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トーヨーカネツ(6369)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 物流システムの提供
    トーヨーカネツは、倉庫や工場などで使われる物流システム(荷物の自動搬送・仕分け装置など)の企画、設計、製造、施工、販売、そしてメンテナンスまでを一貫して手掛けています。Eコマースの拡大や物流効率化のニーズに応え、顧客のサプライチェーンを支える重要な役割を担っています。
  • プラント設備の建設・保守
    石油精製所などで使われる大型タンク(原油やLNG貯蔵用)の設計、製造、建設、そして補修工事やメンテナンスを行っています。エネルギーインフラを支える基幹産業であり、長年の実績と技術力が強みです。
  • 環境・防災ソリューション
    アスベストやシックハウスの原因物質、騒音、振動、臭気などの調査・分析、環境計測機器の製造・販売、さらには建築請負や不動産賃貸・管理など、多岐にわたる事業を展開しています。社会の環境意識の高まりや防災ニーズに対応するサービスを提供しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 物流ソリューション事業
    倉庫や工場向けの自動搬送・仕分けシステムなどの物流システム全般の製造、販売、メンテナンスを手掛けています。Eコマース市場の拡大を背景に、売上高378億円、営業利益37.22億円と、グループの稼ぎ頭であり、最も規模の大きい事業です。
  • プラント事業
    石油やLNG貯蔵用の大型タンクの製造、販売、メンテナンス、および人材派遣を行っています。国内製油所を中心にタンク補修工事を請け負っており、売上高103.28億円、営業利益10.41億円と、安定した収益を確保しています。
  • みらい創生事業
    アスベスト調査、環境計測機器の保守管理、環境調査、建築請負など、環境・防災に関連する多岐にわたるサービスを提供しています。売上高は97.85億円ですが、新規事業への投資やM&Aの影響もあり、営業利益は8.73億円となっています。また、旧名称の「NextGenerationEnergyDevelopmentBusiness」は、売上21.58億円、営業利益-4.33億円と、まだ投資段階にあることが示唆されます。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
LogisticsSolutionsBusiness 地域 378 37 9.8%
PlantBusiness 地域 103 10 10.1%
NextGenerationEnergyDevelopmentBusiness 地域 22 -4 -20.1%
BusinessInnovation 地域 98 9 8.9%
Others 事業 4 2 43.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|963 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社18社及び持分法適用会社1社で構成され、物流システム及び機械・プラントの企画、開発、設計、製作、施工、販売を主体とし、各事業に関連するリース、メンテナンスなどの事業活動を展開しております。 また、環境・防災に関連する調査、測定、分析、計測、産業用設備・機器の製造・販売、建築請負、不動産賃貸・管理、その他のサービス等の事業も営んでおります。 当社グループの事業における位置付けは次の通りであります。 なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載の通りであります。 事業区分主な事業内容主要グループ会社物流ソリューション事業物流システムの製造・販売・メンテナンス、当事業に特化したコンピューターシステムの設計・開発・製造及び販売当社㈱スクラムソフトウェアToyo Kanetsu (Malaysia) Sdn. Bhd.プラント事業各種タンクの製造・販売・メンテナンス及び人材の派遣当社TKKプラントエンジ㈱木本産業㈱※PT Toyo Kanetsu IndonesiaToyo Kanetsu (Malaysia) Sdn. Bhd.みらい創生事業アスベスト、シックハウス、騒音・振動、臭気等の調査、測定及び分析環境機器及び計測機器の保守管理・点検・修理・データ解析、環境調査(生活環境・自然環境)、環境アセスメント、環境モニタリングシステム販売、環境測定器・試薬などの販売土木、建築、公害関係の各種計測機器、試験機の開発、試作、設計、製造、販売、および上記製品の設置工事、建設コンサルタント業務産業用設備・機器の製造・販売建築請負環境リサーチ㈱環境計測㈱坂田電機㈱トーヨーコーケン㈱マックスプル工業㈱トーヨーカネツビルテック㈱他6社その他複写・印刷業及び事務用品・機器の販売家具・家電、物流システム機器のリース不動産の賃貸・管理当社他1社(注)無印:連結子会社 ※:持分法適用関連会社 事業の系統図は以下の通りであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
主力事業が受注型産業であり、厳しい受注競争に晒されているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
物流システム、プラント、次世代エネルギー開発における企画、開発、設計、製作、施工の技術力。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:気候変動によるLNG・原油等タンク需要減少 / プロジェクト遂行におけるコスト増加や調達困難 / 人材の確保・育成に関する影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

トーヨーカネツは、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPに依存する事業モデルではない。主要な競争優位性は技術力や製造能力に依存しており、これらは無形資産として直接的に評価しにくい。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

LNGタンクや石油貯蔵タンクなど、大型プラント建設においては、顧客との長期的な信頼関係や過去の実績が重要となる。一度採用されたメーカーを変更するには、設計変更や認証プロセスなど、一定のスイッチングコストが発生する可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業は、プラント建設や機器製造が中心であり、ユーザーが増えることで価値が増加するようなネットワーク効果は発生しない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年のプラント建設で培われたノウハウや効率的な生産プロセスにより、一定のコスト競争力を持つ可能性がある。しかし、競合他社も同様の技術や経験を有しており、構造的なコスト優位性は限定的と考えられる。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

LNGタンクや石油貯蔵タンクなどの大型貯蔵設備分野においては、高い技術力と豊富な実績を持つ数少ない企業の一つであり、業界内での一定の寡占状態を形成している。特にLNGタンク分野では、世界的に見ても主要プレイヤーとして位置づけられる。

  • 長年の実績と技術力
    物流システムとプラント建設において、長年にわたり培ってきた設計、製造、施工、メンテナンスの総合的な技術力とノウハウが強みです。特に大型タンク建設や物流センターの全体エンジニアリングでは、豊富な実績と専門知識が競争優位の源泉となっています。
  • 一貫したソリューション提供
    物流ソリューション事業では、営業提案から施工、メンテナンスまでを一貫して提供できる体制を構築しています。これにより、顧客のニーズに合わせた最適なシステムを効率的に導入・運用できるため、高い顧客満足度と信頼を獲得しています。
  • 環境変化への適応と新規事業
    気候変動リスクに対応するため、大型液化水素貯蔵タンクの開発など、低炭素社会の実現に向けた新たな技術開発に積極的に取り組んでいます。また、M&AやCVCを通じた新規事業の創出にも注力し、持続的な成長に向けた事業ポートフォリオの再構築を進めています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • ソリューションイノベーターへの変革
    トーヨーカネツは、「革新的な技術と実行力で、社会課題を解決する「ソリューションイノベーター」」を目指しています。複雑化する社会課題に対し、先進的な技術やソリューションを提供することで、持続的な企業価値向上と社会発展への貢献を目指す経営ビジョンを掲げています。
  • 未来に向けた成長基盤の確立
    新中期経営計画(2025~2027年度)では、「未来に向けた成長基盤の確立」を基本方針としています。具体的には、事業構造の再構築による成長、製品や業務の標準化・省人化による生産性向上、多様な人材の確保と育成による人材力強化の3つの柱で取り組みを進めています。
  • ESG経営の推進と目標達成
    気候変動対応としてGHG排出量削減目標の設定や環境投資、従業員の健康経営、地域貢献活動など、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営を積極的に推進しています。2027年度には売上高680億円、営業利益43億円、ROE8%の達成を目標とし、グループ一丸となって取り組む方針です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社は、社是である「わが社は 常にすすんで よりよきものを造り 社会のために奉仕する」を経営理念とし、「革新的な技術と実行力で、社会課題を解決する「ソリューションイノベーター」」となることを経営ビジョンに掲げ、複雑化する経営環境や社会が直面する課題に革新的・先駆的な技術やソリューションをもって解決することに取り組み、グループの持続的企業価値向上と社会の発展に寄与することを目指しております。当社グループでは、事業を通じて持続的に企業価値を向上させるため、自らの強みを活かし優先的に取り組むべき重要な経営課題(マテリアリティ)10項目を2019年に特定し、事業活動を継続してきました。しかし、特定してから数年が経過し、当社グループを取り巻く内外環境が変化したことを鑑み、2025年度を初年度とする新中計の策定に際し、あらためて当社グループが優先的に取り組むべきマテリアリティ8項目とKPIを策定しました。新たな各マテリアリティを事業戦略の策定や各事業における意思決定プロセスにおいて考慮すべき重要な要素と位置付けています。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しており、事業を通じた気候変動課題解決への取り組みとGHG排出量削減施策を強化するとともに、提言に基づく開示内容を拡充し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。引き続き、これらの課題解決を通じて、社会的に期待される役割について認識し、関連SDGs達成への寄与にも努めながら、財務面を含む持続的な成長を確実なものとしてまいります。なお、社長直轄組織の安全環境品質保証部は、安全管理・品質管理水準の一層の向上に取り組み、事業特性に応じた最適な体制の構築を図るため、2026年度よりソリューション事業本部およびプラント事業本部内に、安全品質保証部をそれぞれ設置し、環境関連業務はコーポレート本部内で、環境負荷低減への取り組みを強化します。 事業を通じた社会課題解決に資する重要テーマ(1) 気候変動・環境問題への対応(2) 労働力不足への対応 事業の競争力強化に資する重要テーマ(事業伸長のための技術)(3) 新技術の開発(4) ビジネスパートナーとの共創(5) 製品・システムの信頼性の向上(6) 業務生産性の向上 企業としての経営基盤(7) リスクマネジメント・ガバナンスの高度化(8) 人的資本経営の高度化 (2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題当社グループは、新グループ中期経営計画(2025~2027年度)を2030年に向けた長期戦略の第2フェーズと位置づけ、社是である「わが社は 常にすすんで よりよきものを造り 社会のために奉仕する」を経営理念とし、経営ビジョン「革新的な技術と実行力で、社会課題を解決する「ソリューションイノベーター」」を継続して掲げます。複雑化する経営環境や社会が直面する課題を、革新的・先駆的な技術やソリューションをもって解決することに取り組み、グループの持続的企業価値向上と社会の発展に寄与することを目指します。新グループ中期経営計画の初年度においては、みらい創生事業の新規連結子会社の売上寄与があったものの、物流ソリューション事業が期初の想定通り大型プロジェクトが不在となる踊り場を迎えたことなどから、減収減益となりました。こうした状況を踏まえ、前グループ中期経営計画の施策を継続しつつ、事業環境に合わせた新たなグループ経営戦略を進めてまいります。具体的には、「未来に向けた成長基盤の確立」を基本方針とし、①事業の成長(事業構造(ポートフォリオ)の再構築)、②生産性の向上(製品や業務の標準化、省人化の推進)、③人材力の強化(多様性の確保と積極的な育成投資)を3つの柱として取組みを着実に推進しております。各事業の基本方針・重点施策は以下の通りです。 ・物流ソリューション事業〔基本方針〕高成長企業への進化・ 主力事業としての規模拡大・ 業務領域と顧客領域の拡大・ サービス事業強化〔重点施策〕① 新領域へのチャレンジ、拡大② 徹底した標準化の実現③ 新技術の獲得④ 組織力のUp・プラント事業〔基本方針〕安定収益確保・ メンテナンス需要の継続受注・ 新規案件取込みによる売上増・ 技術継承と人材確保〔重点施策〕① メンテナンス案件の継続受注及び新規取り込みによる安定収益確保② 人材確保と育成で技術力・施工力・動員力Up③ タンクメーカーの実績と知見を基にした活躍領域の拡大・みらい創生事業その他〔基本方針〕環境事業確立への挑戦・環境・防災領域の事業拡大(M&A含む)・グループ会社のガバナンス強化〔重点施策〕① 事業の選択と集中を進め、環境・防災ソリューション事業を確立② グループ一体運営によるグループシナジー・事業機会の創出③ 効率的グループ・ガバナンスの構築・経営基盤強化策(ESG経営の推進) 当社グループは、グループ全体の持続的成長を目指し、気候変動への対応として、GHG排出量削減目標(Scope1およびScope2)の公表や、環境投資(工場等への太陽光発電設備の導入)など継続して取り組んでおります。また、従業員の健康保持・増進の取組みを推進する中、「健康経営®優良法人(大規模法人部門)」に5年連続で認定されているほか、地域貢献活動においても、当社グループの所在地の自治体へ児童書購入等の支援や地域イベント等での協賛・ボランティアなど積極的に活動しております。これらの取り組みを含むESG経営については、マテリアリティで特定した項目等、対処すべき課題に対し、サステナビリティ委員会を中心に継続して推進してまいります。(3)目標とする経営指標当中期経営計画期間の最終年度にあたる2027年度の連結業績目標として、売上高680億円、営業利益43億円、ROE8%の達成を目指し、「ACTION FOR THE FUTURE 期待を超える実行力で、未来を支えるチカラになる」のもとグループ一丸となって目標達成に取り組んでまいります。(単位:百万円)連結業績目標への推移2025年度(実績)2026年度(予想)2027年度(中計目標)売上高59,61765,00068,000物流ソリューション事業34,95738,00040,000プラント事業12,79914,00014,500みらい創生事業11,45912,50013,000その他399500500営業利益3,5814,0004,300物流ソリューション事業3,4253,9004,100プラント事業1,002850900みらい創生事業4661,0001,100その他(全社費用含む)△1,311△1,750△1,800ROE6.5%7.0%8.0%(注)上表における各事業の営業利益の目標数値はセグメント間の内部取引及び振替高の調整額が含まれておりません。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社は、社是である「わが社は 常にすすんで よりよきものを造り 社会のために奉仕する」を経営理念とし、「革新的な技術と実行力で、社会課題を解決する「ソリューションイノベーター」」となることを経営ビジョンに掲げ、複雑化する経営環境や社会が直面する課題に革新的・先駆的な技術やソリューションをもって解決することに取り組み、グループの持続的企業価値向上と社会の発展に寄与することを目指しております。当社グループでは、事業を通じて持続的に企業価値を向上させるため、自らの強みを活かし優先的に取り組むべき重要な経営課題(マテリアリティ)10項目を2019年に特定し、事業活動を継続してきました。しかし、特定してから数年が経過し、当社グループを取り巻く内外環境が変化したことを鑑み、2025年度を初年度とする新中計の策定に際し、あらためて当社グループが優先的に取り組むべきマテリアリティ8項目とKPIを策定しました。新たな各マテリアリティを事業戦略の策定や各事業における意思決定プロセスにおいて考慮すべき重要な要素と位置付けています。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しており、事業を通じた気候変動課題解決への取り組みとGHG排出量削減施策を強化するとともに、提言に基づく開示内容を拡充し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。引き続き、これらの課題解決を通じて、社会的に期待される役割について認識し、関連SDGs達成への寄与にも努めながら、財務面を含む持続的な成長を確実なものとしてまいります。なお、社長直轄組織の安全環境品質保証部は、安全管理・品質管理水準の一層の向上に取り組み、事業特性に応じた最適な体制の構築を図るため、2026年度よりソリューション事業本部およびプラント事業本部内に、安全品質保証部をそれぞれ設置し、環境関連業務はコーポレート本部内で、環境負荷低減への取り組みを強化します。 事業を通じた社会課題解決に資する重要テーマ(1) 気候変動・環境問題への対応(2) 労働力不足への対応 事業の競争力強化に資する重要テーマ(事業伸長のための技術)(3) 新技術の開発(4) ビジネスパートナーとの共創(5) 製品・システムの信頼性の向上(6) 業務生産性の向上 企業としての経営基盤(7) リスクマネジメント・ガバナンスの高度化(8) 人的資本経営の高度化 (2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題当社グループは、新グループ中期経営計画(2025~2027年度)を2030年に向けた長期戦略の第2フェーズと位置づけ、社是である「わが社は 常にすすんで よりよきものを造り 社会のために奉仕する」を経営理念とし、経営ビジョン「革新的な技術と実行力で、社会課題を解決する「ソリューションイノベーター」」を継続して掲げます。複雑化する経営環境や社会が直面する課題を、革新的・先駆的な技術やソリューションをもって解決することに取り組み、グループの持続的企業価値向上と社会の発展に寄与することを目指します。新グループ中期経営計画の初年度においては、みらい創生事業の新規連結子会社の売上寄与があったものの、物流ソリューション事業が期初の想定通り大型プロジェクトが不在となる踊り場を迎えたことなどから、減収減益となりました。こうした状況を踏まえ、前グループ中期経営計画の施策を継続しつつ、事業環境に合わせた新たなグループ経営戦略を進めてまいります。具体的には、「未来に向けた成長基盤の確立」を基本方針とし、①事業の成長(事業構造(ポートフォリオ)の再構築)、②生産性の向上(製品や業務の標準化、省人化の推進)、③人材力の強化(多様性の確保と積極的な育成投資)を3つの柱として取組みを着実に推進しております。各事業の基本方針・重点施策は以下の通りです。 ・物流ソリューション事業〔基本方針〕高成長企業への進化・ 主力事業としての規模拡大・ 業務領域と顧客領域の拡大・ サービス事業強化〔重点施策〕① 新領域へのチャレンジ、拡大② 徹底した標準化の実現③ 新技術の獲得④ 組織力のUp・プラント事業〔基本方針〕安定収益確保・ メンテナンス需要の継続受注・ 新規案件取込みによる売上増・ 技術継承と人材確保〔重点施策〕① メンテナンス案件の継続受注及び新規取り込みによる安定収益確保② 人材確保と育成で技術力・施工力・動員力Up③ タンクメーカーの実績と知見を基にした活躍領域の拡大・みらい創生事業その他〔基本方針〕環境事業確立への挑戦・環境・防災領域の事業拡大(M&A含む)・グループ会社のガバナンス強化〔重点施策〕① 事業の選択と集中を進め、環境・防災ソリューション事業を確立② グループ一体運営によるグループシナジー・事業機会の創出③ 効率的グループ・ガバナンスの構築・経営基盤強化策(ESG経営の推進) 当社グループは、グループ全体の持続的成長を目指し、気候変動への対応として、GHG排出量削減目標(Scope1およびScope2)の公表や、環境投資(工場等への太陽光発電設備の導入)など継続して取り組んでおります。また、従業員の健康保持・増進の取組みを推進する中、「健康経営®優良法人(大規模法人部門)」に5年連続で認定されているほか、地域貢献活動においても、当社グループの所在地の自治体へ児童書購入等の支援や地域イベント等での協賛・ボランティアなど積極的に活動しております。これらの取り組みを含むESG経営については、マテリアリティで特定した項目等、対処すべき課題に対し、サステナビリティ委員会を中心に継続して推進してまいります。(3)目標とする経営指標当中期経営計画期間の最終年度にあたる2027年度の連結業績目標として、売上高680億円、営業利益43億円、ROE8%の達成を目指し、「ACTION FOR THE FUTURE 期待を超える実行力で、未来を支えるチカラになる」のもとグループ一丸となって目標達成に取り組んでまいります。(単位:百万円)連結業績目標への推移2025年度(実績)2026年度(予想)2027年度(中計目標)売上高59,61765,00068,000物流ソリューション事業34,95738,00040,000プラント事業12,79914,00014,500みらい創生事業11,45912,50013,000その他399500500営業利益3,5814,0004,300物流ソリューション事業3,4253,9004,100プラント事業1,002850900みらい創生事業4661,0001,100その他(全社費用含む)△1,311△1,750△1,800ROE6.5%7.0%8.0%(注)上表における各事業の営業利益の目標数値はセグメント間の内部取引及び振替高の調整額が含まれておりません。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における我が国経済は、米中の通商政策が輸出企業に与える影響や、中東情勢混乱の長期化が懸念されるも、少子高齢化による人手不足感の高まりから幅広い企業において省力化・省人化のための旺盛な設備投資意欲がみられ、個人消費も物価上昇の鈍化と賃上げによる所得の増加もあいまって底堅く推移いたしました。 このような状況下、主力の物流ソリューション事業では、深刻化する人手不足を背景に、ネット通販、3PL、卸業、生協向け自動化・省人化設備への需要が継続しました。また、顧客ニーズの多様化に伴い、設備需要の広がりが見られる事業環境となりました。 プラント事業では、国内製油所向けタンクメンテナンスの需要が引き続き堅調に推移し、安定的に収益を計上しております。また、海外子会社のあるマレーシア・インドネシアにおいても補修案件への積極的な取り組みを継続しております。 みらい創生事業では、環境・防災ソリューション事業の官公庁・自治体向けでは、環境常時監視ソリューションは例年並みで推移する中、各種インフラの更新や防災意識の高まりを背景に、土木工事における計測需要が伸長しましたが、同事業の民需では、アスベスト対策市場の需要が堅調に推移しているものの競争環境は厳しさを増しています。産業機械事業では、建設投資、半導体、二次電池関連の設備投資計画が増加していること等により、市場は安定的に推移しており、建築事業は建築資材や工事費の高騰の影響により、厳しい事業環境が継続しております。1.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ20億84百万円増加し、695億21百万円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6億93百万円増加し、292億19百万円となりました。 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ13億91百万円増加し、403億1百万円となりました。2.経営成績 2025年度の連結決算の状況は、みらい創生事業の新規連結子会社の売上寄与があったものの、主力の物流ソリューション事業が期初の想定通り大型プロジェクトが不在となる踊り場を迎え減収となったことから、売上高は596億17百万円となり、前連結会計年度比微減(1.4%減)となりました。また、営業利益は、プラント事業は採算性向上により増益となったものの、物流ソリューション事業における減収に伴う減益に加え、みらい創生事業も減益となったことにより、35億81百万円と前連結会計年度比13.3%減となりました。経常利益は38億97百万円(同11.5%減)、前連結会計年度に政策保有株式の売却益を特別利益に計上したことの反動等により、親会社株主に帰属する当期純利益は25億56百万円と前連結会計年度比29.7%減となりました。また、受注高は、485億95百万円(同6.1%減)となっております。 なお、当連結会計年度より、セグメントの区分を変更しており、前年同期との比較分析は、変更後の区分に基づいております。 セグメントの経営成績は次の通りであります。・物流ソリューション事業 ネット通販、卸業、小売、3PL、製造業向けの「マルチシャトル」、「テーブルソーティングシステム」、「3Dパレットシャトル」、「モジューラ」等を組み込んだ庫内自動化設備案件を中心に売上計上されました。 この結果、当事業の売上高は349億57百万円(前連結会計年度比7.5%減)となりました。利益面では売上高の減少に伴って営業利益は34億25百万円(同8.0%減)、受注高は358億60百万円(同4.4%増)となりました。・プラント事業 国内製油所向けタンクメンテナンス案件を中心に、売上高は127億99百万円(前連結会計年度比2.5%増)となりました。 また、営業利益は10億2百万円(同11.2%増)、受注高は127億34百万円(同26.8%減)となりました。 ・みらい創生事業 環境・防災ソリューション事業及び産業機械事業の新規連結子会社の売上寄与や、建築事業における新設・改修工事の完工案件増加により売上高は114億59百万円(前連結会計年度比17.1%増)となりました。 利益面では、アスベスト調査・分析分野の競争環境の変化により同分野が減益となったことや、産業機械事業において戦略投資を含む先行的費用が発生したこと、新規連結子会社のM&A関連費用や統合プロセスに関する費用の計上等により、営業利益は4億66百万円(同46.6%減)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べて6億20百万円増加し、70億71百万円になりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により得られた資金は65億67百万円(前連結会計年度は53億0百万円の収入)になりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上37億39百万円、売上債権及び契約資産の減少30億99百万円、契約負債の増加9億56百万円、仕入債務の減少1億35百万円、法人税等の支払額16億15百万円等によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動に用いた資金は20億72百万円(前連結会計年度は17億62百万円の支出)になりました。主な要因は、固定資産の取得による支出23億2百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入2億15百万円等によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動に用いた資金は38億77百万円(前連結会計年度は54億22百万円の支出)になりました。主な要因は、短期借入金の純減少額17億15百万円、長期借入れによる収入6億50百万円、長期借入金の返済による支出6億5百万円、配当金の支払22億32百万円等によるものです。 ③生産、受注及び販売の実績 1.受注実績 当連結会計年度における各事業の受注実績を示すと、次の通りであります。 なお一部の見込生産を除き、受注生産を行っております。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)物流ソリューション事業35,860104.4%34,447102.7%プラント事業12,73473.2%11,63499.4%合計48,59593.9%46,082101.9% 2.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次の通りであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)物流ソリューション事業34,95792.5%プラント事業12,799102.5%みらい創生事業11,459117.1%報告セグメント計59,21798.6%その他39999.6%合計59,61798.6% (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)アマゾンジャパン合同会社6,98111.57,25412.2アスクル株式会社7,63812.62,3874.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、その作成にあたっては、決算日における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。 なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容 1.経営成績等の状況に関する分析・検討(中期経営計画の目指す経営指標に関する分析) 当社グループは、新グループ中期経営計画(2025~2027年度)を2030年に向けた長期戦略の第2フェーズと位置づけ、社是である「わが社は 常にすすんで よりよきものを造り 社会のために奉仕する」を経営理念とし、経営ビジョン「革新的な技術と実行力で、社会課題を解決する「ソリューションイノベーター」」を継続して掲げてまいりました。複雑化する経営環境や社会が直面する課題を、革新的・先駆的な技術やソリューションをもって解決することに取り組み、グループの持続的企業価値向上と社会の発展に寄与することを目指します。 本中期経営計画の初年度においては、みらい創生事業の新規連結子会社の売上寄与があったものの、物流ソリューション事業が期初の想定通り大型プロジェクトが不在となる踊り場を迎えたことなどから、減収減益となりました。 引き続き、「未来へ向けた成長路線の確立」を基本方針とし、①事業の成長(事業構造(ポートフォリオ)の再構築)、②生産性の向上(製品や業務の標準化、省人化の推進)、③人材力の強化(多様性の確保と積極的な育成投資)を3つの柱として取組みを更に強化してまいります。 グループ中期経営計画における各セグメントの目標数値、基本戦略及びそれらの進捗状況、並びに経営者が認識する現状の事業環境については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しておりますので、ご参照ください。2025年度の業績予想と実績との比較(単位:百万円) 2025年度(予想)2025年度(実績)予想比2026年度(予想)売上高62,00059,617△2,38265,000物流ソリューション事業35,50034,957△54238,000プラント事業14,00012,802△1,19714,000みらい創生事業12,00011,622△37712,500その他500641141500調整額-△408△408-営業利益3,7003,581△1184,000物流ソリューション事業3,4003,425253,900プラント事業8501,002152850みらい創生事業900466△4331,000その他15016212150調整額△1,600△1,474125△1,900ROE6.0%6.5%0.5pt7.0%(注)調整額は、連結消去及び各セグメントに帰属しない全社費用の合計額です。 売上高は、予想比23億82百万円減収(3.8%減)の596億17百万円となりました。また、営業利益は予想比1億18百万円減益(3.2%減)の35億81百万円となりました。 これは、ソリューション事業において、中小型案件を鋭意取り込むも大型案件が一服したこと、みらい創生事業において、M&Aの売上貢献はあったものの一部反動減があったこと等によるものです。 ROEは、営業利益は減益となったものの、賃上げ促進税制の税額控除による税金費用の減少等により、予想比0.5ポイント増加の6.5%となりました。 2.財政状態に関する分析・検討 当連結会計年度末における総資産は695億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億84百万円増加しました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産が30億39百万円減少し、投資有価証券が12億3百万円増加したことによるものです。一方負債は292億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億93百万円増加しました。これは主に有利子負債(短期借入金・1年内償還予定の社債・1年内返済予定の長期借入金・社債・長期借入金)が合計で8億97百万円減少し、契約負債が9億57百万円増加したことによるものです。 また純資産については、403億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億91百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益により25億56百万円及びその他有価証券評価差額金により7億59百万円増加した一方で、剰余金の配当により22億38百万円減少したことによるものです。 営業債権の回収による収入が、業容拡大に伴う運転資金や設備投資、積極的な株主還元策の実施等による資金需要を上回り、前連結会計年度と比べ金融機関からの借入金が減少しております。一方で、当連結会計年度から連結の範囲に含めました坂田電機株式会社ほか4社のバランスシートを取り込んだことにより、バランスシートはやや拡大し、当連結会計年度末の自己資本比率としては58.0%と前連結会計年度末に比べ0.3ポイント改善しました。 3.キャッシュ・フローに関する分析・検討当社グループの資金需要のうち主なものは、生産活動に必要な材料費、外注費及び労務費等の製造費用や、受注獲得や競争力強化のための販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、資金の需給状況に応じて株主還元や成長投資にも資金を利用しております。また、地政学リスクの高まり、関税政策による不確実性の増大、世界的なインフレーションの加速、金利の上昇、またそれらに起因する原材料価格の高騰やサプライチェーンの混乱等によるキャッシュ・フローの急激な悪化に備え、当社グループでは手元流動性を十分に確保する方針を執っております。万一、追加の資金が必要になった場合には、金融機関からの借入により資金を調達していく考えです。 当社グループは、当連結会計年度において、配当の支払や自己株式の取得などの株主還元に26億75百万円、固定資産の購入などの成長投資に23億14百万円使用しました。当社では、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けており、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております株主還元方針に従った自己株式の取得や配当金の支払い等、機動的な株主還元を実施しております。 また、2025年度より開始いたしましたグループ中期経営計画(2025年~2027年度)に則り、持続的な企業価値向上のため、財務の健全性を確保しつつ、資本コストを意識した成長投資を積極的に行ってまいります。 当社グループでは、事業運営上必要な流動性と安定的な資金調達を実現するため、営業活動から獲得した手元資金を活用するほか、必要に応じて機関投資家向けの社債発行や、金融機関より短期借入金及び長期借入金による資金調達を行っております。 なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は130億88百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は70億71百万円であります。

事業リスク

  • 気候変動による事業環境の変化
    世界的な低炭素・脱炭素社会への移行により、LNGや原油などのタンク需要が減少する可能性があります。これにより、プラント事業の収益に悪影響が及ぶリスクがあります。また、事業活動に起因する環境問題が発生した場合、企業の社会的信用が低下する恐れもあります。
  • プロジェクト遂行上の課題
    物流ソリューション事業では、大型化・短納期化するプロジェクトにおいて、予期せぬ工期圧縮や複数の大型案件同時進行による納期調整、海外からの部材調達リスクなどにより、想定外のコスト発生やプロジェクト遅延のリスクがあります。プラント事業では、工事従事者不足や資機材価格高騰、技術継承の遅れが事業遂行に影響を与える可能性があります。
  • 受注競争の激化と市場変化
    主力事業はいずれも受注型産業であり、厳しい受注競争に晒されています。採算面での下方圧力や顧客の政策・方針、業界再編などが、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、製品・技術のライフサイクルが短命化する中で、市場ニーズへの対応が遅れると競争力が低下するリスクもあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,149 文字
3【事業等のリスク】当社のリスク管理体制は、取締役の中から任命されたリスク管理統括責任者が、当社及び当社グループのリスク管理を統括し、全社リスク管理部門がリスク管理統括責任者の指揮命令の下、リスクの洗い出し、評価・結果のモニタリング等を行います。重要リスクについては、経営環境の変化やリスク対応状況等を踏まえて定期的に見直しが行われ、適切なリスク対策が適時に実行されるよう努めております。事業活動に与える可能性のあるリスクのうち、重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、予見することが困難なリスクも存在します。文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。(1)気候変動に関するリスク世界的な環境意識の高まりや低炭素・脱炭素型社会への移行による、エネルギーシフトが加速する中で、LNG・原油等のタンク需要が減少することは避けられず、当社の事業環境に悪影響が及ぶ可能性があります。また、当社グループの事業に起因した環境問題が発生した場合には、社会的な信用低下につながる可能性があります。当社グループでは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同し、気候変動に係るリスクおよび機会の分析、並びにそれらを踏まえた事業戦略の策定および開示を進めております。また、当社の技術を活かし大型液化水素貯蔵の開発や、発電用燃料としての水素やアンモニアの需要拡大への対応を通じた、低炭素社会の実現を目指し、当社の強みを活かしたインフラに係る取り組みを積極的に推進しており、大型液化水素タンク(5万㎥級)の研究開発を継続して進めており、2026 年度にベンチスケール試験タンクを建設し、2027 年度の実証試験完了を目指しております。(2)プロジェクトの遂行に関するリスク物流ソリューション事業では、Eコマース市場の拡大、物流業務のアウトソーシングの広がりなどにより、サプライチェーンの中で物流センターにおける役割が増えると共に、物流業務の効率化、拠点の集約化の動きに合わせて物流センターが大型化する傾向にあり、これまで以上にプロジェクト管理・遂行能力の重要性が高まっております。そのため、当事業においては、営業提案から施工まで一貫した納期管理の徹底を行い、標準化や生産性向上によるコスト・作業負担の低減に努めると共に、協力会社の拡大など、持続可能なプロジェクト遂行体制の整備に努めており、物流センターの全体エンジニアリングへ業務拡大を進めています。しかしながら、短納期化が求められるなかでの予期せぬ建築施工計画の変更による工期圧縮や、一定期間内に複数の大型プロジェクトを同時進行することに伴う納期調整など、様々な要因によって想定外のコストが発生する可能性があります。また、当事業が提供する主要な製品や部材の中には、海外の特定取引先から調達しているものが存在し、取引先の経営方針・経営環境の変化や、国際需給の変動、自然災害、事故などにより、安定的にこれら製品や部材を調達できない場合にはプロジェクトの遂行に影響を与える可能性があります。プラント事業においては、国内製油所を中心にタンク補修工事を請け負っており、工事従事者が不足した場合や資機材の調達価格が高騰した場合、現場監督者の技術の継承が遅れた場合には事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。そのため、パートナー企業との連携強化の一環として、タンク建設やメンテナンス業務において多くの実績を持ち、現場施工に精通した人材を有する木本産業株式会社をグループインしました。また、TKKプラントエンジ株式会社と共同で技術者及び現場監督の増員を進めて、施工体制の強化や人材育成、DXを活用した労働環境の改善に注力しています。またタンク新設プロジェクトへの対応として、受注から施工まで少数精鋭による一貫した管理・情報集約体制を整え、迅速かつ効率的なプロジェクトの遂行を行っております。当社グループでは、プラント事業を中心に海外でも事業を展開しており、当社連結子会社のPT Toyo Kanetsu Indonesiaにおいてタンク等の鉄鋼材料の加工や現地工事、Toyo Kanetsu(Malaysia) Sdn.Bhdでは現地空港における手荷物搬送設備のメンテナンス、及び現地石油化学プラント関連設備のメンテナンス事業を行っております。これらの海外事業には以下に掲げるようなリスクが内在しており、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。① 法律又は規制の予期せぬ変更② 政治経済の不安定性③ 人材確保の困難性④ 不利な税制改正⑤ テロ、戦争、疫病、災害、その他の要因による社会的混乱新型コロナウィルス感染症の影響や地政学リスクの影響による部品等の不足や価格高騰に対し、早期手配に取り組むなどリスク低減を図っております。プロジェクトの遂行にあたっては案件に応じて製造物責任賠償保険等に加入すると共に、品質を担保するため、当社グループでは社内規定を制定し、品質マネジメントシステムを整備するなど、品質管理を強化しております。また品質問題が発生した場合でも品質管理の主管部門を社長直轄とすることで、迅速な対応を可能とする体制を整備しております。しかしながら万が一製品に重大な品質クレーム・トラブルが発生した場合には、修繕費用や賠償の発生等によりプロジェクト収益が悪化するのみならず、当社グループの社会的評価の低下に繋がり、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす恐れがあります。(3)受注競争の激化による影響当社グループの主力事業は何れも受注型産業であり、厳しい受注競争に晒されているため、採算面での不合理な下方圧力に直面した場合には、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、顧客の政策・方針や、業界の経営環境変化、業界再編の動きは、受注活動に影響を与える可能性があります。こうしたリスクに対し、物流ソリューション事業においては、国内外における顧客領域の拡大を進めつつ、外部技術の柔軟な導入による最適なソリューション提供を行うと同時に、製品の内製化、標準化を推し進め、価格競争力を強化しております。また、更なる業務効率向上を図るために社内システムの刷新を行うなどの対策を進めております。プラント事業では、厳しい事業環境が長期化する中で、既設の原油タンク等のメンテナンスの収益性向上、コア技術であるタンクEPC(設計・調達・施工)遂行能力を向上・発展させ、品質面での優位性を活かした受注活動に取り組むと共に、海外子会社による事業領域の拡大を図っております。しかしながら、製品・技術のライフサイクルが短命化する中で、市場からの要請に対応が遅れた場合には、当社グループの競争力が低下し、中長期的に業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産等の固定資産を保有しています。継続的な業績のモニタリング等により、当該固定資産に対する投資の回収が困難となる前に対策を講じるように努めておりますが、経営環境や事業の状況の著しい変化等により収益性が低下し、十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、当該資産に対する減損損失の計上により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(4)新規事業の立ち上げに関するリスク当社グループは、長きにわたり物流ソリューション事業、プラント事業を主力事業として展開をし、これまで相互補完的にグループ収益を支えてまいりましたが、これら事業環境の変動幅は大きく、収益のボラティリティが高いと認識しております。そのため、M&Aの実行や、CVCの立ち上げとスタートアップとの連携など、適切なパートナー企業と様々な可能性について探索しております。M&Aにおいては、対象となる企業の財務や税務、法務などの契約関係及び事業の状況等について事前に社内外の専門家と詳細なデューデリジェンスを実施し、可能な限りリスクの低減に努めておりますが、M&A後に、事業環境に急激な変化が生じた場合やその他予期し得ない理由により当初の計画通りに事業が進展しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、新規投資の実行に当たっては、投資の意義・目的を明確にしたうえで、経営会議及び取締役会による定期的なモニタリングを強化し、リスクの低減に努めております。(5)コンプライアンスに関するリスク当社グループの役員・従業員が法令違反行為や企業倫理違反行為等を発生させた場合、多額の課徴金や損害賠償が発生するなど、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすだけでなく、当社グループの社会的な信用が低下し、事業継続に影響を及ぼす可能性があります。当社では、コンプライアンス委員会の設置や統括責任者の任命など組織体制を整備する他、グループ企業行動憲章をはじめとした諸規程を定め、グループ全取締役及び社員へ社会的責任及び公共的使命を周知徹底し、意識を醸成するなど、コンプライアンスを堅持する取り組みを推進しております。(6)労働安全衛生に関する影響当社が提供する設計施工をはじめとする各種サービスにおいて、重大な人身事故、品質事故等が発生した場合には、信用毀損、損害賠償や施工遅延・再施工費用の発生等により、事業活動や財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループでは、社員および当社業務に携わるすべての協力会社の安全と健康を第一に考え、ISO45001に準拠した安全衛生管理を行うとともに、「労働安全衛生方針」のもと、グループ安全会議の開催、現場パトロールの実施、パートナー企業を含めた安全体制の維持・拡充等により、重篤な労働災害の発生を防止すべく、予防安全活動を推進しております。(7)人材の確保・育成に関するリスク 当社グループでは、人材の確保と育成は、事業継続及び成長のための重要な経営課題と認識しておりますが、少子高齢化による労働人口の減少、人材の獲得競争の激化やキャリア意識の多様化に伴う人材流出により労働力の確保が困難となる可能性があります。 当社では、「挑戦をバックアップする仕組み」「処遇の改善」「安心して働ける職場」へ投資することで、人材育成・採用の強化、エンゲージメントを向上させ人材力を強化しています。また、女性活躍推進行動計画を策定し、女性管理職候補者の育成・登用、時差勤務の利用促進、有給取得率向上、男性の育児休業取得促進などの取り組みを進め、「健康経営@優良法人2026(大規模法人部門)」に認定されるなど、働きやすい職場環境づくりによる人材の定着化を推進しております。また、物流ソリューション事業では、エデュケーションセンターにおいて、人材のさらなる技能強化や安全教育指導を実施しております。 (8)情報セキュリティに関するリスク 当社グループは、顧客情報や技術情報などの機密性の高い情報を取り扱っており、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス感染等が発生した場合には、情報漏洩、データ改ざん、システム停止等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、これらのリスクに対応するため、ゼロトラストの考え方に基づくアクセス制御、通信の暗号化、端末・クラウド環境における多層的な防御策、老朽化したシステムの最新化などの対策を講じています。加えて、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得し、サイバー攻撃を想定した訓練の実施、情報資産を適切に取り扱うための教育・点検等を実施しています。また、取引先を含むサプライチェーン全体の安全性確保の観点から、委託先の管理や外部サービス利用時のリスク評価等を実施しています。 (9)自然災害・疫病等に関するリスク大規模地震、風水害等の自然災害、パンデミック(感染症の大流行等)が発生した場合には、工事従業者の生命の危険、機器資材の現場への搬入遅延、現場工事の中断等、国内外の事業所において直接的又は間接的な損害発生の可能性があります。当社グループは、災害時の事業継続計画(BCP)を策定しており、災害備蓄の実施、国内主要製造・開発拠点における耐震補強工事や製造機能再編や強化など、事業継続に必要な対策を講じております。また、首都直下地震や南海トラフ地震等を想定した実践的なBCP訓練を実施するなど、事業継続力の更なる向上に取り組んでいます。(10)市場動向等に関するリスク物流ソリューション事業では、小売、卸売、生協などの業界を中心に製品・システムを納入しております。また国内空港を中心に手荷物搬送システム等を提供しております。そのため、景気後退や少子高齢化の進展等による物流量の低下などで、物流施設関連への投資が停滞した場合や、航空関連需要の動向によっては、当事業の展開に影響を与える可能性があることから、AI、IoT技術を活用した事業領域の拡大を図っております。プラント事業においては、LNGプラントや製油所等に各種タンクを納入すると共に、既設の原油タンク等のメンテナンスを実施しております。そのため世界的な景気動向の他、産油・産ガス国や消費国の経済・社会情勢、各国のエネルギー・環境政策の動向、原油・LNG価格の動向等により、プラントオーナーの投資計画の中止・延期・大幅見直し等が発生した場合には、当事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があることから、安定収益源の確保による受注変動に強い事業体質を確立すべく、メンテナンス案件の収益性向上等の取り組みを強化しています。また、経済環境が悪化した場合には次のようなリスクを想定しております。① 為替相場の変動当社グループの事業活動は、海外における製品の生産、資材の販売、建設工事等が含まれており、主に米ドル建てでの取引が発生します。現時点において、外貨建ての取引高、及び保有資産額は相対的に僅少であるため、為替相場の変動リスクは低いと認識しておりますが、想定外の変動は将来的な当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。② 金利の変動当社グループは、営業債権などによる信用供与、固定資産取得などのため、短期・長期の調達比率のバランスを鑑みながら金融機関より資金調達を行っております。金利が上昇する局面においては、資金調達コストが増大し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。③ 保有有価証券の評価当社グループは、政策的に保有する株式は、毎年度、全銘柄について、中長期的な視野に立った保有意義や資産効率等を検証した上で、取締役会にて審議し、保有意義の低下した銘柄は売却しておりますが、大幅に株価が下落した場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

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