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小倉クラッチ(6408)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 自動車部品と産業部品の製造販売
    小倉クラッチは、主に自動車用と一般産業用のクラッチやブレーキ、ソレノイドなどを製造・販売しています。自動車向けではカーエアコンやパワートレイン部品、産業向けではモーターやロボット、OA機器などに使われる部品を提供し、幅広い産業の基盤を支える事業を展開しています。
  • グローバルな生産・販売体制
    日本国内だけでなく、中国、タイ、インド、フィリピン、欧米にも子会社を持ち、世界各地で製品の製造や販売を行っています。これにより、各地域の顧客ニーズに対応し、グローバル市場での競争力を高めて収益を上げています。
  • 多様な製品ラインナップ
    同社は5,000種類以上のクラッチ・ブレーキ製品を提供しており、顧客の多様なニーズに応えることで収益機会を広げています。さらに、未開拓の市場にも2,000種類のビジネスチャンスがあると認識しており、新製品開発にも注力しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 輸送機器用事業
    自動車用部品の製造販売が主な事業内容です。カーエアコン用クラッチやパワートレイン向けソレノイドなど、自動車の走行や快適性に関わる部品を提供しています。売上高は316.48億円、営業利益は2.87億円と、同社の主要な収益源となっています。
  • 一般産業用事業
    モーター、変・減速機、昇降・運搬機械、OA機器業界向けのクラッチ・ブレーキなどを製造販売しています。ロボット化が進む社会において、協働ロボット向け製品の開発にも注力しており、今後の成長が期待される分野です。
  • 地域別売上構成
    有価証券報告書では「IndustrialProducts」が地域別売上として記載されていますが、これは一般産業用事業の海外展開を示唆している可能性があります。売上高118.22億円、営業利益1.78億円であり、グローバルに事業を展開し、海外市場からの収益も重要な要素となっています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
TransportationProducts 事業 316 3 0.9%
IndustrialProducts 地域 118 2 1.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|862 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社12社(連結子会社11社、非連結子会社1社)で構成され、自動車用部品及び産業用部品の製造販売を主な事業内容としております。各々の製造販売する業界を基礎として事業を明確に区分しており、カーエアコンやパワートレインをはじめとする自動車用部品業界向けクラッチ・ソレノイド等の製造販売を「輸送機器用事業」で、モーター、変・減速機、昇降・運搬機械業界及びOA機器業界向け等のクラッチ・ブレーキ等の製造販売を「一般産業用事業」で行っております。連結子会社11社(オグラ・コーポレーション、オグラS.A.S.、オグラ・インダストリアル・コーポレーション、小倉離合機(東莞)有限公司、小倉離合機(長興)有限公司、オグラクラッチ・タイランドCO.,LTD.、オグラクラッチ・インディアPVT.LTD.、オグラクラッチ・フィリピン,INC.、小倉精工電子(東莞)有限公司、小倉冷間鍛造株式会社、小倉電機株式会社)はいずれも「輸送機器用事業」または「一般産業用事業」関連の外注加工または製造販売を行っております。 (注) ※印は連結子会社であります。 主な子会社は次のとおりであります。子会社オグラ・コーポレーション輸送機器用製品の製造販売オグラS.A.S.輸送機器用及び一般産業用製品の販売オグラ・インダストリアル・コーポレーション輸送機器用及び一般産業用製品の販売小倉離合機(東莞)有限公司輸送機器用及び一般産業用製品の製造販売小倉離合機(長興)有限公司輸送機器用及び一般産業用製品の製造販売オグラクラッチ・タイランドCO.,LTD.輸送機器用及び一般産業用製品の製造販売オグラクラッチ・インディアPVT.LTD.輸送機器用及び一般産業用製品の販売オグラクラッチ・フィリピン,INC.輸送機器用及び一般産業用製品の製造販売小倉精工電子(東莞)有限公司一般産業用部品の製造販売小倉冷間鍛造株式会社輸送機器用及び一般産業用部品の冷間鍛造加工小倉電機株式会社輸送機器用及び一般産業用製品・部品の製造販売

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
競合他社によるコスト低減策や強力な価格政策により価格競争力を失う可能性
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
クラッチ・ブレーキ、アクチュエータ、ソレノイド等の開発・製造技術、品質管理基準
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済情勢の悪化 / 為替変動 / 製品の価格競争力低下
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

小倉クラッチはクラッチ・ブレーキ分野で長年の歴史と一定のブランド認知を持つが、特許や独占的IPによる明確な優位性は限定的。特定のニッチ市場での技術力は存在するものの、グローバルな無形資産としての強さはまだ発展途上。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車や産業機械分野では、一度採用された部品の仕様変更はコストや認証プロセスを伴うため、一定のスイッチング・コストが発生する。しかし、競合他社も代替品を提供可能であり、顧客の乗り換え障壁はそれほど高くない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果は事業モデルに存在しない。製品の価値は個々の性能に依存し、ユーザー数の増加が直接的な価値向上に繋がる構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の生産経験による効率化やサプライヤーとの関係構築はある程度進んでいると考えられるが、グローバルな規模を持つ競合と比較して、構造的なコスト優位性を確立しているかは不明。為替変動の影響も受ける。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

クラッチ・ブレーキ分野において、小倉クラッチは一定の市場シェアを持つ。特に特定の産業用途では、ニッチながらも主要プレイヤーの一つとして認識されており、業界規模に対して最適な少数寡占の一角を担っている可能性がある。

  • クラッチ・ブレーキの専門技術
    80年以上の歴史で培われたクラッチ・ブレーキに関する高い技術力とノウハウが強みです。特に電磁クラッチへの依存度が高いことから、この分野での専門性と実績が競争優位の源泉となっています。5,000種類以上の製品ラインナップも技術力の証です。
  • 品質管理と顧客対応力
    世界的に認められた品質管理基準に従って製品を製造しており、高い品質を維持しています。また、物流が混乱する中でも柔軟な対応力でお客様のビジネスを支えることを経営方針に掲げており、顧客からの信頼獲得に繋がっています。
  • グローバルな生産供給体制
    世界主要拠点での生産体制を構築しており、これにより各地域の市場ニーズに迅速に対応し、コスト競争力を維持しています。これにより、競合他社との差別化を図り、グローバル市場での安定的な供給と販売を可能にしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 高付加価値事業への転換
    自動車のEV化に対応し、パワートレイン系ソレノイドやモーター用保持ブレーキ、燃料電池用ブロワなど電動車向け製品の開発を強化しています。また、一般産業用ではロボット市場の拡大を見込み、協働ロボット向け製品に注力し、高付加価値化と製品領域の拡大を目指しています。
  • 財務体質の強化と利益志向
    持続的成長のため、棚卸資産の圧縮や不良損失の削減による無駄の排除、借入金比率の低減、自己資本の充実を図り、強固な財務体質を構築します。過去の価格競争重視から利益重視へと価値観を転換し、適切な価格でのビジネスと不採算商品からの撤退を進めます。
  • 人材育成とDX推進
    企業変革を支える人材の確保と育成を重視し、人事制度改革やダイバーシティ対応を進めます。また、変化する外部環境に柔軟に対応するため、生産管理システムの再構築や間接部門のDX化(デジタルトランスフォーメーション)に取り組み、業務の質と効率を高めることで組織を活性化させます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針2025年度は以下のとおりに経営方針を掲げております。①クラッチ・ブレーキの総合メーカーとして盤石な企業体質を築き上げお客様から愛される企業を目指す。自動車業界が100年に一度の変革期と言われる今、安定した利益を確保して人・設備・開発に投資することで、クラッチ・ブレーキの総合メーカーとして新たな高付加価値品を提供して行く。世界的に地政学リスクが高まる中で、当社の強みであるフレキシブルな対応力でお客様のビジネスを支え、必要とされる企業となる。②総合的な品質力を高め顧客満足を向上する。製品設計や製造はもちろん、営業活動や管理業務などあらゆる仕事の側面において品質を高めることでお客様の信頼を獲得することができる。品質力の向上に近道は無い。4M(Man:人、Machine:機械、Material:材料、Method:方法)管理を徹底して標準を遵守し、更にその標準をレベルアップさせることで一歩一歩着実に地力を上げる。③技術力を結集し積極的に新分野へ進出する。設計開発力や加工技術力などものづくりに係るあらゆる技術力を最大限に発揮し、一般産業用と輸送機器用の垣根を越え、80年を超えて培ってきたものづくり技術を融合することで、新製品開発や新市場開拓にチャレンジし、小倉クラッチの次代を担う事業を創出する。④次世代を担う人財を育成し適切な人員配置で組織を活性化する。激変する事業環境の中で生き残れるのは変化する企業である。企業の変革には、それを構成する社員一人ひとりの変革が不可欠であり、当社の次代を支える人材=人財を計画的に育成する。その人財が力を発揮できるよう効果的に配置することで、組織を活性化する。⑤スピーディーな報・連・相で情報共有を徹底し一元化された組織を運営する。縦の情報伝達はもちろん、その情報を横へもスピーディーに展開し、各階層において同じ情報が共有されることで組織は同じ方向を向ける。情報共有は手段であり、情報共有によって自分たちの置かれた状況を正しく捉え、適切に組織を運営して行く。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、経済的価値に基づく次のマテリアリティ(重要課題)に注力し取り組みます。財務目標として、 2027年3月期に、売上高営業利益率5.0%、ROE6.3%、総資産回転率1.0回転、売上高成長率110%の向上を目指しております。一方で、足元の事業環境の変化等により、これら指標の達成に向けた進捗は当初計画に対して遅れが生じております。当該乖離は主として外部環境の影響によるものであり、当社としては引き続き現行の経営戦略に基づき、収益性の改善および資本効率の向上に取り組んでまいります。 (3) 中期的な会社の経営戦略近年の自動車業界は、カーボンニュートラルに向けた電動化の流れが継続する一方、地域や用途により普及スピードや規制・補助制度が変動しており、内燃機関・BEV・HV・PHEV・合成燃料等の多様な技術が並存する局面にあります。加えて、中国等の現地メーカーとの競争激化や、地政学リスクを背景としたサプライチェーン再編等により、事業環境の不確実性が非常に高まっています。このような環境認識のもと、輸送機器用事業においては全方位での事業展開を基本方針とし、電動化の進展に対応したパワートレイン系ソレノイド、モーター用保持ブレーキ、燃料電池用ブロワ等の製品群を拡大するとともに、スライドドア用クラッチ等の動力源の変化に左右されにくい製品の開発を強化してまいります。また、既存事業であるカーエアコン用クラッチについても、性能向上とコスト改善を継続し、顧客の要求水準の高度化に応えてまいります。一般産業用事業においては、当社技術の根幹である摩擦材開発への投資を継続しつつ、労働力不足を背景とした自動化需要の高まりを捉え、協働ロボット等の成長市場をターゲットに、軽量・静音・小径・薄型など差別化を軸とした製品開発と拡販を進めてまいります。当社の開発したクラッチ・ブレーキは5,000種類以上ものラインナップがあります。しかし、世の中にはこれ以外にもまだまだ、動力を「つなぐ」「保持する」「変える」といった機能を必要とする場面は数多くあり、そこには新たなビジネスチャンスが存在します。お客様のニーズに柔軟に対応することで、ポテンシャル案件を1つ1つ着実に獲得いたします。加えて、当社は中期経営計画の基本方針である「規模重視から利益志向へ」の価値観転換を踏まえ、製品・市場の選択と集中、採算管理の高度化、外部環境の変化に強い収益体質の確立を図ってまいります。併せて、人事制度改革等を通じた人的資本の強化、並びに生産管理システムの更新や間接業務のDX推進等により、仕事の質と効率を高め、企業体質の強化を進めてまいります。当社はこれからも、クラッチ・ブレーキの総合メーカーとしてのプライドを持ってお客様の要求にお応えして行くことで、100年企業の実現を目指してまいります。 (4) 会社の対処すべき課題当社グループを取り巻く事業環境は、自動車業界におけるEV偏重の見直し、海外部品メーカーとの競争環境の激化、資源・エネルギー価格や金利・為替の変動、米国の関税政策や中東情勢の不安定化といった地政学リスクの高まり等により不確実性が高まっています。この外部環境の変化により、当社グループの中期財務目標の実現には当初計画に対して一定の遅れが生じております。こうした状況下においても、当社グループは持続的な成長と社会的責任を果たすため、中期課題への基本的な戦略は維持しつつ、重点課題への取り組みを継続・強化し、以下の諸課題に計画的・積極的に取り組んでまいります。 ①高付加価値事業への転換と市場の選択・集中長年培った設計開発力・加工技術力を活かし、付加価値の高い新製品を開発し、成長市場へタイムリーに投入してまいります。一般産業用事業では協働ロボット等の自動化市場に向けた製品開発を強化し、単一機能部品にとどまらず、ユニット化・システム化を含む製品領域の拡大を進めてまいります。輸送機器用事業では、動力源の多様化を前提に、ドアやシート、駆動系等の製品群の拡大・強化を進め、電動化対応製品と動力源非依存製品の両面で成長を図ってまいります。②財務体質の強化と利益を生む体質への転換棚卸資産の圧縮、不良損失の削減、キャッシュフローの健全性の維持管理等により、外部環境変化に左右されにくい財務体質を構築してまいります。製品価格とは本来、技術と信頼の対価であると考えます。従って、高付加価値の製品を開発し、培ったものづくり技術に裏付けられた安定した品質で、中堅企業の強みである柔軟さとスピードを活かしてお客様にご提供することで、適正な価格でのビジネスにより利益を獲得してまいります。商品別・顧客別の採算管理の精緻化と迅速化、不採算商品の見直し等により、利益重視への体質転換を加速してまいります。また、投資効率の向上や資本コストを意識した経営を推進し、資本効率の改善に取り組むとともに、安定的な配当の維持・向上を通じた株主還元の充実を図ってまいります。③人材の確保とエンゲージメントの向上メーカーとしての競争力の源泉であるものづくりのノウハウを維持・発展させて行くには、人材の確保と育成が不可欠です。やる気のある社員に活躍と成長の機会を与えられる魅力ある人事制度を構築し、将来の小倉クラッチを担う人材を育てると共に、多様な従業員が活躍できる働きやすい職場環境を実現して行きます。また、社員への意識調査等を通じて課題を把握し、改善するというサイクルを回してエンゲージメント向上を図ってまいります。④業務の効率化と管理レベルの向上製造部門においては、サイクルタイムの短縮や設備稼働率の向上はもちろん、工場の情報基盤を再構築して生産管理システムを一新し、物と情報の流れを含めたものづくりの管理レベルを向上させます。同時に、間接業務の標準化・見える化・DX推進により業務効率を高め、働き方改革と生産性向上を両立してまいります。⑤サプライチェーン強靭化・品質保証の高度化地政学リスクや供給制約が顕在化する中において、調達先の多様化、重要部材の安定確保等を推進してまいります。また、製造に関わる人材・設備・材料・作業方法の管理を強化するとともに、定められた作業手順を徹底することで、品質保証体制の高度化により顧客信頼を強化してまいります。 株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針2025年度は以下のとおりに経営方針を掲げております。①クラッチ・ブレーキの総合メーカーとして盤石な企業体質を築き上げお客様から愛される企業を目指す。自動車業界が100年に一度の変革期と言われる今、安定した利益を確保して人・設備・開発に投資することで、クラッチ・ブレーキの総合メーカーとして新たな高付加価値品を提供して行く。世界的に地政学リスクが高まる中で、当社の強みであるフレキシブルな対応力でお客様のビジネスを支え、必要とされる企業となる。②総合的な品質力を高め顧客満足を向上する。製品設計や製造はもちろん、営業活動や管理業務などあらゆる仕事の側面において品質を高めることでお客様の信頼を獲得することができる。品質力の向上に近道は無い。4M(Man:人、Machine:機械、Material:材料、Method:方法)管理を徹底して標準を遵守し、更にその標準をレベルアップさせることで一歩一歩着実に地力を上げる。③技術力を結集し積極的に新分野へ進出する。設計開発力や加工技術力などものづくりに係るあらゆる技術力を最大限に発揮し、一般産業用と輸送機器用の垣根を越え、80年を超えて培ってきたものづくり技術を融合することで、新製品開発や新市場開拓にチャレンジし、小倉クラッチの次代を担う事業を創出する。④次世代を担う人財を育成し適切な人員配置で組織を活性化する。激変する事業環境の中で生き残れるのは変化する企業である。企業の変革には、それを構成する社員一人ひとりの変革が不可欠であり、当社の次代を支える人材=人財を計画的に育成する。その人財が力を発揮できるよう効果的に配置することで、組織を活性化する。⑤スピーディーな報・連・相で情報共有を徹底し一元化された組織を運営する。縦の情報伝達はもちろん、その情報を横へもスピーディーに展開し、各階層において同じ情報が共有されることで組織は同じ方向を向ける。情報共有は手段であり、情報共有によって自分たちの置かれた状況を正しく捉え、適切に組織を運営して行く。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、経済的価値に基づく次のマテリアリティ(重要課題)に注力し取り組みます。財務目標として、 2027年3月期に、売上高営業利益率5.0%、ROE6.3%、総資産回転率1.0回転、売上高成長率110%の向上を目指しております。一方で、足元の事業環境の変化等により、これら指標の達成に向けた進捗は当初計画に対して遅れが生じております。当該乖離は主として外部環境の影響によるものであり、当社としては引き続き現行の経営戦略に基づき、収益性の改善および資本効率の向上に取り組んでまいります。 (3) 中期的な会社の経営戦略近年の自動車業界は、カーボンニュートラルに向けた電動化の流れが継続する一方、地域や用途により普及スピードや規制・補助制度が変動しており、内燃機関・BEV・HV・PHEV・合成燃料等の多様な技術が並存する局面にあります。加えて、中国等の現地メーカーとの競争激化や、地政学リスクを背景としたサプライチェーン再編等により、事業環境の不確実性が非常に高まっています。このような環境認識のもと、輸送機器用事業においては全方位での事業展開を基本方針とし、電動化の進展に対応したパワートレイン系ソレノイド、モーター用保持ブレーキ、燃料電池用ブロワ等の製品群を拡大するとともに、スライドドア用クラッチ等の動力源の変化に左右されにくい製品の開発を強化してまいります。また、既存事業であるカーエアコン用クラッチについても、性能向上とコスト改善を継続し、顧客の要求水準の高度化に応えてまいります。一般産業用事業においては、当社技術の根幹である摩擦材開発への投資を継続しつつ、労働力不足を背景とした自動化需要の高まりを捉え、協働ロボット等の成長市場をターゲットに、軽量・静音・小径・薄型など差別化を軸とした製品開発と拡販を進めてまいります。当社の開発したクラッチ・ブレーキは5,000種類以上ものラインナップがあります。しかし、世の中にはこれ以外にもまだまだ、動力を「つなぐ」「保持する」「変える」といった機能を必要とする場面は数多くあり、そこには新たなビジネスチャンスが存在します。お客様のニーズに柔軟に対応することで、ポテンシャル案件を1つ1つ着実に獲得いたします。加えて、当社は中期経営計画の基本方針である「規模重視から利益志向へ」の価値観転換を踏まえ、製品・市場の選択と集中、採算管理の高度化、外部環境の変化に強い収益体質の確立を図ってまいります。併せて、人事制度改革等を通じた人的資本の強化、並びに生産管理システムの更新や間接業務のDX推進等により、仕事の質と効率を高め、企業体質の強化を進めてまいります。当社はこれからも、クラッチ・ブレーキの総合メーカーとしてのプライドを持ってお客様の要求にお応えして行くことで、100年企業の実現を目指してまいります。 (4) 会社の対処すべき課題当社グループを取り巻く事業環境は、自動車業界におけるEV偏重の見直し、海外部品メーカーとの競争環境の激化、資源・エネルギー価格や金利・為替の変動、米国の関税政策や中東情勢の不安定化といった地政学リスクの高まり等により不確実性が高まっています。この外部環境の変化により、当社グループの中期財務目標の実現には当初計画に対して一定の遅れが生じております。こうした状況下においても、当社グループは持続的な成長と社会的責任を果たすため、中期課題への基本的な戦略は維持しつつ、重点課題への取り組みを継続・強化し、以下の諸課題に計画的・積極的に取り組んでまいります。 ①高付加価値事業への転換と市場の選択・集中長年培った設計開発力・加工技術力を活かし、付加価値の高い新製品を開発し、成長市場へタイムリーに投入してまいります。一般産業用事業では協働ロボット等の自動化市場に向けた製品開発を強化し、単一機能部品にとどまらず、ユニット化・システム化を含む製品領域の拡大を進めてまいります。輸送機器用事業では、動力源の多様化を前提に、ドアやシート、駆動系等の製品群の拡大・強化を進め、電動化対応製品と動力源非依存製品の両面で成長を図ってまいります。②財務体質の強化と利益を生む体質への転換棚卸資産の圧縮、不良損失の削減、キャッシュフローの健全性の維持管理等により、外部環境変化に左右されにくい財務体質を構築してまいります。製品価格とは本来、技術と信頼の対価であると考えます。従って、高付加価値の製品を開発し、培ったものづくり技術に裏付けられた安定した品質で、中堅企業の強みである柔軟さとスピードを活かしてお客様にご提供することで、適正な価格でのビジネスにより利益を獲得してまいります。商品別・顧客別の採算管理の精緻化と迅速化、不採算商品の見直し等により、利益重視への体質転換を加速してまいります。また、投資効率の向上や資本コストを意識した経営を推進し、資本効率の改善に取り組むとともに、安定的な配当の維持・向上を通じた株主還元の充実を図ってまいります。③人材の確保とエンゲージメントの向上メーカーとしての競争力の源泉であるものづくりのノウハウを維持・発展させて行くには、人材の確保と育成が不可欠です。やる気のある社員に活躍と成長の機会を与えられる魅力ある人事制度を構築し、将来の小倉クラッチを担う人材を育てると共に、多様な従業員が活躍できる働きやすい職場環境を実現して行きます。また、社員への意識調査等を通じて課題を把握し、改善するというサイクルを回してエンゲージメント向上を図ってまいります。④業務の効率化と管理レベルの向上製造部門においては、サイクルタイムの短縮や設備稼働率の向上はもちろん、工場の情報基盤を再構築して生産管理システムを一新し、物と情報の流れを含めたものづくりの管理レベルを向上させます。同時に、間接業務の標準化・見える化・DX推進により業務効率を高め、働き方改革と生産性向上を両立してまいります。⑤サプライチェーン強靭化・品質保証の高度化地政学リスクや供給制約が顕在化する中において、調達先の多様化、重要部材の安定確保等を推進してまいります。また、製造に関わる人材・設備・材料・作業方法の管理を強化するとともに、定められた作業手順を徹底することで、品質保証体制の高度化により顧客信頼を強化してまいります。 株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における日本経済は、資源やエネルギー価格の高止まりや継続的な物価上昇の影響は受けつつも、企業収益や雇用・所得環境などの改善を背景に景気は緩やかな回復基調となりました。世界経済につきましては、米国による関税政策の影響や中国経済の減速懸念に加え、中東地域の緊迫化による地政学リスクの高まり等により、先行きが不透明な状況が続きました。このような状況のもとで、当社グループはグローバル市場で積極的な販売活動を行ってまいりました。その結果、当連結会計年度における売上高は41,664百万円と前年同期と比べ2,242百万円の減少(前年同期比5.1%減)となりましたが、営業利益は1,381百万円と前年同期と比べ916百万円の増加(前年同期比197.3%増)、経常利益は1,405百万円と前年同期と比べ655百万円の増加(前年同期比87.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,502百万円と前年同期と比べ340百万円の増加(前年同期比29.3%増)となりました。 セグメントの経営成績は次のとおりであります。 (輸送機器用事業)輸送機器用事業においては、日本市場における売上は増加しましたが、米国、アジア市場等における売上の減少により輸送機器事業全体でも売上が減少しました。その結果、売上高は28,866百万円と前年同期と比べ2,782百万円の減少(前年同期比8.8%減)となりましたが、セグメント利益は789百万円と前年同期と比べ501百万円の増加(前年同期比174.1%増)となりました。 (一般産業用事業)一般産業用事業においては、主要業種であるモータ、昇降・運搬、変・減速機、シャッター、ロボット等への売上が増加したため、一般産業用事業全体でも売上が増加しました。その結果、売上高は12,308百万円と前年同期と比べ485百万円の増加(前年同期比4.1%増)となり、セグメント利益は574百万円と前年同期と比べ396百万円の増加(前年同期比221.8%増)となりました。 (その他)その他では、売上高が490百万円と前年同期と比べ53百万円の増加(前年同期比12.2%増)となり、セグメント利益は17百万円(前年同期は1百万円のセグメント損失)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況キャッシュ・フロー計算書 要約科目前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)現金・現金同等物期首残高7,1997,470 営業活動によるキャッシュ・フロー2,7941,614投資活動によるキャッシュ・フロー△495△683財務活動によるキャッシュ・フロー△2,445△413現金・現金同等物に係る換算差額等417112現金・現金同等物増減額270629現金・現金同等物期末残高7,4708,100 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ629百万円増加し、8,100百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は1,614百万円(前年同期比1,179百万円減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,738百万円と減価償却費1,821百万円によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は683百万円(前年同期比188百万円増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,173百万円と投資有価証券の売却による収入398百万円によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は413百万円(前年同期比2,031百万円減)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出によるものです。 ③生産、受注及び販売の実績 イ. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)輸送機器用事業(百万円)27,14893.65一般産業用事業(百万円)11,085107.31報告セグメント計(百万円)38,23397.24その他(百万円)282115.26合計(百万円)38,51697.35 (注) 金額は販売価格によります。 ロ. 受注実績当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても構造等は一様でありません。また当社グループの販売高の多数を占める自動車業界向け部品については、納入先から指示される生産計画を基に、当社グループの生産能力等を勘案して生産を行っております。 ハ. 販売実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)輸送機器用事業(百万円)28,86691.21一般産業用事業(百万円)12,308104.11報告セグメント計(百万円)41,17494.72その他(百万円)490112.24合計(百万円)41,66494.89 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.総販売実績に対して10%以上に該当する販売先はありません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において提出会社が判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きく影響を及ぼすと考えております。 (固定資産の減損処理)当社グループは、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出し、継続的に収支の把握がなされる最小の管理会計上の単位に基づきグルーピングを行っており、当社においては部門別に、連結子会社については規模等を鑑み会社単位をグルーピングの基礎としております。減損の兆候が認められる資産グループについては、当該グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。なお、固定資産残高のうち、当連結会計年度末において減損の兆候があると判断した固定資産残高は2,821百万円(当社分2,667百万円、連結子会社分154百万円)であります。回収可能価額は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値により算定される使用価値と正味売却価額とのいずれか高い方の金額としており、正味売却価額については、不動産鑑定士による鑑定評価額から処分費用見込額を控除して算出しております。将来キャッシュ・フローの算出に用いた主要な仮定は、過去の実績データ、統計や将来の市場データ、業界の動向等を織り込んだ各資産グループの営業収支予測等であります。また、正味売却価額の見積りに用いた主要な仮定は、鑑定評価額のうち重要な割合を占める機械装置の再調達原価及び現価率であります。現価率については、物理的減価、機能的減価及び経済的減価等を考慮しておりますが、経済的減価を示すものとして市場性修正率が特に重要な仮定であります。再調達原価は、生産用機器市況等により左右され、また、市場性修正率は、市場の景気動態等から想定される将来における工場の生産稼働状況等により左右されます。これらの見積りには不確実性があり、市況の変化等により、見積りの前提とした仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。 (繰延税金資産の回収可能性)当社グループは、将来減算一時差異等に対して、将来の収益力に基づく課税所得の見積りにより繰延税金資産の回収可能性を判断し、来期以降の課税所得の見積額に基づいて繰延税金資産を算定しております。将来の収益力に基づく課税所得の見積りは、事業計画を基礎として見積っており、当該事業計画に含まれる将来の予測は不確実性を伴うため、その見積りの前提となる条件や仮定に変更が生じた場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。 経営成績の分析 (売上高及び営業損益)当連結会計年度における売上高は前連結会計年度に比べ、2,242百万円減少し、41,664百万円となりました。当連結会計年度における売上原価は2,805百万円減少し、34,354百万円(前年同期比7.5%減)となりました。当連結会計年度における販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ、353百万円減少し、5,928百万円(前年同期比5.6%減)となりました。その結果、当連結会計年度の営業利益は916百万円増加し、1,381百万円(前年同期比197.3%増)となりました。 (為替変動の影響)当社グループの海外売上高は21,733百万円で、連結売上高に占める海外売上比率は52.2%となっており、そのほとんどを米ドル・ユーロ・中国元・タイバーツ建てで取引しております。また、在外子会社の財務諸表は外貨建てで作成されているため、外国通貨に対する円高は売上の減少、円安は売上の増加に影響する傾向があります。 (営業外損益及び経常損益)当連結会計年度における営業外損益は、前連結会計年度に比べ261百万円利益(純額)が減少し、23百万円の利益(純額)となりました。これは主として為替差益の減少によるものであります。その結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ655百万円増加し、1,405百万円の経常利益(前年同期比87.4%増)となりました。 (特別損益)当連結会計年度における特別損益は、前連結会計年度に比べ47百万円利益(純額)が増加し、333百万円の利益(純額)となりました。これは主として投資有価証券売却益の増加によるものであります。 (親会社株主に帰属する当期純損益)当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、1,502百万円(前年同期比29.3%増)となりました。 財政状態の分析 (資産の部)当連結会計年度末の資産につきましては、流動資産は主に、現金及び預金の増加等により31,334百万円(前期末比215百万円増)となりました。固定資産は主に、退職給付に係る資産の増加等により15,952百万円(前期末比57百万円増)となりました。その結果、総資産は47,286百万円(前期末比272百万円増)となりました。 (負債の部)負債につきましては、流動負債は主に、電子記録債務の減少等により20,752百万円(前期末比1,335百万円減)となり、固定負債は主に、社債の減少等により6,676百万円(前期末比547百万円減)となりました。その結果、負債合計は27,428百万円(前期末比1,883百万円減)となりました。 (純資産の部)純資産につきましては、利益剰余金の増加等により19,857百万円(前期末比2,156百万円増)となりました。 キャッシュ・フローの分析当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。 なお、当連結会計年度末における社債残高は1,140百万円、借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は17,493百万円となっており、現金及び現金同等物の残高は8,100百万円となっております。 経営成績に重要な影響を与える要因について「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 経済情勢の変動
    国内外の景気悪化は、主要製品の出荷減少に直結し、売上高や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、ロシア・ウクライナ情勢のような地政学的リスクやインフレ・デフレの進行は、取引先の事業活動や金利負担を通じて、経営成績と財政状態を悪化させるリスクがあります。
  • 為替変動の影響
    海外売上比率が約57%と高く、為替レートの変動は経営成績に大きな影響を与えます。為替予約などでリスクヘッジを行っていますが、完全に回避することは困難であり、円高に振れた場合などは海外での収益が目減りし、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 特定の製品への依存
    売上高が電磁クラッチに大きく依存しているため、もし予測不能な技術革新によって電磁クラッチが時代遅れになった場合、会社の経営成績や財政状態に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。このため、常に新技術への対応が求められます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,996 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、当該事項は当連結会計年度末現在において提出会社が判断した記載となっております。(1) 経済情勢当社グループの売上高は国内・海外の景気動向による影響を受けるため、経済情勢の変化による景気悪化に伴い主要製品の出荷額が減少した場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ロシア・ウクライナ情勢や、その影響等によりヨーロッパ及び各地域の取引先の事業に影響を及ぼす可能性があり、予測しえない事象の発生により当社の受注・売上に影響を及ぼす可能性があります。特に継続性が不安定な取引先に依存していることはありませんが、取引先の倒産や経営不安等により貸倒引当金が発生する場合があります。更に、大幅なデフレ傾向は主要製品の単価下落により収益を低下させたり、大幅なインフレ傾向は金利上昇による借入利息を増加させるなど、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替変動当社グループの連結売上高に占める海外売上比率は、前連結会計年度が57.1%、当連結会計年度が52.2%となっており、今後とも海外事業のウェイトは高くなることと思われます。そのため、為替変動によるリスクをヘッジする目的で、常時為替予約等で対策を講じておりますが、為替相場変動の影響を緩和することは可能であっても、影響をすべて回避することは不可能であり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (3) 製品の価格競争力多くの部品メーカーがコスト削減、事業の合理化及びグローバル化、並びに事業構造の再編により競争力を強化すべく大規模な企業改革を行っております。また、製品及びサービスの高付加価値化をもって、市場の価格引き下げ要請に対応しております。グローバル市場で勝ち残るため、当社グループは世界主要拠点での生産体制を構築して参りましたが、競合他社による画期的なコスト低減策や強力な価格政策等により当社グループの製品が価格競争力を失う場合には、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (4) 原材料価格当社グループの使用する主要な原材料には、その価格が市場の状況により変動するものがあります。それらの主要原材料が高騰することにより、売上原価が上昇し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 製品の品質当社グループは世界的に認められている品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。しかし、すべての製品について欠陥がなく、将来的にクレームが発生しないという保証はありません。万が一、多額のクレーム補償費用が発生する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 特定の製品への依存当社グループの売上高は電磁クラッチへの依存度が高い状態で推移しております。予測不能な何らかの技術革新等で電磁クラッチが陳腐化する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (7) 法的規制当社グループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障又はその他の理由による輸出制限、関税をはじめとする他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、特許、消費者、租税、為替管理、環境・リサイクル関連の法規制も受けております。これらの法規制が改正されることにより、当社グループの活動が制限され、コストの増加につながる可能性があります。従いまして、これらの規制は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 自然災害やパンデミック当社グループの製造及び営業拠点等が、地震や気候変動に起因する自然災害によって多大な損害を受けたり、強毒性感染症のパンデミック等により通常の事業活動が困難になった場合、生産活動の停止や配送の遅延等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、当社グループが直接的に損害を受けなくても、お客様や取引先が損害を受けることにより生産・物流・販売等が計画どおりに実行できず、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9) 国際情勢の変化当社グループはグローバルに事業を展開しており、国際情勢の変化や政治・軍事的緊張の高まり等により地政学的リスクが増大した場合、原材料・部品の調達遅延や調達コストの上昇、物流の停滞、輸出入規制や経済制裁等を通じて、生産活動及び販売活動に重大な影響を及ぼし、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

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