事業の概要
- 自動制御機器の製造販売SMCグループは、ファクトリー・オートメーション(FA)に不可欠な自動制御機器、具体的には方向制御機器、駆動機器、空気圧補助機器などの空気圧機器や温調機器、センサーなどを製造・販売しています。これらの製品は、工場での自動化や省力化を支える基盤技術であり、幅広い産業分野で利用されています。
- グローバルな事業展開SMCグループは、日本を含む世界71の子会社(連結子会社69社、非連結子会社2社)から成る企業集団として、自動制御機器事業をグローバルに展開しています。研究開発から資材調達、生産、販売までを一貫して世界各地で行い、顧客の多様なニーズに対応しています。
- 産業の自動化・省力化への貢献SMCグループの製品は、半導体製造装置、工作機械、産業用ロボットなど、あらゆる産業の生産・搬送ラインで使われる要素部品です。これにより、人手不足や人件費高騰といった社会課題に対応し、産業界全体の自動化・省力化に貢献することで収益を上げています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 自動制御機器事業SMCグループの主力事業であり、ファクトリー・オートメーション(FA)に不可欠な自動制御機器の製造・販売を行っています。この事業は、方向制御機器、駆動機器、空気圧補助機器などの空気圧機器のほか、温調機器やセンサーなど多岐にわたる製品を含みます。
- 圧倒的な収益貢献最新年度の売上高は5,503.98億円、営業利益は1,592.01億円と、SMCグループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。この高い収益性は、SMCグループがこの分野で確立している強固な市場地位と競争優位性を示しています。
- グローバルな事業展開この事業は、日本だけでなく世界71の子会社を通じてグローバルに展開されており、世界中の工場や産業の自動化・省力化ニーズに応えています。多様な産業分野の顧客に製品を提供することで、特定の市場や顧客への依存度を低くし、安定した収益基盤を築いています。
2021-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| AutomaticControlEquipment | 事業 | 5,504 | 1,592 | 28.9% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社及び子会社71社(連結子会社69社、非連結子会社2社)(2026年3月31日現在)から成る企業集団は、ファクトリー・オートメーション(FA)に欠かせない要素機器である自動制御機器(方向制御機器、駆動機器、空気圧補助機器などの空気圧機器のほか温調機器、センサー等)を製造・販売する「自動制御機器事業」を営んでいます。2026年3月31日現在の事業における主要な会社の名称及び取引関係の概要は、次の「事業系統図」及び「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。なお、子会社の名称は、一部略称を用いて表記しています。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 自動制御技術及びその周辺技術に関する研究開発活動と多種多様な用途への製品適応。 |
|---|---|
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:海外での事業展開に伴うカントリーリスク / 外国為替相場の変動リスク / 製品の欠陥に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 12 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
SMCは、自動化・省力化機器分野で長年の実績と高い技術力を有しており、一部の製品群では特許による保護を受けている可能性がある。しかし、具体的な特許ポートフォリオの強さやブランド力が競合他社と比較して際立っているかは不明瞭。
スイッチングコスト★★★☆☆
SMCの製品は、工場の生産ラインに組み込まれることが多く、一度導入されると、その仕様や制御システムとの互換性から、他社製品への切り替えには多大なコストと時間を要する。特に、FA機器の標準化が進んでいない分野ではスイッチングコストが高い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
SMCの事業モデルは、個々の顧客の生産ラインへの機器導入が中心であり、ユーザー数の増加が製品価値を直接的に高めるネットワーク効果は基本的に見られない。
コスト優位★★★☆☆
SMCは、長年の生産ノウハウと効率的なサプライチェーン管理により、高品質な製品を競争力のある価格で提供している。特に、標準化された製品群においては、規模の経済を活かしたコスト優位性を築いていると考えられる。
規模の経済★★★★☆
SMCは、空圧機器、電磁弁、アクチュエータなどのFA機器市場において、世界トップクラスのシェアを誇る。グローバルな販売・サービス網と、幅広い製品ラインナップにより、業界内で圧倒的な存在感を示しており、効率規模の優位性は高い。
- 空気圧機器の総合メーカーSMCグループは、空気配管上で使用される様々な自動制御機器をすべて製造販売する総合メーカーです。これにより、顧客は必要な機器をワンストップで調達でき、システム全体の構築が容易になるため、顧客にとっての利便性が高いという強みがあります。
- 豊富な品揃えと迅速な供給体制88万品目にも及ぶ豊富な製品ラインナップを持ち、顧客の多様なニーズに応えることができます。また、戦略的に厚めの在庫を保持することで、顧客からの注文に迅速に対応し、短納期での供給を可能にしています。これは、工場の生産ライン停止による損失を避けたい顧客にとって大きなメリットです。
- グローバルな販売・技術サポート体制世界80以上の国と地域に500以上の拠点を持ち、約7,000名の営業スタッフと約2,000名の技術スタッフを配置しています。これにより、顧客のニーズを的確に捉え、グローバルに製品を供給し、技術サポートを提供できる体制を構築しており、顧客の事業のグローバル化に対応できる点が強みです。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 本業への経営資源集中SMCグループは、「産業界の自動化・省力化に貢献する」という社会的使命を果たすため、本業である自動制御機器事業に経営資源を集中しています。これにより、競争力の向上を図り、要素部品メーカーとしての専門性を追求することで、持続的な成長を目指しています。
- グローバルな製品供給体制の強化世界各国・地域のルールやニーズに沿った製品、そして世界のどの市場でも通用する製品を供給することを経営方針としています。生産拠点の拡充や生産の複線化(一つの製品を複数の拠点で生産)を進めることで、不測の事態にも対応できる安定した供給体制を構築し、グローバル市場での競争力を高めています。
- 環境貢献と技術革新地球温暖化や労働力人口減少といった社会課題の解決に貢献するため、小型・軽量で省エネルギー性能に優れた製品開発に注力しています。特に、工場全体のCO2排出量と電力コスト削減に貢献する「低圧化の提案」など、高い環境関連技術をアピールすることで、売上成長と企業価値向上を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針・経営戦略等当社グループは、企業として目指す姿を表した「経営理念」を以下のとおり定めています。① 自動化・省力化に貢献する空気圧機器をはじめとする自動制御機器製品の製造販売を通じて、「産業界の自動化・省力化に貢献する」ことが、当社の社会的使命であると認識しております。② 本業に専心する「産業界の自動化・省力化に貢献する」要素部品メーカーとしての本分に徹し、本業である自動制御機器事業に経営資源を集中して、競争力の向上に努めてまいります。③ グローバルに製品を供給する世界各国・地域のルールやニーズに沿った製品、世界のどの市場でも通用する製品を供給してまいります。 (2) 経営環境① 市場環境 (a) お客様の多様性当社グループの主要製品である空気圧機器をはじめとする自動制御機器は、自動化された工場の生産・搬送ライン、半導体製造装置、工作機械、産業用ロボットなどのオートメーションを支える要素部品として、あらゆる産業分野で使用されています。当社グループは、特定の業種、特定のお客様への依存度が低いため、産業構造の変化や需要環境の急変への耐性が相対的に高いと認識しています。 (b) 製品の汎用性の高さ空気圧機器は、汎用性が高く、お客様の創意工夫によって、用途が無限に拡大しています。当社グループは、お客様のニーズに応える製品開発を進めており、これを通じて新規需要の開拓が可能です。 (c) 環境保護への要請の高まり環境保護の取組は人類共通の喫緊の課題であり、お客様の環境保護への要請は年々高まっています。大気中に放出しても問題のない圧縮空気を動力源とする空気圧機器は、それ自体が環境にやさしい特性を備えています。 (d) 労働力人口の減少と人件費の高騰少子・高齢化は世界的に進んでおり、多くの先進国では、労働力人口の減少が始まっています。また、これまで労働集約型の生産活動を担ってきた新興国においては、経済発展に伴い人件費が高騰しつつあります。空気圧機器は、人の手による作業の代替に適した自動制御機器であり、労働力人口の減少や人件費の高騰に対処するための自動化・省力化ニーズに合致しています。 ② 当社グループの競争優位性 (a) 空気圧機器の総合メーカー空気圧機器は、空気配管上で使用される様々な機器でシステムを構成しています。当社グループは、それらの機器すべてを製造販売する総合メーカーであり、お客様に各種の空気圧機器をワンストップで供給することができます。 (b) 環境性能に優れた製品開発当社グループは、製品設計の段階から、環境負荷の少ない製品の開発に取り組んでいます。また、お客様のニーズに応じた製品開発を続ける中で技術力を培い、特に製品の小型化・軽量化を得意としています。空気圧機器の小型化・軽量化は、空気圧機器を組み込んだ装置やロボットの重量を減らし、お客様の工場全体のエネルギー消費量の削減を可能にします。 (c) 豊富な品揃えと潤沢な在庫空気圧機器には、お客様の使用状況に応じた様々なバリエーションが要求されます。当社グループは、88万品目に及ぶ豊富な品揃えで、お客様のあらゆるニーズにお応えします。空気圧機器は、お客様の工場の生産・搬送ライン等に組み込まれる要素部品であり、空気圧機器の不具合や欠品によってライン等が停止すれば、お客様は多大な損失を被ります。そのため当社グループは、製品の品質管理に万全を期すとともに、戦略的に厚めの在庫を保持することにより、お客様のご注文に迅速に対応できる短納期即納体制を整えています。 (d) グローバルネットワークお客様の事業はグローバル化が進んでいます。当社グループは80以上の国と地域に拠点を持ち、直販の営業人員を配置することで、お客様のニーズを的確にとらえ、ニーズに合った製品をグローバルに供給できる体制を構築しています。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 当社グループの強みを活かした事業戦略以下のような当社グループの強みを活かすことにより、さらなる売上成長と、低シェア地域及び低シェア製品の領域を中心に、販売シェアの向上を実現することができるものと考えています。(a) 広汎なグローバルフットプリント当社グループの製品は汎用性が高く、半導体・電機、自動車、工作機械だけでなく、あらゆる産業分野で多種多様な用途でご使用いただいています。顧客アカウントは70万社に上り、特定の業種・地域への依存度が低いことから、需要環境の急激な変化に対して強い耐性を持っています。また当社グループは、世界80以上の国と地域に500以上の拠点網を展開し、約7,000名の営業スタッフを配置するとともに、販売代理店各社との協働により、お客様へのきめ細かなサービスの提供に努めています。世界5か国の技術センターは、約2,000名の技術スタッフを擁し、センター間の連携強化を図りつつ、研究開発、技術情報の収集及びお客様への技術サポートを行っています。こうした広汎なグローバルフットプリントを通じて収集・蓄積した情報は、お客様に付加価値をもたらす源泉であり、当社グループは、各種のITツールも利用して情報を共有し、事業戦略に活用しています。(b) 88万品目の豊富な品揃え当社グループは、主力の空気圧機器だけでなく、自動制御機器全般を網羅する一連の製品群をお客様に提供しています。豊富な品揃えは88万品目に及び、在庫も厚めに保持する戦略で、当社グループにご用命いただければ自動制御機器なら何でも揃う「ワンストップショップ」のサービスにより、お客様の様々なニーズに対応しています。 ② 着実な設備投資当社グループは、以下の観点から、着実な設備投資に取り組んでいます。これらは、短期的には減価償却費の負担により収益性の悪化を招きますが、中長期的には当社グループの競争力を高め、企業価値の向上に資するものと考えています。 (a) 生産能力の確保地球温暖化や労働力人口の減少などの社会課題は深刻さを増しており、自動化・省力化を通じてこれら社会課題の解決に貢献できる自動制御機器は、中長期的に安定した需要の拡大が見込まれます。当社グループは、不況期にも着実な設備投資を行って生産能力を確保することにより、需要回復期には他社に先んじて受注を獲得し、販売シェアを伸ばす戦略を採用してきました。不透明な政治経済情勢を背景に、設備投資の抑制傾向がみられる現下の状況においても、生産拠点、物流拠点及び研究開発拠点の拡充を進めています。 (b) 生産の複線化当社グループは従来、集中生産とロケーションセービング(人件費を中心とする生産コストの低い国・地域での生産)による徹底的なコストダウンを進めてきましたが、自然災害や感染症、貿易紛争など様々なリスクを想定し、いかなる事態が発生してもお客様への製品供給責任を果たすことができる体制を確立するため、世界6か国の量産拠点を中心に、生産の複線化(一つの製品を複数の拠点で生産できる体制の構築)を進めています。 (c) 人的資本投資当社グループは、「従業員が誇りと愛着を持てる企業」を目指して、快適な職場環境の整備に取り組んでいます。近年竣工した新工場、新本社、新たな研究開発拠点Japan Technical Center(JTC)及び遠野サプライヤーパークでは、働く人にとって快適な環境を整備するとともに、お客様、お取引先、当社グループ各社の従業員などとの交流促進を目的とした設備を導入して、生産性の向上と優秀な人材の確保に努めています。 ③ CO2排出量削減に貢献する製品とソリューションの提案 当社グループは従来から、小型・軽量で省エネルギー性能に優れた製品を開発し、お客様に提供してきました。当社の高い環境関連技術をお客様にアピールすることで、売上成長につなげていきます。 (a) 低圧化の提案 工場における消費電力の約20%が、圧縮空気を生成するコンプレッサの稼働によるものとされています。お客様の工場で使用されるエアの消費量や圧力を抑えることにより、CO2排出量と電力コストの大幅な削減が可能です。当社グループは、お客様の工場全体で使用する空気圧を低圧化する「4BAR factory」のソリューション、エアの使用状況を常時監視し設備の稼働状況に応じて自動的に圧力を下げる機能などを持つ「AMS(エアマネジメントシステム)」、工場全体を低圧化しつつラインの必要な部分のみ局所で増圧する「省エネ増圧弁」などの提案活動に力を入れています。 (b) 省エネ診断 当社グループのスタッフがお客様の工場にお伺いして、エアの使用状況を細かくチェックし、エアの消費量の削減や圧力の低圧化を実現する製品やノウハウを組み合わせた、総合的な提案を行う「省エネ診断」の活動を進めています。世界50か国以上で約200名の営業スタッフを担当者として任命し、お客様に対して年間600件以上の省エネ診断を実施しています。 (c) 「環境配慮型製品」当社製品をシリーズごとに区分して、原材料の調達から生産、販売、お客様による製品の使用、廃棄に至るまでのプロセス全体における環境負荷の低減について、11項目の評価を実施しています。これらの項目のうち、お客様のCO2排出量削減に直接に貢献できる4項目(省電力、省資源、省エア、省エネ性能の向上を目的に開発した新製品)のいずれかに該当する製品を「環境配慮型製品」と定義しました。環境配慮型製品の売上高は、当社グループの売上高全体の約80%を占めています。 (d) 政府・自治体との協働当社は、経済産業省資源エネルギー庁の施策として(一社)環境共創イニシアチブが運営する「中小企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業」の「省エネ診断機関」として登録を受けて、お客様の生産設備や装置の省エネ診断を実施しています。また、当連結会計年度においては、環境省の「バリューチェーン全体での脱炭素化推進モデル事業」に選定されました。環境省が目指す事業の脱炭素化を図る「脱炭素経営」をより一層促進するため、バリューチェーン上の中小企業を含むサプライヤー各社との連携等により、個社ではなく協働でGHG排出量の把握や削減を行うモデル事業に選定されました。このほか、各国政府や自治体などと協働して、当社グループの製品やソリューションの活用により、広くCO2排出量削減を図る施策の検討を進めています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針・経営戦略等当社グループは、企業として目指す姿を表した「経営理念」を以下のとおり定めています。① 自動化・省力化に貢献する空気圧機器をはじめとする自動制御機器製品の製造販売を通じて、「産業界の自動化・省力化に貢献する」ことが、当社の社会的使命であると認識しております。② 本業に専心する「産業界の自動化・省力化に貢献する」要素部品メーカーとしての本分に徹し、本業である自動制御機器事業に経営資源を集中して、競争力の向上に努めてまいります。③ グローバルに製品を供給する世界各国・地域のルールやニーズに沿った製品、世界のどの市場でも通用する製品を供給してまいります。 (2) 経営環境① 市場環境 (a) お客様の多様性当社グループの主要製品である空気圧機器をはじめとする自動制御機器は、自動化された工場の生産・搬送ライン、半導体製造装置、工作機械、産業用ロボットなどのオートメーションを支える要素部品として、あらゆる産業分野で使用されています。当社グループは、特定の業種、特定のお客様への依存度が低いため、産業構造の変化や需要環境の急変への耐性が相対的に高いと認識しています。 (b) 製品の汎用性の高さ空気圧機器は、汎用性が高く、お客様の創意工夫によって、用途が無限に拡大しています。当社グループは、お客様のニーズに応える製品開発を進めており、これを通じて新規需要の開拓が可能です。 (c) 環境保護への要請の高まり環境保護の取組は人類共通の喫緊の課題であり、お客様の環境保護への要請は年々高まっています。大気中に放出しても問題のない圧縮空気を動力源とする空気圧機器は、それ自体が環境にやさしい特性を備えています。 (d) 労働力人口の減少と人件費の高騰少子・高齢化は世界的に進んでおり、多くの先進国では、労働力人口の減少が始まっています。また、これまで労働集約型の生産活動を担ってきた新興国においては、経済発展に伴い人件費が高騰しつつあります。空気圧機器は、人の手による作業の代替に適した自動制御機器であり、労働力人口の減少や人件費の高騰に対処するための自動化・省力化ニーズに合致しています。 ② 当社グループの競争優位性 (a) 空気圧機器の総合メーカー空気圧機器は、空気配管上で使用される様々な機器でシステムを構成しています。当社グループは、それらの機器すべてを製造販売する総合メーカーであり、お客様に各種の空気圧機器をワンストップで供給することができます。 (b) 環境性能に優れた製品開発当社グループは、製品設計の段階から、環境負荷の少ない製品の開発に取り組んでいます。また、お客様のニーズに応じた製品開発を続ける中で技術力を培い、特に製品の小型化・軽量化を得意としています。空気圧機器の小型化・軽量化は、空気圧機器を組み込んだ装置やロボットの重量を減らし、お客様の工場全体のエネルギー消費量の削減を可能にします。 (c) 豊富な品揃えと潤沢な在庫空気圧機器には、お客様の使用状況に応じた様々なバリエーションが要求されます。当社グループは、88万品目に及ぶ豊富な品揃えで、お客様のあらゆるニーズにお応えします。空気圧機器は、お客様の工場の生産・搬送ライン等に組み込まれる要素部品であり、空気圧機器の不具合や欠品によってライン等が停止すれば、お客様は多大な損失を被ります。そのため当社グループは、製品の品質管理に万全を期すとともに、戦略的に厚めの在庫を保持することにより、お客様のご注文に迅速に対応できる短納期即納体制を整えています。 (d) グローバルネットワークお客様の事業はグローバル化が進んでいます。当社グループは80以上の国と地域に拠点を持ち、直販の営業人員を配置することで、お客様のニーズを的確にとらえ、ニーズに合った製品をグローバルに供給できる体制を構築しています。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 当社グループの強みを活かした事業戦略以下のような当社グループの強みを活かすことにより、さらなる売上成長と、低シェア地域及び低シェア製品の領域を中心に、販売シェアの向上を実現することができるものと考えています。(a) 広汎なグローバルフットプリント当社グループの製品は汎用性が高く、半導体・電機、自動車、工作機械だけでなく、あらゆる産業分野で多種多様な用途でご使用いただいています。顧客アカウントは70万社に上り、特定の業種・地域への依存度が低いことから、需要環境の急激な変化に対して強い耐性を持っています。また当社グループは、世界80以上の国と地域に500以上の拠点網を展開し、約7,000名の営業スタッフを配置するとともに、販売代理店各社との協働により、お客様へのきめ細かなサービスの提供に努めています。世界5か国の技術センターは、約2,000名の技術スタッフを擁し、センター間の連携強化を図りつつ、研究開発、技術情報の収集及びお客様への技術サポートを行っています。こうした広汎なグローバルフットプリントを通じて収集・蓄積した情報は、お客様に付加価値をもたらす源泉であり、当社グループは、各種のITツールも利用して情報を共有し、事業戦略に活用しています。(b) 88万品目の豊富な品揃え当社グループは、主力の空気圧機器だけでなく、自動制御機器全般を網羅する一連の製品群をお客様に提供しています。豊富な品揃えは88万品目に及び、在庫も厚めに保持する戦略で、当社グループにご用命いただければ自動制御機器なら何でも揃う「ワンストップショップ」のサービスにより、お客様の様々なニーズに対応しています。 ② 着実な設備投資当社グループは、以下の観点から、着実な設備投資に取り組んでいます。これらは、短期的には減価償却費の負担により収益性の悪化を招きますが、中長期的には当社グループの競争力を高め、企業価値の向上に資するものと考えています。 (a) 生産能力の確保地球温暖化や労働力人口の減少などの社会課題は深刻さを増しており、自動化・省力化を通じてこれら社会課題の解決に貢献できる自動制御機器は、中長期的に安定した需要の拡大が見込まれます。当社グループは、不況期にも着実な設備投資を行って生産能力を確保することにより、需要回復期には他社に先んじて受注を獲得し、販売シェアを伸ばす戦略を採用してきました。不透明な政治経済情勢を背景に、設備投資の抑制傾向がみられる現下の状況においても、生産拠点、物流拠点及び研究開発拠点の拡充を進めています。 (b) 生産の複線化当社グループは従来、集中生産とロケーションセービング(人件費を中心とする生産コストの低い国・地域での生産)による徹底的なコストダウンを進めてきましたが、自然災害や感染症、貿易紛争など様々なリスクを想定し、いかなる事態が発生してもお客様への製品供給責任を果たすことができる体制を確立するため、世界6か国の量産拠点を中心に、生産の複線化(一つの製品を複数の拠点で生産できる体制の構築)を進めています。 (c) 人的資本投資当社グループは、「従業員が誇りと愛着を持てる企業」を目指して、快適な職場環境の整備に取り組んでいます。近年竣工した新工場、新本社、新たな研究開発拠点Japan Technical Center(JTC)及び遠野サプライヤーパークでは、働く人にとって快適な環境を整備するとともに、お客様、お取引先、当社グループ各社の従業員などとの交流促進を目的とした設備を導入して、生産性の向上と優秀な人材の確保に努めています。 ③ CO2排出量削減に貢献する製品とソリューションの提案 当社グループは従来から、小型・軽量で省エネルギー性能に優れた製品を開発し、お客様に提供してきました。当社の高い環境関連技術をお客様にアピールすることで、売上成長につなげていきます。 (a) 低圧化の提案 工場における消費電力の約20%が、圧縮空気を生成するコンプレッサの稼働によるものとされています。お客様の工場で使用されるエアの消費量や圧力を抑えることにより、CO2排出量と電力コストの大幅な削減が可能です。当社グループは、お客様の工場全体で使用する空気圧を低圧化する「4BAR factory」のソリューション、エアの使用状況を常時監視し設備の稼働状況に応じて自動的に圧力を下げる機能などを持つ「AMS(エアマネジメントシステム)」、工場全体を低圧化しつつラインの必要な部分のみ局所で増圧する「省エネ増圧弁」などの提案活動に力を入れています。 (b) 省エネ診断 当社グループのスタッフがお客様の工場にお伺いして、エアの使用状況を細かくチェックし、エアの消費量の削減や圧力の低圧化を実現する製品やノウハウを組み合わせた、総合的な提案を行う「省エネ診断」の活動を進めています。世界50か国以上で約200名の営業スタッフを担当者として任命し、お客様に対して年間600件以上の省エネ診断を実施しています。 (c) 「環境配慮型製品」当社製品をシリーズごとに区分して、原材料の調達から生産、販売、お客様による製品の使用、廃棄に至るまでのプロセス全体における環境負荷の低減について、11項目の評価を実施しています。これらの項目のうち、お客様のCO2排出量削減に直接に貢献できる4項目(省電力、省資源、省エア、省エネ性能の向上を目的に開発した新製品)のいずれかに該当する製品を「環境配慮型製品」と定義しました。環境配慮型製品の売上高は、当社グループの売上高全体の約80%を占めています。 (d) 政府・自治体との協働当社は、経済産業省資源エネルギー庁の施策として(一社)環境共創イニシアチブが運営する「中小企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業」の「省エネ診断機関」として登録を受けて、お客様の生産設備や装置の省エネ診断を実施しています。また、当連結会計年度においては、環境省の「バリューチェーン全体での脱炭素化推進モデル事業」に選定されました。環境省が目指す事業の脱炭素化を図る「脱炭素経営」をより一層促進するため、バリューチェーン上の中小企業を含むサプライヤー各社との連携等により、個社ではなく協働でGHG排出量の把握や削減を行うモデル事業に選定されました。このほか、各国政府や自治体などと協働して、当社グループの製品やソリューションの活用により、広くCO2排出量削減を図る施策の検討を進めています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績当期(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の世界経済においては、中東情勢の緊迫化、米国関税政策の影響などから不透明な状況が継続しました。自動制御機器の需要環境を概観しますと、半導体・電機関連は、中華圏は家電、液晶などデジタル機器関連を中心に好調を維持し、日本・北米・韓国の半導体関連は年度後半から需要が回復しました。自動車関連は、中華圏のEV関連需要は底堅く推移しましたが、北米・日本・欧州は設備投資先送りの動きが継続しました。工作機械関連は、中華圏・日本を中心に堅調でした。医療機器関連、食品機械関連及びその他の業種向けは、伸び悩みました。このような環境において当社グループは、製品供給能力の拡大、BCPに基づく生産の複線化、開発能力の強化を目的とした積極的な設備投資を進め、製品・顧客の多角化推進などに引き続き取り組みました。これらの結果、当期における売上高は、842,541百万円(前期比6.4%増)となりました。営業利益は、190,558百万円(同0.2%増)となりました。原価率の上昇、人件費ならびに減価償却費の増加により、前期並みの水準となりました。経常利益は、235,591百万円(同12.2%増)となりました。為替差益が増加したことが、主な増益要因です。税金等調整前当期純利益は、236,989百万円(同12.3%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、167,302百万円(同7.0%増)となりました。自己資本当期純利益率(ROE)は、前期比0.1ポイント上昇して8.3%となりました。② 財政状態 (a) 資産の状況当期末における総資産は、前期末比211,068百万円(10.0%)増加の2,311,835百万円となりました。営業債権は27,355百万円の増加、棚卸資産は17,037百万円の増加、有形固定資産は139,292百万円の増加となりました。 (b) 負債の状況負債は、前期末比24,134百万円(14.0%)増加の196,595百万円となりました。営業債務は15,076百万円の減少、未払法人税等は17,421百万円の増加となりました。 (c) 純資産の状況純資産は、前期末比186,933百万円(9.7%)増加の2,115,240百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益計上による利益剰余金167,302百万円の増加、為替換算調整勘定92,933百万円の増加が、主な要因です。自己資本比率は、前期末の91.8%から当期末は91.5%となり、1株当たり純資産額は、前期末の30,255円22銭から当期末は33,498円92銭となりました。③ キャッシュ・フロー当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末比42,120百万円増加の573,769百万円となりました。 (a) 営業活動によるキャッシュ・フロー188,917百万円の収入(前期比7,739百万円の収入減)となりました。正味の営業活動により得られた収入218,815百万円(同23,402百万円の収入減)、及び法人税等の支払50,271百万円(同16,454百万円の支出減)が主要因です。 (b) 投資活動によるキャッシュ・フロー107,511百万円の支出(前期比142,746百万円の支出増)となりました。定期預金にかかる純収入額42,249百万円(同62,393百万円の収入増)、及び有形固定資産の取得による支出152,701百万円(同45,961百万円の支出増)が主な要因です。以上により当期間のフリーキャッシュフローは、81,405百万円のプラス(同150,486百万円の収入減)となりました。 (c) 財務活動によるキャッシュ・フロー94,119百万円の支出(前期比6,083百万円の支出減)となりました。自己株式の取得による支出30,018百万円(同4,999百万円の支出増)、及び配当金の支払額63,535百万円(同513百万円の支出減)が主な原因です。④ 生産、受注及び販売の状況(a) 生産実績当社グループは自動制御機器事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)自動制御機器事業843,896+12.8 (注) 金額は、販売価格によっています。 (b) 受注実績当社グループは自動制御機器事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における受注実績は次のとおりです。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)自動制御機器事業872,261+13.2118,156+33.6 (c) 販売実績当社グループは自動制御機器事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)自動制御機器事業842,541+6.4 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(a) 経営成績の分析当期の売上高は、842,541百万円(前期比6.4%増)となりました。需要動向及び販売の状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績」に記載のとおりです。売上総利益は、381,452百万円(同5.1%増)となりました。原価率の上昇、人件費及び減価償却費の増加を主因とする製造原価等の増加により売上総利益率は前期比0.6ポイント低下して45.3%となりました。販売費及び一般管理費は、人件費及び減価償却費の増加を主因として190,893百万円(同10.5%増)となり、販管費負担率は前期比0.8ポイント上昇して22.7%となりました。営業利益は190,558百万円(同0.2%増)となり、営業利益率は前期比1.4ポイント低下して22.6%となりました。営業外損益では、為替差益19,693百万円(前期は4,468百万円の為替差損)の計上などにより、経常利益は235,591百万円(同12.2%増)となり、経常利益率は前期比1.5ポイント上昇して28.0%となりました。特別損益では、固定資産売却益及び投資有価証券売却益が増加した一方で、減損損失も増加しました。これらに加え、法人税等が増加したものの、親会社株主に帰属する当期純利益は167,302百万円(同7.0%増)となりました。なお当期の期中平均為替レートは、1米ドル=150円64銭、1ユーロ=174円60銭、1人民元=21円21銭、期末為替レートは、1米ドル=159円93銭、1ユーロ=183円44銭、1人民元=23円12銭でした。 (b) 財政状態の分析「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態」に記載のとおりです。 ② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。作成に当たっては、経営者による会計方針の選択と適用並びに資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等に基づき合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。 (棚卸資産の評価に関する事項) (ⅰ) 当社グループの製品の特性(需要及び材質)当社グループの主要製品である空気圧機器をはじめとする自動制御機器は、お客様の工場の生産・搬送ライン、半導体製造装置、工作機械、産業用ロボットなどに組み込まれる要素部品です。自動制御機器製品の単価は比較的低廉ですが、その不具合や欠品によってラインの停止や稼働遅れが生じた場合、お客様は多大な損失を被ります。そのため、お客様のニーズに合致した製品を短納期で即納することができるかどうかが、競争上、極めて重要な要件となります。当社グループの製品を採用してくださったお客様は、次にラインや装置の図面を更新するまで長期間にわたり継続して同一の製品を購入される傾向があります。また、当社グループの製品の主要な材質は、アルミニウムや樹脂など腐食に強い素材であり、製品は経年劣化しにくい特性を持っています。さらに、在庫の陳腐化リスクを低減するため、最終製品に組み上げる前の段階で在庫として保持する等の対応も行っています。 (ⅱ) 当社グループの在庫保有方針「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境 ② 当社グループの競争優位性」に記載のとおり、豊富な品揃えと潤沢な在庫は当社グループの競争優位性の重要な要素であり、戦略的に厚めの在庫を保持するという方針を変更する予定はありません。 (ⅲ) 棚卸資産の評価減金額の算定方法当社は、上記の製品の特性及び在庫保有方針を踏まえつつ、時間の経過に応じた販売実績の減少に伴う収益性の低下を棚卸資産の評価に適切に反映するため、当社及び各連結子会社が保有する在庫の品番別の残高、過去の一定期間(概ね10年)の販売・使用の実績データ等を分析し、滞留状況に応じた評価減率を設定して、棚卸資産の評価減金額を算定しています。 (ⅳ) 重要な会計上の見積りに関する注記との関係「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」及び「2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。 (3) 資本の財源及び資金の流動性① キャッシュ・フローの状況の分析「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。 ② 資金需要当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料・部品等の購入費用、製造経費、販売費及び一般管理費、研究開発費です。投資を目的とする資金需要の主なものは、土地、建物、機械設備等の購入などの設備投資です。 ③ 財務政策当社グループは、通常の事業活動に必要な流動性を確保しつつ、機動的な設備投資を実施するための資金需要にも対応できる資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。長期運転資金及び設備投資資金については自己資金により賄い、短期運転資金については自己資金のほか必要に応じて金融機関からの借入により調達することを基本としています。 当期末における借入金の残高は5,092百万円、現金及び現金同等物の残高は573,769百万円です。なお当社は、2025年5月14日開催の取締役会の決議に基づき、当期中に594,400株、29,996百万円の自己株式の取得を実施しました。また2025年5月30日付で、3,500,000株、211,317百万円の自己株式を消却しました。 (4) 経営成績に重要な影響を与える要因について 「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 (5) 経営戦略の現状及び見通し 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
事業リスク
- 海外事業展開に伴うカントリーリスクSMCグループは世界各地で事業を展開しており、特に中国やベトナムでの生産拠点強化を進めています。しかし、これらの国々では政治体制や経済環境の激変、法制度の変更、労働環境の悪化、社会インフラの不安定化、テロや自然災害、感染症の蔓延など、不測の事態が発生するリスクがあります。これにより、現地資産の保全やグローバルな製品供給体制に深刻な悪影響が及ぶ可能性があります。
- 外国為替相場の変動リスクSMCグループは世界中で事業活動を行っており、外貨建ての取引や資産が多く存在します。連結財務諸表作成時にこれらを円換算するため、外国為替相場の変動が業績や財政状態に影響を与える可能性があります。特に円高方向への為替変動は、外貨建ての売上高や利益の減少、外貨建て資産の換算上のマイナスにつながる可能性があります。
- 情報セキュリティに関するリスクSMCグループは、顧客情報や技術情報の管理、受発注から生産、人事・給与、会計処理など、事業活動のあらゆる場面で情報ネットワークやシステムに大きく依存しています。サイバー攻撃の巧妙化やシステム障害、ヒューマンエラー、不正アクセスなどにより、情報システムの障害や重要な情報の漏洩が発生するリスクがあります。これにより、生産や出荷の停止、損害賠償費用の発生、社会的信用の失墜など、事業活動全般に重大な悪影響が生じる可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 海外での事業展開に伴うカントリーリスク(リスクの内容)当社グループは、顧客満足度の向上を通じた受注の拡大を目的として、世界各地域において研究開発から資材調達、生産、販売に至るまでの広範な事業活動を展開しています。特に中国及びベトナムにおいては、当該国内での需要への対応やグローバルな製品供給の役割を担うべく、生産拠点の充実・強化を進めています。中国をはじめ各国においては、以下のような不測の事態が発生するリスクがあります。 ① 政治体制、経済環境の激変 ② 法制、税制、為替政策、輸出入に関する規制などの急激な変更 ③ 労働力の不足、人件費の高騰、大規模な労働争議の発生など労働環境の激変 ④ 社会インフラの未整備に起因するエネルギー供給の不安定化 ⑤ テロ、戦争、暴動、自然災害、感染症の蔓延などによる社会的混乱(リスクが顕在化する可能性の程度及び時期)当該リスクが顕在化する可能性は10年から20年に一度程度と想定してきましたが、近年、戦争や感染症の蔓延などリスクが顕在化したほか、経済面や安全保障面での米中対立も続いており、不透明感が高まっています。(リスクが顕在化した場合の影響の内容)当該リスクが顕在化した場合、現地従業員及び駐在員の安全並びに生産設備など現地資産の保全が危うくなるおそれがあるほか、グローバルな製品供給体制に支障が生じ、当社グループ全体の事業活動に深刻な悪影響が及ぶ可能性があります。(リスクへの対応策)BCPの観点から、中国に匹敵する規模の生産拠点をベトナムに整備することや、国内にも一定の供給能力を確保することで、不測の事態が発生しても早期に復旧できる体制の整備に努めています。 (当連結会計年度におけるリスクの顕在化について)当連結会計年度においては、ロシアによるウクライナ侵攻、中東における紛争とそれに伴うホルムズ海峡の航行不能という形で、当該リスクの顕在化が継続しました。当社グループの各拠点は、通常稼働を継続しており、お客様及びサプライヤー様の事業活動への影響も限定的なものにとどまりました。海上輸送の所要期間及び物流コストの面では影響を受けましたが、平素から潤沢な在庫を保持する戦略も奏功し、当社グループの製品供給に大きな支障は生じませんでした。 (2) 外国為替相場の変動リスク(リスクの内容)当社グループは、世界各地域において研究開発から資材調達、生産、販売に至るまでの広範な事業活動を展開しています。当社グループの外貨建取引及び外貨建資産等は、連結財務諸表作成時に円換算するため、外国為替相場の変動により業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。(リスクが顕在化する可能性の程度及び時期)当社グループの海外ビジネスの拡大に伴い、当該リスクが顕在化する可能性は高まっており、過去の経験上、2~3年程度に一度は、為替変動により業績及び財政状態に比較的大きな影響を受けることが想定されます。顕在化の時期としては、業績に対する影響は年間を通じて、財政状態に対する影響は決算期末となります。(リスクが顕在化した場合の影響の内容)円高方向への為替変動により、当社グループの外貨建売上高及び利益が減少します。外貨建の仕入及び費用も減りますが、相対的に影響は少額です。また、当社グループの外貨建資産に関して、換算上のマイナスが発生します。(リスクへの対応策)外貨建の仕入を増やすことに努めていますが、モノづくりの本拠が日本にあることから、対応には限界があります。現在、グループ内での現金配分を見直すことにより、特に為替変動の影響を受けやすい新興国通貨建の資産を減らす対応を進めています。(3) 製品の欠陥に関するリスク(リスクの内容)当社グループは、製品の欠陥によってお客様に損害を与えた場合、製造物責任を問われるリスクがあります。当社グループの主要製品である空気圧機器は、医療機器などの新しい分野に用途が拡大しており、これら機器に使用された製品に欠陥があったとして、損害賠償を求める訴訟が提起されるリスクもあります。(リスクが顕在化する可能性の程度及び時期)大規模な製品の欠陥という形で、当該リスクが顕在化する可能性は非常に低いと想定しています。顕在化の時期は特定できません。(リスクが顕在化した場合の影響の内容)当該リスクが顕在化した場合、損害賠償のための費用負担が発生するほか、お客様からの信頼を失うおそれがあり、イメージダウンに伴う他のお客様からの失注も含め、当社グループ全体の事業活動に悪影響が及ぶ可能性があります。(リスクへの対応策)当社グループは厳しい品質管理を行っていますが、製品に欠陥が生じるリスクをゼロにすることは不可能です。生産物賠償責任保険には加入していますが、保険金によって賠償額のすべてを賄える保証はありません。 (4) 情報セキュリティに関するリスク(リスクの内容)当社グループは、顧客情報や技術情報の管理、受発注から生産、人事・給与、会計のデータ処理など、事業活動のあらゆる場面において、情報ネットワークやシステムに大きく依存しています。これらの情報ネットワークやシステムは、日常的に大量のサイバー攻撃にさらされています。このほかシステムや機器の故障、ヒューマンエラーや不正アクセスにより、情報システムの障害や、重要な情報の漏洩が発生するリスクがあります。(リスクが顕在化する可能性の程度及び時期)サイバー攻撃の手法は年々巧妙化しており、また経済安全保障やプライバシー保護の観点から、情報の取扱いに関する規制強化の動きが各国で進む中、当該リスクが顕在化する可能性は高まっています。顕在化の時期は特定できません。 (リスクが顕在化した場合の影響の内容)当該リスクが顕在化した場合、生産や出荷、支払が止まるなど、当社グループの事業活動全般に重大な支障が生じることが想定されます。また、お客様やお取引先様の情報が漏洩した場合、損害賠償のための費用負担が発生するほか、社会的信用を失うことによる売上の減少など、当社グループの業績に深刻な悪影響が生じるおそれがあります。(リスクへの対応策)当社グループは、グループ全体の情報セキュリティを統括管理する専門チームを置いて、NIST(米国国立基準技術研究所)の「サイバーセキュリティフレームワーク」を踏まえた総合的な情報セキュリティ対策を実施しています。詳しくは、本有価証券報告書の「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (5) 情報セキュリティに関する取組」をご参照ください。