事業の概要
- 軸受とCVJアクスルの製造販売NTNグループは、軸受(ベアリング)とCVJアクスル(自動車の駆動力を伝える部品)の製造販売を主要な事業としています。これらの製品は、自動車のアフターマーケット(補修部品市場)、産業機械市場、そして自動車メーカー向けのOEM市場に提供されており、幅広い産業と用途で同社の製品が使われています。
- グローバルな事業展開日本国内ではNTN株式会社が事業を統括し、海外では米州、欧州、アジアなどの地域に総支配人室を設置して、それぞれの地域の事業活動を管理しています。子会社73社と関連会社12社(2026年3月31日現在)が国内外で製造・販売活動を行い、グローバルな供給体制を構築しています。
- 地域別の収益構造事業セグメントは「日本」「米州」「欧州」「アジア他」の4つの地域で構成されており、各地域に属する現地法人が独自の事業戦略を立案し、収益性や投資効率を分析しながら事業を展開しています。これにより、地域ごとの市場特性に合わせた柔軟なビジネスモデルを構築しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 日本セグメント日本地域の売上高は2,152.45億円、営業利益は112.07億円です。国内では主にNTN株式会社が製造を行い、一部を国内製造関係会社に委託しています。販売も主に当社が直接行い、一部を国内販売関係会社を通じて実施しており、国内市場での安定的な収益基盤を形成しています。
- 米州セグメント米州地域の売上高は2,695.03億円ですが、営業利益は-3.95億円と赤字です。海外製造関係会社が半製品の供給を受けて製造し、海外販売関係会社が製品を販売しています。この地域では、売上規模は大きいものの、収益性の改善が課題となっている可能性があります。
- 欧州セグメント欧州地域の売上高は1,863.28億円、営業利益は-41.63億円と、米州と同様に赤字です。欧州では航空宇宙向け軸受の生産能力増強を進めるなど、成長分野への投資を行っていますが、現時点では収益面で苦戦している状況がうかがえます。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| JapanReportableSegment | 地域 | 2,152 | 112 | 5.2% |
| AmericasReportableSegment | 地域 | 2,695 | -4 | -0.1% |
| EuropeReportableSegment | 地域 | 1,863 | -42 | -2.2% |
| AsiaAndOtherAreasReportableSegment | 地域 | 1,545 | 148 | 9.6% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループはNTN株式会社(当社)、子会社73社及び関連会社12社(2026年3月31日現在)で構成され、軸受商品及びCVJアクスル商品等の、アフターマーケット向け、産業機械市場向け及び自動車市場向けへの製造販売を主な事業内容としており、国内においては当社(本社)が、また海外においては地区別に置かれた総支配人室が担当する地域の事業活動を統括しております。各地域に属する現地法人は、独自に事業戦略立案や事業計画策定を行い、その収益性や投資効率を分析しながら事業活動を展開しております。したがって、当社グループは本社及び総支配人室を基礎とした地域別の事業セグメントから構成されており、「日本」、「米州」、「欧州」及び「アジア他」の4つを報告セグメントとしております。当社グループにおける各社の位置づけは各セグメントとも概ね次のとおりであります。・国内の製造については主に当社が行っておりますが、製造の一部を国内製造関係会社に委託し当社が購入しております。また、部品加工の一部を国内部品加工関係会社に委託しております。・国内の販売については主として当社が直接行っており、一部については国内販売関係会社を通じて行っております。・海外の製造については海外製造関係会社が当社より一部の半製品の供給を受けて行っております。・海外の販売については当社と当社及び海外製造関係会社より製品を購入した海外販売関係会社並びに海外製造関係会社が行っております。なお、2025年5月に、La Tunisie Mecanique S.A.へ出資し、持分法適用関連会社としております。2025年6月に、重要性の低下によりNTN‑SNR MAROCを非連結子会社に変更し、その後、2026年1月に同社は清算しております。2025年12月に、重要性の低下に伴いNTN do Brasil Produção de Semi-Eixos Ltda.を非連結子会社に変更し、連結範囲から除外しております。2025年12月に、保有株式の売却に伴い恩梯恩東派(上海)軸承販売有限公司を持分法の適用範囲から除外しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い グローバルな価格競争の激化、市場価格の低下圧力、自動車業界からの価格引き下げ要請。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 高品質・高付加価値の新商品開発、特殊熱処理技術「HA-C」などの独自技術。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:経済状況の変動 / 為替レートの変動 / 市場価格の低下
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
NTNはベアリング業界で一定のブランド認知度を持つが、SKFやNSKのような圧倒的なブランド力や、特許による明確な技術的優位性は限定的。特定のニッチ分野での技術力は存在するものの、広範な無形資産としての競争優位性はまだ弱い。
スイッチングコスト★★★☆☆
自動車や産業機械分野では、ベアリングの品質や信頼性が重要視されるため、一度採用されたサプライヤーからの切り替えには、性能評価、再認証、設計変更などのコストとリスクが伴う。特にOEM(相手先ブランド製造)においては、サプライヤー変更は容易ではない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ベアリング事業には、ユーザーが増えるほど製品価値が増すといったネットワーク効果は基本的に存在しない。プラットフォーム型ビジネスではないため、このモートは適用されない。
コスト優位★★☆☆☆
NTNはグローバルな生産体制を持ち、規模の経済を活かしたコスト削減努力を行っている。しかし、競合他社も同様の努力をしており、構造的な圧倒的コスト優位性を確立しているとは言えない。為替変動の影響も受ける。
規模の経済★★★★☆
NTNは世界有数のベアリングメーカーであり、自動車、産業機械、航空宇宙など多岐にわたる分野で事業を展開している。業界全体で見ると、主要プレイヤーは少数であり、NTNはその中で一定のシェアを確保し、規模の経済による効率性を享受している。
- グローバルな製造・販売ネットワークNTNグループは、日本国内での製造を主に当社が行い、一部を国内関係会社に委託する一方で、海外では海外製造関係会社が半製品の供給を受けて製造しています。販売網も国内外に広がり、世界中で製品を供給できる体制が強みです。この広範なネットワークにより、多様な市場ニーズに対応し、安定的な供給を可能にしています。
- 高品質・高付加価値製品の開発力市場価格の低下圧力が高まる中で、NTNは原価低減と並行して、高品質・高付加価値の新商品開発に注力しています。特に、電動化が進む自動車市場向けに、耐電食軸受や樹脂モールド絶縁軸受を開発し、量産を開始しています。これらの技術力は、競合他社との差別化を図り、収益性を向上させる重要な要素です。
- 多様な市場への対応力自動車業界への依存度が高いものの、軸受や精密機器商品は産業機械分野への販売拡大も進めており、販売構成のバランスを常に考慮した戦略を推進しています。また、次世代モビリティ・モジュール、ロボット周辺モジュール、自然エネルギー商品といった成長分野にも注力し、新たな事業領域の開拓を通じて持続的な成長を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 「なめらかな社会」の実現と企業価値向上NTNグループは、企業理念である「新しい技術の創造と新商品の開発を通じて国際社会に貢献する」を実践し、「人と自然が調和し、人々が安心して豊かに暮らせる社会」の実現を目指しています。2035年度には、OEMとアフターマーケットの両輪で安定的に収益を上げる事業構造への変革、カーボンニュートラルの達成、豊かな人づくりを通じて、経済的価値と環境・社会的価値を向上させ、企業価値を高めることを目標としています。
- 中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalによる事業構造改革2024年4月から開始した3年間の中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalでは、「事業構造の変革の加速」を基本方針とし、NTNの再生を完了させることを目指しています。生産再編を中心とする事業構造改革を実行し、「SQCCD(安全、品質、法令遵守、コスト・キャッシュ、納期・開発)」の強化を通じて「稼ぐ力」の向上に注力しています。
- デジタル技術とコア技術の融合による新事業創出AIなどのデジタル技術とNTNが培ってきた経営資源を融合させ、事業構造の変革を加速します。また、2024年4月には、研究開発組織を集約した「未来創造開発本部」を設置し、コア技術を活かした他社優位性商品の実現を目指しています。次世代モビリティ・モジュール、ロボット周辺モジュール、自然エネルギー商品といった成長分野で、市場ニーズに合致した高機能・高品質なモジュール商品やユニット商品を開発し、新事業の創出と育成を加速する方針です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月17日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針NTNグループは、企業理念の実践を通じて、「なめらかな社会※」の実現を目指します。ステークホルダーをはじめとした社会から信頼され必要とされる企業として、人権の尊重とコンプライアンスを重視し、事業活動に取組んでまいります。※「なめらかな社会」:人と自然が調和し、人々が安心して豊かに暮らせる社会 <企業理念>新しい技術の創造と新商品の開発を通じて国際社会に貢献する 1.独創的技術の創造2.客先及び最終消費者に適合した付加価値技術及びサービスの提供3.着実な業績の伸長の下での社員の生活向上、株主への利益還元、社会への貢献4.グローバリゼーションの推進と国際企業にふさわしい経営・企業形態の形成 <ステークホルダーへの姿勢>従業員顧客取引先地域社会株主環境多様性と個性を尊重し、従業員が安全で健康的に働き、活躍できる職場環境づくりに努めます。お客様と誠実に向き合い、安全・安心で信頼性の高い商品・サービスを提供することにより、お客様の満足を追求します。公正で自由な環境のもと、取引先との相互信頼に基づく良好なパートナーシップを構築し、共に成長・発展をはかります。事業を行う地域の文化や慣習を尊重し、事業活動を通じて、地域社会の期待に応え、長期的な信頼関係を構築します。持続的な利益の創出による株主への利益還元に努め、積極的なコミュニケーションを通じて、長期的な信頼関係を構築します。事業活動において自然との調和をはかり、環境負荷低減に寄与する技術と商品・サービスの提供を通じて、地球環境に貢献します。 (2) 経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題「なめらかな社会」の実現に向けて、当社グループが優先的に取り組むべき13項目のマテリアリティを特定し、対応施策の策定を行い、その進捗状況を定期的に確認しています。2024年4月、当社は約10年後に目指す姿として、新たに「2035年度の姿と目標指標」を設定しました。OEMとアフターマーケットの両輪で安定的に稼ぐ事業構造へ変革することで、景気変動下においても株主資本コストを安定して上回るROEの継続と、カーボンニュートラルの達成及び豊かな人づくりの実現を目指します。これらの「経済的価値」と「環境・社会的価値」を当社グループのステークホルダーとともに向上させることで企業価値を高め、ステークホルダーをはじめとした社会から信頼され、必要とされる企業を目指してまいります。 [中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalの概要]2024年4月から開始した3年間の中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalは、「事業構造の変革(Transformation)の加速」という前中期経営計画の基本方針は変えず、前中期経営計画で果たせなかったNTNの再生を完了させる期間と位置づけています。NTNの再生のために、生産再編を中心とする事業構造改革を実行するとともに、「SQCCD」※の強化を通じて「稼ぐ力」の向上に注力しております。※ Safety(安全)、Quality(品質)、Compliance(法令遵守)、Cost(コスト)&Cash(キャッシュ)、 Delivery(納期)&Development(開発) 1.基本戦略(1) デジタル技術と経営資源の融合AIをはじめとするデジタル技術は更に進化し、ビジネスへの活用も拡大しています。それらのデジタル技術と当社が培った経営資源を融合し、事業構造の変革を加速することで、NTNの再生を成し遂げます。 (2) 生産再編「DRIVE NTN100」Finalの3年間で、事業構造改革に繋がる生産再編の企画、具体化及び実行を進め固定費圧縮と競争力の向上を目指します。生産再編に必要な構造改革費用を確保するとともに、株主還元、借入金返済等に適切に資金を配分した上で、2035年度に向けた成長が加速できるよう成長投資、カーボンニュートラル、情報化投資等に資金を振り分けます。 (3) 「安全、品質、法令遵守、コスト・キャッシュ、納期・開発」に関する企業理念の定着化推進「創業者の精神」、「企業理念」、「NTNスピリット」に代表される当社グループの企業理念体系を従業員に定着させるため、「安全、品質、法令遵守、コスト・キャッシュ、納期・開発」の英語の頭文字をとった「SQCCD」を事業運営の柱となるポリシーと位置づけ、日頃から全世界の従業員が身近な心構えとして活用できるように徹底しています。 2.事業別戦略OEM向け利益率向上とアフターマーケット向け供給力強化を目的に、2024年4月に市場軸組織から商品軸組織へ大幅な組織変更を行いました。これまで市場軸組織で分散していた軸受事業を集約することでOEM向けとアフターマーケット向け一体で稼ぐ事業へ変革するとともに、当社グループの売上の6割を占める自動車向け等速ジョイント(CVJ)とアクスル軸受の利益体質の強化を図ります。また、持続的成長を実現するため、「新たな領域への展開」に関わる研究開発組織を集約し、「コア技術を活かした他社優位性商品の実現」を活動軸に、マーケティングから開発、生産を一気通貫で運営する「未来創造開発本部」を2024年4月に設置しました。市場・顧客ニーズに合致した商品・サービスの創出を加速します。(1) 軸受他事業自動車OEMや産業機械OEM、アフターマーケット向け等様々な市場に販売している軸受製品を、商品軸で管理する事業組織に集約、変更することで、OEMとアフターマーケット一体で稼ぐビジネスモデルへ変革します。両者への生産能力の最適配分、及び資産効率の最大化を図り、事業構造の変革を進めることで、アフターマーケット向けの販売拡大と軸受事業の利益拡大を推進します。また、電動化・EV用新商品開発による利益ある新規案件の獲得や、お客様の設備の状態監視ビジネスの拡大等、新たな領域における事業拡大を通じて、ハードの売り切りからソフト・サービスを加えたビジネスへ変革を目指します。また、成長分野である、次世代モビリティ・モジュール、ロボット周辺モジュール、自然エネルギー商品を基軸に、市場ニーズに合致した、機能・品質・コストに優れたモジュール商品、ユニット商品を開発し、新事業となる商品の創出と育成を加速します。<取り組み状況>欧州の航空市場は継続的な成長が見込まれており、NTN Europe S.A.のフランス・アルゴネ工場における航空宇宙向け軸受の生産能力増強を着実に推進しています。2030年度まで段階的に生産能力を増強し、拡大する需要に対応します。また、事業構造改革の一環として、国内における超大形軸受の生産体制を再編し、株式会社NTN宝達志水製作所の生産機能を、当社桑名製作所に集約します。本再編により年間数億円規模の変動費及び固定費の削減効果を見込んでおり、今後も資産効率の向上と品質・コスト・納期での競争力の一層の強化を通じて持続的な企業価値の向上に取り組みます。自動車向けでは、世界的な電動化シフトは一時的に減速しているものの、中長期的にはEV比率の拡大が確実に進むと見込んでいます。その中で充電時間の短縮に向けたシステムの高電圧化に伴い、耐電食軸受の需要は今後一段と拡大する見通しです。こうした市場変化を先取りし、これまで主流だったセラミックボールを使ったハイブリッド軸受に加え、新たに樹脂モールド絶縁軸受を開発、昨年5月から量産を開始しました。更に、電動自動車の最大市場である中国における現地量産体制の整備を進め、グローバルなサプライチェーンの強化と機動的な供給体制の構築を図っています。また、長寿命化を実現する特殊熱処理(HA‑C)軸受は、昨年出展した「人とくるまのテクノロジー展」でも高評価を得ており、これらの高付加価値製品の販売拡大を通じ、収益性の更なる向上と競争力強化を実現します。 アフターマーケット向けでは、供給力強化のため従来から取り組んでいる汎用品在庫即納システム「FIRST」の販売子会社への導入や完成品在庫拡充が概ね完了しました。また、MRO(保守・修理・オーバーホール)向け大形軸受は材料の在庫保有により納期短縮を図り受注につなげています。今後は、より高収益を見込める準汎用品の在庫充実化を図ってまいります。また、モーター用補修品等特定の業種・市場に適合した高付加価値製品の販売拡大を推進します。あわせて、安価な新興メーカー品に対抗するため、調達改革により価格競争力を高めます。サービスビジネスでは、昨年3月より分析サービス、10月より産業機械用CVJのメンテナンスサービスを開始しました。今後も製品販売にとどまらず、サービス領域の強化を進めてまいります。 (2) CVJアクスル事業設計改革、調達・物流改革、事業再編に取り組むことで筋肉質な事業基盤を構築するとともに、自動車の駆動領域の要となるCVJとアクスル軸受の両製品を扱う強みを活かして、電動化をはじめ新たなニーズに対応した事業展開を加速します。調達・物流・もの造り改革による原価低減とグローバル供給体制・サプライチェーン再構築等の活動を通じて技術力と価格競争力の両立を追求します。販売ではお客様に寄り添った提案と適正価格の販売に拘り、顧客満足度と利益率の向上を図ります。また、拡大するEV市場に対しては、大型/高角・高効率/軽量化/低フリクション化等のニーズを捉えた差別化商品の開発とスピーディな市場への投入を行います。部品・完成品の調達・供給網再構築による利益の最大化を目指す一方で、生産再編等を推進します。<取り組み状況>CVJとアクスル軸受の利益体質を強化すべく、欧州・中国・米州において工場の統廃合等の再編計画を推進しています。欧州・中国においては計画通りに進捗しており、米州においても本年12月にカナダの工場を閉鎖する他、米国の工場の統廃合も実行段階に移しています。また、欧州・米州では、生産拠点の再編に応じてサプライチェーンも見直し、従来の現地調達中心の体制から、アジア諸国からの調達を組み合わせたグローバル最適調達体制への移行を進めています。為替、関税、物流リードタイム等の外部環境の変化を注視しつつ、原価低減等を通じて継続的なコスト競争力の向上を図ってまいります。販売面では、成長が見込まれるインドやアフターマーケット向けに経営資源を重点的に配分しています。インドにおいては、研究開発体制の強化を通じて自動車メーカーとのパートナーシップを一層深めるとともに、需要拡大に対応するためCVJの供給能力増強を進めています。アフターマーケットでは、製造委託先の拡充を図りつつ、国・地域ごとの市場特性に応じた販売施策を順次展開してまいります。新商品分野では、高効率固定式等速ジョイント(CFJ)の採用が順調に広がっています。今後は、更なる原価低減・標準化を進め、適用領域の拡大に取り組みます。「DRIVE NTN100」Finalにおいて立案した各種施策の実行は着実に進展しており、その効果として利益体質の改善が表れています。今後も事業環境の変化に柔軟に対応しながら必要に応じ施策も見直し、持続的かつ安定的な成長の実現を目指します。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等① 長期ビジョン及び中期経営計画に関する目標約10年後に目指す姿として、新たに「2035年度の姿と目標指標」を設定しました。OEMとアフターマーケットの両輪で安定的に稼ぐ事業構造へ変革することで、景気変動下においても株主資本コストを安定して上回るROEの継続と、カーボンニュートラルの達成、並びに豊かな人づくりの実現を目指します。それに向けて、2024年4月から開始した中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalでは、最終年度の目標として下表のとおり目標値を設定しております。 目標とする経営指標(連結)2026年3月期実績2027年3月期目標売上高826,344百万円830,000百万円営業利益31,034百万円50,000百万円営業利益率3.8%6.0%特別損益△8,282百万円△5,000百万円当期純利益12,871百万円21,500百万円棚卸資産回転率3.4回4.5回ROIC3.6%6.2%ROE4.9%8.0%自己資本比率33.8%30.0%ネットD/Eレシオ0.60.7 ② CO2排出量削減に関する目標「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティ全般[指標及び目標]」に記載のとおりであります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月17日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針NTNグループは、企業理念の実践を通じて、「なめらかな社会※」の実現を目指します。ステークホルダーをはじめとした社会から信頼され必要とされる企業として、人権の尊重とコンプライアンスを重視し、事業活動に取組んでまいります。※「なめらかな社会」:人と自然が調和し、人々が安心して豊かに暮らせる社会 <企業理念>新しい技術の創造と新商品の開発を通じて国際社会に貢献する 1.独創的技術の創造2.客先及び最終消費者に適合した付加価値技術及びサービスの提供3.着実な業績の伸長の下での社員の生活向上、株主への利益還元、社会への貢献4.グローバリゼーションの推進と国際企業にふさわしい経営・企業形態の形成 <ステークホルダーへの姿勢>従業員顧客取引先地域社会株主環境多様性と個性を尊重し、従業員が安全で健康的に働き、活躍できる職場環境づくりに努めます。お客様と誠実に向き合い、安全・安心で信頼性の高い商品・サービスを提供することにより、お客様の満足を追求します。公正で自由な環境のもと、取引先との相互信頼に基づく良好なパートナーシップを構築し、共に成長・発展をはかります。事業を行う地域の文化や慣習を尊重し、事業活動を通じて、地域社会の期待に応え、長期的な信頼関係を構築します。持続的な利益の創出による株主への利益還元に努め、積極的なコミュニケーションを通じて、長期的な信頼関係を構築します。事業活動において自然との調和をはかり、環境負荷低減に寄与する技術と商品・サービスの提供を通じて、地球環境に貢献します。 (2) 経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題「なめらかな社会」の実現に向けて、当社グループが優先的に取り組むべき13項目のマテリアリティを特定し、対応施策の策定を行い、その進捗状況を定期的に確認しています。2024年4月、当社は約10年後に目指す姿として、新たに「2035年度の姿と目標指標」を設定しました。OEMとアフターマーケットの両輪で安定的に稼ぐ事業構造へ変革することで、景気変動下においても株主資本コストを安定して上回るROEの継続と、カーボンニュートラルの達成及び豊かな人づくりの実現を目指します。これらの「経済的価値」と「環境・社会的価値」を当社グループのステークホルダーとともに向上させることで企業価値を高め、ステークホルダーをはじめとした社会から信頼され、必要とされる企業を目指してまいります。 [中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalの概要]2024年4月から開始した3年間の中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalは、「事業構造の変革(Transformation)の加速」という前中期経営計画の基本方針は変えず、前中期経営計画で果たせなかったNTNの再生を完了させる期間と位置づけています。NTNの再生のために、生産再編を中心とする事業構造改革を実行するとともに、「SQCCD」※の強化を通じて「稼ぐ力」の向上に注力しております。※ Safety(安全)、Quality(品質)、Compliance(法令遵守)、Cost(コスト)&Cash(キャッシュ)、 Delivery(納期)&Development(開発) 1.基本戦略(1) デジタル技術と経営資源の融合AIをはじめとするデジタル技術は更に進化し、ビジネスへの活用も拡大しています。それらのデジタル技術と当社が培った経営資源を融合し、事業構造の変革を加速することで、NTNの再生を成し遂げます。 (2) 生産再編「DRIVE NTN100」Finalの3年間で、事業構造改革に繋がる生産再編の企画、具体化及び実行を進め固定費圧縮と競争力の向上を目指します。生産再編に必要な構造改革費用を確保するとともに、株主還元、借入金返済等に適切に資金を配分した上で、2035年度に向けた成長が加速できるよう成長投資、カーボンニュートラル、情報化投資等に資金を振り分けます。 (3) 「安全、品質、法令遵守、コスト・キャッシュ、納期・開発」に関する企業理念の定着化推進「創業者の精神」、「企業理念」、「NTNスピリット」に代表される当社グループの企業理念体系を従業員に定着させるため、「安全、品質、法令遵守、コスト・キャッシュ、納期・開発」の英語の頭文字をとった「SQCCD」を事業運営の柱となるポリシーと位置づけ、日頃から全世界の従業員が身近な心構えとして活用できるように徹底しています。 2.事業別戦略OEM向け利益率向上とアフターマーケット向け供給力強化を目的に、2024年4月に市場軸組織から商品軸組織へ大幅な組織変更を行いました。これまで市場軸組織で分散していた軸受事業を集約することでOEM向けとアフターマーケット向け一体で稼ぐ事業へ変革するとともに、当社グループの売上の6割を占める自動車向け等速ジョイント(CVJ)とアクスル軸受の利益体質の強化を図ります。また、持続的成長を実現するため、「新たな領域への展開」に関わる研究開発組織を集約し、「コア技術を活かした他社優位性商品の実現」を活動軸に、マーケティングから開発、生産を一気通貫で運営する「未来創造開発本部」を2024年4月に設置しました。市場・顧客ニーズに合致した商品・サービスの創出を加速します。(1) 軸受他事業自動車OEMや産業機械OEM、アフターマーケット向け等様々な市場に販売している軸受製品を、商品軸で管理する事業組織に集約、変更することで、OEMとアフターマーケット一体で稼ぐビジネスモデルへ変革します。両者への生産能力の最適配分、及び資産効率の最大化を図り、事業構造の変革を進めることで、アフターマーケット向けの販売拡大と軸受事業の利益拡大を推進します。また、電動化・EV用新商品開発による利益ある新規案件の獲得や、お客様の設備の状態監視ビジネスの拡大等、新たな領域における事業拡大を通じて、ハードの売り切りからソフト・サービスを加えたビジネスへ変革を目指します。また、成長分野である、次世代モビリティ・モジュール、ロボット周辺モジュール、自然エネルギー商品を基軸に、市場ニーズに合致した、機能・品質・コストに優れたモジュール商品、ユニット商品を開発し、新事業となる商品の創出と育成を加速します。<取り組み状況>欧州の航空市場は継続的な成長が見込まれており、NTN Europe S.A.のフランス・アルゴネ工場における航空宇宙向け軸受の生産能力増強を着実に推進しています。2030年度まで段階的に生産能力を増強し、拡大する需要に対応します。また、事業構造改革の一環として、国内における超大形軸受の生産体制を再編し、株式会社NTN宝達志水製作所の生産機能を、当社桑名製作所に集約します。本再編により年間数億円規模の変動費及び固定費の削減効果を見込んでおり、今後も資産効率の向上と品質・コスト・納期での競争力の一層の強化を通じて持続的な企業価値の向上に取り組みます。自動車向けでは、世界的な電動化シフトは一時的に減速しているものの、中長期的にはEV比率の拡大が確実に進むと見込んでいます。その中で充電時間の短縮に向けたシステムの高電圧化に伴い、耐電食軸受の需要は今後一段と拡大する見通しです。こうした市場変化を先取りし、これまで主流だったセラミックボールを使ったハイブリッド軸受に加え、新たに樹脂モールド絶縁軸受を開発、昨年5月から量産を開始しました。更に、電動自動車の最大市場である中国における現地量産体制の整備を進め、グローバルなサプライチェーンの強化と機動的な供給体制の構築を図っています。また、長寿命化を実現する特殊熱処理(HA‑C)軸受は、昨年出展した「人とくるまのテクノロジー展」でも高評価を得ており、これらの高付加価値製品の販売拡大を通じ、収益性の更なる向上と競争力強化を実現します。 アフターマーケット向けでは、供給力強化のため従来から取り組んでいる汎用品在庫即納システム「FIRST」の販売子会社への導入や完成品在庫拡充が概ね完了しました。また、MRO(保守・修理・オーバーホール)向け大形軸受は材料の在庫保有により納期短縮を図り受注につなげています。今後は、より高収益を見込める準汎用品の在庫充実化を図ってまいります。また、モーター用補修品等特定の業種・市場に適合した高付加価値製品の販売拡大を推進します。あわせて、安価な新興メーカー品に対抗するため、調達改革により価格競争力を高めます。サービスビジネスでは、昨年3月より分析サービス、10月より産業機械用CVJのメンテナンスサービスを開始しました。今後も製品販売にとどまらず、サービス領域の強化を進めてまいります。 (2) CVJアクスル事業設計改革、調達・物流改革、事業再編に取り組むことで筋肉質な事業基盤を構築するとともに、自動車の駆動領域の要となるCVJとアクスル軸受の両製品を扱う強みを活かして、電動化をはじめ新たなニーズに対応した事業展開を加速します。調達・物流・もの造り改革による原価低減とグローバル供給体制・サプライチェーン再構築等の活動を通じて技術力と価格競争力の両立を追求します。販売ではお客様に寄り添った提案と適正価格の販売に拘り、顧客満足度と利益率の向上を図ります。また、拡大するEV市場に対しては、大型/高角・高効率/軽量化/低フリクション化等のニーズを捉えた差別化商品の開発とスピーディな市場への投入を行います。部品・完成品の調達・供給網再構築による利益の最大化を目指す一方で、生産再編等を推進します。<取り組み状況>CVJとアクスル軸受の利益体質を強化すべく、欧州・中国・米州において工場の統廃合等の再編計画を推進しています。欧州・中国においては計画通りに進捗しており、米州においても本年12月にカナダの工場を閉鎖する他、米国の工場の統廃合も実行段階に移しています。また、欧州・米州では、生産拠点の再編に応じてサプライチェーンも見直し、従来の現地調達中心の体制から、アジア諸国からの調達を組み合わせたグローバル最適調達体制への移行を進めています。為替、関税、物流リードタイム等の外部環境の変化を注視しつつ、原価低減等を通じて継続的なコスト競争力の向上を図ってまいります。販売面では、成長が見込まれるインドやアフターマーケット向けに経営資源を重点的に配分しています。インドにおいては、研究開発体制の強化を通じて自動車メーカーとのパートナーシップを一層深めるとともに、需要拡大に対応するためCVJの供給能力増強を進めています。アフターマーケットでは、製造委託先の拡充を図りつつ、国・地域ごとの市場特性に応じた販売施策を順次展開してまいります。新商品分野では、高効率固定式等速ジョイント(CFJ)の採用が順調に広がっています。今後は、更なる原価低減・標準化を進め、適用領域の拡大に取り組みます。「DRIVE NTN100」Finalにおいて立案した各種施策の実行は着実に進展しており、その効果として利益体質の改善が表れています。今後も事業環境の変化に柔軟に対応しながら必要に応じ施策も見直し、持続的かつ安定的な成長の実現を目指します。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等① 長期ビジョン及び中期経営計画に関する目標約10年後に目指す姿として、新たに「2035年度の姿と目標指標」を設定しました。OEMとアフターマーケットの両輪で安定的に稼ぐ事業構造へ変革することで、景気変動下においても株主資本コストを安定して上回るROEの継続と、カーボンニュートラルの達成、並びに豊かな人づくりの実現を目指します。それに向けて、2024年4月から開始した中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalでは、最終年度の目標として下表のとおり目標値を設定しております。 目標とする経営指標(連結)2026年3月期実績2027年3月期目標売上高826,344百万円830,000百万円営業利益31,034百万円50,000百万円営業利益率3.8%6.0%特別損益△8,282百万円△5,000百万円当期純利益12,871百万円21,500百万円棚卸資産回転率3.4回4.5回ROIC3.6%6.2%ROE4.9%8.0%自己資本比率33.8%30.0%ネットD/Eレシオ0.60.7 ② CO2排出量削減に関する目標「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティ全般[指標及び目標]」に記載のとおりであります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当期における世界経済は、一部の地域において弱さがみられるものの、緩やかな持ち直しが継続しました。日本経済については、中東情勢の影響を注視する必要があるものの、個人消費や設備投資などに改善の動きが見られ、緩やかに回復しました。海外においては、米国経済は、一部に弱さがみられるものの、景気は緩やかな拡大が継続しました。中国経済は景気が緩やかに減速しているものの、アジアのその他新興国経済は、景気の回復や景気の拡大がみられました。欧州経済は、ユーロ圏で景気の持ち直しの動きが見られました。かかる状況下、2024年4月から開始した中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalで掲げた「事業構造の変革(Transformation)の加速」の継続とNTN再生の完了を目指し、生産再編を中心とする事業構造改革の実行と、「SQCCD」※の強化を通じた「稼ぐ力」の向上に注力してまいります。※ Safety(安全)、Quality(品質)、Compliance(法令遵守)、Cost(コスト)&Cash(キャッシュ)、Delivery(納期)&Development(開発) 当期の売上高は826,344百万円(前連結会計年度比0.1%増)となりました。損益につきましては、規模減の影響などはありましたが、営業利益は売価転嫁や変動費の削減などにより31,034百万円(前連結会計年度比35.2%増)となりました。経常利益は、円安の影響で為替差損益が改善したことなどにより23,484百万円(前連結会計年度比124.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、日本セグメントの税効果の影響などにより12,871百万円(前連結会計年度は23,801百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。なお、営業利益の主な増減要因は、以下のとおりであります。変動費8,385百万円売価レベル5,799百万円経費他4,054百万円構造改革3,203百万円為替1,318百万円規模効果△8,732百万円人件費△3,868百万円関税影響△2,085百万円 セグメントの業績につきましては、以下のとおりであります。1) 日本販売につきましては、軸受他事業においては、アフターマーケット向けで増加しました。OEM市場向けでは産業機械向けで増加し、自動車向けで減少しました。CVJアクスル事業においては、OEM市場向けでは自動車向けで客先需要の低減により減少しました。全体としては、売上高は352,161百万円(前連結会計年度比0.7%減)となりました。セグメント損益は売価転嫁の影響などはありましたが、販売規模減の影響などがあり、9,192百万円のセグメント利益(前連結会計年度比18.0%減)となりました。2) 米州販売につきましては、軸受他事業は産業機械向け、CVJアクスル事業は自動車アフターマーケット向けで現地通貨ベースでは増加しましたが、為替の影響や自動車OEM向けで客先需要低減の影響を受けました。その結果、両事業とも減収となり、全体としては、売上高は263,591百万円(前連結会計年度比3.1%減)となりました。セグメント損益は米国の通商政策による影響はありましたが、変動費や固定費の削減などにより、5,469百万円のセグメント利益(前連結会計年度は395百万円のセグメント損失)となりました。3) 欧州販売につきましては、軸受他事業は自動車向けで減少しました。CVJアクスル事業においては、自動車OEM向けで客先需要の低減により減少しました。全体としては、売上高は197,462百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。セグメント損益は販売規模減の影響はありましたが、変動費や固定費の削減などにより、1,061百万円のセグメント損失(前連結会計年度は4,163百万円のセグメント損失)となりました。4) アジア他販売につきましては、軸受他事業においては、アフターマーケット向けおよび産業機械向けで増加しましたが、自動車向けで減少しました。CVJアクスル事業においては、自動車アフターマーケット向けで増加しましたが、自動車OEM向けで客先需要の低減により減少しました。全体としては、売上高は167,732百万円(前連結会計年度比0.5%減)となりました。セグメント損益は販売規模減の影響はありましたが、変動費や固定費の削減などにより、17,573百万円のセグメント利益(前連結会計年度比19.1%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況営業活動の結果得られた資金は57,179百万円(前連結会計年度比11,556百万円、25.3%の増加)となりました。主な内訳は減価償却費40,493百万円、税金等調整前当期純利益15,202百万円、棚卸資産の増減額14,640百万円の収入に対して、法人税等の支払額9,385百万円の支出であります。投資活動の結果使用した資金は26,276百万円(前連結会計年度比316百万円、1.2%の増加)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出29,118百万円であります。財務活動の結果使用した資金は35,322百万円(前連結会計年度比16,614百万円、88.8%の増加)となりました。主な内訳は長期借入金の返済による支出52,886百万円、社債の償還による支出50,000百万円に対して、長期借入れによる収入68,500百万円であります。これらの増減に換算差額8,062百万円および連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額99百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は131,255百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,543百万円(2.8%)の増加となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前年度比(%)日本296,78694.4米州217,725107.5欧州142,573106.6アジア他78,947100.3合計736,032100.9 (注) 上記金額は平均販売価格により表示しております。 2) 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前年度比(%)受注残高(百万円)前年度比(%)日本219,782101.247,822107.6米州253,51798.1103,43191.0欧州197,130103.848,745115.2アジア他146,40398.744,24584.8合計816,833100.4244,24496.7 (注) 上記金額は平均販売価格により表示しております。 3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年度比(%)日本352,16199.3米州263,59196.9欧州197,462103.6アジア他167,73299.5セグメント間取引消去△154,60496.7合計826,344100.1 (注) 相手先別の販売実績は、総販売実績の100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容当社グループに関する経営成績等の状況の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容です。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月17日)現在において当社グループが判断したものです。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」 1 (1) 連結財務諸表 の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の項目が連結財務諸表の作成に影響を及ぼすと考えております。1) 収益の認識基準当社グループの顧客との契約から生じる収益は、約束した財又はサービスを顧客に移転することにより履行義務を充足した時に又は充足するにつれて収益を認識しております。2) 貸倒引当金の計上基準当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて、回収不能となる見込額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。3) 繰延税金資産の回収可能性の評価当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。 4) 退職給付費用及び負債の前提条件当社グループは、退職給付費用及び債務を割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率、及び年金資産の期待運用収益率などに基づいて合理的に見積もっております。これらの前提条件が変化した場合には、実際の結果が見積りと異なる可能性があります。その影響は発生の都度、負債に計上され、将来にわたって規則的に費用計上されるため、費用及び負債に影響を及ぼす可能性があります。5) 固定資産の減損処理当社グループが有する固定資産のうち、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされるものについては、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や資産の市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認し、企業環境の変化や経済事象の発生によりその帳簿価額の回収が懸念されているかなど、減損損失の認識を判定しております。この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。経営・市場環境といった企業外部要因等の変化により、回収可能価額が変更された場合には、減損損失の金額の増加又は新たな減損損失の認識の可能性があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容1) 売上高の分析当連結会計年度の売上高は826,344百万円となり、前連結会計年度に比べ757百万円(0.1%)増加しました。為替の影響による増加額11,052百万円を考慮しますと、実質では10,295百万円の減少となりました。なお、海外売上高は614,752百万円となり、前連結会計年度に比べ160百万円(0.0%)減少しました。売上高に占める海外売上高の割合は74.4%(米州32.3%、欧州21.0%、アジア他21.1%)となり、前連結会計年度に比べ0.1ポイント低下しました。2) 売上原価、販売費及び一般管理費の分析当連結会計年度の売上原価は674,569百万円となり、対売上高比率は81.6%と前連結会計年度に比べ1.3ポイント低下しました。また、販売費及び一般管理費は120,739百万円となり、対売上高比率は14.6%と前連結会計年度に比べ0.3ポイント上昇しました。3) 営業利益の分析当連結会計年度の営業利益は31,034百万円となり、前連結会計年度に比べ8,075百万円(35.2%)増加しました。売上高営業利益率は3.8%となり、前連結会計年度に比べ1.0ポイント上昇しました。4) 営業外収益及び費用の分析当連結会計年度の営業外収益及び費用は、7,550百万円の費用超過となりました。収益は受取利息1,686百万円、為替差益488百万円、持分法による投資利益131百万円、受取配当金72百万円などにより4,680百万円となり、前連結会計年度に比べ1,216百万円の減少となりました。費用は支払利息7,823百万円、デリバティブ評価損46百万円などにより12,230百万円となり、前連結会計年度に比べ6,151百万円の減少となりました。5) 経常損益の分析当連結会計年度の経常利益は23,484百万円となり、前連結会計年度に比べ13,009百万円(124.2%)増加しました。売上高経常利益率は2.8%となり、前連結会計年度に比べ1.5ポイント上昇しました。6) 特別損益の分析当連結会計年度の特別利益は、有形固定資産売却益3,074百万円を計上し、前連結会計年度に比べ2,327百万円増加しました。また特別損失は、減損損失8,090百万円、事業再編損3,159百万円、関係会社株式売却損107百万円を計上し、前連結会計年度に比べ8,458百万円減少しました。7) 親会社株主に帰属する当期純利益の分析当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は12,871百万円(前連結会計年度は23,801百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。売上高当期純利益率は1.6%(△は親会社株主に帰属する当期純損失、前連結会計年度の売上高当期純利益率は△2.9%)となりました。 8) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析当社は2024年4月より約10年後に目指す姿として、新たに「2035年度の姿と目標指標」を設定しました。OEMとアフターマーケットの両輪で安定的に稼ぐ事業構造へ変革することで、景気変動下においても株主資本コストを安定して上回るROEの継続と、カーボンニュートラルの達成、並びに豊かな人づくりの実現を目指します。さらに、それに向けて、2024年4月から開始した中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalにおける最終年度の目標値、及び当連結会計年度における実績は下表のとおりであります。 目標とする経営指標(連結)2026年3月期実績2027年3月期目標売上高826,344百万円830,000百万円営業利益31,034百万円50,000百万円営業利益率3.8%6.0%特別損益△8,282百万円△5,000百万円当期純利益12,871百万円21,500百万円棚卸資産回転率3.4回4.5回ROIC3.6%6.2%ROE4.9%8.0%自己資本比率33.8%30.0%ネットD/Eレシオ0.60.7 この結果を受け、中期経営計画最終年度の目標値、さらには2035年度の姿に向けて、翌連結会計年度において比例費の削減や売価転嫁などの施策を推進し、これらの実現に向けて一層注力してまいります。なお、事業活動におけるCO₂排出量削減の状況については、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティ全般[指標及び目標]」に記載のとおりであります。 事業形態別の業績につきましては、以下のとおりであります。前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(単位:百万円)事業形態外部顧客への売上高営業利益軸受他事業340,70313,680CVJアクスル事業484,8839,279連結合計825,58722,959 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)(単位:百万円)事業形態外部顧客への売上高営業利益軸受他事業348,89012,256CVJアクスル事業477,45318,778連結合計826,34431,034 (a) 軸受他事業客先需要の回復および為替の影響により売上高は348,890百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。営業損益は売価転嫁や変動費の削減などはありましたが、販売規模減の影響などにより12,256百万円の営業利益(前連結会計年度比10.4%減)となりました。(b) CVJアクスル事業客先需要の低減などにより売上高は477,453百万円(前連結会計年度比1.5%減)となりました。営業損益は販売規模減の影響などはありましたが、売価転嫁や変動費の削減などにより18,778百万円の営業利益(前連結会計年度比102.4%増)となりました。 ③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社では、営業活動で獲得したキャッシュ・フローと、投資活動で支出したキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローを重要な指標の1つとしています。この指標を基に成長投資や運転資金への充当、または、負債の返済や新たな資金調達の要否を検討するとともに、フリー・キャッシュ・フロー創出のための施策を立案・推進し、財務体質の強化を図っています。また、財務体質の強化を図る指標として、自己資本比率、ネットD/Eレシオ等を使用しています。また、当社グループが事業活動を維持拡大するために必要な資金を安定的に確保するため、営業活動で獲得した自己資金と外部資金を有効に活用しています。外部からの資金については、調達コストの低減を図りながら資金調達手段の多様化と資本効率の向上を目的に、金融機関からの借入、社債の発行、営業債権の流動化を行っています。取引金融機関とは長年に亘って築き上げてきた良好な関係を維持しており、資金調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。更に、当社の一部子会社間については、当社グループが保有する資金をグループ内で活用することで、資金の偏在をならし、資金の効率化や流動性の確保を図っています。 1) 財政状態の分析流動資産は前連結会計年度末に比べ11,139百万円(2.1%)増加し、545,000百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金の増加8,210百万円、商品及び製品の増加6,323百万円によります。固定資産は前連結会計年度末に比べ11,112百万円(3.4%)増加し、333,675百万円となりました。これは主に建設仮勘定の増加7,218百万円、退職給付に係る資産の増加4,625百万円によります。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ22,251百万円(2.6%)増加し、878,676百万円となりました。流動負債は前連結会計年度末に比べ60,581百万円(14.3%)減少し、361,932百万円となりました。これは主に1年内償還予定の社債の減少40,000百万円、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の減少22,035百万円によります。固定負債は前連結会計年度末に比べ20,140百万円(10.9%)増加し、205,353百万円となりました。これは主に長期借入金の増加32,482百万円、退職給付に係る負債の減少8,611百万円によります。この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ40,440百万円(6.7%)減少し、567,286百万円となりました。純資産合計は前連結会計年度末に比べ62,690百万円(25.2%)増加し、311,389百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定の増加26,508百万円、資本金の増加11,000百万円、資本剰余金の増加11,000百万円、利益剰余金の増加8,256百万円によります。 なお、自己資本比率は33.8%(前連結会計年度末比6.6ポイント上昇)となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は499.40円(前連結会計年度末比59.51円増)となりました。有利子負債は前連結会計年度末に比べ34,819百万円(9.8%)減少し、319,173百万円となりました。為替の影響による増加額5,102百万円を考慮しますと実質では39,921百万円の減少となりました。なお、有利子負債依存度は36.3%(前連結会計年度末比5.0ポイント低下)となりました。正味運転資本は183,068百万円となり前連結会計年度末比71,720百万円増加しました。また流動比率は150.6%(前連結会計年度末比24.2ポイント増加)となりました。棚卸資産回転率は3.4回(前連結会計年度末比0.02回減少)、総資産回転率は1.0回(前連結会計年度末比0.02回減少)となりました。2) キャッシュ・フローの分析営業活動の結果得られた資金は57,179百万円(前連結会計年度比11,556百万円、25.3%の増加)となりました。主な内訳は減価償却費40,493百万円、税金等調整前当期純利益15,202百万円、棚卸資産の増減額14,640百万円の収入に対して、法人税等の支払額9,385百万円の支出であります。投資活動の結果使用した資金は26,276百万円(前連結会計年度比316百万円、1.2%の増加)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出29,118百万円であります。財務活動の結果使用した資金は35,322百万円(前連結会計年度比16,614百万円、88.8%の増加)となりました。主な内訳は長期借入金の返済による支出52,886百万円、社債の償還による支出50,000百万円に対して、長期借入れによる収入68,500百万円であります。これらの増減に換算差額8,062百万円および連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額99百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は131,255百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,543百万円(2.8%)の増加となりました。なお、営業活動による資金と投資活動による資金を合算したフリー・キャッシュ・フローは30,902百万円となりました。また、売上高営業キャッシュ・フロー比率は6.9%となりました。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について「第2 事業の状況」「3.事業等のリスク」及び「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に記載しています。
事業リスク
- 外部経済環境の変動NTNグループはグローバルに製造・販売拠点を持ち、多岐にわたる産業分野の取引先を有しているため、特定の国や地域の経済状況の変動、または取引先が属する産業の景気変動が、同社の財政状態、経営成績、キャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。特に、海外売上高が50%を超えるため、為替レートの変動も大きなリスクとなります。
- 市場競争と価格低下圧力グローバルな競争環境の激化、特に中国をはじめとする新興国製品の台頭により、軸受の一部で市場価格が下落しています。また、売上の半分以上を占める自動車業界では、世界的な価格競争を背景に、価格引き下げ要請が厳しさを増しており、これが同社の収益性に影響を与える可能性があります。
- 特定の業界への依存と製品の不具合NTNグループの販売は、軸受部門の約半分、等速ジョイント部門の大半が自動車業界向けであるため、自動車業界の急激な需要変動は、同社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、製品に重大な不具合が発生した場合、多額の製品補償費用や信用低下により、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月17日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 外部事業環境に関するリスク1) 経済状況当社グループ商品の製造拠点、販売拠点はグローバルな国と地域に及び、取引先も多岐の産業分野に亘っておりますため、特定の国や地域の経済状況の変動や取引先が属する産業の景気変動などにより、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 2) 為替レートの変動当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は50%を超えており、今後もグローバルな事業展開を加速させることにより、海外売上高の割合は増加の見込みであります。海外子会社の現地通貨建ての経営成績及び財政状態は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。また当社が海外の顧客等に輸出する場合、その取引の多くは外貨建てで行われております。当社グループでは為替予約や現地調達の拡大によってリスクヘッジを実施しておりますが、現地通貨と円貨の為替レート変動による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローへの影響を完全に回避できるものではありません。 3) 市場価格の低下当社グループの製造活動や販売活動における競争環境はグローバル規模で厳しさを増しております。中国をはじめとする新興国製品の台頭により軸受の一部では市場価格が下落してきております。また当社グループの売上の半分以上を占める自動車業界ではグローバルな価格競争を背景に価格引き下げ要請が厳しさを増しております。当社グループでは原価低減の継続的推進と同時に高品質、高付加価値の新商品開発を実施しておりますが、市場価格の低下圧力が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 4) 原材料価格、物流コスト、関税率の上昇当社グループは、外部より様々な原材料の調達を行っております。特に材料費のなかで大きなウエイトを占める鋼材の価格上昇に対しては製品価格への反映や歩留り向上、VA・VE活動による材料コスト低減を図っております。また、当社グループは製品・半製品を海上輸送によって海外に輸出しており、海上運賃等の物流コストが高騰した場合や関税率に変動があった場合、製品価格への反映やサプライチェーンの見直し等によって利益影響の低減を図っております。原材料価格や物流コスト、関税率の想定を超える上昇が発生した場合、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 5) 災害の発生や感染症の蔓延のリスク当社グループ及び当社グループ取引先の事業拠点が、地震、洪水などの天災、火災や感染症の蔓延等による被害を受ける可能性があります。当社グループでは、大規模災害の発生に備え、安否確認システムの導入や防災訓練を実施し、感染症の蔓延対策においてはマスクなどの備蓄等の各種対策を講じております。危機発生時において即座に初動措置を行うことによって被害を最小限に止めるよう備えておりますが、完全なリスク回避は困難であり、結果として当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 6) 気候変動リスク当社グループが拠点を有する国と地域における気候変動(気温上昇)に伴う異常気象(大雨、洪水、暴風などによる操業、営業の停止等)や環境規制の強化(炭素税の導入による原材料、エネルギーの調達コスト増加等)などにより、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。なお、気候変動(気温上昇)による影響について、TCFD提言に沿ったシナリオ分析の結果は「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティ全般[ガバナンス・リスク管理]」に記載のとおりであります。 (2) 事業運営に関するリスク1) 特定業界への依存当社グループの販売は、軸受部門の約半分が自動車業界向けであり、等速ジョイント部門は、自動車の駆動輪へ動力を伝達するための部品で、その大半を自動車業界向けに販売しており、自動車業界への依存度が高くなっております。軸受や精密機器商品につきましては産業機械分野への販売拡大も進め、販売構成のバランスを常に考えた施策を推進しておりますが、自動車分野における急激な需要変動があった場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 2) 製品の不具合当社グループは、品質の確保を図るため、顧客の要求機能・仕様を満足し、かつ安全性に配慮した適正品質の追求に努めており、グローバルベースで品質管理の徹底を図っております。しかし製品に重大な不具合が存在し、重大な事故やクレーム、リコール等の起因となった場合、多額の製品補償費用等の発生により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。当社グループはグローバルな製造物責任保険に加入しておりますが、損害賠償等の損失についてその全てを担保するものではありません。 3) 知的財産権当社グループは、新商品開発を通じて多くの新技術やノウハウを生み出しており、経営資源として活用しております。しかし第三者から当社グループの知的財産権侵害、または予期せず、第三者の知的財産権の侵害等が発生する可能性があります。特許出願による権利保護等の知的財産権マネジメントの徹底を図っておりますが、上記のような知的財産権の侵害が発生した場合、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 4) グローバル事業展開当社グループは、グローバルに事業を展開しており、連結売上高に占める海外売上高は50%を超えております。海外での事業展開に伴い次のようなリスクがあります。① 各国間もしくは各国税制の予期せぬ変化に伴うリスク② 米国通商政策等、国際貿易政策の予期せぬ変化に伴うリスク③ 各国法規制の予期せぬ変化に伴うリスク④ 人材確保の困難性⑤ 新興諸国における未成熟な技術水準や不安定な労使関係⑥ 各国での政情不安これらのリスクに対しては、グループ内での情報収集等を行い、その予防及び回避に努めておりますが、これらの事象が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 5) 情報セキュリティ当社グループは、社内規程整備に加え、従業員教育を通じて、適切な情報管理方法の周知・徹底に努めております。しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルス侵入等により、万一これら情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下や生産及び販売活動などに支障をきたし、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 6) 法的規制等当社グループは、事業活動を行っている国及び地域で各種の法令・規則(租税法規、環境法規、労働・安全衛生法規、独占禁止法・アンチダンピング法・贈収賄関連法規等の経済法規、貿易・為替法規、証券取引所の上場規程等)の適用を受けております。当社グループは、これらの法令・規則を遵守し公正な企業活動に努めておりますが、万一法令・規則違反を理由とする訴訟や法的手続において、当社グループにとって不利益な結果が生じた場合、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。また、これらの法令・規則が変更された場合や、予想できない新たな法令・規則が設けられた場合、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループが受けている訴訟については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結貸借対照表 注記事項(連結貸借対照表関係)3偶発債務(訴訟)」に記載のとおりであります。