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ヒラノテクシード(6245)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 塗工・化工機械の製造販売
    ヒラノテクシードグループは、塗工機関連機器と化工機関連機器の製造販売を主な事業としています。具体的には、二次電池電極や磁気テープ、包装用フィルムなどの製造に使われるコーティング・ラミネーティング装置や、プラスチックフィルム、電子プリント基板などの製造に使われる高分子化工機械などを手掛けています。これらの機械は、様々な産業の製品製造に不可欠な精密技術を提供しており、社会の発展を支える基盤となっています。
  • メンテナンスと工事サービス
    製造販売だけでなく、納入した機械のメンテナンスサービスや各種工事も重要な事業内容です。これにより、顧客は機械を長期間安定して使用でき、ヒラノテクシードグループは継続的な収益を得ています。特に、数年から数十年にわたり利用される製品が多いため、アフターサービスは顧客との長期的な関係構築に貢献し、安定した収益源となっています。
  • その他産業用機械と部品
    上記の主力事業に加え、染色整理機械装置や各種機器の部品製造販売、修理・改造なども行っています。これは、既存の技術や設備を活かして幅広いニーズに対応することで、事業の多角化と収益基盤の強化を図るものです。主要な関係会社として、ヒラノ技研工業株式会社や株式会社ヒラノK&Eなどが製造・販売を担っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 塗工・ラミネート機械事業
    この事業部門は、二次電池電極、磁気テープ、包装用複合フィルム、粘接着テープ、合成皮革などの製造装置、および各種乾燥熱処理装置の製造・販売、メンテナンスサービス、各種工事を手掛けています。最新年度の売上高は420.2087億円、営業利益は25.43084億円と、グループの主力事業であり、高い収益性を誇っています。
  • 産業機械事業(地域別)
    この部門は、高分子化工機械(プラスチックフィルム、電子プリント基板、セラミックシート成形、高熱処理機などの製造装置)、真空成膜装置、各種乾燥熱処理装置の製造・販売、メンテナンスサービス、各種工事を行っています。地域別の売上高は46.45805億円、営業利益は2.93466億円であり、主に海外市場での事業展開を示唆しています。
  • その他事業
    この部門では、染色整理機械装置や各種機器の部品製造販売、修理・改造などを行っています。具体的な売上高や営業利益の記載はありませんが、主力事業を補完し、幅広い顧客ニーズに対応することで、グループ全体の事業基盤を強化しています。株式会社ヒラノK&EやHIRANO AMERICA,INC.などが製造・販売・修理改造等を担っています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
CoatingAndLaminatingMachinery 事業 420 25 6.1%
IndustrialMachinery 地域 46 3 6.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|712 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社3社で構成され、塗工機関連機器、化工機関連機器、その他の産業用機械の製造販売を主な事業内容とし、さらに各事業に関連する事業活動を展開しております。 当社グループの事業内容に関わる位置づけは次のとおりであります。 なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (塗工機関連機器) 当部門においては、コーティング、ラミネーティング関連機器(二次電池電極、磁気テープ、包装用複合フィルム、粘接着テープ、合成皮革、床材、壁紙、化粧板、絶縁板等の製造装置)、各種乾燥熱処理装置の製造・販売、及びメンテナンスサービス並びに各種工事をしております。〔主な関係会社〕(製造・販売)ヒラノ技研工業株式会社株式会社ヒラノK&EHIRANO AMERICA,INC. (化工機関連機器) 当部門においては、高分子化工機械(プラスチックフィルム、フィルム成膜、電子プリント基板、セラミックシート成形、高熱処理機等の製造装置)、真空成膜装置、各種乾燥熱処理装置の製造・販売及びメンテナンスサービス並びに各種工事をしております。〔主な関係会社〕(製造・販売)ヒラノ技研工業株式会社株式会社ヒラノK&EHIRANO AMERICA,INC. (その他) 当部門においては、染色整理機械装置及び各種機器の部品の製造・販売及び修理・改造等を行っております。〔主な関係会社〕(製造・販売・修理改造等)株式会社ヒラノK&EHIRANO AMERICA,INC. 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
独自の革新的な技術を持つが、原材料価格高騰を販売価格に転嫁できないリスクがあるため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
独自の革新的な技術、高精度ロールとスロットダイの生産ノウハウ、178件の保有特許
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
会社が挙げる主要リスク:新規設備等の投資需要に関するリスク / 技術者の確保と育成に関するリスク / 材料調達に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な評価は不可能。公開情報からは、特定の無形資産が競争優位の源泉となっている明確な証拠は見当たらない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

産業用印刷機械は、導入コストやオペレーションの習熟度から、顧客が他社製品へ乗り換える際の一定のスイッチングコストが想定される。しかし、その程度が競争優位に繋がるほど大きいかは不明。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

産業用印刷機械の事業モデルにおいて、ネットワーク効果が発生するようなプラットフォーム型ビジネスではないため、スコアは0とする。ユーザーが増えることで製品価値が向上する構造は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

特定のコスト優位性を示す情報はない。製造業であるため、規模の経済や効率化によるコスト削減の可能性はあるが、それが競合他社に対して構造的に優位であるかは判断できない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

産業用印刷機械市場において、ヒラノテクシードは一定のシェアを持つと推測されるが、市場全体に対する最適な少数寡占を形成しているかは不明。規模の経済による効率性は限定的と考えられる。

  • 高精密・高精度な技術力
    ヒラノテクシードグループは、コーティング・ラミネーティング技術、乾燥技術、走行制御技術を核とした高精密・高精度な製造装置の提供に強みを持っています。これにより、二次電池電極や高機能フィルムなど、高い品質と精度が求められる製品の製造を可能にし、顧客の技術革新を支えています。この独自の技術力は、他社との差別化要因となり、競争優位性を確立しています。
  • 幅広い市場への納入実績
    長年にわたり多岐にわたる市場へ製品を供給してきた実績は、同社の大きな強みです。EV市場の減速といった特定の市場環境の変化があった際にも、この幅広い実績を活かし、北米以外の地域や多様な市場へ積極的に営業活動を展開することで、リスクを分散し、安定した事業運営を目指しています。これにより、特定の市場に依存しない柔軟な事業展開が可能です。
  • 知的財産による保護
    同社は178件もの特許を保有しており、独自の革新的な技術が知的財産によって保護されています。これにより、他社の模倣を防ぎ、技術的な優位性を維持することができます。特許管理部門が複数の特許事務所と連携し、知的財産の確認と適切な管理を行うことで、技術的な競争力を守り、事業の安定性を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 高精密・高精度装置の提供
    ヒラノテクシードグループは、コーティング・ラミネーティング技術と乾燥技術、走行制御技術を核に、高精密・高精度な製造装置を市場に供給することで社会の発展に貢献することを基本理念としています。最先端技術分野でのリーディングカンパニーを目指し、顧客満足度の向上を最優先に、技術革新に対応した最新機器の開発を進めています。
  • 環境エネルギー市場への拡販
    EV市場の拡大を背景に、エネルギー関連分野を注力分野と位置付け、経営資源を集中させる戦略を進めています。世界的なEV需要の減速という課題に直面していますが、幅広い市場への納入実績を活かし、北米以外の地域や多様な市場へ積極的に受注活動を展開し、潜在的な需要の開拓とカスタマーサービス体制の強化を図っています。
  • コスト競争力の強化と人材育成
    資材価格の高止まりや外注費用の高騰といった課題に対し、納期管理や生産性向上の推進を徹底し、利益改善に努めています。また、安定した技術提供と新技術開発のため、次代を担う優秀な人材の育成を不可欠と考え、継続的な人材採用、OJTや研修による人材育成を積極的に実施し、経営層および技術者層の強化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、コーティング・ラミネーティング技術と乾燥技術及び走行制御技術を柱に、高精密・高精度の製造装置を市場に供給することで、社会の進歩発展に貢献することを基本理念としております。 また、株主・取引先・社員など全てのステークホルダーの信頼と期待に応えることを行動指針として、事業活動を行っております。 (2)経営戦略等 当社グループは、最先端技術分野への高精密・高精度な製造装置メーカーとしてリーディングカンパニーを目指し、「顧客満足度の向上」・「環境エネルギー市場への拡販」・「コスト競争力の強化」を最優先に各業界へ技術革新に対応した最新機器を提供すべく製品開発を行い、グローバルな活動を推進してまいります。 営業及び開発・設計・製造さらに据付からアフターサービスに至るまで、グループ一体となりさらなる企業価値向上を目指し、「より高い精度の製品を供給し続けること」を念頭におき活動してまいります。 当社グループは、エネルギー価格や原材料価格、外注費用の高騰、さらには市場の変化に伴う顧客の設備投資計画の変更など、生産活動及び収益への影響も懸念されますため、EV関連以外の分野への営業活動を強化するとともに、既存顧客に対する設備改造・移設や保守サービスの提案を積極的に推進することにより、安定的な収益と収益力の向上に努めてまいります。 また、当社は、2025年11月に見直した中期経営計画を公表し、EV需要に基づく二次電池塗工装置を中心とした生産能力向上重視の戦略から、各先端分野の薄膜新素材の開発に重点を置いたあらゆるニーズに対応できる弊社の本来の強みを生かした戦略に力を入れる方針へ転換を図り、収益性を重視し、将来的な成長戦略への事業基盤を構築してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、持続的な成長により企業価値を向上させるという観点から株主資本効率及び株主還元の適切なバランスを検討し、経常利益率を重要な指標としております。経常利益率10%以上を確保するとともに、キャッシュ・フローを重視した経営を進めてまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 インバウンド需要の増加に加え、雇用・所得環境の改善を背景として個人消費は緩やかな持ち直しの動きが見られ、企業の設備投資が底堅く推移するなか、追加利上げも実施される等、景気は緩やかに回復基調となっております。一方で、依然エネルギー価格や原材料価格の更なる高騰の懸念があり、米国における通商政策および関税政策を巡る不透明感もあり、企業の設備投資姿勢は総じて慎重な状況が続いております。さらに、長期化するロシアによるウクライナ侵攻や中東地域における地政学的リスクもあり、金融資本市場等の経済の先行きは不透明な状況で推移しております。 このような状況のもと、当社グループは、幅広い市場への納入実績を活かし、北米以外の地域やEV関連以外の分野への営業活動を強化するとともに、設備の新設のみならず、既存顧客への設備改造及び移設・各種部品の供給等、潜在的な需要の開拓及びカスタマーサービス体制を強化し、利益水準の向上に努めてまいります。 昨今の市場のニーズが急速に変化する環境下においては、新技術の開発が不可欠であるとの認識のもと、積極的に技術開発を推進し、さらなる企業価値向上を目指しております。具体的には、当社のコア技術である「高クリーン・超薄膜コーティング技術」及び「ウェットコーティングとドライコーティングの融合」を軸とした新技術の開発に注力しております。 また、安定した技術の継続的な提供や市場ニーズに対する最適な新技術の開発は、当社グループの持続的な成長と発展において重要であります。その実現に向けては、次代を担う優秀な人材の育成は不可欠であると考えており、継続的な人材採用を進めるとともに、国内外の大学機関との共同研究開発、OJTや各種研修等を通じた人材育成を積極的に実施し、経営層及び技術者層のさらなる強化を図ってまいります。 さらに、財務上の課題としましては、近年、輸出案件の増加傾向が見られる一方で、世界情勢の不安定化により景気の先行きが不透明な状況にあります。このような環境下においては、与信限度の適切な管理及び売掛金の確実な回収が重要な課題であります。これに対応するため、営業部門における契約時の回収条件の適正化、並びにコーポレート部門における債権管理を徹底し、早期回収及び貸倒れの未然防止に努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、コーティング・ラミネーティング技術と乾燥技術及び走行制御技術を柱に、高精密・高精度の製造装置を市場に供給することで、社会の進歩発展に貢献することを基本理念としております。 また、株主・取引先・社員など全てのステークホルダーの信頼と期待に応えることを行動指針として、事業活動を行っております。 (2)経営戦略等 当社グループは、最先端技術分野への高精密・高精度な製造装置メーカーとしてリーディングカンパニーを目指し、「顧客満足度の向上」・「環境エネルギー市場への拡販」・「コスト競争力の強化」を最優先に各業界へ技術革新に対応した最新機器を提供すべく製品開発を行い、グローバルな活動を推進してまいります。 営業及び開発・設計・製造さらに据付からアフターサービスに至るまで、グループ一体となりさらなる企業価値向上を目指し、「より高い精度の製品を供給し続けること」を念頭におき活動してまいります。 当社グループは、エネルギー価格や原材料価格、外注費用の高騰、さらには市場の変化に伴う顧客の設備投資計画の変更など、生産活動及び収益への影響も懸念されますため、EV関連以外の分野への営業活動を強化するとともに、既存顧客に対する設備改造・移設や保守サービスの提案を積極的に推進することにより、安定的な収益と収益力の向上に努めてまいります。 また、当社は、2025年11月に見直した中期経営計画を公表し、EV需要に基づく二次電池塗工装置を中心とした生産能力向上重視の戦略から、各先端分野の薄膜新素材の開発に重点を置いたあらゆるニーズに対応できる弊社の本来の強みを生かした戦略に力を入れる方針へ転換を図り、収益性を重視し、将来的な成長戦略への事業基盤を構築してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、持続的な成長により企業価値を向上させるという観点から株主資本効率及び株主還元の適切なバランスを検討し、経常利益率を重要な指標としております。経常利益率10%以上を確保するとともに、キャッシュ・フローを重視した経営を進めてまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 インバウンド需要の増加に加え、雇用・所得環境の改善を背景として個人消費は緩やかな持ち直しの動きが見られ、企業の設備投資が底堅く推移するなか、追加利上げも実施される等、景気は緩やかに回復基調となっております。一方で、依然エネルギー価格や原材料価格の更なる高騰の懸念があり、米国における通商政策および関税政策を巡る不透明感もあり、企業の設備投資姿勢は総じて慎重な状況が続いております。さらに、長期化するロシアによるウクライナ侵攻や中東地域における地政学的リスクもあり、金融資本市場等の経済の先行きは不透明な状況で推移しております。 このような状況のもと、当社グループは、幅広い市場への納入実績を活かし、北米以外の地域やEV関連以外の分野への営業活動を強化するとともに、設備の新設のみならず、既存顧客への設備改造及び移設・各種部品の供給等、潜在的な需要の開拓及びカスタマーサービス体制を強化し、利益水準の向上に努めてまいります。 昨今の市場のニーズが急速に変化する環境下においては、新技術の開発が不可欠であるとの認識のもと、積極的に技術開発を推進し、さらなる企業価値向上を目指しております。具体的には、当社のコア技術である「高クリーン・超薄膜コーティング技術」及び「ウェットコーティングとドライコーティングの融合」を軸とした新技術の開発に注力しております。 また、安定した技術の継続的な提供や市場ニーズに対する最適な新技術の開発は、当社グループの持続的な成長と発展において重要であります。その実現に向けては、次代を担う優秀な人材の育成は不可欠であると考えており、継続的な人材採用を進めるとともに、国内外の大学機関との共同研究開発、OJTや各種研修等を通じた人材育成を積極的に実施し、経営層及び技術者層のさらなる強化を図ってまいります。 さらに、財務上の課題としましては、近年、輸出案件の増加傾向が見られる一方で、世界情勢の不安定化により景気の先行きが不透明な状況にあります。このような環境下においては、与信限度の適切な管理及び売掛金の確実な回収が重要な課題であります。これに対応するため、営業部門における契約時の回収条件の適正化、並びにコーポレート部門における債権管理を徹底し、早期回収及び貸倒れの未然防止に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、訪日外国人客数の回復・拡大を背景としたインバウンド需要の増加に加え、賃上げの広がりに伴う雇用・所得環境の改善を受けて、個人消費は緩やかな持ち直しの動きが見られました。一方で、物価上昇の影響により消費者マインドには慎重さが残り、個人消費の回復は力強さを欠く局面も見られました。企業活動においては、収益改善への期待を背景に、AI基盤投資や省力化・省人化対応、業務効率化を目的としたデジタル化等のDX投資を中心に設備投資は底堅く推移いたしましたが、金利動向や海外経済の先行きに対する不透明感を背景として、投資内容や投資時期につきましては慎重に判断する動きも見られました。このような状況のもと、日本銀行による金融政策の正常化が段階的に進展し、金融環境は緩和的な状態を維持しつつも、金利は上昇局面に移行しました。世界経済におきましては、高金利水準が継続する中で、欧米諸国を中心に個人消費や企業の設備投資に減速感が見られる局面がありました。インフレ率の鈍化を受け、金融引き締め政策からの転換が意識される場面も見られましたが、米国における通商政策および関税政策を巡る不透明感もあり、企業の設備投資姿勢は総じて慎重な状況が続きました。中国におきましては、設備投資やハイテク関連投資の下支えはあったものの不動産市場の調整が長期化する中、内需の回復は限定的な水準にとどまり、景況感の改善には至らず経済成長の鈍化傾向が継続いたしました。さらに、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東地域における地政学的緊張の高まりを背景として国際情勢は依然として不安定な状況が継続しており、これに伴い、エネルギー価格および原材料価格については、地政学的要因や国際的な資源需給動向の影響を受けて高止まりの傾向が続いております。また、為替市場および株式市場においても、各国の金融政策動向や国際情勢の変化等を受けて変動性の高い状況が続いており、企業活動を取り巻く事業環境については、引き続き先行き不透明な状況にあります。このような経済環境のもと、当社グループにおきましては、「成長基盤の確立~収益性・生産性の拡大」をスローガンに掲げ、『中期経営計画(2024-2027年度)』のもと、企業価値の向上に向けた事業運営に取り組んでまいりました。しかしながら、当社グループの主要市場である北米において、EV市場の減速が明確となりました。特に北米市場においては、米国の政策転換に伴いEV関連投資が大幅に縮小した結果、主要顧客による設備投資計画の見直しや投資時期の後ろ倒しが相次ぎました。このため、当連結会計年度の売上高は32,285百万円(前期比33.2%減)となり、利益面では、一部の案件において外注費等が増加したことにより、営業利益は1,599百万円(前期比4.9%減)、経常利益は1,706百万円(前期比9.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,313百万円(前期比45.0%増)となり、前回予想を下回る水準となりました。また、EV関連の機械装置の受注量が前期比で大きく減少したほか、付帯工事を含む周辺業務の案件数も大幅に縮小いたしました。利益におきましても、一部案件において受注条件の見直しが進んだことにより、利益の下振れが一定程度緩和されたものの、他市場での受注量に改善が見られなかったことからその影響は限定的なものとなりました。また、顧客の設備投資計画の見直しにより、複数の案件において総額7,229百万円のキャンセルが発生した結果、当連結会計年度末の受注残高は減少しております。なお、当該キャンセルに関しては、キャンセルに至るまでに当社が負担した準備費用及び作業費用、材料費用等については、契約条件に基づき回収可能であり、損益に大きな影響を与えることはありません。その結果、当連結会計年度における受注高は23,605百万円(前期比28.7%減)、受注残高は31,649百万円(前期末比33.5%減)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 (塗工機関連機器)当セグメントは、国内においてディスプレイ市場向けの光学機能性フィルム塗工装置の売上が堅調に推移したものの、EV市場の減速に伴う北米主要顧客の設備投資計画の見直し等により輸出が減少し、売上高は25,348百万円(前期比39.7%減)、うち国内は5,436百万円(前期比294.2%増)、輸出は19,912百万円(前期比51.0%減)となりました。利益面におきましては、一部案件において受注条件の見直しが進んだことにより、セグメント利益は2,554百万円(前期比0.5%増)となりました。受注残高につきましては、20,907百万円(前期比48.2%減)、うち国内は6,345百万円(前期比17.1%増)、輸出は14,562百万円(前期比58.3%減)となりました。 (化工機関連機器)当セグメントは、電子材料関連の成膜装置を中心として、産業資材向け装置の売上も堅調に推移し、売上高は5,478百万円(前期比17.9%増)、うち国内は2,231百万円(前期比12.2%減)、輸出は3,247百万円(前期比54.3%増)となりました。前期に発生した一部案件における顧客との仕様決定及び機械装置の調整に伴うコストが解消したこともあり、セグメント利益は962百万円(前期比227.8%増)となりました。受注残高につきましては、10,250百万円(前期比56.9%増)、うち国内は2,514百万円(前期比26.8%増)、輸出は7,735百万円(前期比70.1%増)となりました。 (その他)当セグメントは、染色整理機械装置、各種機器の部品の製造及び修理・改造などを行っております。売上高は1,458百万円(前期比13.6%減)となりました。売上の減少に加え、原価の上昇や販管費の増加により、セグメント損失は183百万円(前期はセグメント利益271百万円)となりました。受注残高につきましては、491百万円(前期比29.0%減)となりました。 当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ3,908百万円減少し、57,785百万円となりました。以下において主な科目別に説明いたします。 (資産)流動資産は前連結会計年度末に比べ5,609百万円減少し、42,895百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金が375百万円、有価証券が300百万円それぞれ増加した一方で、売上債権及び契約資産が3,650百万円、前渡金が1,607百万円、その他に含まれる未収消費税等が1,086百万円それぞれ減少したことによります。また、固定資産は前連結会計年度末に比べ1,701百万円増加し、14,889百万円となりました。その主な要因は、研究開発設備等への投資に伴い建設仮勘定の増加により有形固定資産が521百万円、投資その他の資産が1,224百万円それぞれ増加したことによります。 (負債)流動負債は前連結会計年度末に比べ5,486百万円減少し、17,019百万円となりました。その主な要因は、前受金が2,864百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が4,793百万円、電子記録債務が1,134百万円、短期借入金が2,500百万円それぞれ減少したことによります。また、固定負債は前連結会計年度末に比べ418百万円増加し、1,365百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が253百万円、繰延税金負債が252百万円それぞれ増加したことによります。 (純資産)純資産は前連結会計年度末に比べ1,159百万円増加し、39,400百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を1,313百万円計上したこと、その他有価証券評価差額金が982百万円、退職給付に係る調整累計額が152百万円それぞれ増加した一方で、配当金を1,316百万円支払ったことによります。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ375百万円増加し、11,628百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、4,703百万円の収入(前連結会計年度は724百万円の支出)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益が1,706百万円になったこと、売上債権及び契約資産が3,440百万円、前渡金が1,541百万円それぞれ減少したこと、並びに前受金が2,889百万円増加したことによります。また、主な減少要因は仕入債務が5,625百万円減少したことによります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、839百万円の支出(前連結会計年度は147百万円の支出)となりました。主な支出要因は研究開発設備への投資に伴う有形固定資産の取得による支出が673百万円あったことによります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、3,419百万円の支出(前連結会計年度は1,776百万円の支出)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入が920百万円あったことによります。また、主な減少要因は、短期借入金が2,500百万円減少したこと、及び配当金の支払額が1,315百万円あったことによります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)塗工機関連機器20,995,601△42.6化工機関連機器4,244,001+5.6その他1,406,680+14.1合計26,646,283△36.3(注)金額は生産原価で、上記には外注生産によるものを含んでおります。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前期末比(%)塗工機関連機器13,150,699△50.620,907,743△48.2化工機関連機器9,196,701+79.410,250,113+56.9その他1,258,040△9.0491,933△29.0合計23,605,440△28.731,649,790△33.5(注)1.金額は販売価額によっております。2.塗工機関連機器につきましては、前期末受注残高に当期受注高・当期売上高を加減算した額が当期末受注残高に一致しておりません。これは、顧客の設備投資計画の見直しによるキャンセルに伴い受注残高より7,229,789千円を減額したことによります。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)塗工機関連機器25,348,701△39.7化工機関連機器5,478,119+17.9その他1,458,553△13.6合計32,285,374△33.2(注)1.金額は販売価額によっております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。なお、前連結会計年度において主要な販売先に該当する社数が3社ありますが、販売先と秘密保持契約を締結しているため主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その社名、金額及び割合の公表は控えさせていただきます。相手先当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)日東電工株式会社3,623,08611.2LG Energy Solution Arizona ESS, Inc.3,420,57210.6 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは、最先端技術分野への高精密・高精度な製造装置メーカーとしてリーディングカンパニーを目指し、「顧客満足度の向上」・「環境エネルギー市場への拡販」・「コスト競争力の強化」を最優先に各業界へ技術革新に対応した最新機器を提供すべく製品開発を行い、グローバルな活動を推進してまいります。 営業及び開発・設計・製造さらに据付からアフターサービスに至るまで、グループ一体となりさらなる企業価値向上を目指し、「より高い精度の製品を供給し続けること」を念頭におき活動してまいります。 当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、当社グループの主要市場である北米において、EV市場の減速が明確となりました。特に北米市場においては、米国の政策転換に伴いEV関連投資が大幅に縮小した結果、主要顧客による設備投資計画の見直しや投資時期の後ろ倒しが相次ぎ、大きく業績に影響を及ぼした結果、売上高は32,285百万円となりました。 売上総利益は5,639百万円となりました。また、売上総利益率は17.5%となりました。 営業利益は1,599百万円となり、経常利益は1,706百万円となりました。 また、親会社株主に帰属する当期純利益は1,313百万円となりました。 セグメントごとの経営成績の状況につきましては、塗工機関連機器部門では、国内においてディスプレイ市場向けの光学機能性フィルム塗工装置の売上が堅調に推移したものの、EV市場の減速に伴う北米主要顧客の設備投資計画の見直し等により輸出が減少となりました。化工機関連機器部門では、電子材料関連の成膜装置を中心として、産業資材向け装置の売上が堅調に推移し、前期に発生した一部案件における顧客との仕様決定及び機械装置の調整に伴うコストが解消したことにより、増益となりました。 今後の見通しにつきましては、米国の通商・関税政策の動向や地政学的リスクの影響等により、国際金融市場および為替市場は引き続き不安定な状況が継続する可能性があり、企業活動を取り巻く事業環境は先行き不透明な状況が続くものと見込まれます。 このような環境のもと、当社グループの主要顧客において設備投資計画の見直しの動きが見られており、特に北米におけるEV関連分野の設備投資は引き続き慎重な状況が継続することが見込まれます。一方で、環境対応や省力化・自動化ニーズを背景とした設備更新需要や改造・移設需要は底堅く推移するものと見込んでおり、当社グループは、北米以外の地域やEV関連以外の分野への営業活動を強化するとともに、既存顧客に対する設備改造・移設や保守サービスの提案を積極的に推進することにより、安定的な収益の確保と収益力の向上に努めてまいります。 なお、2025年5月に公表した業績予想と比較した当連結会計年度の実績は、売上高32,285百万円(予想比1,214百万円減)、営業利益1,599百万円(予想比99百万円増)、経常利益1,706百万円(予想比106百万円増)、経常利益率5.3%(予想4.8%)となりました。 EV市場の減速や米国の政策転換の影響を受け、主要顧客による設備投資計画の見直しや投資時期の後ろ倒しが発生しましたが、一部案件において受注条件の見直しが進み、化工機関連機器部門では、前期に発生した一部案件における顧客との仕様決定及び機械装置の調整に伴うコストが解消したことにより、2025年5月に予想した経常利益率4.8%を上回る結果となりました。連結経営目標数値 (単位:百万円) 2026年3月期予想2026年3月期実績計画比増減売上高33,50032,285△1,214営業利益1,5001,599+99経常利益1,6001,706+106 当社グループが製造販売する塗工機関連機器、化工機関連機器、その他の産業用機械業界は世界経済の動向に左右されるため、消費マインドの低下やテロ等の特殊要因による社会的混乱、グローバル経済下で国際商品市場の高騰による素材価格の急騰、災害及び感染症の流行等の影響で、操業を停止せざるを得ないような事態により製品の供給が遅れる場合は、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。 当社グループは財務基盤の強化を図るとともに、将来見込まれる成長分野への設備投資を進めてまいります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 キャッシュ・フローの状況の分析 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品部材の仕入、法人税等の支払、設備投資、研究及び技術開発費用、借入金の返済、配当金の支払等であり、投資資金については、営業活動で獲得した資金と、金融機関からの借入れにより資金の調達を行っております。その調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、調達規模、既存の借入れの弁済時期等を総合的に考慮し、実施しております。 また、株主還元については、企業の収益状況により決定するものと考えており、安定的な配当の維持を基本としております。 なお、2024年度~2027年度の配当金につきましては、中期経営計画(2024年度~2027年度)の株主還元方針を維持し、安定的かつ継続的な株主配当の充実を目的としてDOE3.5%または配当性向60%のいずれか高い金額を目安に実施いたします。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、報告数値に影響を与える見積りは、その時点で最も合理的と考えられる基準にて実施しておりますが、見積り等の不確実性があるため実際の結果は異なる場合があります。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

事業リスク

  • 設備投資需要の変動
    産業用機械業界は、景気変動や消費マインド、世界経済の動向に大きく左右されます。特に、EV市場の減速や地政学リスクによる設備投資の停滞は、受注済案件のキャンセルや不良債権の発生につながり、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。顧客の設備投資計画変更は、同社の収益に直接影響を与える重要なリスクです。
  • 技術者確保と育成の困難
    多岐にわたる市場に技術を提供するため、継続的な固有技術の継承と新技術の開発が不可欠です。しかし、労働市場の逼迫により優秀な技術者の採用や育成が困難になったり、大量退職が発生したりすると、事業展開が制約される可能性があります。技術革新が求められる中で、人材確保は企業の競争力を維持するための重要な課題です。
  • 原材料調達と価格高騰
    製品の製造原価の約6割を鋼材・部材が占め、各種電気部品も外部からの購入に依存しています。市場の急激な変化による原材料や部材の価格高騰、半導体不足による電気部品の納期遅延は、生産活動に支障をきたし、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。調達コストの上昇を販売価格に転嫁できない場合、利益率の悪化につながります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,065 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)新規設備等の投資需要に関するリスク 当社グループが製造販売する産業用機械業界は、消費マインドの低下や市場の動向により左右されます。また、原油の高騰又はテロ等世界経済の動向にも大きく左右されるため、社会的混乱やグローバル経済下での市場経済環境の大きな変化による設備投資需要の動向いかんによっては、計画の見直し又は中止により受注済案件のキャンセルに伴う棚卸資産の評価損失や、客先の経営環境の悪化による不良債権の発生など、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 近年、EV市場の拡大を背景に、当社はエネルギー関連分野を注力分野と位置付け、経営資源を集中させる戦略を進めてまいりました。しかしながら、世界的なEV需要の減速や米国の政策転換等の影響で、市場環境が急速に変化し、顧客の設備投資計画の見直しや投資時期の不透明化等により、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 こうした外部環境の変動に対応するため、幅広い市場への納入実績を活かし、北米以外の地域や様々な市場へも積極的に受注活動を行い、設備の新設のみならず、改造及び移設・各種部品の供給等、潜在的な需要の開拓及びカスタマーサービス体制を強化してまいります。 (2)技術者の確保と育成に関するリスク 当社グループは多岐にわたる市場に技術を提供しており、提供先の設備の更新並びに増設の頻度は様々であります。数年から数十年にわたり利用される製品ゆえに、継続的な固有の技術からその時代に応じた新技術が求められます。しかしながら、労働市場の逼迫等により採用、育成や雇用に支障をきたす事態等の発生により従業員が大量に退職した場合には、当社グループの事業展開が制約される可能性があります。 このため、次代を担う優秀な人材を育成し、固有技術の確実な継承と新技術の開発力の強化が必須であると考えており継続的な人材採用、OJTや研修等による人材育成を積極的に実施しております。 (3)材料調達に関するリスク 当社グループの製品は他社にはない独自の革新的な技術のもとに成り立っており、当製品における製造原価のうち約6割を鋼材・部材等が占める他、各種電気部品等の供給についても外部からの購入に依存しております。 市場の急激な変化により原材料や部材等及びそれらに含まれている加工費等の価格が高騰する等のリスクがあります。それによる調達コストの上昇を販売価格に転嫁できない場合や、半導体不足等による電気部品が長納期化することによる納期遅延など、当社グループの生産活動に支障が生じる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 このため、常に材料価格や人件費の市場動向に注視するとともに、関連部品の先行手配や、複数の仕入先を確保し、仕入価格の安定及び調達に努めております。 (4)退職給付債務に関するリスク 当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響額は将来にわたり認識されるため費用に影響を及ぼします。よって当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 このため、定期的に財政再計算を実施し基礎率の見直しを行っており、主幹の運用機関から運用に関するアドバイスを受けるようにしております。また、年金資産については、運用に当たり当社が定めた運用基本方針に基づき、委託した運用受託機関において運用を行っております。所管部署である当社総務部では、運用受託機関との定期的な情報交換を行い、定量的・定性的な評価を実施し、運用状況を適切に管理しております。 (5)知的財産等に関するリスク 当社グループは当連結会計年度末時点で、特許を182件保有しておりますが、製品や事業分野において第三者の特許が成立した場合や、当社グループが認識していない特許等が現在成立している場合、当該第三者より当該特許に関する対価の支払請求、又は損害賠償及び製品の販売差止め等の訴えを提起される可能性があります。 また、当該特許等技術を使用した製品の納入先(顧客)より、当該製品が使用できなくなった場合や一部地域の法的制度の違い等の事由に関して、損害賠償等の訴えを提起される可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは特許管理部門が、複数の特許事務所と連携し定期的に関連の知的財産の確認及び当社グループが保有する特許等の適切な管理を実施しリスク回避を行っております。 (6)災害・感染症等に関するリスク 当社グループでは、地震、台風等の自然災害及びウイルス等による感染症の流行や、その他の社会的混乱により操業を停止せざるを得ないような事態に備え、従業員の安全確保、災害及び感染症の未然防止、早期復旧、取引先との連携等リスク分散を実施しております。 本社工場につきましては、自治体より隣接する河川の大規模な氾濫により3m未満の浸水が予想されている地域にあります。そのため、生産工場や屋外キュービクルなど水防対策に取り組む他、操業停止による影響を最小限に抑えるため、BCP(事業継続計画)も考慮した木津川工場(京都府木津川市)を第二の拠点として稼働させ、リスクの低減を図っております。 しかしながら、予想を超える規模の被災により両拠点の建物・設備の倒壊・破損や感染症の発生などにより生産活動の休止等が生じた場合、客先への製品の供給が遅れること等により、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (7)海外子会社の事業活動に関するリスク 当社グループは、2023年3月にアメリカにメンテナンスサービス並びに各種工事を実施する子会社を設立いたしました。運営に際しては、相手国の政治・社会・経済等の環境変化に起因した様々なリスクが発生する恐れがあります。また、設立間もないことから投資利益実現までには一定の期間と資金を要する可能性があり、当初予定どおりに事業展開、及び収益が得られない可能性があります。 このため、子会社及び各種専門家との連携を進め、経営判断の早期化によりリスク軽減に努めてまいります。 (8)為替変動に関するリスク 当社グループでは、海外子会社の財務諸表を連結財務諸表作成のために円換算しております。そのため、金融市場が混乱し大幅な為替変動が生じた場合は、輸出入の取引、連結財務諸表における財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 このため、このようなリスクに対応して、当社グループは取引の一部を円建てとする他、仕入と売上の決済通貨を統一するなど、急激な為替変動に備え適切なリスクヘッジ等の検討を行っており、リスクが顕在化した場合は速やかに意思決定できるように体制構築を目指してまいります。

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