事業の概要
- 自動車部品製造販売TPRグループは、ピストンリング、シリンダライナ、バルブシートといったエンジン関連部品の製造販売を主要事業としています。これらは自動車の心臓部であるエンジンの性能に直結する重要な部品であり、高い技術力が求められます。また、自動車外装部品や純正用品、関連機器の製造販売も行っており、自動車産業の幅広いニーズに応えています。
- ゴム・樹脂・アルミ製品自動車部品以外にも、工業用ゴム部品、樹脂製品、アルミ製品の製造販売を手掛けています。これらの製品は、自動車以外の多様な産業分野でも活用される可能性があり、事業の多角化に貢献しています。グループ全体で46の子会社と12の関連会社を国内外に持ち、グローバルな供給体制を構築しています。
- グローバルな事業展開日本国内だけでなく、海外にも30の子会社と8の関連会社を展開し、世界中の自動車メーカーに製品を供給しています。これにより、特定の地域経済の変動リスクを分散し、安定的な収益基盤の構築を目指しています。多様な製品と地域展開により、収益源を多角化しているのが特徴です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 日本地域事業日本国内での事業活動を指し、売上高493.74億円、営業利益14.16億円を計上しています。主に自動車部品の製造販売を行っており、国内市場での安定的な収益確保に貢献しています。長年培ってきた技術力と顧客基盤が強みです。
- アジア地域事業アジア地域での事業活動を指し、売上高464.15億円、営業利益77.45億円と、最も高い営業利益を上げています。中国をはじめとするアジア諸国の自動車市場の成長を取り込み、グループ全体の収益を牽引する重要な地域です。現地ニーズに合わせた製品供給が成功要因と考えられます。
- TPRグループ(FALTECグループを除く)事業FALTECグループを除くTPRグループ全体の事業を指し、売上高1135.95億円、営業利益88.57億円を計上しています。ピストンリングなどの基幹部品製造が中心であり、グループの中核をなす事業です。高い技術力とグローバルな供給体制が特徴です。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Japan | 地域 | 494 | 14 | 2.9% |
| Asia | 地域 | 464 | 77 | 16.7% |
| NorthAmerica | 地域 | 152 | -6 | -3.8% |
| OtherRegions | 地域 | 26 | 3 | 10.4% |
| TPRGroupExceptFALTECGroup | 事業 | 1,136 | 89 | 7.8% |
| FALTECGroup | 事業 | 789 | 22 | 2.8% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは、当社、子会社46社(うち海外30社)及び関連会社13社(うち海外9社)で構成されており、主としてピストンリング、シリンダライナ、バルブシート、自動車外装部品、自動車純正用品、自動車関連機器等の製造販売を行っており、そのほか工業用ゴム部品、樹脂製品等の製造販売の事業活動を展開しております。 当社グループが営んでいる主な事業内容と、各関係会社の位置付け並びにセグメントとの関連は、次のとおりであります。☆連結子会社、○持分法適用関連会社
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 開発競争の激化から、品質、技術並びに価格に対する顧客の要請はより厳しいものになっているため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 パワートレイン製品の低燃費技術、低価格化と信頼性の両立、新工法開発、フロンティア分野の新技術開発 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:他社との競合 / 経済環境、自動車市場の需要動向 / 技術革新及び顧客ニーズへの対応
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPなどの無形資産に関する具体的な評価は困難です。公開情報からは、特定の強力な無形資産の存在を示唆する情報は確認できません。
スイッチングコスト★★☆☆☆
TPRは自動車部品メーカーであり、特にエンジンバルブ分野で高いシェアを持っています。自動車メーカーとの長期的な取引関係や、部品の仕様適合性から一定のスイッチングコストは存在すると考えられますが、競合他社も参入可能な市場であり、極めて高いとは言えません。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
TPRの事業モデルは、製品の利用者が増えることで価値が増加するネットワーク効果を生むものではありません。主にBtoB取引であり、プラットフォーム型ビジネスとは異なります。
コスト優位★★★☆☆
TPRは、長年の経験と技術蓄積により、エンジンバルブの製造において効率的な生産プロセスを確立している可能性があります。特に、グローバルな生産体制やサプライチェーンの最適化を通じて、コスト競争力を維持していると考えられます。ただし、具体的なコスト優位性を示すデータは不足しています。
規模の経済★★★★☆
TPRは、自動車用エンジンバルブ市場において世界トップクラスのシェアを誇ります。この規模の経済により、生産効率の向上、調達コストの削減、研究開発への投資余力などが期待でき、効率的な寡占状態を形成していると考えられます。グローバルな販売網も強みです。
- パワートレイン製品の技術力TPRグループは、ピストンリングやシリンダライナといった内燃機関の基幹部品において、長年培ってきた高い技術力と開発力を有しています。これにより、自動車メーカーからの厳しい品質・技術・価格要請に応え、市場での優位性を保っています。特に、低燃費化や軽量化に貢献する高機能部品の開発に強みを持っています。
- グローバルな供給体制世界中に子会社や関連会社を展開することで、主要な自動車生産拠点に製品を供給できるグローバルな生産・供給体制を確立しています。これにより、顧客である自動車メーカーの海外展開にも対応し、安定的な取引関係を築いています。地域ごとの市場ニーズに合わせた柔軟な対応も可能です。
- 品質への高い評価同社は「最高品質を追求し、世界一よいものを、世界一多く、早く、安くつくる」ことを品質方針に掲げ、お客様クレームゼロを目指しています。その結果、多くのお客様から品質表彰を毎年受賞しており、製品品質に対する高い信頼と評価を得ています。これは、顧客との長期的な関係構築において重要な競争優位となります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- モビリティ社会の変革への対応電動化や多燃料化、CASE技術の発展など、自動車業界の大きな変化に対応するため、従来の動力機構の概念を広げ、「ヒト、モノ、ココロの『動く』をきわめ、美しく豊かな地球社会を支える」というコーポレートメッセージを設定しています。これは、同社が目指す未来の姿を示しています。
- 両輪経営の推進2040年に向け、エンジン部品を製造する「パワートレイン分野」での利益最大化と、それ以外の「フロンティア分野」の拡大・成長を両輪として推進する戦略です。パワートレイン分野では内燃機関の熱効率向上やHEV・PHEV対応を進め、フロンティア分野ではゴム・樹脂、EV関連、ナノ素材など新事業育成に注力し、経営基盤の多角化を図ります。
- 経営基盤強化とサステナビリティ製品・サービスの品質向上、従業員の健康・安全確保、事業継続計画(BCP)の強化、情報セキュリティ対策の推進、コーポレート・ガバナンスの強化など、経営基盤の強化に取り組んでいます。また、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、人権尊重、CO2削減など、サステナビリティへの取り組みも強化し、持続的な成長を目指します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、動力機構の高度化を原点に、主に内燃機関の低燃費化、軽量化に資する高機能部品の開発とそれらのグローバルでの安定供給により、クリーンでクオリティの高い地球社会の実現に貢献してまいりました。 一方で、当社を取り巻く経営環境は、電動化や多燃料化をはじめとするカーボンニュートラルの対応をはじめ、モビリティ社会の変革が進展しております。また、人々の嗜好やニーズが多様化し、より環境に寄り添った美しく豊かな暮らしが重視される時代へと変わってきております。 このような中、当社は、従来の動力機構の概念を広げて様々な「動く」~それはモノやクルマにとどまらずヒトやココロも含めた「動く」~に関わり、人々の生活空間において不可欠な存在となりたい、との想いに基づき、『「動く」をきわめ、社会を支える TPR』をコーポレートメッセージに設定しております。 このコーポレートメッセージを体現すべく、未来を見据えて『さらなる成長を仕込む』ステージとして、取り組むべく事業運営に取り組んでおります。 (2)経営戦略 当社グループは、コーポレートメッセージの実現に向けて、未来を見据えて、『さらなる成長を仕込む』ステージとして、2024年4月からスタートする3ヶ年の26中期経営計画(以下、「26中計」という。)を策定しました。 当社グループは、カーボンニュートラルなど社会課題への取組みを一層強化するとともに、創立100周年を超える2040年に向けて、エンジン部品であるピストンリング、シリンダライナ、バルブシート等を製造する「パワートレイン分野」での利益の最大化と、パワートレイン以外の事業である「フロンティア分野」の拡大と成長という両輪経営を強力に推進するとともに、経営基盤強化とサステナビリティ経営に取り組むことにより、持続的成長及び企業価値向上を目指してまいります。 ① 26中計の骨太方針 ② 26中計の財務目標 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 世界経済は、世界各国における金融・関税等の政策などに伴う景気後退の懸念や地政学リスクの継続により、引き続き不透明な状況が続いております。当社グループが主として関連する自動車業界においては、サプライチェーンにおける、労務費、物流費、エネルギー価格、原材料費等の高騰は、今後も継続すると想定しております。また、CASE技術の発展といったモビリティ社会の変革が進展しており、電動化や多燃料化をはじめとする加速するカーボンニュートラルへの対応が求められております。この様な環境変化に対応して以下の取り組みを推進します。 ① パワートレイン分野・・・業界をリードするものづくりの実現 26中計においては、これまで培った技術力・開発力・生産力を進化させ、内燃機関の熱効率向上への徹底的な追求、HEV(ハイブリッド)・PHEV(プラグインハイブリッド)に注目した開発、カーボンニュートラル燃料への対応等お客様の課題解決に貢献する商品の開発を加速させております。 また、良いものをより安く、スピーティーにグローバルに提供するために、製品別・地域別・顧客別の事業戦略をもとに、DXを活用したものづくりのコスト競争力の強化をさらに図ってまいります。グローバル最適生産配分の検討・実施を通じて、コスト構造の最適化を推進し、さらなる収益力の向上に向けて取り組んでまいります。 ② フロンティア分野・・・成長分野に積極的に投資、新しい柱事業の育成 中長期目標を掲げて、ゴム・樹脂事業、EV関連商品、ナノ素材事業、未来を支える技術創出、自動車外装・関連機器事業を重点領域として積極展開を進めてまいります。ゴム・樹脂事業においては、主要顧客のシェアアップ、新規市場開拓と共に、技術の強化、新製品の開発に取り組みます。EV関連商品については、EV先進国の中国での開発・営業の強みを発揮しながら、グローバルの展開を含めた事業拡大を進めております。ナノ素材、未来創出の開発においては、外部との連携強化を通じて事業化を加速してまいります。自動車外装、関連機器事業においては、顧客層の拡大、新商品の強化、新たなモビリティへの対応を進めてまいります。 また、シナジー創出が見込める会社への出資やM&Aなど、固定概念にとらわれず、幅広くグループ内外にネットワークを作り、協業・協創をベースとした成長領域の拡大も継続してまいります。 ③ 経営基盤強化 製品やサービスの品質向上と顧客満足度のさらなる向上を目指して、製造の原点に立ち戻り、最高品質活動を推進しております。社員が健康・安全であることは、会社が果たすべき責任であり、心身ともに健全で楽しく仕事ができるよう安全・衛生、環境方針の目標達成に努めてまいります。事業継続計画(BCP)については、防災・減災に向けた準備を整えるのみならず、感染症拡大等のリスクにも即時対応ができるよう、更なる深掘り・訓練を実施してまいります。情報セキュリティについては、従業員向けのセキュリティ教育を行うとともに、システムの脆弱性診断及びサイバー攻撃対策をさらに強化して進めております。経営の根幹であるコーポレート・ガバナンス、コンプライアンスについても継続的に強化してまいります。また、RPA、デジタル技術の活用やデータ分析などDX手法による業務の改革も加速させてまいります。 ④ サステナビリティ取組み推進 当社グループは、営業・技術・生産・調達・品質・海外事業・管理等、全部門において、企業グループ経営の効率化、高度化を図ります。世界6極に事業展開する当社グループは、性別・国籍・宗教などにかかわらず多様性を重視し、“個人を尊重し、認め合い、良いところを活かす”ダイバーシティ&インクルージョンの取組みに努めており、人権尊重の取り組みでは、「TPRグループ人権方針」を制定し、人権啓発に取り組んでいます。働き方改革としても、ハラスメント撲滅等を徹底するとともに、人材育成と人材投資を進めてエンゲージメントの向上を図り、風通しの良い職場、全社員が成長と働き甲斐を実感できる職場づくりを推進いたします。 環境にやさしい商品開発の促進、全ての事業活動におけるReduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の取り組み、CO2削減環境活動と遵法重要性の教育を通じて、2050年にScope3を含めたカーボンニュートラルの実現に取組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、動力機構の高度化を原点に、主に内燃機関の低燃費化、軽量化に資する高機能部品の開発とそれらのグローバルでの安定供給により、クリーンでクオリティの高い地球社会の実現に貢献してまいりました。 一方で、当社を取り巻く経営環境は、電動化や多燃料化をはじめとするカーボンニュートラルの対応をはじめ、モビリティ社会の変革が進展しております。また、人々の嗜好やニーズが多様化し、より環境に寄り添った美しく豊かな暮らしが重視される時代へと変わってきております。 このような中、当社は、従来の動力機構の概念を広げて様々な「動く」~それはモノやクルマにとどまらずヒトやココロも含めた「動く」~に関わり、人々の生活空間において不可欠な存在となりたい、との想いに基づき、『「動く」をきわめ、社会を支える TPR』をコーポレートメッセージに設定しております。 このコーポレートメッセージを体現すべく、未来を見据えて『さらなる成長を仕込む』ステージとして、取り組むべく事業運営に取り組んでおります。 (2)経営戦略 当社グループは、コーポレートメッセージの実現に向けて、未来を見据えて、『さらなる成長を仕込む』ステージとして、2024年4月からスタートする3ヶ年の26中期経営計画(以下、「26中計」という。)を策定しました。 当社グループは、カーボンニュートラルなど社会課題への取組みを一層強化するとともに、創立100周年を超える2040年に向けて、エンジン部品であるピストンリング、シリンダライナ、バルブシート等を製造する「パワートレイン分野」での利益の最大化と、パワートレイン以外の事業である「フロンティア分野」の拡大と成長という両輪経営を強力に推進するとともに、経営基盤強化とサステナビリティ経営に取り組むことにより、持続的成長及び企業価値向上を目指してまいります。 ① 26中計の骨太方針 ② 26中計の財務目標 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 世界経済は、世界各国における金融・関税等の政策などに伴う景気後退の懸念や地政学リスクの継続により、引き続き不透明な状況が続いております。当社グループが主として関連する自動車業界においては、サプライチェーンにおける、労務費、物流費、エネルギー価格、原材料費等の高騰は、今後も継続すると想定しております。また、CASE技術の発展といったモビリティ社会の変革が進展しており、電動化や多燃料化をはじめとする加速するカーボンニュートラルへの対応が求められております。この様な環境変化に対応して以下の取り組みを推進します。 ① パワートレイン分野・・・業界をリードするものづくりの実現 26中計においては、これまで培った技術力・開発力・生産力を進化させ、内燃機関の熱効率向上への徹底的な追求、HEV(ハイブリッド)・PHEV(プラグインハイブリッド)に注目した開発、カーボンニュートラル燃料への対応等お客様の課題解決に貢献する商品の開発を加速させております。 また、良いものをより安く、スピーティーにグローバルに提供するために、製品別・地域別・顧客別の事業戦略をもとに、DXを活用したものづくりのコスト競争力の強化をさらに図ってまいります。グローバル最適生産配分の検討・実施を通じて、コスト構造の最適化を推進し、さらなる収益力の向上に向けて取り組んでまいります。 ② フロンティア分野・・・成長分野に積極的に投資、新しい柱事業の育成 中長期目標を掲げて、ゴム・樹脂事業、EV関連商品、ナノ素材事業、未来を支える技術創出、自動車外装・関連機器事業を重点領域として積極展開を進めてまいります。ゴム・樹脂事業においては、主要顧客のシェアアップ、新規市場開拓と共に、技術の強化、新製品の開発に取り組みます。EV関連商品については、EV先進国の中国での開発・営業の強みを発揮しながら、グローバルの展開を含めた事業拡大を進めております。ナノ素材、未来創出の開発においては、外部との連携強化を通じて事業化を加速してまいります。自動車外装、関連機器事業においては、顧客層の拡大、新商品の強化、新たなモビリティへの対応を進めてまいります。 また、シナジー創出が見込める会社への出資やM&Aなど、固定概念にとらわれず、幅広くグループ内外にネットワークを作り、協業・協創をベースとした成長領域の拡大も継続してまいります。 ③ 経営基盤強化 製品やサービスの品質向上と顧客満足度のさらなる向上を目指して、製造の原点に立ち戻り、最高品質活動を推進しております。社員が健康・安全であることは、会社が果たすべき責任であり、心身ともに健全で楽しく仕事ができるよう安全・衛生、環境方針の目標達成に努めてまいります。事業継続計画(BCP)については、防災・減災に向けた準備を整えるのみならず、感染症拡大等のリスクにも即時対応ができるよう、更なる深掘り・訓練を実施してまいります。情報セキュリティについては、従業員向けのセキュリティ教育を行うとともに、システムの脆弱性診断及びサイバー攻撃対策をさらに強化して進めております。経営の根幹であるコーポレート・ガバナンス、コンプライアンスについても継続的に強化してまいります。また、RPA、デジタル技術の活用やデータ分析などDX手法による業務の改革も加速させてまいります。 ④ サステナビリティ取組み推進 当社グループは、営業・技術・生産・調達・品質・海外事業・管理等、全部門において、企業グループ経営の効率化、高度化を図ります。世界6極に事業展開する当社グループは、性別・国籍・宗教などにかかわらず多様性を重視し、“個人を尊重し、認め合い、良いところを活かす”ダイバーシティ&インクルージョンの取組みに努めており、人権尊重の取り組みでは、「TPRグループ人権方針」を制定し、人権啓発に取り組んでいます。働き方改革としても、ハラスメント撲滅等を徹底するとともに、人材育成と人材投資を進めてエンゲージメントの向上を図り、風通しの良い職場、全社員が成長と働き甲斐を実感できる職場づくりを推進いたします。 環境にやさしい商品開発の促進、全ての事業活動におけるReduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の取り組み、CO2削減環境活動と遵法重要性の教育を通じて、2050年にScope3を含めたカーボンニュートラルの実現に取組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、中東情勢による原油価格高騰をはじめ、不透明感の高まる展開となりました。米国では関税影響による物価上昇が起因し個人消費が伸び悩んだ一方、中国では雇用の不透明感があるものの、対米輸出の他地域への切り替えにより外需好調となり、堅調な推移となりました。また、日本では物価上昇の影響を受けつつも、賃上げや投資拡大により底堅い推移となりました。 当社グループが主として関連する自動車業界においては、米国ではEVを中心に販売が低迷したものの、ハイブリッド車の販売が増加しました。中国では中国系メーカーを中心に、国内販売及び輸出が引き続き堅調に推移しました。一方、アセアンでは高金利や融資基準の厳格化により需要の伸びが鈍化し、販売は伸び悩みました。日本では販売が軟調に推移しました。 このような経営環境のもと、当社グループの当連結会計年度においては、前年同期比で売上高はファルテックグループでの減少が主因となり減収、営業利益は品種構成の影響により減益となりました。経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、持分法投資利益及び保有資産売却益により増益となりました。 総資産につきましては、前連結会計年度末と比較して138億4百万円増加し、3,055億83百万円となりました。これは主に投資有価証券が80億86百万円、出資金が32億3百万円、退職給付に係る資産が21億28百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。 負債につきましては、前連結会計年度末と比較して5億76百万円減少し、925億67百万円となりました。これは主に繰延税金負債が22億3百万円増加した一方で、短期借入金が23億16百万円、退職給付に係る負債が8億44百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。 純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して143億80百万円増加し、2,130億16百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金が49億27百万円、利益剰余金が39億39百万円、非支配株主持分が23億62百万円、退職給付に係る調整累計額が19億72百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。 当連結会計年度の業績数値につきましては、次のとおりであります。売上高 1,905億53百万円 (前年同期比 1.0%減)営業利益 102億78百万円 ( 〃 8.3%減)経常利益 161億62百万円 ( 〃 2.4%増)親会社株主に帰属する当期純利益 93億94百万円 ( 〃 6.0%増) セグメントの業績概況は、次のとおりであります。セグメント状況日本アジア北米 その他地域ファルテックグループ <TPRグループ(除くファルテックグループ)>a.日本 日本は、販売は堅調となった一方、品種構成の影響及び研究開発費の増加により増収減益となりました。売上高は507億55百万円で、前年同期比13億80百万円の増収となり、セグメント利益は4億4百万円で、前年同期比10億12百万円の減益となりました。b.アジア アジア地域は、中国現地自動車メーカーの販売好調により増収増益となりました。売上高は484億97百万円で、前年同期比20億81百万円の増収となり、セグメント利益は80億25百万円で、前年同期比2億80百万円の増益となりました。c.北米 北米地域は、日系自動車メーカーの販売好調により増収増益となりました。売上高は157億77百万円で、前年同期比5億58百万円の増収となり、セグメント損失は3億25百万円で、前年同期比2億50百万円の増益となりました。d.その他地域 その他地域は、欧州自動車メーカーへの販売が堅調となり、増収増益となりました。売上高は25億97百万円で、前年同期比10百万円の増収となり、セグメント利益は3億32百万円で、前年同期比61百万円の増益となりました。<ファルテックグループ> 自動車メーカーの生産・販売台数減により減収減益となりました。売上高は729億25百万円で、前年同期比59億73百万円の減収となり、セグメント利益は14億3百万円で、前年同期比7億90百万円の減益となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減増減率営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)21,74322,7219774.5%投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△4,582△13,544△8,961195.5%財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△9,932△11,583△1,65016.6%現金及び現金同等物の期末残高(百万円)60,79759,369△1,428△2.3%キャッシュ・フロー対有利子負債比率1.5年1.3年△0.2年-インタレスト・カバレッジ・レシオ64.8倍53.9倍△10.9倍- 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前連結会計年度末と比較して14億28百万円減少し、593億69百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は、227億21百万円(前年同期比4.5%増)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益160億32百万円、減価償却費118億4百万円、法人税等の支払額39億94百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、135億44百万円(前年同期比195.5%増)となりました。主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出121億23百万円、出資金の払込による支出21億51百万円、有形及び無形固定資産の売却による収入25億48百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、115億83百万円(前年同期比16.6%増)となりました。主な内訳は、配当金の支払額33億6百万円、リース債務返済による支出26億17百万円、自己株式の取得による支出25億円、短期借入金の純減少額20億71百万円であります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)TPRグループ(除くファルテックグループ)日本(百万円)52,341105.3アジア(百万円)43,634106.9北米(百万円)14,662105.7その他地域(百万円)1,602103.0計112,241105.9ファルテックグループ(百万円)61,50992.7合計(百万円)173,750100.8(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b.受注実績確定受注は主に納期直前であり、販売実績と重要な相違は無いため記載は省略しております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)TPRグループ(除くファルテックグループ)日本(百万円)50,755102.8アジア(百万円)48,497104.5北米(百万円)15,777103.7その他地域(百万円)2,597100.4計117,627103.6ファルテックグループ(百万円)72,92592.4合計(百万円)190,55399.0(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(財政状態) 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減増減率資産合計(百万円)291,779305,58313,8044.7%負債合計(百万円)93,14392,567△576△0.6%純資産合計(百万円)198,635213,01614,3807.2%1株当たり純資産(円)2,453.652,714.91261.26-自己資本比率55.8%57.3%1.4ポイント-※当社は、2025年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、「1株当たり純資産」を算定しております。 a.流動資産 流動資産は、前期末に比べ2億16百万円増加(0.1%)の1,497億45百万円となりました。 これは主に、受取手形が12億83百万円、現金及び預金が8億44百万円、仕掛品が6億29百万円それぞれ減少した一方、売掛金が17億38百万円、商品及び製品が12億19百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。b.固定資産 固定資産は、前期末に比べ135億88百万円増加(9.6%)の1,558億38百万円となりました。 これは主に、上場株式の株価上昇等により投資有価証券が80億86百万円、中国事業における資本参加等により出資金が32億3百万円、年金資産の期末時価の上昇等により退職給付に係る資産が21億28百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。c.流動負債 流動負債は、前期末に比べ13億60百万円減少(△2.1%)の626億7百万円となりました。 これは主に、支払手形及び買掛金が18億27百万円、未払法人税等が8億58百万円それぞれ増加した一方、支払サイトの短縮等により電子記録債務が39億51百万円減少したこと等によるものであります。d.固定負債 固定負債は、前期末に比べ7億84百万円増加(2.7%)の299億59百万円となりました。 これは主に、退職給付に係る負債が8億44百万円、約定弁済により長期借入金が6億20百万円それぞれ減少した一方、株価上昇に伴う投資有価証券の評価益の増加等により繰延税金負債が22億3百万円増加したこと等によるものであります。e.純資産 純資産は、前期末に比べ143億80百万円増加(7.2%)の2,130億16百万円となりました。 これは主に、株価上昇によりその他有価証券評価差額金が49億27百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が39億39百万円、非支配株主持分が23億62百万円、年金資産の期末時価の上昇等により退職給付に係る調整累計額が19億72百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。 (経営成績) 当連結会計年度は、売上高は1,905億円となり、主にファルテックグループの顧客の減産により前年同期比で減収となりました。営業利益は102億円となり、主に品種構成の影響や売上減少による操業度減、研究開発費や賃上げによる労務費の増加により前年同期比で減益となりました。経常利益は161億円となり、主に中国事業好調による持分法投資利益の増加や為替差益の影響により前年同期比で増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は93億円となり、前年同期比で増益となりました。 TPRグループ(除くファルテックグループ)については、減益要因として品種構成の影響、国内の研究開発費の増加やグローバルでの賃上げによる労務費の増加等があった一方、増益要因としてグローバルでの原価低減努力や中国事業における資本参加による持分法利益の増加等により、経常利益は16億円増加しました。 ファルテックグループについては、顧客の生産・販売台数減少による操業度の低下や受取補償金の減少等により経常利益は12億円減少しました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 運転資金需要及び設備投資・出資資金などの長期資金需要に対しては、手元資金を充当することとし、必要に応じて金融機関からの借入れによって調達しております。また、キャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金活用の効率化と有利子負債の削減を図っております。 現金及び預金の残高は、事業規模に応じた適正額を維持することとしております。また、事業及び金融リスクに対応するため、金融機関と特別当座貸越契約を締結し、手元流動性を確保しております。 また、予期せぬ資金調達リスクに備えるため、当社は取引金融機関との間で総額95億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、本契約による借入れは実行しておりません。 当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は301億93百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は593億69百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における資産、負債、収益及び費用の報告金額について見積り及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。 連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、26中計の財務目標として、売上高、経常利益、経常利益率、親会社純利益、ROE、株主還元率を掲げております。それぞれの指標の初年度の実績、最終年度の目標は次のとおりであります。 引き続き、「26中計」目標の達成に向けて邁進してまいります。 2025年3月期(26中計1年目の実績)2026年3月期(26中計2年目の実績)2027年3月期(26中計目標)売上高1,924億円1,905億円2,100億円経常利益157億円161億円220億円経常利益率8.2%8.5%10.5%親会社純利益88億円93億円125億円ROE5.5%5.6%8.0%配当性向37.9%39.1%40%以上
事業リスク
- 市場競争の激化パワートレイン製品や自動車外装製品などの業界では、世界の自動車メーカーの開発競争が激化しており、品質、技術、価格に対する顧客の要求が厳しくなっています。知財戦略や性能優位な製品開発で市場シェア維持・拡大を図っていますが、市場機会を失うと業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 経済環境と自動車市場の変動世界経済の不透明な情勢や、米国の関税政策、米中間の政治・経済的対立といった地政学的リスクは、自動車業界全体に悪影響を及ぼす可能性があります。これにより、製品や原材料の輸出入コストが増加したり、自動車販売台数が減少したりすると、TPRグループの財政状態や業績に悪影響を与える可能性があります。
- 電動化と技術革新への対応自動車業界では電動化や多燃料化、CASE技術の発展といった大きな変革が進んでいます。内燃機関搭載車の販売減少は、パワートレイン製品を主力とする同社の業績に大きな影響を与える可能性があります。新技術への対応が遅れたり、価格競争力のある新商品を適時に開発・製造できなかったりすると、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が判断する連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であり、これらのリスク管理体制等については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。 (1)市場に関するリスク① 他社との競合について 当社グループが主に事業展開するパワートレイン製品、自動車外装製品、ゴム・樹脂製品等の業界では、世界の自動車メーカー等の開発競争の激化から、品質、技術並びに価格に対する顧客の要請はより厳しいものになっております。開発段階から品質、技術、価格の面で顧客ニーズに沿い優位性を保つため、世界市場において、知財戦略や性能優位な製品開発力で、シェアの維持、拡大を図り市場機会を失うことがないように努めておりますが、安定的に保証されているわけではありません。市場機会を失った場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 ② 経済環境、自動車市場の需要動向 当社グループが主に事業展開するパワートレイン製品、自動車外装製品、ゴム・樹脂製品等は、世界の各自動車メーカー等の拠点に納入されております。当連結会計年度における世界経済は、インフレの鈍化や金融引締めの一巡により回復傾向を示したものの、各国の高金利環境の長期化、中東情勢を含む地政学的緊張の継続、エネルギー・資源価格の変動、米国の通商政策や関税政策の動向等により、依然として先行き不透明な情勢が続いています。日本経済は所得環境の改善により回復基調にあるものの、実質賃金の伸び悩みや物価上昇の影響もあり、回復は限定的となっております。中国では不動産市場の低迷が続く中で、自動車販売促進策等により景気の下支えが図られています。米国では良好な所得環境により個人消費を中心とした国内需要に支えられているものの、高金利環境の継続や通商政策の変化への懸念が残っています。 当社グループが主として関連する自動車業界においては、各地域で電動車の普及や内燃機関車の構成見直しが進む一方、地域別の需要動向には差があり、自動車生産台数は国・地域ごとに強弱がみられます。 今後の中東情勢の緊迫化に伴い、完成車生産や部品供給への影響、原油価格や輸送費の上昇を通じて、自動車業界全体の調達・物流コストを押し上げる可能性があります。また、米・中間の政治・経済的対立を含む地政学的リスクの顕在化は、自動車業界全体に悪影響を及ぼす可能性があり、当社グループにおいても、製品や原材料の輸出入に係るコストが増加し、事業活動に影響を及ぼすおそれがあります。これらの不確実な要因の推移によって当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業に関するリスク① 技術革新及び顧客ニーズへの対応について 当社グループが主に事業展開するパワートレイン製品については、自動車用をはじめとした内燃機関への供給が主であり、電動化、シェアリング等の進展により内燃機関搭載車等の自動車販売台数が減少した場合には、連結業績に大きな影響を与える可能性があります。自動車業界は、電動化や多燃料化をはじめとするカーボンニュートラルへの対応や、CASE技術の発展といったモビリティ社会の変革が進展しております。このような動きに対応するために、当社の新26中計ではパワートレイン分野とフロンティア分野の両輪経営の進化を骨太方針として掲げ、多燃料対応、HEV・PHEVに注目した開発をさらに進めると同時に、開発リソースをゴム・樹脂製品、CASE対応製品、既存技術応用、ナノ素材事業化、未来予測にもとづいたベンチャービジネス、自動車外装・関連機器事業など新製品・新規事業の展開にシフトし、将来の経営基盤の多角化を図っております。しかし、当社が有する技術、知的財産、原材料や部品調達などを含む製造能力の状況により、価格競争力のある新商品を適時・適切に開発・製造できないリスクがあります。その場合は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 ② 企業買収、スタートアップ企業等への出資について 当社グループは経営戦略の一環として、企業買収やスタートアップ企業等への出資を行っております。投資は将来の収益性等を検討した上で意思決定をしており、企業買収に伴い発生したのれんについては、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しております。しかし、内部・外部の不確定要因により、想定した収益、成果が得られない場合は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 ③ 他社との業務提携 当社グループは、海外事業に関して国内外の他企業と戦略的業務提携を結んでおります。多くの海外拠点については、事業リスクの分散を図るため、主に他企業との提携による合弁会社の形で進出しております。提携先とは、定期ミーティング等を開催し、方針・戦略の意思統一を図っておりますが、提携先が戦略上の目標を変更した場合や提携関係を望まなくなった場合等、海外事業戦略に支障が出る可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 ④ 原材料や部品の調達 当社グループは、製品の製造に必要な原材料、部品を複数のサプライヤーから調達する方針を取っていますが、調達部品によって、特定のサプライヤーに依存しているものがあります。その特定のサプライヤーからの調達ができない場合、生産面への影響を受ける可能性があります。サプライヤーとは基本取引契約を締結し、安定的な調達を前提としておりますが、需要の急激な変化、サプライヤーの災害の被災等による供給能力の低下、自然災害や紛争での物流の寸断等により、必要調達量を確保できない場合は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 ⑤ 製品の品質不具合 当社グループは「最高品質を追求し、世界一よいものを、世界一多く、早く、安くつくる事により、TPRグループの信頼とお客様満足度を継続的に向上します」を品質方針に据え、お客様クレームゼロの実現に向けて日々取り組んでいます。その結果、多くのお客様から品質表彰を毎年受賞しています。今後も将来にわたって全ての製品について品質不具合がなく、お客様への流出もないように努めてまいりますが、重大な品質不具合が発生し、お客様に損害を与えるような場合は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を及ぼすことが考えられ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 (3)金融・経済・市況のリスク① 為替相場の変動 当社グループは、グローバルで自動車関連部品をはじめとした事業を展開しているため、多通貨の外貨取引があり、連結子会社及び持分法適用会社の連結財務諸表の作成には円換算をしておりますので為替変動の影響を受けております。外貨取引について先物為替予約取引等の利用を実施しておりますが、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが影響を受ける可能性があります。 ② 投資有価証券について 当社グループは、市場性のある投資有価証券を保有しており、株式の市場価格の変動により、保有する株式の評価損を計上しております。定期的に時価や発行元企業の経営状態を把握しておりますが、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが影響を受ける可能性があります。 ③ 退職給付債務 当社グループにおける退職給付費用及び債務は、割引率、期待収益率等の条件に基づいて算出されておりますが、市場の変化等により運用収益の低下など条件の変更が生じた場合や退職給付信託に拠出した株式の市場価格の変動により、退職給付債務の積立不足の増加等、費用処理される債務金額が増加する可能性があります。年金資産については、当社では資産管理を委託する資産運用機関での運用目標の達成状況及び必要に応じた資産構成の見直しについて、定期的な監視を行い、退職給付信託株式についても、定期的に株価や発行元企業の経営状態を把握しておりますが、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 ④ 原材料価格変動の影響について 当社グループの主力製品であるピストンリング、シリンダライナ、焼結、ゴム・樹脂製品等の原材料であるステンレス鋼、銑鉄、希少金属、ナフサ等の価格は、需給バランス、為替の変動等に起因して市況価格が変動します。市況価格が高騰し、生産性向上などの内部努力や、販売価格への転嫁等により影響を吸収できない場合は、当社グループの将来の収益性に悪影響を与える可能性があります。 ⑤ 労務費上昇の影響について 当社グループは、グローバルで製品を製造・供給しており、労務費が主要なコストの一部となっております。各国の労働市場の逼迫や最低賃金の引上げ等により労務費が上昇し、その増加分を販売価格へ転嫁できない場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 物流価格変動の影響について 当社グループは、グローバルで事業を展開しているため、原油価格高騰による軽油等燃料価格の上昇等に起因する輸送費用、海上運賃の高騰が物流コストの増加につながります。生産性向上など製造原価の低減に努めておりますが、これらのコスト上昇分を吸収しきれない場合、また販売価格への転嫁ができない場合は、当社グループの利益率の低下を引き起こすリスクがあります。 (4)政治・規制・法的手続・災害等に関するリスク① 法的規制等について 当社グループは、事業を展開する各国において、規制の変更、法令の適用及び行政上の運用の変更など様々なリスクにさらされています。当社グループは、グループ・ガバナンス統轄室及び海外事業部を中心に各拠点と連携を図り、法的規制に対して、グループ全体を統轄管理しておりますが、これらを遵守できなかった場合、事業の活動が制限され、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 ② 自然災害・安全等について 当社グループが事業を展開する各国において、地震等の自然災害リスク、火災等の安全リスク等に対し事業継続計画(BCP)を策定しております。地震等の自然災害リスク発生時に備え、安全在庫の確保、安否確認システムの導入、初動対応・早期復旧マニュアルを策定し訓練を実施しております。火災等の安全リスクに対しては、発生源対策、初期消火訓練等を実施しております。これらのリスク等発生時には、当社グループの事業活動の停滞に加えて、サプライチェーン寸断により取引先の生産において遅延・停止する事態が発生する等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 ③ 感染症の蔓延について 当社グループが事業を展開する各国において、感染症等の衛生リスクに対しては、各国政府・自治体の行政指針に基づき、勤務体制の構築の実施、感染防止策の奨励により感染リスクの低減を図っております。また、事業継続計画(BCP)を策定し、事業活動への影響を最小限とする対応を実施しておりますが、これらのリスク等発生時には、当社グループの事業活動の停滞に加えて、サプライチェーン寸断により取引先の生産において遅延・停止する事態が発生する等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 ④ 環境規制について 当社グループは、各国の環境規制情報等を入手し、環境負荷物質等の管理・撤廃、環境汚染の防止へ万全を期しておりますが、生産の過程において環境に影響を及ぼす物質等の使用があり、不測の事態により排出量が規制の基準値を超える可能性があります。また環境規制強化により主要部材が利用できないリスク等もあります。これらに対する環境規制及び基準に対する義務の遵守による負担は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 ⑤ 情報セキュリティについて 当社グループは、事業活動において、顧客情報・個人情報等、また営業上・技術上の機密情報を保有しており、これらの各種情報の取り扱い、機密保持には細心の注意を払っております。サイバー攻撃、改ざん、破壊、漏洩、消失等を防止するために機密性・安全性を確保し、各種規程に則り、適切な管理体制と安全措置を講じております。 特に近年、企業に対するサイバーテロなどの犯罪は日々巧妙さ、苛烈さを増しているため、当社グループはウイルス対策、従業員への教育訓練を強化しております。万が一、情報漏洩等の事故が発生した場合には、生産活動の停止、社会的信用の低下及び訴訟等のリスクがあり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 ⑥ 知的財産権について 当社グループの知的財産権については知的財産管理担当部署を中心に、秘密情報の厳重管理、海外を含めた体制強化、特許情報の精査等の対応を図っておりますが、第三者からの侵害や、過失による当社の不正使用等により、当社グループに対する訴訟等のリスクがあります。特に海外においては、類似製品の製造を完全に防止できない場合、当社が損害を被る可能性があります。これらの権利侵害による費用負担となる場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 (5)人材確保に関するリスク① 従業員高齢化のリスク 当社グループは、日本国内において、定年退職者の増加により従業員の減少が見込まれております。その対策の一環として、定年延長、再雇用制度を充実させる等、長く従業員が勤め続けることができるような人事制度を検討するとともに、DX、デジタルの推進などによる技術伝承や、生産性を高める取組みも並行して進めてまいります。 また、海外の人材を含めた多様な人材の活用など、人的資本投資を拡充して対応してまいります。このような対策を講じたとしても想定通りの効果が得られない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響が生じる可能性があります。 ② 人材採用・離職のリスク 当社グループは、両輪経営を進めるにあたり、若手や専門性を有する人材を継続的に確保、定着することが求められています。その対策として、当社グループは、社内外の種々の広報活動によりコーポレートブランド力を高めるとともに、グループ一体感の醸成、社員のエンゲージメントを高めることにより社員の定着を図っております。 また、国内の各大学等に積極的に訪問するなど、新卒採用活動を強化するとともに、キャリア採用も積極的に行っており、優秀な人材・多様なスキルの充足に向けた環境整備を進めております。人材の継続的な確保、定着ができない場合は、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。