6070

キャリアリンク(6070)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 人材派遣と請負の提供
    キャリアリンクは、企業や地方自治体に対して、必要な人材を派遣したり、業務の一部を丸ごと請け負ったりするサービスを提供しています。これにより、顧客は人手不足の解消や業務効率化を図ることができ、キャリアリンクはこれらのサービスから収益を得ています。
  • 事務系と製造系の両軸
    事業は大きく事務系と製造系の2つに分かれています。事務系では、BPO(業務プロセスアウトソーシング)関連、CRM(顧客関係管理)関連、一般事務の人材サービスを提供し、製造系では食品加工や製造加工の現場に人材を供給しています。これにより、幅広い業界のニーズに対応しています。
  • 多様な契約形態
    人材サービスでは、主に「人材派遣」「請負」「紹介予定派遣」「人材紹介」の4つの契約形態を使い分けています。人材派遣は一時的な人手が必要な場合に、請負は業務全体を任せたい場合に、紹介予定派遣は将来的な直接雇用を見据えた場合に、人材紹介は正社員採用を支援する場合に利用され、顧客の多様な要望に応じた柔軟なサービス提供が可能です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 事務系人材サービス事業
    キャリアリンクの主力事業であり、売上高は325億8,216万8千円、営業利益は23億9,885万7千円を計上しています。BPO関連、CRM関連、一般事務の3部門から成り、特にBPO関連事業部門は官公庁や地方自治体との請負取引が多く、会社全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭となっています。
  • 製造系人材サービス事業
    食品加工部門と製造加工部門で構成され、売上高は75億3,164万3千円、営業利益は2億5,631万3千円です。食品工場や製造工場への人材派遣や請負を提供しており、事務系事業に次ぐ規模で、会社の成長を支える重要な事業セグメントとなっています。
  • 自動車管理事業
    法人向けに自動車の運行管理やメンテナンスなどのサービスを提供しています。この事業は、上記の主要な人材サービス事業とは異なり、「その他」のセグメントに分類されています。規模は小さいものの、事業の多様性を高める役割を担っています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ClericalHumanResourcesServicesReportableSegment 事業 326 24 7.4%
ManufacturingHumanResourcesServicesReportableSegment 事業 75 3 3.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,533 文字
3 【事業の内容】当連結会計年度末における当社グループは、当社及び連結子会社3社で構成されております。当社グループでは、当社及び株式会社ジャパン・ビジネス・サービス(以下、「JBS」という。)において、「BPO関連事業部門」、「CRM関連事業部門」及び「一般事務事業部門」から成る事務系人材サービス事業を、キャリアリンクファクトリー株式会社において、「食品加工部門」及び「製造加工部門」から成る製造系人材サービス事業を、東京自動車管理株式会社(以下、「東京自動車管理」という。)において、自動車管理事業を展開しております。なお、人材サービス事業では、契約形態によって、「人材派遣」、「請負」、「紹介予定派遣」及び「人材紹介」に区分しております。 (1) 事務系人材サービス事業① BPO関連事業部門当事業部門では、BPO事業者(注1)が請け負ったBPO業務への人材派遣、並びに、地方自治体及び企業等の業務プロセスの一部についての企画提案型の人材派遣及び業務請負を行っております。業務効率化等の企画提案型の人材派遣では、単に人材を派遣するだけではなく、顧客の様々な業務プロセスの一部について、その業務の効率化等に係る企画提案を行い、また、地方自治体及び企業等からの業務請負では、これまで地方自治体及び企業等自身で処理していたバックオフィス等の事務処理・入力業務・窓口業務・発送等の業務や民間企業等の営業支援業務、フィールド関連業務を当社が請け負っております。当社ではこれまで培ったノウハウなどにより、効率的かつ効果的に就業スタッフの募集、スキルチェックや面談、勤務シフト組み等に取り組み、適切な人材確保と業務の早期稼動開始への対応を図り、また、業務請負では、就業スタッフが担う業務手順設計の合理化と平易で明瞭な業務マニュアルの作成、就業スタッフの勤務シフト管理や教育を徹底することで、運営面での効率化と業務品質の向上を図るほか、就業スタッフにインセンティブ報酬を支給してモチベーションを向上させるなど、人材派遣においては顧客のコスト削減を、業務請負においては自社のコスト削減と業務品質の向上を追求しております。また、当事業部門においては、経験豊富なスーパーバイザー(注2)をリーダーとする「チーム派遣」を行っております。「チーム派遣」とは、事務処理・入力業務・発送等を中心とした派遣先での業務に対し、業務処理能力が十分にあるスーパーバイザーをリーダーとするチームを編成して、当社から顧客へ派遣することであり、これにより顧客の導入時研修や導入後の継続研修、業務指導等が軽減され、短期間で大量かつ高品質の業務処理が可能となります。就業スタッフ1,000名を超える大型案件における「受注から、スタッフ供給~事前研修~体制構築~業務開始まで」を1ヵ月程度で整えられることであり、短期間での稼動開始、大量処理対応力等が当社のチーム派遣の特徴であると考えております。(注1)BPO(Business Process Outsourcing)とは、地方自治体及び企業等の業務プロセスの一部について、業務処理の企画・設計から実施までを含めて外部委託することをいい、BPO事業者とは、地方自治体及び企業等に対して業務効率化等の企画提案を行ったうえで、BPO業務を受託する者をいいます。(注2)スーパーバイザーとは、派遣先による指揮命令のもと、就業スタッフの研修、指導、作業の取り纏め、作成資料のチェック等を行う者をいいます。 ② CRM関連事業部門当事業部門では、テレマーケティング事業者が請け負ったテレマーケティング業務(注3)への人材派遣並びに人材紹介、テレマーケティング事業者以外の企業等のコンタクトセンター(注4)への人材派遣並びに人材紹介を行っております。テレマーケティング事業者への人材派遣では、テレマーケティング事業者が請け負ったテレマーケティング業務に対し、BPO関連事業部門と同様にチーム派遣を中心とした人材派遣を行っております。(注3)テレマーケティング業務とは、消費者からの商品やサービスについての問い合わせ・苦情などの受付、通信販売の受注、市場調査等を電話等の手段を使い、顧客(企業等)に代わって行うサービスのことをいいます。(注4)コンタクトセンターとは、企業内において、顧客への対応を専門に行う事業所、部門のことをいいます。 ③ 一般事務事業部門当事業部門では、一般事務(注5)に関する人材派遣、請負及び人材紹介を行っております。(注5)一般事務とは、テレマーケティング(その付随業務を含む)や食品加工及び製造加工現場作業以外の、人事・総務・経理業務や伝票集計、パソコン操作等のデスクワークをいいます。 (2) 製造系人材サービス事業① 食品加工部門当事業部門では、食品加工に関わる業務への人材派遣、請負及び人材紹介を行っております。なお、派遣案件については、業務スタート当初から労務管理者を配置し、顧客にとって労務管理面やコスト面でメリットのある請負への転換を提案し、顧客満足度の向上を図っております。 ② 製造加工部門当事業部門では、製造加工に関わる業務への人材派遣、請負及び人材紹介を行っております。なお、派遣案件については、業務スタート当初から労務管理者を配置し、顧客にとって労務管理面やコスト面でメリットのある請負への転換を提案し、顧客満足度の向上を図っております。 (3) 自動車管理事業当事業では、法人向けに自動車の運行管理からメンテナンス等の自動車管理に関する事業を行っております。自動車管理事業は、報告セグメントに含まれない事業セグメント「その他」として区分しております。 (4) 事業系統図 (注)上記、事業系統図の「派遣」は人材派遣又は紹介予定派遣、「紹介」は人材紹介を指しています。 (5) 人材サービス事業で用いる契約形態契約形態それぞれの内容は、以下のとおりであります。 ① 人材派遣人材派遣とは、「自己の雇用する労働者を当該雇用関係のもとに、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させること」(「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」という。)第2条第1号)であります。当社は、労働者派遣法に基づき厚生労働大臣の「一般労働者派遣事業許可」を受け、「一般労働者派遣」を行っております。人材派遣は、派遣労働者、派遣先、当社(派遣元)の三者関係によって成り立っており、関係及び契約の仕組みは下図のとおりであります。 ② 請負請負とは、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(昭和61年労働省告示第37号)」及び関連法令の規定に基づき、作業の実施・完了までの一連の業務を請け負い、当社と請負に従事する就業スタッフとの間で期間を定めた雇用契約を結ぶものであります。人材派遣契約では労働者への指揮命令は派遣先が行うのに対し、請負契約では当社が労働者に指揮命令を行う点が異なります。請負は、労働者、当社(受託会社)、委託会社の三者関係によって成り立っており、関係及び契約の仕組みは下図のとおりであります。 ③ 紹介予定派遣紹介予定派遣とは、人材派遣のうち、派遣元が派遣労働者・派遣先に対して職業紹介を行い、又は、行うことを予定しているものをいい、派遣期間中に、派遣先は派遣労働者の業務遂行能力等が直接雇用するのに相応しいか見定め、派遣労働者は派遣先における仕事が自分に合うかどうか等を見定めることができます。紹介予定派遣は、派遣元が人材派遣としての許可のほか、有料職業紹介事業の許可を受ける必要がありますが、当社は労働者派遣法に基づく厚生労働大臣の「一般労働者派遣事業許可」及び職業安定法に基づく厚生労働大臣の「有料職業紹介事業許可」を受け、当該事業を営んでおります。紹介予定派遣は、派遣労働者、派遣先、当社(派遣元)の三者関係によって成り立っており、関係及び契約の仕組みは下図のとおりであります。 ④ 人材紹介人材紹介とは、求人者及び求職者の申し込みを受けて、求人者と求職者の間における雇用関係の成立を斡旋することをいいます。人材紹介には、「有料職業紹介事業」、「無料職業紹介事業」の2種類があり、当社は職業安定法第30条の規定に基づき、厚生労働大臣の許可を受け、「有料職業紹介事業」を行っております。人材紹介は、登録スタッフ(求職者)、当社(職業紹介会社)、求人者の三者関係によって成り立っており、関係及び契約の仕組みは下図のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
業務効率化等の企画提案型人材派遣や業務請負で顧客のコスト削減を追求しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
人材派遣、請負、人材紹介、紹介予定派遣それぞれに労働者派遣法や職業安定法等の法的規制がある。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:法的規制の変更や違反による事業活動への影響 / 特定の事業部門(BPO関連)への依存 / 登録スタッフ及び就業スタッフの確保
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

キャリアリンクは特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという公開情報は見当たらない。事業は人材派遣・紹介が中心であり、無形資産による競争優位性は限定的と考えられる。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

人材派遣・紹介サービスにおいて、一度取引を開始した企業が他の派遣会社へ乗り換える際には、新たな契約手続きや担当者との関係構築などの手間が発生する。しかし、派遣料金やサービス内容の競争が激しいため、乗り換えコストは限定的と推測される。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

キャリアリンクの事業モデルは、求職者と企業のマッチングであり、ネットワーク効果が直接的に競争優位性を生み出す構造ではない。プラットフォーム型サービスとは異なり、ユーザー数の増加がサービス価値を指数関数的に高めるわけではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

人材派遣業界は一般的に労働集約型であり、大規模な設備投資を必要としない。キャリアリンクが他社と比較して構造的に大幅なコスト優位性を持つという情報は現時点では確認できない。効率的なオペレーションによるコスト抑制は考えられるが、決定的な優位性とは言えない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

人材派遣・紹介業界は多数の事業者が存在する競争環境である。キャリアリンクは一定の規模を持つ企業ではあるが、業界全体を代表するような寡占的な地位を確立しているとは言えない。規模の経済によるコスト優位性は限定的である可能性がある。

  • BPOにおける企画提案力
    単に人材を派遣するだけでなく、顧客の業務プロセスを分析し、効率化やコスト削減につながる企画提案を行う「企画提案型の人材派遣」や「業務請負」に強みを持っています。特に地方自治体や企業からのバックオフィス業務などの請負では、ノウハウを活かした効率的な運営で顧客の課題解決に貢献しています。
  • チーム派遣による高品質なサービス
    経験豊富なスーパーバイザーをリーダーとする「チーム派遣」を提供しており、これにより顧客は導入時の研修や業務指導の負担を軽減できます。短期間で大量かつ高品質な業務処理が可能となり、特に1,000名を超える大規模案件でも約1ヶ月で稼働開始できる対応力は、他社との差別化要因となっています。
  • 多様な人材確保と育成
    インターネットや新聞広告などを活用し、常に登録スタッフを募集しています。未就業スタッフとの密なコミュニケーションや、就業スタッフへの教育・研修、社員登用制度などを通じて、スキルアップを支援し、モチベーションを向上させることで、安定した人材供給と高いサービス品質を維持しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「すべての人に働くよろこびを」の企業理念のもと、雇用の拡大により社会に貢献することを使命とし、「日本一親身な人材サービスカンパニー」をめざして求職者の方々に多様な就業の機会を提供していくことを経営の基本方針として、顧客の多様なニーズに対して的確な人材及び役務をタイムリーに提供するとともに求職者の方々に多様な就業の機会を提供することで、彼らが将来に亘って希望が持てる人生を送れるよう支援することを通して社会的貢献を果たしてまいります。また、当社グループは、人材サービス企業として、コンプライアンス及び経営管理体制の一層の強化を図るとともに、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、グループ全体の資本コストを的確に把握するとともに、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益及び自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標としております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、主力の事務系人材サービス事業では、地方自治体向け及び民間企業向けの企画提案型BPO案件を中心に業容を拡大すべく、地方自治体を中心に事業地域及び業務領域の拡大により新規取引先開拓推進と既存取引先の受注量シェア拡大に注力してまいります。また、業容拡大を支えるため、事業地域の広域化、業務領域の拡大に応じて支店、BPOセンターなどの拠点網の充実を機動的に実施するとともに高スキル人材を始めとする要員増強を図り、必要な人材を適切配置してまいります。これらの活動と並行してAIの活用を始めとするDX推進などのイノベーション・テクノロジーを追求して競争力強化に努めてまいります。一方、製造系人材サービス事業においては、従来の外国籍労働者の派遣業務主体から請負業務、人材紹介業務への多様化並びに拠点網の充実を図ることなどにより持続的成長を実現してまいります。 また、企業理念である「すべての人に働くよろこびを」に則りかつ今後想定される我が国の人口構造の変化を踏まえて、雇用の拡大や様々な職種及び多様な時間帯での働く機会の提供のみならず、ダイバーシティ&インクルージョンについて従来以上に積極的に取り組む他、コーポレート・ガバナンスとリスク・レジリエンスの強化、気候変動などの環境問題に対する多角的な取り組みなどにより、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上並びに企業としての社会的責任及び社会的貢献に努めてまいります。 (4) 経営環境当連結会計年度における我が国経済は、個人消費については、消費者物価が依然として上昇しているものの上昇テンポが緩やかになっていることに加え、賃上げを始めとする雇用・所得環境の改善により持ち直しの動きが見られました。一方、企業収益及び設備投資については、円安などによる原材料費上昇や米国トランプ政権の通商、金融などの政策運営の影響を受けながらも我が国政府の「責任ある積極財政」への期待感もあり個人消費と同様に持ち直しの動きが見られましたが、2026年2月に勃発した米国・イスラエルとイランとの紛争に端を発した原油価格の上昇が今後どのように影響を及ぼすのか先行きの見通しが困難な状況でありました。 また、世界経済については、米国経済は、個人消費が引き続き堅調であることから、拡大基調が持続されたものの、自国の通商政策に因る物価上昇に伴う個人消費の落ち込みや設備投資意欲の減退、失業率の上昇などが依然として懸念される状況であり、欧州経済は、米国の通商政策の影響を受けながらも、雇用所得環境の維持、物価の安定並びに欧州委員会等による産業競争力向上に向けた財政政策と投資拡大などによりドイツを中心に個人消費、設備投資の持ち直しが見られ堅調を維持しましたが、今後の米国の通商、安全保障などの政策動向による影響が懸念される他、我が国と同様に米国・イスラエルとイランとの紛争に端を発した原油価格の上昇が今後どのように影響を及ぼすのか先行きの見通しが困難な状況でありました。一方、中国経済は、長引く不動産市場の低迷、地方政府の債務膨張、若年層失業率の高止まりなどを背景に依然として個人消費の低迷が続き、景気は緩やかに減速している状況でした。このような状況下、我が国人材サービス業界を取り巻く環境は、労働力供給が労働力需要を下回る労働力需給ギャップの未解消が慢性化していることや個人消費と企業業績の双方が持ち直しの動きを現していることなどを背景に、有効求人倍率や完全失業率などに若干の動きはあるものの企業の雇用拡大意欲が持続している状況でありました。掛かる経営環境の中、当社グループは、引き続き、主力のBPO関連事業及び製造系人材サービス事業を中心に各事業を積極的に推進してまいりました。 (5) 優先的に対応すべき事業上及び財務上の課題上記(1)会社の経営の基本方針及び(3)中長期的な会社の経営戦略を実行するうえで、当社グループは、引き続き、官公庁特に地方自治体向けのBPO関連事業の事業地域と業務領域の広域化を中心に一般民間企業向けBPO関連事業の拡大、製造系人材サービス事業の業容拡大に注力する他、両人材サービス事業において新規事業の開拓や事業展開の多角化を積極的に推進し、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るとともに、長期的な我が国の人口構造の変化を睨んで、ダイバーシティ&インクルージョン推進やAIの活用を中心としたDXへの取り組みの他、2027年4月から施行される育成就労制度などにも積極的に取り組んでまいります。以上を踏まえまして、優先的に対応すべき事業上及び財務上の課題については以下のとおりであります。 ① 「中期経営計画」の推進当社グループでは、計画期間を3年間(2027年3月期から2029年3月期まで)とする中期経営計画を策定しており、事業環境に応じて重点課題を見定め、数値目標の達成に向けて事業活動に取り組んでまいります。 今般策定した「中期経営計画」では、向こう3年間は、事務系人材サービス事業の主力であるBPO関連事業部門の地方自治体取引については、引き続き、事業展開地域及び業務領域のダブル広域化などに積極的に取り組む他、一般民間企業向け取引においても事業拡大に鋭意取り組み、製造系人材サービス事業では、派遣業務主体からの脱却を図るべく、請負業務、人材紹介業務の拡大とともに営業拠点の一層の充実について積極的に取り組んでまいります。また、2026年3月期から取り組んでおります新規事業開発につきましては、事務系人材サービス事業では、民間企業向けBPO関連事業の業務領域拡大などを推進するとともに製造系人材サービス事業では、高スキル外国籍スタッフを軸とした新規業務領域参入などを推進してまいります。 一方で、このような事業展開を実現するためには、AIの活用などによるDXへの取り組みを始めとしたインフラ整備、新規事業開発に伴う投資の他、業容拡大と業務多様化を支える高スキル人材採用などが必須であることから、中期経営計画期間においては、引き続き積極的な投資を実施してまいります。また、今回の中期経営計画策定については、今後の持続的成長基盤の強靭化を主眼に置いていることから、2027年3月期は業容の拡大、2028年3月期と2029年3月期は、2030年3月期以降の新たな成長に向けた準備及び基盤固めと各年度を位置づけています。以上の結果、2029年3月期の売上高は、54,290百万円と計画しており、利益面では、積極的な投資を実施することから、2029年3月期の営業利益は、4,527百万円、営業利益率8.3%とする計画としております。 2027年3月期2028年3月期2029年3月期売上高49,100百万円51,626百万円54,290百万円営業利益4,095百万円4,305百万円4,527百万円営業利益率8.3%8.3%8.3% ② 企業価値の向上と社会的貢献の推進当社グループの企業理念である「すべての人に働くよろこびを」を実践することにより、様々な求職者及び就業スタッフのライフスタイルやキャリアプランにマッチした就業機会の提供や教育訓練の実施など親身な就業支援並びに取引先の業務効率化等を始めとする多様なニーズに対して、企画提案型の業務処理請負及び人材派遣を始めとする多様なソリューションを提供することにより企業価値の向上に努めてまいります。また、社会環境の変化を先取りし、「事業の芽」を育成すべく新規事業・業務の開拓・開発についてトライ&エラーを繰り返して推進してまいります。そのうえで様々な就業機会を創出して「すべての人に働く」機会を継続的に提供して当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上並びに持続可能な社会を実現するための社会的責任を果たしてまいります。 ③ 経営基盤の強化、成長速度に適応した人材確保及び情報システムの充実a.人材の採用・育成と組織体制の充実人材サービス事業を営む当社グループの一番の経営資源は“人”そのものであるとの認識と事業展開の多様化を推進し、社会環境の変化に先行した社内態勢を構築するためには、人材の採用と教育・育成が必要であることから、優秀な人材の採用並びに教育研修制度の充実による人材の育成に注力してまいります。また、「働き方改革」及び人的資本経営を推進すべく、人事制度の一層の充実を図るとともに社員の自己啓発意欲醸成とその支援に取り組むことで社員の能力開発に努めてまいります。 また、外部環境、内部環境の変化に応じた態勢を機動的に組成し、組織の隅々まで統制の取れた企業統治、経営管理を実現するため、柔軟性と適応性を追求した組織体制構築と充実を図ってまいります。 b.イノベーション・テクノロジーの追求BPO関連事業を中心とした事業規模の拡大と業務の多様化に伴い持続的な競争力の維持・向上すること並びに想定される我が国の人口構造の変化に対して適切に対応するためには、堅牢性の高い情報セキュリティレベルの維持・向上と並行して請負案件などの業務処理にAIの活用を含めたDX推進などイノベーション・テクノロジーを積極的に業務に取り入れて活用していくことが重要であるとの認識から、新しい情報技術や案件運用手法などを今後とも積極的に取り入れ、開発することにより、顧客満足度の向上、就業スタッフ支援体制の充実並びに今後の人口構造の変化を想定した働き方改革に取り組んでまいります。 c.ダイバーシティ&インクルージョンの推進当社グループは、多様な価値観を持つ人材が集い活躍することが当社グループの持続的な機動性と柔軟性、躍動感を併せ持つ企業文化を醸成すると考えており、さらには、今後の想定される少子高齢化などの人口構造の変化への適切な対応を実現すべく、女性・ハンディキャップをお持ちの方・外国籍の方がその個性と能力を十分に発揮し、活躍することをめざし、雇用を始め、配置・育成・教育訓練の機会均等、取締役への登用及び管理職比率の向上等を推進してまいります。 ④ リスク管理とレジリエンスの強化当社グループが業容拡大並びに業務多様化を図りつつ持続的成長を実現するためには、業容の拡大と並行してリスク管理とそのレジリエンスも強化することが必須であります。当社グループは、地方自治体を始めとする官公庁BPO関連事業を主力事業としていることも踏まえ、効率的業務処理など業務の運用技術高度化の追求だけでなく、品質管理、個人情報などの機密情報管理などのリスク管理についても業務に従事する社員、スタッフのみならず全従業員に対してレジリエンスカルチャーの醸成に努めている他、情報システム基盤の堅牢性強化についても不断に努めるとともにプロアクティブな管理態勢を強化してまいります。また、震災などの自然災害に対しても同様に柔軟な体制の構築と迅速かつ効果的なBCP(業務継続計画)の追求に努めてまいります。 ⑤ コンプライアンスの重視人材サービス業は“人”を介して役務を提供するものであり、その運営には高い倫理性の保持とコンプライアンスの徹底が重要であります。当社グループは事業規模が拡大し、業務内容が多様化してきたことに伴い、労働基準法、職業安定法、労働者派遣法などの人材サービス業界関連業法の他、個人情報保護法、地方自治法、独占禁止法、入管法など遵守すべき法令も多岐に亘ってまいりましたが、事業運営に関わる全ての法令・ルールを遵守することが、当社グループが果たすべき社会的責任の基本であると強く認識してまいります。 当社グループは、遵守すべき関係法令に則った社内諸規程及び業務マニュアルを整備し、当社代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス委員会を毎月開催するなど、コンプライアンスの状況を監視する体制を整えて、コンプライアンスの徹底管理を推進しておりますが、今後ともコンプライアンス管理体制の実効性を確保するための適切な運営を継続してまいります。 <コンプライアンス体制図>2026年6月26日現在
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「すべての人に働くよろこびを」の企業理念のもと、雇用の拡大により社会に貢献することを使命とし、「日本一親身な人材サービスカンパニー」をめざして求職者の方々に多様な就業の機会を提供していくことを経営の基本方針として、顧客の多様なニーズに対して的確な人材及び役務をタイムリーに提供するとともに求職者の方々に多様な就業の機会を提供することで、彼らが将来に亘って希望が持てる人生を送れるよう支援することを通して社会的貢献を果たしてまいります。また、当社グループは、人材サービス企業として、コンプライアンス及び経営管理体制の一層の強化を図るとともに、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、グループ全体の資本コストを的確に把握するとともに、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益及び自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標としております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、主力の事務系人材サービス事業では、地方自治体向け及び民間企業向けの企画提案型BPO案件を中心に業容を拡大すべく、地方自治体を中心に事業地域及び業務領域の拡大により新規取引先開拓推進と既存取引先の受注量シェア拡大に注力してまいります。また、業容拡大を支えるため、事業地域の広域化、業務領域の拡大に応じて支店、BPOセンターなどの拠点網の充実を機動的に実施するとともに高スキル人材を始めとする要員増強を図り、必要な人材を適切配置してまいります。これらの活動と並行してAIの活用を始めとするDX推進などのイノベーション・テクノロジーを追求して競争力強化に努めてまいります。一方、製造系人材サービス事業においては、従来の外国籍労働者の派遣業務主体から請負業務、人材紹介業務への多様化並びに拠点網の充実を図ることなどにより持続的成長を実現してまいります。 また、企業理念である「すべての人に働くよろこびを」に則りかつ今後想定される我が国の人口構造の変化を踏まえて、雇用の拡大や様々な職種及び多様な時間帯での働く機会の提供のみならず、ダイバーシティ&インクルージョンについて従来以上に積極的に取り組む他、コーポレート・ガバナンスとリスク・レジリエンスの強化、気候変動などの環境問題に対する多角的な取り組みなどにより、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上並びに企業としての社会的責任及び社会的貢献に努めてまいります。 (4) 経営環境当連結会計年度における我が国経済は、個人消費については、消費者物価が依然として上昇しているものの上昇テンポが緩やかになっていることに加え、賃上げを始めとする雇用・所得環境の改善により持ち直しの動きが見られました。一方、企業収益及び設備投資については、円安などによる原材料費上昇や米国トランプ政権の通商、金融などの政策運営の影響を受けながらも我が国政府の「責任ある積極財政」への期待感もあり個人消費と同様に持ち直しの動きが見られましたが、2026年2月に勃発した米国・イスラエルとイランとの紛争に端を発した原油価格の上昇が今後どのように影響を及ぼすのか先行きの見通しが困難な状況でありました。 また、世界経済については、米国経済は、個人消費が引き続き堅調であることから、拡大基調が持続されたものの、自国の通商政策に因る物価上昇に伴う個人消費の落ち込みや設備投資意欲の減退、失業率の上昇などが依然として懸念される状況であり、欧州経済は、米国の通商政策の影響を受けながらも、雇用所得環境の維持、物価の安定並びに欧州委員会等による産業競争力向上に向けた財政政策と投資拡大などによりドイツを中心に個人消費、設備投資の持ち直しが見られ堅調を維持しましたが、今後の米国の通商、安全保障などの政策動向による影響が懸念される他、我が国と同様に米国・イスラエルとイランとの紛争に端を発した原油価格の上昇が今後どのように影響を及ぼすのか先行きの見通しが困難な状況でありました。一方、中国経済は、長引く不動産市場の低迷、地方政府の債務膨張、若年層失業率の高止まりなどを背景に依然として個人消費の低迷が続き、景気は緩やかに減速している状況でした。このような状況下、我が国人材サービス業界を取り巻く環境は、労働力供給が労働力需要を下回る労働力需給ギャップの未解消が慢性化していることや個人消費と企業業績の双方が持ち直しの動きを現していることなどを背景に、有効求人倍率や完全失業率などに若干の動きはあるものの企業の雇用拡大意欲が持続している状況でありました。掛かる経営環境の中、当社グループは、引き続き、主力のBPO関連事業及び製造系人材サービス事業を中心に各事業を積極的に推進してまいりました。 (5) 優先的に対応すべき事業上及び財務上の課題上記(1)会社の経営の基本方針及び(3)中長期的な会社の経営戦略を実行するうえで、当社グループは、引き続き、官公庁特に地方自治体向けのBPO関連事業の事業地域と業務領域の広域化を中心に一般民間企業向けBPO関連事業の拡大、製造系人材サービス事業の業容拡大に注力する他、両人材サービス事業において新規事業の開拓や事業展開の多角化を積極的に推進し、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るとともに、長期的な我が国の人口構造の変化を睨んで、ダイバーシティ&インクルージョン推進やAIの活用を中心としたDXへの取り組みの他、2027年4月から施行される育成就労制度などにも積極的に取り組んでまいります。以上を踏まえまして、優先的に対応すべき事業上及び財務上の課題については以下のとおりであります。 ① 「中期経営計画」の推進当社グループでは、計画期間を3年間(2027年3月期から2029年3月期まで)とする中期経営計画を策定しており、事業環境に応じて重点課題を見定め、数値目標の達成に向けて事業活動に取り組んでまいります。 今般策定した「中期経営計画」では、向こう3年間は、事務系人材サービス事業の主力であるBPO関連事業部門の地方自治体取引については、引き続き、事業展開地域及び業務領域のダブル広域化などに積極的に取り組む他、一般民間企業向け取引においても事業拡大に鋭意取り組み、製造系人材サービス事業では、派遣業務主体からの脱却を図るべく、請負業務、人材紹介業務の拡大とともに営業拠点の一層の充実について積極的に取り組んでまいります。また、2026年3月期から取り組んでおります新規事業開発につきましては、事務系人材サービス事業では、民間企業向けBPO関連事業の業務領域拡大などを推進するとともに製造系人材サービス事業では、高スキル外国籍スタッフを軸とした新規業務領域参入などを推進してまいります。 一方で、このような事業展開を実現するためには、AIの活用などによるDXへの取り組みを始めとしたインフラ整備、新規事業開発に伴う投資の他、業容拡大と業務多様化を支える高スキル人材採用などが必須であることから、中期経営計画期間においては、引き続き積極的な投資を実施してまいります。また、今回の中期経営計画策定については、今後の持続的成長基盤の強靭化を主眼に置いていることから、2027年3月期は業容の拡大、2028年3月期と2029年3月期は、2030年3月期以降の新たな成長に向けた準備及び基盤固めと各年度を位置づけています。以上の結果、2029年3月期の売上高は、54,290百万円と計画しており、利益面では、積極的な投資を実施することから、2029年3月期の営業利益は、4,527百万円、営業利益率8.3%とする計画としております。 2027年3月期2028年3月期2029年3月期売上高49,100百万円51,626百万円54,290百万円営業利益4,095百万円4,305百万円4,527百万円営業利益率8.3%8.3%8.3% ② 企業価値の向上と社会的貢献の推進当社グループの企業理念である「すべての人に働くよろこびを」を実践することにより、様々な求職者及び就業スタッフのライフスタイルやキャリアプランにマッチした就業機会の提供や教育訓練の実施など親身な就業支援並びに取引先の業務効率化等を始めとする多様なニーズに対して、企画提案型の業務処理請負及び人材派遣を始めとする多様なソリューションを提供することにより企業価値の向上に努めてまいります。また、社会環境の変化を先取りし、「事業の芽」を育成すべく新規事業・業務の開拓・開発についてトライ&エラーを繰り返して推進してまいります。そのうえで様々な就業機会を創出して「すべての人に働く」機会を継続的に提供して当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上並びに持続可能な社会を実現するための社会的責任を果たしてまいります。 ③ 経営基盤の強化、成長速度に適応した人材確保及び情報システムの充実a.人材の採用・育成と組織体制の充実人材サービス事業を営む当社グループの一番の経営資源は“人”そのものであるとの認識と事業展開の多様化を推進し、社会環境の変化に先行した社内態勢を構築するためには、人材の採用と教育・育成が必要であることから、優秀な人材の採用並びに教育研修制度の充実による人材の育成に注力してまいります。また、「働き方改革」及び人的資本経営を推進すべく、人事制度の一層の充実を図るとともに社員の自己啓発意欲醸成とその支援に取り組むことで社員の能力開発に努めてまいります。 また、外部環境、内部環境の変化に応じた態勢を機動的に組成し、組織の隅々まで統制の取れた企業統治、経営管理を実現するため、柔軟性と適応性を追求した組織体制構築と充実を図ってまいります。 b.イノベーション・テクノロジーの追求BPO関連事業を中心とした事業規模の拡大と業務の多様化に伴い持続的な競争力の維持・向上すること並びに想定される我が国の人口構造の変化に対して適切に対応するためには、堅牢性の高い情報セキュリティレベルの維持・向上と並行して請負案件などの業務処理にAIの活用を含めたDX推進などイノベーション・テクノロジーを積極的に業務に取り入れて活用していくことが重要であるとの認識から、新しい情報技術や案件運用手法などを今後とも積極的に取り入れ、開発することにより、顧客満足度の向上、就業スタッフ支援体制の充実並びに今後の人口構造の変化を想定した働き方改革に取り組んでまいります。 c.ダイバーシティ&インクルージョンの推進当社グループは、多様な価値観を持つ人材が集い活躍することが当社グループの持続的な機動性と柔軟性、躍動感を併せ持つ企業文化を醸成すると考えており、さらには、今後の想定される少子高齢化などの人口構造の変化への適切な対応を実現すべく、女性・ハンディキャップをお持ちの方・外国籍の方がその個性と能力を十分に発揮し、活躍することをめざし、雇用を始め、配置・育成・教育訓練の機会均等、取締役への登用及び管理職比率の向上等を推進してまいります。 ④ リスク管理とレジリエンスの強化当社グループが業容拡大並びに業務多様化を図りつつ持続的成長を実現するためには、業容の拡大と並行してリスク管理とそのレジリエンスも強化することが必須であります。当社グループは、地方自治体を始めとする官公庁BPO関連事業を主力事業としていることも踏まえ、効率的業務処理など業務の運用技術高度化の追求だけでなく、品質管理、個人情報などの機密情報管理などのリスク管理についても業務に従事する社員、スタッフのみならず全従業員に対してレジリエンスカルチャーの醸成に努めている他、情報システム基盤の堅牢性強化についても不断に努めるとともにプロアクティブな管理態勢を強化してまいります。また、震災などの自然災害に対しても同様に柔軟な体制の構築と迅速かつ効果的なBCP(業務継続計画)の追求に努めてまいります。 ⑤ コンプライアンスの重視人材サービス業は“人”を介して役務を提供するものであり、その運営には高い倫理性の保持とコンプライアンスの徹底が重要であります。当社グループは事業規模が拡大し、業務内容が多様化してきたことに伴い、労働基準法、職業安定法、労働者派遣法などの人材サービス業界関連業法の他、個人情報保護法、地方自治法、独占禁止法、入管法など遵守すべき法令も多岐に亘ってまいりましたが、事業運営に関わる全ての法令・ルールを遵守することが、当社グループが果たすべき社会的責任の基本であると強く認識してまいります。 当社グループは、遵守すべき関係法令に則った社内諸規程及び業務マニュアルを整備し、当社代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス委員会を毎月開催するなど、コンプライアンスの状況を監視する体制を整えて、コンプライアンスの徹底管理を推進しておりますが、今後ともコンプライアンス管理体制の実効性を確保するための適切な運営を継続してまいります。 <コンプライアンス体制図>2026年6月26日現在
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、個人消費については、消費者物価が依然として上昇しているものの上昇テンポが緩やかになっていることに加え、賃上げを始めとする雇用・所得環境の改善により持ち直しの動きが見られました。一方、企業収益及び設備投資については、円安などによる原材料費上昇や米国トランプ政権の通商、金融などの政策運営の影響を受けながらも我が国政府の「責任ある積極財政」への期待感もあり個人消費と同様に持ち直しの動きが見られましたが、2026年2月に勃発した米国・イスラエルとイランとの紛争に端を発した原油価格の上昇が今後どのように影響を及ぼすのか先行きの見通しが困難な状況でありました。また、世界経済については、米国経済は、個人消費が引き続き堅調であることから、拡大基調が持続されたものの、自国の通商政策に因る物価上昇に伴う個人消費の落ち込みや設備投資意欲の減退、失業率の上昇などが依然として懸念される状況であり、欧州経済は、米国の通商政策の影響を受けながらも、雇用所得環境の維持、物価の安定並びに欧州委員会等による産業競争力向上に向けた財政政策と投資拡大などによりドイツを中心に個人消費、設備投資の持ち直しが見られ堅調を維持しましたが、今後の米国の通商、安全保障などの政策動向による影響が懸念される他、我が国と同様に米国・イスラエルとイランとの紛争に端を発した原油価格の上昇が今後どのように影響を及ぼすのか先行きの見通しが困難な状況でありました。一方、中国経済は、長引く不動産市場の低迷、地方政府の債務膨張、若年層失業率の高止まりなどを背景に依然として個人消費の低迷が続き、景気は緩やかに減速している状況でした。このような状況下、我が国人材サービス業界を取り巻く環境は、労働力供給が労働力需要を下回る労働力需給ギャップの未解消が慢性化していることや個人消費と企業業績の双方が持ち直しの動きを現していることなどを背景に、有効求人倍率や完全失業率などに若干の動きはあるものの企業の雇用拡大意欲が持続している状況でありました。掛かる経営環境の中、当社グループは、引き続き、主力のBPO関連事業及び製造系人材サービス事業を中心に各事業を積極的に推進してまいりました。当連結会計年度の経営成績は、BPO関連事業では、前期稼働していた民間企業向け大型案件の規模縮小などがありましたが、主力の地方自治体向けBPO関連事業において、従来から取り組んでいるマイナンバー関連案件に加え、戸籍法改正関連案件や市民窓口案件などについて積極的な受注活動を展開しました。また、製造系人材サービス事業では、製造加工部門の既存取引先を中心に受注量拡大について積極的に取り組んだことなどから、売上高は、前期比4,244,813千円増(10.5%増)の44,642,486千円となりました。また、利益面では、業務領域拡大の一環として受注した一部の請負案件について受注損失引当金を計上した他、IT関連の設備投資を積極的に実施したことに加え、業容拡大、業務多様化への対応能力向上に向け、高スキル人材や専門家を始め、営業担当要員や業務企画要員などを補強するため、積極的な採用活動を実施したことから人件費は、前期比で増加しましたが、引き続き受注案件の効率的運用や登録者募集費などの経費の節減や効率的運用に努めたことなどから、営業利益は前期比1,201,727千円増(44.6%増)の3,895,177千円となり、経常利益は、前期比1,214,236千円増(45.0%増)の3,915,136千円となりましたが、一定期間未稼働の請負案件業務システムについて今後の稼働見通しを鑑み、減損損失117,726千円を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比759,280千円増(41.5%増)の2,588,812千円となりました。 (事務系人材サービス事業)当事業のうち、BPO関連事業部門は、地方自治体取引では、マイナンバー関連案件に加え、各種窓口業務などの長期契約案件を中心に受注業務領域の拡大について積極的に取り組んだ他、短期契約案件である戸籍法改正関連案件の受注にも注力した結果、受注量は順調に推移しました。また、民間企業取引においては、前期稼働していた民間企業向け大型案件の大幅な規模縮小などがありましたが、大手BPO事業者からの中央官庁を事業主とする受注案件や新規取引先からの大型案件を受注できたことなどにより、受注量は堅調に推移しました。CRM関連事業部門は、首都圏において前期稼働していた大型案件の規模縮小や終了に対して、地方支店の既存取引先からの受注量拡大などに努めた結果挽回することができましたが、一般事務事業部門では、地方自治体からの受注は堅調に推移したものの金融機関向け派遣案件の規模縮小などによる売上高減少を挽回するに至りませんでした。これらの結果、当事業の売上高は前期比2,952,006千円増(9.1%増)の35,534,175千円となりました。また、利益面では、BPO関連事業の地方自治体取引において、業務領域拡大の一環として受注した案件について、当該案件の品質維持・向上及び今後、他地方自治体における当該業務受注拡大を図るべく、当該業務運用経験者育成の観点から、投入要員を増強したことなどにより今後赤字が見込まれると判断した案件につきまして、受注損失引当金113,783千円を計上いたしましたが、一方で要員の効率的配置や登録者募集費などの経費節減と効率的運用に努めたことなどから、営業利益は前期比1,118,401千円増(46.6%増)の3,517,259千円となりました。 a.BPO関連事業部門当事業部門は、地方自治体取引においては、マイナンバー関連案件の受注量拡大に積極的に取り組む一方で、既存取引地方自治体との取引基盤を強固にするべく各種窓口業務などの長期契約案件を中心に受注領域の拡大に努め、短期契約案件である戸籍法改正関連案件の受注にも積極的に取り組むなどして、既存取引地方自治体からの受注案件増加に注力した結果、受注量は順調に推移しました。なお、取引地方自治体数につきましては、2025年12月末比で3地方自治体が増加しており、取引地方自治体数は、206地方自治体となっています。一方、民間企業取引においては、前期稼働していた民間企業向け大型短期プロジェクト案件や金融機関向け派遣案件の大幅な規模縮小や終了がありましたが、大手BPO事業者からの中央官庁を事業主とする案件や新規取引先開拓により大型案件を受注した他、フィールド業務案件においても金融機関からの大型案件の受注量が順調に推移したことなどの結果、当事業部門の売上高は前期比2,758,850千円増(11.5%増)の26,715,637千円となりました。 b.CRM関連事業部門当事業部門は、前期に稼働していた首都圏の既存取引先から受注した中央官庁を事業主とする大型コールセンター業務派遣案件の終了及び地方支店において既存取引先から受注した地方自治体を事業主とするコールセンター業務派遣案件やインターネットサービス企業グループへの派遣案件の規模が縮小しましたが、札幌、仙台、大阪、福岡の各地方支店において既存取引先である大手テレマーケティング事業者などから民間企業を主な事業主とするコールセンター業務派遣案件の受注量拡大に取り組んだ結果、当事業部門の売上高は前期比417,564千円増(13.2%増)の3,587,471千円となりました。 c.一般事務事業部門当事業部門は、地方自治体向けのマイナンバー関連派遣案件、地方自治体窓口業務派遣案件などの案件受注が堅調に推移し、民間企業向けでは、首都圏や仙台、沖縄の地方支店において、インターネット広告事業者等の既存取引先からの受注量拡大に取り組みましたが、前期稼働していた金融機関向けの新NISA案件が大幅に規模縮小した他、地方自治体や地方自治体関連公益法人の短期派遣案件が規模縮小や終了したことによる受注量減少を挽回できなかったことなどから、当事業部門の売上高は前期比224,407千円減(4.1%減)の5,231,066千円となりました。 (製造系人材サービス事業)当事業は、食品加工部門では、一部の取引先において、減産に伴う派遣案件の規模縮小や終了、労働者派遣から直接雇用へのシフトに伴い受注量が減少しましたが、調味料製造、冷凍食品製造などの既存取引先からの派遣案件の受注量が拡大したことや健康食品製造などの新規取引先からの受注、さらには農産物加工の請負案件受注などにより、受注量は堅調に推移しました。製造加工部門においては、住宅設備製造からの政府施策関連大型派遣案件を中心に総合電機製造、住宅設備製造などの既存取引先からの受注量が拡大したことや包装資材製造、電子機器部品製造などの新規取引先からの受注により受注量が順調に推移したことから、当事業の売上高は前期比1,323,744千円増(17.6%増)の8,855,388千円となりました。また、利益面では、派遣料金の引き上げに積極的に取り組んだ他、登録者募集費、事務機械費などの経費節減と効率的運用に努めたことなどから、営業利益は前期比97,520千円増(38.0%増)の353,833千円となりました。 (その他)当事業は、株式会社ジャパン・ビジネス・サービスの子会社である東京自動車管理株式会社における「自動車管理事業」であり、当事業の売上高は、退職社員の補充が進捗しなかったことに加え、取引先の組織改組の影響などにより前期比30,938千円減(10.9%減)の252,923千円となり、営業利益は、売上高減少に対応すべく販売費及び一般管理費の節減と効率的運用に努めましたが、売上高の減少及び収益率の高い案件の受注量減少などにより、前期比14,195千円減(37.1%減)の24,084千円となりました。 ② 財政状態の分析(資産の部)当連結会計年度末における資産合計は22,501,774千円となり、前連結会計年度末に比べ2,623,383千円の増加となりました。その主な要因は、ソフトウエアが166,756千円減少したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が2,026,664千円、現金及び預金が592,608千円それぞれ増加したことによるものであります。 (負債の部)当連結会計年度末における負債合計は6,488,357千円となり、前連結会計年度末に比べ1,522,867千円の増加となりました。その主な要因は、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が158,132千円減少したものの、未払消費税等が576,153千円、未払法人税等が482,323千円、未払金が282,532千円それぞれ増加したことによるものであります。 (純資産の部)当連結会計年度末における純資産合計は16,013,417千円となり、前連結会計年度末に比べ1,100,516千円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金が1,164,210千円(親会社株主に帰属する当期純利益により2,588,812千円増加し、配当金の支払により1,424,602千円減少)増加したことによるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ592,608千円増加して11,316,883千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、獲得した資金は2,548,932千円(前年同期は2,710,718千円の獲得)となりました。その主な要因は、売上債権及び契約資産の増加で2,026,664千円、法人税等の支払額で861,116千円それぞれ減少となったものの、税金等調整前当期純利益が3,797,410千円、未払金の増加で257,031千円それぞれ増加となったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、使用した資金は275,286千円(前年同期は129,775千円の使用)となりました。その主な要因は、敷金及び保証金の返還による収入で86,426千円増となったものの、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出が195,006千円、敷金及び保証金の差入による支出が127,979千円あったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、使用した資金は1,681,037千円(前年同期は1,785,189千円の使用)となりました。その主な要因は、長期借入れによる収入で100,000千円増となったものの、配当金の支払が1,425,201千円、長期借入金の返済による支出が258,132千円あったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループは、事務系人材サービス事業及び製造系人材サービス事業を営んでおり、提供するサービスの関係上、生産実績の記載に馴染まないため記載しておりません。b.受注実績当社グループは、事務系人材サービス事業及び製造系人材サービス事業を営んでおり、提供するサービスの関係上、受注実績の記載に馴染まないため記載しておりません。c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメント(事業部門含む)ごとに示しますと、以下のとおりであります。セグメント(事業部門を含む)の名称金額(千円)前年同期比(%)事務系人材サービス事業35,534,175109.1BPO関連事業部門26,715,637111.5CRM関連事業部門3,587,471113.2一般事務事業部門5,231,06695.9製造系人材サービス事業8,855,388117.6その他252,92389.1合計44,642,486110.5 (注)1.当連結会計年度の販売実績を契約形態別に示しますと、以下のとおりであります。契約形態の名称金額(千円)前年同期比(%)人材派遣26,779,238111.6請負17,630,800108.6紹介予定派遣21,97871.7人材紹介210,468153.5合計44,642,486110.5 2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)㈱DNPコアライズ5,423,80613.47,817,73317.5 3.当連結会計年度において、製造系人材サービス事業の販売実績に著しい変動がありました。これは、調味料製造、冷凍食品製造などの既存取引先からの派遣案件の受注量が拡大したことや農産物加工の請負案件受注が大きく影響した結果、製造系人材サービス事業全体の販売実績が大きく増加しました。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高)主力の事務系人材サービス事業においては、前期稼働していた民間企業向け大型案件の規模縮小などがありましたが、BPO関連事業部門を中心に、従来から取り組んでいるマイナンバー関連案件に加え、戸籍法改正関連案件や市民窓口案件などについて積極的な受注活動を展開しました。また、製造系人材サービス事業においては、製造加工部門の既存取引先を中心に受注量拡大について積極的に取り組んだことなどから、当連結会計年度の売上高は44,642,486千円となりました。(売上総利益)事務系人材サービス事業においては、BPO関連事業部門で業務領域拡大の一環として受注した一部案件について受注損失引当金を計上したものの、要員の効率的配置や受注案件の効率的運用に努めました。また、製造系人材サービス事業においては、派遣料金の引き上げに積極的に取り組んだことなどから、当連結会計年度の売上総利益は9,922,213千円となりました。(販売費及び一般管理費)IT関連の設備投資を積極的に実施したことに加え、業容拡大及び業務多様化への対応能力向上に向け、高スキル人材や専門家を始め、営業担当要員や業務企画要員などの補強を目的とした積極的な採用活動を実施したことから人件費が増加しました。一方で、登録者募集費を含む各種経費の節減及び効率的運用に努めたことなどから、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は6,027,035千円となりました。 (営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)以上の結果、営業利益は3,895,177千円、経常利益は3,915,136千円となりました。また、一定期間未稼働の請負案件業務システムについて今後の稼働見通しを勘案し、減損損失117,726千円を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は2,588,812千円となりました。 ③ 資本の財源及び資金の流動性当社グループは、給与等の人件費及び人材確保のための就業スタッフ及び社員の募集・採用費等を主とする運転資金並びに業務効率化のための社内基幹システムの整備・向上等を目的とする設備投資資金につきましては、事業収益から得られる自己資金で賄っておりますが、借入金及び社債につきましては、必要に応じて短期借入金・長期借入金や社債の発行により調達しております。当社グループでは、現状、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高から、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しておりますが、不測の事態に備え、金融機関との間で合計790,000千円の当座貸越契約を締結しております。 ④ 経営者の問題意識と今後の方針について経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑥ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益及び自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標と位置づけ、これらの指標を経営上の目標として持続的な企業価値の向上に努めており、それぞれの指標の計画及び達成状況は以下のとおりであります。 指 標2026年3月期 期初計画2026年3月期 実績2027年3月期 計画売上高42,545,000千円44,642,486千円49,100,000千円営業利益2,706,000千円3,895,177千円4,095,000千円親会社株主に帰属する当期純利益1,848,000千円2,588,812千円2,810,000千円自己資本当期純利益率12.3%16.9%16.9% 当連結会計年度における業績は、売上高が44,642,486千円、営業利益が3,895,177千円、自己資本当期純利益率16.9%となりました。当社グループの2027年3月期を1年目とする中期経営方針では、主力である事務系人材サービス事業BPO関連事業部門の取引基盤の拡大を図るべく、地方自治体に対しては、引き続き事業展開地域及び業務領域のダブル広域化などに積極的に取り組む他、一般民間企業向け取引においても事業拡大に鋭意取り組み、製造系人材サービス事業では、派遣業務主体からの脱却を図るべく、請負業務、人材紹介業務の拡大とともに営業拠点の一層の充実について積極的に取り組んでまいります。また、2026年3月期から取り組んでおります新規事業開発につきましては、事務系人材サービス事業では、民間企業向けBPO関連事業部門の業務領域拡大などを推進するとともに製造系人材サービス事業では、高スキル外国籍スタッフを軸とした新規業務領域参入などを推進してまいります。一方で、このような事業展開を実現するためには、AIの活用などによるDXへの取り組みを始めとしたインフラ整備、新規事業開発に伴う投資の他、業容拡大と業務多様化を支える高スキル人材採用などが必須であることから、中期経営計画期間においては、引き続き積極的な投資を実施してまいります。2027年3月期につきましては、BPO関連事業部門において、前年度からの受注案件が継続される他、新規業務受注などにより10%程度の成長が見込まれることから、売上高49,100,000千円をめざしてまいります。また、利益面においては、情報システム関連投資を中心に積極的な投資を予定している他、人件費も管理体制の強化や新規業務領域の開拓などによる要員増強から増加する見込みですが、前年度から取り組んでおります効率的運用などにより、2027年3月期は営業利益4,095,000千円、自己資本当期純利益率16.9%と予想しております。

事業リスク

  • 法的規制とコンプライアンス
    労働者派遣法、職業安定法、労働基準法など、人材サービス業界は多くの法的規制に縛られています。これらの法令に違反した場合、行政指導や業務停止、訴訟などにより、事業活動や経営成績に深刻な影響が出る可能性があります。また、法改正があった場合も、事業運営に大きな変更を迫られるリスクがあります。
  • 特定の事業部門への依存
    全売上高の約6割を事務系人材サービス事業のBPO関連事業部門が占めており、特に官公庁や地方自治体との請負取引の比率が高い状況です。もしこの部門の売上が急激に減少した場合、会社全体の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。事業の多角化や民間企業との取引強化が課題となります。
  • 人材確保の困難性
    人材サービス事業の根幹は、登録スタッフや就業スタッフの確保です。雇用情勢の変化や労働需要の変動により、必要な人材を十分に確保できない場合、顧客の要望に応えられなくなり、事業活動や経営成績に悪影響が出る可能性があります。特に少子高齢化による労働人口の減少は、長期的なリスク要因です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,526 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 法的規制について当社グループは、企業としての社会的責任を遂行するため、労働基準法、職業安定法、労働者派遣法などの人材サービス業界関連業法の他、事業規模拡大や業務内容の多様化に伴い、遵守すべき法令等も個人情報保護法、地方自治法、独占禁止法、入管法等増加してまいりましたが、これらの諸法令についても各法令等に則った社内諸規程及び業務マニュアルを整備するとともに、担当部署が関係法令等の改正情報の早期入手及び対策を講じる体制を構築している他、当社代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス委員会を毎月1回開催するなどコンプライアンスの状況を監視する体制を整え、コンプライアンスの徹底を図っております。今後とも、コンプライアンス体制の実効性を確保するための適切な運営を継続してまいりますが、社員並びに外部委託先等による重大な過失、不正、違法行為等が生じ、当社グループが行政指導・改善命令を受けた場合、又は、訴訟や損害賠償等に至った場合には、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループに関連する主要な法的規制である労働基準法、職業安定法、労働者派遣法及び関連諸法令のみならず、その他の法令等についても改正内容によっては、当社グループの事業活動及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。 ① 人材派遣人材派遣は、労働者派遣法に基づき厚生労働大臣の「一般労働者派遣事業許可」を受けて行っており、許可の有効期間は5年であります。労働者派遣事業の適正な運営を確保するために「許可の取消し等」を定めている労働者派遣法第14条において、派遣元事業主(派遣事業を行う者、法人である場合にはその役員を含む。)が同条第1項のいずれかに該当するときは、許可の取消しができる旨を定めております。現時点において、当社グループが上記の取消し事由に抵触することはありませんが、今後何らかの理由で許可が取り消された場合、当社グループの事業活動が制限され、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ② 請負昭和61年労働省告示第37号により、請負と派遣の区分基準が示されており、請負を行うにはこの基準に準拠する必要があります。当社グループは、労働省告示第37号の遵守を徹底しておりますが、当社グループが請負で受託した取引が、万一、各都道府県労働局により、実質的には人材派遣であると認定された場合には、「偽装請負」と見做され、それにより、業務停止等の処分を受けた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 人材紹介人材紹介は、職業安定法に基づく厚生労働大臣の「有料職業紹介事業許可」を受けて行っており、許可の有効期間は5年であります。職業紹介事業等が労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整に果たすべき役割に鑑み、その適正な運営を確保するために「許可の取消し等」を定めている職業安定法第32条の9において、有料職業紹介事業者が同条の9第1項のいずれかに該当するときは、許可の取消しができる旨を定めております。現時点において、当社グループが上記の取消し事由に抵触することはありませんが、今後何らかの理由で許可が取り消された場合、当社グループの事業活動が制限され、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 紹介予定派遣紹介予定派遣は、上記①人材派遣及び③人材紹介の事業展開と重なるため、「一般労働者派遣事業許可」及び「有料職業紹介事業許可」を受けて行っております。従って、紹介予定派遣を事業展開するに当たってのリスクは上記①及び③それぞれの記載内容を合わせたものであり、現時点においては、当社グループが両事業許可取消事由に抵触することはありませんが、今後何らかの理由で許可が取り消された場合、当社グループの事業活動が制限され、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 特定の事業部門への依存について2026年3月期において、当社グループ全売上高に対する事務系人材サービス事業 BPO関連事業部門の売上高構成比は59.8%に達しており、また、この中でも官公庁特に地方自治体との請負取引の比率が高い状況にあります。今後のBPO関連事業部門を取り巻く環境等が変化して、官公庁特に地方自治体との請負取引の売上高が急激に減少した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、官公庁特に地方自治体との請負取引について、過度に依存することがないようにBPO関連事業部門では民間企業との請負取引やCRM関連事業部門、一般事務事業部門の特に派遣業務への取り組みを強化するとともに成長が期待できる製造系人材サービス事業の基盤拡大と盤石化を図ってまいります。 (3) 登録スタッフ及び就業スタッフの確保について登録スタッフ募集については、インターネットや新聞、雑誌の広告等により常時実施しております。事業展開するうえで、登録スタッフ及び就業スタッフの確保が重要な課題の一つであることから、未就業の登録スタッフに対して、定期的に連絡を取ることでコミュニケーションの緊密化を図り、登録スタッフ本人の希望に合った就業機会を提供する施策を実施しております。また、就業スタッフに対しては、教育・研修等の支援、社員への登用制度を設けるなど、就業スタッフのスキル向上の施策を実施しております。しかしながら、雇用情勢や労働需要の変化により、人材の確保が当社グループの意図したとおりに進まなかった場合や顧客の要望に対して十分な人材の確保ができなかった場合には、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) イノベーション・テクノロジーへの対応について当社グループ事業である人材サービス事業では、派遣、請負、人材紹介、紹介予定派遣全ての事業においてIT技術を始めとするイノベーション・テクノロジーの活用は必要不可欠であります。当社グループでは、専門性を持つ人材の確保及び外部知見の導入や利用によりイノベーション・テクノロジーへの対応について体制を構築しておりますが、官公庁特に地方自治体向けのBPO関連事業の比率が高い状況にあることから、主力事業であるBPO関連事業部門においてイノベーション・テクノロジーの導入が遅延する若しくは導入すべきイノベーション・テクノロジーの選択を誤る等、技術革新によって多様化するニーズの変化に適切に対応できない場合や専門性を持つ人材の確保や育成が当社グループの意図したとおりに進まずにイノベーション・テクノロジーの選択・導入の目途が立たない場合、競争力の低下を招き、売上高が減少し財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、近年急速に拡大するAI技術の利活用に際し、公平性や公正性の担保をはじめとする適切な取扱いの確保が困難となる場合等において、誤った利活用による秘密情報の漏洩防止や著作権侵害のリスク、人権侵害につながる偏見や差別的表現などを助長する倫理的な配慮に適切に対応できないことで、当社グループの社会的信用を毀損し、事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 人口構造の変化について我が国では、少子高齢化が急激に進んでいることから、今後、労働人口の減少がさらに進む可能性が高いと考えられます。労働人口減少が進む状況下、当社グループでは、従来から女性、高年齢層、ハンディキャップをお持ちの方、外国籍の方に向けて多様な勤務形態を整備するなどして就業機会の提供を積極的に取り組んでおり、高年齢層、ハンディキャップをお持ちの方、外国籍の方を中心とした業務運営、さらに少人数による業務運営を想定したオペレーションの開発についてDX推進を軸に取り組んでおりますが、当社グループが人口構造の変化に対して、適切に対応できない場合には、労働人口、労働市場の縮小に伴い、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 合併、買収などの企業買収(M&A)について当社グループは、今後とも、事業を拡大させる手段として、関連事業を営む企業の買収等を行う可能性があります。買収等を行う場合には、対象となる企業の財務内容や事業推進状況等について問題がないか、細心の注意を払いデューデリジェンスを厳密に実施することにより、事前のリスク回避に努めてまいります。しかしながら、国内外の経済環境の変化等から、当社グループが買収を行った企業の経営、事業、資産に対して十分なコントロールができない場合や買収した企業の人材や顧客が流出した場合には、当社グループが期待した買収効果を得られない可能性があります。すなわち、当初の期待どおりに事業を展開できない場合には、当社グループは投資額を十分に回収できない恐れがあり、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 景気変動等に関するリスクについて当社グループの事業は、企業や組織の人材活用や生産性向上に貢献するサービスを展開しておりますが、このようなサービスは、国内外の景気変動や経済状況変化、また昨今では、世界的な物価上昇やそれに対する金融政策の他、中東、ウクライナ、台湾情勢等の地政学リスクに伴い、急激な経済状況の変化により大きく需給状況が変動することが想定されます。そのため、想定していない突発的な事象が発生し、経済状況が急激に悪化することに伴い、顧客からの発注が急激に減少した場合、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 競争の激化について当社グループが属する人材サービス業界は、多くの競合会社が存在しております。当社グループは、BPO関連事業を始め様々な受注案件で培ってきた豊富なノウハウを基に、顧客に対して業務効率化や合理化を企画提案し、実施運用する人材サービスの提供を推進するなど、競合先との差別化を図っておりますが、競争がさらに激化した場合やDXやAIの発展により省人化が進み、異業種からの参入が活発となり、当社グループがこのような変化に適時適切に対応できない場合には、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 自然災害・疫病並びにシステム障害について① 自然災害等について当社グループでは、営業活動を行っている地域において、大規模な地震、台風などの自然災害が発生した場合に備え、BCP(事業継続計画)マニュアルを整備し、安否確認システムを導入するなどBCP対策を講じ、就業スタッフを含めた緊急連絡網を活用した安否確認訓練・防災訓練を定期的に実施しておりますが、想定した以上の大地震等の災害、疾病等が発生し、情報システムにかかるサーバー等が停止した場合には、当社グループの業務遂行に支障を来たし、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② システム障害について当社グループは、事業活動をコンピューターシステムに大きく依存しており、情報システム内に社員及び登録スタッフ・就業スタッフの個人情報並びに顧客企業等に関する基本情報等を大量に保管しております。これらは顧客企業等のニ―ズに対し最適な登録スタッフを選択し、マッチングさせることを可能としております。また、当社グループは、社員及び就業スタッフの勤怠情報や労働債務、給与の支払、顧客企業等に対する売上高の請求、与信管理等も当該システムによって処理していることから、コンピュータウイルスの感染や悪意を持った第三者の攻撃等により、大規模なシステム障害が発生した場合には、業務処理及び事業活動に支障が生じることが予想されます。そのため、当社グループでは、情報システム管理規程を定め、基幹システムの情報保管・管理は専門企業が運営するデータセンターに委託し、より安全な情報管理に努めております。また、システム開発並びにシステム改修時には慎重かつ綿密なテストを実施するなど、可能な限りの多面的な安全対策を取っております。 ③ 情報システムのセキュリティについて当社グループは、業務上、多くの個人情報並びに機密情報を取り扱っております。そのため、情報セキュリティに関しては、その重要性及びリスクを十分に認識し、情報セキュリティ規程を整備するとともに、2010年4月にISO/IEC27001(注)の認証を取得して、社員の教育やセキュリティ管理を組織的かつ継続的に行っております。しかしながら、サイバー攻撃や不正アクセス等の不測の事態により情報セキュリティ事故が発生した場合には、長期間の業務停止や業務処理遅延などの発生により、当社グループの信用が失墜し、企業イメージの低下を招くなど、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(注)ISO/IEC27001とは、情報セキュリティマネジメントシステム(Information Security Management System)の規格のことであり、情報セキュリティマネジメントシステムとは、組織が情報管理の有効性を維持するための体制のことで、情報の保管方法やマルウェア対策、メール使用のガイドライン、障害発生時の行動計画などの要素から構成されております。 (10)個人情報の取り扱いについて当社グループは、登録スタッフ、就業スタッフ、職業紹介希望者及び社員並びに顧客情報等に関する多くの個人情報を取り扱っており、2005年4月に施行された個人情報保護法が定める個人情報取扱事業者に該当し、個人情報保護法の適用を受けております。また、マイナンバー法(番号法)施行に伴い個人情報保護法が改正されており、より厳格な管理・運用が求められております。当社グループは、プライバシーマーク認証を取得し、個人情報保護マニュアル、個人情報保護要領書、PMS関連法規制管理規程等を整備しており、また、マイナンバー法に基づく特定個人情報等取扱規程を整備して、その遵守徹底や定期的に開催する社員教育等を通して個人情報の厳正な管理を行っております。しかしながら、このような取り組みにもかかわらず、マイナンバーを含む個人情報の漏洩や不正使用等の事態が発生した場合には、社会的信用の失墜や企業イメージの悪化、また、損害賠償請求の発生等により、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)機密情報の取り扱いについて当社グループは、顧客の機密性の高い情報を取り扱っているため、2010年1月に情報セキュリティ体制を構築するための基本方針としてISMS基本方針を定め、情報セキュリティマネジメントシステムを導入し、その維持に努めております。しかしながら、万一、取引先企業等の重要な機密情報の漏洩が当社の責任で発生した場合には、社会的信用の失墜、企業イメージの低下、また、損害賠償請求の発生等により、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)人材の確保・育成について当社グループは、より高い付加価値を実現できる人材を提供する人材サービス企業になるために、年間を通して優秀な人材の採用及び人材の育成に努めておりますが、今後、必要とする優秀な人材の採用・育成が当社グループの意図したとおりに進まなかった場合や当社グループ内の有能な中核的人材が流出した場合には、今後の事業拡大に支障を来たすことが考えられ、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

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