事業の概要
- 熱交換器事業日阪製作所は、化学工場、造船、食品、空調、発電設備など幅広い産業向けに、プレート式熱交換器(PHE)やブレージングプレート式熱交換器(BHE)の製造販売を主力としています。これらの製品は、液体や気体の熱を効率的にやり取りする装置で、エネルギー効率の向上やプロセスの安定化に貢献しています。特に超大型集中冷却システム用やスラリー用異間隙PHEなど、多様なニーズに対応する製品を展開しています。
- プロセスエンジニアリング事業食品や医薬品の製造プロセスに必要な装置やプラントを提供しています。具体的には、レトルト調理殺菌装置、無菌米飯製造プラント、医療用滅菌装置、バイオ・医薬機器装置などがあります。これらの装置は、食品の安全確保や医薬品の品質管理に不可欠であり、顧客の生産性向上と製品の信頼性向上を支援するソリューションを提供しています。
- バルブ事業ボールバルブ、ダイヤフラムバルブ、シールドバルブなど、様々な種類のバルブを製造販売しています。これらのバルブは、流体の流れを制御するために不可欠な部品であり、標準型から高温高圧用、超低温用、耐スラリー用など、特殊な用途に対応する製品も提供しています。幅広い産業のプラントや設備で利用され、安全性と効率的な運用を支えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 熱交換器事業この事業は、化学、造船、食品、空調、発電設備など幅広い産業向けに、プレート式熱交換器(PHE)やブレージングプレート式熱交換器(BHE)を製造販売しています。最新年度の売上高は161.52億円、営業利益は13.42億円と、同社の中核を担う事業の一つであり、多様な産業の熱管理ニーズに応える製品を提供しています。
- プロセスエンジニアリング事業食品機器(レトルト調理殺菌装置、無菌米飯製造プラントなど)と医薬機器(医療用滅菌装置、バイオ・医薬機器装置など)を中心に、各種プラントや装置の製造販売、エンジニアリングを手掛けています。最新年度の売上高は171.58億円、営業利益は14.18億円と、最も高い売上と利益を上げており、食品・医薬分野の安全性と効率化に貢献しています。
- バルブ事業ボールバルブ、ダイヤフラムバルブ、シールドバルブなど、流体制御に不可欠な各種バルブを製造販売しています。標準型から高温高圧用、超低温用といった特殊用途まで幅広い製品ラインナップが特徴です。最新年度の売上高は49.54億円、営業利益は2.92億円であり、他の事業と比較すると規模は小さいものの、産業インフラを支える重要な役割を担っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| HeatExchangerDivision | 事業 | 162 | 13 | 8.3% |
| ProcessEngineeringDivision | 事業 | 172 | 14 | 8.3% |
| ValveDivision | 事業 | 50 | 3 | 5.9% |
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3【事業の内容】 当社グループは、プレート式熱交換器(PHE)、ブレージングプレート式熱交換器(BHE)、レトルト調理殺菌装置、無菌米飯製造プラント、サニタリーバルブ、全自動連続殺菌冷却装置、食品・化学機械装置、医療用滅菌装置、バイオ・医薬機器装置、電子計測機器、高温高圧染色機、超臨界技術利用装置、ボールバルブ等の製造販売及びエンジニアリング事業を主な事業としております。 セグメント毎の主な製品は次のとおりであります。セグメント区分製品内容熱交換器事業プレート式熱交換器(化学・造船・食品・空調・発電設備用・超大型集中冷却システム用・スラリー用異間隙・汎用型等)、溶接シール型PHE、プレート式コンデンサー、大容量加湿器、その他熱回収装置、ブレージングプレート式熱交換器(冷凍機用蒸発・凝縮器、集合住宅用給湯器等)、吸収式冷温水器用大型BHE、スチーム専用BHE、全溶接型プレート式熱交換器等プロセスエンジニアリング事業食品機器レトルト調理殺菌装置、短時間調理殺菌装置、連続濃縮浸漬装置、真空ベルト乾燥機、真空冷却装置、その他殺菌・滅菌装置用FAシステム、無菌米飯製造プラント、プレート式・チューブ式液体連続殺菌装置、スピンジェクション式・インジェクション式液体連続殺菌装置、食品専用PHE、各種エキス用抽出・濃縮・殺菌・乾燥プラント、液体・乳業向けサニタリーバルブ、導電率センサー、プラント施工、全自動連続殺菌冷却装置、食品・化学機械装置、電子計測機器等医薬機器医療用滅菌装置、抽出・調合・グローバル濃縮・滅菌・乾燥装置、医薬用ピュアスチーム発生装置、調剤設備、バイオハザード用滅菌装置、医薬向けサニタリーバルブ、導電率センサー、バイオ・医薬機器装置、電子計測機器等染色仕上機器高温高圧液流染色機、高温高圧糸染・乾燥装置、常圧液流染色機、超低浴比気流式染色加工機、不織布用拡布染色機、多目的(風合出し)特殊加工機、衛生材料用殺菌晒加工機、オゾン漂白加工機、真空加圧含浸装置、高温湿熱(形態安定)処理装置、超臨界技術利用装置、その他省力化FA染色工場設備等バルブ事業ボールバルブ(標準型、三方型、自動型、高温高圧用メタルタッチ、PFAライニング、ジャケット型、タンク底型、ポケットレス型、エフレス型、バンブー型、デュアックス型(摺動しない)、超低温用、耐スラリー用、切り出し用等)、ダイヤフラムバルブ、シールドバルブ等 当社グループの事業系統の概要は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料・資材価格の下落が製品価格の下落圧力となる可能性があるため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 プレート式熱交換器、レトルト調理殺菌装置、無菌米飯製造プラント等の製造販売及びエンジニアリング事業 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:経済状況(景気変動、為替変動) / 原材料・資材価格の変動 / 退職給付債務の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
日阪製作所は特定のブランド力や特許、規制ライセンスによる明確な無形資産の優位性は、公開情報からは確認できない。汎用的な産業機械メーカーとしての側面が強い。
スイッチングコスト★★★☆☆
熱交換器や圧力容器などのプラント設備は、一度導入すると仕様変更や他社製品への切り替えに多大なコストと時間を要する。特に特殊仕様や既存設備との互換性が求められる場合、顧客は容易に乗り換えられない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の製品はBtoBの設備投資であり、ユーザー数が増えることで製品価値が向上するようなネットワーク効果は発生しない。
コスト優位★☆☆☆☆
長年の製造ノウハウや効率化の努力はあると推測されるが、競合他社と比較して構造的に大幅なコスト優位性を持つという情報は確認できない。汎用品では価格競争に晒される可能性がある。
規模の経済★★★☆☆
熱交換器や圧力容器の分野で、国内有数のメーカーとして一定の生産規模と納入実績を持つ。これにより、設計・製造・調達における効率性をある程度確保し、業界内で安定した地位を築いていると考えられる。
- 多様な熱交換器技術同社はプレート式熱交換器(PHE)やブレージングプレート式熱交換器(BHE)において、汎用型から超大型、特殊用途向けまで幅広い製品ラインナップを持っています。これにより、化学、造船、食品、空調、発電設備など多岐にわたる産業の複雑な熱管理ニーズに対応できる技術力と製品提供能力が強みと考えられます。
- 食品・医薬分野の専門性レトルト調理殺菌装置、無菌米飯製造プラント、医療用滅菌装置など、食品・医薬分野に特化したプロセスエンジニアリング技術と製品を有しています。これらの分野は高い品質基準と安全性が求められるため、長年の実績とノウハウが顧客からの信頼と競争優位につながっていると考えられます。
- 幅広い産業向けバルブ製品標準的なボールバルブから、高温高圧用、超低温用、耐スラリー用といった特殊な環境に対応するバルブまで、多様な製品を提供しています。これにより、幅広い産業の流体制御ニーズに応えることができ、顧客の多様な要求に応じた最適なソリューションを提供できる点が強みと言えるでしょう。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社は、経営理念、存在意義を軸に、経営ビジョン、マテリアリティ(重要課題)を踏まえて3か年の中期経営計画を策定・実行することで持続的な成長を目指しております。また、企業価値の向上を目的として、資本コストや株価を意識した経営にも取り組んでおります。これらの概要は以下のとおりです。 なお、新中期経営計画の詳細については、2026年5月15日公表の「新中期経営計画「Challenge2028」の概要に関するお知らせ」を、資本コストや株価を意識した経営の詳細については同日公表の「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について(進捗報告)」をご覧ください。 ①前中期経営計画「G-23」の総括 前中期経営計画「G-23」(2024年3月期~2026年3月期)では、新事業所を開設したほか既存事業所の再構築に着手するなど、事業基盤の拡充を進めました。あわせて、「省エネ」「省人化」に貢献する製品・サービスの開発や販売を推進するとともに、メンテナンス事業の拡大にも注力しました。また、企業価値の向上を図るため、政策保有株式の縮減やキャッシュ・アロケーションの開示、株主還元の強化などにも取り組みました。一方で、想定を上回るコスト上昇により、営業利益及び経常利益は計画を下回りましたが、政策保有株式の縮減に伴う株式の売却益が発生し、親会社株主に帰属する当期純利益は計画を上回りました。 ⅰ.主な取り組みと成果 ●プロセスエンジニアリング事業強化を目的とした新事業所「生駒事業所」の新設・稼働 ●熱交換器事業、バルブ事業の強化を目的とした既存事業所「鴻池事業所」の再構築に着手 ●海外でメンテナンスサービスを強化するため東南アジア、中東に新拠点を新設 ●省エネ型食品殺菌装置など、省エネ・省人化ニーズに対応する製品の開発推進 ●株主還元強化のため、配当水準を引き上げるとともに自己株式の取得・消却を実施 ⅱ.「G-23」連結業績目標とその結果 (単位:百万円) 前々中期経営計画「G-20」最終年度2023年3月期 実績前中期経営計画「G-23」最終年度 2026年3月期当初目標実績受注高34,62141,00042,591売上高34,07440,00044,890営業利益1,9123,6003,303経常利益2,3923,8003,620親会社株主に帰属する当期純利益2,0402,6003,449営業利益率5.6%9.0%7.4%ROA(総資産経常利益率)3.5%4.9%4.4%ROE(自己資本当期純利益率)3.7%4.5%5.6% ②新中期経営計画「Challenge2028」(2027年3月期~2029年3月期)の概要 ⅰ.経営方針 経営理念、当社の存在意義を軸に、経営ビジョンや、マテリアリティ(重要課題)を踏まえて中期経営計画を策定し、経営方針としております。経営理念「HISAKA MIND」(社訓、社是、五原則、行動指針)存在意義社会課題を解決できる「省エネ」「省人化」を実現する良質な「機械」や「サービス」を安定して供給できるメーカーであること経営ビジョン(目指す姿)「気候変動への挑戦」“Challenge for Climate Change”マテリアリティ●気候変動への対応 ●責任ある製品・サービスの提供●安全安心で働きがいのある職場環境 ●経営基盤の強化中期経営計画「Challenge2028」 ⅱ.新中期経営計画 ●経営ビジョン「気候変動への挑戦」の実践 ●持続的成長と企業価値向上の実現 ●2029年3月期 営業利益50億円以上の達成 ●2031年3月期 ROE8%以上実現、早期にPBR1倍以上を目指す ⅲ.重点戦略 <成長戦略>既存事業の収益力・競争力強化 事業ポートフォリオの最適化●既存製品の改良開発、新製品開発●顧客との長期的関係強化●価格戦略・コスト競争力強化 ●新規事業創出、新市場開拓●経営資源を重点領域に再配分 <基盤強化>人的資本の戦略的強化 生産性向上 資本効率と企業価値の向上●人材の確保と育成●経営理念浸透と実行力強化 ●KPI管理の強化●デジタル化等による 業務効率化 ●資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応●ガバナンスの強化 ⅳ.各事業の重点戦略 熱交換器事業プロセスエンジニアリング事業バルブ事業提供価値●プレート式熱交換器を核に熱の利活用をソリューションとして提案●顧客ニーズに合わせた価格・仕様の製品を提供●SDGsやESG経営に貢献する省エネ・環境製品の提供●生産性向上とコスト低減に貢献する自動化・効率化及びトータルコスト低減設備やサービスの提供●流体制御に関する高機能製品の提供、用途別の最適化提案・対応を通じ、最適な生産ラインを実現事業方針●熱交換器単体でのビジネスモデルの明確化と収益基盤の再構築●重点市場での競争力強化による、安定的な事業運営の実現●顧客価値を起点とした提案力・対応力の高度化による事業領域拡張●事業成長に向けた課題対応を通じた、安定的な収益基盤の確立●事業環境や市場構造の変化を踏まえた事業展開の見直し●新製品創出の加速に向けた開発プロセスおよび組織連携の高度化主な取り組み●CO2回収や廃熱回収に関する熱交換器提供によるカーボンニュートラル社会実現への貢献●次世代汎用機種の開発、市場定着●メンテナンス事業強化●生産性向上、CCC改善●他社協業推進●省エネ・省人化に資する製品・サービスの提供による社会課題解決への貢献●アフターサービスの拡充、アフター需要の喚起●基盤機種標準化による効率化、製造原価低減●生産性向上、CCC改善●グループ会社協業推進●新エネルギーに関する新製品開発・提供●重点市場に向けた新製品開発●既存製品の改良開発によるコスト削減●生産性向上、CCC改善●グループ会社協業推進 ⅴ.数値目標 (単位:百万円) 前々中期経営計画「G-20」最終年度2023年3月期 実績前中期経営計画「G-23」最終年度2026年3月期 実績新中期経営計画「Challenge2028」最終年度2029年3月期 計画受注高34,62142,59154,000売上高34,07444,89055,000営業利益1,9123,3035,000営業利益率5.6%7.4%9.1%経常利益2,3923,6205,300親会社株主に帰属する当期純利益2,0403,4494,200ROA (総資産経常利益率)3.5%4.4%6.8%ROE (自己資本当期純利益率)3.7%5.6%7.0%ROIC(投下資本利益率)2.4%3.4%5.5% ③資本コストや株価を意識した経営の実現への対応 ⅰ.現状認識当社のPBRは、2026年3月期において0.64倍となり、従来の0.4倍台から上昇しました。これは、政策保有株式の縮減や増配及び自己株式の取得等の株主還元に加え、収益性改善に向けた各種施策が一定の成果を上げたものと認識しております。一方で、PBRは依然として1倍を下回る水準にとどまっております。その要因として、ROEが株主資本コストに対して低水準にあり、エクイティ・スプレッドが限定的であることが要因のひとつと認識しております。 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期PBR(倍)0.410.450.470.450.64ROE(%)3.83.74.26.35.6配当性向(%)41.055.248.933.142.2DOE(%)1.62.02.02.12.4 ⅱ.成長戦略及び投資当社は、コア技術である流体の熱と圧力を制御する技術を駆使し、カーボンニュートラルや食品ロス削減、省エネ・省人化などの社会課題解決に貢献することで、持続的成長と企業価値向上を図ります。また、事業ポートフォリオ見直しや海外展開、新規事業・新製品開発を推進するとともに、部品・メンテナンス事業及び生産体制強化等を通じて収益性向上を目指します。2026年4月より新中期経営計画「Challenge2028」(以下、新中計)を開始し、前中期経営計画「G-23」(以下、前中計)に基づく投資成果の収益化と、事業ポートフォリオ最適化や成長分野への重点投資を通じて、収益性及び資本効率の向上に取り組んでまいります。新中計最終年度となる2029年3月期には営業利益50億円以上、ROE7%以上、さらに2031年3月期にはROE8%以上及びPBR1倍以上の達成を目指しております。 ⅲ.政策保有株式の縮減当社は、前中計において、政策保有株式の縮減を重要施策と位置付け、資本効率向上及びバランスシート最適化の観点から継続的に見直しを進めてまいりました。2026年3月期には約12億円を縮減し、2026年3月末時点の保有額は11,912百万円(純投資目的を除く)、連結純資産比率は18.9%となりました。今後も保有の妥当性を継続的に検証するとともに、さらなる縮減を進めることで2031年3月末までに政策保有株式の連結純資産比率15%以下を目指します。なお、創出された資金は成長投資及び株主還元に活用し、資本効率向上を図ってまいります。 政策保有株式の保有状況の推移 ⅳ.株主還元の強化当社は資本政策の基本方針として、「内部留保とのバランスを考慮しつつ、連結純資産及び連結業績の状況を勘案し、連結純資産配当率(DOE)2.0%を下限とするとともに、配当性向30%以上を目途に継続的・安定的な配当に努める」こととしております。また、自己株式取得につきましても、弾力的・機動的に実施してまいります。2026年3月期の配当につきましては、創業以来初の 400 億円超の売上高を達成したことなどを踏まえ、1株当たり45円から55円に増配しました。2027年3月期の配当につきましても、安定的かつ継続的な株主還元を実現するため、増配を行った前期の配当額を据え置き、1株当たり55円(配当性向60%)とする計画です。新中計の3か年におきましては、株主還元を強化するため、成長投資等とのバランスを考慮した上で、自己株式取得を含めた総還元額は前中計の60億円を上回る80億円から110億円とする計画です。当社は今後も、業績・財務状況及び成長投資の機会等を総合的に勘案し、株主還元の充実と資本効率向上に取り組んでまいります。配当金の推移ⅴ.IRへの取り組み当社は、投資家との建設的な対話を重視し、決算説明会の実施や説明会資料のウェブサイト公開、統合報告書の発刊、工場見学会の開催等を通じて、情報開示及び事業理解の促進に努めてまいりました。今後も、投資家との対話及び情報開示のさらなる充実に努めるとともに、対話を通じて得られた意見・提案を経営戦略や資本政策へ適切に反映させることで、企業価値向上及びPBR改善につなげてまいります。 ④中期経営計画期間におけるキャッシュ・アロケーション当社は、持続的成長と企業価値向上に向け、成長投資を優先しつつ、株主還元の充実及び財務基盤強化とのバランスを意識した資金配分を行っております。前中計における3か年のキャッシュ・アロケーションは、営業キャッシュ・フローによる収入が59億円あったほか、成長投資のため社債及び借入による資金調達50億円を実施しました。また、政策保有株式の縮減に取り組んだ結果、株式売却による48億円の収入がありました。一方、株主還元を強化し60億円を支出したほか、生駒事業所の開設、鴻池事業所の再構築等の成長投資に125億円を使用しました。新中計における3か年のキャッシュ・アロケーションでは、前中計での成長投資による売上拡大の効果から、営業キャッシュ・フローが改善し135億円以上の収入を見込むほか、政策保有株式の縮減にも引き続き取り組み40億円以上の収入を見込んでおります。支出面においては成長投資と株主還元強化のバランスを考慮し、成長投資等に95億円から125億円以上を、配当と自己株式取得を合わせた株主還元に80億円から110億円以上を支出することを計画しております。キャッシュ・アロケーション
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社は、経営理念、存在意義を軸に、経営ビジョン、マテリアリティ(重要課題)を踏まえて3か年の中期経営計画を策定・実行することで持続的な成長を目指しております。また、企業価値の向上を目的として、資本コストや株価を意識した経営にも取り組んでおります。これらの概要は以下のとおりです。 なお、新中期経営計画の詳細については、2026年5月15日公表の「新中期経営計画「Challenge2028」の概要に関するお知らせ」を、資本コストや株価を意識した経営の詳細については同日公表の「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について(進捗報告)」をご覧ください。 ①前中期経営計画「G-23」の総括 前中期経営計画「G-23」(2024年3月期~2026年3月期)では、新事業所を開設したほか既存事業所の再構築に着手するなど、事業基盤の拡充を進めました。あわせて、「省エネ」「省人化」に貢献する製品・サービスの開発や販売を推進するとともに、メンテナンス事業の拡大にも注力しました。また、企業価値の向上を図るため、政策保有株式の縮減やキャッシュ・アロケーションの開示、株主還元の強化などにも取り組みました。一方で、想定を上回るコスト上昇により、営業利益及び経常利益は計画を下回りましたが、政策保有株式の縮減に伴う株式の売却益が発生し、親会社株主に帰属する当期純利益は計画を上回りました。 ⅰ.主な取り組みと成果 ●プロセスエンジニアリング事業強化を目的とした新事業所「生駒事業所」の新設・稼働 ●熱交換器事業、バルブ事業の強化を目的とした既存事業所「鴻池事業所」の再構築に着手 ●海外でメンテナンスサービスを強化するため東南アジア、中東に新拠点を新設 ●省エネ型食品殺菌装置など、省エネ・省人化ニーズに対応する製品の開発推進 ●株主還元強化のため、配当水準を引き上げるとともに自己株式の取得・消却を実施 ⅱ.「G-23」連結業績目標とその結果 (単位:百万円) 前々中期経営計画「G-20」最終年度2023年3月期 実績前中期経営計画「G-23」最終年度 2026年3月期当初目標実績受注高34,62141,00042,591売上高34,07440,00044,890営業利益1,9123,6003,303経常利益2,3923,8003,620親会社株主に帰属する当期純利益2,0402,6003,449営業利益率5.6%9.0%7.4%ROA(総資産経常利益率)3.5%4.9%4.4%ROE(自己資本当期純利益率)3.7%4.5%5.6% ②新中期経営計画「Challenge2028」(2027年3月期~2029年3月期)の概要 ⅰ.経営方針 経営理念、当社の存在意義を軸に、経営ビジョンや、マテリアリティ(重要課題)を踏まえて中期経営計画を策定し、経営方針としております。経営理念「HISAKA MIND」(社訓、社是、五原則、行動指針)存在意義社会課題を解決できる「省エネ」「省人化」を実現する良質な「機械」や「サービス」を安定して供給できるメーカーであること経営ビジョン(目指す姿)「気候変動への挑戦」“Challenge for Climate Change”マテリアリティ●気候変動への対応 ●責任ある製品・サービスの提供●安全安心で働きがいのある職場環境 ●経営基盤の強化中期経営計画「Challenge2028」 ⅱ.新中期経営計画 ●経営ビジョン「気候変動への挑戦」の実践 ●持続的成長と企業価値向上の実現 ●2029年3月期 営業利益50億円以上の達成 ●2031年3月期 ROE8%以上実現、早期にPBR1倍以上を目指す ⅲ.重点戦略 <成長戦略>既存事業の収益力・競争力強化 事業ポートフォリオの最適化●既存製品の改良開発、新製品開発●顧客との長期的関係強化●価格戦略・コスト競争力強化 ●新規事業創出、新市場開拓●経営資源を重点領域に再配分 <基盤強化>人的資本の戦略的強化 生産性向上 資本効率と企業価値の向上●人材の確保と育成●経営理念浸透と実行力強化 ●KPI管理の強化●デジタル化等による 業務効率化 ●資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応●ガバナンスの強化 ⅳ.各事業の重点戦略 熱交換器事業プロセスエンジニアリング事業バルブ事業提供価値●プレート式熱交換器を核に熱の利活用をソリューションとして提案●顧客ニーズに合わせた価格・仕様の製品を提供●SDGsやESG経営に貢献する省エネ・環境製品の提供●生産性向上とコスト低減に貢献する自動化・効率化及びトータルコスト低減設備やサービスの提供●流体制御に関する高機能製品の提供、用途別の最適化提案・対応を通じ、最適な生産ラインを実現事業方針●熱交換器単体でのビジネスモデルの明確化と収益基盤の再構築●重点市場での競争力強化による、安定的な事業運営の実現●顧客価値を起点とした提案力・対応力の高度化による事業領域拡張●事業成長に向けた課題対応を通じた、安定的な収益基盤の確立●事業環境や市場構造の変化を踏まえた事業展開の見直し●新製品創出の加速に向けた開発プロセスおよび組織連携の高度化主な取り組み●CO2回収や廃熱回収に関する熱交換器提供によるカーボンニュートラル社会実現への貢献●次世代汎用機種の開発、市場定着●メンテナンス事業強化●生産性向上、CCC改善●他社協業推進●省エネ・省人化に資する製品・サービスの提供による社会課題解決への貢献●アフターサービスの拡充、アフター需要の喚起●基盤機種標準化による効率化、製造原価低減●生産性向上、CCC改善●グループ会社協業推進●新エネルギーに関する新製品開発・提供●重点市場に向けた新製品開発●既存製品の改良開発によるコスト削減●生産性向上、CCC改善●グループ会社協業推進 ⅴ.数値目標 (単位:百万円) 前々中期経営計画「G-20」最終年度2023年3月期 実績前中期経営計画「G-23」最終年度2026年3月期 実績新中期経営計画「Challenge2028」最終年度2029年3月期 計画受注高34,62142,59154,000売上高34,07444,89055,000営業利益1,9123,3035,000営業利益率5.6%7.4%9.1%経常利益2,3923,6205,300親会社株主に帰属する当期純利益2,0403,4494,200ROA (総資産経常利益率)3.5%4.4%6.8%ROE (自己資本当期純利益率)3.7%5.6%7.0%ROIC(投下資本利益率)2.4%3.4%5.5% ③資本コストや株価を意識した経営の実現への対応 ⅰ.現状認識当社のPBRは、2026年3月期において0.64倍となり、従来の0.4倍台から上昇しました。これは、政策保有株式の縮減や増配及び自己株式の取得等の株主還元に加え、収益性改善に向けた各種施策が一定の成果を上げたものと認識しております。一方で、PBRは依然として1倍を下回る水準にとどまっております。その要因として、ROEが株主資本コストに対して低水準にあり、エクイティ・スプレッドが限定的であることが要因のひとつと認識しております。 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期PBR(倍)0.410.450.470.450.64ROE(%)3.83.74.26.35.6配当性向(%)41.055.248.933.142.2DOE(%)1.62.02.02.12.4 ⅱ.成長戦略及び投資当社は、コア技術である流体の熱と圧力を制御する技術を駆使し、カーボンニュートラルや食品ロス削減、省エネ・省人化などの社会課題解決に貢献することで、持続的成長と企業価値向上を図ります。また、事業ポートフォリオ見直しや海外展開、新規事業・新製品開発を推進するとともに、部品・メンテナンス事業及び生産体制強化等を通じて収益性向上を目指します。2026年4月より新中期経営計画「Challenge2028」(以下、新中計)を開始し、前中期経営計画「G-23」(以下、前中計)に基づく投資成果の収益化と、事業ポートフォリオ最適化や成長分野への重点投資を通じて、収益性及び資本効率の向上に取り組んでまいります。新中計最終年度となる2029年3月期には営業利益50億円以上、ROE7%以上、さらに2031年3月期にはROE8%以上及びPBR1倍以上の達成を目指しております。 ⅲ.政策保有株式の縮減当社は、前中計において、政策保有株式の縮減を重要施策と位置付け、資本効率向上及びバランスシート最適化の観点から継続的に見直しを進めてまいりました。2026年3月期には約12億円を縮減し、2026年3月末時点の保有額は11,912百万円(純投資目的を除く)、連結純資産比率は18.9%となりました。今後も保有の妥当性を継続的に検証するとともに、さらなる縮減を進めることで2031年3月末までに政策保有株式の連結純資産比率15%以下を目指します。なお、創出された資金は成長投資及び株主還元に活用し、資本効率向上を図ってまいります。 政策保有株式の保有状況の推移 ⅳ.株主還元の強化当社は資本政策の基本方針として、「内部留保とのバランスを考慮しつつ、連結純資産及び連結業績の状況を勘案し、連結純資産配当率(DOE)2.0%を下限とするとともに、配当性向30%以上を目途に継続的・安定的な配当に努める」こととしております。また、自己株式取得につきましても、弾力的・機動的に実施してまいります。2026年3月期の配当につきましては、創業以来初の 400 億円超の売上高を達成したことなどを踏まえ、1株当たり45円から55円に増配しました。2027年3月期の配当につきましても、安定的かつ継続的な株主還元を実現するため、増配を行った前期の配当額を据え置き、1株当たり55円(配当性向60%)とする計画です。新中計の3か年におきましては、株主還元を強化するため、成長投資等とのバランスを考慮した上で、自己株式取得を含めた総還元額は前中計の60億円を上回る80億円から110億円とする計画です。当社は今後も、業績・財務状況及び成長投資の機会等を総合的に勘案し、株主還元の充実と資本効率向上に取り組んでまいります。配当金の推移ⅴ.IRへの取り組み当社は、投資家との建設的な対話を重視し、決算説明会の実施や説明会資料のウェブサイト公開、統合報告書の発刊、工場見学会の開催等を通じて、情報開示及び事業理解の促進に努めてまいりました。今後も、投資家との対話及び情報開示のさらなる充実に努めるとともに、対話を通じて得られた意見・提案を経営戦略や資本政策へ適切に反映させることで、企業価値向上及びPBR改善につなげてまいります。 ④中期経営計画期間におけるキャッシュ・アロケーション当社は、持続的成長と企業価値向上に向け、成長投資を優先しつつ、株主還元の充実及び財務基盤強化とのバランスを意識した資金配分を行っております。前中計における3か年のキャッシュ・アロケーションは、営業キャッシュ・フローによる収入が59億円あったほか、成長投資のため社債及び借入による資金調達50億円を実施しました。また、政策保有株式の縮減に取り組んだ結果、株式売却による48億円の収入がありました。一方、株主還元を強化し60億円を支出したほか、生駒事業所の開設、鴻池事業所の再構築等の成長投資に125億円を使用しました。新中計における3か年のキャッシュ・アロケーションでは、前中計での成長投資による売上拡大の効果から、営業キャッシュ・フローが改善し135億円以上の収入を見込むほか、政策保有株式の縮減にも引き続き取り組み40億円以上の収入を見込んでおります。支出面においては成長投資と株主還元強化のバランスを考慮し、成長投資等に95億円から125億円以上を、配当と自己株式取得を合わせた株主還元に80億円から110億円以上を支出することを計画しております。キャッシュ・アロケーション
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、金利及び為替の変動に加え、各国における通商政策の動向や地政学的リスクの高まりなどの影響を受け、不安定な状況が一層深まりました。 国内経済は、製造業を中心に企業収益が底堅く推移したものの、労働市場の動向やコスト上昇の影響などから、先行きは依然として不透明な状況が続いております。 このような環境のもと、当社グループは中長期的な成長を見据え、事業基盤の強化に取り組みました。 2024年に開設した生駒事業所の安定稼働や鴻池事業所の再構築などにより生産能力の増強を図るとともに、「省エネ」「省人化」といった顧客ニーズへの対応を強化し、エネルギー、食品、医薬関連分野における販売拡大及びメンテナンス需要の取り込みを推進しました。 この結果、当連結会計年度における当社グループの受注高は、プロセスエンジニアリング事業において大口案件の反動減があったものの、熱交換器事業及びバルブ事業が好調に推移したことにより、前年度に比べ0.8%増加し42,591百万円となりました。 売上高は、熱交換器事業及びバルブ事業が堅調に推移したことに加え、プロセスエンジニアリング事業において複数の大口案件を納入したことにより、前年度に比べ17.0%増加し、過去最高となる44,890百万円となりました。 利益面では、減価償却費や人件費などの固定費が増加したものの、プロセスエンジニアリング事業の売上増加などにより、営業利益は前年度に比べ12.7%増加し3,303百万円となり、経常利益は前年度に比べ6.8%増加の3,620百万円となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度に引き続き特別利益に政策保有株式の売却益などを計上したものの、特別損失に工場再構築費用や環境対策関連費用などを計上したことにより、前年度に比べ8.8%減少し3,449百万円となりました。 セグメント別の経営成績は次のとおりです。 『熱交換器事業』 熱交換器事業は、様々な産業で不可欠となる流体の加熱・冷却を行うプレート式熱交換器などを製造・販売する事業です。 受注高は、前年度に好調であった船舶向けの反動減や化学業界の設備投資抑制の影響を受けたものの、国内のメンテナンス案件が好調に推移するとともに、海外向けCO2回収プラントや電力向けの大口案件などが寄与し、前年度に比べ2.4%増加し17,193百万円となりました。 売上高は、LNG関連の海外大口案件が寄与したほか、国内のメンテナンスが好調に推移したことなどにより、前年度に比べ6.7%増加し17,229百万円となりました。 セグメント利益は、売上高の増加があったものの、鴻池事業所の再構築関連費用及び営業戦略上の引当金計上などにより、前年度に比べ26.4%減少し988百万円となりました。 『プロセスエンジニアリング事業』 プロセスエンジニアリング事業は、レトルト食品などの調理殺菌装置、医薬品の滅菌装置や培養装置及び繊維製品の染色仕上機器などを製造・販売する事業です。 受注高は、医薬向けの培養プラントや滅菌装置、東南アジア向けの染色仕上機器の大口案件があったものの、食品機器において無菌包装米飯製造プラントなど前年度に受注した大口案件の反動減があり、前年度に比べ0.8%減少し20,000百万円となりました。 売上高は、無菌包装米飯製造プラントや医薬向け培養プラントなどの大口案件を納入したことや、「省エネ」「省人化」ニーズに対応した食品向けの全自動連続殺菌冷却装置の販売が好調に推移したことなどにより、前年度に比べ30.6%増加し22,405百万円となりました。 セグメント利益は、売上高が増加したことに加え、メンテナンス案件が好調に推移したことや、好採算案件の計上などにより、前年度に比べ50.2%増加し2,129百万円となりました。 『バルブ事業』 バルブ事業は、様々な流体の制御に使われるボールバルブなどを製造・販売する事業です。 受注高は、化学業界の設備投資抑制の影響を受けたものの、二次電池向けや半導体向けなどが好調に推移したことにより、前年度に比べ2.0%増加し、5,324百万円となりました。 売上高は、受注同様に化学業界向けが減少したものの、上下水道処理設備向けや土木工事向けなどが好調に推移したことにより、前年度に比べ4.6%増加し5,183百万円となりました。 セグメント利益は、原材料価格の上昇による影響を受けたものの、売上が増加したことなどにより、前年度に比べ25.3%増加し366百万円となりました。 『セグメント別業績』 (単位:百万円/(%)前年度比増減率) 熱交換器事業プロセスエンジニアリング事業バルブ事業その他事業受注高17,193( +2.4%)20,000( △0.8%)5,324( +2.0%)72(△18.3%)売上高17,229( +6.7%)22,405(+30.6%)5,183( +4.6%)72(△18.3%)セグメント利益988(△26.4%)2,129(+50.2%)366(+25.3%)52(△19.4%) ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益の計上4,783百万円や投資有価証券の売却による収入1,676百万円等の増加要因があったものの、固定資産の取得による支出2,839百万円や契約負債の減少2,787百万円等の減少要因があったことにより、前連結会計年度末の12,824百万円から905百万円減少し、当連結会計年度末では11,918百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、得られた資金は1,706百万円(前年度は4,720百万円の収入)となりました。 これは、契約負債の減少があったものの、税金等調整前当期純利益の計上や棚卸資産の減少が上回ったためであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、得られた資金は363百万円(前年度は3,299百万円の支出)となりました。 これは、固定資産の取得による支出があったものの、投資有価証券や固定資産の売却による収入が上回ったためであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、支出した資金は3,144百万円(前年度は2,396百万円の支出)となりました。 これは主に、配当金の支払や自己株式の取得による支出によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年比(%)熱交換器事業12,500101.7プロセスエンジニアリング事業16,509107.9バルブ事業3,958103.3 報告セグメント計32,969104.9その他1984.9合計32,989104.9 (注)上記金額は、総製造費用に基づいております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年比(%)受注残高(百万円)前年比(%)熱交換器事業17,193102.47,55899.5プロセスエンジニアリング事業20,00099.215,74286.7バルブ事業5,324102.01,735108.9 報告セグメント計42,519100.825,03691.6その他7281.7--合計42,591100.825,03691.6 (注)上記金額は、販売価額で表示しております。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年比(%)熱交換器事業17,229106.7プロセスエンジニアリング事業22,405130.6バルブ事業5,183104.6 報告セグメント計44,818117.1その他7281.7合計44,890117.0 (注)1.上記金額は、販売価額で表示しております。2.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。 (2)経営者の視点による財政状態、経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日現在)において判断したものであります。①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(資産) 当連結会計年度末の資産は83,082百万円となり、前連結会計年度末82,697百万円から385百万円の増加となりました。 流動資産は35,832百万円となり、前連結会計年度末38,651百万円から2,819百万円の減少となりました。主な内訳は、現金及び預金12,009百万円、売上債権11,711百万円及び棚卸資産11,642百万円であります。主な減少要因は、棚卸資産1,745百万円であります。 固定資産は47,250百万円となり、前連結会計年度末44,045百万円から3,205百万円の増加となりました。主な内訳は、建物及び構築物15,209百万円、土地6,571百万円及び投資有価証券15,239百万円であります。主な増加要因は、投資有価証券2,851百万円であります。(負債) 当連結会計年度末の負債は19,802百万円となり、前連結会計年度末22,677百万円から2,875百万円の減少となりました。 流動負債は12,363百万円となり、前連結会計年度末14,779百万円から2,415百万円の減少となりました。主な内訳は、仕入債務3,770百万円及び契約負債3,059百万円であります。主な減少要因は、契約負債2,781百万円であります。 固定負債は7,438百万円となり、前連結会計年度末7,898百万円から459百万円の減少となりました。主な内訳は、社債2,668百万円及び繰延税金負債3,491百万円であります。主な減少要因は、社債1,332百万円であります。(純資産) 当連結会計年度末の純資産は63,280百万円となり、前連結会計年度末60,019百万円から3,260百万円の増加となりました。主な内訳は、資本金4,150百万円、資本剰余金5,224百万円、利益剰余金46,454百万円及びその他有価証券評価差額金7,854百万円であります。主な増加要因は、利益剰余金2,085百万円及びその他有価証券評価差額金2,029百万円であります。(受注高)当連結会計年度における受注高は、前年度から0.8%増加の42,591百万円となりました。当年度は、プロセスエンジニアリング事業において大口案件の反動減があったものの、熱交換器事業及びバルブ事業が好調に推移したことにより、前年度を上回る結果となりました。(売上高)当連結会計年度における売上高は、前年度から17.0%増加の44,890百万円となりました。当年度は、熱交換器事業及びバルブ事業が堅調に推移したことに加え、プロセスエンジニアリング事業において複数の大口案件を納入したことにより、前年度を上回る結果となりました。(利益) 当連結会計年度における営業利益は、減価償却費や人件費などの固定費が増加したものの、プロセスエンジニアリング事業の売上増加などにより、営業利益は前年度に比べ12.7%増加し3,303百万円となり、経常利益は前年度に比べ6.8%増加の3,620百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度に引き続き特別利益に政策保有株式の売却益などを計上したものの、特別損失に工場再構築費用や環境対策関連費用などを計上したことにより、前年度に比べ8.8%減少し3,449百万円となりました。(経営成績に重要な影響を与える要因) 今後の見通しにつきましては、世界経済においては、地政学的リスクの長期化に加え、金利動向や為替変動、通商政策を巡る不確実性などにより、引き続き先行き不透明な状況が継続するものと予想されます。一方、国内経済につきましては、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移することが期待されますが、原材料費、労務費、物流費などのコスト上昇が、引き続き企業収益に影響を及ぼすものと見込まれます。 このような状況下で、当社グループは、2026年度よりスタートした新中期経営計画「Challenge2028」で経営ビジョンを「気候変動への挑戦」とし、事業活動を通じて、社会課題の解決に貢献してまいります。 また、気候変動への対応を社会的課題の解決に資する取り組みと位置づけ、環境配慮型製品・サービスの強化、事業ポートフォリオの最適化および生産性向上を着実に進めることで、持続的な成長と企業価値の向上を実現し、最終年度である2028年度に営業利益50億円の達成を目指してまいります。 (経営戦略の現状と見通し) 当社グループが推進する経営戦略は、第2「事業の状況」の1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 また、経営戦略に掲げる中期経営計画「Challenge2028」における最終年度(2029年3月期)の連結業績目標に対する現状と見通しは次のとおりであります。(単位:百万円) 「G-20」最終年度「G-23」最終年度「Challenge2028」最終年度増減率(※)2023年3月期実績2026年3月期実績(A)2029年3月期目標(B)(B-A/A)受注高34,62142,59154,00026.8%売上高34,07444,89055,00022.5%営業利益1,9123,3035,00051.3%営業利益率5.6%7.4%9.1%1.7%経常利益2,3923,6205,30046.4%親会社株主に帰属する当期純利益2,0403,4494,20021.7%ROA3.5%4.4%6.8%2.4%ROE3.7%5.6%7.0%1.4%ROIC2.4%3.4%5.5%2.1%(※)営業利益率、ROA、ROE及びROICは増減を表しております。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性についての分析の内、キャッシュ・フローの状況に関しましては、4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 今後の資本の財源及び資金の流動性に関しましては、製造業である当社グループにとって重要な設備投資、研究開発投資には多額の資金が必要となり、その資本の財源は、当社グループの自己資金で賄うことを基本としつつ、金融機関からの借入等による調達も考慮してまいります。また、現在保有する資金に関しては、設備の刷新、事業の拡大、海外進出、M&A、株主還元等の課題に対し、適宜検討して資金の適切な運用を図っていきます。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況」の「1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。 この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。 連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は「第5 経理の状況」の「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 経済状況と為替変動日阪製作所は日本、アジア、欧米などグローバルに事業を展開しており、世界経済や各国の景気変動、為替相場の変動が業績に影響を与える可能性があります。特に外貨建て取引では為替予約でリスクを回避していますが、契約条件の変更や価格競争の激化により、収益性が悪化するリスクがあります。
- 原材料価格の変動主な原材料であるステンレスやチタン材などの価格変動は、同社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。原材料価格の下落は製品価格の下落圧力や棚卸資産の評価額に影響し、高騰は製造原価の上昇を通じて利益を圧迫する可能性があります。
- 製造物責任と訴訟リスク同社は品質管理に努めていますが、万が一製品に不具合や事故が発生した場合、製造物責任を問われる可能性があります。また、事業遂行上で取引先や第三者から訴訟が提起されるリスクもあり、これらの費用が保険でカバーできない場合や、巨額な損害賠償請求が発生した場合には、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。①経済状況について 当社グループは日本、アジア、欧米など多くの国々で事業展開をしており、世界経済や各国の景気変動及び為替変動などにより、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。②原材料・資材価格の変動について 当社グループの主な原材料であるステンレスやチタン材などの原材料・資材価格の下落は、製品価格の下落圧力や、当社グループ棚卸資産の評価額への影響により、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また原材料・資材価格の高騰は、在庫状況如何では、製造原価が上昇することにより、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③為替相場の変動について 当社グループの外貨建ての取引に関しては、原則として契約締結と同時に為替予約によるヘッジを行い、契約後の為替変動リスクを極力回避しておりますが、契約条件の変更などによる影響や、引き合い段階での外国企業との価格競争上で不利となる可能性があり、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。④退職給付債務について 当社グループの退職給付費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出しており、割引率の低下や年金資産の時価下落は、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑤減損会計の影響について 当社グループが保有しております固定資産及び有価証券に関して、収益性や価格が著しく低下し減損処理が必要となった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑥M&A及び事業提携に係るリスクについて 当社グループは、各事業分野において、新技術や新製品の開発及び競争力強化のためM&Aを実施することがあります。当社グループでは、企業買収や事業提携を行う際、事前にリスクを把握・回避するために、対象となる企業の財務内容や事業についてデューデリジェンスを実施しております。しかしながら、買収後に予期しない債務が発覚する可能性や、事業環境及び競合状況の変化等により当社グループの事業計画に支障をきたす可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑦製造物責任について 当社グループはその事業及びその製品のために、品質管理規定を制定し品質向上に努めておりますが、万が一予期せぬ不具合や事故が発生した場合は、製造物・品質責任の責めを負うことになる可能性があり、この費用が保険等でカバーできない場合は、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑧訴訟その他の法的手続について 当社グループは、事業を遂行する上で、取引先や第三者から訴訟等が提起される又は規制当局より法的手続がとられるリスクを有しております。これらにより、当社グループに対して巨額かつ予想困難な損害賠償の請求がなされた場合又は事業遂行上の制限が加えられた場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑨公的規制及び政治情勢について 当社グループの事業活動は、事業を行う各国の政治や多様な規制の影響を受けております。このような規制には、投資、貿易、競争、知的財産権、税、為替、環境、リサイクル、食品衛生、労働安全、生産技術上の制約等に関する規制を含んでおり、政治情勢や規制に関する重大な変更は、当社グループの事業活動を制限する若しくはコストを増加させるなど、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑩環境問題 当社グループは、環境基本法、大気汚染防止法及び水質汚濁防止法等の環境法令を遵守するとともに、環境問題に配慮する姿勢を明確にするため「環境方針」「環境宣言」「行動指針」を策定しております。これらにより「顧客・市場・株主・購買先・協力社・地域社会」から「安心」「安全」「信頼」を受ける会社として成長して行きたいと考えております。当社グループでは、有害物質が社外に流出しないよう万全の対策をとっておりますが、万一流出した場合には、社会的信用の失墜、補償・対策費用の支出あるいは生産停止等の事態が発生する可能性があります。 また、将来環境に対する規制が一層厳しくなり、現行法令の改正又は新たな立法による規制などにより、有害物質を処理するための設備投資等に多額の費用が発生することも考えられ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑪自然災害・戦争・テロ・事故等について 当社グループの拠点において、地震・水害等の自然災害、感染症の流行、戦争、テロ等の各種災害が発生した場合は、甚大な被害を被る可能性があります。また、当社グループに直接損害がなくとも、電力・ガス等の供給網の混乱や、サプライチェーンの寸断などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。