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SANEI(6230)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 水栓金具の製造販売:SANEIグループは、給水栓や給排水金具、配管部材の製造・販売を主な事業としています。家庭用だけでなく、ホテルや商業施設、病院などの非住宅分野にも製品を提供しており、幅広い顧客層に対応しています。
  • デザイン性の高い製品開発:プロダクトデザイナーや建築デザイナーと協力し、空間に調和するデザイン性の高い水栓金具を開発しています。これにより、インテリアの一部としての価値を高め、高級な空間にも採用される製品を提供しています。
  • 多様な販売チャネル:製品は、管工機材ルート(専門業者向け)、リテールルート(量販店・ネット販売向け)、メーカールート(住宅設備メーカー向け)、海外ルートの4つのチャネルを通じて販売されています。これにより、幅広い顧客に製品を届け、収益源を多角化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 水栓金具事業:SANEIグループは、給水栓・給排水金具・継手・配管部材の製造・販売を主な内容とする「水栓金具事業」の単一セグメントで事業を展開しています。この事業は、家庭用から非住宅(ホテル、病院、商業施設など)まで幅広い用途に対応しており、グループ全体の収益を支える主力事業です。
  • 多様な製品ラインナップ:単水栓、湯水混合水栓、止水栓などの基本的な水栓金具に加え、プロダクトデザイナーと協業したデザイン性の高い高級水栓や、タッチパネル式、音声認識操作システムといった先進的な製品も開発・販売しています。これにより、顧客の多様なニーズに応え、高付加価値製品市場での競争力を強化しています。
  • 国内外の販売・生産体制:国内では管工機材、リテール、メーカーの3つの販売チャネルを通じて製品を供給し、全国に営業拠点を展開しています。また、中国、台湾、インドネシアなどのアジア諸国への海外輸出も行っており、国内外に分散した生産拠点で安定的な製品供給体制を構築しています。
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FY2026|3,100 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社((株)アクアエンジニアリング、大連三栄水栓有限公司、(株)水生活製作所)計4社で構成されており、給水栓・給排水金具・継手及び配管部材の製造・販売を主な内容としております。当社グループの主な製品の特長と主な販売チャネル・販路は次のとおりであります。 (1)主な製品の特長給水栓とは、単水栓、湯水混合水栓、止水栓、ボールタップ、ならびに洗浄弁・洗浄水栓を総称するものです。同業他社は規模の大小を含めて数十社存在しますが、当社グループは水栓金具を専門に取り扱うメーカーであります。当社製品の主な特長としては、プロダクトデザイナーや建築・空間デザイナーとの積極的な協働により、従来とは一線を画した水栓を提案している点が挙げられます。水栓を単なる設備機器としてではなく、インテリアを構成する素材の一つと捉え、空間のコンセプトに調和する多様なデザインの選択肢を提供しております。住まいやホテルの一般客室に加え、スウィートルームやペントハウスといった高級ゾーンにも採用いただける製品開発に注力しております。また、住居分野にとどまらず、オフィスビルやアミューズメント施設、病院・介護施設、駅舎など、人が集まる公共空間、いわゆる非住宅分野においてもご使用いただける製品の拡充を進めております。今後の製品開発においては、エレクトロニクスとの融合を重要なテーマと位置付けております。他社にはない独自性のある製品を創出することで、新たなライフスタイルの提案につながるものと考えております。具体的には、一般向けの水栓や給排水用品といった水まわり商材に加え、デザイン性や水の流れにこだわった高付加価値の高級水栓の開発を推進しております。さらに、スマートフォンのようなタッチパネル式水栓や、音声認識による吐水・止水操作システムなどの製品化にも取り組んでおります。 (2)主な販売チャネル・販路 当社グループは水栓金具事業の単一セグメントでありますが、販売チャネル・販路を4つのルートに区分しております。 (管工機材ルート)水まわり資材を取り扱う管材店への販売を主軸とするルートです。また、商流の上流に位置するデベロッパーや設計事務所に対しても販売促進活動を展開しております。事業展開の方針は、以下のとおりです。 (1) ホテル、飲食店、病院、介護老人保健施設など、非住宅分野におけるスペックインの推進(2) 住宅内の水まわり設備に関するトータル提案の強化(3) パワービルダー(戸建住宅事業者)、ハウスメーカー(大規模住宅建設事業者)、工務店など、住宅関連分野への積極的なアプローチ (リテールルート)量販店向けの販売を主軸とするルートであり、ネット市場の拡大に対応してオンライン販売の強化にも取り組んでおります。事業展開の方針は以下のとおりです。 (1) ホームセンター向け水まわり商材の企画・開発および販売体制の強化(2) 家電量販店、GMS(総合スーパー)、ドラッグストアに対する、水まわり商材・生活雑貨・リフォーム商材等の提案強化(3) テレビ通販およびインターネット販売事業者への販路拡大 (メーカールート)システムキッチンやユニットバスなどの住宅設備機器メーカー向けに製品供給を主とするルートです。当該ルートにおける事業展開の方針は、以下のとおりです。 (1) 競争優位性を有する中高級グレード製品の投入強化(2) バス・洗面・キッチン分野において、住宅設備機器メーカーとの協業による水まわり空間の提案強化 (海外ルート) 海外市場への輸出を主とするルートであり、国内と同様に現地の管工機材、リテール、メーカー各ルートの企業へ販売を行っております。事業展開の方針は、以下のとおりです。 (1) 中国・台湾・インドネシアをはじめとするアジア諸国に向けた中高級グレード製品の投入(2) 海外各国における現地代理店との提携強化および北米への新規開拓による販売拡大 上記4つの販売チャネル・販路に対し、全国に支社・支店・営業所・出張所を設置し、営業拠点展開を行っております。現在の営業拠点は、三大都市圏である東京・名古屋・大阪に支社・支店を設置し、これを中核として展開しております。管工機材ルートにおいては、主要顧客である管材店に対し全国を網羅的にカバーできるよう、上記の3支社・支店のほか、24カ所の営業所・出張所を配置し、きめ細かなサービスを提供しております。一方、リテールルートおよびメーカールートについては、主要顧客の多くが大都市圏に本部を置く大規模企業であることから、主に各支社・支店にて対応しております。また、海外輸出業務は東京および大阪の拠点にて担当しております。営業拠点の展開にあたっては、商圏の集積状況や取引先とのアクセス性、基幹道路への近接性など物流効率を総合的に勘案し、収益性の最大化を基本方針としております。 当社グループの生産拠点は、岐阜県各務原市に主力工場である岐阜工場および大伊木工場、大阪府大阪市城東区に組立工程を担う鴫野工場、中国・大連市に大連三栄水栓有限公司、さらに岐阜県山県市に株式会社水生活製作所を配置し、生産体制を構築しております。現在の生産体制においては、岐阜工場を中核拠点と位置付け、鋳造から加工、研磨、鍍金、組立、出荷に至るまでの一貫生産体制を確立しております。これに加え、組立工程を担う鴫野工場、鋳造を中心とする大連三栄水栓有限公司、ならびに生産・技術面で共通性を有する株式会社水生活製作所と連携することで、効率的かつ安定的に必要な生産量を確保しております。岐阜工場は、水栓バルブ発祥の地とされる美山地区の近隣に位置しており、地域の協力会社との連携を重視した生産体制を構築しております。当社の生産体制は、1972年に鴫野工場を最初の組立工場として開設したことに始まります。その後、事業拡大に伴い岐阜工場へ機能を拡張し、加工から組立までの全工程を内製化することで、水まわり製品の一貫生産体制を確立いたしました。さらに、生産コストの効率化を目的として中国に大連三栄水栓有限公司を設立するとともに、国内における生産体制の強化およびリスクヘッジの観点から、協力会社であった株式会社水生活製作所を連結子会社化しております。近年では、ISOを含めた国内各工場の標準化・共通化を推進しており、2014年には岐阜工場内に新工場棟を建設し、組立工程の強化を図りました。加えて、国内外における高付加価値水栓金具の需要拡大に対応するため、安定供給体制の確立を目的として、岐阜工場内に新・第1工場(2024年)、新・第2工場(2025年)を建設しました。なお、生産拠点の展開にあたっては、協力会社との連携のしやすさ、生産コストへの影響、物流効率などを総合的に勘案し、最も生産性が高まる体制の構築を基本方針としております。 (3)当社及び関係会社の位置付け当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付けは、次のとおりであります。 (主な関係会社) (株)アクアエンジニアリング給水栓・給排水金具・継手及び配管部材の取付等施工工事、当社製品のアフターサービス業務をしております。 (主な関係会社) 大連三栄水栓有限公司当社製品に組み込まれる部品の製造をしております。 (主な関係会社) ㈱水生活製作所給水栓類、配管継手類、浄水器類の設計、開発、製造、販売をしております。 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
付加価値の高いデザインや水の流れにこだわった高級水栓を製品化しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
プロダクトデザイナーや建築・空間デザイナーと協力し、空間に調和するデザインを提供。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:経済動向による影響 / 為替レートの変動 / 金利の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

公開情報からは、特許やブランド力、規制ライセンスといった明確な無形資産の存在を示す具体的な情報は確認できませんでした。事業内容から推測される技術力は存在する可能性がありますが、定量的な評価は困難です。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

SANEIの製品は、主に住宅設備機器(水栓、シャワー、洗面関連など)の製造・販売を手掛けています。これらの製品は、一度設置されると、交換には工事費用や手間が発生するため、一定のスイッチング・コストが存在すると考えられます。しかし、製品のライフサイクルや顧客の買い替え頻度を考慮すると、その効果は限定的と評価されます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルにおいて、ユーザー数の増加が製品やサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は、現時点では確認できません。BtoBtoCの流通構造であり、エンドユーザー間の直接的な繋がりは希薄です。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の製造業としての経験や、効率的な生産体制の構築により、一定のコスト競争力は維持していると考えられます。しかし、競合他社との価格競争や、原材料価格の変動リスクを考慮すると、構造的なコスト優位性は限定的と評価されます。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

住宅設備機器業界において、SANEIは一定のシェアを確保しており、特に水栓金具などの分野では、その規模を活かした生産・販売体制を構築しています。業界全体が成熟している中で、規模の経済を活かした効率的な事業運営は、一定の競争優位性をもたらしていると考えられます。

  • デザインと品質の優位性:同業他社が多数存在する中で、SANEIグループは水栓金具専門メーカーとして、デザイン性の高い製品開発に注力しています。プロダクトデザイナーとの協業により、空間に調和する多様なデザインを提供し、高級ホテルやスウィートルームなど、高付加価値市場での採用実績を積み重ねています。
  • 技術とエレクトロニクス融合:「エレクトロニクスとの融合」を将来の製品開発の柱としており、タッチパネル式水栓や音声認識操作システムなど、他社にはない先進的な製品を生み出しています。これにより、新たなライフスタイルを提案し、技術的な差別化を図ることで競争優位性を確立しています。
  • 多角的な販売網と生産体制:全国に展開する営業拠点と、国内および中国に分散する生産拠点を持ち、安定的な供給体制を構築しています。特に、管工機材、リテール、メーカー、海外の4つの販売チャネルを使い分けることで、市場の変化に対応し、リスクを分散しながら事業を展開できる強みがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

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経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】本項に記載した将来や想定に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、社是 『「人類ある限り水は必要である」との理念のもと人間の乾きを潤す水まわりを中心に生活の泉、憩の泉の想像を実現する事で社会に貢献し会社繁栄と全社員の幸福の源とする』に基づき、社会にとって有益な存在となることを目指し、企業価値の向上に努めてまいります。 1. 使用する方の目線に立ち、新たな価値観や安全で快適な製品・サービスの提供に努めます。2. 法令を遵守し、公正な取引を行い、高い倫理観を持って企業活動を推進します。3. 社会と積極的にコミュニケーションし、正確な情報を適切に開示します。4. 地球規模の環境問題を自分たちの問題ととらえ、地域の環境に配慮した活動に取り組みます。5. 全ての社員の個性を尊重し、安全でゆたかな職場環境を実現します。6. 地域社会の一員として、積極的に社会に貢献します。7. 反社会的勢力には断固たる姿勢で対決する、また自然災害等のリスクに備える、等危機管理を徹底します。8. 国際社会のルールを遵守し、現地の文化を尊重し、その地域の発展に寄与します。9. 経営トップは、本憲章の遵守が自らの役割であると自覚し、率先して模範となるよう行動します。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、株主価値の向上に向けて、グループ各社の収益性を高めるとともに、各社間のシナジーを最大限に発揮し、グループ全体として適正な利益の確保と着実な成長の実現を中長期的な目標としております。また、ROE(自己資本利益率)の向上を重要な経営指標と位置付け、収益力と資本効率の改善に取り組んでおります。持続的な利益成長と資本コストを意識した経営を通じて、PBR(株価純資産倍率)の向上を図り、企業価値の最大化を目指してまいります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題水栓の主材料である銅価格は昨年末から急騰しております。これは、電気自動車(EV)の部品や再生可能エネルギーの送電網、AIデータセンター向け需要の拡大に対し、供給が追い付いていないことが主な要因です。また、アメリカ・イスラエルによるイラン攻撃に端を発した原油価格の上昇や、海上輸送の混乱に伴うナフサ不足が、樹脂製品の原価にも影響を及ぼしています。さらに、円安の進行によるエネルギーコストの上昇も重なり、原材料価格全体が押し上げられ、収益を圧迫する状況となりました。このような環境の中、当社は各販売ルートおよび得意先様との丁寧な協議を重ね、適正な価格水準の維持・確保に向けた価格改定を実施してまいります。今後もお取引先様のご理解とご協力を賜りながら、安定供給と品質の維持・向上に努め、収益基盤の強化を図ってまいります。当社は、創業当初より水栓金具を単体で提供する「点の販売」から、水道メーター以降、蛇口に至るまでの水道インフラ全体をカバーする「水道(みずみち)=線の販売」へと発展してまいりました。今後は、水栓金具にとどまらず、新たな水まわりの研究・開発・提案に取り組み、住空間全体をインスタレーションとして提案できるメーカーを目指し、「水域(みずいき)=面の販売」へと事業領域の拡大を推進してまいります。昨年新たに設定したタグライン「水をつなぐ」企業として、性別・世代・国籍・人種を超えて人々の暮らしを潤し、より安全・安心で、一人ひとりの歓びあふれる瞬間に寄り添う製品の提供を目指してまいります。 当社グループが事業を展開している水栓金具市場は、生産額ベースで2024年度1,130億円、出荷額ベースで2024年度2,126億円の市場規模と言われています。うち約50%は住宅市場、残りの約50%は非住宅市場(オフィスビル、ホテル、公共設備)という構成となっております。(参照:一般社団法人日本バルブ工業会「日本バルブ工業会給水栓出荷動向統計」、㈱富士経済「非住宅分野における建材・設備市場の現状と将来展望」、「住設建材マーケティング便覧」) 当社売上の多くを住宅市場への水栓金具の販売で占めておりますが、更なるシェア拡大に向け、非住宅市場への販売にも注力しております。 生産体制につきましては、国内・海外市場における高付加価値製品の需要拡大に対応し、安定的な供給体制の確立を目指しております。2024年に完成した岐阜工場(第1工場)の建て替えでは、「高効率化・省力化・環境対策」をコンセプトに、生産エリアの拡張を実施いたしました。自動化設備の導入や工程間の連動化、生産ラインの増設を進めることで、生産能力および品質の一層の向上を図っております。2025年12月には組立工場(第2工場)の建て替えが完了し、自動化およびバリアフリー化を推進することで、生産拠点全体の効率化とコスト低減を進める予定です。加えて、太陽光発電を活用した高効率インフラ設備の導入により、CO₂排出量の削減を図り、カーボンニュートラルの実現に向けた環境配慮型のものづくりを推進しております。また、災害などによるサプライチェーン分断リスクへの対応として、グループ間の連携を一層強化するとともに、日本国内での増産体制を整備しております。 研究・開発面につきましては、当社最上級ブランドである「VERSE(ヴァース)」や、デザイナーとのコラボレーションによる「sʌnei(サネイ)」を中心に、デザイン性のさらなる追求に取り組むと共に、水の音や流れる姿、手に伝わる感覚に至るまで、意匠・仕上げ精度・使用感のすべてにおいて、最上級にふさわしいものづくりへの挑戦を続けております。また、センサーやAIといった先進技術と、人の手と感性によって仕上げる熟練技能を融合させることで、さらなる進化を目指してまいります。 社会・地域への貢献活動としましては、大阪・関西万博に協賛し、会場内の手洗い施設にセンサー水栓(自動水栓)など約700台を設置いたしました。これにより、約半年間にわたり延べ約2,500万人の来場者に対し、快適で衛生的な利用環境を提供いたしました。また、岐阜県飛騨市において2026年4月に開学したコー・イノベーション大学「CoIU(コーアイユー)」が掲げる「Co-Innovation Valley(略称:CoIV)」構想に賛同し、その推進に伴走しております。共創拠点における取り組みへの協力や水まわり製品の提供を通じて、まちづくり・ひとづくりに貢献するとともに、今後も地域社会への継続的な貢献に努めてまいります。 HISTORY since 1954 「点」としての始まり 1954 - 1980水は人が生きていく上で欠かすことのできないものであり、現代の日常は水道なしでは成り立ちません。水栓は生活との「接点」、「要」であるとの考えのもと、三栄水栓製作所(現SANEI)は草創期から積極的な商品開発に取り組んできました。 「点」から「線」へ 1980 - 20181980 年代には水栓のみならず、建物内の給水・排水の環境をトータルにプロデュースできる体制を確立。表からは見えなくても、それぞれが適材適所で使われ、かけがえのない流れを暮らしの中で支えてきました。 「線」から「面」へ 2018 - 2000 年代頃から提案の領域は「面」へと広がり、デザイン水栓や、空間・ライフスタイルへの提案が高い評価を獲得。また、持続可能な社会の実現に向けて積極的に責任を果たすべく取り組みを進めています。 当社グループの強み・特徴としましては、下記であると考えております。 ① 専業メーカーとしてのブランド展開プロダクトデザイナーや建築・空間デザイナーなど、多様な分野のクリエイターとの協業を積極的に推進し、従来の枠にとらわれない新たな水栓の提案を行っております。また、水栓を単なる設備機器ではなく、空間を彩るインテリアの一部と捉え、空間コンセプトに調和する多彩なデザインを展開しております。さらに、水栓にとどまらず、洗面・キッチンなどの水まわり空間を提案する「WAILEA」や、バスタブブランド「FLUSSO」などを通じ、多様化するニーズやライフスタイルに寄り添った提案を行うことで、水栓専業メーカーとして独自の市場ポジションを確立しております。 ② 高機能・高付加価値製品毎日使う水まわりだからこそ、より快適な暮らしに寄り添う高付加価値製品を幅広く展開しております。ウルトラファインバブルを搭載したキッチン・洗面・洗濯機用水栓やシャワーヘッドをはじめ、予洗いに適した「プレパシュ+(プラス)」、音声認識やセンサー機能を搭載した水栓など、日常に必要な機能を見つめ直し、使い心地に配慮した製品を提供しております。 ③ 複数の異なる販売チャネル当社グループは、水栓金具事業の単一セグメントで事業を展開しておりますが、販売チャネル・販路については4つのルート(管工機材・リテール・メーカー・海外)に区分しております。これら4つの販売チャネル・販路に対応するため、全国に支社・支店・営業所・出張所を配置し、営業拠点を展開しております。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、更なる成長と事業基盤の強化を図るため、持続的な成長と高収益体質の実現を目指し、より強固な経営基盤の構築を進めております。そのうえで、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下のとおりであります。 ① お客様の生活をより豊かにし、感動を生む高機能・高付加価値製品の開発・販売を推進することで、原材料価格などの変動に左右されにくい強固な収益基盤を確立し、成長分野への積極的な資本投下を進めてまいります。 ② 需要変動に柔軟かつ迅速に対応できる効率的な生産・物流体制を構築します。また、太陽光発電パネルの設置や自動化を推進し、温室効果ガス排出量実質ゼロに向けて取り組んでいます。 ③ 働き方改革の推進と人材の多様化を図り、持続的な企業成長につなげてまいります。従業員一人ひとりが能力を伸ばし、最大限に発揮できる環境を整備することは、企業業績に直結する重要な経営課題であると認識しております。変化に対応し、変革を生み出す「自ら考え行動する人材」の育成に向け、環境整備および制度の確立に取り組んでまいります。 ④ 様々なリスクに備え、リスク管理体制の強化と内部統制システムの適切な運用に努めてまいります。 ⑤ 情報の適時・適切な開示とコンプライアンスの徹底により、経営の健全性と透明性を高め、企業価値の向上に努めてまいります。 ⑥ 当社は、水と緑に恵まれた自然環境との調和を重視し、水まわりを中心とした事業活動のライフサイクル全体(原材料調達から生産、物流、販売、使用、廃棄に至るまで)において環境負荷の低減に取り組んでまいります。また、ビジネスパートナーや地域社会をはじめとするステークホルダーの皆様とともに環境保全活動を推進し、社会から信頼される企業を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】本項に記載した将来や想定に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、社是 『「人類ある限り水は必要である」との理念のもと人間の乾きを潤す水まわりを中心に生活の泉、憩の泉の想像を実現する事で社会に貢献し会社繁栄と全社員の幸福の源とする』に基づき、社会にとって有益な存在となることを目指し、企業価値の向上に努めてまいります。 1. 使用する方の目線に立ち、新たな価値観や安全で快適な製品・サービスの提供に努めます。2. 法令を遵守し、公正な取引を行い、高い倫理観を持って企業活動を推進します。3. 社会と積極的にコミュニケーションし、正確な情報を適切に開示します。4. 地球規模の環境問題を自分たちの問題ととらえ、地域の環境に配慮した活動に取り組みます。5. 全ての社員の個性を尊重し、安全でゆたかな職場環境を実現します。6. 地域社会の一員として、積極的に社会に貢献します。7. 反社会的勢力には断固たる姿勢で対決する、また自然災害等のリスクに備える、等危機管理を徹底します。8. 国際社会のルールを遵守し、現地の文化を尊重し、その地域の発展に寄与します。9. 経営トップは、本憲章の遵守が自らの役割であると自覚し、率先して模範となるよう行動します。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、株主価値の向上に向けて、グループ各社の収益性を高めるとともに、各社間のシナジーを最大限に発揮し、グループ全体として適正な利益の確保と着実な成長の実現を中長期的な目標としております。また、ROE(自己資本利益率)の向上を重要な経営指標と位置付け、収益力と資本効率の改善に取り組んでおります。持続的な利益成長と資本コストを意識した経営を通じて、PBR(株価純資産倍率)の向上を図り、企業価値の最大化を目指してまいります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題水栓の主材料である銅価格は昨年末から急騰しております。これは、電気自動車(EV)の部品や再生可能エネルギーの送電網、AIデータセンター向け需要の拡大に対し、供給が追い付いていないことが主な要因です。また、アメリカ・イスラエルによるイラン攻撃に端を発した原油価格の上昇や、海上輸送の混乱に伴うナフサ不足が、樹脂製品の原価にも影響を及ぼしています。さらに、円安の進行によるエネルギーコストの上昇も重なり、原材料価格全体が押し上げられ、収益を圧迫する状況となりました。このような環境の中、当社は各販売ルートおよび得意先様との丁寧な協議を重ね、適正な価格水準の維持・確保に向けた価格改定を実施してまいります。今後もお取引先様のご理解とご協力を賜りながら、安定供給と品質の維持・向上に努め、収益基盤の強化を図ってまいります。当社は、創業当初より水栓金具を単体で提供する「点の販売」から、水道メーター以降、蛇口に至るまでの水道インフラ全体をカバーする「水道(みずみち)=線の販売」へと発展してまいりました。今後は、水栓金具にとどまらず、新たな水まわりの研究・開発・提案に取り組み、住空間全体をインスタレーションとして提案できるメーカーを目指し、「水域(みずいき)=面の販売」へと事業領域の拡大を推進してまいります。昨年新たに設定したタグライン「水をつなぐ」企業として、性別・世代・国籍・人種を超えて人々の暮らしを潤し、より安全・安心で、一人ひとりの歓びあふれる瞬間に寄り添う製品の提供を目指してまいります。 当社グループが事業を展開している水栓金具市場は、生産額ベースで2024年度1,130億円、出荷額ベースで2024年度2,126億円の市場規模と言われています。うち約50%は住宅市場、残りの約50%は非住宅市場(オフィスビル、ホテル、公共設備)という構成となっております。(参照:一般社団法人日本バルブ工業会「日本バルブ工業会給水栓出荷動向統計」、㈱富士経済「非住宅分野における建材・設備市場の現状と将来展望」、「住設建材マーケティング便覧」) 当社売上の多くを住宅市場への水栓金具の販売で占めておりますが、更なるシェア拡大に向け、非住宅市場への販売にも注力しております。 生産体制につきましては、国内・海外市場における高付加価値製品の需要拡大に対応し、安定的な供給体制の確立を目指しております。2024年に完成した岐阜工場(第1工場)の建て替えでは、「高効率化・省力化・環境対策」をコンセプトに、生産エリアの拡張を実施いたしました。自動化設備の導入や工程間の連動化、生産ラインの増設を進めることで、生産能力および品質の一層の向上を図っております。2025年12月には組立工場(第2工場)の建て替えが完了し、自動化およびバリアフリー化を推進することで、生産拠点全体の効率化とコスト低減を進める予定です。加えて、太陽光発電を活用した高効率インフラ設備の導入により、CO₂排出量の削減を図り、カーボンニュートラルの実現に向けた環境配慮型のものづくりを推進しております。また、災害などによるサプライチェーン分断リスクへの対応として、グループ間の連携を一層強化するとともに、日本国内での増産体制を整備しております。 研究・開発面につきましては、当社最上級ブランドである「VERSE(ヴァース)」や、デザイナーとのコラボレーションによる「sʌnei(サネイ)」を中心に、デザイン性のさらなる追求に取り組むと共に、水の音や流れる姿、手に伝わる感覚に至るまで、意匠・仕上げ精度・使用感のすべてにおいて、最上級にふさわしいものづくりへの挑戦を続けております。また、センサーやAIといった先進技術と、人の手と感性によって仕上げる熟練技能を融合させることで、さらなる進化を目指してまいります。 社会・地域への貢献活動としましては、大阪・関西万博に協賛し、会場内の手洗い施設にセンサー水栓(自動水栓)など約700台を設置いたしました。これにより、約半年間にわたり延べ約2,500万人の来場者に対し、快適で衛生的な利用環境を提供いたしました。また、岐阜県飛騨市において2026年4月に開学したコー・イノベーション大学「CoIU(コーアイユー)」が掲げる「Co-Innovation Valley(略称:CoIV)」構想に賛同し、その推進に伴走しております。共創拠点における取り組みへの協力や水まわり製品の提供を通じて、まちづくり・ひとづくりに貢献するとともに、今後も地域社会への継続的な貢献に努めてまいります。 HISTORY since 1954 「点」としての始まり 1954 - 1980水は人が生きていく上で欠かすことのできないものであり、現代の日常は水道なしでは成り立ちません。水栓は生活との「接点」、「要」であるとの考えのもと、三栄水栓製作所(現SANEI)は草創期から積極的な商品開発に取り組んできました。 「点」から「線」へ 1980 - 20181980 年代には水栓のみならず、建物内の給水・排水の環境をトータルにプロデュースできる体制を確立。表からは見えなくても、それぞれが適材適所で使われ、かけがえのない流れを暮らしの中で支えてきました。 「線」から「面」へ 2018 - 2000 年代頃から提案の領域は「面」へと広がり、デザイン水栓や、空間・ライフスタイルへの提案が高い評価を獲得。また、持続可能な社会の実現に向けて積極的に責任を果たすべく取り組みを進めています。 当社グループの強み・特徴としましては、下記であると考えております。 ① 専業メーカーとしてのブランド展開プロダクトデザイナーや建築・空間デザイナーなど、多様な分野のクリエイターとの協業を積極的に推進し、従来の枠にとらわれない新たな水栓の提案を行っております。また、水栓を単なる設備機器ではなく、空間を彩るインテリアの一部と捉え、空間コンセプトに調和する多彩なデザインを展開しております。さらに、水栓にとどまらず、洗面・キッチンなどの水まわり空間を提案する「WAILEA」や、バスタブブランド「FLUSSO」などを通じ、多様化するニーズやライフスタイルに寄り添った提案を行うことで、水栓専業メーカーとして独自の市場ポジションを確立しております。 ② 高機能・高付加価値製品毎日使う水まわりだからこそ、より快適な暮らしに寄り添う高付加価値製品を幅広く展開しております。ウルトラファインバブルを搭載したキッチン・洗面・洗濯機用水栓やシャワーヘッドをはじめ、予洗いに適した「プレパシュ+(プラス)」、音声認識やセンサー機能を搭載した水栓など、日常に必要な機能を見つめ直し、使い心地に配慮した製品を提供しております。 ③ 複数の異なる販売チャネル当社グループは、水栓金具事業の単一セグメントで事業を展開しておりますが、販売チャネル・販路については4つのルート(管工機材・リテール・メーカー・海外)に区分しております。これら4つの販売チャネル・販路に対応するため、全国に支社・支店・営業所・出張所を配置し、営業拠点を展開しております。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、更なる成長と事業基盤の強化を図るため、持続的な成長と高収益体質の実現を目指し、より強固な経営基盤の構築を進めております。そのうえで、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下のとおりであります。 ① お客様の生活をより豊かにし、感動を生む高機能・高付加価値製品の開発・販売を推進することで、原材料価格などの変動に左右されにくい強固な収益基盤を確立し、成長分野への積極的な資本投下を進めてまいります。 ② 需要変動に柔軟かつ迅速に対応できる効率的な生産・物流体制を構築します。また、太陽光発電パネルの設置や自動化を推進し、温室効果ガス排出量実質ゼロに向けて取り組んでいます。 ③ 働き方改革の推進と人材の多様化を図り、持続的な企業成長につなげてまいります。従業員一人ひとりが能力を伸ばし、最大限に発揮できる環境を整備することは、企業業績に直結する重要な経営課題であると認識しております。変化に対応し、変革を生み出す「自ら考え行動する人材」の育成に向け、環境整備および制度の確立に取り組んでまいります。 ④ 様々なリスクに備え、リスク管理体制の強化と内部統制システムの適切な運用に努めてまいります。 ⑤ 情報の適時・適切な開示とコンプライアンスの徹底により、経営の健全性と透明性を高め、企業価値の向上に努めてまいります。 ⑥ 当社は、水と緑に恵まれた自然環境との調和を重視し、水まわりを中心とした事業活動のライフサイクル全体(原材料調達から生産、物流、販売、使用、廃棄に至るまで)において環境負荷の低減に取り組んでまいります。また、ビジネスパートナーや地域社会をはじめとするステークホルダーの皆様とともに環境保全活動を推進し、社会から信頼される企業を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な設備投資や政府の経済対策により景気は下支えされ、実質GDP成長率が緩やかな回復を続けました。賃上げの進展やエネルギー関連補助金の再開を背景に、物価高の影響を受けていた個人消費にも持ち直しの動きが見られました。一方、当社の需要と密接に関係する新設住宅着工戸数は、2025年4月の建築基準法および省エネ法改正の影響により、3月まで駆け込み需要が見られたものの、4月以降はその反動で大きく減少しました。夏場には一時的に持ち直しの動きが見られましたが、11月以降は建築資材価格の高騰や住宅ローン金利の上昇などを背景に再び減少傾向となり、4月~3月までの累計で約71万1千戸(前年比12.9%減)にとどまりました。(出所:国土交通省「建築着工統計調査報告」)このような経済状況の中、当社は「人類ある限り水は必要である」という理念のもと、自然や社会との調和を大切にしながら、より快適で心地よく、既成概念にとらわれない多様なライフスタイルに寄り添った水まわりの実現を追求してまいりました。営業面では、ウルトラファインバブルを搭載した新製品をはじめ、「心地よさ、シンプルさ、家に。」をコンセプトとした「IENI」シリーズ、デザイナーとのコラボレーションブランド「sʌnei(サネイ)」、グラスなどの予洗いに適した「プレパシュ+(プラス)」など、高機能・高付加価値製品の販売強化に努めました。昨年には「VERSE」ブランドの「Grazioso」シリーズが、ドイツの世界的に権威あるデザインアワードの「レッド・ドット・デザイン賞」において最高賞である「Best of the Best」を受賞しました。2024年の「soroe」シリーズに続き、2年連続で「Best of the Best」の受賞となりました。また、同じくドイツの歴史あるデザインアワードである「iFデザインアワード」も「grooglo」シリーズとともに受賞しました。「VERSE」ブランドの「Grazioso」と「grooglo」シリーズはラグジュアリーなバス体験を提案する「FLUSSO」(青山ショールーム)内に展示しています。展示会では「JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2025」、「HCJ2026 国際ホテル・レストラン・ショー」、「建築・建材展2026」などに出展したほか、海外においても「Kitchen & Bath China 2025」や「Design Inspire」などの大型展示会へ出展し、国内外でのブランド認知向上に取り組みました。また、昨年より新たな取り組みとして「OSAKA FUORI SALONE」に参画し、建築・インテリア・アート・ものづくりを通じて、日常を豊かにする美的体験を提案いたしました。本イベントは、「OSAKA DESIGN WEEK」としてさらに発展した形で開催される予定であり、今後もお客様とのコミュニケーション機会を大切にしながら、ブランド価値の向上に努めてまいります。 これらの結果、当社グループの当連結会計年度における連結業績につきましては、売上高が290億42百万円(前期比2.0%増)となりました。一方、利益面につきましては、主力製品の原材料である銅価格が想定を上回って高騰したことに加え、大阪・関西万博関連の協賛費用を計上したことなどにより、営業利益は18億30百万円(前期比2.8%減)、経常利益は18億3百万円(前期比2.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億20百万円(前期比2.7%減)となりました。 当連結会計年度のROE(自己資本利益率)は8.3%となり、前期比0.9ポイント低下した一方、PER(株価収益率)は8.0倍と前期比1.0倍改善いたしました。その結果、PBR(株価純資産倍率)は0.66倍となり、前期比0.02ポイント改善しております。これらを重要な経営課題と位置づけ、株主価値の向上に向けて、収益性の向上とグループシナジーの最大化を図り、適正な利益の確保と着実な成長の実現を中長期的な目標としております。あわせて、収益力および資本効率の向上に取り組み、持続的な利益成長と資本コストを意識した経営を推進することで、PBRの向上を図り、企業価値の最大化を目指してまいります。 ② 財政状態の状況当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2億55百万円減少し、241億11百万円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ9億56百万円減少し、146億61百万円となりました。これは主に、現金及び預金が3億9百万円減少、売上債権が11億52百万円減少した一方、棚卸資産が5億65百万円増加したことによります。固定資産は前連結会計年度末に比べ7億円増加し、94億49百万円となりました。これは主に、建物及び構築物が3億64百万円増加したことによります。負債は、前連結会計年度末に比べ12億90百万円減少し、83億86百万円となりました。これは主に、仕入債務が21億96百万円減少した一方、借入金が9億94百万円増加したことによります。純資産は、前連結会計年度末に比べ10億35百万円増加し、157億24百万円となりました。この結果、自己資本比率は63.0%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3億12百万円減少し、11億40百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、48百万円の収入(前年同期比16億30百万円の収入減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益18億円、減価償却費6億37百万円、棚卸資産の増加額5億55百万円、売上債権の減少額11億52百万円、仕入債務の減少額21億96百万円、法人税等の支払額6億59百万円によるものです。仕入債務が大幅に減少した要因は、支払手形及び電子記録債務による仕入支払を原則廃止し、現金振込による支払に変更したことによります。投資活動によるキャッシュ・フローは、11億円の支出(前年同期比2億57百万円の支出増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出8億88百万円によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、7億10百万円の収入(前年同期は3億63百万円の支出)となりました。これは主に、借入金の純増による収入9億94百万円、配当金の支払額2億83百万円によるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績当社グループは、単一セグメントです。当連結会計年度の生産実績、販売実績は次のとおりであります。 a.生産実績当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。 区分生産高(千円)前期比(%)水栓金具事業21,219,623118.9合計21,219,623118.9 (注) 金額は販売価格によっております。 b. 受注実績当社グループは、大部分の品目につき見込み生産を行っておりますので、記載を省略しております。 c. 販売実績当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。 区分販売高(千円)前期比(%)水栓金具事業29,042,404102.0合計29,042,404102.0 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載されているとおりであります。 b.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの経営成績に重要な影響を与える大きな要因としては、経済動向、為替及び金利の動向、原材料及び物流費の高騰、製品の欠陥及び事故災害、等があります。経済動向については、新規住宅着工件数の減少が続いており、厳しい業界内競争が続いていると認識しております。一方でリフォーム市場や非住宅市場(主にホテル・オフィスビル・商業施設)は成長が予測されており、当社は同市場をターゲットに、高付加価値製品の開発・拡販や水まわりにおける住空間のインスタレーション提案に取組み、着実な成長を目指しております。為替及び金利の動向については、米中関係および東アジア地域の経済動向の不確実性により、先行き不透明な状況が続いていると認識しております。当社では、為替リスクを回避するため中国における子会社との取引は円建取引を原則としております。金利動向は、主に固定金利により調達しており、金利変動による影響は比較的少ないものと考えております。原材料及び物流費の高騰については、価格上昇に対する販売価格への転嫁に取り組むことや、原価低減および物流体制の見直しを推進し、更なるコスト削減を図っていきます。製品の欠陥及び事故災害については、継続的な生産工程における改善活動、品質管理・保証体制の一層の充実、安全・安定運転に万全を期すことにより、経営に重要な影響を与えるような事態の抑制に努めてまいります。なお、経営成績については、以下の通りです。 (売上高)当社グループの当連結会計年度における売上高は、ウルトラファインバブル製品を中心とした高機能・高付加価値製品の販売拡大により、前連結会計年度に比べ5億76百万円増加し、290億42百万円(前期比2.0%増)となりました。 (売上原価、売上総利益)当社グループの当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ5億78百万円増加し、201億円(前期比3.0%増)となりました。この結果、当社グループの当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ1百万円減少し、89億41百万円(前期比0.0%減)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益)当社グループの当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ51百万円増加し、71億10百万円(前期比0.7%増)となりました。この結果、当社グループの当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ、52百万円減少し、18億30百万円(前期比2.8%減)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益)当社グループの当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ2百万円増加し、37百万円となりました。また、営業外費用は前連結会計年度に比べ11百万円減少し、65百万円となりました。この結果、当社グループの当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ38百万円減少し、18億3百万円(前期比2.1%減)となりました。 (特別損益、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)当社グループの当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ35百万円減少し、4百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度に比べ52百万円減少し、7百万円となりました。また、法人税等は、前連結会計年度に比べ1億39百万円減少し、5億46百万円となりました。この結果、当社グループの当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ33百万円減少し、12億20百万円(前期比2.7%減)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載されているとおりであります。 b.資本の財源及び資金の流動性(資本需要)当社グループの事業活動における運転資金需要について、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料費及び人件費等)、受注維持拡大のための販売費、製品開発力の維持強化及び新規事業立ち上げに資するための研究開発費等によるものです。投資活動については生産性の向上等を目的とした設備投資によるものです。今後において、必要な設備投資や研究開発投資を継続していく予定であります。今後の資金需要も見据えて、最新の市場環境や受注動向も勘案し、資産の圧縮及び投資案件の選別を行っていく予定であります。 (財務政策)当社グループの運転資金、設備資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について金融機関からの借入により資金調達を行っております。運転資金に関しては、手許資金(利益等の内部留保金)を勘案の上、不足が生じる場合には短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手許資金、長期借入金による調達を基本としております。ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、発行費用等の調達コスト、既存借入金の償還時期等を勘案し調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 経済動向と需要変動:国内の景気や住宅・リフォーム需要の変動は、SANEIグループの売上高に大きな影響を与えます。金利変動や住宅政策の転換などにより需要が大きく変動した場合、業績や財務状況が悪化する可能性があります。
  • 原材料・物流費の高騰:水栓金具の製造には銅合金などの原材料を使用しており、その価格変動はコストに直結します。また、燃料価格や人件費の上昇による物流費の高騰も、利益を圧迫する要因となり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 自然災害・感染症リスク:地震や感染症の流行などにより、生産活動の停止やサプライチェーンの寸断、市場需要の低下が発生する可能性があります。特に生産拠点が集中する中部地区での大規模災害は、生産遅延や修復費用発生により、業績に深刻な影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,755 文字
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。 1.経営環境に関するリスク(1) 経済動向による影響当社グループの売上高の大部分は、国内の景気動向や需要動向に大きく影響を受けます。法律・制度の規制緩和や住宅政策の転換、金利動向などにより新築・リフォーム需要が大きく変動した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、業務効率化によるコストダウン等を実施し、強固な財務基盤を維持してまいります。 (2) 為替レートの変動当社グループは、中国における子会社での現地生産による外貨建取引、また、同子会社の資産及び負債等は連結財務諸表作成時において円換算されるため、為替変動によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、上記以外の取引については円建取引を原則とすることで、為替リスクの回避・軽減に努めております。 (3) 金利の変動当社グループは安定的に事業を継続するため、運転資金や必要な設備の新規投資の更新を毎年行っております。その際、有利子負債や自己資本比率について適正水準維持に努めつつも、必要な資金を主として銀行借入により調達しております。新たに借入を行う際に、借入金利が変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、金利変動リスクを回避・軽減する目的で、主に固定金利により資金調達を行っており、一定期間における金利変動による影響を軽微なものに抑えるよう努めております。 (4) 競争の激化当業界における価格競争は、熾烈なものとなっています。当社グループは、市場ニーズにマッチした品質・機能・価格面において競争力を有する製品・サービスを市場投入できるメーカーであると考えておりますが、将来においても競争を優位に展開できる保証はなく、激しい価格競争にさらされた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、付加価値の高い製品の開発による競争優位性の確保、およびコスト削減に取り組んでいます。 (5) 原材料価格の高騰当社グループは、銅合金などを使用した水栓金具を製造しております。原材料価格の上昇時におきましては、コスト削減・販売価格への転嫁などで吸収を図っておりますが、予想以上の原材料価格高騰によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、国内外の複数の調達先や協力業者との取引関係を強化することで、常に最適かつ安定的な調達ができる体制を構築しております。これらに全社一丸となり取り組んでまいりますが、全てを吸収することが困難な場合においては、原材料や副資材などの上昇分に対し、製品価格への転嫁に取り組んでまいります。 (6) 物流費の高騰当社グループの事業活動においては、顧客への配送業務を伴うため、燃料価格の上昇や物流委託会社の人件費高騰により物流委託会社への支払いコストが増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、物流業務の効率化などにより費用低減を図り、複数の物流委託会社へ取引を分散することで物流コストの上昇を抑えるよう努めております。これらに全社一丸となり取り組んでまいりますが、全てを吸収することが困難な場合においては、物流費の上昇分に対し、製品価格への転嫁に取り組んでまいります。 (7) 自然災害、感染症等当社グループは、製造ラインの中断による影響を最小化するために、生産設備などにおける定期的な災害防止点検を行っております。しかし、生産施設で発生する人的あるいは自然災害などによる影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。当社グループの工場は岐阜県(各務原市)・大阪府(大阪市)・中国大連と分散しているものの、当社グループを取り巻くサプライ・チェーンは中部地区に集中しており、当地方における大規模な地震やその他操業に影響する災害などが発生した場合、生産及び出荷が遅延することにより売上高が低下し、生産拠点等の修復のために多額の費用を要することとなる可能性があります。さらに、社会的な生産活動の停滞、原材料の供給不足、日本市場の需要低下といった間接的な影響を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、開発・生産拠点および調達先などに甚大な損害が生じた場合、生産や出荷が遅延するリスクに備え、BCP(事業継続計画)の策定を進め、リスクの回避・軽減に努めております。ウイルスなどの感染症等につきましては、新型コロナウイルス等の感染症が想定を上回る規模で発生及び流行した場合、社会的な生産活動の停滞、原材料の供給不足、住宅設備業界における展示会等のイベント中止やショールームの休館・来場者制限、日本市場の需要低下といった影響を受ける可能性があります。特に住宅設備業界において経済活動・販売活動が制限される状況となった場合には、管工機材ルートやメーカールートにおいて売上高が減少するといった直接的な影響を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。幸いにも当社グループは、ホームセンターやEC向けのリテールルートや海外ルートといった複数のルートでも販売を行っており、販路の多角化を推進していることが当該リスクの回避・軽減につながっていると考えております。また、当社グループは、本社管理部門が中心となり、全ての従業員とその家族の健康維持を最優先とし、感染予防・拡大防止のための措置、勤務形態、顧客対応等を指示するなど、BCP体制を構築しております。加えて、各国、地域の行政の指針・ガイドラインに沿って、状況に応じた判断・対応をとるとともに各国法人の状況を適時に把握し社内外に情報を発信しております。 2.事業活動に関するリスク(1) 新商材・新ブランドの企画・開発・販売当社グループは、多様化するプライベート空間やパブリック空間にマッチする製品を提供するため、キッチンルーム・バスルーム・洗面ルームなどの水まわりにおける新商材や新ブランドの企画・開発・販売を行っております。新商材・新ブランドの企画・開発・販売が想定通りに進まない場合には、先行投資が回収できなくなること、追加費用の発生、在庫の増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、新商材や新ブランドの企画・開発・販売におきましては、投資対効果を慎重に判断し、決定してまいります。 (2) 海外での事業活動当社グループは、中国、台湾、インドネシア、タイ等のアジア諸国においても事業活動を行っており、法律・規制や租税制度の変更、テロ・戦争・内乱などによる政治的社会的混乱や予期し得ない経済情勢の悪化により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは、日本本社の専門部門が各国の経済・社会・政治的状況や、各国法規制の動向について情報を収集するようにしております。また対応が必要な事象が生じた際には、現地の代理店等と連携して適宜対応をおこなう体制を整備しております。 (3) 人材確保等に関するリスク当社グループにおいては、継続的な成長のためには、優秀な人材の確保が重要であると考えておりますが、採用が計画通りに進まなかった場合、人材の流出があった場合や人材確保等のために人件費が上昇した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、これらのリスクを低減する目的で、中長期的に安定した企業収益を確保し、企業収益の投資先として積極的な求人活動の実施、長期的な雇用維持に向け従業員の福利厚生の充実に充てるなどして、人材確保による影響の低減を図っております。 (4) 製品の欠陥当社グループは、品質管理基準に従い製品を製造しておりますが、全ての製品について欠陥がなく、将来においてリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。万一、大規模なリコールが発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは、開発段階からの仕様品質の熟成や製造工程内品質保証体制の構築に努めるとともに、ISO9001等の国際標準規格に基づく品質マネジメントシステムを運用する等、製品欠陥の発生予防に努めています。また、製造物責任賠償に繋がるような製品欠陥の発生に備え、影響範囲を速やかに把握するトレーサビリティ(製造履歴の追跡)システムを導入する等、迅速な対応を可能とする品質管理体制の強化に努めています。 3.法的規制及び訴訟等に関するリスク(1) 環境法規制当社グループは、気候変動や天然資源の枯渇、廃棄物問題、有害化学物質による汚染などの環境問題を自社の存続にも関わる問題と捉え、環境理念を掲げ、環境に配慮をした事業活動を行っております。しかしながら、災害、事故及びトラブル等による環境汚染が生じた場合や関連法令の改正等によって新規設備投資等によるコストの増加が生じた場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、開発・生産拠点および調達先などに甚大な損害が生じた場合、生産や出荷が遅延するリスクに備え、BCPの策定を進めており、気候変動の緩和に向け、サプライチェーン全体での温室効果ガス削減に取り組んでいます。また、関係部署担当者の教育などを実施することで、管理体制を強化するほか、規制の変更などのタイムリーな把握と対応に努めています。 (2) 知的財産権の保護当社グループは、知的財産権が当社製品の優位性の確保にあたり、重要な役割を果たしていると認識し、知的財産権を厳しく管理すると同時に、他社の知的財産権を侵害しないための社内体制を構築しております。しかしながら、当社グループが保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合や当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、専門の部署を設置し特許の調査や出願、社内への啓発活動、社内規則の制定等、発生防止に努めています。 (3) 情報システムに関するリスク当社グループは、会社運営の全般にわたり情報システムを利用しております。情報システムの信頼性の維持には、万全を期しておりますが、災害、事故及びトラブル等によるハードウェアやネットワークの損傷、外部からの不正アクセス、コンピューターウイルス感染によるシステムトラブルや情報漏洩等の問題が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを可能な限り回避するために、適切なシステム障害の復旧プランを策定し訓練するとともに、情報セキュリティ専門部署によるモニタリングの実施と定期的な報告を行うことで、リスクの低減を図っております。 (4) 訴訟の提起当社グループは、事業活動を進めていく中で様々な訴訟等を受ける可能性があります。訴訟が提起された場合には、結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは、法令遵守と倫理に基づいた企業活動を行う旨を宣言し、当社グループの取締役および従業員が事業遂行にあたって、各種法令や倫理基準並びに社内コンプライアンス行動規範等から逸脱した行為を行うことがないよう、従業員に周知を行う等の徹底を図っております。また、自浄機能として内部通報制度を導入するなどコンプライアンス・リスクへ対応しております。 4.その他のリスク(1) 資産価値の変動当社グループは、有形固定資産を保有しており、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、今後、業績動向によっては減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが所有する棚卸資産、投資有価証券等の投資その他の資産についても、評価額の引き下げを行う必要が生ずる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対して、当社グループは取締役会や経営会議等における投資計画、投資金額の適切性に関する審議を行うほか、投資後の定期的なモニタリング及びフォローアップによる投資価値の定期的な検証を行っております。また、時価のある有価証券・投資有価証券については月次でモニタリングを実施して時価及び損益の把握に努め、時価のない有価証券・投資有価証券については、適時、財務状況等の把握に努めることで、それぞれ投資先の状況を定期的に確認しております。 (2) 退職給付債務当社の従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。このため、実際の金利水準が悪化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 繰延税金資産繰延税金資産の計算は、将来の課税所得など様々な予測・仮定に基づいており、経営状況の悪化や税務調査の結果等により、実際の結果が予測・仮定とは異なる可能性があります。従って、将来の課税所得の予測・仮定に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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