事業の概要
- 工作機械の製造販売オークマはNC旋盤、マシニングセンタ、複合加工機、NC研削盤といった、金属などを精密に加工する「マザーマシン」と呼ばれる工作機械を製造・販売しています。これらの機械は自動車や航空機、医療機器など、様々な産業の製品を作るために不可欠であり、世界の製造業を支える重要な役割を担っています。
- グローバルな事業展開日本国内だけでなく、米州、欧州、アジア・パシフィック地域に子会社を展開し、工作機械の販売やアフターサービスをグローバルに行っています。特に海外売上高比率が70%を超えるなど、世界中の顧客に製品とサービスを提供することで収益を上げています。
- ものづくりサービス単に機械を売るだけでなく、機械、電気(制御)、情報、知識創造を融合した「機電情知」技術を基盤に、加工技術やスマートファクトリー構築のノウハウも提供しています。これにより、顧客の生産現場の課題をトータルで解決し、新たな価値を創造する「ものづくりサービス」をビジネスモデルとしています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 日本事業日本国内での工作機械の製造・販売およびアフターサービスが主な事業内容です。連結売上高は960.55億円、営業利益は92.41億円と、グループ全体の売上と利益の大きな部分を占める稼ぎ頭であり、国内市場での強固な基盤を示しています。
- 米州事業北米・中南米地域における工作機械の販売およびアフターサービスを展開しています。連結売上高は630.59億円、営業利益は30.17億円であり、海外市場の中でも特に大きな規模を持つ地域として、グローバル戦略の中核を担っています。
- 欧州事業欧州地域での工作機械の販売およびアフターサービスを行っています。連結売上高は338.49億円、営業利益は10億円です。欧州市場のニーズに対応し、地域に密着したサービスを提供することで、安定的な収益確保を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Japan | 地域 | 961 | 92 | 9.6% |
| Americas | 地域 | 631 | 30 | 4.8% |
| Europe | 地域 | 338 | 10 | 3.0% |
| AsiaAndPacific | 地域 | 139 | 10 | 6.9% |
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3 【事業の内容】当グループは、当社、連結子会社16社、非連結子会社15社で構成され、NC旋盤、マシニングセンタ、複合加工機、NC研削盤等の工作機械の製造・販売を主な事業内容としております。当グループの事業に関わる位置付けと、事業内容は次のとおりであります。なお、次の4つの地域別区分は「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であり、主な事業内容と当社及び主要関係会社の位置づけは以下のとおりです。 ①日本当社工作機械の製造・販売及びアフターサービス連結子会社 ㈱日本精機商会工作機械及び保守部品の販売 オークマ興産㈱工作機械の部品加工、組立及び据付 ㈱大隈技研工作機械の機械設計 オークマ スチール テクノ㈱工作機械用板金部品製造 ②米州連結子会社 Okuma America Corporation工作機械の販売及びアフターサービス Okuma Latino Americana Comércio Ltda.工作機械の販売及びアフターサービス ③欧州連結子会社 Okuma Europe GmbH工作機械の販売及びアフターサービス Okuma Deutschland GmbH工作機械の販売及びアフターサービス Okuma Benelux B.V.工作機械の販売及びアフターサービス Okuma Austria GmbH工作機械の販売及びアフターサービス ④アジア・パシフィック連結子会社 北一大隈(北京)机床有限公司工作機械の製造・販売及びアフターサービス 大隈机械(上海)有限公司工作機械の販売及びアフターサービス 大同大隈股份有限公司工作機械の製造・販売及びアフターサービス Okuma Australia Pty. Ltd.工作機械の販売及びアフターサービス Okuma Techno (Thailand) Ltd.工作機械の販売及びアフターサービス 大隈(常州)机床有限公司工作機械の製造及び販売 当グループの事業系統図は、次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 コストアップに対しては、コストダウン推進や製品価格への転嫁によってカバーする方針 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 「機電情知(機械、電気(制御)、情報、知識創造)」の融合技術を活かした新機種・新技術開発 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:主要消費地域の経済状況の悪化による需要低下 / カントリーリスク(政情悪化、法規制変更、移転価格税制) / 為替、金利及び株価の変動リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
オークマは工作機械メーカーとして、長年の実績と技術力に裏打ちされたブランド力を持つ。特にNC旋盤やマシニングセンタ分野での信頼性は高いが、特許やIPの独占性は限定的であり、競合他社も類似技術を有している。
スイッチングコスト★★☆☆☆
オークマの工作機械は、導入に多額の設備投資が必要であり、オペレーターの習熟度も求められるため、顧客が他社製品へ乗り換える際の初期コストや学習コストは無視できない。しかし、特定の生産ラインに最適化された場合、乗り換えのハードルは高まるものの、汎用的な機械ではスイッチングコストは相対的に低い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
工作機械業界において、ユーザーが増えることで機械の価値が向上するようなネットワーク効果は基本的に存在しない。オークマの製品も、個々の機械の性能やサポート体制が重視される。
コスト優位★★☆☆☆
オークマは長年の生産ノウハウとサプライチェーン管理により、一定のコスト競争力を有していると考えられる。しかし、工作機械業界全体として、材料費や人件費の変動の影響を受けやすく、構造的な圧倒的コスト優位を確立しているとは言えない。
規模の経済★★★★☆
オークマは工作機械業界において、DMG森精機、ヤマザキマザック、ファナック(制御装置含む)などと共に、主要なプレイヤーの一角を占める。グローバルな販売・サービス網を持ち、一定の市場シェアを確保していることから、効率規模の経済性は高いと言える。
- NC装置の自社開発力オークマは工作機械の頭脳ともいえる数値制御装置(NC装置)を自社で開発している世界でも数少ないメーカーです。これにより、機械本体と制御システムを最適に連携させることができ、高性能で高精度な工作機械を提供できる点が大きな強みとなっています。
- トータルソリューション機械の販売だけでなく、加工技術の提供や、自社工場で培ったスマートファクトリー構築のノウハウを「スマートファクトリーソリューション」として提供しています。これにより、顧客の生産性向上や自動化・省人化ニーズに応えることができ、顧客との長期的な関係構築に繋がっています。
- グローバルな販売網日本、米州、欧州、アジア・パシフィックの主要地域に販売・サービス拠点を持ち、世界中の顧客に製品とアフターサービスを提供できる体制が整っています。これにより、特定の地域に依存せず、多様な市場の需要を取り込むことが可能となり、事業の安定性に貢献しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- ものづくりサービスで社会貢献オークマは「『ものづくりサービス』の力で、社会に貢献する」ことを存在意義としています。機械、電気、情報、知識を融合した独自の技術とノウハウを活かし、顧客の生産現場の課題を解決することで、社会全体の価値創造と企業価値の向上を目指しています。
- 年ビジョン達成2030年度までに連結売上高3,000億円、連結営業利益率15%以上、ROE13~15%を目指すという具体的な目標を掲げています。この目標達成のため、グローバル市場での成長と、航空宇宙・防衛・エネルギーといった成長産業での事業拡大を重視しています。
- 中期経営計画20282026年度から2028年度までの中期経営計画では、「顧客起点の価値創造」と「事業基盤の改革」を重点方針としています。AI・自動化ソリューションの提供拡大や高付加価値製品(5軸制御マシニングセンタ、複合加工機)の拡販を通じて売上と利益を伸ばし、同時にバリューチェーン全体の効率化や人的資本への投資で収益構造を強化することを目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当グループは、「『ものづくりサービス』の力で、社会に貢献する」ことを存在意義(Purpose)とし、企業理念(Vision)、私たちが大切にしたい価値観(Value)の実践を通して、社会価値の創造と企業価値の向上を目指してまいります。企業理念:「オークマは、総合一貫した“ものづくりサービス”を通して、世界中のお客様の価値創造に貢献することで、オークマと共に歩むすべての人々の幸せを実現します。」私たちが大切にしたい価値観:「ともに創る ともに喜ぶ」 (2) 経営環境及び対処すべき課題当グループを取り巻く経営環境は、労働人口の減少やデジタル革新技術の進展による社会構造の変化に加え、地政学リスクの高まりや気候変動への対応等を背景に、産業構造の変革がグローバルに加速しております。工作機械市場においては、労働力不足を背景とした自動化・省人化需要の拡大や、米国を中心とした生産の国内回帰の動き等を受け、中長期的には緩やかな成長が見込まれる一方で、地域・産業ごとの需要変動等は不確実性が高まってきております。また、新たな感染症の発生や自然災害の頻発、経済安全保障等のリスクの観点からのサプライチェーン再編のための製造拠点の分散・複線化・再配置等によるものづくりの強靭化が求められております。加えて、顧客ニーズの多様化や生成AI・フィジカルAIの進展により、生産現場で創出されるデータを活用し、人の判断を補完・代替する高度な自動化や知能化が求められてきております。このような環境下において、需要変動への対応力強化と収益体質の安定化に加え、付加価値の高いソリューション提供による競争力強化が重要課題であると認識しております。 ■ ビジネスモデル「ものづくりサービス」製造業全体が大きな転換点に差し掛かる中、当グループは、工作機械を制御する数値制御装置(NC装置)を自社開発する世界有数の総合工作機械メーカーとしての強みを活かし、「機電情知(機械、電気(制御)、情報、知識創造)」の融合技術を基盤に、機械技術から制御技術まで、ハードウエアからソフトウエアまで、製品から加工技術まで、ビフォアセールスからアフターサービスまで工作機械に関わる全てのことを提供し、お客様のものづくりをトータルで支援するというトータルレスポンシビリティの思想の下、「ものづくりサービス」を提供しております。「ものづくりサービス」は、独自のスマートマシン(知能化・AI技術を搭載した工作機械)だけでなく、加工技術、そして自社工場で培ってきたスマートファクトリー構築のノウハウをスマートファクトリーソリューションとして提供することにより個々のお客様におけるものづくりのライフサイクル全体において課題を解決し、新たな価値を提供します。そして労働人口減少や脱炭素社会の実現等、社会課題の解決に貢献するとともに、当グループとしての成長を図り、「世界の製造業における社会課題を解決する企業」を目指してまいります。 ■ 2030年ビジョン「『ものづくりサービス』の力で、社会に貢献する」という存在意義(Purpose)の実現に向けた2030年までのビジョンを掲げています。「ものづくりサービス」をグローバルに提供し、2030年度までに連結売上高3,000億円、連結営業利益率15%以上、ROE13~15%を目指しています。世界のものづくりの課題解決の需要に応えること、そしてものづくりの課題解決を通じてお客様に貢献することが当グループの成長につながります。その上で、成長産業、強みの産業を幅広くカバーすることによる成長とグローバル市場における成長を掛け合わせ、当グループの中長期的な成長を図ってまいります。 ■ 中期経営計画2025の成果と課題当グループは、2023年度から2025年度を対象とする中期経営計画2025において、成長に向けた投資及び基盤整備を計画通り実行してまいりました。2025年度の連結業績は、売上高は2,358億円と過去最高を更新した一方で、営業利益率は6.6%、ROEは5.3%、ROICは4.3%となり、売上高、収益性、資本効率は目標水準には至りませんでした。中期経営計画2025の期間を通じて、Green-Smart Machineの展開や価格政策の推進、大型案件の取り込みにより受注単価は着実に向上しました。海外売上高比率70%以上を目指すグローバル70の達成を目指し、海外需要を取り込むことにより海外売上高比率は2025年度に73.3%まで上昇いたしました。また、自動化・省人化ニーズを捉えたソリューション提案を強化するため、江南工場で2026年1月に「Dream Site Engineered Solutions(DSES)」の稼働を開始、また2026年5月より「Global Innovation Center(GIC)」の稼働を開始し、顧客価値創出に向けた基盤整備が進展いたしました。一方で、地政学リスクや顧客の投資抑制による需要のばらつきに加え、原材料価格の上昇、関税影響、経費増加等によりコスト構造が悪化し、収益性の低下要因となりました。また、高収益地域での売上構成の変化や人的資本投資の拡大も影響しております。これらを踏まえ、当グループは、需要変動に柔軟に対応可能な事業運営の強化と、バリューチェーン全体でのコスト構造改革による収益性の向上を、中期経営計画2028の期間を通じて対処すべき課題と認識しております。 ■ 中期経営計画2028の方針と重点的な取組2030年ビジョンの達成に向け、当グループは2026年度から2028年度までを対象とする中期経営計画2028において、「顧客起点の価値創造」と「事業基盤の改革」を方針とし、収益成長ステージへの移行を推進してまいります。「顧客起点の価値創造」においては、労働力不足や製造現場の高度化を成長機会と捉え、当社の強みである多種多様な業種や生産形態に対応する自動化ソリューションやものづくりの現場で実践した独自の知能化技術、AI等を活用した自律化ソリューションの提供を強化します。特に、航空宇宙・防衛・エネルギー等の重厚長大産業を中心としたグローバルの好調分野において、5軸制御マシニングセンタ及び複合加工機をはじめとした高付加価値製品の拡販と、AI・自動化ソリューションの提供拡大により売上及び利益の拡大を図ります。あわせて、地域特性を踏まえた顧客起点の施策を展開し、グローバル成長を加速します。「事業基盤の改革」においては、バリューチェーン全体の効率化・迅速化を進めるとともに、グローバル生産の最適化やプロジェクトマネジメントの高度化によりコスト構造の改革を推進します。また、人的資本への投資を通じて技術力・提案力を強化し、競争力の基盤を高めてまいります。これらにより、顧客価値創出と収益構造の高度化を両輪として、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現してまいります。 中期経営計画2028の方針と重点的な取組 中期経営計画2028の方針重点的な取組①顧客起点の価値創造・マーケットドリブン経営の実践・市場・顧客ニーズに応えるソリューションの提供◇AI・自動化ソリューションの提供拡大◇5軸制御マシニングセンタ、複合加工機の売上拡大②事業基盤の改革・市場環境の変化を捉え、成長を実現する事業基盤の構築・バリューチェーンの強化・人的資本による競争力の強化 ■ 目標とする経営指標当グループは、資本効率及び収益性の向上を通じた企業価値の向上を図るため、ROEを最重要指標と位置付けております。ROIC及び営業利益率の向上により資本効率及び収益力を高め、資本コストを意識した経営を推進してまいります。中期経営計画2028においては、2028年度に連結売上高2,700億円、連結営業利益率11%以上、ROE8%以上の達成を目標としております。これらの取組を通じて、2030年ビジョンの実現を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当グループは、「『ものづくりサービス』の力で、社会に貢献する」ことを存在意義(Purpose)とし、企業理念(Vision)、私たちが大切にしたい価値観(Value)の実践を通して、社会価値の創造と企業価値の向上を目指してまいります。企業理念:「オークマは、総合一貫した“ものづくりサービス”を通して、世界中のお客様の価値創造に貢献することで、オークマと共に歩むすべての人々の幸せを実現します。」私たちが大切にしたい価値観:「ともに創る ともに喜ぶ」 (2) 経営環境及び対処すべき課題当グループを取り巻く経営環境は、労働人口の減少やデジタル革新技術の進展による社会構造の変化に加え、地政学リスクの高まりや気候変動への対応等を背景に、産業構造の変革がグローバルに加速しております。工作機械市場においては、労働力不足を背景とした自動化・省人化需要の拡大や、米国を中心とした生産の国内回帰の動き等を受け、中長期的には緩やかな成長が見込まれる一方で、地域・産業ごとの需要変動等は不確実性が高まってきております。また、新たな感染症の発生や自然災害の頻発、経済安全保障等のリスクの観点からのサプライチェーン再編のための製造拠点の分散・複線化・再配置等によるものづくりの強靭化が求められております。加えて、顧客ニーズの多様化や生成AI・フィジカルAIの進展により、生産現場で創出されるデータを活用し、人の判断を補完・代替する高度な自動化や知能化が求められてきております。このような環境下において、需要変動への対応力強化と収益体質の安定化に加え、付加価値の高いソリューション提供による競争力強化が重要課題であると認識しております。 ■ ビジネスモデル「ものづくりサービス」製造業全体が大きな転換点に差し掛かる中、当グループは、工作機械を制御する数値制御装置(NC装置)を自社開発する世界有数の総合工作機械メーカーとしての強みを活かし、「機電情知(機械、電気(制御)、情報、知識創造)」の融合技術を基盤に、機械技術から制御技術まで、ハードウエアからソフトウエアまで、製品から加工技術まで、ビフォアセールスからアフターサービスまで工作機械に関わる全てのことを提供し、お客様のものづくりをトータルで支援するというトータルレスポンシビリティの思想の下、「ものづくりサービス」を提供しております。「ものづくりサービス」は、独自のスマートマシン(知能化・AI技術を搭載した工作機械)だけでなく、加工技術、そして自社工場で培ってきたスマートファクトリー構築のノウハウをスマートファクトリーソリューションとして提供することにより個々のお客様におけるものづくりのライフサイクル全体において課題を解決し、新たな価値を提供します。そして労働人口減少や脱炭素社会の実現等、社会課題の解決に貢献するとともに、当グループとしての成長を図り、「世界の製造業における社会課題を解決する企業」を目指してまいります。 ■ 2030年ビジョン「『ものづくりサービス』の力で、社会に貢献する」という存在意義(Purpose)の実現に向けた2030年までのビジョンを掲げています。「ものづくりサービス」をグローバルに提供し、2030年度までに連結売上高3,000億円、連結営業利益率15%以上、ROE13~15%を目指しています。世界のものづくりの課題解決の需要に応えること、そしてものづくりの課題解決を通じてお客様に貢献することが当グループの成長につながります。その上で、成長産業、強みの産業を幅広くカバーすることによる成長とグローバル市場における成長を掛け合わせ、当グループの中長期的な成長を図ってまいります。 ■ 中期経営計画2025の成果と課題当グループは、2023年度から2025年度を対象とする中期経営計画2025において、成長に向けた投資及び基盤整備を計画通り実行してまいりました。2025年度の連結業績は、売上高は2,358億円と過去最高を更新した一方で、営業利益率は6.6%、ROEは5.3%、ROICは4.3%となり、売上高、収益性、資本効率は目標水準には至りませんでした。中期経営計画2025の期間を通じて、Green-Smart Machineの展開や価格政策の推進、大型案件の取り込みにより受注単価は着実に向上しました。海外売上高比率70%以上を目指すグローバル70の達成を目指し、海外需要を取り込むことにより海外売上高比率は2025年度に73.3%まで上昇いたしました。また、自動化・省人化ニーズを捉えたソリューション提案を強化するため、江南工場で2026年1月に「Dream Site Engineered Solutions(DSES)」の稼働を開始、また2026年5月より「Global Innovation Center(GIC)」の稼働を開始し、顧客価値創出に向けた基盤整備が進展いたしました。一方で、地政学リスクや顧客の投資抑制による需要のばらつきに加え、原材料価格の上昇、関税影響、経費増加等によりコスト構造が悪化し、収益性の低下要因となりました。また、高収益地域での売上構成の変化や人的資本投資の拡大も影響しております。これらを踏まえ、当グループは、需要変動に柔軟に対応可能な事業運営の強化と、バリューチェーン全体でのコスト構造改革による収益性の向上を、中期経営計画2028の期間を通じて対処すべき課題と認識しております。 ■ 中期経営計画2028の方針と重点的な取組2030年ビジョンの達成に向け、当グループは2026年度から2028年度までを対象とする中期経営計画2028において、「顧客起点の価値創造」と「事業基盤の改革」を方針とし、収益成長ステージへの移行を推進してまいります。「顧客起点の価値創造」においては、労働力不足や製造現場の高度化を成長機会と捉え、当社の強みである多種多様な業種や生産形態に対応する自動化ソリューションやものづくりの現場で実践した独自の知能化技術、AI等を活用した自律化ソリューションの提供を強化します。特に、航空宇宙・防衛・エネルギー等の重厚長大産業を中心としたグローバルの好調分野において、5軸制御マシニングセンタ及び複合加工機をはじめとした高付加価値製品の拡販と、AI・自動化ソリューションの提供拡大により売上及び利益の拡大を図ります。あわせて、地域特性を踏まえた顧客起点の施策を展開し、グローバル成長を加速します。「事業基盤の改革」においては、バリューチェーン全体の効率化・迅速化を進めるとともに、グローバル生産の最適化やプロジェクトマネジメントの高度化によりコスト構造の改革を推進します。また、人的資本への投資を通じて技術力・提案力を強化し、競争力の基盤を高めてまいります。これらにより、顧客価値創出と収益構造の高度化を両輪として、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現してまいります。 中期経営計画2028の方針と重点的な取組 中期経営計画2028の方針重点的な取組①顧客起点の価値創造・マーケットドリブン経営の実践・市場・顧客ニーズに応えるソリューションの提供◇AI・自動化ソリューションの提供拡大◇5軸制御マシニングセンタ、複合加工機の売上拡大②事業基盤の改革・市場環境の変化を捉え、成長を実現する事業基盤の構築・バリューチェーンの強化・人的資本による競争力の強化 ■ 目標とする経営指標当グループは、資本効率及び収益性の向上を通じた企業価値の向上を図るため、ROEを最重要指標と位置付けております。ROIC及び営業利益率の向上により資本効率及び収益力を高め、資本コストを意識した経営を推進してまいります。中期経営計画2028においては、2028年度に連結売上高2,700億円、連結営業利益率11%以上、ROE8%以上の達成を目標としております。これらの取組を通じて、2030年ビジョンの実現を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (経営成績等の状況の概要)当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。(1) 財政状態及び経営成績等の状況当期における当グループの経営環境は、米国の関税政策の不確実性、世界各地で継続する軍事侵攻に伴う地政学的リスクの高まり、インフレの継続等、世界経済の先行きが不透明な状況が続きました。こうした中、工作機械の需要は大手企業向けでは底堅く推移しました。一方、中堅・中小事業者においては設備投資に慎重な姿勢が継続しましたが、需要は総じて回復基調で推移しました。 こうした事業環境のもと、当グループは「中期経営計画2025」に基づき、高精度・高効率生産とエネルギー消費量削減を自律的に両立し、脱炭素化に貢献する当グループの工作機械を「Green-Smart Machine」と位置づけ、自動化・生産性向上ソリューションや脱炭素ソリューションとともにグローバルに展開しました。こうした活動を通じて、受注獲得に注力するとともに、収益力改善、資本効率向上に注力し、ものづくりを巡る社会課題の解決を通じて企業価値向上に努めました。地域別の市況については、米国は、大手企業を中心に、航空、宇宙・衛星、防衛関連、医療機器、データセンタ・エネルギー関連等からの需要が堅調に推移し、年度後半は回復基調が鮮明となりました。中堅・中小事業者では、関税政策の不確実性、金利の状況等から、設備投資に対する慎重な姿勢が続きましたが、米州の下期の受注高は過去最高を記録しました。この米国の需要拡大の流れはグローバルな広がりを見せつつあり、日本においても航空、宇宙、防衛関連をはじめとして、一般産業機械、造船、発電関連、医療機器等、様々な産業において、年度後半に設備投資が活発化し始めました。一方で中堅・中小事業者においては、自動車に対する米国関税措置の影響もあり設備投資に慎重な姿勢が継続しました。欧州は、自動車産業の停滞、輸出産業の不振に加え、米国の関税政策の影響等、景気の先行きが不透明であることから、需要は弱含みで推移しました。こうした状況下において、航空機、防衛関連においては需要増の流れとなりました。中国は、産業政策が設備投資の下支えとなる中、半導体製造装置、風力発電、一般産業機械等からの需要が底堅く推移しました。また大手EVメーカーからの大型投資案件を着実に受注に結び付け、受注は堅調に推移しました。第4四半期においては、大手EVメーカーからの大型投資案件の受注が一服したものの、引き続き需要は総じて底堅く推移しています。その他のアジアにおいては、国や地域による濃淡はありますが、需要は底堅く推移しました。このような市況の下、2025年9月22日から26日にかけてドイツハノーバー市で開催された欧州工作機械見本市(EMO Hannover 2025)に出展し、ニーズが高まる5軸制御マシニングセンタ、複合加工機等の工程集約型工作機械や自動化システムを提案しました。また、2025年11月11日から14日にかけて、本社工場で開催したオークママシンフェア2025では、国内外から多くのお客様をお招きし、人手不足や熟練作業者不足等の課題解決に向け、「使い易さ」をコンセプトに5軸制御マシニングセンタ、複合加工機を中心としたスマートマシンによる工程集約及び自動化システムと、それらを活用した生産性向上のための具体的なソリューションを提案し、販売促進を図りました。利益面につきましては、部材コストの上昇、輸送コストの高止まり、人的資本投資の強化等の影響を受ける中、生産効率の向上、内製化の拡大等によるコスト低減に注力するとともに、コスト増加及び米国関税負担の販売価格への転嫁に努めました。一方、工作機械需要が伸び悩む中、年度前半は工場の操業度が本格回復に至らなかったことに加え、受注機の契約納期が年度後半に集中したことから、上期の売上・利益の下押し要因となりました。年度後半においては、需要が総じて回復基調で推移する中、豊富な受注残を確実に生産・出荷することで、売上・利益の確保に繋げました。製造面では、2025年9月に可児工場(岐阜県可児市)内に、物流機能と流通加工(ユニット組立機能)を兼ね備えた「オークマPDC(Process Distribution Center)」を竣工し、2026年1月より稼働を開始しました。倉庫機能と物流をオークマPDCに集約することで配送効率を高めるとともに、ユニット生産等の高付加価値工程を併設することにより、物流費用の削減とScope3における温室効果ガス排出量の削減を図っていきます。また、中期経営計画2025の取組の一環として、革新的な自動化技術の開発・提供や、お客様の生産改革に向けたサポートビジネスを展開するため、江南工場(愛知県江南市)の再開発を進めてきました。2026年1月には、「Dream Site Engineered Solutions」を竣工し、稼働を開始しました。本施設では、受注した自動化ラインの集中生産を行うとともに、近年、顧客要求の高い秘匿性を確保しながら、お客様にテスト加工や自動化ラインの構築、機能確認をしていただく場として活用いたします。併せて自動化ラインの集中生産により、本社工場(愛知県大口町)及び可児工場の本機の組立スペースを拡大し、強みとする5軸制御マシニングセンタ、複合加工機等の生産能力を一段と高め、需要に応じた柔軟な生産体制の構築を進めています。さらに次世代の自動化やお客様の生産改革等に繋がるソリューションを共創する「Global Innovation Center」を、「Dream Site Engineered Solutions」と隣接して建設し、2026年5月より稼働を開始しました。これらの結果、当期の連結受注額は240,844百万円(前期比11.7%増)、連結売上高は235,888百万円(前期比14.1%増)、連結営業利益は15,505百万円(前期比5.8%増)、連結経常利益は16,380百万円(前期比5.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12,554百万円(前期比30.9%増)となりました。 次に、セグメント別の業績は、次のとおりであります。① 日本日本は、航空、宇宙、防衛関連をはじめとして、一般産業機械、造船、発電関連、医療機器等、様々な産業において、年度後半に設備投資が活発化し始めました。一方で中堅・中小事業者においては、自動車に対する米国関税措置の影響もあり設備投資に慎重な姿勢が継続しました。このような状況の下、売上高は181,120百万円(前期比8.0%増)となりました。損益面では、部材コストの上昇、輸送コストの高止まり、人的資本投資の強化等の影響を受ける中、生産効率の向上、内製化の拡大等によるコスト低減に注力するとともに、コスト増加及び米国関税負担の販売価格への転嫁に努めました。一方、工作機械需要が伸び悩む中、上期は工場の操業度が本格回復に至らなかったことに加え、受注機の契約納期が下期に集中したことから、上期の売上・利益の下押し要因となりました。下期においては、需要が総じて回復基調で推移する中、豊富な受注残を確実に生産・出荷することで、売上・利益の確保に繋げました。この結果、営業利益は8,830百万円(前期比4.5%減)となりました。 ② 米州米国は、大手企業を中心に、航空、宇宙・衛星、防衛関連、医療機器、データセンタ・エネルギー関連等からの需要が堅調に推移し、下期は回復基調が鮮明となりました。中堅・中小事業者では、関税政策の不確実性、金利の状況等から、設備投資に対する慎重な姿勢が続きました。このような状況の下、売上高は68,524百万円(前期比8.5%増)、営業利益は2,959百万円(前期比1.9%減)となりました。 ③ 欧州欧州は、自動車産業の停滞、輸出産業の不振に加え、米国の関税政策の影響等、景気の先行きが不透明であることから、需要は弱含みで推移しました。こうした状況下において、航空機、防衛関連においては需要増の流れとなりました。このような状況の下、売上高は34,490百万円(前期比1.5%増)、営業利益は677百万円(前期比32.3%減)となりました。 ④ アジア・パシフィック中国は、産業政策が設備投資の下支えとなる中、半導体製造装置、風力発電、一般産業機械等からの需要が底堅く推移しました。また大手EVメーカーからの大型投資案件を着実に受注に結び付け、受注は堅調に推移しました。第4四半期においては、大手EVメーカーからの大型投資案件の受注が一服したものの、引き続き需要は総じて底堅く推移しました。中国以外のアジアでは、国・地域や産業により濃淡はありますが、需要は底堅く推移しました。このような状況の下、売上高は24,605百万円(前期比7.1%増)、営業利益は862百万円(前期比9.5%減)となりました。 (2) 生産、受注及び販売の状況① 生産実績当連結会計年度における当グループの連結生産実績は、232,401百万円(前期比8.3%増)であります。なお、日本での生産高が90%以上であるため、セグメントごとの記載を省略しております。 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)日本112,6235.956,076△7.8米州78,34624.028,82851.9欧州34,6554.913,2712.3アジア・パシフィック15,21916.43,231△12.6合計240,84411.7101,4075.1 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)日本117,35522.2米州68,4958.6欧州34,3511.5アジア・パシフィック15,68613.2合計235,88814.1 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)Gosiger Machine Tools, LLC――23,70110.0Morris Group, Inc.20,98610.124,22110.3 (注)1.前連結会計年度のGosiger Machine Tools, LLCに対する販売実績は、当該販売実績の総販 売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当グループは、過去の実績、または各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。以下、当グループの財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針についてご説明いたします。 ① 貸倒引当金当グループは、貸倒れによる損失に備えるため、連結会社間の債権債務を相殺消去した期末の金銭債権に対し、一般債権につきましては貸倒実績率により、また貸倒れが懸念される債権につきましては、回収可能性を勘案して貸倒見積り額を計上しております。取引先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。 ② 棚卸資産当グループは、棚卸資産について、推定される将来需要及び市場状況に基づく時価の見積り額と原価との差額に相当する陳腐化の見積り額について、評価損を計上しております。将来需要または市場状況が当グループの見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。 ③ 繰延税金資産繰延税金資産のうち、将来において回収が見込めない部分については評価性引当額を設定しております。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りに依拠します。将来の課税所得が、経済環境の変化や収益性の低下により予想された額よりも低い場合には、繰延税金資産の金額は調整される可能性があります。 ④ 退職給付債務及び費用従業員の退職給付債務及び費用の計算は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当グループは、使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または仮定自体の変更により、退職給付債務と将来の費用に影響を与える可能性があります。 ⑤ 投資有価証券の減損当グループは、その他有価証券のうち、取得価額に比べ実質価額が著しく下落したものにつきましては、回復可能性があると認められる場合を除き、減損処理を行っております。市場価格のない株式等以外のものにつきましては、期末日における時価の簿価に対する下落率が50%以上の場合には、回復可能性はないものと判断し、30%以上50%未満の下落の場合には、当該有価証券の発行会社の財務状況及び将来の展望等を総合的に勘案して回復可能性を判断しております。市場価格のない株式等につきましては、実質価額が取得価額を50%以上下回った場合には当該株式の発行会社の財政状態等を勘案して実質価額の回復可能性を判断しております。将来の時価の下落または投資先の業績不振や財政状態の悪化により、評価損の計上が必要となる可能性があります。 ⑥ 固定資産の減損減損損失の認識及び回収可能価額の算定に際し、将来キャッシュ・フローについて見積りを行っております。当グループは将来キャッシュ・フローの見積りは合理的であると考えておりますが、予測不能な事業上の仮定の変化による将来キャッシュ・フローの見積りの変化が、固定資産の評価に影響する可能性があります。 (2) 当連結会計年度における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当グループは、持続的な「利益ある成長」をすべく、収益性、効率性を高めていく考えで事業戦略を進めております。併せて、中長期的な視点で「利益ある成長」を続けるために、財務の健全性を維持し、企業価値の向上に繋げてまいりたいと考えております。このため、売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。なお、当連結会計年度における経営成績等の状況は以下のとおりであります。 ① 売上高当グループは、オークマブランドの強化・浸透、生産性向上に結び付くソリューションの提案等、顧客拡大に向けた諸施策を進め、受注・売上高の拡大を図ってまいりました。その結果、連結売上高は235,888百万円(前期比14.1%増)となりました。 ② 営業利益生産効率向上、コストダウン施策に注力し、収益力の強化を進め、連結営業利益は15,505百万円(前期比5.8%増)となり、売上高営業利益率は、前連結会計年度に比較して0.5%減少の6.6%となりました。売上総利益率は、前連結会計年度に比較して2.3%減少の29.4%となり、販売費及び一般管理費の対売上高比率は、前連結会計年度と比較して1.9%減少の22.8%となりました。 ③ 経常利益営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は874百万円の利益となりました。そのうち、受取利息及び受取配当金から支払利息を差し引いた金融収支は1,596百万円の利益となりました。また、その他の営業外費用として、為替差損345百万円等を計上し、連結経常利益は16,380百万円(前期比5.5%増)となりました。 ④ 親会社株主に帰属する当期純利益税金等調整前当期純利益は17,057百万円となりました。また、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は12,554百万円(前期比30.9%増)となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比較して511百万円減少し、47,764百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、23,821百万円の収入となりました(前年同期は17,802百万円の収入)。主な資金の増加項目としては、税金等調整前当期純利益17,057百万円、減価償却費9,288百万円、棚卸資産の減少7,225百万円、及び退職給付に係る負債の増加2,084百万円等であります。一方、主な資金の減少項目としては、売上債権の増加5,520百万円、仕入債務の減少4,030百万円、及び法人税等の支払額2,513百万円等であります。投資活動によるキャッシュ・フローは、29,233百万円の支出となりました(前年同期は15,257百万円の支出)。主な資金の増加項目としては、投資有価証券の売却による収入1,842百万円等であります。一方、主な資金の減少項目としては、有形固定資産の取得による支出23,929百万円、及び無形固定資産の取得による支出5,556百万円等であります。有形固定資産の取得による支出の主な要因としましては、世界的に高まる工作機械の需要に応えるべく、「Global Innovation Center」と「Dream Site Engineered Solutions」の建設14,471百万円、Okuma America Corporation における「Global Repair Center」の建設3,023百万円、㈱日本精機商会における「オークマPDC」の建設2,350百万円の投資を行ったことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、2,925百万円の収入となりました(前年同期は3,498百万円の支出)。主な資金の増加項目としては、長期借入れによる収入15,000百万円等であります。主な資金の減少項目としては、配当金の支払額6,050百万円、自己株式の取得による支出5,002百万円、及びリース債務の返済による支出971百万円等であります。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。当グループの運転資金需要のうち主なものは、部材の購入費のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。当グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。資金調達は、将来の資金需要、資本コスト、資本構成等を総合的に勘案し、手元流動性資金の活用、金融市場からの調達も視野に入れ、最適な資金調達方法を選択しております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は26,885百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、47,764百万円となっております。2026年度における重要な資本的支出としては、江南工場の塗装・乾燥設備、機械装置への投資を予定しております。その資金の調達源は、自己資金を予定しております。
事業リスク
- 海外経済の変動オークマの売上高の7割以上が海外であるため、主要消費地域(日本、米州、欧州、中国を含むアジア)の経済状況や設備投資需要の変動が業績に大きく影響します。特に海外経済が悪化した場合、工作機械の需要が低下し、売上や利益が減少する可能性があります。
- カントリーリスク中国や台湾で工作機械を製造し、米州、欧州、アジア・パシフィック地域で販売しているため、これらの国や地域での政情悪化、予期せぬ法律・規制の変更(貿易政策や関税措置など)が発生すると、生産や販売に支障が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 為替・金利変動グローバルに事業を展開しているため、外貨建て取引が多く、為替レートの変動が業績に影響を与えます。また、金利が上昇すると有利子負債の支払利息が増加し、収益を圧迫する可能性があります。これらのリスクを完全に回避することは難しいとされています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、2026年3月末日現在で当グループが判断したものであります。 (1) 工作機械の主要消費地域の経済状況について 工作機械の需要は、主要消費地域(日本、米州、欧州、中国を含むアジア)の経済状況と同地域における設備投資需要の変動に左右されます。特に、当グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、当連結会計年度において73.3%、前連結会計年度においても70.1%といずれも高い比率となっており、海外消費地域の経済状況の悪化により需要が低下した場合は、当グループの業績への影響が懸念されます。 (2) カントリーリスクについて 当グループは、中国及び台湾の子会社にて工作機械を製造しており、米州、欧州及びアジア・パシフィック地域の子会社を通じて製品の販売及びアフターサービスの提供をしておりますが、これらの国または地域において、政情の悪化、予期せぬ法律・規制の変更等があった場合は、当グループの業績への影響が懸念されます。 米国を中心とした貿易政策は近年大きく変動しており、関税措置については一部で還付が進められる一方、他の枠組みでの関税措置の継続・導入が行われています。これらの政策は短期間で変更される可能性があり、その内容及び影響を予測することは困難な状況にあります。 当グループは関税措置によるコスト増加分の価格転嫁に努めておりますが、通商政策の変化により顧客の設備投資動向の変化や価格転嫁の制約が生じた場合には、当グループの収益性低下や業績への影響が生じる可能性があります。 また、グループ会社間の取引価格に関しては、適用される日本及び相手国の移転価格税制を順守するよう細心の注意を払っておりますが、税務当局から取引価格が不適切である等の指摘を受ける可能性があります。さらに政府間協議が不調となる等の場合、結果として二重課税や追加課税を受ける可能性があります。これらの事態が発生した場合は、当グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。 (3) 為替、金利、及び株価の変動リスクについて 当グループはグローバルに販売及び生産活動を展開しているため、外貨建て商取引及び投資活動等は為替変動の影響を受けます。また、有利子負債の削減を軸に財務体質の強化に努めておりますが、金利上昇は支払利息の増加を招き、当グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当グループは、為替変動及び金利の変動リスクを回避すべく、輸出地域の分散、社内管理規定に従ったヘッジ取引等を実施しておりますが、その影響を完全に回避できるとは限りません。また、当社は、取引先企業や金融機関等の株式を保有しており、株価が大幅に下落した場合は投資有価証券評価損が発生し、当グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。 (4) 固定資産の減損について 当グループは、事業用の資産や企業買収の際に生じるのれん等様々な有形・無形の固定資産を計上しており、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。事業環境の大幅な変動が生じた場合や土地等の固定資産価格が下落した場合には減損損失が発生し、当グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。 (5) 原材料費・海上運賃等の大幅な変動について 工作機械の主要原材料として使われる鋳物・鋼材等は、原油価格の動向、国際的な需給の状況等により価格が変動し、コストアップ要因となる場合があります。また、海上運賃の高騰は工作機械の輸送費として、コストアップ要因となります。このコストアップに対しては、コストダウン推進や製品価格への転嫁によってカバーする方針でありますが、さらなる価格の高騰が続いた場合には、当グループの業績への影響が懸念されます。 (6) 自然災害及びテロ等のリスクについて 当グループは製造、販売、及びサービス拠点をグローバルに展開しているため、予測不可能な自然災害、疫病の蔓延、コンピュータウイルス、テロといった多くの事象によって引き起こされる災害に影響を受ける可能性があります。 特に、当グループの本社機能及び主要な製造拠点があります愛知・岐阜両県は、東海大地震の防災強化地域であり、ひとたび大きな地震が発生した場合には、大きな損害が発生し、当グループの業績への甚大な影響が懸念されます。当グループといたしましては、建物等の耐震工事、防災訓練の実施、及び従業員への啓蒙等の地震対策を逐次実施しており、リスクの極小化に努めております。疫病については、感染拡大を防止するため、衛生管理の徹底や時差出勤・テレワーク等の効率的な事業運営を実施しております。また、政府や地方自治体による要請や声明等の趣旨を鑑みて、主要な製造拠点の操業休止や一時帰休の実施等を行う可能性があります。 (7) 資材の調達リスクについて 自然災害や疫病の蔓延、紛争等による調達先の生産停滞、また製造業の繁忙に伴う供給逼迫により、工作機械の構成部品やユニットの調達が困難となり、当社の安定した生産が阻害される可能性があります。部品・ユニット調達の安定化を図るため、調達難の原因となる事象の継続的な監視と迅速な対応を行うとともに、調達先の複線化や代替手段の確保等に取り組み、当社の生産の安定化に努めております。 (8) 電力不足のリスクについて 発電所の停止等により電力供給不足に陥った場合、節電対応により、安定した生産が阻害される可能性があります。 (9) 情報システム・情報セキュリティのリスクについて 当グループの事業活動において、情報システムの利用は不可欠となっており、コンピュータウイルス、システム障害等により情報システムの機能に支障が生じた場合、当グループの事業活動、経営成績、及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また電子取引等、業務のデジタル化の拡大は情報漏洩等、情報セキュリティに係るリスクを伴います。 このようなリスクへの対応として、当グループは、サイバーセキュリティ対策を継続的に講じており、また情報システムの運用手順、機密情報の管理規則を厳格に定め、システム障害や情報漏洩等の防止を図っておりました。 しかしながら、2025年9月に連結子会社であるOkuma Europe GmbHのサーバーが第三者による不正アクセスを受け、ランサムウェアに感染しました。調査の結果、当社及び当グループ会社が管理している従業員等の個人情報及び機密情報の漏えいは確認されておりません。また、お取引先様やお客様への影響は確認されておりません。 外部専門家による調査を踏まえた再発防止策の実施により安全な環境を再構築し、現地での事業活動は早期に正常化しております。今後も継続的にサイバーセキュリティ対策を講じ、情報セキュリティの更なる強化に努めてまいります。