事業の概要
- 特殊精密機器事業ダイヤモンドや超硬合金などの非常に硬い材料を使い、自動車部品や電子機器製造用の精密部品(ダイヤモンドノズルなど)や工具を設計・製造・販売しています。また、微細な空間で化学反応を行うマイクロリアクターシステムも手掛けており、高い技術力が求められる分野で収益を上げています。
- 化学繊維用紡糸ノズル事業連結子会社の日本ノズル株式会社が、化学繊維を作るための紡糸ノズルや関連部品、不織布製造装置などを設計・製造・販売しています。1928年創業の老舗で、微細加工技術に強みを持ち、国内外の繊維メーカーに製品を供給しており、安定した収益源となっています。
- D-Next事業とマテリアルサイエンス事業D-Next事業では、太陽光発電向けダイヤモンドワイヤ製造の経験を活かし、製造装置の開発・販売やパワー半導体向けダイヤモンドワイヤの開発を進めています。マテリアルサイエンス事業では、東京大学との共同開発でナノサイズゼオライトの事業化を目指しており、これらは将来の成長を担う新規事業として位置づけられています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 特殊精密機器事業自動車部品や電子機器製造用のダイヤモンド部品、ノズル、工具などを手掛けており、売上高は約7.08億円、営業利益は約0.29億円です。高度な精密加工技術を要する製品を提供し、主に国内市場で事業を展開しています。
- 化学繊維用紡糸ノズル事業化学繊維の製造に不可欠な紡糸ノズルや関連部品、不織布製造装置などを提供しており、売上高は約16.80億円、営業利益は約1.46億円と、最も大きな売上と利益を上げています。国内外の繊維メーカーを顧客とし、グローバルに展開しています。
- D-Next事業ダイヤモンドワイヤ製造装置の開発・販売やパワー半導体向けダイヤモンドワイヤの開発を進めており、売上高は約2.44億円、営業利益は約-0.92億円です。新規事業のため現在は赤字ですが、将来の成長を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| HighPrecisionEquipmentBusiness | 地域 | 7 | 0 | 4.2% |
| ChemicalFiberSpinningNozzleBusiness | 地域 | 17 | 1 | 8.7% |
| DNextBusinessReportableSegment | 地域 | 2 | -1 | -37.6% |
| MaterialsScienceBusinessReportableSegment | 地域 | 0 | -1 | -977.8% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び連結子会社)は、特殊精密機器関連、D-Next関連、マテリアルサイエンス関連の開発・製造・販売を主な事業として取り組んでおります。2026年3月31日現在の子会社数は2社(連結子会社 Zeo Next株式会社、上海那科夢楽商貿有限公司)であります。当社グループの事業内容は以下のとおりであり、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 (1) 特殊精密機器事業当事業は、ダイヤモンドや超硬合金、セラミックスなどの耐摩耗性の高い硬脆材料(*1)を用いた特殊精密部品、工具の設計・製造・販売を行っております。当事業における主要な製品は、自動車部品やベアリング製造用工作機械に用いられるダイヤモンド部品、液晶テレビやスマートフォン、タブレット等の電子機器の製造に欠かせない電子部品実装(*2)用の産業機械に用いられるダイヤモンドノズル(*3)といった部品であります。当事業では、こうした特殊精密部品・工具に加えて、実装機(マウンター)用ノズル等を洗浄する装置などの開発・製造・販売も行っております。また、微細精密加工技術と装置開発技術の複合により、微細な空間で液体や気体を効率的かつ連続的に混合・合成する化学反応用マイクロリアクター(*4)システムの開発・製造・販売も行っております。(*1)硬脆材料 :ダイヤモンドやセラミックスなどのように、硬度が非常に高い反面、衝撃に弱く、カケ易く割れ易い材料の総称。(*2)実装 :エレクトロニクスの分野で、電子部品をプリント基板の上に取り付ける(はんだ付けする)工程。(*3)ダイヤモンドノズル :電子部品(IC・コンデンサ・抵抗等)を電子基板に搭載する際に用いる吸着ノズル。(*4)マイクロリアクター :一辺あたり1mm以下の大きさの空間で連続的に化学反応を行う装置(通常はバッチ反応器、いわゆる普通のフラスコなど)。より大きなスケールで反応を行う他の装置と比べ、エネルギー効率、反応速度、安全性、対応できる反応、条件の制御能力などに優れる。 (2) D-Next事業当事業は、太陽光発電向けダイヤモンドワイヤの製造・販売に関する経験、ノウハウを活かし、ダイヤモンドワイヤ製造装置(以下、PHX-01)の開発・販売を行うとともに、パワー半導体向けダイヤモンドワイヤの開発・製造・販売へ事業モデルの転換を進めております。 (3) マテリアルサイエンス事業当事業は、東京大学との共同開発により、ゼオライトを低コストでナノサイズ化する技術開発に成功し、この技術を用いて開発したナノサイズゼオライトの事業化を目指しております。マイクロサイズのゼオライトをナノサイズ化することにより、従来の吸着、イオン交換、触媒などといった特長に加え、透明性、高分散などの特長が付加され、機能性も向上することから、従来のゼオライトでは実現できなかった用途での利用が期待されております。現在、透明吸湿フィルム分野をはじめ、半導体・電子基板封止剤や塗料、抗菌・抗ウイルスコーティング剤やコスメ、ヘルスケア分野等の企業において、ナノサイズゼオライトを利用した製品開発が進められており、早期の事業化に向け取り組んでおります。 事業の系統図は、次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 長年の技術的蓄積と微細加工技術により、品質を決定づける基幹部品を提供 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 ダイヤモンドや超硬合金などの硬脆材料を用いた特殊精密部品・工具の設計・製造・販売技術 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
会社が挙げる主要リスク:江蘇三超社との仲裁に関するリスク / 新規事業の事業化に関するリスク / 米国による関税政策に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
中村超硬は、ダイヤモンドワイヤーソーや加工装置などの製造販売を手掛けているが、特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、あるいは規制ライセンスといった、明確な無形資産による競争優位性は確認できない。技術力は存在するものの、それが他社に模倣されにくいレベルにあるかは不明。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
同社の製品は半導体シリコンウェーハの切断などに用いられるが、顧客は特定の加工精度や歩留まりを求めるため、一度採用された装置や消耗品からの切り替えには一定のコストや手間が発生する可能性がある。しかし、これが顧客の乗り換えを強く抑制するほどのスイッチング・コストとは言えない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ダイヤモンドワイヤーソーや加工装置の事業には、ユーザーが増えることでサービスの価値が向上するようなネットワーク効果は基本的に存在しない。製品の性能やコストが競争力の源泉となる。
コスト優位★☆☆☆☆
製造プロセスにおける効率化や材料調達の工夫により、一定のコスト競争力を維持している可能性はある。しかし、業界全体で技術革新や規模の経済が進む中で、持続的なコスト優位性を確立していると断言できるほどの情報は現時点では乏しい。
規模の経済★★☆☆☆
半導体製造プロセスにおける特殊な加工装置分野では、一定の市場シェアを確保していると考えられる。しかし、業界全体で見ると、より大規模な競合企業も存在し、最適化された少数寡占状態とまでは言えない可能性がある。
- 硬脆材料の精密加工技術ダイヤモンドやセラミックスといった非常に硬く脆い材料を精密に加工する技術は、自動車部品や電子部品製造に不可欠な特殊精密部品や工具の製造を可能にしています。この高度な技術力は、他社が容易に模倣できない競争優位性となっています。
- 長年の歴史と専門性化学繊維用紡糸ノズル事業を担う日本ノズル株式会社は1928年創業以来、この分野に特化し、微細加工技術と工具・冶具製造に関する豊富な技術的蓄積を持っています。この長年の経験と専門性は、製品の品質と信頼性を高め、国内外の顧客からの信頼を得ています。
- 新規材料開発への挑戦東京大学との共同開発によるナノサイズゼオライトは、従来のゼオライトにはない透明性や高分散性といった新たな特性を持ち、透明吸湿フィルムや半導体封止剤など、幅広い分野での応用が期待されています。この先進的な材料開発は、将来の成長ドライバーとなる可能性を秘めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、以下の経営理念のもと、長年培ってきた開発力・技術力を基盤として、優れた品質の製品を安定供給することにより、顧客満足度の向上を図るとともに、取引先・協力会社・地域社会・投資家の皆様方と従業員からの信頼と期待に応えられる企業を目指しております。〔経営理念〕努力、活力、創造力全員営業、全員製造、全員参加の経営をもって、ものづくりのエキスパート集団となり、夢ある未来を共に育てる。① お客様、協力会社との共栄のために② 従業員とその家族の幸せのために③ 社会と地球環境への貢献のために (2) 目標とする経営指標今後の国内外の経済状況については、日本を含めた世界各国における金融政策の変更や米国における政策変動、中東における情勢不安の長期化や原油価格への上昇、中国経済の先行き不透明感などが市場に与える影響などもあり、今後も予断を許さない状況で推移するものと予想されます。このような状況のなか、当社グループの2027年3月期の連結業績予想を以下のとおりといたします。2027年3月期においては、化学繊維用ノズル事業が日本ノズル株式会社の全株式売却により当社グループから分離したため、売上高、利益ともに大幅に減少する見通しとなります。 (金額単位:百万円) 2027年3月期第2四半期(累計)対前年同期増減率(%)2027年3月期通期対前年同期増減率(%)売上高600△57.61,300△53.0営業利益△150-△160-経常利益△150-△160-親会社株主に帰属する当期純利益△170-△230- ① 特殊精密機器事業耐摩耗工具関連分野及び実装機用ノズル分野ともに、当期においては厳しい受注環境となりましたが、次期についても当面の間は厳しい事業環境が継続するものと予測しております。このような環境の中、当期から量産出荷が開始された新素材で製作した実装機用ノズルの販売が本格化することによる売上拡大や、商社を活用した自動車部品メーカーからの受注拡大、新規参入分野である半導体製造業界からの受注拡大、同業他社の廃業等による精密部品加工需要の取り込みに注力することにより、売上拡大を目指してまいります。そのため、次期売上高は当期売上高741百万円から21.3%増の900百万円を見込んでおります。 ② D-Next事業当社製の半導体・難削材向けダイヤモンドワイヤの販売については、国内大手ダイヤモンドワイヤユーザーを中心に顧客獲得と販売数量の拡大が順調に進捗しており、国内大手顧客の開拓はほぼ完了しております。次期については国内顧客における当社製品のシェアを高めるとともに、半導体用途を中心とした海外顧客の開拓を進めることにより、さらなる売上拡大と当事業の収益事業化を目指してまいります。そのため、次期売上高は当期売上高230百万円から55.9%増の360百万円を見込んでおります。 ③ マテリアルサイエンス事業ナノサイズゼオライトについては、すでに化粧品用途や歯みがき粉用途において正式採用されており、少量ではありますが製品用ナノサイズゼオライトを出荷しております。なお、販売数量の拡大が期待される電子部品封止剤やガス吸着用途分野等の複数の用途分野においては、量産採用に向けた顧客やエンドユーザーによる評価が継続しており、電子部品封止剤用途については、次期において量産開始される見込みであることには変更はございません。また次期においては、当事業を当社の100%子会社であるZeo Next株式会社に移管し、ナノサイズゼオライトの販売数量を飛躍的に拡大させるため、グローバル市場に対し精力的に営業展開するための体制を既に構築済であり、当事業の継続的成長を実現するための複数の施策を推進しております。マテリアルサイエンス事業における次期売上高は、当期売上高12百万円から211.6%増の40百万円を見込んでおります。 上記における業績見通しなどの将来に関する記述は、当社グループが現時点において入手可能な情報による判断及び仮定を前提にしており、実際の業績は様々な要因により異なる場合があります。なお、江蘇三超社との国際仲裁については、現時点においてシンガポール国際仲裁センターによる最終的な仲裁判断が出ておらず、見通しが立てられないため、仲裁判断による業績への影響は連結業績予想には織り込んでいません。 (3) 会社の対処すべき課題国内経済、海外経済ともに先行き不透明な状況が継続する中、当社グループでは2027年3月期を、当社の企業価値を最大化するための成長戦略である「Reスタート2026」の初年度として、これまで推し進めてきた構造改革の成果を活かし、各々の事業における売上高と収益の拡大を目指し、以下の取り組みを進めてまいります。 ① ナノサイズゼオライトの事業化新規事業として10年以上に渡り開発に取り組んできたナノサイズゼオライトについては、化粧品や歯みがき粉用途において正式採用されました。また販売量の拡大が期待される複数の用途分野においては、量産採用に向けた顧客やエンドユーザーによる評価が継続しており、2026年度における量産開始を見込んでおります。また、2026年4月1日にナノサイズゼオライト事業を当社の100%子会社であるZeo Next株式会社に移管し、ナノサイズゼオライトの販売数量を飛躍的に拡大させるため、グローバル市場に対し精力的に営業展開するための体制を既に構築済であり、当事業の継続的成長を実現するための複数の施策を強力に推進してまいります。また当事業の収益力のさらなる拡大のため、製造現場における生産技術力と生産性の向上に取り組んでまいります。 ② 特殊精密機器事業の収益力強化特殊精密機器事業においては、これまで取り組んできた技術開発の成果として、新開発の実装機用ノズルの量産販売開始による売上高の増加を見込んでいるとともに、商社を活用した自動車部品メーカーからの受注拡大、半導体製造業界からの新規受注獲得や既存顧客の深耕、同業他社の廃業による精密部品加工需要の取り込みに注力してまいります。また、効率的なM&Aの実施による事業分野と事業規模の拡大を推進してまいります。あわせて、製造現場における生産技術力と生産性の向上を実現することなどにより、さらなる収益力の強化に取り組んでまいります。 ③ D-Next事業におけるビジネスモデル転換の完了と収益事業化2019年11月に太陽光発電向けダイヤモンドワイヤ生産事業から撤退し、半導体・難削材向けダイヤモンドワイヤの生産・販売事業へとビジネスモデルを転換した同事業においては、国内市場における顧客内シェア拡大と海外顧客の獲得により、販売数量拡大に取り組んでまいります。また生産現場における製造原価低減をさらに推進し、半導体・難削材向けダイヤモンドワイヤの生産・販売事業の収益事業化を達成し、ビジネスモデル転換の完了を目指します。 ④ 研究開発力の強化当社グループの持続的発展のためには、技術競争力に裏打ちされた様々な研究開発が必須と考えております。この研究開発力を基盤として社会における課題解決に役立つ技術開発を推進し、「エネルギー」「環境」「医療」を事業領域の3本の柱として、産官学連携も視野に入れながら次世代技術の研究開発を進めてまいります。 ⑤ 人材の確保・育成当社グループの持続的発展のためには、現在保有する高度かつ熟練した生産技術を次世代に継承することに加え、今後の当社グループの経営の中核を担う人材の育成が急務と考えております。このため当社グループでは高度人材の確保のため継続的な採用活動を行うとともに、人材教育体制の構築や人事制度の再設計を行い、必要不可欠な人材が長い年月にわたって、やりがいを持って働いていただける環境の整備を進めてまいります。 ⑥ 内部管理体制の強化当社グループは、会社法、金融商品取引法及びその他の法令を遵守するコンプライアンス体制を継続して強化していくとともに、内部牽制が機能する管理体制を構築、強化することで、株主や取引先など、すべてのステークホルダーの信頼に耐えうる組織を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、以下の経営理念のもと、長年培ってきた開発力・技術力を基盤として、優れた品質の製品を安定供給することにより、顧客満足度の向上を図るとともに、取引先・協力会社・地域社会・投資家の皆様方と従業員からの信頼と期待に応えられる企業を目指しております。〔経営理念〕努力、活力、創造力全員営業、全員製造、全員参加の経営をもって、ものづくりのエキスパート集団となり、夢ある未来を共に育てる。① お客様、協力会社との共栄のために② 従業員とその家族の幸せのために③ 社会と地球環境への貢献のために (2) 目標とする経営指標今後の国内外の経済状況については、日本を含めた世界各国における金融政策の変更や米国における政策変動、中東における情勢不安の長期化や原油価格への上昇、中国経済の先行き不透明感などが市場に与える影響などもあり、今後も予断を許さない状況で推移するものと予想されます。このような状況のなか、当社グループの2027年3月期の連結業績予想を以下のとおりといたします。2027年3月期においては、化学繊維用ノズル事業が日本ノズル株式会社の全株式売却により当社グループから分離したため、売上高、利益ともに大幅に減少する見通しとなります。 (金額単位:百万円) 2027年3月期第2四半期(累計)対前年同期増減率(%)2027年3月期通期対前年同期増減率(%)売上高600△57.61,300△53.0営業利益△150-△160-経常利益△150-△160-親会社株主に帰属する当期純利益△170-△230- ① 特殊精密機器事業耐摩耗工具関連分野及び実装機用ノズル分野ともに、当期においては厳しい受注環境となりましたが、次期についても当面の間は厳しい事業環境が継続するものと予測しております。このような環境の中、当期から量産出荷が開始された新素材で製作した実装機用ノズルの販売が本格化することによる売上拡大や、商社を活用した自動車部品メーカーからの受注拡大、新規参入分野である半導体製造業界からの受注拡大、同業他社の廃業等による精密部品加工需要の取り込みに注力することにより、売上拡大を目指してまいります。そのため、次期売上高は当期売上高741百万円から21.3%増の900百万円を見込んでおります。 ② D-Next事業当社製の半導体・難削材向けダイヤモンドワイヤの販売については、国内大手ダイヤモンドワイヤユーザーを中心に顧客獲得と販売数量の拡大が順調に進捗しており、国内大手顧客の開拓はほぼ完了しております。次期については国内顧客における当社製品のシェアを高めるとともに、半導体用途を中心とした海外顧客の開拓を進めることにより、さらなる売上拡大と当事業の収益事業化を目指してまいります。そのため、次期売上高は当期売上高230百万円から55.9%増の360百万円を見込んでおります。 ③ マテリアルサイエンス事業ナノサイズゼオライトについては、すでに化粧品用途や歯みがき粉用途において正式採用されており、少量ではありますが製品用ナノサイズゼオライトを出荷しております。なお、販売数量の拡大が期待される電子部品封止剤やガス吸着用途分野等の複数の用途分野においては、量産採用に向けた顧客やエンドユーザーによる評価が継続しており、電子部品封止剤用途については、次期において量産開始される見込みであることには変更はございません。また次期においては、当事業を当社の100%子会社であるZeo Next株式会社に移管し、ナノサイズゼオライトの販売数量を飛躍的に拡大させるため、グローバル市場に対し精力的に営業展開するための体制を既に構築済であり、当事業の継続的成長を実現するための複数の施策を推進しております。マテリアルサイエンス事業における次期売上高は、当期売上高12百万円から211.6%増の40百万円を見込んでおります。 上記における業績見通しなどの将来に関する記述は、当社グループが現時点において入手可能な情報による判断及び仮定を前提にしており、実際の業績は様々な要因により異なる場合があります。なお、江蘇三超社との国際仲裁については、現時点においてシンガポール国際仲裁センターによる最終的な仲裁判断が出ておらず、見通しが立てられないため、仲裁判断による業績への影響は連結業績予想には織り込んでいません。 (3) 会社の対処すべき課題国内経済、海外経済ともに先行き不透明な状況が継続する中、当社グループでは2027年3月期を、当社の企業価値を最大化するための成長戦略である「Reスタート2026」の初年度として、これまで推し進めてきた構造改革の成果を活かし、各々の事業における売上高と収益の拡大を目指し、以下の取り組みを進めてまいります。 ① ナノサイズゼオライトの事業化新規事業として10年以上に渡り開発に取り組んできたナノサイズゼオライトについては、化粧品や歯みがき粉用途において正式採用されました。また販売量の拡大が期待される複数の用途分野においては、量産採用に向けた顧客やエンドユーザーによる評価が継続しており、2026年度における量産開始を見込んでおります。また、2026年4月1日にナノサイズゼオライト事業を当社の100%子会社であるZeo Next株式会社に移管し、ナノサイズゼオライトの販売数量を飛躍的に拡大させるため、グローバル市場に対し精力的に営業展開するための体制を既に構築済であり、当事業の継続的成長を実現するための複数の施策を強力に推進してまいります。また当事業の収益力のさらなる拡大のため、製造現場における生産技術力と生産性の向上に取り組んでまいります。 ② 特殊精密機器事業の収益力強化特殊精密機器事業においては、これまで取り組んできた技術開発の成果として、新開発の実装機用ノズルの量産販売開始による売上高の増加を見込んでいるとともに、商社を活用した自動車部品メーカーからの受注拡大、半導体製造業界からの新規受注獲得や既存顧客の深耕、同業他社の廃業による精密部品加工需要の取り込みに注力してまいります。また、効率的なM&Aの実施による事業分野と事業規模の拡大を推進してまいります。あわせて、製造現場における生産技術力と生産性の向上を実現することなどにより、さらなる収益力の強化に取り組んでまいります。 ③ D-Next事業におけるビジネスモデル転換の完了と収益事業化2019年11月に太陽光発電向けダイヤモンドワイヤ生産事業から撤退し、半導体・難削材向けダイヤモンドワイヤの生産・販売事業へとビジネスモデルを転換した同事業においては、国内市場における顧客内シェア拡大と海外顧客の獲得により、販売数量拡大に取り組んでまいります。また生産現場における製造原価低減をさらに推進し、半導体・難削材向けダイヤモンドワイヤの生産・販売事業の収益事業化を達成し、ビジネスモデル転換の完了を目指します。 ④ 研究開発力の強化当社グループの持続的発展のためには、技術競争力に裏打ちされた様々な研究開発が必須と考えております。この研究開発力を基盤として社会における課題解決に役立つ技術開発を推進し、「エネルギー」「環境」「医療」を事業領域の3本の柱として、産官学連携も視野に入れながら次世代技術の研究開発を進めてまいります。 ⑤ 人材の確保・育成当社グループの持続的発展のためには、現在保有する高度かつ熟練した生産技術を次世代に継承することに加え、今後の当社グループの経営の中核を担う人材の育成が急務と考えております。このため当社グループでは高度人材の確保のため継続的な採用活動を行うとともに、人材教育体制の構築や人事制度の再設計を行い、必要不可欠な人材が長い年月にわたって、やりがいを持って働いていただける環境の整備を進めてまいります。 ⑥ 内部管理体制の強化当社グループは、会社法、金融商品取引法及びその他の法令を遵守するコンプライアンス体制を継続して強化していくとともに、内部牽制が機能する管理体制を構築、強化することで、株主や取引先など、すべてのステークホルダーの信頼に耐えうる組織を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 (1) 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、企業による継続的な賃上げやインバウンド需要の回復、IT投資を含む設備投資の増加等を背景に、緩やかな回復基調を維持しているものの、米国の通商政策の変動や、台湾情勢を巡る日中関係の緊張等によって景気の下振れが懸念される状況にあります。世界経済においては、主要国における金融政策の見直しや米国の政策変動による景気の先行き不透明感が高まっているとともに、イラン情勢をはじめとする中東地域の地政学リスクの高まりによる原油価格高騰への懸念等、わが国経済を取り巻く情勢は予断を許さない状況が続いております。このような状況下、当社グループは、特殊精密機器事業においては米国向け自動車関税の引き上げや中国経済停滞の影響を受け、電子部品業界向け、ベアリング業界向けや自動車部品メーカー向けの販売が共に低調に推移しました。化学繊維用紡糸ノズル事業においては、炭素繊維用ノズル、不織布用ノズルが堅調に推移しましたが、D-Next事業においては、半導体・パワー半導体の市況低迷により、ダイヤモンドワイヤ販売が低調に推移しました。これらの結果、当連結会計年度における売上高は2,768百万円(前年同期比4.8%増)、営業損失は163百万円(前年同期は7百万円の営業利益)、経常損失は137百万円(前年同期は21百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は、江蘇三超社との国際仲裁における仲裁判断(中間判断)に基づき、受領済契約対価の収益未計上部分及び江蘇三超社に支払いが命じられた輸送費等を特別利益に計上したことと、日本ノズル株式会社の全株式売却により得られた売却益を特別利益に計上したことにより、276百万円(前年同期は32百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 セグメントの業績は次のとおりであります。 ① 特殊精密機器事業特殊精密機器事業については、米国による自動車関税の引き上げや中国経済停滞の影響を受け、電子部品業界向けのコレット等の精密部品の販売や、ベアリング業界向けや商社経由での自動車部品メーカー向けの耐摩耗工具分野の販売が低調に推移しました。なお、本格的な量産販売が開始された新規アイテムである新素材で製作した実装機用ノズルの売上は順調に増加したことに加え、新規分野である半導体製造分野において新規顧客との取引を開始いたしました。これらの結果、売上高は741百万円(前年同期比4.8%増)、セグメント損失は38百万円(前年同期は29百万円のセグメント利益)となりました。 ② 化学繊維用紡糸ノズル事業化学繊維用紡糸ノズル事業については、航空機向けを中心とした炭素繊維用ノズル及び不織布関連ノズルの販売が堅調に推移いたしました。またこれまで低迷していた、たばこ用フィルター向けノズルの受注・販売が回復基調に転じたこともあり、売上高は堅調に推移いたしましたが、原材料価格や外注費、人件費等の上昇による影響を受け利益率が低下いたしました。これらの結果、売上高は1,782百万円(前年同期比6.1%増)、セグメント利益は51百万円(前年同期比65.0%減)となりました。 ③ D-Next事業D-Next事業については、海外顧客開拓は順調に進捗しているものの、半導体・パワー半導体市況低迷の影響により、国内大手顧客へのダイヤモンドワイヤの販売が低調に推移いたしました。これらの結果、売上高は230百万円(前年同期比5.3%減)、セグメント損失は111百万円(前年同期は91百万円のセグメント損失)となりました。 ④ マテリアルサイエンス事業新規事業として早期事業化を目指すナノサイズゼオライトについては、歯みがき粉用途等において正式採用が決定いたしましたが、量産期待値の高い電子部品封止剤やガス吸着用途分野においては顧客やエンドユーザーにおける正式採用に向けた評価が継続しております。また、引き合いが増加している触媒用途や分離膜用途、金属イオン吸着用途等の新規用途分野向けへのサンプル提供を継続いたしました。これらの結果、売上高は12百万円(前年同期比30.6%増)、セグメント損失は83百万円(前年同期は96百万円のセグメント損失)となりました。(2) 財政状態の状況総資産は前連結会計年度末に比べ3,644百万円減少し1,711百万円となりました。これは、当社連結子会社である日本ノズル株式会社の全株式売却による連結除外により、機械装置及び運搬具が1,252百万円、建物及び構築物が826百万円、仕掛品が562百万円、土地が481百万円、現金及び預金が225百万円、受取手形及び売掛金が106百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。負債は前連結会計年度末に比べ3,922百万円減少し612百万円となりました。これは、当社連結子会社である日本ノズル株式会社の全株式売却による連結除外及びシンジケートローン返済により、短期借入金が2,040百万円、1年内返済予定の長期借入金が512百万円、繰延税金負債が491百万円、長期借入金が279百万円、契約負債252百万円、前受金が186百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。純資産は前連結会計年度末に比べ278百万円増加し1,098百万円となりました。これは2026年3月の欠損填補を目的とした減資により、資本金が339百万円、資本剰余金が299百万円それぞれ減少したものの、利益剰余金が914百万円増加したこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は63.9%(前連結会計年度末は15.1%)となりました。 セグメントごとの資産は次のとおりであります。 ① 特殊精密機器事業特殊精密機器事業におけるセグメント資産は503百万円となり、前連結会計年度末から45百万円減少しております。これは、減価償却費計上による有形固定資産の減少が主な要因となります。 ② 化学繊維用紡糸ノズル事業化学繊維用紡糸ノズル事業におけるセグメント資産は-百万円となり、前連結会計年度末から4,343百万円減少しております。これは、当社連結子会社である日本ノズル株式会社の全株式売却による連結除外によるものであります。 ③ D-Next事業D-Next事業におけるセグメント資産は98百万円となり、前連結会計年度末から9百万円増加しております。これは、棚卸資産の増加が主な要因となります。 ④ マテリアルサイエンス事業マテリアルサイエンス事業におけるセグメント資産は1百万円となり、前連結会計年度末から0百万円減少しております。これはその他流動資産の減少が主な要因となります。 (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ225百万円減少し、1,083百万円となりました。当連結会計年度における連結キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によって得られた資金は、394百万円(前年同期は123百万円の収入)となりました。これは、主に棚卸資産の減少額276百万円、税金等調整前当期純利益が260百万円、減価償却費217百万円等の増加要因が、関係会社株式売却益220百万円、固定資産売却益207百万円等の減少要因を上回ったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によって得られた資金は、1,669百万円(前年同期は45百万円の支出)となりました。これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入1,684百万円等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によって支出された資金は、2,298百万円(前年同期は263百万円の支出)となりました。これは、短期借入金の返済による支出2,040百万円、長期借入金の返済による支出233百万円等によるものであります。 当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローは増加したものの、取引金融機関に対する借入金返済等により、当連結会計年度末の資金は前連結会計年度末から225百万円減少する結果となっております。 当社グループの主な資金需要は、各事業における原材料の仕入、製造経費、販売費及び一般管理費の営業費用などの運転資金の支払い等であり、自己資金により充当いたします。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,083百万円であり、当社グループの事業規模における事業継続に必要な資金が確保できていることから、短期的な資本の財源及び資金の流動性については問題ないと考えておりますが、事業基盤が確立されている特殊精密機器事業での目標数値を達成することやマテリアルサイエンス事業の早期事業化の達成により、営業キャッシュ・フローの最大化を図ってまいります。今後も資金の残高及び各キャッシュ・フローの状況を常にモニタリングしつつ、資本の財源及び資金の流動性の確保・向上に努めてまいります。 (4) 生産、受注及び販売の状況① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)特殊精密機器事業532,048110.3化学繊維用紡糸ノズル事業1,387,516124.0D-Next事業209,97499.6マテリアルサイエンス事業--合計2,129,539117.5 (注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。2 上記の生産高合計額は各セグメントの第56期連結会計年度における当期製品製造原価の合計額であり、製品棚卸高の増減が反映されておりませんので、連結損益計算書の売上原価とは一致しておりません。 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)特殊精密機器事業768,630108.9101,233136.1化学繊維用紡糸ノズル事業1,100,15174.5--D-Next事業△209,365-225,59633.9マテリアルサイエンス事業11,777102.2302.8合計1,671,19368.5326,85915.0 (注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。2 化学繊維用紡糸ノズル事業の受注残高は、日本ノズル株式会社の株式売却により連結の範囲から除外したため記載しておりません。D-Next事業の受注高及び受注残高の主な変動理由は、中国の江蘇三超社に対するダイヤモンドワイヤ生産設備等の譲渡案件について、国際仲裁における仲裁判断(中間判断)を受領したことに伴い、同社に対する受注額を取り崩したため減少しております。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)特殊精密機器事業741,792104.8化学繊維用紡糸ノズル事業1,782,522106.1D-Next事業230,93394.7マテリアルサイエンス事業12,837130.6合計2,768,084104.8 (注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)NATIONAL FOX LIMITED.520,81819.7434,73415.7 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 係争による多額の支払いリスク中国の江蘇三超社との仲裁において、当社に債務不履行があったと判断され、損害賠償の支払いを命じられる可能性があります。具体的な金額は今後の仲裁手続きで決定されますが、多額の支払いが発生した場合、当社の業績や財務状態に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。
- 新規事業の事業化遅延リスクナノサイズゼオライトなどの新規事業は、現在製品化に向けた開発が進められていますが、量産顧客の獲得に時間がかかったり、実現できなかったりする可能性があります。その場合、固定費負担が継続し、事業化の遅れが当社の業績や財務状態に悪影響を与える恐れがあります。
- 海外取引と地政学リスク連結売上高の約45%を海外販売が占めており、今後も海外志向が強まる見込みです。しかし、米国の関税政策や地政学的要因、急激な為替変動などにより、海外での営業活動や製品出荷に影響が出たり、予期せぬトラブルが発生したりする可能性があり、業績に影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。なお、当社グループはこれらのリスクの存在を認識した上で、当該リスクの発生を極力回避するための努力を継続してまいります。なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (特に重要なリスク)(1) 江蘇三超社との仲裁に関するリスク中国の江蘇三超社に対するダイヤモンドワイヤ生産設備等の譲渡案件について、当社所有のダイヤモンドワイヤ生産設備の譲渡及びダイヤモンドワイヤ製造に関する技術供与に係る契約に関し、同社より2021年11月17日に当社の契約義務の履行がなされなかったとして、本件契約を解除するとともに損害賠償請求する仲裁申立がシンガポール国際仲裁センター(以下「SIAC」という。)になされました。本仲裁においては2025年5月20日付にて仲裁判断(中間判断)が下され、本件契約については当社に債務不履行があったと判断され、2021年9月17日付で当社の債務不履行を理由に解除が認められましたが、江蘇三超社が要求していた支払済契約対価(9.9億円)の返還請求については棄却されました。また、当社に対し江蘇三超社が被った直接損害額及び利息の支払いが命じられましたが、当社が江蘇三超社に支払うべき金額については、現在進行中の仲裁手続きにおいて別途検討・決定されることとなっております。当社に対し、多額の支払いが命じられた場合は、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、本仲裁費用のうち、現時点までに生じた各当事者の代理人費用等については各自負担とすることが命じられたとともに、江蘇三超社に対し、当社へ未払いの輸送費約583万円及び利息の支払いが命じられました。これら以外の請求及び反訴は棄却されました。 (2) 新規事業の事業化に関するリスク当社は、ナノサイズゼオライトを主力商材とした新規事業の立ち上げに取り組んでおります。ナノサイズゼオライトは、2019年7月に国立研究開発法人科学技術振興機構から本開発に対する成功認定を受け、現在、サンプル提供先企業において製品化に向けた開発を進めており、一部の用途分野において量産採用されております。また、複数の企業においては開発ステージから事業ステージへ移行しており、さらなる量産顧客の獲得に努めてまいります。しかしながら、サンプル評価中の企業における開発に更なる時間が必要であることが見込まれる場合や、将来的に量産顧客の獲得が実現できなかった場合は、当事業における固定費負担が継続することとなるとともに事業化の蓋然性等を考慮しなければならず、その場合、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (重要なリスク)(1) 米国による通商政策変動に関するリスク米国による相互関税や自動車等の特定製品に対する追加関税については、日本経済全体に与える影響が大きく、日本から米国に対する輸出の減少や見合わせ、これに伴う国内製造業の稼働率低下等が引き起こされることが予想されます。この影響により当社製品の受注・販売が減少する可能性があります。その場合、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 原材料等の調達価格が上昇するリスク米国によるイラン攻撃をはじめ、中東地域における緊張が高まりを見せており、原油供給能力の低下や海上輸送の停滞による原油価格上昇への懸念が生じております。またロシア、ウクライナ紛争も長期化しているとともに、不安定な国際情勢や円安の影響により、資源価格や物流コストが高止まりしております。当社グループの事業に関し、販売価格に転嫁することが困難な水準で原材料やエネルギーコストなどが高騰した場合、製造原価の上昇によって利益が減少することにより、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 人材の確保に関するリスク当社グループの運営は、代表取締役会長である井上誠をはじめとする主要な経営陣に大きく依存しております。将来、これらの経営陣において、病気やけがによる長期休暇、死亡などの事態が発生した場合、当社グループの業績や財務状況に大きな影響を与える可能性があります。また、当社グループの成長と成功は社員の力によるものであり、これら重要な人材の確保と育成には常に取り組んでおりますが、将来、重要な人材の確保と育成ができなかった場合は当社グループの成長、業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 株式希薄化による買収可能性に関するリスク当社は、財務状態の安定化を目的として、複数回に渡り新株予約権の発行を決議し、その全ての行使が完了しております。発行株式数の増加に伴い、2026年3月末時点の株主は15,094名であり、個人株主比率も98.7%と非常に高い状態にあります。また、2026年3月末時点での当社の株価は775円となっております。当社としては、企業価値を高めるべく、マテリアルサイエンス事業の早期立ち上げと既存事業での収益力強化などに取り組んでおりますが、財務状況の改善が進むにつれ、安定株主不在及び株価低迷に伴う企業買収等の可能性は否定できず、このような場合、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 海外取引に関するリスク当社グループの連結売上高に占める海外販売の比率は、2026年3月期において49.7%となっております。海外販売比率が高かった化学繊維用紡糸ノズル事業が当社グループから分離したため、海外取引は一時的に大きく減少いたしますが、今後はD-Next事業において海外向けダイヤモンドワイヤ販売量を増加させる計画であるため、海外取引に関するリスクへの対処は引き続き必要となります。当社グループでは、取引慣行の違いによるトラブルを未然に回避するため各種契約に係る法務チェックを強化するとともに、債権回収の安全を図るため前受金の割合を高める等、与信管理を徹底しております。また、他にも地政学リスクの高まりや急激な為替変動などにより、海外での営業活動や国際物流に影響が出る可能性があります。海外取引においては予期せぬトラブルが発生する可能性があり、これらのトラブルが顕在化した場合、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。