橋梁事業につきましては、国内の橋梁需要が新設橋梁から橋梁保全へのシフトが進み、中長期的には新設橋梁の市場は減少傾向にあります。こうした厳しい環境の中、第5次中期経営計画の重点施策である中部地区を重点とした受注戦略を継続するとともに、他地域への営業活動も展開し、受注機会の拡大を図ることと併せて、受注競争力を左右する技術提案力の一層の向上と、工場製作においては製造プロセスの見直しによる利益率向上および不適合品の削減が課題となります。②橋梁保全事業橋梁保全事業につきましては、国土強靭化・防災減災への取り組み強化により、高速道路の床版取り替えや橋梁の耐震補強等修繕・更新需要は高水準の発注量を維持していくことが見込まれます。特に大規模保全工事の受注を目指し、中部地区中心の受注から地域および発注者の範囲を広げ、鋼橋に限定されない発注内容に対するリサーチ力および技術提案力の強化を図るとともに、社内異動や即戦力の採用等による配置技術者の増強、グループ会社との協業、さらにはゼネコン等への積極的な働きかけが課題となります。③鉄骨・鉄構事業鉄骨・鉄構事業につきましては、第5次中期経営計画において年間約400万tの発注量を見込んでおりましたが、足元実績は想定を下回る年間約350万tで推移しております。こうした厳しい環境の中、2024年10月にM&Aにより取得した㈱菊池鉄工所との協業案件を積極的に推進することで、当該事業分野における当社グループの競争力および存在感の一層の向上が課題となります。併せて、案件ごとの予実管理を徹底し、原価管理の精度向上を図るとともに、不適合の削減を通じた品質向上と手戻り防止による収益改善が課題となります。④デジタル化及び働き方改革上記の①~③の取り組み課題に共通するリスクは人財不足です。我が国の労働者人口は既に減少し始めており、働き方改革により女性や高齢者の労働参加率を高める取り組みがなされています。しかし、絶対的な人口不足や労働者人口自体の高齢化は着実に進行しており、ロボットやデジタル化の活用が省力化、省人化対策として期待されています。当社グループにおきましても、働き方改革による人財確保やロボット・デジタル技術等DX推進による生産性向上、ビジネスモデルの変革、高齢化に伴う技術者及び工場作業員の人財不足への対応と技術伝承が課題です。⑤財務上の課題当社グループは、第5次中期経営計画の遂行に伴い、売上規模の拡大に加え、厳しい受注環境への対応や生産性向上に向けた設備投資等により、今後、必要資金の更なる増加が見込まれることから、同計画に定める財務戦略に基づき、収益力の強化による営業キャッシュ・フローの創出が課題となります。併せて、投資有価証券の売却、金融機関からの借入等、多様な資金調達手段を活用し、資本効率を意識した資金運営を行うとともに、これらの資金を人的資本、設備投資、M&Aおよび株主還元等に適切に配分していくことも課題となります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等橋梁・鉄骨業界を取り巻く経営環境が一層の厳しさを増していくなか、当社グループといたしましては、企業競争力の強化に努め、適正な受注量の確保を重要な施策と位置付け、売上高、利益面でバランスの取れた収益力を目指しております。2026年度に第5次中期経営計画の最終年度を迎えるにあたり、直近の事業環境等を踏まえて計画の見直しを公表いたしました。なお、当社は引き続き売上高、営業利益(営業利益率含む)及び経常利益(経常利益率含む)を目標指標としております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、景気は緩やかな回復傾向で推移しました。一方で、物価上昇や人手不足に加え、ウクライナ紛争や米国およびイスラエルによるイラン攻撃に端を発した中東情勢の緊迫化を背景とした原材料・エネルギー価格の高止まり、金融資本市場の変動や米国の通商政策を巡る動向の影響等から、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。a.財政状態当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産は729億4千万円(前年同期比13.7%増)となりました。流動資産は261億1千万円(前年同期比1.7%増)、固定資産は468億2千万円(前年同期比21.7%増)となりました。負債は226億6千万円(前年同期比8.4%増)となり、それぞれ、流動負債は112億6千万円(前年同期比9.0%減)、固定負債は114億円(前年同期比33.6%増)となりました。純資産は、502億7千万円(前年同期比16.2%増)となりました。この結果、自己資本比率は68.9%となりました。b.経営成績当連結会計年度における連結損益は、完成工事高234億3千万円(前年同期比1.7%減)、営業利益4億8千万円(前年同期は3億8千万円の営業損失)、経常利益14億円(前年同期比318.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、9億5千万円(前年同期比376.2%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。また、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。 (a)鋼構造物製造事業橋梁業界におきましては、鋼道路橋発注量は前年比28.2%減の約9万トンと過去最低水準の厳しい状況で推移しており、受注競争の激化が続いております。一方、橋梁保全工事の発注量は減少が見込まれるものの、引き続き堅調に推移しております。また、鉄骨業界におきましては、2025年暦年の発注量は前年に引き続き400万トンを下回る水準となり、建設コストの高騰や人材不足の長期化の影響もあり、厳しい経営環境が継続しております。このような状況の中で、当社グループは、新設橋梁工事では大型案件の受注が少なかったことや、橋梁保全工事では技術者不足による受注機会の減少等から、橋梁部門の受注高は112億8千万円(前年同期比42.5%減)となりました。鉄骨部門では、資材価格の高止まりや先行き不透明感を背景とした民間建設投資の慎重化により、建設計画の見直しや着工時期の先送りが生じ鉄骨需要が伸び悩む状況となり、鉄骨部門の受注高は21億1千万円(前年同期比52.1%減)となり、当連結会計年度における鋼構造物製造事業の総受注高は134億円(前年同期比44.3%減)となりました。主な受注工事は、中部地方整備局の清水IC第1高架橋、関東地方整備局の東田中高架橋、愛知県道路公社の常滑JCT Iランプ橋であります。鋼構造物製造事業につきましては、主に橋梁部門において、保全工事の収益改善や新設橋梁における設計変更が大幅に収益に寄与した結果、完成工事高206億9千万円(前年同期比0.1%増)、営業利益3億2千万円(前年同期は5億4千万円の営業損失)となりました。当連結会計年度に売上計上しました主な工事は、橋梁部門につきましては西日本高速道路㈱の佐世保高架橋拡幅工事、佐世保高架橋南、高槻高架橋東、中部地方整備局の海津高架橋、川島大橋、名古屋高速道路公社の新洲崎工区改築工事、保全部門につきましては中日本高速道路㈱の長良川橋床版取替工事、浜名湖橋支承取替工事、中部地方整備局の木曽川大橋補修補強工事、鉄骨部門につきましては虎ノ門一丁目東地区、みなとみらい52街区などであります。 (b)不動産賃貸事業不動産賃貸事業につきましては、前年度に取得した新築賃貸マンションの家賃収入が通期で寄与したことにより増収となりました。また、損益面でも増収効果により大幅な増益となり、この結果、売上高は10億4千万円(前年同期比9.0%増)、営業利益5億5千万円(前年同期比15.3%増)となりました。(c)材料販売事業材料販売事業につきましては、厚板部門は、当社向けの橋梁用厚板取引の落ち込みに加え、鉄骨用の材料取引についても、国内の建築案件の遅延等で取引高は減少となり、前期と比較して減収減益となりました。鉄筋建材部門は、土木系取引については、ゼネコン向けの商材取組みにより売上増となりましたが、主力品種である鉄筋材料と形鋼類については、想定以上に需要が落ち込んだため、減収減益となりました。レベラー部門は、主要客先向けの取引が計画通りに推移しましたが、委託加工業務全般に需要減が見受けられたため、前期に比べ減収減益となりました。この結果、売上高21億1千万円(前年同期比11.3%減)、営業損失9千万円(前年同期は2千万円の営業損失)となりました。(d)運送事業運送事業につきましては、2024年問題を克服しつつ2026年1月施行された下請法に代わる取適法への対応が急務となる中、依然としてドライバー不足、運送費の価格転嫁は厳しい状況にあります。このような環境の下、グループ内取引については、橋梁工事に係る遠距離輸送取引により増収増益となりました。一方で、グループ外取引につきましては、前半は前期からの繰越取引が中心でありましたが、後半は、設備投資関連の取引が増収の底上げとなり、売上高6億3千万円(前年同期比18.4%増)、営業利益4千万円(前年同期比65.2%増)となりました。(e)工作機械製造事業工作機械製造事業セグメントである㈱ケイシステックニジューサンは、2025年6月30日をもって解散(2026年3月清算)致しましたので、主に最終事業期間の第1四半期連結会計期間の概要を記載しております。売上高6千万円(前年同期比73.7%減)、営業損失8百万円(前年同期は4千万円の営業損失)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果は、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益14億4千万円に加えて、棚卸資産の減少額6億9千万円等により、2億1千万円の資金収入(前年同期比94.2%減)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果は、利息及び配当金の受取額8億5千万円等により8億6千万円の資金収入(前年同期は24億6千万円の支出)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果は、短期借入金の純減額5億円等により、8億9千万円の資金支出(前年同期は25億6千万円の収入)となりました。(現金及び現金同等物)上記の要因により、現金及び現金同等物期末残高は69億4千万円(前年同期比2.4%増)となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)鋼構造物製造事業15,479△9.2工作機械製造事業56△62.8(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.生産実績金額は当期発生原価によっております。3.不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業及びその他の事業につきましては、生産活動がないため、生産実績の記載をしておりません。4.工作機械製造事業セグメントである㈱ケイシステックニジューサンは、2025年6月30日をもって解散(2026年3月清算)しておりますので、当該期間の実績となります。 b.商品仕入実績 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)材料販売事業3,259△27.3(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.鋼構造物製造事業、不動産賃貸事業、運送事業、工作機械製造事業及びその他の事業につきましては、商品仕入活動がないため、商品仕入実績の記載をしておりません。 c.受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高受注残高金額(百万円)前年同期比(%)金額(百万円)前年同期比(%)鋼構造物製造事業橋梁11,287△42.528,859△16.9鉄骨2,119△52.11,460△63合計13,407△44.330,319△21.6(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業、工作機械製造事業及びその他の事業については、受注活動がないため、受注実績の記載をしておりません。 d.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売実績金額(百万円)前年同期比(%)鋼構造物製造事業橋梁17,1362.7鉄骨3,560△10.9計20,6970.1不動産賃貸事業1,0449.0材料販売事業1,449△20.1運送事業14826.8工作機械製造事業62△73.7その他32△2.1合計23,434△1.7(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。2.セグメント間取引については、相殺消去しております。 前連結会計年度当連結会計年度相手先金額(百万円)割合(%)相手先金額(百万円)割合(%)国土交通省5,65823.7西日本高速道路㈱4,47719.1西日本高速道路㈱3,66915.4国土交通省3,94016.8中日本高速道路㈱3,20113.4中日本高速道路㈱2,54110.8 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態当連結会計年度の連結貸借対照表における前連結会計年度比較 前連結会計年度当連結会計年度増減金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)比率(%)流動資産25,69326,1194251.7固定資産38,48346,8258,34121.7資産合計64,17772,9448,76613.7流動負債12,37411,260△1,114△9.0固定負債8,53711,4082,87133.6負債合計20,91122,6681,7568.4純資産合計43,26550,2757,01016.2 当連結会計年度の連結財政状態は、資産合計は729億4千万円(前年同期比13.7%増)、負債合計は226億6千万円(前年同期比8.4%増)となりました。 流動資産は、主に完成工事未収入金等の増加(前連結会計年度末比3.2%増)などにより、流動資産合計は261億1千万円(前年同期比1.7%増)となりました。 固定資産は、投資有価証券の時価評価額の増加(前連結会計年度末比42.0%増)などにより、固定資産合計は468億2千万円(前年同期比21.7%増)となりました。 流動負債は、支払手形・工事未払金等の減少(前連結会計年度末比24.6%減)などにより、流動負債合計は112億6千万円(前年同期比9.0%減)となりました。 固定負債は、繰延税金負債の増加(前連結会計年度末比55.1%増)などにより、固定負債合計は114億円(前年同期比33.6%増)となりました。 純資産は、その他有価証券評価差額金の増加(前連結会計年度末比59.4%増)などにより、純資産合計は502億7千万円(前年同期比16.2%増)となりました。 b.経営成績当連結会計年度の連結損益計算書における前連結会計年度比較 前連結会計年度当連結会計年度増減金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)比率(%)完成工事高23,84023,434△406△1.7完成工事総利益1,7402,57783648.1販売費及び一般管理費2,1302,095△34△1.6営業利益又は営業損失(△)△389482871-経常利益3371,4091,072318.0税金等調整前当期純利益3251,4481,123345.4親会社株主に帰属する当期純利益200953753376.2 当連結会計年度の連結業績は、第5次中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)の2年目であり、初年度に引き続き、第5次中期経営計画の基本方針である「『変革とチャレンジ』をキーワードとして、事業戦略として中長期的に基幹事業ポートフォリオの最適化を図り、事業利益のさらなる向上を目指す。」を掲げて、事業環境の変化に対応するため、人財や設備、資金等の資源を有効に活用し、事業利益のさらなる向上を目指すため、各事業の事業方針及び経営基盤強化等を実施してまいりました。当連結会計年度の受注実績につきましては、橋梁・保全工事では、昨今の発注規模の大型化に加え、人件費や材料費の値上げによる工事価格の上昇が発注数量を減少させ、非常に厳しい受注環境の中で推移したため、112億8千万円(前年同期比42.5%減)の受注高に留まりました。また、鉄骨工事については、引き続き、再開発等のプロジェクトが、材料費や人件費の高騰により、プロジェクトが見直される状況が継続したため、既存工事の設計変更を中心とした21億1千万円(前年同期比52.1%減)となり、連結受注高は134億円(前年同期比44.3%減)となりました。当社グループの当連結会計年度に係る完成工事高については、鋼構造物製造事業では、当社の橋梁・鉄骨の工場生産高は前期に比べ下回りましたが、新橋・保全の現場では、新規案件を含め出来高は概ね堅調に進捗したため、昨年度より増加いたしました。また、完成物件などで設計変更を多く獲得できるなど売上高と収支を好転させる結果も大きく影響しました。一方、子会社は、昨年度に㈱菊池鉄工所を追加し3社となりましたが、各社も上記の影響を受けたため、完成工事高は昨年度を下回り、この結果、当連結会計年度の鋼構造物製造事業の完成工事高は、206億9千万円(前年同期比0.1%増)となりました。不動産賃貸事業は、昨年度に完成した大型マンションの収益が大きく寄与し、既存契約案件も堅調に推移したため、売上高10億4千万円(内部取引相殺後)(前年同期比9.0%増)となりました。材料販売事業は、厚板部門における鉄骨需要の低迷による加工数量の減少や、鉄筋建材部門の主力の鉄筋・形鋼の需要落ち込みなどから、売上高14億4千万円(内部取引相殺後)(前年同期比20.1%減)となりました。その他の事業では、運送事業は1億4千万円(内部取引相殺後)(前年同期比26.8%増)、工作機械製造事業は6千万円(前年同期比73.7%減)で連結売上高は234億3千万円(前年同期比1.7%減)となりました。 完成工事総利益については、鋼構造物製造事業では、橋梁部門は設計変更の獲得などから利益率は回復し、鉄骨部門では、前期に計上した工事損失引当金もあり、完成工事総利益は大幅に増加する結果となりました。不動産賃貸事業は、前期に完成した大型マンション物件が収益軌道に移行したことから、売上総利益は前年同期を上回る結果となりました。材料販売事業は、各部門の外販数量の減少と利益率の低下から全体的な減少となりました。この結果、当連結会計年度の完成工事総利益は25億7千万円(前年同期比48.1%増)となりました。 営業損益は、販売費及び一般管理費が、20億9千万円(前年同期比1.6%減)となり、4億8千万円の営業利益(前年同期は3億8千万円の営業損失)となりました。 経常損益は、当社保有の上場株式に係る受取配当金の大幅な増加要因などにより、経常利益は14億円(前年同期比318.0%増)となりました。 特別損益は、投資有価証券売却益や固定資産売却益の計上に対し、投資有価証券売却損の計上などにより、3千万円の利益増加となり、税金等調整前当期純利益は14億4千万円(前年同期比345.4%増)となりました。 上記の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は9億5千万円(前年同期比376.2%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書における前連結会計年度比較 前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)金額(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー3,620210投資活動によるキャッシュ・フロー△2,465861財務活動によるキャッシュ・フロー2,569△890現金及び現金同等物の期末残高6,7806,940 a.キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 b.資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金需要のうち主要なものは、鋼構造物製造事業における主要材料費や購入部品費等の材料費及び工場製作や現場施工に係る各種外注費のほか、製造労務費・製造経費及び販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要については、各種製造セグメントでは、生産設備の維持更新が中心であり、不動産賃貸事業では、賃貸不動産の維持修繕や建築及び投資対象物件の取得費用などであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の源泉を可能な限り自己資金で賄うことを基本としておりますが、やむを得ない場合に限り、金融機関からの短期借入や長期借入金による調達も想定しております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、45億5千万円(前年同期比9.9%減)となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、69億4千万円(前年同期比2.4%増)となっております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)及び2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
事業リスク
- 発注案件の減少リスク主力である鋼構造物製造事業は、公共事業や民間の設備投資動向に大きく左右されます。原材料や人件費の高騰、予期せぬ事態により発注数量が大幅に減少した場合、売上高や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 人材確保の困難性鋼構造物製造事業、特に技術者の確保は非常に重要ですが、建設業における労働者人口の減少を背景に、必要な人材を確保できないリスクがあります。これにより、生産能力の低下や事業運営に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
- 原材料価格の変動鋼構造物製造事業では、鉄鋼メーカーの鋼板や形鋼を主要な原材料としています。市場価格が高騰した場合、そのコストを販売価格に転嫁することが困難であれば、収益性が圧迫され、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)発注案件の減少 当社グループの鋼構造物製造事業は、橋梁や保全事業を中心とした公共事業の割合が大半を占めております。また、鉄骨事業については、民間の都市再開発等の設備投資動向が発注の源泉となっております。今後、原材料・人件費等の高騰や新型感染症等の不測の事態により、それぞれの発注数量等の減少が予想を大幅に上回る場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。(2)固定資産の減損リスク 当社グループは、鋼構造物製造事業や不動産賃貸事業を中心に、多くの固定資産を保有しておりますが、今後、業績の低迷などにより、減損損失が発生する可能性があります。(3)人材確保のリスク 当社グループの鋼構造物製造事業は、特に技術者の確保が重要でありますが、近年の労働者人口の減少を背景とした、建設業人材の減少により、必要な人材の確保が出来なかった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。(4)原材料の価格 当社グループの鋼構造物製造事業は、鉄鋼メーカーの鋼板や形鋼を主要材料としております。しかし、不測の事態により原材料の市場価格等が高騰した際、販売価格等に転嫁することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。(5)品質の保証 製品の引渡し後、瑕疵担保責任や事故災害等による損害賠償等が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。(6)取引先の信用リスク 取引先の信用不安による損失が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。(7)資産保有リスク 保有している資産の時価の変動により、業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)法的規制 事業活動における法令はもとより社会規範の遵守と企業倫理の確立を図っておりますが、これらを遵守できなかった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。(9)大規模災害等による影響 当社グループの生産拠点は、愛知県の知多半島に集中しており、今後、この地区を襲うと予測される南海トラフ大地震等の大規模災害が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。